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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

寄り添う幻 ほほ笑む面影

2018年07月16日(Mon) 16:22:49

ストッキングを穿くだけで 貴婦人になったような気がする
スリップを着けるだけで 淑女になったような気がする
ぼくは男 でも鏡のなかでは女
きょうもレディの幻影が、ぼくに寄り添いそっと囁く

ハイソックスを履くだけで 女学生になったような気がする
リボンをギュッと締めただけで 優等生になったような気がする
ぼくは男 でも鏡のなかでは少女
きょうも女子校生の面影が ぼくに寄り添いそっとほほ笑む

夕方6時以降の”少女”たち

2018年06月26日(Tue) 05:51:07

「まいちゃん、いる?」
「まいちゃ~んっ」
少女たちのひっそりとした誘い声が、夕澄真衣の家の玄関に響いた。
ギイ・・・と扉が開いて、玄関先に立つ少女たちと同じ制服を着た真衣が、怯えるように顔だけ見せた。
「来て来てっ!怖くないから!」
香坂カオルが手を振って、ひそめた声を励ますように投げてくる。
やがて玄関の扉の影から、白ブラウスの肩が、紺のハイソックスの片脚が、赤とグレーのチェック柄のプリーツスカートに包まれたお尻が見えて、少女の全貌があきらかになる。
ウィッグの黒髪はつややかだったが、その黒髪に囲われた面差しは、少女にしては強い輪郭を持っている。
「わぁ、似合ってる♪」
坂川エリカが両手を握り合わせて小躍りした。
夕澄真衣という名前は、女子の制服を身にまとったこの少年が自分に着けた、女の子の名前。
でもここではあえて、夕澄真衣という少女の名前だけを明かしておく。
玄関のポーチから小走りに折りてきた真衣は、声を潜めてはしゃぐ二人の少女と連れだって、肩を並べて歩き出した。
それまでの怯えはもはやかけらもなく、暑すぎず肌寒くもない初夏の夕暮れの街なみを、風を切るようにして歩みを進めていった。

夕澄真衣は、都会から越してきた男の子。
昔から女の子の服にあこがれを持っていて、親に隠れて女装している。
そういう少年たちの手近にある少女の服といえば、女きょうだいのそれだったりするのだが、真衣には女きょうだいはいなかった。
けれども真衣は、裕福な親からもらう潤沢なおこづかいをやりくりして、少女の服を一着、手に入れていた。
父親は会社の経営者、母親もこの街に来てからは勤めに出ていたので、学校から帰ってから夕食までの間、親の目のない時間を彼女は日常的に持っていた。
来たばかりの見知らぬ街の公園で、少女の服を着て夕涼みをしていると、
いつも人けがないと見定めて入ったはずのこの公園のなか、気配も立てずに少女が二人、
同時にベンチの両側に腰かけてきた。
「女装してるの?似合うね。あなた、3組に入った〇〇〇〇くんでしょ?」
少女の一人、香坂カオルは好奇心たっぷりの目をくりくりさせながら、真衣に訊いた。
「だいじょうぶ。あたしたち味方だから♪」
左側から囁きかけてきた坂川エリカの声は生温かい吐息となって、真衣の耳朶をほてらせた。
「この学校、女の子の服着てる男子って、多いんだよ。3組の女川さんて、じつは男子なの」
「浜口くんや鳥居くんも、よく女装して登校してくるよね」
そんなことをさもふつうのように、おおっぴらに声に出して笑いさざめく女子たちに、真衣は圧倒されたけれど、気がついたときにはもう、三人の少女の会話に興じきっていた。
「あたしの制服貸してあげる。サイズ同じくらいでしょ?予備に一着、お母さんが買ってくれてるのがあるから。学校に持っていくから、それ着て家で待ってて。あたしたち迎えに行くから」
カオルは一方的にそういうと、小指を突き出して真衣の指にからめ、強引に指切りげんまんをした。
翌日、休み時間に手提げバッグの中に入った制服のずっしりとした重みにドキドキしながら真衣は下校してきて、だれもいない部屋のなか、カオルの制服に着かえた。
女の子の、それも同級生の制服を着るという初体験の出来事に指が震えて、ブラウスのボタンをはめるのに、ひどく手間取ってしまった。
着かえが終わって、鏡を見たら、そこにはまごうことなく、少女になった自分がいた。
真衣は感動に震えた。
それから彼女たちが家に訪ねてくるまでのあいだ、どうしていたのかをよく思い出せない。
万が一、受け取らなければならない小包を携えた郵便配達がピンポンを押したりはしないか、
万が一、親たちがなにかのつごうで家に早く戻ってきたりはしないかと、
ドキドキしながら彼女たちが玄関の外から声をかけてくるのを待ち受けていた。

ドアノブをまわし、扉を開くと、そらぞらしい外気が真衣を包んだ。
解放された真衣を祝福するような、さわやかな空気感を感じながら、
真衣は踊るようにして玄関のポーチを降りる。
すぐ目の前には、おなじ制服を着た少女が二人――晴れて自分も、その仲間入りを果たしたのだ。
「行こ」「行こ」
手に手を取り合って、公園をめざす。
その公園が「お嫁に行けなくなる公園」と呼ばれつづけてきたことなど、真衣は知らなかった。

「いいこと?ベンチにはひとりひとり別々に腰かけるの。そうするとね、自分のことをいちばんだと思っている彼が、隣に座るから――あとは、そうね・・・その彼とおしゃべりしたり、とにかく絶対いいことがあるから、彼の言うとおりにするんだよ」
制服を貸してくれたカオルはまるで先生みたいな指図口調で真衣にそういったが、
真衣は自分でもびっくりするほど素直に肯きかえして、指さされたベンチへと足を運んだ。
カオルから借りた制服のブラウスが素肌にしみ込むような心地よい呪縛を伝えてくる。
まるでその呪縛に痺れてしまったように、真衣はこれから起こることをワクワクしながら待ち受けた。

気がつくと、カオルの隣にも、エリカの傍らにも、すっと音もなく、気配も立てず、男性の影が寄り添っていた。
思ったより全然年上――そう思った真衣の隣にも、父親よりももしかすると年上かもしれない男が座っていた。
男はひっそりと、それでもたしかな存在感をもって、真衣を圧倒する。
開かれた口許からは鋭利な牙がひらめき、獣臭い息をはずませながら迫って来る。
真衣は自分でもびっくりするほどもの静かに、柔らかな目線を相手にそそぐだけ。
両肩をつかまれて、ベンチの上に押し倒されて、ひらめく牙は首すじに近寄せられてくる。
じゅるっ。
隣のベンチから、異様な音が洩れた。
ふと見るとエリカがひと足早く咬まれて、首すじから血を流していた。
それからすぐにカオルの首すじからも、咬みつく音がかすかに、ズブッと洩れた。
ビュビュッと撥ねる血が、カオルのブラウスの襟首を染めた。
「やだ――またひとの制服汚すのね」
カオルはひっそりと笑い、相手の行為をこともなげに受け容れていく。
ぼう然と見つめる真衣もまた、首のつけ根に鈍痛が走るのを感じた。

ちゅう・・・ちゅう・・・ちゅう・・・
首すじに吸いつけられた唇が、さっきからもの欲しげにうごめきながら、真衣の血を吸い取ってゆく。
それでも真衣は、身じろぎひとつせずに、男の相手をつづけていた。
真衣のもの慣れないしぐさに、むしろ男は行為を感じたようだ。
吸い取ったばかりの血に濡れた唇を麻衣の唇に重ね合わせて、ファースト・キスを奪うと、
真衣の制服姿をいとおしげにギュッと抱きしめた。
相手の男が自分のことを女の子として扱って、ギュッと抱きしめてくれるのが嬉しくて、
真衣は積極的に相手のキスに応えた。
錆びたような血の匂いが鼻腔を刺したが、怖いとは感じなかった。
むしろ、冷えた男の身体がすがりついてくるのがいとおしくて、自分のぬくもりを分け与えてあげたいとさえ、本気で思っていた。
「すまないね」
「いいえ」
会話はそれだけで十分だった。
男はなん度も真衣にキスをねだり、真衣はそのたびに応えつづけた。

ふたりの少女はブラウスをはだけられていて、はぎ取られたブラジャーの下から、豊かな乳房を思い切りよくさらしている。
カオルのおっぱいはピチピチと引き締まって硬く、
エリカのそれはふんわりと白く輝き、柔らかそうだった。
真衣は彼女たちのおっぱいをきれいだと思った。
彼女たちが本物の少女であることを、羨ましく感じた。
息荒く迫って来る男のまえでおっぱいをさらすことがなにを意味しているかなど、どうでも良いことだった。
可愛いピンク色の乳首たちはもの欲しげな舌先に舐められ、火照った唇に呑み込まれる。
大またに開かれたハイソックスの脚は、たくし上げられたスカートから太ももまであらわにされて、男どもの浅黒く隆起した腰を、股間の奥へと受け容れはじめている。
少女たちが初めてではないことを、真衣は直感した。
そして少女たちの運命を自分も共有していると気づいたときにはもう、平たい胸からぽっちりと隆起している乳首を、しつように舐められてしまっていた。
真衣がその後起きあがったのは、行為のまえの一度きりだった。
「パンツ、脱ぐね」
そういって勢いよく起き上がると、真衣は潔くショーツをひと息に足首まで引き降ろし、男の手にゆだねると、再びベンチのうえに仰向けになった。
嫁入り前まで男のまえにさらしてはいけない部位をあらわにすると、なぜか度胸がついた。
自分でも経験したことがないほど烈しく逆立った一物が股間を冒しにかかったときも、これからどうなるんだろう?という好奇心しか感じなかった。
夕食まえに、それも公園のような野外で、息子が女としていたぶられているなんて知ったら母さん悲しむだろうな――と、チラと思ったけれど。
行為を中止するきっかけにはならなかった。
力まかせに突き入れられた一物が真衣の股間を抉り、抉られた股間は血を流す。
スカートの裏地に血が沁み込むのを感じたときにはさすがにあせって、
「カオル、ゴメンねっ」って、呟いていた。
自分の純潔が喪われるよりも、カオルから借りたスカートが血に濡れることのほうが重要だった。
傍らの少女ふたりはベンチのうえで、スカートのすそから太ももをあらわにして、営みに息をはずませつづけている。
ふたりの黒髪が、腰の上下動に合わせてユサユサと揺れるのをみて、「青春だなあ」とつくづく思った。
ハイソックスの脚を噛みたいとねだられたのに応えてやったり、
お〇ん〇んをしゃぶってみたいとねだられたのに応えて咥えさせてやったり、
これがきみを女にした、ぼくの宝物だよ――といわれて差し出されたものを口に含んで、根もとまで咥えてしまったり、
吐き出された精液を呑み込んでしまったとき、真衣は女になった歓びを感じていた。

これからも、自分は男として暮らしていくはず。家族の手前もあるから。
けれどもあたしはきっと、今夜の出来事を忘れない。
そして、母さんにばれてもきっと、くり返してしまう。
もしかすると母さんまで巻き込んででも、くり返しつづけてしまう。
真衣はふと、傍らで自分といっしょに犯されている少女のどちらかと、将来結婚するのだと直感した。


あとがき
このお話は一週間くらい前、途中まで描いてタイムリミットになり、今朝ほど仕上げたものです。
どこから描き継いだかはナイショですが、当初思い描いていたのより大胆に描けたような気がしています。

亡き妻になりきった夫

2018年05月04日(Fri) 06:17:47

「私が死んだら、女になれば?」
妻はそう言って、せせら笑った。
結婚後すぐにわたしの女装癖を知った彼女は、わたしのことを冷ややかに嗤った。
それ以外は、ごく円満な夫婦だった。
見栄っ張りな彼女はだれから見ても幸福な夫婦を演じ切ろうとしていた。
賢明でもある彼女は、わたしに対する内心の軽蔑を抑え込んで、
少なくとも家庭という共同経営者としては強調し合える、理想的なパートナーだった。
彼女が穏やかでさえいてくれる限りでは、わたしにとって彼女はどこまでも、最愛の妻だった。
しかし、わたしたち夫婦の間に、子どもを授かる日はついに訪れなかった。

四十手前という若すぎる死期を覚ったとき。
病床を訪れた裕福そうな老紳士をわたしに引き合わせて、
「この人よ。20年前、私が処女を捧げたのは」
妻はそう言って、またせせら笑った。

貴方とお見合いをしているときも、しょっちゅう逢ってたの。
結婚も、彼に相談して決めたわ。
それから――結婚してからも、よく逢ってたの。
怒った?
優しいのね?
こんな悪い奥さんでも、怒らないでいてくれるのね?
じゃあ私から、ご褒美をあげる。
あなた、私がいなくなったら、女になればいいわ。
女になって、この男(ひと)に抱かれるといいわ。
もしそうしてくれるなら、私の服をぜんぶ、貴方にあげる。
私がいなくなったら、どうせそうするつもりだったんだろうけど――
貴方が気に入っていた青紫のスーツも、濃い緑のベーズリ柄のワンピースも、
これからは好きに着られるのよ。
ちょうどサイズも、あつらえたようにぴったりだし。
どお?
女になって、貴方の奥さんを犯しつづけた男に抱かれるなんて。
あなたそういうの、好きそうじゃないの――

妻がいなくなってから、男はしばしばわたしたちの家を訪れて、
わたしとはひと言も言葉を交わさずに、静かにお線香をあげていった。
そんなことが三度続いたあと、
わたしは意を決して、線香をあげに訪れた彼のことを、妻の服を着て出迎えた。
彼はちょっとびっくりしたようにわたしを見つめ、ただひと言、
「加代子さんにそっくりですね」
とだけ、いった。
わたしにとっては十分すぎる、褒め言葉だった。

さいしょに選んだ服は、洋装のブラックフォーマル。
わたしは妻を弔うためにその服を着て、初めて男性の抱擁を受け容れた。
息荒く迫る男のまえ、乙女のように心震わせて目を瞑り、
お仏壇の前で彼に抱かれて、いっしょに妻のことを弔った。

喪服のスカートの裏地と黒のストッキングとを、彼の精液で濡らしながら、
不覚にも、昂ぶりの絶頂を迎えてしまっていた。
抱きすくめる猿臂の主を、逞しい背中に廻した腕でギュッと抱き返しながら、
妻のことを日常的に犯したという一物を、未経験の股間に迎え入れた。
「加代子が狂ったの・・・わかります」と呟いて、
無条件の奉仕を誓ってしまっていた。
男はわたしの頭を抱いて、「あなたは加代子だ」といい、
わたしは彼の耳もとで、「はい、わたくしは加代子です」と囁き返していた。
せめぎ合う息遣いを思いきり昂らせて、
わたしたちはなん度も果て、愛し合った。
同じ女性を愛した男性同士――わたしは最愛の加代子になり切って、
これからもあなたの最愛の加代子でいつづけると、男に誓っていた。

