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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

血を吸う化石

2008年03月31日(Mon) 17:47:54

この化石はね。血を吸うのだよ。
初老の竹河教授は、白皙の頬に、謎めいた翳をよぎらせながら。
透明のルーペのなか、まるで昆虫の標本みたいに。
白い綿にくるまれた化石を取り出した。
蜘蛛のように、長い脚を四方八方に張り出したその化石は。
何万年とも知れない岩石の表面に。
いままで見たこともないほど、奇怪なフォルムを浮き彫りにしている。

これを、こうやって、首筋に貼りつけると・・・だね。
教授は、まるで面白い見世物を実演するみたいに。
自分の首筋に、化石をあてがっていったけれど。
もちろん化石が人の血を吸うはずもなく、ただひっそりと、鈍い光をたたえているばかりだった。
おや、おかしいな・・・?
神経質そうに、金縁のメガネをはずして、眉を寄せて化石をしげしげと覗き込む。
もう、けっこうですよ。先生。
こんど結婚する彼女を紹介するために立ち寄った研究室は、いままで以上に謎めいた雰囲気に満ち満ちていて。
こういうことに縁のない彼女が、いぶかしそうに居心地悪くしているのが、さっきからずっと気になっていたのだ。
早いところ、切り上げて。街のレストランにお食事に行こう・・・
そうもくろんでいたときに。
ためしにきみの首筋で、ためしてみようか?
教授はからかうような目つきをして、私とまともに視線を合わせた。
かつての指導教官と教え子の関係が、そうさせたものか。
私は仕方なしに、教授にされるままになった。
くらり・・・
とつぜんの眩暈に、身体は平衡を失って。
ひざから力が抜けて、どたりと音を立てて尻もちをついていた。
おぼろげになった視界の彼方。
恐怖に怯える彼女は、壁ぎわに追い詰められていって。
化石を首筋に這わされると、痛そうにキュッと眉をしかめて。
力まかせにぐいぐいと圧しつけられてゆくうちに。
やがて、表情をうっとりと和らげて、少しずつ姿勢を崩していった。

街のレストランに、お食事に行こう。
私たちは、言葉少なに駅につづく道を歩いていって。
いつものようにナイフとフォークをカチャカチャと鳴らしながら、
彼女の好物のパスタをほおばっていた。
こんどは誰、連れていく?
そうだね。キミは・・・?
ナオミちゃんとハルミちゃん、先生に逢わせるわ。
あのふたりもうじき結婚だから、処女のうちがいいものね。
じゃあボクは、妹のみどりを連れてくるね。
そうね。みどりさんも抱きこんでおいたほうがいいわね。

少し色落ちしたカラー写真に写っているのは、若いころの竹河教授と、その夫人。
夫人は化石を採りに行った山奥で病気になって、それきり寝たきりになって、いまでも山奥の村の病院にいるという。
教授は夫人を見舞いがてら、化石を採ってきて、研究をつづけているという。
いつもここまでは、たいがいの教え子に見せるのだよ。
教授の乾いた声に、私たちは無表情に頷いている。
隣に座っている彼女まで、まるで教授の教え娘になったように。
アルバムから研究論文にいたるまで、熱心に視線を落としている。
目許をかすかに、隈取るように。
蒼白いものが、よぎっていたが。
それが失血のせいなのか。べつのなにかにとり憑かれたためなのか。
それは私にも、わからない。
教授が持ち出した、べつのアルバムには。
やはり若いころの奥さんが、まるで南洋の奥地に探査に出かけるみたいなカーキ色の服装に身を包んでいて。
カーキ色のキュロットから覗くふくらはぎを、おなじ色のハイソックスをきりりと引き締めていた。
もう一枚、めくって御覧。
アップになっているのは、明らかに夫人と思われる女性の太もも。
その上に貼りついた化石は、かすかに朱を含んでいて。
明らかに・・・血を吸っていた。
家内はとりこに、なってしまったのだよ。
あの村にはまだいくつか、おなじ種類の化石が残っているらしい。
それを採掘して、培養するのが・・・どうやらわたしのライフワークになりそうなのだ。
こんどの探査には、彼女を連れてきてくれるね?
カーキ色のハイソックス、よく似合うと思うのだが。
それに、家内の治療にも・・・若いお嬢さんの生き血が必要なのだよ。
教授夫人は、ふだんは老いさらばえた木乃伊のようになっていて。
若い女を襲うとその夜だけ、かつてのあでやかな若さを取り戻すのだという。
干からびた木乃伊のような老女が、彼女にとり付いて。
若々しくぴちぴちとはずむ肢体から血潮を吸い取ってゆくありさまが。
理性を喪い狂った脳裏に、そそるような想像をひろげていった。
私はこともなげに、にこやかに笑いながら。
ご自由にどうぞ。ハイソックスでも、ストッキングでも。
こいつなら旨そうに、食い破っちゃいそうですね。
こちらにお邪魔するときには、彼女の血を培養液に使っていただきますよ。
傍らに座っている彼女は、私のキケンな申し出を、さえぎろうともしないで。
時おりけたけたと、はしたなく笑い崩れながら。
白のタイトスカートを、お行儀悪くたくし上げて。
化石をあてがうたび、その下で肌色のパンストがぱりぱりとはじけるのを。
ひどく愉しげに、見つめている。


あとがき
このサイトが始まってすぐのころ。
特撮ものに登場する吸血怪人のことを紹介しました。
いまでも、「怪人」のカテゴリのひとつとして残っています。
このお話はそのなかの、吸血三葉虫というのに、想を得ました。
化石のフォルムも意図的に変えましたし、ストーリーもだいぶ、かけ離れていますが。(笑)
テレビで放映されたやつは、囚われた教授夫人が、和服の襟足に三葉虫を這わされてもだえる・・・みたいなシーンがありまして。
あれ・・・ちょっと刺激が強かったような。^^ って。今でもたまに、思い出すんですね。

幼い友情

2008年03月31日(Mon) 17:44:30

暗い廊下のなか、美紗緒は独り立ったまま縛られている。
ひたひた・・・ひたひた・・・
足音が複数、こちらに近づいてくるのを耳にして。
彼はあきらめたように、目を閉じた。
やあ。
声かけてきたのは、初老の紳士。
無骨で飾りけのない顔だちに、いっぱいに親しみを滲ませていて。
少年はつい釣り込まれるように、こんちは、とだけあいさつをかえしていた。
美紗緒の血を、ぜんぶ吸い取ってしまうかもしれない唇は。
目のまえでおだやかに、笑みをたたえている。
こいつのこと、まだ怒っているかね?
初老の男は連れの少年の頭を荒っぽく撫でて。
力をこめて、引き寄せている。
ミチヤもね。きみに対して、悪気はなかったのだよ。
美紗緒と同じ年恰好のその少年とは、ついさっきまで、とても仲良くしていた。

いつも独りぼっちの美紗緒は、その日も公園で独り遊びをしていた。
夏には虫たちが。秋には木の実が、遊び相手になってくれたけれど。
木枯しの吹く寒い日には、それこそがらんどうになってしまっている公園だった。
ミチヤがひっそりと、傍らに佇んだのに。
しばらくのあいだは、気がつかなかったけれど。
おなじような淋しい横顔に、引きこまれるようにして。
ふたりはいつかうちとけて、いっしょに遊ぶようになっていた。
学校の帰り道、家に帰りたくなさに立ち寄るその公園が。
かれにとってはじめての、憩いの場になっていた。

めかけの子だって、いわれてるんだ。
何度目か、顔あわせたとき。
美紗緒はぽつりと、いちばん触れたくない話題を口にした。
みんなそういうふうに言って、ボクのことをさげすむんだ。
生まれた時からずっと、ママと二人暮らしだった。
パパはどこにいるの?って訊くたびに。
ママはちょっとさびしそうな顔をするので。
もう・・・訊くのをあきらめたころ。
病気が治らなくなったママは、
これからはパパといっしょに暮らせるんだよ。
やっぱりさびしそうな顔で、そういった。
ママと別れてパパと住むようになって。
見知らぬ年上のお兄さんやお姉さんたちは、どこかよそよそしくて。
パパまでが、ママのそばに行ってしまうと。
それまで黙りこくっていた、パパの奥さんにあたるひとは。
目に見えてつらく当たるようになっていた。

大変なんだな。
ぽつりと呟くミチヤの横顔に同情と共感をみとめて、
美紗緒がほっと胸をなでおろすと。
新しい友人に手を引かれるまま、
公園の隅っこにひっそりと佇む廃屋に、連れて行かれて。
遊ぼ。
誘われるままに、柱に縛りつけられていって。
ちょっとだけ、痛いけど・・・
かすれた低い声に頷くと、声の主は耳たぶのすぐ下に、つねるような痛みをもぐりこませてきた。

シャツが、べとべとになっている。
うなじにつけられた痕は、まだじんじんと疼いていて。
吸い取った血液に生気を取り戻した少年は、ハイソックスの脚にかじりつくようにして。
ねずみ色のハイソックスを、血のりでべとべとにしていった。
おいしいの?
目を見張って、訊ねると。
ミチヤは彼の目のまえで、指についた血をチュッと唇に含んで。
ごめんね。痛かっただろ?
いつもよりちょっぴり、大人びた顔つきをして。
仲間を連れてくるね。みんな、人の生き血を欲しがっているんだ。
そんな怖ろしいことを、口にした。

残念だなあ。
ミチヤといっしょに現れた初老の紳士のまえ。
美紗緒はしんそこ淋しそうに、つぶやいている。
せっかく仲良くなれたのに・・・もうお別れだなんて。
夏なったら虫捕りをして、遊びたかったな・・・
あちこちに、吸われた血を滲ませながら。
それでも囚われた少年の心は無垢なままだった。
わかっているよ。ボクが秘密をかかえて淋しいように。
きみもこんな淋しい秘密をかかえていたんだね?
人の生命を奪りたくって、しているわけじゃなくて。
ボクの血が、きみのことを生き延びさせていくんだね・・・?
きみに飲まれるんだったら、納得できるな。
少年はむしろ愉しそうに、微笑をたやさなかった。
ミチヤがとつぜん、縄をほどこうとした。
逃げて。
もうじき、ほかの連中が来るから。
みんなで分け取りにされちゃったら、きみ生きていられないだろう?

