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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

エプロン。

2019年12月08日(Sun) 09:42:49

高校二年の秋。
つきあっていた初美は、やつの家で、制服を脱いだ。

19歳の春。
おれとのデートのかえり道、初美はやつの家で、おれがプレゼントしたワンピースを脱いだ。

22の夏。
おれとのデートをすっぽかして、初美はやつの家で、勤め帰りのスーツを脱いだ。

24歳の6月。
「ジューンブライドだね」といいながら、婚礼のあと、花嫁の控室にやつを呼び入れ、ウエディングドレスを脱がされていった。

そして32歳の冬――
買い物帰りの初美は、やつの家で・・・
「また脱いだのか!?」
露骨に作ったしかめ面に、初美は「脱いでないわ」とこたえた。
「だって・・・・・・エプロン着けたままのほうが、昂奮するって言うんだもん♪」

吸血学園のPTA

2019年12月02日(Mon) 06:50:36

PTAの会合と称して、受け持ちのクラスの生徒のお母さんたちに、集まってもらった。
来校する吸血鬼たちに、人妻の生き血を振る舞うために。
集まったお母さんたちは、十数名。
みんな、特定の彼氏のいない人ばかりだった。
事前にそれと察したお母さんたちは協力的で、皆さんおめかしして出てきてくれた。
人妻を対象とした吸血行為は、たんなる採血だけでは終わらない。
思い思いのよそ行きスーツは、ブラウスのえり首を強引に押し広げられ、剥ぎ取られ、
肩先にかかるブラジャーの吊りひもを、断ち切られていった。
乱交の場と化した教室で。
色とりどりのストッキングに包まれた脚が押し開かれて、スカートを荒々しくたくし上げられてゆく。
息子や娘の机の傍らで、ストッキングを剥ぎ取られ、一人また一人と堕ちていった。

PTAの会合と称して、受け持ちのクラスのお父さんたちに、集まってもらった。
どのご主人の奥さんたちも、先日招かれた宴席で、吸血鬼たちに犯されていた。
今日は、馴れ初めの仕上げの儀式。
奥さんたちは、自分の夫が招かれているなどつゆ知らず、
このまえのように思い思いに着飾って、息子や娘の教室へとやって来た。
お酒も交え、和気あいあいとした雰囲気のなか。
輪姦ゲームがスタートした。
10年以上連れ添った妻が、いともやすやすとモノにされてゆく姿を、ただぼうぜんと見守るご主人たち――
もしも離婚されたなら、わしが後釜に居座って、母子ともに面倒をみてやるぞ。
女たちの衣装を剥いでのしかかる男どもは、そんな”男気”をみせて、女たちを安心させる。
なに、これも助平心の一端――ゆくゆくは、娘も息子までも、モノにしてしまう下心に過ぎないのだが。
引き剥がれてゆくブラウス。たくし上げられてゆくスカート。脱がされてゆくストッキング、そしてショーツ・・・
夫たちは魂を抜かれたようになって、妻たちが真昼間の情事に耽るのをただぼう然と見つめている。
教室の窓辺には、のどかな初冬の昼下がり。
引き裂かれた衣装をまとって辿る、情事を終えた帰り道・・・
まだ気の早すぎる分厚いコートが、衆目の好奇の視線から遮ってくれることだろう。
廊下で立たされ坊主のように息を詰める夫たち。
教室のなかで不倫の息を弾ませる妻たち。
外はあくまでも、のどなか景色。
体育館からは、そんな親たちの情景など夢にも思っていない者たちの、高らかな声――

一週間後。
吸血鬼の思惑通りに離婚した家庭は、ただのひとつもなかった。
夫婦そろって呼ばれたPTAの会合に。
夫も妻も、なにごともないように仲睦まじく笑み合いながら、校門をくぐって教室を訪れる。
きょうも――
礼儀正しくご婦人方の足許を包む薄地のナイロンは、唾液まみれの唇や舌をふるいつけられて、意地汚くあしらわれてしまうはず。
それでも夫たちは、何も知らない顔をして、ご婦人限りと追い出された教室の廊下から立ち去ることなく、「勃たされ」坊主を演じるはず。


あとがき
2019.6.3 構想(前半)
後半は描きおろし。

墓地の裏のラブホテル

2019年11月25日(Mon) 07:01:26

洋装のブラックフォーマルを装った女たちが男に伴われて、一人また一人と、
黒のストッキングの脚を、ラブホテルのフロントへと踏み入れていく。
ここはお寺のご近所にある、うらぶれたラブホテル。
「ロマン」とありがちな名前の看板も、赤茶けた錆にまみれて、古色蒼然となっている。
お寺の裏手に広がる墓地の、そのまたすぐ隣。なんという立地なのだろう。
けれどもここは、知る人ぞ知る、法事帰りの未亡人たちが利用する好適スポットなのだ。

うようよ、うようよと。
夫たちの霊が漂っているのを知ってか知らずか、
女たちは恥知らずにも、夫の墓前で合わせたばかりの掌を、情夫の手に委ねて不貞に耽る。
日常の寂しさを埋め合わせるようにして。

「あ、あれは俺の女房だ」
霊魂のひとつが、そういってうめいた。
「うちの家内もさっき、入っていったばかりですよ」
べつの霊魂が、うめき声の主に囁きかけた。
「いまごろ、なにしてやがんだろうなあ。もう2時間も出てこない」
第三の霊魂の元妻は、かなりの美人だった。
「お熱いことで、うらやましいですなあ」
他人ごとのように冷やかす霊魂もまた、自身の嫁をそのホテルに呑み込まれてしまっている。

そんななか。
墓前に律儀に手を合わせる、一組の男女がいた。
「あれはわたしの家内です」
蒼白い光を放つその霊魂は、まだ新仏らしい。
指さした洋装のブラックフォーマル姿は、身体の線に齢相応の丸みを帯びていたけれど。
脂の乗り切った四十代の人妻とみえた。
「ほお、おきれいな方ですなあ。思い残しもおありなのでしょうねえ」
べつの霊魂が相槌を打つほどに、女はオーラのような魅力を放っている。
女の腕を取る男もまた、そのオーラをありありと感じ取っていて、そこに魅かれたに相違なかった。
「あいつ、吸血鬼なんですよ・・・」
蒼白い霊魂が訴えた。
「え?そうなんですか?」
「だって、私はあいつに血を吸い取られてこうなったんですからね」
蒼白い霊魂は、憤懣やるかたない風情。
「それは・・・ご同情申し上げます」
「あいつは、家内が目当てで、まずさいしょにわたしの血を吸って、それから家内を犯したんです」
「奥さん、暴れたでしょ?」
「いえいえ、さいしょは夫の仇敵だと気づかなかったんです。
 言葉巧みに言い寄られて、堕とされた後で真実を告げられて――
 でも、そうなってしまった後ですからね。
 ”そんなに私のことが好きだったの~?”って、ベッドのうえでもつれ合いながら言っていましたよ」
「それはそれは・・・ご無念でしょうね」
相槌を打つ霊魂の傍らで、べつの霊魂がいった。

「でもあなた、だとするとそろそろ生き返らされてしまいますヨ」
さらにべつの霊魂が、物知り顔に呟いた。
「え!?どういうことですか?」
「貴男、土葬にされたでしょ?だとしたら、すぐです。生き返って半吸血鬼になって、
 奥さんがモノにされるのを妬きながら、べつの女を襲って血を吸うようになるんですよ」
「それは・・・ちょっとうらやましいかもしれないなあ」
別の霊魂が相槌を打った。
そうだそうだ・・・と、霊魂たちが音にならない声で激しく同意する。

「でも・・・でも・・・ほら、ああやって・・・」
蒼白い霊魂が指さすかなた、彼の細君は夫の血を吸った吸血鬼と手を取り合って、ホテルのフロントへと身をすべらせてゆく。
薄墨色のストッキングに包まれたむっちりとしたふくらはぎが、
豊かな肉づきを墨色の印影でくっきりと浮き彫りにして、よりいっそうなまめかしい。
「あのストッキング、わしも降ろしてみたい」
「わしも」「わしも」
霊魂たちの羨望の声を、蒼白い霊魂は呪わしく思いつつ、反面誇らしくも感じ始めている。
「ひがまないことですよ、あなたこれから生き返って、すこしは好き勝手出来るんだもの」
年配らしい霊魂が、蒼白い霊魂に、そういった。

「生き返ったら、うちの家内をお願いします。どうやらあいつよりは、好感持てそうだから」
「うちの女房も、襲ってもらって良いですヨ。でもあまり泣かさないでくださいね」
同類どうしの共感からか、未亡人となった妻をプレゼントしたいという声がいくつもあがった。
「うちの家内を寝取ったら、報告代わりにあのホテルに連れ込んでください。とっくり視てますから」
「それはそれで、落ち着かないなあ・・・」
蒼白い霊魂は、ほんのちょっぴり当惑顔だ。
それでもどうやら、彼にも妻を犯されながら暮らす日常を迎える気持ちになったらしい。
彼の姿はじょじょに、さきほどの男女が掌を合わせていった墓標の近くへと、引き寄せられてゆく。
「生き返っても、あなたがたと交信できると良いですね」
「だいじょうぶ、視てますから」「視てますから」「視てますから」
多くの声に不思議な励ましを受けて、蒼白い霊魂は当惑しながら、現世に戻っていった。

しめやかな読経の洩れてくる本堂の隣室で。
男は未亡人を、組み敷いていた。
「あなたのご主人に、頼まれたんです。慰めてやってくれ――って」
男は息荒く女に迫り、耳元でそんなことを囁くと、
奥さんしか識らないご主人の生前の特徴を二、三告げ、女を黙らせていた。
はだけられた漆黒のブラウスから覗く豊かな胸もとには、すでに紅い咬み痕が刻印されている。

あなた、許して――
その言葉、なん人の男の前で吐いたの?
未亡人の作法を冷やかしながら黒のストッキングを脚から抜き取る手つきも、慣れたものになってきた。
いままでなん人の未亡人の脚から、黒のストッキングを抜き取ってきたことだろう?
夫を弔う装いのはずなのに、妖しく艶めかしい薄絹は、男たちの物欲しげな視線を惹きつける。
抜き取った薄絹たちは、手に取ると、いともなよやかに、ふしだらにふやけ切った柔らかさを、残った持ち主の体温とともに伝えてくる。

「さあ、きょうは貴男の奥さんの番ですよ――」
男はちらっと墓地のほうを見やると、モノにした未亡人と恋人同士のように腕を組んで、
さっそうとホテルのフロントへと脚をすべらせる。
「ったくっ。妬けるよなぁ」
なぜか嬉し気な響きを秘めた羨望の声が、男の耳の奥にかすかにこだました。

偽装された宴

2019年11月19日(Tue) 08:02:16

当地に棲みつく吸血鬼は、ご婦人の脚を咬むのがお好き。
それも、ストッキングを上品に穿きこなした脚がお好き。
だから、この街の結婚式場は、きょうも吸血鬼で大賑わい。

あちらこちら、そこかしこに、ご婦人方の悲鳴が響き、
赤いじゅうたんの上で着飾ったスーツやワンピース姿が四つん這いになって、
鷲づかみにしてくる物欲しげな掌に足首を抑えつけられ、好色で卑猥な唇をふくらはぎに這わされて、
ストッキングをブチブチと引き裂かれながら、生き血を吸い取られてゆく。
同伴してきた夫たちは、ただうろたえて右往左往するばかり。
けれどもそんな彼らも、恥ずかしいことに。
妻たちの受難を、目で愉しみ始めてしまっている。

妻の友人の結婚式に、新婚三か月の妻といっしょに出席したのが始まりだった。
花婿よりも吸血鬼に魅せられはじめた新婦が、吸血鬼の仲間たちに自分の友人たちを紹介させるために企てた、邪悪な宴。
そのなかで妻は一人の吸血鬼に見染められて、先に生き血を飲ませる羽目になったぼくの前――
ピンクのスーツの奥深く秘めていた貞操を、シャンデリアの眩い照明の下に、さらけ出していった。

妻を征服した吸血鬼を心から称賛してしまったわたしは、新婦の称賛を勝ち得ることになって。
その後もしばしば、偽装された宴にエキストラのように参加しつづけた。もちろん、夫婦連れだって。
初めての人たちがあげるしんけんな悲鳴に合わせて、
妻も吸血鬼の愛人の腕のなか、黄色い声をあげてはしゃぎつづける。
好んで脚にしゃぶりつき、ストッキングを咬み剥いでいく吸血鬼に、ぼくはささやいた。
妻のストッキング代くらい、ぼくが稼ぎますからと――

