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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

男と女が仲良くなる、最高のやり方

2017年08月25日(Fri) 05:56:08

この村には、いろんな形の愛がある。
嫁が旦那の口利きで、舅と愛し合っている。
兄と妹が、夫婦のように暮らしている。
お互いの嫁に、夜這いをしかけ合っている。

村の長老が妻の寝室に夜這いに来ているのを、幼い息子が視てしまった。
あれはね、いけないことではないのだよ。
お前はまだ小さいから、わからないだろうけど。
男と女が仲良くするのの、いちばん最高のやり方なんだ。
あのお爺さんは、父さんと仲良しなんだから、
母さんとそういうことをするのを、特別に認めてあげているんだ――

とっさに思いついたそんな言い訳を、息子は真に受けて育っていった。
母さんがお爺さんと抱き合ってるのを見ると、僕なんだかドキドキするな。
そんな言いぐさをするのが、ちょっとだけ気になったけれど。

十数年後。
息子は照れ臭そうに報告する。
母さんと、仲良くなっちゃった。
父さんのいう、男と女が仲良くなる、最高のやり方でね。
わたしは当惑しながらも、台所からはらはらしながら聞き耳立てている妻を意識して、鷹揚に受け答えした。
それはよかったね。おめでとう。
でもいつまでも、母さんとしているんじゃないぞ。お前も早く、嫁を見つけないとな。

世代は性懲りもなく、くり返すのだろうか。
息子は自分の新婚家庭に幼なじみたちを招き入れて、
毎晩のように夜這いを許して、
嫁が自分の親友たちをもてなす姿を目の当たりに、
「なんだかドキドキするんだ」
と、くり返し呟きつづけている。

兄妹たちの、濃い関係

2017年08月25日(Fri) 05:26:24

この村には、いろんな形の愛がある。
嫁が旦那の口利きで、舅と愛し合っている。
兄と妹が、夫婦のように暮らしている。

婚礼の席は、乱交の場――
法事の席は、乱交の場――
そんな常識が、この村ではまかり通っている。
そういう席にはだれもが珍しく、改まった服装でやって来るから、
下手をするとだれがだれだか、見違えてしまうときがある。
きっとそんな、いつもとはちがう非日常の時間だから、
そういうことが起きるようになっていったのだろう・・・と、だれかがうそぶいていた。

桜井和也(仮名)が初めて妹の裕香(同)を襲ったのは、そういう場での出来事だった。
和也はかねてから、器量よしの妹を自慢に思っていたけれど。
そんな感情を妹に抱く兄がもくろむことはひとつであるはずなのに、
ほかの妹持ちの同輩たちが婚礼や法事の席で、次々と近親相姦を遂げていったというのに、そういうことになかなか、踏み切れないでいた。
そういう奥手な理性が堰を切ったのが、裕香が勤めに出るようになって初めての婚礼の席でのことだった。
地味なスーツに身を包んで友人たちと笑い合っていた輪のなかに割って入った和也は、
なにが起こるのか予感した友人たちがスッと身を引くのさえ目に入らずに、裕香の前に立ちはだかった。
「え?」
目を丸くする裕香の手を強引に引いて、宴席のしつらえられた大広間の隣室に引きずり込むのを、だれもが見て見ぬふりをした。
あそこのお兄ちゃんは、妹にご執心――それはだれもが知る公然の事実だったから。

大広間の周りには、芋に小芋がつくように、隣り合わせに小部屋がいくつも並んでいた。
すでにほとんどの部屋が、埋まりはじめていた。
嫁入り前の姪と、その叔父。
久々に里帰りした息子と、その母親。
息子の計らいで義父の相手をする、都会育ちの嫁。
そんなカップルたちが、熱い吐息を交し合っていた。
やっと空き部屋を見つけると。
男は中からカギをかけ、
女は観念したように目を瞑る。
都会ふうのタイトスカートのお尻に伸びた手が、
さいしょはおずおずと触れてきて、
スカートを通して感じた丸みと質感にそそられたのか、
手つきが荒々しくなるのに、時間はかからなかった。
硬いスチールの床のうえ。
スーツ姿のまま組み敷かれた妹は、その場で女にされていった。

それ以来。
兄と妹とは、ひとつ屋根の下、夫婦同然に暮らすようになった。
そういうことは村ではよくあることだったので、親たちも咎めようとはしなかった。
父親は見て見ぬふりを決め込んでいた。
彼はそうやって、母親の不倫も、嫁が義父に抱かれるのも、ずっと見て見ぬふりで通していた。
母親は息子にひと言、
「子どもだけは作らないでね。お嫁に行けなくなるから」
と、そこは母親らしく、娘の将来をちょっとだけ、気づかっていた。

妹の裕香に、縁談が舞い込んだとき。
さすがに和也も観念した。
いずれは長男として嫁を取らなければいけない身だったし、
血の濃い結婚が実生活にいい影響をもたないのも、理屈ではよくわかっていたから。
縁談の相手は、和也の幼なじみだった。
ふたりの関係を重々承知したうえで、和也の妹との縁組みを申し入れてきたのだった。

ふつうなら。
縁談を持ってくるのは、村のしかるべき顔役だった。
けれどもそのような手続きを通さずともよいほど、両家の仲は密であった。
顔役の代わりに和也の前に現れたのは、中学二年になる幼なじみの妹の照美だった。
照美はさいしょに、義姉になる裕香に礼儀正しく頭を下げて、
「兄から縁談をことづかってきました」
と、単刀直入にそういった。
十歳以上齢の離れた女ふたりは、目交ぜですべてをわかりあったようだった。
「裕香お姉さんの代役、私ではつとまりませんか?」
初々しくてか細い笑みが、きちんと着こなした制服姿に、よく似合っていた。
しばらく見ないうちにすっかり年ごろの娘になっていた幼なじみの妹に、和也は目の色を変えた。
照美のか弱い腕を引いて、制服姿にはおよそ似つかわしくない納屋に引きずり込んでゆくのを、
「お兄ちゃんあんまりね」
と、裕香はわざとのように口を尖らせた。
女に目がない兄貴に愛想をつかして縁談を承知する――そんな段取りを。
兄の和也も、妹の裕香も、きちんと踏まえていった。
薄暗い納屋のなか。
藁まみれにされる制服に包まれた、十四歳のか細い身体は、和也をいたく満足させた。

和也に正式な縁談がわいたのは、数年後のことだった。
相手は照美ではなかった。
村では指折りの素封家の娘である婚約相手は、村の長老を相手に処女を捧げたうえで嫁入りしてきた。
照美は事情を知らない他家へと嫁いでいった。
和也の嫁は、夫の許しを得て長老との交際を続けていたし、
和也の母も、嫁の不行跡には目をつぶっていた。自分も身に覚えのあることだったから。
裕香は時折、婚家から実家に戻ってきて、嫁を公然と寝取らせてしまった兄を見舞った。
和也は幼なじみの愛妻となった実の妹を、熱情をこめて掻き抱き、
物わかりのよい幼なじみは、最愛の妻が近親相姦の歓びを尽くすのを、見て見ぬふりを決め込んだ。
実をいうと、照美も時々実家の親に会って来ると称して里帰りして、
実家を素通りして和也の家に入り浸った。
照美の夫は妻を寝取られることに昂奮を覚える質だった。
新婚生活のなかで、夫のそういう嗜好を見抜いた照美は、「あたし浮気してあげる」と夫をたきつけて、
時には夫同伴で里帰りをくり返した。
夫の目の前でその妻を犯すという趣向は、和也の気に入るところだった。
自分自身も長老に命じられて、妻の不義の場面を見せつけられていたから、
相手の気持ちがよくわかるのだ。
息をつめて見つめる都会育ちの夫のまえ、
和也は照美に敬意と愛情をもって接し、密にまぐわい続けるのだった。

親孝行――舅と嫁との交際録

2017年08月25日(Fri) 04:50:26

この村には、いろんな形の愛がある。
嫁が旦那の口利きで、舅と愛し合っている。
兄と妹が、夫婦のように暮らしている。


宝井秀馬(46、仮名)は、やもめになった父(73)に、妻の里美(44、同)を抱かせている。
きっかけはすでに、新婚のころからあった。
秀馬の留守中、父が里美を強姦したのだ。
都会育ちの里美は結婚後も、隣町のオフィスにOLとして勤めていた。
義母の登美子はたまたま外出していて、夫の秀馬は農協に勤務していたから、
家には義父しかいなかった。
その義父から、「体調が急変した、早く帰ってきてほしい」と連絡があったのだ。
里美は勤務先の上司に事情を話し、会社を早退して帰宅した。
スーツ姿で務めから戻った里美に、義父は目の色を変えて襲いかかった。

体調不良は嘘だった。
いや、体調が変になっていたのは、嘘ではないのかもしれない。
彼は女に飢えていた。
その欲情を満たすべき妻の登美子は、外出していた。
里美は泣いて抗ったが、どうすることもできなかった。
若々しい張りのあるバストを包むブラウスは引き裂かれ、ブラジャーの吊り紐は引きちぎられて、
押し倒されてじたばたさせた脚からは、ストッキングを引き剥がれていった。
それでも、義父の道ならぬ激しい吶喊に、里美の腰は本能的に応えつづけてしまっていた。
きっと。
義父娘の身体どうしは、相性がとても良かったのだろう。

ふたりの関係はしばらくの間、夫にも姑にも秘密のままつづいた。
里美は会社の早退をくり返し、やがて退職せざるを得なくなった。
ひとつ屋根の下にいる時間が長くなったことは、ふたりにとってもっけの幸いだった。
夫が農協に出勤し、姑がなにかの用事で家を空けると、
ふたりは待っていたかのように、むさぼり合っていた。
そのころ授かった男の子の父親が、夫だったのか、義父だったのか、里美にも確信が持てずにいる。

しかしやがて、それと察したのは姑だった。
彼女は出かけると見せて突然帰宅し、濡れ場の最中の現場に踏み込んだ。
修羅場にはならなかった。
くんずほぐれつしているふたりを凝視すると、
「落ち着いたら茶の間に来てな」
と呟いて、スッと姿を消した。
不義をはたらいた舅と嫁とが、舅の部屋から出てきたのは、それから一時間後のことだった。
舅は数々の不行跡で、もともと姑には頭が上がらなかった。
「秀馬も薄々、感づいている。この一件は妾(わたし)に預けてもらいます」
姑の登美子はそういうと、里美は蒼くなってうなだれた。
それでも舅はしたたかにも、「別れを惜しみたいから」といって妻を別室に去らせ、
もういちどだけ、嫁を自室へと引きずり込んだ。

やはりあんたが気づいていたように、里美さんはお父さんとデキていた。
でもとりあえずふたりを引き離して、お父さんにはきつく言っておいた。
たぶんふたりは、別れるだろう。妾のひと睨みは、あのひとにとって絶対だからね。
お父さんのめんどうは、あたしが見る。
悦次叔父さんもいなくなったからね。
あとはあんた次第だよ。
父さんに親孝行するつもりなら、それもいいだろう。
でも、離婚だけは家の恥だし、幼い冬馬のためにもならないから、絶対にお止しなさい。
秀馬は母親のいうままに、妻にはなにも問わず、いままでの日常を素知らぬ顔で重ねつづけた。

それから十数年が経った。
登美子はもはやいなくなり、父親はほんとうに独りになった。
いなくなる少し前、秀馬は登美子から色ざんげを聞かされた。
あたしが嫁いできてすぐのとき、お父さんに言われてね。
お前はもう憶えていないかな、お祖父さんの相手をさせられたんだ。
いちどきりじゃなくって、なん度もなん度もだった。
週に3度は抱かれたかな。
そのときにはいつも、お祖母さんはいなくなっていたし、お父さんは勤めに出てた。
この家は、どうやらそういう家らしい。
そのうちあたしも割り切って、お祖父さんとつき合うようになった。

お祖父さんがいなくなった後は、お祖父さんの遺言で、
一生独り身だった悦次叔父さんのところに行くようになった。
女ひでりだったからね。しつこかったよ叔父さんは。
でもあんたもあの叔父さんには懐いていたしね、それでよかったんだよ。
あのひとも、お祖父さんも、あたしを辱めようとしてしたことじゃない。
血のつながってない家族どうしで、仲良くしたかっただけなんだ。
形はちょっと、変わっていたけどね。。
お父さんも、きっとそうだ。
あのひとが里美さんを襲ったのは、あたしが悦次叔父さんの家に行った日のことだった。
あたしが叔父に抱かれるのがたまらなかったのか、
もしかしたらそういうことに昂奮できる質(たち)だったのか、
たぶんそっちのほうだと、あたし思うけどね――
まあ、そんなことはどうでもいいや。
だからあたしがあの時あなたに、親孝行をちょっとだけすすめたのは、そういうわけだったんだ。
あたしもお父さんには、ちょっぴりすまないと思っていたからね。
すまないと思ったのは、愉しんじゃっていたから――
でも、あんたが親孝行だと割り切ることができて、お父さんが嫁と仲良くしたくてしていることだって得心できたら、親孝行させてあげてくれないかな。
つぐないは、いまなら、ちょっとだけなら、してあげる気持ちがあるけれど。
あんたに、その気があるんなら――

その夜、秀馬は初めて、実母の登美子を両親の部屋で抱いた。
すべて言い含められていたらしい父親は、書斎にこもり切って、ひと晩じゅう、出てこなかった。

親孝行、してやりたいんだよな。
母さんいなくなったら、親父もさびしいだろうから。
前みたく、仲良くしてやってくれないかな。親父と。
母を送って一年が過ぎたころ、秀馬はそういって里美を口説いた。
里美にいなやはなかった。
法事の席でのことだった。
喪服に映えた里美の白い首まわりや、黒のストッキングになまめかしく透ける脛に、
チラチラと露骨な視線を這わせていた義父は、そ知らぬふりで聞き耳を立てていた。

じゃあ俺は、仕事に戻るから。
秀馬はわざとらしく父親を一瞥すると、
「お父さん、行きましょう」
里美もぴったりと息を合わせて、夫に応じた。
秀馬は勤め先とは見当ちがいの方角へと足を向け、
義父と嫁とは家とは反対方向の、村に一軒きりのラブホテルへと足を向けた。
母を弔うための装いに身を包んだふたりが、不倫のねぐらへと向かう後ろ姿を、
秀馬はなぜか昂ぶりながら見つめていた。
黒のストッキングに清楚に透ける足どりは、あと十分もしないうちに、淫靡なくねりを見せるのだろう。

それ以来。
ひとつ屋根の下、素知らぬ顔で書斎にこもる夫をしり目に、
舅は嫁にしなだれかかり、
嫁は恥を忘れて、スカートのすそを乱し、ストッキングを引きずりおろされていった。
「親孝行なんだから」
自分で自分にそう言い聞かせていた夫は、不倫の汗を流したままの妻を、ありのままの姿で押し倒していった。

「祖父さん、元気そうだね」
息子の冬馬が、悧巧そうな顔だちに笑いを浮かべ、白い歯を見せる。
母親の里美に生き写しの白い頬が、きょうは妖しい翳を宿していた。
「これからちょっと、仕事に出かけてくるからね。凜々花の話し相手にでも、なってやってくれないかな?」
都会暮らしの冬馬は、去年もらったばかりの新妻の凜々花を伴っての里帰りだった。
すべてを言い含められているのか。
凜々花はまる見えといっていいくらいの羞じらいをみせていた。
いまどきの若い女性らしくいつも生足だという凜々花は、その日に限ってストッキングを脚に通している。
「父さん、そういう雰囲気って好きなんだろ?」
冬馬の言いぐさは、少しばかり露骨に過ぎたけれど。
秀馬は息子の好意に、正直に甘えることにした。
どんなに取り繕っていても、ズボンのなかの一物が、すでにはじけそうになっている。
飢えた狼のまえに新妻を残して出かけていく殊勝な息子が、
玄関で革靴を履くのに手間取っているのさえもどかしいほど、
秀馬は自分のなかの劣情が、はしたないほど露骨に鎌首をもたげてくるのを、どうすることもできずにいる。
妻の里美が、息子夫婦の顔をひと目見たそのすぐ後に、
舅といっしょに公然とデートに出かけていったのも、
もしかしたら秀馬と凜々花とに、気を使ったのかも知れなかった。

母さんって案外、いい女じゃん。

2017年06月06日(Tue) 07:01:54

母さんって案外、、いい女じゃん。
村はずれの荒れ寺の奥深く、閉ざされていた本堂の扉から、人目を避けるようにして逃れ出てきた奈美子を見て、タツヤはグッときていた。
本堂のなかに入る前にはキリッと着こなしていたスーツを、ふしだらに着崩れさせて。
はだけたブラウス、乱れ髪。
眉には悩ましい翳を滲ませた奈美子は、息子の前に女の顔をさらしていた。