ほどかれた縄目のあとが、まだじんじんと疼いている。
けれども美紗緒は一歩も動こうとしなかった。
ダメだよ。仲間を裏切っちゃ。
ぼそっと呟くと、ロープを巻いて・・・と、老紳士に頼んでいた。
ボクがいなかったら、みんな困るんだろう?
みんなでボクの血をお吸いよ。
この世には・・・だれもボクを好いてくれるひとがいなくなっちゃったんだから。
ダメだって!さあ早く・・・!
ミチヤは親友の手を握り締め、手をつないで外へとのがれてゆく。

どこほっつき歩いていたのですか?もう晩ご飯の時間は過ぎました。
さっさと寝なさい。
迎え入れてくれた義母は、どこまでも冷たかった。
服の汚れにさえろくろく注意を払ってもらえずに。
追い立てるようにして、二階の部屋に引き取らされた。
シャワーを浴びることさえ、夜うるさいからと、許してもらえなかった。
夢からさめたような気分になって。
血を抜かれた身体を、ぼう然と横たえて。
少年は居心地悪そうに、睡りについた。

ほとほと。ほとほと。
窓ガラスを叩く音がする。
ふと起き上がると、こうこうと輝く月の下、
ミチヤが黒いマントを羽織って、佇んでいる。
たたずんでいるって・・・窓の外には、ただの壁。
そう。こうもりみたいに、宙に浮いているのだった。
中に、入れて。
ガラス窓をとおして、聞えるはずのない声が鼓膜に伝わってきた。
がたり。
窓をあけたとき、夜の冷気がミチヤといっしょに忍び込んできた。
ほら。
差し出された手には、フライドチキンの小袋と数枚のビスケット。
むしゃむしゃと食べる姿に、今夜の状況を読み取ったのだろう。
あのとき魅せられてしまった、同情に満ちた優しいまなざしが、美紗緒を痺れさせた。
手伝ってくれないか?幸せにしてあげるから。
下で・・・おじさんが待っているんだ。
足音を忍ばせて。階下におりて。
玄関のカギをあけるくらいは、なんでもないことだった。

真夜中なのに。
家じゅう、こうこうと灯りがついている。
ようこそお出でくださいました。どうぞこちらへ。
いつも意地悪な義母が、来客を迎えるときみたいに礼儀正しく、老紳士をリビングに迎え入れた。
母違いの兄さんは、自分はパジャマのくせに、お嫁さんだけにはおめかしさせていて、
お嫁さんは羞ずかしそうにして、老紳士の連れの若い男に笑いかける。
みどりはどうしたの?遅いじゃないの。
母親の顔になった義母に、お兄さんはとりなすようにして。
羞ずかしがって、降りてこないんですよ。
でもしっかりと・・・お相手していますから。
服はきちんと着替えたのかしら・・・ねぇ。
それでもまだ気遣わしげな義母に、お嫁さんまでが、口裏合わせるようにして。
みどりさん、さっき顔あわせたときセーラー服着ていましたよ。
って。いいながら。
具合悪そうにかがみ込んだ若い男のまえ、スーツのすそをたくし上げて。
てかてか光る肌色のストッキングの太ももを、飢えた唇に吸いつけられてしまっていた。

うわ・・・迫力♪
お兄さんは、闖入者の妻に対する仕打ちに、おどけたように応じていって。
もっと・・・見ます?って。
スカートをもって、ずりあげようとして。
もう・・・ダメっ!
お嫁さんと、スカートの引っ張り合いを演じていた。
這わされた唇の下、ストッキングはむしり取られるようにして、裂けていって。
口許に散ったバラ色のしずくの輝きに、お兄さんまでもが、催眠術にかかったみたいに、うっとりと目を取られてしまっている。
いいの・・・?
気づかう上目遣いを、お兄さんはくすぐったそうに受け止めて。
どうぞ。って。
お嫁さんをじゅうたんのうえ、まろばせていった。
タイトスカートのすそからちらちらするのは、ストッキングのゴムの部分。
パンティ穿いていないんだよ・・・って、お嫁さんがささやくのに。
二人の男は愉しげな目配せを交し合っている。

お義母さんは、お嫁さんの乱行をとめようともしないで。
すぐ隣のじゅうたんの上、うつ伏せになっていって。
淑やかに装った黒のストッキングの脚を、老紳士の唇に提供している。
ミチヤは天井のきしむ音に、忍び笑いをつづけながら。
真新しい白のハイソックスに脚を通した親友のふくらはぎに、
かわいい牙を突きたてていった。

みんなで仲良く、するんだよ。
ええ、そうね。
明日はお嫁さんが当番ね。
血に飢えた方々が、おおぜいいるから・・・お相手はやっぱり、若いひとがいいわね。
エエ、わたし一人でも、心細いですから・・・独身のお友だちを、いっしょに連れて行くわ。
お母様は、今夜ですね?
ええ、お稽古ごとの生徒さんをお招きしてあるの。
美紗緒さん、あなたもぼやぼやしていないで。はやく彼女の一人も作りなさいね。
言い方は、いつものようにトゲがあったけど。
いまは共犯者の愉しげな気分が、意地悪を忘れたお義母さんの口許さえほころばせている。

ママのお仕置き♪ 2

2008年03月31日(Mon) 15:18:39

こないだの試験のお点は、どうしておしえてくださらないのかしら?
えっ?そうだったっけ?(^^ゞ
そうよ。ごまかしても、だめですよ。
わたくしいつも、あなたの成績はちゃんと控えているんですからね。
さあ、答案用紙をここに出しなさい。
や・・・ちょっと待って・・・
いいんですよ。(薄っすらと優しげにほほ笑んで、)あまりいいお点では、なかったのですね?
え、ええ。^^;
じゃあ、うかがいましょうか?お点のよくなかった弁解とか言いのがれとか。
言いのがれって・・・だって、試験の前の日、ボクの血いっぱい吸ったじゃないか。
そうだったかしら・・・?(ほんとに憶えていないらしい)
ひどい!ひどいよっ。ひとの血をあんなに吸っておきながら・・・
ボクあのあとぼーっとなっちゃって、学校行くのがやっとだったんだから・・・
そうかしらー。
そんなにおいしい想い、わたくししたかしら?
いいことがあったあとって、わたくし健忘症になっちゃうのね。
それに、いつまでも引きずるのは、女々しいことだわ。(言葉を尖らせて)
だいいちほんとうに、憶えていないんだし。
だってー。ほら、ボクのことを責めて、覗いたとか覗かなかったとか。
あ~♪あのときのこと?(一瞬愉しそうに笑って)・・・たしか覗いたんでしたよね?(急に怖い顔になる)
あっ!(しまったという顔をして)と、とにかく体調悪かったんだよ。
血をおいしく飲まれるのは、嬉しいでしょう?
え・・・そんなことないよ・・・
だってー。昂奮して、ママに抱きついてきたじゃないの~(しっかり憶えている)
あっ・・・(><)あっ・・・(><)
ほほほ。
お互いに愉しんだのですから、ママのせいにするのはよくないわ。男らしく、自分の非を認めなさい。
あ、はい・・・ごめんなさい。
えらい。いい子ね♪じゃ~、ママになにをしてくれるのかな。
えっ?それとこれとは。
それとこれとは、いっしょなのよ♪さあ首筋を出して。
えっ?血を吸うの?
ママ。喉渇いているのよー。癒してよう。
えー、だってそんな。さっきだってあんなに愉しんで・・・(ハッと口を抑える)
御覧になったの?(ふたたび怖い顔)
い、いや・・・
やっぱりあなたには、口封じが必要みたいね。パパに余計なことを言いそうで怖いわ。
い、言わない!言わないよっ!
(言ったってパパもお見通しなんじゃないかって言いかけて口をつぐむ)
きれいな首筋。やっぱりあなた、年頃なのね♪(うっとりとなって、唇を近寄せる)
まっ、待って!待ってっ!明日は英語の試験なんだよ。
そうね。英語の勉強はしっかりなさい。現代人の教養ですから、身に着けておかないと大人になってから困るわ。(あくまでひとごと)
だ・・・か・・・らぁ・・・! あっ・・・あっ・・・あっ・・・(声が震えて、小さくなる)
(さっそく吸い取った血を口許に光らせながら、)語学はね。どのみち一夜漬けがきかないのよ。
だからいまさら焦っても、経験にはかなわないのよ~♪
(経験豊かな証拠に、さっさと息子をたたみのうえに転がして、ズボンのすそをたくし上げる)
薄い靴下、穿いていらっしゃるのね・・・(まじまじと見つめる)
あっ・・・・・・(><)
(唇を吸いつけて)、わたくしのだったら、許してさしあげたんだけど・・・女きょうだいの服をイタズラしちゃ、ダメよ♪
どうしてそんなことまで・・・
ワインのテイスティングといっしょでね。なにもかも分かってしまうのよ。
じゃ~♪これからあなたの血のテイスティングを愉しませていただくわね。
あなた、口止め料も払わなきゃいけないわ。
覚悟しなさいね・・・


あとがき
お仕置きの理由ですか?
前作「無作為抽出」の流れではございませんで、
もっと前の「ママのお仕置き♪」の続編なんです。(^^ゞ
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-541.html
前回は試験前だというのにママに迫られてしまって・・・
結末が、ずっと気になっていたものですから。(笑)

無作為抽出の結果

2008年03月31日(Mon) 14:47:52

その手紙がポストに投げ込まれたのは、ある春の昼下がりのこと。
妻の由貴子・・・だけではなく、夫のわたしの名前も、妻の下に書かれていた。
つまり、夫婦双方に宛てたものだった。
差出人の名前は、ふるっている。下手な字で、
「人妻輪姦計画委員会」
と、書かれていたのだ。

おめでとうございます!
人妻とヤりたい男三人組が、ヤらせてくれる人妻を探しています。
無作為抽出の結果、輪姦の対象に奥様が選ばれました。
ぜひご協力ください。
あしたの夕方五時、村はずれの公園で待ってます。
木に縛って、立ったまま犯します。
撮影もするので、もしもビデオやデジカメ持ってきたら、いっしょに撮ってあげてもいいですよ。

あらー、面白そう♪
由貴子はウキウキと、はしゃいでいる。
ばか!どういうことかわかっているのか!?隣近所に顔向けできないことになるんだぞ?
わたしがなんと言っても、妻の耳には入らないらしい。
ね、ね、どんな服着ていこうかしら?
かわいい顔して水向けられたときには、もう閉口してしまうしかなかったのである。

わかっているのよ。
わたくしを目当てにするなんて、正久のお友だちなんだわ。きっと。
由貴子は人のいない息子の部屋に無遠慮に入り込むと、なかでごそごそと物音を立てて、
数分後、一冊の手帳を持ち出してきた。
あなたはマネしちゃ、ダメよ。あの子だって怒るわ。
自分は怒らせない自信がよほどあるのか、涼しい顔をしてやおら携帯を取り出した。
ピ、ピ、ピ・・・
無表情な機械音が、そっけなく響く。
妻はディスプレーを覗かせてくれない。
いくつかのメールを送った数分後。勝ち誇った妻の声が、部屋にこだました。
ほ、ほ、ほ・・・
見て見て・・・
差し出された携帯に描かれた文字。
「えっ、まじっすか?どうしてわかったの?」
ばーかね♪先刻お見通しなのに。
由貴子は薄い唇から白い前歯を愉しげに滲ませながら、
返信を打っている。
こんどは送信する前に、見せてくれた。
「喜んで、伺います。主人もいっしょです。お約束は守ってね」
なにを約束したの?
さあ・・・?
妻は空とぼけて、なにも応えない。

一日の経つのは、あっという間だった。
夕方五時になるのも、同じくらいあっという間だった。
わたしはブスブス不平を鳴らしながら、それでも妻といっしょに村はずれの公園にいる。
向こうから現れた少年たちは、髪型の乱れたにきび面をしていて、
およそ妻には似つかわしくない品性むき出しに、
真っ白なスーツ姿の由貴子をじろじろ無遠慮に見回して笑った。
おじさんごめんね。縛るね。
男の子の一人が近寄ると、有無を言わせず力づくで、わたしを手近な木に縛りつけた。
よほど慣れているのか、後ろに回っていた一人との連携は、大人顔負けのみごとさだった。
薄汚い身なりの少年たちが、妻の白スーツ姿を取り囲む。
こうして、由貴子の運命は、さだまった。