事務職員の妻

2019年11月19日(Tue) 07:47:46

あなたがこんな学校に就職するからよ。

妻は嫌悪もあらわに、わたしを見すえた。
初めて吸血鬼の誘いを受けた夜。
非難の言葉と裏腹に、妻はいちばん良いスーツを着込んでいた。

吸血鬼がはびこる街で、わたしの勤務先の学校は、吸血鬼の受け容れを決めた。
生徒の登下校の安全を守るため――都は表向きで、校長夫妻がたぶらかされたからだ。
市長も、病院長も、街の名士のたいがいは血を吸われて洗脳されて、
夫人や娘、息子の嫁までも、吸血鬼にゆだねていた。
ひと晩愉しむと、女たちは帰宅を許されて。
その夜を境に、いちど咬まれた女たちは、こんどは自分のほうから、忍び逢うようになってゆく という。

学校が吸血鬼受け容れを決定したとき。
吸血の主な対象は、女子生徒たちだった。
父兄も承諾の上だった。娘の名誉が損なわれないという条件付きで。
そして、生徒たちに手本を見せるために女教師たちが、
もう少し血液に不自由なく過ごしたいという要求のために、女の事務員たちが、駆り出されていった。
男性事務員の妻たちに触手が伸びたのは、もう、ことのついでのような状況だった。

刺身のつま。というけれど。
ごく軽い添え物のようにして、わたしの妻の貞操が汚される。
けれども、そんなシチュエーションになぜか昂りを覚えてしまって、
「吸血鬼がきみを望んでいる。明日の夜招かれているから、ひと晩お相手してくるように」
つとめて事務的な口調で妻にそう告げたとき。
なぜか語尾が昂りに震えていた。
それを知ってか知らずか。
妻はいった。

あなたがこんな学校に就職するからよ。


ひと晩が過ぎた。
長いひと晩だった。
明け方、妻は帰ってきた。
送り出したときは徒歩だった。
遠ざかっていくハイヒールの足音が、まだ呪わしいほど耳の奥に沁みついている。
けれども帰りは車だった。
彼がハンドルをとって、運転してここまで連れてきてくれたという。
玄関にぴったりと寄せられた助手席のドアが開くと、
引き裂かれたブラウスからおっぱいをまる見えにさせた妻が、蒼い顔をして座っていた。
妻はいちどは車を降りかけたが、
「やっぱり恥ずかしい。もういちど――」
と、意味不明なことを呟いた。
ドアは再びとざされて、車は爆音を残して走り去った。

ぼう然として見送ったわたしの携帯に着信をくれたのは、妻を狙った男のほうからだった。
「もう少し奥方をお預かりする。彼女の気分が落ち着くまで。お昼ごろまでには、帰宅させます。だから家にいるように」
二人きりでいるところの邪魔をするな、ということなのだろう。
テレビ電話の向こうでは、妻をヒロインにしたエロチックな動画が、まるで影絵のように流れ続けていた。
心配させまいという気づかいだろうか?
退屈させないようにという配慮だろうか?
どちらともわからなかったけれど。
おかげでわたしは心配もせず、退屈もせずに一人の時間を過ごした。

ふたたび車が乗りつけられて、助手席のドアが開くと、
朝よりもさらに着崩れしたスーツ姿の妻が、そこにいた。
おっぱいをまる見えにさせたまま。
剥ぎ堕された肌色のストッキングをひざ下までずり降ろされたまま。
妻は視られまいという意思を態度で伝えて、唇を噛んで降りてきた。
運転席の男と目が合うと、向こうは会釈を投げてきた。
わたしも会釈を返していた。
「世話になった」「どういたしまして」
まさかそんなやり取りをするわけにはいかない。
抱きとめた妻の身体は意外に弱々しく、そのぶんわたしの男に注ぐ目線はきつくなった。
男はにんまりと笑い返して、爆音だけを残して走り去っていった。

妻は無言で、家に入った。
自分が主婦をしていたこの家に、まるで他人のような顔をして、あがりこんでいった。
わたしは目を背けたふりをして、自室に引き取るまでの着崩れ姿を脳裏に収めてゆく。
長い長いシャワーの音。
まんじりともしなかったソファのうえで、所在なく待つわたし。
リビングのドアが開かれると、妻はまだ身体にバスタオルを巻いていた。

「お願い、忘れさせて」
妻はいった。
バスタオルがじゅうたんのうえに落ちた。
落ちたバスタオルのうえに妻を組み敷いて、わたしは別人のようになった熱い呼気を、開かれた唇の上に押し重ねていった。

「やっぱり忘れられない」
夕方までの長丁場のまぐわいのあと。
妻の声色は震えて、どこか悩ましげだった。
「行ってきても良いんだよ」
わたしはいった。
「ありがと。遠慮なくそうする」
妻の口から洩らされたそんな囁きが、わたしの鼓膜を毒液のように浸した。
「なに着てこうかな」
悩まし気な囁きは、なお続く。
あのひと、服フェチなのよね。破いて愉しむのはなんだか・・・だけど。
クスッと笑うひそやかな笑みさえも、どうやらいまは彼のほうに夢中ならしい。
相手のやり口を非難しながらも、相手の好みに乗ろうとしている。
そんな態度が見え見えだ。

「こないだの結婚記念日に買ってあげたワンピース、着てってもいいよ」
わたしも悪乗りをして、囁きかえしている。
「ぼくからのプレゼントだと伝えてほしい」
妻は一瞬真顔になってわたしを見、そしてフフっと笑った。
「まえから、変な人だと思ってたけど」
軽く蔑むように尖らせた唇が、言葉を交えずに伝えてくる――いまの私には好都合・・・と。

夫の愛のしるしである服を汚させる。
思いつく限り、最上の好意の表現だった。
「だめ。忘れられない――」
妻がわたしの腕のなか、そう囁いたとき。
わたしは妻と自分とを、運命にゆだねる気になった。
彼は妻を帰してくれる男。これ以上なにを望もうか?
「きみのストッキング代くらい、ぼくが稼ぐから」
股間を昂らせながらそう囁くわたしに、妻は背中で頼りにしてる、といってくれた。


あくる晩。
といっても、妻の帰宅の数時間後。
新調したばかりのワンピースを着飾った妻は、出がけにいった。

あなたがあんな学校に就職するからよ。

口ではわたしのやり方を非難しながら。
彼女もわたしも、これからの異常な日常を、愉しもうとしている――


あとがき
前作、前々作とおなじ学校が舞台のようです。
刺身のつまとはいうけれど。
そんなふうについでのように喰われてしまう、妻の貞操。
そういうシチュは、かなり好きです。
ドラキュラ映画の第一の犠牲者みたいに、ちょっとはかなげで。(^^)

握り合う掌。

2019年11月11日(Mon) 07:53:59

肌色のストッキングを穿いたふくらはぎにやつの唇が這ったとき。
悠美ははっと息をのんで、夫の彬生の手をギュッと握りしめた。
目のまえの吸血鬼が迫らせてきた、淫らな意図を直感したからである。

すでに吸血鬼に血を吸われる習慣を身に着けてしまった彬生にとって、
熟女の生き血を欲しがる自分の親友に、妻を紹介することを思いつくのはごく自然の成り行きだった。
街に出没する吸血鬼を、いずれは受け容れなければならない。
奏覚悟して夫の赴任に随ってきた悠美だったが、じっさいに自分の血を欲しがっているという吸血鬼を紹介されたとき、
相手が黒マントをまとっているわけでもなく、モンスターのように口が裂けているわけでもなく、
どこにでもいそうな初老の白髪交じりの男性であるのをみとめると、ちょっと拍子抜けしたようだった。

杉尾ヒロシさん。54歳。ぼくよりひと周り年上だね。
じつはヒロシさんはもともとこの街に子どものころから住んでいた人で、
街が吸血鬼に解放された直後に奥さんを襲われちゃったんだ。
奥さんを襲った吸血鬼が、奥さんに本気で惚れているのを知ったヒロシさんはとても寛大で、
それ以来吸血鬼が奥さんと付き合うのを認めてあげて、ご自身も半吸血鬼になったんだ。

夫の紹介は上の空で耳を通り過ぎ、悠美はひたすら注がれてくる目線を受け止めるのに精いっぱいだった。

脚から吸うという行為は意外だったが、
「初体験ではどうしてもうろたえるので、首すじだと思わぬ怪我をすることがあるから」
という夫の説明に、なるほどと納得した・・・はずだった。
けれども不覚にも、なまの唇をストッキングを通してなすりつけられたその瞬間、
脚を吸うという行為自体を相手が望んでいたことに初めて気づいた。

初対面の客人を迎えるのに盛装したのは、夫のすすめがあったから。
くるぶしまで隠れるロングスカートの下に、高価なガーターストッキングをまとったのも、
礼儀のうちだと思い込んでいたから。
けれどもそれは、夫の悪友を不当に悦ばせたに過ぎなかったのだと気づいた時にはもう、
ストッキングをしつようにいたぶられ、チリチリになるまで咬み剥がれて、
ブラウスまで剥ぎ取られて夫婦のベッドに投げ込まれてしまっている。

「あなたお願い」
ひとりにしないで・・・という望みに、夫は戸惑いながらも応えてくれた。
手を握っていてというと、手を握りしめてくれた。
うなじに迫る牙の怖ろしさに、悠美は夫の手を痛いほどきつく握り返していた。

うなじのつけ根に、鋭い牙がクイッと食い込まされる。
ずぶりと埋め込まれた牙が、分厚い唇に隠された瞬間、
キュウッ・・・と生き血を吸い上げる音が洩れた。
洩れた音のひそやかさが、行為の淫靡さを物語っていた。
気絶せんばかりに悩乱した悠美は、白目を剥いたまま生き血を吸われた。

キュウッ、キュウッ、キュウッ・・・
貪婪な吸血の音が、盛装した妻の姿におおいかぶさるのを、夫の彬生は昂りを覚えながら見守った。
妻の掌はぎゅっと、彼の掌を握りしめたまま、小刻みに震えている。
かわいそうに、まだ正気を保っているのだ。

正気を保ちながら血を吸い上げれらるのは、さいしょのうちはちょっと厳しいものだと、彼は自身の経験から知っていた。
けれどもそのうちに慣れてくると・・・
そこまで知ってしまった彼は、その後ヒロシと面会するとき、こっそり持ち出した妻の服を身にまとうようになっていた。
悠美を襲いたいと念願したヒロシの気を紛らわせるためにしたつもりだったのに、
いつか悠美の身代わりに襲われることに快感をおぼえてしまい、
その行為が本当に悠美を襲わせるための前段階だったのだと分かりながらも、密会をやめることができなくなっていた。

目のまえの吸血鬼が妻の生き血を摂取しながら、
口にしている血液の味に満足を覚えているのを感じて、彬生は奇妙な誇らしさをおぼえていた。

妻の手から、力が去った。
失血のせいばかりではないのだと、彬生は知った。
夫の手を振りほどくと悠美は、その腕をそのまま自分のうえに覆いかぶさる吸血鬼の背中に、ツタのように絡ませてゆく。
悠美の息が、荒くなっている。
彬生は去り時を自覚した。
悠美は、剥ぎ取られたブラウスをまだ身にまといながら、むき出しになった肩を切なげにはずませはじめている。
ロングスカートは太ももが見えるまでたくし上げられていた。
ひざ下までずり落ちて弛んだストッキングが、妻が堕落し始めたのを物語っている。
この場にとどまっていちぶしじゅうを見届けたい衝動と、招くべからざる客人に妻を独り占めにさせてやりたい欲求とが、
彬生のなかでぶつかった。
物陰から見守るという中途半端な選択肢は、決して不正解ではなかったはず。
長年連れ添った妻が吸血鬼と親和する記念すべき瞬間を、彬生は昂りながら見届けていた。
ひと晩じゅう過ごされたまぐわいのいちぶしじゅうを見届けて、翌日は欠勤するはめになったけれど。
彬生は決して後悔をしていない。

欠勤をしたことも。
すべて見届けてしまったことも。
妻の貞操を惜しげもなく振る舞ってしまったことも。

ほら、きょうの分。 ~奥さんのストッキングを一足、つごうしてくれないか? 後日譚~

2019年11月11日(Mon) 07:30:58

目のまえにぶら下げられた、淡いグレーのストッキングは、
心持ちふやけていたが、もとの持ち主の脚の形をまだ残していた。
「奥さんのストッキング。きのうゲットした」
ヒロシは本人の脚を撫でさするように、いとしげにストッキングを愛撫する。
目の前で妻の脚をまさぐられているような錯覚を、俺は覚えた。

「これね」と、ヒロシは言い足す。
「最初の戦利品」
え?どういうこと?
訊き返す俺に、ヒロシはいった。

最初にせがまれたのは、妻のストッキングを一足。
ナイショで開けた箪笥の抽斗から、どこでも見かける肌色のやつをみつくろって、手渡してやった。
折り返し「返すね」と渡されたのは、淡いグレーのストッキング。
「夕べ本人の脚から抜き取った」
と、やつは抜かしたものだ。
そう。
俺がせがまれたのは、妻のストッキングだけではない。
ストッキングの持ち主の肉体までも、共有したいとせがまれたのだ。
同意のしるしが、妻の箪笥の抽斗からくすねたストッキングを手渡すという行為。
無意識に、すべてをわかったうえで、俺は応えていたのかも。
俺の妻を犯したいという願望をめでたく成就させたヒロシの横顔を、眩しく盗み見ていた。

返されたストッキングは、夕べなにが起きたのか俺は知っていると伝えるために、
妻の目につくように、部屋の屑籠に放り込んだはず。
妻はそれをふたたび脚に通して、恥知らずな訪問を重ねてきたということなのか。
「ウン。恥知らずだったよ。ベッドのうえで」
やつはヌケヌケとそう自慢をこいて、俺はひそかに股間を逆立てていた。
それでも俺は、やつにせがまれていた黒のストッキングを妻の箪笥の抽斗から抜き取って、
やつに手渡すのを忘れない。
「ほら、きょうの分」
さりげなく発したつもりの語尾が、きょうも妖しく震えていた。

奥さんのストッキングを一足、つごうしてくれないか?

