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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ねずみ色のストッキング ~白いプリーツスカートの少女~

2007年02月27日(Tue) 22:56:53

白地のチェック柄のプリーツスカートのをたくし上げ、
おさえつけたひざ小僧を包むのは。
すこし濃いめの、ねずみ色のストッキング。
合わないよね。なんか、やぼったいよね。おばさんみたいだよね。
切れ長の目を、心細げにひそめているけれど。
だいじょうぶ。
それがきみの気に入りのいでたちならば・・・
わたしは思い切り、唇や舌をふるいつけてしまうのだから。

つややかな光沢をかすかに滲ませる薄手のナイロンは。
ピンク色をしたぴちぴちとしたふくらはぎを。
淡い紫色に、いっそうなまめかしく染めていて。
飢えたべろを、わくわくと昂ぶらせてくれている。
ぺろり。ぬるり。くちゅっ・・・
清楚に彩られた足許を、わざと下品に、音までたてていたぶって。
わたしががきみの服を気に入っているのだと、わからせてやる。
もぅ・・・
きみはいつものように、切れ長の目をくもらせて。
それはメイワクそうに、口を尖らせているけれど。
わかっている。
薄い皮膚の下に秘めた血管が。
淡い紫色をしたマゾヒズムに震えているのを。
少女のなりをしたきみは、大人のマゾを裡に秘めている。

あっ、ほら・・・ほら。
少しずつ。少ぉしずつ。
引きつれが、裂け目にかわってきたようだね。
ほんとうに、破けてしまうまえに。
うんとよだれで、汚してしまおうね。
私をもてなすために履いてきた、ねずみ色をしたストッキング。
くしゃくしゃになるほど、いたぶるのが、きみへの礼儀というものだから。

夕べは、いつも学校に履いて行く真っ白なハイソックスのふくらはぎをさらして。
真新しい厚手のナイロンのしなやかさを、気の済むほどに、たんのうさせてくれたっけ。
キュッと引き締まったふくらはぎに、飢えた牙を思うさま埋め込んだあの快感は。
とても忘れることができないよ。
明日はちょっとオトナになって。黒のストッキングを履いてくるって?
歓迎するよ。
いつものようにたっぷりと、辱めてあげるからね。
白のスカートには、似合わない。似合わないっ・・・ていいながら。
きみはそうして、おずおずと脚を差し出すんだね。

後ろから、捕まえて。^^ ~白いプリーツスカートの少女~

2007年02月27日(Tue) 22:53:11

長い黒髪を、頭の後ろできりりと結いあげて。
ノーブルな広いおでこを、スッキリとのぞかせて。
切れ長の目を、すこし憂鬱そうにくもらせて。
ピンクのカーディガンに、白のブラウス。
白、赤、深緑のチェック柄のプリーツスカートは、長すぎも短すぎもせず、
ひざ小僧のあたり、すそをひらひらと揺らしている。
スカートの下、にょっきりと伸びる発育の良い脚は、肌色のストッキングに包まれていて。
ぴちぴちと初々しい色気を、滲ませている。
すっきりとした髪型に、小ぎれいな服。
それはまるで、甘いキャンディーの包み紙のようなもの。
さぁ、どんなふうにはぐって、中身の甘さを味わおうか。

後ろから、両肩を捕まえて。
あわてた身じろぎを、ぐいっと力ずくで、抱きすくめて。
遠慮会釈なしに、うなじに唇を吸いつければ。
甘いぬくもりを秘めた皮膚が、恐怖のあまりこわばっている。
すまないね。
こんなふうに・・・きみを、汚してしまうのだよ。
お行儀悪くよだれを含んだ唇で。
思うぞんぶん、素肌をいたぶると。
情け容赦なく、がりり、と。食いついてしまっていた。

あ・・・っ
秘めやかな叫びに、そそられるように。
ぐいぐいと食いいれてしまった牙の切っ先に。
ほとび出る健康な血潮が、とても鮮やかに輝いている。
ダメだよ、逃げちゃ。暴れたりしちゃ。
これからゆっくりと、きみの血を愉しませてもらうのだから。
細い両腕を、ぎゅうっと抑えつけて。抗いを封じてしまう。
けれどもそんな気遣いは、無用らしい。
きみはメイワクそうに、顔をしかめて。
とがめるように、にらみつけているけれど。
もう、憂い顔をした切れ長の目じりには。
妖しい翳が、浮き上がっている。

さあ、聞き分けよく、大人しくするんだよ。
これからストッキングの脚、愉しませていただくのだから。
真新しい肌色のストッキングが、くしゃくしゃになるくらい。
ふくらはぎを撫でさすりながら。
ズキズキ疼く唇を、なめらかな薄手のナイロンのうえから、
ヒルのように、慕わせてゆく。

あの・・・
かわいい唇が、ためらいがちに開かれて。
いいんです。好きにしてください。
ストッキングを、破ってしまっても、かまわないんです。
あなたのために履いてきたんですから。
怒ったり、泣いたり・・・しないから。
呟きに、心の湿りを秘めながら。
ほんのちょっぴり、涙を滲ませながら。
少女はかいがいしく、そうっとスカートをたくし上げていった。
きみはMだね?じゅうぶん、素質がありそうだ。
いいだろう。
今夜ひと晩。
きみの気が済むように・・・
おじさんがたっぷりと、いじめてあげるからね。^^


あとがき
少女のイデタチに萌えて、ついいやらしいただの親父になってしまいましたね。^^;
あっ、それでもなんだか、仲いいみたいですが。このふたり。

スリップの切れ端

2007年02月26日(Mon) 07:39:50


下校までに吸血鬼に血を吸い取られた少女たちは、血に濡れた制服のネッカチーフを相手の吸血鬼にプレゼントするという。


ひとり、ふたり・・・と。
人目を避けるように更衣室から忍び出てくる、制服姿の少女たち。
ほどんどの少女たちは、胸にさげていた白のネッカチーフを取り去っている。
けっこう、吸われちゃったね。
うん。
仲良し同士、寄り添うようにして。
ちょっぴり疼くうなじの痕に手を添えながら、その場をあとにしていった。

ねぇ。
ミユキは立ち止まると、友だちの少女を物陰に引き込んでいた。
スリップ、破いてくれない?
え?
少女はちょっとびっくりしたように、小首をかしげたけれど。
クラスメイトの言いたいことをみなまで言わせずに、それと察して。
すぐにミユキの後ろに回りこんでいる。
スカート、あげてくれる?
うん・・・
重たい濃紺のプリーツスカートのなかで。
ぴりっ。
スリップの裂ける音がした。
ミユキは、表情を消して。
目を瞑ったまま、スリップの裂き取られる音に聞き入っている。
級友の手で裂き取られた約20センチ四方の白い着衣には、真っ赤なシミが浮き上がっていた。
じゃあつぎは、わたしの番。わたしのスリップも、そうしてくれる?
友だちの言い草に。こんどはミユキがびっくりする番だった。


ミユキと待ち合わせていたのは、校門の陰。
いつもの場所に現れた彼女は、もとの気の強い少女に戻っている。
少年は恋人がネッカチーフをはずしているのを、目ざとく察していた。
  待った?
  いや・・・でも、遅かったね。
相手の少年も、少し遅刻してきたらしい。
走ってきたのだろうか。まだ息をかすかにはずませている。
少女は自分の息が昂ぶっているのをさとられまいとして、
濃紺のスカートをさばいて、少年のまえを歩きはじめていた。
おや?
少年が、声を洩らす。
え・・・?
咎めるような上目遣いを、眩しそうに受け流しながら。
ネッカチーフ、どうしたの?
あげてきたのよ。汚れちゃったから。
彼女は、吸血鬼に逢っている。
そうと知りながら、交際を申し込んで。
これからも、逢うわよ。わたし。
挑発するような彼女のたいどに、なおいっそうひきこまれてしまっていた。
うなじを噛んで、血を吸うとき。
ほんの微量、撥ねかる血潮。
飛沫を含んだネッカチーフは、血を獲たものに与えられると。
少年は訳知りの老人から聞き知っている。

それに・・・
少年はまだ、いい足りないらしい。
ストッキングも、破けているよ。
うるさいわね。
少女は苛立たしげにかぶりを振ると。
ほら、ご覧なさい。
そういうように、つつっと縦に伝線を走らせた黒のストッキングの脚を、見せびらかすようにくねらせた。
ふくらはぎ、噛まれちゃったのよ。
文句ある?
って、開き直った少女の目線が。
少年の言い草に、戸惑いを漂わせた。
なんだか、見とれちゃうよね・・・
少年はしんそこ恍惚とした面持ちで、呟いていたから。

履き替えれば、ばれなかったのに。
いいの。このまま帰るって、約束したから。
そう・・・
少年の声が、ちょっとだけ震えている。
きょうは、きみん家(ち)に行こうか。
少女になるべく恥をかかせまいとしたらしい。
道行く人が少女の足許にさりげなく落としてゆく好奇の視線を気遣って。
きょうのデートの行き先を、彼はとっさに変更している。


なにもされていないわよ。
それ以上、されていたら・・・
ほら。このていどの破け方ですむわけないじゃない。
少女の部屋で、ふたりきりになって。
ことの成り行きを問いたげにする少年に。
少女は口を尖らせて、もういちど黒ストッキングの脚を見せつける。
淡い嫉妬に満ちた少年の視線が足許にじわりと吸いついてくるのが、むしょうに心地よかったのだ。
ついでに、見る・・・?
セーラー服の襟首を、ちょっとだけずらして。
胸元の一角に秘められていた噛み痕まで、さらけ出している。
パパにも見せたこと、ないんだよ。
少女は真顔になって、ひき入れられたように傷口に見入る少年の顔をじいっと見つめている。

ふっ・・・と。
ふたりの影が、重なり合っていた。
唇と唇が、重ねあわされていた。
ドキドキとした互いの呼気が、互いの鼻腔をほのかに染める。
秘めあっていた熱情に感応し合うようにして。
ふたりはもっと、身体を寄せ合っていた。
はじめて・・・だよね?
うん。
少女は羞じらいを悟られまいと、わざとそっぽを向いていた。
ぶきっちょに重ねあわされてきた唇の、ほのかな口臭が、まだ少女をどきどきさせている。
キスだけは・・・あの子のために取っておこうか。
こうなることを、予知していたのだろうか。
さっきまで逢っていたあの男がそう囁いたのは。

唐突に、切羽詰った声が口をついていた。
スリップ、破かれてきたんだろう?
さりげなく髪の毛をかきのけていた少女は、ぎくりとして手を止める。
どうして・・・?
なにも言わせない。
少年は恋人の手をギュッと握り締めて。
あとずさりしようとした少女は、つよく抱きすくめられて、逃げられなくなって。
乱れた濃紺のスカートのすそから、少年の言うとおり、破けたスリップがしどけなく白い生地を浮き上がらせる。
恥ずかしい。
少女は初めて、涙ぐんだ。
いいんだ。そのことで、俺・・・ドキドキしている。
え・・・?
ふたたび奪われた唇に、少女はもっと積極的に、応じている。

のこりのスリップ、もらってもいいかい?
ほんとうに・・・いいの?私なんかで・・・
なにも言わせない。なにも言わせまい。
じわじわと侵食してきた嫉妬の情が、
初々しい熱情を、妖しい色で染めはじめた。
のこりのスリップを得る・・・ということは。
ほかの男に処女を捧げた少女を、永遠に愛するということ。
  逢っちゃうわよ。それでも、逢っちゃうわよ。
  それでも、いいの?
  かまわない。でも、すべてを俺に見せて・・・
  見たいの?見たいわけ?ヘンなひと。
  ヘンでもいい。それほど気になるんだ。きみのことが。
  わかったわ。見て。見て頂戴。わたしのいやらしいところ。
  あなたたち。わたしを分け合うご縁で結ばれていたのね・・・
少女は、組み伏せられて。少年は、のしかかって。
永遠の契りを交わしはじめてゆく。

がたり・・・
淹れたばかりの紅茶をもってきた少女の母親は
ドアの向こうからするかすかなもの音に、足をとめた。
そして、なかの気配を察すると。
ちょっとだけ、ため息をして。
それからフフッ、と、イタズラっぽい笑みをうかべて。
なにごともなかったように、紅茶のお盆を持ったまま、回れ右をした。


あとがき
少女のスリップをねだった少年。
約束の時間に遅れそうになったのは。
もしかすると・・・? ^^
連れの少女の履いているストッキングがひどく破けていたとしても。
必ずしも彼氏が破いた・・・とは。限らないみたいですな。(笑)

血の絆

2007年02月26日(Mon) 06:03:57

穿いてきたわよ。貴方のお好きな、ガーターストッキング。
せいいっぱい若作りにしたスーツのすそをひるがえして。
妻はウキウキと声はずませて。
男の目のまえに気前よく、むっちりとした太ももを覗かせる。
いつもながらのナチュラルカラーのストッキングと見えたけれど。
ふくらはぎに、微妙な光沢をてからせたナイロンの薄衣は。
太もものところで、あざやかに区切られていた。
ウフフ。やぁねぇ・・・
見境なく吸いつけられてくる、飢えた唇に。
妻は小娘みたいに、はしゃぎ切っていて。
しつようにねぶりつけられる唇に、ストッキングの脚をさらけ出してしまっている。

逢瀬、といって、よいのだろう。
血を吸うものと吸われるものとの、秘められたランデブー。
妻はときおり、くすぐったそうな笑い声を洩らしながら。
足許にぴちっと張り詰めた、薄手のナイロンが、
ふしだらないたぶりに、くしゃくしゃに波打ってゆくありさまを。
面白そうに、うかがっている。
もうっ。悪い子ね。
と、口にしながら。
髪をつかまれて。じゅうたんの上に、抑えつけられて。
あろうことか、めくり上げられたスカートの奥、腰を沈められていって。
男の若い精力が果てるまで、尽くさせてしまっている。
棒立ちになったまま、いちぶしじゅうを洩れうかがっている私。
起き上がった影は、あたりをはばかるように、周囲の様子を窺っている。
あぁ。やっぱり。
妻の相手は・・・息子・・・だったのだな。
だから妻は、ああしてこぎれいに装って。
まるで、恋人に逢いに行くように、ウキウキと出かけていって。
血を与え、寂しささえも満たしてやっているのだな。
おなじ血を通わせているものどうし。
濃い絆を、かんじながら・・・


あとがき
夜ひそかに妻の血を啜っていたのは、実は息子だった。
血のつながりのある息子は、じつは夫よりも濃い関係で結ばれている。
それをさとったお父さんの、淡い嫉妬を描いてみたかったのですが・・・(苦笑)

通う女

2007年02月26日(Mon) 05:53:46

壁ぎわに圧しつけられたスーツ姿は。
踊るように。戯れるように。
いっとき、のしかかってくる影を相手に舞踏に興じて。
吸われた首筋につけられた痕を、心地よげにひっ掻きながら。
今宵も軽いハミングをのこして、現場をあとにしてゆく。
姉さん・・・
ひそかなつぶやきは、さっきまで女の相方をしていた影の手にさえぎられている。

美味かった。いつも、すまないね。
影は、いがいなくらい繊細な声を秘めながら。
じぶんとおなじくらい蒼白い頬をしている青年を気遣った。
いや・・・
青年の目は、朝霧の彼方にとうに消えてしまった姉の姿を、まだ追いかけている。