やだー、わたしも縛られるのー?
由貴子は小娘みたいにはしゃぎながら、
太い樹の根元に追い詰められてゆく。
腕をとられ、木の幹にまわされて。
あんまり痛くしないでね・・・って言いながら、
背後にまわった少年に、後ろ手にした両手首をゆだねた。
ぎゅ、ぎゅ、ぎゅ・・・
子どもっぽいむぞうさな手つきに、時おり由貴子は顔をしかめていたけれど。
もう一本の長い縄がジャケットにしわを寄せたとき、もういちどいやな顔をして。
けれども気丈に、少年たちを見返すと。
だれが先・・・?って訊いた。
ぬけぬけと真っ先にすすみ出たにきび面は、ちょっとだけ気後れしたように躊躇したが、
母親に甘えるみたいなしぐさで由貴子に抱きつくと、ぶきっちょに唇を重ねていった。
あ・・・うぅん。
力づくで圧しつけられてきた唇を、由貴子は器用に受け止めると。
どちらが吸っているのか、しばらくねちっこく応酬し合うように、吸いあった。
はぁ・・・はぁ・・・
汗臭い息をぞんぶんに吹き込まれて、由貴子はちょっと上気したように頬を紅潮させている。
そのすきに、つけ込むようにして。
いちばん大柄なやつが、由貴子の足許にかがみ込むと。
奥さん、いいつけどおりにしてやるぜ。って、いいながら。
てかてか光る肌色のストッキングの太ももに触れてゆく。
白のタイトスカートは、深めのスリットから豊かな太ももを覗かせていて。
それでも不当な侵入を拒むかのように、タイトなすそが太ももの周りに巻きついている。
え、へ、へえっ・・・
男はからかうような声を上ずらせながら、由貴子の太ももに手をすべらせて、
無理やり、スカートをたくし上げた。
なんども引っ掻くように撫でおろすと、ストッキングが音を立てて破けた。
ブチッ!・・・ブチッ! パチパチパチ・・・ッ!
引きずりおろすように剥かれたストッキングは、むざんに引き裂かれていって。
みるかげのなくなった蜘蛛の巣みたいな残骸を、白のエナメルのハイヒールにまとわりつかせた。

さっき妻の唇を吸ったにきび面が、脂ぎった頬をてらてらさせて。
自慢げに、自分の携帯をふりかざす。
ディスプレーには、由貴子が送ったメール。
「愉しい手紙をくださって、ありがとう。
  種類は問いませんが、目印にわたくし好みのかっこうしてきてください。それが条件です。
  皆さんハーフパンツに、ハイソックスを履いてきてください。種類や色は問いません。
  わたくしは、白のスーツ着て伺います。
  主人はストッキングが大好きなので、ストッキング穿いて行きますね。
  わたくしを木に縛りつけたら、主人の目のまえで破いて欲しいんです。
  あのひときっと、昂奮するから・・・
  きれいに破いてくれたら、キスしてあげる♪」
わたしが文面を読み通すのを、その子はニヤニヤと嬉しそうに見守っている。

う。。。う。。。う。。。
思わず洩らしたうめき声に。
少年はさすがにもじもじとして。
ごめんね。奥さんきれいだからね。みんなで仲良くなってあげるから。
たしかに少年がジャージのようなハーフパンツの下に履いているのは、サッカー用のストッキング。
真っ白な地に、鮮やかな太めのリブ。
むぞうさに履かれたストッキングは、折り返しがちょっとななめにめくれていて、
三本走っている青い色のボーダーが、ぐんねりとひん曲がっている。
おじさん、ハイソックスも好きなんだって?
奥さんヤらせてくれたら、引き換えにあげる約束になっているから。愉しみにね。^^
男の子は捨て台詞のようにそういうと、背中を向けて、
足許の下草をザザザと踏みしだいて、妻のほうへと寄っていく。

三人目が、かしらだったやつらしい。
さぁさ、お待ちかね。ヤらしてもらうよ。
こちらからは陰になってよく見えないが、
紺色の半ズボンの前を早くも拡げて、おっ立てた中身を見せびらかしているらしい。
縛られた妻は、誇示された男の持ち物に、さすがに目をそむけていたけれど。
いつの間にか、ブラウスをはだけられていて、
ずらされたブラジャーのすき間からは、きれいなピンク色の乳首がこぼれている。
巻かれた荒縄と、上品なスーツと。
まさぐられた下着と、静脈の浮いた乳房。
不似合いなコントラストは、男の子たちが覚えこんだ劣情を、忌まわしくもかき立てる。

はっはっは!
濃紺の半ズボンの男の子は高笑いをすると、妻にむしゃぶりついていった。
あっ。
妻はストッキングの下、なにも身に着けていない。
くしゃくしゃにたくし上げられたタイトスカートごし、
せり上げられた魔羅が太ももの間に侵入してゆくのが、ちらりと見えた。
あっ。う・・・っ。・・・
その瞬間、妻はまぶたをキュッと閉じて、身を仰け反らせた。
あううっ・・・だめ・・・っ!
自由にならない両手ももどかしく、左に右に顔を背けるけれど。
そいつはよほど、馴れているらしい。
たくみにあごを使って、かぶりを振る由貴子の頬を追ってゆき、
とらえた唇に、噛みつくようにして、唇を合わせていった。
ひたすら吶喊をくり返す少年の太ももは、筋肉をキュッと浮き彫りにして。
ひざから下を覆っている紺色のハイソックスはストッキング地で、
しなやかな筋肉の緊張を、濃淡織り交ぜて浮き彫りにしてゆく。

あう、あう、あううん・・・
さいしょに唇を奪ったやつの、サッカーのストッキングの脚が。
肌色のパンストをびりびり引き裂いたやつの、紺のハイソックスの脚が。
そしてもういちど、妻に一番乗りしたやつが・・・
ストッキング地の靴下に、筋肉を透きとおらせていった。
ううん、こたえられねぇ。
かしらが手の甲でよだれを拭うと、
スッキリしたー!
にきび面のサッカー少年が、血の気のなくなりかけた頬を透きとおらせて、
へ、へ、へ、悪く思わないでね。
案外わたしとおなじ好みらしい紺ハイソの少年は、裂き取ったストッキングを、まだ意地汚くいじくりまわしている。
あたりは濃い影が、忍び寄っていた。
解散、する・・・?
え・・・?もっと愉しもうよ。
正久呼ぼ。
でもあいつ塾だろ?
こういうお勉強も、だいじなのさ。
そいつはいいや。呼ぼ呼ぼ。
少年たちは大人の都合もかえりみず、息子に携帯メールを飛ばしている。
ところが。
忍び寄っていたのは、夜の闇だけではなかった。
もうひとつの、もっと濃い闇が。
女の子みたいに装われた少年たちの足許に、忍び寄っていた。

アッ!
ひとりが悲鳴をあげた。
どうしたんだよ?
にきび面がいぶかしそうにそいつのほうを振り返ると。
ギャッ!と、叫んだ。
ちょっと身動きできなくなって、立ちすくんで。
丈の高い草陰から、力まかせに脚を引き抜いた。
飛びのいた白のサッカーストッキングが、赤いほとびを散らしている。
な、な、なんだよっ!?
男の子たちが口々に叫びをあげると。
ホ、ホ、ホ・・・
くぐもったしわがれ声が、どこからともなくたちの悪そうな含み笑いを忍ばせてきた。
あうっ!
さいごに声をあげたのは、かしらだった少年。
首筋を押さえて、必死にもがきながら。
塗りつけられたものを、ようやく引きはがすと。
ひっ!
初めて怯えた声を、洩らしていた。
彼がつかみ取ったのは、異様に大きなヒル。
そいつはアゲハチョウの幼虫みたいに緑色の軟体を、ぬるぬるとうごめかしている。
遅い、遅い。もうお前たちの身体には、毒がまわっておるぞい。
サッカー少年の足許からおもむろに起き上がったのは。
みすぼらしい着物姿の老婆。
土気色をしたひからびた頬に、乱れた白髪の後れ毛がほつれかかっていて。
さっき口にしたばかりの少年の血を、長い舌でぬるりと舐め取った。
あ、あ、あ・・・
三人は、しびれたみたいに身動きができなくなっていて。
さいしょに樹の幹に押しつけられたのは、にきび面の少年。
うなじにおもいきり、かぶりつかれて。
うわあっ・・・あっ・・・!!
声を限りの叫び声が力をなくすのに、一分とかからなかった。
樹の根を背にしたままずるずると姿勢を崩してしまうと、
老婆は舌なめずりをして、少年の足許にべろを這わせていって、
意地汚くねぶりはじめると、整然と浮き上がった太めのリブをねじ曲げてゆく。

さあ・・・お出で。
老婆の手招きに、紺色ハイソの少年が手繰り寄せられるようにふらふらと脚をむけていって。
老婆の望むまま、脚を噛まれてゆく。
少し丈の短いハイソックスが、ずるずるとずり落ちてゆくと。
少年はたまらず、草地にひざを突いていた。
妹ごのを、黙って借りたのじゃろう?
老婆が少年をあやすように、頭を撫でながら囁くと。
少年はこくりと頷いている。
別人のように、すなおな態度だった。
ではわらわには・・・ご本人を貸してたまわらぬかえ?
意地悪い申し出に、いちどはかぶりを振った少年も。
がぶり!とうなじに食いつかれて。
じゅるじゅると音をたてて、生き血を啜られてしまうと。
連れてきます連れてきます。僕といっしょに噛んでください・・・って。
自分のほうから、お願いをくり返していた。

あ・・・あ・・・あ・・・
仲間たちのだらしのない反応に、かしらだった少年はいらだちを浮かべたけれど。
さすがの彼も、老婆にはかなわなかった。
じっと目を合わせただけで、地べたのうえにへたり込んでしまって。
尻もちついた少年を、老婆は情け容赦なく、泥まみれにまろばせていた。
薄い靴下、お召しじゃの?
・・・・・・。
強情に、口を結んでいると。
返事をしやれ!
老婆がヒステリックに叫ぶやいなや、
ばく!
少年の背中に、地響きするほどの音が叩きつけられた。
老婆が激しく、少年の背中を打ったのだ。
枯れ木のような手足にこめられた、不似合いなほどの膂力に、少年はぐうの音も出なくなった。
父ごの靴下を、借りてきたのじゃろう?
打って変わって、猫なで声になった老婆は。
若々しい頬を、舐めるように覗き込んで。
若いおなごを十三人。おまえたちはたぶらかしたの?
おかげでわらわが食ろうてやるはずの生娘が、その分減った。
わらわの取り分を減らしたお仕置きに・・・
若くて活きのええ血潮を、たっぷりあさり摂ってくれようぞ。
さあて。わかったら、首筋を出しやれ・・・
チュッと貼りつけられた唇に、少年はもう身動きを止めていた。
ホホホ。
口許からしたたる血を、わざと少年のワイシャツに散らしていくと。
そもじの靴下、見覚えがあるぞえ。
愉しませてくれ。よもや不服はあるまいの?
少年は応えのかわりに、四つんばいになって身を起こすと。
ふくらはぎに滲ませたナイロン地の光沢が、老婆によく見えるよう。
すんなりと脚を、伸ばしてゆく。
う、ふ、ふ、ふ・・・
老婆はうっとりと、ほくそ笑んで。
こんどはうつ伏せに寝そべらせて、ストッキング地のハイソックスのふくらはぎに、唇を這わせていった。
ちゅう・・・っ。
少年はもうすっかり大人しくなって、不気味な吸血の音にわが身をゆだねきっている。