2019年11月06日(Wed) 07:48:19

「奥さんのストッキングを一足、つごうしてくれないか?」
親友のヒロシにそんなおねだりをされたのは、つい先日のこと。
なにに使う?と訊いたら即座に、オ〇ニーに使用するとのこたえ。
ヒロシはバツイチで、女旱(ひで)りのようだった。
俺はためらうことなく、妻の箪笥の抽斗から一足抜き取って、ヒロシに与えた。
どこでも見かけるような、肌色のやつだった。

数日後。
ヒロシから呼び出しを受けて、小さな紙袋を渡された。
なに?と訊くと、先日のお礼だという。
中を開いてみると、くしゃくしゃになったストッキングが一足、入っていた。
「返すね」
とヒロシはいったが、入っていたストッキングは淡いグレーで、明らかに色違い。
不思議そうな顔をする俺に、やつはいった。
「奥さんのストッキング。夕べ、本人の脚から抜き取った」
え???
手にしたストッキングの色は、確かに妻が時折脚に通している、見覚えのある色だった。

恩を仇で返すのか・・・とは、思わなかった。
やつは俺の性癖を知り尽くしていたから。
やつの精液にまみれたストッキングを、俺はわざと家の屑籠のなかに、放り込んだ。

兼業主婦の妻はこまめなハウスキーパー。
家のなかにいても始終立ち働いていて、掃除をしたり、洗濯をしたり、ごみの回収をしたりしている。
俺が屑籠に爆弾を放り込んで30分ほど経ったとき。
あっ・・・と、声にならない声と、たじろぐ気配を背中で感じる。
妻は俺のほうへとおずおずとやって来て、やおらその場に土下座して、いった。
「ごめんなさいっ!」
俺の帰りが遅い夜。
勤め帰りにヒロシに出くわして(きっと待ち伏せしてたんだろう)、お酒に誘われて、軽く飲んで、
それからうまい口車に酔わされて、意気投合して、彼のねぐらでひと刻酔い覚ましをしたのだという。

ひとしきり激謝りをくり返したあと、妻はいった。
「でもあなた、こういうのって好きでしょう?」
こくりと頷く俺に、「素直でよろしい」と、にんまり笑った。

ヒロシは時おり俺を呼び出して、小さな紙袋を渡してくれる。
妻の脚から抜き取ったストッキングは、やつのオ〇ニーに使用され、それから俺の脚にまで通される。
上品な薄地のナイロン生地は、男ふたりの脚をすら、淫靡に妖しく彩ってゆく。

それに折り返すように、妻の箪笥の抽斗を開けて、洗濯された穿き古しのストッキングを一足、ヒロシのためにせしめてゆく。
どうやら妻が一度脚に通した穿き古しに、需要があるようだ。
家事にいそしむ妻は、知らん顔をして、そのまま家事に没頭している。
そして、やつと示し合わせてデートに出かける時には、新しいやつをおろして脚に通していって、
ノーストッキングで、何食わぬ顔をして帰宅する。

彼がコレクションした妻のストッキングは、何ダースそろっただろうか・・・?

コレクションを見せつけられて。

2019年11月04日(Mon) 16:32:37

だだ広い洋館のひと部屋ひと部屋に、女が一人ずつ、宿っている。
女はこの部屋の主人。そして、この洋館のあるじのためのミストレス。
そこに住まうのは未亡人だけではない。
人妻もいるし、結婚を控えた生娘さえ住まっている。

けれどもふだんの彼女たちは、そこで寝起きしているわけではない。
部屋にはベッドとソファ、それに壁に埋め込まれた大きなクローゼット。
ふだんはがらんどうなその部屋に。
女たちは自分の意思で訪れて、この洋館のあるじに身をゆだねる。

制圧された貞操に熱情の滾りを思い切り注ぎ込んだ後、
洋館のあるじは女の身にまとった服を、戦利品としてせしめてゆく。
女の洋服に執着する掌が、
ブラウスを、スリップを、ブラジャーを、スカートを、ストッキングを、ショーツを・・・
一枚一枚、剥ぎ取るようにせしめてゆく。
股間に熱い滾りを享けた女たちは、ため息をしながらも身をゆだね切り、
変態な男の求めに応じて、己の衣装を惜しげもなく、剥ぎ取らせてゆく――

そうして剥ぎ取られた服たちが、大きなクローゼットの闇の中、匿われるようにひっそりと、仕舞い込まれてゆく。
持ち主を共有する服たちは、肩をそろえ、向かい合い、幾重にも重ねられながら。
互いに互いの息遣いを、交わらせてゆく。
自分が犠牲になったときの艶やかな物語を、お互い奏で合いながら・・・


――さいしょに咬んだ時にはね、奥方もさすがにうろたえられて、暴れたのですよ。
わしの腕のなかで。
もちろん、逃げ出せやしません。
首すじを咬んで、生き血をたっぷりと吸い取って、
わしは元気がつくいっぽう。
奥方は身体から力が抜けるいっぽう。
たっぷりと恵んでもらいました。
痛いのをガマンして生き血を振る舞ってくださった挙句が、あの熱い熱い濡れ場です。
ああ、あの夜は、愉しかった・・・
それがこのときの服です。

男が手に取って押し戴くのは、見覚えのあるベーズリー柄のワンピース。
深緑の生地の肩先や二の腕に。
それからわき腹とお尻にも、どす黒いシミがこびりついている。
どす黒いシミの中心部分には、男が咬んだ痕が、不規則な裂けめとなって二つ並んでいる。

――さいしょが、肩。それから、脇腹。さいごに、お尻。だんだん穴がこぎれいになっていくでしょう?

果たしてそうだろうか?
けれども男のいうように、妻の身体にむやみと食いついた痕たちは、
肩先ではかぎ裂きのように派手に破けて、
わき腹は幾対も念入りに咬んだ証拠が規則正しく並んでいて、
妻の抵抗が弱まるにつれ、男の自由が増したことを物語っている。
そして臀部に開いた大きな穴は、しつように咬んだ証拠となって拡がり、
吸い取った血をわざと滴らせた名残りが、胸もとにほとび散らされた分と同じくらい、濃く残されていた。

――奥方を我々にゆだねられたご主人のなかには、さいしょに咬まれたところを視たい、という人がけっこういるものです。
けれどもわしらは、それは御覧にならないほうがよい、と応えています。
だって、さいしょは本気ですよ。
奥方が悲鳴をあげながら逃げまどったり、血を吸い取られるのを悲しがったり、服を汚されるのを嫌がったり、
そんなところを見せつけられて御覧なさい。
ご主人にワンパンチをくった上にお預けをくらうのは、わしらのほうです。


この街では、吸血鬼と人間とが共存している。
とはいえ、人間は一方的に食われる側。
それが嫌だという連中は、とうにこの土地を離れてしまった。
残ったものは、どうにか吸血鬼と折り合いをつけて、
自分たちの健康が損なわれない程度の血液を都合するのと引き替えに、街の安寧を守ってもらう。
それがこの街の、暗黙のルール。
街の女たちは、誘い込まれるままにこの娼館に脚を踏み入れ、
彼らの欲望を満たし、自分も満たされて、
それからなにごとも起こらなかったような神妙な顔つきで帰宅して、
堅実で常識的で無味乾燥な日常に戻ってゆく。


――二着目が、これです。
ほら、息子さんの学校のPTAのときに、よく着てかれる服でしたよね。
奥方は、どうもそういうお付き合いが、苦手だったようです。
PTAの役員もお辞めになられて、この服も一丁あがり、というわけです。
空色のジャケットの肩先に、これ見よがしな赤黒いシミ。
――生地の厚いジャケットの上から咬みついても、あまり面白みはありません。
ですが、どうしてもこのお洋服を汚して欲しいのとせがまれたら、やってのけるのがわしらの務め・・・ウフフ。
男のたちの悪げな薄哂いに、夫はさすがに同調しないまでも、反撥は押し隠すようになっていた。

――三着目が、こちら。
どうです?もうほとんど汚れがないでしょう?
このころにはもう、息が合ってきましたからね。
わしも奥方も、身に着けた衣装を汚さないようにと、気遣う余裕ができたのです。
その分、仲は深まっちゃいましたけれどね。おっと、失礼。
本当はね、一か所だけ、スカートの裏地についちゃったんです。白くて生温かいヌラヌラが。
あんた、男だからわかるでしょ?
でもね、クリーニングに出したら、きれいになりました。
わしも気に入った服なので、せしめてしまいました。
これ、ご主人のお見立てだそうですな。
さいしょのときのベーズリー柄のお洋服も、そうでしたな。
奥方からうかがいました。
今だから言うけど、奥方を見染めたきっかけは、あのベーズリー柄のワンピースがとても目についたからなんですよ。
わしとご主人とでは、もしかすると趣味が合うのかもしれませんな。

そういえば。
このごろ妻が身にまとう服は、見慣れないものが増えている。
真っ赤なスーツとか、露出度満点のこれまた真っ赤なタイトミニとか。
いつだか、これまた真っ赤なノースリーブのタンクトップに純白のふわふわしたロングスカートの組み合わせの時には、
どこの娘かと思ったほどだ。
――ありゃあね、わしの好みです。お目汚しだったら、ごめんなさい。
男というやつは、モノにした女に、自分好みの装いを着せたがるものでしょ?
でも、奥方の服装の趣味が変わってから、ご夫婦の営みの頻度が増えられたとか。
ご自分で択ばないまでも。
ご主人もお好きなようですね、赤い服。
奥方のファッションの幅を拡げたのは、わしの手柄ですぜ。
感謝してもらいたいものですな。

自分の好みの妻の服がつぎつぎと持ち主の血をあやして消えていって、
情夫の好みの妻の服に、じょじょに塗り替えられてゆく。
そうして妻は、自分だけの妻の部分よりも、吸血鬼の情婦の部分を一層色濃くしてゆくのだ。
自分の取り分は、はたして残してもらえるのだろうか。
ふと不安を覚えた夫に、吸血鬼はいった。
――だいじょうぶですよ、もっと自信を持ちなされ。
セックスだけが夫婦のすべてじゃあ、ないでしょう?
わしは良い思いをさせていただいているが、奥方は家に戻ったら、ご主人の忠実な奥方で、御園家の堅実な主婦ですから。
どちらが真実の奥方だろうか ですって?
野暮は言いなさんな。
女には、いくつもの顔があるんですよ。
ちょうどあんたに、常識的で穏健で堅実な勤め人と、妻を汚らわしい腕に鷲づかみにされて悦ぶ変態が同居しているように、ね・・・

さいごに取り出された服を目にして、夫は思わず声にならない呻きを洩らした。
それは去年、彼がボーナスで妻に買い与えた、結婚記念日のプレゼントの服だったから。
――奥方、紫がよくお似合いですな。これだけは、わしも脱帽です。
ですからね、いちおうここには置かせてもらっていますが・・・
奥方はここに来るたびこの服に着替えて、わしに抱かれるんですよ。
”あなた・・・あなた・・・ごめんなさい・・・私吸血鬼に襲われて血を吸われちゃう・・・犯されちゃう・・・”って、呻きながら。
あの瞬間は、わしの情婦でもなんでもなくて、あんたの妻なんだな。
そしてわしは、結婚記念日の服を着たあんたの妻をこの場で、犯しているんだな。そういう手ごたえがありますよ。
自分だけのもの にするよりも。
むしろわしは、そっちのほうが好みなのでな。
だから折々、奥方を誘いますよ。
あんたの持ち物を、ひとときわしのものにするために――


翌週は、夫婦の結婚記念日だった。
二人は高級ホテルで特別メニューのディナーを平らげて、
それから夫は妻を自家用車で、あの呪わしい洋館に送り届ける。
この洋館のあるじにも、この日を共に祝う特別ディナーを振る舞うために。

妻が身にまとうのは、今年の結婚記念日のプレゼントとして求めた、濃い紫のロングドレス――
「今年も紫が良いでしょう」
吸血鬼のリクエストをかなえてやるのは少し癪だったが、
時には似通う好みを意識して、とびきりのものを択んでやった。