自分の肉親を、自分の牙にかけるのは。
なんとしても、気が進まなかった。
だから、誘った姉には、あの男を引き合わせていた。
見返りに、男が連れてきた女が現れるのは・・・そう、いつも決まって姉の襲われるつぎの晩のことだった。
女は、きりっと装ったスーツ姿。
まるで己を誇示するように、背筋をピンと伸ばして。
しゃなりしゃなりと、歩みを進めてくる。
すっきりと伸びた細くて白い首筋に、濡れるような黒髪を漂わせながら。

あいてを酔い心地にしてしまうのは、そう難しいことではないのだよ。
相棒の吸血鬼は、彼の血をあまさず吸い取ってしまったあと。
耳もとに誘惑の毒液を流し込むようにして、そんなふうに訓えていた。
うわぐすりがかかった白磁のような素肌に、毒を含んだ唾液をしみ込ませるようにして。
首のつけ根を、まるでネックレスをなぞるように、口伝いに吸いつづけていって。
女の理性を、麻痺させる。
そんな手管を・・・姉の身体に実践されて、お手本を見せつけられてしまっていた。

けれども。いまでもはっきりしているのは。
青年を訪ねてくる女が、自分の意思でここに来ているということ。
コツコツと、ハイヒールの足音を闇夜に響かせながら。
女は抜群なプロポーションをひけらかすように、夜道を歩いてきて。
立ちふさがった彼をみとめると。ちいさくうなずいて。
自分のほうから、路地に身を隠して。壁ぎわに身をもたれかけさせている。
首筋を、貫かれるほどつよく噛まれても。
ふくらはぎを、ストッキングが破けるほどに吸われても。
女は苦情ひとつ口にするでもなく、
男の切羽詰った欲情に、すすんで応えてくる。
きりりと背筋を伸ばしたまま。
スキひとつなく装ったスーツ姿に、血をほとばされてゆく。

来ちゃいけない。俺の相手なんか、しちゃいけない。
いつか、そう思うようになっていた。
女が来なければ、渇きにのたうつわが身なのに。
凛と取り澄ました女が、みずからの血を涸れ果てさせてしまうまで、
夜の訪問をやめないであろうことが。
男の胸を、強烈に締めつけている。
かつてそうしてくれた女がひとり、毎晩のように彼のもとを訪れたことがあったから。

待った?つらかったでしょう?
そのひとはかつて、わが身を襲おうとする彼を、むしろいたわるようにして。
すすんで腕を回し、はだけた胸元を投げかけてきた。
幼稚な破壊欲を満たすために。
ストッキングを穿いたままの脚を差し伸べて。
いたぶるままに、破らせてくれていた。
青年と瓜ふたつの面差しをもったそのひとは、実の母親。
やがて彼とおなじように、肌蒼ざめさせて…。
今宵はどこの街角を、さまよっていることだろうか。
おなじふうにしては、いけない。
母の代役を勤めようとして、おなじように夜更けに訪れた姉のことを。
とうとう牙にかけることは、できなかった。

見ず知らずの相手なら、なんとかなるのだろう?
見かねた相棒は、姉を襲う代わりに。ひとりの女を連れてきてくれた。
けれども、おなじことだった。
無償で血を与えてくれる女に、情が移ってしまったのだった。
来ちゃいけない。抱かれちゃいけない。
けれども、逢いたい・・・
つじつまの合っていない男の心情を、見透かしたように。
女は今宵も、ハイヒールの靴音を響かせてくる。

うまく吸えば、いいのだよ。
もう、母御のようなことには、ならないはずなのだよ。
この道のことは、幾十年分か長けている相棒は。
そういって、目のまえで姉の血を啜りながら。
ほどよい陶酔に姉を誘ってゆく。
身内の女の血を目のまえで啜られる光景に。
じんじんと胸をとどろかせながら。
彼もまた、恋人の訪れを今か今かと待ちかねる。

今夜もまた、血を撥ねかしてしまった。
白のタイトスカートを、ななめに横切る紅い飛沫。
それでも女は、苦情めいたことひとつ口にしないで。
惜しげもなくさらした脚線美を、彼のほうへと差し伸べてくる。
透明に輝くナイロン・ストッキングが。
薄闇に浮かびあがる脚の線を、いっそうなまめかしく際だたせていた。
上品な装いを、しわくちゃにしながら。
男はいつまでも、女の栗色の髪を、めでるように撫でつづけている。
人間同士の恋人のように。
ブラウスを通して息づく豊かな胸を、ゆるやかにまさぐりながら。
タイトスカートごしに、むっちりと肉のついたお尻を、撫でさすりながら。
ぬかるんだ路上に、ふたつの影は重なり合って。
放恣にだらりと伸ばした女の両腕は、とうに抵抗を放棄している。
あえぐ唇を、唇でふさいでしまうと。
うっ。
毒気に咽ぶように、いちどは離した唇を。
ふたたび、魅せられたように、求めてゆく。
ある角度に開かれた脚のすき間に、腰を沈み込ませて、
タイトスカートの奥を、さぐりはじめる。
ガーターストッキングの上にまとわれていたショーツは、とっくに脱ぎ捨てられている。
遠くから、影のように立ちすくむ相棒の気配を、ありありと覚えながら。
男は女を、犯していた。

朝もやのなかを、女の影が遠く消えてゆく。
いつもより、足取りを弾ませながら。
ようやく、うまくやれたようだね。
血を吸うたびに、まぐわえば。
精を享けた女は、よりいっそう輝きを増して、家路をたどるようになるのだよ。
自分より先立って、なん十年ものあいだ人の血を啜りつづけた男が。
小気味よげに、そしてなぜか自嘲するように。
呟くともなく、呟きを漂わせた。
きみの姉さんは、いい女だ。
相棒の口にした言葉の意味を察して、男は背筋をぞくりとさせたけれども。
姉がそれで幸せなら・・・祝福しますよ。
ありがとう。
相棒はまだちょっと、なにかを言いよどんでいたけれど。
わたしもおなじように、きみを祝福しよう。
あれはわたしの・・・最愛の娘なのだから。


あとがき
例によって、わけのわからないお話になってしまいました。
すすんで血を与えようとする姉を襲いかねている弟に、ささやきかけて。
代役を買って出た男。
その彼が見返りに血を吸わせたのは、自分のまな娘だったというお話です。
互いに自らの肉親を牙にかける勇気がなくて。
取り替えあって、血を吸っていたのですね。

合コンのあと

2007年02月26日(Mon) 05:07:36

どうもああいう場は、苦手なんだ。
年よりも、はるかに老けて見られる私。
たしかに周囲との波長もいまいち合わないし、いつも一目置かれる、というよりは、はっきりいって敬遠されていた。
自分の殻に閉じこもってちゃ、ダメよ。
親しい人にそういわれながらも、どうすることもでできないのだ。
とくにあの・・・合コンというやつ。
若い男女が礼儀も恥じらいも、まして奥ゆかしい心遣いなどかけらもなく、くだらないことで盛り上がって大騒ぎをする、あの席のことである。
ヘンに浮ついたあの雰囲気は、いちど参加しただけでもうすっかり嫌気がさしてしまっていた。
課のなかにそういう話をしょっちゅう持ち込んできては重宝がられているやつがいて。
きょうもその話で、お昼休みのあたりからかしましい。
「お前、また欠席かぁ?」
同期のヤツがこっちに水を向けてくるのさえ、うっとうしかった。
「無理無理。やめとけやめとけって」
だれかが聞こえよがしに、野次を飛ばす。
どちらの声にも、たちのよくない揶揄がこめられている。
ライバルが減って都合がいい・・・とは思われない。
なにしろ気の利かない私ごときが、場慣れしたあいつらに太刀打ちできるはずがないのだから。
ただたんに、あいつらは。
仲間うちの付き合いの悪さをなじっているにすぎないのだ。

やっぱり来るんじゃかなった。
親切ごかしに、私の肩を抱くようにして
「きみ、よくないよ。気が進まなくっても、たまにはつきあわなきゃ」
そんなふうにそそのかしたのは、誰であったか。
その誰かも、いまはあの狂った喧騒のなかに埋没していて、乱れ切った場の雰囲気に興じきっているに違いない。
にごったアルコールの匂いが、ぷんぷんとしている。
酒の弱い私には、それだけでもすでに辟易ものだったのだ。
一次会、解散!
だれかがおどけたように、奇声を発している。
ーーーてきとうなところで、ばっくれるんだぜ?つごうのよさそうな相手といっしょにな。
場慣れしているなかでもとりわけ場慣れしているらしい誰かは、わざわざ親切ごかしに、そんなことを囁いてきた。
私にそんな器用なことができないのを、百も承知のくせをして。
そそくさと、席を立った。彼のいうように、「ばっくれる」ために。
もちろん一人で。

まだまだ寒さの残る、都会の夜。
いつもなら襟首を掠める冷気がひどくいとわしいはずなのに。
飲みつけない酒にほてった肌を冷やすには、かえって小気味良いくらいだった。
くだらない連中から袂を分かってきた爽快さと解放感が、歩みをいっそう速めさせている。
どうせ、女にはモテないのさ。
私は自虐するように独りうそぶいて、家路にむかおうとした。
そのときだった。
あの・・・
ごくひかえめに、おっかなびっくりに投げられた声。
振り向くと、若い女の子がひとり、おずおずとこちらをうかがっている。

「○×のかたですよね?さっきまでご一緒していたものです・・・」
相手の告げたのは、まちがいなく私の会社の名前。
茶髪の多くなった街角に、黒々としたロングヘアはむしろ、違和感があるほどだった。
女子大生が着るような、白のニットのセーターに、チャコールグレーのロングスカート。
きちんとした感じのする地味目なパンプスを履いていて、わずかにのぞく足首は、いまどきの子には珍しく、黒の無地のストッキングを滲ませている。
こんな子、いたっけな?
ふときざした疑念は、すぐに取り払われた。
わたし・・・ああいう席、とっても苦手で。気が進まなかったんだけど・・・友だちにせかされてしぶしぶ来たんです。でももう、二次会なんてまっぴら。
もじもじとしながらも、しっかり誘いかけているじゃないか。
吐き捨てるように、あざ笑ってやりたい衝動を覚えた。
けれども女の子はどうやら、しんけんらしい。
彼氏、いないんです。いつも、引っ込み思案で。周りのお友だちはもうみんな、経験済ましているのに。
いっしょに来た子が、合コン得意で。
どうしても嫌だったら、なるべく目だたないようにしていろっていうんです。
私が適当な男の子、見つくろってあげるから、って。
あなたも目だたないように、していましたよね?
さいごのひと言には、軽い笑みと共感が秘められている。

あの。ヘンでしょうか・・・?
女の子がおずおずと、上目遣いに私を窺う。
ここは、ホテルの一室だった。
彼女を合コンに誘ったという悪友に教わったのだろうか。
女の子は手にした紙切れに書き付けられた稚拙な地図を頼りに、私をここに連れてきた。
彼女が「ヘンでしょうか」といったのは。
いきなり初対面で、軽くお茶をしただけで、こういうところに来てしまったなりゆきのことだろう。
こんなにもあっさりと処女を捨てようとする、いまどきの子だとしても。
たしなみのなさを、気にかけるふうだけは残っているのか。
私はなんだか、ほっとするような気分になった。
ニットのセーターは、部屋の隅に脱ぎ捨てられている。
その下を覆う、光沢を帯びたブラウスが、さらりさらりと衣擦れを秘めながら、やはり脱ぎ捨てられてゆく。
むき出しになったぬるりとした肩先は、ひどくなまめかしくて、
地味な上着とは裏腹な、挑発的なスリップの束縛から、はちきれそうなくらいぴちぴちと輝いていた。
女の子はためらいながら、それでも着実に作業をつづけてゆく。
こんどは、スカートだった。
ベルトをはずし、ジッパーをゆるめ、ちょっとだけ、ためらって。
思い切ったように、足許に落としている。
ぴっちりと張り詰めた黒のショーツが、女の子の陰部のそこだけを覆っていた。
太ももまでの黒のストッキングは、雑誌で見たことのあるガーター・ストッキングではなかったけれど。
眩しいくらいに白くむっちりとした太ももを横切るゴムの部分が、ひどく鮮やかに際だっている。
「ずるい」
女の子は俯いて、羞ずかしそうにささやく。
まだ脱いでいない私を、とがめているのだ。
私も思い切りよく、ネクタイに手をかけていた。

一糸まとわぬ体に、室内の空気さえもがそらぞらしい。
ぱちり、と室内の照明が落とされた。
女の子はよく輝く瞳をいっそうきらきらとさせて、私に寄り添ってきた。
思いのほか、しっかりとした体重に、私はよろけて、ベッドにまろび込んでいた。
女の子は私の両肩をしっかりとつかまえて、顔を私の胸で覆っている。
きっと、恥ずかしいのだろう・・・と思って、ついそのままに過ごしていると。
かりり。
奇妙な感触が、胸元に食い込んだ。
え?
肩をつかまれた両の掌に、痛いほど力が込められる。
身動きもできないまま、なにか硬いものが切っ先鋭く、食いいれられてくる。
ちゅっ。
ふざけたような音が、彼女の口許ではじけた。
そのまま、すうっ・・・と。
意識が、遠のいている。

青白く浮かび上がった、しどけない肢体。
女の子は瞳を蒼白く、輝かせて。
ウフフ・・・
しんそこ愉しげに、ほほ笑んでいる。
口許にべっとりと濡らしているのは、私の血。
もっと、頂戴。いいよね?
甘えるように。強制するように。
女の子は惜しげもなく素肌をさらして、私にのしかかってくる。
どうすることもできないで。
唯々諾々と組み敷かれてしまっている私。

あなた、マザコンなんでしょう?
ついでに、シスコンみたいだね。
いいのよ。恥ずかしがらないでも。
だれだってそういう感情、多かれ少なかれあるんだから。
たった一人で、恥ずかしがっちゃって。
かわいいひと。

まだ名前も告げていないその女の子は、謡うように囁きながら。
こんどは私の首筋に、濃厚なキスを重ねてくる。
あぁ・・・
服従の愉悦、というのだろうか。
女の子にいいようにあしらわれながら、ちっとも不愉快ではない。
むしろ。どういうんだろう?
自分のなかを流れていた血液が、彼女のものになってゆく。
おなじ血を、共有することが。
えもいわれない歓びを、激しくかき立ててくるのだった。
お母様と、お姉様を紹介してくれる?ついでに、妹さんも。
わかっているわよね?あなたがたの血が欲しいの。
いつ、逢わせてくれるの?
たっぷり、吸い取ってしまいたいの。
あなたとおなじ香りをした血だもの。
欲しいわ。早く。わたし、とっても渇いているのよ・・・
あのひとたちの血をくれたら。あなたのお嫁さんになってあげる。
ママも姉さんも、妹さんも。
あなたのこと、叱るだろうけど。
わたしもいっしょになって、あなたのこと、叱ってあげる。
いけない子ね、って。
わたし、これでもけっこう。情の深い女なのよ。


あとがき
あとは、お定まりのパターン、でしょうか?(笑)
この女の子がほんとうに合コンの一員だったかどうか、わかりません。
けれども彼の嗜好をそれとなく察知して。
すべてを彼に合わせて、近寄っていった彼女のなかに。
血を求める本能以外の恋心がきざしていなかったとは。
誰にも言い切ることはできないのでしょう。

茶髪・・・いまは、なりをひそめてしまったようですが。
あえてすこし前の流行にさかのぼって、すれていない彼女の面影をきわだたせてみました。

十五の春 ~桜の樹の下で~

2007年02月25日(Sun) 07:47:03


さくら、十五の春。
登校時間のピークは、壮観な眺めである。
おそろいのセーラー服の襟が、列をなすほど道いっぱいに広がっているのだ。
それでも、今朝にかぎっては。
そのなかの誰もが、いつになく言葉少なで。
ほとんど声ひとつ交わさずに、校門目ざしてざくざくと足音だけを響かせている。
きのうまでとおなじセーラー服を着ているはずなのに。
どの子も少しずつ大人びて、輝いているようにみえるのは。
ほんとうに、気のせいだけなのだろうか?