早くほどいてくださいな。
気がつくと。わが身のいましめは、いつの間にかはらりと足許に落ちていた。
わたしは妻に駆け寄ると、もどかしい手で縄を解いて。
少年のひとりがとり落としたナイフで、手首の縄を切りほどく。
あの子が来るわ。
由貴子は母親の顔にもどって、手早く身づくろいをすませてゆく。
足許にだらしなく横たわっているのは、妹のハイソックスを履いた足許から血を抜き取られた少年。
妻のストッキングを破ったやつだった。
はい、あげる。
由貴子は、気絶しかけた少年の頬に、ぶら下げていたストッキングをふわりと投げかけた。

そもじも、履いてみるかや?
ストッキング好きらしい少年の、うつろな目をした鼻先に。
老婆が垂らしたのは。
かしらの少年の脚から引き抜いた、ストッキング地のハイソックス。
催眠術にかかったように、ゆっくりと頷くと。
伸ばされた指先から、老婆は自分の戦利品をひったくるようにして。
う・ふ・ふ。父ごの箪笥のなかを、あさってみやれ。
額を指先で突いて、少年を草むらに突き倒した。
これでモノにできるおなごが、増えたわい。
人妻が三人と、娘ごが一人。
兄に似ずに、勉強家の娘だそうな。
兄の手がついていないなら、きっと、生娘じゃぞい。
闇に溶けた老婆の後ろ姿と入れ違いに、戸惑ったような息子の影がこちらに近寄ってきた。


あとがき
由貴子さんと、息子の悪友たち。
どういう関係に、なっちゃうんでしょうね?^^;
息子はたぶん、「無作為抽出」の作業に加わっていないと思うんですが。
悪友たちにママを凌辱させる・・・だなんて。
ここのお話としては、ちょっとえろすぎますからねぇ・・・(かな? ^^;)

由貴子さんは、車の運転が上手である。

2008年03月31日(Mon) 10:03:16

由貴子さんは、運転が上手である。
時おり、車庫から車を出そうとして、勢いあまって生け垣に突っ込んだり、
たまには、エンジンかけ忘れたまま発進しようとしたり、
ごくごくまれには、道路を通らずにお隣にお邪魔してしまったりとか。
ときたまそんなことをしでかして、顔に似合わぬお茶目っぷりをみせるのだが。
それでも大事故・・・と呼べるほどのものは、まだ起こしたことがない。

あら?あなた。二日酔いなんですか?いけないですねー。
きょうは家族でドライブのお約束のはずですよ。
でもそんなご様子では、あぶないですから。
きょうは、わたくしが代わりに運転しますね♪
夫の柏木氏は妻の好意をそのまま受け取るのを躊躇して。
なんとかハンドルを握ろうとしたのだったが。
その試みは、徒労に終わって。
鼻唄交じりにハンドル握る由貴子さんの助手席に、恐る恐る座ったのだった。
それは決して、タダの好意は高くつくとか、そういうけちくさい駆け引きではなくて。
真に身の安全を考えてのことだったのだが。
由貴子さんだけは、そんなこと夢にも思っていない。
出発~♪

あら。みんなどうしちゃったのかしら。
正久さん?美鈴さん?あなた?
あらー。みんな寝ちゃったのね。
わたくしの運転、そんなに居心地良かったかしら?
車もへんな草むらに不時着しちゃったし。
ひと休み・・・しましょうか?
あー、喉渇いた。
運転すると、やっぱりだめね。
せっかくだから、こっそりいただいちゃおうかしら?
みんなすやすや、眠っているし。(^-^)
人の生き血が、喉の渇きにはいちばんいいのよね。
ではまず、あなたから・・・いただきますね♪
ちゅーっ。
正久さんも、かわいい顔しちゃって。もう♪
ちゅーっ。
ああ・・・若い子の血は、おいしいわ。
じゃあつぎは、美鈴さんの番ねっ?
ちゅーっ。
あら。あら。
夕べ帰りが遅いと思ったら・・・この娘ったら。ウフフ・・・。
口止め料に、もうひと口ね?(^^)

由貴子さんは手の甲で口許を拭ったけれども。
まだ、喉が渇いているらしい。
お行儀よく、長く束ねた髪の毛をかき寄せると。
もういちど、三人順ぐりに、かがみ込んでいって。
ちゅーっ。ちゅーっ。ちゅーっ。
ふふ・・・ふふふ・・・。
のどかな春の野辺。
車内からはくすぐったそうな含み笑いが、いつまでも洩れてくる。
もういちど、書き留めておく。
由貴子さんは、車の運転がとても上手である。


あとがき
たんに失神していただけだと思うんですが・・・。(^^;)

薄闇のなかの情事 ~服汚しちまったな。すまないね。~

2008年03月30日(Sun) 07:51:24

ふすまのすき間から覗く風景は。
あたりの暗がりと、カーテンに仕切られた外の明るさとで、
濃いセピア色の空間になっていて。
たたみの上に展べられたふとんの上。
折り重なるふたつの身体が、ひっそりと熱い息遣いを交し合っている。

服汚しちまったな。すまないね。
ううん、いいの。主人に買ってもらうから。
妻が身に着けているバラの花をあしらったワンピースは。
そういえば、結婚記念日に買い求めたもの。
あれを着た妻を、初めて連れ出した日。
それは彼と出遭ってしまった記念すべき日でもあった。

男は妻のうなじに、唇を這わせた。
素肌に埋め込むほどの、熱っぽさで。
そのままちぅちぅと洩れる、吸う音に。
ショートカットの頭が、惑うように揺れつづける。
いいのよ。もっと・・・
いちど離した唇を。
男はふたたび、吸いつけて。
きぅきぅ・・・と洩れるひと息のうちに。
妻はどれほど、血潮を奪われていったのだろう?

お前の血が、私の力になるのだ。
うれしい。
妻はすがりつくように、男に身を寄り添わせて。
あたし、なんの才能も力もない、ただの奥さんだから。
いっぱいあなたの、役に立ちたい・・・
夢見心地に交わす、甘い言葉に。
わたしの澱んだ血さえ、ぐるぐると甘美な渦を巻きはじめる。
じゃあ、いますこし・・・
男は女の身体を気づかいながら。
それでも容赦ない唇を、大胆に這わせていって。
しずかな吸血に、魂を浸してゆく。

気が済んだ?
無言の肯定。
・・・しよ。
ひっそりとした女の呟きに。
男はおもむろに、身体を勃ててゆく。
しどけなくたくし上げられるワンピースのすそから、
肌色のストッキングに包まれた太ももが、惜しげもなくさらけ出される。
人前では絶対に見せたことのない光景を。
足許に這い寄って、覗き込む。
太ももまでのストッキングは、すこしだけずり落ちて。
ふしだらなたるみを、薄闇のなか浮き上がらせる。
主人見てるのよ。ちょっと緊張♪
だいじょうぶだよ。縛っちゃったから。
そうね。
妻はふふ・・・と含み笑いを洩らすと、
それでも剥ぎ取られたブラウスからこぼれる胸を、両手を交叉させて熱い視線からさえぎろうとした。
男は細腕をもぎ離すように力まかせに、
ぐいっと妻の両腕を布団のうえ抑えつけて。
くちゅ・・・くちゅ・・・
なすりつけるようにして這わされるべろが、はぜる唾液を散らしていった。
女の聞こえよがしな呟きが、わたしの鼓膜を痺れさせた。
わるい奥さんで、ごめんなさいね。
はだけてくしゃくしゃになったワンピースの生地に浮き彫りになった太ももが、
ゆっくりと、ある角度まで開かれていった。
数分間の無言が、すべてを支配して。
わたしは押し殺すような呻きを、歯軋りしながら耐えていた。

うふふふ・・・ふふ・・・
くすぐったそうな声洩らしながら。
秘めごとの余韻が、いつ終わるともなくつづいている。
もっと、して。して・・・
妻のおねだりに応えるようにおおいかぶさってゆく黒影に。
もう・・・なん度めかのほとびが、隣室の畳に散らされていた。


あとがき
ひっそりとした情事って、いいですね。^^
姦っても、美味。覗いても、美味・・・

パンストを脱がされて・・・

2008年03月29日(Sat) 06:57:41

罰ゲームですよ。^^
男はそういって、妻のパンストを脱がせはじめた。
仰向けに転がされた妻は、目を瞑ったまま。
まつ毛をピリピリと震わせていた。
めいっぱい張りつめた透けるほど薄いナイロンが、
太ももからひざ下に抜けるとき。
ちょっとだけ身じろぎして、それ以上降ろさせまいとしたけれど。
男はたくみに指をすべり込ませて。
すっぽりと、脱がせ堕としてしまっている。
脱がせたパンストを、傍らにぱらりと舞わせると。
ズボンを脱いだむき出しの太ももを、
スカートをくしゃくしゃにしながら、妻の両脚に重ねていって。
さいごに臀部をググッ・・・と沈み込ませて。
・・・妻を狂わせていた。

せしめたパンストを、むぞうさにポケットに詰め込んでしまうと。
男はわたしを縛った縄をほどいて。
ごちそうさま。^^
しんそこ嬉しそうな笑みを残して、立ち去った。

罰ゲームですよ。^^
男はそういうと、スーツ姿の妻をたたみの上にまろばせて。
無抵抗な脚を押し広げると。
スカートの奥を、むぞうさに覗き込む。
さすがに照れて、顔を背けていたけれど。
さいしょの刻ほどの羞恥心を忘れた妻は。
少しずつ、ゆっくりと。私に気づかれまいとしながらも。
脚を開いていったのだった。
奥さん、用意がいいね。
太ももまでのストッキング。穿いたまま姦れちゃうよね?^^
男はむぞうさに妻の脚をおし開くと。
いただきます。^^
親しみのこもった視線を、わたしのほうに投げると。
逞しい腰をぐいぐいと肉薄させて、妻を狂わせてゆく。

部屋の隅っこに脱ぎ捨てられたパンストを眺めるのと。
脚にまとわれたまま、くねる有様を見せつけられるのと。
いけないゾクゾクの、味比べ。
ひと晩愉しまれてしまったあとは。なにごともなかったように。
ご苦労さまでした。
おつかれさまでした。
情夫と情婦は、取り澄ましたあいさつを交し合ってゆく。
ごちそうさま。また来るね。^^
男はにんまりと笑いながら、わたしを縛った荒縄をほどいてくれた。