妻を洋館の前で降ろすと、夫はいったん自宅に戻り、それから洋館の駐車場で、長い待ちぼうけをさせられる。
嫉妬に焦がれる思いを抱えながら。
「きっと彼の気に入るわ。だけど着て帰れなくなるわよ」
今年のプレゼントも気に入った――素直に称賛する代わりにそんな挑発を投げてきた妻のため。
車のなかには、着替えを二着、用意している。
どちらも自分の見立てた妻の服。

もしかすると、結婚記念日のお祝いに、やつは真っ赤なロングドレスでもプレゼントしてくれるのかもしれなかったが、
それを着て帰られるのは、もっと癪だった。
だから、自分の見立てた服を用意した。
けれども最低一着は、アンコールを断り切れなくなって、その場で使用されてしまうかもしれない。
なにしろ、服の趣味は、夫と情夫とで、かなり似通っているのだから。

だれのために操を守るのか

2019年11月03日(Sun) 18:04:54

色男が人妻に恋をした。
人妻は色男の親友の妻だった。
色男は亭主に恥を掻かせるつもりはなかったし、
人妻を手に入れたとしても亭主とも仲良くやっていきたいと希望していた。

色男も亭主も、酒好きだった。
色男はある晩亭主を酒に誘って、
ほろ酔いになった時分になってから、彼の人妻に対する想いを語った。
亭主は案外とお人好しで、その上美しい妻を自慢に思っていた。
彼は妻が色男に抱かれるところを想像し、その情景を無性にのぞき見したくなってしまった。
そして、色男が自分の妻を誘惑することを許してしまった。

亭主にあいさつを済ませてから、色男は人妻を誘惑した。
思えば、ずいぶんと律儀なやり方だった。
人妻を得るためにまずその夫に諒解を求めたのだから。

人妻は用心深く構えていたので、手練れの色男も容易に彼女をモノにすることができなかった。
やがて人妻は、色男と自分が結ばれることを、夫さえもが期待していると察してしまい、
自分はいったいだれのために操を守ろうとしているのか?と疑問に思った。
それでも彼女は容易に色男の求めになびこうとはしなかった。
操を守ることは、少なくとも自分の名誉を守ることにはなると感じたからである。

それでも彼女の抵抗にも限界があった。
だれのために操を守るのか。
夫のためではないことは、わかってしまった。
だから自分の名誉のために操を守ろうとした。
けれども人妻は色男を自宅に招び寄せて、こう告げた――

私は貴男のために、自分の操を守ろうと思う。
そう、あなたをめいっぱい、そそらせるために・・・

組んづほぐれつ、人妻は半分本気で抵抗した。
けれども衣服のすき間から侵入した掌が与える愛撫は、じょじょに彼女の理性を融かしていった。
彼女は夫のため、自分の名誉のため、そして色男をそそらせるために抗いつづけ、
さいごに、のめり込むようにして、堕ちていった。

3人はいまでも、仲良く暮らしている。
亭主が勤めに出ると、入れ替わりに色男がやって来る。
ときには亭主が家にいても、色男はやって来る。
そんなときには亭主は、たばこを買いに行くとか、ひと風呂浴びてくるとかいって、わざと座をはずして、
その隙に色男は人妻のブラウスの襟首やスカートのすそから手を差し入れる。
そして、たばこを買いに行ったはずの、あるいは入浴しているはずの亭主は、いつの間にか舞い戻ってきて、
物陰からひっそりと昂りながら、妻が不貞に耽るありさまを、ひたすらたんのうするのだった。

親友の妻を襲った吸血鬼

2019年10月21日(Mon) 07:51:44

誤って親友の妻を襲った吸血鬼がいた。
暗がりで襲ったので、彼女の素性を知ったときにはすでに、首すじを咬んで血を啜ったあとだった。
彼女は吸血鬼の術中に落ちていて、その腕のなかでぐったりとなっていた。
ふつうであれば、あとは吸い放題に血を吸い取って、気のすむまで吸血したあとは性的関係まで結んでしまうのがつねだった。
けれども吸血鬼は、彼女の夫に対して友情を感じていたので、
そこまで果たすことをためらい、彼女の貞操を奪おうとはしなかった。
緩やかな夜風が通り過ぎるなか。
吸血鬼は、自分の腕のなかで眠る夫人が目覚めるまで抱きかかえ、介抱しつづけていた。

われに返った夫人は、自分の身になにが起きたのかを咄嗟にさとった。
そして、夫の親友が夫への厚誼を重んじて、彼女に辱めを加えなかったことに、素直に感謝した。
どうしようもなく飢えてしまった時以外彼が紳士であることを、夫からつねづね聞かされていたし、
もしも切実に求められてしまったなら、彼に血を与えるようにと言い含められていたのである。
夫の親友が自分に対して血を吸う以上の危害を加えないと覚った夫人は、
まだ血を欲している彼のために、すすんで首すじをゆだねた。
以前彼が、急病に倒れた夫のことを救い、すんでのことで喪うかもしれなかった生命を取り留めてくれたことを知っていたからである。
吸血鬼はストッキングを穿いたご婦人の脚に好んで噛みつくという、いけない嗜好を持っていた。
夫人は彼の願望を好意的に満たしてやることにした。
そして、良識のある婦人にとっては許容できない侮辱であるはずの振舞いを、自らの装いにたいして許していった。

彼女が自分から許しはじめると、吸血鬼は本能のおもむくままに夫人の生き血を啜り取り、ストッキングの舌触りを恥知らずに愉しんだ。
夫人は彼のあからさまな欲望にうろたえ、辟易したけれど、後悔はこのさい忘れて、渇いた要望を満たしてやった。
そして、しわくちゃになるまでいたぶられた薄いナイロン生地が、自分の足許からみるかげもなく咬み剥がれてゆくのを、ぼう然となって見届けていた。

彼は親友の自宅まで彼女を送り届けると、合わせる顔がないといいながらも、言い訳ひとつせずに謝罪の言葉を告げた。
吸血鬼の親友は、ことの次第に驚きながらも愛妻をいたわり迎え入れると、
親友の過ちを必要以上に責めようとはせずに、妻の帰り道を守ってくれた礼だけを伝えた。

吸血鬼が言い訳ひとつしなかったので、夫は妻が吸血鬼によって犯されたと思い込んだ。
けれども、妻にも対しても吸血鬼に対しても、いちどの過ちを咎めるには、彼はあまりにも寛大すぎる性格の持ち主だった。
彼はむしろ、妻を襲って血を吸い犯したのが、親友の吸血鬼でよかったとさえ感じていた。
そして、妻が犯されたことについて苦情を言うまいと心に決めた。

吸血鬼が玄関先から姿を消すと、夫人は夫に打ち明けた。
彼はそれと知らずに自分を襲ったが、血を啜っているさなかに私の素性に気がついたので、婦人としての名誉を奪おうとはしなかったと。
そして、これからも彼の誘いを受けたら、吸血を受け入れるつもりだといった。
彼は紳士だから、私を襲っても犯したりはしないだろうからと。
善意の献血なら、応じても良いと考えたのだ。
けれども夫のほうは、親友の正体を知っていたから、妻を相手に吸血に耽るとき、これ以上彼女の貞操を奪うのを我慢させるのは良くないと感じていた。
だから妻が彼に抱いている少しおめでたいイメージをさりげなく訂正するのを忘れなかった。
彼がきみを襲ったのに犯さなかったのは、きみの血を吸っている途中で、きみがぼくの妻だと気づいたからだ。
そうでなければ血を吸った後、きみのことを躊躇なく犯していたはずだ。
彼がなにも弁解しないで謝るものだから、てっきりきみのことをそれと気つかずに犯してしまったのだとばかり思っていた。
ぼくはきみが犯されていたと思い込んでいたのに、彼を許した。どういうことかわかるね?
それに彼は本来、人妻の貞操をこともなげに辱しめてしまう性癖の持ち主だから、
こんどきみが彼に遭遇したら、容赦なく犯されても文句をいえないだろう。
もしも今度、きみが彼に生き血を望まれて、それに応じるつもりなら、
きみは彼の抱く本来の願望を遂げられてしまうつもりで、彼に逢うと良い。
でも。
きみが吸血鬼に襲われてしまうことを必ずしも望んではいないけれども、
もしもそういうことになってしまうのだとしたら、きみの相手として彼なら許すことができると思う――と、心優しく賢明な夫はつけ加えた。
すでに血管のなかに吸血鬼の牙から分泌された毒液を流し込まれてしまった夫人は、守り抜かれたはずの自身の貞操をみすみす親友に譲ってしまおうという夫の言に、苦情を言いたてることはなかった。

2日後。
夫は夫人に親友の家を訪問させた。
病気のお見舞いという名目だった。
彼は夫人を吸血鬼の邸に送り届けると、邸の近くに停めた車の中で、夫人の帰りを待つことにした。
夫人は吸血鬼にあてた親友の手紙を携えていた。
そこにはこう書かれてあった。

先日は気分の悪くなった妻を送り届けてくれてありがとう。
きみは我慢してくれたけれど、そういう遠慮はしないでくれ給え。
この街で人妻が吸血鬼に襲われて凌辱を受けることは珍しくないことだし、
相手がきみであれば許容できると感じているから。
きみが守り抜いてくれた妻の貞操を、ぼくから好意を込めて進呈する。
どうか愉しい一夜を過ごしてほしい。
妻がきみの恋人の一人に加えてもらえれば、親友としてこれほど嬉しいことはない。

追伸
きみなら襲ったのがぼくの妻だと気がついても、
ためらいなく妻のブラウスを剥ぎ取って思う存分犯し、
妻を送り届けたときにあっけらかんと、きみの奥さんは良い身体をしているねと言い出すのかと思っていたよ。
こんどはぜひ、そんなふうにしてくれ給え。


あとがき
親友の妻をそれとは知らず襲ってしまった吸血鬼。
妻の貞操を守ってくれた吸血鬼のフェアプレーに感謝して、改めて妻を差し出す夫。
お互いファインプレーということで。^^

樹に縛りつけられた某夫人の伝説。

2019年10月06日(Sun) 07:44:39

「太さがちょうどいいのかなあ」
公園の樹の幹を抱きつくようにして抱えながら、ケイタはいった。
この樹は、近所では、

「結わえられたご婦人の樹」

と、意味ありげに呼ばれていた。

かつて某夫人がこの公園で吸血鬼に襲われて生き血を吸い取られたうえに、この樹に縛りつけられて犯されたのである。
それに――
ケイタの傍らにいる妻の美紀子が同じ目に遭ったのが、つい先週のことである。

先月引っ越してきたばかりだった。
ケイタの実家に同居したがらなかった妻との妥協点が、この街への移住だった。
街に住むこと自体には、美紀子は異を唱えなかったのだ。
「吸血鬼の棲んでいる街だよ?怖くはないの?」
夫にそう水を向けられても、
「だってあなたも此処で育ったんでしょ?」
というばかりだった。

移り住んでからひと月ほどの間は、なにごともなかった。
けれども、やっと落ち着いた今時分になって、ケイタの日課である夕方の散歩中、公園で吸血鬼に遭遇したのだった。
気絶寸前まで血を吸い取られたケイタは自宅に電話をかけさせられた。
「この身体じゃ家までたどり着けないだろう。奥さんを呼びなさい」
吸血鬼の言い草の裏の意味を知りながら、ケイタは家に電話をかけていた。
「少し時間がかかってもいいからさ・・・よそ行きのスカートにストッキング穿いてきて」
意味ありげに告げるケイタは、美紀子が危険を感じてこの場に姿を見せないことを半分願った。
けれども美紀子は落ち着いた物腰で公園に現れたし、
お約束通りに?夫の血を吸った牙を白い首すじに突き立てられて、うら若い血を吸い取られていった。
男はケイタに、
「すまないね、でもこれも何かのご縁だと思ってもらいたい」
といいながら、ケイタが昏倒しているのをいいことに、
失血でふらふらになった美紀子を目の前の樹に縛りつけて、スカートをたくし上げていった。
ひざ小僧の下までずり降ろされたストッキングのふしだらな引きつれが、いまでもケイタの網膜を狂おしく彩っている。

旧知の吸血鬼と再会したケイタは、久しぶりに血をごちそうした。
それから、妻を紹介したいといって自分から呼び出して、美紀子の血も吸い取らせた。
夫の幼なじみの牙にみせられた美紀子は自分から願って、ブラウスを剥ぎ取らせて、
夫の前での不倫のセックスに耽った。

いまでは、そういうことになっているらしい。
夫婦ともに嫌がっていないことに、それから毎日のように、逢瀬はくり返された。
貧血で体調が思わしくない日でも、不倫セックスだけは、夫の同席の上で続けられた。
「あいさつみたいなものだからネ」
吸血鬼はそううそぶいたが、ケイタもまた美紀子に「彼がきみにあいさつをしたがっている」といって、
妻を公園に連れ出していた。

