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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

父さんが、吸血鬼になっちゃった。

2016年11月27日(Sun) 09:17:30

朝起きると、母さんは黒一色の洋服を着ていて、足許は淡い薄墨色のストッキングに包まれていた。
おはよう。佐紀夫もはやく、身支度なさい。お父さまが吸血鬼に血を吸われて、おなくなりになったの。
え?
青天の霹靂としかいいようのない言葉に反応しかねていると、母さんはぼくを促して、着替えを手伝ってくれた。
学校の制服は、紺の半ズボンに同じ色のハイソックス。
まるで女子高生みたいだと周囲の学校の子たちにからかわれながらの通学は、けっして気分の良いものではなかったけれど。
今はもう、そんなことは言っていられない。
いつの間に、どんなふうにことが運んだのか。
父さんの居間はすっかり片づけられていて、その真ん中には祭壇が作られ、祭壇のうえにはひつぎが乗せられていた。
洋風のひつぎはどことなく、ドラキュラものの映画に出てくる大道具のように、現実感のないものとしてぼくの目に映ったけれど。
母さんは大まじめな顔をして、ぼくに告げた。
お父さまは、吸血鬼におなりになったの。だからこれからは、母さんや佐紀夫の血で、父さんに生きてもらうのよ。
そういうと母さんは、広い畳部屋の真ん中にあお向けになって、胸のあたりで合掌すると、神妙な顔をして目を瞑る。
佐紀夫もそうなさい、と言われている気がして、ぼくも母さんにならって、すぐ傍らで同じようにあお向けになった。
冷え冷えとした部屋のなか。
身近に感じる母さんの気配が、ぬくもりを帯びて伝わってきて、なぜかとっても、どきどきした。
やがて、ひつぎのふたが開く気配――ひつぎのなかの人が起きあがって、足を忍ばせて近寄ってくる。
さいしょに狙われたのは、ぼくだった。
母さんに遠慮があったのか、たんに若い血が欲しかったからなのか、わからなかったけれど。
母さんが先に手本を見せてくれると思い込んでいたぼくは、ちょっとだけあわてた。
あわてた態度が身じろぎになって現れる前に、冷たい掌がぼくの太ももに触れ、意外なくらいつよい力で抑えつけられてしまった。
万事休す。
かさかさに乾いた唇が太ももに圧しつけられるのを感じると、ぼくはビクリ、と、身じろぎをする。
ちくり――と、かすかな痛み。
縫い針で刺されるような感覚が、皮膚の奥深くにもぐり込んでくる。
引きかえに、生温かい血があふれ出て、父さんの唇を濡らすのを感じた。
ちゅうっ。
強い吸引力に、ぼくのすべてが吸いこまれてしまいそうな気がする。
事実、あのときのさいしょのひと咬みで、たぶんぼくはすべてを喪っていた。
ちゅうっ、ちゅうっ、ちゅうっ・・・
息子相手なのに、父さんは自分の渇きのままに、ぼくの血を勢いよく吸いあげてゆく。
くいっ、くいっと血潮を抜き取られるたび、ぼくの理性は妖しくふるえた。
小気味よくつづく吸血の音に、鼓膜までもが昂っていた。
半ズボンの中身が勃つのを、父さんに気づかれてしまっただろうか?
けれども父さんは、そんなぼくの態度には目もくれず、
貧血を起こして転がったぼくの傍らに横たわる母さんのほうへとおおいかぶさってゆく。

薄っすらと目をあけると。
無抵抗な黒のストッキングの足許に、父さんは唇を這わせていた。
血を求めて、というよりも、もっとべつなものを欲しがっているのを、男としての本能が察知する。
ヌメヌメとなすりつけられる唇のいたぶりに耐えかねるように、
母さんの穿いているストッキングはしわくちゃにされて、いびつによじれていった。
いつも厳しい母さんが、ふしだらに堕とされてゆく。
そんな感覚に、なぜかゾクゾクと胸が昂る。
何度めか、圧しつけられた唇の下。
ストッキングの薄い生地のうえ、裂け目が閃光のような速さで縦に拡がった。
母さんも、いま自分がされている淫らな仕打ちを自覚していたらしい。
父さんと同じく、裂けてゆくストッキングの足許を、淡々とした目で見おろしていた。
ふたりは目線を合わせ、父さんは白い首すじを狙い、母さんは狙われた首すじを自らくつろげてゆく。
真珠のネックレスを巻かれた首すじに、ぼくたち母子の足許を辱めた牙が突き立つのを、間近に見てしまった。

咬まれた瞬間。
母さんは「ふうっ」と吐息を洩らし、身体を心持ち仰け反らせた。
牙を受け容れた、というふうに、はた目にも見えた。
母さんのたいせつな血が、チュウチュウと安っぽい音をたてながら、父さんに飲み味わわれてゆく。
ぼくはどうすることもできないで、母さんの隣で貧血に呪縛された身体を横たえているばかり。
ふたりの抱擁はしつように結び合わされ、喪服のスカートはいつの間にか、腰のあたりまでたくし上げられてしまっている。
ストッキングのゴムが、あらわになった太ももを、くっきりと区切っている眺めが、ひどく淫らなものに見えた。
それが、ぼくの意識のさいごだった。
吸血鬼の毒が身体じゅうにみなぎるのを感じたぼくは、そのまま昏(くら)い世界に堕ちていった。

「どこまで御覧になったの?」
父さんが再び戻っていったひつぎを横目に、母さんがぼくのことを問い詰める。
どこまで・・・って・・・ぼく達父さんに血を吸われたんだよね?
「そうね。あなたも母さんも。父さんに血を吸っていただいたの。でもその後は?」
その後は?それから先に、なにが起きたの?
ぼくはなにも応えられずに、ただ母さんの笑っていない目を見つけ返すだけだった。

佐紀夫と母さんの血だけでは、足りないわ。心当たりをお願いしましょうね。
ひつぎの中の人に聞こえるように、母さんはぼくにそういった。
実際母さんは、学校のPTAで仲良くしている役員仲間を家に招(よ)んで、父さんに血を吸わせたりしたらしい。
さいしょに友達を襲わせて、息も絶え絶えにした後で、自分も咬まれて。
わたしたち仲間ですからね・・・って、堕ちてゆく。
でもそうしたことは、3人めほどで途切れた。
母さんが顔をしかめて言ったのだ。
父さんたらね、母さんが気絶した後、PTAの人たちにいやらしいことをするの。
だから招(よ)ぶのをやめたわ。
それ、いまさら手遅れなんじゃ・・・
ぼくはそう言いかけて、やめた。
父さんは夜になるとひつぎを抜け出してどこかに消えていったから。
たぶん、母さんの友だちを家から誘い出して、近所の公園あたりで逢引きをしているんだろう。
相手の女のひとのご主人に、銀の弾丸でも打ち込まれなければ良いけれど。
でもこの街の人たちは、みんな顔見知りの仲良しだから。
案外、自分の奥さんが血に飢えた親友のために献血に励むのを、感謝して見守っているのかもしれない。
ぼくだって・・・

PTAのひとたちに、いやらしいことを仕掛けるのはやめてくださいね。
これからは、佐紀夫のお友だちでガマンしてもらいますからね。
ぼくが同級生を家に連れてきて、血の供給源にすることを、母さんはひとり決めに決めてしまったけれど。
美人な母さんを見たくて鼻の下を伸ばしながら家にやってくる男の同級生はけっこういたので、
当分血の補給先に困ることはなかった。
あなたたちの若い血が必要なんですの。わたしもとても助かるし、理解してくれてうれしいわ。
男子たちは母さんのオトナな女のまなざしと話術にケムにまかれて、他愛なくつぎつぎと咬まれてしまっていた。
父さんはそんな男子たちも巧みに篭絡してしまっていて、
息子経由で母親を誘惑する術を、覚え込んでしまったらしい。
母さんは女のカンで、そうした動きを敏感に察知して、酔い酔いにされてしまったぼくの友だちを、お出入り禁止にする。
でも、もう遅いんだよね。
ぼくですら。
自分の彼女を公園に呼び出して、父さんに血を飲ませてしまっているくらいだから。
セックス経験のある女性を相手にするときには、肉体関係まで持ってしまう。
そんな吸血鬼の習性を、ぼくは初めて目の当たりにしてしまった。
彼女とはすでに、そういう関係になっていたから。

父さんはもっともらしく、ぼくにいう。
血統というのは、だいじなものだ。
自分の妻の子が、自分のたねか、よその男の子なのか、見極めるのは難しいからな。
だから母さんは父さんが独り占めすることにした。
お前も、安心して良いのだよ。
生れてくるのがお前の子であれ、父さんの子であれ、うちの子であることに、変わりはないのだから。

父さんの屁理屈を、ぼくはあえて真に受けることにした。
母さんは姑として、嫁の不行儀には寛容でなかったけれど。
自分の友人の人妻たちに手を出すときほどは、ぼくの妻に手を出すときには口うるさくはしなかったから。

相姦の構図

2016年10月26日(Wed) 05:41:51

息子は母親で、女の味を知り、
父親は息子の嫁で、処女の味を知る。
弟は兄嫁で、兄は弟の嫁で、不倫の味を知る。
たまさか一方的にむさぼられるものがいたとすると、
その者は寝取られる歓びに目ざめてゆく。


あとがき
八方丸く収まる・・・ということで。^^

父娘。 ~ミホ物語異伝~

2016年10月01日(Sat) 16:14:33

ミホの父さんが、あるときそっとボクの傍らに佇んだ。
あのふたり、じつは父娘なんだよ。
え?
びっくりして振り返るボクに、ミホの父さんは愉しそうに笑いながら。
もういちど、同じ言葉をくり返した。
あのふたり、じつは父娘なんだよ。

きょうもボクの視線を意識しながら、まぐわいつづけるふたり――
紺のハイソックスが半ばずり落ちた脚をばたつかせながら。
ミホはきょうも、うめきつづける。
「結婚前に、いいのかな?いいのかな?あたし、婚約者いるんだよ?ユウくん、ユウくん、きょうもゴメンねっ」

いつもは赤の他人として過ごす二人。
その二人が父娘であることを確かめ合う、唯一の儀式がこれなのか。
そういえば。
尾崎の小父さんはミホを抱くとき、母さんのとき以上に慕わし気に、若い素肌を撫でまわしていた。
それがただのエッチな気分のものなのか。
実の娘の成長を歓ぶための行為なのか。
もちろんボクには、わからない。
じつのところ小父さんにだって、わかっていないのかもしれない。

ミホの母さんは、結婚してからもしばらくの間は、尾崎とつきあっていたらしい。
そうと薄々知りながら、ミホの父さんはとやかくいわかなったらしい。
むしろ二人の交際を愉しんでいた。
そういうミホの父さんと。
やはり尾崎のことを妻の情夫として受け容れていたらしいうちの父さんと。
そして、婚約者の密会を、こうして愉しんでしまうようになったボクと。
みんな、同じ種類の男なのかも。

ふとそんなことを考えていたら、ミホの父さんがにまっと笑う。
今度の会でさ。きみの妹さん食べちゃうから、よろしくね。
まだ妹さん、なんにも知らないらしいんだ。
うちに彼女を連れてきてくれるの、どうやらきみになりそうだから。
先にぼくの口から、伝えておくね。

さっきとは別人のような顔つきになっている、ミホの父さんを見返しながら。
ボクは思わず、言っていた。
「よろしくお願いします」って。
そういえば。
ミホの純潔をゲットするって、尾崎の小父さんが宣言したときも。
思わず口走ってしまっていたっけな。
「ミホをよろしくお願いします」って・・・



あとがき
ちょっと毛色の違うお話になってしまったかも。
^^;

吸血鬼令嬢

2016年04月10日(Sun) 18:17:12

ベッドのうえ、あたしは仰向けになって、百合香に抑えつけられていた。
ギシギシときしむベッドの音と、微妙なたわみを感じながら、
まさか底抜けしやしないかと、ちょっとだけはらはらしながら。
合わせられた唇をあたしのほうからも合わせていって、吸い、また吸っている。
甘えるようなしつようさを秘めた熱っぽい唇は、ルージュを刷いていない代わり、
ぬるぬるとした唾液を薄っすらとしたうわぐすりのように帯びていて、
まだお互い子供のくせに、妙に生ぐさい息を交えながら、これでもかこれでもかとあたしに迫ってくる。

相手は、女。同い年の、少女。
おなじ制服を身にまとい、おそろいの黒のストッキングに脚を通し、
二枚の薄絹を隔てた太もも同士は互いのほてりを伝え合い、
窮屈に押し重ねられ、擦り合わされてくる。
薄いナイロン製の薄衣は、微妙によじれ皺寄せあって、
互いの素肌の気配を、いっそう妖しく増幅させる。

百合香・・・百合香・・・
あたしがその名を呼ぶたびに、彼女は甘え、唇を吸い、吸った唇を首すじに這わせてくる。
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
挿入行為を伴わないのに。
お互い、ズロースも、ストッキングすらも脱がずに、服の上から愛撫し合っているだけなのに。
女どうしの交接は、どうしてこうも熱っぽいのだろう?
ただの同性愛ではない。彼女は吸血鬼――
その正体を識ったというそのすぐあとに。
彼女はあたしを求めてきて。
あたしはためらいもなく、セーラー服の胸元をくつろげていた。
首すじを這う唇は、奥に秘めた細くて鋭い牙を滲ませてきて、
あたしの素肌にさっきから、チクチクといじましい刺激を伝えてくる。

ちゅうっ・・・
彼女の唇が、異様に鳴った。
つぎの瞬間、彼女の喉が、ごくり、と、鳴った。
あたしの血をあやした彼女の喉が、たまらなくいとおしい。
そう、あたしは彼女に血を捧げながら、愛撫を交し合っている。

がたり。
部屋のドアの向こうで、音がした。
廊下にだれか、人の気配がする。
彼女は獣の目になって。
あたしの身体を抑えつけながら身を起こし、あたりを窺う。
ドアを開けなくても、相手がだれなのかは、もう察しがついていた。
だいじょうぶよ。兄貴。
あたしのひと言に安心したのか、百合香はもういちどあたしの首すじに唇を吸いつけ、血を吸い取った。
コクコクと鳴る彼女の喉鳴りが、やはりたまらなく、いとおしい。

彼女が去ると、兄は入れ違いに入ってきた。
実の兄のくせに。彼はあたしを嫁にと望んでいた。
村いちばんの、素封家の御曹司。
その兄が、独身を通すと両親に告げたとき、ふたりのあわてようったら、なかった。
家が絶える。それがなによりも、彼らにとって恐怖だったのだ。
兄は狡猾にも、代案を用意していた。
あたしを嫁にして、子を産ませるという。
世間体が第一な両親にとって、それは驚天動地のことだったに違いない。
けれども兄は意志を枉(ま)げず、意見を通し抜いてしまった。
それでも世間体が第一の両親のため、ふたりが実の兄妹であることは、周囲に秘されることになっていた。
ふたごを忌む旧弊な村に、兄とは双子として生まれ合わせ、あたしだけが都会の縁続きの家に養女としてもらわれていった――それが幸いした。
兄は都会にしつらえられた別宅に住みつき、都会の人になるという。
そうね。あたしが根っからの都会娘だから。兄さんもそれを、見習うといいわ。
あたしの意思は一切無視された、まがまがしい結婚を、あたしは眉ひとつ動かさずに受け止めていた。