つぎはおめかしをして、都会に出かけよう。
こんどは喪服ではなくて、あの花柄のワンピースにしないか。
きみはご主人が結婚記念日にプレゼントしたというあの服を着て、
いっしょに映画を見て、お食事をして、ホテルにまで行ったのだよ。
あの日が戻ってくることを、わしは心から望んでいる――
妻の愛人はわたしの耳もとでそう囁いて、
わたしはただ、「加代子になって貴男に逢います」と、囁き返していた。

わたしは妻になり替わって彼の愛人になり、加代子という名前でこれからを暮らす――


あとがき
言ってるそばから、”魔”が降りてきました・・・。
^^;

惑い。

2018年02月22日(Thu) 06:42:22

夫が、セーラー服姿で帰宅した。
女装趣味をもつ夫は、このところ帰りが遅い。
夫の正体を知ったのはごく最近のことだったが、
内心戸惑いを覚えつつも、賢明な彼女は夫の感情を逆なですることはなく、
「周りに迷惑はかけないで」とだけ告げて、ほぼ黙認状態で表向きは平穏な日常を過ごしている
夫の帰宅を気配で感じた彼女は、ちょっとだけため息をついて、
そしていつものように黙って夫を迎えるために、座を起った。
彼女は、夫が帰宅するまでの間いつも、よそ行きのスーツを身に着けていた。

木内夫人は玄関まで夫を出迎えて、その背後にひかえる黒い影をも同時に見た。
それが、木内夫人と吸血鬼との初めての出逢いだった。
黒影の持ち主は、夫よりもずっと年上の初老の男だった。
表情の少ない彼の顔だちからは、初めて木内の妻を目にしたことによる感情の動きを、全く読み取ることができなかったし、
女装の夫と2人連れだった真夜中の散歩がどんな雰囲気だったのかすら、みじんも感じられなかったけれど。
どちらかというと陰性な夫の表情はいつになく晴れやかで、長時間の散歩が睦まじい会話で充たされていたことは容易に読み取ることができた。
木内夫人はそんな夫の顔を見て、かすかな嫉妬を覚えた。

男は木内の妻を見て、無表情に目礼しただけだったけれど。
目が合った瞬間、木内夫人は、着ていたよそ行きのスーツを突き刺すように、胸の奥にずきりとするものを覚えた。
男は木内の妻を、獲物としては見ていなかった。
夫の友人としての控えめな好意だけを表に出して、「ああこの人は・・・」と夫が彼を紹介するのさえ拒むように、夫妻の視線に背を向けて、つと立ち去ろうとしたのだった。

「あの・・・」
木内夫人は、思い切ってその背中に声を投げた。
歩み去ろうとした黒い影は夫人の声に足をとめたが、振り向きはしなかった。
「今夜は、主人がお世話になりました」
夫人は瞳を伏せて、折り目正しく頭を下げた。
吸血鬼は木内の妻をふり返ると、いんぎんな黙礼だけを与えて、去っていった。
相手が異形のものと知りながら、夫の友人として遇してくれた感謝がそこにあったように、木内夫人は感じた。

「着替え?それから、お風呂?」
男が去ると、彼女は夫に必要最小限な言葉を投げて、
木内はそんな妻にちょっとはにかんだ微笑で応えて、素直にその指図に従った。
夫の女装姿は、いまだに木内夫人の目になじみ切ってはいない。
男にしてはなで肩の夫だったが、それでもセーラー服には不似合いな肩幅だったし、
ウィッグの下にあるまぎれもない夫の顔も、女子生徒の初々しさとは異質なものを持っていた。
けれどもふだんの姿の夫にはない華やぎのようなものが、身にまとう女の服と違和感なくとけ込んでいることもまた、認めないわけにはいかなかった。

浴室からシャワーの流れる音が洩れてくる。
その音を聞きながらも、木内夫人はまだ、胸のドキドキを抑えることができなかった。
夫の女装姿に、いまさらうろたえたわけでは、むろんない。
生れて初めて目にする吸血鬼の姿に、恐怖を覚えたのか?
木内夫人は自分の異常な昂ぶりに戸惑いながらも、その理由を反芻する。
わからない。
男の投げたまなざしに、獲物を見るものの獰猛さはかけらもなく、彼女に恐怖を与えるなにものも帯びてはいなかった。
夫を送ってくれた妻からの感謝の言葉にこたえ、ただたんに、礼儀正しく黙礼して、去っていっただけ――
夫の友人としてのごく控えめな好意を滲ませたほんの一瞬の行動からは、
彼女に対するどんな思惑も、感じ取ることはできなかった。
少なくとも、相手は彼女を、獲物とはみなしていない。それは女の直感でそうとわかった。
しいて言えば、夫の散歩相手が吸血鬼であることに彼女が露骨な恐怖をみせないという賢明な態度に対する敬意を、ほんの少しだけ滲ませただけだった。
――やだ。どうしてこんなにドキドキしているの。
夫がシャワーを浴びている間、木内の妻は、答えのない反芻をくり返しつづけた。
きっと今夜は夫を優しく責めながら、自分が主導でベッドのうえでの営みを遂げてしまうはず。
それもおそらくは、いつになく熱っぽく――
得体のしれない胸の昂ぶりをなかばいぶかしみ、半ば怯えながらも、木内夫人はそんなことを思い描き、つい顔を赤らめた。

木内夫人は、心の奥底でわかっている。
胸が昂り血が騒いだのは、
今夜迎えた男が、いずれ彼女の血潮を啜り取ることを予感したから。
カサカサに干からびた年配男の唇が、彼女の誇るみずみずしい柔肌をナメクジのように這いまわり、
豊かに熟れた女ざかりの熱い血潮で唇の渇きをうるおしながら、喉を鳴らして酔い痴れるだろうことを。
彼女はそれを女の本能で直感し、啜り取られる運命を察した血液を人知れずたぎらせてしまったのだと。

「きみも良かったら」
貧血に悩む夫がそれを妻に打ち明けて、彼が自分の親友に愛妻の血液を提供することを望んでいると告げたとき、
木内夫人はためらいのない同意を与えたのだった。
――あのひとと2人きりで逢うのは心細いから、そこにはあなたもいて。
自分の願いに二つ返事の承諾を受け取りながら、木内夫人は自分の受け答えに慄きを感じる。
夫が意図した結末を、じかに夫の目のまえにさらしたい。
そんな悪魔的な意図を、わざと心細げな声色で伝えた自分のささやかな復讐心を、初めて自覚することで。


あとがき
女の心裡は、ときにエロいです。
でも同時に、ちょっぴり怖いかも・・・です。^^;


絵詞なし0052bubunじ04

※挿絵は手持ちのものを、ちょっと加工しました。^^

≪りんく≫
★前作
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3570.html

★イラストPart1
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3575.html

★イラストPart2
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3578.html

【ビジュアル版】交わりが拡がってゆく。 by霧夜様

2018年02月12日(Mon) 13:22:50

弊ブログを愛読してくださっている”霧夜”さまから、嬉しいプレゼントを頂戴しました。
先日こちらにあっぷした小説「交わりが拡がってゆく」の冒頭部分を、なんとビジュアル化してくれたのです。

せっかくなのでなにかひとひねりを・・・と考えはしてみたものの、そんなことよりも早く皆様にお見せしたいという衝動のほうが上回りましたので公開しちゃます!
(もちろん、ご本人の承諾つきです)

”霧夜”さまは数年前、柏木がたまに投稿しているpixivで知り合いました。
テイスト的に相通ずるものを感じてお声をかけてみたところ、なんと私のブログを時々見てくれていると知りまして・・・
以来、よきおつきあいを願っております。

しかし、自分の描いた妄想話をこうやって人さまにビジュアル化してもらえるのって、すごく嬉しいものですね。
”霧夜”さま、ありがとうございました☆


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★原作はコチラ↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3570.html

★画像集Part2をあっぷ↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3578.html

交わりが拡がってゆく。

2018年02月07日(Wed) 08:00:52

木内には、女装趣味があった。
そして、長年の親友に吸血鬼がいた。
初めての出逢いは、真夜中の散歩のときだった。
吸血鬼は木内のことを女性として接し、生き血を求めた。
木内は自分を女装者と知りながら自分に分け隔てなのない態度で接してくる吸血鬼に好意を感じて、
求められるまま首筋を咬ませた。
その時木内が着ていたのは、セーラー服だった。
彼は血を吸い取られることよりも、大事にしていたセーラー服かを汚されないかを気にかけていた。
そして、それと察した吸血鬼が襟首を汚さずに吸ってくれたことに、さらに好意を覚えた。

木内には妻がいた。
彼女は夫の嗜好に、常識的な婦人としてはまことに当然な嫌悪感を抱いていた。
血液を吸い取る代償に、女装をしての深夜の散歩のエスコートをするというふたりの関係にも、
女性としての直感から、胡散臭さを感じていた。
けれども彼女は人並みに夫を愛していたし、
ふだんは紳士的な物腰である夫の親友にたいして、会釈を交わす程度の間柄にはなっていた。
賢明な彼女は、相手が吸血鬼だというだけでむやみと相手に垣根を作ろうとはせずに、
実害の及ばない範囲では夫の親友に対する礼儀を忘れなかったのだ。

3人の間にあった均衡が破れたのは、木内が妻に、
「きみも良かったら」と、自分の親友のための血液の提供をもちかけたときだった。
木内夫人はいずれ自分の番がまわってくる予感をかねてから抱いていたので、
自分でも意外なくらいあっさりと、夫の提案を承知した。
夫と親友との親しすぎる関係が、やや過度すぎる献血を夫に課するようになっていて、
彼女は妻として、夫の健康に気遣いを感じるようになっていたからだ。
あるいは、ふたりの男性の関係に、ある種の嫉妬を感じ始めていたのかも知れない。

夫人は夫の親友と二人きりで逢うのは心細いと訴え、そのような折りには夫にも同席してほしいと懇願した。
木内は親友の意向を訊いたが、もとより無理をお願いしたのは私であるから、奥方のもっともなご意向に沿いたいと応えた。
木内はある種の予感を胸に、罪悪感とえもいわれぬ歓びとにゾクゾクしながら、当日に臨んだ。
彼はまず夫人に手本を見せるため、女性の姿で夫人の前にたち、自らの首筋を咬ませた。
木内は洋装の喪服姿だった。
やがてそれが、夫人の貞操を弔う衣裳となることを、彼はすでに十分予感していたのだ。

貧血を起こして昏倒した木内の傍らで、吸血鬼は木内夫人の首すじに噛みつき、血を吸った。
彼にとっては念願の、熟れた人妻の生き血だった。
吸血鬼の親友が最愛の妻を相手に嬉しそうに血を啜るのを、木内もまた嬉しげに見守った。
夫人は気丈にも、恐怖の念を押し隠して夫の親友の相手をつとめ、
白い素肌に夫ならぬ身の唇を這わされながら、40代の人妻の血潮をふんだんにあてがったのである。

木内夫妻の心尽くしを悦んだ吸血鬼は、その場で木内夫人を犯した。
夫人は唐突な求愛に戸惑いながらも、夫の目の前での行為を受け入れた。
夫がそうすることを望んでいると、直感したからである。
初めての交わりは夜明けまで続き、男ふたりはひとりの女を代わる代わる愛し抜いた。
一見すると輪姦でしかなかったかもしれないその行為を受け容れながら、夫人は、
いま自分の身に行われていることが、ひとりの女を二人の男が共有するための儀式なのだと直感した。
そして、その直感は正しかった。
木内夫人もまた、日ごろの賢夫人としての振る舞いを取り戻して、
予期していなかった関係をためらいなく受け入れていた。
賢明な彼女は、今後は夫の親友のために、自らの生き血を過不足なく提供することを約束し、
寛大な夫はその際必然的に生じる男女の関係を許容すると誓った。
親友が望んでいるのは、彼の妻を木内夫人のまま犯し続けることだと、熟知していたからである。


ひとつの関係はさらに別の関係の糸口となり、それはさらに新たな関係の契機となる。
吸血鬼と木内夫妻との関係が、まさにそれであった。
木内夫人は子をもつ母親としてのたしなみと遠慮を持っていた。
夫に対してもそうであった。
木内は妻の身代わりの献血行為を率先することで妻の身を庇おうとし、
夫人は夫の親友に接するときには、自分が希望しているのはあくまでも夫への貞節を守ることであり、
いまは心ならずも彼の欲望に従っているという態度を取り続けた。
それでも内心まで偽ることのできなかった彼女は、自分でも不思議に感じるある願望を抱くようになった。
時を遡って処女の頃に吸血鬼と出逢って、自らの純潔さえ捧げたかったと熱望するようになったのだ。
その願いは夫である木内の知るところにさえなったが、
親友である吸血鬼に進んで最愛の妻を与えた彼は、妻が吸血鬼に抱いた気持ちをむしろ尊重さえしているのだった。

実現不可能にみえた夫妻の願望を、別の意味でかなえたのは、彼らの一人娘だった。
夫妻は自分たちの大人同志としての関係を子供たちと分かち合うことを避けていた。
人並みな親として、息子や娘の将来に、人並みの幸福を期待していたのだ。

均衡が破れたのは、ある冬の日のことだった。
○学校の卒業を控えた娘が帰宅したとき、幸か不幸か親たちは家を留守にしていた。
待ち受けていたのは、喉をからからにしていた父親の親友だった。
彼女は彼の正体を親から聞かされていて、あまり近寄らないようにと注意さえ受けていた。
しかし彼女は苦しんでいる年上の親しいおじ様の苦境に同情して、自分のことを咬んでも良いと告げた。
少女は吸血鬼のもてなしかたを、かねてから垣間見ていた母親の振る舞いから、よく心得ていたのだ。
透き通るストッキングを穿いて脚を差し伸べる母親に倣って、その場にうつ伏せになると、
よそ行きのときだけに履く真っ白なハイソックスのふくらはぎに、唇を吸いつけられていった。
少女は自分の生き血をおいしそうに吸い上げられるチュウチュウという音にうっとりと聞き惚れながら、
真新しいハイソックスの生地になま暖かい血潮をしみ込まされてしまうのを、ドキドキしながら感じ取っていた。
親たちが帰宅したときにはもう、すべてが終わっていた。

少女はパパのお友だちでママのナイショの恋人でもある小父さまに、処女の生き血をプレゼントすることを、
指切りげんまんをしてお約束してしまっていた。

木内夫妻の長男は都会の大学を出て、就職先も都会の会社だった。
重役の娘に見初められて、結婚間近だった。
血は争えないもので、彼もまた父親と同じく婦人の装いを嗜んでいた。
そして、そのことを未来の花嫁に知られることを、ひそかに恐れていた。
彼は両親の口から意外な近況を聞かされると、その週の週末には恋人を伴って、実家に姿をみせた。
将来を誓いあった男性の実家に招かれて、重役令嬢はなんの疑いもなく、婚約者に帯同されてこのひなびた街へと脚を踏み入れた。
透き通った白のストッキングに包まれた初々しいふくらはぎが、垣間見る者を魅了したなどとはつゆ知らず。

