FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

座をはずす。

2006年12月18日(Mon) 10:48:05

あなた、座をはずしてくださらない?貴方に恥をかかせたくないの。
ゆったりとよどみのない声色で、謡うように告げる妻。
背後にまわって取ってやった銀色のネックレスは。
礼譲の輝きに包まれて、まだテーブルのうえに置かれている。
仕舞ってこようね。
わたしはそう、いい置いて。
吸血鬼のまえ、妻を置き去りにする。

閉じられたドアの向こう側。
ふたつの影はひとつになって、じょじょに傾いてゆく。
ぼくが覗いていたら、どうするの?
戯れに、挑発してみたら。
ご自由に。
ゆうゆうとした声が、かえってくる。

濃い紫のスーツを、だらしなく着崩れさせて。
濃紺のストッキングを、不規則な縦縞もように彩って。
かれの腕のなか、蒼白い瞳をしてもだえる妻。
完璧主義にはりつめた妻の日常は、そこにはない。
ひとときそうして・・・
装った己を捨てるのだろうか。

いもうと 3 ~制服のすき間から~

2006年12月18日(Mon) 10:27:26

妹を、襲わせるときは。
まえもって、小父さまと相談したりします。
いつ、どこで、どんなふうに逢おうか、って。
もちろんそれは。
血を吸われたあとの妹を交えることもおおいのですが。
そのときは・・・そう。ボクだけが、小父さまの相手をしたのです。
妹のストッキングを履いた脚を、ズボンの裏側に忍ばせて。

こういうときは、新品ではなくて。
きれいに洗濯したあとの、いちどは妹が脚を通したものを身に着けてゆきます。
ちょうど母のとき、そうしたみたいに。
小父さまは、かすかな匂いも逃すまいと。
まるで嗅ぎ分けるように、妹の気配を感じようとするのです。
薄いストッキングの向こう側から。
くまなくすりつけられてくる唇や舌に。
小父さまの妹に対するなみなみならぬ執着をかんじると。
兄として、悪い気はしません。
しないほうが異常・・・ですって?
えぇ、もちろんそうでしょうとも。
あの牙を体験したことのない、ごく常識的なかたがたにとっては・・・ですけれど。

すこし強引に、襲ってくれない?
そんな大人びたおねだりに。
小父さまは、ククク・・・と笑みを洩らします。
足許に間近に近寄せられた唇から洩れる息が。
彩りに染められながらも素足に近いふくらはぎを、じんじんと刺激します。
  なかなか聞いたふうなことを、いうではないか。
と、いわんばかりに、小父さまはいまいちど、笑み崩れると。
望みどおりにしてやろう。
そう、仰ったのです。

なぁに?どうせ悪いしかけがあるんでしょ?
セーラー服姿の妹はいつになくすねた口ぶりでした。
きっとボクが小父さまとふたりきりで逢ったのが、納得できずにいるのでしょう。
まぁ・・・見てて御覧。^^
イタズラな含み笑いが洩れてくるのが、どうにもとまりません。
その日の夜のことです。
妹が目論見どおり、小父さまに襲われたのは。

いまほど便利な時代ではなかったものの。
当時でもビデオ、というものはありましたし。
小父さまといっしょなら。
時をさかのぼる・・・という芸当も、わずかながら愉しむことができるのです。
過去を塗り替えることだけは、もちろんできませんでしたが・・・
ほら、よく御覧。
小父さまが指さす先あたりは、いちめんの、夜の闇。
どうやら小父さまは、妹の学習塾帰りを襲ったようです。
妹は塾通いをするときも。
きちんと制服を着用して出かけてゆくのです。
あのころは、みんなそうだったのかもしれません。
遠くからひたひたと近づいてくる、ぺたぺたという足音。
闇の向こうから現れたのは、まぎれもなく妹でした。
そぉれ・・・
小父さまは世にも愉快げに呟くと。
まるで羽が生えたようにサッと身を翻して。
妹の通り道を阻んだのです。
「きゃっ!」
妹はちいさく叫んで、飛びのこうとしましたが。
夜道に現れた怪人は、セーラー服姿の獲物をつかまえて、放しません。
「やっ、やだっ・・・」
恐怖にこわばる妹のうなじを捕まえて。
ねじりあげるように、あらわにして。
がぶり・・・
鮮やかな血潮が、きれぎれなカーブを描いて。
あたりに、飛び散ります。

ちぅちぅ・・・
きぅきぅ・・・
憎たらしいほどリズミカルな、吸血の音。
妹は悔しそうに、時おり身を揉んで、小父さまを引き離そうとしていましたが。
もちろん、どうすることもできません。
抱きつかれたまま、立ち尽くしたまま。
生き血をじわりじわりと、引き抜かれていってしまいました。
ボクが体内にやどしているのと、おなじ血を。
小父さまは、しつようでした。
セーラー服の襟首を、ちょっぴりかきのけて。
上衣をすこし、ひきあげて。
胸元やわき腹へと、食いついていって。
制服のすき間から、盗み取るようにして。
妹の血を吸い取ってゆくのです。
あぁ、いやらしい・・・
じぶんから、仕掛けておいて。
淫らな舞いに身を巻かれてゆく妹の立ち姿に、目先をくらくらとさせていたのです。

ふつうに通りかかった女の子が襲われるよりも。
それは数倍、目の眩む光景でした。
吸われているのは他ならぬ、ボクの血を分けた妹。
襲わせているのは、他ならぬボク。
きっちりと着こなした制服を、じょじょに着崩れさせながら。
妹は口許を引き結んで。
なおもフラチな吸血に耐えようとしています。

フラチな光景は、つづきます。
ここは村のはずれの、納屋の奥。
連れ込まれた妹は、制服姿のまま、柱に縛りつけられています。
清楚なセーラー服に、荒々しい縄など、似合わない。
そう、仰せですか?
ふつうの目には、そうでしょうとも。
けれどもこれが・・・絶妙に映るのです。
白と濃紺のコントラストのうえから食い入る、殺風景な荒縄。
礼譲と粗暴とが、みとごに交錯しているのです。

妹を柱に縛りつけておいて。
小父さまはさっきから、身体のあちこちに唇を吸いつけて。
妹の血を啖ってゆきます。
制服のすき間から、忍び取るようにして。
噛まれるたびに。
妹は、迷惑そうに。悔しそうに・・・
目をキュッと瞑っては、小父さまのむたいな仕打ちに耐えています。
白い頬を、ひきつらせながら・・・

とうとうスカートをめくりあげられて。
黒のストッキングの脚を、あらわにされてしまいます。
白い脛を、闇夜にしっとりと滲ませて。
まるで、大人のような風情です。
濃紺の制服に黒のストッキングを合わせるなど、どんなひとが考えついたことでしょうか?
清楚で折り目正しいはずの装いは、いま不埒な欲情をいやがうえにも増幅させる役割を果たしています。
足許に迫ってゆく、小父さまの不埒な唇。
  蜘蛛の巣みたいに、破いてしまおう。
そんなけしからぬ意図が、ありありと伝わってくるのですが。
妹も、そしてもちろんボクも・・・どうすることもできないのです。
ぴたり。
とうとう・・・ふくらはぎに、這わされてしまいました。
スキもなく、ぴったりと。
もうしっかりと、飢えています・・・
ぬるぬると這い回る唇を、妹は薄気味悪そうに見つめています。
ぴりっ。
かすかな音をたてて、ストッキングがはじけました。
ひっ・・・
スカートのうえ。
すすり泣きが、洩れてきます。
こういうときは、ちょっぴり可哀想なのですが・・・
ボクの気遣いは、どうやら無用なようです。
ひとしきり。ふたしきり・・・
血を吸い取られてしまうと。
うふふ・・・ふふ・・・
さっきまでべそをかいていた妹は。
くすぐったそうな含み笑いさえ、洩らしてゆくではありませんか。
もっと、もっと噛んで。
革靴を履いたまま、黒のストッキングに覆われた足首を差し伸べて。
男の欲望のまま、ストッキングの脚をねぶらせているのです。
どお?おいしい?
妹の問いかけに。
ククク・・・と人のわるい含み笑いを洩らしながら。
小父さまもまた、どこまでも酔い痴れてゆくようです。
処女の生き血に、装いに・・・


あとがき
すこし平板になってしまいましたね。
制服の隙間を狙ってあちこちから食いいれられる牙・・・発想のもとはそのあたりです。^^;

感じてなんか

2006年12月18日(Mon) 08:33:05

夕べから入りびたりの、吸血鬼氏。
妻の由貴子は、淑やかさをことさらにふりたてて。
身体を固くして、淫らな挑発に耐えていたけれど。
耐えている・・・と。どこまで言い切れるのだろう?
「ガマンしていますわ。わたくし、こんな辱めごとき・・・」
妻はムキになって、己の貞淑さを力説する。
わかっている。わかっているよ・・・
なだめるように彼女の頭を撫でながら。
肩から二の腕を、撫しながら。
着衣を通してありありと伝わってくるのは、淫らにはぜる血潮の疼き。
「イヤよ。こっちを御覧になっては。わたくし・・・わたくし・・・感じてなんかいませんから」
語尾に漂う気品が、却っていやらしさを増幅させるのは。
・・・わたしの気のせいにちがいない。
「感じてなんか・・・感じてなんか・・・おりません、からっ・・・」
仰のけられ、圧し臥せられた華奢な身体。
吸い取ったばかりの血を牙にしたたらせたまま。
やつはブラウスのうえから乳房を揉み、まくりあげたスカートの奥を抉り抜いている。
紳士も獣に・・・なるようだね。
冷やかしたつもりが・・・不覚にも、声を上ずらせてしまっている。
「ああっ・・・あうっ・・・わたくし・・・感じてなんか・・・っ」
もういい。無理するなよ。
わたしだって・・・もだえるきみに、感じてしまっているのだから。


あとがき
ああぁ。またいけないお話を・・・^^;

あとは、ヒ・ミ・ツ

2006年12月18日(Mon) 08:24:58

「・・・辱められてしまうのですね?」
妻はじっとにらむようにして。
お相手の吸血鬼と向かい合う。
しばしのあいだ、目線をからみ合わせていると。
・・・妻の目つきが、にわかにとろん、となった。
ユリの花のような白い顔が、こちらを振り返って。
気品のある笑みを、たたえてくる。
なにをいいたいのか・・・すぐに分かった。

しばらくのあいだ、お借りするよ。
やつはイタズラっぽくウィンクをすると。
妻の腰に手を添えて、寝室へと導いてゆく。

あとは、ナイショ。ヒ・ミ・ツ。
あくる朝。
夫婦ふたりで啜るコーヒーの香りに、すべてをまぎらせて。
妻の横顔は、変わらぬユリの花の香気を放っている。


あとがき
もの足らなかったでしょ?
ソフトですね。ソフトすぎますよね・・・。

二十年ごとに

2006年12月18日(Mon) 07:22:27

連れてこられたのは、城館とも見まごうほどの古風な邸。
馬車からおろされたわたしは、御者と付き添いに両腕をつかまれて。
ひきたてられるようにして、邸の奥へと連れ込まれた。

通された客間には、火の気がなかった。
彩りすらも、喪われていた。
黒衣の男はそびやかした背中をこちらにみせて。
いまひきたてられてきた小娘のことなど、眼中にない、といわんばかりに。
傲然と顔をあげている。
では・・・
ふたりの従者は、まるで煙のように消え去っている。
そのようなものはもともと存在していなかった、と思えるほどに。
「来たようだね」
黒衣の男は、冷ややかに呟いた。
「家に帰してください!」
わたしは、当然過ぎるほどの抗議をした。
つぎの瞬間。
くるりと振り向いた男の、まるで血の気のない顔色に。
思わず声を、失った。
一瞬で。
あいての正体を、さとったからだ。

すぐに、わかったようだね?わたしのことが。
それがなによりの、証拠だよ。
声と聞えない声が。
胸の奥にまでしみとおってくる。
ふしぎなくらい、しっくりと。
「どういうこと?なにをいいたいの?」
なにか得体の知れないものに引きずり込まれてゆくような恐怖感に、わたしの声が震えていた。
男は冷ややかに、ほほ笑んだ。
ほほ笑みのなかに、嘲りとはべつのものがあった。
わたしは魅入られたように身体を硬直させて。
後ずさりさえ、できなくなって。
歩み寄ってくる男は、一方的に距離を縮めてくる。
抱きすくめられて。
髪の毛を、かきのけられて。
うなじをギュッと、仰のけられて。
身じろぎひとつできない、がんじがらめに封じ込まれた重囲のなか。
囚われた肌に、牙が突き刺さるとき。
わたしはあげるべき悲鳴を、忘れていた。

ぐぐ・・・っ、と突きたてられた牙を。
注射針のように、皮膚の奥まで刺し込まれて。
きゅう・・・っ、と吸い取られてゆく血の気配を、ありありとおぼえながら。
めくるめく眩暈が、理性のすべてを崩していった。
体の力が抜けてゆくにつれて。
心地よいほどの陶酔が、すみずみにまでいきわたってゆく。
ああ・・・ここは。
なにかが、呼び覚まされたようだった。
生気の失われた部屋のそこかしこに、ぬくもりを帯びた記憶が懐かしく、よみがえってくる。

部屋にみちびかれたとき。
男はこちらに背中を向けて。
傲然とそびやかせていた、と見えたのは。
ほんとうは、さびしい孤独をはね返そうと、力みかえっていただけなのだ。
だって。
かれが見ていたのは、壁にかかげられたポートレイト。
古風な身なりをした若い女の人は、わたしと瓜ふたつ。
いえ・・・
あれは、わたし自身なのだ。

そう。あれは、さいごの夜のことだった。
つい夕べのことのように思えるけれど。
  ぜんぶ、吸い取って頂戴。わたしがまだ若いうちに。
ベッドのうえ。
わたしは身をもむようにして、おねだりしていた。
なん年も着ていなかった、セーラー服を身にまとって。
それが、このひとがわたしを見初めたときの服だったから。

寂しがっては、いけないよ。
そう、気遣うようにして。
かれはわたしのことを、優しくしっかりと抱きしめてくれていたけれど。
ほんとうに寂しかったのは、おねだりをかなえてくれたかれのほうだった。
ひと口ひと口に、惜別をたっぷりこめて。
一滴一滴を、たいせつに飲み干していった。
あのときのわたしの、生命ともろともに。

二十年経ったら、逢ってあげる。
必ず生まれ変わって、いまとおなじになってみせるから。
だからあなた・・・わたしのことをしっかり探して頂戴ね。
そう約束してから・・・なん回生まれ変わってきただろう。
ヨーロッパの貴族だったこともある。
華族のお嬢様だったこともある。
その身にいつも、帯びていたのは。
清楚な気品を帯びた、長靴下。
かれはそれをひとつの目印にして。
いつもわたしを、さがしあてる。
花びらのひらく、ちょうどその年頃になったときに。
ドレスの下、綺麗な刺繍を散りばめた脚を隠していたときも。
袴の裏に、絹の長靴下を秘めていたときも。
ねぇ。破ってくださる?
わたしはいつも、彼に甘えておねだりをしていた。
いまは、サポートタイプの柄もののストッキング。
足許にかがみ込んでくる彼から、恥ずかしそうに目を逸らし、
お好きなように・・・
すぼめた声が、秘めた歓びにふるえている。
知らず知らず、彼が吸いやすいようにと、さりげなく脚をくねらせていた。
遠い昔。
初めて逢ったとき、そうしたように。


あとがき
前作と似たプロットで、べつの結論にしてみました。
どちらがお気に召しますでしょうか。

同時に・・・

2006年12月18日(Mon) 06:46:38

なん十年、連れ添っただろうか。
頭にスカーフを巻いた昔のスタイルが。
いまでもとても似合うきみ。
髪に白いものが交じるようになった今でさえ。
愁いを帯びた目線には、はっとするほどの艶を秘めている。

ここは人里離れた小高い丘のうえ。
ふたりが棲むのは、ささやかな木立ちを背にしたコテージ。
人づきあいを忌むように、世から隠れて。
ふたり静かに、暮らす日々。
そうすることで、きみが背負うものがどれほど増えるかと。
案ずるわたしを、ほほ笑んで振り切った。
それほどまでにして。
きみは、ふたりきりの生涯を択んだ。
いつかはかならず、おわりがくる。
定まった未来を、穏やかな日常に秘めて。
ふたりしずかに寄り添って、齢を重ねてゆく。

そろそろ・・・ね。
きみはさりげなくこちらを振り返ると、
艶然と、ほほ笑んだ。
なにをいおうとしているのかは、
笑みの下に隠された憂愁が、それと告げている。

いつかは別れが、やってくる。
わたしは、吸血鬼。
真人間なきみのまえに、姿をさらすことすら恥ずかしい存在。
そんなわたしを、若いころのきみは、
  なにも恥ずかしがることはないじゃない。
そんなふうに、優しくほほ笑んで。
しっかりと、抱き取ってくれた。
おばあちゃんに、なるまえに。
血がおいしいうちに・・・ぜんぶ吸い取ってね。
そのかわり・・・なん百年経っても。わたしのことを忘れないでね。
なん十年かまえの約束を、どちらもかた時として、忘れたことがない。

してくれる?
きみはうなじを仰のけて。
ある一定の角度に保って、目を瞑る。
頬かむりした、スカーフも。
華やかだった、若いころの衣裳も。
この世のなごりに、出したのだね?
わたしはスッときみに近寄って。
もう、これ以上はないほどに、しっかりと抱きしめる。
  愛していた。
声がいつしか、濡れを含んでいる。
  いいいのよ。やって・・・
嫋々とした肢体が、頼りなげに身を寄せてきた。
互いの心のなかに秘めていた時限爆弾が、いま作動する。

さいごの一滴を抜き取ると。
安らかに閉じられた瞼のうえに、そっと接吻をした。
よく整理された調度。
リズミカルなまでにととのえられたキッチン。
ついさっきまで、きみの匂いがたちこめていた。
こんな空間に、独り残されるなど・・・とても耐えられるものではない。
わたしはさいごの力をふりしぼり、カッと目を見開いた。


のどかな冬景色の高原に。
ぽつんと佇むコテージ。
数秒と、かからなかっただろう。
とつぜん、大音響とともにオレンジ色の火を噴きあげて。
黒煙が雲のように盛り上がり、すべてが霧のように散ってしまうまで。
男は女と、魂をひとつに寄り添わせていた。

のどかな高原に、いまはなにも残されていない。
よくさがせば草の陰に、朽ちた焼け棒杭のかけらくらいは、
ひっそりと横たわっているかもしれないが。
かつてコテージのあったちかくの森には。
いまでも男女寄り添う透明な人影が、時おり漂うという。


あとがき
老いても朽ちることのない恋情は。
永遠の孤独という呪われた連鎖をさえ、断ち切ることができたようです。
永遠に寄り添いつづける魂を、森の幽鬼に表現してみました。

紳士もののハイソックスについて

2006年12月18日(Mon) 06:28:11

ちょっとここんとこ、ハイソックスづいていますね。^^;
恥かきついでに、いろいろ描いてしまいましょう。(笑)
近ごろは、本当に見かけなくなりましたが。
薄手の紳士用のハイソックスで、ストッキング地のがあるのです。
・・・って、ここによくお越しのかたは、とうにご存知ですよね?
吸血鬼のお邸に奥さんを同伴するご主人がよく履いていて、奥さんに手本を見せる時に咬ませたりするやつです(どういう説明なんだろう。(/_・))
季節がら、いまごろ履いている人はさすがに皆無ですが。
夏になると、ごくまれに年配の男性が履いたりしています。
過去それなりに流布していたものが、次の世代に伝わらなくなった好例かもしれません。
(ちょうど60代以上のご婦人がしている、スカーフで頭を覆うスタイルみたいなもんかな?)

