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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

吸血鬼館発・時間帯別利用状況

2005年09月30日(Fri) 08:41:14

夜の宴も果てると、みじかい睡眠をとる。
とくに夜どおし女を抱いたあとはなおさらだ。
けだるげにうなじの傷をおさえながら、女たちは帰宅してゆく。
なかには夫を迎えに来させているような、しっかりした女までいる。
彼女たちが去ったあと。
しばらくのあいだは、ことりとも音のしない邸。
もっともけさは、初めて妻を送り出したという夫が、昂ぶりのさめやらぬ声で感謝の電話を入れてきた。

朝の十時をまわるころ、女たちの影が再び、ちらほらと邸の門のまわりに姿をみせる。
夫や子供を送り出した若奥さん連中だ。
専業主婦にとって、これからお昼過ぎまでの時間はとても自由なのだ。
彼女たちは意外なくらいくったくなく、自分からじゅうたんの上に横たわり、まるで予防接種でも受けるような気軽さで、チクリとやられていく。
若さをたっぷりと秘めた健康な血潮に昂ぶりながら。
疼き始めた牙を彼女たちのうなじに吸い込ませる。
皆いちように、ブラウスのえり首に赤いものをしたたらせながら帰っていく。
かなりしばしば。
スカートの裏地が、白い液体でいっそう汚れていたりもする。
ご主人がた。
洗濯機に放り込まれた奥様の衣裳は目に毒ですから覗いたりしないことをおすすめしますよ。^^

時折、家族には内緒・・・という奥さんもお見えになる。
そういうときはもちろんのこと、かなりワクワクしてしまう。
ほかの奥様のようなわけにもいかないので、服は汚さないで、と頼まれる。
代償は?
もちろん、服を脱ぐこと。
下着姿で抱きしめる若妻の味は格別だ。
シルクのスリップを通してはずんだ筋肉がひしひしと沁みとおってくるような、素敵なひと時―――。
股間の疼き、とめてくださるのはもちろん貴女ですよ、ね?^^

夕方近くになると、こんどは下校してきた女学生たちが大勢、連れだってやってくる。
女というものは群れたがる生き物らしく、一人でやってくる子は少ない。
おなじクラスや、部活動の帰り・・・という感じで数人で来るので、
邸のなかは人いきれににわかにざわめきたって、
とても華やいだムードになる。
女学生たちはいちように、白のハイソックスか黒のストッキング。
はずんだ肉体を覆っている制服も濃紺一色な、モノトーンの世界。
こういう子たちをあて込んで、こちらの仲間も集ってきているので、
ほかの吸血鬼と手分けをして、誰はあの子、かれはこの子、と取り分をきめていく。
それをハラハラしながら見守る親たちも、じつはふすまの陰にいたりもする。

とあるお宅の姉妹をひとつ部屋にまろばせて、
おそろいの黒ストッキングを履いたふくらはぎに順繰りに咬みついてやったときなどは、
あやうくそれ以上のことまでしてしまいそうになった。
いけないいけない。
あの家の子たちの純潔は、まだ保証してやることになっているはずだ。
気をつけねば。
お母さんの身体と引き換えにダンナと交わした約束は、必ず守りとおすことになっているから。

日が沈んだあとには、勤め帰りの女たち。
仕事によってみごとなくらい、やってくる時間がわかれている。
一番早いのは村役場。
こちらの勤め先は、地味目な服装が多い。
けれどもそうした目だたぬ服装は意外なくらい、
吸血鬼仲間の人気が高い。
しとどに濡らされる、無地の白ブラウス。
サポート・タイプですらなかったりする肌色のストッキング。
概して身持ちのただしいご婦人が多いので、
そういう冴えた血潮の味わいを好む吸血鬼にはこたえられない人たちである。

制服姿の女学生であふれかえっていた刻とちがって。
この時間ともなると、色とりどりのストッキングに包まれた脚が、部屋に踏み入れられてくる。
それらひとつひとつに目を輝かせ、卑猥な意図をこめた手がすうっと伸ばされてゆく。

金融機関の子たちが制服姿で現われると、希望者が殺到?する。
お金をもっていて概しておしゃれな彼女たちが身に着けるスリップやストッキングはとても競争率が高い。
―――ご婚約、おめでとう。
常連の夢子さんは、いつもの吸血鬼にそう祝福されながら、うなじを咬まれた。
異界の住人にとって、俗世間の婚姻関係はさしたる意味をもっていない。

もっと夜更けに現われるのは、やはり人妻。
新婚そうそうの新妻から、年配の御婦人まで、年齢層もさまざまだ。
こういう時間に訪れるのはたいがい、夫に了解を得て、あるいは夫に命じられて来る女たちなので、
遠慮なく生き血を味わい、ベッドを共にする。
そんなに大勢の女たちの相手をしていたら、さぞかし疲れるだろうって?
いえいえなんの。
美しき御婦人がたは私どもにとって得難い営業源ですから。^^
どうかご遠慮なさらずに、奥様やお嬢様を当屋敷へとお誘いくださいませ。

あとがき
ちょっとぬるい話になってしまいましたが・・・
どうも一人のエモノではおさまらないようすな、きょうの柏木です。
奥様(&お嬢様)。
そこへ並んで、
もう少しスカートのすそを引き上げて、
なまめかしいストッキングのおみ脚を拝見させていただけませんか?^^

まりあな日々 2

2005年09月30日(Fri) 07:55:00

昼下がりのオフィス街。
お昼休みか商談にかこつけて、近くの職場から抜け出してくるOLまりあ。
上司か同僚と不倫中らしいあの女。
それが、相手の男の目を盗むようにして、コツコツと叩くシティホテルの一室。
先客があることにぷっとふくれる子供っぽさがなんとも可愛い。

もうひとりは誰かって?
そう妬きなさるなよ。
都会の渋滞のなか、車で一時間もかけて出てきてくれたんだもの。
エプロン姿の人妻まりあが、このひとはわたしのものよと言いたげに、
ちょっとうなじを押さえながらも、そばにぴったり寄り添っている。
さぁ、順番だ、順番だ。
ご自慢の脚線美を存分に伸べなさい。
そう私が命じると、
ふたりのまりあはイタズラっぽく笑みながら、
それでも競い合うようにして、
いずれ劣らぬ脚線美をわが目のまえにさらけ出す。
ショッキングピンクのベーズリ柄のスカートから。
オフィスの制服の淡い空色のタイトスカートから。
人妻まりあはオトナっぽくて妖艶な黒のストッキング。
OLまりあはエッチな感じのする光沢のストッキング。
これはサ○リナかな?こっちはヌード・○ーキーだね?
マニアな私はストッキングのブランドまで言い当てながら、
かわるがわるにふたりの脚を愛でてゆく。
私の唇を執拗に這わされたあとは、
繊細なナイロンの網目模様はみるみるうちに裂け目を広げ、
その輪郭を際立てていたみごとな脚線美から浮き上がり剥がれ落ちてゆく。
そう。
まるでオブラアトがあっけなくとろけてゆくみたいに。
そうしているあいだにも、ほとんどウットリとなって目線を宙に迷わせていく二人。
奥さん。
お嬢さん。
おふたりとも、ちょっとストレスをためすぎのご様子ですね。^^

オフィス街の昼休みはつかの間だ。
そのあいだの僅かな時間を惜しんでスケジュールをすべり込ませてくれたOLまりあ。
残念そうに腕時計に目をやると、課長に怒られちゃう・・・そう言って現実世界にもどってゆく。
破けたストッキングを私の手許に残したまま。
いつもの生足になって職場に戻ってゆく後ろ姿からは、みごとなくらいに淫靡な影が消えている。

まだまだ時間のある人妻まりあ。
もちろんそのあと、ベッドイン。^^
ご主人、すまない。
けれど美しい女性に恥をかかせるわけには、いかないからね。

限られた時間を捧げてくれたOLまりあは今頃、すきっ腹を抱えて仕事をしているのだろうか。
こんどはいの一番に、きみだけの時間を作るからね。
いつものように、勤め帰りに、あの公園で・・・


あとがき
まりあさんへ
衝動的に、とんでもないお話を書いちゃいました。^^;
おイヤでしたら遠慮なくおっしゃってくださいね。
美しい女性を複数ならべて色とりどりのストッキングな脚線美をいたぶるのが大好きな、とってもいけない柏木でした。

まりあな日々

2005年09月30日(Fri) 07:33:00

夕べもまた、看護婦のまりあから白のストッキングに包まれた健康なふくらはぎを頂戴した。
すこし痛そうに、けれどもちっとも嫌がらずに私の相手をしてくれるまりあ。
甲斐甲斐しい奉仕ぶりは、私の征服欲をいつも存分に充たしてくれる。
そうしてその帰り道。
こんどは帰宅途中の女教師まりあを待ち伏せて。
いつもの雑木林に連れ込んで。
木に縛りつけたり。
納屋の藁束の褥に押し倒したりして。
たっぷりとかわいがる。
肌色ですけすけの、テカテカした光沢入りのストッキングを履いたふくらはぎを存分にいたぶりながら。
清楚なナースストッキングに、刺激を帯びる光沢ストッキング。
時をかえ、所をかえて。
豊かな脚をたっぷりと辱め、いたぶり抜いてゆく。

いずれ劣らぬ巨乳。^^
乳房のつけ根に咬みつくのは、まりあだけ。
独占欲の強いあの女は、
そういう私の行為を喜んで受け容れてくる。
白衣やブラウスをバラ色の体液でしとどに濡らしながら。
お礼に私はたっぷりと、
白く濁った体液で、いっそう熱くまりあの身体の奥を濡らしてやる。

あちらのまりあやこちらのまりあが、
どんな男どもと付き合っているのか、それは知らない。
あえて聞き出すこともない。
淫らな血潮のきわどい香りは、まりあに複数の男関係があることを、
まるで見せつけるように私に知らせてくれるのだが。
私の愛しかたと彼らの愛しかたとはまったく次元が違うから、
嫉妬すら覚えることがない。
すべてに優越する私。
そんな私のそそけ立った欲情を、きょうもたくみにまりあは癒してくれる。

夜明けの訪問者

2005年09月29日(Thu) 07:35:18

午前四時。
りぃぃん・・・
ひそかに鳴り響く、音量をさげたインターホン。
扉の向こうには、血に飢えたものの黒い影。
―――奥様とお嬢様の血をいただきにあがりました・・・
そういう彼をにこやかに招じ入れる私。
妻と娘はすこし眠そうな顔をしながらも、
とっくに通勤のスーツと学校の制服に着替えている。
年の順だといいながら
順繰りにうなじを牙で冒し、
かわるがわる差し出される、肌色のストッキングと白のハイソックスのふくらはぎにも唇を吸いつける。
女たちはぼうっとなって、
さらに眠そうな顔つきをしながらうなじの傷をけだるげに撫でつけている。

なまめかしいふた色の血潮を胃の腑に収めると、
彼は気分よげに顔を赤らめて出かけてゆき、
こんどは若夫婦の住まう隣家のベルを鳴らしている。

うつつと幻と

2005年09月29日(Thu) 07:27:24

闇夜の草むらに引きずり込んだのは。
母親と同年代の、上品に着飾った年配の女だった。
「坊や、女の人はね・・・」
女は言った。
「こういうふうにされるのを普通とても嫌がるのよ」
むしろ諭すような落ち着いた声に、不意に腕にこもった力が抜けた。
その隙にすり抜けることもできたはずなのに、女はそういう手を使わなかった。
こみ上げてくる渇きをどうすることもできないでいると、
「そんなに困っているの?」
落ち着き払った相手にすっかり気おくれしている。
そう察すると、
「いいわよ、相手してあげる。そのかわり、もうこんなことはやめるのよ」
女はそういうといさぎよいまでにさばさばと、みずからブラウスのタイを解き、レエスのスリップに包んだ肌をあらわにした。
俺は女を荒々しく草むらの褥に押し倒して、
うなじにかぶりついて渇きを満たし、
ついでのことにストッキングを破り、ショーツを引き裂いていた。

いっときの昂ぶりに痺れた頭を抱えながら家に戻って、
精も根も尽き果てたようになって、
昼下がりまで寝込んでしまった。
家のものはもう出払っていて、人影がしないなか。
生身の女でなくともよいとそう思い、
母の箪笥の中身を漁る。
取り出したスカートを裏返してぎょっとする。
べっとりと濡れを帯びた白いもの。
裂けて片方になったストッキング。
どこまでがうつつ?そしてどこまでが幻?


あとがき
すべて幻だったのでしょうか?
―――血を欲しがるあの子のために、ちょっとだけつきあってあげたんです。
―――近親相姦?まさかそこまではいたしませんよ・・・
含み笑いを帯びたそんなささやきを耳にしたように思えるのですが。
今にしてみると、それも幻聴のようにも思えます。

屍鬼のいる森

2005年09月28日(Wed) 08:32:09

夜明け―――。
まだ薄暗いなか。
家のなかで灯りもつけないで。
私は音を忍ばせて着替えをする。
白のブラウスに、漆黒のスカート。
そんなシンプルないでたちを好む男(ひと)に逢うために・・・
夫が起きだしてきた。
けれど、彼は私の行動を咎めない。
もう数年来つづいている、そんな習慣。
「行くのか?気をつけて・・・」
夫は口数をすら惜しむように、そういって私のことを送り出す。

村はずれの夜明けの森。
真っ白なワンピースやロングスカート。
純白のスカーフ。
黒一色の礼装。
白と黒。
モノトーンに統一された衣裳の女たちが精霊のように行き交う、木立ちの彼方。
足許の下草を踏みしめながら、近づいてゆく。胸をはずませながら。
早足になる足どりに、肌の透ける黒のストッキングが淫蕩に映える。

モノトーンの女たちのなかにまじる、うす汚れた身なりの哀れな屍鬼たち。
かれらのために血潮をあたえるための、物静かな集い。
つれだって、かわるがわる首すじを吸わせている、年配の夫婦もの。
初めてそでを通したロングドレスに夢中になりながらうなじを咬まれ、ちょっと痛そうに顔をしかめる女の子。
―――やはり、若い子はいいなぁ・・・
そう呟きながら、隣家に住むOLのうなじに唇を近寄せてゆく年老いた屍鬼。

少し遅れて現われた、洋品店の若奥さん。
声をひそめたどよめきが、屍鬼たちのあいだから湧きあがる。
「よく旦那が出したねぇ」
と、ご主人をほめたたえるもの。
「内緒で、出てきたんですよ」
と、声をいっそう忍ばせる若奥さん。
肌色のストッキングを履いたその足許に、しっとりと這わされる飢えた唇。
そのありさまをにこやかに見おろしながら、べつの屍鬼にうなじをゆだねてゆく若奥さん。

傍らにいた彼が、私の肩に手を添える。
フッとうなじに吹きつける呼気が、冴えた冷気のなかで生々しい。
―――どうぞ。
わざと冷たく囁いた私を後ろから羽交い締めにして。
彼は私のうなじを牙で貫いた。
つ、つーーーっと伝い落ちる、吸い残しの血。
ブラウスにひとすじ、ふたすじ。
涙の痕のように鮮やかな軌跡を描く。
白ブラウスの二の腕、わき腹。それに太もも・・・
愛情をこめて、あちこち咬みついてくる彼。

さいしょに私を襲ったとき。
「こんないい女房を喰われちまって。莫迦なダンナだな」
彼はそう、嘯いた。
「夫を莫迦にするのはやめて」
みじかく告げた私に、素直に従ってくれた。
それ以来、私は彼に心まで許しはじめている―――。

お父さんがいちばんよ♪

2005年09月27日(Tue) 08:25:30

吸血鬼に逢ったあと。
「いっぱい咬まれてきちゃったわぁ」
妻はメイワクそうな口ぶりを取り繕って、それでもウキウキと戻ってくる。
軽やかな夏もののワンピースにちょっぴりと、赤黒い情事のあとを滲ませて。
「やっぱりお父さんがいちばんよ♪」
そういって妻は豊かな胸をさらし、腕をまわしてくる。
脂ののり切った白い皮膚に包まれたしなやかな筋肉が、私の周囲をぎゅうっと優しく包み込む。
タフな若者のように奔放に。
長けた大人のように淫らに。
昼ひなかから乱れる妻。