また、あの人かい?
兄は言った。
女同士とはいえ、兄にとって百合香は、嫉妬の対象なのか。はたしてどうなのか。
あたしは訊いてみる気になった。
そうよ、あのひとよ。
あたしは兄を挑発するように、平然と応えた。
兄は果たして、挑発に乗って来た。
あの人、血を吸うんだろう?
エエ、そうね。吸うときもあるわね。
あたしはわざと、人ごとのようにうそぶいた。
死んじゃったら、どうするんだい?
あのひと、あたしを死なせたりなんか、しないわ。
わかったものか。
そう、わかったものじゃない。あたしを愛していると口にしているあなたですら、あたしを殺してしまうかもしれないんだから。

兄さんと結婚しても、逢いつづけるわよ、あたしたち。
単刀直入な宣言に、さすがの兄はめんくらったような顔をし、狐のような細い目をしょぼつかせた。
まあ・・・女同士なんだし・・・それは許す。
兄は案外と、寛大だった。
村一番の素封家の御曹司は、華族の令嬢として蝶よ花よと育てられたあたしの高慢さに、敗北を告げたのだ。
そう、ありがと。
あたしは素直に感謝をし、ゆったりとした会釈を投げる。
ばあやから教わった良家の子女のしぐさは、時には田舎者の兄をたじろがせ、時には羨望と憧憬の目であたしを射抜く。
きょうはどうやら、後者だったようだ。
そんなにいいものなのか?
きょうの兄の問いかけは、いつになく執拗だった。
ドア越しに感じた熱っぽい気配に、毒されたのだろうか。
そんなこと、構わない。構やしない。

これが男だったら容赦しないところだが・・・
田舎の御曹司のプライドが一瞬鎌首をもたげるが、それはそこまでのこと。
兄はきびすを返して、部屋を出ていく。
あたしを手籠めにしようとすれば、できないわけでもなかったのに。
あなたの異常さはかうけれど、律義さと引っ込み思案は減点ね。
高慢な華族のお嬢さんは、兄でも婚約者でもあるこの男を、容赦なく採点する。

挿入行為がなければいいの?
知ってる?女同士は、女と男よりも濃いのよ。
兄は薄々察しているらしいけど。
あたしはすでに、男だって識っている。
でも、百合香のそれには、かなわない。
相手が男でも、女でも。
相手に傾ける熱度の差だけがそこにあるとは、
高慢なお坊ちゃんに育ったうえに、きっとまだ童貞に違いないあのひとなどには、まだわかるまい。決してわかるまい。
あたしだったら。
あなたの遊び相手が同性だったとしても容赦しない。容赦できない。
背徳は蜜の味。だからあたしは、あなたの求婚を受けた。
それなのに。惜しいわね。まだあなたは。なにもわかってはいやしない・・・

家族が家族となった日。

2015年10月13日(Tue) 07:45:52

お義父様が、わたしに言い寄るんです。
改まった態度でわたしの前で正座をした妻は、尖った表情でそういった。
都会育ちの生真面目な妻に、やはりこの土地での生活は無理だったのか。
母を早くになくした父を気遣って、
「ごいっしょしましょうよ」
幸せいっぱいの婚約者は、頬を初々しく紅潮させてそういってくれたのだが。
あれから三か月ーー父は無理に押し隠していたこの土地の風習を本性を交えてあらわにしかけていた。

都会から近いようで遠いこの街では。
そういう関係は決して珍しいものではなく、妻も街の婦人会でしょっちゅう耳にしているはずだったが。
「じき慣れる」
いまは父の、そんな言葉を頼るしかなかった。

せめぎ合う息を、鎮めかけて。
わたしはようやく、解放された。
身にまとっているのは、妻のよそ行きのワンピース。
もうじき冬という季節に、季節外れの夏物は、辺りの冷気を遮りきれず、
寒々としたものを着衣のすき間から忍び込ませていたけれど。
子供のころから身をゆだねていた父の熱い抱擁のまえに、
そんなものはすぐさま、雲散霧消していた。

「孝枝さん、なかなか頑強だな。なかなか堕ちん」
そうひとりごちる父に、まあ仲良くやってくださいね、という息子。
「仲良くやる」は、「無難で円満な関係を保つ」という表向きの意味の裏に、べつの意味を含ませていた。
父ならそれが、わかるはず。
わしが孝枝と仲良くなれれば、人前に出せない母さんのことも、表に出してやることができるからの。
そう、死んだことになっている母は、もちろんぴんぴんしている。
若いころに血を吸い尽くされて、ふつうの身体ではなくなってしまったけれど・・・

わたしが妻の服を着て、父といかがわしい関係を結んでいる。
妻にわかるのは早かった。
予想よりも早く、妻が季節外れのクローゼットを開放したからだ。
その翌日から・・・
ないはずの視線が、ふすまのすき間から注がれていた。
わたしはその視線を意識しながらも、父の熱い唇を自分から、むさぼりつづけていた。

夜勤に出かける時だった。
妻は瞋恚(しんい)のまなざしをこめて、わたしに告げた。
今夜、お義父さまの夜這いを受けますから。
父の妻に対する夜這いは、わたしの帰宅でいつもきわどいところでせき止められていた。
初めての夜勤は、その均衡を突き崩そうとしている。
以前の妻なら、その晩一晩だけでも、実家に帰るといいかねないはずだった。
そういう都会の常識と潔癖さを、妻は備えているはずだった。
妻が身にまとっているのは、夏もののワンピース。
一週間前、妻の視線に気づかないふりをして、わたしが父の前で袖を通したもの。
あなたまで、お義父さまの手引きをなさるんですものね。
心底愛想が尽きた・・・そんな態度に一抹の不安を残しながら、わたしは玄関をあとにした。
表向きだけでも「健全な」我が家を目にするのは、これが最後なのだろう。

おかえりなさい。すぐお寝みになる?
一夜明けて出迎えてくれた妻は、いつもと変わらない態度だった。
夏物のワンピースは跡形もなく、普段着だった。
とうとう何事も起きなかったのか。そんなはずはない。
いつも家のなかではパンツルックのはずの妻は、珍しくスカートをつけている。
ああ、シャワーを浴びてすぐにね。
わたしがそういうと、妻はちょっと嬉し気に横顔で笑い、
すぐ着替えの支度をしますね、と、顔色を読まれまいとするかのように、そそくさとその場を起った。

夫婦の寝室に一人で入るとき。
妻は「ごゆっくり♪」といってくれた。
わたしはそんな妻を振り返って、
家のなかでも穿くようになったんだね、スカート。といった。
妻は気の毒なくらい、慌てていた。
やっぱりなるようになったのか。どす黒いものが、胸をよぎる。
けれども妻を責める資格は、わたしにはもちろんない。
最初のうちだけでも決め込んだ妻の素知らぬ顔つきが、妙になまめかしくよみがえった。


せめぎ合う吐息は、父とわたしだけのもの。
妻の身体に満足したふたりは、異種の歓びを求めて、ふたたび枕を交し合う。
昼間は父が。夕食後はわたしが。
代わる代わる、妻の肉体を愉しんでいる。
仲が良いのね。わたし、時間差でまわされているみたい。
妻は照れ隠しに、わたしにディープ・キッスを仕掛けてきた。
わたしはじゅうぶんにそれにこたえて、父さんのとどっちが大きい?なんて訊いてしまっている。
こたえのかわりにくり出された、甘えた平手打ちに満足をして。
わたしは夫婦のベッドを、再び父に譲っている。

いまは父と入れ替わりに、母がーー
息子の嫁を組み敷いて、首すじを咬んで・・・・・・生き血をむさぼっている。
こんなの、アリなの!?
妻は戸惑いながらも、異種の歓びに理性を蝕まれていった。
女ふたりを見つめながらも、ふたりきりにしてやろうといざなう父と、居間に向かった。
フローリングを濡らす粘液は、妻がきれいに拭き取ってくれることだろうから。

母さん、孝枝さんの血を吸い終えたら、お前の血を飲みたいそうだ。
久しぶりに、相手をしておやり。
親孝行がすんだら、母さんのことを好きにして良いから・・・
そういう父さんは、孝枝のことをまた抱いちゃうんだろ?
二対の夫婦入り乱れての夜は、まだまだ長そうだった。


あとがき
ちょっとおぞましいのが、二話続いてしまいました。(^^ゞ
この頃煮詰まっていたんだけど、ぜんぜん考えもしてなかったようなお話がスッと出てくるから不思議です。

息子が身代わりに。

2015年10月13日(Tue) 07:03:52

あんたンとこの息子さん、かわいいな。
血色もよさげだし、こんど貸してくンねぇか?
生き血を飲みたい。

顔なじみになった吉浦さんにそういわれたのは、
この街に赴任して三か月ほども経ったころ。
吸血鬼とひそかに共存しているこの街では。
だれもが吸血鬼に、噛まれてしまう。
だれもが吸血鬼に、家族まで紹介してしまう。
吉浦さんもまた、そういうご一家だった。
子供のころから家に出入りしている吸血鬼に、
妻子ともども献血を続けていて。
吉浦さんはいつも、蒼い顔をしていた。

たまにはいい顔いろになりたいんだよね。
ニッと笑う吉浦さんに、わたしは知らず知らず、頷いてしまっていた。

こんどの土曜に、敬太を連れて行くから。吉浦さんのとこ。
何気なくそういったわたしに、妻は異論を唱えなかった。
この地に赴任してしまえば。
自分だってだれかに血を吸われてしまうことを、彼女もよく心得ていたから。
そうでもしなければーーいまごろはもう、野垂れ死にか一家心中していたところだろう。
妻もわたしも、並外れた浪費家だったから。

ほほー、学校の制服、似合うようになったね。
息子を連れていくと吉浦さんは、ひどくゴキゲンになっていた。
濃紺のブレザーに半ズボン、ひざから下は今どき珍しい、白のハイソックス。
幼稚園か、小学校の低学年みたいだ。
そういって恥ずかしがって、登校するのをためらっていた敬太も。
いまではすっかり、そんな姿になれてしまったらしい。
服装は、人を変えていくものなのかもしれなかった。
じゃ、預かるからね。電話したら、迎えに来なさい。
ちょっと心配そうにわたしを見あげる敬太に、よく相手するんだよ、そう諭して、わたしは家を辞去していった。

電話がかかってきたのは、1時間後だった。
受話器の向こうの吉浦さんの声色は生き生きとはずんでいて、
わたしは妻と顔を見合わせて、敬太を迎えに行くのをさらに30分遅らせてやった。

迎えに行ったとき眠っていた敬太は、眼をしょぼしょぼとさせながら起き上がり、
まるで幼な児のようにして、わたしに手を引かれて家に帰った。
首すじにはくっきりと、紅い咬み跡がにじんでいて。
真っ白なハイソックスにも、バラ色の血を滲ませた、いくつもの咬み跡。
半ズボンのすき間から太ももにしたたる血潮が、そのあと息子がなにをされたのかを報せていたけれど。
わたしも、迎えに出た妻も、そこは本人のためにーーと、気づかないふりをしていた。

シャワーを浴びたあと。
敬太はわたしのところにやって来て、母さんに聞かれたくなさそうな顔つきをして、そっと言った。

お尻にお〇ん〇ん入れられた。そのあとなんだか、気分が変なの。

どうして欲しいんだい?わたしは訊いた。

わかんない。小父さんはまたお出で、って言ってくれている。
「言っている」ではなくて、「言ってくれている」だった。
でも小父さんの家にはまた行ってもいい・・・そうつけ加える敬太にわたしは、好きにするといいよ、とこたえていた。


数日後。
妻はたまりかねたように、わたしに訴えた。
敬太が学校帰りに毎日のように、吉浦さんのところにお邪魔している、と。
あちらもご迷惑なんじゃない?
口先ではそういいながら。
貧血を起こして帰ってくる息子のことが、母親として心配なのだろう。
私、明日敬太の帰りが遅かったら、止めに伺ってきます。
わたしはある予感をよぎらせながらも、妻を止めようとはしなかった。

翌日わたしが勤めから帰ると、妻はいつもどおり台所に立って、
お鍋からは湯気が、手元からはトントンという規則正しい包丁の音があった。
おかえりなさい、早かったわね。
そういって振り向く妻の頬は、別人のように蒼く痩せこけ、瞳は異様に輝いていた。
首すじにはどす黒い咬み痕がふたつ並んでいて、吸い取られた血潮がまだ、チラチラと滲んでいる。
オレンジ色のタイトスカートの下、肌色のストッキングには派手な裂け目が走り、
敬太のハイソックスと同じあしらいを受けた痕を、鮮明に残していた。
わたしはそんな妻の変化に気づかないふりをして、ああ、ただいま、とだけ、こたえた。

帰る道々、真っ白なハイソックスに浮いた紅いまだら模様を気にして周りを気にしていた敬太も、
つぎのときからは躊躇なく、いやむしろ自慢げに、ハイソックスに滲ませた血のりもあらわに学校通いをつづけていた。
妻もまた、吉浦家からの帰り道、息子と同じようにあしらわれた足許を、
派手に破けたストッキングの脚をさらして、家路をたどるようになっていた。


家内をすっかり、モノにされちゃったみたいで。
無言のまま、家族の足どりだけで交わされるやり取りに気まずさを感じたわたしが、思い切って口火を切れたのは。
吉浦さんがさいごまで咬まないでいたわたし自身の首すじに、くっきりとした痕をつけられた直後。
いい身体してますよ、奥さんも、息子さんも。
吉浦さんは屈託なくそうこたえると、ニッと笑った。
いつかどこかで見た笑いだと、わたしは思ったが、いつのことだったか、よく思い出すことができなかった。
くたびれた男の血は、まずいでしょう。さいごまで食指が動かないわけだ・・・
わたしがそう自嘲すると、そんなに捨てたものではないですよ、と彼は言い、「これ息子さん」と、一片の写真を手渡してきた。
てっきり妻の写真かと思った。
敬太は母親似だったから。
そう、写真のなかの敬太は、妻のワンピースをまとい、薄っすらと化粧までしていた。

こんな格好でね、いつも私ンとこに、来なさるんですよ。
それでね、私もそそられちゃって、
この子の血をたっぷり吸い取ったあと、コトに及んじゃう、というわけです。
女みたいに声あげちゃったりしてね、かわいいもんですよ。

さいしょからそれ、狙ってたの?そう訊くわたしに、
決まってるじゃないですか、と、吉浦さんは軽々といい、
やられちゃいましたね、と、苦笑いするわたしに、
まだまだ、ヤッちゃいますよ、と、吉浦さんも笑った。
くたびれてまずくなった血なんかじゃ、ないですから、と、吉浦さんはなおも笑いかけてーー
仰向けになったままのわたしに身体を重ねてきて、こともなげに唇まで重ねてきた・・・

お尻の穴に、お〇ん〇ん入れられた。そのあと気分がヘンなの。
口ごもりながらそういった息子の気持ちが、ふとわかった瞬間だった。
こんど、洋品店にごいっしょしましょう。
ご主人大柄だから、服は別にあつらえたほうがいい。
大きな店だから、きっと好みの服が見つかりますよ。
翌日わたしは、家を出るときに来ていた男の服を脱ぎ捨てて、
ワインカラーのジャケットに、タイトスカート。
濃い紫のブラウスの胸元に、ふんわりとしたリボンをゆらゆらさせて、
足許を染める黒のストッキングには、派手な伝線ーー
そんないで立ちで、家に戻った。
ぴかぴかとしたエナメルのパンプスは、見た目には格好良かったけれど、
始終つま先立ちしながら歩くような感覚は、さすがに閉口ものだった。
ただいま。
さすがにきまり悪げに自分の家に訪いを入れると、
出迎えた妻は一瞬息をのんでーーけれどもそれ以上、なにも言わなかった。
初めて吸われて帰宅したとき、わたしが気づかないふりをしていたように。
敬太は居間で寝そべって本を読んでいたけれど、
ちょっと顔をあげると、イタズラっぽくニッと笑った。
どこかで見た顔つきだと思ったけれど、それがどこなのかは、思い出せない。


