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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

~このサイトのご紹介~ 魔性の淫楽への招待状

2026年03月22日(Sun) 21:12:01

はじめにお読みください。
一話読み切りのお話がほとんどですが。
吸血鬼ストーリーといっても。
「他では目にすることはまずないでしょう」
そう断言できるほど?変わった世界のお話なので・・・。

【付記】
弊ブログに登場する人物・団体はすべて架空のものであり、実在するかもしれない人物・団体とは何の関係もありません。
(2018.2.12念のため追加しました)

カテゴリの解説

2025年08月14日(Thu) 19:11:24

ひと言で吸血鬼ものの短編といっても、それこそいろんなお話が混在していますので。
カテゴリをちょっと、整理しました。
お話に共通のおおまかな設定については冒頭↑の「招待状」に書かれてありますが。
ちょっとだけ、付け加えておきます。

堕ちた病院 未亡人婦長と吸血鬼の恋・番外編

2019年12月02日(Mon) 07:48:43

はじめに
今年のまだ陽気の良かったころに描いていた、「未亡人婦長と吸血鬼の恋」シリーズの番外編です。
いま見たら、連載開始は5月23日でした。8月まで長丁場になって、その間泛んだ別のお話は、しばらくお蔵入りにしていましたっけ。
(^^ゞ


昭代の勤め先である病院の院長は、美澤という男だった。
齢のほどもわきまえず、若い女には目がないたちで、
いまだに若い看護婦を無人の病室に呼び入れては手籠めにしているという。
若い看護婦に限らず、病院の看護婦はほぼ総なめの実態――
そのなかには息子の嫁となった看護婦まで、含まれていた。
もちろん婦長をしている昭代がその標的とならないわけはなかった。

わるいことに。
彼の病院は、昭代の夫が生前務めていた会社の重要な取引先でもあった。
「ご主人の立場は私次第でどうにでも」
院長の殺し文句は、じつにわかりやすかった。
心ならずも院長の欲望に従った妻は、二度目以降はあくなき彼の欲望に屈したのだった。
昭代のなかでは、初めての不倫だったというけれど。
彼女は院長との交際を前向きにとらえて、「セックスだけではない、もっとまじめなお付き合いをしましょう」と、映画や美術館にも、自分から誘うようになった。
夫の大口の取引先との、家族ぐるみの付き合いという隠れ蓑をまとって。
昭代は夫の勤務中に、院長と示し合わせた逢引の場に、よそ行きのスーツをまとって足しげくかよった。
ふたりの仲は、もちろん秘密。
生真面目な夫を傷つけまいとする配慮を忘れずに、昭代はせっせと不倫に精を出して、夫を裏切りつづけた。
内助の功が償いになるのだろうか?と思わないことはなかったけれど。
数ある院長の情婦のなかで、もっともレディとして尊重されているという実感が、
昭代を院長との不倫から遠ざけさせなかった。

その夜の院長はいつになく、荒々しかった。
どうなすったんですか?
昭代は訊いた。
訊かなくても、こたえはわかっていたけれど。
そう、新しい女をモノにしたとき、院長はいつもこんなふうに、荒々しいのだ。
昂奮の余燼が、さめやらないのだろう。
そしてそういうときには必ずといっていいほど、昭代を相手に選ぶのだった。
相手はきっと、看護学校を出たての子――
真面目ですじの良い子だが、そういう子に限って男性経験があるものだ。
「やっぱり処女ではなかったようだ」
院長の独り言は、犯した女を咎めるものだった。
「いい気なものですね」
まるで古女房が夫の火遊びをたしなめるような口調で、昭代は応じた。

夫が亡くなったあと、昭代は吸血鬼と出逢って交際を始めた。
院長とは同時進行だった。
生真面目な昭代だったが、不倫を掛け持ちすることに、不思議と罪悪感は感じなかった。
相手だって自分の奥さんを裏切っているのだし。
吸血鬼はなん人もの人妻や娘を牙にかけているのだし。
彼女はしばしば、院長と逢ったその足で、吸血鬼のねぐらへと脚を向けるのだった。
下着とストッキングだけは、替えを用意して。

その夜の吸血鬼は、いつになく荒々しかった。
そういう時には決まって、新しい獲物をモノにしたあとのことだった。
きっと、昂奮が収まらないのだ。
どこかのだれかと似ている――と、昭代は思った。
「いま、なにを考えていた?」
「あたしのもうひとりの恋人のこと」
「俺に抱かれながら、不埒なものだ」
自分の不埒を棚に上げて、男はいった。
「そうね――でもそのひとって、あなたとよく似ているの」
きょうの獲物はどういう女(ひと)・・・?
女は訊いた。
「あんたの勤め先から出てきた、若い看護婦だ」
「看護学校出たての子ね?」
「そうかもしれんな。あろうことか、病院でセックスしたすぐあとだったようだ」
「相手は院長よ」
「たいしたことだ」
「あなたとはウマが合いそう」
「あんたの病院を、征服したい」
「またその話?」
「ああ、その話だ」
仲間がおおぜい、飢えている。なんとかしてやりたい。
俺がまだ人間だったころ、妻のことを襲わせてやったくらい、仲の良い連中なのだ、と、男はいった。
「不思議なたとえね」
昭代は笑った。
「私のことも襲わせる気?」
「俺の特別な女だといえば、犯しはしても鄭重に接するはずだ」
そうかもしれない――と、昭代はおもった。
彼らには彼らなりの礼儀やけじめがある。そんな感じが、彼の抱擁を通して伝わってくる。
「うちの病院、看護婦多いわよ。いまどきの病院は看護婦不足のところが多いんだけど」
「好色な院長に取り入ろうとする、さもしい女が多いというわけだな」
「院長の息子の若先生が、いい男なの」
「じゃあ女どもは、そっちが目当てか」
「院長のお手当てが目当てのひともいるわ」
「院長の女を横取りするには、どうすればよい」
「そんなこと、自分でお考えになったら?」
「なあに・・・」
男はほくそ笑んでいる。
もうきっと、あらかた見当はつけているのだろう。

男の狙いは、昭代にとって意外なところにあった。
院長夫人だった。
堅物で知られた、齢59にもなるそのご婦人を、男はみごとに篭絡していた。
院長夫人もまた、ためらいながらも、初めての不倫に応じていった。
地元の名士である院長は、夫人の不適切な交際を、むろん好まなかったが。
醜聞が拡がるのを恐れて、夫人と吸血鬼との交際を黙認することにした。
吸血鬼はいつものように、院長が夫人をプレゼントしてくれたのだと自分に都合よく解釈をして、娘たちの目を気にする夫人のために、しばしば夫人を病院に招いた。
院長のはからいで空けられた、病棟の一番奥の病室が、2人の濡れ場になった。
娘の目を気にしないで済むためには、むろんべつの方法もあった。
吸血鬼はためらいもなく、それを実行に移した。
病院で女たちの足許から抜き取るのは白のストッキングと相場が決まっていたはずが、
院長夫人の肌色のストッキングや、娘たちの学校帰りのハイソックスが交じるようになった。
妻の貞操や娘の純潔を台無しにされるのを横目に、院長はせっせと看護婦たちを篭絡し、愉しい夜は、ときには昼を過ごしていた。
昭代が言ったとおり、二人は似た者同士だったので、ウマが合ったらしい。
お互いはお互いの獲物に無用の口出しをせずに、まるで当番制のように、獲物を取り替え合いながら、病室のベッドを濡れ場にしていった。
院長の息子は生真面目な男で、彼のおかげで病院がもっているようなものだった。
父や新来の患者が看護婦たちや、自分の母親や妹たちまでも病室に引き込むのも、視て視ぬふりをして、本業に熱中した。
病室に引き込まれる看護婦たちのなかに、自分の妻が混じっていることは、吸血鬼が来る前から視て視ぬふりをしていたので、
若い嫁が父の親友と良い仲になることも、しいてとがめだてしようとはしなかった。

病院が吸血鬼たちの楽園と化すまでに、一箇月とかからなかった。
あとからあとから入り込んでくる吸血鬼に、院長はさすがに辟易したけれど。
病室に呼び入れられた夫人がおおぜいの吸血鬼たちに輪姦されて悦ぶところを目にしてしまうと、すぐにおとなしくなった。
その病院に勤める看護婦の頭数プラスアルファの数の女たちは、あっという間に吸血鬼と院長と共有物と化していた。
余分な人数は、院長夫人や若先生の奥さん、それに院長の娘まで含まれていえる。
若先生も娘婿も、吸い取られたばかりの血を首すじにあやしたまま、
妻たちが吸血され犯されるありさまを、ただすくみ上って見ているだけだった。

昭代も、彼の仲間のなん人かのお相手をした。
すっかり操は汚れてしまったが、いまさらどうでもいいことだった。
あのひとのために汚したというのなら、亡き夫もきっと許してくれる。
そんな確信があった。

情事を終えて帰宅した真夜中過ぎ、昭代は決まって夫の写真に手を合わせる。
「あなた、視てたでしょ?」
優しく咎める言葉つきに、夫の写真はちょっと申し訳なさそうな笑みを泛べるだけだった。


2019.7.21構想

前作のかいせつというか独り言というか。

2019年10月18日(Fri) 11:41:45

人さまの作品に触発されて描くことは、めったにありません。
作品というものにはそれぞれ強烈な主張や個性があるので、
真似ようとすればそれに引きずられるか、それ以下のものにしかならないケースが多いと思います。
二次創作で成功している人って、本当にすごいと思います。

またそもそもが、柏木ワールドと似たような空間を描いている作品というのは、私の知る限りでは皆無だと思います。
(pixivにいらっしゃる霧夜さまは、時おり柏木ワールドを二次元世界にしてくださいます。まあなんとありがたい♪)

まあそういう意味では良くも悪くも弊ブログのオリジナリティは高いのですが、
それでもやっぱり、なにかに触発されて描くということが、まったくないわけではありません。
それはふと耳にした、たった一言の言い回しだったり、ふと目にしたドラマのワンシーンである という意味では、
やはり創作というものが何物かからの影響力から全く自由であるとは言えないと思います。
もちろん、すべてを換骨奪胎してしまって、まったくの柏木ワールドに作り替えちゃうのは、いつものことですが。


先ほどあっぷをした下記のお話は、比較的人さまの作品に触発された度合いが大きいかもしれません。
それは、先日初めて目にした、↓のドラマです。

「中央流沙」
https://www.youtube.com/watch?v=RDAU2JuSnu4&t=66s
(この大作と私の描いたヘンなお話とは本来なんの関係もございませんので、原作者のお名前等詳細はリンク先をたどってみてください)

以下は多少のネタバレを含みますが、
官庁の汚職にまつわる疑惑を黒々しく描いた、この作家さんとしては珍しくバッド・エンドに近いストーリーです。
ドラマだけがそうなのか?と思ったら、どうやら原作もそうらしい。ちょっと意外でした。