その日、都会育ちの善良なお嬢様は、桜色のスカートスーツのすそを深紅に染めて、
自らの体内に宿した、うら若く健康な血潮を、気前よく振る舞う羽目になった。

荒っぽい歓迎ぶりに、さすがに顔色をなくした彼女だったが、
しつように吸いつけられる卑猥な唇に素肌を馴染ませてしまうのに、さほどの時間はかからなかった。
吸血の因習を避けて都会暮らしを選んだはずの長男だったが、
いったんあきらめをつけてしまうと、すでに母と妹を堕落させてしまった吸血鬼と互いに打ち解けあって、
いまは婚約者に告げずに逢瀬をくりかえすようになった未来の花嫁のあられもないありさまを、
ワクワクしながら覗き見するようになっていた。
重役令嬢は、恋人の貧血を補うために身代わりになるという婚約者のために、彼が彼女の服をねだることを許した。
日ごろの悩みを解消することができた青年は、妖しい儀式の待ち受けるお邸に、
理解ある婚約者と2人肩を並べて出入りするようになった。

幼かった妹にも、彼氏ができた。
まだ年端もいかぬ少年でしかないはずの彼は、自分の恋人と吸血鬼の関係を受け入れることに同意して、
その証しに未亡人である母親を吸血鬼に紹介した。
吸血鬼が母親の首すじに唇を迫らせて、喪服を脱がしてゆくありさまのいちぶしじゅうを見届けてるはめになった彼は、
自慢の母親が堕ちるのを目の当たりに、未来の姑が嫁の不倫の頼もしい共犯者になると確信したのだった。

このようにして、ひとつの好意はいくつもの好意を呼び寄せた。
世間なみの幸福を子どもたちに望んだ親たちは、自分と同じ道に堕ちた彼らといままで以上に交わりを深め、
そうした交わりは妖しい歓びをともにできる者たちの間だけで拡がりつづけた。

おおぜいの人間から血液の提供を受けるようになった幸運な吸血鬼は、仲間に自慢したという。
俺は夫と妻、その息子と娘、その婚約者や恋人とその母親たち――合わせて8人もの女をモノにしているのだ、と。


【付記】
冒頭部分を、弊ブログの読者である”霧夜”さまがビジュアル化されています。
詳細はコチラ↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3575.html

【付記2】
木内の妻が夫に伴われて吸血の場に臨むまでのシーンが、”霧夜”さまによってビジュアル化されています。
詳細はコチラ↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3578.html

吸血鬼になったお兄ちゃん

2017年12月07日(Thu) 07:32:58

豊畑数雄は吸血鬼に襲われて、生き血を吸われ、犯された。
男子でも犯されることってあるんだと、数雄は初めて身をもって知った。
けれども結局彼は、自分を犯した男に、19歳の生き血を一滴余さず、気前よく、吸い取らせてしまっていた。
ボクって気前がいいんだな・・・
そんなふうに思えたのは、自分の生き血と引き替えに、数雄自身も吸血鬼になってしまったからだった。
彼の身体はそのまま自宅の勉強部屋に安置されて、ひつぎのなかに置かれた。
「かわいそうなお兄ちゃん。お供えに、あたしの制服着せてあげるね」
数雄の女装癖を知っていた妹の真衣が、自分の制服を着せてくれたのが、むしょうに嬉しかった。
真衣の制服は紺のブレザーの制服だった。
ごく普通の、普通すぎるくらい普通の制服を、真衣は「ダサダサの制服」だといって気に入っていなかったけれど、
お兄ちゃんが隠れて麻衣の制服を着て愉しんでいるのに気づいてからは、自分の制服をちょっとだけ見直す気持ちになっていた。
真衣は母さんに頼んで、制服をもう一着作ってもらった。
いままで着ていた制服をお兄ちゃんにあげちゃった麻衣には、
もう一着、自分が学校に着ていく制服が必要だったから。
けれども麻衣はやがて、三着目の制服が要りようになった。
若い女の子の生き血を欲しがるお兄ちゃんのために着てあげる制服を。
はた目には、おなじ制服を着た女の子同士が抱き合って、片方がもう一方の生き血を吸っているようにしか見えなかった。
華奢な身体つきのお兄ちゃんはそれくらい、真衣の制服になじんでいた。
そして血を分けた実の妹である真衣の血は、カラカラに干からびたお兄ちゃんの喉に、とてもしっくりとなじんでいった。

娘の血を吸い尽させるわけにはいかないと、お母さんはときどき、息子のために吸血を受け容れるようになった。
自分の生き血を吸わせるときに、数雄はお母さんに、いつもPTAの会合に着ていくよそ行きの黒のスーツを着てほしいとおねだりをした。
お母さんは息子にねだられるままに、よそ行きのスーツを着て、息子の相手をした。
吸血鬼が既婚の女性の血を吸うときに、ことのついでに犯してしまうという習性を、お母さんは自分の身体で識るはめになった。
息子想いのお母さんは、それでも献血を止そうとはしなかった。
気丈にもお父さんにすべてを話し、そのうえで息子の相手をつづけて、
懸命にも理性を保ちながら、40代の人妻の生き血を、過不足なく息子に与えた。
遠い日に自分の母乳で子供たちを育てたときのように――

母娘ふたりの血では、数雄一人を養うには足りなかった。
足りない分は、数雄が自分で調達することになった。
彼は真衣の制服姿で夜な夜な自宅をさ迷い出て、声をかけてくる男や、同じ制服を着た女子を、片っ端から襲っていった。
そのうちに。
麻衣の学校の女子生徒の間で、「吸血クラブ」という同好会が生まれた。
会員は、真衣を筆頭に、真衣のクラスメイトやお兄ちゃんが襲った女子生徒が、全部で8人いた。
彼女たちは2人ずつ交代で夜道を歩き、同じ制服を着た麻衣のお兄ちゃんと待ち合わせて、
真っ白なブラウスの襟首を真紅に濡らしながら、生き血を吸われた。
ハイソックスを履いた脚を咬みたがる数雄のために、だれもが学校に履いて行く白のハイソックスを脚に通して、
連れ込まれた公園でスカートをたくし上げて、ハイソックスの脚を見せびらかして、
真っ白なハイソックスが真っ赤になるまで、愉しませてあげるていた。
親たちは娘の異変に気づきながらも、見て見ぬふりをしていた。
すでに街じゅうに、同じような目に遭う若い男女が増え始めていたから、
自分の娘が吸血されるということが、ごくありふれたことになっていた。
血を吸われた若者たちのお母さんたちもまた、数多く餌食になっていた。
首すじに、息子や娘たちと同じ赤黒い痣を浮かべたお母さんたちは、
娘の血を吸いたがる吸血鬼を自宅に手引きしていたし、
女のこの服を着て真夜中の街を歩きたがる息子たちのために、娘や自分の服を着せてやり、メイクまでしてやるようになっていた。
理性を毒された夫たちは、妻たちが吸血鬼に襲われるのを、見て見ぬふりをしていたし、
誘惑に屈した妻たちは、自分を襲った吸血鬼に熱をあげていた。
夜ごとにひっそりと自宅を抜け出して愛人との逢引きを愉しんだり、
夜ごとに訪う黒い影を自宅に引き入れては、不倫の恋に耽るのだった。

「吸血クラブ」の面々は、クラスメイトの真衣がお兄ちゃんに吸血されていく、近親相姦みたいなシーンを興味津々でのぞき見しながらワクワク、ドキドキしていたし、
男子のなかには自分も吸血鬼になって、気になってる女子の血を吸いたいと願うものまで現れた。
数雄の親友の珠樹も、そのひとりだった。
数雄は珠樹の妹の血を、日常的に吸っていた。
妹同士が、クラスメイトだったから、真衣が真っ先に自宅に招いて、お兄ちゃんに襲わせたのだ。
妹が親友の餌食になるという自分の立場を、珠樹は昂奮をもって受け容れた。
けれどもそのうちに、自分自身も、妹といっしょに兄妹ながら、親友の餌食になりたいと願うようになった。
彼は数雄を自宅に招び寄せて、数雄が吸血鬼化したときと同じように、全裸にハイソックスだけを履いた姿で、数雄に首すじを吸わせた。
年ごろの青年ふたりは、お互い肌を合わせるうちに昂奮を感じ合って、
珠樹は数雄に犯されていた。
珠樹のお母さんは、その様子を物陰から、ドキドキしながら見守っていた。
そして、数雄が珠樹のことを首尾よく吸血鬼にしてしまうと、
血に飢えた息子とその親友にわが身までも襲わせて、自分自身の血を与えるのだった。
「自分も吸血鬼になりたい」と息子に相談されたとき、彼女は息子のために真っ先に餌食になろうと決意していた。
子ども達が吸われたのと同じように、自分も血を吸い取られながら、
「珠樹くんや裕子ちゃんと味が似てるね」って囁く数雄の言いぐさに、ウットリと肯きかえしていた。
愛息の吸血鬼化を祝うため、実の息子とその親友であるふたりの青年にかわるがわる犯されて、
心優しい母親は、ふたりの若い吸血鬼を祝ってやった。

それ以来。
夜な夜な街をさまよう制服姿が、2人になった。
地域の公立中学の女子の制服に身を包んだふたりは、学校帰りや塾帰りの女子生徒を襲って、
首すじを咬んではブラウスの襟首を真っ赤に汚し、
ふくらはぎを咬んでは真っ白なハイソックスを赤黒いまだら模様に染めあげていった。
けれども彼女たちは白のハイソックスを履くことをやめないで、
手近な公園や道ばたで襲われた後、靴下を濡らしたまま家路についた。

きょうもウキウキとして、女子生徒たちは白のハイソックスを履いて、夜の街へと出かけてゆく。
「帰り道に気をつけてね」
そういって娘を気づかう母親たちもまた、首すじに赤黒い痣を浮かべて、
色とりどりのストッキングには、派手に破けた痕を、スカートの奥まで忍び込ませてしまっている。


※この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等はすべて架空のものです。

女装校生のための 安全な通学のための手引き ~吸血鬼の出没する街編~

2017年07月31日(Mon) 06:19:14

1. 女装校生になりたいという希望を、親に告げる。
親御さんの許可は、さいしょの関門です。
真摯に説得して親御さんの理解を得、女装校生としての一歩を踏み出します。

2. 女装校生にふさわしい服を買いそろえる。
中高生の立場では予算に限りがありますから、親御さんにそろえてもらいます。
通学用の制服・私服、お出かけ用の服、それにふだん着も女の子用のものをそろえます。

3. すすんで集団登校に参加する。
なによりも気恥ずかしいのが、みんなに視られること。
けれどもそれは、避けては通れない道です。
集団登校に参加して、身近な生徒・児童たちに自分の置かれた立場を態度で示しましょう。

4. からかわれても、へこたれない。
付き添いのお母さん方のよそよそしい態度。
周囲の女子の白い目。
それに、男子のからかいに屈しないこと。
特に年下の男子は天敵です。
「おかまだぁ」と露骨に言われても、笑ってスルーできるようになりましょう。
いずれ、彼らのうちの何割かは、あなたと同じ道をたどります。
お手本を見せるつもりで接しましょう。
集団登校では横断歩道の誘導などの役割をすすんで引き受けるのも良いでしょう。
一週間も経つと、周囲の目も自然になじんできます。

5. 吸血鬼に遭遇したら、進んで応接を引き受ける。
街には若い生き血を求めて、吸血鬼が出没します。
もしも集団登校の列が吸血鬼に遭遇したら、すすんで応接するようにします。
あなたのおかげで見逃してもらえた女子には、感謝されるはず。
吸血鬼と接するときは、礼儀正しく潔癖な女の子として振る舞い、誇りを忘れないこと。
この街の吸血鬼は、心優しい魂の持ち主なので、
ひとしきり乱暴狼藉をして欲求を満たした後は、紳士としての気遣いを示してくれます。

気高く振る舞えば、慇懃な気遣いがかえってくるもの。
レディとして、上手におつきあいをしましょう。
彼らは女の子の気をひくために、悪戯をしかけてきます。
吸い取ったばかりの血をわざとブラウスにしたたらせたり、
ハイソックスのふくらはぎによだれをたっぷりとなすりつけて、あげくの果てに咬み破って愉しんだりします。
服を汚されたら可愛く眉をひそめ、顔をしかめて、軽い抗議を示しましょう。
彼らは女の子の迷惑そうなそぶりに、いっそうそそられます。
あまり意地悪が過ぎたときには、泣きまねで応えます。
きっと、家まで送り届けてくれるでしょう。

6. それでもいっしょにいた女子を求められてしまったときは・・・
吸血を迫られた不運な彼女といっしょにいてあげて、相手の気が済むまで血を吸わせてあげます。
彼女が初体験で怖がっている場合には、先に咬まれてお手本を見せてあげましょう。
複数の女の子を同時に襲うとき、彼は代わりばんこに血を吸う習性があります。
あなたの次には彼女、彼女のつぎにはあなたです。
彼女が「吸血されるのも悪くないな」と思うことができるよう、愉しげに振る舞いましょう。

おなじ吸血鬼に襲われたもの同士は、独特の連帯感や共犯意識をもつことになります。
彼女とは深いおつきあいができるかも。
帰り道を待ち合わせて、ふたりで登下校する関係になります。
並んでベンチに腰かけて。
代わる代わる首すじを咬まれて。
おそろいの色のハイソックスを履いた脚を並べて、恥じらいながらもくまなく咬ませてあげて、
うら若い血潮でバラ色のシミを、たっぷりとつけてもらいましょう。
どっちのシミが派手かしら?なんて言葉を交わせるようになったら、
彼女は心の底まで理解し合えるいちばんの親友、そして恋人になってくれるはず。

7. ドキドキの初体験。そしてさいごは、「男」らしく。
吸血鬼は処女の生き血を好みます。
それと同じくらい、女の子とはもっとエッチな体験をしたがります。
進級や卒業は、ひとつの節目。
新たに入学してくる女の子たちと入れ替わりに、処女を卒業することになります。
初めて犯されるときも、彼女と一緒♪
さいしょにあなたが。それから彼女が。
同じ腕に抱かれて、夢中になって。
親御さんに買ってもらったスカートの裏地を、
親御さんにはナイショの儀式の証しで、真っ赤に濡らします。
ワクワク、ドキドキの初体験。
そして、嫉妬にズキズキ胸を疼かせながら、彼女が犯されるのを見届けましょう。

さいごは「男」らしく、責任を取ります。
あなたは吸血鬼の過ちの責任を肩代わりして、彼女と結婚の約束を交わします。
それからも、ずっと・・・
吸血鬼に抱かれる彼女を目の当たりに、
支配される幸せ、嫉妬のときめき、そして辱められる歓びを深めてゆくのです。