本堂の中でなにがあったのかは、もはや子供ではないタツヤには、察しがついている。
この村に棲み着いた都会の人妻たちは、この荒れ寺にひとりひとり呼び出されて、
村を支配している吸血鬼に襲われて生き血を吸われ、そして犯される――
そんな暗黙のルールを聞かせてくれたのは、ほかならぬ父親だった。
「母さんを迎えにいっておやり」
どうして父さんじゃいけないの?という問いは、飲みこまざるを得なかった。
そんなふうにして父親は、すでになん度も犯された母親の出迎え役を引き受けていたから。
自分の妻が犯されて戻って来るのを送り迎えするということが、夫にとってどれほど残酷なことか、と、タツヤは思う。
けれども、自分もそのひとの息子なのだと、思わずにはいられない。
そんな気分を抱えて寺に着いたとき、ほとんど出会い頭に犯された直後の母親に遭遇して。
タツヤの理性は跡形もなく、吹っ飛んでいた。

幸か不幸か、奈美子はタツヤに気づいていない。
本堂を出た縁側で、しきりに身づくろいをしかけていた。
その合い間にも――
はだけたブラウスのすき間からは、ブラをはぎ取られてあらわになった乳房が見え隠れして、
豊かにウェーブした乱れ髪は、女が身じろぎするたびにユサユサと妖しく揺れた。
われ知らず、タツヤは母親に向かって、一直線に歩みを進めていた。

「あっ・・・タツヤ・・・」
母親の顔つきを取り戻すのが一歩遅れたことを、悔いるゆとりはもうなかった。
奈美子は息子の手で縁側から荒々しく引きずりおろされて、
雨あがりの苔に覆われた庭先で、組み敷かれた。

獣の息をしている。
タツヤは自分で自分のことをそう思った。
けれども、いったん暴走し始めた衝動を、もう抑えることはできなかった。
息荒く奈美子のうえにのしかかり、ブラウスを引き裂き、ピンと突き立った乳首を唇に含む。
「よ・・・っ!!よしなさいっ!」
奈美子はかろうじて母親の理性をみせて、息子を制止にかかった。
けれども、タツヤの唇は奈美子の乳首をふくんだまま、それを舌先でクチュクチュとしごくように弄んでゆく。
「いけないっ!い・・・け・・・な・・・い・・・」
息をはずませて声を途切らせる奈美子に、タツヤはますます欲情を募らせた。

ああああああっ。
ひざ小僧まで弛み堕ちた肌色のパンストをまとったままの脚が強引に押し開かれて、
奈美子はなん度も絶叫をくりかえした。

「これで良かったんですかね・・・」
アツシは住職のまえ、翳った横顔を向けたまま呟いた。
「エエ功徳を施しなすったと思いますだよ」
住職は田舎言葉で、妻を息子に犯させている夫に囁き返した。
「ともかくも、きょうはおめでとうございます」
住職は不幸な夫のまえで深々と頭を垂れ、
不幸なはずの夫は、実の息子を相手に小娘みたいにきゃあきゃあとはしゃいでしまっている妻を、眩し気な視線を送って見守りつづける。

住職は、さっき犯したばかりの女が、若い息子の衝動に抗しかねて、目覚めてしまった歓びに耽り抜くのを目の当たりに、慇懃に合掌をすると、
母子のまぐわいを恍惚として見入ってしまっている男を残しそそくさと立ち去っていった。

相姦家族

2017年05月25日(Thu) 07:44:29

啓一郎が勤めから戻ってくると、娘の華菜が制服姿のままリビングで頬杖をついて、父親の帰りを待っていた。
「父さんお帰りぃ」
華菜はいつもの自堕落な口調で、父親の帰りを迎えると、両親の寝室のほうをあごでふり返って、いった。
「母さんは今、熱烈浮気中だよぉ」
啓一郎もさるもの、「あ、そう」と軽く受け流して、妻の作った晩御飯をレンジに持っていく。
「長次郎のやつ来てるんだ」
ちゃんと浮気相手のことも、よくわかっているのである。
長次郎とは幼なじみの仲で、若いころから嫁を交換したりするほど親しかった。
「ちょっとー、だらしないじゃん~。奥さんに浮気され放題なんてー」
華菜は頬杖を突いたまま、からかい口調で父親をなじる。
啓一郎はそんな娘をふり返りもせずに、「仲いいんだったら、いいんじゃないの」と、取り合わない。
両親の愛情が冷めきっているわけではなくて、父が母とのセックスを毎晩のように欠かさないことも、娘はしっかり把握していた。
「お2人、今夜はアツアツだったよ~。今夜はあたしが、母さんの代わりに相手してあげようか」
娘はどきりとするようなことを、父親にいった。
啓一郎はさすがにあわてた。
「ば、バカ。いくらなんでも父娘でそんなことできるかよ!」
華菜は格好の良い脚をぶらぶらさせながら、しゃあしゃあと応えた。
「だってー。父さんがしてくれなかったらあたし、このあと長次郎小父さんに姦(や)られることになってんだもん」
初めてはやっぱり、父さんがいいな・・・と、華菜は笑った。
男をいちころにするような、あどけない媚び笑いで。

やがて奥の寝室から、長次郎が頭を掻き掻き出てきた。
「悪りぃ、悪りぃ、今夜は帰り、早かったんだな」
啓一郎は咎めもせずに、いつから来てるの?と訊いた。お昼過ぎからと答えがかえってくるとさすがに、「よくがんばるなあ」と感心している。
妻の浮気相手は娘を指さして、啓一郎にいった。
「華菜ちゃん、どっちが先に女にする?」
長次郎はちょっとだけしんけんな顔になっていた。
啓一郎が華菜の手を邪慳に引っ張ると、「それがええ、それがええ」と、納得したようにうなづいている。
どうやら、華菜の処女にはそんなに、執着していないらしい。

妻と浮気相手、父親と娘がそれぞれ別の部屋で戯れ終わると、どちらからともなくリビングに戻ってきた。
夫婦はそこで初めて、顔を合わせる。
「おかえりなさい、早かったわねえ」
妻がなにごともなかったかのように夫をねぎらうと、
「んー、今夜はみんな早上がりだったんだよな」
と、夫もふだんと変わらない口調で、妻に応えた。
妻の華子は娘の華菜に、そのときだけは母親らしい気づかわし気な顔になって、「痛かった?」と訊き、
「んー、けっこうキモチよかった」と娘がしゃあしゃあと応えると、「この子ったら、まあ」と、ちょっとだけ口を尖らせた。


翌晩啓一郎が家に戻ってくると、妻の華子がリビングで頬杖をついて、夫の帰りを待っていた。
「おや、華菜は?」
夕食時に姿を見せない娘を父親が気づかうと、華子はいった。
「長次郎さんと仲良くしてる」
夕べあのあと相手を取り替え合ってセックスに耽ったが、どうやら長次郎は娘のことも気に入ったらしかった。
「ふた晩続けておんなじ人とだなんて、あのひとにしては珍しいね」
華子はぼそりとそういった。

やがて華菜の勉強部屋から、長次郎が頭を掻き掻き出てきた。
「ロリコン男~」
啓一郎が長次郎をそういってからかうと、あとから出てきた華菜が「父さんだっていっしょじゃん」と、やりかえした。
「相談があるんだけどさ」
ひとの家の娘を犯しておいて、長次郎は啓一郎の真横に座るとずばりと切り出した。
「華菜ちゃん、うちの誠太の嫁にくれないかな」
啓ちゃんとの仲はそのままでいいから・・・と、長次郎は寛大なところをみせてくる。
「いちおう父親として味見をしたけど、華菜ちゃんいい身体しているワ。こんな子がウチの嫁になってくれたらエエなあって夕べ思ったんよ」
息子の誠太にも、ぜんぶ話してあるという。
「父ちゃんが未来の嫁の味見をしたことまでか?」
さすがに啓一郎が訊き返すと、「もちろんね」と、長次郎とこたえた。
家族の間で秘密はなしってことにしてるから――と、真面目な口調になっている。
誠太が初めて識った女が実の母親だということも、啓一郎は長次郎からきいて知っていた。
「あいつは優しい子だからな、華菜ちゃんがお嫁に来てくれるなら、父さんも時々抱いてもかまわないよって言ってくれたよ」
娘の新婚家庭はいったいどういうことになるのだろう?と、啓一郎はおもった。
「あいつ、俺の子じゃないことも、ちゃんと知ってるんだ」
長次郎はまたしても、どきりとするようなことを言った。


もともと啓一郎のところは、ごく普通の真面目な家庭だった。
しかし長次郎の家は、母子や父娘のセックスを、ふつうに交わす家だった。
生まれ育った家の習慣をむしろ誇りに思っている長次郎は、「そのほうが楽しいぜ?」と、啓一郎をそそのかした。
十代のころは同性愛の経験もある幼なじみに誘われるまま、啓一郎は妻の華子を誘惑するチャンスを与えてやり、
長次郎はまんまと、幼なじみの愛妻をたらし込んでしまっていた。
「おれだけいい想いしたら悪りぃから」と、長次郎は義理堅いところをみせ、啓一郎には自分の嫁を紹介していた。
長次郎の嫁の雅江もまた、義父に抱かれることで目ざめてしまっていて、
ふた組の若夫婦はしばしば嫁を取り替え合って夜を過ごしてきた。


長次郎が息子の誠太を啓一郎の家に連れてきたのは、その次の日のことだった。
誠太と華菜とは、知らない仲ではない。
けれども、電車で2時間かけて都会の名門校に通うようになった華菜を目にするのは、久しぶりのことだったに違いない。
このかいわいで着ている子も少ない名門校の制服を着た華菜のことを、誠太は眩しそうに見つめた。
「ほんとにいいの?あたし、こっちの父さんとも、うちの父さんともご縁のある子になっちゃったんだよ」
自分の素性をあっけらかんと暴露する娘に、
「平気だよ、うちそういうの慣れているから」
妙に明るい瞳をした青年は、さわやかな口調でこたえていた。
「ボク、父さんの子じゃないからね。父さんも知ってるけれど」
啓一郎は、夕べ長次郎が同じことを言っていたのを思い出した。「いったいどういうこと?」
「橋のたもとに掘っ立て小屋を建てて棲んでる爺さん、いるだろ?」
長次郎はこのかいわいに永年棲み着いている浮浪者のことを話題にした。
「雅江のやつが俺のところに嫁に来るすこし前に、あいつに犯されちまったんだ」

どっちかというと俺さ、変態だからドキドキしちまって。
弱みを握られた雅江がやつのところに呼び出されてあの掘っ立て小屋のなかで抱かれてるのをのぞき見して、愉しんじまっていたんだ。
たまたまさ、勤め帰りのスーツを着崩れさせて出てきた雅江と鉢合わせしちまって、
それからはさ、デートのあとに爺さんのところに立ち寄って雅江を抱かせて、そのあと二人で草むらで姦(や)るのが習慣になってたんだよな。
誠太はそのときの子。

「あら」
華子がちょっとびっくりしたような声をあげた。
「どうしたの、母さん」
長次郎小父さんの打ち明け話に興味津々で聞き入っていた華菜が母親をふり返ると、華子がいった。
「だってその人にあたしも、この人と結婚するちょっと前に襲われて犯されちゃったのよ。
 華菜はそのときの子。

・・・ってことは・・・。
父親ふたりは、顔を見合わせる。
誠太と華菜はじつの兄妹?
婚約者の純潔を同じ浮浪者に奪われた男ふたりは、「なあんだ」と、苦笑し合った。
華菜が真っ先に反応した。
「じゃああの小父さんも、あたしたちの結婚式に呼ぼうか」
だれもがいちように、頷き合っていた。
「あのじいちゃん、まだお盛んなんだよ。華菜の友だちも二人やられた」
「ボク、爺さんに逢いに行く時華菜のことを連れてってやる」
「実の娘でも抱くかな」
「関係ないんじゃない?ああいうひとは」
「雅代がやられたときには、勤め帰りのスーツ着ていた」
「あたしが啓一郎さんより先に犯されちゃったときも、新調したばかりのスーツ台無しにされたのよ」
「お友だちがやられちゃったときは2人とも、学校帰りだったんだって」
きちっとした服を着ている女を襲いたがるんだな・・・男たちはいちように、納得していた。
「ボクといっしょに爺さんのところに行く時には、制服着て来てね」という誠太に、華菜はあっさりと「ウンいいよ」と、こたえていた。

「チョウの家の人たちは、みんな強いな」
啓一郎がそういうと、
「華子さんも華菜ちゃんも、強くなったじゃん。俺の感化で」
と、長次郎は妙な自慢をした。
「どっちの父さんも さ」
誠太がいった。
「僕たちが結婚してからも、華菜ちゃんとつき合ってもいいからね。むしろそのほうが、まともな子が生まれたりして」
きらきらと虚ろに輝く瞳が、ひどくさわやかだと華菜はおもった。


あとがき
倫理観がかけ離れた家族の日常を淡々と描いてみたいな と思っていたら、
これでもかこれでもかというくらい、変なお話になってしまいました。 (^^ゞ
啓一郎の一人娘も、長次郎の一人息子も、お互いの妻が浮浪者に犯されてできた子・・・ということは、
どちらの男も子孫がいないことになるんですね。
ふたりが子孫を残すチャンスは、華菜に託されているみたいです。

ひし形もようのハイソックス 2  ~相姦の巻~

2017年05月19日(Fri) 06:14:50

思いもかけない凌辱劇だった。
気がつくと姉さんは吸血鬼の猿臂に巻かれ、デニムのスカートをたくし上げられて、
明るい陽の光の下、白い太ももを露骨なまでにまる見えにさせて、押し拡げられていった。
「あああっ!京太あっ!見ちゃダメッ!」
姉の言いつけでも、素直に従うわけにはゆかなかった。
周りの草葉を揺らしながら犯されてゆく姉は、食いしばった白い歯を薄い唇から覗かせながら、激しくかぶりを振りつづける。
「見ちゃダメ!見ちゃダメ!お願い視ないでッ!」
はじき散らされた言葉とは裏腹に、姉の受難をじーっと見つめる弟は、
貧血で身体が痺れているのを良いことに、吸血鬼の呪わしい抱擁から姉の純潔を救い出す務めを放棄している。
「やだっ!やだっ!だめえっ!イヤ・・・厭・・・厭っ。お願いっ」
必死の懇願もむなしく、乱されたデニムのスカートの奥に、男の逞しい腰が沈み込んで、
激しい上下動に姉の細い腰が無理やりつき合わされて、
強引なその動きとひとつになってゆくいちぶしじゅうを、少年ははっきりと見届けてしまった。
姉は弟の視線を意識しながら、薄い唇を半開きにして、それでも歯がみをし続けていた。

気がつくと。
姉のうえにのしかかっているのが自分であるのを、京太は自覚した。
抑えつけた手首をはずそうとして身をよじる姉の面差しに激しくそそられて、
京太は自分が吸血鬼になったかのように、正美の首すじに唇を吸いつけていた。
吸血鬼が吸ったのとは、反対側の首すじだった。
女の匂いがムッと少年の鼻腔を満たし、目をくらませる。
視界の向こうには、脱ぎ捨てられた半ズボン。
ひし形もようのハイソックスを履いた正美の脚に、同じ柄のハイソックスの脚をからみつかせながら、
少年は激しく昂った股間を、自分の下で開かれた太ももの奥へ、押し当てようとしていった。
そうはさせまいと必死で抗う姉は、「京太やめて!」と叫びながらも、
急に身体の力を抜いて静かになって、
激しくぶつけられてくる弟の性欲のまえ、わが身をゆだねていった。
どちらが男、どちらが女。
ひし形もようのハイソックスの二対の脚たちは、いずれとも判別できないほど密にもつれ合って、
脚と脚とが重ね合わされもつれ合うにつれて、
ふたりきりで暮らしていた姉と弟との関係が、恋人同士のそれにすり替わっていった。

「きみは血に飢えたわしに同情して、生き血をくれるようになった。
 ハイソックスを履いた脚を咬みたがるわしの習性を知って、姉さんのハイソックスを履いてきてくれるようになった。
 処女の生き血を欲しがっているわしの願いを察して、姉さんをここまで連れてきてくれた」
「あんたは弟の身を気遣って、身代わりに血を吸わせようとしてここに来てくれた。
 処女の誇りを守り通そうとして、必死に公園じゅうを駆け回って、さいごまでわしに抵抗をし続けた。
 けれどももとより引き返すつもりはなくて、さいごのさいごまでわしのために尽くしてくれた」
「きみは姉さんに恋をしたわしの気持ちを察してくれて、わしが姉さんを誘惑するのを邪魔しようとはしなかった。
 そして姉さんを怖がらせないようにと自分からお手本を見せてわしに血を吸われて、
 あとはわしの自由にさせてくれた」
そういうことで構わないだろう?
男の勝手な言いぐさに、眼の輝きを失った姉弟は、うつろな表情でうなづき続けた。
「それに違いないよね?姉さん」
「そうね。これからもわたしたちの若い血で、小父様を助けてあげないとね」
お嫁入り前の純潔を守ろうとして抵抗し続けたあの張りのある叫び声はどこへやら、
姉は打って変わって低い声色で、弟にこたえる。