色は、黒と濃紺が半々です。
黒は、ふつうにストッキングみたいな黒なのですが。
濃紺は、段違いになまめかしいです。
肌の色を、より敏感に反映するようです。
男性の場合だとさすがにすくないですが。
この色のストッキングを履くと、
うっすらピンクがかって、紫っぽく見える場合もあります。
こういう情景は、たまらなくセクシーです。
あの微妙な翳は、黒ではなかなか出ません。
清楚な黒とちがって、濃艶なものが漂います。
・・・女性の濃紺ストッキングの話になっちゃいそうですね。(^^ゞ
話題を戻します。

紳士用のナイロンハイソ(そう呼ぶことにします)、よっぽど探さないと、店頭でみかけることはほとんどありません。
履いている人が少ないので、当然のなりゆきですが。
(卵とニワトリかも知れません)
柏木も二、三ためしてみたのですが。
共通項としては、ゴムが太い、靴底部分に補強部がある、艶がある。
そんなところでしょうか。
ゴムが太いのは、ずり落ち防止ということでしょうが。
運動性を考慮しているのでしょうか。
男性のほうが女性以上に動く・・・ということは。
当節それこそ時代遅れの発想のような気がしますが。
どちらにしても。
存在感のある口ゴム部分は、薄手のレッグ部とはっきりとしたコントラストをつくっています。
靴底の補強は存在感がありすぎて、かんべんしてよねってくらい色気がありません。
「これはあくまで紳士用」というメッセージを訴える必要性を、メーカーが考慮した、とすら思えます。(笑)
なぜなら、帯びている艶が、ふつうじゃないからです。
とても紳士用とは、思えないくらいです。
どれくらいの艶かというと、
ふつうの女性もののストッキングよりも、はるかにあります。
光沢入り、ってわざわざ表記されているストッキング、ありますよね?
あれくらい、光るんです。
濡れるように、じわっと。です。
履き心地も微妙にさらさらとしておりまして。
どうして紳士用でここまでなまめかしくする必要があるのだろう?
という感じです。
百均とかのものだと、さすがにここまでの艶はありませんが。(苦笑)
やっぱり艶のある純正品?をもとめるべきです。
・・・そこそこ値の張るものでも、まさか一足千円もしませんからね。^^

かつてはナイロンハイソ、「男女共用」と書かれたものが出回っていました。
それくらい、ユニセックスなきわどい存在だったのでしょう。
都会の雑踏のなか、十代の男の子が、半ズボンの下に履いているのを一回だけ、みたことがあります。
そんなに不自然じゃなかったし、かわいかったです。(笑)
ごくふつーのルックスの子だったんですがね。(柏木、少年愛はいまいちパスな人なので)
人の視線を気にして、ちょっと恥ずかしそうにしていたような気もしますが・・・
独特の艶を帯びるようになったのは、「男女共用」とたもとを分かってから、のように思います。
ちょうど柏木がそちら方面に目が行っていない時期に変わってしまったので、なんともいえませんが。
生地の材質が女性もののストッキング同様サポートタイプになったあたりから、でしょうか。
どちらにしても、ユニセックスな危うさを秘めている、という点は、過去も現在も不変のようです。

こういう不思議なアイテムですが。
三十代以下の男性で履いているのは、まず見かけることがありません。
履いていたとしたら・・・かなりの確率で・・・と妄想するのは、柏木の勝手な暴走でしょうか。

ついでに、ほかのタイプの男性用のハイソックスのことを二、三書いてみます。
男性がハイソックスを着用する機会は、限られています。
ひとつは、特定のスポーツをするとき。
昔はシンプルなデザインが主流だったのですが。
よほどの廉価品を除くと、どれも意匠がド派手だったり、ブランドのロゴがついていたりしていて、柏木の趣味には合いません。
あの下にプロテクターなんかつけると、脚線美というものをまったく考慮に入れていないことがよくわかります。
男性らしい逞しさを主張する場ですから、むしろとうぜんといえますが。
もうひとつは、工事現場などの作業のときです。
昔のゲートルの延長だったのでしょうか。
太もものあたりで極端にふくらんだズボンを、ぎゅっと引き締める役割もあったようです。
これも最近、みかけません。
大昔の高校生が履いていた「ボンタン」と称するズボンのように。
足全体をかかとのあたりまで、ぼわっと覆うスタイルが主流のようです。
さいごはいちばん身近なのですが。
ビジネスソックスの長いやつ。
スラックスの下に履いて足首しか見えない状態だと、まったくわかりませんが。
ゴムの部分が、やたらと長いのです。
リブタイプのものでも、上の三分の一くらいがまるで断ち切られたようにそんなふうになっています。
半ズボンの下に履くと、ちょっと間抜けにみえます。
そもそも半ズボンにハイソックス、というクラシックなイデタチは、
一歩間違うととても珍妙なものになり下がってしまうのです。
昔の男はお洒落には今ほどこだわらなかった、と思われがちですが。
なかなかどうして。
危うい境地を巧みな着こなしで端正にみせる技術。
その世代ならではのしっかりした心得が、あったのかもしれません。
ナイロンハイソどうよう、こうしたたしなみも、古い世代とともに消えてゆくのでしょうか。

さいご、ないないづくしになっちゃいましたね。A^^;
長々とおつきあい、ありがとうございました。m(__)m

濡紅葉

2006年12月17日(Sun) 05:48:39

濡れたアスファルトの路面が頭上の紅葉を映して、
彩なる色を、じわりと滲ませる。
女はひとり、とぼとぼと。
ベージュのコート姿に、地味な茶の傘。
ほつれた白髪まじりの髪に、すこしの疲れを漂わせて。
それでも背すじの伸びた立ち姿は、いまだに凛としたものを失っていない。

背後にフッとよぎる気配を覚えて、ふり向くと。
遠い日、彼女を襲った恋人は。
寸分違わぬ若さをたたえている。
来たのね?
女ははじめて、艶然とほほ笑む。
雨のなか。
色あせかけた紅葉が、彩りをとり戻すように。
老女は女の顔に、還ってゆく。

薄い皮膚に刺し込まれた、かすかな鈍痛―――。
ホホ・・・
洩らした含み笑いに、想いのすべてを秘めながら。
ひとつになった影は、いつまでも寄り添いつづけていた。

吸血鬼というまがまがしさとはほど遠い、律儀な男だった。
結婚する。そう聞いたとき・・・自ら身を引いていった。
寿命の違うどうしでは。
添い遂げることは難しいとうそぶいて。
本当は。
取り残されるものの寂しさが、おそろしかったのに違いない。

でももうあのひと。いないのよ。
女は寂しそうに、ほほ笑んでいた。
わたしももう、若くはないし。
おいしくいただく、さいごのチャンスだったのね。
どうせなら。
ぜんぶ、いただいていってくれないかしら?

よりかかってくる華奢な身体を。
男はいたわるように支えながら。
けれどもゆっくりと、かぶりを振っている。
手にかけることは・・・やはりできないよ。
息子さんのために、長生きすることだね。
そうね。
女はわれに返ったように、頷いた。
どこまでも、律儀なひとなのねぇ。
ため息まじりに呟いた声色は。
ほんのちょっぴり、寂しそうだった。


あとがき
老女では、色気がないですか?
雨降りの日には、色あせかけた紅葉も。
ほんの少し、艶をよみがえらせるようです。

ハイソックスの丈について ~つづき~

2006年12月16日(Sat) 08:05:01

たまたま電車に乗り合わせた女子校生のふたり連れ。
制服の下、そろって紺のハイソックスを履いていました。
ひとりはどこでも見かける「ミドル履き」だったのですが。
もうひとりは、柏木好みな「ひざ下ぴっちり」。
こういう光景にお目にかかると。
ラッキ~。^^v
と感じてしまう、オヤジな私。^^;
ところがこのコたち。
もっと萌えな会話をしてくれるではありませんか。
なんと、ハイソックスの丈の話だったのです。
「そお?私これくらいの長さのほうがかわいいと思う」
といったのは。「ひざ下ぴっちり子」さん。
いいながら、ぴっちりなハイソックスをそれとなくギュッと引きあげます。
結論も出ないままに、話題はべつのほうへと移っていったのですが。
もう、その瞬間だけでじゅうぶんでした。(^^)
美意識の秀でたキミに、一票♪ (あまり喜んではもらえないと思いますがw)

ミドル履きはいまいちだぁ、と言いながら。
ふつーの女のコよりはかなり背丈のちがう柏木がハイソックスを履くと。
みごとに途中で止まります。
寸足らず、というサビシイ理由で。 ーー;)
オーバーニーだと、すこし余ります。
ゴムの部分を折るのは、嫌いです。
(はっきり存在感のある太めなゴムも萌えなのです。我ながら、細かいな)
わざとたるませて履くほうが、まだしもかなって思うのですが。
やっぱりハイソックスは女の子のために作られているのだ、と。
今回の呟きは、ごく当たり前のオチに終わりそうです。 A^^;

ハイソックスの丈について。

2006年12月16日(Sat) 07:57:09

まえにもおなじようなこと、描きましたかね。
おんなじような話になっちゃったら、ゴメンです。(笑)
紺のハイソックス。女子校生のあいだでは、根強い人気ですね。
流行り始めてから、もう十年ちかくになります。
このごろでは・・・当時最盛期だったルーズソックスを、完全にしのいでいる観があります。
ちょっと寂しいのは。
昔みたいにひざ下ぴっちりに履いているコが、少数派なことです。
ほとんどが、ひざ下数センチで、止まっています。
愛好者のあいだでは、中履き、とか、ミドル履き、とか呼ばれているようです。
履いている本人たちが何て呼んでいるのかは、わかりません。
女子校生でここ見ているひと。いないと思いますが。(笑)
もしご存知でしたら、おしえてくださいね。^^

それはともかく。
この数センチの差って、いがいに大きいんです。
スカートはみなさんそろってミニですから。
脚ぜんたいの露出度は、かなりのものになります。
そうすると、割合的に、ハイソックスの占めるスペースはすくなくなって。
よけい、存在感がなくなります。
脚が短く見える、って話は、まえに「脚を長く見せる」でも書きました。

高校を卒業して、進学したりOLさんになったりすると。
こんどは一転して、黒のハイソックスに履き替えます。
(紺ハイソも根強く残りますが)
こちらのほうは、まだそんなに歴史はないと思います。
ここ数年の流行、でしょうか。
ハイソックスの色が変わるだけではありません。
丈も変わるんですね。
こんどは柏木の好きな、ひざ下ぴっちりタイプになります。
前作の女の子が履いているようなやつです。^^
ここには、いかなる意味があるのでしょうか?
とても気になります。

OLさんはすべからく、ストッキングで脚を装うべきだ・・・というのが柏木の理想なので。(笑)
黒ハイソを見ると、「手抜きだなぁ」って感じることもあるのですが。
あの丈だけは、萌えを覚えます。
(あ。ダイヤ柄とか、透けてるやつも素敵だよな以下略)
まえにいた職場で、三十くらいのミセスのOLさんで、素敵な人がいまして。
(前作のモデルぢゃあないですよ。あのコはもっと若いw)
色白で、牡丹のようなあでやかさを持った人でした。
いかにもストッキングが似合いそうなのに。
履いてくるのは決まって、黒のハイソックス。
ちょっとな~。なんとかならないかな~。
なんて。思いました。
血を吸って洗脳しようかと思いましたが。
思っただけ・・・ですねぇ。(^^ゞ
口ほどにもない柏木です。^^;

女子校生の中履きもダメ、OLさんのハイソもいまいち。
って。
ぜーたくを申しておりますが。
さいきん、黒のオーバーニーソックスが流行っていますね。
あれはいいです。^^
何よりも、ミニに合います。
脚が長く見えます。
ちょっと「ろり」がかってしまうのが、難なのですが。
(なわけで私、真正のロ○コンじゃないんですよ。ねえさやか様。^^)
黒のニーハイのお話が少ないのは・・・
きっとそういうのを履いているような若いコと、縁遠いからなんですかね。orz
咬みつくとしたら?
ちょっぴり覗く太ももかなぁ。^^
あの限られた領域。とても気になります。
それともやっぱり、ふくらはぎ?(^^)
あー。
どうしてこう、不埒なんでしょうね。我ながら。
えっ?お前からフラチを除いたらなんにも残らないって?
はい、はい。 --;)

きょうの宿題
女子校生の紺ハイソとOLさんの黒ハイソの丈の違いは何からくるものなのか?
一行以上で述べよ。

親切な受付嬢

2006年12月16日(Sat) 07:31:08

「あのぅ、お荷物、持ちましょうか?」
首にはカメラを提げて、両手は重たいバッグでふさがっていた。
見ようによっては、かっこのよくないスタイル。
いや見ようによらなくても。
正真正銘、かっこ悪かった。
すべてが仕事のつけとはいえ。
若い女の子のまえ、こんなよたよたとしたなりはしたくないもの。
ふつうの女の子なら、クスクス笑って通りすぎるだけなのに。
その子は、ごくしぜんにかたほうの荷物を持ってくれた。
大の男が持っても、体が傾くほどの重さなのに。
細い腕がしなるくらい力みながら、顔だけは笑顔をたやさない。

なんていい子なんだろう。
親のしつけが良いのだろうか。
オレが兇悪無慙な吸血鬼であるとしても。
こういう女を、襲ってはいけない・・・
そう、たとえ今。どんなに喉が渇いていても。
踏みしめる足どりがへんに揺らいだのは。
荷物が重たいせいだけではないはず。

荷物を車に積み込んでしまうと。
女の子は丁寧に礼をした。
長い髪の毛が肩先に、ふわりとかかった。
そのときだ。
オレがとうとう、理性を忘れたのは。

きゃっ。
女の子はちいさく叫んで。
あっけないほどかんたんに、壁に抑えつけられている。
ドキドキしながら。
震える指も、もどかしく。
肩先にかかる髪の毛を、手早くかきのけて。
這わせた唇の下。
なめらかさよりも、ぬくもりのほうが心に沁みた。
吸い出した血潮は、見かけを裏切らない健康な香りを帯びている。

すまないね。
囁いたところで、どこまで真意が伝わるだろう?
おびえる女の子は、なんとか気丈にわが身を支えようとしたけれど。
ついふらふらと、よろめいている。
すまない。すまない。
ちいさな身体を、いたわるように抱き支えて。
傍らのベンチに、なんとか腰をおろさせて。
制服のスカートの下、黒のハイソックスがぴっちりと。
ひざから下をおおっている。
いつもなら。そのまま上から噛みつくはずが。
するり・・・と。ほんの少しだけずり下げて。
あらわにした部分に、牙をしみ込ませていた。
お仕事に、戻れるかい?
我ながらむたいなやつ・・・心のなかで、悔いながら。
無言で頷くようすに、なぜかホッと胸をなでおろす。
戻ってゆく背中を、見送っていると。
ふらつく足どりが、少しずつ元に戻ってゆく。
やはり、気丈な子なのだろう。

帰り道。
喉の渇きは、おさまらない。
さっきは手加減、したからな。
もうひとり・・・見つけなければ。夜寝れないな。
もっと吸っておくんだった・・・という想いは。
ふしぎと、湧いてこなかった。
前をよぎるのは、なめらかな真っ暗闇。
そのただ中から、白い人影が浮びあがったとき。
しんそこ、亡霊なのではと疑っていた。
けれどもこちらにかけてきた声は。
ストレートな生気をもった若い女のもの。
思いがけないことに。
声の主は、さっきの子だった。

バンドエイドを貼った首筋は。
目だたないよう、長い髪で入念に隠している。
「足りなかったんじゃないですか?」
え?
戸惑うオレのまえ。
女はベンチに腰かけて。
黒のハイソックスの脚を、伸べてくる。
「破るの・・・ですよね?履いたまま。
 さっきはお仕事中だったから、見逃してくれたんですね?」
ふたりを覆う闇にはとても不似合いな、健康的でハッキリとした声だった。
ケアしてあげる。
まっすぐな善意に、淫らな翳はかけらもない。
わかっていたのか。
われ知らず、呟くと。
女はさあ・・・と催促するように。
ハイソックスの脚を差し向けてくる。

そのまえに・・・
オレはベンチの隣に腰かけて。
女の身体に、しずかに密着してゆく。
思いのほか、なよなよとした抱き心地がした。
存外に華奢な、身体つき。
けれども、頼りなげに寄り添うその身には。
凛とした芯の強さを秘めている。

もう片方にも、バンドエイドを貼ることになるが。
いささか・・・遠慮がちに、囁くと。
女はさっきと同じように、無言でかすかに頷いている。
すまない。すまない。
呟きながら。
皮膚に秘めたぬくもりが、むしょうに恋しくて。
吸いつけた唇を、甘えるようにねぶりつけながら。
牙を沈ませていった。

うふふ・・・ふふ・・・
ベンチの上からは、くすぐったそうな含み笑い。
ひざから下を覆うハイソックスの生地は意外に薄くて。
なすりつけた唇の下。
ナイロン越し、たっぷりとした柔らかい肉づきが心地よい。
痛みを忘れさせるためそそぎ込んだ毒液が、ほどよくめぐり始めたようだった。
いやらしい・・・です。
女は口許をゆるませて、優しく咎めの言葉を降らせてきたけれど。
あくまで、理性は失っていないのだ。
どこまでも、きちんとした子なのだな。
ハイソックスのうえから、牙をしみ込ませていきながら。
ひざ小僧を撫でる掌には。
卑猥なばかりではない感情が、いきわたっている。
毒液と引き換えに頂戴した、この子の暖かい血が。
オレのなかで奇蹟をもたらしはじめている。


あとがき
現実にはありえない、甘々なお話になっちゃいました。^^;
女の子のほうも、もともとすこし、気があったのでしょうか。

これこれ、きみ。
なんだかんだと、もっともらしく呟いているけれど。
善意のひとには、決して悪さをしてはいけないのだよ。^^

妻の衣裳を着せられて

2006年12月15日(Fri) 08:17:28

そうよ、似合うわ。とっても素敵♪
妻は小娘のようにイタズラっぽくほほ笑みながら。
わたしに自分の衣裳を重ねてゆく。
タートルネックのセーター。白のニットのカーディガン。
あまり女ぽいのは。とためらうわたしに。
カジュアルな服を選んでくれた。
スカートは、着けなきゃダメ。
どうしても、許してくれなかった。
ポニーテールの髪を揺らしながら。
わたしの周りを蝶のようにめぐりながら。
わたしを女に、変えてゆく。

ストッキングも、履いてみる?
そうだわ。こんなのどう?
ダイヤ柄の黒ストッキング。
このまえ父母参観に履いてったやつよ。
ほら。あちこちのお父さんたちや、先生まで。
私の脚、じっとり見てたでしょ?^^
無地のやつよりも、男っぽいかもよ?
無理かな~?^^;
ずるずるとたぐり寄せるように、下手っぴにずり上げるのを、
妻は愉しそうに、見守っている。

これから吸血鬼さんに、お目にかかるのよ。
せいいっぱい、おめかししなくちゃ。
妻はお見合いのときに着てきた白のスーツを引っ張り出して。
いつもより若めに、装っていて。
まるで、婚約者を与える気分。
と呟くわたしに。
グッと腕を捕まえるようにして組んで。
ば・か・ね。
姉妹よ、姉妹・・・♪

奥様を、頂戴しますよ。^^

2006年12月15日(Fri) 07:45:31

ふつうであれば、とても許すことの出来ない言葉。
それなのに。
あの男にだけは・・・いくたびこの言葉を囁かれ、酔わされてきたのだろう?
脇からスッ・・・と。
影のように、寄り添ってきて。
背中から、腕をまわされて。
二の腕ごしに、ぐいっと抱き寄せられて。
疼くような鈍痛とともに、首のつけ根にもぐり込んでくる牙。
ズズズ・・・じゅるじゅるっ。
わざと汚らしい音をたてて、啜り取られて。
くらりとする眩暈に、我を忘れて。
腰をおろすためのソファを求めるわたしを、気遣うように導いて。
体をぴったりと密着させたまま、囁きかけてくる。
奥様を、頂戴しますよ。^^
と。

男のくせに。
女の服を、着けている彼。
挑発的な、黒皮のジャケット。白のタイトミニ。
にょっきり伸びた脚には、大胆なダイヤ柄の黒ストッキング。
わたしの血を口紅がわりに刷いた唇が、冷たい笑みにほころぶと。
紅いものに染まった、歯。
わたしは彼の歯先を撫でて。
  妻の血も、似合いそうだね・・・きみの唇に。
ついうっとりと、囁いている。
  男に犯されるわけじゃないのよ。女に犯されるのよ。
女言葉が、かえってきた。
  かけがえのない妻だ・・・
あくまでためらうわたし。
  だから、おいしいんだよ。^^
たたみかける、彼。いや・・・彼女。
  わかった。わかったよ・・・
迫る色香に辟易するように。
  今夜も妻を、辱めてくれるのだね?
恥ずかしい応えを、かえしてしまっていた。
ウフフ。
彼はくすぐったそうな冷笑を浮かべて。
チリン、と呼び鈴を鳴らすと。
待ち構えていたように現れた妻は。
キリッとした、よそ行きのスーツ姿。
銀のネックレス。
つややかな黒髪。
ふだんは穿かない、光沢入りのストッキング。
わたしを無視して、「ようこそ」と。
けれどももちろん、気づいている。
さりげなくこちらに投げた一瞥が、妖しい香りを含んでいたのを。
  嬉シイワ。愉シマセテモラウワネ。
取り澄ました面差しからは、もう微塵もうかがえない。

本性をあらわにした彼は。
着飾った妻に、性急に迫る。
  あなた、破らせちゃってもいいのっ!?
スカートを乱されながら。
切迫した声色を・・・ひどくそそるように、弾ませていた。
ストッキングを、破かれる。
ストレートに、凌辱につながる行為。
そうと知りながら。
  破っていただくように。
機械的に動いてしまっている、わたしの唇。
飢えた掌が、ストッキングのふくらはぎをまさぐりはじめる。
指がさ迷い、唇が這い、べろをなすりつけられてゆく。
ストッキングの光沢を塗りつぶすほどに。
あぁ・・・
見ていなければならないのか?
とうぜんだとも。と、男。
アラ、ここにいらしてね。と、妻。
乱れ合う、女の衣裳。
挑発的な若さが、落ち着いた気品をねじ伏せていって。
ふたりとも、申し合わせたようにガーターストッキングだったことに気づいたときは。
深い吐息を交し合っている。
ふたり、いや・・・3人ながら。

ほつれる糸

2006年12月15日(Fri) 07:09:28

モスグリーンのスーツのすそから。
にょっきり伸びる、ふくらはぎ。
適度な肉づきが、絶妙なカーブを描いていることを。
なん年も暮らしていると、忘れかけてしまうものらしい。
ふと思い出したときには。
妻は夜ごと忍んでくる、吸血鬼の餌食にされていた。
夫婦ながら・・・といったほうが、正しいだろうか。
首筋に、おなじ痣を滲ませて。
向かい合わせに腰かけた応接間。
意味深な目交ぜに、妖しい笑みが含まれる。