どうもこのところ

2008年03月28日(Fri) 07:11:00

寝取られるお話ばかり、つづいていますね。^^;
こういう話描いているときって、じつはそうとう鬱屈しているときだったりするんですね。
困ったものですよ。我ながら・・・。(^^ゞ

惚けたように

2008年03月28日(Fri) 06:29:47

あっ・・・はぁん。
いやん。いやん。
だ・・・めぇ。主人のまえでそんなっ。
切れ切れな呻き声洩らしながら。
着飾った礼服を、半裸に剥かれた妻は。
あらぬかた、虚ろな視線を迷わせながら。
なん人めかの猿臂のなか、けだるそうに身をよじる。

ここは村のなかの大きな邸。
妻の弟が、ここで祝言をあげたあと。
村の人たちは祝い酒だと称して、わたし達夫婦にあてがわれた部屋にやってきて。
有無を言わせず、酒を注いで。
飲み干した瞬間、わたしは自分が魂を売ったことを自覚した。
すっ飛んだ意識。とろかされた魂。
うなじに噛みつかれるちくりとした感触に、目のまえがぐらぐらとした。
ゆがんだ視界のなか、妻は驚きうろたえて。
けれどもすぐに、静かになって。
ブラウスを剥ぎ取られ、ブラジャーをひっぺがされて。
おっぱいをぷるんとさらけ出したときには。
きゃあきゃあと嬌声を響かせていた。

どれほど刻が流れたことか。
畳のうえ、放恣に伸びきった一対の脚は、ある角度に開かれていて。
むき出しになった太ももには、ぬらぬらと輝く粘液。
幾人もの男どもが吐き出した劣情の残滓が、畳のうえで織り交ざっている。
引き裂かれてずり落ちたストッキングが、暴行の名残りを残しながら。
ひどくふしだらな、毒々しい光沢をよぎらせていた。
なにをされてしまったのか、どんなふうに狂わされてしまったのか。
妻は、惚けたような顔をして。
切れ切れに突き上げてくる吶喊に、へらへらと笑いこけていて。
妻を夢中にさせた男どもは、なおも意地汚く、衣裳のすき間からこぼれる素肌にべろを這わせていた。

ふと気がつくと。
わたしを縛っていたはずの縄目は、だらりとゆるんでいて。
妻が何回めかの吶喊を受け容れるのを見つめながら、ちょっと身じろぎしただけで。
それははらりと、わたしの身体から脱け落ちていた。
いたたまれなくって。たまらなくって。
けれども妻は、もうわたしのことなどそっちのけで、愉しみ抜いてしまっている。
わたしはそれでも、妻を救い出そうなどとは夢にも思わないで、
男どもの猿臂のなか、小娘みたいにはしゃぎきっている彼女をおいて、
ふらりと表に足を向けた。

もう真夜中をとうに過ぎているというのに。
行き交う訪問客たちは、まだ着飾っていて。
けれども、だれもがブラウスやワンピースの胸元をはだけさせていて。
おっぱい丸出しの貴婦人は、両手で顔を覆い隠しながら。
髪の毛の乱れに気づかないお嬢さんは、村の若者と腕を組んで。
互いに互いを認識していないかのように、さりげなく通りすぎてゆく。
お嬢さんの太ももには、バラ色のしずくがひとすじしたたっていて。
お行儀よくひざ下までぴっちりと引き伸ばされた真っ白なハイソックスに。
鮮やかなシミを滲ませていた。

ふすまの向こう。
庭先の陰。
どこといわず、そこといわず。
あふれるほど洩れてくる、忍び声。
庭先の灯籠のかげからは、むき出しにされた脚が片方だけ覗いているし、
片づけられた宴席の、大広間では。
暗がりのなか、幾組もの男女が、息をひそめて乱れあっていた。
金の屏風のかげ、見てはならない光景。
きちんと正座した妻の弟は。
しなやかな裸体をさらす花嫁が、訪問客たちに祝福を受けるありさまを。
眉ひとつ動かさずに、見守っている。
放恣に開かれた脚に、ガーターストッキング一枚だけを身に着けて。
花嫁は無表情に、逞しい裸体に組み敷かれていた。

朝餉はそれぞれの部屋に用意されて。
無表情に膳の上げ下げをする女中たちは、こちらのぎこちなさになんの関心も示さなかった。
膳を下げる女中たちが出てゆくと。
妻がおずおずと、一枚の紙切れを差し出した。
乱暴な筆使いで描かれた、かんたんな地図。
それは妻を初めて狂わせた男の棲み処だった。
妻のうなじに浮いた、かすかな痕。
鏡に向かった時に気がついた、私の首筋に浮いているものとおなじだった。
這わされた唇が、幻影のように。
わたしをズキズキと疼かせた。
もういちど、狂ってしまってもいいですか?
おそるおそるの上目遣いに。
狂わせていただきなさい。
応える声色の、かすかな震えに。
妻はくすり・・・と笑みかけて。
あわてて笑みを押し隠すと、三つ指を突いて頭を垂れる。

きっちりと装われたスーツの下。
黒のストッキングに脛を透きとおらせて。
男の家の門をくぐるとき。
妻は謝罪するように、わたしに向かって深々と頭を下げた。
握り締めた妻の掌は、ほっそりと冷え切っていて。
触れた頬と首筋だけが、ほんのりとしたぬくもりをまだ秘めていた。
おいしかったんですね。私の血・・・
わが身から抜き去られようとする体温を、いとおしむように。
胸の上で腕を交差させて。
わたしもいとおしむように、妻の両肩を包むように抱きしめると。
さあ・・・
扉を開いて誘い込んだ、この世の漆黒。
陽はまだ高く、夜もまた長いのだろう。

披露宴

2008年03月28日(Fri) 06:02:46

その晩は、ほうけたようになっていた。本当に。
妻の弟の祝言に、山奥の村に招かれて。
街なみはひどく、垢抜けていて。
都会にも珍しい、きらびやかな結婚式場。
ヨーロピアンな街並みのそこかしこには、
なぜか人通りがまったくなくて。
藁葺き屋根の古びた家が、ひっそりと隠れるようにたたずんでいた。

白のドレスに身を包んだ花嫁は。
地元の女性とは思えないくらい、洗練されていて、華やいでいて。
連れてきた都会育ちの妻でさえ、ちょっとうらやましそうにしたほどだった。
村のしきたりで、披露宴には夜の部があるという。
一同は貸切のマイクロバスや自家用車で、会場になる大きな邸をめざした。
たぶん、二次会みたいなものだろう。
車に乗せてくれた年配の男性は、いかにも田舎の人らしいひなびた感じの人物で。
言っていることはほとんど聞き取れなかったけれど。
車を降りて邸に入るとき、妻はその人からちょっと離れて、
こっそり耳打ちしてきたっけ。
わたしの脚を見る目が、ちょっといやらしいわ、って。
陽射しのなか、お屋敷の玄関に通じる縁石の上。
黒のフレアスカートの下、むっちり熟れたふくらはぎが、ひどく淫靡な翳をよぎらせたのは。
後で考えてみると、気のせいばかりではなかったはず。

大きな邸の奥座敷、まるでドラマで見るような、それは古風な宴だった。
通された和室は何十畳もある大広間で。
新郎新婦の座にだけは、まるでひな壇みたいな金屏風。
ずらりと並べられた膳は、すべて黒塗りの逸品で。
盆に盛られたご馳走は、このうえどうやって食べきるのかというくらい、贅に満ちたものだった。
あとで考えてみると、あのときの酒にはきっとなにかが入っていたのだろう。
その晩は、この邸の一室をあてがわれて。
わたしたちは、秘密の一夜を過ごした。
それは、もうひとつの披露宴。
あの晩ほど、妻を自慢に思ったことはない。

あくる朝、娼婦になり果てた妻は、スカードだけを身に着けて。
おっぱいをさらけ出したまま、外にふらふらと迷い出て。
手近な草むらに、大の字になって、破れてずり落ちたストッキングを穿いた脚を投げ出すと。
群がりおおいかぶさってくる男どものまえ、嬌声をあげる。
草陰から覗くそのありさまは。ひどくふしだらで、あでやかだった。
娼婦になった妻。恥を忘れた私。
白日の下、おなじ草むらのなか。
夕べおなじような目に遭った男女が、草陰のなか、がさがさと耳ざわりな音を立てつづけていた。

情夫もちの婚約者

2008年03月27日(Thu) 07:52:06

彼氏がいるんですよ。わたし。
それでもつきあっていただけるのですか?
お見合いの席、初めて顔を合わせたそのひとは。
ふたりきりになってすぐ、ひっそりとした上目遣いをしながら。
わたし以外のだれにも聞き取れないほどの低い声で、
そっと告げたのだった。

その場で立ち去ってしまっても、もちろんかまわなかった。
許容できるシチュエーションでは、とうぜんなかったから。
仲人をしてくれたご夫婦に、それとなく苦情を申し立てても、
ひととおりではない謝罪を受けるくらいの衝撃だったから。
けれどもわたしがそのまま席を立たなかったのは。
か弱くはかなげな白百合のような頬に魅かれただけでは、もちろんなくて。
自分でもまったく自覚の及ばない、なにか呪縛のようなものが。
わたしを痺れさせ、その場に縛りつけてしまったせいだった。
お話を伺いましょう。どういう男性なのですか?
返した応えに、彼女はちょっとびっくりしたようだったけれど。
ひと呼吸、声を呑み込むと。
安堵と感謝の込められた声色で、語りはじめたのだった。
満ち足りた生気に、いつしかさえない顔色をさえ、取り戻して。

ふつうのかたでは、ないんです。
父も母も、よく知っているひとなんです。
結婚なさっていて・・・そのうえ吸血鬼なんです。
吸血鬼?
わたしは耳を疑いながら。それでも真実味のこもった声色に、さきをうながしただけだった。
逢って・・・いただけませんか?あのかたに・・・
どうしてそのとき、ああもすんなりと頷いてしまったのだろうか?

彼女にはとても、感謝しているんです。
処女の生き血がどうしても、必要なんですよ。
それに・・・女房の血だけでは、足りなくて。(^^ゞ
あいつの顔色が悪くなると、ついお呼びたてしてしまうんです。
訪れたお宅は、庭に雑草が生い茂った古い一軒家。
奥さんはちょうど、外出中で。
彼女もさりげなく、席をはずしている。
はじめて接する、吸血鬼と呼ばれる男性は。
ごく目だたない、さえないかんじの中年男。
とぼけた口ぶりは、むしろ洒脱といえるくらいに小気味よく、
ふたりの関係を縷々と説く口調にも、不快感はまったく覚えなかった。
女房のやつは女房のやつで。
きょうは出かける・・っていって、ぷいと出てっちまいましたがね。
あいつはあいつで、ほかに男がいるんですよ。
そいつにも、血を吸わせてやっているみたいでして。
よく顔を蒼ざめさせて、戻ってくるんですな。
ヘンな関係でしょう?
でもこの村では、よくありがちなことなんですよ。
村に転勤してきて、もうじき一年が経とうとしている。
上役にお見合いを勧められるほどに、親しい人のふえたこの村に。
いつか離れがたい風情を感じはじめてはいたけれど。
首筋に痕をつけられたのは。きょうが始めてのことだった。

ふーん。大変なんですね。
でも貴方のお話だと、あのひとはまだ処女なんですね?
ええ。処女ですよ。
男は恋人の自慢をするような顔つきで。
はっきりと、私の問いを肯定した。
わたしが彼女を妻に選んでも、お逢いになりつづけるおつもりですか?
貴方がそれを、嫌わなければいいのですが。
控えめな口調の裏には、強い希望がひそんでいる。
わたしはゆっくりと、口を開いて。
じぶんでも信じられないようなことを、口走っていた。
もしも、お差支えがなかったら。
彼女と逢っているところを、拝見してもかまいませんか?