折りよく晴れた、昼下がり。
式を終えた女学生たちは三々五々、散り散りになろうとしている。
さくらは仲良しの同級生たちに、じゃああとは誰々ちゃん家(ち)でね、と約束すると。
人目を避けるようにして、体育館の裏手へと足を向けた。
ついさっきまで卒業式が挙行されていた体育館の出入り口は、固く鎖されていた。
なかにはもう、誰もいないのだろう。
常緑樹の生垣は濃い茂みをつくっていて、向こうからの視界を遮っている。
生垣と体育館の間にあるスペースは、意外に広く、野外の大広間といいたいくらい、がらんどうの安らいだ空間になっていた。
しずかに降り注ぐ太陽の光は、冬とはいえ眩しいくらいの輝きをもっている。
「来たわよ」
さくらは独り、あたりをはばかるように声を投げた。

フフフ・・・
含み笑いは意外にも、すぐ後ろからあがっていた。
ぎょっとして、振り向くと。
黒衣の男はいつものように、細面の面立ちをひどく蒼くやつれさせていて、
それでも含み笑いを浮かべた唇は、血のように紅い。
「もうっ」
さくらは持っていた鞄で、男をどやしつけるようにして小突いた。
「おどかさないでよ」
気の強いわりに小心なのだ、と。
お互い認識し合っていた。
だれにも知られたくない、触れられたくない弱い一面を。
さくらは彼にだけは、甘えるようにさらけ出している。

男はさくらの腕を取り、裏手の広場のいちばん奥まったあたりへと、
引きずるようにしていざなってゆく。
「な、な、なによ。もぅ!気が早いんだからっ」
さくらは口を尖らせて制止したが、もう相手の意のままにされるのをそれほど恐れているわけではない。
「ひと目に触れさせまいとしているのが、わからんかね?」
「意地悪!」
口ではそういったものの、さくらは狭く生垣に区切られたその場所を嫌ったわけではなかった。
頭上には、桜の老木。
大きく広がる枝ぶりに、眩しいほどの装飾をほどこして。
誰見つめるものもない広場の片隅で、己の美を誇らかに輝かせている。
それがいましも、はらり、はらりと緋の花びらを音もなく地面にそそぎはじめていた。

さくらも、この花びらのようだね・・・
黒衣の男は、じいっとさくらを見おろしている。
クサいセリフ・・・
いつもならそういって、ますます口を尖らせているはずなのに。
なぜか残り惜しげに見つめてくる目線に戸惑いながら。
ひっそりと、つぶやいている。
「この制服・・・きょうがさいごだから。少しくらいなら、汚してもいいよ」
黒のセーラー服の襟首には三本、白のラインが鮮やかに走っていて。
襟元を引き締める純白のタイは、今朝おろしたばかりの新品だった。
首を噛まれて紅く染まったタイは、彼にプレゼントすることになっている。

どこから引っ張り出してきたのだろうか。
男が手にしているのは、荒縄だった。
「軽く、縛るよ。いいかい」
男の趣味、なのだろう。ぬめるような真っ赤な唇に、得意げに白い歯をのぞかせている。
「やらしい唇。もうだれかさんの血を吸ってきたの?」
さくらは男の頬を、遠慮なくつねった。
血の気のない男の頬は、ひどく冷たくこわばっている。
「冷たいね・・・」
ささやきに、同情がこもっている。
言わずとも、知れている。
男はさくらひとりの血を目あてに、きょうはやってきたのだと。
さくらの血で、あたためて・・・
いつの間にか、じぶんのほうから。
背中を桜の老木にもたれかけていた。
そう、甘えるように。

ぐるぐる、ぐるぐると。
男は愉しそうに、さくらの胸に、縄を巻きつけてゆく。
桜の木に、縛りつけてしまおうというのだろう。
きりりとしたセーラー服に、粗野な縄目がひどく不似合いだった。
知的で清楚な制服姿に、ヘビのように巻きついて。
少女を荒々しく縛る縄。
ぎゅっ、と食い込んでくる縄目のきつさに、幾度となく声をたてそうになったけれど。
さくらはけんめいに、それをこらえている。

フフフ・・・
男がふたたび、得意げな含み笑いを洩らすと。
「やらしい」
さくらはイマイマしげに、つぶやいた。
そうしてふくれるところが、かわいいね。
「フン、だ」
ふて腐れた言葉が、甘えを帯びていた。
では、食いつくぞ・・・
きゃっ!
さくらはさすがに、正面から覆いかぶさってくる魔性の者から顔をそむけて、わが身をかばおうとしている。
制服の二の腕に食い込んでくる掌が。尖った爪が。
縄目よりもきつく、少女の膚に迫ってきた。

「痛くしないよね?だいじょぶだよね?お洋服、血で汚れたりしないよね?」
なんどもうるさいくらいに念を押しながら首筋を噛まれていった、出会いの頃。
「髪の毛、伸ばしているのよ。どうしてかわかる?そのほうがあなたに噛まれても、ばれないでしょ?」
だれにも気づかれないように、上手に噛むのよ。
いまでは、そんなふうに。
お嬢様みたいにわがままに、駄々をこねるようになっていた。

ア・・・
一瞬の口づけ。
わざと顔をそむけたのは。
首筋をあらわに男にみせるため。
マフラーを取った白いうなじは木洩れ陽のなか、輝くようにきわだっていたが。
男は魅せられたように、無遠慮なまでにむぞうさに、少女の素肌を吸っている。
痛いっ。やだっ・・・
とっさに身をよじろうとするのを抑え込まれて。
抑え込まれたまま、無抵抗な素肌に鋭利な異物ががりりと食い込んでくる。
ひりひりと疼く傷口から挿し込まれる牙が、ひときわつよく埋め込まれた。
ひっ。
さくらのあげたうめきが、面白かったのだろう。
きゅうっ。
ひとを小ばかにしたような、あからさまな音をたてて。
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
まるで酔い痴れるように、清冽なほとびに唇を浸してゆく。
セーラー服の胸元に、紅いものをかすかに散らせながら。

白のラインと、真新しいタイと。
どちらもが、紅いものにかすかに染まっている。
少女はそのありさまを、値踏みするように、ちらと見定めて。
ヒドイわねぇ。
口では非難していたが。
男に賞でられたことは、まんざらでもないらしい。
黒い影はいつの間に、足許にかかがみ込んでいた。
あっ、やらしい・・・
少女のとがめる口ぶりが、お気に召したらしい。
「足許を、イタズラさせてもらうよ」
うふふ、ふふ・・・
吸血鬼は人のわるい含み笑いを、クッ、クッとこらえながら。
黒のプリーツスカートのすそをつかんだ。

「きょうだけは、特別よ」
少女はちょっと自慢げに鼻を鳴らした。
かすかな身じろぎに合わせて、スカートのすそが、さわっと揺れる。
いつも学校に履いてくるのは、白のハイソックスなのだが。
きょう、晴れの日にひざ小僧を包んでいるのは、薄っすらとなまめかしい黒のストッキングだった。
「どお?似合うかな?」
高校に入ったら、毎日履いて行くんだよ、と、少女はつけ加えた。
似合うよ。とても素敵だ。
男は珍しく素直に、初々しい肌の輝きに見入っている。
無邪気にぴちぴちとした足許だった。
真っ白なハイソックスが真っ赤になってしまうくらい、吸いすぎてしまったときもあった。
そのふくらはぎが、いま見違えるほど大人びた風情を帯びて。
黒のストッキングのなか、素肌を妖しく滲ませていた。
なよなよとした柔らかいナイロン・ストッキングは。
いつものハイソックス脚とおなじあしらいをしたら。
他愛なく、すぐに破けてしまうだろう。
男は縛りつけられたまま直立した少女の足許に、まるで王女さまに接吻するようにうやうやしく、唇を吸いつけてゆく・・・

誰にも、見えないんだよね?わたしたちのしてること。
失血のせいだろうか。
少女の声色は、放心したようにうつろになりかけていた。
あぁ、見えやせんさ。
たんねんに、くまなく唇をすりつけていったふくらはぎから、
黒のストッキングはオブラアトみたいに他愛なく噛み剥がれてゆく。
胸元に撥ねた血は、黒い生地にまぎれて目だたなかったけれど。
むざんに凌辱された足許は、どきりとするほどのコントラストだった。
こうなることを予期して、鞄のなかにはちゃんと履き替えを忍ばせていたのだが。
履き替えたあとも、もういちど。噛ませてあげようか?
少女がいつになく、優しいのは。
遠く転居してゆく彼女にとって、きょうが彼との別れの日だったから。


あれからなん年、経ったかしら。
二十年ほども経っただなんて。とても実感できなかった。
齢よりずっと若く見えるのは。
まだ彼の挿し入れてきた牙に含まれた妖しい毒液が、まだ彼女の皮膚の下にひそんで、妖しく息づいているせいなのだろうか?
あれから、彼の影をずっと追いかけて。
永く、独身をつづけていて。
それでも、いまの夫にめぐり合って。
ごくありきたりだったけれど、幸せな結婚生活を十なん年も過ごしている。
おなじ街に戻ってきても。
街並みがいつか、ちがう場所と見間違えるほどに変わってしまうように。
彼の姿はもう、さくらの周囲にしのぶことはできなかった。
娘ももう、大きくなっている。
さくらとおなじ、黒のセーラー服を着て。
いまどきは少し珍しくなった白のハイソックスを履いて。
お気に入りの制服姿を見せびらかすように、無邪気に背筋をピンと伸ばして、学校に通っている。
けれども娘が、ショートカットの髪形を変えて。
肩先まで髪を長く伸ばすようになって。
鞄のなかに黒のストッキングをひそかに忍ばせるようになった、と知ったとき。
さくらもまた、昔のように髪を伸ばし始めている。

「あら、ママったら。地味ねぇ」
娘は生意気にも、母親の外出着にけちをつけている。
「ブラックフォーマルだなんて。まるでおそうしきみたい」
あなたの制服の色に合わせたのよ。
母親のほうも、負けていなかった。
ひざ丈のスカートからのぞくふくらはぎは、肉づきのいいふくらはぎがにょっきりとのぞいていて。
むっちりと豊かな脚線は、淡い光沢を帯びた黒のストッキングにいっそう輪郭をきわだたせている。
「きれい・・・」
娘は母の脚線に、いつになく息を呑んでいる。
わたしも履いてっていいかな?黒のストッキング。
わざわざ断るまでもなく、だれに言われるでもなかったのに脚に通していた。
薄墨色の薄い靴下に包まれた少女のつま先は、母親ほどの濃艶な色香は帯びないまでも。
冷えたフローリングに映えて、いままでとはまるで別人のようななまめかしさを含んでいる。
「あらぁ。お似合いじゃないの」
さくらもまんざらでもなさそうに、娘の足許に目線を吸いつけていた。
「比べっこしてみようかしら。ほら」
と、スカートの下をさらけ出すように。
まだまだか細い娘の脚と並べようとした。
「もう、ママったら!」
娘が照れたように身を翻すと。
さくらはフフッ・・・と、得意げに鼻を鳴らした。
女学生姿の娘をまえに、まるで自分も娘の昔に戻ったように。

寄って行くんでしょう?
え?ショウちゃん家(ち)で、二次会やるのよ。
でもそれって、夜からでしょう?
たたみかけるように訊いてくる母親に、娘は観念したように口をとざした。
体育館の裏手、でしょう?
どうして知っているの?
娘の部屋から出されるくずかごの中、ふだんは入念にくるめられた紙袋が、いつになく口を開いていて。
なかから薄い靴下の切れ端が覗いていたのを、さくらはなんども目にしていた。
ふたりはいつか、人もまばらになった校門を背にしている。
なにもかも察しているらしい夫は、
仕事があるから・・・と、妻に耳打ちをして。
晩ご飯は、いらないよ。お祝いは明日にしようね。
念を押すようにそう告げて、さりげなくその場を立ち去っている。

体育館の裏手は昔と変わりなく、人影ひとつ見当たらなかった。
こっちでしょ?
だれも知らないはずの、生垣のむこうに。
桜の老木はあのころとおなじように、爛漫の桜を戴いていた。
きれいねぇ。
あれ以来。とうとういちども目にすることのなかった、桜の老木に。
さくらは眩しそうに、目を細めた。
背後から声がして、娘がびくっと振り向いた。
「おや、お母さんまで、連れてきたのかい?わたしが喉をからからにしていたのを、ご賢察のようだね」
懐かしい声だった。
あのころと同じような、人のわるい言い草が。胸の奥にじわりとなにかを滲ませる。
さくらはゆっくりと、振り返る。
黒衣の男はあのときとおなじように、こわばった頬を蒼ざめさせて佇んでいた。
一瞬。すべての刻が停まり、ふたりのあいだの空気が停まった。
娘はなにか言おうとしたが、言葉を忘れて見つめ合うふたりのなかに割り込むのをはばかるように、とうとう口を開かなかった。

年の順だね・・・?
向かい合わせに、縛りつけられて。
競うように並んだひざ丈のスカートを、じゅんじゅんにたくし上げられていって。
かわるがわる、黒のストッキングに包まれた脛を。
なぶられるように、吸われてゆく。
慕いよってくる唇の熱さが、女たちを酔わせはじめていた。
母の首筋にも。娘のうなじにも。
ひとしくつけられた、紅い痕。
理性を奪わせるほどに啜られた血潮は、いま吸血鬼の胸の奥を焦げるほど燃え立たせているにちがいない。
血を抜かれたあとの、心地よい虚脱感と。
熱っぽい誘惑にわが身をさらす、陶酔と。
着衣を通して食い込んでくる、きつい縄目の束縛感と。
せめぎ合う欲情は、いつかしつようにからみ合っている。

正直におっしゃい。ほんとうは、娘のほうが魅力的なんでしょう?
ガマンなさらなくっても、いいのよ。もっとあの子の血を吸ってあげて。
いやいや、熟女の血も、好みでね。
やらしいわ。
娘さんと、差をつけようとしたね。インポートもののストッキングを履いて来るなんて。
あら、ヘンなことまで、詳しいじゃない。
きみのパンストも、初々しくて素敵だね。たっぷりいじらせてもらうよ。
あらっ、いやらしい。こんなに破くなんて。
いい眺めねぇ。母さんのときは、もっと破いていただいたのよ。
それからさいごにね。
あの生垣の向こう・・・まだ畑のままなのね。
きょうはあなたひとりで・・・あちらのほうに、連れて行っていただきなさい。
きっと、いいことがあるから・・・

お母さんはそこで、娘さんの嫁入りを眺めているんだよ。
もちろん貴女のお愉しみも、とっておくからね。
吸血鬼は、まるで悪ガキのように、イタズラっぽく微笑んで。
まず娘のほうだけ縄をほどいて、生垣の裏へと引き込んでゆく。
お父さん、どこでご覧になっているのかしら。
さくらは夫の意図を、とうに見抜いていた。
しつようにセクハラされた脚を、軽くすくめながら。
悪い子だった昔のころみたいに。
くすっ、とイタズラっぽく、笑っている。
見逃しちゃ、ダメよ。これからいちばんいいトコなんだから。