妻はゆったりと、じぶんの足許を見おろして。
ごくふつうの、安物ですのよ。
ひざ下にすり寄ってうずくまる影に、そう言った。
くふん。
頷くともなく。相槌を打つともなく。
影は、妻の脚にすりついていった。
あら・・・
ぬるりと這わされた舌に、妻はちょっと迷惑そうに眉をしかめる。
モスグリーンのスカートのうえ、膝に置いた手のひらに力がこもる。
ちょっとしたしぐさに、ぞくりとする妖しさを匂わせながら。
妻はわが身に迫る不埒を、少しずつ許しはじめてゆく。

美味しいですか?
問うたのは、わたし。
影はわずかに、頷いた。
夢中らしい。妻の脚を辱めることに。
なすりつけられる舌は、ぬらぬらとした唾液をたっぷりと含んでいて。
ぴちゃ、ぴちゃ。
ぬるり・・・
礼装に包まれた妻の脚に、いやらしく迫ってゆく。

ひときわつよく吸いつけられた唇の下。
ぴちっ・・・と、伝線が走った。
あら、あら。
諦めたように洩れる、やわらなか微苦笑。
オブラアトがとろけるように。
たあいなく破けてゆくストッキング。
滲むような裂け目を上から指でなぞりながら。
彼は囁くように、問いかける。
ドキドキするでしょう?ストッキングを裂かれるのって。
淑女であることを放棄する・・・そんなふうに、思えませんか?
夫婦どちらからともなく、頷くと。
彼は得意気に、これ見よがしに。
我が物顔で、妻の脚を吸いはじめる。
きゅうっ・・・
血を抜き取られると。
うずくまる背中に迷惑そうに注がれていた視線が、
ふらり、と俄かに焦点を喪って。
あらぬ方をさ迷いだす。
いいかしら?あなた・・・ちょっとお行儀悪くするわね。
いいだろう。
静かに頷くわたしに、妻はにこりと笑み返して。
くたくたとくず折れるように・・・じゅうたんの上にまろび臥す。

淑女のままでは、起き上がれませんよ?
悪戯っぽく、囁く彼に。
ウフフ。あなた・・・そうなんですって。よろしいわね?
イタズラっぽく、窺ってくる妻。
タバコを買ってこようかな?
うそぶくわたしを。
いけないわ。ここにいらして。
妻はどこまでも、残酷だった。

ククク・・・
ふふふ・・・
灯りをつけない夕方の応接間。
くすぐったそうな含み笑いが、どこまでもつづいてゆく。


あとがき
たとえありきたりの安物のストッキングでも。
女の脚に妖しさ麗しさを与える効果にかわりはないようです。

華やかな同伴者たち

2006年12月15日(Fri) 06:56:01

「一週間ほど、旅行に行くわ」
妻はいつになく遠慮がちに。ちょっとすまなさそうに。
窺うように、こちらを盗み見る。
どこへ?
と問うのは。愚問であろう。
妻のうなじには、痣のように沁みつくふたつの痕。
おなじ痕が、わたしの首のつけ根にも・・・疼きを滲ませていた。

ウキウキと、着飾って。
いい服を、何着も旅行鞄に放り込んで。
行ってきますね♪
妻の口調は、彼との浮気に出かけるときよりも浮ついている。
お腹の奥が、ジンジンしてきた・・・
ブラウスを濡らして。
ぼうっとなって。
生き血を啜られる妻。
背徳的な光景にとり憑かれてしまってからは。
夫であるわたしすら、そんな妻をウキウキと送り出している。
胸をズキズキと、疼かせながら。

ごめんください。
インターホンの向こうは、聞き覚えのある女の声。
玄関に、出てみると。
総勢、五名。
彼の周りに、女が四人。
顔見知りの奥さん。
春に結婚する甥っ子の婚約者。
親友のアキオは、妻と娘まで差し出したらしい。
みないちように、着飾って。
いずれ劣らぬ白い肌を、誇示するように輝かせている。
負けていないかな?うちの妻。
そんな懸念は、無用らしい。
「ほら、ヒロインの登場だ」
彼はなんのてらいもなく、女たちにそう告げる。
くすっ、とひそかな笑いが、女たちを揺らしたのは。
自分が迎えを受けたとき。
おなじように言われたからなのだろう。

若めにみえる白のスーツに身を包み、
しゃなりしゃなりと現れた妻。
彼は貴婦人に接するように、丁重に手を取って。
手の甲に接吻をして。
  お預りしますよ。
深い色をたたえた瞳で、わたしのことを射すくめた。
  よろしくどうぞ。ふつつか者ですが・・・
寛大を装うことに・・・どうしてこんなにズキズキしてしまうのだろう?
じわりと滲む、服従の愉悦。
マゾヒスティックな血が、ぐるぐると全身をかけめぐる。
女たちは、ひまわりの花のようにかすかに顔を揺らしながら。
夫なる人のかすかな昂ぶりを見つめている。
家を出るとき、じぶんの夫にそうしてきたように。
笑みを含んで・・・

”初夜”明けて

2006年12月14日(Thu) 08:12:18

していただいたのですか?よかったわね。
あでやかに着飾った、義母となるひとは。
目線をウキウキと浮つかせて、娘を迎え入れた。
うまくやれた?よかったじゃない。
やっぱり着飾った母は。
ボクを愉しそうに、冷やかした。
おめでとう。これでやっと、一人前だね。
二十なん年かまえ、
恋人の純潔をおなじ相手に与えた父親たちは。
口をそろえて、ボクを祝福する。
おなじ性として。
許婚の純潔を捧げる行為に、共鳴してくれていた。

着飾った母親たちの首すじには、どす黒い痕。
妻たちにつけられた痕跡をちらちらと盗み見る夫たちも、
男どうし、にやにや笑いを交わし合っている。
妻となるひとは、母たちのあいだ
腰をすぼめるようにして、入り込んだ。
あら。まだ痛いの?よほど、可愛がってもらったのね。
白いスカートのすそ、ちょっぴりついた血に気づいているのは、ボクだけなのだろうか?

捧げた初夜

2006年12月14日(Thu) 07:51:15

手を引かれるままに。
きみは褥に、まろばされて。
白と濃紺に折り目正しく縁どられた、清楚な制服を乱されてゆく。

きっちりとアイロンのかかった、プリーツスカートを。
くしゃくしゃになるほど、たくし上げられて。
スカートの下、秘めていた脚を染めるのは。
太ももまでの、黒のストッキング。
女学生らしい知的で清楚な装いも。
獣じみた精液に、濡らされてしまうのか。

肩までかかる黒髪を、かきのけて。
すっきりあらわにした、首筋に。
あなたは唇を、貼りつけるようにして吸いつけてゆく。
素肌と唇が、いちぶのすきもなく密着したとき。
あ・・・
かすかに顰める眉に。
苦悶と愉悦を滲ませて。
いく度か捧げつづけてきた処女の血を。
今宵を限りと、吸い尽くされる。

せりあがってゆくのは。
ボクよりも逞しい、むき出しの腰。
黒ストッキングのか細い脚に、脛毛まじりの丸太ん棒のような太り肉が迫ってゆく。
紳士なあなたも、差し出された獲物のまえには。
ついに獣になるのでしょうか・・・?

よく見ておけよ。
組み敷いた許婚のうえで。
あなたは、そう告げるように、ボクのほうをかえりみて。
手足をしっかりと抑えつけられたきみのうえ、
静かに腰を、沈めていった。
歯を食いしばった、薄い唇。
キュッと瞑った瞼。
淡い苦痛と、初めて知った愉楽に。
きみは戸惑いの色を漂わせて。
ぐい、ぐい、ぐい、と。
スカートの奥まで力づくで迫らされる腰に、
耐えかねたように、白い歯を滲ませた。
目じりからひとすじ、伝い落ちた涙が。
女になった・・・と、告げていた。

踏みしだかれてゆく、未踏の処。
激しくせめぎ合う腰の動きは、いつかひとつになっていて。
きみはボクの視線を避けるように、目をそむけつづけていたけれど。
乱された制服の下、ちらちらとする白い肌は。
覚えはじめた愉悦に、初々しくはずんでいた。

褥のうえは、もはや一対の男と女―――。
居場所がなくなったような想いが、胸を刺したとき。
制止する視線が、こちらにむかってきた。
主役はあくまできみなのだ、と。
処女を奪われる女と、処女を奪わせる許婚と。
未来の花嫁の純潔を、嘉する男と。
三者三様想いを織りなす、妖しの夕べ。

きみの恋人を、犯したい。
そんな申し出を、あなたから受けたとき。
素肌の下をめぐるマゾヒスティックな血を、逆流するほどに昂ぶらせてしまっていた。
もっと、言ってくれ。
きみの花嫁を、汚したい。
潔らかな純潔を、踏みにじりたい。
ああ・・・
言葉には、魔法が秘められているのか。
裏側にある、あのひとへの想い。ボクへの想い。
おなじひとを、好きになってしまったのだ。
大好きなきみから、ひと刻だけ。最愛のひとを譲り受けたい。
すり寄って、耳もとに、囁かれて。
じっと見つめてくる瞳を感じながら。
深く、しっかりと、頷いてしまっていた。
他ならぬあなたにだから、お願いできる。
最愛のひとのはじめてのものを、奪われたい。
いちぶしじゅうを、見届けたい。
一度しかないたいせつな刻を、ともにしたいから・・・

一生の思い出になるわね。
願いを、許されたとき。
きみはフフッと、大人びた笑みを滲ませて。
冷やかすように、そして、愉しそうに。
ボクを見つめる目を、いままでにないほどウキウキとはずませて。
雪のように白い頬を、淡いバラ色に染めていた。


あとがき
女学生。婚約者。
穢されてはならないもの。犯すことを許されないはずのもの。
少年は大人になるまえに。貴重なひと刻を過ごすことができたようです。^^

少女の脚

2006年12月14日(Thu) 07:30:27

美味しいですか?わたくしの血。
よりかかってくる、セーラー服姿。
血を抜かれて力の抜けた身体を、もたれかけて。
甘えたえくぼを滲ませて。
上目遣いで、窺って。
吸い取った血潮は、しなだれるほどの媚びを含んでいた。

もっといじっても、いいのよ。
制服・・・小父さまのために、着てきたの。
重たい濃紺のプリーツスカートのすそから、
ぬるり、と忍び出されたのは。
淡い艶を滲ませた、通学用の黒ストッキングの脚。
手管を知らない生娘の、たくまぬしぐさが。
妖艶な未亡人とおなじくらい、どきりと胸を衝く。

うふふ・・・ふふふ・・・
笑み崩れさせた唇から。
はにかんだ口許から。
くすぐったそうな含み笑いが、重なり合う。
乱しても、いいのかい?
汚しても、いいのかい?
唇で、べろで、踏みしだいてゆきながら。
吸いやすいようにあちこちと向きを変えてくる脚が。
しぜんに、応えてくる。
いいわよ。吸って。あなたにあげる・・・

いもうと 2

2006年12月14日(Thu) 07:16:30

血を吸われるなんて、厭。
だって、キモチわるいもの・・・。
初めて襲われるまでは。
そういって、口を両手で覆っていた。
けれども母に諭されて。ボクに促されて。
お邸の奥深く、犯されるようにして血を吸い取られてしまうと。
きみは時おり、別人のような翳を滲ませて。
学校から戻ると、制服のまま。
白のハイソックスを、脱ぎ捨てて。
黒のストッキングを、脚に通して。
ひっそりと、出かけてゆくようになっていた。

気がつかないあいだに帰宅していることもあるくらい。
きみのうごきはひそやかだったけれど。
そういうとき、母はいつも察しをつけていて。
すぐに身を清めることができるよう、風呂を沸かしたり。
お赤飯を炊いたり。
いそいそと、動きまわっていた。

そんなふうにして、出かけてゆくきみを。
何気なく、見送るふりをして。
こっそりあとを尾けるようになったのは。
それからすぐのことだった。
冷たい風に、包まれて。
足音もたてずに歩みを進める、黒タイツの脚。
たまには濃いのも、いいかもね。
部屋での呟きを、隣りから聞いてしまっていた。

お邸の門の前。
りぃん。ろぉん。
間のびした、インターホンの音。
こそり、と応えてきたのは、小父さんの声らしい。
きみはまだ稚なすぎる、はっきりとした口調で。
  お庭を見たいの。
カラン、とひとりでに錠がはずれて。
きみはひとり、庭先に回る。
枯れた薔薇の花が、そこかしこに、からからと。
折からの微風に、乾いた音をたてて、そよいでいた。

きみは濃紺のプリーツスカートを、ちょっと重たげにたくし上げて。
淡く透ける白い脚を、ひざ小僧の上までさらけだす。
黒革の通学靴で、地面をしっかりと踏みしめて。
小父さんは、こちらに背中をみせて。
きみの足許にうずくまって。
ちゅうっ・・・
むぞうさに唇を、吸いつけていた。

あ・・・
きみは眉を寄せ、しかめ面をつくって。
しつように吸いつく不埒な唇に、
タイツの脚を、許していた。
ぬるぬる、にゅるにゅると、くまなくていねいに、あてがわれてゆく。
毒液を滲ませた、唇を・・・
あうっ。
ふたたびきみが、顔をしかめたとき。
ぴちっ。
肉づきのよい脚を包む濃い艶に、亀裂が走った。
あ・・・あ・・・ァ・・・
喉の奥から絞りだすような呻きを洩らして。
しばらくはしっかりと、脚を踏ん張っていたけれど。
白い手を、傍らの木の幹にすべらせて。
細い指を、小枝にからめて。
さいごに小枝が、ぽきりと折れた。
ゆさっ。
スカートをかすかに、そよがせて。
うずくまる庭先に。
きゅうきゅう。きゅうきゅう。
むざんな吸血の音が、おおいかぶさってゆく。

ひどいわねぇ。
肩までかかる黒髪を、むぞうさにかきのけながら。
襟首に走る白ラインに撥ねた血を、さりげなく押し隠す。
きみは、いつものきみにかえって。
口を尖らせて、不平を鳴らす。
そのまま、歩いて帰るのだよ。
ぬけぬけとからかう小父さんに、後ろにお尻を突き出すほどに、あかんべぇをして。
スカートについた泥をぱたぱたと払い落として。
おいとまするときだけは、良い家のお嬢さんらしく。
お行儀よく脚をそろえて。
髪を揺らして、一礼していた。

たまたま、通りかかったように。
静代?
って、声をかけてみる。
あっ、と口許を手で隠しながら。
どうしたの?
ためらわずに、応じてくる。
スカートに泥、ついてるよ。
イタズラっぽく、指摘をすると。
もぅ。
口を尖らせて、残った泥を払い落とす。
タイツも伝線、しているね。
見てた?
顔にありありと、描いてある。
  見てたでしょ?わざわざ兄さんが見れるように・・・って。
  わざわざお庭を、択んだのよ。
きみが血を吸われているのをかいま見るのが。むしょうに愉しい。
ひそめた眉。しかめた面差し。足許からあがる吸血の音。
くしゃくしゃに乱れる、折り目正しいプリーツスカート。
どれを取っても。
いままでのきみのなかで、いちばん可愛い。
  いい眺めだった。^^v
あっけらかんと、言い放つと。
  もうっ!
頭にかざした鞄が、おどけた揺れをみせている。

いや、はや。

2006年12月14日(Thu) 06:41:18

今月に入って、あっぷが38になりました。前作までで。
月の半ばもいかないのに。優秀です。(笑)
数を自慢しても、はじまらないのですが。
「最多記録」は「幻想」時代、去年の8月の81です。
81作も・・・なに描いていたんだ私。(爆)
そのうち再あっぷできているのは・・・まだ23。
・・・って、四分の一強かい。orz

最速ラップですね。今んとこ。
このままのピッチで行くとはとうてい、思えませんが。
どうもここんとこ、いけない虫が、疼いているみたいです。
「魔」がひんぱんに、訪れて。
まるで発作でも起こしたみたいに。狂ったように、乱舞して。
でもちょっと・・・内容薄くなっていませんかね?(^_^;)
多作しているときは。
意外に自分のなかでも、印象に残るお話が少ないのです。
(多すぎるせいかも・・・ですが)
ちょっぴり気がかりがあるとすると。
そうした質の問題・・・ということになりますナ。^^;

純潔の行方

2006年12月14日(Thu) 06:21:34

未来の花嫁・・・と呼ぶにはまだ稚なすぎるきみは。
いつもちょっぴり、羞ずかしげに目を伏せて語りかけてくる。
大人っぽいスーツやワンピースよりも。
まだ、濃紺の制服がよく似合うお年頃。
白い肌は、男の子のように生硬で。
恋人どうしの艶っぽいやり取りなどは、まだ遠い彼方の世界。

そんなきみが、吸血鬼の虜になった。
お互いの家のしきたりで。
制服の下に、珍しく黒のストッキングをまとって。
母と連れだって、お邸の門をくぐっていった。
いちばん奥まったひと間で。
まず母が。そして、他ならぬきみが・・・
遠くから窺う、艶めかしい闇の彼方・・・征服を受け入れていった。

あくる朝。
けれどもきみは、拍子抜けするほど、変わり映えがなくて。
ちょっぴり口を尖らせながら。
いつものように、羞ずかしげに、目を伏せながら。
痕が痒いの・・・
ふと呟きを洩らしたそのときにだけ。
薄っすらとなにかを、滲ませた。

週に二度。
そのうち一度は、週末の夜。
きみは、ひとり出かけていって。
彼の腕のなか、身をゆだねている。
抱きすくめられて。うなじを吸われて。
薄黒く装って、なまめかしく染まった脚を。
不埒な唇で、もてあそばれた。
  抱いているときは・・・夢見るような遠い目をしているのだよ。
あるとき彼はそんなふうに。
気遣うわたしに囁きかけてきた。

今夜も、借りるね。
あぁ、よろしくね。
さりげないやり取りに、ほんの一瞬。
チカリと刺す衝動を秘めて。
つないでいた手は、彼のほうへと移ってゆく。
妖精のように・・・ふわりと翻る、白のスカート。
いつの間にか大人びた後ろ姿に、艶めいた黒髪が映えた。

どうしているのだろう?どこまで、されてしまっているのだろう?
忍び込んだ庭先から、雨戸の向こうを窺うと。
ずりずり・・・ざりり。
洩れてきたのは・・・重なり合う体が、畳を擦る音。
ひとしきり、つづいたあと。
はあぁ・・・
吐息の主は、どちらだったのだろう?
処女の生き血を吸い取られてゆく。
そんな想像だけでも、ひどく昂ぶってしまっているわたし。
いつだったろう?
こっそり見せてもらった、見るかげもなく裂かれた黒のストッキング。
あらぬ想像がぐるぐる、ぐるぐる、かけめぐっていた。
あんなふうに。こんなふうに。
身体を重ねながら、されてしまっているのか。
昼間の無垢な横顔に、見たこともない艶を重ねながら・・・
けれどもそれは、杞憂だった。

痛くなかった?
えっ?
意味の深さを勘ぐって。どきりと胸を波立てたけれど。
ううん。だいじょうぶ。血もとまったみたい。
舌足らずな甘えた口調は、いつものままのきみだった。
具合はどう?・・・あくまで気遣う彼。
平気よ。・・・さりげなく気遣いを返すきみ。
もう少し、いいかい?
えぇ・・・
影を重ねてくる男から、無意識に目線をそらしながら。
きっといつものように、羞じらうように目を伏せているのだろう。
そんなようすがありありと、雨戸を通して伝わってくる。
ちゅっ。
唇が、肌に吸いつく音。
きゅう・・・っ。
押し殺すような、吸血の音。
熱を帯びたなまの唇で、素肌を吸われながら。
艶めかしさを秘めはじめた血潮を啜られながら。
彼の腕のなか。きみはなにを、想っているのだろう?