お邪魔しますよ。
訪問を予告した吉浦さんは、ほかにも数人の男を従えていた。
みんな、あなたの同類ですよ・・・そういう吉浦さんがなにを求めているのか、それはわたしを含め、妻にも敬太にも察しがついた。
妻は観念したように、よそ行きのスーツ姿のまま、夫婦の寝室にこもった。
男たちも誘われるように、夫婦の寝室に消えた。
閉ざされるドアに視界を遮られる間際まで、
白のストッキングを穿いた妻の豊かなふくらはぎが、ひどく眩しかった。
どたん!ばたん!きゃあ・・・っ。
お定まりのもの音に、わたしと敬太とは顔を見合わせて、苦笑しあった。

服をはぎ取られ、一巡するまでが見ごろだった。
あとはただ、ねとねととした汗を浮かせた裸体が数対、もつれあっているだけだった。
手のあいた男たちは、自分たちだけで交わったりもしていた。
わたしはちいさくかぶりを振って、のぞき穴から身を起こした。
背後にいた敬太は、いつの間にか、妻のワンピースに着替えている。

小父さんが言ってた。
母さんがされちゃっているあいだ、きみは父さんの相手をするんだって。
ちょっと恨めし気な上目遣いに、わたしはまぶたの上に唇を当てて息子を抱き寄せ、
ふたりは静かに絨毯の上に身を沈めた。
唇に唇を重ねると。
歯のすき間から洩れてくるはずんだ呼気が、わたしの目をくらませた。
ドアの向こうのせめぎ合う物音は、いっこうに絶えない。
けれども父と息子とで息をはずませ合っているわたし達には、むしろ心地よい刺激にすり替わっていった。


あとがき
うわー、とんでもないお話になっちゃった。(^^ゞ

父親の立場。

2015年07月27日(Mon) 07:20:23

気がついたときには、家族全員が噛まれていた。
さいしょに噛まれたのは、息子だった。
同性愛のケでもあるのか?
あとになって吸血鬼本人に訊いたくらいだったが、必ずしもそうではないらしい。
夜道を歩く、紺のハイソックス。
それがやつのねらい目だったというわけだ。
地方の都市らしく、昭和な服装の男女が多い街――そのなかでも、ここの学校の制服は際立っていた。
男子のくせに、半ズボンなのだ。それもいまどきのハーフパンツというものではなくて、わたしが子どものころに穿いていたような、ちょうど女の子のショートパンツに近い丈――来ている本人も最初は恥ずかしそうにしていたが、周りじゅうがおなじ服を着ていたらいい加減慣れるというもの。学校に行くときには紺のハイソックスをまるで女の子のように、グン、と引っ張り上げるのが癖になっていた。

つぎに噛まれたのが、妻だった。
毎晩のようにハイソックスに穴をあけて帰宅する息子の挙動を不審に感じた妻は、夜中の勉強部屋をこっそりと覗いて――息子が飲むために淹れた紅茶はたたみのうえにぶちまけてしまい、代わりに息子の部屋に侵入していた吸血鬼のために、自分の血潮をブラウスにぶちまけるはめになっていた。
女に手の早い連中だった。きっと妻もそのときに――いや、ここではあえて触れまい。

息子をさいしょに落としたのは賢明だった。
息子の手引きで、妻も娘も噛むことができたのだから。
主婦をモノにしたのは賢明だった。
堕ちた息子と娘がひっきりなしに噛み破らせてしまうハイソックスを、夫に気取られぬようにひっそりと調達しつづけていた。
もちろん――吸血鬼のために自分が脚に通して噛み破らせる、あの薄々のストッキングもそのなかに、含まれていた。

相手の男は、わたしのことをよくわかっていた。
だって、昼間はよく気の合う、仕事仲間だったから。
わたしは言った。
この街に赴任するとき、会社のものに言われた。
この街はうちの社の創立者の出身地で、吸血鬼と共存しつづけている街なのだと。
そうして、故郷に錦を飾るため、創立者は自分の会社の社員とその家族の血液を提供するために、ここの事務所を作ったのだと。
どうせ家族もろとも血を吸われてしまうのなら――あんたが一番良いと思っていた――
口にしてしまった後で、案外それが本音だったのだと、気づいてしまった。

仲直りのしるしに――わたし自身も血を吸われた。
男の血じゃ、嬉しくもないだろう?
そう気遣ったわたしに、吸血鬼はかぶりをふった。
もっと切実な問題だ。
親から受け継いだ血を、むざむざと・・・
一瞬そんな想いもよぎったけれど。
つぎの一瞬で押し倒されたわたしは、妻と子供たちの前、飢えた吸血鬼をもてなす手本を示すはめになっていた。
自分の心づくしのもてなしを、ごくごくと旨そうに喉を鳴らして飲み味わわれるということは――思ったほどわるいものではない。
長い靴下に執着し、妻のストッキングを破りつづけた男のために、
ご婦人のものほど、面白味はないだろうけど、とことわりながら。
ストッキング地の紳士もののハイソックスを脚に通して、噛ませてやった。
やつはスラックスのすそを性急にたくし上げると、舌をぬめらせてきて・・・
わたしの穿いている靴下の舌触りを、ねっとりと愉しんだ。
薄い生地越しにしみ込まされてくる唾液は、妻や息子、娘の素肌を辱めた、呪うべき粘液。
けれどもわたし自身も不覚にも、その粘液の魔力に屈してしまっていた。
男は嬉しげに、わたしの靴下をぱりぱりと噛み破っていった。
やつが妻のストッキングや、息子や娘のハイソックスに執着したのも無理はないと思った。
わたしのものでさえ、こんなにみるかげもなくなるほど、愉しむくらいなのだから――

改めて家内を紹介するよ。
きみが家内を映画館やデパートやホテルに連れまわしても、ぼくは不平を言わないからね。

彼がわたしにご褒美をプレゼントする――と囁いたのは、そのときのことだった。
なんのことはない、もともとわたしの所有物だったものを、改めて得たに過ぎなかったのだが・・・必ずしもそうとは言い切れないのだろう。
彼がプレゼントしてくれたのは、実の娘の肉体だったのだから。

パパの好みに合わせたのよ。
図星を刺されて黙ったわたしのまえ、娘はセーラー服姿のまま、モデルのようにくるりと回る。
でも・・・セーラー服なんか着ていると、かえって実の娘だと意識しちゃうじゃないか。
だいじょうぶ。男のひとのことはわかるから。
面と向かって頷いた娘の顔が間近に迫って、息遣いが頬をかすめた。
どういうことだ?おまえもやつに、抱かれてしまったというのか?
声にならない声を、どうやって聴き分けたのか。
娘はわたしの無言の問いに、無言の頷きでこたえると。
信じられないことを、口にした。
でも、あのひと処女は抱けないの。だから、さいしょの相手はお兄さん。
だから、家族でするのも平気・・・
目の前をどす黒い眩暈がよぎり、わたしは恥ずべきことに、実の娘を襲っていた。

パパも血を吸うんだね。
無意識にやり遂げてしまった行為の残り香が、指先にまだ漂っている。
わたしは娘の血の付いた指先を行儀悪く口で吸い、首すじにキスをしながらバラ色の血潮を唇で拭った。
ああ、少しだけね。
兄さんもだから、だいじょうぶだよ。
娘は白い歯をみせて、クスリと笑う。
身内の血は美味しいんだってね。
あたしが相手をしているあいだ、母さんあのひとに犯されているんだよ。
わたしの腕の中で笑う小悪魔は、もろにわたしの心のツボを突いて、わたし自身を勃ちあがらせた。

あたしが相手をしているあいだ・・・
あたしが相手をしているあいだ・・・

いつか吸血鬼は我が家の周囲から姿を消して。
わたしが娘の部屋を訪れる夜は。
入れ替わりに息子が、妻と道ならぬ関係を結んでゆく。
歪んだ家族はいびつな欲情に身も心も焦がす一夜を過ごすと、
ふたたびなにごともなかったかのように、いままでどおりの日常に帰ってゆく。

母さんと妹。

2015年07月27日(Mon) 04:35:32

吸血鬼の小父さんに血を吸われるようになって、もうどれくらいになるだろう?
さいしょはほんとうに、唐突だった。
夜遅い塾帰りを襲われたのだから。
理由はいたって、かんたんだった。
制服の半ズボンの下に履いていた、紺のハイソックス。
そんなものに、小父さんは目を惹かれたのだ。
女の子の履いているやつを連想したんだって。
路上に押し伏せた僕の首すじに、小父さんはがぶりと食いついて――僕の身体から血をひきぬいた見返りに、ウットリとした陶酔を僕にくれた。
血液を吸い取られる代わりに注入される毒液に魅せられてしまったのは、浅ましいほどすぐだった。
僕は小父さんに対する抵抗を完全に放棄して、毎晩のように紺のハイソックスの脚を、夜風にさらした。
身体の中に流れる血に織り交ざる毒液の割合が、じょじょに増えていって。
いつか、両親からもらった血よりも、小父さんからもらった毒液のほうが、上まわってしまったころ。
僕には吸血鬼の気持ちが、わかるようになっていた。
――喉乾いているんだろうなあ――って、思っちゃうと。
真夜中でも服を着替えて、半ズボンの下、紺のハイソックスをひざ小僧の真下まで引っ張り上げていた。
さいしょは不気味なだけだった、僕の血をゴクゴクと飲み耽る、喉の鳴る音も。
――美味しそうに飲むんだなあ――って、思っちゃった。
もっと飲みなよ――って。
片方の首すじを噛んだ牙のまえ、無傷なほうの首すじまで差し伸べていった。

母さんを襲わせたのも、躊躇なしにだった。
勉強部屋に引き入れた小父さんが、僕の血でゴクゴクと喉を鳴らすのを聞きとがめて。
リョウイチ・・・?
紅茶を入れたお盆を提げて、唐突に顔を出した母さんは、つぎの瞬間お盆を取り落し、ギャーって叫んでいた。
小父さんは母さんにおどりかかっていって、初めて僕を襲ったときみたいに性急に、母さんの首っ玉にかじりついていた。
じゅぶうっ。
見慣れた母さんの、着古した薄いピンクのブラウスに、赤黒いシミが不規則にほとぶのを。
ぶっ倒れた大根足にかじりつく、赤黒い唇の下。
母さんの履いている肌色のストッキングが、ブチブチと鈍い音をたてて裂け目を拡げてゆくのを。
僕はただ、面白そうに眺めているだけだった。
そしてその晩、初めて知った――
処女の生き血は、ただ吸い取るだけだけど。
セックスを経験した女の血を吸い取るときは、男と女になっちゃうんだって。
母さんは生き血だけじゃなくって、身体も美味しいんだなあ――って。
しつけに厳しい母さんをいちころにしてしまった小父さんのお手並みに感心しながら、
僕は無意識にオナニーに耽っていった。

妹が襲われたときは、もっと痛快だった。
神経質そうな白い顔を、さいしょは真っ赤にして逃げ回って。
さいごはもともと白い頬を、もっと蒼白にこわばらせて。
きゃあきゃあわめきながら、噛まれていった。
見慣れた真っ白なセーラー服に、バラ色のしたたりが無神経に拡げられてゆくのを。
うつ伏せになったふくらはぎにかじりつく赤黒い唇が、真っ白なハイソックスを舐めくりまわして、よだれまみれにしてゆくのを。
首すじに這わせた唇が、くいっくいっ・・・って、規則正しい音を立てて、妹の生き血を吸い取ってゆくのを。
僕はただ、興味津々に見入っていた。
セックスを経験した女のことは、だれかれかまわず犯しちゃうんだけど。
処女の生き血は舌を転がして味わい尽くしていくんだって。
やっぱり処女の血って、美味しいんだなあ――って。
小父さん、今夜は処女にあたってよかったねえ――って。
しんそこ小父さんに共感してしまっていた。
あのプライドの塊みたいな妹が、自分の着ている真っ白のセーラー服を、惜しげもなくバラ色のしたたりで浸してしまうのを、息をつめて見守って。
潔癖症な妹をいちころにしてしまった小父さんのお手並みに、心から感心しながら・・・
僕は無意識にオナニーに耽っていた。

妹の心に火が点るのは、すぐだった。
お兄ちゃん、小父さんのいるとこ知ってるんでしょ?逢わせて・・・
手を合わせて懇願する妹が、かわいくって。
今夜も濃紺のハイソックスを履いた脚の歩みに、真っ白なハイソックスの歩みを添わせてゆく。
真夜中のデートは、ムードもまたたっぷりだった。
リョウイチ、今夜だったら母さんかまわないのよ。父さんも今夜は遅いし――
勉強部屋に忍び込んできてそんなふうに囁く母さんを、家から連れ出して。
その夜も濃紺のハイソックスを履いた大またの足取りに、真新しいストッキングを穿いたパンプスの歩みが負けじと追いついてきた。
真夜中の情事は、息子の僕が見ていても、ドキドキするものだった。

そう。吸血鬼の小父さんと一心同体になった僕は、小父さんがいつ飢えているのか、すぐに感知することができるのだった。
小父さん、喉乾いただろうな。今夜狙っているのは、処女の生き血かな。それともエッチもしがたっているのかな・・・
あしたはテストなんだよーって渋る妹をなだめすかして、ピンクや空色のハイソックスを脚に通させて。
背中を押すようにして連れ出してやったり。
父さん今夜はお夕食要るんだけど・・・って戸惑う母さんを、じゃあいつもより急ごうよってせかして、黒や紺のストッキングを脚に通させて。
背中を押すようにして、小父さんのベッドに突き落としてみたり。
そんなことがいつか、日常になっていた。

母さんや妹を紹介した僕に、小父さんはご褒美をくれると言い出したのは。
それから半年もしたころだった。

そろそろお前も、血を吸える年ごろだろう――?
体内に残された血液よりも、、小父さんからそそぎ込まれた毒液のほうが上回ったころ。
小父さんは、そんないけない呟きを、僕に洩らしていった。
そうだね。今夜喉が渇いて仕方ないんだ。
僕もそんなふうに、呟き返していた。

いつも小父さんが勝ち獲ている、高価なネグリジェをまとった肉づき豊かなご婦人を、
今夜はあんたが噛むといい。
小父さんは気前よく、自分の獲物を譲ってくれていた。
それが自分の母さんでも、僕はもう躊躇していなかった。
身内の生き血は、舌によくなじむのさ。
小父さんのいけない呟きは、明らかに身に覚えのある口ぶりだった――
そう。
処女の生き血は、吸い取って味わい尽くすだけだけど。
セックス経験のある女の血を吸うときは、男と女になっちゃうんだって。
僕は今さらのように、思い出していた――