特に巨悪に巻き込まれ自殺に見せかけて殺害された役人の妻のひょう変ぶりには、ちょっとぞくっと来るものを感じます。
いかにも質素な暮らしぶりの嘆きの未亡人が一転して、
自分の夫を罠にかけたかもしれない、年老いた巨悪の親玉と、おそらくそれとは知らず寄り添うようにして官庁に現れるというシーン。
身に着けた真っ赤なスーツに、セットしなおした艶々した黒髪に、
二人の関係を連想させる何かがあると感じるのは、決して読み過ぎではないはず。
未亡人の暮らし向きも、息子の成績もよくなり、そこだけは遺影の中の人の希望どおりには、いちおうなっている。
先ほどバッド・エンドと描きましたが、見方によっては不思議にハッピーエンドにもなっている。
巨悪が一人の人間の人生を呑み込んだあともまた、今までと同じ日常が、なにもなかったかのようにくり返されてゆく というあたりは、柏木としてもツボでした。

私のお話のほうはというと、このドラマの社会性というものには一切目をつぶり、ひたすら未亡人の行く末だけに狙いを定めています。
まあいつものパターンといえばそうなのですが、夫が一時的にしても吸い殺されてしまうというのは、柏木ワールドでは異色かもしれません。
ここは、「夫を殺したかもしれない男と萌えちゃう♪」というプロットを、しっかり頂戴しました。^^

ドラマでは、くだんの未亡人は、一連の疑惑がもみ消されたことを、
「でも容疑は晴れたんでしょう?捜査は中止なんだから」
と、他人ごとのようにたったひと言で片づけてしまっています。
亡き夫を軽んじているわけでは決してないのですが、完全にアチラ側に取り込まれてしまっている。
ゾクッと来るくらい不気味なものを感じさせる場面です。
この辺りは、実際には彼女は事件の真相を知らないわけですから、
ある程度状況を理解したうえで吸血鬼の愛人となってゆく市間々和代とは似て非なる展開というべきでしょうか。

柏木オリジナルとしては、
ヒロインである人妻に黒のストッキングを穿かせる(喪服をまとわせる)というそれだけのためにダンナを殺める――という、
本末転倒過ぎるやり口にも、吸血鬼のフェチぶりを込めてみました。
物堅いご夫婦は、妻の、ないし自身の浮気を現実なものとして考えることができません。
そんな彼らを夫婦ながら堕とすには、ご主人にはいったん消えてもらい、奥さんを未亡人にしたうえでイタダいて、
あきらめがついた?ないし納得がいった?時点でご主人を生き返らせて、
不倫女房と寝取られ亭主のカップルに作り直す・・・というストーリーです。
情事の時に裂かれた服をお布施がわりにする という上流婦人たちのくだりも、ちょっとこだわって挿入してみました。

隣室の奥さんを巻き込んでしまうお話もまた、柏木ワールドならでは?のオリジナルです。
この奥さんも、実はドラマに登場しています。
やはり質素で物堅いこちらのご夫婦の名誉のために言い添えると、ドラマではもちろんこんなことにはなりません。
ただしドラマでは、ご主人も一連の疑獄事件に巻き込まれかかるので、
へたをすれば殺害された隣室のあるじの二の舞い、
奥さんも巨悪の二号か三号にされてしまう危険性を孕んでいたのは確かだと思いますが。

ドラマの話と柏木ワールドと、話題が行ったり来たりの読みづらい文章になってしまいましたが、
さいごにひと言言い添えると、柏木が視たドラマは、昭和版です。
家のなかでもスカートを着けている主婦、ハイソックスをひざ小僧まで伸ばして履いている女の子、
そんな端々の情景が、それ以降のものとは比べものにならないくらいの奥深い風情を添えているように感じます。

吸血鬼たちの”前世”

2019年10月06日(Sun) 08:04:34

自身も首すじから血を流している吸血鬼――見かけたことはありませんか?
そういうシーンを目にするとき、決まって想像するのは、
「彼(彼女)が人間だった時には、どんなふうに襲われたのだろう?」
という点です。

もともと彼(彼女)は人間だったはず。
そして喪われた血液を再びわが身にめぐらせるため、今度は夜な夜な血を求めて徘徊するように――

かつて人間だったとき、どんな想いで血を吸われたのか。
いま吸血鬼となって人間を襲っているとき、どんな想いで相手を愉しんでしまっているのか。
そしてそのとき襲われている彼(彼女)は、どんな想いで血を吸い取られていったのか。

”想い”と”想い”とが交錯する瞬間。
そういうものを描いてみたいと、非常にしばしば思います。
「これぞ!」と思えるものはまだ、描けておりませんが。。。

え?
襲うときには獣になっていて、相手のことなんか考えていない?
もちろん、そういうお話のほうが多いのです。
ココでは、襲うほうと襲われるほうとが、お互いコミュニケーションをとりながら、
襲ったり襲われたりしますので・・・(笑)

怒涛。

2019年09月28日(Sat) 10:43:48

きのうの朝。
構想が止まらなくなってしまいました。
お話があとからあとからわいてきて、たまたまPCをいじれない状況にあったのに、ケータイに文字を打ち込み続けていました。
以下にアゲたお話は、すべてそのときのものです。
ほかに、うまく続かなくなって途中で投げたお話が3話ほど。
あっぷするときに若干いじったお話はありますが、ほとんどは誤字を訂正したくらいです。
いったいあれば、なんだったのでしょうか?

お隣のご夫婦の後日談 または、”ピュア”だった過去

2019年09月17日(Tue) 07:55:31

パパには、仲良しの小父さんが5人います。
5人はいつも連れだってうちに遊びに来るので、小さいころからの仲良しです。
さいしょのうちはみんなでリビングに集まって、楽しくおしゃべりをするのですが、
そのうちにパパとママは寝室に姿を消して、小父さんたちはかわるがわる、ママと仲良くするんです。
そんなママのことを、パパは好きなお酒を片手に笑って見守っているし、
ぼくとも交代で遊んでくれるので、悪い気はしません。
それがいけない行為だとわかったのは、だいぶたってからのことです。
それがいけない行為だとわかった後も、ぼくは思うんです。
小父さんたちとは、「いけない行為」を許し合っているほど仲良しなんだって。
ぼくが大人になってお嫁さんをもらったら、ママと同じように、仲よくしてもらいたいと思います。
早く大人になりたいです。


子どもの作文は、怖いですね。
隣のご主人は、そういった。
初めて奥さんを捧げた動機は、子宝が欲しかったから。
望み通り子供を得て、産んで育てて、子供が育ったころ、ご夫婦には不思議な願望が芽生えていた。
もういちど、あのひとたちと結ばれたい。愉しみたい。
衝動のままに受話器を取って、彼らがなだれ込んでくるのに、30分とかからなかった。
PTA帰りのきちっとしたスーツを剥ぎ取られてゆく妻に、ここまで昂奮するとは思わなかった――
ご主人は、初体験の告白を私にしたときと同じ恥ずかしそうな口調で、そう告げる。

昔はピュアだった。
そう語る人たちの多くは、ピュアな過去が善でそうではない今を悪だと決めつけることは少ない。
息苦しいほどピュアだったお隣のご夫婦は、どうやら一線を越えてしまったらしい。
そして、一線を越えたことを必ずしも忌んではおらず、むしろ悦んでいるらしい。
次の世代にまで影響を与えつつあることをすら、むしろ悦んでいるらしい。

3連作。

2019年09月17日(Tue) 07:36:37

久しぶりに”やる気”が湧いたと思ったら、3つもあっぷしてしまいました。
(*^^)v
いつものことですね。
(^^ゞ

吸血鬼の支配を受け容れた街に住む夫たちの、人それぞれのありかたを、さらっと描いてみました。
生真面目な夫婦は襲われない。
なのにうちは、真っ先に襲われて、愉しんでしまった。
同僚の奥さんに想いを寄せていたのを、自身の妻の貞操と引き替えに、実現してしまった。
そんな夫たちを、必ずしも責められないような気がします。

さいごの事例はちょっと特殊。
せっかく生真面目ぶりを認められて、奥さんを襲われることを免除されていたのに、
自分から願って輪姦されてしまっています。
周囲の空気が伝線した、というのは、主人公の思い込みです。
夫婦はどうして直前まで話し合ったのか?
じつは、子供が欲しかったんですね。
輪姦マニアの吸血鬼5人組は、ご夫婦の真の希望をきいていたのでしょう。
希望は間もなくして、好意的に実現されます。
この5人組、主人公の母親のこともモノにしちゃっているようですが、
こちらのご家庭で子宝の話が出てこないのは、決して年齢だけの問題ではないようです。

どうしてわざわざ輪姦などという、まがまがしいものを選んだのでしょうか?
人は、気の進まない行為を多少無理して受け入れるときには、あえて過激な方法を択ぶことがあるようです。
それともうひとつは、
本当の父親がわからない形で、奥さんの妊娠を望んだのかもしれません。

今回は久しぶりに、自動筆記のように話がさくさく進みました。
(このブログはミラーサイトを持っているのですが・・・なぜかミラーサイトに入力する方がさくさく進んだ)
こういうときは、登場人物の真意を考えている時間すら、柏木にはなかったりするのです。
書き上げた後から、「あ、そういうことなのか」な感じ。
読みふけったミステリの謎が解けたときみたいな、ちょっと嬉しいひとときです。(^^)

貞淑だったはずのお隣のご夫婦も・・・

2019年09月17日(Tue) 07:25:57

とうとう捧げちゃいましたよ。
恥ずかしそうにそう語るのは、お隣のご主人。
吸血鬼が我が物顔にはびこるこの街で、妻を襲われなかった稀有な存在。
真に受けられると始末が悪い。
そんな思いがあるものか、この街を支配する吸血鬼は、無理強いは決してしない種族だった。
この街が吸血鬼を受け容れて、かれこれ2年ほど経って。
お隣のご主人も、そういう気持ちになったのだろうか?