あとがき
こんなに長く描くつもりは、なかったのですが・・・(^^ゞ
とても愉しく、描いてしまいました。^^
えっ?まん中が抜けていますって?
いちばんおいしいところは、あとに取っておくものなのですよ。
卒業式のお母さんと、おんなじかな? ^^

遅ればせながらの再あっぷ情報(2007.2.22)(^^ゞ

2007年02月24日(Sat) 13:09:17

「服を引き裂く女」(2006.1.28「吸血幻想」掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-861.html
「浮気女房の生態」(2005.12.28「吸血幻想」掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-862.html
「えっちな吸血」(2005.12.29「吸血幻想」掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-863.html
「ショーツを引き裂いて(2005.12.29「吸血幻想」掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-864.html
21・22日の両日にわたりましてあっぷしたのは、過去ブログ「吸血幻想」の再アップ分でございます。
ここんとこ忙しくて、新作を考える余裕がございませぬ。
よって、消えてしまった旧ブログのお話などをお目汚しまでとご披露いたしました。
かいせつもろくすっぽつけなくて、すみませぬ。^^;

夜の同伴者

2007年02月20日(Tue) 07:53:35

車窓を通してほのかに灯りを滲ませているのは。
マンションの五階にある自宅。
あの明るい窓の向こう側。灯りの下には。
夫がくつろぎ、息子や娘がはしゃいでいる。
それだというのに。
わたしはなぜ、こんな暗くて狭い空間で。
悩ましく熱っぽい吐息をつきつづけているのだろう。
押し倒された助手席のシートのうえ。
のしかかってくるのは、軽い体重の持ち主だった。

悪戯坊主と呼び名された、息子の友だち。
はじめて襲われたのは、晩ご飯に戻ってこない息子を呼びに行ったときのことだった。
背丈の届かないその子は、わたしを座らせるなり、脚に咬みついてきた。
肌色のストッキングが破けて、ちりちりとした伝線がスカートの奥にまで忍び込んだとき。
わたしはくらっとなって、じゅうたんの上にまろび臥していた。
ようやく首に咬みつけるね。
その子は嬉しそうにはしゃいだ声をたてると、
まるでリンゴをかじるように、むぞうさに。
うなじをがりり・・・と噛んできた。
夢中に酔わされてしまった、電灯の下。
半開きのドアの向こう側にいた息子はいつの間にか洋間に入り込んできて。
恥ずかしそうに、にまにまと笑いながら。
服を脱がされてしまったわたしを、見おろしていた。

マンションのエレベーターが、ぐうぅーんと鈍い音を立てる。
高層ビルでもないのに耳がきぃんとなるのは、失血のせいだろうか。
それともまだ体の奥に疼くもののせいだろうか。
おかえりなさい。おかえり・・・
扉をひらくと。
のどかな声が、明るい居間から届けられてくる。
夫は息子や娘を連れて、玄関まで迎えにきてくれた。

お疲れさん。顔色よくないね。
夫が悪戯っぽく、にやにや笑いをする。
ちょっと、がんばり過ぎたのかな、ですって。
もぅ。
照れ隠しに口を尖らせると。
母さん、ストッキング、破けてるよ。
息子がからかうように、見あげてくる。

後ろからくっついてきた息子の悪い友だちは。
母親を犯されている少年や、妻を寝取られている亭主のようすを、
それは面白そうに窺っていたけれど。
も少し、母さん借りるね。きみの部屋でも、いいだろう?
ボク、きみのお母さんを自由にできるんだよ。
見てても、いいかい?
いいとも。
お父さんには、ナイショだぜ?
わかってるって。
聞えないようにね。ばれないようにね。
夫はわざとおどけたそぶりで、そっぽを向いている。

悪い子たちね。でも足りなかったら、お姉さんが相手しようか?
娘は年上の余裕たっぷりに、弟たちを優しくにらむ。
男の子たちはウフフ・・・と、人のわるい微笑を交し合いながら。
帰りに必ず寄るから。お部屋で待っててね。黒のストッキング履いて。
いつも学校に履いていくやつでいいから。
うなずき合う三つの黒髪が、灯りの下で妖しく輝いている。


あとがき
同年代の子に、自分の母親を自由にされるのは。
どんな気分のものなのでしょうか。
おなじ高さの目線のものが、絶対的な存在をわがものにしてゆくことは。
対等なはずの幼馴染みが”主”と映るようになるのでしょうか。
それとも案外、母との距離を近めるのでしょうか。

姦の輪

2007年02月20日(Tue) 07:35:54

おや、奥さんお出かけなんですか?もうこんなに遅いのに。
深夜とつぜんに訪いをいれてきたSくんは。
わざとらしく、奥の部屋まで覗くそぶりをした。
子どもたちも、もう寝ているのだよ。
わたしの言葉にハッと我にかえったようになって。
かれらしくない無遠慮な非礼に、へどもどと詫びを口にしている。
どうしたんだい?今夜は、きみらしくないな。
わたしがあえて、おうようにかまえると。
かれはくず折れるように、ソファに腰かけて。
なにかをふり払うように、整えた髪の毛をくしゃくしゃにまさぐった。

長いものですよねぇ。時間が経つのって。
そうかね?
どのような相槌をすればよいのか。戸惑いながら。
なにを抑えかねているのか、それとなくうながしている。
しばらくは軽い酩酊を覚ますように天井をふり仰いでいたかれだったが。
やがて思い切ったように、口を切った。
うちでね。洋子のやつが、犯されているのですよ・・・
そうか。やっぱりね。
ご存知だったのですか?
あぁ、なんとなく、だけれどね。
そうですか。
かれはしばらく、口ごもっていたけれど。やがて思い切ったようにまた口を開いた。
あなたは、平気なのですか?奥さんが吸血鬼に犯されているのに。
若い子は、ことばを知らないというけれど。
それはあるていど、しかたのないことなのだろう。
語彙の問題だけでなく。気遣いを生み出す経験が、乏しすぎるのだから。

ご覧。
わたしは紙と、一本の鉛筆とを手にとって、かれの視線をテーブルのうえに移してゆく。
きみのところにくるやつは、どんな好みがあるんだね?
緑のスカートを、穿かせるんです。
あぁ。なるほどね。
わたしは緑、と紙に書き込んだ。
ストッキングが破れたまま、外出先から戻ってくるのだね?
ええ。
髪の毛は、こう、後ろにきっちり束ねて出て行って。それをほどいて戻ってくるだろう?
ええ。
わざとこれ見よがしに彼を家に呼んだり、
スカートの裏地が濡れているのが見えるようにイスの背もたれにかけておいたりするだろう?
ええ。・・・どうしてそれを、ご存知なんですか?
ふふっ。
わたしが笑みを浮かべることができるのは。・・・そう。経験のせい。

恥ずかしがりやのやつと。見せつけたがるやつがいるらしくてね。
ほら、見てご覧。
わたしは手にした鉛筆で、丸を三つ、描いている。
そうして上から順々に指差しながら。
だれとはいわない。いちばん上が、きみ。つぎのが、わたし。
その下が、隣のご主人。そう思ってくれたまえ。
いちいち名前なんか、書かないのだよ。お互いの名誉のためにもね。
A、と書いて。「これが、恥ずかしがりや」
B、と書いて。「これは、見せつけたがりや」
わかるね?と促すと。少年のような肯きがかえってくる。

Aのところから引いた線を、まっすぐいちばん下の丸印に結びつけた。
わざと、ぐいっと。力を込めて。
かれは、ハッとしたようだった。
お隣の奥さんは、かれの妹だった。
ここにはふたり、女のひとが住んでいるね?
ええ。
矢印で結んだ大きな丸印のなか。わたしは小さな×印をふたつ、書き入れている。
そして、矢印をふたつ。
一本引いた直線を、ふたつの×印に食い込むように、書き込んだ。
どういう意味か、わかるね?

加虐というべきか。被虐というべきか。
ちょっと蒼ざめたかれの頬を愉しむように。
わたしはつぎつぎと、線を広げてゆく。
無数に書き連ねた丸印が、Aから発する矢印に捉えられていった。
丸印のなかに二つ三つ書き入れた×印に、矢印の先端が突き刺さるとき。
かれはなにを、想ったことだろう?
さてと、それから。
わたしはちょっと、深く短いため息をついて。
こんどはBから、かれの丸印へ。
そのうえBから、わたしのところへ。
ぐいっと思い切りよく、線を引いている。
無言のままに。
かれの丸印のなかに書き入れたふたつの×に、矢印の先端を食い込ませる。
そして、わたしの丸印のなか書き入れたみっつの×にも。
おなじ血を、好むようだね。彼ら。
同居していると、手近なのかなって想っていました。
互いの笑みに含めた憐憫は、だれに向けたものだったのだろう。

こういう関係を、なんて呼べばいいのだろうね。
ふたまたに分かれた、2本の矢印。
行き先はかれのところと、わたしのところ。
互いの妻を、おなじ男に犯されている。
二軒の家を、行きつ戻りつをくり返しながら。
きのうは、わたしのところ。
きょうは、かれのところ。
それぞれの妻を、盗み出すようにして。
血を啜り、われを忘れさせて。
いちばんおいしいところを、たっぷりと。
啖らいとってゆく。
彼との関係は、兄弟というのだよ。
ひとりの女を共有する関係。
その女とは、ほかならぬ最愛の妻。
では、きみとわたしの関係はどうなるのだろうね?
かれはちょっとの間、考えていたが。
いい言葉が、思いつかなかったのだろう。
濃い関係・・・ですね。
ひと言だけ、相槌を打ってきた。

きみのところは、真っ最中なのかね?
えぇ、家を出るときに、押し倒されていましたから。
ゾクゾク、しただろう?
さとられたら、カッコ悪すぎます。
そんなことはないさ。それとなく気づいてもらったほうがいい。
彼のためにも。きみの奥さんのためにも・・・ね。
軽い微苦笑が、かれの頬を染めている。
どうやら血の気が、もどったようだ。
すこし、元気になったかな?
若いひとはね。いつも生き生きとしてなきゃ、いけないのだよ。
奥さんも、生き生きとしているだろう?
なにしろ若い血を、折々啜られなければならないのだから・・・ね。

女房のやつ。
きみの奥さんを食べるまえの、オードブルか食前酒だったのだろうよ。
あいつ、お宅には車で乗りつけてきたのだろう?
真っ黒のセダン。
そう。おっしゃるとおりなんですよ。
人の気も知らないで、家の直ぐ後ろに、停めたんですよ。
あそこは空き地になっているから。
だれが来ているのか、ご近所からまる見えになるんです。
よかったじゃないか。
きみたち夫婦が、愛されている証拠だよ。
ついでにいうとね。
うちの女房も、じつはさらされているんだ。
あからさまに見るやつは、ほとんどいないだろうけど。
みんな遠目に、見ているのさ。
黒のセダンの車内では助手席のシートが押し倒されていて。
女房のやつ、眠りこけているんだから。
そうだよ。もちろん。服を乱したまま・・・ね。


あとがき
まわりくどいお話になっちゃいましたね。^^;
あのひとと、あのひとが。
アイツと、彼女が。
相姦関係の絆は、いくつもの妖しい弧を描いて。
幾重にも連なる輪へと、発展するのでしょうか。
輪が「和」につながるのが、この村の特異な傾向のようです。

娘の卒業式

2007年02月19日(Mon) 08:16:58

時間に遅れるわよ。早くね。
いつも甲高く響く、妻の声。
きょうはいちだんと、息せき切っているように聞えるのは。
ふだんとちがう日だから。
着込んだばかりの紫のワンピース姿は、きりりと引き締まって、
ばっちりと化粧を刷いた顔だちには、
いつもとちがった凛とした緊張感を漂わせている。
そう。
今日は娘の、卒業式。

はぁい。まだだいじょうぶだって。
制服に着替えた娘は、母親をたしなめるように苦笑している。
いつのまにか、大人びていた娘。
気がついたときには。
目線はもう、対等の大人の女の色を帯び始めていた。
この日のために用意したらしい、真新しい純白のタイが、父親の目にも眩しい。
濃紺のプリーツスカートの下からのぞいた白い脛は。
いつもの白のハイソックスではなく、
薄墨色をした黒のストッキングのなかで、ほのかな輝きを滲ませている。
大人の色。
それがいつか、無邪気なばかりだった少女を染めようとしていた。

晴れていてよかったわね。
妻はホッとしたように、青く澄み渡った空を見あげている。
雨だと、足許が汚れるから。
お出かけのときに、ブーツを履くことはめったにない。
匂いがつくでしょ?失礼ですから・・・
意味の通りにくい言い訳をつぶやきながら、
きょうも脚に通すのは、黒のパンプス。
いつもより、かかとの高いやつだった。
そういえば。
鈍い光沢をにじませた、紫のワンピースも。
てかてかと光るパンプスも。
この日のために、買い揃えたもの。
一日買い物に付き合わされた・・・といいながら。
彼女はわたしの好みを、じゅうぶんにとり入れてくれた。
なにしろそれは・・・たいせつな日に彼女を彩る晴れ着なのだから。

門を出ると、出会いがしらに、お隣のご家族といっしょになった。
「おはよう、さやかちゃん」
「あら、みどりちゃん、いいわね。パンスト履いてるの?」
お隣のさやかちゃんは、差をつけられたなって顔をして。
悪戯っぽく、娘の顔を盗み見るようににらんでいる。
えっ?似合う?
娘は黒ストッキングの脚をみせびらかすようにして、
ストラップシューズのなか、白く透ける足の甲をじぶんでも眩しそうに見つめていた。
「おめでとう」「おめでとうございます」
めったに顔をあわせない父親どうしも、挨拶を交わしている。
御覧になりましたか?家内の足許。
隣のご主人は、目で促している。
奥さんの穿いているのは、濃紺のストッキング。
派手でしょう?けれどもね。アレのつぎの日の朝には、必ず脚に通すことになっているようですよ。
ウフフ。
たくまぬ含み笑い。すこし、失礼だったかな?
けれどもつぎには、私が妻の脚へと目線を促している。
御覧ください。黒ですよ。
どういうことか、おわかりですよね?
帰りはちょっと、寄り道をします。
明日の朝には、奥さんとおなじ色のストッキングを穿いていることでしょうな。
今度含み笑いを返すのは、向こうのご主人の番だった。

卒業式に涙も笑いもあるのは、いつの時代も変わらないものらしい。
ようやく散りかけた人ごみから、名残惜しげに身を離すと。
娘はさかしらな顔になって、わたしを見あげてこういった。
だいじな儀式が、あるんだよね?
きらきらと輝く、てらいのない瞳を、知らず知らず避けるように受け流して。
家庭教師の先生にも、お礼を言いに行かなくちゃな。
わたしは第二の目的地に、妻と娘を伴ってゆく。
お父さんは、これからお仕事なんでしょ?
ああ、だから玄関先で失礼するよ。
なにもかも分かっているのよ。
娘は目でそう告げながら、それでもしおらしく微笑んでいる。
ちょっぴり悪戯っぽく、小首を傾げて。

では私たちは、此処で・・・
妻はちょっと気遣わしげに、私のほうへとまなざしを送る。
ああ、先生によろしくね。
はい。
いつになく従順に、頭を垂れる妻。
先生の家の玄関にむかって身を翻すとき。
照りつける暖かい陽射しをうけて、ふくらはぎを包む薄手のナイロンが、なまめかしいてかりを滲ませた。
むっちりと肉のついた脛を彩る、妖艶な靴下は。
すんなり伸びた少女の足許を染める質素な通学用の黒ストッキングと、好一対をなしている。