「でも某夫人の話って、どうしてみんな知っているのかしら」
美紀子がいった。
意外な質問にケイタは小首を傾げながら、
「さあ・・・自然に広まったんじゃないかな?
 人の口には戸が立てられないものだからね。
 当人がひた隠しにしていても、広がってしまったんだろう。
 考えてみれば、その某夫人も気の毒なことだね」

ケイタはふと思った。
この樹に縛りつけられて犯されたという某夫人は、いまでもこの街にいるのだろうか?
悪い評判が経って好奇心の満ちた視線にさらされて、耐え切れずに人知れず街を去ったのではないだろうか?
たしかに、夫婦ながら吸血鬼に襲われた者は、この街にはとても多い。
奥さんと吸血鬼がそれをご縁につき合い始めて、それをご主人が黙認したりいっしょに愉しんだりしているケースも、とても多い。
けれども、樹に縛りつけられて・・・という”伝説”には、猟奇的な、背徳的な香りがぷんぷんと漂っている。
先週この樹に縛りつけられて犯されたばかりの妻をこの公園に連れてきて、しゃあしゃあと散歩などしていることを棚に上げて、
ケイタは恥じて姿を消したであろう某夫人のことを思ってひとしきり嘆いた。

ばかね。
傍らで美紀子がクスッと笑った。
「なんでもわかっているような顔しちゃって、やっぱりあなたは女の気持ちがわかっていないのだわ」
ケイタはあわてた。
美紀子がこういう含み笑いを浮かべて反論するときには、決まって言い負けてしまうからだ。
「そのひとね、きっと自慢したんだと思うの」
小づくりな赤い唇から洩れた囁きは、意外な説を唱えはじめた。

樹に縛りつけられて犯されちゃうなんて、それは羞ずかしいことよ。
お外で、だれが視てるかわからないでしょう?
それに、こっちのつごうも考えないで、力づくでモノにされちゃうわけだから。

ご主人だって、某夫人に求婚したときは、たいへんだったはずよ。
結婚の承諾をもらうまでには、映画に連れて行ったり、美術館にお誘いしたり、
高級レストランでごちそうしたり、色々だったと思うの。
でも、一生一度しかしないような努力を重ねてようやく勝ち得た奥さんの身体を、
行きずりの吸血鬼に自由にされちゃうわけですもの。
悔しかっただろうなー。
でも、自分のたいせつな奥さまを無償で提供しちゃえるというのは、ご主人とその吸血鬼とは、よほどの関係だったと思うの。

某夫人はそうしたこともすべてわきまえたうえで、その吸血鬼とお付き合いを始めたんじゃないかしら。
だから、浅はかに自慢したのではなくて、いろいろな意味が込められていると思うの。
もしかするとそれはご主人に対する怨みかもしれないし
――でも怨みだけだったら、離婚しちゃうかもしれないわね――きっとそうじゃない――
むしろ、結婚しながら浮気をつづけて、意趣返しをしようとしたのじゃないかしら。
ダンナの前でのセックスで、吸血鬼もダンナのことも満足させながら、ダンナに黙って秘密の逢瀬も愉しんだのじゃないかしら。
それをだれにも言わずに黙っているなんて、愉しすぎて考えられなくて。
そのうちに、あなただけに教えてあげるわねって、ごく親しい人にだけ打ち明けるようになって。
そのうちだんだん慣れてくると、「あなただけ」の「あなた」がどんどん拡大していって、
とうとう周りの人みんなが知るようになったんだわ。
だから公然の秘密みたいになって、「ご主人も嫌がっていないみたい」となって”事件性”が消えちゃうと、もうだれも話題にしなくなったのだと思うの。
きっと某夫人のご主人も含めて、みんな知っているのよ。
某夫人がだれなのか――
そう・・・たぶん知らないのは、あなただけ――

え?

ケイタは耳を疑った。
ぼくだけが知らない??
某夫人って、だれのことだ?
混乱するケイタをまえに、美紀子は無慈悲なまでによどみなく、話をつづけた。

あなたのお母さま。

ケイタは愕然とした。

初めてわたしが襲われて、ぼう然自失になって家に戻ったとき、たまたま家の近くにいらしてて、
ブラウスが破けたりスカートに泥が撥ねていたりしたのをご覧になって、すぐにお察しになったのね。
「あなただけには話しておくわ」って、ご自分が襲われたときの出来事を、こっそり聞かせてくださったの。
「ついでにあの子にも話しておいて頂戴」って、お願いされたわ。あなた知らなかったのね。
お母さま、ふつうに真面目な主婦だったから、さいしょに犯されたときにはうろたえていらしたけれど、
そのうち慣れて、お父さまの前でも平気でお相手できるようになって、
そのうちお父さまには内緒でお相手に逢うようになって。
ダンナを裏切るのって、楽しいわよって仰っていらしたわ。
どんなに仲の良い夫婦でも、お互いが嫌だって思うときってあるでしょう?
そういうときには、逢いに行くんですって。もちろんナイショで。
夫に秘密を作るとね、悪いかなって気になって、もとの献身的な主婦に戻れるのよ ですって。
私が献身的な主婦になるかどうかはわからないけれど・・・
でも、ダンナを裏切るのは、楽しいわ。

さいごのひと言を囁くとき、さすがに美紀子の瞳は張りつめたけれど。
夫の反応に安心したのが表情に出て、小づくりな口許から白い歯がこぼれた。

きのう私を犯した人のなかに、年増好きな人がいらっしゃったの。
うちの母も未亡人していて寂しそうだから、今度紹介してあげようと思ってるーー
そんな身の毛もよだつようなことをさりげなく口にすると、美紀子は夫に囁いた。

お母さま、仰っていらしたわ。
親子は似るものなのね――って。


あとがき
前々作「妻を縛りつけた樹」と、おなじ樹なのかもしれません。
一連のお話はもちろん、あくまでもフィクションです。
良い子は決して真似しないようにしてくださいね。
(^_-)-☆

世界を守った夫婦

2019年09月28日(Sat) 09:42:08

世界征服を企んだ吸血鬼がいた。
手始めに、顔見知りの夫婦を襲って征服した。
先に襲われた夫は血を吸いとられる歓びに目覚めてしまい、愛する妻が襲われるのをむしろ嬉しげに見届けてしまった。
妻は夫の前で犯されて、世間体を気にする夫ともども服従を誓わされた。
それ以来、夫婦は代わる代わる襲われて生き血を吸い取られた。
夫は快感にふるえながら血を吸われて、
貧血を起こしてその場に倒れたあとは、妻が犯されるのを視て愉しんだ。
吸血鬼は夫婦を服従させたことに満足して、それ以上の悪事を行うのを忘れた。
この夫婦は、自分たちが堕落するのと引き替えに、世界を守ることに成功した。

9月27日6:35 脱稿

ストッキング地の靴下の夫婦

2019年09月28日(Sat) 09:29:10

濃紺のストッキングがたまらなく好きな吸血鬼がいた。
彼は好んで人妻を襲い、脚にまとわれたストッキングを咬み破りながら。生き血を吸った。
ある家庭に侵入したとき、誤ってご主人の血を吸ってしまった。
彼もまた、濃紺のストッキング地の、紳士用ハイソックスを好んで穿いていたためである。
気に入りの靴下を破かれたご主人は立腹したが、吸血鬼の毒に侵されてしまい、
なおも咬みついてくる吸血鬼に、靴下をブチブチと破かせて、血を吸うのを許してしまった。
同じ色のストッキングを穿いていた妻をも目の前で襲われてしまうのも、夢見心地で許してしまい、
自身の妻がドラキュラ映画のヒロインを演じるのをたんのうするはめに遭った。
ご主人は以前から不倫の関係だったふたりの仲を許して、お揃いの色のストッキングを穿いて吸血鬼をもてなすようななった。


あとがき
ちょっと読んだだけだとわかりにくいので、時系列に描いてみます。

さいしょに吸血鬼が妻を犯して、不倫の関係を結んだ。
妻は吸血鬼のために、彼の好んでいる濃紺のストッキングを穿くようになった。
吸血鬼は妻の生き血を求めて家にさまよい込んで、濃紺のストッキングのふくらはぎを咬むが、
夫の脚を妻のそれと取り違えて咬んでしまった。
夫は妻の浮気相手に生き血を吸われたが、吸血鬼の毒に侵されて、相手の欲望を許してしまった。
妻の情事を目の当たりにさせられながらも、夫はふたりの交際を許して、
おそろいで濃紺のストッキングを脚に通して咬ませるようになった。

9月27日6:25 脱稿

恩がえし。

2019年09月28日(Sat) 09:20:47

吸血鬼がある人妻をたらし込んで、生き血を吸った。
人妻の夫は、妻と吸血鬼との不適切な関係を歓ばず、なんとかして妻の仇敵を討ち果たしたいと思った。
毎晩吸血鬼を待ち受けたが、いつもまんまとしてやられて、吸血鬼が妻との逢う瀬を愉しむことを許してしまった。
しまいに夫は寝不足で健康を損ねて、病気になった。
妻は夫を気遣って懸命に看病し、連れ添ったしんけんな態度をみた吸血鬼も、交代で愛人の夫である男の看病をした。
やがて夫は全快したが、以前の頑なな態度を捨てて、最愛の妻の貞操をきみにプレゼントすると告げ、吸血鬼に妻との交際を許した。
人妻は夫の配慮に感謝して、ますます夫に尽くすようになった。

あとがき
『沙石集』という古典に、こんな話が出ています。
自分の妻の浮気現場を押さえようとして梁の上に隠れていた夫が足を踏み外して下に落ち、大けがをした。
妻ばかりか情夫までもが気遣って、夫を介抱したところ、
夫は情夫と和解して、妻のところに自由に通うことを許した。
ちょっとそんな話を、思い出しました。

9月27日4:50 脱稿

妻を目の前で犯される ということ。

2019年09月24日(Tue) 06:33:47

妻を目の前で犯される。
それは夫にとって、相手の男との力関係をはっきりと見せつけられる儀式。
自分だけの所有物だったはずの妻の身体が征服され、突き上げる本能的な衝動に心ならずも反応し始めて、
さいごには淫らな愉悦に染まり切ってしまうころ。
奴隷に堕ちた夫もまた、妻が女として、相手の男を満足させていることに、歓びを覚えるようになってゆく。

もちろんそこには前提があって、
妻を犯す男が害意の持ち主ではなく、純粋に寝取りを好み、かつ夫への配慮を怠らない場合に限られている。
夫の体面は保証され、婚姻関係の解消も家庭崩壊も起こらず、うわべは紳士淑女の夫婦でありつづけることが可能となる。
夫はあくまで大人の遊戯として、自分の妻が寝取られ、目のまえで犯されることを受け容れ、
家庭の主要な部分を侵犯されることを許容するのである。

新妻と輪姦専科な吸血鬼たち

2019年09月22日(Sun) 16:04:11

わい雑な明るさに満ち溢れたわが家のなかに、リエさんの姿があった。
リエさんはぼくの幼なじみで、近々結婚することになっている。
ぼくの家には子供のころから遊びに来ているので、当然、吸血鬼の小父さんたちとも顔なじみだ。
彼らの正体を知ったのは年頃になってからだったけれど、
ぼくの家によく遊びに来る理由が、母さんをまわしに来ていることだと聞かされた後でも、
もともと昔から知っているどうしだったので、彼女が彼らを避けたり嫌ったりすることはなかった。
(もちろん結婚前の娘としてある程度の警戒はしていたけれど)
「エ?吸血鬼だったんですか?びっくり~」
そんなていどのかんじだった。
ぼくたちの街はとっくの昔に吸血鬼と人間とが共存して暮らすようになっていたし、
リエさんのお父さんももの分かりのよい人だったから、
彼女のお母さんもまだだいぶ若いうちに彼らにモノにされてしまっていて、
うちに出入りしている5人衆の吸血鬼に、まわされちゃっていた。
「ユウくんのお母さんと仲良しの小父さんたちが、うちの母とも仲良くなってくれて、嬉しい♪」
彼女の感想は、そのていどの能天気なものだった。

天真爛漫な彼女の性格は小父さんたちにも気に入られていて、ぼくの友だちの中でも以前から別格扱いだった。
まして、恋人となり結婚相手となる過程では、しばしばたちの良くないアドバイスをくれたし、それが善意の応援のあらわれだということも、ぼくはよく承知していた。
だから、彼女を招いてのわが家に、彼らが彼女の顔を見たさに集まって、わい雑な明るさをかもし出すのも、もっともというものだった。
「オイ、夕太。いまのうちにしっかり、リエさんに穴をあけとけよ。いずれ、だれの嫁だかわからないくらいに人気者になっちゃうんだからな」
そんな露骨な冗談にも、リエさんは声をたてて笑い興じるのだった。