やっぱり処女のまま卒業は、よろしくないよな。
自分で犯すのかと思ったら、小父さんはニヤニヤと笑いながら、かぶりを振った。
わしは処女を犯すことはできないんだ。
どうやら妹の部活の後輩をなん人かモノにして、処女の生き血のほうはスペアができたらしかった。
どうすればいいんだい?
空とぼける僕に、小父さんはご褒美をくれるといった。
処女を抱けるときいて、ドキドキしない男の子はいないだろう。
惜しいかな、相手は新鮮味もない自分の妹で、おまけに血を吸われて両目が寄っていたけれど。
初めて耽るセックスというやつに、やたら昂奮してしまって。
見慣れた普段使いのデニムのスカートをよけいせり上げながら、禁じられているはずの太ももの奥を、力まかせにこじ開けていった。
ぐったりと力の抜けた両脚が、まだ白のハイソックスを履いたまま、小父さんの逞しい腰を差し入れられていって――僕だけの女ではいられなくなってすぐに寝取られてしまうのを。
僕はやっぱりドキドキとして、見守っていた。
小父さん、もう一回できちゃいそう。
小声で囁く僕のことを、小父さんはやめさせようとはしなかった。


吸血鬼ふたりに、妻も娘も犯されてしまった、気の毒な男――
小父さんは父さんのことを、そう呼んでいた。
昼間正体をあらわにしないときには、気の合う仕事仲間だった。
けれども父さんは、どこまでも穏やかだった。
夜中正体をあらわにしてしまった小父さんに対しても、気の合う親友でいつづけていた。
小父さんは父さんにも、ご褒美をあげたと言っていた。
そのころからだった。
妹の部屋から、父さんの声がするようになったのは。
父と娘をかけ合わせたんだ。われながら、うまいことするだろう?
得意げにそうつぶやいた小父さんは、漆黒のシルクハットを手に会釈をすると、霧の彼方へと消えていった。
今度会うときには、お互い美女をなん人モノにしているかなあ・・・って。いけないささやきを忘れずに。

僕とのセックスを、愉しんだ後。
妹は制服のプリーツスカートについたシミを、ちょっぴりだけ気にかけながら。
お兄ちゃん、今夜は母さん抱けるよ。あたしそのあいだ、父さんのことお部屋にくぎ付けにしといたげるから。
僕の腕のなか、妹は生意気に、ふふっと笑った。

乗っ取られそうになった血すじ。

2014年05月25日(Sun) 07:15:23

お前だけが、頼りだからな。
父さんはしばしばぼくに、そういった。
弟のいないところで・・・

子供ができちゃう。子供ができちゃう。
そんなことを口走りながら母さんが、他所の小父さんに抱かれていたのを・・・ぼくはおぼろげに、記憶している。
あのときできたのが、弟のイツキだった。
イツキはふだんはおとなしい子だったけれど、時おり兄のぼくにも、凶暴性を発揮した。
だってイツキの本当の父さんは、吸血鬼だったのだから。

吸血鬼の小父さんは、母さんのことを好きになって。
無理無体に迫って来たのが、さいしょだったらしい。
父さんはそのころのことは、あまりあからさまに語りたがらなかったけれど。
母さんはそのうちすすんで、小父さんの相手をするようになって。
父さんもそのうち仕方なく、夜中に出かけてゆく母さんのことを、とめなくなっていた。
家のなかにまで上がり込んで、小父さんが母さんとセックスするようになったころ。
ぼくはちょっぴりだけ、そうしたことの意味がわかる年頃になっていた。

幾久しく・・・
幾久しく・・・
お互いの両親がそろって、向かい合わせに座る他人だった夫婦に頭を下げる。
そんな儀式の帰り道、彼女と連れ立って歩くぼくのまえに、イツキはひどくしんけんな顔をして、立ちはだかった。
首すじの咬み痕は、妖しい疼きでぼくの理性をやすやすと封じ込めて。
スーツ姿の彼女はイツキに組み敷かれて、ぼくの前だというのに、ひぃひぃと声を洩らしていた。
随喜に満ち溢れたその声色を、ぼくは忘れることができなくなって・・・

毎週のように逢瀬をせがむ弟のために、
毎週のように彼女を家に招(よ)びつづけて、
毎週のように彼女は、弟に犯されながら。

子供ができちゃう。子供ができちゃう。

そういってすすり泣いて、
そのくせ必ず、口にするのだ。

ああ・・・もっと・・・っ・・・

華燭の典からほどなくして、彼女は隠していたお腹のふくらみをあらわにすることになって・・・
吸血鬼の血すじは、ぼくの家を乗っ取ることに成功した。


幾久しく・・・
幾久しく・・・

そういって頭を垂れるぼくたち夫婦のまえに置かれた座布団には、だれも座っていない。
そのかわり、ほかの人たちは皆、そろっていた。
二十数年まえ、おなじ光景からはじき出されていた弟のイツキも。
妻の両親と夫婦交換をする間柄になったうえ、献血の輪にも巻き込んでしまった、ぼくの両親も。
母さん意外に、義母も妻をも愛人に加えてしまった、あのいけない小父さんも。
きょうは、一族の和解の席。
そう、目のまえで末永い幸(さち)を誓い合ったふたりは、兄妹の間柄だった。

ごめんね。初めてのものも奪(と)られちゃって。
イツキくんの子供まで、生んじゃって。
でも、子供はもうひとり、必ず作ろうね。
タカシが男の子だから、こんどは女の子がいいね。
タカシが好きになっちゃうような、かわいい女の子がいいね。

髪をふり乱した妻は、そういいながら。
吸い取られた血しおをあやしたブラウス姿のまま、ぼくに抱きついてきた―――

これでいいですよね?もういいかげん・・・おあいこということにしてくれませんか?
ぼくの懇願に、いまは穏やかな顔つきになったイツキも小父さんも、ひっそりとうなずき返してくる。
人間同士の子供は、人間に生まれて。
吸血鬼との交わりで生まれた子供は、人間である兄や妹の血で、自らを養って・・・
新たな恋人たちの間から生まれる子供たちは・・・はたしてどういう契りを結んでいくのだろうか。

ある女の一生

2012年10月04日(Thu) 07:50:03

初めて襲われたときも、夫にはなにも告げないで。
それからも男と、逢いつづけて。
男のおもうまま、自分の身体を愉しませて。
あの男と別れて俺と・・・
そんな誘いだけは、いっさい受けつけず、
それでも男とのあいだの子供まで生んで。
その子が美しい娘に成長すると。
男はその娘をも欲した。
白髪頭を掻き掻き、父娘ほどもちがう結婚を、男が申し出たとき。
娘の両親はよろこんで、結婚を承知した。

やっとほんとうの恋人に、出逢えたのね。
この子を末永く、よろしくね。

秘められた近親恋愛を、女は真心から祝福する。
いまだかつて笑ったことのない男は、初めてほほ笑みを泛べて。
そのほほ笑みには謝罪と含羞とが、込められていた。

障子の向こうの逢瀬

2012年08月20日(Mon) 07:58:10

ねっ。似合うかしら?
小父さまのおねだりどおり、ストッキング履いてきちゃった。
夏の制服に黒のストッキングなんて、変ですよねっ?

三つ編みのおさげが揺れる肩先は、鮮やかな純白のセーラー服。
ノリコさんはいつも僕に向けるのとおなじ爽やかな眼差しで、相手の男に笑みを向けている。

ヨウイチさんにはナイショにしてきたの。
裏切っているつもりはないけれど、気を悪くするでしょう?

そう。
ノリコさんは婚約者である僕にも黙って、叔父の繁蔵に逢いに来ているのだ。

繁蔵叔父は、吸血鬼だった。
処女の生き血欲しさに、昔は姉である母を襲って、生き血をねだり取っていたという。
その叔父が・・・いま僕の婚約者のピチピチトした肢体に、眩しげな視線を投げかけている。

無邪気な少女はきゃっ、きゃっ、とはしゃぎながら、
薄黒のナイロン生地でなまめかしく染めた足許に、飢えた唇が吸いついてくるのを、
それは面白そうに、見守っていた。


ね?
ヨウイチ兄ちゃん、ボクの言ったとおりでしょ?
まるで宝物のありかを告げるように目を輝かせた少年は、
無邪気な声色を僕の耳もとに吹き込んできた。
声色が無邪気であればあるほど、鼓膜に沁み込まされた毒気は濃厚だった。

父さんが、ノリコ姉ちゃんを呼び出しているんだ。
きっと、血を吸っちゃうんだと思うよ。

そんなふうに囁いてきたときとおなじくらいきらきらした目線には、
害意のない無邪気さがあるだけだった。
無邪気であればあるほど、彼の放つ毒気は罪深かった。


あっ、ダメよ。ダメ・・・
ストッキング噛み破っちゃったら、恥ずかしくてお家に帰れない・・・

足許に迫る唇のしつようさに、ちょっとうろたえながらも、ノリコさんはまだ愉しげだった。
ストラップシューズの足首を、ギュウッと掴まれて。
薄いストッキングにしわが寄るほどつよく、唇を圧しつけられて。
赤黒く爛れたような唇の端から覗く舌は、滾るような唾液をナマナマしくぎらつかせていた。
きっとそこまでは・・・彼女の視界にも入っていないに違いない。
潔癖な年頃の少女には、あまりにも不慣れなはずの淫らさだったから。


えっ?どうしても破るの?うーん、困ったわ。
ウン、わかった・・・
その代わり、暗くなるまでいっしょにいてくださる?
夜目ならきっと、わからないだろうから・・・

相談はすぐに、まとまったらしい。
細目に開いた障子の向こう。
ぴったりと這わされた唇の下。
薄手のナイロンストッキングは、チリチリとかすかな音をたてて弾け、裂け目を拡げていった。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
少女の生き血を吸い上げる、おぞましくも妖しい音が。
薄暗くなった密室から、ひそやかに洩れつづけてくる。
僕は両耳を抑えつづけていたけれど。
その音はたち悪く、ひとの理性を侵蝕するように、僕の鼓膜に沁み込んでくるのだった。


父さん、美味しそうだね。
お姉ちゃんも、キモチよさそうだね。
そうなんだよ。血を吸われるとだれでも、ウットリとなっちゃうんだ。
ヨウイチ兄ちゃんも、試してみるかい・・・?

え・・・?
振り返るいとまもなく、少年は僕におどりかかってきた。
虚を突かれ、畳のうえに手もなく組み敷かれた僕に、彼の小さな体が意外なくらいの重さを持ってのしかかってくる。
少年の柔らかい唇が、うなじのつけ根に、むぞうさに吸いつけられた。
唇に浮いた唾液が、なま温かかった。
いかにも子供っぽい、稚拙なやり口だったけれど。
十も年上の僕を黙らせてしまう魔力を、少年である彼はすでに持ち始めていたのだった。

僕の二の腕を両方とも、ギュウッとつかんだまま。
痛いほど圧しつけられた唇の両端からむき出された鋭い犬歯が、
慣れたようすで、皮膚を突き刺してくる。
皮膚を破って尖った異物を埋め込まれるのを感じながら、
僕は不覚にも、彼の背中に両腕を回してしまっていた。


ちゅうちゅう・・・
キュウキュウ・・・
障子一枚へだてて、将来を誓い合った若い男女が、吸血鬼の親子に生き血を吸い取られてゆく。
さっきよりも幅の開いた障子のすき間ごし、
大胆になった女学生の身じろぎが、切れ切れに覗いた。
くねった脚にまとわれる黒のストッキングが、制服の一部とは思えない淫靡さで輝いていたし、
衝動的な腰さばきに、重たげな濃紺のプリーツ・スカートが、すをを乱していた。
純白のセーラー服の肩先に乱れかかる黒髪は、どきりとするほど艶やかで、
濃紺のえり首に走る白のラインは、どこまでも清純だった。

逢瀬を重ね合う男女のように、叔父はノリコさんのうなじに、なん度も唇を這わせつづけ、
ノリコさんもまた、己の身をめぐるうら若い血潮で、男を供応しつづけていった。
はぁ・・・はぁ・・・
ふぅ・・・ふぅ・・・
おぞましい共同作業は、ふたりの息遣いを、それはリズミカルに重ね合わせていって。
不覚にも股間を熱してしまった昂ぶりを、僕は稚ない従弟に探り当てられてしまっている。


ノリコ姉ちゃんはね。
ほんとうは、父さんの娘なんだ。
ノリコ姉ちゃんのお母さんが嫁に行く前に、父さんに誘われて押し倒されちゃったんだ。
だからね。父さんとノリコ姉ちゃんとは、父娘なんだよ。
だから、ヨウイチ兄ちゃんとも、いとこどうし。
結婚してからも、みんなで仲良く暮らそうね・・・

少年の囁きは、狡猾だった。
そう。僕たちの新婚生活は、いきなり不倫と近親相姦で、彩られることになるのだろう。

不思議なことに、さらに開いた障子の向こう。
重たげな制服のプリーツ・スカートは、キリッとアイロンのきいたひだを折り曲げていて。
くしゃくしゃにされたまま、ノリコさんの太ももの豊かさを浮き彫りにする。
その太もものすき間に割り込んだ、叔父さんの毛むくじゃらの逞しい足腰に迫られて。
ノリコさんはゆっくりと、脚をひろげてゆく。
引き裂かれた黒のストッキングは、ひざ小僧のあたりまでずり降ろされていて。
濃紺のスカートと剥ぎ降ろされた黒のストッキングのすき間から、
きれいに透きとおった太ももを、白日の下に曝け出していた。

お前の脚、いつ噛んでも太いな。

2012年05月30日(Wed) 07:30:01

隣の席でいっしょにテレビを見ていた妹の紗枝に、リョウタはふと声をかけた。

そのハイソックス・・・

え・・・?

怪訝そうにこっちを振り向いた紗枝は、自分の足許を目をやった。
学校の制服のままだった紗枝は、濃紺のスカートの下に、真っ白なハイソックスを履いている。

あー、新品だよ。いまおろしたやつ。

そう。

ちょっとだけ黙ったリョウタは、おかしいな?とふと思う。
紗枝は学校帰りだった。
制服を着替えないのに、どうしてハイソックスだけ替えたのだろう?
紗枝は兄が吸血鬼なのも知っているし、
首すじだけではなくて、ストッキングやハイソックスを履いた女の子の脚から血を吸うのが大好きだということも、兄妹のあいだでは、もうばればれになっている。

テレビつまんないからさ・・・

え・・・?

小首をかしげた紗枝は、つぎの瞬間、「きゃっ。」と悲鳴をあげた。
リョウタにいきなり、白のブラウスの腕をつかまれたからだ。

「喉渇いた。血を吸わせろ」
「ちょっとー、兄ちゃん強引だよぉー」
階下のリビングから、兄妹の声が重なり合うのを耳にして、夫婦の部屋で読書中だった母親はふと顔をあげたけれど、すぐにまた、自分の世界に戻っていった。
どうやらふたりは身体をくっつけ合うようにして階段を昇ってきて、両親の部屋の前を素通りして娘の部屋に向かうらしい。

ちょっとだけだよ。あんまりしつこいと、貧血になっちゃうからねっ。

ふてくされたように畳のうえに腹這いになる紗枝の足許に、迫った息遣いが覆いかぶさっていった。
ちゅう・・・っ。
兄貴の唇、よだれまみれだ。
紗枝は内心舌打ちしながらも、いつものように脚を伸ばしてやった。
ハイソックスのふくらはぎに、兄が唇をなすりつけやすいように。
いよいよ噛みつくときに、兄貴は生意気な憎まれ口をきいた。

お前の脚、いつ噛んでも太いな。

もうっ!

紗枝はぷんぷん怒りながら、しなやかなナイロン生地ごしに刺し込まれてくる尖った牙に、妖しく息をはずませている。
よだれのたっぷりしみ込んだハイソックスに、生温かい血潮が、ピチピチと撥ねた。

いやらしい・・・なぁ。もぅ。

紗枝の動作が緩慢になっているのは、失血のせいばかりではなかった。
吸い取った血液と引き換えに注ぎ込まれた毒液が、血管のすみずみにまでいきわたっている。

首すじも・・・いいだろ?