あっ、はぁ・・・うううん・・・っ
ふすまの向こうから洩れる、うめき声。
ほかの者には決して聞き分けることは出来ないのだろうけれど。
ひくく震える声の主はあきらかに、妻だった。
タイミングをずらしてお邪魔をした、先生宅。
娘はじゅうたんの上、制服に包まれた伸びやかな体を長々と伸ばしていて。
介抱するために抱き上げたなよなよとした肢体は、ぞくりとする重さを秘めている。
黒のストッキングが、伝線している。
納得ずくで、噛ませたのだろう。
ふくらはぎの肉づきのいちばん良いあたりに、ぽっちりとふたつ。
綺麗に並んでつけられた、吸血の痕。
お嬢さんは処女のまま、しばらくとっておきますよ。
一見まじめで小心そうな先生は、蒼白い頬に妖しい翳りを滲ませながら、そう告げていたが。
約束どおり。娘の身持ちはたしかなようだった。
でも、かわりに奥さんを。
求められるままに。
かけがえのないものを、謝礼として譲り与えてしまっている。

ベッドのうえ、真新しいワンピース姿が、舞うように乱れてゆく。
はだけた濃い紫の着衣から、うわぐすりのような艶を帯びた白い肌が見え隠れしている。
たくし上げられたワンピースのすそからは。
娘どうよう剥ぎ堕とされた黒のストッキングが。
ひざ上のあたりまで、ずり下ろされている。
やるなぁ。先生。
なぜか同類として、賞賛を送ってしまっているわたし。
もう家庭教師と教え娘という関係が解消になるのなら。
これからお目にかかるには。
奥様の愛人として・・・しか、ございませんな。
喜んで、迎え入れますよ。
震える声で、いけないことを口走ってしまったのは。
妻と娘が享けた傷痕を。いちはやくわたしがつけられてしまったせいなのか。
わたしは首筋に浮いた痕にそっと手をあてがって。
じんじんと響くような疼きを秘める痕を、軽く撫でつける。
手にしているのは、出掛けに妻から渡されたメモ。
さらさらと思い切りのよい走り書きには、こう綴られてあった。

晴れの日に 貞淑妻も 卒業ね♪


あとがき
祥子様の「淑やかな川柳」に出品した句から、こんなお話を作ってみました。
http://syoukobekkann.blog92.fc2.com/blog-entry-22.html
相変わらず、歪んでいますね。^^

襟元

2007年02月18日(Sun) 15:35:29

あら。どうしたの?
小枝子は大きな瞳を挑発的に輝かせて、じいっと窺うようにオレのことを見つめている。
彼女の襟元に滲むのは、赤黒い痕。
それは夕べオレがつけたものだった。
初めて、彼女の生き血を吸って。
処女であることを、確かめて。
引きずり込むように押し倒した褥のうえ。
犯していた。
親友の彼女と知りながら。

秘めておきたいことなのに。
目ざめたオレのまえ、現れた小枝子が着ている青一色のワンピースは。
わざわざ選んだかのように、胸ぐりが深くて。
ふつうなら決して覗くはずのない部位につけた傷口を、ありありと露出させていた。
いいじゃないの。
小枝子はそれでも、瞳をきらきらさせていて。
貴方に愛された、証なんだもの。
このまま街に出て、いっしょに歩いてちょうだい。
そうしたらだれもがみんな、あたしが貴方の女になったんだなって、わかるから。
行き先はもちろん、彼の家♪
わかっているわね・・・?

小枝子はウキウキと、足許をはずませて。
かかとの高い靴を履いて、わざとのように足音を響かせている。
足許を彩るストッキングは、ぴちっと鮮やかな伝線を走らせていて。
女が夕べ、連れの男にどんな目に遭わされたのか、なによりも雄弁に語っている。
そこまでしなくとも。
いいのよ、いいの。あなた、自分のしたこと、恥ずかしくないでしょう?誇れるでしょう?
彼のまえでも・・・ぜひそうしてもらいたいのよ。
この女に初めて穴を開けたのは、オレなんだって。
自慢してやってほしいのよ。

なんて女だ。
内心の苦りをかかえながら。
オレはまるで、自分がさらし物になっているような心地がして。
早く目的地に着かないかと思いはじめた。
しかし、しかし・・・
目的地で待っているのは、彼女の許婚。
そして、なによりもオレの親友。
どこにも、逃げ場はない。
逃げも隠れもできない。
捨て身になった女は、とっくにみずからの退路を絶っている。

家についた。
聞きなれたインターホンの音が、これほど忌まわしく響いたことはない。
あわただしく開かれた玄関から出てきたのは、親友のイクオだった。
きっと誰かが早くも彼女とオレが腕を組んで歩いているのを目撃して、
おせっかいにも注進したのだろう。
ヤツがオレを見るなり、オレの視界からすべてが消えた。
がつん!
これ以上はないというくらい重たい鉄拳が、オレを数メートルもすっ飛ばした。

冷たい木枯らしに包まれている気配に目ざめると。
オレはまだ、ヤツの家の門前に大の字になったままだった。
道行く人が嘲るように振り返り、知らん顔をして立ち去ってゆく。
ちく生・・・などと。いえた身分ではなかった。
小枝子の姿は、どこにもなかった。
堅く閉ざされた玄関の向こうに、首尾よく迎え入れられたのだろうか。
そこではどんな愁嘆場が、くり広げられているのだろうか。
こんなにあと味のよくない朝は、生まれて初めてだった。
もちろん、親友の女に手を出したことも・・・

夜。
携帯がぶるぶると、音も立てずに身震いをした。
番号は・・・イクオのものだった。
挨拶抜きだった。
来いよ。
ぶすっとした声色は、故意に感情を隠している。
なにも、逆らえない。
ヤツがいちばん大切にしていたものを、オレは傷つけてしまったのだから。
手酷く殴られてよかった。心からそう思った。
まだひりひりと顔面を覆う痛みが、まだしも罪悪感を減殺している。
取るものも、とりあえず。
オレはひとり、夜道を出かけていった。

人通りの絶えた街頭で。
オレはふたたび、ヤツの家のインターホンを鳴らす。
軽い違和感を覚えた。
音が鳴らなかったのだ。
電源が、落ちているのだろうか?
ちょっと訝ると、やがて音を忍ばせて玄関が開かれて。
そこにいたのは、イクオの母親だった。
しょっちゅう行き来をしていたから。
イクオの母親のことは、よく知っている。
血を吸う種族だと知りながら。
遊びにいくといつも気さくにほほ笑んで、お茶を淹れてくれたものだが。
さすがにきょうというきょうは、別人を見るような目でオレを見、顔をこわばらせている。
カラン。
施錠されていない門をひらく、かすかな音。
どうぞ。庭に回ってください。
その声さえも、極端にトーンを落としている。
首を打ち落とされれれば、永遠といわれた生命も尽きるはず。
オレはふと、そんなことさえ思っている。

庭はシンと静まり返っていた。
誰も、いないのかと思った。
リンドウの木陰に、女の影がたたずんでいるのに気がつくまでに、だいぶ時間がかかった。
なにか言おうとする俺の口許を、影の主は手で覆って制していた。
甘い息遣いは、小枝子のものだった。
裸になるのよ。
感情を消した女の声は、いきなり命令口調。
どうにでもなれ、と。オレは腹をくくって、いわれるままに服を脱ぎ捨てた。
寝て。
女はねだるように、オレに強いている。
そうじゃない。こうよ。
地べたに仰向けになって、大の字になったオレのうえに。
小枝子がのしかかってくる。
着けているスカートをそよがせて、奥まであらわにすると。
むき出しのオレの腰にすり寄った彼女の脚は、太ももまでのストッキングに区切られているらしい。
すべては、闇のなかの出来事だった。

自然の帰結。
知らず知らず逆立ってきたオレのものを、くわえ込むようにして。
熱を帯びて潤んだ小枝子の陰部が、根元まで覆っている。
はぁ。はぁ。
ひぃ。ふぅ。
女はわざとのように、息を荒げて。
オレの上でじぶんから、上下動を繰り返し始めている。
どういうことなのだ?いったい、なにがあったというのだ?
オレの問いに応えるように。
女は耳もとに口を寄せてきて、
見ないでちょうだい。
そう、囁いてくる。
見るな、と言われれば。しぜんと目を転じてしまうものだろう。
ぴったり鎖されているはずの雨戸が、わずかに開いていて。
そのすき間から覗く目の輝きを、オレは確認していた。
獣なみに発達したオレの本能は、目線の主さえ特定している。
ヤツが・・・?
訊かないで。
女の声は、いつしか濡れを帯びている。
はぁ。はぁ。
ふっ。ひぅ。
わずかな月影が、庭先をさすころ。
小枝子は蒼白く瞳を輝かせて。
白い吐息を、焔のようにゆらめかせて。
ひたすら、オレとのまぐわいに耽っている。

呼んだら・・・必ず来るのよ。
あたしは彼に嫁いで、彼の妻として貴方に犯される。
それがあたしと・・・彼の願い。
いいわね?約束よ。
帰りには・・・お義母さんにも逢ってあげて。
見たでしょう?
犯される女の眼をしていたでしょう?
誰にもこんなに好かれて・・・憎たらしいひと。
女の指がオレの頬を、あとがのこるほど手酷くつねりつづけている。


あとがき
なんだかひどく、風変わりな話に仕上がりました。
親友の婚約者を襲い犯してしまうという。
それも、処女を奪ってしまうという。
もののはずみ・・・とはいえない過ち。
取り返しのつかない事態を迎えたとき。
女はみずからそれをあらわにし、
男はそうした女を終生受け入れると誓ったようです。
奇怪な結論はそのまま、もの狂おしい闇に溶けて、
これらの男女を魔性の淵に引きずりこんでいったのでしょうか。

♪リンク更新情報♪

2007年02月18日(Sun) 09:33:52

「淑やかな彩」でおなじみの祥子様が、新しいブログを立ち上げられました。
「淑やかな川柳」
http://syoukobekkann.blog92.fc2.com/
皆様から投句を受け付けて、それに祥子様がコメントを添えられるという形式です。
広く投句を募集されるとのこと、どうぞ皆様もふるってご参加くださいませ。^^
祥子様お手製の返歌を頂戴できるかも♪

悪鬼様の「SM川柳」が現在休止状態となり、(;_;)
そのせいでもないのですが、「詩歌」のカテゴリはいまだにゼロ行進が続いています。(^_^;)
一念発起して、川柳の勉強でもはじめますか・・・(^^)

再あっぷ情報(紹介しそびれ分です。^^;)

2007年02月18日(Sun) 07:56:40

紹介しそびれました。(^^ゞ
「かえり道」(05.8.28掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-847.html
公園で吸血鬼に襲われた少女。
そのとき現れたクラスメイトの取った、意外な行動とは?

主人公のユリは、別のお話で、兄とその許婚であるべつのクラスメイトと妖しい関係を演じています。
(「幻覚」http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-441.html
この月のおわり頃掲載された「夏の終わり」では、若代ちゃんという少女がやはりおなじ公園らしいところで襲われています。
(「夏の終わり(05.8.31掲載)」http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-177.html
ベンチに腰かけているところを・・・っていうのは、今だにけっこう”萌え”だったりします。^^
いけない趣味、ですね。
この若代ちゃん、もしかすると~というかたぶん間違いなく~「かえり道」の最後に噂されている少女と同一人物です。
>「若代ちゃん、よく履いているよねぇ」
>「こんど連れてきちゃおうか」
罪のない会話ですよね?^^
おなじ日に描かれた「新学期」では、こんどはその若代さんが、クラスメイトに吸血鬼の存在を信じさせてしまおうとしていたりして、
祥子さんがいわれた「連歌」ではありませんが、妖しい連環がどんどんつづいていくんですね。^^

娘交換

2007年02月18日(Sun) 07:26:11

吸血鬼の夫婦がふた組、隣同士に棲んでいた。
たがいに、年頃の娘をもっていた。
娘たちはふつうの人間として育ち、仲良く連れだっておなじ女学校に通っていた。
やがて、娘たちの血を吸わねばならないときがきた。
じぶんの娘に牙をたてるのはしのびないと、親たちはお互いの娘を交換することにした。
娘には、よく言い含めて。
学校帰りに、互いの家に立ち寄らせることにした。
娘たちは聞き分けよく、親たちのいうなりにすると約束した。

やあ、ゆかりちゃん。いらっしゃい。
お邪魔します。おじさま、おばさま。
おや、さと子ちゃん。早いお帰りだね。
お待たせしたら、いけないと思って。
娘たちは軽い含み笑いさえ浮かべながら、紺色の制服のスカートをそよがせて、玄関の敷居をまたいでゆく。
どこからでも・・・どうぞ。
うつむきがちに、なりながら。
娘たちはお行儀よく、ソファに腰かける。
親どもは、いまごろじぶんの娘がどうしているかと気遣いながら。
それでも欲望にはさからえずに、
たがいに顔を見合わせながら、隣家の娘に近づいていった。

わたしは、首筋からいただくわ。
あなたは・・・そうね。
脚からにしてちょうだい。
互いの娘は、決して犯さない約束になっていたから。
妻たちはおのおの、自分の夫にそういいきかせて。
夫たちは、白のハイソックスに包まれたふくらはぎに、
片方の家では、ハイソックスをずり下ろして。
もう片方では、ハイソックスのうえから。
飢えた唇を吸いつけていった。
少女たちは、つま先立ちになっている。
ひと足はやく、おばさまたちがうなじに咬みついていたから。
父親たちは、つま先立ちになった足の甲を、じゅうたんの上に抑えつけて。
いつまでもいとおしむように、撫でさすっている。
キュッと引きつったふくらはぎの肉に秘められた昂ぶりを、ありありと感じながら。

娘たちの家庭訪問は、週にいちどと、決められた。
つぎの週も。そのまたつぎの週も。
娘たちは、互いの家を訪問しあった。
いつもにこやかに、ちょっぴり恥らいながら。
親友の親たちを相手に、うら若い血を恵みつづけていった。
あるときのこと。
ふたりは連れだって、親たちを勉強部屋に招いた。
あのね。お話があるんです。
三つ編みに結わえたおさげを肩先に揺らしながら。
娘たちはほんのりと、恥じらいながら。
あなたから・・・
いえ、あなたから。
ちょっとのあいだ、譲り合ったすえ。
片方の娘が思い切ったように、口をひらいた。
ほんとうのお父様やお母様のお相手をしたいんです。
生んでくれて、育ててくれて。
こんなに美味しい血を宿すようになったこの体を。
どうか体感していただきたいんです。

親たちは、しばし顔を見合わせていたけれど。
娘たちの優しい言葉に、目をうるませて。
やがて誰からともなく、じつの娘のほうへと寄り添っていって。
その身を支えるようにいたわりながら。
たがいにべつべつの部屋へと、わかれていった。
母さんの血の味と、よく似ているね。
いいえ、貴方の血と、そっくりだわ。
戯れに似たいさかいを、口々に交わしながら。
制服ごしに挿し入れられてくる牙に。
娘たちはうっとりとなって、柔らかな素肌をさらしている。
隣人にもてなすときよりも、ずっと安らかにほほ笑みながら。
手加減しながら差し入れられてくる牙に、幸せそうに頷いていた。
彼氏を見つけるときは。
きれいなお母様や、妹さんがいるひとにするわね。
少女たちは、ふふふ・・・と、イタズラッぽく笑みを洩らして。
いたわるように滲まされる牙を、心地よげに受け入れてゆく。