夜はレエスのスリップに身を包み、寝床にするりと忍び込んでくる。
やはり「お父さんがいちばんよ♪」といいながら。
それでも窓辺に妖しい霧が立ち込めると、
するりと私の腕のなかをすり抜けて、
心地よげに淫らな夜霧に巻かれてゆく。
妻のぬくもりが消えかけた胸に、
入れ替わるようにぽっと照りつける嫉妬の焔。
それが私の肌をほてらすのを知ってか知らずか、
妻は情夫の猿臂に巻かれ、淫らな血潮に肌を染めている。

~06年4月13日 「入れ替わり たち替わり」改題~

じかに

2005年09月21日(Wed) 22:26:17

1.
婚約者の由貴子さんを初めて彼の邸に連れていったとき。
彼はふくらはぎへの濃密な接吻だけで、彼女を放してくれた。
都会育ちのお嬢さんに、いちどにすべてを教えるのは酷であろうから・・・と。
表向きのそういう親切心とは裏腹に。
その実・・・
じょじょに教え込み、彼女の理性を侵蝕させてゆくことのほうが、彼自身にとってより快楽であるというに過ぎないのだが。

あのことがあった次の日に。
私を訪ねてきた彼女はおずおずと切り出した。
とても、気遣わしげな面差しで。
「あの・・・私の血がお役にたつのでしょうか・・・?」
穢れを知らないその白い肌が、どれほどか彼の色に染められていることを、いやがうえにも実感する。
臓腑をじりじりととろ火で灼かれるような想い―――
しかし淡い嫉妬はそれ以上険悪な尖りをみせることなく、むしろ、
その白い肌に秘められた血潮を彼のために獲させたい・・・そんな渇望に似た衝動へと繋がってゆく。

つぎの訪問は、夕刻だった。
―――遅い時間のほうが、好都合なではありません?あのかたにとって。
そういう彼女のひと言で、夕べの宴・・・がもうけられた。
ささやかに。ひそやかに。
彼は初心な彼女の気持ちを察するように、ことさら穏やかで紳士的な態度で接していく。
紳士の面貌と。獣の内面と。
どちらが、彼の正体なのだろう。
しかし、すすんで獲物になろうとするものには、ひたむきな思いやりをさえ見せる彼。
姿を見せた彼女を迎えいれるとき。
まるで母に甘えるかのようなほどにまで、依存的で人恋しげな色を隠そうともしない。

生れて初めて。
生き血を吸われる意思を抱いて、私の許婚はこの邸に訪れた。
さらりとしたモノトーンのワンピースという、清楚に軽やかな装いで。
「脚から、ですか・・・?」
由貴子さんはちょっと意外そうな顔をして。
グレーのストッキングに包まれた自分の脚に、そろそろと目線を落としてゆく。
ストッキングを脱がないと。
目がそう、語っていた。
しかし、殿方のまえで、そのようなはしたないことをするような教育を、彼女は受けて育っていない。
とまどう彼女の足首を、吸血鬼はおもむろにつかまえている。
「どうか、そのままに・・・」
「?」
訝しげに首をかしげる彼女。
しかし吸血鬼がふくらはぎに両腕をからめてくると、
ちょっと肩をおとして。
軽く、ため息をついて。
思い切って、ワンピースをたくし上げる。
むぞうさにずり上げられたすそからあらわになったのは、
太ももの周りをよぎる鮮やかなゴム。
由貴子さんの履いていたのは、パンティ部のないゴム付きストッキング。
殿方のまえでストッキングをおろすという無作法にためらいながら。
由貴子さんは、ストッキングのゴムに手をあてがってゆく。
血に飢えた牙のまえ、輝く素肌をあらわにするために、ストッキングを引き下げようとする彼女。
そうした彼女の手の甲に、彼の掌が覆うようにかぶさった。
ハッと見おろしてくる瞳に、かすかにかぶりを振って彼女を軽く制すると、
ゆっくり頷いて、諦めたように微笑む彼女。
太ももをおおう手をひいて、あとは、彼にゆだねていった。

かすかに濡れた彼の唇。
白い太ももをつややかに彩る薄手のナイロン越しにあてがわれる。
くちゅっ。
かすかに、唾液のはじける音。
それが満足を示していることを知り抜いてしまっている私。
にゅるり・・・にゅるり・・・
恥知らずな唇がそんな音を忍ばせて、由貴子さんの肌を薄手のナイロン越しに辱めてゆく。
しつように吸いつけられた唇にキュッと力がこめられると。
チチッ・・・とかすかな音をたてて、ストッキングは他愛なく、裂け目を走らせてしまっている。
ア・・・
開かれる朱の唇から、並びの良い白い歯をのぞかせて。
貴女はおもわず脚に手をあてた。
身じろぎする自分を制するように。

まるで涙の伝う痕のように。
つ、つう―――っとひとすじ。
糸のほぐれは脚の線に沿って微妙なカーブを描きつつ、じりじりとつま先まで伸びてゆく。
そうしているあいだすら、赤黒い唇はヒルのように、彼女の太ももを這いまわる。
しずかに、執拗に。そして、熱っぽく。
抱き締めるようにしっかりと、ふくらはぎをつかまえながら。
熟した果実から甘い汁を吸い上げるようにして。
処女の生き血に酔い痴れてゆく彼―――。

彼女は潤んだ瞳で、わたしのことをかえりみる。
―――男のかたにストッキングを破られるなんて、初めてなんですよ。
おっとりとそう告げながら。
彼女は引き締めていた薄い唇をなかばゆるめて、
みるかげもなく裂き散らされてゆくストッキングの綻びを、
なかば愉しげに見つめていた。
与えられる恥辱こそが、示された愛情なのだと。
その恥辱を許すことが、それに応える好意の証しなのだと。
賢明にもそうと察した彼女は、今は静かに笑みさえたたえながら
すこし淫らなこの戯れに、すすんで手を貸してゆく。
愛らしい唇に、軽い愉悦をさえ滲ませながら。

―――じかに、お吸いにならないのですね。
ストッキングを履き替えて。
彼女は彼にそう訊いた。
今宵彼が口をつけたのは、ストッキングに包まれた彼女の脚だけだった。

―――惜しいわけではないけれど。男のかたにはそのほうが嬉しいのではないのですか?
ひたと見据える静かなまなざしを受け止めながら。
彼はまだ、彼女の脚から抜き取った、破れはてたナイロンをもてあそんでいる。
たった今までそれを身につけていたひとの、目のまえで。
―――お嬢さん、たしかにご明察ですが・・・
―――お召し物への戯れも、男にとっては時として、こたえられない愉しみだったりするのですよ。
さらりとそう言ってのけると、こんどはすこし悪戯な顔をして。
―――じかに吸わせていただくときは、貴女からもっと大事なものを頂戴するときかもしれませんよ・・・
曖昧に頷いた彼女はそのときに、私のほうをふり返り、チラと謎めいた微笑を送ってよこした。
つやつやとした光を帯びた黒髪に覆われた頭のなかで、いったい彼女はなにを思い描いたのだろう?


2.
―――少ぅし、貧血ですわ・・・
そういいながらも、たび重なる招待をにこやかにうけるきみ。
予定されていた親戚への挨拶まわりすらキャンセルして。
そういうことに、私の側の親類は、たいそうものわかりがいい。
「都会のお嬢さんにしては、ご熱心ね」
そういって、感心しこそすれ。
スケジュール変更の非礼を咎めるものはいない。
そうしてきょうも歩むお邸への道。
降り注ぐ陽射しのなか、ストッキングの光沢もつややかにきみは軽やかに足どりをすすめる。

「ストッキング、お好きなんですね・・・」
お行儀よくひざの上できちんと手を重ね、
小首をかしげ、言葉をはずませている。
血に飢えたかれのまえ。
それでもきみはあくまでにこやかで礼儀正しい。

「こんなふうになるとは思っていませんでしたので、あまり持ってまいりませんでしたのよ」
優しく咎めるような口振りで、
けれどもそろそろと忍び寄る彼の手を、
きみは決して拒もうとしない。
善意の献血という名目を、まだいくばくか心のなかで信じ込んでいるきみは、
吸血鬼の要求に、あくまでまじめに接してゆく。
求められるままに、身に着けているパンティストッキングをむぞうさにひざまでおろして、
夫になるボクのまえで、
健康さのみなぎる太ももをほかの男の目にさらすきみ。
いまどきにしては珍しく、大人びた古風なところのあるきみも、
人あたりも身のこなしもまだまだ未熟な、年端のゆかぬなりたてレディ。
こともなげに肌をむき出しにするというたくまぬはしたなさに、
初々しさを帯びた健康なエロスを発散させて、
みずから求めたはずの吸血鬼も一瞬目のやり場に戸惑っている。

かれはきみのすべすべとした太ももにじかに触れてゆき、
掌をぴったりとあてがっていく。
執拗に、すがりつくような切実さで指を食い込ませてくる彼に
―――アラ、あまり痛くなさらないでね・・・
ちょっぴり顔をしかめて咎めるけれど、
素肌を通してきみの若さを吸引しようとするような掌を、そのまま受け容れてしまっている。
肌に食い入るように這い込んだ、 男にしてはほっそりとした指の一本一本に
淫猥な情念が宿ると知ってか知らずか。
いまは露骨なまでに身をすり寄せてくるかれのなすがままにされてゆく。
ゴム付きストッキングを引きおろすために太ももに手をかけることさえためらったきみは、
きょうはスカートの奥まで手を差し入れて、彼の欲求に応えようとしている。
その変化は未来の花婿としては忌むべきものであるはずなのに。
どうしてボクはそんなきみをにこやかに見守っているのだろうか?

蒼白い静脈の浮いた細いうなじに、さし寄せられる唇を這わされて。
きみはとろんとした目つきをして、なすがままにされてゆく。
素肌にじかに吸いつけられた唇が、キュウッ・・・と生々しい音をたてるとき。
乳色をしたむき出しの肌に、赤黒い血潮がかすかにはじける。
「あ・・・ん・・・」
悩ましげに眉をひそめて、となりにぴったりと寄り添うかれに、身をゆだねていく。
ボクは嫉妬と惑溺の入り混じった、
わけのわからない衝動にぐらぐらとしながら、
なかば陶酔を浮かべながら血を吸われる婚約者の悩ましげなまなざしを追っている。

あとがき
以前はふたつになっていたお話を、ひとつにまとめてみました。
さいしょに由貴子さんが穿いていたのは太ももまでのゴム付きストッキング。
さりげなくワンピースのすそを引き上げて、脱ごうとする手をおしとどめられてストッキングのまま太ももを咬まれた彼女。
そこまで許してしまった彼女がつぎに身につけていたのは、パンティストッキング。
ためらいは一歩一歩影をひそめてゆき、にこやかな恥らいをうかべながらも。
婚約者のまえ、悪びれもしないで、ちょっとはしたない恰好で素肌を触れさせてしまっています。
危なっかしい光景にドキドキしてしまう私。
けれでも私の胸のうちよりも、まだうら若く稚くもあった彼女がたくまず発散するエロスのほうについ筆がすすんでしまいました。

まわされに

2005年09月21日(Wed) 07:13:01

暗い書斎で独りPCに向かう私。
傍らにぼうっと浮かび上がる妻の白い顔は、どこか幽霊じみてさえいた。
妻はくすっと、イタズラっぽく笑う。

―――まわされに、行ってまいりますわね。

ひと言そういうと、すうっと身を翻した。音もなく。
表に車を待たせてある、と彼女はいう。
そう。
まるでシンデレラが馬車を控えさせているように。
軽やかな白のワンピースに、楚々と透きとおる黒のストッキング。
手垢にまみれたような日常生活のなかで見慣れた妻とは、まるで別人に思える人。

玄関にはすでに男たちの片割れが、妻を迎えるために控えている。
これから妻を犯そうとしている男・・・
思い描いていた卑猥な舌なめずりとは裏腹に、
さえぬ風采の持ち主は表情を消していた。
男は宮中作法のようなうやうやしさで私に深々と一礼すると、
そろそろと妻のほうへとにじり寄って。
足許に軽く接吻をした。
なよやかなストッキングの上からしっくりと這わされる、淫を帯びた唇―――
こともなげにその唇を受けながら、妻はじっとその場に立ち尽くしている。

すこし、見せつけるように。
彼の接吻は長かった。
わずかに洩れる吐息の生々しさに、
辱め、愛し抜かれる予兆を感じ取る私。
夫ならぬ唇が妻の脚に這わされるあいだ。
なぜだか、傍らに佇む己じしんが心地よく辱められているような錯覚をおぼえる。
男は立ち上がると、丁寧に私に頭を下げ、
―――ご主人様のご配慮に感謝いたします。・・・つつしんで、奥様をお預いたします。
淡々と言葉を切った。
応えを待っている。
そう察すると、
―――妻をよろしく。
できるだけ、みじかく応えてやった。
わざと、そっけない口調を作って。
妻はエレガントにほほ笑んで、心からの感謝を頬に浮かべて笑みかける。
さぁ・・・
と差し出される手を取って、
―――行ってまいりますわね。
さっきとおなじ言葉を、落ち着き払って口にする。
―――気をつけて
と、私。・・・要らざる言葉と知りながら。
玄関の扉が開かれて、ふたりを吸い込むと再び閉ざされる。
誰もいなくなった狭い空間に佇む私。
手のなかには、装いを替えるまで妻が身につけていたストッキング。
高貴な趣のする薄衣が、淫らに光沢を放っている。


あとがき
お休みします・・・とかいいながら、さっそくPCに向かっている柏木です。^^;

以下は、祥子さまの「淑やかな彩」に私が書いたコメントです。
http://spaces.msn.com/members/syouko8138/Blog/cns!1pMSulFHcenZFDzAZ4koZCIg!238.entry
輪姦、という言葉にしてしまうとちょっとクリミナルで、マガマガしい行為を連想しがちですが。
複数の男性がひとりの女性を代わる代わる愛し抜く・・・
ということは、「モテる女性」の特権なのかも。
男たちは先を争うようにして女性にかしずき、優しい言葉責めでほどよく酔わせ、
そしてさいごに淫らに堕とし、辱め抜いていくのでしょうか。

祥子さまはそれにこたえて、

>そうですね わたくしは「お姫様輪姦」なんて呼ばせていただいております

と、お答えくださいました。
お姫様輪姦。
そんなロマンチックで淫らな言葉を耳にして、このようなものを書いてみました。
祥子さま、ありがとうございます。&貴女のブログから美しいお言葉を盗み取ってしまった私をどうかお許しくださいませ。

追伸 
「お姫様輪姦」の実態を御覧になりたい方は、いちどぜひ、以下のアドレスをたどって祥子さまの「淑やかな彩」を訪れてみてください。
雅びな文章が、そんなあなたをお待ちしているはずですから・・・
http://spaces.msn.com/members/syouko8138/

物狂いした男の話

2005年09月21日(Wed) 03:29:11

四十男で吸血鬼に咬まれ理性をなくした男があった。
元来男は律義者で、仕立て屋を営んでおり、もちろん女房子供もあったのだが、以来気が変になって見境なく人を襲い血を吸うようになった。
昼間は何事も変わりはないのであるが、日が暮れると目が据わって来、ふらりと往来にさまよい出ては道行く人に誰彼となく飛びついて、うなじに食いつくのである。
本物の吸血鬼になったわけではないから、血を吸うといってもたいした量ではない。
いままでに一番ひどかったのは仕立てた服を取りにいった旅館のお内儀が店さきで襲われたときのことで、それでも昼まで横になっておったら大分按配もよくなって、夕には宿の門前で打ち水などしている、というふうであった。
男が指折りの旧家の出であるせいか、村のものもあまり深く咎めだてせずにおったのが、あるとき村長の孫娘を襲ったことから、そのままには捨て置かれないことになってしまった。
やはりどうでも退治してしまおうか、という声があったとき、村長の家を訪れるものがあった。
「どうぞいっとき、わたしに免じてご猶予を・・・」
居合わせた誰もが、ふたつ返事で頷いた。