耳もとで小声でねだる兄に、「好きにしなよ」と言いながら。

まって、ブラウス汚したくないから。脱ぐね。

妹は兄の前、制服のブラウスをむぞうさに脱ぎ捨てていった。


ブラジャーの肩ひもが食い込む細い両肩が、小刻みに震えている。
恐怖からか、昂奮からか、まだ十代のリョウタにはわからなかったけれど。
本能のおもむくままに少女の両肩を畳の上に抑えつけると、すんなり伸びた首すじを、がりりと噛んだ。
「痛あっ!」紗枝は声をあげたがかまわず、破った皮膚の奥まで牙をうずめてゆく。
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
ほとび散るうら若い血潮が、渇いた心をうるおしていった。
妹と身体を重ね合わせるのは、きょうが初めてというわけではない。
両親も黙認のようすなのをいいことに、リョウタは何度となくこうやって、処女の生き血を愉しんできた。
けれどもきょうは、なんだか様子が変だった。
下半身の疼きがとまらない。
ふだんなら紗枝が貧血になるほど血を吸えば、あとはスッキリしたのだが・・・
まさか・・・まさか・・・兄妹でなんて、笑わせる。
リョウタは妖しい予期を振り払ったが、振り払っても振り払っても、彼の理性は真夜中の濃霧のように見通しを昏(くら)くしていった。

おい。

え・・・?

そむけていた顔をあげた妹の唇に、リョウタは夢中で唇を重ねていった。

・・・。


・・・。


・・・。


紗枝はさすがに、泣きべそをかいていた。
太ももから伝い落ちる血を羞ずかしそうに拭いながら、

もうっ。お嫁に行けなくなっちゃったら、お兄ちゃんのせいだよっ。

振り乱した黒髪を、やけっぱちのように手で梳いている。

どう責任とってくれるの?

ブラウスが汚れるのを惜しんで、うっかり脱いだのがいけなかったのかも。
重たい後悔を裏切るように、さっきまで兄の硬い肉で突き刺されていた股間の奥が、ジンジンと、妖しい疼きを帯びている。

一生俺の性奴隷になる。

兄貴は憎たらしくも、にまっと笑った。

そんなの、もっとヤダ。

紗枝は顔をそむけたが、もう泣いてはいなかった。

紗枝、ゴメン。

兄貴が神妙に頭を下げた。
紗枝はびっくりして、「どうしたの?」って訊いたけれど。
それはむしろいけないことだったかもしれない。

たまらなくなってきた。もう一回やらせろ。

兄貴はそう言って、息荒く紗枝に覆いかぶさってきたのだから。

やああっ。やだっ。兄貴のバカっ!

紗枝は兄貴の背中をぶっ叩いて、けんめいに抗ったけれど、「一回したら何回しても同じ」という兄の言いぐさに、つい身体から力を抜いてしまい、ふたたび奪われていった。
二度目の吶喊は、おそろしいほど気持ちがよかった。

「ごはんよー」
母の声が、階下から聞こえてきた。
「おい、急げや」という兄貴に応じて、「ウン、ちょっと待って」薄暗くなった部屋のなか、紗枝がブラウスのボタンをはめるのに手間取っていると、兄貴は手を引っ張って、妹を部屋の外へと連れ出した。

やだ、ハイソックス血だらけだよっ

小声でとがめる紗枝に、

紗枝が俺の女になりましたって、ママに報告すればいいじゃん。

兄貴は相変わらず、とんでもないことを言って。
やり取りしているあいだに、階段の下まで降りてきていた。

「ほらほら、冷めちゃうわよ」
母親の貴枝は子供たちを軽く咎めながら。
息子が髪をふり乱し上気した頬を真っ赤にしているのも、
娘が着くずれしたままのブラウスのボタンを直しながら部屋に入ってきたのも、
血の撥ねた白のハイソックスの脚を隠そうとして兄の後ろに隠れようとする妹を、わざと兄貴がまえに立たせたのも、
すべてお見通しだった。

リョウタさん、あとでママの部屋にいらっしゃい。
貴枝の声はちょっとだけ、かすれていた。
息子のためにさっき穿き替えたばかりの光沢入りのストッキングが、太ももやふくらはぎをゆるやかに妖しく締めつけている。

ママ、きれいなストッキング穿いている・・・
兄貴の視線は母親の足許にくぎ付けになっているのを見て、紗枝の心のなかには、むらむらとした感情が湧いていた。
それが嫉妬という感情なのだと、彼女はじゅうぶんに理解していた。
先に二階に上がった母親を、リョウタが追いかけようとしたときに。
紗枝は兄貴の手首を痛いほど握りしめて、こう言った。

ママと終わったら、あたしの部屋に来て。
制服着て、待ってるから・・・

太い脚のほうが噛み応えがいいんだといって、紗枝の履いているハイソックスをあちこち噛み破っていった兄貴。
今夜は兄貴の好きな、ストッキングみたいに薄いやつを履いてあげようか?しゃくだけど。
紗枝は血の付いたハイソックスを脱ぎ捨ててむぞうさに洗濯機のなかに投げ込むと、母と兄のいる部屋のまえを素足で素通りして、部屋に戻っていった。
兄貴のために、装うために。

同族。

2011年10月11日(Tue) 08:06:25

ガマンしろよな。しきたりなんだから。
真奈さんを責めたり、するんじゃないぞ。
うちの加代子だって、新婚初夜に親父に姦られちゃったんだから。
受話器の向こう、兄の声がひっそりと洩れてくる。
家族に聞かれまいとして、ひそめた声だった。

ふすまひとつへだてた、夫婦の寝室で。
妻の真奈は、紺と白の水玉もようのワンピースをくしゃくしゃに着崩れさせながら。
こともあろうに、父に組み敷かれているところだった。

この村に嫁入る女は、だれもが例外なく。
花婿の父親の褥の塵を払わなければならないというしきたりを。
都会育ちの妻に言い聞かせると。
厳格な家庭に育った彼女は、戸惑いながらも。
すべては夫に従うように。
そう教え込まれてきたらしく。
案外と素直に、頷いてくれた。

真奈は、明るく父を迎えてくれて。
気丈に振る舞ってくれたけれど。
いざそのときになって、父とふたり差し向かいなると、
さすがに戸惑いを隠せずに、いちばんしてはいけないことをしてしまっていた。
操を守るために、抗う―――という。
婦人としては当たり前のことを。

ふだんはもの静かでわきまえのあるはずの父が。
わが身を隔てようと突っ張る腕に、不覚にもわれをわすれて。
都会ふうの正装に欲情したかのように、次男の嫁を見境なくねじ伏せていった。
農作業で鍛えられた逞しい猿臂に、か細い肢体を抑えつけられながら、
むせび泣きを隠しつつ、真奈は父を受け容れて、
しまいにはワンピースのすそを揺らしながら、
都会のイケイケギャルのような激しい腰つきで、応えはじめていった。

妊娠、おめでとう。でかしたわね。
なにも知らないらしい母は、真奈とわたしを祝福してくれた。
男の子かな。女の子かな。名前はどうするの?
祖母になる女がふつうに口にする質問攻めを、浴びせてきたけれど。
私と二人きりになったとき。
母はこっそり、囁いたものだった。
いいじゃないの、うちの子であることに代わりはないんだから。
真奈さんにも、そう言っておいたわよ。
哲也との子供は、二人目からでいいじゃないって。
あなたの小さい妹のみどりだって・・・
あなたと母さんの子なんだから。

生まれてきたのは、男の子だった。
名前は父の一字をとって、つけられた。
わたしの名前とは、似ても似つかなかった。
そういえば。
わたしの名前は、母の兄の名前とそっくりだった。
そういうことだったの?
祝いの席でふと母のほうを見返ると。
母はわざとのように、視線をそらしていった・・・

叔母と従妹。

2011年09月01日(Thu) 07:05:25

血液をすっかり抜き取られた身体に取り込んだ母さんの生き血は、とても心地よかった。
俺に組み敷かれて吐息をあげる母さんは。
ブラウスの襟首を真っ赤にしながら、さいごまで相手をしてくれて。
ひとしきり血をすすって落ち着いた俺に、やるじゃない。気持ちいいよ・・・って、言ってくれた。
あたしじゃつまらないでしょうから、叔母さん招んであるのよって。
母さんは乱れ髪をつくろって、ふらふらと起ちあがって。
室内電話を手にとって、来て頂戴・・・って、呟いた。
俺が母さんの妹に惹かれているって、いつの間に気づいたのだろう?
今夜のあなたのご馳走よ・・・。母さんはそう、言ってくれた。

ドアを開けて入ってきた叔母は。
色白の丸顔に、満面の笑みをたたえていて、
俺の正体を知りながら、事態を歓迎しているようだった。
気前よく差し伸べられた足首は。
薄手の肌色のパンティストッキングの光沢に、濡れるように輝いていて。
どうぞ・・・召し上がれ。
叔母の声を頭のうえによぎらせながら、俺は恥をかなぐり捨てて、
劣情に満ちたよだれを、叔母の穿いているストッキングになすりつけていた。

うちの佳代子を、襲って頂戴。
あなたの手で、女にしてくれる?
そんな嬉しい申し出を、どうして断ったりするだろう?
中学にあがってから、まだいちども顔を合わせていないけれど。
処女の生き血はそれくらい、魅力的だった。

実験台に、担任の女の先生と、同級生を二人、牙にかけて。
そのさらにまえの段階の実験台に、妹の勉強部屋に入り込んで、あお向けにして。
大柄な妹は、それでも悲鳴ひとつあげないで。
大の字になったまま、生き血を吸い取らせてくれていた。

叔母の家に招ばれたのは、真夜中だった。
けれども佳代子ちゃんは、ちゃんとセーラー服を身に着けていて。
白の夏服には珍しく、薄黒いパンティストッキングまで、穿いていた。
これがスクールストッキングというやつか。
同級生の少女たちはふたりとも、白のハイソックスだった。
はじめてよだれをなすりつける、なよなよとしたスクールストッキングに欲情して。
戸惑う従妹を抑えつけながら、舌を鳴らして愉しんでしまっていて。
そんな俺の、行儀の悪さを、叔母は軽く咎め立てをしたけれど。
少女のようにコロコロ笑って、べそをかいている娘の髪を撫でながらなだめると。
幼な児を寝かしつけるように、髪を撫で身体をさすってやってから、
部屋を出ていった。
お幸せに♪
叔母の言葉に覚悟を決めて。
佳代子はキュッと、唇を引き締めて。俺を見あげて、それから目を瞑る。
いいんだね・・・?
言わないで・・・
はじめて重ねあわされる、唇と唇に。
お互い密かな昂奮を、抑えかねて。
なんどもなんども、重ね合わせて・・・吐息を交えると。
あとはもう・・・ひと思いだった。
制服のスカートの裏地を濡らす、初々しい出血に。
佳代子は声を忍んで、涙を流す。

七人相手を確保したら、もうだいじょうぶ。
母は俺の下になって。
スカートの奥を濡らしながら、俺の男ぶりを確かめると。
あたしと、叔母さんと、かよちゃんと、ゆう子と。
それに先生と同級生ふたり だったっけ?
ちゃんと七人確保したじゃないの。
女にするのは・・・母さんはなん人めなのかな?
組み敷いた母はイタズラっぽく、少女のようにほほ笑んでいた。

あたし、怖くて寝られない。。。

2011年08月14日(Sun) 09:59:25

お兄ちゃ~ん、あたし怖くて寝られない~
夜中に枕を抱えて、べそを掻き掻き勉強部屋へやってきた妹も。
セーラー服を着る年頃になっていた。
けれどもいまだに、変わらないのは。
お兄ちゃん、あたし、怖くて寝られない・・・
たしかに古いこの家は、あちこちきしんで、夜中になるとヘンな音がするけれど。
どうしてママのところじゃなくって、俺のところなのかって?
それは・・・ママにはパパがいるからね。^^
お盛んなんだ。あのふたり。

調子にのって、言ってみた。
いっしょに添い寝してやってもいいけど、その代わりセーラー服着てこいよ。^^
ほんとうにセーラー服姿で現れた妹は、白のハイソックスのつま先を、畳部屋におずおずと踏み入れてきた。
そのつぎの夜からは。
毎晩のように、制服姿をねだってみたけれど。
だってぇ~。セーラー服着てくとお兄ちゃん、やらしいことするんだもん。
しんそこ困り顔になって、ママのほうをふり返る。
やらしいことっていったい、なにをしてるんだ?
パパはしんそこ怒り顔になっていたけれど。
俺は動じるふうもなく、言ってのけてしまっている。
だいじょうぶ。血を吸っているだけだから。

貧血にならないていどに、手加減してね。
ママはおだやかに笑って、娘を吸血鬼の褥に送り出す。
パパは長椅子にふんぞり返って、新聞読んだふりをしているだけ。
ハイソックスが真っ赤になるまで、ふくらはぎをいたぶることをやめない俺に。
妹はふくれ面をしながらも・・・今夜は黒のストッキングを履いてきた。
痛くしないでね。
のしかかる俺を迎え入れるとき、いつもキュッと瞼を閉じる妹の。
セーラー服の襟首をくつろげて、なめらかなうなじに唇を、チュッと吸いつける。
皮膚の下をめぐる活き活きとした脈動を微かに伝える皮膚を、なぞるように舐めまわして。
今夜も牙を突きたてるとき、抱きすくめた二の腕を固くして、妹は血を捧げてくる。

怖くて、ひとりで眠れない・・・
俺といっしょのほうが、よほど怖くはないのかい?
囁く俺に、妹は激しくかぶりを振って。
スカートの奥にまでさ迷うようになった俺の手を、いつしかおずおずと、パンティの奥まで引き入れることを覚えていた。


あとがき
このごろ、近親話ばかりつづいていますな。(^^ゞ

また、あぶれちゃったんだ。

2011年08月14日(Sun) 08:09:25

川っぺりで独り、石投げをしていても。
もう、そんなに愉しいとは思わない年ごろになってしまった。
それでも竜太は独り、石投げをしている。
ぽちゃん。 ぽちゃん。
投げられた石はただ、むなし水音をたてるだけ―――

また、あぶれちゃったんだ。
はじけるような明るい声は、イタズラっぽい稚なさを交えている。
振り向くと背後の草むらの向こう、革製の黒鞄を提げた少女が無邪気に笑いながら手を振っている。
セーラー服を着るようになって、みるみる大人びてきたとはいえ。
しぐさや声色は、まだまだ子供じみている。
なぁんだ、絵理香か。
竜太はふくれ面をつくって、妹の名を呼んだ。
なぁんだは、ないじゃない。あぶれちゃったお兄ちゃんにこうやって、血を吸われにきてあげたんだから。
兄の正体というただならぬ秘密を、あっけらかんと口にして。
絵理香は濃紺のプリーツスカートをユサユサとさばきながら大またでこちらに歩み寄ってきた。
周りに聞こえるだろう。
真顔にかえる兄を、ほどほどに受け流しながら。
いいじゃない~。知ってるひとは知ってるんだし。
傍らの大きな石に腰かけた絵理香は、真っ白なハイソックスの脚を、これ見よがしに見せびらかしながら。
お兄ちゃん、すぐ遠慮しちゃうんだから。
それじゃあ女の子がその気になっていたって、怖気づいてついてこなくなっちゃうよ~。
兄の弱点を無遠慮に言いあてながら、その声色にはどこかいたわりと同情が込められていた。