公園の片隅の、雑木林。
彼女は木にもたれかかった姿勢で、
男に抱きすくめられていて。
まるで恋人に接吻を許すようなしぐさで、
首筋をつよく、吸われていた。
キュッと閉じたまぶたに漂うのは、甘い陶酔。
それは、だれにも入り込むことのできない関係を、立証するかのようだった。

お嬢さんをぜひ、わたしの妻に迎えたいのですが・・・

村で挙げた祝言は。
それは盛大なものだった。
未亡人だった母は、まったく問題もなく。
お式の引き出物がわりに・・・と。
たたみのうえ、押し倒されたまま。
黒のストッキングの脚を、ゆっくりと開いていって。
黒のスカートのなかに秘められた貞潔を、
幾人もの、自分の息子とおなじくらいの年恰好の若者たちに、
気前良く漁り取らせてしまっていたし。
姉夫婦は姉夫婦で。
すっかり意気投合した年配の男たちを呼び入れて。
こぎれいなスーツ姿をしどけなく乱した姉は。
父親とおなじくらいの年配の男どもが群がるなか、
白い膚を惜しげもなくさらしていって。
そんなようすに、姉婿は。
裸に剥かれ縛られたまま。
姉に注いでいた熱い粘液を。
びゅうびゅうと畳に散らしていった。

そんな宴の繰り広げられる、おなじ屋根の下。
奥まった一室で。
初夜の床で向かい合わせになったわたしは。
花嫁の頬に、軽くキスをして。
なにかをそっと、ささやいた。
花嫁は頬をぱっと赤らめて。
しんそこ深い感謝の念を、まなざしにこめながら。
では、お招きしますね。と。
座を起って、ふすまごし、なにかを囁いている。
わたしは反対側のふすまから、部屋を抜け出して。
細めにひらいたふすまごし。
いちぶしじゅうを見守っている。
向こうから聞える悲鳴と嬌声は。
母のものだろうか?姉のものだろうか?
それとも花嫁の友人たちのものだろうか?
そんなことは、うっちゃってしまっていて、
わたしはいっしんに、ふすま越しの光景を、網膜にしみこませてゆく。
入れ違いに、初夜の席に侵入したあの男は。
我が物顔に、花嫁を抱きすくめて。
さっきわたしたちが交わしたよりも、深い接吻を熱く交し合って。
そうして、白いスリップ一枚になった花嫁を、
ゆっくりと、押し倒していったのだった。

すべてがすまされてしまったあと。
取り返しのつかないことをしでかした新妻の謝罪を受け入れながら。
純白のガーターストッキングに散らされた純潔な血しおを目にすると。
わたしはもう、いてもたってもいられなくなって。
初めて・・・女を識ったのだった。

以来男はいまでも、ひっそりと我が家の玄関に立つ。
わたしはあのときとおなじように、夫婦の寝室を抜け出して。
入れ違いに侵入してきた吸血鬼が、人妻を襲うありさまに。
じわりと股間を逆立てながら、息をひそめつづけている。

朝が待ち遠しい。

2008年03月26日(Wed) 07:46:30

朝が待ち遠しい。
妻がどんなふうに、戻ってくるのか。
どんなに遅くなっても。
出勤前には必ず帰宅する妻は。
それまで男と過ごした刻の痕跡を。
いつもはっきりと、身に帯びてくる。
それは男の、置き土産。
最愛の妻の貞操を、一時の気まぐれな欲情のまえに差し出したことへの、
感謝のしるし。
彼はわたしへの敬意を込めて。
妻が身に着けるこぎれいな衣裳に、きりっと結いなおした黒髪に、
足許を引き締めるストッキングに。
たんねんに精液を、塗り込んでゆく。
スカートのすそから、ぬらぬらとした精液をしたたらせながら。
髪の毛に、おなじ粘液をぬらぬら光らせながら。
派手に伝線したストッキングを、そのまま履いて。
ハイヒールのつま先まで、鮮やかな裂け目をねじらせながら。
妻は人通りのない路を、歩いて戻ってくる。
黒い車に送られて。
自宅からほんの数十メートルの、スリル満点の露出プレイ。
玄関の扉を開けて、妻を迎え入れたとき。
ピッ。
車はかすかな、警笛を鳴らす。
よくやったね^^
って、妻を賞賛し、
ごちそうさま^^
って、わたしに合図を投げてくる。
どれどれ?よぅく見せて御覧。
家のなか、迎え入れたとたん。
たんねんな服装検査が始まる。
めくりあげたスカートは、裏地に精液をぬらりとさせていて。
つま先まで走るストッキングの伝線は、太もものはるか奥にまで伸びていて。
ブラウスの下、形だけ巻きつけているブラのストラップは、ぶちっと断たれていて。
きりりと結いなおしたはずの黒髪は、微妙な乱れを見せている。
その遅れ毛のひと房に。
わたしは熱いくちづけを、這わせていって。
さあ・・・第2ラウンドだぞ。耐えられるかな?
妻はイタズラっぽい上目遣いをしながらも、わざと身体をくっつけてきて。
妻の務めを、果たしはじめる。
そう。彼に教え込まれた、手練手管を見せつけるようにして。


あとがき
奥さんの帰宅は、どんな夫にとっても待ち遠しいものでございます。^^
仲のいいご夫婦にして、はじめて成り立つ関係ですね。^^

村からのレポート ~いんたびゅう 婚約者を捧げた男~

2008年03月26日(Wed) 07:25:09

                          ~プロローグ~
村を訪れてから数ヶ月後。
私はある男性と親しくなり、彼の過去を聞きだすことに成功した。
吸血鬼が棲む・・・といわれるこの村で、おもてむき隠蔽されたその存在のかすかな痕跡が、そこに残されていた。
彼がぽつりぽつりと語ったのは、婚約者の女性を自らともなって、吸血鬼の家に伴ったときのこと。
旧知の仲である彼に未来の花嫁を引き合わせ、その場で生き血を提供した・・・というのである。
衝撃的な内容の思い出話をむしろ淡々と語る彼の横顔に、ひそかな戦慄を覚えたひと刻であった。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1190.html

                       ~二回目のインタビュー~

前回のインタビューを終えたあと、私は自分の犯した初歩的な手落ちに気がつき、しばし愕然としていた。
というのも、せっかくK氏という無二のクライアントを見出しながら、肝心のことを、それも数多く聞き落としてしまっていたからなのだ。
村の住民たちへの取材をするときしばしば思い知らされたのは、当地におけるよそ者に対する異常なまでの警戒心であった。
そう、彼らは都会からの興味本位な侵入者と見なされた私に対して、
  問われぬことは、答えない。
・・・という、きわめて隠微でかつ目に見えない防衛線を、強固に張り巡らしていたのである。
比較的友好的に接してくれたK氏ですらその例外ではないという事実に、私はしばし埋め切れないギャップの大きさに呆然としたのであった。
K氏との再度の対談をもうける機会は、意外に早く訪れた。
私は彼との初会談の数日後、再び彼の自宅を訪ねる許しを得たのである。
以下はそのときのもよう・・・

問  
先日はいろいろと・・・


いえ、いえ。お役に立てませんで。
貴方のご質問のおかげで、いままで忘れかけてきた懐かしいことどもを、いろいろと思い出しました。
つづけてもよろしいですか?


ぜひ、お願いします。


まだ母や妹のことについて語るほど、心の用意が出来ていませんので・・・
そちらのほうは、必要最小限のお話にとどめさせてもらいます。

こうして私たちの対談は、彼の意向に反する問いには答えないでよいという同意のもとに再開された。


破れたストッキングを穿いたままの未来の奥様を連れて、お邸を辞去されたのでしたね?


ええ。未来のK夫人が足許にストッキングの伝線を滲ませたまま、私に伴われてお邸から出てきた・・・といううわさは、たった一日で街じゅうに広まってしまいました。
覚悟していた・・・とはいえ、くすぐったかったですね。


あからさまに、誰かに言われた?


ええ。
都会育ちの婚約者を連れ帰ったということで、親類の者たちがお祝いに来てくれたのですが。
私が彼女を連れてお邸から出るときに、彼女が裂けたストッキングに血をしたたらせていたということを知らないものは、だれ一人いませんでした。
みんな口々に、おめでとうって、それは意味ありげに言うのです。
たんに結婚する・・・というだけではなくて、
別世界からきた彼女が私たちとおなじ秘密を共有することに同意を与えた・・・ということが、身内のなかでは深い意味を持ったのです。
彼女は、首筋にくっきりと、あのときの痕を残していました。
けれどもみんな、まるでそんなものは目に入らないかのように、ごく自然に彼女に接してくれるのです。
それでも、
  マア、柔ラカソウナ肌ヲシテイラッシャルノネ。
とか、
  コノ街、変ワッテイルトオ思イデショウ?
とか、わかるものにはわかる・・・ような口ぶりで。
こちらは気恥ずかしさを募らせるばかりでしたね。


奥様はどんな応対を?


ええ、びっくりするほど、よどみなく。
お互いに、あのときのことには触れようともしないのですが。
  マダキレイナウチニコチラニ伺エテ、ヨカッタデス。
とか、
  イイエ・・・変ワッテイルダナンテ。トテモ住ミ心地ノヨサソウナ処デスネ
とか、
やっぱりわかるものにだけわかるような答えを返してゆくのですよ。


未来の花嫁の処女の生き血を吸われてしまう・・・というのは、どんな気分のするものですか?


けっして悪いものではないのですよ。
彼女を共有することで、彼との近い関係を実感しました。
共犯者みたいな、奇妙な一体感を覚えましたね。
彼女の血を通して、彼と特別なつながりができたみたいな・・・


当時、貴方はもう、半吸血鬼だったのですよね?彼女の血を吸ったりしなかったのですか?


それは彼から禁じられていました。
ほんのしばらくのことであっても、彼女のことを独り占めにしたかったのでしょう。
そうなんです。未来の花嫁を捧げるときは・・・いっとき独り占めにされてしまうことになっているのですよ。
花嫁を共有することで、彼と家との交わりを深めるために。
まあ・・・かなり妬けましたが。(苦笑)


彼女の血をはじめて吸ったのは?