決してね、”周りがみんなしていることだから”とか、そういうことではなかったのですよ。
言葉少なではあったけれど。
だれかに想いを聞いてもらいたいのだろう。
同じ市役所の職員で、吸血鬼受け入れの窓口に配属されたわたしが、
率先するように妻を捧げた事情を話した後に、彼の口をついて、そんな言葉が洩れてきた。
周囲の猥雑な空気が彼に伝染し、彼の妻にも伝染し、
いけない種子は夫婦の心の中に巣くってから長いことかけて、妖しい花を咲かせたのだろうか。

奥さんを”公開”する直前まで、夫婦で遅くまで話し合ったという。
”隣のご夫婦”であるわたしの事例も、考慮の対象とされていたと聞いて、ちょっぴりくすぐったい思いがした。
彼の奥さんをしんけんに堕としたがっている吸血鬼が、ご主人に向けて熱心にアプローチしたことがきっかけだった。
その吸血鬼は賢明にも、ご主人が許すまで、奥さんとは言葉さえ交わそうとしなかったという。
アプローチは、街が吸血鬼を受け容れた直後からひそかに続けられて、2年越しでやっと実を結んだという。
貞淑妻を堕落させるための計画は2年越しで継続されて、
生真面目で評判のこの市役所職員は、2年計画で市の方針を受け容れた。

ご主人はちょっぴり照れくさそうに、わたしに漏らす。
さいしょはね、そのひとだけだという約束だったのですよ。

わかりますわかります。わたしの母のときもそうでした。
”この齢まで守り抜いてきたものを汚すのは気が引ける、できればお一人だけにしてほしい”
そういって母は、母を熱烈に望みつづけたお一人にだけ許したという。
それでも母は、いまや妻をも超える7人もの愛人の持ち主。
どうしてそんなにこなせるかって?
うち5人は、輪姦専科なのです・・・

隣のご主人は、さらに照れくさそうに告白する。
いまではね、家内には5人、いるんです。
その5人は輪姦マニアでしてね、(おいおい、どこかで聞いた話だぞ)
わざわざわたしがいる自宅にやって来て、妻の献血を受けるんです。
犯される妻を見て昂ることができるなんて、夢にも思いませんでしたけれど。
いまではわたしのほうが熱心に、妻を犯してくださいと連絡を取っているありさまです。

熱心にアプローチしてきた彼も、さいしょからそのこんたんでした。
彼の願望は、わたしの妻を我がものにしたい・・・というだけではなくて、
わたしの妻を、みんなで輪姦(まわ)したいということでしたから。
お互いの利害が一致して?いまでは愉しくプレイをしています。

子宝に恵まれないまま、10年も夫婦をやってきましたけれど、
妻にあんな願望があるだなんて、知りませんでした。
わたしにこんな願望があるだなんて、わかっていませんでした。

先日、夫婦して産婦人科に行きました。
わたしが原因で子宝に恵まれていなかったのですが、
3か月の診断をもらったんですよ。
もちろん、産んでもらって育てるつもりです。
彼女もわたしも、子供が欲しかったので。

黒の日。

2019年09月08日(Sun) 06:05:45

黒の日。
それは表向き円満な家庭に、妖しい蔭のさす日のこと。
日頃仲のよろしくない嫁と姑は、意味深な含み笑いを交し合って、席を起つ。
父親と息子は、そんな妻たちをなにも言わずに見送って、ちょっとだけ目を合わせ、そして目線をそらす。

しばらくして現れた女ふたりの装いは、申し合わせたような黒一色ののブラックフォーマル。
「アラ、派手じゃない?」
姑は嫁の足許をひと目みて、嫁の若さをちょっとだけ咎めた。
嫁は漆黒の重たいスカートの下に、網タイツを穿いていた。
「アラ、お葬式じゃないんだし、良いじゃないですか?」
口許に滲ませた白い歯が淫蕩に輝くのを、若い夫は見逃さなかった。
「困った方ネ」
と言いながら、姑もそれ以上の追及はしなかった。
いつにないあきらめの良さは、きょうが「黒の日」だからに違いない――と、夫ふたりは思った。
「お義母さまはいつも、地味めなんですね」
姑の足許は、無地の黒ストッキングに淑やかに染められている。
薄地のストッキング蒼白く透けたふくらはぎがなまめかしかったが、だれもがそのことは口にしなかった。
「こういうほうが・・・そそるのよ」
控えめに口にされたさいごのひと言が、皆の鼓膜にしみ込んだ。
ひっそりとした語調が却って、言葉の裏側に潜む淫らなものを惹きたてていた。

「では、まいりましょうか」
嫁に告げる姑に、
「お願いします」
嫁はいつになくしおらしく、頭を垂れる。
いそいそと玄関口でパンプスをつま先に通す妻たちを、男ふたりはひっそりと見送った。

妻たちが赴こうとしているのは、「法事」と称された、吸血鬼たちの宴。
女たちの身体をめぐる血潮は美酒のように扱われ、
淑やかに秘めつづけていた貞操を娼婦のようにあしらわれる。
そんなまがまがしい行事が、いつの間にか日常の習慣と化してしまったこの街で。
妻たちを責めるものも、夫たちを嘲るものも、絶えて姿をひそめている。


あとがき
嫁と姑が申し合わせたように、黒一色の装いで出かけてゆく。
なんの変哲もない法事の朝の風景の裏に、淫らな想像を重ねてみました。
9月6日は「黒の日」だそうです。
知人に言われて知ったのがつい昨日のこと。
前作をあっぷしたらむらむらと構想が湧いてきて、思わず走り書きしてしまいました。
(^^ゞ

「構想」の意味。~前二話のかいせつ~

2019年09月01日(Sun) 06:43:46

先月で一応終了したシリーズの合間に描きかけたお話がだいぶたまっているので、時折それをあっぷすることにしました。
今朝はとりあえず2作――どちらも寝取られモノの要素が濃いお話です。

「母と姉と悪友たちと」
ちょっと質の悪いエロDVDみたいな内容になってしまいました。(^^ゞ
母親寝取られの願望のある少年の悪友たちが、美母をまわしてしまい、さいごに息子までもが近親相姦に狂ってしまうお話です。
鬼畜ものが嫌いなせいもあって、ワルたちにも最低限の礼儀や思いやりを添わせてやりました。
その結果、襲われた母親や姉妹たちも、すすんで身体を開くことに。
周囲の大人たちも、自分の妻をまわされてしまってるのに、息子やその悪友たちの所業を「若気の至り」と見なして、おだやかにスルーしていきます。
特に獲物にした若い娘に対しては、さいごに皆で「責任」を取ったようです。

性にゆるい慣習のある街では、互いにそれと知りながら、親友が母親とできていたり、乱交の場で実の妹を襲ってしまったり・・・そんなこともあったとかなかったとか、聞いたことがあります。
互いに許し合い、良い想いだけを共有できるのなら、そういう世界もありなのかな・・・と、ひそかに(あからさまに? 笑)思っています。


「半吸血鬼の特権。」
お盆に合わせて作ろうと思いながら、間に合わなかったお話です。 (^^ゞ
半吸血鬼になった祖父が、貧血に悩む孫のまえに現れて、
「吸ってもらえる血があるということは、良いことなのだ」と諭します。
そのシーンを真っ先に、思い浮かべました。

美女を襲って血を吸う吸血鬼になりたい願望を持つ殿方は、意外に少なくないかもしれません。
だって、美女を公然と襲えるんですからね。^^
でも、血を持っているというのも実は特権で、吸われる快楽を味わうことができるという点も、ありなのかなと思っています。
前作で母親をさいしょにまわされてしまうヒロシくんのように、「身内の女性が襲われるのを視たがる」男性も、じつはいないわけではありません(現実にそれをやったら、非常に危険なことの場合がほとんどでしょうけれど―― 一応警告)
そういうタイプの男性の場合、「その身に彼らが好んで吸う血液を宿している」ことは、吸血鬼になってしまう以上の特権なのだと思います。

祖父と孫との対話に行きつくまでの前置きが、しょうしょう長すぎたかもしれませんね。
息子も娘も妻までも襲われた夫が、潔く敗北を認めて、そのしるしに自分まで咬まれてしまう――という図式は、まえにどこかでも使ったと思います。
母娘が餌食になるお話は数えきれないほどありますが、そういうシチュを目にしたときについ夫(父親)の立場を考えてしまう私。
さいごまで知らないまま、というのもどこか煮え切らない感じだし、
すべてを知ることで地獄を見てしまうという展開(ふつうはこういう結論しかないですよね)は、もっと嫌。
けっきょくここでの”定番”は、「夫も吸血鬼と意気投合して、不道徳な関係を許したうえで、自分まで愉しんでしまう」という図式になります。

主人公の男性が最初に襲われるのは、バブルの時代を想定しています。
この時代には、やや年配のビジネスマンのなかにはストッキング地のハイソックスを履いている人が少数ながらいました。
それから、若いOLさんは、てかてか光る光沢入りのストッキングを穿いている人が、ふつうにいました。
初めて目にしたときには、生真面目なOLが娼婦をしているようで、かなりドキドキしたものです。

いま、あっぷしたのは・・・

2019年08月28日(Wed) 04:15:57

過去の下書きの翻案です。
といっても、てにをはを直しただけですが・・・
未亡人婦長の話を連載しているときに、それ以外のプロットもつれづれに思い浮かんでいたのですが、
話が切れ切れになるのもどうか?と思ってあっぷを見送ったものが多少あります。
気が向いたら、時折あっぷします。

このところ、

2019年08月28日(Wed) 03:56:55

いちど描きはじめると妙に長くなってしまって、続編まで描きかけてしまって、
ふと気がつくと途中で止まってしまっている――そんなことが続いています。
そういうのはたいがい、モノにならなくて、非公開で終わっちゃうんですよね。。
もっともいまアゲた二作は、即興で描いちゃいましたけど。

呼び寄せられた”血”

2019年08月28日(Wed) 03:42:24

マゾなカップルがいた。
新婚旅行先で迷い込んだ村で、若い衆の口車に乗って村はずれの納屋に連れ込まれ、
彼氏の前で彼女がまわされてしまった。
罪滅ぼしにあてがわれた無料の宿で話し合った二人は、
お互いが昂奮してしまったことを認め合い、
彼らのたまり場に再び出かけていって、またもや彼氏の前で彼女がまわされてしまった。
それ以来毎月のように、二人はその村に出かけていって、休日を過ごすようになった。

頭だった男が提案した。
今度ご家族を村に招ばないか。
一週間タダで泊らせてやるよ。
さすがに彼氏は躊躇したけれど、
「好さそうじゃない、お義母さんとかお義姉さんとか招んじゃおうよ」と彼女はいった。
彼氏は親せきで集まったある晩、夜這いのある村に招待されているといったところ、
意外にも両親も兄夫婦も行ってみたいと言い出した。
「怖くなったら逃げれば良いじゃん」というのだ。
そして、どちらの夫婦も彼氏・彼女と同様、まるまる一週間田舎暮らしを満喫した。
頭は母も義姉も味わったあと、彼氏にいった。
「血が呼んだんだよ」と。

両親は村に転居して、驚いたことに大企業に勤めていた兄までもが、兄嫁を連れて村に移住した。
さいしょの彼氏と彼女だけが意外にも、都会に残った。
彼女の実家が、まだ残っていたからだった。

≪紹介≫未亡人婦長と吸血鬼の恋 いちおうの完結

2019年08月18日(Sun) 07:14:38

このところずっと、ひとつのプロットで描いていました。
5月23日にあっぷした「看護婦ですから。」を皮切りに3か月続いた、「未亡人婦長と吸血鬼の恋」ですが、
ここでいちおうの完結にしようと思います。