喉渇いているんでしょ?
横目でこちらを窺う妹の白い横顔に、竜太はとうとうガマンできなくなって。
そろり・・・と起ちあがり、絵理香のほうへとにじり寄ってくる。
ドキドキ。
内心の胸の鼓動の高まりを、けんめいに抑えながら。
絵理香はわざと兄のほうから視線をそらして、川の流れに見入っているふりをしている。
兄貴の掌が、セーラー服の襟首をつかむ。
襟首に走る三本の白のラインが、かすかにねじ曲げられる。
ドキドキ。ドキドキ。
もう、なん度も許しちゃっていることなのに。
それでもまだ、胸の昂りを抑えることができない。
きゃっ。
首すじを引き寄せられたとき、とうとうたまらずに絵理香は、声をあげてしまった。
なぁんだ、やっぱり怖いんだろ―――
からかうような兄の口調に、軽い侮辱を感じながら。
絵理香は精いっぱい、言葉だけでも背伸びをしてみる。
怖がる女の子を夢中にさせるくらいじゃないと、みんな逃げちゃうからっ。
痛うぅ。
直後に咬み入れられた鋭い犬歯に、さすがの絵理香も眉をしかめていた。


きょうも一緒に帰ってくれないの?
家までの道を遮っているのは、竜太の同級生の友田だった。
うん―――ごめんなさい。
俯いて神妙な口調の絵理香に、友田は素直に道をあけた。
数少ない竜太の親友である友田は、竜太の正体を知っている。
おくてで女の子に声をかけることのできない竜太のために、
妹が身代りになって、時々河原や公園の片隅で、しかめ面をしながら血を与えていることも。
それでいながら彼は、囁きつづけてくれていた。
兄さんが血を吸いに来たって、いいじゃないか。
俺はずうっと、あいつの友だちなんだから。
自分の彼女があいつに血をあげるの、悪くないと思ってる。
不意に洩らされた「彼女」という言葉に、言われた絵理香も、言った友田も、照れて無言になっていた。

一緒に帰ろうよ~。
友田が立ち去った後現れたのは、絵理香の親友の遥香だった。
いまどき流行らない三つ編みのおさげが、長く長くセーラー服の襟首のうえではずんでいる。
それともきょうもやっぱ、お兄ちゃんとデートか♪
彼女はまだ、兄の正体を知らない。
いくら親友でも、なかなか言い出せない秘密だった。
おそろいの白のハイソックスのふくらはぎをそろえて歩みを進めながら、
絵理香はふと思った。
兄のまえふたりでハイソックスの脚を差し出して、味比べをしてもらおうよ って、誘ったら。
彼女はいったい、どういう顔をするのだろう?


妹とこうして、真夜中の公園で待ち合わせをするようになって。
もう、何カ月経つのだろう?
組み敷いた制服姿はいつになく女めいていて、
はずむ吐息さえもが、べつの年ごろの女の子のような気がする。
妹がみせるいままでにない色香に、ほとんど初めて女を意識していた。
どうしたんだろう?今夜はいったい、どういう夜になるんだろう?
妹の血を吸い慣れたはずの竜太にして、戸惑いをかくすことができなくなっていた。

きょうの放課後、竜太は友田にぶん殴られていた。
いいかげん大人になれよな。
捨て台詞を吐いて立ち去った友田。
彼が絵理香に並々ならぬ好意を抱いていることを、竜太も薄々と察している。
子供のころから彼の正体を知り、それでもいっしょに遊んでくれた友田。
渇きがどうしても静まらないときに、
女ものみたいに色っぽくないけどな。
そういいながら、運動部のユニフォームであるスポーツ用のハイソックスを履いたふくらはぎを、差し出してくれる仲だった。
彼女ができたら、お前に血を吸わせてやるよ。
そこまで言ってくれる友だちは、そうざらにはいないだろう。

はあっ、はあっ、はあっ・・・
絵理香の息が、ひどく荒くなっていた。
苦しいのか?まだそんなに血を吸っていないのに。
竜太は訝しそうに妹を見、そして、はっとなる。
前開きのセーラー服の胸もとがじょじょにはだけていって、
あらわになったブラジャーの吊り紐を引きちぎったのは、絵理香の手のほうだった。
絵理香・・・絵理香・・・
ばか。その気になっちゃったじゃない。
口では咎めながら、絵理香はむしろ嬉しげだった。
そうして、白のハイソックスの両脚を、ゆっくりと開いていった。
  やっと男になれるんだね。
兄のことをそう、祝福するように―――

手をつないで家路をたどる兄妹は、濃紺のプリーツスカートの下白く映えるハイソックスのふくらはぎを、チラチラと見おろしている。
真っ白な生地に散らされた紅い飛沫には、いつもとちがう意味がこめられていたから。
怯える女の子、夢中にさせちゃったね。
もう―――遠慮しないで進んでいけるよね?
あたしのお友だちの遥香ちゃんに。
あした、お兄ちゃんの正体を明かすから。
きっとあの子なら、いつもの川べりで待っていてくれるよ。
彼女のことも、女にしてあげて。
でもお兄ちゃんのことだから、そのまえにたっぷり、処女の生き血を愉しむのかな?
女になったばかりの絵理香の足取りはサバサバとしていて、言葉つきもいつものよに、あっけらかんとしている。
その代わり―――友田くんには、今夜のことナイショにしてね。
きっと・・・ばれちゃうだろうけど。
絵理香は、肩を並べてあるく兄の横顔を、誇らしげに見あげている。
自分が初めて、身をもって男にした青年のことを。

大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪

2011年08月12日(Fri) 08:04:49

あたし、大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪
子供のころからそんなことを、無邪気にいっていた妹は。
いま、おなじ科白を母さんに向かって真顔で呟いている。

兄妹は、結婚できないのよ。

そうたしなめる母さんに。

でもあたし、男をふたりも識りたくない―――

言った言葉の重大さを、彼女はどこまでわきまえているのだろう?

母さんは優しくほほ笑むだけだった。
だって母さん自身、自分の兄さんと事実上、結婚していると。
ボクは父さんから教わっていたのだから。

お兄ちゃんに血を吸われると・・・

2011年08月12日(Fri) 08:00:00

どうしてなんだろう?
お兄ちゃんに血を吸われると、このごろいやらしい気分になるんだよね。

腕のなかの妹が、ふと洩らした呟き―――
セーラー服の襟首に、バラ色の飛沫を惜しげもなく散らしながら。
いつも吸血の相手に応じれくれる妹が、
いつになく妖しい翳りを、稚ない頬に滲ませていた。

お兄ちゃん、血が欲しいんでしょう?
ゆいかの血でよかったら、吸わせてあげるよ。

両親のいないとき、勉強部屋にやってきて。
伸びやかな肢体を横たえてくれた妹は。
真っ白なハイソックスに血を滲ませて、たっぷりとしたふくらはぎを咬ませてくれた。
それがさいしょの、逢瀬だった。

母さんが出かけただろう?
俺の血を吸った吸血鬼に逢いに行っているって、知っているだろう?
ほんとうは。
血を吸われながら、セックスしているんだって、気づいてる?

うん―――
無表情に頷く妹は。
知らず知らず、白のハイソックスの脚をゆっくりと、開いていった―――

きょう、妹の足許を濡らす血は。
いつもとはちがう彩りがするのだろう。

父親の本音。

2011年01月27日(Thu) 07:49:10

妻を息子に抱かせるのって、どう思います?
まがまがしいと、お感じでしょう?
けれどもね。
息子が吸血鬼になって、吸い取る血にこと欠いたとき。
家内はすすんで、息子の相手をしたんです。
わたしもそれを、赦しました。
だって、肉親ですからね・・・
人と吸血鬼とに、分かれてしまったからといって。
ひとり息子を、見捨てることはできないじゃないですか。
息子の食料確保と、寂しさを紛らわせるために。
わたしは結婚して初めて、ほかの男に夫婦の寝室を譲り渡したのです。

けれどもね。
一人許してしまいますと、
前例は二つになり、三つに増えていくものなんです。
垣根の破れた後を、とりつくろうことはできませんでした。
いま、家内がベッドをともにしている男は。
ストッキング好きな変態で。
週にいちどは、やってきて。
さんざん妻の血を愉しんだ挙句、ストッキングを剥ぎ堕としていくんです。
もう・・・なん足破られてしまったでしょうか?
息子のときから感じ始めた、あの妖しいドキドキは。
いまはっきりと、わたしの理性を侵蝕してしまっているんです。


あとがき
前作で気になった、リョウタくんのお父さんの述懐・・・でしょうか?

お袋の生き血。

2011年01月27日(Thu) 07:44:11

お前の母さん、意外と美人だな。
リョウタの言い草に、思わず覗き込んだお袋の顔。
そうだろうか?たしかにきちんと化粧はしているけれど。
俺が応えずにいると、リョウタのやつはかまわずに。
じゃ、お先にいただくぜ。
さっそくお袋の首筋にがぶりと噛みついた。
ずず・・・っ。じゅるうっ。
汚らしい音を、思い切りよくたてながら。
お袋はワンピースの襟首を赤黒く浸しながら、
リョウタに吸血されていった。

あー、うまい。
女の生き血にありつくの、三日ぶりだからな~。
お袋の血のおかげですっかり顔色のよくなったリョウタのやつは、
いともせいせいとした顔つきで、俺に順番を譲ってくれた。
首筋からじゃなくても、いいんだぜ?
顔見ながらってのは、応えるだろう。
リョウタが勧めてくれたのは、ワンピースのすそからにょっきり伸びたふくらはぎ。
そのうち片方は、肌色のストッキングを派手に伝線させていた。
リョウタのやつに、ブチブチと噛み破られてしまったから。
卑猥に笑んだリョウタの唇が、ストッキングの脚に吸いついて。
他愛なく噛み破ってしまうのを。
俺は面白そうに、見守っていた。
いつも権高なお袋の品位が、本人の知らぬ間に汚されていくのが小気味良かったから。

気絶したお袋は、苦しげに息を弾ませていたけれど。
俺は構わずに、お袋の脚に唇を這わせていった。
薄手のナイロンストッキングの舌触りが、やけにすべすべしていた。
初めて噛んだふくらはぎは、しっとりと潤いを帯びていた。
けっきょく俺も、悪魔になっちまったな。
唇を濡らす生温かい液体が、喉の奥まで心地よく浸している。
身うちの血が、いちばん口に合うものさ。
いかにも経験ありげに嗤う彼は、父親の公認つきで、実の母親を自分の女にしているという。
そこまでする気は、なかったけれど。
干からびた身体の奥にいきわたるぬくもりに、
俺は生まれてはじめて、お袋の存在に感謝の情をわきたたせていた。

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。。。

2010年12月25日(Sat) 07:37:13

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。
母さんマジで、嫉きもちやくから・・・
そんな警告を発すると。
娘は三つ編みを揺らしながら、正座の姿勢を崩していって。
制服のスカートに隠した黒ストッキングの脚を、おずおずと覗かせた。
屈み込んでいった俺が、よだれの浮いた唇を。
薄手のナイロンごしに、吸いつけてやると。
ははっ。
くすぐったそうに、背中をのけぞらせた。

ほどほどになさってね。
台所仕事の手も、もどかしく。
妻が尖った声を投げてくる。
けれどもその声色は、すぐに崩れて。
あ・・・あん・・・
なんて、口走っちゃっている。

声だけを交わし合う、部屋と部屋。
女房の肌色パンストと。
娘の黒のパンストと。
きょうはどちらが、先に破かれるのだろう?

姪との結婚 2

2010年12月17日(Fri) 07:39:30

法律上、叔父と姪は夫婦として結ばれることは許されない。
そんな禁断の関係を、寛大にも許してくれた、姉と義兄。
けれどもその見返りに、
婚約者が吸血鬼と密会するのを許し、
花嫁の純潔まで献上するはめになったわたし。
そういう境遇を、決して悦んでいないわけではない、歪んだ新婚生活。

姪とわたしとの結婚は、ごく内輪にだけ、伝えられた。
近しい関係でも、そうしたことをとうてい容認しそうにない縁類には、告げられなかった。
姪はいままでどおり、姉の家で暮らし、
わたしは通いながら、姪との結婚生活をつづけた。
先週の週末、ふた組みの夫婦が、わたしたちの結婚記念パーティーに招かれた。
ご内聞に…ですけれど。弟が娘と結婚しましたの。
祝福してくださるかしら?

ひと組は、姉の友人(夫のほうは、もと姉の浮気相手だったらしい)
もうひと組は、義兄の従兄夫婦。
どちらもが、巧みに誘惑されていった。
姉に誘われて、ベッドにあがりこんだ義兄の従兄。
そのあいだに妻を、吸血鬼に襲われていた。
痴態に耽っている最中に、十年以上連れ添った妻が首すじを噛まれているなどと。
想像することもできなかっただろう。
情事を終えて、リビングに戻ると。
彼は妻の痴態を、たっぷりとたんのうするはめになっていた。

時間差をもうけて招かれた、もうひと組も。
ほぼおなじ運命をたどった。
姉はかつての情夫とよりを戻し、
その関係に嫉妬をするはずの、浮気相手の妻は。
嬉々として吸血鬼の毒牙にかかり、ストッキングを破られていった。
ストッキングを破る。
その行為が即、性交を意味するなどと。
家の外の世界では、とうてい想像もつかないことだろう。

こんなふうに、わたしの結婚は。
少しずつ、少しずつ、告げられてゆく。
週明けに来るのは、学生時代の後輩の新婚夫婦。
わたしたちの両親も、ようやく招かれることになった。
お母さま、すこしでもお若いうちのほうが・・・あのひとにも悦んでいただけるでしょう?
姉は悪友のような顔をして、わたしにウィンクを送ってきた。


あとがき
姪が母親似だとしたら。
姉弟の関係も、あり得るのでしょうね。

姪との結婚

2010年12月17日(Fri) 07:27:42

姪のさゆりが両親に連れられて、車から降りるとき。
黒のワンピースの下、ひざまできちんと引き伸ばされたハイソックスが。
白無地の生地のうえ、赤黒いものをべっとりと撥ねかしていた。
周囲からみえないように、玄関前に車を横づけして、
それでもほんとうにぐうぜんに、見えてしまった。
あら。
姉はこちらにすぐ気づき、ちらと娘の頭を見おろした。
陽の光を眩しく照り返した黒髪が、ひどく大人びていた。
気づかれたな・・・姉はとっさに、そう判断したらしい。
すぐにわたしを、家にあげてくれた。

あなた、さゆりにご執心なのね?
単刀直入なひと言を、受け流すことはできなかった。
さゆりは、シャワー。
義兄は、書斎。
リビングには姉と、ふたりだけ。
その姉さえも。
ブラウスの襟首に、赤黒いしたたりをよぎらせていた。

吸血鬼ごっこ、しているのよ。
主人のお友だちと。
あなたも仲間に入りたい?
私が血を吸われているあいだ、あのひとはずっとドアの外で待っているの。
時々覗いたりしているみたいだわ。
あのひとを裏切るわたしのことが、どうしても気になるみたい。
気になるくせに、私たちのこと決してやめさせようとしないの。
覗いて愉しんでいるんだわ。いやらしいわね。
あなたも・・・主人みたいになれるのだったら。
叔父姪で結ばれることもあるかもね。

姉の言い草は、決定的だった。
わたしの承諾を、姉は夫と本人とにすぐに伝えた。
義兄は「ほんとにいいのかい?」って、すでに悪戯仲間の顔つきになっていたし、
なによりもどきりとしたのは、
「あなた叔父さまと結婚するの。でもあのひとには血をあげつづけるの。
 花婿になる叔父さまも、それがいいって賛成してくださるの。
 そういう関係、どう思うかしら?」
たたみかけるように言い聞かせる母親に、
豊かな黒髪の頭を、無言でたてに振ったのだった。

ふつかか三日にいちど。
婚約者になった姪のさゆりを、わたしは彼の邸までエスコートする。
わたしの車から降りたさゆりは、わたしに背中を押されて促されて。
白のハイソックスの脚を、邸のなかに踏み入れる。
さゆりのか細い身体に、ツタのようにからみついた男の腕が。
服のうえから、巧みに少女を誘惑してゆく。

ゆっくりとむき出した牙を、首筋に突き立てて、
ひと思いに埋めたとき。
ひっ。
喉の奥から発する、かすかな呻きに。
ゾクゾクしたものを覚えてしまうのは、なぜだろう?