女子生徒5人の人間模様。

2017年07月09日(Sun) 08:46:05

グレーのスカートに、紺のハイソックス。
おそろいの制服を着た女子生徒が5人、内緒話の輪を作っている。

あの5人、どういう関係かわかるかい?
親友のヒロシが、傍らから声をかけてきた。
知っている顔は2人くらい。
2人とも同級生の女子だったから。

高尾みなみに眉川直子だろ?
そうこたえるぼくに、ヒロシはただならぬことを言った。

2人の隣にいるのは、彼氏だよ。

彼氏・・・?
だって、女子の制服着てるじゃないか。

とっさにそう言いかえそうとして、それが愚問であることにすぐに気がつく。
そう。この学校では、男子生徒も女子の制服を着用することがよくあるのだ。
そうしたことに理解のある学校として定評のある、この学校。
けれども、そうした理由だけで女装する生徒ばかりではない。
女子の制服を着た男子ふたりの首すじには、かすかな赤い斑点がふたつ――
吸血鬼の欲望の痕に、違いなかった。

この学校は、吸血鬼も受け容れているんだ。彼らにも生きる権利を認めているからね。
生徒の中にも。父兄のなかにも。そうした人はいるわけだし。
女子生徒の若い生き血目あてに入り込んでくる、ご近所のエッチな小父さんとかまで、受け容れちゃっているんだから。

そう。ヒロシの言うとおりだった。

あの2人のことは、よく知ってるよ。
高尾も眉川も、彼氏に誘われて吸血されたんだ。
それからもう一人いる女子は、眉川の彼氏の妹だ。
たしか、学年はひとつ下だったかな。
もちろん、彼女も吸血されてる。
高尾はまだ処女だけど、眉川は卒業しちゃったんじゃないかな。
吸血鬼に襲われるまえから、彼氏とできちゃっていたからね。
だから、初吸血のときに姦られちゃったらしいよ。彼氏の前で。
彼氏は俺の親友で、本人が言うんだから間違いないよ。
けっこう昂奮するんだって。ちょっと信じられないけど、案外そういうものかもしれないね。
それで眉川の彼氏は、彼女の恋敵に処女の生き血をプレゼントするために、妹まで紹介しちゃった、っていうわけ。

高尾の彼氏もね、
高尾が自分の血を吸った吸血鬼に抱かれて血を吸い取られるのを見ていると、ドキドキしちゃうっていうんだ。
むろん彼は、高尾の初体験は自分で・・・って、ふつうに考えているはずだけど。
もしかしたら、眉川のときみたいに、吸血鬼に姦られるのを視るのも楽しいかなって。
高尾とできたらそうするつもりだし、
初体験を許しちゃうのも・・・案外・・・なんて、言っていたな。
もしかすると、半分以上本気かも。

眉川の彼氏って、その吸血鬼と仲いいの?自分の彼女を犯されちゃったのに?
ああ、二人仲良く、学校帰りに遊びに行ってるくらいだからな。
高尾の彼氏も、彼女の純潔をあげちゃうかもって思うくらい、仲いいの?
そうらしいね。高尾も「どっちがいいかな??」って、マジで迷ってるみたい。

不思議だ。じつに不思議な関係だ。
ぼくはぼう然として、ぶつぶつ独り言をつぶやいてしまう。
そんなぼくのようすをみて、ヒロシはたしなめるように言った。

だってここでは、それが普通なんだから。
むしろ、信用できる相手に彼女の血を吸ってもらったほうが、安心できるんじゃないかな。
相手の吸血鬼にしたって、自分の女だったら、真剣に守ってくれるだろうしね。
ここのシステム、俺はけっこう納得してるんだけどね。

さあ行こうぜ。
ヒロシはぼくのまえに立ち、ぼくを先導するように、まっすぐと歩きはじめる
――グレーのスカートをそよがせながら。
運動部で鍛えたふくらはぎの、しっかりした筋肉は、女子用の紺のハイソックスにしなやかに包まれていて、
男が女子の制服を着ている というよりも。
ボーイッシュな女子が、か弱い男子を引っ張って行っているようにさえ見える。

おい、待て。待てったら・・・!
そういうぼくも、早足になって。
グレーのスカートに紺のハイソックスの格好を、もはや恥じることなく人目にさらしていった。

女子の制服を着て。
自分の彼女の身代わりに吸血されて。
首すじに埋められた牙のもたらす毒液に、それまでの常識や倫理観を麻痺させられて。
彼女を呼び寄せて、血を吸わせる。
彼女が処女だったら、しばらくのあいだは処女の生き血だけを愉しまれて。
すでに彼女とエッチな関係になっていたなら、相手の吸血鬼もまた、そのエッチな関係の輪のなかに入ってもらう。
そんな学園生活にとけ込みつつあることに、ぼく自身、むしょうに小気味よさを感じはじめてしまっている。

わたしはおかま。

2017年04月20日(Thu) 05:35:28

わたしはおかま。
女の人が穿くストッキングが大好きで、
それがきっかけで、こんなふうになった。
わたしはおかま。
醜いおかま。
分は心得ているから、お出かけするのはいつも真夜中。
こんなふうだから、結婚もあきらめて、もう四十過ぎになるけれど、決して後悔してない。
真夜中に出歩くわたしは、もうひとりのわたし。
女の姿をしているわたしと、ほんとうのわたしは、寄り添うようにして、
ふたりきりの真夜中のデートを愉しんでいる。

そんなわたしの目の前に、黒い影が立ちはだかった。
ビクッとしたわたし。
逃げようとするわたし。
でも、おぼつかない足取りを強いるハイヒールは、わたしの動きを封じていた。
うしろから抱きすくめられて首すじを咬まれたとき、相手の正体をやっと察した。
そういえばこの街では、夜は吸血鬼が出没するのだと、薄ぼんやりと思い出していた。
その夜のわたしのお相手は、わたしの血をたいそう美味しそうに、チューチュー音をたてて吸い取っていった。

目まいを起こしてわたしがその場にうずくまると、
男はそれでもしばらくの間、わたしの血を美味しそうにチュウチュウとやって、
それからおもむろに、わたしのスカートをたくし上げ、太ももにまで咬みついてくる。
わたしは思わず、願っていた。
やめて。やめて。このストッキング高いのよ・・・
男の唇が容赦なく、わたしの足許に吸いつけられる。
這わされた舌が、それはしつっこく、わたしの足許をねぶり抜いて、
それからおもむろに、囁いてきた。
あんたの穿いてるストッキング、いい舌触りだな。

もう少し舐めさせてくれという男の願いに、わたしは無言でコクリと肯いていた。
貧血でけだるくなったというのも、もちろんあったけど、
かたちは違っても、男がわたしの足許に魅せられていると、わたしのなかの女心が囁いたから。
そして近場のベンチに腰かけて、貧血にあえぐ上背を、背もたれにしなだれかけながら、
男の求めるまま、薄々のストッキングを穿いたふくらはぎを、好きなように吸わせてしまっていた。

ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・くちゃ・・・くちゃ・・・
情けない音にしどろもどろになりながら、男がむしょうにわたしの脚を咬みたがっているのが伝わってきて、
どうしても咬みたいの?って訊いていた。
薄いナイロン生地越しにしつように這わされてくる相手の舌先から、わたしが抱えているのと同じコアな欲求を感じたから。
男は恥も外聞もなく、せわしない舌づかいで応えてきた。
でも、やっぱりストッキングを破かれるのは気が進まなくて、わたしは切り札を使うことにした。
男だって、気づいてる・・・?
おそるおそるの問いかけに、男はいった。
あんたが女のかっこうをしている限り、俺にとってはレディだから。
それ・・・わたしがいちばん聞きたかった言葉。
じゃあいいわ、咬ませてあげる。
わたしの唇は、しぜんに動いていた。

クフフ・・・ククク・・・
含み笑いの下、わたしの穿いているストッキングがむざんに破かれていくのを見おろしながら。
わたしは思わず、呟いている。

いやらしい。

すまないね。
男はそういいながらも、ストッキングを咬み破る行為に熱中しつづけて、
わたしはただ、本物の女のように恥じらいながら、男の行為を許しつづけた。

それ以来。
わたしの夜道歩きは、頻度を増した。
三日にいちどくらいにするんだよ。
男の言いぐさにもかかわらず、毎晩のように、真新しいストッキングを脚に通して、
男の欲求に応えつづけた。
血を吸われるのも、ストッキングを咬み破かれるのも、さいしょは気が進まなかったけれど、
尽くしたい一心の女心が、わたしの心のなかを塗り替えていった。
男は毎晩尽そうとするわたしのことを気遣って、血を吸う量を加減してくれた。
わたしは男の気遣いに応えるために、毎晩真新しいストッキングを穿きつづけた。
穿き古しでもかまわないのだぞ。
男はそういって気遣ってくれたけど。
女の心意気ですからね・・・と囁き返すと、嬉し気にニマリと笑って、なめらかなナイロン生地の舌触りを愉しみつづけた。
せっかく穿いてきたんですもの。気の済むように愉しんでくださいね。
わたしたちはいつか、心を通わせ合っていた。
化粧が上手になり、しぐさも女らしくなって、
気づいたときにはもう――夜だけは完璧なレディに生まれ変わっていた。

わたしはおかま。
醜かったおかま。
それがいまでは、昼間街を歩けば人も振り返るほどの、魅惑的なレディになっている。
血を吸わせ、コアな欲求に応えつづけたお礼にと、吸血鬼がわたしにかけてくれた魔法。
わたしは今夜も、最高の装いで、彼をもてなすために出かけてゆく。

悪妻のささやき

2017年03月01日(Wed) 07:58:49

あたしたち、お似合いの夫婦だと思わない?
女装趣味の夫に、吸血鬼に寝取られた妻――

あのひとに、貴男の生き血をそっくり、分けてあげてほしいの。
だいじなものをあげるのは、最高の愛情表現だから。
そうよ。貴男はあのひとと、愛し合うの。女と男になって。
最愛の妻の貞操をプレゼントした相手だもの。
たいせつな血だって、惜しげもなく吸わせてあげられるわよね?
それでも貴男は、死なないわ。
恥かしい趣味の持ち主の貴男――
ずうっと生きて、あのひとに抱かれるあたしを、見つめつづけてほしいから。

あのひとね。
黒のストッキングを履いた脚を咬みたがるの。
だからあたし、なん足も咬み破らせてあげたの。
もう1ダースにも、なったかしら?
でもあのひとのお仲間は、おおぜいいらっしゃるんですって。
あたしひとりの血だけでは、足りないんですって。
だからね、あたし考えたの――

貴男が吸血鬼に遭って、血を吸い尽されて死んだって、
嘘の報せを皆さんにお伝えするの。
皆さん、悲しみながら、お式に参列してくださるでしょう。
そう、黒の喪服の下、あのなまめかしい黒のストッキングに脚を通して。
あのひとたちの大好物の、黒のストッキングの脚たちが、
お寺の本堂を埋め尽くすわけ。
黒のストッキングを履いた脚を、吸血鬼に咬ませるための集いだなんて、つゆ知らずに。

偽りの弔いの場は、すぐにあの人たちの狩り場になる。
貴男も参列するのよ。
周りにばれないよう、女の弔問客になって。
女の喪服を着て、自分のおそうしきに参列するの。
其処で貴男は、”貴女”になるの。


さあ、下準備を愉しみましょう♪
貴女をご希望通り、婦人服店に連れてってあげるから♪
そこで試着室に貴女を閉じ込めて、
一着の喪服といっしょに、置き去りにしてあげる。
アラ とっても似合うわよ♪
あたし必ず、そういってあげるから。
嘲り交じりの称賛にも、貴女は勃起するのでしょうね。
婦人ものの喪服に秘めた胸震わせて。

あたしの情夫は、咬み上手。
あなただって、いちころよ。
自分の妻を汚した男に、貴女も征服されちゃうの。
黒のストッキングをパリパリと咬み破られて、
恥にまみれたよだれで、たっぷり礼装を辱められながら、
貴女も堕ちてしまうのよ。
オホホ。あなたったら。
喪服のなかを、ほてらせているのね?
まぁ、なんて恥知らず。
奥さんに強制的に女の服を着せられて。
あなた、昂奮なんか、しちゃっているのね。

そうよ。
あたしのときと、おなじように
貴女も羞じらいながら、ショーツをおろすの。
男らしく(笑)、いさぎよく 貴女も貞操を差し出すのよ
あたしがためらいもなく、そうしたみたいに。
そうね、お式の当日は
あなた、ガーターストッキングを履くといいわ。
あたしがいつも、あのひとのために履いているのと、同じブランドを。
舌触りがとっても、よろしいそうよ。
貴女はあたしと同じストッキングを脚に通して、あのひとに辱められてゆくの。
あたしを汚した同じお〇ん〇んで、弄ばれてしまうのよ。
そして、あのひとの好きな黒のストッキングを脚に通したままの姿で、
辱めを受け容れさせられてしまうのよ。

安心してね
着せるのも脱がすのも、あたしが手伝ってあげるから。
あなた、ワンピースの後ろのチャック、上げ下げすることできないでしょ。
安心してね
あなたが堕ちるときには
お義母さまも
妹の沙織さんも
姪の加奈ちゃんも、いっしょだから。
あたしはもの分かりの良い伯母さまになって
あなたや皆さんの、記念撮影をしてあげる。
加奈ちゃんのお父様の富男さんが、奥様の痴態に昂奮してるところも、
シャッターチャンス逃さず撮らなくちゃね。


お式が済んで、みんな奴隷に堕ちたなら
あなたと一緒に奴隷になるわ
あたしが操を捧げたあのひとに、夫婦一緒にかしづくの。
こんなあたしの悪だくみを許してくれて、
協力までしてくれるあなたが夫で、あたしとっても嬉しいの。


あとがき
前作の翻案です。
この倒錯し過ぎたプロット、けっこう気に入りました。
さいごの一節でわかるように、この奥さんはご主人にぞっこんなのですよ。^^

喪服選び。

2017年02月28日(Tue) 06:50:25

ねぇねぇ、いろんなのがあるわよ。
婦人服店の一角、それもブラックフォーマルのコーナーで、妻はウキウキしながら服選びを始める。
自分の服ではない。
夫であるわたしに、婦人もののブラックフォーマルスーツを買おうとしているのだ。

あなた、こんなのどうかしら?ブラウスにフリルがついているわよ。
それとも、こういうシンプルなのも、初めてならいいかな。
あっ、これもいいかも。腕が透けててセクシーよ。

片手間を装い、おざなりにウンウンと肯きながら、実は熱っぽい目線で服たちを見比べているわたし。
わたしの女装趣味に、妻はとても寛大だ。
女の服になじんだのは。
親しい友人である吸血鬼が妻の血を欲しがるのを抑えるために、
女の服を着て彼の相手をしたのがきっかけだった。

けっきょくわたし一人の血では足りずに、妻を襲われ征服されてしまったいま。
わたしたち夫婦は、夫婦そろって女の服を着て、彼の家へと足を向ける。
おそろいのストッキングを穿いたつま先を、若い血潮をふんだんに欲する男の家へと向ける。