夫を亡くした婦長さんが出勤途中に吸血鬼に生き血をねだられて、律儀にも帰り道で待ち合わせて応じてゆく。
それを見つめる夫の霊は、ふたりの仲を嫉妬しつつも許してゆく。
そんなお話でしたが、娘が出てきたり、息子の嫁が出てきたり、かなり手広い話になってしまいました。
死後も意識があって、吸血鬼の情夫を妻が無防備に受け入れてゆくのを見守るだけの夫というシチュが、かなり気に入っていたので・・・

ほんとうは、夫の生前から交際していた浮気相手の妻たちが堕ちていって吸血鬼の血液供給者にされてしまう話とか、
処女の血をささげ続けた婦長の娘さんに求婚者が現れて、
それでも彼女との結婚を熱望するあまり、吸血鬼に未来の花嫁の純潔を与えたり、結婚後の不倫関係も認めたりしてしまう話とかも、少し描きためてはいたのですが。。
それらはいずれ近いうちに――ということにしておきましょう。

一連のお話は、途中の割り込みなしで、えんえんと続いておりますので、よろしければ三か月前の記事に戻って最初からお愉しみいただけると嬉しいです。
(^^)

このごろ。

2019年06月28日(Fri) 06:49:20

善良な紳士が吸血鬼と分け隔てなく接し、
熟れた人妻や初々しい生娘の生き血を欲しがる彼らのことを、
自分の家庭に招き入れてしまう。

とか、

しっかり者の妻が、夫の招き入れた吸血鬼に気丈に接し、
善意の献血に応じていって、男女の関係を強いられて。
最初は厭々ながらお相手を務め、長年守り抜いた貞操を捧げた挙句、
やがて夫の理解と相手の熱意に背中を押されほだされて、
時には夢中になって娼婦のように堕ちてしまう。

とか、

結婚前の生娘が、婚約者のすすめるままに吸血鬼の抱擁に身をゆだね、
処女の生き血を惜しげもなく吸い取らせ、
挙式の前夜純潔まで散らしてしまう。

とか、

新婚妻を狙われた若い夫が吸血鬼に友情を示して、
淫乱な過去を持つ気の強い妻を自分から引き合わせ、
目覚めてしまった新妻の不倫の恋を成就させる手引きをしてしまう。

みたいな、
折り目正しい一家が一人また一人と堕ちていって、
うわべは品行方正な日常を守りながらも、
時には娼婦となり、NTRな夫に悦んで成り下がってゆく――
という展開のストーリー。

昨今は同じようなものばかり描いていますが、
どういうわけか指がひとりでにキーをすべるようにして、止めることができないでいます。
いまのお話、どこまで続くかわかりませんが――
いましばらく、お愉しみのほどを。^^

放送の途中ですが・・・ネット記事から:「新郎が花嫁の不倫を結婚披露宴で暴露」

2019年06月23日(Sun) 09:12:02

長々と描いてきたお話をちょっと中断して(本気の中断にならなければよいが・・・)、昨日見つけた気になる記事をご披露しますね。

「新郎が花嫁の不倫を結婚披露宴で暴露」
ttps://joshi-spa.jp/921269

内容はリンクに譲りますが、この花嫁は勤め先の上司と不倫していて、半同棲状態だった新郎との新居にまで引き入れていたそうです。
新郎がこれに気付いたのが挙式間際のことで――笑えない話ですね。。。

長年連れ添った妻や花嫁の不倫を薄々察しながらも関係を許し、自らも昂りを感じてしまう。
・・・というのがいま描いているお話のおおすじなのですが、
にもかかわらずなぜか、真逆の対応となったこの記事を読んで感じた爽快感?はなんなのでしょう?
もちろんこんなドロドロはないに越したことはないのですが、
たぶんこれが新郎の取り得る最善の対応だったのだろうと思います。
妻の婚外交際を認めることなどありえないという大多数の男性であれば、
こんな状態は生き地獄以外のなにものでもないですからね。
横着な上司殿やパートナーをしれっと裏切りつづけた花嫁の末路は悲惨なのですが、そりゃそうだよねえと思ってしまいます。

え?柏木の描いている話とどこが違うのかって?
・・・ぜんぜん違うではないですか。(^^)
まだまだこの世界のお話を、読み足りていないごようすですね。。(^^)

――というわけで、ちょっとまともなことを描いたすぐあとは、またまた異常な世界に逆戻りしようと思います。はい。

ぼくはハムレットになれない

2019年06月20日(Thu) 07:09:33

華恵さんをこの家に連れてきてはいけません。
私、いまは父さん以外の男のひととつきあってるの。
その人は吸血鬼で、いつでもこの家に出入りできてしまうの。
私が、その人を家にあげたからよ。

加代子も血を吸われるようになって――
でも心配しないで。
あの子も私も、すすんでそういうふうになったんだから。
私はあのひとになん度も血を吸い取らせてあげて、
その時の態度であのひとの人柄を見極めて、
それから、あのひとを家に上げるまえに加代子の考えを聞いて、
加代子はその時、ぜひ逢ってみたい、私も献血に協力するって言ってくれたの。

襲われるといっても・・・みだりに犯されてしまうわけではないのよ。
あのひと、処女の生き血がお好きだから。
だからあの子はまだ安心なの。

でも、華恵さんの場合は、そうはいかないわ。
だって、処女ではない女のひとの血を吸うとき、あの人は必ず、エッチなことをしてしまうんだから。
どういう意味か、もう大人なんだからわかるわよね・・・?


ここしばらく、両親の家に帰っていなかった。
父さんがいなくなってから、我が家は火が消えたようになって、
生前は優しすぎて影が薄かった父さんの存在感が、実は大きなものだったのだと、いやがうえにも思い知らされていた。
結婚してそろそろ1年になる妻の華恵を連れて実家に帰ると、その時だけはほんの少しだけ座が華やぐのだけれど。
辞去したあとの実家にふたたび辛気臭い空気が漂い始めるのを、予感しないわけにはいかなかった。

それが、先日一人で実家に行くと、母さんがぼくを陰に呼んで、そんなことを口にしたのだ。
吸血鬼がどうのなんて、たわごとにしか聞こえなかったけれど。
母さんに交際相手ができた――
息子としては、複雑な気分だった。
加代子は同じ女同士で、まだ恋愛を知らない娘らしい浮ついた気分から、むしろ母親に彼氏ができたことをうきうきはしゃいで受け止めているようだったけれど、
ぼくにはちょっと、難しかった。
ハムレットの心境とは、こういうことをいうのだろうか?
たしかに母親の情夫など、吸血鬼みたいな存在かもしれない。


その人と初めて目が合ったとき、開け放たれたふすまの向こうから、その人は慇懃に会釈を投げてきた。
ぼくも、引き込まれるようにして、彼に劣らず丁寧な会釈を返していた。
母親を日常的に犯している男。
そして、いつかはぼくの妻の華恵さえもモノにしかねない、危険な男。
そうと知りつつも、どうしてあんなに穏やかな初対面を迎えることができたのか、いまでもよくわからない。
けれども、近い将来華恵が彼に生き血を吸われ、
彼の手で犯され堕とされてしまうであろうことを、
夫としてありありと予感してしまったことは、間違いなかった。


家に戻ると華恵が、黒い瞳をイタズラっぽく輝かせて、白い歯をみせた。
「結婚して一年経ったら、浮気しても良いっていっていたよね?」
そう――容姿に優れた彼女はいつも周囲に男を侍らせていて、ぼくには遠い存在だった。
ぼくもまた、父親ゆずりの地味な男だったから。
そんなぼくが彼女に向かっておずおずと、結婚を前提にした交際を申し込んだとき、彼女は言ったのだった。
「私、結婚しても男友だちとは付き合うタイプの女だよ?
 それでも信じてくれる?
 たまにあなたのことを裏切るかもしれないけれど、大人になって許してくれる?
 もしも許してくれるのなら・・・
 私、心の底ではずっと、あなたの妻でいられるような気がするの」
――それを条件に、ぼくたちは結婚した。

事実彼女には過去に複数の恋人がいて、
そのうち少なくとも二人とは、結婚後も同時並行の形で付き合っていた。
たぶん、肉体関係を伴うお付き合いだった。
だから、「一年たったら浮気を認める」というぼくとの約束は、別の意味でさいしょから反故になっていた。
ぼくが反故にしたいと願うのとは、正反対の意味で。
時には朝帰りになる飲み会の途中に、ホテルでの休息を挟んでいたとしても、なんの不思議もなかったけれど。
魅惑的な彼女にぞっこんだったぼくは、彼女が居心地の良いように、寛大な夫でいつづけることを決めていた。


そういえば。
母さんにも昔、交際相手がいたっけ。
学校から早退してきたときに、お仏間からはぁはぁという声が漏れてきて、
細目に開けたふすまの向こうで、母さんがあお向けになって男のひとに組み敷かれていて、
だらしなくはだけたブラウスの襟元から、おっぱいをまる見えにさせているのを、
ぼくはびっくりして声もなく、ただ見つめつづけてしまっていた。
日頃厳しい母さんの、そんなふしだらなところを目にするとは思いもよらなかったから。

「いつもきちんとしなさい」
「もっと男らしく、しゃきっとなさい」
「男なんだから、言いたいことはちゃんと言いなさい」

そんなふうに躾けられてきたぼくにとって、
母さんのふしだらな寝姿に、ギャップを感じるしかなかったけれど、
そのギャップは決して居心地の悪いものなどではなくて、
むしろぼくは、母さんの浮気現場を、ワクワク、ずきずきしながら、のぞき見してしまっていた。

早退してのぞき見をくり返すぼくのことを、少なくとも2人いた情夫さんたちは、それとなく察していたみたいだけれど。
父さんに告げまいとしたぼくと、だれかに情事を見せつけたいという情夫さんたちとの利害は案外一致していて、
お互い知らんぷりをしながら、
片方は母さんのスカートの奥に腰を迫らせて、
もう片方は厳しいはずの母親の、ふしだらな不貞シーンに胸を焦がしていた。


ハムレットは母親が父王の弟と再婚したことに我慢がならなかったけれど。
ぼくはハムレットにはなれないのだと、ふと思った。
かりに振られた役柄が、父王のほうだとしても。
自分の立場とお妃と、生命までも。すべて弟に奪われてしまうというその役柄を、
もとのお芝居の趣旨とは裏腹に、歓びを含んで演じ切ってしまいそうだった。
男としては、情けない心情だと思ったけれど。
「もっと男らしくなさい」
母さんの戒めが、いまさらのように胸に響いた。
「男なら言いたいことをはっきり言いなさい」
そう叱られつづけたぼくが、初めて母さんに
「やっと言いたいことを言えたのね」と褒められたのは。
皮肉にも、その人を華恵の交際相手として、悦んで受け入れると確言したときだった。