内またになってもじもじをくり返す足許に、かがみ込んで、
真新しいハイソックスのふくらはぎに、唇を這わせていって、
厚手のナイロン生地の舌触りを確かめるように、吸いつづける。
血が撥ねたとき。
少女が白い歯をみせて、くすっと笑うのが。
ずきん!と胸を衝くのは、なぜ?

内輪だけでひっそりと挙げられた祝言の夜。
花嫁が初夜の床に、真っ先に迎え入れたのは、むろん彼のほうだった。
痛そうな顔を見なれて愉しめるようになったのは、
きっと、この晩のためだったのだろう。
わたしの目のまえで、花婿以外の男を相手に、ためらいもなく脚を開いてゆく少女―――
純白のストッキングに包まれた脛は。
淡いピンク色を帯びて、初々しくジューシーに輝いていた。

長いお風呂

2010年12月14日(Tue) 06:51:22

あの娘、お風呂長いわねー
うーん、そうかな?
(よく仰ること)
奥さんはあくまで、疑わしい視線を消そうとしない。
じぶんの留守中に。
何食わぬ顔をしている亭主が、娘のセーラー服を初めて脱がしたのを。
勘の鋭い奥さんは、雰囲気で察してしまっている。

きみの帰りが、遅いからだよ。
そういえば、そうね。
そうね・・・どころの時間じゃない。すでに午前一時をまわっていた。
ハンドバックに隠した黒の網タイツが、くまなく這わされた唇の愛撫にほどけかかっているのを。
夫はなんとなく、察しをつけている。

あのままわざと、洗濯機のなかに放り込んでおこうか?
浮気のあとは、さりげなく、これ見よがしに。
亭主に痕跡を、つきつける妻だった。
季節はずれの、夏用のセーラー服と。
裏地にシミがついたプリーツスカートが。
ぶきっちょにたたまれて、娘の箪笥の奥深く仕舞い込まれていたのを。
これ見よがしじゃない亭主の目を盗んで、見つけてしまっていた。

ほんとうにお風呂、長いわね。。
心配だな。俺もいっしょに、入って来るよ。
お好きなように・・・
妻は珍しく、もの分かりよく夫を促した。
夫が下着を放り込んだあとの洗濯機には。
情事の名残りをとどめた網タイツが、これ見よがしに敷かれるのだろう。

個別の法事。

2010年12月06日(Mon) 08:00:32

この村での法事はしばしば、親族の家をひと家族ごと、家に招いて。個別に弔われることがある。

俺が死んだことになって、ちょうど一年が経っていた。
都会住まいの叔父の一家が弔いに来てくれると、お袋に告げられてから。
俺はちょっとの間、断食をすることにした。
いつも血を吸わせてくれる家族に、すこしでも迷惑をかけたくなかったから。
じつは半吸血鬼に過ぎない俺は。
ふつうの食事でも、生きて行くことはできるのだから。

四十をすこし過ぎたか過ぎないかという叔母は、歳よりもずっと若くみえた。
精力家の叔父に、鍛えられているらしい。
その叔父は、俺のまえに家族を置き去りにすると。
では、リョウイチくんに気を遣おうか。って。
心にもないことばで、取り繕って。
お袋の部屋へと、引っ込んでゆく。
ふたりきりの逢瀬とやらを、ひさしぶりにたんのうするつもりらしい。
奥さんを寝取られ、息子の嫁を冒され、まな娘までものにされちゃうのだから、おあいこなんだけれど。
その昔、叔父がお袋の部屋に忍び込むのを。
俺は子供のころから、見なれていた。
あのころは親父も健在だったのに。
なぜか、やかましいことを口に出そうとはしなかったっけ。
自分の妻が寝取られても平然としていられるなど、俺には想像もつかなかったけれど。
そういう俺自身、お袋の寝姿に独りどきどきと胸はずませていたものだった。

取り残された四人の男女は。
叔母、従弟、いとこの新妻、従妹の四人。
年かさの三人はそれぞれ、黒の礼服姿。
セーラー服の従妹も含め、女三人はそろって、脚に黒のストッキングを通している。
叔母は目配せで、ほかの三人を別室にさがらせると。
伏し目がちに、どうぞ・・・と、漆黒のブラウスのボタンをはずし、胸もとをくつろげる。
黒光りのする、レエスもようのスリップが。胸の白さをきわだたせた。
ご馳走をわざと美味しく見せるすべを、叔母はじゅうぶんすぎるほど、心得ている。
喰いついた首筋からこぼれる血潮は。
漆黒のブラウスを、点々と濡らした。
かまわないわ。お好きになさって。
悩ましい声が、好色な色を秘めている。
このひと、亭主以外の男を識っている。
都会のただれた日常で、この女はなん人の男をたぶらかしているのだろう。
主人の取引先なのですよ。
俺の心を読んだかのように、女はこたえる。あきらめたような声で。
人身御供にされているの?
そうね。香織も時間の問題だから。
あなた今回の里帰りで、奪ってやってもらえないかしら?
嫁があなたと愉しんでいること、承知のうえでお願いするのだけれど。
都会の令夫人と呼ばれる女の、年増の娼婦のような言い草に、
俺はドキドキしながら、頷いている。

お義父さまは、あんなこと仰って。
あなたのお母様と、愉しい時間を過ごしているのだけれど。
わたしのお婿さんときたら・・・しょうがないわね。ほんとうに。
若妻の美華が、うそぶくかたわら。
その義母はごろりとその身を横たえている。
着込んでいた黒の礼服は、持ち主の血潮に濡らされて。
スカートの奥だけは、白く濁った熱情のたぎりを、光らせている。
部屋に招き入れられるなり、この若妻は。
ビールの空瓶みたいに転がされている姑に、声をあげて笑った。
だいぶ、愉しんじゃったようね。
姑が淑徳を穢されるのは、きっと何度も目にしているのだろう。
好色な叔父が、妻に強いていることを。姑が嫁にまねさせないはずはないだろうから。
あんたも取引先と・・・?
いいかけた口を、封じるように。
あたしは、趣味よ。
良家の育ちと一見してわかる、上品な目鼻立ちとは不似合いに。
女は蓮っ葉な調子で、そうこたえた。
主人の趣味でもあるの。あたしがほかの男性に抱かれるのが、むしょうに嬉しいらしいの。
いまも覗いているわよ。落ち着かないだろうけど。
女はむしろ、俺にたいして、見当違いな同情のまなざしを注いで来る。
上品なフォーマルスーツに装った上品な肢体を、じぶんからたたみの上に仰のけていった。

遠慮がちに噛んだ首すじに。
バラ色のしずくを散らしながら。
俺はしだいしだいに、本能にめざめていって。
ごくごくと喉を鳴らして、女の生き血を嚥(の)んでゆく。
美華がはじめて、苦痛のうめきをもらすころ。
俺は足許にとりついて、ふらちに這わせた唇で、
黒のストッキングをくしゃくしゃにしてしまっている。
質素で上品が取り柄だった叔母の履いているやつとは、裏腹に。
その嫁が脚に通しているのは、ガーターストッキング。
喪服には不似合いなほどの、毒々しい光沢が。
すべすべとした舐め心地とともに、俺の唇を魅了する。
この女、ほんとうに助平なんだな。
従兄(にい)さんにあげるなら、納得できるよ。
純情な夫とは、ずいぶん性格が違うようだった。

従妹の珠美は、まだ十四歳。
吸血に耐えるには痛々し過ぎるほどの、か細い肢体の持ち主だった。
いいの・・・?
俺のひと言に、心細そうに頷いて。
でもお従兄(にい)ちゃん、喉渇いているんだよね?
だいじょうぶ。きみの母さんと義姉(ねえ)さんから、たっぷり頂戴したから。
隣室で夫に解放されている美華は、乱れた着衣のあちこちに、たっぷり俺に愛された痕跡をあらわにしていた。

そうっとしのばせた唇の下。
少女が頼りなげな息を、はずませている。
吸いつけた喉笛に、しずかに牙を沈ませていくと。
あ・・・っ
痛々しい声色に、かえって欲情を覚えて。
もう逃げられないぞというように、セーラー服の両肩を、力をこめて抑えつけていた。
ひっく。ひっく。
珠美はべそを、掻いている。
いささか後ろめたい想いを、打ち消しながら。
重苦しい制服のスカートを、めくりあげてゆく。
俺のために装われた黒のストッキングの足許を。ふらちな唇で愉しむために。
義姉の身に着けていた舶来もののストッキングは、敵意を感じさせるほどのしなやかな舌触り、
それに比べて、従妹のそれは、昔ながらのなよなよとしたたよりなさ。
か細いふくらはぎの周りを、しなしなとよじれる薄手のナイロンを、それはしつっこくいたぶりながら。
少女の初々しい戸惑いさえも、唇の裏にしみ込ませていった。

従兄(にい)さま、いいよ・・・
意外に大胆なことばを、珠美が口にした。
知っているんだ。母も義姉も、あたしが大人の女になるのを望んでいるって。
従兄さまなら、許せるわ。
珠美が気が変わらないうちに、やっちゃって。
キュッと閉ざした瞼から。長いまつ毛が小刻みに震えていた。
稚ない従妹にたいする、憐みよりも。
嗜虐的な本能のほうが先だった。
太ももまでの黒ストッキングを、脱がさずに。
折り目正しい女学生のなりのまま、珠美を辱めていった。
パンティを引き剥いで、あらわにしたそこに、剛くそそりたった一物を、無理やりのように押しつけたとき。
少女は唇を噛んで、必死で歯噛みをこらえていた。

また来年、おうかがいしますね。
叔母は淑やかに、母に三つ指をついている。
いいえ、こちらこそお世話になりました。
母の意味するお世話は、俺に振る舞われた血液に対するもの?それとも己の和服のすその裏にしみ込まされた、べつの粘液の記憶から?
従弟の嫁の作りつけた挨拶など、耳にする気にもならなかった。
女どものあいさつを、冷ややかに受け流すと、珠美と目が合った。
悲しげな光をたたえていたはずの瞳が、俺の目線を活き活きと受け止める。
お父さま。お母さま。
わたししばらく、こちらでお世話になるわけにはいきませんか?
当地は静かで、お勉強がすすみそうですの。
都会の令嬢の言葉づかいをつくろいながら。
このまま従兄(にい)さまに抱かれて、血を吸われつづけたい。
ほんとうは、そういいたかったのだろう。
いいのかね?
叱声に似た強圧的な叔父の声にも。
ええ、だいじょうぶです。珠美は耐えられますもの。
おうちにある、夏ものの制服と。黒のストッキングと。
それに・・・ハイソックスもお気に召すかしら?
いまはあからさまに、俺を見つめる少女。
まあ、はしたない・・・
兄嫁の美華の言い草に、俺はどっちがはしたない?そういいたかった。
いつでもお出で。ご主人といっしょに。
こんど濡らしてやるスカートは、もっと派手な色のやつがいいな。
俺の言い草に、だれもが失笑をするあいだ。
珠美はそっと、俺の傍らに寄り添って。
義姉(ねえ)さまも、ぜひいらしてね。あたしひとりでは、お相手し切れないから。
いつか口調までも、しっかりしているのだった。

寝入った夫に、キスをして。

2010年07月11日(Sun) 08:03:56

寝入った夫に、キスをして。
眠りこんじゃったのを、確かめてから。
わたしはそっと、ベッドを離れる。
ネグリジェの下には、黒のストッキング。
そんなかっこうで、寝室から廊下に出て。
めざすのは、まだ灯りの点る息子の勉強部屋。

まるで吸血鬼に招ばれる乙女のように。
いい齢をしたはずのわたしは、ふらふらとさまよい出てしまう。
そんなわたしを、息子は荒々しく引き込んで。
汗臭い息を吹きかけながら、わたしに迫って来る。
熟れた桃のようなおっぱいを、力まかせに揉みしだいて。
もう片方の手は、はやくもショーツのなかに忍び込んでくる。

わたしはネグリジェを、脱ぎ棄てて。
ショーツとブラと、ストッキングだけの身体になって。
汗ばんだひと刻を、息子と重ね合わせてゆく。

ホックをはずされ、はち切れそうな胸からはじけたブラジャー。
畳に擦れて、裂け目の入るストッキング。
ショーツは痕跡を消すための後処理にも、役に立つ。
それらの装身具はすべて、息子のための贈りもの。
下着が好きな息子の餌食にするため、
わたしは勝負下着を身に着けた。

うふふ・・・ふふふ・・・
つい洩らしてしまう、くすぐったい含み笑い。
イカしてくれるのは、手慣れた夫のはずなのに。
不器用な息子の愛撫のほうが、より深いところまで、しみ込んでくる。
壁一枚へだてた、向こう側。
妻を息子に寝取られていることを知ってか知らずか、
夫は寝返りを、打っている。


あとがき
11日8:03:56作成。
一時的に、31日0時00分でアゲてみます。

好機
21日 06:03、もとの時刻に戻します。

早い帰宅。

2010年06月06日(Sun) 08:14:31

おかえり。
けだるい声でわたしを出迎えたのは、高校生の娘。
家族を伴なってこの村に赴任してから、にわかに大人っぽくなってきた。というよりも、女くさくなってきた。
ツヤツヤと光る豊かな黒髪をけだるそうに掻き上げながら。
会社終わるの、早かったんだね。
早い帰宅に、意外そうな響きがあった。
クラスの男の子たちに、まわされちゃった。
そんなことをこともなげに口にする娘に。
そう、そいつはご苦労さん。
父親のことばとしてもっともふさわしくないこたえを返すわたし。
制服のスカートの下身に着けた、紺のハイソックスは、片方だけずり落ちて。
両脚にはぬらぬらと、透明に濁った粘液を光らせていた。

あっち行ったら、ダメだよ。ママのとこのお客さん、まだお愉しみ中だからね。
ちらと目くばせする先は、夫婦の寝室。
閉ざされたドアの向こう側からは、さっきまで押し殺したような声の交わし合いが洩れていた。
父娘のやり取りに耳を澄ませたのか、ちょっとのあいだなりをひそめたはずの声たちが。
わたしたちの会話が途切れるとふたたび、せめぎ合いを交わしはじめる。
様子をちらちら窺うわたしを、責めるように。
あっち、行くの?
娘はきつい上目づかい。
いや。
軽くかぶりを振ると、ちらちらわたしを窺いながら。
挑発するような口ぶりで。
相手ね。担任の先生。
夫としてのわたしの仇敵の正体を、はじめて口にした。