そんな彼が、ひとつの提案をした。
わたしが血を吸い尽されてしまったと、わたしの身内全員に告げることを。
お式にはみなさん、黒のストッキング穿いてくるわよね?
妻が意味深なことを呟いて、自分の情夫を軽く睨んだ。
この街ではしばしばくり広げられる、吸血鬼たちのカーニバル。
偽装された弔いの場は、すぐに彼らの狩り場に変わる。

あなたも、参列しなくっちゃ。
でも、あなただってばれたらいけないわ。
女の喪服を着て、自分のおそうしきに参列するのよ。
そんなきわどい思いつきに妻は夢中になり、妻の愛人もまた、渋るわたしの背中を押した。
面白そうじゃないか、やって見せてよ。

この婦人服店に来る男性客は、意外に多い。
わたしのような寛大な夫たちが、多く住む街だから。
男性用の試着室へと妻に伴われ、狭い試着室のなか、真新しい喪服といっしょに置き去りにされる。
ワンピースの脱ぎ着は、どうしても背中に手が届かなくって、妻に手伝ってもらった。
漆黒のブラジャー、漆黒のスリップ、漆黒のショーツ。
そして、深い深い黒一色のワンピースにボレロ。
足許はもちろん、薄墨色のストッキング。

女の服を着た夫をまえに、妻は無邪気にはしゃぎながら。

いいわあ。いいわあ。とっても似合う♪
このカッコであなた、吸血されるのよ。
あのひとの牙は強烈よ。あなた、いちころで参っちゃうはずよ。

わたしの記憶では。
咬まれて、いちころに参っちゃって、妻まで紹介してしまったのは、わたしのほうのはず。
でも、そんな順番は、いまではもう、どうでもいい。
偽りの弔いの席には、兄夫婦も妹夫婦も呼んである。
もちろん、彼らのあいだの年ごろになりかけた娘たちも来るだろう。
それに、この女にとっては目の上のこぶである、自分の姑もそのひとりのはず。
しつけに厳しかった気丈な母が、全身から血をむしり取られて淫らに堕ちる光景を、わたしは目にすることになるのか。
あらぬ妄想がつぎからつぎへとわいて出て、黒の喪服に包まれたわが身は、妖しくほてり始めてくるのだった。

お見合い相手。

2017年02月23日(Thu) 08:03:09

そのひとをひと目見て、
グッと引き込まれるような、引力を感じた。
若い女性と接することで、そういう気分になったのは、ぼくにとっては初めてのこと。
栗色のロングヘアに包まれた、かっちりとした輪郭の細面。
細いけれども秀でた眉の下、大きな瞳が魅力的に輝いていた。
けれどもぼくを一瞬にしてひき込んだのは、そういう表むきの美しさだけではなかった。
なにか得体のしれない、独特のかもし出す雰囲気が、
寄り添うほどの親近感をもって、しなやかに柔らかく、迫って来たのだ。
さいしょの数秒だけで、このひとと結婚しても良いかな?と思えたのは。
その場がお見合いの席で、その女性――里美さんが当のお見合い相手であった以上、
これほど幸せな瞬間はなかったことになる。

父の知人のえらい人という仲人夫婦も、先方のご両親も、
どうやら頭のあがらない相手らしい仲人に、終始気を使いつづけた両親も退席して、
ふたりきりになっている――と気づいたのは、話がはずんで二時間ほども経った頃のことだった。
「もういいでしょう、私の秘密をお話しますね」
しっとりと落ち着いた口調で、里美さんはそう切り出した。
その秘密とは、もしも結婚を考えてくれるのなら、そのまえに話さなければアンフェアになることで、
ふつうなら、じゅうぶん結婚の障害になり得ることでもあるという。
危うく里美さんにひと目惚れしかかったことが、彼女に通じたというのか。
いや、それだけでは、きっとないはず。
秘密というのは、自分にとって重要な存在になるかもしれない相手と認めて、初めて打ち明けるべきもののはず。

「私、トランスジェンダーなんです」
はっきりとした口調で、さりげなく綴られた告白。
気後れすることのない語調を吐いたそのひとは、まっすぐな瞳で、ぼくのことを見つめ返してくる。
トランスジェンダー。
かつてこの女(ひと)は、男性だったという事実――
「そんなふうには、とても見えません」
思わず口走ったぼくは、坂道を転げ落ちるように言いつのろうとした。
もしもあなたがそうだとしても、そんなことはなんの障害にもならないこと。
両親がどういうか、そこだけはちょっとだけ気がかりだったけれど、
何よりも自分たちがもってきた、ほぼ無理やりの縁談だったはず。
仮に反対があったとしても、押し切るつもりがあるということ。
そのうえ、なによりも・・・
ぼくの言いたいことを彼女はさえぎるように、さらに口調を強めていた。
「もうひとつあるんです」

吸血鬼の存在って、信じますか?
いえ、ムリにお信じにならなくてもいいんです。
私、吸血鬼に血をあげつづけているんです。
相手は親よりも年上の男性・・・私、そのひとのために、女になったんです。
でも彼は、おおぜいの女性を相手にしないと、生きのびられない。
そして私は、私をたった一人と思ってくれる男性と、添い遂げたいと望んでいる・・・
どうすればいいんでしょう?私。

言いたくないことを口にせざるを得なかった人のもつ、
寂しく、恥ずかしく、後ろめたい想いをめいっぱいよぎらせて、
里美さんは身をよじらせるほどに顔つきを翳らせ、うつむいた。

あの、ひとこといいですか・・・?
こんどはぼくが、打ち明ける番だった。

ぼく、女装趣味があるんです。
物心ついたころから、女のひとの服を身に着けたいという願望があって、
母のスカートを内緒で履いているところを見つかって、物凄く叱られて、それがトラウマになって。
それでも、女装することをやめられなくって。
思い詰めた両親は、ぼくを結婚させることで、そういう世界から断ち切ろうとしているんです。
でもたぶん、ぼくにはそれができない・・・

「わかりますよ」
里美さんはもとの落ち着いたほほ笑みを取り戻し、ぼくのことを見つめている。
そして彼女は、悪魔のような囁きを、ぼくの耳の奥にこびりつかせたのだ。

――もしもこんな私とご縁を続けてくださるつもりがあるのなら。もういちど、逢っていただけませんか?
・・・・・・こんどは女の服を着て。

「まあ、素敵」
長身の里美さんは、ぼくとさして変わらない高さの目線で、柔らかな瞳を輝かせた。
服の選択にはポリシーがあったけど、メイクにはあまり自信がないぼくのことを、包み込むような優しい視線。
「女どうしとしても、お友だちになれそう」
そういう彼女とは、服の好みも似ていたのかも。
楚々とした立ち姿の里美さんは、ワインからのボウタイブラウスに、紺のロングスカート。
人前に女装姿をさらすのが初めてのぼくは、純白のボウタイブラウスに、ライトイエローのタイトスカート。
申し合せたように脚に通した黒のストッキングのつま先を並べて、行く先は仲人夫妻のお邸だった。

案に相違して、仲人夫妻は不在だった。
代わりにその邸で待ち受けていたのは、里美さんの血を吸っているという吸血鬼――
案に相違して、ごく穏やかなジェントルマンだった。
「映画に出てくるような化け物を連想していましたか?」
ご期待に添えなくてすみません、と、老紳士は快活に笑った。

ぼくの女装姿は、あるべき女性の理想像だった。
じゅうたんのうえにあお向けになって。
首すじに、そのひとの唇を受け容れたとき。
ぼくの胸の奥に棲みつづけていた理想の女性は、彼のものになっていた。
そして、女としてのぼくを捧げることに、ぼくはぼくなりの歓びをひたひたと感じていて、
そんなぼくのようすを、里美さんは目を潤ませて見つめつづけていた――

彼女と結婚します。
婚約期間は、1年――
ちょっと長いかもしれませんが、理由はわかりますよね?
貴男に、里美さんの血を処女のまま、長く愉しませてあげたいから。
そしてぼく自身も、ぼくの婚約者が貴男と密会をつづけることを、愉しんでしまいたいから・・・

婚礼の席で。
母も、姉も、妹たちも、吸血鬼の小父さまの縁類たちに、淫らなお祝いをされていった。
そうなるまえに。
母も、姉も、妹たちも、順ぐりに。
里美さんをモノにした小父さまの毒牙にかかって征服され、堕とされていたから、
父も、妹の彼氏たちも、姉婿までもが。
その状況を受け容れて、ただの男として、愉しんでいた。

幸せのるつぼ。
婚礼の最初は、タキシードだったぼくは。
お召し替えのときに、里美さんとおなじ純白のウェディングドレスに着替えていて。
誓いのキスのあと、衆目の見つめる中、里美さんと代わる代わるに、小父さまの熱い唇を首すじに受け止めていったのだった。

タウン情報 吸血鬼を受け容れた街に新現象――ひっそりと広まる女装熱

2017年01月24日(Tue) 06:57:19

「来週から、女子の制服を着て学校に行きなさい」
高校二年生のとき、岸村裕美さん(仮名)は父親からそう言い渡され、面食らった。
翌日母親に付き添われて町内の制服販売店に行って採寸してもらい、
数日後にはできあがったばかりの女子の制服を着用して登校するようになったという。
受け入れ側の学校は、事前に父兄からの届出を受理しており、担任を通じて周知もされていたため、
同級生をはじめとした学校関係者は、女子の制服を着用した裕美さんを違和感なく受け容れたという。
「うちの学校の制服はブレザーだったので、まだ違和感は少なかったと思います。
 セーラー服の学校の子は、登校初日の緊張感がハンパじゃなかったみたいですよ。
 でも、私のときも、スカートの下がスースーして、慣れるのに何日もかかりました」
裕美さんは、笑いながらそう語る。

女子の制服を着用して登校する男子生徒は、同校ではそれほど珍しくないという。
街は数年前から吸血鬼と共存を開始しており、女性の家族や知人の身代わりとなるために女装をする男性が増えたためである。
市内に三店舗ある制服販売店にもこうした現象は認知されており、男子生徒が女子用制服の採寸をするための試着コーナーを設けているところもある。
制服販売店を経営して30年になる「尾釜制服店」の店主(55)は、
「数年前、それまで売れ残っていた大きい子用の制服の在庫が一掃されて大助かりだったのですが、
その後も注文が相次ぎ、問屋さんにも事情は話せず困りました」
と笑う。

斜陽化著しかった呉服店も、息を吹き返しつつある。
「この数年、成人式のお振袖を着たいという男性が目だっています。特に赤や紫など、普段は着られない色が好まれているようです」
創業百二十年以上という「須木物和装店」の店主(70)も、そういって目を細める。
「いまの若い人は、いいですね。私のころには考えられなかったことです」
レンタルよりも買取が圧倒的に多いのは式後に恋人の吸血鬼に振り袖姿を披露し、血を吸ってもらうからと言われているが、
日常も好んで婦人物の和服に身を包む男性が増えるなど、
「家族の身代わりに吸血されるため」という本来の意図を越えたかかわり方をするケースも増えてきたようだ。

最初に取材した裕美さんは言う。
「私は男女どちらでもありそうな名前だったので不自由していませんが、明らかに男の名前という人は、名前を変えちゃう人もいるようですよ」
最初は「息子を生んだはずなのに」と嘆いたという両親は、自身も吸血を体験してからは裕美さんの立場に理解を示すようになり、
誕生日には婦人物のスーツをプレゼントされることもあるという。
市内の企業にOLとして勤務する裕美さんは、近々市内に住む20代の男性とお見合いをする。
「いまでも正式な場での着付けは、母に見てもらっているんですよ」
と恥じらう裕美さん。良縁に恵まれることを記者も願っている。

女装OLとして献血。

2016年12月06日(Tue) 07:47:01

出勤前には毎朝シャワーを浴びて、肌に念入りにみがきをかける。
まるで恋人に逢いに行く女のように、念入りに。
ボタンの向きがいつもと逆のブラウスを着込んで、穿きなれないスカートを腰に巻きつけて。
薄々のストッキングのしなやかな肌触りを脚ぜんたいに帯びていく。
短い髪の頭にロングヘアのウィッグをかぶり、妻の手で施される念入りな化粧に目を瞑り、
さいごに真っ赤なルージュを引く。

どうみたって男かも知れないけれど。
後ろ姿は少なくとも、立派なOL。
こんなふうにして、勤め先では男子社員が交代で、OLとして勤務している。
そんな日は、重役室に呼びこまれて、一日じゅう、来客として訪れる吸血鬼を相手に、身をゆだねていく。
首すじを咬まれ、スリップ越しに身体をなぞられ、股間に一物を受け容れさせられたりさえしてしまいながら。
一日を、吸血鬼に襲われるOLとして、演じ抜く。

その夜は。
自分の血を吸った男を家に招び入れて。
夜の客人の相手をつとめるのは、妻の役目。
まるで結婚式にお呼ばれをしたときみたいに着飾った妻は目の前で、
ドラキュラ映画のヒロインを演じる。
ストッキングを片脚だけ脱がされて、
もう片方もひざ下までずり降ろされたストッキングの脚をばたつかせながら。
貧血でもうろうとなった夫のまえ、妻は不倫の情事に耽ってゆく。

ほんとうのお目当ては人妻の生き血なのだと知りながら。
それでも男たちは、目ざめてしまった女装の罠から、逃れることができない。
きょうもまた。
わたしは妻に見送られながら、ロングヘアのウィッグを外気になびかせて、通勤路をたどっていく――

成長、もしくは忌むべき連鎖

2016年11月27日(Sun) 08:32:22

「こんにちは。入ってもいいですか?」
硝子戸の向こうから、男の子の声がした。
「ああ、どうぞ」
仲間の一人が、声にこたえる。
声にこたえて、硝子戸がガラリと開いて、その向こうから制服姿の少年が3人、ぞろぞろと入ってきた。
紺のブレザーに半ズボン、同じ色のハイソックス――地元中学の生徒たちが、
折からの寒気に頬を赤くして、部屋にあがってくる。
「ようこそ、きょうの身体の具合は?」
仲間の問いにこたえて、先頭の一人がいった。
「絶好調です!」
それはなにより――部屋にいた三人は顔を見合わせ、笑みを交し合う。
三人が三人ながら、そろいもそろって顔色を蒼くした吸血鬼だった。

一人ずつ相手を選んで、相手の男の子を畳部屋に寝そべらせ、まろばせてゆくと。
あるものは男子にしては白い首すじに、
あるものは半ズボンのすそから覗いた太ももに、
あるものは紺のハイソックスを履いたふくらはぎに、
飢えた唇を吸いつけてゆく。
ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
ずずっ・・・じゅるっ。
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
三人三様の音をたてながら、ひたすら飢えにまかせて、若い血潮を味わっていった。
少年たちは慣れているのか、欲情にまみれて迫ってくる年上の男たちから目をそらしながらも、
無抵抗に身体の力を抜いて、訪れる陶酔に身を任せてゆく。