やがてぼくたちは結婚し、処女と童貞で新婚初夜を迎えた。
一週間の新婚旅行から帰ると、彼らへの”手土産”は、「新妻の貞操」――。
ほろ苦い現実を受けいれるため、ぼくは事情をリエさんに話して聞かせた。
「そのつもりでいたからだいじょうぶ」
とウィンクで返す彼女に、ちょっぴり想いはフクザツだったけれど。
それでも、あの5人に吸血されまわされてしまうという運命を、彼女がごくにこやかに受け止めてくれたことに、ぼくは大いなる安堵と満足とを感じていた。

「リエさんを真っ先に抱かせてくれ」
そう囁いてきたのは、一座の中でも比較的年配の、顔色の悪い男だった。
サキオと呼ばれるその小父さんは、母さんといちばん親しいようすだったが、
あるときひっそりと言われたことがある。
「お前の本当の父親は、わたしだ」と――。
彼は吸血鬼のなかでは半吸血鬼と呼ばれる存在で、もとはこの街のふつうの住人だった のが、街が受け入れた吸血鬼に血を吸い取られて彼らの仲間になった人物。
輪姦マニアの彼らのなかでは唯一の妻帯者で、サキオさんが初めて輪姦を経験したのは、ほかならぬ自分の奥さんだったという。
つまり、半吸血鬼となったお祝いの宴に、自分の奥さんを差し出したというわけだ。
彼はぼくのことを初めて咬んだ吸血鬼だったけれど。
ぼくは彼の言を、素直に信じた。
彼こそが、ぼくのほんとうのお父さん。
だから、自分の嫁を真っ先に捧げることが、親孝行なのだと。

彼にしてみれば。
自分の妻をまわした男たちに、息子の嫁まで獲物として与えることになるはず。
そこには独特の、マゾヒスティックな歓びがあるのだろう

リエちゃんが処女のうちから、じつはたっぷりと吸い取らせていただいていたのさ。
きみのお嫁さんは、とっくの昔からわしらの共有財産というわけだ。

「お母さんからは、抱かれてらっしゃい、すごいわよって言われてきました」
直前までそんなことを言っていたリエさんだったけれど。
いよいよコトに及ぶ・・・というだんになると、にわかに恥ずかしがって、
夫婦の寝室のふすまを開けたままサキオさんにのしかかられると、
「夕太、視ちゃダメ~!」
と、両手で顔を覆って絶叫していた。
もちろんそんなことが許されるはずもなく、
記念すべき新妻の貞操喪失シーンはみんなの記憶に残るよう、ふすまを開け放ったままの状態で、
夫であるぼくを含めた5人の男たちにも共有された。

次から次へと、順々にソファから起ちあがる男たち。
だれもが全裸で、あそこをビンビンに振り立てて、リエさんに挑みかかっていった。
さいしょのうちこそぼくの前であるのを気にして、なんとか貞操を守ろうと腕を突っ張ったりして抵抗していたリエさんも、
二人め以降になるともう、ほとんど無抵抗に受け容れてゆく。
ぼくはふと思った。そして、サキオさんに囁いた。
「リエさん、吸血されるの初めてじゃないよね?」
「わかるかね?」
サキオさんは、にやっと笑った。
実はまだ彼女が女子高生のうちから、制服姿に目のくらんだ彼らは自分たちの邸のなかに彼女を引きずり込んで、処女の生き血をたんのうしていたという。
「えっ、じゃあもうとっくに、寝取られていたの??」
「でもちゃんと、新婚初夜には処女だっただろう?」
「それはそうだけど」
彼らはリエさんがぼくの未来の花嫁なことを尊重してくれていて、犯すことはなかったけれど。
やっぱり処女の生き血には目のない、ただの吸血鬼だったのだ。
リエさんは制服姿のまましばしば彼らの住処に連れ込まれて、素肌を吸われ舐められながら、きゃあきゃあはしゃぎながら、生き血を吸い取られていったという。

不思議に、怒りは沸いてこなかった。
むしろ、リエさんが処女の生き血をたっぷりと彼らに愉しませることで、
わが家の嫁としての務めを果たそうとしてくれたことに対する感謝の気持ちがわいてきた。
「さあ、婿さんも加わるぞ~」
傍らでサキオさんが声をあげる。
「エエ~ッ!?」
いちばんだれよりも大声をあげたのは、ほかでもないリエさんだった。
みんなの前での夫婦エッチは想定外。
リエさんはのしかかってゆくぼくに目いっぱい抵抗して、すぐにねじ伏せられて、征服された。
周りじゅうの拍手などもう耳にも入らずに、ぼくは嫉妬心のかきたてるいびつでエッチな感情の虜になって、なん度もなん度も彼女を愛し抜いてしまっていた。


あとがき
多分ここに出てくる夕太くんは、17日にあっぷした「貞淑だったはずのお隣のご夫婦も・・・」で生まれた息子さんだと思います。
(^^)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3842.html

法事帰りのご婦人たち

2019年09月22日(Sun) 15:41:46

法事が良いのだ、と、彼はいった。
お弔いだと、悲しみの度合いが大きすぎて、十分楽しむことができないから と。
エッチなビデオなどで、通夜の席で乱れる未亡人なんてやっているが、多くの場合あれはうそだ ともうそぶいた。
そういいながら彼は、法事帰りのご婦人たちの、黒のストッキングに包まれた足許を盗みるのも忘れない。
そのうちのひとりが、足許に注がれる視線を見とがめて、こちらに歩み寄ってきた。
すっかり白くなった髪をきちんとセットした、老婦人。
躊躇いがちに書けてきた言葉は、
「あの・・・喉渇いていらっしゃるのですか?」
少々ならお相手しますよ・・・という老婦人の善意を、彼は鄭重に断った。
「それよりも貴女、少しお疲れのようですな。ご自宅に戻られたらすぐに、砂糖水を飲まれると良い」
お気をつけて・・・と慇懃に頭を垂れる彼に、
老婦人もまた善意を漂わせた気品ある目鼻立ちに、いっそうおだやかな色をたたえて、ごきげにょう、と声を送った。

しばらくして通りかかったのは、40代くらいの落ち着いたマダム。
「あの…先日は見逃していただいて助かりました」
どうやら獲物を狩りに出かけた公園で出くわした彼女を、体調が悪そうだからといって襲わずに帰宅を促してやったらしい。
どうにも律儀なやつだ。
マダムはその折の好意を恩義に感じていて、わざわざ遠い縁戚の法事に出向いてきたのだと告げた。
「きょうは身体の調子がよろしいので、少しならお相手できますわよ」
マダムの善意を、彼は断らなかった。
「きょうは”本命”がいるから、ご主人に必要以上の迷惑はかけませんよ」
と言い添えた。
ご主人同伴だろうが何だろうが、ふだんなら見境なく、襲ったご婦人の貞操を奪って悦に入るやつなのに。
彼女は同伴のご主人のところに戻って二言三言囁くと、
ご主人は遠目にこちらに軽く会釈を送ってきて、
それからこちらに背中を向けたベンチに腰かけて、煙草を取り出しはじめた。

「すまないですね・・・じゃあちょっとだけ」
喪服のスカートのすそを心持ちたくし上げたマダムの足許に、彼は唇を近づける。
薄いナイロン生地ごしに清楚に浮いた白い脛に、脂ぎった唇が、ぬるりと這わされた。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
吸血されるあいだじゅう、マダムは目を瞑っていた。
放された唇のあとは、鮮やかな伝線がひとすじ、スカートの奥にまで這い込んでいる。
「主人は侮辱だと憤慨するでしょうけど・・・これくらいのことはおおめにみてもらいますからね」
マダムはイタズラっぽく笑うと、さっきからじりじりしているご主人の後ろ姿へとパンプスの脚を駆け寄らせていく。
立ち去る夫婦連れのご主人のほうが、破れたストッキングを穿いた同伴者の足許を始終気にかけ続けているのを遠目に見送りながら。
彼は口許を拭うとうそぶいた。
「どうやら、本命がご来臨のようだ」
微かな足音だけで、それが聞き分けられるのだ。
わたしにはとうてい、その足音が妻のものだと聞き分けることなどできない・・・

曲がり角から現れた喪服姿は、まさしくわたしの妻――
わたしとはあえて視線を合わせることなく、彼に向って礼儀正しくお辞儀をし、彼もまたそれに劣らぬほど恭しく会釈を返してゆく。
そろそろわたしの立ち去るべきときがきた。
そう思って腰を浮かそうとすると彼は、
「どこへ行くつもりかね」
と訊いた。
「きょうの法事には、見届け役が必要なのだと、察しをつけてもらいたかったな」
彼はイタズラっぽく、にんまりと笑んだ。
そして、あくまでもわたしとは目を合わせようとしない妻の腕をとって、お寺の本堂へと足を向ける。
どうやらきょうもまた、わたしは目の前で犯される妻の、貞操の喪を弔うことになりそうだ。
まだ咬み破られていない妻の黒ストッキングが、いっそうなまめかしく、わたしの網膜を彩った。

正当化された不貞行為

2019年09月17日(Tue) 07:04:51

妻の愛人は3人いる。
ひとりは、初めて夫婦ながら相手をした吸血鬼。
もうひとりは、そのあとわたしの母を襲った吸血鬼。
いまは嫁も姑も抱かれるという、濃い関係。
そしてもうひとりは、わたしの同僚――。
わたしと同じくらい早い段階で奥さんを犯されて、自身も血液のほとんどを奪われて、半吸血鬼になった男。
本人がそんな身になったのは。
じつは妻に焦がれていたからだという。
ふだんは謹直で、結婚も誰よりも遅かったけれど。
シャイで濃い愛情の持ち主は、
自分の奥さんとはラブラブなくせに。
人の妻にまで手を出す男。
ときにはセックスだけで呼び出され、妻も応じていると知りながら。
わたしはきょうもなに食わぬ顔で、友達と逢いに行くと告げる妻のことを、やさしく送り出していく。

妻と同僚との不貞は、献血行為の名のもとに正当化されている。
妻のなかでも。
わたしのなかでも。

どうしてこうなるの? または、賢明なる差別待遇

2019年09月17日(Tue) 07:01:32

街が吸血鬼との共存を始めてから、一年が経った。
それ以来、多くの人妻が襲われて、血を吸い取られたり犯されたりした。
本人も夫たちも、犠牲になったものの生命が保証されることと引き替えに、その状況を受け容れていた。
夫のなかには妻の仇敵であるはずの吸血鬼に自身の血も献血する、協力的なものさえ、一定数存在した。

それでも襲われない夫婦というのも、一定数存在するらしい。
生真面目すぎて、かりそめにもそのようなことを試みたら、どちらか一方、もしくは両方が、自殺しかねないという夫婦だった。
お隣のご夫婦も、そんな選ばれ方をしているらしい。
吸血鬼たちは、見向きもしなかった。

わたしの場合?
ほとんど真っ先に夫婦ながら襲われて、妻はわたしの目のまえで首筋を咬まれ、ブラウスを剥ぎ取られて犯されていた。
複数の吸血鬼を体験した妻は、そのなかで相性のよいもの3人と、おおっぴらに交際していて、
彼らはわたしが在宅しようとするまいと、見境なくやってくる。
むしろわたしが在宅しているときにこそ好んで訪れて、妻との情事を見せつけていく。

いったい、この違いは何?
妻のまえで、いちどだけ愚痴ったけれど。
そのあと、決まってこうなるからじゃないの。
と、あっさりといなされてしまった。
きょうも訪れた吸血鬼どもと戯れた肢体は、いまはわたしの腕のなか。
複数の精液に濡れた股間は、勢いよく注ぎ込まれたわたしの粘液に、いっそう濡れを帯びていた。

喪服に網タイツ。

2019年09月05日(Thu) 07:39:03

ある街のご婦人たちが、いっせいに網タイツを穿くようになった。
それは、この界隈では、吸血鬼の愛人になったことを意味していた。
夫たちは頭を抱えたが、どうすることもできなかった。
そしてほとんどの夫たちが、妻と吸血鬼との交際を、すすんで受け容れるようになっていった。


ある法事に参列した母親と娘が、そろって網タイツを履いてきた。
母娘は生活の糧を得るために、いちはやく吸血鬼たちに自らの血を差し出したのである。
多くのご婦人たちは、顰蹙の目でふたりを見た。
「吸血鬼を相手に娼婦のようなふしだらなことをした」という、非難の視線でもあった。
けれどもつぎの瞬間、縮みあがったのは、黒ストッキングのご婦人たちのほうだった。
母娘の連れの数名の男たちが吸血鬼であることを、ひと目で気づいてしまったらである。
ストッキングを穿いたご婦人の脚に好んで咬みつくという、けしからぬ趣味を持った彼らにとって、
ご婦人がたのだれもが黒のストッキングを脚に通してくる法事の席は、獲物を手っ取り早く手に入れる格好の狩り場だった。
奥ゆかしい喪服姿の参列者たちは、格好の餌食となったのだ。