華恵が仕事に就いているうちは、徹夜の飲み会もふつうにあったけれど。
仕事を辞めて家に入ったら、そういうこともなくなるかもしれないと思っていた。
けれども仕事を辞めてからも、徹夜の飲み会はしばしばあって、
そのたびごとにぼくは、独りきりの、熱っぽい妄想の闇に包まれた夜を過ごすのだった。
華恵は帰宅途中に、きっとホテルを経由している。
その証拠に、自宅からいそいそと出かけていくときに脚に通していたはずのストッキングが、微妙に色違いになっていた。
そんなこと、華恵にいちいち指摘することは、とうとうなかったけれど。
色違いのストッキングを脚に通して何食わぬ顔をして帰宅する専業主婦を、
家で胸をずきずきうずかせながら待ちわびていたことは・・・いまなら告白できるだろう。
案外と。
色違いのストッキングを脚に通して何食わぬ顔をして帰宅する華恵のことを、
からかう余裕さえ、いまならあるかもしれない。

名もないホテルで遂げる、不倫のベッドのうえで。
主婦として装いを、不倫の床の上で惜しげもなく、情夫に破り取らせているのだろうか?
いったいどんなふうに服を脱がされ、どんなふうに髪を振り乱し、
ゆるみ切った口許から白い歯を覗かせ、まつ毛をピリピリと震わせながら、
あらぬことを口走っているのだろうか?
「主人に悪いわ、不貞になっちゃうわ」
人妻らしい抗いの言葉はきっと、夫のために操を守るためではなく、
むしろ情夫をそそらせるために口にされているはず――
そこではきっと、やはり情夫をそそらせるため、
ぼくの名前まで口走られてしまっているに違いない――
母さんのときと同じ昂奮が、ぼくを支配し始めていたのだ。


父さんの一周忌は、少し遅れてとり行われた。
「私たちにあてつけたのかしら」
初めての結婚記念日とさして変わらない日取りを告げられた華恵は、少しだけ不平そうにして、整った顔立ちに険を滲ませたが、あえて姑に逆らおうとはしなかった。
母さんの賢母ぶりと、(一見)潔癖で厳しい生活態度に、一目おいていたからだ。

その日母さんはお寺の隅にぼくを呼んで、このあいだと同じことをぼくにいった。
「四十九日のときには、法事のあとで家で一席もうけたけれど。
 きょうは華恵さんを家に連れてきてはいけません。まっすぐお帰りになるのよ。
 言ったでしょ?うちには吸血鬼がいるのよ。
 私たちは良いけれど、華恵さんまで血を吸われてしまうわ。
 男なんだから、わかるでしょう?
 それは夫として、避けなければいけないことよ」
その日母さんは、黒一色の喪服を着ていた。
その様子は息子の目からも、亡くしたばかりの夫を弔う、貞淑な未亡人そのものに映った。
けれども妹の加代子からは、聞かされていた。

――母さんたらね、喪服脱いじゃったの。
   どういうことか、お兄さんならわかるでしょ?
   そう、恋人ができたの。
   その恋人って、吸血鬼なの。
   母さんは看護婦だから、血を吸う相手にこと欠いているそのひとをうちに連れてきて、
   いつも脚や首すじを咬ませて、お仕事の延長みたいな顔をして、輸血をしているのよ。
   いつもは大概、肌色のふつうのやつなんだけれど。
   ふつうのやつのほうが、彼の好みに合うんだって。
   かえってそういうほうが、エッチだと思うけど。
   え?わからない?お兄さん鈍いわね・・・

――母さんたらね、白のストッキングを愉しませちゃっていることもあるのよ。
   ウン、現役の看護婦として、いつも病院で穿いているやつよ。
   やっていることが輸血なわけだし、
   お仕事の責任感は強いらしいから、見習わなくちゃいけないかもだけどね。

――そうそう、喪服を脱いだ母さんがこのごろ黒のストッキングを穿くのは、
   父さんを弔うためなんかじゃないわ。
   そのひとを悦ばせるためだったりするの。
   きょうの喪服姿だって、法事から帰ったらすぐに、あの人に襲わせてしまうつもりよ。
   喪服の未亡人を征服するのって、男のひとがすきそうだから――
   いま穿いているストッキング。
   あと1時間も経ったらにはびりびりに破かれて、みるかげもなくなっているはずよ。
   あたしがいま履いているハイソックスも、同じように咬み破られて、
   吸い取られた血で濡らされちゃうんだけどね。
   あたしこのごろ、制服で相手してるんだ。
   処女の血が好きなんだって。ちょっぴりだけど、ドラキュラ映画のヒロイン気分よ。

妹はさいごに自分の境遇をそう付け加えて、イタズラっぽくウィンクした。
母さんの情事をのぞき見して焦がれた日々の記憶が、ありありとよみがえってきた・・・

「ご実家にごあいさつに伺ってお線香あげていきましょうよ」
なにも知らない華恵に言われるままにぼくは、法事のあとは家に顔を出すよと、母さんの意図とは裏腹なことを二人に告げていた。
「一年たったら浮気を認める」
結婚前のその約束は、いまぼくの意思で果たされようとしている――
華恵の一方的な思惑で、すでに果たされてしまっている約束だけれど。


息子の嫁がむざむざと吸血鬼の餌食になることを心配しているのか。
喪服の情事があと延ばしになったことを残念がっているのか。
母さんのしかめ面は、どちらからきているのだろう?
ふとそんなことを思い浮かべながら、ぼくたちは順々にお線香をあげ、
それから飲み物の置かれたテーブルに着いた。
一席もうけるはずではなかったから、なんの用意もなかったけれど、
おしるしばかりの、あり合わせのビールで乾杯することにしたのだ。
酒好きな華恵は、これが目当てで敷居の高い実家にすすんで足を向けたのだ。

華恵はこの日ばかりは、日ごろの浮気症をおくびにも出さず、ひたすら従順な長男の嫁を演じ切るつもりのようだった。
気持ちの切り替えの早いひとで、「きょうはこれ」と決めたら徹底的にそれに専念する集中力を持っていた。
だから職場でもやり手で通っていて、いまでも華恵を懐かしむ人たちから声がかかるのも無理もないというほどだった。

背後から視線を感じてふと振り返ると、そこには父さんの写真立てが置かれていた。
母さんの部屋にいつも立てられているものだった。
この日のために、特に持ち出してきたのだろうか。
ぼくには、父さんがぼくのほうを見て、笑っているような気がした。
父さんの呟きが、幻聴のように耳に響く。

――しょうのないやつだな、華恵さんをこの家にあげてしまって。
   どうなっても、もう知らないぞ。
   でも、お前はお前で、そういうことを愉しんでしまいそうだね。
   やはり・・・血は争えないということのようだね?

父さんは生前から、母さんの浮気を知っていたのだろうか?
そうだとしても許してしまいそうな気弱な優しさを、父さんは持っているように感じた。
そして華恵に唯一いまでも褒められる「優しい人」という評判は、父親譲りなのだということも、よくわきまえてしまっていた。
華恵が日常的にくり返している浮気を通して・・・
気弱な優しさなのか。
淫らな優しさなのか。
譲られているぼくにも、よくわからなかった。

早くもほろ酔いになった華恵は、制服姿の義妹をつかまえて、いった。
「加代子さんがどんな彼氏を連れてくるか、今から楽しみ」
年長の女が年下の女の気負いをからかうときの目になっていた。
けれどもそこにいくばくかの本音が含まれていることを、夫であるぼくは察している。
そう、加代子のだんなが目ぼしい男だったら、義妹に隠れて愉しんでも良いかも――彼女は間違いなくそう考えているのだ。
過去になん人もの男の愛撫を受けた好色な肌が、清楚な黒のストッキングに淫らに透けているのを横目にしながら、
ぼくは夫らしからぬ想像に、人知れず胸を高鳴らせる。
はたしてぼくの将来の義弟は、義理の姉の熟れた肉体に酔い痴れる特権を得るのだろうか?

「あなたたち、結婚一周年になるのね」
乾杯のあと、母さんは思い出したようにそういって、すすんでグラスを挙げた。
「じゃあもういちど、乾杯。こんな席でなんだけど」
3杯のビールと1杯のオレンジジュースとが、コップを交えて音を立てた。
ひと息に飲み干したあと。
華恵がいつになく酔いをつのらせて、寄り目になっているのに気がついた。
大酒をくらったあと、情夫たちとの逢瀬をひと晩じゅう愉しむほどの女である。
このていどの振舞い酒で、酔いつぶれるような女ではないはずだった。
しかも、みんなで分け合うたった一本のビールで、そんなことになるわけがない。
母さんの目が意地悪そうに、そんな嫁の醜態に注がれている。
薬が入っている・・・?
ぼくは母さんが看護婦だったのを、改めて思い出した。

そういうぼくの身体にも、変化が起きていた。
身体じゅうの血管がほてったように熱くなり、血液がぐるぐるととぐろを巻くように全身をめぐるのを、ありありと感じる。
母さんのことだから、夫婦ながら生き血を吸い取られるという苦痛や屈辱を、少しでも和らげるために一服盛ってくれたのだろう。
そうだった、この家には吸血鬼がいたんだ。
そしてぼくたち夫婦の血は、その男の欲望のために充てられる。
男のぼくでさえ、例外ではないのだ。
だってぼくの血は、真面目で優しい父さんと、気丈で男あしらいに長けた母さんから受け継いだ血。
なによりも、彼が気に入っている加代子の血と同じ味がするはずだから。
目の前で、華恵が姿勢を崩して、座布団の上に覆いかぶさるようにくたりと倒れた。
ぼくもそれにならうように、あお向けにぶっ倒れていた。


くちゃ、くちゃ。じゅるうっ。
人をくったような耳障りな音にわれにかえると、
身体の上に重しが乗っかっているのを感じた。
それが母さんの情夫であることは、さすがに鈍いぼくでも、いちいち説明されないでもそれと察しがついていた。
彼はぼくの首すじに食いついて、ワイシャツの襟首を濡らしながら、旨そうに血を啜りあげていた。
「初めまして、ではなかったね。このあいだ独りで家にいらしたときにお目にかかった」
初めての昂奮が過ぎ去るのを待ちかねるように、男はぼくに話しかけた。
切羽詰まった欲情を何とかするため、まずぼくの血を吸って気分を和らげ、言葉つきまで和らいだのを見定めてから話しかけてきたようだった。
組み敷かれた下から見上げる瞳が若やいでいるのは、ぼくから吸い取った血液のせい――
目を合わせたその男は、口許をぼくから吸い取った血で、濡らしていた。