「おっと、少し吸い過ぎたかな」
少年のひとりが起きあがりざまよろけると、吸血鬼たちはとっさにその少年をかばうように手を差し伸べる。
真智くんの血は、美味しいからねえ。
微妙なほめ言葉に、それでも真智君と呼ばれた少年は照れ笑いを泛べる。
吸血する側も、される側も、ふだんは顔見知り同士の、小さな街。
血を吸う側は少年たちの親たちとも交流がある。
親たちは彼らの所行を見て見ぬふりをすることで、彼らの生存を間接的に手助けしているし、
容赦されていることを知っている吸血鬼たちは、感謝をこめて少年たちの首すじに牙を埋める。
調子に乗って多少吸い過ぎてしまうことはあっても、悪意をぶつけるような襲いかたは決してしない。
まして、死なせてしまうことなどもない。
だから少年たちは安心して、近所の家に遊びに行くような気軽さで、彼らの棲みかとなっている小屋を訪れるのだ。

彼らは学年が進むと、吸血鬼がほんとうに欲しがっているのが女子の血であることを悟ってゆく。
「ぼくはこれから、女子の制服を着て学校に行く」
息子がそう親に告げると、親はなにが起きているかを言外に察して、
地元の制服専門店で、女子の制服をしつらえる。
少年たちの通う学校は男子校だったけれど、かなり以前から女子の制服も制定されていた。

男子校のはずなのに、女子の制服を着ているものが半分を占める、不思議な私立校。
スカートに半ズボンのちがいはあっても、例外なく紺のハイソックスに包まれた足許は、男女の区別がつかないほどだ。
男の子たちはやがて、そのほとんどが、自分の意思で女子の制服を選択するようになって、
放課後、吸血鬼の待ち受ける小屋へと足を運んでゆく。
「ぼくが襲われているのか、ほかの女の子が襲われているのか、時々わかんなくなることがある」
ある少年は、そういった。
事実彼らはそのうちに彼女ができると、それぞれ彼女を伴って、ふたたび小屋を訪れるようになる。
「制服汚されたら、困るんですけど」
男子生徒に伴われた女子生徒たちは、だれもがはにかみながらそういうと、
イタズラっぽく笑いながら、紺のハイソックスの脚を、飢えた唇のまえに差し伸べてゆく。
一時間ほどもすると。
女の子たちは白い顔をして彼氏に連れ出され、そして恋人に囁くのだ。
「こんどはストッキング穿いた脚を咬みたいんだって。いっしょに来てくれるよね?」
優しく睨みあげる女の子の目線をくすぐったそうに受け流して、
でも少年たちは彼女の意向に逆らうことができなくなってゆく。

これを成長と呼ぶのだろうか。たんに忌むべき連鎖と片づけるべきなのだろうか。
きょうもまた、いろいろな想いを抱えた生徒たちが、古びた小屋へと連れだってゆく。

母さんは夜汽車に乗って

2016年11月24日(Thu) 05:55:20

母さんは夜汽車に乗って、吸血鬼に抱かれに行く。
そんな夜、父さんはぼくに、母さんの喪服を着せて、いっしょに寝(やす)む。
ぼくは女になり切って、父さんの相手をする。
母さんになり切りながら、吸血鬼に抱かれる母さんのことを想像し、
ぼくは父さんの昂ぶりに、波長を合わせていく。
きっと父さんも同じ想いなのが、素肌をすり合わせることで、伝わってくる。

きっと将来、ぼくのお嫁さんも、吸血鬼のいるあの村に、連れて行くことになるはず。
未来の花嫁が吸血鬼に処女を捧げる寝室のすぐ隣で、
ぼくはやっぱり彼女の服を着て、だれかに犯されていくのだろう。
そんな想像に、むしろ歓びを感じてしまう。いけないぼく――

男と浮気妻

2016年10月23日(Sun) 17:59:53

性には淡泊なほうだった。
30過ぎで結婚して、2年ほど経つけれど、セックスの回数はどんどん疎遠になっていって、
妻も内心の不満を抑えつつも、子供をあきらめかけているようだった。
そんなわたしが、こともあろうに、”男”にハマってしまった。
相手は取引先の、年齢不詳の男。
たまたま出張先で同室に泊まり合わせて、いっしょに酒を飲んで部屋に戻って、気がついたら抱かれていた。
その晩ひと晩のあいだに、わたしはすっかり作り変えられてしまっていた――

来る夜も来る夜も、彼との激しい情事なしに帰宅することはなかった。
そして疲れ果てたわたしは、妻を抱くこともなく眠りをむさぼった。
そんなあるとき、彼からのおねだり――奥さんの服を着て、逢ってくれないか?
わたしが小柄で、妻と同じくらいの背格好であることは、彼はとっくに知っている。
もちろん、ふたつ返事でOKした。

わたしが狙ったのは、季節外れの夏物の服。
クリーニングして戻しておけば、たぶん気づかれないだろう。
というよりも。
そんな配慮以前に、わたしは彼に尽くすことに夢中になって、後先考えることなく行動に移してしまっていた。

純白のボウタイブラウスに薄紫のタイトスカート、肌色のストッキングを身に着けたわたしに、
男はいつも以上に息荒く、のしかかってくる。
初めて気がついた。
妻になり切って犯される。
男の要求している趣向は、まさにそういうことなのだ。
わたしはいままでにないエクスタシーに喘ぎながら、女になり切って、朝まで辱め抜かれていった。
別れぎわ、男は言った。こんどは奥さんを連れて来い。
いつにない命令形に、強引にされる快感さえ覚えたわたしは、奴隷になった女のように、頷いていた。

無断外泊をしたわたしに、妻は目を尖らせた。相手の女に会わせて頂戴。渡りに船とはこのことだった。
わたしはさっそく男と連絡を取って、奥深い森のに隠れたその住処へと、妻を伴って訪問した。
すでになん度も訪れたことのあるその家は、わたしにとっては勝手知ったる場所だったが。
妻はもとより不案内で、勢い込んで来たのはよかったけれどと、きょろきょろと滑稽なまでにあたりのようすを窺っていた。
そんな妻を男と二人きりにすると、わたしはいちぶしじゅうを隣室で見届けていった。
すでに男を識ってしまったわたしにとって、もはや彼がすべてと思えるほどだったから。
セックスの対象ではなくなった妻が抱きすくめられるのは、思ったほどの痛痒さえ、伴わなかった。

妻がよそ行きのスーツを着崩れさせて、いともあっけなく陥落して、アヘアヘとだらしなく乱れてしまうのを、
わたしはしらっと眺めていたが――そこでふたたび、変化が起こった。
男の腕に抱かれているのは、わたし・・・?
そんな想いが兆したとき。
わたしのなかで、彼の腕のなかにある妻とわたし自身とが、瞬時に入れ代わっていた。

脱げかかったストッキングをひらひらさせながら、大胆に脚を開いて応じてゆく妻は、わたし自身。
もっと・・・もっと・・・そうせがむ妻の喘ぎは、わたしの声。
妻の痴態とわたしの願望とは、ぴったりひとつに重なっていった。

男が立ち去ったあと。
乱れた着衣をわたしの前でごまかしようもなくなった妻に、わたしは獣と化して飛びかかっていた。
男はわたしたちを、車で送り届けてくれて――その晩ひと晩じゅう、わたしたち夫婦は、いままでにないセックスに入りびたりになっていった。

男がスッとわたしの前から姿を消したのは、それから間もなくのことだった。
けれども妻はひそかに、男と逢いつづけているらしい。
わたしの留守中には男と逢瀬を愉しんで。
わたしが戻ってくると、セクシィに着飾って、夫婦の営みに応じてゆく。
ひところ男にはまったわたしは、いまは浮気妻に乗り換えていた。
浮気帰りの妻が、男と交し合った汗の匂いをぷんぷんさせながら、夫婦のベッドで大の字になるそのうえに、
わたしは鼻息荒く、のしかかる。
妻に子供が授かったのは、それからいくらもしない頃だった――

お見合いの条件。

2016年10月21日(Fri) 07:29:50

じつはわたし、女装者なんです。
職場にも、離れて暮らす家族にも、内緒なんですが。
オフのときにはいつも、女性の恰好をしています。
性対象は女性だけですよ・・・たぶん。
でもね。
結婚しても、女装はやめられないと思うんです。
夫婦なのに女ふたりの外見で出歩く夫婦なんて・・・おかしいでしょう?
そういうのがどうしても耐えられない・・・というのなら、
どうかこのお話はなかったことにしてください。

女装がお好きなんですね。かまわないじゃないですか。
私は気にしませんよ。家にいるときくらい、リラックスなさればいいと思います。
あなたとは服のサイズが近そうだから、着れる服が合ったら貸してあげてもいいですよ。
では、私の事情も話しますね。
じつは私、つき合ってる人がいるんです。
相手は結婚している方で・・・でもセックスの相性がよくって、結婚しても別れられそうにありません。
あなたの留守中にその人に逢いに行ったり、時には家にいるときでも出かけてしまうかもしれません。
結婚したばかりなのに日常的に浮気されるなんて耐えられない・・・というのなら、
どうかこのお話はなかったことにしてください。

このお二人は、結局いっしょになったようです。
奥さんはご主人に見送られて浮気に出かけていって。
そんなときでもご主人は、女の姿で見送ったり、送り迎えをしてあげたり。
そのうちに、奥さんの浮気相手に、ご主人のパリッとしたスーツ姿が目に留まって、
夫婦ながらひとりの男性に愛されるようになって。
いまでは二人連れだって、女ふたりでその男性のところに心ウキウキと通う週末を過ごしているということです。


あとがき
こんなカップルがいてもいいかな・・・と思い、描いてみました。

交際それぞれ

2016年10月11日(Tue) 07:59:52

麻利絵ちゃんは、すでに経験者。
彼氏と初エッチしたあと、彼氏の悪友の吸血鬼のところに連れていかれて、血を吸われちゃったそうです。
ほんとうは、エッチのまえに血を吸わせるものだって、彼氏怒られていたけれど。
そのあと、吸血鬼はセックスをしたことのある子の血を吸うときには、エッチもしちゃうって聞かされて。
彼氏の前で、エッチまでされちゃったみたい。
一日でふたりの経験しちゃって、いいのかなーって、麻利絵ちゃん言ってたけど。
そのわりにあんまりシンコクそうじゃなかったのは、
麻利絵ちゃんが犯されるのを見た彼氏が昂奮しちゃって、
それからも二人がしているところを見たがって、すすんでふたりを逢せるようになったからなんだって。


百合香ちゃんはつき合っている男の子はいるけれど、エッチはまだ未経験。
やっぱり怖いって言っていたら、彼氏がセックスの話題を明るく話してくれて。
「さいしょは痛いけど、あとからだんだん、キモチよくなるんだよ」って、教えてくれて。
なんのことかと思ってついて行ったら、其処には吸血鬼が待ち構えていて。
百合香ちゃん、ガブリッ!って、咬まれちゃったんだって。
でも、百合香ちゃんはそれから、咬まれるのにはまっちゃって。
また逢わせて・・・って、彼氏にお願いしているんだって。
彼氏が逢わせてくれたのは、彼氏の叔父さんで、処女の生き血を欲しがっていたらしくって。
それからというもの、週に1~2回の割合で、叔父さんのところに連れて行ってもらってるんだって。
彼氏に連れて行ってもらうのは週1か2だけれど、
それ以外に2、3回こっそり叔父さんと逢っているのは、まだ彼氏にはナイショにしているらしい。

結衣ちゃんは、うちの女学校に女装して通学している、おませさん。
制服が大好きで、うちは女学校なのに30倍の競争率を越えて入学を許可されたんだって。
うちの学校に棲みついている吸血鬼さんも、制服が大好きで・・・同じ趣味で、気が合っちゃったみたい。
だから結衣ちゃんは、いつも吸血鬼の小父さんの好みに合わせて、紺のハイソックスを履いてきて、
「あなたに愉しんでもらうために履いてきたの。咬み破られても泣かないからね」って、お約束しているんだって。
咬み破ってもらったハイソックスは、その場で脱がされちゃうんだけど。
脱がされたハイソックスが1ダースになったら、今度はつき合っている同級生の若菜ちゃんを、紹介してあげるんだって。
おそろいの制服で、おそろいの紺ハイソの脚を、順ぐりに咬ませてあげるのが夢なんだって。
結衣ちゃん、若菜ちゃんのことよろしくね。しっかり、導いてあげてね。
そして二人で愉しく妖しく、堕ちるんだよ~っ☆

某男子校の学校案内より。

2016年10月05日(Wed) 07:57:52

【女子制服の着用について】
当校では、情操教育の一環として女子の制服の着用を認めています。
希望者には指定のセーラー服もしくはブレザーを頒布しています。
入学段階から女子の制服を着用して登校する生徒は、全体の約1割程度ですが、
学年によってばらつきはあるものの、卒業時にはほぼ半々になっています。
そのために、当校は共学校と誤解されることもあるようです。
キャンパスライフは自由を旨としており、詰襟の男子生徒と女子の制服を着用した生徒との疑似的な男女交際も盛んです。
自由な気風の中で、生徒たちはマイノリティへの共感や自由の中の責任といったことを学んでいきます。

【地域との連携~血液提供を目的とした、吸血鬼の受け入れについて】
当校の所在する〇〇市は、「吸血鬼と人間の共存」を目指しています。
そのため、当校も市の方針に従って、若い血を求めてさまよう吸血鬼の来校を、積極的に受け容れています。
来校した吸血鬼には、生徒や父兄、教職員に対する吸血を行う権利を付与しております。
吸血鬼に対する献血行為に協力することは、入学許可の必須条件となっておりますので、ご注意ください。
献血行為に協力する義務を有するのは、生徒本人及びその家族を含みます。
ご子息の入学が決定次第、ご本人様及び父兄の方々全員に、誓約書の提出をお願いしております。

なお、この種の来校者は、女性に対する吸血を好む習性があります。
生徒のお母様、姉妹のかたの来校を、極力歓迎します。
女子の制服着用を希望する生徒は、特に好んで吸血される傾向にありますので、体調管理にご留意をお願いします。

男子生徒を対象に吸血する場合も、来校者が好んで脚を咬む習性をもつことに対応し、男子生徒の制服は季節を問わず半ズボンを指定しております。
ハイソックスの着用が義務づけられていますが、婦人用ストッキングの着用も可とします。
靴下を着用したまま吸血されるケースが多々発生しますが、通学用のハイソックスは校内の購買でも頒布しますので、ご活用ください。

PTAの会合でも、随時、来校者に対する歓迎行事が開催されることがあります。
保護者(特にお母様)の協力が必須となります。ご理解ください。
PTAの会合にご出席の際は、スカート・ストッキングの着用が奨励されております。ご協力ください。
生徒の姉妹の参加が歓迎されるのはもちろんのこと、お父様、ご兄弟の方々の婦人服(女子制服)着用によるご参加も歓迎しています。