「ありがとう」
散々な乱暴狼藉の末勝ち得た快楽が吸血鬼の兇暴さを鎮めたものか、
姉弟のうら若い血をまだしたたらせている牙の持ち主の声さえ、低く落ち着いていた。
言葉少なに告げられる感謝の呟きに、意外なくらいの真実味が込められているのを、
姉も弟もなんとなくであるが感じ取っていた。

「じゃあこれからもきみは、姉さんをわしのために連れてきておくれ。
 お礼にきみのまえで、姉さんが悦ぶところを見せつけてあげるから」
「ウン、お願いね」
京太はいつもの少年言葉に戻っていて、
「いけない子ねぇ」
正美も弟の悪戯を優しくとがめるだけの姉に戻っていた。

「今度、べつの街に移ったときは、姉弟じゃなくて恋人同士で入居しようよ」
「そうね。私たち、きっと周りをだまし通せるわね」
風変わりな弟の求婚を、姉は風変わりな返事で受け入れる。
「それがいちばんよろしい」
若いふたりの証人になってくれた吸血鬼に、京太はぽつりとつぶやいた。
「きょうのボクは、自分のお嫁さんが処女を奪われるところを視ちゃったんだね」
「ウフフ。参った?」
突きあげる昂奮に、弟が不覚にもつつっと鼻血を滴らせるのを見て、姉は笑った。
「いつでも新居に遊びに来てね。そうしたら、ボクのお嫁さんを寝取らせてあげるから」
肯く吸血鬼に、京太は笑った。正美もほほ笑んでいた。

ひし形もようのハイソックス1  ~喪失の巻~

2017年05月19日(Fri) 05:50:36

半ズボンの下、にょっきり伸びた少年の足許を引き締めているのは、ひし形もようのハイソックス。
男の子のそれにしては派手なもように彩られた足許を、彼は自慢げに見せびらかした。
相手は、少年の血を吸っている吸血鬼。
ちょうど少年の父親くらいの年代の男だった。
「姉さんがいつも履いているやつなんだ」
丁寧に咬んでね・・・という少年の希望通り、彼の足許にかがみ込んだ男は、
ひし形もようのふくらはぎに、そうっと唇を忍びよらせる。
にゅるっと吸いつけられた唇に、少年は「うぅん・・・」と眉をあげ、顔をしかめる。
ひし形もようのハイソックスごしに刺し込まれた牙の周りを、少年の血潮がじわじわと浸していった。
整った目鼻立ちをイヤそうにしかめながらも、こみ上げてくる愉悦をガマンし切れない。

「ひどいなぁ」
貧血にあえぎながらも少年は、血をたっぷりしみ込まされて足首まで弛み堕ちたハイソックスの足許を見おろして、恨めし気に呟いた。
ククク・・・男はなおも少年を放さずに、こんどは首すじを狙っている。
ずぶり。
食いつかれた牙の鋭さに、「あぁ・・・」と、少年はふたたび随喜の呻きを洩らしてゆく。
「今度、きみの姉さんを紹介してくれ」
男はいった。
「なん足も持っているんだろ・・・?こんどは持ち主の足許から、咬み剥いでみたいんだ」
男の不埒な言いぐさに卑猥な意味が込められているのを知りながら、少年は激しくかぶりを振っていた。
ジェスチュアとは裏腹に、「連れてきてあげる」と心のなかで呟きながら。

「京太!なにやってんの!?あたしのハイソックスに悪戯してっ!!」
ピンと張り詰めた声を周りじゅうにまき散らしながら少年のあとを追いかけるのは、デニムのスカートの女。
ローズブラックのブラウスの襟元がどことなくなまめかしい彼女は、もう少女と呼ばれる世代を終わろうとしている。
齢は19、女子大生の正美は、気が強いけれどもまだ彼氏のいないおくての少女。
前を駈けてゆく弟の半ズボン姿の足許に、見慣れた柄のハイソックスが引き伸ばされているのを見つけると、
それが自分のものだとわかるのに半秒とかからなかった。
いつもはぐんぐんと引き離されてしまう弟の逃げ足はいつになく遅く、
公園の隅っこまでの姉弟のかけっこを、つかず離れずの距離感でつづけてゆく。
それが罠だとは知らないで、姉娘はひたすら悪戯な弟を罵りつづけ、追いかけつづけた。
おそろいのようにひし形もようのハイソックスをまとった脚たちが、爽やかな草原を駆け抜ける。
姉娘の駆け足が立ち止まり、足許をすくめた目のまえには――弟の血を吸い取ったあの男がいた。

「だあれ?あなた」
正美の問いには答えずに、男はフフフ・・・と不気味に笑うと、立ちすくんだ女の目の前にマントをひるがえした。
あきらかに吸血鬼という扮装の男。
それが真っ昼間から公園の隅に出没していたら、だれしもが思うに違いない言葉を正美は口走った。
「京太!ヘンなひとがいる!近寄らないでっ」
男の出現した場所をいちどは駈け去りかけた少年は、すぐにゆっくりと戻ってきて・・・
あろうことか吸血鬼の猿臂に、自分から巻かれていった。
「あああっ」
姉娘の絶叫するなかで、京太はいつものように男に首すじをあずけ、
Tシャツのえり首に血の帯を滴らせながら、血を吸い取られていった。
これから初めて犠牲になる姉に、まるで手本を見せるように。
「あああっ」
二度目の悲鳴の下、正美は自分の首すじを男の牙に抉られていた。

うひひひひひっ。
貧血に息も絶え絶えの正美の前、
男はいやらしいうめき声をあげながら、京太の足許をいたぶっていた。
弟のふくらはぎの周りを彩る自分のハイソックスが、巻きつく舌と、その舌が分泌する唾液とに、もてあそばれてゆく。
「これが愉しうてな、弟さんに履いてきていただいたのぢゃ」
ハイソックスのうえから突き立てた牙の周りに弟の若い血潮が滲むのを、正美はぼう然として見守った。
つぎは自分の番・・・わざわざ教えられなくてもわかっていた。
けれども、咬まれた傷口からしびれ薬でもそそぎ込まれたのか、正美は自分の身体が硬直するのを感じるばかり。
みるみるうちに這い寄った男の手に足首を握られて・・・
気がつくと、ずり落ちかけたひし形もようのハイソックスのうえから、弟と同じように咬みつかれていた。
あひいっ・・・
姉弟の血を飲み耽る吸血鬼を見とがめる人の姿はなく、
男は変態性欲の裏返しである食欲を、ひたすら若いふたりの身体にぶつけてゆくのだった。

先生の奥さんと娘

2017年04月04日(Tue) 07:07:18

若かった。
先生はセーラー服姿の僕の妹に、目の色を変えてのしかかっていったし、
おなじ部屋のなか、
僕は先生の奥さんに馬乗りになって、紺色のストッキングをずり降ろしていた。

妹を相手に三回も果ててしまった先生は、
奥さんのまえなのにまだ息をゼイゼイさせたまま、
「きみの妹さん、もう処女じゃないんだね?」
と、教育者らしく咎めるような声でいった。
僕はしらじらとした声になって、こたえた。
「だって、僕が穴開けちゃいましたからね。ですから僕は自分の女を、先生に紹介したことになるんですよ」
「兄妹で・・・そいつはけしからん」
お仕置きをしなくちゃな・・・と言いたげに、先生はもう一度妹にのしかかっていったし、
僕もまたもういちど、先生の奥さんのライトブルーのワンピースをめくりあげていった。

その後妹はOLになって、勤め先のエリートサラリーマンと、しれっと結婚した。
同時に先生との関係はなくなった。
僕も結婚していたけれど、時折外商のついでに先生宅に顔を出して、
先生がいてもいなくても、奥さんを誘惑しつづけた。
先生はそんないけない僕をとりたてて咎めだてもせずに――まったくそういうときの先生は、およそ教育者らしくなかった――だまって部屋をあけたり出かけたりしてしまうのだった。

「恥かきっこなんですよ」
定年退職近くなった先生が、照れながら周囲に見せびらかす自慢の娘は、ほんとうは僕と奥さんとの間の子。
その事実は、もちろん僕たち三人しか知らない。
娘さんが中学にあがるころ。
先生はおよそ教育者らしからぬ顔つきで、僕にむかって耳打ちをした。
「こんどはうちの娘をお願いできるかな?きみ、近親相姦は得意だったよね?」

父さんが、吸血鬼になっちゃった。

2016年11月27日(Sun) 09:17:30

朝起きると、母さんは黒一色の洋服を着ていて、足許は淡い薄墨色のストッキングに包まれていた。
おはよう。佐紀夫もはやく、身支度なさい。お父さまが吸血鬼に血を吸われて、おなくなりになったの。
え?
青天の霹靂としかいいようのない言葉に反応しかねていると、母さんはぼくを促して、着替えを手伝ってくれた。
学校の制服は、紺の半ズボンに同じ色のハイソックス。
まるで女子高生みたいだと周囲の学校の子たちにからかわれながらの通学は、けっして気分の良いものではなかったけれど。
今はもう、そんなことは言っていられない。
いつの間に、どんなふうにことが運んだのか。
父さんの居間はすっかり片づけられていて、その真ん中には祭壇が作られ、祭壇のうえにはひつぎが乗せられていた。
洋風のひつぎはどことなく、ドラキュラものの映画に出てくる大道具のように、現実感のないものとしてぼくの目に映ったけれど。
母さんは大まじめな顔をして、ぼくに告げた。
お父さまは、吸血鬼におなりになったの。だからこれからは、母さんや佐紀夫の血で、父さんに生きてもらうのよ。
そういうと母さんは、広い畳部屋の真ん中にあお向けになって、胸のあたりで合掌すると、神妙な顔をして目を瞑る。
佐紀夫もそうなさい、と言われている気がして、ぼくも母さんにならって、すぐ傍らで同じようにあお向けになった。
冷え冷えとした部屋のなか。
身近に感じる母さんの気配が、ぬくもりを帯びて伝わってきて、なぜかとっても、どきどきした。
やがて、ひつぎのふたが開く気配――ひつぎのなかの人が起きあがって、足を忍ばせて近寄ってくる。
さいしょに狙われたのは、ぼくだった。
母さんに遠慮があったのか、たんに若い血が欲しかったからなのか、わからなかったけれど。
母さんが先に手本を見せてくれると思い込んでいたぼくは、ちょっとだけあわてた。
あわてた態度が身じろぎになって現れる前に、冷たい掌がぼくの太ももに触れ、意外なくらいつよい力で抑えつけられてしまった。
万事休す。
かさかさに乾いた唇が太ももに圧しつけられるのを感じると、ぼくはビクリ、と、身じろぎをする。
ちくり――と、かすかな痛み。
縫い針で刺されるような感覚が、皮膚の奥深くにもぐり込んでくる。
引きかえに、生温かい血があふれ出て、父さんの唇を濡らすのを感じた。
ちゅうっ。
強い吸引力に、ぼくのすべてが吸いこまれてしまいそうな気がする。
事実、あのときのさいしょのひと咬みで、たぶんぼくはすべてを喪っていた。
ちゅうっ、ちゅうっ、ちゅうっ・・・
息子相手なのに、父さんは自分の渇きのままに、ぼくの血を勢いよく吸いあげてゆく。
くいっ、くいっと血潮を抜き取られるたび、ぼくの理性は妖しくふるえた。
小気味よくつづく吸血の音に、鼓膜までもが昂っていた。
半ズボンの中身が勃つのを、父さんに気づかれてしまっただろうか?
けれども父さんは、そんなぼくの態度には目もくれず、
貧血を起こして転がったぼくの傍らに横たわる母さんのほうへとおおいかぶさってゆく。

薄っすらと目をあけると。
無抵抗な黒のストッキングの足許に、父さんは唇を這わせていた。
血を求めて、というよりも、もっとべつなものを欲しがっているのを、男としての本能が察知する。
ヌメヌメとなすりつけられる唇のいたぶりに耐えかねるように、
母さんの穿いているストッキングはしわくちゃにされて、いびつによじれていった。
いつも厳しい母さんが、ふしだらに堕とされてゆく。
そんな感覚に、なぜかゾクゾクと胸が昂る。
何度めか、圧しつけられた唇の下。
ストッキングの薄い生地のうえ、裂け目が閃光のような速さで縦に拡がった。
母さんも、いま自分がされている淫らな仕打ちを自覚していたらしい。
父さんと同じく、裂けてゆくストッキングの足許を、淡々とした目で見おろしていた。
ふたりは目線を合わせ、父さんは白い首すじを狙い、母さんは狙われた首すじを自らくつろげてゆく。
真珠のネックレスを巻かれた首すじに、ぼくたち母子の足許を辱めた牙が突き立つのを、間近に見てしまった。

咬まれた瞬間。
母さんは「ふうっ」と吐息を洩らし、身体を心持ち仰け反らせた。
牙を受け容れた、というふうに、はた目にも見えた。
母さんのたいせつな血が、チュウチュウと安っぽい音をたてながら、父さんに飲み味わわれてゆく。
ぼくはどうすることもできないで、母さんの隣で貧血に呪縛された身体を横たえているばかり。
ふたりの抱擁はしつように結び合わされ、喪服のスカートはいつの間にか、腰のあたりまでたくし上げられてしまっている。
ストッキングのゴムが、あらわになった太ももを、くっきりと区切っている眺めが、ひどく淫らなものに見えた。
それが、ぼくの意識のさいごだった。
吸血鬼の毒が身体じゅうにみなぎるのを感じたぼくは、そのまま昏(くら)い世界に堕ちていった。

「どこまで御覧になったの?」
父さんが再び戻っていったひつぎを横目に、母さんがぼくのことを問い詰める。
どこまで・・・って・・・ぼく達父さんに血を吸われたんだよね?
「そうね。あなたも母さんも。父さんに血を吸っていただいたの。でもその後は?」
その後は?それから先に、なにが起きたの?
ぼくはなにも応えられずに、ただ母さんの笑っていない目を見つけ返すだけだった。

佐紀夫と母さんの血だけでは、足りないわ。心当たりをお願いしましょうね。
ひつぎの中の人に聞こえるように、母さんはぼくにそういった。
実際母さんは、学校のPTAで仲良くしている役員仲間を家に招(よ)んで、父さんに血を吸わせたりしたらしい。
さいしょに友達を襲わせて、息も絶え絶えにした後で、自分も咬まれて。
わたしたち仲間ですからね・・・って、堕ちてゆく。
でもそうしたことは、3人めほどで途切れた。
母さんが顔をしかめて言ったのだ。
父さんたらね、母さんが気絶した後、PTAの人たちにいやらしいことをするの。
だから招(よ)ぶのをやめたわ。
それ、いまさら手遅れなんじゃ・・・
ぼくはそう言いかけて、やめた。
父さんは夜になるとひつぎを抜け出してどこかに消えていったから。
たぶん、母さんの友だちを家から誘い出して、近所の公園あたりで逢引きをしているんだろう。
相手の女のひとのご主人に、銀の弾丸でも打ち込まれなければ良いけれど。
でもこの街の人たちは、みんな顔見知りの仲良しだから。
案外、自分の奥さんが血に飢えた親友のために献血に励むのを、感謝して見守っているのかもしれない。
ぼくだって・・・

PTAのひとたちに、いやらしいことを仕掛けるのはやめてくださいね。
これからは、佐紀夫のお友だちでガマンしてもらいますからね。
ぼくが同級生を家に連れてきて、血の供給源にすることを、母さんはひとり決めに決めてしまったけれど。
美人な母さんを見たくて鼻の下を伸ばしながら家にやってくる男の同級生はけっこういたので、
当分血の補給先に困ることはなかった。
あなたたちの若い血が必要なんですの。わたしもとても助かるし、理解してくれてうれしいわ。
男子たちは母さんのオトナな女のまなざしと話術にケムにまかれて、他愛なくつぎつぎと咬まれてしまっていた。
父さんはそんな男子たちも巧みに篭絡してしまっていて、
息子経由で母親を誘惑する術を、覚え込んでしまったらしい。
母さんは女のカンで、そうした動きを敏感に察知して、酔い酔いにされてしまったぼくの友だちを、お出入り禁止にする。
でも、もう遅いんだよね。
ぼくですら。
自分の彼女を公園に呼び出して、父さんに血を飲ませてしまっているくらいだから。
セックス経験のある女性を相手にするときには、肉体関係まで持ってしまう。
そんな吸血鬼の習性を、ぼくは初めて目の当たりにしてしまった。
彼女とはすでに、そういう関係になっていたから。