「きみの血は、母さんやカコちゃんの血と同じ味がする」
わざわざ加代子のことを、母さんと同じように「カコちゃん」などとなれなれしく呼ぶことで、
彼は彼なりの親近感と、ぼくの母さんや加代子との距離感の近さとを、同時に示してきた。
「喉が渇いた時にね、
 通りかかったお母さんにお願いをして、
 勤め帰りに待ち合わせて献血していただいたのがなれ初めです。
 それ以来、貴方のご家族の生き血は、私の喉を嬉しく潤してくれている」
「母や妹の血が、気に入っていると仰るのですか?」
ぼくは知らず知らず、敬語になっていた。
いままでの母さんの情夫たちと表向き顔を合わせたときと、同じように。
母親を支配されたということは、父親に近い存在になったということだ。
そしていまの彼と母さんとの関係を、父さんが許している以上、彼のことを父親に誓い存在として認めないわけにはいかなかった。
彼はぼくの問いに肯いてくれて、ぼくはその肯きを嬉しいことだと感じていた。
「だとすると、ぼくの血もお好みに合ったということでしょうか」
「そういうことです」
「お口に合って、なによりです」
ぼくは思わず、そう応えていた。
「あなたはそう言ってくださる方だと、思っていた」
彼はいった。
「お母さんは、あの子は悔しがるから、息子夫婦を襲うのはやめてほしい――と願っていた。
 けれども私は違うと感じた。
 きみに関する目利きに限っては、どうやら私の勝ちのようだね」
「どうやらそのようですね」
ぼくの首すじにつけた傷口に唇を近寄せて、彼は再びぼくの血を吸ったけれど。
ぼくは抗いもせずに、彼の行為を受け入れていた。
自分の血が喉を鳴らして飲まれてゆくことに、むしろ満足を感じていた。
ぼくは、恋人からの初めてのキスを受け入れる少女のように、彼の吸血をくり返し受け入れた。
そして、母さんから受け継いだ血液が旨そうに摂取されてゆくことを、くすぐったく感じた。
母さんは、ぼくたちに食事を用意してくれる代わりに、
自分の情夫のためには、息子夫婦の生き血という食事を、用意していたことになる。

「母は所帯持ちの良い主婦でした。
 いまでも貴男のことを賢明にもてなしているということですね」
「そのとおりです。彼女は看護婦としても、きっと優秀です。
 この重症患者に、輸血を過不足なく施してくれていますからね」
彼はそう答えると、ぼくの血をさらにもうひと啜りした。
軽い貧血を起こして眩暈を感じながらも、ぼくは彼の行為をやめさせようとは思わなかった。
彼がほんとうに、ぼくの血を気に入っているのだと感じたから。

「ほんとうなら、今のぼくはハムレットのような立場のはずですが。
 ぼくはハムレットのように、父の仇を取るタイプではないようですね。
 むしろ、父から王冠とお妃を奪った叔父と和解して、ふたりの再婚を祝ってしまうタイプのような気がします。
 父もまた、自分の妃に邪心を抱く弟の本望を好意的に遂げさせるようなタイプだったと思います。
 生前に逢ってもらえなくて残念でしたが・・・
 でも降霊術とやらで、貴男は父とも交流しているそうですね。
 彼が生きているうちに貴男に逢って、父王のような立場にたたされたとしても、
 きっと殺されることはなかったと思います。
 あくまで寛大に振る舞って、貴男を妃の愛人として迎え入れてしまったことでしょう」
「ハムレットも立派な王子だけれど」
かれはいった。
「きみも、わきまえのよくできた素晴らしい王子様のようだね。
 もしもきみがハムレットで、叔父がオフィーリアを欲したら、
 悦んで未来の花嫁を誘惑させたのではないだろうか?」
「オフィーリアはそこに倒れています」
ぼくは華恵のほうを見やった。

華恵の身に着けた高価な喪服は、まだ乱されていなかったが。
倒れた拍子にスカートのすそが乱れたのが、まだそのままになっていた。
黒のストッキングに包まれたひざ小僧が、薄手のナイロン生地になまめかしく透けていて、
貞淑な未亡人というよりも淫乱な娼婦のフェロモンがにじみ出ているようだった。
淑やかであるべき装いさえも、刺激的なたたずまいに変えてしまう。
そんなところを、母さんも察したようだった。
「若い人はこれだから、困るわね」
母さんはそんなふうに苦笑して、座をはずしていく。
若い人はこれだから困るわ。
華恵さんは男を、性急に引き寄せてしまう。
(実際には気絶しているだけだけれど)
そしてこの子まで、奥さんの貞操をあっさりと親友に譲り渡してしまう。
(強奪同然にされているだけなのだけれど)
きっと母さんは、そんなふうに言いたかったに違いない。
母さんが座をはずしたのはきっと、初めての刻を迎える嫁のために、自分のお愉しみは少しばかり先延ばししてもよいつもりになったのだろう。
それとも、自分と似て気性が強く、従順ではない嫁の醜態を目にすることを、小気味よく感じているのだろうか?
「そんなことないわよ」
あとで母さんは、ぼくにそういった。
「あなたたちまで仲間になってくれるのが、じつは嬉しくってならなかったの」
嫁の受難を肯定的に受け入れたことで、ぼくもまた、母の「仲間」の一員になっていた。

「おふたりはきょうで、新婚1周年になるそうだね。
 おめでとう。
 わしもきみたちの夫婦仲を、祝わせていただくよ」
そう囁きかけてくる男には、好色なものが漂っている。
どういう祝いかたをするのか、同じ男であるぼくには、はっきりと察しがついていた。
夫としては避けねばならないあしらいを、同じ男として許してやろうと思っていた。

口許を弛めて華恵に咬みつこうとする男を引き留めるようにして、ぼくはさすがに胸騒ぎを覚えて、口走っていた。
「ぼくは・・・華恵を奪われてしまうのですか?
 彼女の生命は保証していただけるのですか?
 ぼくは華恵と離婚して、正式に華恵をお譲りしなければならないのですか?」
ちょっとだけ切実さをにじませたぼくをなだめるように、彼は答えてくれた。
「お察しのとおり、ぼくはきみの見ているまえで華恵を征服して、きみから奪うつもりだ。
 だんなに見せつけながら人妻をものにするのが好みなのでね。
 ご主人としてはわしの趣味は迷惑きわまりないものだろうけれど。
 けれどもそれ以外は、いままでどおりにするがよい。
 わしはお母さんや妹さん、それに華恵を支配するが、きみを排除するつもりはない。
 きみのお父さんから昭代を寝取ったのと同じように、
 きみの嫁である華恵をこれ見よがしに寝取ることが、わしにとっての悦びだからだ」
そう。
父さんが生きていたとしても、この男は確実に母さんのことを寝取ったに違いない。
そして父さんも、そうなることを歓迎はしないまでも、決して拒みはしないだろうことを、ぼくはなんとなく感じた。

ぼくの血を吸い取った男はさっきから、ぼくの妻のことを「華恵」と、はっきり呼び捨てにしている。
ぼくの妻であるはずの華恵をわざと呼び捨てにすることで、彼が華恵の新たな主人となることを宣言しているのだと、すぐにわかった。
そして、ぼくがその意思に好意的に報いなければならないことも。
父さんが最愛の妻である母さんをこのひとに捧げたときの潔さ、気前の良さを、ぼくも息子として示すことが、この家の長男の、きっと務めなのだろう――

ぼくは震える声で、華恵を貴男の愛人として受け容れますとこたえた。
ハムレットにも父王にもなれないぼくは、
自身の新妻に対してあからさまに向けられた邪まな好意を少しでもにおだやかに受け入れようと、一生懸命になっていた。
「ぼくの、最愛の、華恵を。貴男の欲望のためにお捧げします」
やっとの思いで伝えようとしたことを伝えきったとき。
ぼくは最愛の妻をみずから売り渡したことよりも、
理解ある若い夫としてもっと格好よく振る舞うことができなかったことのほうを残念がっていた。
たどたどしく途切れ途切れな声色になってしまったことを悔やむぼくをとりなすように、
彼は優しい目をしてこたえてくれた。
「きみの心づくしのご好意を、遠慮なくお受けしよう。奥さんを吸血鬼として、男として、愉しませていただく」
そう宣言すると彼は、華恵のほうに近寄り、横倒しになった顔にかがみ込むと、おでこに優しくキッスをした。
それから足許ににじり寄り、まくれあがったスカートをさらに少しだけたくし上げて、
黒のストッキングのふくらはぎを冒すように、ゆっくりと唇を吸いつけた。
悪魔の唇だと、ぼくは思った――

華恵の穿いている黒のストッキングが、淫らな唾液に濡らされる。
もの欲しげな舌なめずりの下。
淡い墨色のナイロン生地に光るよだれはじょじょに拡がっていって、
かすかな皴を波打たせ、引き攣れを走らせる。
そしてなん度めか這わされた唇の下で、ブチチ・・・ッと微かな音をたてて、ストッキングに裂けめが走った。
華恵の素肌に飢えた牙が食い込んで、生き血を啜りはじめたのだ。
ちゅう・・・ちゅう・・・
ひっそりとした音をたてながら。
華恵の血は、ストッキングのうえからヒルのようにうごめく唇の奥へと、飲み込まれてゆく。
吸血がすすむにつれて。
蒼白い素肌を滲ませたストッキングの伝線がつま先までじりじりと延びていくのを、ぼくはじりじりしながら見守った。
足許に装われた礼装、吸血鬼の不埒な舌触りを満足させながら辱められてゆくのを。
上品な装いがこれからぼくの妻の愛人になろうとする男を満足させ、悦ばせるのを。
服の上からまさぐりを受ける華恵の肉体が、受けたまさぐりに本能的にこたえはじめて、ゆるやかにうごめき始めるのを。
男の唇が華恵の唇をとらえ、ふたつの唇が合わさって、交互に吸い合い、なにかを交わしはじめるのを。
初めて母さんの浮気現場に遭遇したときのように、ぼくは息をつめて見守りつづけてしまっていた。
夜通しの飲み会の帰りには、いつも色ちがいのストッキングを穿いて帰宅してくる華恵。
けれども、家から穿いていったストッキングを、こんなふうにセクシィにもてあそばれたことは、なん回あったことだろう?