まだまだ、取っておこうね。彼のためにも。
囁いているのは、彼のほう。
きみは無言で、頷いている。
花びらのように可憐な口許が、おもむろに開かれて。
もっと、もっと・・・処女の血をあげたいわ。
告げる声色が・・・どきりとするほど。はっきりとしていた。
そうだね。たいせつに、吸わせていただくよ。
きみは他ならぬあの男の、花嫁になる女(ひと)なのだから。
どこまでも優しい、彼。
時には猛り、草むらに引きずり込んで目も眩む凌辱に耽ることもあるはずなのに。

明日きみの家に行ったら。
ご両親に、相談しよう。
祝言の日取りをあと半年、延ばしたいと。
すべてをご存知のご両親も。そしてきっと、うちの親たちも。
決して嫌だとは、言わないはず。
そのとき新床に迎える花婿は・・・もしかすると彼に代役してもらうかも。
さきにやらせてあげようか?さいごまで、見ていてあげるから。
そんなふうに、囁いたら。
怒って、頬ぺたをふくらませて、口を尖らせるだろうか。
いやいや・・・きっと・・・
いつものように、伏し目をつくって。
伏し目の奥に、羞じらいを秘めて・・・
きみはひっそりと笑むのだろうか。

息子

2006年12月13日(Wed) 08:11:06

妻を導いたのは、まだ小学生の息子。
公園で遊んでいる時に。
「吸血鬼のおじさん」と仲良くなって。
若い女の血が欲しいんだ・・・と、せがまれて。
わたしが留守の晩に。
彼を母親の寝室に、導いていた。

あら、まぁ・・・
客間から、少女のようにはじける声がするときは。
いつも書斎にこもることにしているわたし。
ほとほと、と。
遠慮がちにドアを叩いたのは、息子だった。
母を譲り渡した息子。
息子の行為を、追認した父親。
共有する罪は、いま妙なる声となって、廊下に洩れてくる。

母さんをモノにされちゃうのって。男として、恥ずかしいことなのかな。
フッと呟く横顔に、青年らしい翳がよぎった。
愉しいかね?それとも・・・悔しい?
ちょっぴり悔しいけど。でも、面白い。
じゃ、それがすべてだよ。
たくまずに洩れる、ゆるぎのない声色に。
父子ながら、はっとして。
息子は少年らしい、恥ずかしそうな笑みに戻ってゆく。
ちょっと・・・覗いてくるね。心配だから。
そういいながら。
父さんも、来ないの?
悪戯な笑みに、わたしも腰を浮かせていた。

お話占い。(笑)

2006年12月13日(Wed) 07:50:57

少年の日、影のように寄り添ってくれた優しいお姉さんへの思慕、
・・・みたいなお話を描くときは。
なにかに浸りたいとき。

見てきたような具体性と、手の込んだストーリーのあるお話を描くときは。
かなり意欲があって、頭の回転がきいているとき。

ただ妖しく濃艶なものを描くときは。
かな~り、・・・なとき。^^

そして。
妻を寝取らせて愉悦を覚えるご主人のことを描いているときは。
どうしようもなく、疲労やストレスをかんじているとき。

なんだか、そんな気がします。

千鳥格子のスカート

2006年12月13日(Wed) 07:44:29

あなた・・・行ってまいりますね。
書斎の入口に佇んだ妻は、
いつもよりちょっと濃いめの化粧をして。
千鳥格子のジャケットに、スカート。
きちんとタイを結んだ、純白のブラウス。
脚には地味な、肌色のストッキング。
見覚えのある、よそ行きの服。
つましい暮らしに慣れた堅実な主婦の、せいいっぱいのおめかしだった。

行く先は・・・聞くまでもない。
あの・・・血を差し上げにまいります。
ためらうように、そう言いかけて。口ごもる。
夫婦のあいだの、無言の了解。
わたしのうなじにも疼いている傷痕を。
いつか、妻も共にするようになっていた。
あぁ。行ってきなさい。
つとめて穏やかに、答えると。
とりつくろった無表情に、淡い含羞をよぎらせてゆく。
言葉は、みじかいほうがいい。
送り出した玄関先。
かかとの低い黒のパンプスに、肌色のストッキングに包まれたつま先が吸い込まれる。
千鳥格子のスカートが翳る、か細げな影法師。
ぶじに戻っておいで・・・
別れぎわ握りしめた手のぬくもりが、まだ残っていた。

ただいま。
妻の帰宅は、夜更け。
ほとほとと叩かれる書斎のドアを開くと。
そこには、別人になった妻がいた。
派手な紫の、サテンのスーツ。
脚には光沢をじわりと滲ませた、濃紺のストッキング。
目許には、ハッキリと刷かれたアイラインを滲ませて。
遅くなりました。
声色だけは、もとのままだった。
お洋服、汚れちゃったので・・・着替えてきました。
強い視線に耐えかねたように、ちょっぴり目をそむける妻。
  似合わない・・・でしょう?
気遣わしげな、上目遣い。
  染められて、帰ってきたのだね?
  いえ、そんな。
夫婦のあいだの、無言のやり取り。
腕に抱きすくめたか細い身体は、体温をすみずみまで奪われて。
凍えるように、縮こまっていた。

夕べ出かけるときは、質素なブラックフォーマル。
明け方戻ってきたときは、ショッキングピンクのスーツ。
妻が、塗り替えられてゆく。
そんな想いをよぎらせはじめたとき。
彼からの、誘いがあった。
先刻妻が、誘いだされたすぐあとのこと。

隣りから・・・見ているがよい。
なまめかしい黒髪を、つやつやと輝かせ、
抱きすくめられてゆくのは、千鳥格子のスーツ姿。
初めて送り出したときの、忘れられない衣裳。
あっ・・・うう・・・っ。
苦悶とも陶酔ともつかない、うめき声。
わたしより逞しい胸に、しっかりと抱かれながら、
うら若い血を、抜き取られてゆく妻。
わずかに窺える横顔は。
迷惑そうに、眉を翳らせながら。
感じてはならないはずの、甘い陶酔を秘めていた。
自らが血を吸い取られるよりも。
魂を抜かれる想いが、満ちてくる。

千鳥格子のスカートのすそを、ほんのちょっぴりつまみ上げて。
肌色のストッキングを滲ませた、ひざ上に。
しっとりとあてがわれてくる唇を。
妻はウキウキと、見つめつづけている。
ぴちっ。
べっとりと這わされた唇の下。
かすかな音をたててはじける、ナイロンの包装。
ぴちちっ。
いたぶりに耐えかねるように裂け目を広げてゆく礼装の変容を。
小首をかしげ、面白そうに見守ってゆく。
スキひとつない、いでたちに。
這い登ってゆく、かすかな裂け目。
千鳥格子のスカートの奥にまで、滲むように這い込んだとき。
妻は薄っすらと、弛んだ笑みを浮かべていた。
ストッキングを破る という行為には。
淑女を喪う。
そんな意味さえ、感じられる。
ブラウスのタイを、ほどかれて。
ぬるりと輝く肩先を、あらわにされて。
妻ははじめて、悩ましいため息を洩らす。
スリップの吊り紐を、断ち切られて。
幕を開いたポルノグラフィ。
ドアひとつ隔てた、向こう側とこちら側。
妻も夫も。すべてを・・・忘れ果ててゆく。

ふだんの服のほうが、焦がれるようだね。
明け方。夫婦連れ立っておいとまをすると。
彼は冷やかすように笑みながら、そう呟いた。
  地味な服装ですが。お好みに合いませんか?
  いや。かえってそのほうが・・・
欲情するのだよ・・・
あとはまなざしで、伝えてくる。

あの・・・出かけてまいりますね。
きょうも遠慮がちに、書斎の入口に佇む妻。
モスグリーンのスーツに、肌色のストッキング。
学校の面談に着てゆく、見覚えのあるよそ行きの服。
地味な気品に、うら若さを滲ませて。
いつもよりちょっと濃いめに刷いた口紅が、
花びらのようなあでやかさを漂わせている。
この唇を、吸わせるのか。
この素肌を、嬲らせるのか。
この衣裳もろとも、いたぶられながら。


あとがき
吸血されに出かける妻のいでたちは。
けばけばしい世慣れた衣裳よりも。
ふだん見慣れた清楚な服のほうが・・・むしょうにそそられるようです。

ストッキングの数

2006年12月12日(Tue) 08:09:56

時ならぬ着信音を鳴らすのは。
ヤツからのメール。
  奥さんのストッキングを、破りたい・・・
女殺しの吸血鬼。
ヤツが女房を狙っていることは、とうに察しをつけていた。

単身赴任先の家のなか。ひそかに響く着信音。
  あのひとに、ストッキング破かれちゃった(><)
あっけらかんとした、妻からのメール。
あ~あ。淡い失望と、ゾクゾクと昂ぶる甘い嫉妬。
  交際成立、おめでとう♪ ご近所の目には、気をつけてね
わたしも能天気に、返信をした。

週末・・・
  今週は、ストッキングを四本も頂戴したよ。^^
子供のように得意気な、ヤツからのメール。
週に四回、妻と逢った。
裏の意味は、そういうところ。
  綺麗に犯してやってね♪ 娘には気をつけて。
返信すると、すかさず着信音。
  ごめん。^^; お嬢さんのストッキングも、破っちゃった。
  処女をご馳走様。
あ、あ、ぁ・・・
口をあんぐりあけながら。
  責任、取ってね。お姑さんの面倒も、よろしく。^^
母娘ながら、食われちゃったのに。
どこまで人が良いのだろう。わたし。

友情

2006年12月12日(Tue) 07:58:20

女房の喪服姿を見たいって。
黒のストッキングの脚を眺めたいって。
眺めたうえで、ちょっぴり触って。悪戯したいって。
女房がその気になったら、も少し迫って。誘惑したいんだって。
たったひとつの歯止めは。
外で見ているボクが握っている。
窓ガラスをほとほとと叩いたら。
ヤツは女房から離れて。女房もいつものつつしみを取り戻す。
大人の童話を地で行くような約束を。
ついふらふらと、してしまった。
女房はウキウキと、喪服を着込んで。
派手な服より、エッチだね。なんて。
黒のストッキングに装った脚を。
見せびらかすように、くねらせて。
悪戯っぽく、見あげてくる。
あいつが悪戯をしかけてきたら。
ストッキングを破くくらいは大目に見てやれよ。
うふふふっ。
女房は意味深な含み笑いを浮かべて。
ボクのお尻をつねっていた。

済ました顔をして現れたヤツは。
いつもながらに、如才なく振る舞って。
ボクはひと口、お酒の入ったグラスを口にして。
外の風に当ってくると言って、女房とヤツを二人っきりにしてしまった。
木枯らしが頬に疼く庭先で、ボクは寒さを感じなくなった。
ガチガチにこわばった両手は、わなわな震えるひざ小僧を抑えたまま。
ガラス窓をほとほとと叩くことはなかった。

びりびりに破かれていく、女房の礼装。
そのなかに秘めた白い肌に、ヤツが眩しそうに圧倒されるのを。
なぜか誇らしく、くすぐったく、見守りつづけてしまっている。
ふつうの家の、ふつうの部屋。
きちんと片づいたリビングで。
めくるめく、ひと刻のロマンス。
酔い痴れるのはふたりだけ・・・ではなくて。ボクを含めた三人だった。

なに食わぬ顔をして。
ただいまという声が、かすかに震えたけれど。
ふたりとも、いや、三人とも、さりげなく受け流していて。
アラ、遅かったのね。
身づくろいをすませた妻の声色は、いつもと寸分のかわりもない。
目の当たりにしなかったら。
ただの妄想だったと、信じ込んでしまいそうだった。

こいつ、女もののストッキングが好きだったんだな。
たっぷり、おがませてあげたかい?
たま~にだったら、見られてもかまわないかい?
お土産は・・・きみの履いているストッキングがいいのかな。
うまいことをいいやがる。
ヤツはボクを横目でにらんで、
にらむようにして、ニマニマと笑っている。

また一足、頂戴しちゃった。
通りがかりに出くわしたヤツは。
ボクの鼻先に、黒い塊をぶら下げる。
女房の脚にまとわれていたもの。
女房の脚を、彩っていたもの。
女房の脚を、不埒な唇からさえぎっていたもの。
見せびらかされた戦利品に、ボクは間抜け面をつくって。
ふ~ん、だいぶハデに、悪戯したね。
涼しい顔で、やり過ごす。
なかなかだね。
ヤツもくすぐったそうに、笑み返す。
時々奥さんのストッキング、盗みに入るね。
あぁ、そうだね。
きれいに、盗んでやってね。・・・ストッキングの中身ごと。♪

どこまでなら、ガマンできるかな?^^;

2006年12月12日(Tue) 07:45:14

エッ?うちの女房を、誘惑したい、って?
困るなぁ・・・それは。
お前がいつも相手しているふしだらなマダムたちと違うんだから。
あいつ、ボクしか知らない体なんだから。
えっ?そんなこと言われると、もっとそそられるって?
困る。困るよ。
まるで、誘いかけてるみたいじゃないか、って?
誘ったりなんか、するもんか。
誰がすき好んで自分の女房を、ほかの男に抱かせたりなんかするものかって。
そういう亭主もさいきん多い?
夢でもみているんじゃないのか?
どうせ金とか、交換条件とか、そういうからみなんだろ?
へえー・・・
じぶんの奥さんだけ無償で提供して。
一方的に、犯されて。
そいつが快楽、なんだって?
ま。ボクには縁がないよ。縁が・・・

話だけ?まぁ、聞くぶんには、かまわないよ。
その調子で、ずっと言いつづけてくれって?
「かまわないよ」って。
ダメ、ダメ。
お前あいてじゃ、なに約束させられるか、わからないからね。
ふーん。喪服。ねぇ。わからないわけじゃないけど。
お前、コスプレの趣味あったっけ?
うちの女房の喪服なんか、ごくふつうのやつだったと思うけど。
まちがっても、フリフリでも、スケスケでも、ないからな。
えっ?ストッキングがスケスケなら嬉しいって?
ひとの女房つかまえて、よく言うよ。
きれいはきれい、だよね・・・
清楚で上品なきれいさ、だろう?
ま、お前の目から見ると、どんなふうに映るか分からないけれど。
こんなふうに映るんだって、教えてくれるって?
遠慮したいなぁ(笑)

ソファに腰かけるだけで、いいんだって?
なんか、裏がありそうだな。
写真でも、撮るのかい?
だめ、だめ。女房は撮影禁止です。
じかに見るだけなら・・・
そうだね。こんど法事があるから、そのついでに家に招ぶくらいなら、
かまわないよ。
二人っきりにしろ、って?
ほら、ほら。あぶないあぶない。
誘惑するつもりなんだろ?
え?ボクもいてもかまわないって?
なにか、たくらんでいるな?
お酒?うーん。弱いからね。
ボクを酔いつぶしておいて、女房に迫るつもりだな?
ふーん。飲むのはたったひと口か。
飲むふりでも、いいって?
それくらいなら、かまわないけど。
酔ったふりをして座をはずせ?
困ったやつだ。
二人っきりにするのは、願いさげだね。
お前みたいな吸血鬼と女房を二人っきりにするなんて。
女房の血を吸わせるわけには、いかないぜ?
ドア越しか庭先から見ていろ、だって?
庭は今の季節・・・すこし寒そうだね。

えっ?女房の脚を撫でるって?触らせろって?
だめーっ。(><)
お前にそんなことさせたら、どうなるかわからない!
奥さんを信じていないのかって?
そんなことはないけど。
お前どこ行っても。酔っ払うと誰彼かまわず、触るだろう?評判悪いぞ。
えっ、悪いのは亭主族の評判で。
触られた本人から苦情はないって?
そんなものかな。
酔ったふりして・・・触る相手を考えているな?
じゃ、いいか?ちょっとだけだぞ?女房が嫌だといったら、すぐ手を引くんだぞ。
それだったら、少し触るくらいは目をつぶってやる。
特別、だからな。

キス?ストッキングのうえから?
う、うーん。(絶句)
まだそんな約束をした覚えはないぞ。
だからこうして、頼んでいるって?
肌に直接、よりはガマンできるはずだって?
ワン・クッションあるだろ、って?
うぅん・・・
でもなんか。刺激、強すぎないか・・・?
ストッキングのうえから・・・って。やらしいぞ。
そもそも、女房がうんと言うわけ、ないだろう?
うんと言ったら・・・しょうがない。
ストッキングの上から、ってことは。
服のうえから、ってことだよな。
あいつがいいなら、かまわないよ。(ひそかに舌打ち)

女房が、黒のストッキング履いた脚を、差し出して。
お前のべろに舐められて。
それをボクは外から見ている・・・っていうの?
う・・・う・・・ううぅ・・・
(なんか刺激的な眺め・・・)
ちょっと待ってくれ、理性が崩れそうだ。
それこそお前の、思うつぼなんだろう?
ストッキングを破く?
そんなことで、興奮するのか?
信じられないな。
あぁ、べつに弁償だなんて。かまわないよ。
女房がいいと言うのなら・・・
でも代わりを買ってやると、喜ぶだろうな。
迷惑料にそれくらい、安いものだろう?
でもボクが・・・女房がお前にストッキング破かれるところをじっと見ているわけ?
それってかなり、拷問だよな。
出かけてしまっても、かまわないって?
そんな卑怯なまねは、できないよ。
血に飢えた吸血鬼の前に、女房ひとり置き去りにするなんて。
奥さんが恥ずかしがる、って?
嫌がったらやめる約束だろう?
少し、少しなら・・・めをつぶっても。
かまわないよ。
女房がべそをかないくらいなら。ね。
その代わり、あいつを泣かしたら許さないぞ。
笑わせるって?喜ばせるって?
どんなふうに?
知りたければ一部始終を見学してったら?だって?
出かけたふりをして、なに食わぬ顔して帰ってくればいいんだって?
そんなの、ずるいな。
いちばんずるいのは、お前。
ひとの女房、モノにしようとして。
面子・・・かまわないよ。そんなもの。
ボクがガラス窓を叩かなかったら。
賭けに勝った、と思うことだね。
そのときは・・・女房のこと押し倒しても。
かまわないよ。

どこまでなら、ガマンできる?^^

2006年12月12日(Tue) 07:15:15

なにも抱かせろ、とまでは言わないよ。
奥さんの脚を見せてくれれば、それで満足するから。
オレがストッキングフェチなの、きみもよく知っているだろう?
そうだね。
法事の帰りとかがいいかな。
きみの奥さんのことだから。
ストッキングも履き替えてくれそうだね。
なにしろきれい好きで、ゆき届いたひとだからね。
肌がじんわり、透けるだろう?
黒だとそれが、妖しいほど、なまめかしくって。
あの眺めが、いいんだよ。
さすがにきみにも、わかるだろう?
何もしないよ。何も。
ただ、喪服姿で。
ソファに腰かけて。脚組んで。
眺めていれば、気が済むんだから。
それくらいなら奥さんだって・・・きみやオレのことを咎めたりはしないだろう?
いちど、冗談ごかしに誘ってみてくれよ。
  黒のストッキングを履いたお前を見たいんだってさ。あいつ、変わってるよな。
って。

部屋にはオレと、奥さんだけ。
きみは、外から見ているんだ。
廊下がいいかな?
いっそ、庭先っていうのも・・・面白そうだね。
すこしくらいなら・・・触っても、いいだろう?
もちろん、奥さんの許可を得られれば、っていうことで。
その気になってくれるのなら。
ちょっぴり、悪戯しても構わないかい?
えっ?どんな・・・?って?
軽く触れたり、するりと撫でたり。
よければちょっとだけ、キスしてみてもいいかな?
いや、もちろん・・・ストッキングのうえから、だよ。
じかに肌に触れるわけじゃないし、
ちょっぴり唾液がついたって、洗っちまえば、すむことだろう?
それくらいだったら・・・ガマンできるかな?
なにも、犯してモノにしちゃうわけじゃないんだから。

えっ?
ふたりだけにするのは嫌だって?
だってキミ。キミがいながら、奥さんの脚を悪戯するのかい?
目のまえでされちゃったら、それこそ恥だろ?
お酒飲んで、酔っ払ってみる?
きみも奥さんも、そんなに強いほうじゃなかったよね?
なーに。本当に酔っ払う必要なんてないさ。
そういうやり方は、まじめなきみらしくないだろうしね。
ブランデーのグラスにひと口、口をつけて。
酔ったふりをするんだ。
どうしてもガマンできなかったら、
ちょっと水飲んでくるから、って。
ひとりで席をはずせばいい。
奥さんがわたしも・・・って言ったりしたら。
とめてくれるよね?
君は彼のお相手に、ここに残っていなさい、って。

庭先だと、ご近所の目が気になるかな?
あのあじさいの陰にでも隠れていれば、外からはわからないよ。
ガラス窓の向こうから。
自分の奥さんがほかの男のまえ、
黒ストッキングの脚をさらして、べろで舐められる。
どうだい?ちょっとドキドキしてきただろ?
いちどでいいから。させてくれないか?
奥さんが嫌がったら、すぐにやめるから。
きみのほうから、じゃまをしなかったら。
ちょっぴり誘惑してみるね。
見ごたえ、あると思うよ。
誘惑される妻。って。
どんなふうに、誘惑を受け流すのか。
どこまでは、許しちゃうのか。
しまいにボクの声や、ストッキングごしにぬめる舌に狂わされて。
たぶん、肌を見せてくれると思うよ。
すこしくらいのオーバーランなら、
きみもガマン、できるだろう?
だって、ストッキングが破けても、肌は露出するんだから。
あぁ。想像しちゃった。
きみの奥さんの、ストッキング破くとこ。
破らせてよ。ね?ね?いちどだけでいいから。
犯すわけじゃない。一足いいとこ数千円のストッキング一足、破くだけだから。
もちろん、新しいのを買って弁償するよ。
きみの奥さんさえ、よかったら。

落ち着いたひとだからな。
ボクがうっかり粗相して、ストッキング破っても。
困った方ね・・・
たしなめるように、呟いて。
ちょっと恥ずかしそうに、伝線の入った脚を見るんだろうな。
それからあとは。きみがどこまでガマンできるかだね。
ものにははずみ、ということがあるだろう?
ブラウスのボタンをふたつみっつ、はずすくらいなら。
はだけた襟首にほんのすこし、手を差し込むくらいなら。
ちょっぴりまさぐるくらいは。役得だよね?
ちょっぴり、オーバーランだったら、遠慮なく言ってくれる?
え?ガマンできない?
どうしても、ガマンできなかったら。
合図にほとほとと、ガラス窓を叩くんだよ。
そうしたら、奥さんから離れてあげる。
約束するよ。
けれどもきみの手は、まるで硬直したみたいに握りしめられて。
膝の上から離れないと思うけどね。
この予想・・・どこまで当るかな?
もしも奥さんが感じちゃったら・・・どうする?
柔肌をもんでいるうちに。
肌の奥に秘めた血が沸きたつのが、わかるときがあるんだぜ?
正直だからな。女の身体って。
30分だけ、見て見ないふりをしてくれないか?
そのまま散歩に出かけてもかまわないし。
亭主としてのきみの面子は、尊重するから。
きみが戻ってきたら。
アラ、遅かったのね。
奥さんはそ知らぬ顔で、迎えるだろう。
そのときは、髪の毛ひとすじ、乱れていないはずだ。
淫靡に乱れた喪服・・・いやいや・・・は。
すっかりもとどおり清楚に落ち着いていて。
ストッキングも、ひきつれひとつない清楚なかんじにもどっている。
だってそれまでのやつは。オレがびりびり破っちゃうからね。
破っちゃったやつは、オレにくれるよね?
うちに帰って、眺めて愉しむから。
帰り際にひと言、奥さんにそう、囁いてあげる。
きっと小娘みたいに、恥ずかしがるだろうね。