結衣の通学路

2016年10月04日(Tue) 07:52:28

朝からヘンな気分にさせられちゃって、もぅぅっ・・・
制服姿の結衣は勉強机に頬杖を突きながら、
さっきから足許にかがみ込んでいる吸血鬼を見おろし、にらみつける。
尖った視線がよけいにうれしいらしくって。
男は結衣の足許に忍ばせる唇を、余計せわしなくうごめかせた。
唾液のたっぷり浮いた舌でなぞられた紺のハイソックスは、だらしなく脛の半ばまでずり降ろされて。
あぐぅ・・・
と嚙みついてくる牙に、裂け目を拡げた。

あぁぁぁぁ・・・っ
結衣はマジな声になって、椅子から転がり落ちるように、畳に横倒しになってゆく。
くくく・・・
それが思うつぼだったらしい。男は、こんどは結衣の上体にのしかかった。
肩までかかる黒髪を掻きのけて、首すじをたんねんに噛んでゆくのだ。
あっ・・・あっ・・・あっ・・・
声をあげてあえぎながら、結衣は思う――きょうは学校休もう。

ホラ、遅刻するぞ。
男は貧血と眩暈に立ち眩む結衣を引きたてるようにして、玄関に向かわせる。
台所からは、結衣の母親の声。
ほら、結衣ちゃん、遅れるわよ。早く学校行きなさい!
当たり前の日常の、当たり前の母の𠮟り言葉。
でも母は知っている。
結衣がほんとうは男の子で、学校公認で女子の制服を着て通学していることを。
吸血鬼が宿るこの家で、結衣がすでに大人の女になって、同性の彼氏を裏切りつづけていることを。
今朝も結衣といっしょに学校に行こうと誘いに来た彼氏が、物陰に隠れて、
結衣の吸血シーンを、息をつめ昂ぶりながら見守りつづけていたことも。

学校をさぼって、きのうで三日。そうだ、きょうは学校行かなきゃ。ノリくんが心配する。
結衣にとって学校の価値は、彼氏のノリくんとイコールだった。
数学は苦手でも、そういう方程式だけは得意である。

家を出たとき、吸血鬼はもう追いかけてこなかった。
きっといまごろ、ママを襲っているころだろう。
あ いけない。
結衣は一瞬、立ち止まる。
だって・・・咬まれてよだれで濡らされたハイソックス、そのまま履いてきちゃったから。
でも・・・もう行かなきゃ。遅刻しちゃう。

よう、待ったぞ。きょうも休みかよって思っていた。
そういって寄って来たのは、彼氏のノリくんだった。
ノリくんとはまだ、セックスしてない。本人も童貞だって、照れずにそう告げていた。
いつか・・・ノリくんに教えてあげよう。あたしが吸血鬼のおっさんから教わったセックスを。
渦巻く想いを笑顔の裏側に押し込めて。結衣はにっこりと笑み返す。
ウン、行こっ。
勢い良く踏み出した紺のハイソックスの足許を、彼氏がチラチラ盗み見るのをくすぐったく感じながら。
結衣はわざとらしいほどら明るい話題で、通学路を華やがせていった。

真夜中のデート

2016年09月12日(Mon) 07:53:54

街に出没する吸血鬼は、夜な夜な乙女の生き血を求め歩く。
狙われた彼女の身代わりに、彼女の制服を着て夜歩くボクは
たちまち彼の、餌食になった。
女装に目ざめたのは、はるか前――
彼女にはいえない願望を、人知れず遂げたボクは、
乙女を襲いたいという彼の願望を、半分だけかなえてしまっていた。

彼は幸いにも、ボクを男と気づきながら。
血を吸い終わる最後まで、ボクを女の子として扱ってくれた。

それ以後は、感謝の気持ちさえこめて、彼に血を吸わせる日々――
きみの彼女を襲いたい。
いつの間にか魅入られてしまったボクは、
そんな彼のいけない願望を、ついにかなえてあげてしまう。

ボクの目のまえ、抱きすくめられて。
セーラー服のえり首の、三本走った白のラインをバラ色のしずくに浸しながら、
彼女はうっとりと、吸い取られてゆく。
その姿をうっとりと見つめるボク。
そんなボクのことを彼は、下僕としてではなく親友として遇してくれた。

きょうもボクたちは、真夜中のデートを愉しんでいる。
いつしか彼女のスカートの奥までむさぼるようになった彼は、
ためらう彼女を、花嫁修業なのだといって騙し、
たかぶるボクは、上手になってからお嫁に来てねといって背中を押した。

彼女がセックスされてしまうのをのぞき見するのは、
彼女とセックスするのと同じくらい、昂ることができるのだと知ってしまったボクは、
おそろいのセーラーの襟首並べて、
おそろいの紺のハイソックスのふくらはぎを吸わせて、
同じようにスカートをたくし上げられ、股間を侵されて、
互いに互いの痴態を見つめ合って・・・
いつしか真夜中のデートを、やめることができなくなっていく――

ぼくの純潔。 名門校のハイソックス

2016年09月03日(Sat) 06:12:13

公園に足を踏み入れた途端、しまったと思った。
この刻限だと、ここには間違いなく、吸血鬼の小父さんがぼくを待っている。
若い血潮を吸い取りたいと、喉をカラカラにひからびさせて。
気に入ってもらえたぼくの制服姿もきっと、彼の期待値のなかに含まれているのだろう。
それはもちろん、かまわない。
だって、そのためにここに、やって来たのだから。
ところが、なんと不覚だったことか、今夜にかぎって脚を通してきたのが、
大事にしている某有名校の指定もののハイソックスだったのだ。
ネットでン千円でせり落とした値段もさることながら、入手そのものが難しい品物で、
特別のときじゃないと履けない代物。もちろん、咬み破らせてしまうわけには、いかなかった。

でも、すでに公園の入り口を通り抜けてしまった後のこと。
いままでになん足、小父さんにハイソックスを履いたまま脚を吸わせて、咬み破らせてしまったことだろう?

おや、きょうはいつになく、おどおどしているね?
ぼくの怯えたようすが好ましかったのか、小父さんは我が物顔に、ぼくのことを引き寄せて、首すじを吸った。
鋭利な牙が、首のつけ根にチカリと咬み入れられてくる。
皮膚をじわじわと冒される感覚に、ぼくはゾクゾクしながら佇みつづけた。

ひとしきり、血を吸わせてあげると、ぼくはおずおずと切り出した。
  お願いがあるんだ。きょうのハイソックスは破かないで。
  めったに手に入らない、名門の女子高の指定ものなんだ。
本物の小娘みたいに手を合わさんばかりにして懇願するぼくに、吸血鬼は寛大だった。
寛大というか、同好のものの目になって、訊いてきた。
  へえ、どこの学校のやつだね?よく見せてくれないか?
ぼくはいつものようにベンチに腰かけて、そっと脚を差し伸べる。
視線を集中させられた足許が、微妙にくすぐったい。
  んふぅ・・・なるほど。学校名の頭文字がワンポイントになってるんだね。
  これはたしかに、気になる靴下だね。いくらしたんだい?
ネットで落とすのがたいへんだったこと、すんでのところ制限時間ぎりぎりでせり落としたことなどを、
ぼくも同好者の言葉で、彼に伝えていた。
彼もまた、それをくすぐったそうに、耳を傾けてくれている。

破かない代わりに、たっぷり舐めさせてあげることにした。
いつもより念入りに、しつように、彼は舌を這わせてくる。
名門女子校のハイソックスは、誇らしげな学校名のイニシャルの縫い取りもろとも、
唾液をたっぷりなすりつけられ、しみこまされて、
ふさわしくないあしらいに耐えかねるように、くしゃくしゃになってずり落ちてゆく。

凌辱される女学生――そんな言葉がふと、頭に浮かんでいた。
もちろん――名門校のハイソックスを履いたままの脚は左右に割られ、
ひどく熱っぽいやり口で、ぼくは股間を侵されていった。
お互い、よほど昂奮したときじゃないと、ここまでたどり着かないはずなのに。
その夜にかぎって、二度も三度も、ぼくの貞操はむさぼられていった。
ぼくもまた、名門校の女学生になり切って。
彼に加えられる凌辱を受け止めて、身体のすみずみにまで、恥ずかしい快感をいきわたらせていた。

三足落札したら、一足だけ破らせてあげる。
そう約束するぼくに。
この学校の子をひとり襲って、学校の購買で買わせよう。
たしか、近場にあるんだよな?
そうすればきみ、なん足でも履けるぞ。
小父さんはたちの悪そうなにたにたとした笑みを泛べながら、いけない約束をし返してきた。

ぼくの純潔。

2016年08月29日(Mon) 07:38:55

セーラー服で女装して、夜の街を歩くぼくのことを。
その吸血鬼は、女の子として扱ってくれた。
だからぼくも魅入られた少女みたいに大人しく、血を吸わせてやった。

首すじを咬んでセーラー服を汚してはいけないと、
吸血鬼はぼくをベンチに腰かけさせて、
短いスカートからはみ出た太ももを咬んできた。
熱く押しつけられた唇の下。
初めて咬み入れられた牙は、ぼくの肌に執着した。

「本物の女の子みたいに柔らかな太ももじゃなくて、ゴメンね」
そういって謝るぼくに。
「こういうかっちりとした太ももも、悪くない」――男はそんなふうに応えながら、
女の子にしては筋肉質な脚に、強引に牙を咬み入れて、
ひと啜り、ふた啜り、ぼくの血を啜って、
ひと言、美味い――と言ってくれた。
ぼくよりもずっと年配の吸血鬼。
いったい、なん人の女の子のことを、咬んできたのだろう?
きみの血は、美味しいよ――彼はなん度も、くり返してくれた。

ハイソックスのふくらはぎも、ねだられた。
夕べやそのまえに襲った女の子たちにも、きっとそうしているんだろう。
ハイソックスをずり降ろそうとすると、履いたまま咬みたいんだとねだられた。
えっ?えっ?
たじろぐぼくに、お構いなく、彼は早くもぼくの足許にかがみ込んで、ハイソックスの脚を舐めはじめた。
しっかりとしたナイロン生地の舌触りを、愉しむようにして。

ハイソックスは好きだから、何足も持っているけどさ。
これ買うの、けっこう勇気要るんだよ。
妹のを買うような顔してさ。手に汗握りながら、はずんだ呼吸を押し隠しながら、買うんだよ。

言葉では、嫌だ嫌だとくり返しながら。
紺ハイソの足許に舌なめずりをくり返す吸血鬼のために、
もっと吸いやすいようにと、脚の角度を変えてやっていた。
ハイソックスを咬み破りたいというおねだりの裏に、
いかがわしいいやらしさと、心地よい屈辱感を自覚したぼくは、
彼の望みのままに、いさぎよく?気前よく?ハイソックスを咬み破らせてしまっていた。


それ以来。
彼とぼくとは、深夜にあの公園で、待ち合わせるようになっていた。
偽もの娘じゃ、がっかりだろう?
そういってからかうぼくに、
そうやって女の子のカッコして、若い血をめぐんでくれるだけで嬉しいのさ――男はそう応えてくれた。

血をご馳走することに慣れてくると、首すじからも吸わせてあげられるようになっていた。
えり首をまったく汚さずに、彼は血を吸うことができたけれど。
ほんとうは・・・セーラー服に血を滴らせながら女の子の血を吸うのが好みらしくって。
思い切って――かなえてあげた。
きれいにクリーニングして返すことを条件に。

しつような吸血を受けたあと、連れ出されたトイレの鏡に映ったぼくは、
まさにレイプされたあとの女学生。
真っ白な夏服のセーラーに、バラ色のほとびがあんなに似合うなんて、思わなかった。

セーラー服を脱ぎ与えると、素肌のままの上半身を、初めて彼に抱かれていた。
擦り合わされた肌は、ぞっとするほど冷たくて。
貧血でくらくらしているはずのぼくは、もっと吸いなよ・・・吸って頂戴・・・って。
彼に、おねだりをくり返していた。
その晩もお約束通り、ハイソックスの脚を咬まれてしまったけれど。
ぼくの履いている紺ハイソに執着してねっちりとかじりつく牙が、いつにも増していやらしかった。


そろそろ秋だね。夏服も終わりだね。
そう呟くぼくの唇に。
さっきまで首すじから血を吸い取っていた唇が、重ねられてきた。
ふとしたもののはずみ・・・?にしては、やけに長くてしつようだった。
丈の短いプリーツスカートを、せり上げられて。
やはり丈足らずの紺ハイソの脚を、めいっぱい突っ張って。
パンツを穿いていない股間に、ぼくは初めてのものを、受け容れていた。
まるで・・・女の子みたいに・・・熱っぽく・・・
それは、二度、三度とくり返されて、
それに、二度、三度と応じてしまっていた。
まるで純潔を捧げる乙女のように。
まるで少女を大人に変える男のように。
ふたりは熱っぽく、まぐわっていった。

不純異性交遊なんて、嘘だね。
純粋にあげたいから、差し出すんだね。
そういうぼくの首すじを、彼はまだ、ねっちりとしつように舐めつづけていて。
それが、ひどく幸せに感じられて。
つい、重大な約束をしてしまっている。
ぼくに彼女ができたらさ、紹介してあげるから。
その子が処女かどうか、確かめて。
もしもその子が処女だったら。
本物の女の子の処女の生き血を、たっぷりと飲ませてあげる。
彼女と小父さんとの相性がよかったら。
結婚する前に、先に姦らせてあげようか。
女の子のあしらい方のお手本を、ぼくも見せてもらいたいから――

ぼくの”純潔”を捧げた夜――
静かな涼しい風が、火照った肌にやさしく通り過ぎていった。

身代わりのはずが。  ~女装する夫~

2015年12月14日(Mon) 07:56:46

頬や額やおとがいに、ファンデーションをくまなく塗りこめて。
まぶたには色濃いアイシャドウ。
仕上げに濃いルージュをサッと刷く。
妻から教わった、覚えたてのメイクは、まだまだつたなかったが。
肩先をそわそわとかすめるウィッグの髪に囲まれた顔だちは、
男の輪郭をかなり消すことに成功していた。

鏡台の前から起ちあがると。
身にまとったワンピースがふぁさっと揺れた。
丈の短めなワンピースのすそから入り込む外気のそらぞらしさが、
薄手のストッキングに包まれた太ももにまで、伝わってくる。

行ってらっしゃい。
かけられた声に振り向くと。
ドアの向こうに佇む妻が、貴志の女装姿を見つめていた。
貴志は無言で腰を折り、妻に会釈を返してゆく。
しぐさのほうは――かなり女になり切っていた。

幾晩も。
立場が逆だった。
真夜中、家を抜け出して。
吸血鬼に血を吸われに出かける、着飾った妻――
それをむざむざと見送っていたころの悔しさは、もう貴志の意識の中にはない。
首のつけ根につけられた咬み痕が、むず痒く疼いていた。