それでも・・・内緒でこっそり、吸わせてくれたのですよ。
ええもちろん。彼女のほうから・・・
彼の支配を受けるようになってから、ひと月ちかく経ったときのことでした。
支配をされても、貴方を嫌いになったわけではない・・・という、意思表示のようで。
生理的な渇きが癒えた・・・というよりも、変わらずに受け入れられているということに安堵を覚えました。

もっとも、あとから知ったことですが、彼にそうするようにと指示を受けていたらしいのです。
すこし、吸わせてやるように・・・って。
許可するまで、彼女の血を口にする権利はきみにはない・・・と言われまして。
いつか、適当と認められたときに必ず許可してやるからって。
でもそれが、彼女を経由したものになるとは思っていませんでした。
すべてが彼の手のひらのうえの出来事だったのですね。


どれくらいの頻度で、婚約者の血を要求されたのですか?


週に2、3日という約束でした。
けれども、彼女はほぼ毎日、お邸通いをつづけていました。
ときおり蒼い顔していましたが。それでもぴんぴんしていましたよ。
若かったんですね。(笑)
吸われる量はごくわずかだったのですが、どちらかというと彼女の服を汚すことに、彼は興味を覚えたようでした。
お邸を出てくる彼女を迎えるのは私の役目だったのですが、よくブラウスを血でべったりと濡らしたりしていて・・・
改めて、支配されちゃっているんだなあと実感しました。


やっぱり、ストッキングに裂け目を滲ませて?


そうそう。(笑)
わたしとのデートで手を振って別れると、彼女は私が視界から消えたあたりでまわれ右をして、お邸に足を向けたんです。
わたしはそのあとをついていきまして。(笑)
出入りは自由に許可されていましたので、あがりこんで、隣室から未来の花嫁が吸血鬼の餌食になるところをかいま見たんです。


嫉妬はしなかった?


そりゃあ、もう。(笑)
股間が痛いほどずきずきして、まともに立っていられないくらいでした。
彼女、自分の愛用のストッキングをわたしに貸してくれていたんですが。
ズボンの下にそれを穿いて、伺うんです。
それが、太ももを縛りつけるみたいに、ぴっちりと張り詰めて、
皮膚にじわーっと、妖しい疼きがしみ込んでくる感じがしました。
いけない光景を覗き見している彼女が、わたしを咎め苛めているような錯覚を覚えました。
薄手のナイロンが、私の理性を縛りつけていたのでしょうか。


処女の生き血を吸われつづけた?


ええ、もう、もったいないくらい・・・


もったいない?


さいしょはね、たいせつな彼女の血が喪われてしまうことへのもったいなさだったのですが。
そのうちニュアンスが、変わってきたのですよ。
考えてみれば、人の生き血を数百年間も吸いつづけてきた彼のことですから、
「もったいないくらいにありがたい」というやつです。
むしろ、彼にとって彼女の血はいままででなん番めの味なのかな?とか。
妙な想像をして、悦に入ったりしていました。(笑)


別れ話とかは起きなかった?


だいじょうぶでしたよ。
むしろ・・・村で挙げることになった祝言の席に招く彼女のお母さんやお友だちを、村の人たちにどんなふうに紹介しようかとか。
いけない相談に熱中していました。(笑)


では、彼女は処女のまま、めでたくお嫁入りしたわけですか?


処女でしたよ。挙式直前まではね。(苦笑)
ある晩、私は母に呼ばれまして。
今夜吸血鬼さんが由貴子さんに夜這いをかけるから、あなたは黙ってみていなさいって、言われたんです。
わたしがすんなりとうなずくまで、怖い顔をしていました。
彼は夜中にやって来て。
母も彼女も、昼間みたいに着飾っていて。
母はオードブルだといいながら、自分の血を彼に提供していました。
珍しくてかてか光る肌色のストッキングを脚に通していて、「貴方たちへのはなむけです」って、
目のまえで噛み破らせて。
お手本ですよ、って、彼女に向けた視線が「もう逃げられないわよ」って言っているように窺えました。
女はいざとなると、怖いですよね・・・
けっきょく由貴子さんは、彼に連れられて用意された別室に連れ込まれていきました。
彼が後ろ手にしてドアを閉める間際。
肩に流れた彼女の黒髪がゆさっと揺れたのと、
彼女の細い腰を彼の腕がグッと引き寄せたのとが、いまでも目に灼きついています。
ひと晩じゅう、ドア越しに声だけ聞かされました。
母はお茶を淹れてくれましたが、もちろんお茶どころじゃありません。(笑)
もう・・・悶々としていましたね。^^;
ドアひとつ向こうで、未来の花嫁が犯されているわけですから。
処女でしたからねぇ・・・どんなふうにされちゃうんだろうって。もう気が気じゃなくって。
そんな私を見透かすように、母はドアに耳をつけて、
「まー、あんなに取り乱しちゃって。かわいいわね」なんて、やっているわけです。
こうしてわたしの未来の花嫁は、めでたく彼のところにお嫁入りしたんです。


そのときも・・・別れるようなことはお考えにならなかったわけですね?


村のしきたりですから、通過儀礼みたいなものですね。
ですからもちろん、別れるなんて発想はそもそもないのですよ。
それにしても・・・刺激的すぎる経験ですから。
あまり若いうちに、結婚なんて考えるものではありませんねぇ。(笑)

―――こうして彼は、時おり笑みさえ交えながら、婚約者の処女喪失のようすを語っていました。
むしろ、自慢げに、誇らしげに。


翌朝は?


母はさっさと寝んでしまいましたが、私はもちろんまんじりともしませんで。
ずっとドアごしに張り付いていましたっけ。(^^ゞ
呻き声は断続的に、夜明けごろまでつづきましたから。
声が絶えたのは、もう明るくなり始めたころでした。
しばしソファでまどろんで、台所のほうから朝の支度をしている物音で目が覚めて。
彼女はなにごともなかったように、母と二人で朝ご飯の用意をしていました。


どんなふうに、声かけたんですか?


さすがにまともには、彼女の顔を見れなかったですね。
彼女はこぎれいなワンピース姿で、いつもきちっと束ねている髪の毛をほどいたまま、肩まで流していたんですが。
肩のあたりでユサユサ揺れる髪の毛を見ても、
こぎれいなワンピースの襟首からちらっと覗いた胸元を覗いても。
もー!夕べはなにがあったんだ!?って状態で・・・
お茶碗を並べに行き来するたびに、ワンピースのすそがふわふわするのが気になって気になって。
太ももの奥を汚されちゃったのを、知っているわけですからね。
そのうち母が、彼女に声かけたんです。
「由貴子さんおめでとう。よくがんばったわね」って。


彼女はなんて応えていましたか?


(忍び笑い・・・)
さすがにちょっと、口ごもっていまして。
私のほうを、ちらっと盗み見て、
イタズラっぽくほほ笑みながら、
「衝撃的・・・でしたっ」ですって。


ゾクゾクした?


ええ・・・もうとっても。

都会からの赴任者たち ~品定め~

2008年03月24日(Mon) 07:55:17

どの女がいい?
三枚の写真をまえに、村長がにらむような凄い目をして、周りの連中を見回した。
ただでさえ赤ら顔なのに、昂奮でいっそう火照っている。
だれもが顔を見合すだけで、口を開こうとするやつはいない。
けれどもさっきから落ち着きなくもじもじとしていたモーさんが、
年増女は、こたえられないなあ、って。
みんなが振り向くほどあからさまな声をあげていた。
たしかUさんて言ったよな?だんなは課長なんだろ?
さあ・・・どうだったかな。
村長は、浮世の上下関係など関係ない・・・という顔をして空とぼけていたけれど。
立場にもの言わせて、一座のものの奥さんはひとり残らず、いちどは布団のなかに引きずり込んでいる。

うふふふふっ。
座を乱した声に、むしろ村長は上機嫌に。
そうするがええ。ってこたえて。
傍らにいるもの堅そうな中年男に、うまくはからってやれ、と命令口調になっていた。
その男は村役場のお役人で、村長の選挙のときには、いつも奥さんともども手伝いにくる間柄だった。
じゃああたしは役得で、いちばん若いのでもいいですか?
正面に正座していた声の主は、ちょっと野卑な顔つきをしている。
狡猾そうな狭い眉間には、好色な色が滲ませていた。
ああ、ええだろう。
まん中の写真の主は、栗色の髪をウェーブさせた、いかにも色っぽい若い女。
もう結婚しているらしいのは、写真に漂う落ち着いた雰囲気で、なんとなくそれとわかる。
さっきから。
村長の目は、まん中の写真にばかり、注がれていた。

だいぶ、気に入られたようですな。
お役人は、ゆうべ女房がひと晩戻ってこなかったせいか、ちょっと目を紅くしていたけれど。
もの堅い物腰を、くずすようすはない。
ああ・・・早く姦っちまいてぇな。
村長が露骨に舌なめずりをすると、周りの連中は声にならない声で、室内の空気を揺らしていた。

ガードの甘そうなのは、どれだ?
いちばん若いやつでしょう。
正面の狡猾男が呟くと、
はやく姦りたいだけだろ?ははは・・・って。
無責任な揶揄が飛んでいる。
いいじゃねぇか。あとでみんなも分け前に預かれるんだから。
囁きは、もっとたちのわるい囁きを生んでゆく。

いやあねえ。
いやらしいですよねえ。
男のひとたちって、ほんとなに考えているんだか。
苦笑を交し合う女たちは、いつ撮られたのか覚えのない写真を見せ合いながら。
綺麗にとれているわね。
これじゃあ、狙われちゃうわよね。って。
いまはすべてを許してくれている夫たちのまえ、あからさまな会話を交し合っている。
そろそろいいだろう?
赤ら顔の村長は、酒臭い息をして、Kの奥さんににじり寄り、
Kはちょっとだけ顔赤らめながら、見て見ぬふりを決め込んでいる。
目のまえで夫人を凌辱されるのを、その場で受け入れてしまうようだ。
わしも思い出してきたぞお。
真っ赤なスーツ、たまらなかったのお。
べつの白髪おやじが、いちばん若い膚にむしゃぶりつくようにして、押し倒して。
女房が黄色いスカートをひるがえして、脚をたかだかと持ち上げてしまうのを。
ダンナは苦笑いしながら、それでも制止をしようとしない。
いけません。いけません。主人いるんです・・・
モーさんに迫られた課長の奥さんは。
さすがに年配の婦人らしいたしなみをみせようとしたけれど。
いつか声は荒々しい息遣いにむせかえるようになって。
いいんだよ。
しずかに頷く夫のまえ、淑やかに装った黒のフレアスカートの下、脚をゆっくりと拡げていった。

落花狼藉だね。
ほんとうだね。
並んで縛られた夫たちは、おだやかに苦笑をむけあっていた。
白目を剥いて生き血を吸われ、犯されてゆく妻たちを夢中で目で追いながら。
電灯を消そうともせずに、畳のうえの宴にくり広げられる輪姦の宴を、
ただの男の目になって、愉しみはじめてしまっている。