その夜も男は、ふらふらと往来をさまよっていた。
仕事をあげたあとどうにも気分が昂ぶって、いつものようについふらふらと家から抜け出してきたのであった。
こういうときに人を襲うのだと、おのれで薄々わかってはいながらも、むしょうに表に出たくなり、闇夜の徘徊をはじめたのであった。
夜も更けて人通りはすっかり絶えていたのだが、そういうときのほうがかえって昂ぶりが増して、だれかよい相手はいないかと目つきばかりぎょろぎょろとあたりをうかがっておった。
ふと見ると、むこうから30がらみの人妻らしい、それ相応の身なりをした女が、傘をさして歩んでくる。
折からのしのつく雨に、地面はしっとりと潤っていた。
女の運命は、知れたことだった。
男は女に気取られまいと、そろそろと足音をしのばせて傘の向こうから近寄ると、だしぬけに女に飛びかかった。
「・・・っ!!!」
魂切る悲鳴を飲み込んで立ちすくむ女を抱きこむようにして、うなじに深々と食いついてしまっている。
ずずっ。じゅるう・・・っ
しばらくのこと旨そうに血を啜っていた男だったが、やおら
「うおぉぉぉっ・・・!」
獣じみた声をあげたかと思うと、くらくらと眩暈を起こしたようになって頭をかかえる。
そうしてとうとう、もんどりうってその場にひっくり返ってしまった。
ヒクヒクとあえぐ口許にむき出された牙が半分溶けかかっていた。

人気のなかった夜更けの往来に、にわかにばたばたと数人の男が駆け寄った。
昼どきの寄り合いで男を退治しようかと言っていた、村の顔役連中である。
あるものは男を戸板に載せて家へと担ぎこみ、あるものは咬まれた女を気遣った。
女のほうは咬まれた痕をちょっと抑えていたものの、蚊ほどにも思わなかったという顔つきで、
「だいじょうぶですよ。これでもう人様にご迷惑はかけますまい」
女は男の妻であった。


あとがき
妻に噛みついた男の話です。
古い小説本を読んでいたら、こんな噺を思いつきました。
あぁあ。世に恐ろしきはヤマノカミ?
傍からみれば美味しそうな人妻なんですが、ね・・・

質より量

2005年09月21日(Wed) 02:38:19

「同情するなら金をくれ」の人が、できちゃった結婚をするようですね。
「同情するなら血をくれる?」というのを、なにかの吸血鬼小説で目にしたような気もします。
さっきの話と矛盾するようですが、「質より量」というのもひとつの真理ですよね。
吸血鬼について想像すると、ちょっと心がサムくなるのですが。(笑)

その昔、村にいた吸血鬼は、しばしば人の命を奪ったそうです。
追い詰められて。
切羽詰って。
奪らなくてもいい命を奪っていた。
人ひとりが己の身に宿す血潮を、そっくり飲み取るなどということは、物理的にも難しいはず。
(もちろん相手は魔物なのだから、あくまで想像の限りの話ですが。)
体内の血液の数分の一を喪うために生命を奪られることの愚をさとり、かれらと和解した祖父母の代の人たちは、つくづく悧巧であったと思います。

量より質

2005年09月21日(Wed) 02:31:56

量を誇ることには意味がないのですが。
月の半ばをとうにすぎたのに、
今月のアップ数は先月の約半分強です。
まー、先月がいかに粗製濫造だったか・・・ということに過ぎないのかもしれないのですが。
お酒だって、イッキに飲めばいいという飲み方が愚の骨頂なのと似ていますね。

たとえ千人の女を抱いても。
この世でたった一人の女しか愛さなかった者のほうが女を知っている・・・
そんなことすらあるという。
母がよく自慢する。
ネェ、ドウシテオバアチャンニナッタ私ガ、イツマデモ彼ニ愛サレテイルカオ分カリカシラ?
と。
お茶のお稽古の帰りに、奥ゆかしい和服姿のまま抱かれることもある・・・という。
せっかくの和服を汚すまいと、さすがの彼も気を使いながら。
ズズズ・・・ちゅるうっ・・・
わずかずつ、傷口からにじみ出る血潮を、それは旨そうに啜り取っていく。
そんなときの母はとても心地よさそうで。そして誇らしげですらある。

まわる

2005年09月20日(Tue) 19:36:47

まるで、まわされているみたい。
腕のなかで妻はそう囁いた。
とっさのことばに昂ぶって、
濁った熱情を注ぎ込んでしまう私を、
苦笑しながらも嬉しそうに受け容れてゆく妻。
そう。
最初にキスを交わしたのは、私。
処女を獲たのは、彼。
結婚披露宴のあと。
花嫁が初夜を奪われているあいだ、私はホテルの廊下に独り佇んでいた。
長男と長女は私の子。
そして、次男は彼の血を受けている。
いいじゃないの。
妻は言う。
とても素敵よ。ふたりとも。
そういって見あげる階上の子供部屋。
天井を隔てて。
二個の妖精が乱れあっている。
まるで、無邪気にじゃれ合うように。
次男がいま、長女の部屋に忍び込んで。
彼女に美しい夢を見させている。
去年独立した長男は、年長者らしい寛大さで、己の嫁を弟に逢わせていた。

まりあのお部屋~女教師の受難

2005年09月20日(Tue) 08:38:00

前回に引き続き、まりあさんのシリーズをお届けします。
こちらのブログでも奔放に乱れるまりあさん。
さすがの吸血鬼もしょうしょう辟易しているようですが・・・^^



まりあの授業中居眠りする男子は、まずいない。
女子はまじめな子ばかりだから、そもそも居眠りなんてお行儀のわるいまねは、まずしない。
そんなまりあはきょうも教壇に立つ。

「このなかの女の子で、下着やストッキングをイタズラされたことのある人~?」
まりあの声に数人の女の子が、周囲の様子を窺いながら、おずおずと手をあげる。
「じゃあ、好きな男の子にだったら、イタズラされてもいいかな、って人~?」
こんどはもう少し、挙手の数が増える。
「男の子で、まりあの下着、イタズラしちゃったことのある人~?正直にいってちょうだいね」
「はぁーーーーい!」
ほぼ全員の、男子の手があがる。
え?え?えぇ~っ?そうなわけえっ!!?

がばっとはね起きると、もう朝食の時間だった。



昨日は、大収穫だった。
夕べのナースステーションでの出来事を反芻して、吸血鬼は思わず舌なめずりをしてしまう。
両手で口を抑えて立ちすくむ若い看護婦。うろたえながらも抗おうとする婦長。
そんなふたりをまりあと手分けして縛り上げ、年の順にうなじに牙を突き立てていった。
濃厚で熟れきった四十代の婦長の血。
さらさらと喉越しのよい、新卒の看護婦の血。
黒メガネをかけた婦長のストッキングのほうがぎらぎらとテカっていて、血潮もいっそう淫らな香りがしたのがちょっと意外だったけれど。
さいごはもちろん、お目当てだったまりあの白衣姿にありついてシメにした。
ふたりの同僚が襲われている最中に着替えてくれたまりあ。
わざわざ若い子よりもつややかな、舌触りのソフトな感じのするストッキングを履いて現われたのには、苦笑してしまった。
そんなに、張り合うなよ。
本当は三人の中の誰よりも、あんたの血が旨いんだよ。
そう思いつつも、抜群のプロポーションにぴったりとマッチした純白のストッキングに欲情して、よだれに濡れた唇を思うさまなすりつけてしまっている。
まりあの下肢を覆っているほどよい肉づきがいっそうかれの食欲をそそって、つい吸いすぎてしまったら。
気丈な婦長、さっそくまりあに輸血の処置を施してくれた。



歩きながらついにやにやと思い出し笑いを浮かべてしまうのを、通勤の道を急ぐ往来の男女が、不審そうに振り返ってゆく。
ふと顔をあげると、むこうからひときわセクシーな感じのする若い女性が歩いてくる。
ピンクのスーツに身を固めた女教師、まりあだった。
後ろにまとめた長い黒髪がつやつやと、朝の光のなかに揺れている。



さっきからドキドキ胸をはずませながら、吸血鬼はまりあのあとを尾行けていた。
そうとは知らず、白いパンプスを履いたぴちぴちとした脚線美がリズミカルな歩みをすすめている。
左右の脚にかわるがわる陽の光を反射して、てかてかと輝くストッキング。
小麦色の肌にほどよくマッチした色づかいが心憎いと彼は思った。
ストッキングのなかではじけるような若さを滲ませたふくらはぎに、さっきからそそり立ってくる牙を隠しきれなくなりはじめている。

折れ曲がった住宅街の狭い道を通る人間はこの時間帯限られていた。
近在の進学校の生徒か教師だった。
あの女は教師のほうだな。
そんなふうに一瞬見間違いそうな童顔。
でもたわわに実った乳房はスーツの下に隠れていても、その存在感を雄弁にアピールしている。
十分ほど歩くと曲がりくねった住宅街は尽きる。
視界は急にひろがって、道は畑の真ん中を横切っていた。
あと百メートルも歩くと校門だった。
あたりを見回すとまだ早い時間のせいか、生徒の姿はまったくなかった。
さぁてと。
このあたりがチャンスだな。



「失礼。○×高校のかたでいらっしゃいますね?」
唇の裏に秘めた牙をじりじりと疼かせながら、まりあを呼び止める。
「えっ?あ、はい、そうですが」
どんな駆け引きをしようかと迷う一瞬。
しかし衝動が全てにまさっていた。
やおら手をつかまえて。
ヘビがエモノを呑み込むような勢いでピンクのスーツ姿を猿臂のなかに巻き込むと、道の傍にまで迫っている雑木林に連れ込んでしまっている。
「きゃっ、何をなさるんです・・・」
取り澄ました女教師の振る舞いも、そこまでなんだよ・・・
木の幹に押しつけた美しい獲物にほんのちょっぴり憐憫をよぎらせながら、吸血鬼はまりあのうなじを咬んでいた。
「アアッ!」
かすれて上ずった悲鳴に、抱きすくめる腕にいっそう力がこもる。


「あっ・・・ああっ・・・!あううう~っ・・・」
刻一刻と血を吸い取られてゆきながら、まりあは身をよじり、もだえてしまう。
ぴちぴちとした肉体のそんな抗いさえ腕に心地よい。
きゅうっ。きゅうっ。きゅううううっ。
小気味良いほどリズミカルにまりあの血を吸いあげてゆく吸血鬼。
「きみは、O型のようだね?」
「えっ、ええ・・・」
唐突な質問に、つい真面目に答えてしまう。
「あんたは、真面目な先生のようだね」
吸い取ったばかりの血潮を鋭い牙にきらめかせて、吸血鬼は笑った。
「でも、真面目なのか真面目でないのか、よくわからんところもあるね・・・」
そう呟いて手を差し入れる股間は熱っぽく、にわかな潤いに満ちていた。
「さぁこんどは、そのよーく熟れたおっぱいを咬ませてもらおうかな?」

引きずり込んだ納屋のなか。
柱に縛りつけられたまま、まりあは自分の携帯をもたされている。
「いわれたとおりにしゃべるんだ」
そう、脅されて。
「あの、まりあです。すみません、体調不良で。きょうはお休みさせていただきます・・・」
そうだ、そうだ。上出来だね。
吸血鬼はまりあの頭をしんそこいとおしそうに撫でつける。
さらさらとした黒髪が意外に重たいのは、量がおおいばかりではなかった。
妖しくなまめかしい乱れ髪は、いままでどれだけの男どもを惑わしてきたのだろう?
「まりあはお芝居が上手だね。いまので教頭先生は、完全に騙されたな。その演技力、これからたっぷり拝見させていただくよ」
吸血鬼はまりあの耳もとで囁いた。
フッと洩らす吐息の生温かさが、かえってまりあにうすら寒い予感を与える。


「ご褒美に、そのおっぱいを食べてあげよう」
「あっやめてください・・・っ」
「ダメダメ。さあ覚悟して。ヘンに抵抗すると、よけい痛いぞ~」
意地悪く笑んだ口許から鋭い牙をむき出して、ブラウス越しに迫らせる。
ぶちゅう・・・
ズキズキ疼いた牙を襟首のすき間から差し入れて、柔らかな胸元に埋め込んだ。
ふんわりと弾力のある胸に、ブラウスのうえから掌をあてがって軽く揉みしだきながら。
きゅうっ・・・きゅうっ・・・
押し殺したような吸血の音が、狭い納屋に充満した。
「大人しく相手をしてくれれば、逃がしてあげよう。血はそれなりにいただくよ。死なさないていどにね・・・慣れないお相手だろうけれど。なぁに、吸血鬼だって、人間の男とそう変わりはないのだよ」
ほんとにそうみたい・・・
ご自慢の豊かな胸にありついて愉しみはじめた吸血鬼に、まりあは不思議と落ち着きを取り戻す。

「まりあは自分から望んでここに着たんだよね」
「は、はい・・・」
「そのスーツ姿も、私を誘惑するために着てきたのだろう?」
「は、はい・・・」
何を言われても逆らってはいけないのだ。
知らず知らずそんな気持ちにさせられて。
どんな問いかけにも肯定の返事をしてしまう。
「よぅく、お似合いだ。いまから望どおり、たっぷりと辱めてあげよう」
「えっ、ええ・・・」
男は欲情に満ちた息遣いも荒々しく、まりあの足許にかがみ込んでゆく。

「まりあはイヤラシイものを穿いているね」
たくし上げられたスカートの下で、太ももをじかにつかまれて。
掌の冷たさを覚えながら、
「そ、そんな・・・」
まりあは恥ずかしそうに口ごもる。
「こんなにイヤラシイもの身に着けて。学校にまで履いて行って。男子生徒を誘惑しているんだろう?いけない先生だね」
おもむろにつけた唇で、ぬるぬるとしたよだれをなすりつけながら。
べろで、ぬるり、ぬるりといたぶりながら。
「教頭先生にかわって、お仕置きをしないとね」
吸血鬼は冷酷に、宣告をした。
「さぁ、私が上手に脱がしてあげよう」
「イ、イヤッ・・・」
初めて逆らうまりあの頬が、平手に鳴った。
「素直ないい子をつづけるんだよ」
ヒリヒリしびれるほっぺたがむしょうにキモチよくって。
まりあはこくりと頷いていた。
あくまで穏やかな声色で男はそういうと、こんどはストッキングの太ももに、ロコツに唇を這わせてくる。
「ひいっ」
まりあが相手をしてきたのは受け持ちのクラスの男子学生がほとんどだった。
誰もかれもが衝動的に、未熟な手つきと率直な強引さで彼女に挑みかかってきた。
しかしこの男のやり口は違う。
いままでのだれよりも淫靡にいやらしく。
まるでおもちゃをあつかうようにむぞうさに。
まりあを弄んで愉しんでいる。
生命の危険がなさそうだと直感すると、まりあの淫らな血潮がにわかに騒ぎ始めていた。


「あっ、あっ、あううっ・・・あひいっ・・・」
まりあは柱に縛られたまま、こんどはじぶんのほうから、吸血鬼に抱きついてしまっている。
それくらい、彼の愛撫は執拗で、濃密だった。
足許には、引き裂かれてひざ下まで脱げ落ちたストッキング。
それをひらひらとたるませたまま、パンプスの脚はくねくねと妖しくくねりながら、脚もとの藁を踏みにじる。
えぐられた股間がジンジン疼き、それに合わせていっしょにくり返す激しく淫らな上下動。
ぽたぽた滴る熱い液体がさっきから、しきりにふくらはぎを伝い落ちるのが気になって。
脚をすぼめたりくねらせたり。
そんなまりあのダンスを愉しむように、彼女のパートナーはロコツに股間をむさぼっている。
ぎしぎしこすれ合う、肉と肉。
あぁ、あぁ、あああ・・・
メスの声色もあらわにして、積極的にまぐわってしまった。
あたしったら、お行儀悪くて。
どうしてこんなプレイに燃えてしまうの・・・?