媒介(なかだち)

2006年12月12日(Tue) 06:47:28

部屋のなかの女たちは、ひどく落ち着かないらしい。
申し合わせたように装った、ブラックフォーマルのかもし出す、
シックな風情とは不似合いに。
脚を組んだり。立て膝したり。無意味にちょっと、くねらせたり。
濃さ薄さとりどりに足許を彩っている、黒のストッキング。
なまめかしい薄手のナイロンが、絶え間ない脚のうごきにあわせて、かすかな伸縮をつづけていた。
年恰好も、身体つきもさまざまな、三人の女たち。
いずれも良家の人妻らしい素朴な気品をたたえていて、
髪にはそろって、銀の飾りを挿していた。

廊下に佇む、三つの影。
いずれも表情を消して、無言のまま控えている。
ひとりひとりの目は、吸い寄せられるように。
それぞれひとりの女だけを、目線で追っていた。

あっ、来た・・・
いちばん若い女が、不用意に洩らした声に。
三人の女は、不覚にもいっそう動揺を深めた。
いちばん年嵩の太り肉の女が、あとのふたりを制して立ちあがり、
  ようこそ、いらっしゃいました。
ゆったりと、頭を垂れる。
濃さ薄さ、とりどりな墨色の脚に。
来訪者たちの目線が吸い寄せられる。
自分たちの脚にじわりとからまるのしつような目線に、
女たちはいちように、脚をすくめていた。

年嵩の女が、真珠のネックレスをはずしてテーブルに置いた。
あとのふたりの女も。
さぐるような目で互いを窺って。
あきらめたように、首の後ろに手をやって。
最初の女にならった。
年嵩の女と、そのすぐ隣に腰かけていた三十半ばの女が、結婚指輪を左手の薬指から引き抜いた。
若い女だけが、唇を噛んで。
このままでいい・・・というように、目をそらす。
初々しいのね・・・といわんばかりに。
人妻は肩先に流した黒髪を背中の向こうへと追いやって、
初めてうなじを、あらわにする。
三十半ばの肌は、脂ののった艶を秘めていた。
それが、合図だった。
客人たちは、思い思いに。
女たちの足許にかがみ込んで。
黒のストッキングのふくらはぎに、思い思いに唇を吸いつけてゆく。

きゃっ。
いちばん若い人妻が、思わず声を洩らすと。
室外に控えた影たちは、いちようにざわ、と気配をあらわにした。
努めて秘めていた存在が、かろうじてあらわになるほどの、かすかな息遣い。
一瞬洩れた吐息は、濃厚な熱を漂わせた。

ぴちゃ、ぴちゃ・・・ くちゃ、くちゃ・・・
透明な気品をたたえた薄墨色のストッキングは、
唇の、舌のいたぶりに耐えかねて、ふしだらにねじれ、歪みを深めてゆく。
女たちはつとめて無表情をつくろって。
その実引き結んだ唇のなか、きりりと奥歯を噛み締めている。

あら。
さいしょに声を出したのが、三十半ばの女。
度胸が据わっているのか、意図して放った声だった。
目線を落とした膝の下。
ストッキングの表面にひとすじ、鮮やかな裂け目が縦に走っている。
もぅ・・・
表向き、口を尖らせながらも。
女はなおも、見せびらかすようにして脚をさらして。
ふしだらないたぶりに惜しげもなく、わが身をさらしてゆく。

えっ?
羞ずかしそうに口に手を当てたのは、若妻。
ゆさっと揺らした黒髪に惹かれたように。
背後から影がもうひとつ、忍び寄る。
きゃっ。
いきなり肩をつかまれて。
うなじにぬめりつけられた唇に、くすぐったそうに脚をすくめた。

まぁ、まぁ。
あきれたように二人を顧みる、年嵩の女。
背後から襟首に差し入れられた手に、豊かな乳房をまさぐられているのが。
シンプルなワンピースの波立ちでそれとわかる。
このひとの穿いているストッキングが、いちばん薄くてなまめかしい。
見た目よりも丈夫に編まれているのか、
ぬめりつけられる舌に、いまだしなやかなシルエットを保っている。
けれども足許を彩る淫靡な輝きに魅せられた唇が、
薄っすらと染める皮膜に裂け目を走らせてしまうのは、もう時間の問題。

ゥ・・・
外の影が、にわかに動揺を深めた。
傍観を強いられている光景はそれほどに、刺激的だった。
誰だって、そうだろう。
凌辱を受けているのは、それぞれの妻たちだった。
じぶんの女房が、なまめかしく装った黒の靴下ごしにべろを這わされたりしたら。
誰だって、冷静ではいられない。

じょじょに姿勢を崩してゆく、女たち。
じゅうたんの上に膝をつくまえに。
皆いちように、部屋の外をちらりと見る。
はだけたブラウス。
くしゃくしゃにたくし上げられてゆく、ワンピース。
剥ぎ堕とされて、ふしだらにずり落ちるパンティストッキング。
はぁ・・・はぁ・・・
平静を保っていた息遣いも、いまは熱っぽく乱れ、
礼譲をたたえた衣裳から、むき出しの肢体があられもなく、さらけ出されれてゆく。

ぁ。ぁ。ぁ。
部屋の外の影たちは。
にわかに支えを失ったように、あからさまに非難の声を洩らす。
誰に向けられた非難なのか?
不埒な振る舞いを受け容れて、淫らな吐息を洩らしはじめた妻たちに?
夫の前と知りながら、恥知らずないたぶりを加えつづけている客人たちに?
それとも、それをただの男として愉しんでしまっている、自分たちに?
がらり。
誰かが引き戸を、開け放った。
じゅうたんに伸べられた女たちの身体。
そのうえからおおいかぶさって、なおも誘惑を込めてゆく客人たち。
部屋の外の影たちは、部屋のなかになだれ込むと。
客人たちと影をひとつにして。
思い思い、女たちにのしかかってゆく。
乱倫。
互いに互いの相手をかえて。
己の妻以外の女をも、妻にしてゆく。
己の妻がほかの男を夫としている傍らで・・・


あとがき
またまた、長くなっちゃいました。(^^ゞ
長くなると・・・まとまりがなくなりますね。わたしの場合。
いちばん若い女が結婚指輪をはずさなかったのは。
結婚間もない夫を忘れまいとしたためでしょうか?
それとも、あえて人妻でありながら、ほかの男を受け容れる。
彼女なりの心意気だったのでしょうか・・・

タイトルの意味は、結果として客人たちの役割が乱交の媒介だった、という意味なのですが。
ちょっとわかりにくかったですね。

個室病棟の夜景

2006年12月12日(Tue) 05:58:21

夜景・1

真っ暗な病室。
ベッドの隅に、腰かけて。
サンダルを、脱ぎ捨てて。
白のストッキングを、片方脱いで。
するりと忍び込む、掛け布団のなか。
寝相、わるいのね・・・
はだけた寝巻きのすき間から。
ほっそりとした指を股間にさ迷わせたら。
そこだけ剛くそそりたつものの存在に。
思わずびくっ、と。
手を引っ込める。
こんどは彼が、手を引く番。
ぐいっと引き寄せられるまま。
患者さんのうえに、またがってゆく。

互いに、無言。
引き合い招き合う、ふたつの身体。
導きいれられた熱い芯は、
ぐずぐずに爛れた秘部を、いともあっさりと貫いていた。
侵入するもの。受け容れるもの。
互いにせめぎ合い、すりつけ合って。
まるで、発熱したようなほてりのなか、密着を重ねてゆく。
あぁ・・・
ドアの向こう側にかろうじて届くほどの、声。
ぎし、ぎし、ぎし、ぎし・・・
ベッドの、きしみ。
窓辺を照らすのは・・・凍りつくように冷たい、満月の輝き。


夜景・2

ばたん。
病室から出てくると。
かおりは後ろ手で、ドアノブを締めた。
ナースキャップをはずした黒髪がほんのすこし、乱れている。
闇のなかでは、身づくろいもままならなかったらしい。
ぎりぎりまで、しつように求められた痕跡が。
白衣や足許、胸周りと。
そこかしこに、残っている。
突き上げる嫉妬をかろうじて胸に秘めて。
治療は済んだかね?
むしろ冷ややかな声で、患者の容態を訊ねる。
治りは順調のようですよ。
さすがにしばらくは、声を呑んでいたけれど。
いざ口を開くと・・・
夜勤の看護婦の、どこまでも落ち着き払った口調がそこにあった。
おみごと。
と、いってやりたくなる。
けれども個室病棟の廊下という空間では。
たんなる医師と看護婦の関係。
夫婦としての感情は・・・このさい頭のなかから追いやるしかない。
妻の、いや須々木看護婦の足許に目をやると。
純白のストッキングに、薄っすらとした裂け目。
かすかに滲ませた光沢が、そこだけ断ち切られてしまっている。
破けてるぜ。
思わずそう、囁くと。
妻ははじめて動揺をあらわにして脚をすくめて、
はだけかかった胸を掻き合わせていた。


夜景 3

静まりかえった、ナースステーション。
午前三時という刻限を考えれば、とうぜんのことなのだが。
開放されたカウンター越しにのぞくのは。
うつ伏せに横たえられた、白ストッキングの脚。
それもひとりのものではなく。
あちらに1人。
こちら側の隅に、ふたり。
横たわる白衣のうえには。
黒い影たちが、重たくのしかかっている。
それが人外の、異形のものであることは。
白衣に撥ねたバラ色のしずくと、
肌に押し当てられた唇から洩れる、異様な音とが証明していた。
深夜。
当直の看護婦たちは順ぐりに。
わが身をさらした献血に応じている。
はしたないほどあからさまな吸血の音に、迷惑そうに眉をひそめながら。
口許に浮いたかすかな弛みは、女たちが決して不快ではないことをみせている。


夜景・4

傍らの須々木看護婦は。
サポートに入ります。
事務的にわたしに告げると。
ナースキャップをかぶり直して、つかつかとナースステーションに足を踏み入れる。
ものの数歩も進まないうちに。
あ・・・
なにかに妨げられて、立ち止まる。
横たわった同僚の身体なのか?
いや。
どうやらそいつは不埒にも、白のストッキングのふくらはぎを吸っているらしい。
きゅううっ。
人をこばかにしたような、吸いつく音が。
カウンター越し、見えない処から洩れてくる。
あ・・・あ・・・あ・・・
須々木看護婦は、目を薄っすらとさ迷わせて。
くたり、と。その場に倒れ臥した。
影たちがいくつも、新たな獲物めがけて這い寄ってゆく。

個人病院のこと。
どの看護婦も、顔見知りだ。
隅っこに追い詰められて、壁にもたれながらうなじを吸われているのは。
同僚の医師と婚約した笹原看護婦。
デスクの下に突っ伏しているのは、ミス○○医院とうたわれた美藤看護婦。
カッコウのよいふくらはぎを、白のストッキングもろとも嬲られて。
ぬるぬるとしたよだれを、そこかしこに光らせている。
いちばん向こうで仰向けになって、白衣のすそをたくし上げられてしまっているのは、籠沼婦長。
片方だけ脚を包んでいるストッキングが、ひざのあたりまでずり落ちている。
先刻の闇のなか。
妻が演じた密かなポーズが、髣髴としてきて。
くらくらとしてきて、いまいちど、須々木看護婦のほうを振り返ると・・・
婦長の夫でもある院長が、おだやかに言っていた。
  夜のお客さんのまえに出るときは、ストッキングが破けていないか点検するのが賢明だね。
  いたずらに相手を刺激すると、きみ。過激な結論を生むことになるよ。
はす向かいには、こうこうと灯りのともる院長室。
わたしは足音を忍ばせて。
妻だけがよく見える、廊下のベンチに移動する。

濡らされて 酔わされて

2006年12月11日(Mon) 08:09:04

はぁ、はぁ・・・
ひぃ、ひぃ・・・
せめぐ喘ぎにすべてを洩らして。
めくりあげられた黄色のフレアスカートの奥。
すべてをそそぎ込まれてゆく。
あのひとは、妻のうえ。
蒼白い眼を、輝かせて。
すべてのてらいを、かなぐり捨てて。
切なげに、しんけんに。
妻への愛を全身で、あらわにしている。

太ももの辺りで破かれた、肌色のストッキング。
ディナーをいただいたときには、礼譲と淑徳を湛えていた薄衣は、
いまはふしだらにずるずると剥ぎ堕とされて。
ひざ下まで、はしたない裂け目をあらわにしている。
激しく腰が絡み合うにつれ、くしゃくしゃになってずり落ちてゆく。
衣裳とともに引き裂かれた、礼節と常軌と。
その瞬間、妻は淑女であることを忘れていた。

片方だけ脱げた白いハイヒール。
ストッキングのなか、真っ赤なマニキュアをしたつま先が。
痛いほどに、反っている。
衣裳のはだけた肢体には、すみずみにまでバラ色の血が行き渡り、
豊かに潤う筋肉の隅々にまで、若々しく雄々しい躍動を伝えてゆく。
支配を悦ぶ被虐の血が、みずみずしい輝きを秘めている。

あぁ。
濡らされてゆく、妻。
狂わされてゆく、わたし。
酔わされてゆく、わたしたち。
娘ほどの年恰好の、○○家の令夫人を。
あたかも娼婦のように。
我がもの顔にあしらってゆく、あのひとは。
その刻だけは、獣のように荒れ狂って。
気品と貞節と淑徳を、くまなく辱め抜いてしまう。
狂気と熱情が支配する、わが家の客間。
理性もプライドも、いまは心地よい痺れに支配され、
被虐と服従の悦びが、マゾヒスティックに全身を染める。
劣情に酔わされてゆく、至福の刻。
むせ返るほどの、躍動のなか。
生きている。
ただそれだけを、感じ続ける。


あとがき
妻の凌辱を目の当たりにする。
それも、上品な衣裳を身に着けたまま。
このうえなく恥ずかしいはずの行為すら愉悦に包んでしまう、あのひとの魔法。

呼び合う衣裳

2006年12月11日(Mon) 07:51:48

ガウンの下に身に着けたのは、妻の衣裳一式。
すこしサイズの小さなぶん、よけいに刺激的な束縛が。
わが身のすみずみに、しみ込んでいた。
  きみといっしょにいられない夜。
  せめてきみの身近なものを身につけていたい。
あのひとと腕を組んで寝室に向かう妻。
つい、口を突いていた、子供のようなおねだり。
頑是無い子供をあやすように、苦笑を含んだ妻は。
そうねぇ。あなたにはどれが、似あうかしら?
悪戯心ありありに、選んでくれたのは。
お嬢様タイプの、スーツひと揃い。
黒と白のモノトーンの衣裳は、妻のまえまえからのお気に入り。
清楚な淑徳を漂わせたその服は、
いまはあのひとに誘惑されるとき、妻が好んで着るようになっている。

濡らしたね。
気がつくと、夜明け。
上から覗き込んできた、あのひとは。
潤いを帯びた処から、さりげなく目線をはずしていた。
スカートをはずした腰周り。
ぴっちりと脚を包む、黒のストッキング。
しわをつけることをきらってスカートをはずしていたわたしに。
王子さまスタイルだね。
彼の巧みな冷やかしは、誰も傷つけることなく笑いを誘う。
つぎに現れたあのひとは、手にした淹れたてのコーヒーを
独り寝をいたわるように、傍らのテーブルに置いてくれた。

見あげると。
向かいのソファの背中にもたれている、妻のスカート。
うん?
じいっと固定したわたしの目線に誘われて、あのひとも振り返っている。
ふたりの目線の彼方には、リビングの背もたれに漂う、一対のストッキング。
情事のあと。妻の脚から引き抜かれたもの。
透きとおるナイロン製の薄衣は、
なにかを誘うように、音もないそよぎに揺れている。
さやさや。そよそよ。
かすかな風に、漂いながら。
妻の衣裳は、呼び合うように向かい合っている。
妻の清楚と貞淑を誇るはずの、淑やかな色合いは。
かえって不埒な欲情をそそらせて。
熱い熱情を衣裳の奥深く誘い込んでいた。
情事のあと。
呼び合うように向かい合う、妻のスカートとストッキング。
そして、あのひととわたし。


あとがき
脱ぎ捨てられた衣裳は。
それ自体情事の痕跡に濡らされていなくても。
不思議にすべてを思い起こさせてくれるものです。

賢いひと

2006年12月11日(Mon) 07:28:37

―――賢いひとだな。きみの奥さんは。
あのひとは日ごろから、そんなふうに妻のことをほめていた。
頭の悪い女、思慮のない女を嫌っていたあのひとにとって、最上の賛辞のはずだった。
そして、それ以上に・・・
裏には深い意味が、こめられている。
キミノ奥サンヲ抱キタイ。
と。
セックスには、ふた通りあるのだよ。
あのひとはつねづね、口にしている。
女をおとしめるセックスと。女を讃えるセックスと。
美しく思慮深く貞淑な人妻を愛でながら。
彼女を娶り愛しつづけている彼女の夫にも、等分の賞賛をそそぐ彼。
どちらのセックスを重んじているかは、訊くまでもない。

単身赴任が決まったとき。
妻と、あのひとを食事に誘った。
子供のことや、家のこと。
わたしが遠く離れていることで困ったら。
誰よりも彼を頼るように。
夫どうぜんに、頼りなさい。
想いのすべてを目線にこめたとき。
きっと妻は、すべてを察したはず。
それ以上わたしに恥をかかせることは本意でなかったらしく。
  アラ、イイノ?ソンナコトマデ仰ッテ。浮気シチャウカラ。
心のたけは、軽妙な笑いにまぎれさせてしまっている。
  相談ってことは、誘惑もアリかい?
ヌケヌケと、あけすけに。
あのひともまた、たくまぬスケベ心を覗かせる。
もうっ。
妻は傍らから、あのひとの背中をばしっ!と叩いていた。
打ち解けたしぐさに・・・妻がわたしひとりの妻ではなくなる日が近いことを確信する。
それ以上なにごとも起こらなかったあの夜に。
わたしは夫としての主権をあのひとに譲り渡していた。

夜明けの自宅。
愉しかったよ。
わざわざ招いた客人は。
ソファでまんじりともしていない私に声をかけてきた。
だいぶ、濡らしたね。
ガウンの下は、妻の衣裳をひと揃い。
スカートをはずした腰周りから、あのひとはさりげなく目線をはずす。
まとわりつくようにしなやかに密着するパンティストッキングの心地よさが。
またしてもあらぬ衝動を招んでしまったらしい。
恥ずかしいね・・・
いや、そんなことはない。
あのひとは、しっかりとした声色でわたしの羞恥を包んでしまうと。
賢いひとだね。きみの奥さんは。
いつものように、妻を讃えることも忘れない。
オ前ノ女房、イイ女ダッタゼ。
そうした野卑は、みじんも感じられなかった。
奥さんも、きみも。夫婦ながら、賢いね。
だからこそ、こういうことも成り立つんだよ。誰も傷つくことなしにね。
クレバーなほほ笑みは、誰も傷つけることなく。
あのひとに、満ち足りた夜を与えつづける。

血に恋する男

2006年12月11日(Mon) 07:03:49

娘が、そこそこの年頃になったとき。
あのひとは、てらいもなく口にするようになった。
「お嬢さんを、姦りたい」と。
中学にあがったら。ね・・・
傍らで、苦笑する妻。
苦笑は・・・良いとして。
  中学にあがったら。
姦らせてしまう、というのだろうか?