カップリング

2007年02月18日(Sun) 07:15:23

吸血鬼が男を襲うとき。
ほんとうの目当ては、彼らの妻や、母親や、娘だったりするという。

夜明けにはまだ刻がありそうだった。
その若い男と、年配の男とは。
よろめくようにして。手を取り合って。
墓地の通用口に間近かな、一軒の家を目ざしていた。
かすかな灯りのともる家は、墓守りの家。
目ざめた屍鬼たちを迎えるため。
墓守りの妻は、ひとり正装に身を整えて。
冴えた目をして、待ち受けているという。

薄い靴下を履いた男の脚が。廊下をかすかに、きしませる。
障子の向こうから、かすかなうめき声が洩れるのを耳にすると。
やはり・・・な。
声にならない呟きを漂わせて。
そのまま、妻の寝室を素通りしてゆく。
屍鬼が、よみがえる夜。
心優しい墓守りは。
ひと刻彼らの飢えた欲望に、最愛の妻をゆだねるという。

お気が済まれましたか?
しずかな声色は、乱れた息を気ぶりにさえ交えずに。
ひっそりとした目線とともに、男たちにねぎらいを与えている。
恐れ入りました。
いま目のまえで着衣を乱している、かわるがわる犯した人妻に。
男どもは、鄭重に頭を垂れた。
お招きしてありますのよ。
なんのことだろう?
音もなく開かれたふすまの向こうには。くろぐろとした闇が広がっていたが。
闇に解けていたふたつの影が、にわかに動きをあらわにして。
顔を見合わせる男たちのまえ、うずくまるように。
さっき男たちがみせたのとおなじくらい鄭重な礼をおくってきた。

ああ。
そのせつは・・・
男どもが慇懃に挨拶をかえしたのは。
それぞれのまえにうずくまる影たちが。
かれらの血を一滴あまさず吸い尽くしたものだと察したからだ。
私どもの血は、お役にたちましたかな?
年配の男のほうが。唇に、笑みさえ含んで。慇懃に尋ねている。
働き盛りの血と。
ひとりが、つぶやくと。
まだまだ、若々しい血。
もうひとりが、それに和した。
ぞんぶんに、たんのうさせていただいた。
男たちは、ふたたび鄭重に、頭を垂れている。
もう、お察しのことと思うが。
ほんとうの目当ては・・・ね。
男たちは、ちょっとだけ顔を見合わせて。
それでも。わかっていますよ・・・というように。
苦笑をもって報いている。
おわかりのようですな。そう。ほんとうのお目当ては、ご婦人がただったのですよ。
若いほうを、指差して。
あなたのお母上と、妹ご。
年配のほうに、笑みかけて。
あなたのご妻女と、ご令嬢。
ご令嬢・・・という言葉に。あっ・・・とうめいたのは。
意外にも。若いほうの男だった。
春に、祝言を挙げることになっているのです。
そうですか。
影は、息ひとつ乱さずに。
おめでとう。
ひと言そういって、青年を祝福した。

どこまで・・・すすまれたのでしょう?
いちばん気になっていたことを、おそるおそる訊ねる青年に。
だいじょうぶ。処女はまだ、きみのためにとってあるよ。
青年の前の影が、親しげにつぶやいた。
親しさのなかに、感じられるのは。
彼とおなじ血をその身に宿すものを。
ふたりも牙にかけたからなのだろう。
母ごも、妹ごも。たいそう美味であった。
あぁ・・・
青年は、さっき洩らしたのと、負けず劣らず深い吐息を洩らしている。

あの・・・妻は。ふつつかではありませんでしたでしょうか。
失礼。奥様だけは。ご主人になり代わって。
さいごまで、遂げてしまったのですよ。
奥様は、ご立派に振舞われました。
ああ・・・
妻の貞操が喪われたことを告げられて。
男は白髪まじりのじぶんの髪をつかんで、一瞬悶えるように天を仰いだ。
ご立派に振舞われました。
どういう態度をもって、ご立派というのであろうか。
気丈に耐えたのか。放恣に乱れ果てたのか。
あらぬ憶測が脳裏によぎり、飛び交った。
けれどもさすがに年配らしく。
すぐに、落ち着きを取り戻して。
そちらのほうも・・・愉しんでいただけましたか?
かえって穏やかに。妻を犯したものの感興を求めていた。
あなたに、似合いのカップルだとお褒めいただけるのを・・・楽しみにお待ちしていたのですよ。
思い切り扇情的な応えを。
男はすでに、余裕たっぷりに受け入れている。

母娘ながら。かわるがわる、むさぼられて。
闇のなか。密やかな音をたてて啜られた、ふた色の血。
おなじ香りを、熱情のこもった血潮に秘めて。
さいしょのうちは、母は娘を守ろうとし、娘は母をかばおうとした。
けれどもやがて。
なにかが女たちを目ざめさせると。
こんどはちがう情熱が、互いに先を争わせていた。
さいごには。
これからは、大人の時間ですよ。
母親たちは、年頃の娘たちに、言い含めるようにして。
吸血鬼とふたり、寝所に姿を消したという。

お嬢様がたの純潔を・・・あきらめる気にはなれません。
影どもは、むざんな宣告を青年にくだしている。
妹も、婚約者までも。
べつべつの吸血鬼に、ふたりながら処女を奪われてしまう。
忌まわしい運命に。
けれども青年の唇に浮いたかすかな笑みは、すでに妖しささえよぎらせている。
わたしのために、取っておかれた・・・というのは。
つまり、そういうことなのですね?
犯すことが、許されぬなら。
せめて、いちぶしじゅうを見届けるほうが、良いと思わないかね?
花嫁の処女喪失シーンなど・・・そうそうおがめるものではないからね。
うふふ・・・ふふ。
含み笑いを交し合う異形の影が、四つ。
舅となる男は、未来の娘婿の肩を小突くようにして。
妻のところも、見届けたかったよ。
ゆがんだ口許に漂う笑みは、しんそこ羨ましそうだった。


あとがき
襲われた二組の母娘。
ひと組は、父親を。ひと組は、跡取り息子を。
まず、拉し去られたうえで。
思いを遂げに訪れた影たちのまえ、喪服の胸を開いていきました。
我が家でくり広げられたであろう、淫らな恋絵巻を。
目ざめた父親や花婿も、口々に祝福して、影たちと和解をします。
こんどは彼らが、ご近所の人妻や娘たちを狙う番でしょうか?

十二人斬り

2007年02月18日(Sun) 06:40:19

一夜に十二人の女の血を吸うと、吸血鬼の持つ魔力がいちだんと凄みを増すという。(真偽不明)

その夜パーティーに招かれたのは、十二組の夫婦。
思い思いに着飾った、年齢もとりどりのカップルで。
大広間は、人いきれでむせ返るほどだった。
スーツにワンピース、ブラックフォーマル。
結婚披露宴から抜け出してきたようなカクテルドレスの若妻は、新婚さんなのだろうか。
妻たちはいちように、色とりどりのストッキングで足許を染め、
夫たちも例外なく、スラックスの下に薄い靴下を履いていた。

あ・・・
ひと組めのカップルは。衆目の見つめるまえ。
暖炉間近のソファーに座ったまま。
覆いかぶさってくる黒い影に身をゆだねていた。
さいしょにご主人が、じぶんのスラックスのすそをひざまでたくし上げて。
女もののストッキングのように透けた長靴下に、脛をなまめかしく輝かせていた。
周囲に見せびらかすように、ぬるりとした光沢をよぎらせて。
圧しつけられた唇の下。
ぴちっと走る伝線に、ちょっぴり顔をしかめている。
お目当てだった奥さんは。年配ならではの気品を、オーラのように全身に滲ませて。
細いうなじをしゃんとさせて、夫の酔態を見守っていたけれど。
やがて自分の番が訪れると。
すすんで、おとがいを仰のけて。
ぁ・・・
妙なる声を、ひと声洩らして。
濃いねずみ色のストッキングに包まれた足首を、キュッと折り曲げた。

それからあとは、順々に。
○○ご夫妻、どうぞ。
△△家の奥方は、こちらへ。
招きを受けるたび。
夫婦で呼ばれたものは、身を寄り添わせあいながら。
独りだけ招きを受けた夫人は、謝罪するように夫に一礼して。
重く閉ざされた扉の奥へと消えてゆく。
ぁ・・・
・・・ぅぅぅ・・・っ
洩れるともなく洩れてくるうめき声に。
順番を待つ一同や。独り待ちを強いられた夫たちは。
ほのかに妖しい熱情を、たぎらせてゆく。

お宅は、なん番目でしたか?
四番目に、引き入れられちゃいました。(^^ゞ
そちらは・・・?
エエ、六番目。
あなたのとこは、まだのご様子ですね。
えぇ、じつはさいごなんですよ・・・
低い声でひかえめに交し合わされる、夫たちの会話。
手にしたくじを、もてあそぶようにしていたが。
紙片に記されているのは、書きなぐったような数字だけ。
忌まわしい儀式がなん番めに訪れるのか。
夫婦にとって重要な数字は、あえてぞんざいに走り書きされていた。
おや。だいぶ長いようですね。
えぇ。じつは今日が結婚記念日だったのですが。。。
そうだったんですか。それはおめでとう。
貞操喪失記念日にして差し上げたいと申し出られまして。・・・断り切れなかったのですよ。
ウフフ。それは一生の思い出になりますねぇ。
ええ・・・正直じんじんしています。^^;
ご一緒なされば、よろしかったのに。
いえ、それは。・・・
声を忍ばせたご主人は、扉の向こうから現れた白髪の執事に招かれるまま、自分もいそいそと扉の向こうに消えていく。

服を破られたり。高価な衣装に血を撥ねかされたり。
ほとんどの女たちが、身づくろいをしたあとはラフな服装に戻っているなかで。
ひと組、べつの衣裳に着飾っている夫婦がいる。
おや。まだ襲われていらっしゃらなかったのですか?
いえいえ。着替えもおしゃれに・・・と妻が言い張るものですから。
謎のような含み笑いを、目交ぜに隠している。

さいごの十二組めの夫婦の血で、喉をぞんぶんに潤した男は。
今宵さいごに餌食にしたご婦人を伴って、扉の向こうからふたたび姿を現した。
よほどのあつかいを受けたのだろうか。
人妻は夫と彼とに挟まれて、よろめきながらあらわれて。
肩で息をしながら、かろうじて身を支えている。
今宵は格別のご厚意を賜った。篤く御礼申し上げたい。
気品のある口調に、新たに得た精力をみなぎらせて。
一同をぐるりと、見回して。
着飾っていた夫婦に目を留めると。
そこのご夫婦だけは、此処で夜明けを迎えられたい。
ひと言そう告げて、散会を宣告した。

どうなったのかしら?あのご夫婦。
妻は首筋に疼く痕をやわらかくまさぐりながら、甘えた声で夫にたずねる。
おや、知らないのかい?
あのご夫婦が、十三組めになるのだよ。
十二組といいながら。ほんとうは十三組なのさ。
指名を受けた幸運なカップルは。
きょう一日・・・夫婦ながらいつくしまれるという。
うちも次回は・・・願ってみるかね?^^


あとがき
ひとりひとり。ひと組ひと組を。たいせつに味わうのも作法なら。
わざと大勢、十把一絡げに招き入れて。
ぞんざいに描いた数字で、運命を割り振って。
支配欲をぞんぶんに発揮させて、手荒な楽しみに狂うのも。
ひとつの作法・・・といわれています。
そうした打ち解けた会合に招かれるのは。
夫婦にとって、一種の栄誉とされていて。
招かれたカップルたちは、家族にも隣人にも告げずに、夜更け足音を忍ばせて、邸に向かうといわれています。

再あっぷ情報(07.2.17)

2007年02月17日(Sat) 07:37:03

再あっぷ情報です♪
「妻のご機嫌」(05.8.25掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-848.html
「妻の自室」(05.8.25掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-849.html
「留守宅の妻」(05.8.7~9掲載)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-850.html

・・・てなわけで。^^;
今回「大」不評であった「妻の自室」ほかは、じつは再あっぷだったのです。^^;
違和感なくお読みいただけたでしょうか?
それとも、作風?に若干違いが出ていましたでしょうか?
「留守宅の妻」に若干の後記を加えたので、むし返しなのがばれるなあと思い、同時に紹介させていただきます。(笑)

描きすぎました。^^;

2007年02月13日(Tue) 07:39:10

今朝のあっぷは、ことごとく。
「萌えことばあれこれ」というテーマの、随筆のようなものです。
「血」「衣裳」「ママ」「父親」「寝取られ」「姉妹」「婚約者」「人妻」などなど、
柏木ワールドになくてはならないさまざまな言葉たちについて、思うこと感じることをつづってみたのですが。
うっかり長くなりすぎました。
お好みの部分だけでも、御覧になって下さいませ。(^_^;)

萌えことばあれこれ ~人妻~

2007年02月13日(Tue) 07:37:02

あるかたのところを読んでいてふと思ったのですが。
人妻、というキーワードは、それ自体ひとつの”装置”だと思うのです。
人の妻。決して手を出すことを許されないという、禁忌を秘めた存在。
禁忌というものはどうしてこうも、蜜のような誘惑を漂わせるのでしょうか?^^
かるがると服を脱ぎ、ベッドのうえで裸になる。
そういう女には昂ぶらないという男性は、いまの若い人のあいだでも決して珍しくはありません。
秘められるから。禁じられるから。罪の意識や恥じらいゆえに。
男は昂ぶりという魔法にかけられてしまうのかもしれません。

密通、という行為には。
裏切りの側面がつきまといます。
それがやはり毒液のような蜜と化する場合もすくなくないのですが。
柏木ワールドで展開される婚外婚では。
しばしば夫の同意のもとに、それがおこなわれます。
最愛の妻の貞操を捧げるという行為が、夫の愉悦をさえ伴うのです。
昂ぶる夫のまえ。情夫のまえ。
貞潔を堕としめられてゆく女たち。
さいしょの発想は。
同意なき凌辱や、裏切り行為としての不倫には私じしんが萌えなかったから。
ところが。
配偶者による認知、というプロセスを経ることで。
行為はいっそうの妖しさを増してしまったようです。
”人妻”について描くべきことは、もっとたくさんあるはずなのですが。
そろそろお時間が、迫ってきたようでございます。^^;

萌えことばあれこれ ~婚約者~

2007年02月13日(Tue) 07:30:45

純潔といえば。
もうひとり、いましたね。処女の生き血を提供できる存在が。
そう。
恋人や婚約者です。
姉妹のように、おなじ血・・・というわけにはまいりませんが。^^
通常のばあい、実の姉や妹が自分の配偶者にもなるというケースはまれ(なはず)ですから。
未来の花嫁が果たす役割は、大きいです。

彼女たちはたいがいのばあい。
少女以上熟女未満、という年代にいます。
柏木ワールドでは、多くの場合、もちろん処女♪
彼女たちの血は、気前よく?吸血鬼に分かたれます。
”家に入るもの”という古いしきたりをもった村の場合。
因習
という、妖しくマガマガしいものが。未来の花嫁を縛ります。
そう。
祝言を挙げるまえの、通過儀礼として。
家に巣食う吸血鬼に血を与え、純潔を試されなければならないのです。
姑となる女性とともに、吸血鬼の邸の門をくぐる許婚たち。
それを見送る、未来の花婿たち。
いずれ妻となった彼女たちを送り出すようになる、事前練習として。
わななく胸を抑えかねながら、着飾った後ろ姿を見送る羽目になります。