もう、陽は西に、傾きかけていた。
それでも納屋のなかの宴は、いつ果てるともなくつづいてゆく。

ちょっと淫らなオフ会 3

2005年09月20日(Tue) 00:08:00

いよいよ吸血鬼氏の登場です。
理江さんに、貞操の危機迫る?^^
お楽しみを。


思ったよりも、切れ長な・・・
柏木が引き合わせてくれた吸血鬼。
頬骨がやや浮き出た細面。ぴいんと張りつめた薄い眉。
鼻筋のとおった、どことなく日本人離れしている彫りの深い顔だちに、ノーブルなものと冷酷なものとが漂っている。
眉が濃くて見るからに黄色人種な柏木とも、対照的な顔だちである。
(想像とはかなり、違うかなあ)
理江の描いた吸血鬼は、ヨーロッパ生れの美男であり、美女だった。
たしかに目のまえの吸血鬼も整った顔だちをしているが、どこか線が細く、大名か公家の御曹子のような趣をもっている。
彼は日本人だろうか?
血の気を失った蒼白い肌が、白色人種のそれかどうか、にわかに判断がつかない。
冷たい無表情は表を取り繕っただけらしい。本当のところはどこかうかがい知れない深い情念をたたえている。
さすがに理江は冷静に、彼の心の裡をあるていど、見抜いていた。
かれは理江に近づくと手を取って、手の甲に接吻をした。
ナイトが貴婦人に接するような古風な態度に好感が持てた。
「お近づきのしるしに、少し寄附していただけますね・・・?」
丁寧だが、決して拒絶を許さない口調に、理江はすすんで頷いてしまっていた。
自分の意思で頷いている・・・
吸血鬼もまた、理江に好意を覚えた。
生命の危険をまったく覚えずに、理江は昂然と胸をそらして、吸血鬼と対峙している。


「わたしはにわか吸血鬼ですが、こちらは筋金入りの本物ですからね」
傍らから柏木が口を添える。
穏やかにとりなすような口調に、理江は落ち着きを取り戻していた。
「どうやら、そのようね」
自分に一身に強い視線を注いでくる吸血鬼から目をそらさずに、理江はこたえた。
「どうぞ、お手柔らかに・・・」
ほほ笑んだつもりが、すこしだけこわばっている。
そう、固くならないで・・・
彼は理江をふたたびイスに座らせると、慇懃に腰をかがめて彼女の足許にかがみ込む。
片方のストッキングは、柏木によってみるかげもなく破られている。
そちらのほうへは見向きもせずに、吸血鬼は無傷なほうのふくらはぎを択んだ。
器用に唇を吸いつけると、こともなげにストッキングを咬み破る。
くちゅうっ・・・
喉を鳴らして血を啜る彼に、理江はふたたび息を詰めた。
うつむきがちな彼女だが、柏木のときとはちがって決して目をそむけずに血を吸われる肌を見守っている。ヒルのよにうごめく唇の下でストッキングがみるみる破れを広げてゆくようすを、理江はちっとも騒がずにじいっと見つめている。
ちょっと賞賛してやりたいような落ち着きぶりだった。
初対面とは思えぬくらい息の合った二人の所作に、柏木はすこし嫉妬を感じはじめている。



「うなじも、ちょうだいしますよ」
首すじに唇を這わされて、理江はちょっとだけ狼狽した。
計算しつくされたように太い血管を探り当てられるのを感じて。
鋭利な牙がゆっくりと、チクチクと滲むように刺し込まれてくる。
あ、あなたぁ・・・
何も知らないでいまごろゴルフに興じている夫。
すすんで危ない橋を選んだのを棚にあげて、能天気な夫がなんだかうらめしくなってくる。
この吸血鬼は血潮に秘められた理江の過去まで知り尽くしてしまうであろう。
ああ、すべてを知られてしまう・・・
心のなかで、理江はちいさく悲鳴をあげる。
ちゅうううっ・・・
吸いだされる血潮の生温かさを素肌に覚えながら、理江は悩乱していた。


たしかに。
このひとは私のすべてをかいま見た・・・
はっきりとそういう実感を感じる理江の耳もとを口でおおうようにして、吸血鬼は囁いた。
「・・・ふたりの秘密にしておきましょうね」
もはやウットリと頷くしかない理江。
安堵からか、状況への順応からか、理江はすこし大胆になっていた。
ふたたび牙を迫らせてくる吸血鬼に応じるように、自分のほうからうなじを仰のけて素肌をさらしてゆく。
吸血鬼はにんまりと笑みを浮かべて、理江のうなじを咥えた。
ずぶり・・・
と、もういちど熱っぽくうなじに咬みつく。
ぎゅうっ、とひと口血を吸い取って。
吸い取った血潮を、香りのよいワインを賞翫するよにひとしきり舌にころがして。
さいごに勢いよく牙を引き抜いた。
ぴゅっ。
はずみに飛び散った血潮が、純白のブラウスにもののみごとに撥ねかった。
「もぅ・・・」
新調したばかりのブラウスにバラ色の水玉模様をつけられて、理江は甘えるように口を尖らせる。
口ではそういってみたものの。
官能を交えてくり返し肌を侵しつづける鋭利な牙の、小気味良いまでの切れ味のよさに、酔うような快感を抑えきれなくなっていた。
帰れなくなっちゃうじゃないの・・・
そういいかけて。
でも、それがなんだというのだろう?
今夜、夫は帰ってこない・・・
もうひとつのキケンな想像に、理江は不意に秘められた部位の疼きを覚えた。


鮮やかな黄色のタイトスカート。
その裏側に、彼の手がすべり込んでくる。
ひざ小僧を。太ももを。そして腰周りを。
せりあがるようにして撫で回されていく。
薄手のナイロンが太ももの周りでよじれる感触がじんわりと素肌にしみ込んで、濃密な愛撫の快感をいちだんと増幅させる。
彼の指は器用にもパンストのゴムの隙間から腰骨を経由して、とうとうショーツの内側へと爪を滑らせていた。
鋭利な爪が、Tバックのショーツを断ち切る。
犯される・・・
いま、じぶんの上にのしかかっている吸血鬼に。
そして恐らくは、柏木さんにも。
傍らで大人しくひかえながらも、柏木のじりじりとした目線が絡みつくのを感じながら、彼女はゆるやかに身をよじり、もうあらゆる抵抗を放棄している。
投げ出された貞操は、蹂躙の刻を待っていた。


チリリリリ・・・
聞きなれた携帯の音に、理江は反射的に手を伸ばしていた。
幸か不幸か、すぐ届くところに落ちていた彼女の携帯。
「もしもし」
とっさにひそめた声に応えて、夫の声がした。
「よぅ、まだ起きていたの?」



「どうしたの?」
ちょっと不機嫌そうに、理江は応じる。
吸血鬼はさすがに手を止めて、物音を忍ばせていた。
「家に電話しても出なかったからさー。やっぱ出かけたんだねえ」
「えぇ、そうよ。お友達と、まだいっしょなの」
「だれ?」
「いいじゃないの。誰だって。あなたの知らないひと。残念ながら女よ。電話、かわろうか?」
どうみても男顔のふたりを見比べて、理江はちょっと意地悪い視線をめぐらせる。
顔を見合わせ、肩をすくめる二人には目もくれず、彼女はいつものペースでまくしたてた。
「お酒飲んでたら、終電乗り過ごしちゃったのよ。タクシーで帰るから・・・ホテル代とどっちが高いかしら。でもどうせあなたが気にするし。そうしたほうがいいんでしょう?」
受話器の向こう側は、閉口したような声色になっていた。
「わかったわかった。・・・てっきり本当に吸血鬼と浮気しているのかと思ったよ」
むこうはなんだか、がやがやしている。
徹マンでマージャンでもしているのだろうか?
「もぅ、酔っ払っているのね?ヘンな電話かけてこないでよ。それから、あんまり負けて借金こさえないようにしてね。あなた、勝負事弱いでしょ?」


あ~あ。よけいな邪魔が入ってしまいましたね・・・^^;
この話、まだまだ続く予定です。^^

まりあのお部屋~白衣な彼女を汚したい

2005年09月19日(Mon) 23:11:00

なんと!「夢のひと雫」のまりあさんのご好意で、ヒロインのまりあが当ブログに登場することになりました。
まりあさん、ありがとうございます!


秋風がひんやりと足許を吹きぬけるようになった夕暮れどき。
看護婦のまりあは病院が引けると黒いミニのワンピースに着替えて家路を急いでいた。
この公園は吸血鬼が出るという。
きょうにかぎって、なんだかいやーな予感。
だって、さいごに初診の受付にあらわれた顔色の悪い患者さん、なんだかようすがヘンだった。
待合室で、まりあのことをじろじろ見つめて。
目だたないようにいちばん隅にうずくまるように腰かけて。
でも、見られることに慣れているまりあには、ちらちらこっちを盗み見るとてもやらしい視線がすごく気になっていた。

看護婦仲間のリョウちゃんと別れると、公園はひとりで通り抜けなければならない。
誰にも会いませんように・・・ヘンな人に声かけられたりしませんように・・・
ちょっと高めのヒールをカツカツとアスファルトに響かせて。
目線を落としてまっすぐ通りすぎるメインストリート。

と――― 。
突然、空模様があやしくなった。
さっきまでよく晴れたきれいな夕焼けがみるみるかげをひそめて、
あたり一面、真っ暗になってしまった。
えっ?どうしたの?
まりあは急に変わりすぎた風景に息を呑んで立ちすくむ。
ふと肩に置かれた手に振り返ったら、そこには・・・
「アアッ!」
ちいさな叫びをあげて、縮みあがってしまった。


痩せ身の体を黒マントにおおいかくすようにして。
初めてあなたはあたしの前にたちはだかった。
こっ、怖い・・・・・・っ!
悲鳴をあげようとしたが、声が出ない。
とっさに飛びのこうとしたけれど、脚がすくんで身動きもできない。
高校のバレー部でならした素早いはずの身のこなしを完全に封じ込まれて。
まりあはうつけたようにフラフラと、黒マントの腕の中にじぶんのほうから身をまかせていく。

怖い・・・怖い・・・っ
こんなはずじゃないのに。どうしてあたしが・・・
恐怖に身を揉みながら、かろうじて仰のけた顔。
強い眼差しがじいいっと、まりあの白い肌に注がれている。
「はじめまして。お嬢さん」
病的なくらいに蒼白い頬をゆったりとゆるめつつ、彼はまりあに迫ってくる。
「あの・・・あの・・・」
見逃して・・・
そう哀願したいのに、言葉が口から出てこない。
あたかも彼にその文句を禁じられてしまったように。
「お医者様から、きいたね?私の病名を」
「え・・・?なんのことでしょう」
しらばっくれるまりあ。
あのとき診察を終えた先生はちょっと顔色をあらためて、
「帰り道に気をつけてね」
そういったのだけはよく憶えている。
病名こそ教えてくれなかったけれど。
さっきの初診の患者さん、ただならぬ病状なのだと、先生の引きつった顔つきにそう書いてあったはず。
「どうしても気分が悪くて伺ったのだが。私のことが広まっては困るのですよ。わかって、いただけますね・・・?」
冷たく笑んだ口許からのぞいた、人間離れした鋭い歯をみせつけられて。
まりあは思わず、うなずいてしまった。
そうした反応は、彼にとって満足だったみたい。
「よろしい。聞き分けのいいお嬢さんだ。とても満足だよ」
彼はほくそ笑みながらそうつぶやくと。
「それでは、どうしたらいいのかも、お察しになっているね?」
「え・・・?」
「きみの口から、秘密が洩れてはならない。そして、人の口に、戸は立てられない・・・お利口なまりあさんなら、もうおわかりだね?」

ひっ・・・
まりあを、どうするっていうの?
血を吸い尽して、死なせちゃうつもり?
そんな。そんな。
まだまだ、やりたいことがたくさんあるのに!
彼氏だって欲しいし。結婚だってしたいし・・・子供も生んでみたい・・・
そんなまりあの命を、こんなところで終わりにしろとおっしゃるの?
そうこうしているあいだに、吸血鬼のおじさまはまりあの両肩をつかまえて、にじり寄ってくる。
「そう・・・病院に行った本当のわけはね。治療のためじゃあないんだ。きみのような、若くて可愛い看護婦さんを物色にきたのだよ。気分をよくするためには、生き血がたんと要るのでね・・・」
そういうとおじさまはまりあを抱きすくめ、うなじに唇を吸いつけてくる。
冷たい唇・・・
そう思った瞬間、
くちゅっ。
唾液のはじけるかすかな音に、まりあは震えた。
ずぶり・・・
優しい物腰とはうらはらに、思い切り力任せに刺し込まれてくる二本の牙。
痺れるような痛みに、まりあはとうとう、気を失った。



そよそよと流れる風が頬をくすぐる感覚に、まりあは目ざめた。
雑草の青臭い香りが鼻腔に充ちてくる。
気がつくとまりあは講演の草むらに仰向けにされていた。
さっきまでおおいかぶさっていたらしい吸血鬼のおじさまは、
「よしよし。気がついたね」
そういってまりあの頭を撫でてくれる。
なんだか、お子様になったみたい。
軽い眩暈。
ひじや背中に滲んだ、倒れたときの疼痛。
でも、思ったよりは悪くない気分。
「ご馳走様。いい子だね」
そういわれると、うなじにつけられた傷口がにわかにズキズキ疼いてきた。
おじさまは、まりあのことを見通すように、
「傷はとうぶん、疼くよ。治す方法はただひとつ」
そういうとおじさまはもういちど、まりあにのしかかってきて。
長くてしなやかな舌を、うなじの傷をぬるぬるとぬめらせてくる。
「あっ・・・」
思わず身をすくめるまりあ。
でも、ジンジン疼く傷口はみるみるうちにほてりをおさめて、しっとりと落ち着いた身体のようすに安らぎさえも感じはじめる。
「さぁ、もうわかったね。あんまりきみがかわいいので、生命を取るのはやめにした・・・そのかわり、きみは血の奴隷として、しばらく私に仕えてもらうことになるよ」
いたずらっぽい笑いに、まりあはひと思いに死ぬよりも悪い運命を予感した。



「さぁてと。すこしイタズラさせていただこうかな」
病院で、白のストッキングを履いたまりあの脚を、舐めるように観察していたあなた。
ミニのワンピースをつまんで、あっという間に腰までたくし上げてしまう。
「あ、あっ・・・」
「きみ、彼氏はいるの?」
「い、いません・・・」
「じゃあ、ガマンできるね?」
彼はそういうと、あらわになったまりあの太ももに、おもむろに唇を這わせてきた。
「やだ・・・」
戸惑って身をすくめるまりあが愉快だったらしくって。
ストッキングごしににゅるにゅると這わされる、よだれまじりの唇。
蹂躙。
そんな表現がふさわしい仕打ちに、まりあは思わず涙をうかべる。
「や、やめて・・・やめて・・・」
「ほほぅ。まりあさんはこういうおイタは、初めてのようだね。いまのうちにようく、心得ておくがいい。慣れるとなかなか、楽しいものだよ」
ストッキングを履いた若い娘の脚がお気に入りなのだと。
街の人は眉をひそめて、かれのことをそう、噂していた。
まさに、噂どおりの彼。
どうしよう。どうしよう。
涙に濡れた頬を夕風にさらしながら、くすぐったいようなべろのいたぶりに耐えるまりあ。

チリチリになったストッキングを得意気にもてあそびながら。
「ベージュのストッキングも、なかなかお似合いのようだね」
病院で履いている白のストッキングは、更衣室で履き替えてきていた。
オフのときのお気に入りは、アーモンドブラウンか、すこし濃い目のベージュ。
白は、ふだんはあまり履かない。
見かけよりずっとハードなお仕事を、オフのときくらいは忘れていたいから。
「なかなかいい舌触りだったよ、まりあさん」
いやらしい。
整った顔は若く見えたけど、案外人並みにイヤラシイ中年のおやじなのかも・・・
いとわしさにいっぱいになりながらも、恐怖に震えてあらがうこともできないでいる。
更衣室でおろしたばかりの、おニューのストッキング。
べつに彼を愉しませるために身に着けてきたわけじゃないのに・・・
「イヤッ!」
理不尽なあしらいに、若い娘らしい潔癖さから、嫌悪をむき出しにしてしまう。
「ほほぅ。お嬢さん、なかなかてごわいね」
不埒な唇から我が身を隔てようとした腕をなんなくつかまえてねじ伏せると、吸血鬼はまりあの太ももに牙を突き立てる。
ずぶり。ぶちぶちっ。
ストッキングが裂けて、太ももの周りからゆるやかな束縛がほぐれていく。
ああ・・・
ふたたび血潮を吸い上げられながら、まりあはかぶりを振って、いやいやをくり返していた。