もう、何年になるだろう。
あのひとが妻のことを抱くようになって。
信じがたいことかも知れないが。
かつては、母とも交渉のあった男。
  冥利に尽きる・・・って。ああしたときにいうのですよ。
  女と生まれて、あのひとと恋しあって。
今夜も伺わせているんだよ、と、軽い愚痴をまじえたとき。
そんなふうに、さりげなく呟いていた。
背筋をしゃんと伸ばして、それは誇らしげに。
  血が恋しいのよ。あのひと。
  だから、恋をしたくなると・・・血縁をたどっていくの。
ことの本質を、ずばりと見抜くようなことをいいながら。
老いを滲ませながらも、いまだ端正な艶を失わない横顔に。
少女のような含羞をよぎらせていた。

義母―妻の実母―のことを彼が慕ったときも。
  こんど、紹介してあげようか?
妻はさらりと、そういった。
からかうように。受け流すように。
けれど、その年の夏には、両親を家に招び、
義父をどうやってその気にさせたものか。
ふた晩めのこと。
和服の似合う奥ゆかしげな痩身は、あのひとの腕のなか、
少女のようにはしゃぎながら、帯を解かれていった。
わたしと妻と、義父と。3人で酔いを重ねた隣室で。
義父はたいそう上機嫌で、ちょっと自慢げに。
  あの齢で誘惑されるなんて、母さんも捨てたものじゃないねぇ。
母に愛人を譲った娘にも。
妻を愛人に譲った私にも。
賞賛のまなざしを等分に注いできた。
時おりようすが気になるらしく、
トイレに立つと称して足しげく隣室を窺うのを。
妻とふたり、目配せ交わしあいながら。
含羞を含んだ軽い含み笑いに、すべてを押し隠したものだった。

高校生になった息子は、彼に懐いていて、
山に遊びにいったり、宿題を教えてもらったり、身だしなみまで、仕込まれている。
そのせいか、周囲に仲間の誰よりも、涼やかな青年に育っていた。
親の僻目ではない証拠に、周囲の誰よりも素敵な彼女に恵まれている。
ある晩、ちょっと深刻そうにほほ笑みながら。
  彼女のこと、小父さんに引き合わせたいんだけど・・・
  ほんとは、アブナイ人なんだよね?
  母さんとも、デキていたんだって?
囁くように、話しかけてきた。
どこまで、シンコクなんだろう?
口許に漂う含羞は・・・いつかどこかで目にしたもの。
父さんは、誇りに思っているよ。
母さんのことも。
母さんをあのひとに恋されたことも。
思いのままに、囁きかえしたら。
会心の笑みが、かえってきた。
処女のうちが、いいよね?
むしろ悪戯っぽく問い返してくる顔つきに、まだ少年の幼さが漂っている。

夫となっても。父となっても。
きっと誰もが、いつまでも少年だったのだろう。
少年のような悪戯心を抱きつづけて。
彼の悪戯心に、しっくりと共鳴して。
自分の妻を、娘を、嫁を誘惑されるのを。
苦笑いしながら、愉しみつづけている。

好きな人バトン

2006年12月11日(Mon) 01:09:16

これは夜の盟友・HAIREI様んとこから、勝手に拾ってきましたw
チャット形式になっていて、なかなか面白い。
HAIREIさんも巧~く、合わせているので。見ごたえアリ、ですぞ。^^
くわしくはこちらを。
http://haizm.blog.shinobi.jp/Entry/576/

せっかくココでやるんで、寝取られ亭主のふりしてやってみようかw

1.好きな人いる?
エエ、妻が1人。

2.へえ どんなひと?
いい女ですよ。^^

3.ふーん
・・・って、内心興味ありありのご様子・・・ですな。

4.実はおいらもその人好きなんだ!
あぁ、やっぱり・・・

5.ライバルだね
共存関係・・・ですよ。^^ わたしは亭主。貴方は情夫♪

6.負けないよ!
では、仲良く争ってみますか?しょせんは裏と表の関係ですから。

7.おいらとあの子が付き合っても恨まないでよ?
喜んで♪
恨まない代わりに、覗き見させていただくね。

8.あひゃ
おや恥ずかしい?見られながら・・・っていうのも乙なものですぞ。^^

9.両想いになりたい?
できることなら、貴方とも。^^

10.ですよね
やっとわかっていただけたようですな。

11.めーるしてる?
彼とホテルに出かけると、よく来ますよ。

12.内容教えてよw
着替え持って迎えに来てくれる?ってね。^^;

13.え・・・
オトナのわきまえと、申し上げておきましょうか。

14.まあいいや
うふん。やけに気取っているのね。人の女房モノにしておいてっ。

15.どれくらい好き?
たとえていう言葉を知りません。

16.あの子との思い出教えて
処女喪失した晩のことかなぁ。(ただしボクとは違うお部屋で・・・^^;)

17.両想いになれたらどーする?
おやぁ。両想いなんですよ。私たち。
でも、まぜてあげてもいいですヨw

18.ちゅうしたい?
していますとも。

19.おいらとちゅうしない?
血を吸いたいのでしたら・・・やむを得ませんね。

20.やっぱやめよw
なぁんだ。

21.もうそろそろ質問終わりにしようか
ですね。私もそろそろ眠たい。

22.中途半端だね
ついでに妻の血を吸って行きますか?

23.他に何聞かれたい?
ご自分でお考え下さいなw

24.そだ!好きな子の名前教えといて
由貴子と申します。

25.おーねーがーいー
お耳がよくないようですね?^^

26.そっか
耳鼻科の番号、控えますか?

27.好きな子への想いをどうぞ
朝帰りのときは、こっそり戻ってくるのだよ♪(おい)

28.おおお
鼻血、垂れてますね。それ、妻から吸い取った分ですか?

29.君なら両想いになれるさ
両想いでも・・・貴方のつけ入る余地は作っておきますね♪

30.頑張ってね
貴方もね。裏側から・・・

31.影ながら応援してるよ
なるほど、影、とも申しますね。

32.おいらも頑張るね
ベッドのうえで?
今夜、夫婦の寝室あけておきましょうか?

33.あきらめるなんてことすんなよ?
そうですとも。
間違ってもそんなことしたら・・・貴方も張り合いが失せるでしょうから。

34.強気だ
貴方と同じくらいに・・・ね

35.よし
どうするの?裏の塀をよじ登る?

36.そろそろ終わりにしようかw
なぁんだ。きみも疲れていたのかw

37.またね
またおいで

38.幸せにな
貴方もね

39.うえい
ふぇい

40.次に回す人
ご自分でお探しを。
おなじような人がいたら、教えてね。^^


・・・期待したほど面白くなかったですね。我ながら。^^;
長々と、失礼しました。

人物バトン

2006年12月11日(Mon) 00:42:56

真夜中の盟友・HAIREI様より、久々にバトンを頂戴しました。
質問がオーソドックス過ぎるので、ちょいとひねってみようかな?

1  回す人を最初に書いておく
ご自由にお持ちください(チラシじゃないって?)

2  お名前は?
柏木好夫(すきお、と読む説あり・・・笑)

3  おいくつですか?
人としては中年。半吸血鬼としては??歳。

4  ご職業は?
そば打ち職人ではないのは確からしいといわれている。

5  ご趣味は?
いろいろ。

6  好きな異性のタイプは?
ケース・バイ・ケースですが。
血を吸わせてくれる人。ストッキングを破らせてくれる人・・・
もしもいらっしゃったら、当確!ですナ。^^

7  特技は何?
ブログ記事の粗製濫造(このごろ調子落ち気味・・・^^;)

8  資格は何か持っていますか?
□←ここにありますが。

9  悩みは何かありますか?
ここに綴ってあるとおりですw

10 お好きな食べ物とお嫌いな食べ物は?
好き 旨いもの
嫌い 不味いもの

11 あなたが愛する人へひと言!
大好きっ♪

12 回す5人を指定すると同時にその人の他己紹介を簡単にお願いします。
指定しないので、お好きなように。

・・・って、今回の。
質問そのものが、オーソドックスすぎますねぇ。A^^;
それともうまくひねりを利かせることができないのは、もう眠いから?--;

いもうと

2006年12月10日(Sun) 15:39:30

妹のお話を、していませんでしたね。
そう、柏木には、妹がいるのです。
仲良くなった吸血鬼の小父さまが、若い女の血を欲しがったころ。
まだ妹は小さくて、はじめから考えには入っていませんでした。
そのころ母は、三十代。
今にして思えば、いちばん脂の乗った、美味しい年頃だったのかもしれません。
それでも・・・
妹が年頃になって、中学にあがるころには。
彼の毒牙は・・・妹に対してもひらめくようになったのです。

隠れパンストフェチだった私は、家族に内緒でストッキングを嗜んでいましたが。
一定の齢になるまでは・・・母や妹のものを箪笥の抽斗からこっそりと借りていたのです。
妹は勉強家でできがよかったので、隣町の中学に通っていました。
入学式や終業式といった行事のあるときには、黒のストッキングを履いて通学したものです。
いまどきの子と違って、当時の女学生の履くストッキングは、肌のほどよく透けてみえるタイプのものでした。
妹に対しては、異性のきょうだいに対するごく人並みな感情しかもっていなかったのですが。
男の子のようにかっちりとした筋肉質のふくらはぎを包むなよなよとした薄手のストッキングは、兄の私にもひどく眩しく映りました。
薄墨色のナイロンを通して蒼白く浮かび上がる肌の色は母譲りの白さをたたえていて、とてもなまめかしく見えたのです。

ある日の、下校時間。
私は妹を待って、路頭に佇んでいました。
季節はまだ春ころだったでしょうか。
中学にあがったらすぐ伺わせます。
母ははっきりと、そう約束したのだそうですが。
やはり年頃の娘をゆだねることへの、気後れからでしょうか。
じぶんが待ち合わせるときには必ず約束の時間よりも五分早く小父さまのお邸にお邪魔するほど几帳面な母が、五月に入っても娘を伴おうとはしなかったのです。
その日のまえの晩。
夜遅く、蒼い顔をして帰宅した母は。
―――あなた、静代(妹の名)を・・・あのひとのところに連れて行ってくれる?
母のようすからすべてを察した私は、そくざに頷いていたのです。
いったん、頷いてしまうと。
そのときの光景がまざまざと、脳裡に浮かび上がりました。
小父さまの腕の中。
セーラー服の襟首に血をしたたらせた妹が、うっとりとほほ笑みながら。
おじさま・・・おじさま・・・
うわ言のように呟きながら、白いうなじを侵されてゆくのです。
ごくり・・・と、生唾を呑み込んだのに。
母は気づいたようですが、咎めの言葉を言いにくそうにかみ殺して、
―――お願い、ね。
とだけ告げて、ふらふらと寝室に消えてゆきました。
濃紺のキュロットスカートの下。
母の足許を染めていたのは・・・
妹のやつだ。
私はそう、直感したのです。
母の脚にまとわれた、通学用のストッキング。
ふしだらにねじれて裂け目を広げたありさまは、
妹が受けるであろうしつような受難を予告しているかのようでした。

妹は時間通りに現われました。
「お兄さん、待った?」
左右に結わえた長い髪。
真新しいセーラー服の、白のライン。
胸元には、ふさふさとした純白の胸リボンが眩しいばかりでした。
そして濃紺のプリーツスカートの下には・・・
薄い黒のストッキングが、足首を大人びた風情に染めていたのです。
妹も気に入っているらしい、大人びた沓下。
それがどれほど吸血鬼を悦ばせるのか。
彼女はどこまで、察していたのでしょうか?
「行こうか」
私は短くいうと、妹はウン、と素直に頷いてあとをついてきます。

―――夜やってくる小父さまが、ママの脚を吸っているのは知っているだろ?
夕べ私は、妹の勉強部屋をたずねていって。そう告げると。
―――う~ん。
妹はあいまいに、生返事を返してきます。
生娘である妹にも、母の夜なしている行為のなかに、なにか艶めいたものを覚えていたのでしょう。
はっきり嫌悪、とまではいわないまでも。
近づいてはならないなにものかを体感していたのは、間違いないでしょう。
けれども、ここで逡巡することは許されません。
大人になるとね。
うちの女たちは。小父さまに脚を吸ってもらうのがしきたりなんだ。
あした。介添え役になって・・・兄さんが連れて行ってやるからね。
妹は、横顔のまま。
じいっ・・・とにらむように、机のうえを見つめていましたが。
さいごにぽつりと、無表情にかえって。つぶやいたのです。
ウン。わかった。黒のストッキング。履いて行くね。
黒のストッキングを履くのは・・・なにか重要な行事のあるときでした。

通いなれた道のはずが。
どうやって足を運んだのか、なにも覚えていません。
気がつくと、玄関のベルを鳴らしていて。
敷居をまたいでいて。
一番奥まで通された洋室のなか、小父さまと向かい合っていたのです。
―――ようこそ。
妹を見つめる小父さまの眼が、いつもと違います。
それを薄々感じたのでしょう。
妹も、言葉少なげでした。
・・・わかっているね?
耳もとに、囁かれて。
「は、はいっ!だいじょうぶですから・・・」
気丈に答えた妹でしたが。
語尾だけはさすがに、おろおろとした震えを隠せませんでした。
―――では。
男はそういうと、私のほうをチラと見やって。
なにかを、催促しているようでした。
誰かに操られているように。
ズボンのすそに手をやって、そろそろとたくしあげていって。
ひざから下まで、ぴっちりと張りつめているのは・・・濃紺の紳士用の薄手のハイソックス。
―――妹さんに、お手本を見せるのだね。
冷ややかな声色に、無言で頷いていました。
ぬるり、と唇をあてがわれたとき。
あ・・・
薄いナイロンの向こう側。彼の唇は、ひどく熱っぽくほてっていたのです。
こ、こんな唇に、静代のふくらはぎを・・・
あまりにもむごい・・・と感じた瞬間。
灼け火箸でつつかれたような鈍痛が、ぐぐ・・・っともぐり込んできたのです。

思うさま、血を抜き取られて。
くらくらとした眩暈に、ソファからずり落ちるまで浸りきって。
じゅうたんにじかにへたりこんだ私が目にしたのは。
ひざ下まである長めのプリーツスカートを心もち引きあげた、妹の横顔。
夕べとおなじにらむような無表情が・・・ミステリアスな翳を宿していました。
まだまだ子供だと思い込んでいた少女の面差しに翳るのは、いままで目にしたこともないような濡れた憂い。
足許に落とした目線をかいくぐるようにして。
小父さまはおもむろに、薄黒いストッキングに包まれたふくらはぎに唇を吸いつけてゆきました。
くちゃ、くちゃ。
ぴちゃ、ぴちゃ。
いたぶるように、ねちっこく。
小父さまは、静代の足許を薄黒く彩る礼装を・・・辱めていました。
整然と張りつめた、ナイロンの艶。
そのうえからなすりつけられてくるふしだらな凌辱に、耐えかねたように。
少しずつ、少しずつ、ずれて、よじれて、ねじれてゆくのです。
しっかりとした、健康な肉づきに。
注射針のように突き刺さる、二本の牙。
あ・・・っ。
その瞬間。
ウッ、とかすかな呻きを洩らすと、上体を仰け反らせました。
痛みに耐えているのか。
辱めを感じているのか。
そのどちらでも、あったことでしょう。
ひきつれひとつないナイロンの薄化粧のうえ。
ヒルのようにべっとりと這わされた唇。
その唇の下・・・チリチリと音もなく、縦の裂け目が滲むように広がってゆきました。
ちゅうっ。
おもむろにあがる、吸血の音。
さても、満ち足りた・・・
そう言いたげに。これ見よがしに。
小父さまは、ごくり、としずかに喉を鳴らして・・・静代の血で爛れた渇きを潤おしてゆくのでした。

美味い・・・美味いぞ・・・
ひくく震えを帯びた、押し殺すような呻き。
男は妹の足許に、飢えた唇をいくどもしのばせていきました。
昨日まで礼儀正しい紳士だった小父さまに脚を吸われながら。
妹は目を瞑り、いとわしげに眉をひそめ、
むざんな破れを広げるストッキングのふくらはぎから、目線を遠のけています。
むざんないたぶりを受けたストッキングは、蜘蛛の巣のように引き剥かれむしり取られていって、
いびつに広がった裂け目が、見つめる私の胸の奥に、妖しい想いを掻きたてます。
妹が、壊されてゆく。穢されてゆく・・・
それがどうしてこんなに、愉しいのだろう?
いま私の体内をかけめぐるのは、マゾヒズムの血。
ゾクゾクとせり上がるように渦巻く血潮が、ただひたすらに。
おなじ血を愉しまれてゆく・・・
えもいわれぬ一体感に、歓びをはじけさせているのです。
胸の奥底に閃く、チカチカと蒼白い火花。
彼が愛して止まない母の血を受け継いだただひとりの女性――まな娘の静代――から処女の血潮を啜り取るという。
まがまがしい欲望の成就に・・・私は全身打ち震えるほどの愉悦をもって、胸焦がれさせていたのです。
妹はやがて、ソファの背もたれに全身を沈めていって、
だらしなくずるずると、すべり落ちるようにじゅうたんのうえ姿勢を崩していきました。
セーラー服の襟首に鮮やかに走る三本の純白のラインがゆっくりと咬まれた左脚のほうへと傾いていって・・・
さいごにずるりと尻もちをついたとき。
ひらりと肩からめくれ上がったのです。

肩先にきりりとまっすぐに走っていた白ラインは、いつかぐにゃりとした曲線にゆがめられていて。
小父さまはにんまりと笑みを絶やさずに。
はぁはぁという苦しい息遣いをする少女をあやすように背中をさすりながら、襟首をくつろげていきました。
がぶり。
そんな音が、聞えるはずはないのですが。
たしかに、耳にしたような気がします。
初めてうなじに受けた、鋭い牙。
むたいにも・・・深々と根元まで埋め込まれていたのです。
あぅ。
妹は目を瞑ったまま。
何度目かの呻きを洩らしましたが。
喉の奥から洩れてきたその声色には・・・あきらかに淡い随喜が含まれていたのです。
はぁはぁ・・・
せぃせぃ・・・
失血に肩で息をはずませながら。
もっと咬んで。もっとお愉しみになって。
けなげにも、我とわが血潮を振舞いはじめる妹を。
小父さまは優しくあやしながら・・・なおも容赦なく、
いつまでも、いつまでも、血潮をむさぼりつづけるのでした。

―――粗相は、なかったのですね?
気遣う母に。
―――立派な、立ち居振る舞いでしたよ。
応えのなかに無意識に秘めた充足感が、母を納得させ安堵させました。
やっと娘になったんだね。静代。
どこか淋しい、幼い日への訣別と。
明日から妖しいしきたりを共有することの歓びと。
どちらが私のなかでまさっていたのでしょうか?

朝の七時。
行ってまいります・・・
きょうは、日曜日。
もちろん、学校は休みです。
それなのに、妹は濃紺の制服姿に身を引き締めて。
「お母さま。きょうはお約束で・・・小父さまのところに血を差し上げに行って参ります」
いままでにないほど礼儀正しく、母に一礼すると。
あっけに取られた母を尻目に、玄関に向かいます。
黒革のストラップシューズにくるむのは。
薄墨色に冴えたストッキング一枚の脚。
「履き替え、持った?」
念を押す母に、「三足、持って行くわ。処女の血をたくさん、あげてくるわね♪」
昨日と変わらないのは、無邪気なえくぼ。
ところが豊かな黒髪はつややかに輝くようになって。
制服の着こなしも、どこか洗練された眩しさに包まれていました。
なにかが、変わった。
兄である私ですら、認めざるを得ないほど。
一夜にして・・・妹は少女から娘になっていたのです。
がんばれよな。腰が抜けるほど。
私の無造作な励まし?に。
もうっ!と、おどけて鞄をふりかざしたのは。
おきゃんないままでの妹そのままでしたが・・・


あとがき
村はずれのお邸に、初めて妹を伴ったときの思い出です。
母の血を吸っている吸血鬼の小父さまに、味のよく似通った処女の血を与えるために。

身内の囁き

2006年12月10日(Sun) 08:09:44

黒木の御所にも似た、瀟洒な古寺の一隅に。
集っているのは皆、身内の男女。
年に一度の法事は、折からの秋晴れに恵まれて。
とけ込み合った和やかな会話は、ざわざわとした喧騒に変わっている。

・・・シゲルさんのとこよ。
ふと耳に届いた、わたしの名。
そう。奥まった部屋の、鎖されたふすまの向こうに入っていったのは。
わたしの妻と、母。
あのひとに招ばれたふたりはすぐに、黒のスカートをひるがえして。
申し合わせたように脚を彩る薄墨色のストッキングのつま先を、
導かれるまま奥の部屋の冷えた畳に踏み入れていった。

ほらほら。ご覧。シゲルさんとこの、お母さんと若奥さんだよ。
招ばれて、向こうに入っていったよ。
・・・されちゃうんですよ、ねぇ。
シゲルさんとこの奥さんも、しっかり浮気しているんだね。
気が知れないねぇ・・・って言いたいところだけど・・・(言葉を濁す)
うふふ・・・(言葉を濁す)
シゲルさんは、承知しているの?知らぬは亭主ばかりなり、かな?
ええ・・・公認なさっているんですって。
あのまじめなシゲルさんが・・・ねぇ。案外だわ。
囁きが追いかけるのは、ひとつの話題。
いっしんに注目を集めているのは・・・
ふすまの向こうに秘められた営み。
そ知らぬ顔をして、すべてを横顔で受け流す・・・妖しく心躍るひと刻の訪れ。

ふたりながら、引き入れられて。
順々に、たたみのうえにまろばされて。
年の順だね。
あのひとに、にんまりとされて。
おずおずと、互いを窺いながら、畳にうつ伏したであろう、妻と母。
かわるがわる、黒のストッキングのふくらはぎを愉しまれて。
スカートの中をさえ、まさぐられてゆく。
父は・・・珍しく不義理していて。この場には顔を出していない。
開け放たれたふすまの向こうから現われる嫁と姑は。
漆黒のスカートのなか、膝を心もちすぼめた格好をして。
互いの目線を合わせずに、出てくるのだろうか。
少し疲れ顔のふたりを、いたわるようにして。
優しく手を取って家まで送るのが、わたしの務め。


あとがき
イケナイことを、さりげなく、厭味なく・・・
身内にまで、囁かれてしまうのは。
とてもはしたなく・・・それでいて、こたえられないものを覚えます。

追記
12月21日付で、「気むずかしい従兄」という続編をあっぷしました。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-698.html

吸血の音洩れる夜

2006年12月10日(Sun) 05:56:25

かすかな物音に、ふと目を覚ました。
枕元の時計を取り上げると、午前五時。
きょうは日曜日だから・・・まだどこの家も、真っ暗のはず。
わたしの寝む部屋に、妻の姿はない。