父さんはもっともらしく、ぼくにいう。
血統というのは、だいじなものだ。
自分の妻の子が、自分のたねか、よその男の子なのか、見極めるのは難しいからな。
だから母さんは父さんが独り占めすることにした。
お前も、安心して良いのだよ。
生れてくるのがお前の子であれ、父さんの子であれ、うちの子であることに、変わりはないのだから。

父さんの屁理屈を、ぼくはあえて真に受けることにした。
母さんは姑として、嫁の不行儀には寛容でなかったけれど。
自分の友人の人妻たちに手を出すときほどは、ぼくの妻に手を出すときには口うるさくはしなかったから。

相姦の構図

2016年10月26日(Wed) 05:41:51

息子は母親で、女の味を知り、
父親は息子の嫁で、処女の味を知る。
弟は兄嫁で、兄は弟の嫁で、不倫の味を知る。
たまさか一方的にむさぼられるものがいたとすると、
その者は寝取られる歓びに目ざめてゆく。


あとがき
八方丸く収まる・・・ということで。^^

父娘。 ~ミホ物語異伝~

2016年10月01日(Sat) 16:14:33

ミホの父さんが、あるときそっとボクの傍らに佇んだ。
あのふたり、じつは父娘なんだよ。
え?
びっくりして振り返るボクに、ミホの父さんは愉しそうに笑いながら。
もういちど、同じ言葉をくり返した。
あのふたり、じつは父娘なんだよ。

きょうもボクの視線を意識しながら、まぐわいつづけるふたり――
紺のハイソックスが半ばずり落ちた脚をばたつかせながら。
ミホはきょうも、うめきつづける。
「結婚前に、いいのかな?いいのかな?あたし、婚約者いるんだよ?ユウくん、ユウくん、きょうもゴメンねっ」

いつもは赤の他人として過ごす二人。
その二人が父娘であることを確かめ合う、唯一の儀式がこれなのか。
そういえば。
尾崎の小父さんはミホを抱くとき、母さんのとき以上に慕わし気に、若い素肌を撫でまわしていた。
それがただのエッチな気分のものなのか。
実の娘の成長を歓ぶための行為なのか。
もちろんボクには、わからない。
じつのところ小父さんにだって、わかっていないのかもしれない。

ミホの母さんは、結婚してからもしばらくの間は、尾崎とつきあっていたらしい。
そうと薄々知りながら、ミホの父さんはとやかくいわかなったらしい。
むしろ二人の交際を愉しんでいた。
そういうミホの父さんと。
やはり尾崎のことを妻の情夫として受け容れていたらしいうちの父さんと。
そして、婚約者の密会を、こうして愉しんでしまうようになったボクと。
みんな、同じ種類の男なのかも。

ふとそんなことを考えていたら、ミホの父さんがにまっと笑う。
今度の会でさ。きみの妹さん食べちゃうから、よろしくね。
まだ妹さん、なんにも知らないらしいんだ。
うちに彼女を連れてきてくれるの、どうやらきみになりそうだから。
先にぼくの口から、伝えておくね。

さっきとは別人のような顔つきになっている、ミホの父さんを見返しながら。
ボクは思わず、言っていた。
「よろしくお願いします」って。
そういえば。
ミホの純潔をゲットするって、尾崎の小父さんが宣言したときも。
思わず口走ってしまっていたっけな。
「ミホをよろしくお願いします」って・・・



あとがき
ちょっと毛色の違うお話になってしまったかも。
^^;

吸血鬼令嬢

2016年04月10日(Sun) 18:17:12

ベッドのうえ、あたしは仰向けになって、百合香に抑えつけられていた。
ギシギシときしむベッドの音と、微妙なたわみを感じながら、
まさか底抜けしやしないかと、ちょっとだけはらはらしながら。
合わせられた唇をあたしのほうからも合わせていって、吸い、また吸っている。
甘えるようなしつようさを秘めた熱っぽい唇は、ルージュを刷いていない代わり、
ぬるぬるとした唾液を薄っすらとしたうわぐすりのように帯びていて、
まだお互い子供のくせに、妙に生ぐさい息を交えながら、これでもかこれでもかとあたしに迫ってくる。

相手は、女。同い年の、少女。
おなじ制服を身にまとい、おそろいの黒のストッキングに脚を通し、
二枚の薄絹を隔てた太もも同士は互いのほてりを伝え合い、
窮屈に押し重ねられ、擦り合わされてくる。
薄いナイロン製の薄衣は、微妙によじれ皺寄せあって、
互いの素肌の気配を、いっそう妖しく増幅させる。

百合香・・・百合香・・・
あたしがその名を呼ぶたびに、彼女は甘え、唇を吸い、吸った唇を首すじに這わせてくる。
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
挿入行為を伴わないのに。
お互い、ズロースも、ストッキングすらも脱がずに、服の上から愛撫し合っているだけなのに。
女どうしの交接は、どうしてこうも熱っぽいのだろう?
ただの同性愛ではない。彼女は吸血鬼――
その正体を識ったというそのすぐあとに。
彼女はあたしを求めてきて。
あたしはためらいもなく、セーラー服の胸元をくつろげていた。
首すじを這う唇は、奥に秘めた細くて鋭い牙を滲ませてきて、
あたしの素肌にさっきから、チクチクといじましい刺激を伝えてくる。

ちゅうっ・・・
彼女の唇が、異様に鳴った。
つぎの瞬間、彼女の喉が、ごくり、と、鳴った。
あたしの血をあやした彼女の喉が、たまらなくいとおしい。
そう、あたしは彼女に血を捧げながら、愛撫を交し合っている。

がたり。
部屋のドアの向こうで、音がした。
廊下にだれか、人の気配がする。
彼女は獣の目になって。
あたしの身体を抑えつけながら身を起こし、あたりを窺う。
ドアを開けなくても、相手がだれなのかは、もう察しがついていた。
だいじょうぶよ。兄貴。
あたしのひと言に安心したのか、百合香はもういちどあたしの首すじに唇を吸いつけ、血を吸い取った。
コクコクと鳴る彼女の喉鳴りが、やはりたまらなく、いとおしい。

彼女が去ると、兄は入れ違いに入ってきた。
実の兄のくせに。彼はあたしを嫁にと望んでいた。
村いちばんの、素封家の御曹司。
その兄が、独身を通すと両親に告げたとき、ふたりのあわてようったら、なかった。
家が絶える。それがなによりも、彼らにとって恐怖だったのだ。
兄は狡猾にも、代案を用意していた。
あたしを嫁にして、子を産ませるという。
世間体が第一な両親にとって、それは驚天動地のことだったに違いない。
けれども兄は意志を枉(ま)げず、意見を通し抜いてしまった。
それでも世間体が第一の両親のため、ふたりが実の兄妹であることは、周囲に秘されることになっていた。
ふたごを忌む旧弊な村に、兄とは双子として生まれ合わせ、あたしだけが都会の縁続きの家に養女としてもらわれていった――それが幸いした。
兄は都会にしつらえられた別宅に住みつき、都会の人になるという。
そうね。あたしが根っからの都会娘だから。兄さんもそれを、見習うといいわ。
あたしの意思は一切無視された、まがまがしい結婚を、あたしは眉ひとつ動かさずに受け止めていた。

また、あの人かい?
兄は言った。
女同士とはいえ、兄にとって百合香は、嫉妬の対象なのか。はたしてどうなのか。
あたしは訊いてみる気になった。
そうよ、あのひとよ。
あたしは兄を挑発するように、平然と応えた。
兄は果たして、挑発に乗って来た。
あの人、血を吸うんだろう?
エエ、そうね。吸うときもあるわね。
あたしはわざと、人ごとのようにうそぶいた。
死んじゃったら、どうするんだい?
あのひと、あたしを死なせたりなんか、しないわ。
わかったものか。
そう、わかったものじゃない。あたしを愛していると口にしているあなたですら、あたしを殺してしまうかもしれないんだから。

兄さんと結婚しても、逢いつづけるわよ、あたしたち。
単刀直入な宣言に、さすがの兄はめんくらったような顔をし、狐のような細い目をしょぼつかせた。
まあ・・・女同士なんだし・・・それは許す。
兄は案外と、寛大だった。
村一番の素封家の御曹司は、華族の令嬢として蝶よ花よと育てられたあたしの高慢さに、敗北を告げたのだ。
そう、ありがと。
あたしは素直に感謝をし、ゆったりとした会釈を投げる。
ばあやから教わった良家の子女のしぐさは、時には田舎者の兄をたじろがせ、時には羨望と憧憬の目であたしを射抜く。
きょうはどうやら、後者だったようだ。
そんなにいいものなのか?
きょうの兄の問いかけは、いつになく執拗だった。
ドア越しに感じた熱っぽい気配に、毒されたのだろうか。
そんなこと、構わない。構やしない。

これが男だったら容赦しないところだが・・・
田舎の御曹司のプライドが一瞬鎌首をもたげるが、それはそこまでのこと。
兄はきびすを返して、部屋を出ていく。
あたしを手籠めにしようとすれば、できないわけでもなかったのに。
あなたの異常さはかうけれど、律義さと引っ込み思案は減点ね。
高慢な華族のお嬢さんは、兄でも婚約者でもあるこの男を、容赦なく採点する。

挿入行為がなければいいの?
知ってる?女同士は、女と男よりも濃いのよ。
兄は薄々察しているらしいけど。
あたしはすでに、男だって識っている。
でも、百合香のそれには、かなわない。
相手が男でも、女でも。
相手に傾ける熱度の差だけがそこにあるとは、
高慢なお坊ちゃんに育ったうえに、きっとまだ童貞に違いないあのひとなどには、まだわかるまい。決してわかるまい。
あたしだったら。
あなたの遊び相手が同性だったとしても容赦しない。容赦できない。
背徳は蜜の味。だからあたしは、あなたの求婚を受けた。
それなのに。惜しいわね。まだあなたは。なにもわかってはいやしない・・・

家族が家族となった日。

2015年10月13日(Tue) 07:45:52

お義父様が、わたしに言い寄るんです。
改まった態度でわたしの前で正座をした妻は、尖った表情でそういった。
都会育ちの生真面目な妻に、やはりこの土地での生活は無理だったのか。
母を早くになくした父を気遣って、
「ごいっしょしましょうよ」
幸せいっぱいの婚約者は、頬を初々しく紅潮させてそういってくれたのだが。
あれから三か月ーー父は無理に押し隠していたこの土地の風習を本性を交えてあらわにしかけていた。

都会から近いようで遠いこの街では。
そういう関係は決して珍しいものではなく、妻も街の婦人会でしょっちゅう耳にしているはずだったが。
「じき慣れる」
いまは父の、そんな言葉を頼るしかなかった。

せめぎ合う息を、鎮めかけて。
わたしはようやく、解放された。
身にまとっているのは、妻のよそ行きのワンピース。
もうじき冬という季節に、季節外れの夏物は、辺りの冷気を遮りきれず、
寒々としたものを着衣のすき間から忍び込ませていたけれど。
子供のころから身をゆだねていた父の熱い抱擁のまえに、
そんなものはすぐさま、雲散霧消していた。

「孝枝さん、なかなか頑強だな。なかなか堕ちん」
そうひとりごちる父に、まあ仲良くやってくださいね、という息子。
「仲良くやる」は、「無難で円満な関係を保つ」という表向きの意味の裏に、べつの意味を含ませていた。
父ならそれが、わかるはず。
わしが孝枝と仲良くなれれば、人前に出せない母さんのことも、表に出してやることができるからの。
そう、死んだことになっている母は、もちろんぴんぴんしている。
若いころに血を吸い尽くされて、ふつうの身体ではなくなってしまったけれど・・・

わたしが妻の服を着て、父といかがわしい関係を結んでいる。
妻にわかるのは早かった。
予想よりも早く、妻が季節外れのクローゼットを開放したからだ。
その翌日から・・・
ないはずの視線が、ふすまのすき間から注がれていた。
わたしはその視線を意識しながらも、父の熱い唇を自分から、むさぼりつづけていた。

夜勤に出かける時だった。
妻は瞋恚(しんい)のまなざしをこめて、わたしに告げた。
今夜、お義父さまの夜這いを受けますから。
父の妻に対する夜這いは、わたしの帰宅でいつもきわどいところでせき止められていた。
初めての夜勤は、その均衡を突き崩そうとしている。
以前の妻なら、その晩一晩だけでも、実家に帰るといいかねないはずだった。
そういう都会の常識と潔癖さを、妻は備えているはずだった。
妻が身にまとっているのは、夏もののワンピース。
一週間前、妻の視線に気づかないふりをして、わたしが父の前で袖を通したもの。
あなたまで、お義父さまの手引きをなさるんですものね。
心底愛想が尽きた・・・そんな態度に一抹の不安を残しながら、わたしは玄関をあとにした。
表向きだけでも「健全な」我が家を目にするのは、これが最後なのだろう。

おかえりなさい。すぐお寝みになる?
一夜明けて出迎えてくれた妻は、いつもと変わらない態度だった。
夏物のワンピースは跡形もなく、普段着だった。
とうとう何事も起きなかったのか。そんなはずはない。
いつも家のなかではパンツルックのはずの妻は、珍しくスカートをつけている。
ああ、シャワーを浴びてすぐにね。
わたしがそういうと、妻はちょっと嬉し気に横顔で笑い、
すぐ着替えの支度をしますね、と、顔色を読まれまいとするかのように、そそくさとその場を起った。

夫婦の寝室に一人で入るとき。
妻は「ごゆっくり♪」といってくれた。
わたしはそんな妻を振り返って、
家のなかでも穿くようになったんだね、スカート。といった。
妻は気の毒なくらい、慌てていた。
やっぱりなるようになったのか。どす黒いものが、胸をよぎる。
けれども妻を責める資格は、わたしにはもちろんない。
最初のうちだけでも決め込んだ妻の素知らぬ顔つきが、妙になまめかしくよみがえった。


せめぎ合う吐息は、父とわたしだけのもの。
妻の身体に満足したふたりは、異種の歓びを求めて、ふたたび枕を交し合う。
昼間は父が。夕食後はわたしが。
代わる代わる、妻の肉体を愉しんでいる。
仲が良いのね。わたし、時間差でまわされているみたい。
妻は照れ隠しに、わたしにディープ・キッスを仕掛けてきた。
わたしはじゅうぶんにそれにこたえて、父さんのとどっちが大きい?なんて訊いてしまっている。
こたえのかわりにくり出された、甘えた平手打ちに満足をして。
わたしは夫婦のベッドを、再び父に譲っている。

いまは父と入れ替わりに、母がーー
息子の嫁を組み敷いて、首すじを咬んで・・・・・・生き血をむさぼっている。
こんなの、アリなの!?
妻は戸惑いながらも、異種の歓びに理性を蝕まれていった。
女ふたりを見つめながらも、ふたりきりにしてやろうといざなう父と、居間に向かった。
フローリングを濡らす粘液は、妻がきれいに拭き取ってくれることだろうから。

母さん、孝枝さんの血を吸い終えたら、お前の血を飲みたいそうだ。
久しぶりに、相手をしておやり。
親孝行がすんだら、母さんのことを好きにして良いから・・・
そういう父さんは、孝枝のことをまた抱いちゃうんだろ?
二対の夫婦入り乱れての夜は、まだまだ長そうだった。


あとがき
ちょっとおぞましいのが、二話続いてしまいました。(^^ゞ
この頃煮詰まっていたんだけど、ぜんぜん考えもしてなかったようなお話がスッと出てくるから不思議です。

息子が身代わりに。

2015年10月13日(Tue) 07:03:52

あんたンとこの息子さん、かわいいな。
血色もよさげだし、こんど貸してくンねぇか?
生き血を飲みたい。

顔なじみになった吉浦さんにそういわれたのは、
この街に赴任して三か月ほども経ったころ。
吸血鬼とひそかに共存しているこの街では。
だれもが吸血鬼に、噛まれてしまう。
だれもが吸血鬼に、家族まで紹介してしまう。
吉浦さんもまた、そういうご一家だった。
子供のころから家に出入りしている吸血鬼に、
妻子ともども献血を続けていて。
吉浦さんはいつも、蒼い顔をしていた。