牙よりは柔らかいから、まりあにも受け入れやすいよ。
あなたはたしかに、そういった。
まりあが気になる入院患者さんの、あちらの面倒までみているの、いったい誰からきいたんだろう?
でも。
ミニのワンピースを着たまますそをまくられて。
まるで交尾するようにぐいぐいとむさぼるように抉られて。
これが大人のセックス・・・?
まりあはまだまだ、幼なかった。
いっぺんにイカされて。
しんそこ、マイッてしまっている。
舞い上がっちゃってる。
侵入する肉と、包み込む肉。
そのふたつがしっくりと、溶けあうように交じり合って。
あなたは私の奥深く、熱く濁った液体を注ぎ込んだ。
私から奪い取った血液を償うように。
それはそれは、たっぷりと。



ちぃ。ちぃ。ちぃ。
熱狂の刻がどれほどつづいたのだろう。
虫の音がかすかに、耳もとにしみ込むのを感じた。
やだ、もうこんなに暗くなって。
なん時間、まぐわったのだろう?
凄い。こんな経験、初めて・・・
まりあのなかにはもはや恐怖は消え去って、
吸血鬼のおじさまへの感謝と賞賛に満ちていた。
若々しい肉のすみずみにまで、淫らな血潮がかけめぐるのを実感する。
あんなに吸い取られちゃったあとなのに。
そう、あたしは吸血鬼の娼婦に生まれ変わっていた。
「おろして肩に流すんだ。そのほうが、傷もめだたない」
きちんと結わえたまりあの長い髪の毛をむぞうさに解いて、かれはそう教えてくれた。
生き血を捧げる乙女の髪型になって。
まりあは素直に頷いている。

破れたストッキングをまりあの脚から引き抜いて。
戦利品をせしめるようにポケットに入れた彼。
「看護婦さんにふさわしく、こんどは真っ白なストッキングを履いていただこうか?」
そういう彼のリクエストに、当然ね、と答えてしまっている。
「更衣室に、新しいのがあるの。これから取りに戻ろうか?なんなら、白衣に着替えてあげようか?」
―――いいね、病院のほうが気分が出そうだな。
真夜中のナースステーション。
当直は婦長と、一番若い看護学校出たての子。
―――婦長を落とせば、ほかの看護婦のことも、もっとおおっぴらに狙えるね。
―――熟女の生き血も、好みなのだよ。
あくまでどん欲な彼。
でも気になるのはむしろ相棒の、まりあよりも若い看護婦さん。
―――だいじょうぶ。あの子はもうチェック済みだ。きみほどのことはない。
―――もう、襲っちゃったしね・・・
おじさまはそういって、イタズラっぽく笑う。
―――まりあはすこし、妬きもちやきだな。もっと自分の魅力に自信をもつことだよ。
もうっ!
まりあはおじさまの肩を、なかば本気でどやしつけている。


すこ~しだけ、まりあさんのタッチを生かそうと試みました。
でもまりあさんの柏木あえになっちゃったかな~?^^;
不出来だったら、お許しを。^^
あまり私の文体に染めすぎると、まりあさんがまりあさんではなくなるようで。
看護婦のまりあさんは、文中にもあるとおり、気になる患者さんにエッチな治療をしてしまう、ちょっと小悪魔なキャラクターです。
ぜひいちど、遊びに行って、本物のまりあさんと戯れてみてください。
http://rima0diary.blog13.fc2.com/blog-category-12.html
なお、黒いミニのワンピースは、「OLまりあの日常 痴漢電車 初めて「彼」とイッタ日」からレンタルしました。

ひぐらし時雨

2005年09月19日(Mon) 07:48:29

いつの年だったろうか。
季節はちょうどいま時分よりもすこし秋に近づいた、
ヒグラシがしきりに切なげな声をひびかせていた夕暮れどきのこと。

仕事が早く引けて家路をたどると、家のなかがまだ暗かった。
もうその刻限には灯りがいる季節になっていたし、
きのうも夕食の支度で騒々しささえもれてきそうな蛍光灯の光があふれるばかりに庭先にまで漏れていたはずだ。
吸血鬼の招待をうけたのだろうか?
その夜は従弟の妻か、妹夫婦のところへ行くと言っていた彼であったはずなのだが。
一時の気紛れで召し寄せられたものであるのなら、帰りはそう遅くないはずだ。
一杯やりながら待っていれば、ウキウキともどって来るかもしれない。
そんなことまで考えながら玄関を開ける。

意外にも、妻は家のなかにいた。
玄関をあがってすぐのリビングに、灯りもつけないままダイニングに腰をおろす妻。
俯いた横顔がこれを限りの夕陽に照らされて、ひどく美しくみえた。
「どうしたの?灯りもつけないで・・・」
と言いかける私。
彼女の表情の暗さについあとのことばをのみ込んでいた。

血のついたエプロンをつけたまま、彼女は脚を伸ばしてつま先に手をやった。
裂けたストッキングに爪を立てて。
ぴりり・・・ぴりり・・・
自分から、引き裂いてゆく。
ちいさな悲鳴に似たかすかな音とともに、みるかげもなくむしり取られてゆく。

「あの子も、大人になったわね・・・」
つぶやくような、虚ろな声色。
リビングはオープンに広々と、庭までつづいている。
夕焼けの名残りが広がる庭先と私たちのあいだに黒々と横たわるソファーに折り重なった、ふたつの影。
吸血鬼は母親の血を吸い取ったあと、その娘を襲っている。
すっかりなりをひそめている娘。
切なげな息遣いは、失血の苦痛からくるものではない。
もっと甘美なものを含んでいることに、さすがにうかつな私も否応なく気づかされる。

「もう、すっかり大人よ」
夕陽が織りなす光と影。
まくれあがったチェック柄のスカートからのぞく太ももが、豊かな陰影に彩られて、すっかり娘らしくなった肉づきを際だたせていた。
ひざ下までぴっちり引き伸ばされたショート・ストッキング。
まだ中学にあがるかあがらないかの年頃の彼女にとっては、精いっぱいのおめかしなのだろう。
一人前に、母がストッキングの表面に走らせた伝線とおなじものを走らせて。
ふくらはぎにひとすじ走る太い縦のストライプが、ふくらはぎの輪郭をかたどるように、微妙なカーブを描いていた。

妻の目線は、もうすこし上。
よく輝く瞳がウットリと焦点を喪って、淫蕩な輝きを帯びていた。
逆光になってさだかには窺えない娘の表情に、女のそれを見出したのだろう。
心なしか彼女の頬にただよう怨みの色。
それは娘を穢されたことに対するよりも、嫉妬であったろう。
おそらく彼女は未だそれを自覚してもおらず、しようともしないのだが・・・

ちょっと淫らなオフ会 2

2005年09月19日(Mon) 02:46:00

つづきです。
理江と柏木の心境をかわるがわる、描いてみました。^^


どうしてそういう話題になったのだろう。
二人きりとはいいながらそれとなく気になっていたお義母さまの存在が消えたためだろうか。
それとも・・・
言い出した本人にも、いまだにわからない。
「ねぇねぇ、柏木さんって人の血を吸えるの?」
とうとつな質問に、さすがに柏木氏も驚いたのか、あっけに取られたように口をぽかんとあける。
もちろんこういう話題、テキものぞむところであったに違いない。すぐにノッてきた。
「吸わせて、いただけるんですか?^^」
すかさず話題を合わせてくる彼に、
「こんなかっこうしていたら、襲われちゃいますよね~?^^;」
と、こざっぱりとしたスカート姿をみせびらかすようにした。
座の雰囲気が、ちょっと妖しくなってくる。
「きれいな光沢のストッキングですね」
そんなふうにさらりと言われると、あまりいやらしさを感じない。
男だって、ネクタイをほめたりするではないか。
(いやいや。本当のところはもう、じゅうぶんにいやらしかったりするのだが。)
「あら、そお?」
こんどはこれ見よがしに、脚をくねらせる。
「あ、いいな。もう一回やってみて」
「やらしい」
そういいながらちょっとだけ、タイトスカートをたくし上げてみた。
「なにやってるんだろ、私ったら」
「いえいえ^^ もうちょっと引き上げていただけるとなおよろしいですね」
「いやらしい」
さすがに理江も、人妻としての節度を忘れていない。それ以上、太ももをあらわにしようとはしなかった。
「ストッキング、お好きなんですよね」
「・・・」
「吸ってみて」
え?と問い返す柏木氏に、
「貴方のお話に出てくる吸血鬼みたいに。そのかわり、カッコよくやらないとダメよ」
あくまでプレッシャーかけるなあ・・・という顔つきで、それでも柏木氏はそろそろと理江の足許にかがみ込んだ。
そんな彼のようすを、理江は息を詰めて見守っている。
もっとスマートに差し出すんだった・・・
おずおずしてしまったのが、なんだかむしょうにくやまれる。



足首を握りしめた手に、思わず力がこもっていた。
握りしめた掌の下で、なよなよとした薄手のストッキングが微妙にずれて、足首の周りにしわを浮かべる。
とっさに引こうとする脚をぐいと引き寄せながら。
ぎこちない彼女のうごきに、さすがにおっかなびっくりなんだな、と察すると、親しみをこめて足の甲に唇を当てた。
ちょっとだけ身を引く気配。しかし彼はそれを許さずに、もう片方の手で拘束をのがれようとする彼女のふくらはぎをしっかりとつかまえる。
つややかな光沢を帯びた繊細な網目模様が間近にあった。
つい、熱っぽく、唇を迫らせてしまう。
彼のために装われたストッキングは、紙のように薄かった。
ストッキングごしに、しなやかな筋肉がキュッと引きつるのを唇で感じる。
ふだんは隠れている牙がにわかに疼きはじめて、唇の裏側でググッとそそり立ってきた。



柏木さんたら、緊張してる・・・
彼女の脚をぶきっちょに押し戴いたところは、お世辞にもかっこいいとはいえなかった。
理江はおかしいような、ホッとするような気分になった。
おずおずとかっこう悪く脚をさし伸ばしたあたしもあたし。かすかに手を震わせている彼も彼。
まるでファースト・キスみたい。
それでもじっとりと這わされる唇に、さすがにハッとして思わず脚をひきそうになった。
旦那は女物のストッキングなどにはとんと無頓着だったので、殿方にこんなことを許すのは初めてである。
薄手のストッキングのうえからあてがわれるなまの唇に、小娘みたいにドキドキしてしまっていた。
欲情してるぅ・・・
夫にお前は鈍感だ、とよくいわれるけれど。
熱っぽく執拗にくり返されるキスにこめられた熱情に気づかぬ女はいないだろう。
困ったなぁ、と思いながらも、しっかりと掴まれてしまった脚をいまさら引き抜くこともできない。
そうしているあいだにも。
もう、身動きもままならないうちに、それはそれはしつっこく、べろをなすりつけられていた。
ぬるりとした生温かい唾液がおニューのストッキングにじわじわとしみ込んでくる。
唇のすき間から洩れてくる舌が素肌をくすぐるようにチロチロとなすりつけられるのを、
やだなぁ、くすぐったい・・・
とうとうこらえきれなくなって、理江はくすくすと笑い出した。
「あ・・・すみません。すっかり失礼しちゃって」
足許から口を離して柏木が謝る。けれども、つかまえた脚は放そうとしていない。
こうなるともう、上目遣いに見あげてくる視線までもがくすぐったかった。
「いいわよ、気に入ってくだすってるみたいだし」
余裕たっぷりに、理江はこたえる。
力関係は完全に、彼女のほうに傾いていた。
年上であろう男性に。
まるで姉のように接しながら、無作法な戯れを寛大に許しはじめていく。
よだれを帯びたべろが再び、今度はもっとおおっぴらにあてがわれる。
クスクス笑いの下で、上品なストッキングが少しずつよじれて、網目模様をゆがめていった。
まじめで常識的な主婦の理性が少しずつ崩れはじめた証しのように。
舐める男と、舐めさせる女。
イタズラの共犯に似た奇妙な連帯感に、周囲の空気が揺らいでいる。



もう、ガマンできない・・・
こみあげる衝動に後押しされるようにして、柏木はとうとう、疼きつづける牙をむき出しにした。
ちょっとふしだらに口許を弛めている理江は、まだそれに気づいていない。
鋭利な牙はスカートの陰に隠れて、死角になっているのだ。
柏木は迫る息を引き詰めて、彼女のふくらはぎの、いちばん肉づきのいいあたりに唇を吸いつける。
ストッキングの上から牙をたてて、
ぐいっ
と、理江のふくらはぎを咬んでいた。
「キャッ!」
ちいさな悲鳴が、頭上にほとばしる。
牙をもぐり込ませたとき、理江のふくらはぎを柔らかいと感じた。



「きゃっ」
圧しつけられた唇の隙間から硬い異物が滲むように突き出てきて、注射針のように皮膚を破るのを感じて、理江は思わず声をあげた。
それは強引なまでにぐいぐいと肌の奥へと埋め込まれて、
素肌に圧しつけられた唇が異様な音をたてる。
じゅるっ。
はじめて耳にする吸血の音。
思ったよりも汚らしい音だ、と思った瞬間、
ぐいっ・・・
と生き血を吸い上げられて、くらくらと眩暈を覚えた。
ちゅうっ、ちゅうっ、・・・ちゅうううっ・・・
わっ。血を吸ってる。血を吸ってるぅ。
なんだかくらくらしてきた。
けれども、不思議に恐怖は感じない。
さっきまで紳士的だった柏木がにわかにみせたあからさまな欲情にちょっとだけ辟易しながらも、
どこかでホラーな体験を愉しんでいる自分がいた。
血を吸い上げられるたびに傷口が疼いて、血潮が唇の奥へと飲み込まれるのをありありと感じる。
なんだかちょっと、キモチいい・・・
私はヘンだろうか?自問する理江。



柏木も、既婚者である。
ご主人に悪いな、とか、失礼にすると嫌われるだろうな、とか、
最初はそんな思いに囚われていた。
しかし、熟れた素肌になまの唇をあてがってしまうと、そうした思いは消えていた。
目のまえに差し出された女体を愛し抜いてしまいたい・・・
そんな自然の衝動にすっかり身をゆだねきってしまっている。
―――どお?若いでしょう?いい香りでしょう?あたし、まだまだ若いのよ・・・
流れ込んでくる血潮からそんなことばがじかに伝わってくるような、
闊達で活き活きとした脈動に胸を震わせている。
血液型は、B型だな・・・
どこかでそんな冷静な分析さえ始めている自分も感じながら、
脂ののり切った素肌がむしょうにいとおしく、強く強く唇を圧しつけて、吸い、また吸いつづけた。



ちょっと貧血・・・
すこしぼうっとなりながらも、気分はそう悪くない。
もうあともどりできないという軽い罪悪感と。
イケナイことをしてしまったあとの心地よい虚脱感と。
ズキズキ胸の奥にまで響いてくるようなきわどいスリルと。
処女をなくしたときの昂ぶりにちょっと似ている、と理江は思った。
柏木氏はさっきから、傷口からぬるぬると滲んでくる血潮を舐め取っている。
いくすじも伝線を走らせて破れ落ちたストッキングをもてあそびながら。
ちょっとだけぴりぴりする傷口にあてがわれる舌が心地よい、不思議なひととき。
血を吸われているというのに、意外なくらいに切迫感がない。
足許を吸いつづけている吸血鬼が、じゃれついてくる愛玩動物のようにさえ思えてきて、
「もぅ・・・」
軽く咎めながらも、相手を責める気持ちはわいてこない。
「破けちゃったじゃないの」
わざと口を尖らせてみるが、もはや落ち着き払ってしまった柏木氏はしゃあしゃあと、
「いい感じのストッキングですね。もっとマニアなやつなら、ブランド名まで当てるようですが」
「そこまでは、わからない?」
「ふふ。修行が足りなくって」
ちなみに何です?と聞いてくる彼を、
「忘れちゃったあ」
と、はぐらかしてやる。
「やれやれ。思った以上に冷静なんですね」
どうやっても、歯が立たない部分がある・・・
顔にそう書いてあるみたい。そんな柏木をちょっと意地悪な目線で窺う理江。