夜更けだというのにこぎれいに着飾っていた妻は。
少女のように透きとおった笑みをたたえながら。
  お伺いして、まわされてしまうのと。
  お招きして、ひとりのかたのお相手をするのと。
  どちらがわたくしにお似合いだと思いますか?
さりげなく、そんな恐ろしいことを口にする。
遠慮はいらないから・・・ぜひお招びなさい。
優しく取り繕ったわたしの声・・・なぜか妖しい震えを帯びていた。

妻の寝床をまさぐると、冷たい。
血の気の失せた肌の冷たさを想像すると。
思わず布団を、はねのけていた。
息子がトイレに、起きたようだ。
足音がさりげなくリビングを避けて通るのが、
妻の居場所を示している。
ことさら忍ばせた足音と、入れ違いに。
思わずたたずんだ、リビングの前。

手に取ろうと思えば、ドアノブは目のまえ。
覗き見しようと思えば、そのドアも細めに開きかかっている。
息子も、ちょっと覗いて行ったのだろうか?
床の一部が、ちょうど足を置く面積だけ・・・かすかな温もりを持っている。
けれども・・・今さら覗き見などしなくても。
なかでくり広げられている”惨劇”は・・・
すべて想像のなかにある。
ちゅ・・・ちゅう・・・っ
押し殺すような、吸血の音を忍ばせて。
妻はまだ、身に着けた衣裳に不似合いな・・・奴隷の身に堕ちているようだ。

ちゅうっ・・・きゅうううッ・・・
あるときは、緩やかに。
おもむろに、つよく。
すすり泣くように響く吸血の音は、
そのまま妻の素肌を吸われる想像にたどり着いてゆく。
いかにもの慣れた、わが家の饗応とはいえど・・・
夜ごと妻の生き血を啜り取られるなど、決して気味の良いものではない。
生命の源泉をありったけ引き抜かれ、吸い上げられてしまうのだから。

吸い取られてゆく熱い血潮とともに、素肌の奥から抜き去られるものは・・・
妻の意思、心のたけ。理性、そして貞潔―――。
あぁ。
ときおり、ため息に似た呻きを洩らしながら。
夢見るような陶酔の際をさ迷っている。
揺れる意識のかなたに拉し去られた理性を、裸に剥かれて。
ただひたすら・・・捧げることに至福をかんじつづけている。

深紅のブラウスを、血潮に染めて。
黒のタイトスカートを、惜しげもなくたくし上げて。
つつっ・・・と伸びた細い裂け目を、ふしだらに弛んだストッキングに滲ませて。
その裂け目の彼方。
護るべき貞潔を・・・焔のような熱情に貫かれたまま。
夜明けるまで・・・至福の想いを抱きつづける妻・・・

吸血艶戯

2006年12月09日(Sat) 05:54:37

アラ。痛いわ・・・
ちょっと、そんなに強く、吸わないで。
軽い拒絶は、相手の男をかえってそそらせて。
ひと口、ふた口・・・
よけいにキスをあてがわれて。
女は、秀でた眉に濃艶な媚びを含みながら。
彫りの深い横顔を仰のけて、
上目遣いに、ほほ笑みかける。

男は時おり、女のうなじや胸に唇をあてて。
刻印するように熱っぽく、しつように吸いつけてゆく。
吸い取った血で、口許を彩り、舌に転がし、喉を鳴らして、含んでゆく。
あら、貴方。ひどすぎるわ。
非難、というには、甘えすぎた声色で。
己の血をちびりちびりと掠め取ってゆく男のことを。
なおも上目遣いで、からかうように、見つめつづける。
己じしんを、己の心もろともに、吸い取られてゆきながら。

どん欲な腕から逃れようとする、秀逸なプロポーション。
からみあい、せめぎあい、戯れ合う、ふたつの影。
影が交わるたびに。
悩ましい呻きが洩れて。
女は影を揺らし、声わななかせる。
じょじょにけだるさを濃くする、戯れの声。
くまなく這わされる唇に、無上の歓びを感じながら。
女は今夜も・・・とろけるような眠りへと堕ちてゆく。

女房の靴下

2006年12月09日(Sat) 05:33:20

夕べは、ご馳走様でした。
やつはてらいもなく、そういうと。
向かいのソファに、腰かけた。
ズボンと革靴のすき間を埋めるのは・・・
踝の透けた、薄黒い靴下。
夕べ大人しくなった女房の脚から、引き抜かれたものだった。

いい肌触りだね。奥さんのストッキング。
舌触りも、まずまずだった。
おみ脚ともども、愉しませてもらったよ。
人をなぶるようなことを口にするのに。
昂ぶった腹わたはジリジリと煮えてくるのだが。
不思議と怒りにつながらないのは・・・
やつの眼に嘲りの色がないからか。
言葉尻に匂うのは。
奥さんはたいそう、美味だった。
あんな奥さんを射止めたキミが、羨ましい。
てらいもない、女房とわたしへの賞賛だった。

にこやかに、愉しげに語る唇は。
夕べ、女房のうなじを吸った唇。
女房の血を、無慈悲に吸い取った唇。
ひと晩じゅう、女房の肌をいたぶった唇。
口を開くたび。
ナマナマしいものが、こみ上げる。
女房の手足を抑えつけた、わたしより毛深い腕。
女房の乳房をおしつぶした、わたしより逞しい胸。
その身すべてに喜色をみなぎらせて。
やつは女房との痴態を語る。

うふふ。やっぱり、気になるかい?
やつは得意そうな上目遣いで、わたしのことを窺いながら。
ズボンのすそをちら、とたくしあげてくる。
夕べ。
やつといっしょに寝室に消えるまで。
女房の足許を彩っていた、黒のストッキング。
いまも淡い光沢を滲ませて、やつの足許を妖しく染めていた。
これ見よがしに、なぶるように。
すうっ、と。なで上げながら。
フッ・・・とほほ笑んでいる。
応えるわたしの顔に浮ぶのも・・・なにかに魅入られたような微笑。
女房を征服された、その証しの風景。
じわっ・・・とわき上がる、愉悦を帯びた妬け心。
響くように、ゆきわたるように。
妖しい毒液が、身体のなかを、めぐってゆく。
なぜかじんわりと、媚薬のように心地よく。

数ヶ月前。
戯れに、女房のストッキングを穿いてみたのは。
やつにねだられたためだった。
求められるまま、ズボンのすそをひき上げられて。
ふくらはぎに這ったやつの唇は、女房本人に迫るように熱っぽかった。
いまは、やつの脚に穿きかえられて。
いっそう妖しい翳りを滲ませる。
奥さんは夕方、目ざめるよ。
もうひと晩、お借りしてもかまわないかな?
さりげない言葉の裏にうずくまる、どす黒い欲情が。
わたしの心にも、ポッと蒼白い焔をゆらめかせる。
ぜひ・・・しのんできたまえ。祝福するよ。
女房の血を吸わせてやるから。
きみの唇には、女房の血が。
きみの脚には、女房の靴下が。
とてもよく、似合うようだから・・・


あとがき
例によって、わけのわからないお話です。^^;
奥様の浮気相手が戯れに、奥様の下着やストッキングを身に着けていたら。
それがじんわりとした艶を含んで、男の皮膚を愉しませているのを目の当たりにしたら。
征服された・・・という被虐感が、はぜるように湧きたつものです。
奥様が肌を合わせた薄衣を、ワン・セット。
ご贈答用にも・・・悦ばれるかもしれません。^^

すり寄って・・・

2006年12月08日(Fri) 23:20:34

一瞬のスキだった。
ふと気を抜いた瞬間に、そいつは影のように忍び寄ってきていて、
気づいたときには、ぬるりとした唇を女史の首筋に吸いつけていた。
ひっ、蛭田くん・・・っ?
相手の正体に気がついたときにはもう、がんじがらめに抱きすくめられていて。
鋭い牙を皮膚に刺し通されてしまっている。
ベストな角度。
相手にも苦痛を与えずに、いちばんおいしい血管を断っている。
あっ。
めくるめく衝撃に、さすがの女史も目をくらませて、のけぞっていた。
下腹にまで・・・
不覚にも、じわっとした潤いが滲んで、
目のまえがぼうっとかすんだ。
あ・・・ダメ・・・
ううん。もう、離さない。^^v
手加減、しなさいよ。
ダメ。気の済むまで吸わせてね。
ちゅ、ちゅう―――っ・・・
頭がふらりと揺れて、気の遠くなるような眩暈が陶酔を帯びていた。
こうなると、女史ですら。
蛭田の術中。なされるがままだった。

あ。ダメ。そんなに血を引き抜かないで・・・
おいしい。おいしいね。やめられないよ・・・
ちょっと、ちょっと・・・・調子に乗りすぎよ・・・っ。
緊張が張りつめていた身体から力が抜けて、じゅうたんの上、女史は膝を突いてしまった。
濃い紫のじゅうたんに、肌の蒼白く透けた濃紺のストッキング。
シックな色の取り合わせが、蛭田の目に心地よく映えた。
ごくり。
蛭田は、生唾を呑み込む。
いただきまぁす。
にんまりと笑んだ唇を、ストッキングを履いた女史のふくらはぎになすりつけて。
にゅるにゅる、にゅるにゅる、いたぶるようにもてあそんでゆく。
く、く・や・し・い・・・っ。
血を通して伝わってくる、心のなかの呻き。
ウフフ。ダメだよ。愉しませてもらうよ。
唾液を帯びた唇をひときわ笑み崩れさせると。
ぴりっ。
唇の下、淡いナイロンの包装が、他愛なく裂けた。
びりっ、つつつつ・・・っ
思うさま、破いちゃっていた。
あぁ・・・もぅ。たまらない。
蛭田は、呻くように呟くと。
もういちど、うつ伏した背中に寄り添うように影を重ねていって。
ちゅう・・・っ。
甘えるように、ゆるやかに。
うなじの傷を吸いつづけていった。

もう。
腕の中。夢見ごこちで口を尖らせて。
ひとしきり、落ち着くと。
腕を上げたわね。あなたがすり寄ってくるの・・・ちっとも気がつかなかったわ。
女史なぜか得意気に、ふふん、と鼻を鳴らした。
蛭田はいたわるように女史の身体をソファに横たえて、
なおもにやにやとにやけながら、破けたストッキングをずるずるとずり下ろしていった。
やるじゃないの・・・
でも、おイタはそこまでよ。

脱いだズボンを傍らに。
破けてないほうのガーターストッキングを、女の脚から引き抜いて。
じぶんのひざ上まで、ぴっちりと引き上げて。
女史の目のまえ、これ見よがしに。
蒼く染まったふくらはぎを、さらりと撫であげる。
そして素早く身なりを繕うと、
お邪魔しました。
部下の顔にもどって、深々と一礼した。
ズボンのすそと革靴の間からのぞく薄く浮き出た踝を。
女史は苦笑いしながら、ドアが閉まるまで見送っていた。
ほめ言葉と同じくらい。その苦笑交じりのまなざしを。
彼は嬉しく背中に受け止めていたのだろう。


あとがき
珍しく?蛭田の成功談です。^^
たまにはこうして、女史を術中に落とすこともあるみたいです。

か弱き幻影

2006年12月08日(Fri) 23:13:57

あっ、お許しくださいませっ。
色白の富士額に、憂いを帯びた眉を寄せて。
追い詰められた壁を背にした女は、ひたすら手をあわせて哀願する。
けれども男の手は容赦なく、
ボウタイのついた純白のブラウスに手を掻けて。
むしり取るように、剥いでゆく。
あれっ!なにをなさいます・・・
女は古風な咎めを口にしながら、
羽交い絞めにされた腕のなか。
整った顔を苦しげにゆがめる。
恐怖にこわばった横顔を愉しむように、
うなじに唇を近寄せてゆく男。
男の名は、蛭田。
都会の人通りをほんの数歩深めただけの路地裏で、
今夜も若い女を狩っている。

今夜の獲物は、すこしとうがたっていたけれど。
年配の女性の若作りは・・・いっそう蛭田の好み。
純白のブラウス。透けるほど軽やかな、やはり純白のフレアスカート。
お嬢さんのようなしとやかな身なりに引き込まれるようにして。
女の術中にはまるがごとく、女を術にかけてゆく。

だめ、だめ、だめです・・・っ。
抗う細い腕を、押し伏せると。
女はそれでも逃れようとして。
およしになって。わたしの血には、毒が入っておりますのよ・・・
ひめやかに、そう囁いたけれど。
男は指先でなぶるようにして、女のうなじに触れてゆく。
ひ、ひどいです・・・っ
消え入るような、哀願に。
すまないね。
生唾を呑み込んだ、せっぱ詰まった声をする。
ひどくみじめな、やるせない気分。
わが身を苛む心の翳が、やむにやまれない狂態に駆り立てるのを、どうすることもできなくなっている。
おとなしくさえしていれば、生命までは取りはしない。すぐに済ませるから。
ごく事務的に、みじかく囁いたのは。
弱いところを獲物のまえで見せまいとしたからか。
囁きと入れ違いにくり出した牙を、
薄い皮膚に、さくりと突き通してしまっている。
ああ・・・っ。
悲痛な呻きを洩らしながら、女は立ったまま、生き血を吸い取られてゆく。

うふふ・・・ふふふ・・・
男はなおも、しつようだった。
腰が抜けたようにその場にへたり込んだ女の膝を立たせて、
肌色のストッキングに映えるふくらはぎに、べろを這わせてくる。
ああっ、厭・・・ッ。
女は恥ずかしそうに、眼を伏せ眉をひそめたけれど。
そんな風情にいっそうドキドキをつのらせた唇が、
礼節に満ちた衣裳になすりつけられてゆく。
すまない・・・本当に、すまないね。
厭、イヤッ!
女は激しく身を揉んで、嫌がって。
なすりつけられたべろに、
う・・・うぅんん・・・っ!
すらりとした上背をひときわ、しならせる。
己の腕のなか。
術中に落ちた女体のうごめきを。
蛭田はしっかりと感じ取ってゆく。
闇に浮いた白い頬に、己のそそぎ込んだ毒液が陶酔を滲ませるのを認めると。
ぴりっ。ぴりぴり・・・っ
いともむぞうさに、女の足許からストッキングを噛み剥いでゆく。
あっ、ひどい・・・
女は眉をひそめつづけながらも。
もう、抗おうとはしていない。

・・・・・・。
・・・・・・。

ここは、アルコール臭漂う診療室。
年老いた医師は、しらけた顔をして。
患者を触診している。
横たわっているのは、蛭田。
・・・どういうわけか、急にフラフラとお倒れになってしまって。
申し訳なさそうに口を開いたのは、
着衣を乱したままの女。
裂けたブラウスから、下着の白いストラップをはしたなくのぞかせながら。
びりびりに破かれたストッキングを、ひざ下にまとわりつかせながら。
すこし泣いたらしい名残りで、目許を赤く染めている。
まったく・・・困ったやつだ。
白髪頭を振りたてて、医師が呟きを吐き捨てた相手は、蛭田のほう。
あの・・・恥ずかしいお話なのですが。
女はおどおどと、口を挟む。
このひとが、悪いわけじゃ、ないんです。
ほんとうに、お恥ずかしいのですが・・・わたくし、その・・・
なんだね?はっきり言いなさい。
お医者はどこまでもうるさげに、女の控えめな口調さえ厭う様子。
女はしばらく、ためらいながら。
それでも意を決したように、ひくい声で。
マゾヒストなんです。
俯きながら、そう告げた。
行きずりのこのひとに、
襲ってください・・・って。
わたくしのほうから、お願いしたんです。
びっくりなさっていましたけど・・・こころよく応じてくださいました。
感謝こそすれ、訴えたりなんて、いたしません。
女のことばを皆まで聞こうともしないで。
わかったわかった。
医師はむぞうさに、手を振った。
早いとこ、ずらかるんだな。悪い女め。
ふふっ。
女は初めて・・・白百合のような白い顔を。
うって変わって、愉しげな笑みに染めている。
だってこのひと・・・かわいいんですもの。

白鳥と名乗る、苗字そのままに。
ふわりとしたフレアスカートを、妖精のようにたなびかせて。
女はお嬢さんのように、しとやかに。
丁寧に礼をして、古風な挙措も奥ゆかしく、診療室をあとにする。
かつてはどこぞの会社で、役員秘書をしていたという。
けれどもかつての同僚たちのなかには、だれ一人。
彼女のことを記憶するものはいないという。


あとがき
以前描いたお話と、同工異曲になってしまいました。^^;
動機がないぶん、蛭田の行動は不埒です。
さびしい心をかかえながらいらついていた蛭田くんを慰めようとして。
またも毒液でへろへろにしてしまったようです。
助けようとして、かえって毒に当ててしまった・・・というよりも。
今度は白鳥秘書も、ちょっと蛭田のことをからかっているような気がします。

お姫様と呼ばれた女

2006年12月08日(Fri) 22:44:47

三十代の、オールド・ミス。
そこそここぎれいで、スタイルも、性格も、決して悪くない。
それなのに、いまだに結婚しないのは。
育ちのよさと裏返しの、自覚できないわがままさ。
仲間がどんなに忙しそうにしていても。
決して残業をせずに、定時になるとさっさと帰ってしまう。
表向きは和気あいあいを装っていても。
みんなが後ろ指を刺すような女と、だれがつきあうだろうか。
それでも決して表立った文句が出ないのは。
コネ入社で入ってきたつてが、かなりの有力なスジだかららしい。

娘をよろしく頼むよ。
そんな電話一本で。
役立たずな女を引き受けさせられて。
課長はホッと、ため息をつく。
うまくやりますよ。
傍らの男が、さえない顔色のまま、つぶやくようにそういうと。
あぁ、よろしくな。
課長も生気のない顔で、男に応じていた。
部屋の隅っこにある目立たない席に、いつもうずくまるようにして座っている男。
個性を消したようすは、男の名前を忘れさせて、
いつも肩書きのまま、主査とだけ呼ばれていた。

ひたひた。ひたひた。
まっ白なパンプス。いやみのない柄の入ったフレアスカート。
ボウタイのついた、白のブラウス。
うら若いお嬢さんと何ら変わりのないいでたちは、
齢不相応な軽やかな足取りとよく似合っていた。
いつもどおりの、定時の帰り道。
職場に残してきた同僚は、今夜もいつ終わるとも知れない仕事に追われている時分。
  あの・・・。
ひかえめに呼びとめる声にふり向くと。
佇んでいるのは、主査、と呼ばれている男。
名前はなんといったか・・・どうも思い出すことができない。
だってあのひと、いつも影が薄いんだもの。
お帰りですか?
お育ちのよいお姫様は、礼儀正しくそう聞いた。
小首をかしげ、ふしんそうにしながらも、どことなく気品が漂うのは。
お姫様として備えている、良い部分なのだろう。
男はもうそれ以上なにも言わずに・・・
スッと女の傍らに立つ。
暗がりのなか。
表通りを一本入っただけの路地裏に、なぜか人通りは絶えていた。

ふたつの影が、ひとつになって。
女は長く垂らした髪を震わせながら、ただ黙って、立ちすくんでいた。
細い両肩を抱きすくめて。
後れ毛のまつわりつくうなじに、男は唇をあてて、しずかに音を立てて吸いつづけている。
ちぅちぅ・・・きぅきぅ・・・
いくたりもの女を路上に襲ってきた、無慈悲な吸血の音。
ずっとあてがいつづけた唇を離したとき。
お姫様はふらふらと、よろめいた。
どう?気持ちいいだろう?
すがりついてくるような囁きに。
お姫様はいやいやをするように、ちいさくかぶりを振って。
―――苦しい。
かすかな声で、答えていた。
すまない。
男は短くわびの言葉を呟くと。
ふらふらとする女の身体をかばうように、いたわるように支えると。
もういちど、おもむろに唇を吸いつけてゆく。
あ・・・
お姫様は不快そうに眉をひそめて、
それでもどうすることもできないで、男に吸われつづけてしまう。
倒れそうになる。しっかりと支える。
拒んで離れようとする。すがりつくように、抱きしめる。
無言の裡のやり取りは、いつかおだやかに収束していった。
退社するときは・・・かならず私に声をかけるのだよ。帰り道を、襲うから。
むたいな囁きに・・・女は何も言わず、けれどもゆっくりと、頷いていた。

あの・・・そろそろ失礼します。
振り返ると、時計は五時。
またか・・・という。
声にならない呟きをよそに、
お姫様はきょうも、ショルダーバックをひるがえす。
部屋の隅の主査のところにも、わざわざ立ち寄って、
失礼します。
周囲に気づかれないていどに、声はちょっと震えを帯びて。
豊かな頬は、密かな期待にはずんでいる。


彼氏がちゃんと、いるらしい。
それも、社内に。
お姫様をめぐる噂は、本人のいないところで囁かれる。
主査と呼ばれたその男は。
ほほぅ・・・とひと言、感心したように呟いたけれど。
噂の一方の主は、探し当てるまでもなく、
夕方、彼のことを呼び止めた。
どこ行くんだい?
気配を消して、職場を抜け出してきたはずなのに。
前に立ちふさがった相手は痩せぎすの、三十後半の独身男。
社内でもほどほどの、肩書きにつりあうていどの力量と人望を持ち主で、
言ってしまえば、どこにでもいるタイプの男。
重原という苗字を思い出すことのできたのは、たぶんなにかのぐうぜんだろう。
影を消している・・・という意味では、主査と呼ばれるこの男とは正反対にいる男。
かたや、静寂。かたや、喧騒。
事務所の壁のように個性を没しているというところだけ、通じ合うものがあった。