たまにはいい顔いろになりたいんだよね。
ニッと笑う吉浦さんに、わたしは知らず知らず、頷いてしまっていた。

こんどの土曜に、敬太を連れて行くから。吉浦さんのとこ。
何気なくそういったわたしに、妻は異論を唱えなかった。
この地に赴任してしまえば。
自分だってだれかに血を吸われてしまうことを、彼女もよく心得ていたから。
そうでもしなければーーいまごろはもう、野垂れ死にか一家心中していたところだろう。
妻もわたしも、並外れた浪費家だったから。

ほほー、学校の制服、似合うようになったね。
息子を連れていくと吉浦さんは、ひどくゴキゲンになっていた。
濃紺のブレザーに半ズボン、ひざから下は今どき珍しい、白のハイソックス。
幼稚園か、小学校の低学年みたいだ。
そういって恥ずかしがって、登校するのをためらっていた敬太も。
いまではすっかり、そんな姿になれてしまったらしい。
服装は、人を変えていくものなのかもしれなかった。
じゃ、預かるからね。電話したら、迎えに来なさい。
ちょっと心配そうにわたしを見あげる敬太に、よく相手するんだよ、そう諭して、わたしは家を辞去していった。

電話がかかってきたのは、1時間後だった。
受話器の向こうの吉浦さんの声色は生き生きとはずんでいて、
わたしは妻と顔を見合わせて、敬太を迎えに行くのをさらに30分遅らせてやった。

迎えに行ったとき眠っていた敬太は、眼をしょぼしょぼとさせながら起き上がり、
まるで幼な児のようにして、わたしに手を引かれて家に帰った。
首すじにはくっきりと、紅い咬み跡がにじんでいて。
真っ白なハイソックスにも、バラ色の血を滲ませた、いくつもの咬み跡。
半ズボンのすき間から太ももにしたたる血潮が、そのあと息子がなにをされたのかを報せていたけれど。
わたしも、迎えに出た妻も、そこは本人のためにーーと、気づかないふりをしていた。

シャワーを浴びたあと。
敬太はわたしのところにやって来て、母さんに聞かれたくなさそうな顔つきをして、そっと言った。

お尻にお〇ん〇ん入れられた。そのあとなんだか、気分が変なの。

どうして欲しいんだい?わたしは訊いた。

わかんない。小父さんはまたお出で、って言ってくれている。
「言っている」ではなくて、「言ってくれている」だった。
でも小父さんの家にはまた行ってもいい・・・そうつけ加える敬太にわたしは、好きにするといいよ、とこたえていた。


数日後。
妻はたまりかねたように、わたしに訴えた。
敬太が学校帰りに毎日のように、吉浦さんのところにお邪魔している、と。
あちらもご迷惑なんじゃない?
口先ではそういいながら。
貧血を起こして帰ってくる息子のことが、母親として心配なのだろう。
私、明日敬太の帰りが遅かったら、止めに伺ってきます。
わたしはある予感をよぎらせながらも、妻を止めようとはしなかった。

翌日わたしが勤めから帰ると、妻はいつもどおり台所に立って、
お鍋からは湯気が、手元からはトントンという規則正しい包丁の音があった。
おかえりなさい、早かったわね。
そういって振り向く妻の頬は、別人のように蒼く痩せこけ、瞳は異様に輝いていた。
首すじにはどす黒い咬み痕がふたつ並んでいて、吸い取られた血潮がまだ、チラチラと滲んでいる。
オレンジ色のタイトスカートの下、肌色のストッキングには派手な裂け目が走り、
敬太のハイソックスと同じあしらいを受けた痕を、鮮明に残していた。
わたしはそんな妻の変化に気づかないふりをして、ああ、ただいま、とだけ、こたえた。

帰る道々、真っ白なハイソックスに浮いた紅いまだら模様を気にして周りを気にしていた敬太も、
つぎのときからは躊躇なく、いやむしろ自慢げに、ハイソックスに滲ませた血のりもあらわに学校通いをつづけていた。
妻もまた、吉浦家からの帰り道、息子と同じようにあしらわれた足許を、
派手に破けたストッキングの脚をさらして、家路をたどるようになっていた。


家内をすっかり、モノにされちゃったみたいで。
無言のまま、家族の足どりだけで交わされるやり取りに気まずさを感じたわたしが、思い切って口火を切れたのは。
吉浦さんがさいごまで咬まないでいたわたし自身の首すじに、くっきりとした痕をつけられた直後。
いい身体してますよ、奥さんも、息子さんも。
吉浦さんは屈託なくそうこたえると、ニッと笑った。
いつかどこかで見た笑いだと、わたしは思ったが、いつのことだったか、よく思い出すことができなかった。
くたびれた男の血は、まずいでしょう。さいごまで食指が動かないわけだ・・・
わたしがそう自嘲すると、そんなに捨てたものではないですよ、と彼は言い、「これ息子さん」と、一片の写真を手渡してきた。
てっきり妻の写真かと思った。
敬太は母親似だったから。
そう、写真のなかの敬太は、妻のワンピースをまとい、薄っすらと化粧までしていた。

こんな格好でね、いつも私ンとこに、来なさるんですよ。
それでね、私もそそられちゃって、
この子の血をたっぷり吸い取ったあと、コトに及んじゃう、というわけです。
女みたいに声あげちゃったりしてね、かわいいもんですよ。

さいしょからそれ、狙ってたの?そう訊くわたしに、
決まってるじゃないですか、と、吉浦さんは軽々といい、
やられちゃいましたね、と、苦笑いするわたしに、
まだまだ、ヤッちゃいますよ、と、吉浦さんも笑った。
くたびれてまずくなった血なんかじゃ、ないですから、と、吉浦さんはなおも笑いかけてーー
仰向けになったままのわたしに身体を重ねてきて、こともなげに唇まで重ねてきた・・・

お尻の穴に、お〇ん〇ん入れられた。そのあと気分がヘンなの。
口ごもりながらそういった息子の気持ちが、ふとわかった瞬間だった。
こんど、洋品店にごいっしょしましょう。
ご主人大柄だから、服は別にあつらえたほうがいい。
大きな店だから、きっと好みの服が見つかりますよ。
翌日わたしは、家を出るときに来ていた男の服を脱ぎ捨てて、
ワインカラーのジャケットに、タイトスカート。
濃い紫のブラウスの胸元に、ふんわりとしたリボンをゆらゆらさせて、
足許を染める黒のストッキングには、派手な伝線ーー
そんないで立ちで、家に戻った。
ぴかぴかとしたエナメルのパンプスは、見た目には格好良かったけれど、
始終つま先立ちしながら歩くような感覚は、さすがに閉口ものだった。
ただいま。
さすがにきまり悪げに自分の家に訪いを入れると、
出迎えた妻は一瞬息をのんでーーけれどもそれ以上、なにも言わなかった。
初めて吸われて帰宅したとき、わたしが気づかないふりをしていたように。
敬太は居間で寝そべって本を読んでいたけれど、
ちょっと顔をあげると、イタズラっぽくニッと笑った。
どこかで見た顔つきだと思ったけれど、それがどこなのかは、思い出せない。


お邪魔しますよ。
訪問を予告した吉浦さんは、ほかにも数人の男を従えていた。
みんな、あなたの同類ですよ・・・そういう吉浦さんがなにを求めているのか、それはわたしを含め、妻にも敬太にも察しがついた。
妻は観念したように、よそ行きのスーツ姿のまま、夫婦の寝室にこもった。
男たちも誘われるように、夫婦の寝室に消えた。
閉ざされるドアに視界を遮られる間際まで、
白のストッキングを穿いた妻の豊かなふくらはぎが、ひどく眩しかった。
どたん!ばたん!きゃあ・・・っ。
お定まりのもの音に、わたしと敬太とは顔を見合わせて、苦笑しあった。

服をはぎ取られ、一巡するまでが見ごろだった。
あとはただ、ねとねととした汗を浮かせた裸体が数対、もつれあっているだけだった。
手のあいた男たちは、自分たちだけで交わったりもしていた。
わたしはちいさくかぶりを振って、のぞき穴から身を起こした。
背後にいた敬太は、いつの間にか、妻のワンピースに着替えている。

小父さんが言ってた。
母さんがされちゃっているあいだ、きみは父さんの相手をするんだって。
ちょっと恨めし気な上目遣いに、わたしはまぶたの上に唇を当てて息子を抱き寄せ、
ふたりは静かに絨毯の上に身を沈めた。
唇に唇を重ねると。
歯のすき間から洩れてくるはずんだ呼気が、わたしの目をくらませた。
ドアの向こうのせめぎ合う物音は、いっこうに絶えない。
けれども父と息子とで息をはずませ合っているわたし達には、むしろ心地よい刺激にすり替わっていった。


あとがき
うわー、とんでもないお話になっちゃった。(^^ゞ

父親の立場。

2015年07月27日(Mon) 07:20:23

気がついたときには、家族全員が噛まれていた。
さいしょに噛まれたのは、息子だった。
同性愛のケでもあるのか?
あとになって吸血鬼本人に訊いたくらいだったが、必ずしもそうではないらしい。
夜道を歩く、紺のハイソックス。
それがやつのねらい目だったというわけだ。
地方の都市らしく、昭和な服装の男女が多い街――そのなかでも、ここの学校の制服は際立っていた。
男子のくせに、半ズボンなのだ。それもいまどきのハーフパンツというものではなくて、わたしが子どものころに穿いていたような、ちょうど女の子のショートパンツに近い丈――来ている本人も最初は恥ずかしそうにしていたが、周りじゅうがおなじ服を着ていたらいい加減慣れるというもの。学校に行くときには紺のハイソックスをまるで女の子のように、グン、と引っ張り上げるのが癖になっていた。

つぎに噛まれたのが、妻だった。
毎晩のようにハイソックスに穴をあけて帰宅する息子の挙動を不審に感じた妻は、夜中の勉強部屋をこっそりと覗いて――息子が飲むために淹れた紅茶はたたみのうえにぶちまけてしまい、代わりに息子の部屋に侵入していた吸血鬼のために、自分の血潮をブラウスにぶちまけるはめになっていた。
女に手の早い連中だった。きっと妻もそのときに――いや、ここではあえて触れまい。

息子をさいしょに落としたのは賢明だった。
息子の手引きで、妻も娘も噛むことができたのだから。
主婦をモノにしたのは賢明だった。
堕ちた息子と娘がひっきりなしに噛み破らせてしまうハイソックスを、夫に気取られぬようにひっそりと調達しつづけていた。
もちろん――吸血鬼のために自分が脚に通して噛み破らせる、あの薄々のストッキングもそのなかに、含まれていた。

相手の男は、わたしのことをよくわかっていた。
だって、昼間はよく気の合う、仕事仲間だったから。
わたしは言った。
この街に赴任するとき、会社のものに言われた。
この街はうちの社の創立者の出身地で、吸血鬼と共存しつづけている街なのだと。
そうして、故郷に錦を飾るため、創立者は自分の会社の社員とその家族の血液を提供するために、ここの事務所を作ったのだと。
どうせ家族もろとも血を吸われてしまうのなら――あんたが一番良いと思っていた――
口にしてしまった後で、案外それが本音だったのだと、気づいてしまった。

仲直りのしるしに――わたし自身も血を吸われた。
男の血じゃ、嬉しくもないだろう?
そう気遣ったわたしに、吸血鬼はかぶりをふった。
もっと切実な問題だ。
親から受け継いだ血を、むざむざと・・・
一瞬そんな想いもよぎったけれど。
つぎの一瞬で押し倒されたわたしは、妻と子供たちの前、飢えた吸血鬼をもてなす手本を示すはめになっていた。
自分の心づくしのもてなしを、ごくごくと旨そうに喉を鳴らして飲み味わわれるということは――思ったほどわるいものではない。
長い靴下に執着し、妻のストッキングを破りつづけた男のために、
ご婦人のものほど、面白味はないだろうけど、とことわりながら。
ストッキング地の紳士もののハイソックスを脚に通して、噛ませてやった。
やつはスラックスのすそを性急にたくし上げると、舌をぬめらせてきて・・・
わたしの穿いている靴下の舌触りを、ねっとりと愉しんだ。
薄い生地越しにしみ込まされてくる唾液は、妻や息子、娘の素肌を辱めた、呪うべき粘液。
けれどもわたし自身も不覚にも、その粘液の魔力に屈してしまっていた。
男は嬉しげに、わたしの靴下をぱりぱりと噛み破っていった。
やつが妻のストッキングや、息子や娘のハイソックスに執着したのも無理はないと思った。
わたしのものでさえ、こんなにみるかげもなくなるほど、愉しむくらいなのだから――

改めて家内を紹介するよ。
きみが家内を映画館やデパートやホテルに連れまわしても、ぼくは不平を言わないからね。

彼がわたしにご褒美をプレゼントする――と囁いたのは、そのときのことだった。
なんのことはない、もともとわたしの所有物だったものを、改めて得たに過ぎなかったのだが・・・必ずしもそうとは言い切れないのだろう。
彼がプレゼントしてくれたのは、実の娘の肉体だったのだから。

パパの好みに合わせたのよ。
図星を刺されて黙ったわたしのまえ、娘はセーラー服姿のまま、モデルのようにくるりと回る。
でも・・・セーラー服なんか着ていると、かえって実の娘だと意識しちゃうじゃないか。
だいじょうぶ。男のひとのことはわかるから。
面と向かって頷いた娘の顔が間近に迫って、息遣いが頬をかすめた。
どういうことだ?おまえもやつに、抱かれてしまったというのか?
声にならない声を、どうやって聴き分けたのか。
娘はわたしの無言の問いに、無言の頷きでこたえると。
信じられないことを、口にした。
でも、あのひと処女は抱けないの。だから、さいしょの相手はお兄さん。
だから、家族でするのも平気・・・
目の前をどす黒い眩暈がよぎり、わたしは恥ずべきことに、実の娘を襲っていた。

パパも血を吸うんだね。
無意識にやり遂げてしまった行為の残り香が、指先にまだ漂っている。
わたしは娘の血の付いた指先を行儀悪く口で吸い、首すじにキスをしながらバラ色の血潮を唇で拭った。
ああ、少しだけね。
兄さんもだから、だいじょうぶだよ。
娘は白い歯をみせて、クスリと笑う。
身内の血は美味しいんだってね。
あたしが相手をしているあいだ、母さんあのひとに犯されているんだよ。
わたしの腕の中で笑う小悪魔は、もろにわたしの心のツボを突いて、わたし自身を勃ちあがらせた。

あたしが相手をしているあいだ・・・
あたしが相手をしているあいだ・・・

いつか吸血鬼は我が家の周囲から姿を消して。
わたしが娘の部屋を訪れる夜は。
入れ替わりに息子が、妻と道ならぬ関係を結んでゆく。
歪んだ家族はいびつな欲情に身も心も焦がす一夜を過ごすと、
ふたたびなにごともなかったかのように、いままでどおりの日常に帰ってゆく。

母さんと妹。

2015年07月27日(Mon) 04:35:32

吸血鬼の小父さんに血を吸われるようになって、もうどれくらいになるだろう?
さいしょはほんとうに、唐突だった。
夜遅い塾帰りを襲われたのだから。
理由はいたって、かんたんだった。
制服の半ズボンの下に履いていた、紺のハイソックス。
そんなものに、小父さんは目を惹かれたのだ。
女の子の履いているやつを連想したんだって。
路上に押し伏せた僕の首すじに、小父さんはがぶりと食いついて――僕の身体から血をひきぬいた見返りに、ウットリとした陶酔を僕にくれた。
血液を吸い取られる代わりに注入される毒液に魅せられてしまったのは、浅ましいほどすぐだった。
僕は小父さんに対する抵抗を完全に放棄して、毎晩のように紺のハイソックスの脚を、夜風にさらした。
身体の中に流れる血に織り交ざる毒液の割合が、じょじょに増えていって。
いつか、両親からもらった血よりも、小父さんからもらった毒液のほうが、上まわってしまったころ。
僕には吸血鬼の気持ちが、わかるようになっていた。
――喉乾いているんだろうなあ――って、思っちゃうと。
真夜中でも服を着替えて、半ズボンの下、紺のハイソックスをひざ小僧の真下まで引っ張り上げていた。
さいしょは不気味なだけだった、僕の血をゴクゴクと飲み耽る、喉の鳴る音も。
――美味しそうに飲むんだなあ――って、思っちゃった。
もっと飲みなよ――って。
片方の首すじを噛んだ牙のまえ、無傷なほうの首すじまで差し伸べていった。