故人に敬意を表して、彼らはお焼香が終わるまではおとなしくしていたが、
ひととおりのことが済んでしまうと、法事は吸血鬼の支配を受けることになる。
夫たちは、妻や娘たちが次々と吸血鬼に襲われ咬まれてゆくのを、なすすべもなく見守るばかりだった。
この街ではこういう場合、妻や娘を守ることを禁じられているのだ。

既婚の婦人が吸血鬼に襲われた場合、ほぼ例外なく犯されることになっていた。
体裁を気にする夫たちは、その場をはずすしか、採る道はなかった。
そして、ふすま一枚向こう側で、妻や娘がムザムザとうら若い血液を彼らの養分として吸い取られてゆくのを、
はらはらしながら、やがて昂りを交えて、覗き見するばかりだった。

家族の生命を脅かされることを気遣う夫たちは――実際にはこうした場合その危険は皆無なのだが――その場に留まり、
吸血鬼たちの荒々しい男ぶりを見せつけられる羽目になった。
貞操堅固だった妻たちがあっという間にイカされて、夢中になって、娼婦のように大胆に振る舞うようになってしまうのも。
多くの妻たちは、そんなところを夫に視られたくないはずなのに、
妻の凌辱現場に同席した夫たちは、寺に入ってくる時よりも仲睦まじそうに、寺を去っていった。

生真面目なご婦人たちが漆黒の礼装はふしだらにはだけられ、
薄墨色のストッキングをみるかげもなく咬まれみ剥がされてゆくかたわらで、
すでに堕ちてしまった網タイツの女たちは、こればかりはほかのご婦人たちと同じ漆黒のスカートを大胆にたくし上げ、
網タイツを半脱ぎにして、まがまがしい輪姦に身をゆだねてゆく。
厳粛なるべき法事の場は、娼館のような猥雑な喧騒に満たされた。

法事が終わるころに、夫も妻も、だれもが服従しきってしまっており、
夫たちは自分の妻と吸血鬼との交際をすすんで受け容れて、
妻たちは礼装をしとどに濡らされたお相手に、しなを作って別れを惜しみ、
早い機会の逢瀬を情人と夫とに、恥を忘れておねだりするのだった。

6月17日ごろ構想

似合う・似合わない

2019年08月28日(Wed) 03:53:07

夫婦ながら生き血を吸われた夫が、吸血鬼を見て言った。
「似合うね」
もうろうとなった視界のかなた、吸い取られた妻の生き血が、口許や頬をべったりと濡らしていた。

妻の血が吸血鬼の頬に似合う・・・と告げることは、
夫が妻と吸血鬼との仲を認めたことを意味してしまう。
それと察した妻は憤然として、家から出ていく、と夫に告げた。
「似合わないね」
吸血鬼は妻に、そう告げた。

思い直した妻は、だったら見せつけてやろうと思い、自分から吸血鬼の猿臂に巻かれていった。
「似合っているわ」
妻は夫に告げた。
妻を恋するあまり、夫は妻の服を身にまとい、いちぶしじゅうを見守っていた。

夫婦が吸血鬼の夜這いを受け容れた、さいしょの夜のことだった。

妻が喪服を着るとき。

2019年05月19日(Sun) 06:16:32

妻は日常でも、時々喪服を身に着ける。
わたしがいちど、吸血鬼に襲われて、血を吸いつくされて死んだとき。
お通夜の席で黒のストッキングの足許を狙われて、喪服のまま吸血されて犯されて以来、くせになったのだという。
妻を犯されたとき、わたしはひつぎのなかにいたはずなのに。
なぜかそのときの状況を、鮮明に記憶している。
そして、忌まわしいはずのその記憶を呼びさましては、昂りを覚えてしまういけない自分がそこにいる。

妻が喪服を着ているときは、犯されても良いという意思表示。
もちろん夫のわたしが抱いてもよいし、案外吸血鬼の訪問を受ける下準備のときもある。
わたしが挑もうとして拒まれたときは、
1時間以内にわたしは、妻の不倫現場をのぞき見して、別の形で性欲を満足させている。
妻が応じてくれた時には、
この見事な肉体を彼にも自慢したくなって、
妻を派手なスーツに着かえさせ、吸血鬼の邸に連れてゆく。

強奪される妻。

2019年04月21日(Sun) 06:12:06

喉がカラカラだった。
吸血鬼に襲われて、夫婦ながら血を吸われるようになって、半月が過ぎていた。
妻の目を盗んで訪れた吸血鬼の屋敷のなか。
いいように吸い尽されてしまったわたしは、吸血鬼と同じ渇きを体験している。
あんたは相性が良い。半吸血鬼になる素質はあるな。
男はうそぶいた。
半吸血鬼とは、どういうことです・・・?
眩暈にあえぎながら、わたしはやっとの思いで訊いた。
人間として生き、人間として我らに血を吸われるが、時には吸血鬼のように人の生き血を口に含みたくなる。
そういうことさ、と、やつはいった。

インターホンが鳴った。
待ってろ、と、男はいって、足早に玄関に近寄った。
おもむろにドアを開くと、ドアの向こうから叫び声があがった。
聞き覚えのある声だった。
「ど、どうしてっ!?」
ドアの向こうで妻がうろたえている理由が、なんとなく想像がつく。
いちど誘いを受けてしまうと、あらゆる理性を乗り越えて足が向いて、ここにたどり着いてしまう。
先刻わたしが受けた念波を、妻も受信したというに過ぎなかった。
――わたしの血だけでは、飽き足らなかったのだ。

「キャー」
ひと声叫んで、ドアの向こうの喧騒が止んだ。
チュチュ・・・ッ、じゅるうっ。
露骨な吸血の音にわたしは慄然とした――けれども、ドキドキしながら聞き入ってしまった。
わたしはすでに、半吸血鬼だったから。
やつが妻のことを羽交い絞めにして、脂の乗りきった生き血にありついていることを、悦ばしくさえ感じていた。
その場に倒れ込んだ妻にのしかかって、やつは容赦なく生き血をむしり取ると、
両手で妻のことをお姫さま抱っこして、部屋のなかへと引き込んでいた。

両目を瞑った妻は土気色の顔色で、それでも肩で息をはずませていた。
吸い尽さなかったのだな――わたしは少しだけ、ほっとした。
衝動のままに血をむさぼって、いちどは絶息しかかったこともある。
わたしの懇願を容れて、やつはせっかく獲た血を妻の身体に戻し、ことなきを得たが、
ことなきを得た代償として、わたしは妻の貞操を差し出す羽目になった。
着衣をはだけ素肌をあらわにしながら犯される妻の身体は、明らかに本能的な愉悦に喘ぎつづけていた。

すこしほっておけば、顔色もよくなるだろう。
やつはうそぶいた。
そのこともよく、知っている。
ものの30分もすれば、妻はわれにかえることだろう。
どうして彼が手かげんをしたか?
もちろん、べつのお愉しみを期待してのことだった。
わたしの同意を得ようとするような無粋は、さすがにかれは慎んでくれた。

差し出されたコップは、赤黒い液体で満たされていた。
渇きのままに口をつけると、生温かいぬるっとした感触が、唇を心地よく浸す。
妻の身体から獲られた血だ。
そうと知りながらも、わたしはコップを口から離さずに、そのままひと息にコップの中身を飲み干した。
旨いか?
すぐ傍らに、ほくそ笑んだやつの顔がある。
共犯者の笑みだった。
ああ・・・
わたしは虚ろに応えると、やつは満足そうに笑い返してきた。
蔑みや嘲りの感情は、そこにはなかった。
おなじものを旨いと感じるどうしの連帯感が、そこにはあった。

じゃあ、愉しませてもらうぜ。
やつは妻のほうに顎をしゃくって、わたしの同意を求めた。
ベッドのうえに投げ込まれた妻の顔色は、じょじょに血色を取り戻しつつある。
肌色のストッキングを穿いた両脚は、放恣に開かれていた。
男ふたりの視線が、淡い光沢を帯びた薄いナイロン生地に包まれた太ももに、それぞれの想いをこめて絡みつく。
好きにするさ、と、わたしはいった。
男は、もうひと声、と、せがんだ。
仕方なしに、わたしはいった。
家内を目のまえで犯してほしい。あんたの言うなりになった家内を視て、征服されたことを実感したいので・・・

それから一時間。
妻はたっぷりと、弄ばれた。
薄々は、わたしに視られながらの行為と、感づいているようだった。
恥じらい拒みながらも、侵入を受け容れざるを得なくなった股間の怒張に理性を狂わされて、
妻は目の前で、堕ちてゆく――
そしてわたしも、そんな妻を目のまえに、堕ちてゆく。


あとがき
誘い出された妻が、心ならずも吸血鬼の毒牙に屈して、生き血を吸い取られてゆく。
同じ吸血鬼の本能を植えつけられた夫は、
むしり取られてゆく妻を助けることもかなわず、
妻の仇敵と共有してしまった本能のまま、
男が妻を相手に好餌にありついている様子に昂奮してしまう。
強奪される妻を悦ぶ夫――
不謹慎です。あまりにも、不謹慎です・・・

譲歩。

2019年04月19日(Fri) 07:22:09

吸血鬼に襲われても、吸い尽されてしまうことはない――ときかされた。
だから譲歩がたいせつなのだと。

最初に望まれたのは、素肌に直接口をつけない採血だった。
妻もわたしも、注射針で採血をされ、
わたしたちを狙っていた吸血鬼は、ビニールパックに入った赤黒い液体を摂取した。
彼の生命をつなぎとめるためだけだったら、それでじゅうぶんのはずだった。

採血は、なん度となくつづけられた。
わたしたちはその都度譲歩して、注射針に腕をさらした。
むやみに襲われるよりは、はるかにましだと思っていた。

「仕方ないから、直接咬まれてくる。一度だけだと言われたから」
釈明を擦る妻は、わたしと目を合わせなかった。
そしてよそ行きのスーツ姿でひっそりと出かけていった妻は、ひと晩じゅう戻らなかった。
明け方になって髪を振り乱して帰宅した妻を、わたしは強く抱きしめた。
なにが起こったのかは、言わせなかった。
人の素肌に直接口をつけて吸血する場合、
相手が人妻だったら必ずそういうことをするのだと、なん度も聞かされていたはずだった。

彼はわたしの血も、肌に口をつけて直接吸いたがった。
むしろ文句を言ってやりたい気分で、わたしは彼の求めに応じた。
玄関まで見送ってくれた妻は、終始気づかわしそうにしていたけれど、
なぜか少しだけ、安堵しているようにみえた。
妻がどうして堕ちてしまったのか――身をもって思い知る羽目になった。
それ以来。
「直接咬まれてくるわ」と言って出かけようとする妻のことを、引き留めようとは思わなくなった。
妻はなん度も彼と逢い、逢瀬を重ねるようになった。

血が欲しかったら、わたしから先に咬んでくれ。
あるときわたしは、そう願った。
妻を守り切れないまでも、せめて身代わりになるべきだ――そう思ったからだ。
なにもしないで妻の帰りを待つことは、心に悪いと感じていた。
せめてその時は、失血で動けなくなっていて、彼女を守る力は残されていなかったのだと、そんな言い訳がほしかった。
願いはすぐに、聞き入れられた。
結果的に、吸い取られたわたしの血は、彼が妻を征服するときのエネルギーに振り替えられた。
わたしは彼と妻との逢瀬を、間接的に手助けしたに過ぎなかった。

時にはご主人のまえで、奥さんを犯したい。
男は無遠慮にも、そんな願いを口走るようになった。
「いちどくらい、かなえてあげましょうよ」
そう囁いたのは、妻のほうだった。

恥じらって拒もうとする妻は、
さきに血を吸われて身じろぎひとつたいぎになったわたしの前で抑えつけられて、
強引な吸血に声をあげ、
よそ行きのスーツ姿のまま犯されていった。
恥じらいながらも夢中になってゆく妻を見せつけられて、
わたしまでもが、かつて体験したことのない昂ぶりのるつぼに放り込まれた――

それ以来。
夫婦連れだっての献血を、なん度もなん度もくり返している。
わたしの家の名誉はそこなわれてしまったけれど――もう、後悔はしていない。

若妻の訪問。

2019年04月18日(Thu) 07:41:56

こんにちは。
門の向こうに佇んだのは、二十代後半の若妻だった。
ロングの黒髪を風にたなびかせ、
真っ白なカーディガンをゆるやかに着こなして、
胸もとを包むのは淡いグリーンのブラウス、
腰から下は、純白のひざ下丈のフレアスカート。
白のサンダルの脚はいまどき流行りの素足ではなく、ちゃんとストッキングまで穿いている。
なによりも。
面長で彫りの深い面差しに、白い歯をみせてにこやかに笑んだ唇が、彼女の訪問の意図を疑わせるほどに健全だった。