先生と生徒で、うちに来たの。
男の子たちはわたしをまわしたあと、先生のお宅に行くって言ってたわ。
いまごろ先生の奥さんを、みんなで手ごめにしているころよ。
あいも変わらず放心したような、感情の消えた声。
以前はこんなふうに話す娘ではなかった。
ギュッと握りしめた掌に、衝動に似たものをかよわせていった。
するの・・・?
やらしいね。
きつい色を込めていた上目遣いが、イタズラっぽい色を帯びた。

村に赴任そうそう、放り込まれた納屋のなか。
母娘ながら、若い情欲の餌食になって。
帰り際にはすすんで、ポルノ女優さながらの艶技に興じていたという。
それからは、感情を消した囁きを好むようになった娘は。
わたしの下に身を横たえるときだけ、
やばいよ。感じちゃうよ。って。
初々しい戸惑いをみせるのだった。


あとがき
村に棲みつく都会妻にジャンル分けしようかとおもったのですが。
父娘相姦という部分から、そちらのジャンルにしてみました。
妻を犯されながら、娘を犯す父。
人妻をモノにしているあいだ、妻を教え子たちにゆだねる学校教師。
相身互い・・・というべきでしょうか。

田舎から来た兄たち。

2010年05月24日(Mon) 08:00:48

ええ、田舎のものは、律義ものですからね。
そうなる少しまえにも、ふたりの兄は。
はるばる都会のこの家まで、ふたり雁首ならべてやって来たのです。
今年はいよいよ、息子さんが男になるんだねって、
さいしょは紋付のまま行儀ばって、例のごとしの平身低頭をして。
わたしももちろん、紋付袴姿でした。
家族が出払った日を見計らっての、ことでした。

一週間後出かけていった妻と息子は。
いつもの母屋には泊まらせてもらえずに。
手狭な離れで一週間寝起きして。
なに、法事はたったの半日ですから。
一週間もいる必要はないのですよ。
けれども首尾よく、ならわしが成就するまで。
都会の家に帰されることはないのです。
五日目が六日目だったそうですよ。
とうとうガマンならなくなった息子が、妻におどりかかったのは。

つぎの年にも、ふたりの兄はあいさつにやってきました。
今年はゆかりちゃんの番ですなって。
こんどは、息子よりもひとつ年下の娘が、女になる番なのです。
ふたりの兄は、目のまえでくじを引きまして。
一番くじを引き当てたのは、上の兄のほうでした。
いえ、くじ引きというのは建前で。
ほんとうは、齢の順・・・と、決まっていたのかもしれません。
とんだ無駄足だったって残念がる下の兄に。
あとなん年かしたら、さおりちゃん別嬪になるぞって、
上の兄がからかっていましたっけ。

下の娘が、堕ちた夏。
ふたりの兄はまた、ふたりながらやってきましてね。
娘たちから脱がせた黒のストッキングをぶら下げて、見せびらかしてくれました。
さおりちゃんのほうが、寸法が小さいなって。
あそこの寸法も、これからかなって。
田舎のものは、言うことがまっすぐですからね。
娘たちの脚から抜き取られた薄手のパンストは。
男親のわたしの目にも、なまめかしく透きとおって見えたものです。

その日は珍しく、家族が戻って来るまで、ふたりは家に居つづけました。
もっとも妻と息子はお出かけ―――ええ、出るときはべつべつでも、
いまごろは同じベッド・・・という仲かな?という種類のお出かけでしたから、
けっきょく戻ってはきませんでしたが。
娘ふたりは、学校から戻ってきまして。
自分たちの身に着けていたものをもてあそぶ伯父たちを、
なんていやらしい・・・って睨みまして。
兄たちはわたしへの挨拶もそこそこに、
姪っこたちのあとを、追いかけたものでした。
わざわざこれから出かけなくたって、遠慮はいらんぞ、って言いながら。

姪っこを姦れるのは、気分のいいものだな。
上の娘が犯された、あの里帰りのまえ。
上の兄がぎらぎらとした面持ちで口にするのを。
五年待ったかいがあったね。
下の娘が下着を真っ赤にして戻ってきた、あの里帰りのまえ。
下の兄が舌なめずりをしながら、呟いたのを。
どうしてドキドキしながら、頷いてしまったのでしょう?
けれども二階にあがった娘たちが、
隣り合わせの勉強部屋で、めいめい兄たちに組み敷かれて。
白のハイソックスの脚をばたつかせながら、喘ぎ声を高めるありさまに。
わたしはとうとう、目を離せずにいたものですよ。


あとがき
ほとんどなにも考えず、一気呵成に描いちゃいました。(^^ゞ
↓のつづきです。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2093.html
姪っこに迫る伯父って、やらしいですよね?^^
今さらながら・・・ですが。(^^ゞ
奥さんを息子に、娘ふたりを兄に寝取られる父親は。
はたして哀れなだけでしょうか?
こういう妖しい昂りを、ひそかに感じていたりはしないものでしょうか?

五年後。

2010年05月24日(Mon) 06:27:26

今年も村○の家、来るだか?
あぁ、くるはずだ。娘がよい年ごろじゃからの。
なん年まえの、夏のことだったろう?
法事に参列するため訪れた、都会育ちの母子が。
狭い離れで寝起きするうちに、初めて身体をひとつにしてしまったのは。

なんども訪れているはずの父親の実家の風景が。
まるではじめてくる土地のように思えたのも、無理はない。
夏に行われる法事のとき。
十五歳を迎えたその少年は、毎年迎え入れられる母屋のかわり、
母子で泊まり込むにはやや手狭な離れをあれがわれて。
一週間の滞在のうち、大人の身体になっていた。
黒のストッキングに欲情を覚えた、都会育ちの息子は。
脱いだズボンのなか、逆立ちするほどに昂ぶった一物で。
母親の礼服のスカートを、濡らしていった。

来年は、娘さんの番だね。
都会に帰る日の朝。
おやじさんに、冷やかされて。
少年は耳たぶまで真っ赤にしながら、頷いていた。
翌年父親は、やはり用事を構えて実家には戻らずに。
まだ小さかった下の娘と、都会の自宅に残った。
なにも知らずに村を訪れた、都会育ちの少女は。
制服のプリーツスカートのあちこちに、草の切れ端をつけたまま。
黒のストッキングを剥ぎ取られた足許が覚束なくなるほどの暗がりになってしまった帰り道を。
父親よりも年配の伯父に促されて、母屋に戻っていった。
母屋で顔を合わせた母は、いそいそとお赤飯を炊いていて。
娘の寝所を訪ねる刻を待ちかねた義兄のようすを察すると。
息子とふたり、そうそうに。
あの手狭な離れへと、引き取っていった。

それからさらに、年が過ぎて。
下の娘の番を、迎えていた。
制服着るのも、今年が最後だね。
姪っこの制服姿を目を細めて見つめる伯父に。
来年も着て来てあげてもいいよ・・・って。
姉娘はイタズラっぽく、笑い返している。
いまではすっかり板についた、黒ストッキングの脚を。
草むらのうえ、大胆に投げ出しながら。

誘い出した、真夜中に。
姉娘は涼しげな、浴衣姿。
おっかちゃん、いまごろお兄ちゃんと乳繰り合うておるのじゃろ?
襟足をはだけていって、
なかを露骨に覗き込んでくるごま塩頭を、押しやりながら。
やらしい・・・なぁ。
少女はけだるげに、応えるばかり。
月明かりの下。
ぷりんとしたおっぱいが、滲み出る。
いいじゃね?減るもんじゃなし。
だめ!減るんだってっ。
押し問答は、いつか押し合いへしあいになって。
やがてふたつの人影は、手近な草むらに身を沈めていった。

だしぬけに。
きゃー!
叫び声がした。
母屋のほうからだった。
もうひとりの伯父が、妹娘を組み伏せて。
寝巻の奥を、濡らした瞬間だったのだろうか?
姉娘は考え深げな顔つきをして。
しばらくのあいだ、じいっと耳を澄ませていたが。
すすり泣きが少しずつ、色香を交えはじめるのを察すると。
なん年かまえのことを、思い出したのだろう。
襟首に迷い込んでくる掌を、浴衣のうえからギュッと握りしめて。
こんどはじぶんのほうから、誘い込ませていった。
お兄ちゃんはママといっしょ なんだよね?
きいたふうな口を、聞きながら。
浴衣の下前を、割られるままに割られていった。
お前ぇも息子と抵抗なく姦れるよう、身うちの身体に慣れないとな。
やだ。エッチ・・・
ひそかな交わし合いは、すぐに言葉にならない喘ぎ声に変わって行く。

あくる日は、法事だった。
母親と、年ごろの娘ふたり。
女三人は、三人ながら。
母親は、黒の礼装姿。
娘ふたりは、学校の制服姿。
そろいもそろって、薄黒いストッキングに、脛を染めていた。
法事のあとの愉しい刻を、予想しながら。
大人の男どもは、なまめかしく装われた女たちの足許を、品評するように見比べ合っている。

きゃあっ。ダメっ!だめだったらっ!
鬼ごっこをするみたいに。
ふたりの少女は母屋のなかを、逃げまどう。
さいしょに妹娘が。
それから姉娘が。
従兄たちに、掴まえられて。引き倒されて。
黒のストッキングの脚を、ばたつかせながら。
きゃあっ。きゃあっ。
はしゃいだ声をはじけさせながら。
お嫁入りまえに愉しんではならない愉しみに。
いつしか、耽り始めていった。

大人びた姉と、まだ稚なさののこる妹は。
お互いイタズラっぽく、顔見合わせながら。
狭い離れのようすを、窺っている。
ごくり。
生唾を、呑み込むとき。
二対のおさげ髪が、ゆらりと揺れた。
することしてるんだよね?ママとお兄ちゃん。
やらしいよね・・・
やらしいよ・・・
淫らな床に身を沈めてゆく兄と母とを指したのか。
いつの間にか自分たちの背後に回り込んで、
黒のストッキングのふくらはぎにべろをなすりつけてくる男どものことを指したのか。
まだ高い陽は、すべてをあからさまに照らし出してしまうのだろうけど。
あたりが暗がりになるまで、だれもが待ちきれなくなっている。


あとがき
たいとるの意味ですが。(^^ゞ
いつから「五年後」かと、いいますと。
↓このお話の五年後 ということなのです。

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2079.html
「村がえり」
父の実家の法事のために村を訪れた母と息子が、手狭な母屋に入れられて。
母子ながら、契ってしまうというお話です。

そのつぎの年には、上の妹が。
さらにそのなん年か後には、下の妹まで。
手慣れた年配男たちの手で、初穂を摘まれていくのです。
初穂を摘まれた娘たちは。
やがて同年代の従兄たちを相手に、愉しみを深めるようになります。
将来訪れるであろう、彼女たちの母子相姦の場のお膳立てとして。
近親との関係に、慣れ切ってしまうために。

前回のエンディングでは、主人公の少年が父親になって、時代がまたくり返す。
そんなふうにしてみたのですが。
そのあいだに、こんな処女喪失譚があったのですね。^^
お話のねたをご提供くださった○○さん、デフォルメのし過ぎでごめんなさい。(^^ゞ

え?
肝心の?○○夫人の新婚当時のお話 ですか?
それもそれで、よさげなのかも・・・。^^

追記
これはさらにその後のお話です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2095.html

主役交代

2010年05月24日(Mon) 04:52:42

こんな遅くに、でかけるの・・・?
深夜、灯りがこうこうとついている妹の勉強部屋をすり抜けるようにして。
家をまぎれ出ようとすると。
細めに開いた引き戸の下。
白い手首がぬるっと差し出された。
足首を通せんぼするみたいに。
ほっそりとした指が、ボクの足首をまさぐった。
手指は器用にするすると、スラックスをたくし上げて。
白のソックスの丈がひざ下まであるのをみとめると。
男の子にしては、長いの履いているんだね。
イタズラっぽい詮索好きな視線が、上目遣いに追いかけてきた。
ひっそりとした囁きは、それでも確実に、核心を衝いてくる。
逢いに行くんでしょ・・・吸血鬼の小父さまに。

一家からひとり、吸血鬼を出すことが義務づけられて。
白羽の矢の立ったのが、ボクだった。
夜な夜な、呼び出されて。
ふしぎなやつだよな。
首筋じゃなくって、脚から血を吸い取るんだ。
スラックスをたくし上げて、白のハイソックスを赤黒く濡らしながら。
なんども刺し入れられてくる牙が、ひどくくすぐったかった。
妹はいつの間に、そんな家族の雰囲気を察したのだろう?
ねえ。
イタズラっぽい笑みは、消えない。
今夜はあたしのハイソックス、履いて行ってくれないかな・・・?

主客が逆転するのは、あっという間のことだった。
真夜中なのに、学校の制服に着かえた妹は。
ボクのあと、足音を忍ばせて。
真夜中の公園へ向かう道を、肩を並べて歩いていた。
もう・・・っ。またこんなに汚しちゃうんだからっ。
自分の血で真っ赤になったハイソックスの脚を引きながら。
それでも妹は、ひどく愉しげにはしゃいでいた。
初々しく輝く頬を、蒼白さに染めながら。

お兄ちゃん、いる・・・?
蒼白く透きとおった頬に、無邪気な笑みを滲ませて。
妹は薄い唇の端から、鋭利な牙をむき出しにする。
あぁ、いいよ。喉渇いたんだろ?
そういって差し出すボクの脚は。
薄っすらとしたねずみ色のストッキングに覆われている。
恥ずかしいよ。こんなかっこ。
初めは尻込みをした、脚だけの女装。
来春式を挙げる予定の彼女が愛用しているストッキングは、
つねるようないたぶりを加えてくる妹の唇の下、
ふしだらにねじれていった。

女吸血鬼か。わるくないね。
父もまんざらでは、ないらしい。
首筋をなぞってくる娘の唇に、ちょっとだけ顔しかめながら。
母さんのことは、公園まで連れていくんだね?
吸血鬼のおじさんと、山分けにするんだろう?
表向きはこの世のものではなくなっている妹のため。
それ以来母さんはいつも、黒のスーツを装っていたけれど。
足首を薄墨色に透きとおらせているあの靴下は。
きっと、これから逢う情夫のために、装われているのだろう。

嫁と姑の関係となる女ふたり、肩を並べて。
まるで競い合うように、なまめかしいストッキングの脚を並べて。出かけていって。
真夜中の公園からの帰り道。
転んじゃったのよ。
見え透いた言い訳の下、薄々のナイロンは、みるかげもなく破れている。
生け垣ごしに、いちぶしじゅうを見ていた・・・なんて。
決して口にしては、ならないぜ?
父はイタズラッぽく笑いながら、夜ごとにボクと、役割を入れ代わってゆく。
奥さんや婚約者を吸血鬼に襲われて寝取られる なんて。
世間さまの評判に、かかわることなんだからね・・・

はらまされちゃったら、どうしよう。
露骨すぎることばを、つい口にしてしまったとき。
薄闇を通してこちらを窺う白い頬が、ふふ・・・っと笑んだ。
だいじょうぶ。
あたしがお兄ちゃんの胤を、宿すから。
兄妹のベッドのうえ。
制服のスカートの下、ひざ下ぴっちりまでお行儀よく引き伸ばされた白のハイソックスが。
たったいまほとばしらせてしまった白い粘液に、濡れている。


あとがき
息子が吸血鬼になって、家族全員の血を啜るはずが。
一転して娘がヒロインになってしまう というお話です。^^
どちらのほうが、よりエロさを満喫できますでしょうか?