いや、ちょっと、ジュースを買いに・・・ね。
さりげなくやり過ごそうとする行き先を、なおも遮って。
どうしてこんなにおだやかな遮り方ができるのか。
主査はちょっと訝しげに、話しかけてきた男に顔を向ける。
知っているんだ。・・・どんなジュースを飲みに行くのか。
え?
問い直そうとすると、重原はあわてたように。
邪魔にならないようにするから・・・見ていてもいいかい?
遠くから、こっそりと・・・。

親の決めた結婚相手だった。
四十も間近になっても独身だった彼は、人並みのサラリーマンの顔をもちながら。
気ままを愛する男でもあった。
とうとう年貢を納めることになって。
相手はお偉いさんの令嬢だった。
さして美しいとも思わなかったが、育ちのよさから来る気品だけは備えていて。
言葉遣いもお行儀も、まぁまぁもうしぶんはなかったけれど。
失う自由と引き換えに得ることになる結婚生活に、さほど豊かなものは予感できなかった。
帰り道、ふと見かけて、ふらふらとあとをつけて。
行き先で見たのは、貼りつくように電信柱にもたれかかりながら。
男に生き血を吸われている光景。
なぜだかひどく、ドキドキとした。
女と付き合うようになって、初めてだった。
これほど胸が、ときめいたのは。
週に2,3回は社外でランデブーをしているのに。
ついぞ口にすることのなかった、秘め事。
女の不実を感じるよりも。
蟻地獄に堕ちた女の、苦痛と裏返しの愉悦が、ひたひたと伝わってくる。
いとおしい。
初めてそう、思えるようになった。

ちぅちぅ・・・きぅきぅ・・・
嫁になるはずの女が、毒蜘蛛に囚われた蝶のようになって。
今夜も夢を見るような顔をして。
お嬢さんスタイルを、振り乱して。
別の男の飢えを、唯々諾々と充たしてゆく。
ブラウスを惜しげもなく、しとどに濡らしながら。
ストッキングを破ろうとして、足許ににじり寄る影に、はにかむようにほほ笑みながら。
どうですか?インポートもの、買ってみたんです。
あぁ、すべすべして、キモチいいね。
あら・・・
恥ずかしそうに口ごもりながら。
ふくらはぎにべろを這わせてストッキングを波立ててゆく男の意のままになってゆく。
ぴりぴり、ぴりぴりと、みるかげもなく裂き堕としてしまうと。
スカートのなか、手を突っ込んで、
我がもの顔にまさぐりながら、血を吸ってゆく。
そんなことすら、許せるのは。
男の奇妙な申し出を、彼がどこまでもまともに受けてくれたせいだろうか。


いつのころからだろう?
物陰から注がれてくる許婚の眼を意識するようになったのは。
はじめのうちこそ。
どうして?怒らないの?助けにもこないの?
不審が胸に影をさしたのだが。
週に2,3度のランデブーでも、
そのことはいっさいおくびにも出さずに、
相変わらずにこやかに接してくる。
うなじや胸元、脚へと這うさりげない視線に、
中年男らしいいやらしさを覚えることはあっても。
ふつう、そうだろう。
そんなふうに思えてしまうほど。
子供っぽい潔癖さは、さすがに遠い日のことになっていた。
人並みのいやらしさは、あるんだわ。
以前から感じていたそれとはまた異次元の輝きを、
柱の影から覗き見てくる目線は、色濃くたたえていた。
男にふたつの顔があることを、女は知らず知らずさとっている。

厭・・・と振ってしまうことも、できたはずだった。
けれども女は、それまでとおなじように。
週に2,3度のランデブーを楽しげに過ごし、
微妙に日どりを変えた主査との逢瀬も愉しんでいた。
熱っぽくそそがれてくる男の目にも、いとわしさを感じなくなって。
今ではかえって、よけい乱れてしまっている。
ア・・・ァ・・・ダメっ。ダメですぅ。
わざとひめやかな声をたてたり。
軽く抗ってみせたり。
ストッキングを破られるとき、ひどく厭そうに眉をしかめたり。
そうすることで、視線はいっそう熱を帯び、
しつっこく、心地よく、からみついてくる。
クセになりそう・・・いえ。もうなってしまっている。
良心の咎めを甘苦しく覚えながら。
女は今夜も、路地裏を通りかかる。

幼い夜の記憶

2006年12月08日(Fri) 22:35:36

血を吸うことが、愛を交歓する行為なのだと。
ごくおさないころから、気がついていた。
それは遠い日に。
大好きなおじさんが、ママをつかまえてうなじを吸っているのを見たときから。

ママはうっとりと、夢でも見ているような顔をして。
なれなれしく肩にかかったおじさんの手を振り払うでもなく。
べっとりつけられた唇が、うなじの皮膚のうえを這い回るのを。
小父さんの口許からチカリと覗いた牙が、肌を突き刺すのを。
ごくうちとけた気分のまま、許してしまっていた。
ちゅうっ・・・
ナマナマしい。
子供心にもそう思えるほど。
ママへの吸血は、熱っぽかった。

小父さんが家に遊びに来ると。
パパはいつも上機嫌で、小父さんを迎えていた。
ふたりはとても仲がよく、ウマの合う関係みたいだった。
小父さんがあきらかにママのことを目当てにきている・・・とわかっているときでも。
パパは小父さんを夜遅くまで、引きとめていた。
子供は早く寝なさい・・・って追っ払われてしまうのだが。
ある晩とうとう、目にしてしまった。
最初は、かくれんぼをしているのかな、って思った。
しーっ。
パパがイタズラっぽく口に指を当てて、ボクを黙らせたから。
邪魔をしたら、いけないよ。
あっちの部屋で。
ママと小父さんが、仲良くしているんだから。
ほかの人には、ナイショだからね。
指さすほうの部屋は、いつもパパとママが寝ている部屋。
灯りは消えていて、震えながら熱っぽく弾む声がふた色、洩れてくる。
ウフフ。母さん、いい声しているだろう?
パパが笑うと、ボクも息を詰めたまま、頷き返していた。

セックスがどういうことかも、よくわからなかったころ。
パパがふたりの仲を認めているなんて、もちろん知らなかったころ。
けれどもボクは、ママが犯されるところをそれと知らずにみて育ち、
いつか自分の妻もことも・・・小父さんに面倒を見てもらうようになっていた。


そろそろ、いいだろ?
言われ続けて、もうどれくらい経っただろうか?
ボクが許すまで、小父さんは我慢強く、妻を誘惑することを控えていた。
兄さんがお嫁さんをもらったとき。
結婚を控えて親戚が顔をそろえた席で、
兄嫁になるそのひとは、初々しいグレーのスーツ姿。
声をかけてきた小父さんに、しきりにはにかんでいた。
そのときはもちろん、知らなかったのだけれど。
まえの晩、兄さんは小父さんに、未来の花嫁の純潔をプレゼントしたのだった。

ボクが明子と結ばれたのは。
大学を出て何年か経ったころ。
そのころ小父さんは、大恋愛に夢中で、ボクのお嫁さんどころではなかったし、
家も遠く離れていたので、ボクは人並みに恋愛し、人並みに結婚していた。
子供もできて、ごく人並みの家庭生活を満喫していたころ。
小父さんはまた、街に戻ってきた。
水鳥が舞い降りて、池に波紋を波立たせるみたいに。
たちまちスキャンダルが、小父さんの周囲を包み込む。
最初に狙われたのは、夫をなくしたばかりの叔母さん。
誘惑されて、その月のうちに喪服を脱いだと噂になった。
おつぎは、もうひとりの・・・まだ夫のいる叔母さん。
どういうわけか夫君を丸め込むのも得意技で、
叔父さんはいつもラブホテルに出かけてゆく叔母さんをにこやかに送り出すのだという。
兄嫁が嫁入りまえからの交際を復活させたのも、それからすぐのことだった。
子供も大きくなったしね。
兄は愉しげに、これ見よがしに小父さんと腕を組んでいる妻を指さしてそういった。
不思議な魔術でも見るような思いだったけれど。
ボクに魔術の網が張られたのは、それからすぐのことだった。

美しい。賢いひとのようだね。
小父さんは、愚かな女が大嫌いだった。
美しくて、賢くて、貞淑で、ご主人を愛している奥さんをいただくのが愉しいんだよ。
なんのてらいもなく口にするのを、苦笑いしながら聞いているのは・・・
みんな奥さんをたぶらかされたご主人ばかり。
堕とした女を、口を極めて絶賛する小父さんは、寝取られた夫たちにも賞賛を惜しまない。
あのひとを射止めた男だから・・・ねぇ。
って。

再あっぷ情報

2006年12月06日(Wed) 20:35:38

今回はちょっと、切な系のお話をあげてみました。

「しのつく雨の帰り道」
あこがれていて、甘えきっていたお姉さんとの、ちょっと切ない別離のお話です。(2月8日掲載)http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-641.html

「早く帰ってきてね」
いつも甘えながら血を吸っている姉は、今夜は修学旅行。
寂しさに耐えかねたボクは・・・(2月8日掲載)http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-642.html

「喪ったのか 獲たのか」
嫁いでゆく姉は、血を吸う性癖を持った弟を気遣って、許婚に意外なお願いをしますが・・・(2月10日掲載)http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-643.html

お話によって血のつながりがあったりなかったりしますが。
どれも、姉弟のように慕い合う男女のお話です。

母の血を吸う同級生

2006年12月05日(Tue) 08:07:23

きょう、ね・・・きみの母さんを呼んだんだ。
血を吸いたい・・・ってね。
きみも、来るかい?
母さんには見つからないように、あとをつけて来るんだよ。

学校が終わったあと。
いつになく妖しさを含んだ声色で。
そう、囁いてきた同級生。
わが耳を疑う気分だったけど。
家に戻ると母さんは、ウキウキとお化粧をして、
こぎれいに、おめかししている。
ちょっと、出かけてくるわね。
行っちゃいけない!
っていう、叫びたい気分と。
これから・・・どうなるのだろう?
っていう、好奇心と。
あとの感情がまさったのか。
なんだかすこし、ドキドキしてきた。

ひらひらと風に流れるワンピース姿を追いかけて。
けれども母さんは、そんなに上手じゃないはずのボクの尾行にすら気づかない。
曲がり角を曲がって。着いたのは間違いなく、彼の家。
勝手口を、あけておくから。
囁かれたままに押し開いた。裏口の扉。

ああ・・・っ。ううぅ・・・
聞いたこともないような声を洩らして。
いつもの遊び相手に肩を抱かれて。
逃げようとすれば、逃げれるようすなのに。
自分のほうから、ひざを床についた姿勢で。
母さんは、うなじを彼に吸わせている。
目のまえで。
同級生の支配を受けてゆく、母さんの姿。
許されてはならない光景なのに。
させてはいけないことを、されてしまっているというのに。
どうしてこんなに、金縛りみたいになって。
ドキドキが止まらないのだろう?
したたり落ちる血が、ハッキリした色調のワンピースに、
鮮やかな痕を広げてゆく。
ボクとおなじ血・・・
ヤツは愉しそうに、吸い取ってゆく。
母さんのことを。
ボクのことを。
ヤツはこうして、支配してしまおうというのだろうか?
けれどもあいつは寂しそうな顔をすりつけて。
甘えるように。すがるように。
母さんに触れていった。
そうだ。あいつ、母さんがいなかったんだっけ。

うつ伏せになった母さんは、夢でも見ているように、心地よさそうにほほ笑んで。
ヤツがにまにまとくっつけてくる唇に、
ストッキングを履いたままの脚を、差し伸べている。
ぬめぬめ。にゅるにゅる。
ボクの触れたことのない、母さんの脚・・・
あいつはとても美味しそうに、べろをなすりつけている。
肌色のストッキングは、母さんの脚の周りをよじれて、
くしゃくしゃになっていって、破けていった。
苦笑いしながら見おろしている、母さんの目線をくすぐったそうにしているあいつ。
いいよ・・・時々母さんのこと、貸してあげる。

息子がいるのに

2006年12月05日(Tue) 07:56:31

お母さんを、いじめないで・・・
眼に涙を一杯ためて、男の子が訴える。
子どもの涙には、弱い。
オレは思わず、お母さんを放していた。
首についた傷を抑えて、お母さんははぁはぁと、肩で息をしている。
少年は母親に、とりすがった。
もう、行くよ・・・
お目あてだったはずの血は、ほんの少し、喉の奥に散っただけ。
けれどもこうなっては、出てゆくしかないだろう。

おじさん、死んじゃうの?
後ろから、彼の声がした。
エ・・・?
あいまいに返事をすると、さっきとおなじくらい強い瞳がこちらを見すえてくる。
死んじゃうの?
あぁ・・・血がないとね。
こんな年端もいかない子供に同情されるなど、死ぬよりもみじめだ。
などと思っていると。
母さん、嫌じゃないんだね?
少年は母親の耳もとに囁いて。
ゆっくり頷く母親を、すこし哀しげに見守って。
いいよ。少しなら・・・母さんを絶対死なさないって約束してくれる?
見つめてくる眼とおなじくらいしんけんに、頷き返していた。

ボクも見ているから・・・
どういうつもりなのだろう?
けれども息子の目の当たりにしているところで、
獲物をそう酷く食い散らすわけにはいかなかった。
最高級のレディに接するように。
礼儀正しく、近寄って。
脚に接吻をして。
押し当てられた唇の下で、肌色のストッキングがちりちりと裂けるのを。
少年は息を詰めて、見つめている。
あぁ・・・
ほどよい陶酔が女を浸すころ。
押し倒したベッドのうえ、みさかいなく、うなじを強く、吸ってしまった。
ちぅちぅ・・・きぅきぅ・・・
子供には、聞かせたくなかったのだろうか。
女は軽く身もだえをして、オレの牙を避けようとする。

いいんだよ。
言い出したのは、少年のほう。
もっと・・・つづけて。母さん、嬉しそうだし。
スカートの中、悪戯しているんだろう?父さんにナイショで。
いいんだよ。
ボク、黙っているから。
でも・・・
母さんを泣かせるようなことだけは、しないでね。


あとがき
純粋なような、妖しさを秘めたような、不思議な少年でした。

おぉい、理恵。

2006年12月05日(Tue) 07:41:48

ただいまぁ。
おや?部屋が真っ暗だ。
おぉい、理恵。
まだ戻ってないのかな?今夜はぜったい、オレのほうが遅いはずなんだけどな。
飲み会だったから・・・
あいつ、酒のほうはさっぱりだから。
こういう夜更かしは、しないもんな。

あれ?もの音がする。
・・・ってことは、いるのかな?
具合でも、悪くしているのかな?(にわかにおろおろし始める)
理恵?どした?
具合、わるいのか?

う~ん、ちょっと・・・(^_^;)
悪いってか・・・すこし寝てた。
うぅん、だいじょうぶ。もう平気よ。
灯り、つけるわね。(ぱちり)
お帰りなさい。
お風呂?え?疲れたからすぐ寝る?
布団もなにも、敷いてないわよ?
すぐ用意するわね。

おっかしいなぁ。
寝入りっぱなを起こされたら、いつも機嫌わるいのにな。
今夜はやけに、素直だな。
おやぁ?スカートにへんなシミがついてるぜ?
そのままのカッコウで、会社行ってたの?
シミは帰ってからついた?
あっ、そう・・・
まだ、濡れているもんね。やけにねばねばしたシミだね。
・・・って。おや。お客さん、来ていたのかい?

ハジメマシテ。
わっ、びっくりした。びっくりした。
ア。スミマセンネェ。サッキマデ奥サンノコトオカリシテイタノデスヨ。
あ・・・そですか。理恵がですか。
いえいえ、そそっかしい女房ですが。いつもお世話になっています。
ハ~イ、オ世話シテマスネ。今夜モヒドク、骨ヲ折リマシタワ。
おやおや、そいつはどうも。ご厄介をかけまして。
イヤイヤ、ドウゾ。オ気遣イナク。
(イイゴ主人ダナ。事情ヲ飲ミ込ンデイナクテモ、チャント調子ヲ合ワセテ挨拶スルノダナ。
 分カッテイルノダロウカ?
 「奥サンノコトオ借リシテ」ト「オ狩リシテ」ノ違イ。^^)
お疲れですか?もうすこし、休んでいかれますか?
マァ、ソレハゴ親切ニ。(アンタモ血ヲ吸ワセテクレルノカネ?)
男ノ血ハアマリ好ミデハ・・・イヤイヤ。(^^ゞ
え?血ですか?
エェ・・・ワタシ。血ノ研究家ナノデ。^^;
ほほー、お医者様なんですね。なにかの時には助けてもらおうかな。
そういえばあいつ、首のあたりに血がついていたな。
またあわてて、どこかにぶつけて、ケガをしたんですね。
それを治してくれたんですね?
それとも、研究用の採血ですか?
ドキリ。^^;
どうです?お医者様の目でみても、あいつ、肥満ではないですよね?
すこしむっちりしていていますが。
抱き心地がなかなかよろしくて・・・いや、失礼。ーー;)
(ソレハ、ヨク存ジテオリマスヨ・・・イヤイヤ失礼。^^)
さいきんすこし、顔色が蒼いんですが。なにか、悪い病気でもしているんじゃないですかね?
スカートの裏に、ねばねばした汗をかいていたり。
あと、よくストッキングが破けていたりもするんです。
どうも最近やけにストッキングを買うなぁ・・・と思ったのですが。
次から次へとなくなるんですが。
まるで、誰かに食べさせているみたいですね。
おいしいようなら、何よりですが。
おや、あいつ、なにをにやにやしているんだろう?
いつもの部屋に布団を敷かないんだな。
こちらとの御用がまだ、済んでいないんだね?
じゃ~、先に寝るから・・・
お客さん、すいませんねぇ。お先に、寝ませてもらいますね。
お邪魔をしても、いけませんから。
理恵のやつを、どうぞよろしく。

あとがき
寝取られていることを分かっているんだか、分かっていないんだか。
とぼけているとしたら、なかなか長けたご主人ですね。^^

白河夜船

2006年12月05日(Tue) 07:16:56

ふぅ・・・
いやはやなんと、九時間も寝ちまった。
おとついの夜、いきなり「あいつ」がやってきて。
午前三時まで放してもらえなかったものなぁ。
あくる朝がすぐ仕事で・・・それもけっこう切れ目がなくて。
でもまぁ、あれで仕事までひまだったら、
それこそぐったり寝ちまったかもしれない。
そこそこ忙しくって、なによりだった。

夕べは家に帰ってきて。
さすがにすぐにへたり込んで・・・強制終了。(^_^;)
祥子さんのコメントにご返事だけ書いて、とっとと寝ちまったんだったっけ。
女房がやけに、優しかったな。
  おかえりなさい。お疲れのようですね。
  夕べはたいへんだったのでしょう?
  今夜はわたくし、遅くなりますから・・・
  お隣のお部屋でお寝みになってくださいね。
  お布団も、ちゃんと敷いておきましたから。
って。
出かけたわけでもないのに、やけにめかし込んでいたっけな。
紫のパンストなんか、穿いちゃって。
白のブラウスに、銀のネックレス。黒の無地のスカートときたもんだ。
夜会にでもでかけるのかね?って、からかってやろうと思ったけれど。
なにしろ、綿みたいに疲れきっていたからな。
そんなわけで、すぐさま、ぐぅぐぅ、ぐぅぐぅ、寝ちまったというわけだ。
こんなにぐっすり眠ったことは・・・ここ数日なかったな。

あぁ、キモチよかった。
今の?・・・は、ボクじゃないよ。女房のほうだよ。
朝起きてきたら、えらくすっきりとした顔をしていやがった。
遅くに寝る・・・と言っておいて。
朝も、ボクより早かったみたいだ。
こざっぱりとした服を着て。
上で縛った長い髪をひらひらそよがせて。
ルンルン気分で、台所で朝の支度をしている。
洗濯機のなかを覗く?
・・・ちょっと気がひけるねぇ。いじましい気分になりそうでねぇ。
それに、そんなことをする必要も、なさそうだ。
やっこさん、どうやら隠しておくつもりも、ないみたいだな。
  隠すなんて・・・
  あなたを裏切っているみたいで、イヤだわ
って、いつだか話していたっけ。

ほら、よぅくご覧。
肌色のストッキングに、つつっと伝線が走っているだろ?
ちょっと気をつければ、わかるていどに、ひっそりと。
ご丁寧なことに、両方ともやっているんだよな。
真っ赤なブローチをしているだろう?
三つ?いや、ひとつだよ。
ほかのふたつは・・・ほら、ブラウスの生地にじかにくっついているだろう?
やっこさん。おとついはボクのことをへばらせておいて。
本当の目当ては、女房だったみたいだね。
おめかししたところを、ベッドに引きずり込んで。
服がくしゃくしゃになってずり落ちるまで、たくさん、おイタをして。
明け方着替えたあとに、もういちど。
お別れの名残りをつけていった・・・というわけだ。
ほら。あんなにさばさば、キリキリと立ち働いて。
見ているだけでも、凛々しいくらいだ。
そのうえあんなに嬉しそうに、ウキウキしちゃって。
とても生き生きとしているだろう?
顔色がちょっと蒼いくらい、気がつかないくらいに・・・ね。

さて。どうやら食事に招ばれたらしい。
行ってくるね。
ボク?
いや・・・何食わぬ顔して、お行儀よくナイフとフォークを操ってくるさ。
あいつが夕べ、牙や指を操ったみたいに・・・ね。^^


あとがき
間抜けな寝取られ噺は、けっこうほほ笑ましいものがありますね。^^