ここは「輪姦(まわ)され小屋」と呼ばれる古びた住居。
もとのあるじは妻を輪姦されて、ショックのあまり家を出た。
妻はそのままこの家に留まって、輪姦まみれの日常を、むしろ愉しみながら暮らしていた。
やがて夫も戻ってきて、べつの家で暮らすようになった。
もちろん妻を目あてに夜這いを掛けてくる者たちを出入り禁止にするような、無粋なまねはしなかった。
あとは自由に使ってほしいということで気前よく提供されたこの家で、
いったいなん人の女が、犯され抜いたことだろう。
メンバーの誰もが、互いに互いの妻の肉体を知っていた。
性欲の対象は、まず自前の女たちでまかなったのだ。
妻を犯してほしいという変わった願望を持つ夫というのは、意外に絶えないものだった。
だからこの家には、納得づくで訪れる女たち、夫婦者が、あとを絶たない。

わけてもきょうの若妻は、絶品だった。
都会育ちの洗練した身のこなし。
愛想の良い、上品で伸びやかな受け答え。
そして押し開いた太ももの奥の締まり具合。
なにからなにまで、最高だった。
ご主人のまえで初めて犯したあの晩は、いまだかつてないほど盛り上がった。
すっかり目ざめてしまったご主人は、度重なる交接にさすがに頬を蒼ざめさせた奥さんをいちどは連れ出したものの、
その夜のうちには改めて訪問してきて、
居合わせた男たちは、若妻の身にまとうよそ行きのワンピースを、自分たちの精液にまみれさせたのだった。

えっ?えっ?着たままするんですか!?
こちらの流儀はよくわかっているくせに、奥さんはわざと戸惑った声をあげ、
伸びてくる猿臂を払いのけようとしたけれど。
淡いグリーンのブラウスを破かれると、すぐにおとなしくなった。
大の男が三人、なかには彼女の父親よりも年配の男さえ交えて、
奥さんは無抵抗で、息をはずませて迫って来る男たちの交接を受け容れつづけた。
「セイジさん、セイジさん」
夫の名を呼びつづけたのは、本当に夫に対する謝罪だったのか、それともたんに周りの男たちの気をそそるためだったのか。

2時間後。
破けたブラウスの胸を、ボタンを締めたカーディガンの奥深く押し隠して、
それでも奥さんは何事もなかったかのように、帰っていった。
あのにこやかな笑みも、ここの玄関先に立った時のままだった。
さらさらとしたロングヘアをそよ風にたなびかせ、
ショルダーバッグを優雅に肩から提げて、
ストッキングを剥ぎ取られた生足を眩しく輝かせた歩みはよどみなく、家路をたどっていった。

主人の名誉は守って。
そう口にしたときだけは、しんけんだった。
そして、男どもが約束するとこたえると、わが身を獣たちの肉薄から隔てようとして突っ張った腕から、力を抜いた。
都会妻はこうして、村の男衆の性欲を満足させるために、わが身をゆだねていった。

いちど、亭主どのにお礼を言いに行かなくちゃな。
だれ言うともなくそう言って、俺たちは顔を見合わせ、ウフフと笑い合って、
互いの胸に泛んだいけない想いをまぎらせていった。

2時間もかかってしまいました。

2019年04月17日(Wed) 07:57:18

2時間もかかってしまいました。あなたの奥さんを犯すのに。
部屋から出てくると、男はそう言って頭を掻いた。
奥さんの抵抗はすごかった。ご主人も見ておくべでした。
きっと、ご主人しか識らないお身体だったのでしょうね。
女の操を守ろうとするお姿は、気高くてご立派でした。
でも、3人がかりでしたからね。^^
結論的には、たっぷり頂戴してしまいました。
奥さんも、さいごはノリノリでいらっしゃいました。
それに、また逢ってくれる約束をしてくれました。
ですんで私たち、また奥さんとエッチしちゃいます。
いいですよね?2時間もかかったんです。苦労しました。
ご褒美に奥さんの肉体を頂戴する資格があると思います。
けんかしないで、みんなで仲良く分け合いますから。^^
それにしても、奥さんいい身体してますね。ご主人が羨ましいです。
これからは、わたし達も愉しませてもらいます。
悦びは分かち合わないと・・・ね。
エエもちろん、秘密は厳守します。ご主人の名誉にも配慮します。鉄則ですから.
でもその代わり週2か3くらいは、お借りしますよ.^-^
だって、お勤めのあいだは、良いでしょう?わからないから。
でもたまには、ご在宅のときにも伺います。
きっとご夫婦のセックスの、刺激になります。
ではこれからも、よろしくお付き合いいただきますね。
それから2時間に、もう少し時間延長させてもらえませんか?
ありがとう、ご主人気前良いですね。
長年守り抜いて来た貞操を惜しげもなく振る舞って下さった奥さんと同じくらい、気前良いです。
ありがとう、ありがとう♪
では、もういちど、いただきま~す♪♪♪


あとがき
前記事のたいとるに刺激されて、口走ってしまいました。(^^ゞ

恋。

2019年04月10日(Wed) 06:54:43

どうしてうちの家内だけを襲うんだ!?
路上で襲われそうになった妻をかばいながら、照也はいった。
・・・あんたの奥さんの血が旨いからだ。
男は、ちょっと口ごもりながら、そうこたえた。

照れ隠しの強がりがみえみえだと、翠はおもった。
そして女の直感で、このひとは私のことが好きになったのだ、と、見抜いていた。
照也は照也で、同じ男として、目の前の吸血鬼が妻に恋していると感づいていた。
夫婦は顔を見合わせた。

私、恋をしてもいいかしら?
わざと独り言のように呟かれた言いぐさに、照也はあわてて聞こえないふりをした。
そして相手の男をにらみ返すと、「絶対死なせないでくれよ」と言い残して、近くの公園のほうへと立ち去っていった。
顔を見つめ合った一対の男女は、夫に少し遅れて、公園に入っていった。
そして、だれもいない公園の片隅で、むつみ合っていった。

嵐が過ぎ去ると、女はしずかに身づくろいをして、起ちあがった。
男は女に手を貸してやり、よろけた女を抱きとめて、優しく優しく腕に力を込めていった。
女は男のなすがままになっていた。
半脱ぎになったストッキングを男が欲しがると、女は脱がされるまま脱がされていき、
丁寧にたたんで男の掌のなかに収めてやった。

それ以来。
翠は誘われても良いというときにはストッキングを脚に通して男を待ちわびて、
照也はそんな妻のいちぶしじゅうを気づかわし気に見届けるようになった。

ひとつのありかた。

2019年03月22日(Fri) 08:25:37

吸血鬼との情事に耽る妻。
そのありさまを覗いて昂る夫。
最低の夫婦かもしれない。
けれどもそんなわたしたちを、吸血鬼は恩人だという。
たしかに――わたしたちの血を吸うことで、彼は生きながらえているのだから。
夢中なところを見せつけることに生きがいを感じる妻。
最愛の妻が辱め抜かれるところを覗いて、ストレスを忘れる夫。
変態夫婦と吸血鬼とは、良きセックス・パートナー。

人妻ふたり

2019年02月12日(Tue) 05:10:28

よっぽど飢えているのか?こいつ・・・と、正直俺は思った。
男のくせに俺を襲うとは。
勤め帰りに路上で襲われて、首すじに牙をぐいぐいと突き立てられながら、
どうしてそんなふうに余裕をかませることができたのか?これはいまだに謎である。
でも少なくとも、男はまるきりの獣ではなかった。ちゃんと会話が成り立っていた。
「あんた、よほど飢えているのか?」俺はいった。
同じ勤め帰りでも、スーツ姿のOLがわんさと通りかかるはずなのに。
よりにもよって男を択ぶとは、同性愛者なのか?とさえ思ったから。
けれどもそれは違った。
男はいった。
「あんた有森優子の旦那だろう?わしは優子に惚れてしまった。
 想いを遂げる前に、あんたを仲間に引き入れておきたくてな」
どうりで・・・さっきから・・・目つきがトロンとして来て、傷口が妖しく疼き始めている。
この街に棲む吸血鬼が人妻を狙うとき、しばしば先に夫を狙って口説くというのを、ふと思い出した。
そういうことなのか?と訊くと、あつかましくも、わかっているなら話が速いな、ときた。
契約を結ぶ際、相手に不利な重要事項は事前通知するのが建前だ。
だから俺は、言ってやった。
「あいつ、浮気してやがるんだぜ」
「え?どういうことだ?」
「夫公認の彼氏がいるって言っているんだ」

人妻を襲うとき、夫への事前通告をするというルールは存在するらしいが、
通告の対象に浮気相手は含まれていないらしい。
やつは、あんたの彼氏の了解は要らない、と言い切った。
優子のまえで、少なくとも俺の優位性を認めてはくれたというわけだ。
俺はその事実になんとなく納得して、そのまま血を与え続けた。

そんなふうにして二度逢って、それから優子を紹介するために、自宅に誘ってやった。
結婚式帰りのその夜、優子はやつの注文通り、若づくりに着飾っていた。
人妻を襲うときには、その装いもろとも辱める。
そんなけしからぬ嗜好を、俺は好意的にかなえてやることにした。
晴れ着を泥まみれにさせながら、妻が堕ちてゆくところを視たかったのかもしれない。
予定通り、優子はブラウスを真紅に染めながら生き血を吸い取られ、
陶然となって堕ちていった。

吸血鬼の奴隷に堕ちたあとも、日常に変化はなかった。
夫婦関係とか日常生活とかを壊さないのが、やつらの鉄則らしかったから。
俺は優子と今までどおり、なにも起こらなかったかのように暮らしつづけて、
優子は今までどおり、浮気相手との逢瀬を重ねた。
そのくせ吸血鬼との情事も、愛人に断りなく、だれにもまして乱れるようになっていった。
そのうちに優子は、したたかなことを思いついた。
「貴方は私の浮気な性分を理解してくれるけれど――あのひとの奥さんはだめね」
「あのひと」というのはもちろん、優子の愛人である酉葉雄介である。
彼は同じ勤務先の同僚で、妻とは社内パーティーで知り合っていた。
そして、同僚の妻であるということにも考慮を払わず、見境なく優子を犯し、夢中にさせた。
けれども彼の妻である里美は根っからの堅物だった。
見合い結婚したという里美は重役の娘で、箱入り娘だったのだ。
そして、浮気性な夫の浮気を敏感にかぎつけては、夫の不埒を詰り倒しているという。
「あのひとの奥さんを、あいつに襲ってもらうってどう?」
浮気相手の妻を陥れL計画を、どうして夫に相談するのだろう?
優子の寄せる変な信頼感に、それでも俺はこたえていった。

「あたしが行くのはまずいから、代わりにあなた行って」
自分の妻を襲わせることに、酉葉はかなりの抵抗を示したが、
日常的に犯している人妻の旦那である俺のまえで、強く出ることはできなかった。
「同僚と取引先の社長を酉葉の家でもてなす」という俺のアイディア(その実優子の発案だった)を、酉葉は渋々呑んだ。
女房を寝取られる旦那の気持ちが、今ごろわかったか――俺はちょっとだけ、意地悪な気分を楽しんでいた。

優子の新しい情夫である吸血鬼は、表向きは如才ないビジネスマンだった。
彼はたくみに酉葉の妻である里美にもお酒をすすめ、言われるままに里美も杯を重ねた。
アルコールに和らいだ席は次第にしどけなくなって、
吸血鬼は首尾よく?招かれた家の主婦をモノにしていた。
悪酔いして身体を傾けたまま、妻の痴態を渋面を作って見つめる酉葉に、俺は胸のすく想いだった。

ある晩家に戻ると、意外にも玄関のまえには、里美が佇んでいた。
いつもより仕事が早く片づいて、夕暮れの名残りが残る時分だった。
薄闇に透けて見える里美は、初めて堕落を経験したあの晩と同じように、小ぎれいに着飾っていた。
「うちの主人がお邪魔しているんです」
え?と問い返す俺に、
「あと、この間のあの方は、娘さんのお部屋で家庭教師をしているそうです」
言われるままに娘の勉強部屋の灯りを見あげる俺は、きっと間抜けな顔をしていたと思う。
「口うるさい私を首尾よく黙らせたご褒美ですって――あのかたたち、処女の血がお好きなんですものね」

落ち着かないですね、よかったらうちへ来ませんか?
返事も聞かずに先に立って歩き始めた里美は、黒のストッキングを穿いていた。
いかにも地味なよそ行きのスーツはきっと、堅物らしい彼女のチョイスなのだろう
ひざ下までも丈のあるスカートの下、黒のストッキングを通してピンク色に透きとおるふくらはぎが、なまめかしかった。

誘われるままに俺は、酉葉夫人に連れられて、彼女の家にあがりこんだ。
それから先のことは、もう言うまでもないだろう。
「あんなふうに、お宅に戻りにくい夜は、うちで休んでいってくださいね」
奥さまの代わりに、私お相手しますから――
しおらしく目を瞑った彼女の生真面目な横顔は、少女のようにウブだった。