母さんを襲わせたのも、躊躇なしにだった。
勉強部屋に引き入れた小父さんが、僕の血でゴクゴクと喉を鳴らすのを聞きとがめて。
リョウイチ・・・?
紅茶を入れたお盆を提げて、唐突に顔を出した母さんは、つぎの瞬間お盆を取り落し、ギャーって叫んでいた。
小父さんは母さんにおどりかかっていって、初めて僕を襲ったときみたいに性急に、母さんの首っ玉にかじりついていた。
じゅぶうっ。
見慣れた母さんの、着古した薄いピンクのブラウスに、赤黒いシミが不規則にほとぶのを。
ぶっ倒れた大根足にかじりつく、赤黒い唇の下。
母さんの履いている肌色のストッキングが、ブチブチと鈍い音をたてて裂け目を拡げてゆくのを。
僕はただ、面白そうに眺めているだけだった。
そしてその晩、初めて知った――
処女の生き血は、ただ吸い取るだけだけど。
セックスを経験した女の血を吸い取るときは、男と女になっちゃうんだって。
母さんは生き血だけじゃなくって、身体も美味しいんだなあ――って。
しつけに厳しい母さんをいちころにしてしまった小父さんのお手並みに感心しながら、
僕は無意識にオナニーに耽っていった。

妹が襲われたときは、もっと痛快だった。
神経質そうな白い顔を、さいしょは真っ赤にして逃げ回って。
さいごはもともと白い頬を、もっと蒼白にこわばらせて。
きゃあきゃあわめきながら、噛まれていった。
見慣れた真っ白なセーラー服に、バラ色のしたたりが無神経に拡げられてゆくのを。
うつ伏せになったふくらはぎにかじりつく赤黒い唇が、真っ白なハイソックスを舐めくりまわして、よだれまみれにしてゆくのを。
首すじに這わせた唇が、くいっくいっ・・・って、規則正しい音を立てて、妹の生き血を吸い取ってゆくのを。
僕はただ、興味津々に見入っていた。
セックスを経験した女のことは、だれかれかまわず犯しちゃうんだけど。
処女の生き血は舌を転がして味わい尽くしていくんだって。
やっぱり処女の血って、美味しいんだなあ――って。
小父さん、今夜は処女にあたってよかったねえ――って。
しんそこ小父さんに共感してしまっていた。
あのプライドの塊みたいな妹が、自分の着ている真っ白のセーラー服を、惜しげもなくバラ色のしたたりで浸してしまうのを、息をつめて見守って。
潔癖症な妹をいちころにしてしまった小父さんのお手並みに、心から感心しながら・・・
僕は無意識にオナニーに耽っていた。

妹の心に火が点るのは、すぐだった。
お兄ちゃん、小父さんのいるとこ知ってるんでしょ?逢わせて・・・
手を合わせて懇願する妹が、かわいくって。
今夜も濃紺のハイソックスを履いた脚の歩みに、真っ白なハイソックスの歩みを添わせてゆく。
真夜中のデートは、ムードもまたたっぷりだった。
リョウイチ、今夜だったら母さんかまわないのよ。父さんも今夜は遅いし――
勉強部屋に忍び込んできてそんなふうに囁く母さんを、家から連れ出して。
その夜も濃紺のハイソックスを履いた大またの足取りに、真新しいストッキングを穿いたパンプスの歩みが負けじと追いついてきた。
真夜中の情事は、息子の僕が見ていても、ドキドキするものだった。

そう。吸血鬼の小父さんと一心同体になった僕は、小父さんがいつ飢えているのか、すぐに感知することができるのだった。
小父さん、喉乾いただろうな。今夜狙っているのは、処女の生き血かな。それともエッチもしがたっているのかな・・・
あしたはテストなんだよーって渋る妹をなだめすかして、ピンクや空色のハイソックスを脚に通させて。
背中を押すようにして連れ出してやったり。
父さん今夜はお夕食要るんだけど・・・って戸惑う母さんを、じゃあいつもより急ごうよってせかして、黒や紺のストッキングを脚に通させて。
背中を押すようにして、小父さんのベッドに突き落としてみたり。
そんなことがいつか、日常になっていた。

母さんや妹を紹介した僕に、小父さんはご褒美をくれると言い出したのは。
それから半年もしたころだった。

そろそろお前も、血を吸える年ごろだろう――?
体内に残された血液よりも、、小父さんからそそぎ込まれた毒液のほうが上回ったころ。
小父さんは、そんないけない呟きを、僕に洩らしていった。
そうだね。今夜喉が渇いて仕方ないんだ。
僕もそんなふうに、呟き返していた。

いつも小父さんが勝ち獲ている、高価なネグリジェをまとった肉づき豊かなご婦人を、
今夜はあんたが噛むといい。
小父さんは気前よく、自分の獲物を譲ってくれていた。
それが自分の母さんでも、僕はもう躊躇していなかった。
身内の生き血は、舌によくなじむのさ。
小父さんのいけない呟きは、明らかに身に覚えのある口ぶりだった――
そう。
処女の生き血は、吸い取って味わい尽くすだけだけど。
セックス経験のある女の血を吸うときは、男と女になっちゃうんだって。
僕は今さらのように、思い出していた――

やっぱり処女のまま卒業は、よろしくないよな。
自分で犯すのかと思ったら、小父さんはニヤニヤと笑いながら、かぶりを振った。
わしは処女を犯すことはできないんだ。
どうやら妹の部活の後輩をなん人かモノにして、処女の生き血のほうはスペアができたらしかった。
どうすればいいんだい?
空とぼける僕に、小父さんはご褒美をくれるといった。
処女を抱けるときいて、ドキドキしない男の子はいないだろう。
惜しいかな、相手は新鮮味もない自分の妹で、おまけに血を吸われて両目が寄っていたけれど。
初めて耽るセックスというやつに、やたら昂奮してしまって。
見慣れた普段使いのデニムのスカートをよけいせり上げながら、禁じられているはずの太ももの奥を、力まかせにこじ開けていった。
ぐったりと力の抜けた両脚が、まだ白のハイソックスを履いたまま、小父さんの逞しい腰を差し入れられていって――僕だけの女ではいられなくなってすぐに寝取られてしまうのを。
僕はやっぱりドキドキとして、見守っていた。
小父さん、もう一回できちゃいそう。
小声で囁く僕のことを、小父さんはやめさせようとはしなかった。


吸血鬼ふたりに、妻も娘も犯されてしまった、気の毒な男――
小父さんは父さんのことを、そう呼んでいた。
昼間正体をあらわにしないときには、気の合う仕事仲間だった。
けれども父さんは、どこまでも穏やかだった。
夜中正体をあらわにしてしまった小父さんに対しても、気の合う親友でいつづけていた。
小父さんは父さんにも、ご褒美をあげたと言っていた。
そのころからだった。
妹の部屋から、父さんの声がするようになったのは。
父と娘をかけ合わせたんだ。われながら、うまいことするだろう?
得意げにそうつぶやいた小父さんは、漆黒のシルクハットを手に会釈をすると、霧の彼方へと消えていった。
今度会うときには、お互い美女をなん人モノにしているかなあ・・・って。いけないささやきを忘れずに。

僕とのセックスを、愉しんだ後。
妹は制服のプリーツスカートについたシミを、ちょっぴりだけ気にかけながら。
お兄ちゃん、今夜は母さん抱けるよ。あたしそのあいだ、父さんのことお部屋にくぎ付けにしといたげるから。
僕の腕のなか、妹は生意気に、ふふっと笑った。

乗っ取られそうになった血すじ。

2014年05月25日(Sun) 07:15:23

お前だけが、頼りだからな。
父さんはしばしばぼくに、そういった。
弟のいないところで・・・

子供ができちゃう。子供ができちゃう。
そんなことを口走りながら母さんが、他所の小父さんに抱かれていたのを・・・ぼくはおぼろげに、記憶している。
あのときできたのが、弟のイツキだった。
イツキはふだんはおとなしい子だったけれど、時おり兄のぼくにも、凶暴性を発揮した。
だってイツキの本当の父さんは、吸血鬼だったのだから。

吸血鬼の小父さんは、母さんのことを好きになって。
無理無体に迫って来たのが、さいしょだったらしい。
父さんはそのころのことは、あまりあからさまに語りたがらなかったけれど。
母さんはそのうちすすんで、小父さんの相手をするようになって。
父さんもそのうち仕方なく、夜中に出かけてゆく母さんのことを、とめなくなっていた。
家のなかにまで上がり込んで、小父さんが母さんとセックスするようになったころ。
ぼくはちょっぴりだけ、そうしたことの意味がわかる年頃になっていた。

幾久しく・・・
幾久しく・・・
お互いの両親がそろって、向かい合わせに座る他人だった夫婦に頭を下げる。
そんな儀式の帰り道、彼女と連れ立って歩くぼくのまえに、イツキはひどくしんけんな顔をして、立ちはだかった。
首すじの咬み痕は、妖しい疼きでぼくの理性をやすやすと封じ込めて。
スーツ姿の彼女はイツキに組み敷かれて、ぼくの前だというのに、ひぃひぃと声を洩らしていた。
随喜に満ち溢れたその声色を、ぼくは忘れることができなくなって・・・

毎週のように逢瀬をせがむ弟のために、
毎週のように彼女を家に招(よ)びつづけて、
毎週のように彼女は、弟に犯されながら。

子供ができちゃう。子供ができちゃう。

そういってすすり泣いて、
そのくせ必ず、口にするのだ。

ああ・・・もっと・・・っ・・・

華燭の典からほどなくして、彼女は隠していたお腹のふくらみをあらわにすることになって・・・
吸血鬼の血すじは、ぼくの家を乗っ取ることに成功した。


幾久しく・・・
幾久しく・・・

そういって頭を垂れるぼくたち夫婦のまえに置かれた座布団には、だれも座っていない。
そのかわり、ほかの人たちは皆、そろっていた。
二十数年まえ、おなじ光景からはじき出されていた弟のイツキも。
妻の両親と夫婦交換をする間柄になったうえ、献血の輪にも巻き込んでしまった、ぼくの両親も。
母さん意外に、義母も妻をも愛人に加えてしまった、あのいけない小父さんも。
きょうは、一族の和解の席。
そう、目のまえで末永い幸(さち)を誓い合ったふたりは、兄妹の間柄だった。

ごめんね。初めてのものも奪(と)られちゃって。
イツキくんの子供まで、生んじゃって。
でも、子供はもうひとり、必ず作ろうね。
タカシが男の子だから、こんどは女の子がいいね。
タカシが好きになっちゃうような、かわいい女の子がいいね。

髪をふり乱した妻は、そういいながら。
吸い取られた血しおをあやしたブラウス姿のまま、ぼくに抱きついてきた―――

これでいいですよね?もういいかげん・・・おあいこということにしてくれませんか?
ぼくの懇願に、いまは穏やかな顔つきになったイツキも小父さんも、ひっそりとうなずき返してくる。
人間同士の子供は、人間に生まれて。
吸血鬼との交わりで生まれた子供は、人間である兄や妹の血で、自らを養って・・・
新たな恋人たちの間から生まれる子供たちは・・・はたしてどういう契りを結んでいくのだろうか。

ある女の一生

2012年10月04日(Thu) 07:50:03

初めて襲われたときも、夫にはなにも告げないで。
それからも男と、逢いつづけて。
男のおもうまま、自分の身体を愉しませて。
あの男と別れて俺と・・・
そんな誘いだけは、いっさい受けつけず、
それでも男とのあいだの子供まで生んで。
その子が美しい娘に成長すると。
男はその娘をも欲した。
白髪頭を掻き掻き、父娘ほどもちがう結婚を、男が申し出たとき。
娘の両親はよろこんで、結婚を承知した。

やっとほんとうの恋人に、出逢えたのね。
この子を末永く、よろしくね。

秘められた近親恋愛を、女は真心から祝福する。
いまだかつて笑ったことのない男は、初めてほほ笑みを泛べて。
そのほほ笑みには謝罪と含羞とが、込められていた。

障子の向こうの逢瀬

2012年08月20日(Mon) 07:58:10

ねっ。似合うかしら?
小父さまのおねだりどおり、ストッキング履いてきちゃった。
夏の制服に黒のストッキングなんて、変ですよねっ?

三つ編みのおさげが揺れる肩先は、鮮やかな純白のセーラー服。
ノリコさんはいつも僕に向けるのとおなじ爽やかな眼差しで、相手の男に笑みを向けている。

ヨウイチさんにはナイショにしてきたの。
裏切っているつもりはないけれど、気を悪くするでしょう?

そう。
ノリコさんは婚約者である僕にも黙って、叔父の繁蔵に逢いに来ているのだ。

繁蔵叔父は、吸血鬼だった。
処女の生き血欲しさに、昔は姉である母を襲って、生き血をねだり取っていたという。
その叔父が・・・いま僕の婚約者のピチピチトした肢体に、眩しげな視線を投げかけている。

無邪気な少女はきゃっ、きゃっ、とはしゃぎながら、
薄黒のナイロン生地でなまめかしく染めた足許に、飢えた唇が吸いついてくるのを、
それは面白そうに、見守っていた。


ね?
ヨウイチ兄ちゃん、ボクの言ったとおりでしょ?
まるで宝物のありかを告げるように目を輝かせた少年は、
無邪気な声色を僕の耳もとに吹き込んできた。
声色が無邪気であればあるほど、鼓膜に沁み込まされた毒気は濃厚だった。

父さんが、ノリコ姉ちゃんを呼び出しているんだ。
きっと、血を吸っちゃうんだと思うよ。

そんなふうに囁いてきたときとおなじくらいきらきらした目線には、
害意のない無邪気さがあるだけだった。
無邪気であればあるほど、彼の放つ毒気は罪深かった。


あっ、ダメよ。ダメ・・・
ストッキング噛み破っちゃったら、恥ずかしくてお家に帰れない・・・

足許に迫る唇のしつようさに、ちょっとうろたえながらも、ノリコさんはまだ愉しげだった。
ストラップシューズの足首を、ギュウッと掴まれて。
薄いストッキングにしわが寄るほどつよく、唇を圧しつけられて。
赤黒く爛れたような唇の端から覗く舌は、滾るような唾液をナマナマしくぎらつかせていた。
きっとそこまでは・・・彼女の視界にも入っていないに違いない。
潔癖な年頃の少女には、あまりにも不慣れなはずの淫らさだったから。


えっ?どうしても破るの?うーん、困ったわ。
ウン、わかった・・・
その代わり、暗くなるまでいっしょにいてくださる?
夜目ならきっと、わからないだろうから・・・

相談はすぐに、まとまったらしい。
細目に開いた障子の向こう。
ぴったりと這わされた唇の下。
薄手のナイロンストッキングは、チリチリとかすかな音をたてて弾け、裂け目を拡げていった。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
少女の生き血を吸い上げる、おぞましくも妖しい音が。
薄暗くなった密室から、ひそやかに洩れつづけてくる。
僕は両耳を抑えつづけていたけれど。
その音はたち悪く、ひとの理性を侵蝕するように、僕の鼓膜に沁み込んでくるのだった。


父さん、美味しそうだね。
お姉ちゃんも、キモチよさそうだね。
そうなんだよ。血を吸われるとだれでも、ウットリとなっちゃうんだ。
ヨウイチ兄ちゃんも、試してみるかい・・・?