―――私の血、おいしかった?
―――びっくりしたー。思わず、縮みあがっちゃったわよ。
囁きかけてくる秘めやかな声色が鼓膜を心地よくふるわせる。
(やっぱり屈託のないB型だ・・・)
理江から吸い取った活き活きとした血潮が渇きかけていた血管を心地よくうるおしてゆくのを覚えながら、柏木の神経は背後に集中していた。
じっとりと陰にこもった視線は、おれの出番はまだか、とさっきから訴えつづけている。
「もうひとり、ご紹介したいのですが・・・」
一瞬紳士の顔にもどった柏木は、理江に同意を求める。
正気を喪いかけた彼女に、もとより異存のあろうはずはない。
しつけを教えられたばかりの世間知らずの少女のように、彼女はこくりと頷いてしまっている。


いかがでしたでしょうか?
ストッキングの脚をいたぶるシーン、ちょっとくどかったかな?
このシチュエーション、好きなので、どうしてもこってしまいます。^^;
RIEさん、貴女のストッキング、たっぷり濡らしてしまってごめんなさい。

教授の婿

2005年09月19日(Mon) 01:18:02

ちょっと気分を換えて、軽い狂言などはいかが?^^

吸血鬼の友人を、自分の結婚披露宴に招待したら・・・
なんと新婦の母親にぞっこんになってしまった彼。
大学教授夫人、という肩書きが気に入ったのか?
そうじゃない。あの気品と物腰、あんたには女の価値がまだまだわかるまい・・・
と、もうすっかりご執心。
絶対迷惑はかけないから・・・
と、紹介を依頼された。
しぶしぶその場で挨拶させただけなのだが。
なにをどうだまくらかしたのだろう、ダンナの了解を得て交際を始めてしまっていた。
どう見ても貞淑な貴婦人然とした義母なのだが。
はた目にも女学生のようにさえ映る、あの楚々とした黒ストッキングの脚を、惜しげもなく彼にゆだねてしまっているのだという。

奥さんと姦通してしまっている彼に、義父はそのうち教え子の妻をひとり、紹介してやると約束してくれたそうだ。
自分の妻から気をそらしたいんだろう、という私。
彼は得意気にうそぶく。
いやいや、彼は若返った奥さんの魅力に取りつかれ、こちらにいろいろとお礼をしたい気分なんだ。
ま~、若い子もいいけれど、オレはいまこちらの姥桜のほうが気に入っているんだけれどもね、と。
新婚半年と経たないうちに。
気がついたらヤツは私の新居に、ナイショで出入りするようになっていた。
義父は自分の娘を紹介したらしい。^^;

ちょっと淫らなオフ会

2005年09月18日(Sun) 07:49:00

えーと、期間限定です。珍しく。
こちらによくお見えいただいているあるかたをモデルに、書いてみました。
もちろん見ず知らずのかたなので、設定とかははっきり言ってめちゃくちゃです。
ご本人の名誉のために・・・^^;
ちょっと長くなりますが、ガマンしてお読み下さい。^^;;
RIEさん、ご承諾くださいまして、ありがとうございます。


夜更けの書斎。
私、柏木は今夜も遅くまでPCとにらめっこしている。
隣室からは、妻の悩ましげな呻き声。
おなじみの吸血鬼あいてに一戦交えている真っ最中だった。
これでは、眠れるわけがない。
いつもながらのイライラとした昂ぶりを覚えながら気に入りのページを行き来するうちに、ふと気がついてメールボックスを開く。
RIEさんからのメールだった。
「今夜は私が血をいただきにあがりました・・・」
こちらから送ったメールでは、
「貴女の血をいただきにあがりました・・」
と書いたはずである。
RIEさんは女性ライター。
自分のサイトをもっていて、吸血鬼ものの小説を手がけている。
さらりと流れるように小気味良いテンポの文体は、落ち着いたオトナの女性らしい知性となまめかしさをもっていた。
彼女のサイトに載った小説の感想を掲示板に書くうちに、メールをやり取りする仲になっている。
今夜のメールのやり取りをみても、どうやら洒落の通じるあいてらしい。

フッと耳もとを生臭い吐息がかすめる。
振り向くとにんまりと笑む夜の訪客。
青白い頬をかすかに上気させているのは、妻から吸い取った血がほどよくまわったせいだろう。
鋭い牙からはお行儀悪く、バラ色のしずくをしたたらせている。
「あんまりばらまかないでくれよ。うちだって人並みにお客さんを呼ぶんだし。あとの掃除がたいへんだからな」
私信の出ているPCのディスプレーを無遠慮に覗き込む彼に、あからさまに不快の意を表すると、
「ほほぅ。なかなかよさげなお相手だね」
ヌケヌケとそんなことを言い出すありさま。
「吸血鬼に理解のあるご婦人か・・・逢うことはないのかね?」
「見ず知らずの女性だよ」
わざとそっけなくそういって、画面を切り替える。
奇妙なほどに、不倫願望はあまりない。
わずかながらでもこの身に巣食う嗜血癖がそうさせるのであろうか。
人の欲望というものは一定の限度があって、全方位にはいかないものらしい。
そういう私をそそのかすように、かれは耳もとにもっと口を近寄せる。
「思うところ人妻のようだが・・・久しぶりに新鮮な血を欲しくはないかね・・・?」


RIEさんは東京の人らしい。
都内には縁類のものはいくたりもいるので、妻の実家の関係に宿をとることにした。
この夏、娘さんを連れて村祭りにいたしたお宅である。
初めて血を吸われた娘さんがその後どうなったのか気になっていたが、一家はたまたま旅行中で、義母~妻の母~が独り逗留していた。
義母は彼の正体をよく心得ている。新婚そうそうの娘に誘われて毒牙にかかり、以来酔わされ続けている関係だ。
数日間は血なしでもたえられる、そう吸血鬼は告げた。
どうやら相当、飲みだめしてきたらしい。つるつるに血色のよい肌には、妻の血液がかなりの割合でめぐっているはずだ。
「当面、血が足りないようならこのひとで済ませてくれ」
そういって義母を指さすと、痩せ身の彼女は期待と困惑とを等分に整った美貌に滲ませた。


「まだまだ暑いなぁ~」
ようやく暮れかけた夕空を見あげながら、誰にいうともなく舟橋理江はつぶやいた。
仕事帰り、この季節だと足許が明るいのでつい自転車になる。
疲れ果てたという顔つきで家路に向かう週末のサラリーマンの行列をすり抜けて、彼女もまた家に向かっていた。
「あら」
結構美人なくせに、時折素っ頓狂な声をあげる癖がある。
根が明るい証拠だよ、と知人にいわれるが、本当にそうだろうか?
もともと引っ込み思案な小心者で、子供のころから外遊びよりはずっと家にいるほうだった。
そのことが却って本と親しむきっかけになり、女学生の時分には眼鏡をかけた文学少女。
それがこうじていまは吸血鬼ものの小説をテーマに自分のサイトを持っている。
彼女の視線の向こうにいる夫は、まだだいぶ向こうにいたけれど、あんまり声が大きかったのでこちらに気づき苦笑いを浮かべている。
「みんな、聞いてるぜぇ」
あわてて自転車をこいできた妻に、和郎はにやにやしている。
「仕事のときは厳しいんだぜ」といいながら、じつはそうではないのか、それとも妻には頭が上がらないということなのか、たいていのことがあっても妻には穏やかで優しい。
「早いのね」
「連休前だしな。上の連中もとっととずらかりたかったんじゃないの」
そういいながらちょっと決まり悪げに、
「仕事仲間にさそわれちゃってさあ・・・」
泊まりでゴルフに行くことになった、という。
「いいじゃないの」
休みの直前急に自分の予定を入れてくるのはいつものことだった。
なにか心積もりのあるときは当然口を尖らせる理江だったが、
今回はやけに物分りがよい。
「あたしも、予定あるから」
「あっ、そお」
てっきり怒り出すと思った妻の意外な反応にアテがはずれたような声をするのにちょっと笑いをこらえながら、
「吸血鬼に逢ってくるわ」
ちょっとドキドキしたせいか声がわずかに上ずった。けれども夫はそんなことなどまるで気づかずに、
「いいんじゃないの?憧れの君だろう?」
留守ちゅうに、奥さんが血を吸われちゃうかもしれないのよ~!といっても、小説のねたにできるよねえ、と適当にはぐらかされて、もうそれ以上取り合ってくれなかった。


「これじゃひからびちゃうかも」
たしかに外は、からからに干上がりそうな晴天だった。
残暑が厳しい一日になりそうだ。
夫は同僚の車に迎えられて、午前四時には慌しく出かけていった。
もちろん理江が心配しているのはそっちではない。
こういう暑い休日は、いつもだったらTシャツにジーンズ、それに素足なのだが。
女友達と出かけるときなどは多少服に気を使ったりもするのだが、「もうおばさんなんだから」と思いつつも生足をやめることができない。都会の夏は暑いのだ。
けれどもきょうは珍しく、ちょっとだけおめかししてみる気になっていた。
どうやら柏木さんは女性らしいワンピースやスーツ姿の女性が好きらしい。
いつになくウキウキとしながら、レエスのついたさらさらとしたスリップを身に着けて、白のブラウスに腕を通していく。
スカート選びはちょっと迷った。
デニムのロングスカートにしようかと、散々悩んだ。
柏木さんのサイトに出てくる吸血鬼は好んで女性の脚を狙う。
何もないとはわかっているのに。
傷口を隠す工夫をしなければ・・・なんて、つい想像は妙なほうへと流れていく。
そんな想像が我ながらちょっと愉快だった。
「ちょっと派手かしら」とかいいながら、若いころよく履いていた黄色いタイトスカートを取り出す。
ウェストのサイズがぴったり合ったのが嬉しくて、思わず「ウフフフフン」と得意気に鼻を鳴らした。
ブラウスの胸元を引き締めたリボンタイをふんわりと蝶結びにすると、白の夏もののジャケットを上に羽織る。
これなら、32歳の主婦にはみえないかも。
体調がいいせいか、ご自慢の白い肌はいつもよりしっとりと潤いを帯びている。
ストッキングも、いちおう履いていくことにした。
「やっぱ黒は目立つなあ」
それでも極力彼の趣味に合わせようと、なるべく光沢のてかるやつを脚にとおしていく。


苦心?のおめかしは決してムダではなかった。
初対面の柏木氏はとてもにこやかだったが、その何分の一かは彼女にしては珍しいスカート姿が寄与していると確信した。
チラチラと盗み見る視線を足許にくすぐったく感じながら。
柏木氏は、一見年齢不詳である。吸血鬼のせいかな?と思ったが、まじめな物腰のサラリーマンからはどうもそれらしい感じは漂ってこない。
なぁんだ、ふつうの人間か・・・とちょっと内心失望したが、考えてみればヘンな期待にはちがいない。
和郎があっさりと受け流すわけだった。
「こちらがお住まいなんですの?」
指定されたお邸はそう広くはなかったが、瀟洒なたたずまいで、この辺の住宅には珍しく豊かな木陰に覆われている。
「いやぁ、親戚の家でしてね。私はブログに書いているとおり田舎に住んでいるんです。東京へはたまに出てくるのですが・・・」
義母がいるせいもあろうか、ひとつ部屋に男女が差し向かいになっているのがヘンに気詰まりにならないのがありがたかった。
その義母も、出迎えのおりに冷たい紅茶を、しばらくたって熱い緑茶を急須つきでもってきてからはすっかり姿をみせなくなった。
思ったよりもおばさんでしょう?イイエ、とてもおきれいでいらっしゃいますよ、とか、でもこんなにお転婆だとは想定外でしょう?、それはたしかに、とか、私も老けてみえますからね、うそぉ、とか、ありがちなやり取りに、いつの間にか時が流れていた。



30代の主婦にふさわしい落ち着きを感じさせながら、それとはうらはらに30代の主婦とは思えないくらいに無邪気な女性。
目のまえで笑いさざめく理江に少なからぬ好意を持ちながら、柏木はちょっとだけ困惑している。
ヤツは邸のどこかにかならず潜んでいる。
もちろん、田舎から連れてきた吸血鬼である。
しょうしょうの日照りでもこたえない彼も、さすがにこの残暑には閉口したらしい。
どこに姿を隠すのか、昼間はさっぱりと姿を見せない。
それでいて、彼の思惑はびんびんと、伝わってくる。
理江さんとこうしてニコヤカに談笑しているさいちゅうであっても。
―――それとなく話を引き伸ばして、長居させたほうがいいな。
―――どうして?
―――わしの意識がたしかになる。こんな明るい真っ昼間では、とても女をモノにできぬ。
―――無理してモノにしなくてもいいんだぜ?きょうのところは無事に帰してやろうよ。
―――さては、情が移ったな?痩せ我慢しおって。ソンするぞ~。そういう性格・・・
―――大きなお世話だ。
そういいながらも、知らず知らず、彼女との会話を長引かせてしまっている。
やけつくような陽も、やがて西に傾いてきた。
「あの、ちょっと・・・」
家の奥でシンとなりをひそめていた義母が、遠慮がちに顔を出す。
「ちょっとお買い物に、出てきますね」
「アラ、もうこんな時間・・・」
理江も時計を気にし始めた。そろそろおいとまを・・・と立ちかける。
いえいえ、と義母はあくまでももの静かに、
「もうすこし、いらしてくださいな。外暑いですから、陰ってからのほうが良いですよ」
どういう力を秘めたものか、そう説得力のあると思えない義母の言葉に、理江は素直に席に戻ってきた。

えーと、ここまでは全然えろくありません。最後まで読まれた方、あしからず。
次号にご期待を。^^

重役室

2005年09月17日(Sat) 00:36:00

重役室のミーティングは相変わらず恐怖だった。
とにかく、手厳しいのだ。
片づけなければならないノルマが雪だるまのように膨らんでゆくありさまを目の当たりにするのは、気持ちのよいものではない。
たいがい、出張の報告書を提出した2、3日後が危ないのだ。
テキは、徹底的にリサーチしたうえで、こっちを呼びつけている。

きょうのミーティングの恐ろしさは、想像を超えていた。
白面の鳥飼女史は表情ひとつ変えないで、びしびしと疑問点を質しにくる。
―――あー。あー。たまらない・・・
忍耐力はある時点で臨界点に達し、あとは真っ白になった脳みそが無力な呻き声をあげるだけ。
しぜんに頭は垂れてきて、女史の顔をまともに見返すことができなくなってゆく。
しぜんと下がる目線は、女史のスカートの下に集中した。
透きとおった肌色のストッキングが、ちょっと筋肉質なふくらはぎをしなやかにコーティングしている。
いつも女史が好んで穿くのは、黒とかダーク・ネイビーとか、濃い目の色だった。
しかしきょうのいでたち――ぱりっとしたライトグレーのスーツ――には、透明なストッキングがじつによくマッチしている。
すねにひと筋じんわり滲む光沢が、こんなときでも彼を挑発する。
頭上から降り注ぐ辛辣な叱声と。
スカートの下のこの魅惑的な情景と。
はたして本当に同一人から発しているものなのだろうか・・・?
そんなフラチなことを思い描く瞬間、
「ねぇ、蛭田くん」
すべてを見通しているかのようにじいっとのぞき込んでくる目線を感じ、ぎくりとした。
「キミの考えはちっとも進んでいない。いつまでも既存の大手客や縁故頼みのルートを考えていてはダメよ。だからいつまでたっても間々田くんに勝てないの」
蛭田の想いを知ってか知らずか、女史は冷酷にそう結論づけた。
どんな優秀なストラテジスト(戦略家)であっても、たいがい発想の根源は単一だという。
ナポレオンは大軍の指揮しか、義経は奇襲攻撃しか、けっきょくのところ思いつくことはできない。
そう、これはオレの限界なんだ・・・
弱々しい敗北主義が、いつものように脳裡をかすめたとき。