甘えるように抱きすくめてくる男に対して、華恵も媚びるようにすがりついてゆく。
掌と掌がせめぎ合い、抗いながらもさすり合う。
やがて男の掌に力が籠められ、漆黒のブラウスを引き裂いた。
その下から露わになった黒のレエスのスリップもまた引き裂かれ、
同じく装われた黒のブラジャーの吊り紐も、引きちぎられた。
さすがにわれにかえり目を見開いた華恵は、
自分を襲おうとしているのが、姑の愛人であることを確かめると、びっくりしたようにこちらを振り返る。
そして、すでに首すじから血を滲ませたぼくと目線を絡めると、あきらめたようにフフ・・・と笑った。
「ワイシャツ汚しちゃって、そんなじゃうちに帰れないじゃない」
華恵は、飢えた吸血鬼の唇を首すじに這わされながら、それを妨げようともせずにぼくにいった。
「今夜は泊っていくから、いいじゃないか。きみのブラウスも、破けちゃったし」
「ひと晩じゅう・・・か。
 長い夜になるわね。
 あなたにとっても、私にとっても。
 嫁と姑で、代わる代わる味比べしてもらおうというのね?」
「夫として息子として、かなり妬けるけれどね」
「母と妻とを同時に犯されるのって、どういう気分?」
「複雑な気分だけど・・・いや、ぼくなりに愉しんででしまっているのかも」
恥ずかしいことだけど・・・とつけ加えるぼくに、「そんなことないわ」と、華恵はいった。
「私はむしろあなたの、そういう性癖で救われる。あなたのお嫁さんのまま、このひとに抱かれるわね」
「ぜひそうして欲しい。彼ともその線で、話が付いたところだ」
「聞こえていたわよ(笑)」
夫婦の会話がつづいているあいだずっと、男は華恵に咬みつこうとはせずに、華恵の白い首すじを舐めつづけていた。
華恵の素肌を愉しみたかっただけだと、あとで言っていたけれど。
明らかに、首すじを咬んで血を吸うのを遠慮して、夫婦の会話を妨げまいとしてくれていた。

「あたしも、義母(かあ)さんみたいにされちゃうのね?あなたはそれで良いのね?」
罪悪感を打ち消すための念押しだった。
「いままでと、同じことじゃないかな」
ぼくは弱弱しくこたえた。
「そうね、いままでと同じね。それでいいのね?」
後半は、夫の目の前で交わした口づけの相手へのものだった。
そして自分の情夫になろうとする男がうなずくと、
もういちど夫目の前での口づけを、こんどはゆっくりと見せつけるようにして、愉しんだ。
すき間なく結びつけられる、二対の唇。
それは、長年の恋人同士の口づけのように、息の合った口づけだった。
心から妬けてきたぼくは、思わず口走る。
「おめでとう。ふたりの関係を、ぼくは夫として歓迎するよ」
こんどは精いっぱい、かっこよくキメたつもりだった。
じじつあとで、華恵は「あのときのあなた、今までで一番カッコよかった」と言ってくれた。
妻を犯される刻を迎えるとき。
さいしょはたしかに、どんなご主人でもたどたどしいのだ・・・
彼があとで語った言い草だ。
でも、奥さんとのやり取りは、さすがだったね。よくできたご夫婦だ。
いままでなん人もの人妻を夫の前で寝取ってきた男に負けっぷりを褒められるのは、決して不名誉なことではないと、その時思った。

そういう語らいの間にも、彼女の喪服は辱め尽くされて、裂け目を拡げ、白い肌を大胆に露出させつづけていった。
「かっこ悪いわ」
腰までたくし上げられた喪服のスカートに気がついて彼女が顔をしかめると、
「いまのきみには、似合いのポーズだ」と、男は華恵をからかった。
「もう・・・」
華恵は甘く口をとがらせてながらも、
今まで迎え入れてきた、ぼくを含めた男たちにそうしたように、
細くて白いかいなを、男の背中にまわしていった。

男の顔が華恵の喉元に埋められて、華恵は「ああ・・・」と呻いた。
決して、痛みだけのものではない声色だった。
ちゅー・・・
吸い上げる血潮の音に苦笑しながらも、華恵は男の行為を許してゆく。
自分を組み敷いている男の背中を撫でる手つきのやさしさが、それを証明していた。
「このひときっと、男としても最高よ」
たくましい腰に秘所のありかをさぐりあてられたとき、華恵はぼくに向かってそういった。
「ぼくからの、結婚記念日の贈り物――受け取ってくれるかな」
「ありがたく、受け取るわ」
そういって華恵が目を瞑ったつぎの瞬間、
男の一物が華恵の奥深くに突き刺さるのを、ぼくは感じた。
ぼく自身が犯されているような、不思議な感覚。
それは決して不快なものではなく、ぼく自身のエクスタシイにまで、結びつくものだった。

こうして華恵は、ぼくの妻でありながら、彼の所有物になった。
裂けた喪服の隙間から、白い肌をあられもなく露出させて。
大胆に、セクシィに。ときには下品にさえなって、
夫であるぼくの目の前で、私はこの人の愛人になったのよといわんばかりに、
思う存分乱れ抜いた。
優雅なウェーブのかかった髪を振り乱し、
鮮やかな紅を刷いた唇を弛ませて、歯並びの良い白い歯をのぞかせて、
長いまつ毛を神経質にピリピリさせながら、
「不貞になっちゃうわ・・・主人に悪いわ…あなた、あなたぁ・・・」
「主人のより大きいわ・・・ほかのどんな男のモノよりイイわ・・・もっと、もっと苛め抜いてぇ・・・」
と、あらぬことを口走っていた。
傍らのぼくを意識して、聞こえよがしにあの人を誉め、ぼくをこき下ろして・・・
そしてこれ見よがしに。痴態を繰り広げた。
新床のオフィーリアを譲り渡したぼくは、じゅうたんの上、股間にほとぶ白い粘液をひたすら吐き散らかしてしまっていた。
華恵が気絶すると、つぎは母さんの晩だった。
彼女は気絶した嫁の隣に引きずり出されて、嫁と同じ経緯で首筋を咬まれ、衣装を裂かれて犯されてゆく。
礼装に身を包んだ未亡人は、礼儀知らずにあしらわれ、恥を忘れて痴態に耽る――

嫁と姑は、こんなふうにしてひと晩じゅう愛されて、
ぼくは嫉妬のエクスタシイになん度もたどり着き、
加代子は母と義姉の痴態から、なにかを学び取っていった。


あくる日の朝。
一着しか持ち合わせていなかった喪服を裂き散らされてしまった華恵は、姑の喪服を借りて帰宅した。
彼女の姑は、情夫を悦ばせるために、喪服をなん着も持っていたから。
帰り道はあぶなっかしかったので、母さんがタクシーを手配してくれた。
それでよかったのだ。
なにしろ女所帯の家には、もう父さんの衣類もほとんど残されておらず、
ワイシャツを濡らしてしまったぼくまでも、妹の服に着替えてざるを得なかったのだ。
「この齢でカコちゃんの制服を着れるなんて、よかったじゃない」
華恵にからかわれながらも、ボタンが反対に着いたブラウスの襟首にリボンを巻いて、妻と同じ丈のスカートをひざの周りに揺らしながら、ちょっとだけ得意になっていた。
「いまのあなたは、男じゃないから、妻を寝取られた夫にはなりようがないわね。
 お母さんと義理のお姉さんの恥知らずなふるまいで、
 カコちゃんといっしょに性教育のお勉強をしたお嬢さんというところかしら?」

夕べべそをかきながら、妻を寝取られていった若い夫は、
いまではすっかり妻の情夫に心服していて、
いつでもうちに遊びに来てほしいと、お別れの握手まで交わすようになっていた。
タクシーの運転手さんはふしぎそうにぼくを見たが、それ以上なにも言わずハンドルを握りなおした。

いまでもぼくは、最愛の妻を支配されてつづけている。
けれどもそのことになんの後ろめたさも、罪悪感も感じていない。
恥知らずに浮気に出かけていく妻を、恥を忘れてにこやかに送り出して、
独り残った家のなか、いまごろ妻がどんなふうにされているのか?と妄想を膨らませ愉しんでいる、いけない夫になりさがっている。
そして、愛妻を犯されることを歓ぶ夫になりさがったことを、むしろ嬉しく感じている。

≪画像紹介≫ストッキングの脚に咬みついて吸血。

2019年05月15日(Wed) 07:23:17

こういう画像、案外珍しいのです。
https://www.deviantart.com/yoo890/art/28-771204749

ちょっとご無沙汰になりました。

2019年05月10日(Fri) 06:43:53

ちょっとご無沙汰になりました。
かろうじて棲息はしているのですが、お話がなかなかまとまりません。

それにしても、元号が代わるまでつづくとは思っていませんでした。
これからも、どうぞよろしくお願いします。

前3作。

2019年04月28日(Sun) 07:21:08

なんとなく同じ構想で、短文を三つ、描いてみました。
さいしょの一編は、昨日の朝思い浮かんだものです。

シチュエーションは重なっているような、微妙に食い違っているような。
そんなお話を連続して描くことが、よくあります。

同じ家族の身に起こったことかもしれない。
べつべつの家族の話かもしれない。
解釈はどちらでもよいと思います。

若妻の母の訪問。

2019年04月18日(Thu) 07:58:57

おばあちゃんになる前に、抱かれに来ました。
そういってにこやかにほほ笑むのは、あの若妻さんのお母さん。
傍らで肩をすくめる若妻さんと、同じ色合いのほほ笑みだった。
血は争えない、母娘なのだとだれもが思った。
そして、娘の魅力は母親譲りなのだと、だれもが認めないわけにはいかなかった。

「うば桜でごめんね」という娘に、「こら」と軽く咎めると、お母さんはこちらのほうをふり返って、いった。
もうあと少しで、還暦なのですよ。
この齢で主人以外の殿方とお付き合いするなんて、思ってもいませんでした。
お母さんの意図は、だれもが承知している。
妊娠した若妻さんの身代わりを、これから勤めてくれるというのだった。

わざわざ選んで着込んできたという純白のスーツは、とても奥ゆかしく、男どもの目に映えた。
しとやかにまとわれたストッキングに、だれもが目を輝かせた。
行儀よく正座をしたひざ小僧は、きめ細かく織りなすナイロン生地の、淡い光沢に包まれていた。
正座をしたときひざ小僧が覗く丈のスカートを、このご婦人は一着だけ持ち合わせていて、
わざわざそのために、きょうの装いを択んだのだった。

2時間後。
乱れ髪になり、よそ行きのスーツを着崩れさせながらも、
お母さんは鶴のようにしゃんと背すじを伸ばして、お気が済みましたか?と訊いて来た。
そしてだれもがまちまちな顔で肯くと、「ふつつかでした」と丁寧に頭をさげた。

主人には、だまっていてくださいね。
傷つくとかわいそうだから――
娘の手伝いという名目で、時折当地に伺います。
もちろんそのためもあるものですから、二六時中というわけにはまいりませんけれど、
出来る限りのお相手をいたしますから、そのあいだ娘は見逃してあげてくださいね。

だれもが表情を改め、少年のように神妙に頷き返していた。
どこまでも奥ゆかしい、心優しいお母さんだった。

2時間もかかってしまいました。

2019年04月17日(Wed) 07:48:40

前二作は、起き抜けにひらめいたものです。
さいしょはS夫人がヒロインのはずだったのですが、
婚約者である怜子が他の男とのセックスに耽る光景に主人公が昂るシーンにはまってしまい、
ふたつのお話になりました。