え・・・?
振り返るいとまもなく、少年は僕におどりかかってきた。
虚を突かれ、畳のうえに手もなく組み敷かれた僕に、彼の小さな体が意外なくらいの重さを持ってのしかかってくる。
少年の柔らかい唇が、うなじのつけ根に、むぞうさに吸いつけられた。
唇に浮いた唾液が、なま温かかった。
いかにも子供っぽい、稚拙なやり口だったけれど。
十も年上の僕を黙らせてしまう魔力を、少年である彼はすでに持ち始めていたのだった。

僕の二の腕を両方とも、ギュウッとつかんだまま。
痛いほど圧しつけられた唇の両端からむき出された鋭い犬歯が、
慣れたようすで、皮膚を突き刺してくる。
皮膚を破って尖った異物を埋め込まれるのを感じながら、
僕は不覚にも、彼の背中に両腕を回してしまっていた。


ちゅうちゅう・・・
キュウキュウ・・・
障子一枚へだてて、将来を誓い合った若い男女が、吸血鬼の親子に生き血を吸い取られてゆく。
さっきよりも幅の開いた障子のすき間ごし、
大胆になった女学生の身じろぎが、切れ切れに覗いた。
くねった脚にまとわれる黒のストッキングが、制服の一部とは思えない淫靡さで輝いていたし、
衝動的な腰さばきに、重たげな濃紺のプリーツ・スカートが、すをを乱していた。
純白のセーラー服の肩先に乱れかかる黒髪は、どきりとするほど艶やかで、
濃紺のえり首に走る白のラインは、どこまでも清純だった。

逢瀬を重ね合う男女のように、叔父はノリコさんのうなじに、なん度も唇を這わせつづけ、
ノリコさんもまた、己の身をめぐるうら若い血潮で、男を供応しつづけていった。
はぁ・・・はぁ・・・
ふぅ・・・ふぅ・・・
おぞましい共同作業は、ふたりの息遣いを、それはリズミカルに重ね合わせていって。
不覚にも股間を熱してしまった昂ぶりを、僕は稚ない従弟に探り当てられてしまっている。


ノリコ姉ちゃんはね。
ほんとうは、父さんの娘なんだ。
ノリコ姉ちゃんのお母さんが嫁に行く前に、父さんに誘われて押し倒されちゃったんだ。
だからね。父さんとノリコ姉ちゃんとは、父娘なんだよ。
だから、ヨウイチ兄ちゃんとも、いとこどうし。
結婚してからも、みんなで仲良く暮らそうね・・・

少年の囁きは、狡猾だった。
そう。僕たちの新婚生活は、いきなり不倫と近親相姦で、彩られることになるのだろう。

不思議なことに、さらに開いた障子の向こう。
重たげな制服のプリーツ・スカートは、キリッとアイロンのきいたひだを折り曲げていて。
くしゃくしゃにされたまま、ノリコさんの太ももの豊かさを浮き彫りにする。
その太もものすき間に割り込んだ、叔父さんの毛むくじゃらの逞しい足腰に迫られて。
ノリコさんはゆっくりと、脚をひろげてゆく。
引き裂かれた黒のストッキングは、ひざ小僧のあたりまでずり降ろされていて。
濃紺のスカートと剥ぎ降ろされた黒のストッキングのすき間から、
きれいに透きとおった太ももを、白日の下に曝け出していた。

お前の脚、いつ噛んでも太いな。

2012年05月30日(Wed) 07:30:01

隣の席でいっしょにテレビを見ていた妹の紗枝に、リョウタはふと声をかけた。

そのハイソックス・・・

え・・・?

怪訝そうにこっちを振り向いた紗枝は、自分の足許を目をやった。
学校の制服のままだった紗枝は、濃紺のスカートの下に、真っ白なハイソックスを履いている。

あー、新品だよ。いまおろしたやつ。

そう。

ちょっとだけ黙ったリョウタは、おかしいな?とふと思う。
紗枝は学校帰りだった。
制服を着替えないのに、どうしてハイソックスだけ替えたのだろう?
紗枝は兄が吸血鬼なのも知っているし、
首すじだけではなくて、ストッキングやハイソックスを履いた女の子の脚から血を吸うのが大好きだということも、兄妹のあいだでは、もうばればれになっている。

テレビつまんないからさ・・・

え・・・?

小首をかしげた紗枝は、つぎの瞬間、「きゃっ。」と悲鳴をあげた。
リョウタにいきなり、白のブラウスの腕をつかまれたからだ。

「喉渇いた。血を吸わせろ」
「ちょっとー、兄ちゃん強引だよぉー」
階下のリビングから、兄妹の声が重なり合うのを耳にして、夫婦の部屋で読書中だった母親はふと顔をあげたけれど、すぐにまた、自分の世界に戻っていった。
どうやらふたりは身体をくっつけ合うようにして階段を昇ってきて、両親の部屋の前を素通りして娘の部屋に向かうらしい。

ちょっとだけだよ。あんまりしつこいと、貧血になっちゃうからねっ。

ふてくされたように畳のうえに腹這いになる紗枝の足許に、迫った息遣いが覆いかぶさっていった。
ちゅう・・・っ。
兄貴の唇、よだれまみれだ。
紗枝は内心舌打ちしながらも、いつものように脚を伸ばしてやった。
ハイソックスのふくらはぎに、兄が唇をなすりつけやすいように。
いよいよ噛みつくときに、兄貴は生意気な憎まれ口をきいた。

お前の脚、いつ噛んでも太いな。

もうっ!

紗枝はぷんぷん怒りながら、しなやかなナイロン生地ごしに刺し込まれてくる尖った牙に、妖しく息をはずませている。
よだれのたっぷりしみ込んだハイソックスに、生温かい血潮が、ピチピチと撥ねた。

いやらしい・・・なぁ。もぅ。

紗枝の動作が緩慢になっているのは、失血のせいばかりではなかった。
吸い取った血液と引き換えに注ぎ込まれた毒液が、血管のすみずみにまでいきわたっている。

首すじも・・・いいだろ?

耳もとで小声でねだる兄に、「好きにしなよ」と言いながら。

まって、ブラウス汚したくないから。脱ぐね。

妹は兄の前、制服のブラウスをむぞうさに脱ぎ捨てていった。


ブラジャーの肩ひもが食い込む細い両肩が、小刻みに震えている。
恐怖からか、昂奮からか、まだ十代のリョウタにはわからなかったけれど。
本能のおもむくままに少女の両肩を畳の上に抑えつけると、すんなり伸びた首すじを、がりりと噛んだ。
「痛あっ!」紗枝は声をあげたがかまわず、破った皮膚の奥まで牙をうずめてゆく。
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
ほとび散るうら若い血潮が、渇いた心をうるおしていった。
妹と身体を重ね合わせるのは、きょうが初めてというわけではない。
両親も黙認のようすなのをいいことに、リョウタは何度となくこうやって、処女の生き血を愉しんできた。
けれどもきょうは、なんだか様子が変だった。
下半身の疼きがとまらない。
ふだんなら紗枝が貧血になるほど血を吸えば、あとはスッキリしたのだが・・・
まさか・・・まさか・・・兄妹でなんて、笑わせる。
リョウタは妖しい予期を振り払ったが、振り払っても振り払っても、彼の理性は真夜中の濃霧のように見通しを昏(くら)くしていった。

おい。

え・・・?

そむけていた顔をあげた妹の唇に、リョウタは夢中で唇を重ねていった。

・・・。


・・・。


・・・。


紗枝はさすがに、泣きべそをかいていた。
太ももから伝い落ちる血を羞ずかしそうに拭いながら、

もうっ。お嫁に行けなくなっちゃったら、お兄ちゃんのせいだよっ。

振り乱した黒髪を、やけっぱちのように手で梳いている。

どう責任とってくれるの?

ブラウスが汚れるのを惜しんで、うっかり脱いだのがいけなかったのかも。
重たい後悔を裏切るように、さっきまで兄の硬い肉で突き刺されていた股間の奥が、ジンジンと、妖しい疼きを帯びている。

一生俺の性奴隷になる。

兄貴は憎たらしくも、にまっと笑った。

そんなの、もっとヤダ。

紗枝は顔をそむけたが、もう泣いてはいなかった。

紗枝、ゴメン。

兄貴が神妙に頭を下げた。
紗枝はびっくりして、「どうしたの?」って訊いたけれど。
それはむしろいけないことだったかもしれない。

たまらなくなってきた。もう一回やらせろ。

兄貴はそう言って、息荒く紗枝に覆いかぶさってきたのだから。

やああっ。やだっ。兄貴のバカっ!

紗枝は兄貴の背中をぶっ叩いて、けんめいに抗ったけれど、「一回したら何回しても同じ」という兄の言いぐさに、つい身体から力を抜いてしまい、ふたたび奪われていった。
二度目の吶喊は、おそろしいほど気持ちがよかった。

「ごはんよー」
母の声が、階下から聞こえてきた。
「おい、急げや」という兄貴に応じて、「ウン、ちょっと待って」薄暗くなった部屋のなか、紗枝がブラウスのボタンをはめるのに手間取っていると、兄貴は手を引っ張って、妹を部屋の外へと連れ出した。

やだ、ハイソックス血だらけだよっ

小声でとがめる紗枝に、

紗枝が俺の女になりましたって、ママに報告すればいいじゃん。

兄貴は相変わらず、とんでもないことを言って。
やり取りしているあいだに、階段の下まで降りてきていた。

「ほらほら、冷めちゃうわよ」
母親の貴枝は子供たちを軽く咎めながら。
息子が髪をふり乱し上気した頬を真っ赤にしているのも、
娘が着くずれしたままのブラウスのボタンを直しながら部屋に入ってきたのも、
血の撥ねた白のハイソックスの脚を隠そうとして兄の後ろに隠れようとする妹を、わざと兄貴がまえに立たせたのも、
すべてお見通しだった。

リョウタさん、あとでママの部屋にいらっしゃい。
貴枝の声はちょっとだけ、かすれていた。
息子のためにさっき穿き替えたばかりの光沢入りのストッキングが、太ももやふくらはぎをゆるやかに妖しく締めつけている。

ママ、きれいなストッキング穿いている・・・
兄貴の視線は母親の足許にくぎ付けになっているのを見て、紗枝の心のなかには、むらむらとした感情が湧いていた。
それが嫉妬という感情なのだと、彼女はじゅうぶんに理解していた。
先に二階に上がった母親を、リョウタが追いかけようとしたときに。
紗枝は兄貴の手首を痛いほど握りしめて、こう言った。

ママと終わったら、あたしの部屋に来て。
制服着て、待ってるから・・・

太い脚のほうが噛み応えがいいんだといって、紗枝の履いているハイソックスをあちこち噛み破っていった兄貴。
今夜は兄貴の好きな、ストッキングみたいに薄いやつを履いてあげようか?しゃくだけど。
紗枝は血の付いたハイソックスを脱ぎ捨ててむぞうさに洗濯機のなかに投げ込むと、母と兄のいる部屋のまえを素足で素通りして、部屋に戻っていった。
兄貴のために、装うために。

同族。

2011年10月11日(Tue) 08:06:25

ガマンしろよな。しきたりなんだから。
真奈さんを責めたり、するんじゃないぞ。
うちの加代子だって、新婚初夜に親父に姦られちゃったんだから。
受話器の向こう、兄の声がひっそりと洩れてくる。
家族に聞かれまいとして、ひそめた声だった。

ふすまひとつへだてた、夫婦の寝室で。
妻の真奈は、紺と白の水玉もようのワンピースをくしゃくしゃに着崩れさせながら。
こともあろうに、父に組み敷かれているところだった。

この村に嫁入る女は、だれもが例外なく。
花婿の父親の褥の塵を払わなければならないというしきたりを。
都会育ちの妻に言い聞かせると。
厳格な家庭に育った彼女は、戸惑いながらも。
すべては夫に従うように。
そう教え込まれてきたらしく。
案外と素直に、頷いてくれた。

真奈は、明るく父を迎えてくれて。
気丈に振る舞ってくれたけれど。
いざそのときになって、父とふたり差し向かいなると、
さすがに戸惑いを隠せずに、いちばんしてはいけないことをしてしまっていた。
操を守るために、抗う―――という。
婦人としては当たり前のことを。

ふだんはもの静かでわきまえのあるはずの父が。
わが身を隔てようと突っ張る腕に、不覚にもわれをわすれて。
都会ふうの正装に欲情したかのように、次男の嫁を見境なくねじ伏せていった。
農作業で鍛えられた逞しい猿臂に、か細い肢体を抑えつけられながら、
むせび泣きを隠しつつ、真奈は父を受け容れて、
しまいにはワンピースのすそを揺らしながら、
都会のイケイケギャルのような激しい腰つきで、応えはじめていった。

妊娠、おめでとう。でかしたわね。
なにも知らないらしい母は、真奈とわたしを祝福してくれた。
男の子かな。女の子かな。名前はどうするの?
祖母になる女がふつうに口にする質問攻めを、浴びせてきたけれど。
私と二人きりになったとき。
母はこっそり、囁いたものだった。
いいじゃないの、うちの子であることに代わりはないんだから。
真奈さんにも、そう言っておいたわよ。
哲也との子供は、二人目からでいいじゃないって。
あなたの小さい妹のみどりだって・・・
あなたと母さんの子なんだから。

生まれてきたのは、男の子だった。
名前は父の一字をとって、つけられた。
わたしの名前とは、似ても似つかなかった。
そういえば。
わたしの名前は、母の兄の名前とそっくりだった。
そういうことだったの?
祝いの席でふと母のほうを見返ると。
母はわざとのように、視線をそらしていった・・・

叔母と従妹。

2011年09月01日(Thu) 07:05:25

血液をすっかり抜き取られた身体に取り込んだ母さんの生き血は、とても心地よかった。
俺に組み敷かれて吐息をあげる母さんは。
ブラウスの襟首を真っ赤にしながら、さいごまで相手をしてくれて。
ひとしきり血をすすって落ち着いた俺に、やるじゃない。気持ちいいよ・・・って、言ってくれた。
あたしじゃつまらないでしょうから、叔母さん招んであるのよって。
母さんは乱れ髪をつくろって、ふらふらと起ちあがって。
室内電話を手にとって、来て頂戴・・・って、呟いた。
俺が母さんの妹に惹かれているって、いつの間に気づいたのだろう?
今夜のあなたのご馳走よ・・・。母さんはそう、言ってくれた。

ドアを開けて入ってきた叔母は。
色白の丸顔に、満面の笑みをたたえていて、
俺の正体を知りながら、事態を歓迎しているようだった。
気前よく差し伸べられた足首は。
薄手の肌色のパンティストッキングの光沢に、濡れるように輝いていて。
どうぞ・・・召し上がれ。
叔母の声を頭のうえによぎらせながら、俺は恥をかなぐり捨てて、
劣情に満ちたよだれを、叔母の穿いているストッキングになすりつけていた。

うちの佳代子を、襲って頂戴。
あなたの手で、女にしてくれる?
そんな嬉しい申し出を、どうして断ったりするだろう?
中学にあがってから、まだいちども顔を合わせていないけれど。
処女の生き血はそれくらい、魅力的だった。

実験台に、担任の女の先生と、同級生を二人、牙にかけて。
そのさらにまえの段階の実験台に、妹の勉強部屋に入り込んで、あお向けにして。
大柄な妹は、それでも悲鳴ひとつあげないで。
大の字になったまま、生き血を吸い取らせてくれていた。

叔母の家に招ばれたのは、真夜中だった。
けれども佳代子ちゃんは、ちゃんとセーラー服を身に着けていて。
白の夏服には珍しく、薄黒いパンティストッキングまで、穿いていた。
これがスクールストッキングというやつか。
同級生の少女たちはふたりとも、白のハイソックスだった。
はじめてよだれをなすりつける、なよなよとしたスクールストッキングに欲情して。
戸惑う従妹を抑えつけながら、舌を鳴らして愉しんでしまっていて。
そんな俺の、行儀の悪さを、叔母は軽く咎め立てをしたけれど。
少女のようにコロコロ笑って、べそをかいている娘の髪を撫でながらなだめると。
幼な児を寝かしつけるように、髪を撫で身体をさすってやってから、
部屋を出ていった。
お幸せに♪
叔母の言葉に覚悟を決めて。
佳代子はキュッと、唇を引き締めて。俺を見あげて、それから目を瞑る。
いいんだね・・・?
言わないで・・・
はじめて重ねあわされる、唇と唇に。
お互い密かな昂奮を、抑えかねて。
なんどもなんども、重ね合わせて・・・吐息を交えると。
あとはもう・・・ひと思いだった。
制服のスカートの裏地を濡らす、初々しい出血に。
佳代子は声を忍んで、涙を流す。

七人相手を確保したら、もうだいじょうぶ。
母は俺の下になって。
スカートの奥を濡らしながら、俺の男ぶりを確かめると。
あたしと、叔母さんと、かよちゃんと、ゆう子と。
それに先生と同級生ふたり だったっけ?
ちゃんと七人確保したじゃないの。
女にするのは・・・母さんはなん人めなのかな?
組み敷いた母はイタズラっぽく、少女のようにほほ笑んでいた。

あたし、怖くて寝られない。。。

2011年08月14日(Sun) 09:59:25

お兄ちゃ~ん、あたし怖くて寝られない~
夜中に枕を抱えて、べそを掻き掻き勉強部屋へやってきた妹も。
セーラー服を着る年頃になっていた。
けれどもいまだに、変わらないのは。
お兄ちゃん、あたし、怖くて寝られない・・・
たしかに古いこの家は、あちこちきしんで、夜中になるとヘンな音がするけれど。
どうしてママのところじゃなくって、俺のところなのかって?
それは・・・ママにはパパがいるからね。^^
お盛んなんだ。あのふたり。

調子にのって、言ってみた。
いっしょに添い寝してやってもいいけど、その代わりセーラー服着てこいよ。^^
ほんとうにセーラー服姿で現れた妹は、白のハイソックスのつま先を、畳部屋におずおずと踏み入れてきた。
そのつぎの夜からは。
毎晩のように、制服姿をねだってみたけれど。
だってぇ~。セーラー服着てくとお兄ちゃん、やらしいことするんだもん。
しんそこ困り顔になって、ママのほうをふり返る。
やらしいことっていったい、なにをしてるんだ?
パパはしんそこ怒り顔になっていたけれど。
俺は動じるふうもなく、言ってのけてしまっている。
だいじょうぶ。血を吸っているだけだから。