吸血鬼の支配下になりつつあるこの街で。
娘が血を吸われ、妻までもが血を吸われた。
処女の生き血を好む彼らの嗜好のために、娘の純潔こそまだ無事だったけれど、
既婚の女性はことごとく、吸血鬼に襲われると犯されていった。
貴志の妻もまた、例外ではなかった――

さいしょは屈辱にふるえ、仕返しを誓った貴志だったが。
やがてそれが不可能になると知ったころには、
妻も娘も、身体じゅうの血を舐め尽されようとしていた。
彼女たちの生命を救うには、方法はひとつしかなかった。
彼自身も、血を吸われてしまうこと。
提供する血の量を増やすことだけが、生き残るための道だった。

好んで脚に咬みつく吸血鬼のために。
娘も妻も、ハイソックスやストッキングを咬み破られて帰ってくる。
貴志は愛用していたストッキング地の長靴下を履いて、吸血鬼のもとを訪ねていった。

あなたの好みに少しは合いますかね・・・
皮肉のように口にした言葉を真に受けて。
吸血鬼はむしろ感激して、彼を部屋の奥へといざなった。
そうして、ソファにうつ伏せになるように貴志に求めると。
スラックスを性急にたくし上げて、濃紺に染まった貴志のふくらはぎにしゃぶりついてきた。
ほの暗い照明の下。
紳士用の長靴下は、妖しい光沢に包まれていて。
薄い靴下ごしに這わせた舌を、貴志のふくらはぎに迫らせた。
ドキドキした。
その瞬間、チクチクとした牙が二本、ずぶりと貴志のふくらはぎに埋め込まれた。

42歳の働き盛りの血液は、吸血鬼をいたく魅了した。
男は貴志の脚にとりついて、彼の生き血を吸い、また吸った。
母乳を求める赤ん坊のように、性急でしつようだった。
半熟卵の黄身を吸い出すように、血潮を吸い上げられてゆきながら。
貴志はどうして妻や娘がこの男の手中に堕ちたのかをさとった。
さとったときにはもう、遅かった。
彼は吸血鬼に求められるまま、靴下の舌触りをくまなく愉しませ、なん度もなん度も咬み破らせてしまっていた。
そのうえで。
妻を犯した一物をさえ、彼は受け容れざるを得なくなっていった。
こんなに猛々しいものが、妻の股間に埋め込まれたのか――
貴志は狭苦しいソファのうえで身をのけ反らせ、いつか悩ましいうめき声さえ、洩らしていた。
あとから尾(つ)けてきた妻が、ドアの向こうに佇んでいて、
不覚にもあらわにしてしまった媚態を逐一見られてしまっているのを気配で感じながら、
もう・・・どうすることもできなくなっていった。


妻と娘の血を守るため、身代わりになる。
そんな大義名分が、貴志の行動を支えていた。
彼は勤務先にまでやってきた吸血鬼のために別室を用意して、いつも気前よくスラックスのすそをたくし上げていった。
濃紺や漆黒の、薄手のナイロン生地になまめかしく染めたふくらはぎを、同性の情夫に愉しませるために――


あなた、みつえの制服着てってちょうだい。
きょうは具合悪そうなのよ・・・
妻の誘いは、悪魔の囁きだった。
父親のひょう変を、最初は娘らしい潔癖さで嫌悪した娘のみつえは、やがて両親に協力的になった。
貧血が治らずに学校を休まなければならないのに彼からの呼び出しがきたときには、
娘をかばうため父親が、身代わりに娘の制服を着て学校に脚を向けた。
リブ編みのハイソックスは丈足らずだったけれども。
彼は娘のハイソックスを目いっぱい引き伸ばして、吸血鬼を応接したし、
吸血鬼もまた、女子高生の制服を着た貴志のことを、あくまでも女学生として扱った。
お嬢さん、生き血をたっぷりといただくよ・・・そう呟きながら、欲情もあらわな唇を、通学用のハイソックスのうえから吸いつけていくことで。


丈の短いワンピースで女装した貴志が向かったのは、公園だった。
こうこうと輝く照明の下。
黒い影がひっそりと、佇んでいた。
奥さんだね?
ひとのわるいやつだ、と、貴志は思った。
貴志だと知っていながら、妻と勘違いをしたふりをしている。
だんなの目を盗んで、家を抜け出してきたんだね?
男はなおも、言いつのる。
助平な女だ。淫乱な女だ。
男はさらに、言いつのる。
それでもわしに、ストッキングを破かれたくて、また来たのだな。
貴志は意を決して、女になり切った。
エエ、弓枝です。
そうなんです。主人を裏切って、貴男に逢いに来ました。
仰る通り、淫乱なんです。
弓枝は淫乱な、いけない妻です。
貴志さんの妻なのに。夫を裏切るのが愉しいんです・・・

クックックッ。
男は忍びやかに嗤うと、貴志の両肩を抱きすくめようとした。
イヤッ!!
反射的に声をあげて、飛びのこうとしたけれど。
力強い猿臂に、たちまち圧倒されてしまっていた。
ああ・・・っ。
女だ。女になり切っている。自分のなかの女が、目覚めてしまった。
貴志は実感した。
けれどももう、どうすることもできなかった。
ああ・・・っ、あなたあっ。
どこかに夫であり男である自分自身の目が、いまの女の姿をした自分のことを、暗闇の向こうから見つめているような気がする。
男である貴志は、女になり切った貴志を、嫉妬の目で見つめている。
嫉妬は甘美な陶酔を呼び、幻の貴志はスラックスの股間に手をあてがって、自慰に耽りだしていた。
そうよ、あなた嫉妬するのよ。あたし、このひとに抱かれちゃうのよ。
あなたの奥さん、犯されちゃうのよ。
あたし、声をあげて、悶えちゃう。
悶えて、悶えて、悶え抜いて、感じちゃっているのを見せつけてあげる。
そうよ。あなたの男としての愉しみは。
あたしが犯されるのを視ながら、自慰をすることで満たされるのよ。

貴志のなかで目覚めた”女“は、いちど語りはじめた言葉を語り止めようとはしなかった。
さいきん、妻は警戒している。
自分よりも、娘よりも、貴志の出番のほうが多いのだ。
妻が女として、自分に嫉妬していることに。
貴志は奇妙な誇りを覚えた。

夫が万一、血を吸い尽されてしまったら。
未亡人の装いで、黒のストッキングを破らせてしまおう。
今やそんなことくらいしか頭にないはずの妻が、むしょうにいとおしい。
首すじに食いついた唇が、傷口につよく押し当てられて。
貴志の温かい血を、ぬるり、ぬるり、と、抜き取ってゆく。
おぞましかったはずの感覚が、いまはゾクゾクとつま先立ちしたくなるほどの歓びを帯びていた。
もっと、吸って・・・もっと、吸って・・・ああ、素敵。吸い尽しちゃって・・・っ。
抱きすくめられた猿臂の力強さが、心地よい。
女の感覚として、歓ばしい。
男が貴志の失血ぶりを察しつつ、加減しながら血を吸っていることさえ忘れて、
彼は忘我の中で、叫んでいた。
貴男になら・・・あたしのたいせつなもの、全部あげちゃうわ・・・っ。


あとがき
初めは気が進まないながら、妻や娘の身代わりに血を吸われるようになった男が、
女の身なりをして吸血鬼の応接をくり返すうちに目覚めてしまう。
けっこう好きなパターンなんです。^^;

女子出勤。

2015年11月26日(Thu) 07:56:55

うちの会社の事務所には、お得意様の吸血鬼が出入りする。
彼らが来る時には、当番が決まっていて。
いつも当番に当たったOLが、お相手をする。

彼らの目当ては、勤務中の女の子たちの首すじ、生き血、パンスト破りにお〇んこ。
社内恋愛中のAくんなどは、
ついたてひとつ隔てた向こう側の打ち合わせテーブルのうえ、半裸に剥かれた彼女がひーひー言わされるのを、
こっそり聞いては愉しんでいたりする。
そう、吸血鬼を歓迎しない社員は、ひとりもいないのだ。

女の子は数人いるけれど、順繰りにパンストを咬み破られて血を吸い取られると、
だれもが貧血になって、女子社員が全員欠勤となる日が来る。
そんな日には男子社員が当番になって、OL服を着て、吸血鬼のお相手をする。
スカートの下、パンスト一枚の足許はやけにすーすーするし、
ぼやぼやしていると風邪をひく。
それでも、女子社員の身代わり役に、欠員は生じない。
むしろだれもがウキウキとして、女子のブラウスに腕を通し、
男子専用のウェストサイズで新規購入されたタイトスカートを腰に巻きつける。

そんな女装の男子社員たちに、吸血鬼たちは女子として接していく。
首すじに飢えた唇を近寄せて。
ロングのウィッグを、そっと掻きのけて。
ずぶり!と牙を刺し込んでいって。
ツワモノになると、まくりあげたスカートの奥に、そそり立った一物まで挿し込んでいって。
もの慣れた代役たちが洩らす吐息は、さながら本物の女子社員のよう・・・とさえ、噂されている。

心の中に、女心を忍び込ませた代役たちは、息をつめて、ドキドキしながら、
迫る吸血鬼の目のまえに、パンストのふくらはぎをさらして、
ヒルのような唇を這わされて、咬み破らせてゆく。

きょうもまた、メイクの仕方にも慣れた代役たちが、ウキウキとしながらヒールの脚を並べてゆく。

吸血女装倶楽部。  ~早朝は公園に登校~

2015年10月21日(Wed) 07:32:50

お出かけするときは、軽くルージュだけを引く。
それでじゅうぶん、気分がひきたつし。
だいたい、品行方正な女子生徒というものは、そんなに厚化粧をするわけじゃない。
胸元のリボンをふんわりとさせて。
ミニスカートのすそを、ゆらゆら揺らして。
近くの公園まで、きょうも登校。
時計を見ると、午前五時。
季節柄・・・あたりはまだ、真っ暗。
どうしてこんな時間に、それも「公園に登校」するの?って?
だってわたしは、男の子だから。
公園には、わたしの血をほしがっている吸血鬼が待っているから――

いつものベンチに、お行儀よく腰をおろして。
プリーツスカートをわざとのように、拡げてみせる。
足許は、薄闇にも映える真っ白なハイソックス。
「制服は汚さない」
恩着せがましくそういいながら、ひとの首すじにかぶりつき、
血を撥ねかさないように入念に、ちゅるちゅる吸って。
ひとが薄ぼんやりとなってしまうと、お目当ての足許にやおらかがみ込んでくる。
そう――
やつのお目当ては、ひざ小僧の真下までぴっちりと引き伸ばされた白のハイソックス。

このハイソックスが真っ赤になるまで、吸っていいよ――
それは、わたしがやつの前で許されている、唯一の意思表示。
襲われて血を吸われているときだけ、わたしは本物の女学生になっている。

きょうもやつは、わたしの足許にかがみ込んで来て。
生臭い吐息を、しなやかなナイロン生地ごしに、お行儀悪く吹きかけてくる。
「どうしてそんなに、ハイソックスに執着するの」
ふふ・・・
やつはほくそ笑んで、わたしを見あげる。
「凛々しさと、若さ・・・かな」
そう呟いてふたたび、やつは自分の作業に没頭する。
わたしのハイソックスに。よだれをたっぷりとしみこませるという、いけない作業に。
やつの唾液に、じわじわと侵されながら。
わたしは独り、呟いている。

凛々しさ ね。

それなら、男子のわたしが履いたって、いいわけだ。
わたしを取り囲むブラウスが。ベストが。スカートが。
ふんわりと暖かに、わたしの身体を包み込む。

許された女装に、心がほっと和むとき。
わたしは脚を自分から差し伸べて、やつに言う。

このハイソックスが真っ赤になるまで、可愛がってね――

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仲良し家族?

2015年09月03日(Thu) 07:33:43

父さんは、吸血鬼の小父さんと仲良くなって、
自分の血をぜんぶ、あげちゃっていた。
そして吸血鬼になって、いまでは母さんの生き血を、小父さんと分け取りにして、毎晩愉しんじゃっている。

兄さんは、婚約者の華絵さんを小父さんに紹介して。
まだ処女のうちに・・・って、襲わせちゃっていた。
夜中に呼び出されて、ウットリしながら血を吸われる華絵さんのことを、毎晩覗き見して愉しんじゃっている。

ボクは、華絵さんからもらったセーラー服で女装をして。
毎晩下校する女子生徒を装って、夜道をたどる。
小父さんはボクのことをあくまで女学生として扱ってくれて、毎晩女生徒レイプごっこを愉しんじゃっている。


あとがき
いちばんヘンタイさんなのは、だれでしょう? 笑

6時。

2015年02月15日(Sun) 08:01:20

目が覚めて、枕元の時計をみたら、朝の6時。
きょうは日曜。
もっと寝ていたってかまわない。
起きあがってカーテンをあけると、夜の闇が薄蒼いあけぼのの縁取りを帯びていた。
あたしは迷わず制服に、着替えていた。
学校がある日でもないのに。

ドアの外は、寒気に支配されている。
黒のストッキングの足許にも、容赦なくそれは肉薄してくる。
柔らかで薄いストッキングは、意外なくらい有効に、あのゆるっとした束縛感で、寒気を遮ってくれる。
あたしは肩をすぼめて、駐車場へと脚を向ける。
肩をすぼめるのは、人目を避けたいからなのか。たんに寒いからなのか。
たぶんきっと、その両方なのだろう。

まだ黒ずんでいる街なみは、全体が群青色に変わった空の下、まだ眠っているようだった。
通りかかる人もまれな、表通り。
たまさか行き過ぎるウォーキングの人も、黒や紺の防寒着を厳しく着込んで、俯きながら、寡黙に通り過ぎてゆく。
女子高生にしては背たけのある、ひと目みればそれとわかる女装姿に、関心を示すものはいない。
こちらも努めて、通り合わせた人たちに関心を投げずに、スルーしていく。

わざわざ遠出してまで来るほどの意味はない、なんの変哲のない街なみに、ただ埋没しながら。
ウィッグの髪をユサユサ揺らし、
胸のリボンをそよがせて。
穿きなれたスカートを、ふぁさふぁさとさばきながら。
黒のストッキングに染まった脚を、外気にさらしつづける。

無言のうちにすぎるそのひと刻は、満ち足りた瞬間。
夜よりも明るみがあるはずのこの時間帯は、
写真写りがひどく悪くて、
あとに残るものなど、ほとんど撮れないのだけれど。
そんなことは、さほどの問題でもない。
ひとしきり歩いて気が済むと、
あたしは脚を止め、来た道を引き返す。
今朝の登校は、これでおしまい。
本物の学校に登校するわけでは、もちろんない。
そんな日が、来るはずもない。

家に戻ると、窓の外はすっかり明るい。
きょうも一日が始まる。
そして、あっという間に、終わっていく。


あとがき
とある女装者のつぶやきです。^^