未来の花嫁が喪うものは、処女の生き血ばかりではありません。
しばしば純潔そのものが、狙われる対象となってしまいます。
家によって。
嫁として迎え入れられてから貞操を侵奪されるばあいと。
処女をすら譲り渡すことを余儀なくされてしまうばあいと。
ふた通り、あるようですが。
吸血鬼との親密度が増すにつれ、花嫁の純潔は危うくなるようです。
婚約者の純潔を、他者に捧げてしまう。
現実には、考えられませんよね。そんなこと。
こんな世迷言をほざいている柏木ですら、
じぶんで犯すほうがずっといいって思っていますから。^^
それでいながらこんなストーリーにも魅かれてしまうのは。
どういうわけなのか、いまだに”謎”です。(笑)
しいていえば。
いちどしかない貴重な体験という、かけがえのないものを。彼女もろとも捧げてしまう。
たいせつなものを捧げること自体への萌え、でしょうか。
あるいは。
「視る」ということが、それほどまでに。
直接の行為以上に、男を惹きつけてやまないものがあるのでしょうか。
謎が謎を呼びそうなので、このあたりにしておきます。^^;

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-339.html

萌えことばあれこれ ~姉妹~

2007年02月13日(Tue) 07:18:54

「柏木さんには、お姉さんがいらっしゃるでしょ?」
あるファンのかたから、そんなメッセージをいただいたことがあります。
リアル柏木の家族構成は、あえてナイショにしておきますが。
その方がそう思われたのは、
登場する女学生が、小さな男の子が見あげる年上の女性という雰囲気を持っている。
といったあたりが根拠だったようです。
ここに登場する女学生って、わりと古風ですよね。
昔ながらの女学生も、いるところにはいがいにいたりするようですが。
少数派であることは、まぬかれません。
非常に残念なことではありますが。

柏木ワールドにおける姉や妹は、たいがいの場合。
吸血鬼と仲良くなった男の子が、お姉さんや妹の血まで吸わせてしまう。
という形で登場します。
年齢が近いぶん、距離感は母親よりも間近です。
血の性格、という意味では。
両親の血を享けている・・・ということで。
まったくおなじ血をもっている、といえます。
ボクの血だけでは、足りなくなってしまったとき。
もっとも優良なスペアが、姉妹の血でもあるのです。
そして、なによりも。
彼女たちは、母親の提供できない重要な要素を備えています。
処女であること、です。
処女のまま提供できる・・・ということは。
純潔な血を尊ぶ吸血鬼にとっては、こたえられない魅力でしょう。
仲良しのボクとおなじ香りを秘めた、おいしい生き血なのですから。
血を吸うばかりではなく。純潔をもイタダイてしまうことで。
彼女たちの未来まで支配してしまうことも、しばしばあるようです。
よほど愛してしまった場合、なのでしょうけれど。
(あるいは、よほど血が不足しているときだったりして・・・ ^^;)

親に対する利害関係という意味でも、近い位置にあります。
さきに姉妹を紹介してしまった場合などは。
ママの血も、吸わせてあげようよ。
そんな大胆な計画でも、いちばん頼もしい協力者になります。
母親と同性、ですから。
女として、母親の目論見を察知していたりします。
(未亡人で無意識に男の影を追っていたり・・・みたいな)
そんなわけで。
時には未来の花婿までも巻き込んで。
お話はどこまでも、広がっていってしまったりもいたします。
おーいっ。^^;

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-653.html

萌えことばあれこれ ~母親寝取られと妻寝取られ~

2007年02月13日(Tue) 07:02:45

母親寝取られ、という用語があるそうです。
通常母親との間に性行為が介在することは稀なので(^^)、ちょっと不思議な言葉なのですが。
そうとしかいいようのないゆがんだ感情がこの世に存在することも、否定できません。
ママが犯されている想像に昂ぶりを覚えるときと。
妻が弄ばれるという想像に昂ぶりを覚えるときと。
本質的に、どれほどの差があるでしょうか。
肌を接するほどに身近な女性が、理性ある日常から転落して。
ただの娼婦どうぜんに、狂わされてゆく。
”落差の美学”というべきものが、そこに感じられます。
ヒロインが母親であれ妻であれ。
禁忌を伴う行為が、一種の解放感、超越感を伴う愉悦とともに眼前に展開する。
そういう意味では、似通ったものが感じられます。

じっさいの”寝取られ”は、夫婦の性行為を他者に禁じられたり、とか。
パートナーの女性の辱めかたが、あまりにもコアだったりとか。
柏木ワールドのようなやわな世界ではなかったりもしますので。
いちがいにどうこうということは、とてもいえなかったりするのですが・・・

萌えことばあれこれ ~父親の存在~

2007年02月13日(Tue) 06:55:18

柏木ワールドでは、どちらかというと父親は脇役的な存在です。
ある意味、当然なことではあるのですが。(笑)
彼らが登場するのは、多くは一連の行為を追認する存在として・・・だったりします。
かわいそうなお父さんですが。^^
不義密通のたぐいが、父親の権威で許され認められて。
そうすることで、初めておおっぴらに愉しまれることになるようです。
伝統的に支配されている一家だったりすると。
父親じしんが、主導的な役割をもっていて。
妻や娘、息子の許婚にいたるまで。
順ぐりに、整然と。支配者の欲求に饗してゆきます。
それはそれで、怖すぎる権威ですが。^^;

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-263.html

萌え言葉あれこれ ~ママ~

2007年02月13日(Tue) 06:50:43

母親という存在は、男の子にとってはもっとも身近な異性。
それも、オトナの異性。
男の子の多くが、彼女の振る舞いで「女性」に対する認識を形作っていきます。
そういう意味で。あるいは妻以上に重大な存在だったりします。

ママを犯される想像って、奇妙にそそられます。^^
意外に多くの男の子が。
そうした想像で、己を昂ぶらせていたりします。
ふつうの母親にとって。
息子がそんな想像をたくましくしているなど・・・おぞましいかぎりなのでしょうけれど。
このての、ほんらい口にすることもできないくらい、とても恥ずかしい妄想は。
決して憎悪から生まれるものとばかりは、かぎりません。
それはしばしば、深い情愛の裏返しだったりもするのです。

彼らが想像するママは、多くの場合。
父母面談や、結婚式みたいに改まった場に出るときのように。
きちんと着飾っていたりします。
着飾ったママが、衣裳を乱されて・・・というのがいいみたいです(他人事のように・・・^^;)
折り目正しい日常との、きわだった落差がそこにあります。
下着がしばしば、特別視されるのは。
それを直接目にする機会が、きっとすくないからなのでしょう。
隠されているものが、さらけ出される。
そのことだけで。特別な情況を想定することができますから。
特別な刻 というものには。
ある種の開放感が、つきまとうことがあります。
禁忌が禁忌でなくなる刻  なのですから・・・

ママが脚に通しているストッキングは。
しばしば、絶好の餌食?にされてしまいます。
男の子が履くということが、まず考えられない。
大人の女性固有の衣裳。
それはまちがいなく、”大人の女性”そのものともいうべき、シンボル的な存在なのです。
ブラやパンティとちがって。
生地の薄さ、透けかげんも、見逃しがたい要素です。
白い肌を滲ませるなまめかしさも、そうですが。
女性の衣類のなかでいちばんもろくて、しばしば他愛なく破けてしまいます。
上品なのに、脆い。
これは、そそられますね。無条件に。^^
いまこうして見ると。
脆い
という字は。
肉づきに、危ない、って描くんですね。
文字どおり。アブナイ字です。^^;
なよなよと頼りない女の衣裳が、ちりちりと裂け目を広げてゆく。
破れ、というものは隙につながります。
隙なく装われたはずの大人の衣裳に秘められたすき間。
伝線とおなじくらいの鋭さを、秘めています。^^
母親が身につけた大人の理性。
しばしば子どもを厳しく縛る、そうしたいましめが、いっきに乱される。
・・・・・・特別な刻には、開放感がつきまとう。
さっき、そう描きました。

ママが犯される想像に萌える男の子には、ふた通りあるようです。
ひとつは、自分もいっしょになってヤりたい、というもの。
もうひとつは、影からこっそりと覗いてみたい、というもの。
後者はなかなか、あやういです。^^
他者に母親を支配されてしまう。
そうした欲求を、感じさせます。

母親からの支配から脱却したい。
そうした欲求とは、裏腹なものの存在も、あるようです。
じぶんのすべてでさえある存在を、支配されてしまう。
それは自分自身が支配されることへの、欲求につながるからです。
ときにそれは、渇望にちかいはげしさを秘めています。
おじさん、吸血鬼になってよ。
なついている大人の男性に。
父親の代役をねがう息子たち。
実の父親に支配されることは決してがえんじることのないはずの彼らが。
しばしば他人の男性の支配下に、嬉々としておかれてゆきます。
ママの体内をめぐる血は、ボクの血とおなじもの。
ともどもに嘉されてしまうことで。
別な種類の解放感を味わうのかもしれません。

萌え言葉あれこれ ~素肌と着衣~

2007年02月13日(Tue) 06:29:25

着衣の絵。
それもやや着乱れているほどのそれは、全裸の絵よりも風情を伴うように感じます。
下品でロコツなポーズを取ったものよりは。
まだしも、ただの着衣画像のほうが萌えを覚えます。
柏木独特の感覚なのかもしれませんが。
世の男性のなかには、婦人服のつうはんの画像に萌えるかたがたすら、少なからず存在するのです。
つうはんの画像が小さくなって、ディテールがわかりにくくなったことと、相関関係があるのでしょうか。ないのでしょうか。

素肌に、じかに・・・
ということは。
恋人同士、夫婦のあいだでのみ許されるはずの行ない。
それをあえて許す。ということは。
許された接近の度合いを示すもの。
そこまでは、どこの世界でも常識です。
プレイ(と呼ぶべきなのか・・・?)が、しばしば着衣のまま行われるのは。
まずひとつには。
素肌を許してはならない。
そうした禁忌があるから。
そしてもうひとつには。
着衣そのものを愉しませてしまう。
むしろこちらのほうが、禁忌そのものかも。(笑)

着衣はたいがい、清楚で礼節を感じさせるもの。
身にまとう衣裳が上品であればあるほど、相手への礼節を示します。
襲われる相手に対して、礼節もないでしょう、ですって?
いえいえ。あるのですよ。深いでしょ?^^
堕とすのが貴婦人であればあるほど、男は萌えたりしますから。
女もまた、貴婦人として装って、みだらに堕とされてゆくのですよ。

未亡人が、喪服姿で。女学生が制服姿のまま。襲われるのは。
己の立場をわきまえた上で・・・という意味もこめられています。
全裸で乱れ狂ってしまうより。
身分や立場を意識しつづけながら犯される、ということのほうが。
より濃厚なものをかきたてられます。

夫に操を立てなければならないのに。
勉学に励み清楚に身を保たなければならないのに。
正装のまま、襲われてしまうのです。
衣裳を堕とされる、という行為は。
身分を堕とされる。忘れさせられる。
そんな側面を伴うようです。

衣裳を汚されたり破られたりすることは。
女性にとっては、血を吸われる以上に屈辱を伴うはずなのですが。
あえてそれを許す、ということで。
相手への、格別の好意を示すことをも意味します。
きりっとした衣裳を乱されることで。
みずから娼婦に堕ちることを、無言の裡に告げながら。
あえてそうすることは、相手が特別な存在だから。
だからこそ。
ブラウスにほとぶ血潮がしみ込むほど。
ストッキングの裂け目がひろがるほど。
女たちは、愛されている。
女たちも、愛している。
そういう関係を裏づけるのでしょうか。

萌えことばあれこれ ~血~

2007年02月13日(Tue) 06:17:49

いろいろと変わったモチーフの頻出する柏木ワールド。
言葉の裏に秘められた萌えのさまざまを思いつくまま綴ってみます。
まずは、”血”から。

~洗脳・支配の側面から~
血を吸い取られることで、理性や魂を奪われて。
心の奥底まで支配されて、洗脳されてしまう。
ドラキュラものでは、かなりオーソドックスなプロットです。
理性を喪った男女は、生命の源泉である己の血をすすんで与え、
婚約者や父親、夫の目を盗んでまで、彼との逢瀬を遂げようとします。
理性を奪われることで。
ほんらい屈辱や悲しみ、憤りを伴うはずの数々の”喪失”が。
淡い愉悦を秘めるようになってゆくのです。
日常から夢への、妖しい遊離。
ワールドのなかでは、必要不可欠な要素です。

~一体感・共有の側面から~
血を吸い取られる、ということは。
己の血を、吸い取るものと共有する行為。
 (行為、なのですね。あくまでも。
  たとえそれが、一方的に『されて」しまうことであっても。)
許容という要素、あるいは友愛という要素も認められると思います。

血は精力・生命力の象徴ですから。
それを与えることは、相手に恵みをほどこすことにもつながります。
人それぞれ違う血をその身に秘めている、というところからすると。
己自身の形質を、他者に与え共有することにもつながります。
男性の場合。
あいてが己の血を共有するのであれば。
彼が妻や婚約者、母親を襲ったとしても。
それは一部分、かれ自身が愛する女性を襲っていることを意味する場合もありそうです。
そうした不埒を、他者に”許してしまう”のは。
かれが秘めてしまった己自身ゆえにかもしれません。

異性のパートナーもろとも、血を吸われるときには。
吸血鬼の体内でふたりの血が交じり合うことで。
パートナーとの情愛がひとつの頂点に達します。

母親とか。血のつながった肉親ともども血を吸われるときには。
おなじ血をともにするものとならんで、ひとしく血を愉しまれてしまうことで。
かれに、”家”をも愛されてしまったことを意味するのかもしれません。
母親の血を吸って、娘の血をも求める。
たんなる”飢え”を満たしているだけでは、必ずしもなくて。
おなじ香りのする飲み物を欲する、という、ごく”自然な”欲求だったりするわけなのです。

いずれしても・・・”血”というものは。
たんなる物質であることを超えた妖しさを感じさせる、ミステリアスな液体のようです。

おさななじみ

2007年02月12日(Mon) 05:11:57

うらやましいな、きみんちは。
ボクもママのこと紹介して、ママの履いている肌色のストッキングを破ってもらおうかな。
庭先から覗き込んでいるのは、ボクの家のリビング・ルーム。
部屋のなかで、母さんと姉さんは、くすくすと、くすぐったそうに笑いながら。
かがみ込んでくる吸血鬼のおじさんのまえ。
黒のストッキングを履いたふくらはぎを、惜しげもなくさらけ出して。
飢えた唇を順ぐりに、吸いつけられちゃっている。
やだぁ。破けた・・・
ダメよ、大きな声出しちゃ。
つま先立ちをしている姉さんは、
足許をオトナっぽく彩る薄墨色の靴下に、かわるがわる脚を吸われながら。
ちりちり、めりめりと、薄黒いストッキングを噛み剥がれてしまっていた。

おさななじみの、澄夫くんは。
吸血鬼に襲われるボクの母さんと姉さんが、きゃっきゃとはしゃぎながら戯れるありさまを。
じいっと、食い入るように見つめながら。
ボクのママも、紹介したいな。
きみみたいに、いさぎよく。
思い切って、襲わせてみたいよね。
ふるえる声を、ひそめながら。
いつかそんなふうに、口走っている。