貧血にならないていどに、手加減してね。
ママはおだやかに笑って、娘を吸血鬼の褥に送り出す。
パパは長椅子にふんぞり返って、新聞読んだふりをしているだけ。
ハイソックスが真っ赤になるまで、ふくらはぎをいたぶることをやめない俺に。
妹はふくれ面をしながらも・・・今夜は黒のストッキングを履いてきた。
痛くしないでね。
のしかかる俺を迎え入れるとき、いつもキュッと瞼を閉じる妹の。
セーラー服の襟首をくつろげて、なめらかなうなじに唇を、チュッと吸いつける。
皮膚の下をめぐる活き活きとした脈動を微かに伝える皮膚を、なぞるように舐めまわして。
今夜も牙を突きたてるとき、抱きすくめた二の腕を固くして、妹は血を捧げてくる。

怖くて、ひとりで眠れない・・・
俺といっしょのほうが、よほど怖くはないのかい?
囁く俺に、妹は激しくかぶりを振って。
スカートの奥にまでさ迷うようになった俺の手を、いつしかおずおずと、パンティの奥まで引き入れることを覚えていた。


あとがき
このごろ、近親話ばかりつづいていますな。(^^ゞ

また、あぶれちゃったんだ。

2011年08月14日(Sun) 08:09:25

川っぺりで独り、石投げをしていても。
もう、そんなに愉しいとは思わない年ごろになってしまった。
それでも竜太は独り、石投げをしている。
ぽちゃん。 ぽちゃん。
投げられた石はただ、むなし水音をたてるだけ―――

また、あぶれちゃったんだ。
はじけるような明るい声は、イタズラっぽい稚なさを交えている。
振り向くと背後の草むらの向こう、革製の黒鞄を提げた少女が無邪気に笑いながら手を振っている。
セーラー服を着るようになって、みるみる大人びてきたとはいえ。
しぐさや声色は、まだまだ子供じみている。
なぁんだ、絵理香か。
竜太はふくれ面をつくって、妹の名を呼んだ。
なぁんだは、ないじゃない。あぶれちゃったお兄ちゃんにこうやって、血を吸われにきてあげたんだから。
兄の正体というただならぬ秘密を、あっけらかんと口にして。
絵理香は濃紺のプリーツスカートをユサユサとさばきながら大またでこちらに歩み寄ってきた。
周りに聞こえるだろう。
真顔にかえる兄を、ほどほどに受け流しながら。
いいじゃない~。知ってるひとは知ってるんだし。
傍らの大きな石に腰かけた絵理香は、真っ白なハイソックスの脚を、これ見よがしに見せびらかしながら。
お兄ちゃん、すぐ遠慮しちゃうんだから。
それじゃあ女の子がその気になっていたって、怖気づいてついてこなくなっちゃうよ~。
兄の弱点を無遠慮に言いあてながら、その声色にはどこかいたわりと同情が込められていた。

喉渇いているんでしょ?
横目でこちらを窺う妹の白い横顔に、竜太はとうとうガマンできなくなって。
そろり・・・と起ちあがり、絵理香のほうへとにじり寄ってくる。
ドキドキ。
内心の胸の鼓動の高まりを、けんめいに抑えながら。
絵理香はわざと兄のほうから視線をそらして、川の流れに見入っているふりをしている。
兄貴の掌が、セーラー服の襟首をつかむ。
襟首に走る三本の白のラインが、かすかにねじ曲げられる。
ドキドキ。ドキドキ。
もう、なん度も許しちゃっていることなのに。
それでもまだ、胸の昂りを抑えることができない。
きゃっ。
首すじを引き寄せられたとき、とうとうたまらずに絵理香は、声をあげてしまった。
なぁんだ、やっぱり怖いんだろ―――
からかうような兄の口調に、軽い侮辱を感じながら。
絵理香は精いっぱい、言葉だけでも背伸びをしてみる。
怖がる女の子を夢中にさせるくらいじゃないと、みんな逃げちゃうからっ。
痛うぅ。
直後に咬み入れられた鋭い犬歯に、さすがの絵理香も眉をしかめていた。


きょうも一緒に帰ってくれないの?
家までの道を遮っているのは、竜太の同級生の友田だった。
うん―――ごめんなさい。
俯いて神妙な口調の絵理香に、友田は素直に道をあけた。
数少ない竜太の親友である友田は、竜太の正体を知っている。
おくてで女の子に声をかけることのできない竜太のために、
妹が身代りになって、時々河原や公園の片隅で、しかめ面をしながら血を与えていることも。
それでいながら彼は、囁きつづけてくれていた。
兄さんが血を吸いに来たって、いいじゃないか。
俺はずうっと、あいつの友だちなんだから。
自分の彼女があいつに血をあげるの、悪くないと思ってる。
不意に洩らされた「彼女」という言葉に、言われた絵理香も、言った友田も、照れて無言になっていた。

一緒に帰ろうよ~。
友田が立ち去った後現れたのは、絵理香の親友の遥香だった。
いまどき流行らない三つ編みのおさげが、長く長くセーラー服の襟首のうえではずんでいる。
それともきょうもやっぱ、お兄ちゃんとデートか♪
彼女はまだ、兄の正体を知らない。
いくら親友でも、なかなか言い出せない秘密だった。
おそろいの白のハイソックスのふくらはぎをそろえて歩みを進めながら、
絵理香はふと思った。
兄のまえふたりでハイソックスの脚を差し出して、味比べをしてもらおうよ って、誘ったら。
彼女はいったい、どういう顔をするのだろう?


妹とこうして、真夜中の公園で待ち合わせをするようになって。
もう、何カ月経つのだろう?
組み敷いた制服姿はいつになく女めいていて、
はずむ吐息さえもが、べつの年ごろの女の子のような気がする。
妹がみせるいままでにない色香に、ほとんど初めて女を意識していた。
どうしたんだろう?今夜はいったい、どういう夜になるんだろう?
妹の血を吸い慣れたはずの竜太にして、戸惑いをかくすことができなくなっていた。

きょうの放課後、竜太は友田にぶん殴られていた。
いいかげん大人になれよな。
捨て台詞を吐いて立ち去った友田。
彼が絵理香に並々ならぬ好意を抱いていることを、竜太も薄々と察している。
子供のころから彼の正体を知り、それでもいっしょに遊んでくれた友田。
渇きがどうしても静まらないときに、
女ものみたいに色っぽくないけどな。
そういいながら、運動部のユニフォームであるスポーツ用のハイソックスを履いたふくらはぎを、差し出してくれる仲だった。
彼女ができたら、お前に血を吸わせてやるよ。
そこまで言ってくれる友だちは、そうざらにはいないだろう。

はあっ、はあっ、はあっ・・・
絵理香の息が、ひどく荒くなっていた。
苦しいのか?まだそんなに血を吸っていないのに。
竜太は訝しそうに妹を見、そして、はっとなる。
前開きのセーラー服の胸もとがじょじょにはだけていって、
あらわになったブラジャーの吊り紐を引きちぎったのは、絵理香の手のほうだった。
絵理香・・・絵理香・・・
ばか。その気になっちゃったじゃない。
口では咎めながら、絵理香はむしろ嬉しげだった。
そうして、白のハイソックスの両脚を、ゆっくりと開いていった。
  やっと男になれるんだね。
兄のことをそう、祝福するように―――

手をつないで家路をたどる兄妹は、濃紺のプリーツスカートの下白く映えるハイソックスのふくらはぎを、チラチラと見おろしている。
真っ白な生地に散らされた紅い飛沫には、いつもとちがう意味がこめられていたから。
怯える女の子、夢中にさせちゃったね。
もう―――遠慮しないで進んでいけるよね?
あたしのお友だちの遥香ちゃんに。
あした、お兄ちゃんの正体を明かすから。
きっとあの子なら、いつもの川べりで待っていてくれるよ。
彼女のことも、女にしてあげて。
でもお兄ちゃんのことだから、そのまえにたっぷり、処女の生き血を愉しむのかな?
女になったばかりの絵理香の足取りはサバサバとしていて、言葉つきもいつものよに、あっけらかんとしている。
その代わり―――友田くんには、今夜のことナイショにしてね。
きっと・・・ばれちゃうだろうけど。
絵理香は、肩を並べてあるく兄の横顔を、誇らしげに見あげている。
自分が初めて、身をもって男にした青年のことを。

大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪

2011年08月12日(Fri) 08:04:49

あたし、大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪
子供のころからそんなことを、無邪気にいっていた妹は。
いま、おなじ科白を母さんに向かって真顔で呟いている。

兄妹は、結婚できないのよ。

そうたしなめる母さんに。

でもあたし、男をふたりも識りたくない―――

言った言葉の重大さを、彼女はどこまでわきまえているのだろう?

母さんは優しくほほ笑むだけだった。
だって母さん自身、自分の兄さんと事実上、結婚していると。
ボクは父さんから教わっていたのだから。

お兄ちゃんに血を吸われると・・・

2011年08月12日(Fri) 08:00:00

どうしてなんだろう?
お兄ちゃんに血を吸われると、このごろいやらしい気分になるんだよね。

腕のなかの妹が、ふと洩らした呟き―――
セーラー服の襟首に、バラ色の飛沫を惜しげもなく散らしながら。
いつも吸血の相手に応じれくれる妹が、
いつになく妖しい翳りを、稚ない頬に滲ませていた。

お兄ちゃん、血が欲しいんでしょう?
ゆいかの血でよかったら、吸わせてあげるよ。

両親のいないとき、勉強部屋にやってきて。
伸びやかな肢体を横たえてくれた妹は。
真っ白なハイソックスに血を滲ませて、たっぷりとしたふくらはぎを咬ませてくれた。
それがさいしょの、逢瀬だった。

母さんが出かけただろう?
俺の血を吸った吸血鬼に逢いに行っているって、知っているだろう?
ほんとうは。
血を吸われながら、セックスしているんだって、気づいてる?

うん―――
無表情に頷く妹は。
知らず知らず、白のハイソックスの脚をゆっくりと、開いていった―――

きょう、妹の足許を濡らす血は。
いつもとはちがう彩りがするのだろう。

父親の本音。

2011年01月27日(Thu) 07:49:10

妻を息子に抱かせるのって、どう思います?
まがまがしいと、お感じでしょう?
けれどもね。
息子が吸血鬼になって、吸い取る血にこと欠いたとき。
家内はすすんで、息子の相手をしたんです。
わたしもそれを、赦しました。
だって、肉親ですからね・・・
人と吸血鬼とに、分かれてしまったからといって。
ひとり息子を、見捨てることはできないじゃないですか。
息子の食料確保と、寂しさを紛らわせるために。
わたしは結婚して初めて、ほかの男に夫婦の寝室を譲り渡したのです。

けれどもね。
一人許してしまいますと、
前例は二つになり、三つに増えていくものなんです。
垣根の破れた後を、とりつくろうことはできませんでした。
いま、家内がベッドをともにしている男は。
ストッキング好きな変態で。
週にいちどは、やってきて。
さんざん妻の血を愉しんだ挙句、ストッキングを剥ぎ堕としていくんです。
もう・・・なん足破られてしまったでしょうか?
息子のときから感じ始めた、あの妖しいドキドキは。
いまはっきりと、わたしの理性を侵蝕してしまっているんです。


あとがき
前作で気になった、リョウタくんのお父さんの述懐・・・でしょうか?

お袋の生き血。

2011年01月27日(Thu) 07:44:11

お前の母さん、意外と美人だな。
リョウタの言い草に、思わず覗き込んだお袋の顔。
そうだろうか?たしかにきちんと化粧はしているけれど。
俺が応えずにいると、リョウタのやつはかまわずに。
じゃ、お先にいただくぜ。
さっそくお袋の首筋にがぶりと噛みついた。
ずず・・・っ。じゅるうっ。
汚らしい音を、思い切りよくたてながら。
お袋はワンピースの襟首を赤黒く浸しながら、
リョウタに吸血されていった。

あー、うまい。
女の生き血にありつくの、三日ぶりだからな~。
お袋の血のおかげですっかり顔色のよくなったリョウタのやつは、
いともせいせいとした顔つきで、俺に順番を譲ってくれた。
首筋からじゃなくても、いいんだぜ?
顔見ながらってのは、応えるだろう。
リョウタが勧めてくれたのは、ワンピースのすそからにょっきり伸びたふくらはぎ。
そのうち片方は、肌色のストッキングを派手に伝線させていた。
リョウタのやつに、ブチブチと噛み破られてしまったから。
卑猥に笑んだリョウタの唇が、ストッキングの脚に吸いついて。
他愛なく噛み破ってしまうのを。
俺は面白そうに、見守っていた。
いつも権高なお袋の品位が、本人の知らぬ間に汚されていくのが小気味良かったから。

気絶したお袋は、苦しげに息を弾ませていたけれど。
俺は構わずに、お袋の脚に唇を這わせていった。
薄手のナイロンストッキングの舌触りが、やけにすべすべしていた。
初めて噛んだふくらはぎは、しっとりと潤いを帯びていた。
けっきょく俺も、悪魔になっちまったな。
唇を濡らす生温かい液体が、喉の奥まで心地よく浸している。
身うちの血が、いちばん口に合うものさ。
いかにも経験ありげに嗤う彼は、父親の公認つきで、実の母親を自分の女にしているという。
そこまでする気は、なかったけれど。
干からびた身体の奥にいきわたるぬくもりに、
俺は生まれてはじめて、お袋の存在に感謝の情をわきたたせていた。

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。。。

2010年12月25日(Sat) 07:37:13

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。
母さんマジで、嫉きもちやくから・・・
そんな警告を発すると。
娘は三つ編みを揺らしながら、正座の姿勢を崩していって。
制服のスカートに隠した黒ストッキングの脚を、おずおずと覗かせた。
屈み込んでいった俺が、よだれの浮いた唇を。
薄手のナイロンごしに、吸いつけてやると。
ははっ。
くすぐったそうに、背中をのけぞらせた。

ほどほどになさってね。
台所仕事の手も、もどかしく。
妻が尖った声を投げてくる。
けれどもその声色は、すぐに崩れて。
あ・・・あん・・・
なんて、口走っちゃっている。

声だけを交わし合う、部屋と部屋。
女房の肌色パンストと。
娘の黒のパンストと。
きょうはどちらが、先に破かれるのだろう?

姪との結婚 2

2010年12月17日(Fri) 07:39:30

法律上、叔父と姪は夫婦として結ばれることは許されない。
そんな禁断の関係を、寛大にも許してくれた、姉と義兄。
けれどもその見返りに、
婚約者が吸血鬼と密会するのを許し、
花嫁の純潔まで献上するはめになったわたし。
そういう境遇を、決して悦んでいないわけではない、歪んだ新婚生活。

姪とわたしとの結婚は、ごく内輪にだけ、伝えられた。
近しい関係でも、そうしたことをとうてい容認しそうにない縁類には、告げられなかった。
姪はいままでどおり、姉の家で暮らし、
わたしは通いながら、姪との結婚生活をつづけた。
先週の週末、ふた組みの夫婦が、わたしたちの結婚記念パーティーに招かれた。
ご内聞に…ですけれど。弟が娘と結婚しましたの。
祝福してくださるかしら?

ひと組は、姉の友人(夫のほうは、もと姉の浮気相手だったらしい)
もうひと組は、義兄の従兄夫婦。
どちらもが、巧みに誘惑されていった。
姉に誘われて、ベッドにあがりこんだ義兄の従兄。
そのあいだに妻を、吸血鬼に襲われていた。
痴態に耽っている最中に、十年以上連れ添った妻が首すじを噛まれているなどと。
想像することもできなかっただろう。
情事を終えて、リビングに戻ると。
彼は妻の痴態を、たっぷりとたんのうするはめになっていた。

時間差をもうけて招かれた、もうひと組も。
ほぼおなじ運命をたどった。
姉はかつての情夫とよりを戻し、
その関係に嫉妬をするはずの、浮気相手の妻は。
嬉々として吸血鬼の毒牙にかかり、ストッキングを破られていった。
ストッキングを破る。
その行為が即、性交を意味するなどと。
家の外の世界では、とうてい想像もつかないことだろう。

こんなふうに、わたしの結婚は。
少しずつ、少しずつ、告げられてゆく。
週明けに来るのは、学生時代の後輩の新婚夫婦。
わたしたちの両親も、ようやく招かれることになった。
お母さま、すこしでもお若いうちのほうが・・・あのひとにも悦んでいただけるでしょう?
姉は悪友のような顔をして、わたしにウィンクを送ってきた。


あとがき
姪が母親似だとしたら。
姉弟の関係も、あり得るのでしょうね。