「若い子の血液はイキがいいようね」
え?
脈絡のない話題の転換に混乱しながら、蛭田は思わず顔をあげる。
「フフ・・・図星のようね」
とっさのことに思いつきもしない否定の文句をムグムグと口のなかでこき混ぜていると、第二撃がくわわった。
「あいては間々田の婚約者、庶務課の・・・だよね?」
「あぁぁぁ・・・」
もう、こうなると、絶句するしかない。
どうして女史はそんなことを知っているのだろう?
「何でも知っているのよ、私」
女史は昂然と肩をそびやかし、恰好のよい脚を組みなおす。

と―――
どん!
脚をあげたはずみにテーブルが揺れ、女史の万年筆がじゅうたんに転がった。
優雅なルックスに似合わず彼女のしぐさは男性的で、もう少しいってしまえば、がさつなのである。
男社会でもまれた証しか、生来の性分なのかは、本人にもわかっていない。

「拾ってくれないの?」
意地悪な視線を横っ面に感じながら、蛭田は席を離れ、転がった万年筆に手を伸ばす。
しゃがみこんで万年筆を拾い、どうぞ、と差し出すと、女史が冷然として彼を見おろしている。
「男がひざまずいているのって、なんだか愉快」
いつかどこかでこんな文句を聞いたっけ・・・そう思いながら女史に万年筆を渡して席に戻ろうとすると、
つややかな光沢につつまれたふくらはぎがすぐ目のまえをよぎった。
「あらぁ」
女史が声をあげた。
「きょうは舐めたり、咬んだりしないのね」
ええっ!?
蛭田はこんどこそ、腰をぬかしそうになる。
「貴方のために穿いてきたのよ。それともやっぱり、若い子のほうがいいのかな?」
お気軽な口調とは裏腹に、金縁メガネの向こう側の大きな瞳は瞬きもしないで彼のことをじいっと見据えている。
・・・きょうのミーティングが厳しかったわけは・・・
「不埒なことを考えないでね」
蛭田のフラチな想像をひと言で制すると、特異体質の部下に対する慈善事業よ、といって、しっかりとした肉づきのふくらはぎが彼のまえに差し伸べられた。
「こんなテカテカのやらしい感じのするストッキング、ずっと穿いてるわけにはいかないわ。きれいに破って頂戴ね」
自分の足許にかがみ込んだ蛭田がぬるりとした唇を熱っぽく這わせてくると、女史は初めてイタズラっぽい顔をして、相好を崩した。

あとがき
よぅく読めばわかるように、「勤め帰り」からここまでは一連の続きもののお話です。
最初は鳥飼女史が登場するお話だけを予定していたんですが、その伏線が欲しくなって、こんなに長くなってしまいました。

濃厚な光沢のストッキングを穿いてきて。
部下の彼を不当なくらいに叱責しながら挑発して。
わざと物を落としておいて、拾わせて。
彼の鼻先になまめかしく装った脚をよぎらせて。
「アラ、若い子のほうがいいの?」
もちろん女史はオトナの女性ですから、本気で嫉妬しているわけではありません。
吸血鬼な彼をからかいながらアイしている・・・といったところでしょうか。
「男がひざまずくと」うんぬんというのは、「ベテランOLの息抜き」に出てきます。
人のいない部屋で後輩社員にストッキングを破らせてつかの間ストレスを発散していく、あのお話ですね。
これは主人公の男性の名前はありませんが、間違いなく蛭田です。
絶対分からない状況での秘密のやり取りのはずなのですが。
鳥飼女史はどうやってこの油断のならない部下の情報を収集しているのでしょうか?^^
裏側にあるのは、もちろん愛なのですが。
でもちょっと頼りない部下に対するそれは、ともすると姉が弟に対して、もしくは母親ができのわるい息子に対して注ぐようなそれになりがちのようですねぇ・・・

同期の彼女~戯れのあと

2005年09月16日(Fri) 19:58:00

「出張、お疲れさん」
エレベーター前の人ごみに同期の間々田を見出して、蛭田はぽんと肩をたたいた。
「よぅ」
体格のいい間々田にとっては泊まりの出張もそう苦にはならないようだ。
先日蛭田がやったのとほぼおなじ二泊三日のハードな行程にもかかわらず、
ちょっと下の階に用足しをしてきたような顔つきをしている。
特異体質の蛭田には、そうした逞しさが羨ましくもある。
「さすがに同期のトップだな」
とっさに作った冷やかし口調。けれども負け惜しみには違いない。
事業部ナンバー・ワンの瑞枝をモノにするだけのことはあった。

打ち合わせを終えてミーティング・ルームでふたりだけになると、蛭田は鞄のなかからおもむろに紙袋を取り出した。
「これ」
間々田は差し出されるままに袋の中身を確認すると、ちょっとだけ渋い顔になる。
裂けたガーター・ストッキングが片方。
持ち主は聞かなくても察しがついている。
「夕べ、ちょっとだけお借りしたよ」
てらいもなく言われると、間々田も苦笑いするしかないようだった。
「こちらにあわせてくれて、けっこうノッてくれた」
「そいつは、何よりだ」
エリートの同期の横顔にさっと走った翳を、蛭田は見逃さない。
「誰にも得手不得手があるもんだ。あきらめな」
もっと気安く付き合っている相手ならそういい捨ててしまうのだが。
豪気なように見えて意外に小心な同期トップの正体を誰よりも知りつくている彼。

持ちかけてきたのはほかならぬ間々田のほうからだった。
社内でつきあっている彼女が処女かどうかを知りたくて、いちど確かめてみてくれないかと申し込んだのだ。
いまどき嫁さんもらうのに処女性をうんぬんするのかと間々田の古風な態度にあきれながら、
いっぽうで彼のそうしたところが気に入っているのだと改めて思った蛭田だった。
「確かめる」ためのやり方を、知らない間々田ではないであろうのに。
悩みはよほど、根深いのか・・・
約束どおり勤め帰りの彼女を夜更けの公園で襲ったのは、それから三日目の晩だった。

「四、五人ほど、先客がいたようだね。残念だけど・・・」
迷った末にそう告げた。
「ふぅん・・・」
のけぞるようにして天井を仰ぐ間々田。
ショックは隠しきれないようで、うめくように
「古風な女だと思ったんだがなあ・・・」
そういう時代じゃないだろう、という口調がついしみじみとなってしまう。
「つきあっていた男が社内にいたとしたら・・・いい笑いものだろうな」
「いがいに、臆病なんだな。エリート君は」
「ああ臆病だよ。情けないくらいにね」
よほどウマが合うのだろう。間々田は蛭田のまえではどこまでも本音だった。
「結婚するのなら・・・過去のことよりか、これから寝取られる恐怖を考慮するんだね」
蛭田は肘掛け椅子から立ち上がると、やおら間々田の首のつけ根に唇をあてた。
されるがままの間々田。
男同士でヘンだ、という意識をもつスキもないほどの瞬間。
スポーツで鍛えた若くて健康な血液が間々田の体内から蛭田の喉の奥へと移動する。
間々田はちょっと気の抜けたような顔つきになって、身をゆだねている。
唇を離すと蛭田は同期の耳もとに囁いた。
「直近の経験から三年以上経過している。社内のセンはまずないね」
ケンのある表情から固さがとれたのは囁きの内容からか、それともささやかな失血のせいか。
「結婚式には、呼んでくれよな」
そういっていつものように間々田の肩をぽんとたたくと、蛭田は先に出て行った。

それから三ヵ月。
蛭田は社内の噂で、ふたりの婚約を耳にした。

袋のなかから取り出した同期の贈り物を、間々田はニヤニヤと人のわるそうな笑みをうかべてもてあそんでいた。
婚約者の身につけていたガーター・ストッキングが、片方だけ。
「もう片っぽはどうした?」
「オレがせしめた」
「しょうがないヤツだな」
脱がしたストッキングの片方を自分のものにしたわけになんとなく察しをつけながら、あいてが蛭田だと不思議に怒りはわいてこなかった。
サッカーの試合でスキをつかれまんまとゴールを獲られたときのような、ほろ苦い爽快感さえ覚える。
間々田の掌からさらりとこぼれた肌色の薄衣はまるで天女の羽衣のように、ほとんど重さを感じさせなかった。
―――秋には娼婦といっしょに寝起きすることになる。
愛らしい小悪魔の蟲惑的な微笑を思い描いていた。
ふと気がつくと、ストッキングのところどころ泥がついている。
かれはちょっとだけ咎めるように、口を尖らせる。
我ながら子供っぽいなと苦笑しながら。
「外でやったのか?」
「ああ、近くの空き地にね。いいところがあるんだ。こんど教えてやるから、二人で愉しんだら?」
蛭田もいつの間にか、気安い冷やかし口調に戻っている。


あとがき
だらだらと長くなってしまいました。
蛭田は「彼女を借りた」と言っていますが、「犯した」とは言っていません。
けれども間々田は、彼の留守中に蛭田が自分の婚約者を犯していることに薄々気づいているでしょう。
花嫁の処女にあれほどこだわった彼が、どうして変貌することができたのか。
そのへんをうまく描けたらと・・・次回にご期待下さい。^^;

踊り場の戯れ

2005年09月16日(Fri) 08:39:00

踊り場の情事は、ほんの一瞬の出来事。
破れたストッキングを穿いたまま、瑞枝は男の背中に腕をまわして、
ピンクのタイトスカートのなかを、忍び込んできた手の卑猥なまさぐりにゆだねていった。
持ち主の手で引き裂かれたショーツが音もなく床に落ちて、そそり立つものがガーターストッキングの太ももの奥を貫く。
「ウ・・・ウ・・・」
はっきりと見開かれた一重まぶたの瞳から焦点が消えた。

行為はほんの数分。
身づくろいした彼女はいつもの仕事のできるOLに戻っていた。
廊下に戻りかけた彼女はもういちどだけ振り返り、
「彼ね、きょうから出張なの」
と、ひと言ささやいた。

数日間強いられた禁欲に、火が点いた。

同期の彼女

2005年09月16日(Fri) 08:20:49

「出張、お疲れさま」
いつもより濃いルージュを刷いた唇を和ませて、瑞枝が声をかけてくる。
「正直、疲れたよ」
三泊の出張で、ホテルでも持ち帰り仕事の連続。
まともに睡眠を取ったのは帰りの機内だけだった。
朝一番の飛行機で出張先を発って、その足で出社。もうお昼を過ぎていた。
明日の一番で提出しなければならない報告書の作成で、今夜も遅くまで残業だろう。
そんなこちらのスケジュールを、庶務課の彼女はすっかりお見通しだ。
「栄養、つけてあげようか?」
ナゾをかけるように笑む彼女。
からからに渇いた喉を疼かせながら、誘われるままに後をついてゆく。

非常階段の踊り場。
白昼のオフィスで人気のないところは、限られている。
いつものミーティング・ルームはどこも使用中されていた。
階段が幾重にも折り重なった、ちょっと薄暗い静かな空間。
夏の暑さも去りきらないこの時期に不似合いな、冷たくひんやりとした空気が立ち込める。
階段に腰かける瑞枝。
制服の薄いピンクのタイトスカートからのぞく、きちんとそろえたふくらはぎ。
光沢のほどよく浮いたストッキングに包まれたすらりとした肉づきに、ドキドキしながらかがみ込んでゆく。
足首をつかまえて、ゆるやかにくねる脚線美を押し戴くようにして唇を吸いつける。
唇に触れたなよやかなストッキングが、素肌の上で微妙に網目をゆがめた。

勤め帰り

2005年09月16日(Fri) 07:53:00

お願い・・・お願い・・・
どうか殺さないで・・・
固く抱きすくめた腕のなか、ゆるくあえぎ身もだえするきみ。
そんなきみの想いが、牙を通してありありと伝わってくる。
小柄な身体でも、全身でもたれかかってくるとさすがに支えかねて、
傍らのベンチにもたれさせると、うなじにつけた傷口をふたたびつよく吸いつづけた。
あぁ・・・
絶望に似た感情が、女の全身を走った。
恐怖の情念、波立つプライド・・・
そうしたいっさいを秘めた血潮がめまぐるしい勢いで喉に満ちてくる。

よしよし・・・
あやすように、なだめるように。
女の肩を抱き締めてやる。
それでも恐怖は去らないらしく、抱きすくめた細い肩は小刻みに震えつづけた。
―――処女じゃ、ないようだね。
―――いいじゃないの。そんなこと・・・
無言の裡のやり取り。急に彼女は気づいたらしい。吸血鬼は処女の生き血を好むのだと。
―――美味しくないのなら、もう吸うのをよして。
―――つれないねぇ。でも栄養源にはなるからね。
―――や、やめて!
怯えるきみがいとおしくなって、きつくきつく抱きすくめながら、
―――お嫁入りまえに、ずいぶん経験してるんだ。いけないお嬢さんだね。
あくまでいたぶることをやめない、いけない私―――

人気のない、夜更けの公園。
勤め帰りのOLを襲って血を吸い、優しく介抱しつつ、いたぶり抜く。
こちらにとっては至福のひと時も、きみにとっては一刻もはやく過ぎ去って欲しい屈辱の瞬間に違いない。
ふと落とした目線に、ピンクのタイトスカートからのぞくふくらはぎが触れた。
きちんとそろえて冷たく取り澄ました、ハイヒールの脚。
―――お近づきのしるしに、頂戴したいな・・・
なにを?と訝るきみの足許にかがみ込むと音もなく唇を忍ばせて、ストッキングの上から吸いつける。
街灯の光を受けて妖しい光沢を滲ませるナイロンの皮膜がいちだんとなまめかしくて、つい狂おしく熱っぽく、べろでいたぶってしまった。
荒々しいいたぶりにストッキングをくしゃくしゃにされてゆきながら、目を瞑り顔をそむけるきみ。
いたぶられるままにいく筋も伝線を走らせてゆく眺めが、たまらなく心地よい。

さぁ、自分で鍵を開けるんだよ・・・
きみの部屋のまえ。
冷たくがらんどうなマンションの廊下にふたり佇んで。
きみはもう、知っている。
一歩私を入れてしまえば、招待なしにいつでも訪れることができるということを。
ためらいながら。
それでも、バラ色に彩られたブラウス姿をもうそれ以上外気に触れさせることに耐えられなくなって、きみはキーを差し込んだ。

カチャリ、と音を忍ばせて中から鍵をかけて。
きみは放心状態のままハイヒールを脱ぎ捨てる。
すべて諦めきったきみの虚ろな視線に誘われるように、幾度目か抱き寄せ、きつく抱き締める。
―――殺さないの・・・?
半ば自棄になったきみ。
神経をぴりぴりと逆立てているのがブラウスの向こう側から伝わってくる。
―――もう、いいんだよ・・・
言葉にならない想いが通じるようになったきみ。
安堵がきみを開放し、きみの意識を喪わせる。

堕ちた婚約者

2005年09月13日(Tue) 07:26:00

婚約者の由貴子さんは、わたしとの挙式をまえにして、しきたり通り処女を喪った。
相手はもちろん、我が家に取り憑いている吸血鬼。
母を犯し、叔母を手ごめにし、妹のうなじを吸った男。
結婚後に襲われた母は別として、我が家の女たちは皆、花婿よりもさきに彼に処女を捧げている。
だからそれはとうぜんのなりゆきで、我が家のしきたりでもあったから、
私としてはとやかくいうすじではないのであるが。
性の愉しみに目覚めた由貴子さんはそれまでの淑やかさをかなぐりすてて、
しばしば積極的に、彼の求めに応じていくようになった。
あろうことか、複数の男性を相手にするようにまでなっていると。
教えてくれたのはほかならぬ、私の婚約者から処女を頂戴した吸血鬼。
ひとの婚約者を穢しておいて・・・ヌケヌケと。
そう思わないでもなかったけれど。
彼が覗いた、という由貴子さんの所行に、つい興味津々に耳を傾けてしまう私。
覗いた、というのは何処まで本当なものか。
きっと彼も加わっているに違いないのだが。
・・・あえて咎めまい。