ハイソックスの女子学生が、ストッキングに履き替えるように。
ボクたちも、半ズボンから制服の黒のズボンになっていた。
おなじ高校に通うようになってからも。
澄夫くんとは、仲の良い間柄。
やあ。
大人しい彼は、照れくさそうにほほ笑んで。
しばらく、もじもじためらっていたけれど。
ほら。
握り締めているのは、肌色をした着衣の切れ端。
ぴんときたボクが、手を突き出して。彼の手からとりあげると。
はらりと長く、ひざのあたりまで延びている。
母さんのストッキング、とうとう破らせちゃった。
彼女ができたんだ。
夏にきいた、そんな告白よりも。
冷え冷えと澄んだ室内を揺らすいまの声色のほうが。
いっそう切に、響いてくる。

よかったね。おめでとう。ママ、嬉しそうだっただろ?
うん。それはもう。
お気に入りのブラウス、惜しげもなく濡らしちゃって。
脚ばたつかせて、はしゃぎきって。愉しんでたよ。
もっと早くに、紹介するんだったね。
パパにはナイショ、なんだよね?
ボクが声をひそめると。
そういうことになっているんだ。
意味深な返事が、かえってくる。

ひっそりと身を沈めたのは、澄夫くんの家の庭先。
いつものお礼に、覗かせてあげるから。
そんなお誘いに、一も二もなく舞い上がって。
深夜ボクを送り出してくれた母さんも姉さんも、苦笑いするばかり。
見ていたのね?ふたりとも。悪い子たちね。もぅ。
非難の声が、なぜか得意そうにはずんでいた。

きゃあっ。あぁ・・・
抑えたぶん、切なげにひびくかすれた声に。
澄夫くんはどきりと、首をもたげていた。
あぁ。もうやられちゃっている。
かさかさに乾いた澄夫くんの唇から洩れた声色は。
妖しい慄えを帯びている。
がさがさと、庭先の植え込みをかき分けて。
たどり着いた窓辺は、特等席。
ベッドのうえ、押さえつけられたワンピース姿は、
まぎれもない、澄夫くんのお母さん。
いつもながらのおしゃれな柄のワンピースには、
不似合いなくらいふしだらなしわが引きつっていて。
くしゃくしゃに乱されたワンピースは、スタイルのいい体にぴったりとくっついていて、
体の線をきわだたせている。
はぁ。はぁ。
もう、犯されちゃっているのだろう。
母さんのときも、あんなだった。
吸血鬼のおじさんは、身をすり寄せて、言い寄って。迫っていって。
荒々しく、組み敷いて。
小ぎれいな洋服を、くしゃくしゃにしていって。
ストッキングを、むしり取るように、引き裂いて。
ちりちりに引き剥かれたストッキングとおなじくらい、
ふしだらに堕としてしまうのだった。

見て。
澄夫くんのささやき声は。
ベッドの向こうのふすまの陰に向けられている。
ほら。細目にあいているだろ?
パパが覗いているんだよ。
とても、嬉しそうに。
ママが犯されているのを、じいっと見守っているんだ。
愉しいのかな。妻が犯されるのって。
こんどおじさんに、彼女のことを紹介してみるつもりなんだ。
きみもきっと、そうするんだろう?


あとがき
ちょっと尻切れトンボかな?
ママを紹介したおさななじみが、破られたストッキングを得意そうに見せびらかすのと。
ママが吸血鬼に逢うのを、パパもひそかに歓迎しているのと。
どちらも好みなプロットです。^^
若い女の生き血を欲しがる吸血鬼さんに、ママを襲わせるときは。
かならずパパの承諾ももらうようにしましょうね。^^

仲良くなると

2007年02月12日(Mon) 04:48:53

仲良くなると、何でも許せるもの。許しあえるもの。
そう、訓えてくれたのは。
母さんと、母さんのなじみの吸血鬼。
それでも、ふたりがなじみになったのは。
ボクがキューピッド役をつとめたから。
母さんを犯される日常に。ほんの少しだけ、鼻が高い。

えっ、こんどは誰をお望みなの?
声変わりしたボクは、すこしオトナになっていたから。
おじさんがなにを欲しがっているのか、とっくに察しをつけていたけれど。
ちょっぴり、からかってみたかったのと。
きちんと、申し入れてもらいたかったのと。
それで、わざと空とぼけてみたのだった。

知っているんだよ。
こんど狙っているのは、須美代ちゃんだろう?
須美代ちゃんは、ボクの婚約者。
お兄さんの澄夫くんは、ボクとは大の仲良しで。
半ズボンの少年のころ、いつもおじさんのお邸にお呼ばれをして。
ふたり並んで、まるで競争するみたいに、脚を伸ばして。
ハイソックスのふくらはぎを、イタズラしてもらったことがあったっけ。
母さんや姉さんが、黒のストッキングを破られているのを、いっしょに覗き見したときに。
いいなぁ、キミのうちは。
ボクのママも紹介して、いつも履いている肌色のストッキングを破ってもらおうかな。って。
うわ言みたいに、つぶやいていた。
おくてな澄夫くんがとうとうママを紹介したのは、高校を卒業するころだった。

うん?なぁに?
なにも知らない須美代ちゃんは、きょうもあどけなくほほ笑んで。
長い長いツインテールの黒髪を、ほっそり肩まで垂らしている。
きれいな髪だね、って。ほめてあげたら。
ううん・・・もぅ。そんなにはっきり言わないでよって。照れていた。
ほんのり染まった頬の赤さが、ボクの胸をざわざわと騒がせる。
どうしたの?
うん?
わずかな沈黙。
吸血鬼って、信じる?
ううん・・・まさか。ね。
いるんだよ。
本当・・・?
ボクも、血をあげているんだ。
えっ。
怯えたように、身を引くのがかわいくて。
逆にグッと、抱き寄せていた。
ブラウス越しに感じるぴちぴちとした素肌の下。
ゆったりとめぐっているうら若い血潮の気配まで、ありありと感じることができるようになっていた。

肩を抱いたまま。母さんの部屋に連れてゆくと。
お茶を出してくれたあと、すぐに引っ込んでしまった母さんは。
案の定、黒のストッキングを履いていて。
庭先からの侵入者に組み敷かれていて。
きっちりとスキなく装ったはずの喪服から。
白い肌を惜しげもなく、あらわにさらけ出していて。
おまけに、ぬめぬめ、ぬめりと、べろまで這わされちゃっている。
いやらしいね。
いやらしい・・・だろ?
予期しない相槌に戸惑いながら。
ハイソックスじゃ、子どもっぽいよね。
見おろしたチェック柄のプリーツスカートの下、白のハイソックスが足許をキュッと締めつけている。

須美代ちゃん、まだ処女なんだよ。
おじさんのために、とってあるんだよ。
かんたんな挑発に、おじさんはもっとかんたんに、目をくらませている。
早く、早く・・・
もう、あさましいくらい、ねだられちゃった。
わかってるって。
でもちゃんと、申し込んでくれるよね。
たいせつな、ボクのフィアンセなんだから。
うちにとっては、跡取り息子の未来の花嫁なんだから。
ああ、ああ。もちろんだ。礼は尽くすとも。最大級に。
仲良くなるとね。キミのすべてが、欲しくなってしまうのだよ。
キミのフィアンセが素肌に秘める処女の生き血を、
すみからすみまで、味わい尽くしてしまいたいのだ。
いけないおじさんを、キミは許してくれるかな?
ボクはうふふ・・・と笑って。
そお?須美代ちゃんの兄さんや母さんも、毒牙にかけたんだろう?
おいしかった?
そう、おいしいんだ。でもね。お嬢ちゃんのことは、手にかけないでいたのだよ。
ほかならぬ・・・キミのパートナーだと知っていたから。
だからきちんと、あいさつをして。
キミから譲り受けようと、思っていたのだよ。
心積もりは、ボクもおなじ。
須美代ちゃんの処女の生き血をすすらせるのに、おじさんほどの適任者はいなかったから。

しばらく興じたのは、須美代ちゃんの家族の話題。
あいつ、とっても幸せものだね。
えっ、澄夫の彼女、もうモノにしちゃったの?
すごいね。スカート乱して、大変だったの?
処女だったって?シーツが真っ赤に、濡れたって?
あいつも昂奮、してたんだって?すごい・・・
いつの間にか。こんどはボクが、おじさんのペースに巻き込まれている。

さいしょが、だいじですよね?
ボクの肩を小突いて。イタズラッぽく、小首をかしげて。
人がわるそうな笑みを、ニッと浮かべる。
ハイソックスの高校を卒業した数年後。
須美代ちゃんは、なりたて看護婦の白衣を脱いで。
身にまとっているのは、いかにも妙齢のお嬢さんっぽい、白一色のスーツ姿。
ねぇ、これくらい薄い靴下だったら。
吸血鬼さんもご満足かな?
病院に履いていく白のストッキングは、
ナースストッキングとは思えないくらいツヤツヤとした輝きを帯びていて。
このごろよほどなまめいてきたふくらはぎの輪郭を、ドキッとするほどきわだたせている。
おいしそう。もったいない。
母さんの喪服姿をモノにされたときも。
姉さんの制服の下を、イタズラされたときも。
おなじくらいゾクゾクと、昂ぶってしまったものだった。

静まり返った、畳部屋。
おじさんは、須美代ちゃんと差し向かいになっていて。
須美代ちゃんは座布団のまえ、白ストッキングの脚を見せびらかすように流している。
きゃっ。
ふすま越しに、たったひと声。
細目に開いたふすまの向こうで、さっそくうなじを噛まれちゃっている。
キュッとねじ曲がった白ストッキングの足首に。
深いひきつれを走らせながら。

あっ、やだ。だめぇ・・・
くすぐったそうに洩らされる、抑えた笑みが。
ふすまの向こうから、しみ込んでくる。
あっ、ダメ・・・ボクのフィアンセを。
心のなかで。おなじように、拒むボク。
むざむざ彼女の血を吸わせちゃうなんて。
ズキズキはずむ胸の奥にまでしみ込んでくる、毒液のような誘惑は。
きっと、須美代ちゃんの柔らかな乳房の下をも侵しているはず。
いや、いや、いやよ・・・だめだったら。
ふすまの向こう、形ばかりの抗いをみせる須美代ちゃんは。
ボクの心の叫びとおなじ声色を洩らしながら。
おなじように心を妖しく染めてゆく。

くすぐったそうに笑いこけた声が、にわかにぐらりと傾いて。
ころころと笑いながら、畳のうえにまろび伏している。
彼氏はもう、お帰りかね。
エエ、お帰りよ。
嘘だ。ボクは、ここにいる。
けれども、フィアンセに悪いからって。
隠れて遂げる、初めての交わり。
そういう趣向にするからね。きみは黙って、覗いているのだよ。
決して声を立てちゃ、いけないよ。
彼女をモノにしようという前の晩。
おじさんはにんまりとしながら、ボクの頭を撫でんばかりにして、囁いていた。

うふふ・・・ふふふ・・・
さそい合い、応え合う。声と声。
タイトスカートを、はしたなくまくりあげられて。
透明なストッキングに包んだ太ももを、惜しげもなく目線にさらして。
舌にゆだねて。
三足めのストッキングは、ボクの控える向こう側。
まえのふたりに負けず劣らず・・・
ふしだらに、ちりちりに、堕とされてゆく・・・
おいしいかい?
いつでも、イタズラにおいでよ。
うちの女のひとの履いているストッキング。
たっぷり愉しませてあげるから。
少年のころの誘い文句は、そのままオトナ同士の誘惑になっていた。

できの良いお坊ちゃん

2007年02月12日(Mon) 04:06:40

えっ、母さんの血だけじゃ足りないって?
ボクの血を吸っても、まだ要りようなんだって?
ウフフ。
知ってるんだからね。ボク・・・
ほんとうは、恵理ちゃんを襲いたいんだろ?
吸血鬼のおじさんは、エヘヘ・・・って。照れたように笑って。
いつの間に、そんなにカンがよくなったのかね?
ニヤニヤしながら、問いかけてくる。
仲良くなった、さいしょから。
母さんと恵理ちゃんのこと、狙ってたんだろ?
うんうん。
お二人の足許に、つい・・・目がいってしまうのだよ。
ふたりとも、とてもセクシーな黒のストッキング履いているからね。
恵理ちゃんは、ボクより三つ年上のお姉さん。
毎日紺の制服を着て、女学校に通っている。
彼氏はいないの?ボクのませたからかいに、
もうっ!
かばんを振り上げておどすところなんか、まだまだ彼氏がいないのよって言っているみたいだった。
彼氏、ほしくない?いい人、知っているんだけどな。
ボクがからかうように、そういうと。
吸血鬼でしょう?姉さん知っているのよ。って。
いつになくおっかない顔をして、ボクをにらんだ。
母さんに、ことわった?仲良くしているんでしょう?
女のひとって、どうしてこんなにいろいろと詳しいんだろう。

いいじゃないの。まず母さんがお手本を見せてあげる。
おじさん、姉さんの血まで欲しがっているんだよ。
おそるおそる、そう切り出すと。
母さんは、思ったよりも度胸が据わっていて。
和服を着たほっそりとした上背を、しゃんと伸ばしていた。
え?いいの?母さん。
珍しく戸惑っている姉さんが、とてもかわいかった。
いつかは来ることですからね。早いうちにわかっておくのも、悪くないでしょう。
母さんはソツなくいそいそと、念入りに化粧をして。
おじさんが来る・・・という今夜の用意にかかっている。
あなたは、そうね。へたにお化粧なんてしないほうがいいわ。
生娘の肌は、隠しちゃいけないくらい輝いているものなんだから。
よどみなく語る母さんの横顔に。
恵理ちゃんはすんなりと、うなずいていた。

うふふふふふっ。
その夜遅く現れた吸血鬼のおじさんは。
人のわるい笑いをうかべて。
母さんと姉さんに。順ぐりに迫ってゆく。
ふたり、申し合わせたように脛を包んだ黒のストッキングのうえから。
ひざ丈のスカートを、ほんの少しめくりあげて。
青白く滲んだ母さんのひざ小僧と。恵理ちゃんの太ももと。
かわるがわる、唇を吸いつけてゆく。
ボクはもちろん、見ているだけ。
ほんとうは、見ちゃいけないって言われたんだけど。
姉さんのだいじな儀式なんだから、って。しつこくせがんで。
やっと、参列を許可してもらった。

黒のスカートのすそを抑えた母さんの手の甲を、スカートのうえからギュッと抑えて。
おじさんは、母さんのふくらはぎを、なぞるように舐めはじめる。
隣で息を詰めて見守る恵理ちゃんは。
生唾飲み込んだような、おっかない顔をして。
母さんの足許に這わされる、いけないイタズラのいちぶしじゅうを見届けていた。
制服のスカートの下に身に着けているのは、通学用の黒のストッキング。
母さんの履いているやつよりも、ずっとなよなよとしていて。頼りなさそうで。
それでいて、いつもの恵理ちゃんとは見ちがえるみたいに、なまめかしくって。
薄黒くひきたつ脚の輪郭を、侵すように噛みついてくるおじさんを。
メイワクそうに、見おろしていた。

うふっ。おいしそう。こたえられない・・・
ゾクゾク慄(ふる)える、ボクのまえ。
おじさんは、ちゅうちゅう、キュウキュウと音をたてて。
姉さんの血まで、吸い取っていく。
そうだよね。母さんの血も、ボクの血も。
おじさんの気に入りなんだもの。
姉さんが持っている処女の血が、口に合わないわけがないんだよね・・・
みんなみんな、おじさんに血を吸い取られてゆく。
おなじ血で、渇いた喉をうるおすために。