上品な婚約者が裏の顔を見せて、未来の花婿のまえで情事に耽る。
それも、結納のときの礼装姿のまま男に弄ばれる。
そんなシーンに、なぜかひどく惹かれてしまったからです。

いつものパターンで?婚約者と情夫との関係を許し、むしろ理解と協力を惜しまない寛大な夫。
けれども彼にも、いいことがあったようです。
義母となったS夫人が娘の不倫を知ったことをきっかけに、
プラトニックに終わりそうだったS夫人との関係が燃えあがり、
かつてS夫人とヒロシとの不倫をかげながら許した夫の無言の承諾のうちにふたりは結ばれます。

夫ふたりは、妻の不倫に昂って。
ヒロシは近親相姦に近い関係を、母娘との間に愉しみつづけて、
妻たちも、それぞれ婚外交渉の歓びに身を浸す。
だれもが不幸せにならない結論です。

今月はお話がよく浮かびます。

2019年03月29日(Fri) 06:46:02

前作で、今月あっぷした記事の数は37となりました。
月別のアーカイブを見ればわかるのですが、
2011年8月の39あっぷ、2011年1月の63あっぷ以来の数字です。
きっと、すとれすがマックス!なのでしょう。(笑)

30以上の記事をあっぷするのが稀・・・ということは、毎日更新することはほとんどないということになります。
このブログが発足した当初は、ほぼ毎日更新していましたし、1日に数話あっぷする日も少なくありませんでした。
(最多あっぷ記録は、2006年12月の108あっぷ)
それがいつのころかくずれてしまいました。

ココに登場する異形の世界は、かなり小さいころから妄想しつづけてきたものです。
文章として具現化したいという想いが募ってきて、
「描きたい」気分が噴出してきたアウトプットの場として作りました。
もともと無理して「1日1話!」なんて決めていたわけではなく、
「描きたいときに描く」
「やめたくなったらやめる」
というスタンスを続けてきたためか、少なくなることはあっても途切れることはありませんでした。

時折、「そろそろたねぎれかなあ」と思うときがあります。
描き切ったと感じたら、いつでもやめてかまわないと思います。
有害な記事を無用に垂れ流している行為かもしれないから。
けれども、イメージが噴出する限りは、まだもう少し、続けていこうと思っています。

前作「時空を超えた男」 かいせつ

2019年03月15日(Fri) 07:14:58

前作は、明け方布団のなかでまどろんでいるときに泛んだお話です。
さいごのオチはやや強引にみえるかもしれませんが、すでにその時点で確定していました。
強引になってしまったのは、たぶん柏木の筆力のなさですね。^^;

よく読むと、冒頭部分ではきのうきょう知り合ったような書かれ方をしているのに、
末尾になると実は子供のころからの関係になっています。
時空のねじれで微妙に状況がずれているのか、たんなる穴ぼこなのかは、描いた本人にもよくわかりません。(笑)
吸血鬼との同居を許してしまう下町というのも、いったいここはどこの村なのだろう?というくらい不思議です。
もっとも、ある時期からウグイス色の電車は、地方の近郊でも使用されるようになったので、
そこは地方の近郊で古くからある街と解釈してもいいのだと思います。

もっとも大きなツッコミどころは、(以下はネタバレになりますが)、
譲一の親が譲一自身になるところです。
現代から数十年前にタイムスリップした譲一は、そこで自分と同じ年恰好の青年と出逢います。
すでに血を吸われ始めていた譲一は、その時点ではもう立派な?吸血鬼になっていて、
助けてくれようとする青年の血を吸ってしまいます。
けれども青年は寛大にも、いっしょに住もうと言って、彼女と二人で暮らしているアパートに譲一を招き入れます。
青年の期待通り?譲一は青年の彼女である君枝さんを無理強いに襲おうとはしませんでした。

君枝さんを初めて咬んだときの状況は、たぶんにふたりの演出なのでしょう。
帰りをわざと遅らせる彼氏。譲一の習性を知りながらハイソックスの脚を見せつける彼女。
それでもふたりが一線を越えようとしないのは、彼氏さんにたいする思いやりの部分なのだと思います。
譲一の習性を知って彼女の血を吸わせるタカシ。恋人の意向を酌んでわが身を同居人の欲望にさらす彼女。
ふたりの好意を受け止め、どこまでもフェアに振る舞おうとする譲一。
お互いがお互いに安心をしているからこそ成り立つ関係です。

タカシがいっしょに暮している恋人と肉体関係を結んでいないのは、譲一に処女の血を愉しませるためだけではありませんでした。
そもそも譲一と出会う前から、そういう関係ですからね。
ふたりは実の兄妹だった・・・という伏線を、ここで張ってみました。
お互い惹かれ合いながらも、結ばれて子供を作ってしまうことには、遺伝学上のためらいがあった というわけです。
それでも子供が欲しかった二人は、譲一に子どもの父親になってもらう という選択をします。
このお話は、ただの”NTR"ではないのかもしれません。
君枝さんが大きくなった息子をふたたび連れてきて譲一に引き合わせることで、
お話はつぎのステージへと進みます。
少年の血を吸っている譲一と、母親の知人相手に自分の血を吸わせている少年とは、同一人物なのです。
それって矛盾じゃないというツッコミはとうぜんありだと思いますが、柏木はなぜか矛盾を感じません。
やがてふたりは、華恵をまえにして入れ替わっていきます。
若い譲一と入れ替わって華恵の主となる、齢を取った吸血鬼バージョンの譲一が行き着く先は、案外ふつうの人間に回帰する道なのかもしれません。
そこをさりげなく、本文のなかに入れ込んでみました。

不思議なお話でしたが、1時間半ほどかけて、一気に描き上げてしまいました。
矛盾に満ちているのに、ここまで柏木を引っ張ってくれたお話。
不思議な引力を感じています。

さいごにファッションについて。
君枝さんのファッションは、かなり具体的に描き込みましたが、80年代に爆発的に流行ったものです。
濃紺と緑のチェック柄のスカートに(もちろんほかのタイプのスカートも多々ありました)、透ける紺のハイソックス。
ひどく印象に残っています。
タカシが穿いていたストッキング地の紺のハイソックスは、いまでは絶滅危惧種ですが、当時のサラリーマンの間で流行っていました。
男もののほうがなぜか色つやが良く、ゴムの部分もしっかりとした帯のように太いタイプでした。

最多記録?

2019年03月10日(Sun) 08:51:56

たぶん、このブログのいままでの長い歴史のなかで、1日に生まれたお話の数がいちばん多いときで8つだったと思います。
2006年くらいのことで、大昔です。
もっともあのころ描いていたのは、読み切りのお話のなかでも比較的長編だったので、字数でいえば比較にならないでしょうねえ・・・

きょうはやけに、興が乗ります。^^;

姑ばなし。

2019年03月03日(Sun) 09:12:08

このごろ、姑が出てくるお話が多いです。^^;
年輩のきちんとした感じのする気丈なご婦人が、吸血鬼に迫られて堕ちてゆく。
でも完全に人格が崩壊してエロエロになってしまうのではなくて、
ちゃんと本人のプライドもこだわりも、いくばくか残っている。
そのうえでなお、夫ならぬ身に迫られたり、夫たちの好奇の視線を浴びながら営みに耽ってしまったり、
そこそこ奥ゆかしさの残された情事というのが、わたしの好みです。

嫁の乱行を止める立場、という意味では、姑は夫と同じくらい、場合によってはそれ以上に大きな障害となるべき立場。
それが鉄壁の備えを崩されて、嫁もろとも堕ちてしまう・・・というのは、ひとつの家庭の終着点のような気がします。

前作について

2019年03月03日(Sun) 08:49:27

最初の襲われた経緯はよくわからないけれども、
おそらくは都会の生活ができなくなったご夫婦(さいしょは婚約中)が、吸血鬼の棲む街に納得づくで移り住んできたのでしょう。

夫婦ながら咬まれた後。
生命を奪われる危険がないと知ると、処女の生き血を少しでも多く吸わせるために、婚期を遅らせて。
いちどは望まれた純潔を、夫のためにと守り通して、
新婚旅行先に「亡命」する誘惑を振り切って、吸血鬼に支配される日常に戻っていって、
セックス経験のあるご婦人は例外なく犯されるという掟に従い、新妻を差し出して、
嫁の不倫に気づいた姑は、いちどは嫁を咎めるものの、
”体験”を強いられた後は聞く耳をもって、
それでも子供は息子の子を・・・という姑の望みをかなえるために、吸血鬼は期限付きで射精を自粛。
嫁の身代わりにと貞操を差し出した姑に、自分から差し出した日を貞操喪失記念日と決めて。
姑の目論見通り息子の血を引く娘と息子が生まれると、
娘は彼氏の承諾つきで吸血鬼に処女を与えて、
息子は彼女の血を吸わせ、純潔まで譲り渡す・・・

どこまでも互いを気づかう、らせん階段。

過去話2題 すこし調子に乗って・・・(笑)

2019年03月01日(Fri) 08:07:33

過去話をさらにさかのぼっていたら、自分で言うのもなんですが、けっこうおもしろいお話が出てきます。
そのうちの、もうふたつだけ。。^^;

「妄想の断片たち」
ひとつのお話として完成できなかった、まだ妄想段階のシーンが三つ、描かれています。
三者はつながるのか、つながらないのか。
つなげるとしたら、どうつながっていくのか。
うまくお話が組みあがらないときには、こんなのもありなのかなあと改めて思います。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-945.html

「ふたつの顔」
吸血鬼としてさ迷って、10年ぶりにたどり着いたわが家。
そこでは妻も娘も、暖かく迎え入れてくれたけれど。
妻はなにかを予感し、夫はこらえきることができず、そして娘は・・・
だれもが優しい人たちだなあという奇妙な安ど感を覚えるようなお話です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-934.html

どちらも、12年近く昔に描いたお話です。

過去話2題

2019年03月01日(Fri) 07:57:56

今朝はどうも、お話がうまくまとまりません。
実像が薄っすらとぼやけている感じで。

ですので(というわけでもありませんが)、たまたま視ていた過去話がそこそこよかったので、紹介してみます。
いずれも10年以上前にあっぷしたお話です。
久しぶりに読んだのに、たしかに描いたという記憶があるところが不思議です。(笑)

「ストッキング、伝線しtるね。」
30代人妻のストッキングを代わる代わる破いて行く、夫と息子。
ある晩息子に誘い出された公園は、ヒロインに新たな役割を求めます。
さいごのオチは、少しわかりにくいかも。^^;
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1089.html


「母の代役」
吸血鬼のパパは、ママの生き血を吸っている。
けれどもパパの欲求は、ママ一人では受け止めることができなくて・・・
娘目線から描いた、吸血鬼譚です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-949.html


どちらもストッキングが、重要な役割を果たしていますね。
(^^)