きょうも由貴子さんは何食わぬ顔をして、家にやってくる。
もちろん、いつものように地味だが品のあるワンピースを身にまとって。
清楚なかんじのするストッキングを脚に通して。
礼儀正しく私の親どもに挨拶をし、いつものように賞賛を勝ち得ながら。
おぞましいほどの輪姦にゆだねている素肌を、ぴちぴちと初々しく輝かせながら。
きっといつものようににこやかに、おしとやかに、人なつこく談笑するにちがいない。
帰り道に吸血鬼のお邸に立ち寄って、お行儀よく着こなしている衣裳を淫らな遊戯にゆだねるなんて、おくびにも出さないで。

上品で礼儀正しい、まじめで非の打ち所のない都会のお嬢さん。
それが両親が彼女に与えた評価。

闇夜の語らい

2005年09月12日(Mon) 23:28:36

これはこれは。
ようこそおいでになりました。
血を吸って戴きたい。
そう、おおせですな?
よろしい。
喜んで、お相手いたしましょう。
おや?ちょっと蒼ざめておいでのようですね?
私の気のせい・・・ですか。
さぁ、怖がらずに。
こちらへおいでなさい。
おや、脚がすくんでおいでのご様子。
そんなに遠慮なさらないでも、よろしいのですよ。
どうしても、気後れなさるのであれば、
ちょっとのあいだ、目を瞑っていてください。
そのスキに、そうっとお側に寄って・・・
そぉら、貴女を抱きすくめてしまった。

そんなに固くならないで。
取り乱すことはありません。
どうかご安心ください。
全てを私にゆだねてしまえば。
そう。すぐに、済んでしまいますから・・・
え?お厭ですか?
今さら、誰にも聞えないですよ。
声をお出しになっても。
そうそう。
そのようにすこし、抗っていただいたほうが、
張り合いがありますな。
これから手に入れる貴女の血が、
よほど価値のある、魅力の高いものだということになりますからね。
そうそう。
これは、なかなか手ごわい。
いっそのこと、もっと抗っていただきましょうか。
唾を吐きかけて。
腕を突っ張って。
激しくかぶりを振って、身もだえして。
どうです?
なかなか解けませんね。この、熱烈な抱擁。
さぁ、そろそろ、潮時です。
思い切り、うなじを咬ませていただきましょうか・・・

綺麗なお召し物ですね。
白のブラウスに、黒一色のフレアスカート。
ちょっと、バラ色の花を咲かせてみませんか?
色鮮やかで、よく映えると思いますよ。
たったいま頂戴した血潮を、ぼとぼととしたたらせて。
ほぉら、綺麗に散った・・・
さすがにお若い方の血は素晴らしい。
活き活きと、輝いていますね。
ルビーにような濃い輝きにゆらぎながら。
ひとしずく、またひとしずく・・・
オヤ、衣裳を汚されるのはお嫌いかな?
そう、顔をそむけないで。
どうやら、貴女には嫌われてしまったようですね。
ご機嫌直しに、おみ脚を頂戴いたしましょうか。
すこしのあいだ、スカートのすそをお預け願って。

上品なスカートですね。
このとおり、礼儀正しく押し戴いております。
少しだけ、引き上げて。
よろしいですね?
しょうしょうの恥辱を感じても平静を装うことが、
貴婦人のたしなみでしたね?
おぉ。
肉づきのしっかりとした、カモシカのようなおみ脚だ。
黒のストッキングが、じつによくお似合いです。
しなやかな皮膚にしっとりと吸いつくように、
薄闇のなかではちょっと毒々しい光沢に見えるものですね。
陰影が、とてもセクシーですよ。
よいではありませんか。娼婦ぽくて。
今夜、貴女は私のために娼婦として振る舞いにお見えになったわけですから。
慰みに、少し破って御覧に入れようか?
え?何をって?もちろん、おみ脚を彩っているこの薄衣を。
もちろん、ちょっとだけ、ですよ。
ほぉら・・・
チリチリに破けてきましたね。
御覧なさい。とても、いい眺めですよ。

そんな、顔を覆うことなどありません。
奥様とのことはもちろん、ご主人には内緒にいたしますからね。
そういうことには、すこしばかり長けているものですから。
決して貴女の恥になるようなことはいたしますまい。
・・・もちろん、貴女が私のやり方に同意いただければ、のお話ですが。
さぁ、もう少し、愉しませていただきましょうか・・・

身体をめぐる血潮を静かに啜られるのは、如何な心地でしょうか?
すこし、ぼうっとしてきたでしょう?
これからだんだんウットリと、してきますよ。
それにしても、美味しい血ですね。
お若い証拠です。
そう、とても魅力的でいらっしゃいますよ。
今宵、貴女を独り占めにして、永遠の想い出にいたしましょう。
すこし、顔色がお悪いようですが・・・?
手加減いたしましょうか?
え?
どうぞ、ご遠慮なく、と。
なるほど。
それでは、思う様味わってしまいましょうか。
そこの褥に横たわっていただいて。
ちょっと淫らな舞踏など、嗜んでいただきましょう。
そうです。今こそ、恥を忘れて・・・

亡き夫へのメッセージ

2005年09月12日(Mon) 22:43:11

天国の貴方へ
楽しんじゃってます。
そう、わたしたちのベッドの上で。
お相手は貴方の血を吸った吸血鬼。
カレ、とっても逞しくって、そのうえ上手よ。
貴方の血を吸い尽くした相手だけれど、ちっとも憎いと思わない。
だってわたしにこんなにいい思いをさせてくれるんですもの…
貴方もじきに吸血鬼になって生き返ると思うけど、妬きもちやかないでね。
いくらでも、好きな女を襲って血を吸うことができる体なんだから。
妻の不倫を暖かく見守ってちょうだいね。

あのあとわたしも血を吸われちゃったのよ。貴方の血だけじゃ足りなかったみたい。
貴方の血に染まったままの牙で、首すじをがぶりとやられちゃった。
キャーって叫んで、ちょっとのあいだ失神して、すぐに気がついたけどもう手遅れ。
凄い飲みっぷりだったから、わたしの血も気に入られちゃった、ってすぐにわかった。
あんまり美味しそうに吸ってくれるのがむしょうに嬉しくて、
残りの血もついついそのまま飲んでもらっちゃった。^^;
だから、わたしはカレの逞しい血管のなかで、貴方といっしょだったのよ。
恋人になるから生命は助けて、ってお願いしたら、にこりと笑った笑顔がとても素敵だった。
それからもっとにんまりと笑って。
熱っぽく身体をすり寄せるようにして。
わたしに迫ってきた。
スカート剥ぎ取られて股の間に入ってきたからもうすっかりあきらめちゃって・・・
わたしももう、開き直って、娼婦しちゃった。ゴメンネ。
ずぅんずぅんって、えぐるように愛されて。
奥の奥まで、愛し抜かれて。
とても素晴らしかったひととき。
カレはとっても優しくて、わたしの体内に生き延びるのに必要なだけの血を遺してくれたわ。
感謝のしるしに毎週2回、わたしの血をプレゼントすることにしたの。
さいきん、身体の中から血がなくなっていくのがわかってきたわ。
あなたが生き返るまでにのこっていたら、ちょっとは吸わせてあげるわね。
でも間に合うかなぁ…^^;;

貴方のお弔いはお義母さまとふたりで済ませたけれど、埋葬はわたし一人で立ち会ったわ。
棺の蓋をこっそりずらせておいたから、きっと貴方もすぐに出てこれるわよ。
お義母さまも来たがっていたんだけど、どうしても都合がつかなかったの。
だって、まえの晩、カレに襲われちゃったんだもの。もちろんイチコロよ。
貴方とおなじ、首を噛まれてちゅーちゅー飲られてたわ。
いつも着ていらっしゃる黒のワンピースに、血がべっとり撥ねかって、
渋~い黒光りが、とてもキレイだった。
貴方の血と味が似てるって、ほめてたっけ。
のこりのお義母さまの血はわたしがいただいたわ。とっても美味しかったー!
全部じゃないわよ。勿論。
貴方が復活したら吸わせて上げようと思って、カレと相談して取っておくことにしたの。
それに、血をご馳走するのにわたし一人の血じゃ、足りないのよね。
とうぶん、お義母さまにも協力していただくわ。
安心して。
お義母さまもいまではすっかりたぶらかされて、こころよくカレの欲望にお応えになっておいでだわ。
音羽家にとってはイケナイ嫁だわね。
不貞をはたらいた上に情夫に義母まであてがうなんて…
でも、いまではとても感謝されてますからご心配なく!

いまちょうど、わたしの血を吸い終わったカレがお義母さまを襲ってるところ。
わたしといっしょに喪服姿でお見えになって、おそろいの黒の薄い沓下を履いた脚を噛ませていらっしゃるのよ。
あなたを弔うための装いなのに。
いつも上品なお義母さまからは想像できないわね。
襲われてるお義母さま、半裸に剥かれて胸がまる出し。
すご~く、色っぽい。いままで見たこと、ないくらい。
黒のストッキングが奥ゆかしくて、とてもセクシーだわ。
うーん、ちょっといいにくいけど、スカートもうめくられちゃってるよ。
アブない眺めだなー…とっても。
カレったら、年増もけっこう好むの。
お義母さま、さいしょの晩から、ノッてらしたわよ~。
これで、音羽家の女たちの貞操は台無しだわね。でも、あのお齢でいい思いできるなんてお仕合せだわあー
早く、蘇えってね!
わたしやお義母さまがカレとアツアツになってるところ、たっぷり見せつけてあげるから。

汚れない女

2005年09月06日(Tue) 21:41:00

誰かに幾度となく襲われて。
繰り返し血を吸い取られて。
一度死んで、甦って。屍鬼となり果てた私。

血を吸うことは悪くない。
甦ったときにはそう教わった。
襲われるほうも、いちど咬んでしまえばあとは大人しくなると。
人によっては吸われることに歓びを覚え、自ら招く者さえあると。
そういわれて引き入れてしまった親友のひとり。

女のほうがよかったかね・・・
さきに屍鬼となった仲間にそう冷やかされながらも、
働き盛りの血液を声もなくむさぼってしまった私。

親友は快く、私の所行を赦してくれた。
しかし、それはあくまでも、正気を喪ったがゆえの好意。
私は夜、彼を伴ってねぐらを抜け出す。

目指したのは彼の家。
もともと離れた隣町にある。
あそこまで離れれば。二度と再び村に近寄らなければ。
もう、襲われることはないだろう。
けれども道は遠く、帰りにはどこかで必ず夜が明ける。
日光を浴びると、私の体はみるみる炭化してしまうはず。
呪わしいさだめを断ち切るいい機会だ・・・
とうに虚無的になっていた私には、それがさして恐ろしいものとは思えない。
むしろ、顔見知りを襲って血を採りつづけることのほうがよほど虚しいことだった。

首尾よく彼の家に着いた。
出迎えてくれたのは彼の妻だった。
大きな瞳。長い黒髪。そして、何よりも透きとおるような白い素肌。
初めてみる彼の妻にひととき魅了され、求められるままに家にとどめられた。
急げば夜が明けるまでにはかろうじて、ねぐらに戻れるほどの刻限だった。
彼女に引き留められたところで、私の運命は定まった。

疲れのあまり気を喪ったようにベッドに倒れた彼。
彼に関するかぎり、もう安心だった。
二人きりになったとき、私に注がれる、潤いを帯びた瞳。
―――もう、助からないのですよね?
―――そうとわかって、俺を引き留めたの?
―――・・・ここにいたがっているように見えたから。
―――もう、このへんで、しまいにしたいんだ。
―――そう・・・
彼女はしばらく黙って、闇の薄れかけた窓辺に寄った。
そして、黙って立ち上がり、厚いカーテンを閉めて、これから昇る太陽を私から遮ろうとした。
それでも私の口許から、虚ろな笑みは消えなかった。我ながら、潔いくらいに。
―――もう、いいんですよ。本当に。
―――お気の毒ですね。
憂いと同情を帯びた目線。
このまなざしを得ただけでも、墓場から泥だらけになって這い出してきた甲斐があった。
彼女は黙って、長い髪の毛を掻きあげる。
そして、それほど高価ではなさそうなネックレスをはずし、飾り気のない無地のブラウスのまえをはだける。
白磁のような素肌を惜しげもなくさらすと、さあ、と囁いて。
私の牙に豊かな胸を押しつけてきた。

・・・・・・。
僅かな時間許された、至福の沈黙。
彼女の華奢な身体を掻き抱き、じゅうたんの上でもつれ合っていた。
まるで恋人同士のように。
もうなにも遮るもののない開放感に浸りながら。
初めて心から、暖かい血潮を快く感じながら
硬くそそり立った部分で彼女の秘奥を思うさま侵しつづけていた。
不意に覚えた活き活きとしたものをどくどくと注ぎ込み、それでも彼女はしっかりと目を開いていた。

―――行ってしまうんですね。
なにごともなかったように落ち着いた口調に、本当の淑女を感じながら、私は強く頷いている。
貴女を辱め抜いたはずなのに。
貴女はちっとも、汚れていない。
さいごの瞬間に逢った人が貴女であって、とても幸せだった。

ベテランOLの息抜き

2005年09月04日(Sun) 08:02:28

奈津子は隣の課のベテランOL。
男勝りな性格のせいか、三十そこそこになるのにまだ独身。
キビキビと働いている身のこなしは小気味よいくらいにセクシーなのだが。
周囲の男性が明らかに引いちゃっているのがはた目にもわかるくらいだった。

オフィスの一番隅にある個室。
昼休みになったり、人目が鬱陶しくなったりすると、よくここにきてぼうっとすることにしている。
突然ドアが開くと、奈津子がつかつかと歩み寄ってきて、切羽詰った口調でこういった。
「ストッキング、破ってくださらない?」
え?と訊きかえすことすら許容しない、といわんばかりにキッとこちらを見すえる、一重まぶたの大きな瞳。
「いいんですか?」
そわそわと動く体がひとりでに、廊下のあたりに人影のないのを確かめ、ドアの鍵をかけ、イスに座って脚を組む彼女のまえにかがみ込んでいた。
「男が跪くと、なんだか嬉しい」
奈津子は、フッと呟いた。
女王様のほうが似合いそうな彼女。それなのにこんどは震える声色で、
「ね、早く、破ってくださらない?」
睫毛が濡れているように見えた。

目のまえで組まれて交叉した一対のふくらはぎ。
新人OLのような初々しさの代わりに、豊かで柔らかそうな肉づきが、迫ってくるような濃い色気をたたえている。
まず、絶妙なプロポーションといってよい。
か弱さをそぎ落とした、磨き抜かれた武器のようなたくましさ。したたかさ。そしてしなやかさ。
それが、目線の間近かで、テカテカとしたナイロンの妖艶な光沢に包まれている。
おそるおそる、そうっと手を伸ばし、ふくらはぎを撫でつける。
子供だった昔、イタズラをする決心のつかないでいるときのような気分。
しかしそんなためらいも一瞬のこと。
ぱりっ。
ちょっと爪をかけただけで、奈津子のストッキングはむざんに裂けて、足許から剥がれた。
チャッ・・・チャッ・・・
息を詰めて。熱っぽい目をして。
制服のスカートの下から、奈津子のストッキングを引き剥ぎ、むしり取ってゆく。
「ありがと。」
いつか行為に夢中になっていた頭の上で、すうっとひと息、深いため息をした彼女。
ボロボロにすりむけたストッキングをあまさず、形のよいふくらはぎから剥ぎ取ってしまうと、彼女はうつむくようなそぶりで会釈をし、いままでどおり背筋をピンと張りつめて部屋から出て行った。
ノーストッキングのままで。

一瞬でもね。緊張がほぐれるのよ。そうしてもらうと。
いつだか、コーヒーを飲みながらそう呟いた彼女。
凌辱に似た思い切り無作法な仕打ちが、ストレスに病んだベテランOLにとっては一服の清涼剤になっていた。
こんど頼まれたときには、破く前に唇で吸ってやろう。
そう思ったときにはもう、カツカツと響くハイヒールの音は彼方に消えている。