お見合い写真

2008年03月24日(Mon) 07:34:14

ふうーん。
わたしの目のまえで、男は自堕落なかっこうで仰向けに寝そべりながら。
一枚、一枚・・・と、写真をめくってゆく。
どれもが、若い女性の写真。
そのなかで気に入った女性がいたら、見合いの席をセッティングしてやるつもりだったのだ。
かなり美人をそろえたはずなのだが、彼の表情はいまいち乗り気ではなさそう。
どうかね?おめがねにかなう娘はおらんかね?
わたしがおだやかに水を向けると、男ははじめて起きあがって、
母親の写真がないな。
とだけ、いった。
どの女の血も、旨そうだが。
やっぱり母娘ながら堕とすのが醍醐味なんだぜ?
齢はだいぶ、わたしのほうが上なのに。
彼は堂々と、ため口をきいてくる。
無礼な態度に気づかないふりをしたものの、それでもわたしの声はすこしとがっていた。
あんた・・・血を吸うことしか考えていないの?
そう、男は吸血鬼。
もうこれ以上嫁の血を吸われたくない・・・と泣きついてきた弟のため、注意をそらそうとして縁談の話をもってきたのだ。

このごろの女どもは、ストッキングというやつを穿かんのだな。
男はわたしの意図などまるきり無視して、言いたい放題を呟いていたが。
あえてわたしを侮辱する意思のないことが、態度のはしばしに表れていた。
あいつのところに行ったって、お茶一杯出ないんだぜ。
男でも平気で襲うから、いきなり教われないよう兄さんも注意しなよ。
弟の言い草に比べれば、はるかに待遇はよいといえた。
ストッキング?穿いていたほうがいいのか?
わたしの問いに頷く横顔は、なぜかひどく神妙だった。
だれにもいうなよ。オレの趣味なんだ。
わかった。
こういうときは、みじかい言葉のほうが相手を安心させるものらしい。
彼はようやく、わたしに打ち解けてきたようだ。
オレがなにをもくろんでいるか、わかるかい?
ようやく本心を、口にし始めたのだった。

本心、とやらは。なかなかにおぞましいものだった。
お見合いを受けるときはね。
ほら、相手の娘さんもお母さんも、着飾ってくるだろう?
かっちりとした、スーツなんか着て。
そのスーツのすその下からのぞいている、ストッキング穿いたふくらはぎがいいんだよ。
ふつうに、どこかのお宅を襲うんだったら。
たいがい齢の順って決めているんだが。
お見合いの席だと、そうはいかないだろう?
まず、ふたりきりになったとき。
スキをみて娘さんのうなじに咬みつくんだ。
たっぷりと血を吸い取ってしまったら、あとはもう言いなりさ。
どこかてきとうな場所に寝そべらせて。
ストッキング穿いたままのふくらはぎを、たっぷりといたぶらせてもらう。
チリチリになるまで、噛み破っちゃったら。
そのあとご両親を、部屋に呼ぶんだ。
娘さんが具合わるくなったようだから、来てくれってね。
昔はよく、ズボンの下ちん○んおっ立てながら、ホテルのロビーを探し回ったものさ。
いまなら携帯があるから、ほんとうに便利だね。
えっ?それからどうするんだって?
愚問愚問。
お父さんのまえで、お母さんのストッキングも堕としてしまうのさ。
身体のほうも、もちろん、じっくりと・・・ね。
極悪だって?鬼畜だって?
そうだよなあ。家庭がひとつ、崩壊するかもしれないんだから。
でもね。
いちばん難しいのが、だんなさんなんだ。
ふつうそういうことは、嫌がるだろ?
素質のない男だと、もめたり恨まれたりしちまうからな。
それはお互いごかんべん・・・ってとこじゃないか?
重要なのは、ダンナの素質なんだよ。

じい・・・っと見つめられたわたしは、やむなくため息をついていた。
痒くなってきた脛を、さっきからズボンのうえからしきりに引っ掻いていたのだが。
やむにやまれず、ズボンを引き上げる。
脛をおおっているストッキング地の長靴下が、縦にひとすじ、裂けていた。
薄い靴下に青白く透けてみえる脛が、そこだけむき出しになっていて。
噛まれた痕がふたつ、綺麗にならんでいて。
吸い残した血が、傷口の周りにちらちらと散っている。
仕方のないやつだな。
週末には家内に話して、娘を見合いに連れてくるよ。
うわついた唇が、ひとりでにこんなことを口走っている。

週末のホテルのロビーはあわただしかったが。
観葉植物の陰に隠れた一隅だけは、やけにひっそりとしている。
男が結界を張ったこのフロアなら。だれに見咎められることもない。
なにしろ・・・一家はじまっていらいの恥ずかしい光景が演じられる舞台なのだから。
いらない恥は、かかせない。
男はそう、約束してくれた。
奥さんや娘の血を吸わせてくれる連中には、オレなりに感謝しているんだぜ?
そういったときの、妙に真実味のこもったまなざしが、いまはわたしや妻や娘に向けられている。
やあ、始めまして。
なごやかな歓談を交えながら。
男はチラチラと、ストッキングを穿いた娘や妻の足許に、
まるで品定めをするような視線を這わせてゆく。
男の意図なんか、まるで気づいていないふたりは、ひざ小僧から下を、大胆なまでにさらしている。
娘は肌色の、妻は黒の。
どちらも素肌を透きとおらせた、清楚な装い。
どんなふうに、堕とされるのか。
どんな顔しながら、酔わされていってしまうのか。
胸の動悸を抑えるわたしを、男は時おりからかうような目で窺っている。

あのあと家に帰るまえ、立ち寄った弟の家で。
どうだった?
目を輝かせて駆け寄ってきた弟は、意味ありげな笑みを洩らしている。
血を吸われたものだけが滲ませることのできる、不可解な笑みを。
さいしょから、こうするつもりだったんだろう?
兄さんも、愉しめると思ってさ。
ふふふ・・・
交し合う含み笑いの向こうで、女のうめき声がしたようだった。
きょうはホテルでひと晩すごして。
真っ先に、弟の家に妻と娘を連れていこう。
心のなかで、そう思ったとき。
ではあとは、おふたりで・・・
なにもかも心得たような妻が、黒の触れスカートの腰を浮かしかけている。

柏木ワールド:名所めぐり ~連れ込み宿~ 付・またまたカテゴリ増やしました。^^;

2008年03月23日(Sun) 18:32:17

昨晩から描きつづけていた「連作:都会からの赴任者たち」。いかがでしたでしょうか?
ちょいと歯切れがわるかったかなあ・・・って思っていたのですが。
桜草さまがコメくれたぐらいですから、まず上出来としておきましょう。(^^)
(桜草さまありがとうございます)


カテゴリ増やしましたのは、「連れ込み宿」でございます。
えっ?きょう描いたやつじゃないの?って言われるかな?(^^ゞ
今回のやつは、たぶん打ち止めになるかな・・・って思っているんですよ。
村の風習に慣れない都会のご夫婦三組が、めでたく同化しましたからね。^^
赴任先が変わっても、きっと納屋に泊まりに訪れることでしょう。^^

「連れ込み宿」シリーズは、ずいぶん以前から描いているんですが。
気がついてみたら、もう19作も描いていたんですね。(^^ゞ
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-category-31.html
カテゴリも増えちゃうのでどうしようかと思ったんですが、自分が読み返すのに便利なのでひとまとめにしました。
最新作は冒頭の人妻さんのお話だけでしめるつもりだったのですが、
このご家庭の息子さんや娘さん、息子の彼女まで登場するという、ちょっと異色な展開に。
一家の日常はじわじわと侵食されて、いっきょに崩壊の方向へと突き進んで行きそうです。(笑)

6日に紹介した「Dance Spot」http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1347.html以来柏木ワールドの名所めぐりがしばらくお休みしてしまいましたが、せっかくですんで

連れ込み宿

についてもちょっとだけ。^^
もともとはネット検索していたら、いかにもそれらしいお宿の画像を見つけまして。
(どこのお宿だかは・・・さすがにナイショです。^^;)
古びた和室のお宿なんです。
いまどきのラブホにないような、陳腐さのなかに漂う昭和の匂いにむせ返る思いがして、
そんな気分が熟してお話をつづったのがきっかけでした。
都会の片隅にこうしてひっそり佇む古びた隠れ家というのも、なかなかいいですねぇ・・・

此処にはたたずまいの古さにふさわしい、齢八十にはなろうかという老女が女将をやっています。
どれほどの場数や経験を踏んでいるのかは、もう見当もつきかねます。
いつもお宿の正面の帳場で背中を丸め、ちょこんと腰をおろしていて。
おだやかな物腰で、いつもひっそりとしているのに、度胸がずんと据わっていて。
茶道・華道・礼法と、よろず心得もあるのでしょうか。
しずしず歩む立ち姿は、まるで往時の御殿女中のような貫禄が備わっています。
宿代にこと欠く主婦の客には無料の殿様部屋を紹介したり、
妻の浮気現場を覗きに訪れた亭主の行動を、見て見ぬふりをしたり、
浮気に出かけたママの様子をさぐりに来た少年を、平気で宿に入れてみたり、
ときには覗かれる羞恥に逡巡する人妻に対して、伝法なたんかを切る。
なかなか気に入りのキャラなのです。^^

どんなお宿だかは、前作を引用することで端折っておきましょう。^^;
たぶんそれが、もっとも適切な感じがいたしますので・・・
皆様はどの表現が、いちばんぴんとくるでしょうか?
似たような言い回しばかりで、ごめんなさい。
統一したほうがいいのか、多少違えたいまのスタイルがいいものか、ちょっと迷っています。

「連れ込み宿 一ーい」(2006年10月25日(Wed) 00:43:13)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-552.html

古びた柱に浮んだ木目は、凛とした格調を滲ませて。
きょうも、夜の訪客を迎え入れる。
ここが都会のまん中なのか。
そう思えるほどに、静まりかえった巷の一隅。
背の低い建物が、さながら時代に置き忘れられたように密集しながら。
都会の喧騒とは一線を隠した結界のなか、独自の立場を占め続ける。

整然としつらえられた、調度。
チクタクと鳴る、振り子時計。
狭いながらも一定の存在感を誇示しているかような、床の間。
それらすべてが、整えられた静謐のなかにあるのだが。
奇妙に違和感のあるべつの雰囲気が、あきらかに漂っている。
永年見つづけてきた秘密の営みを。
時とともに蓄積された澱のように、木目に滲ませて。
そうして沁み込んだものが、知覚できないほどの微薫を伴って、
どこかけばけばしく猥雑な、ふしだらな空気を漂わせている。

静謐のなかの猥雑。
それはほんの少し乱された、シーツの上に凝縮されていた。

連れ込み宿 2-い(2006年10月27日(Fri) 03:47:00)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-557.html

あら、いらっしゃい。
にこやかに客を迎えた女将は、小柄で色白。
和装に襷がけがよく似合う、もう八十にはなろうかという老女である。
老女というよりは。
少女にさえ似た無邪気さを、この齢になるまで失っていない。
あるいは、この齢になればこそ、はぐくんできたものだろうか。

永い年月。
どれほどの男女を迎え入れ、見守り、送り出してきたことか。
それらの恋路の彼方には。
稀には豊かな実りを迎えたものもあるだろうけれど。
多くのそれは・・・
あるいは色あせ、あるいは草が生い茂り、あるいはすでに朽ち果てていて。
跡さえさだかに辿れぬ路が、ほとんどなのであろう。

連れ込み宿 1-ろ (2006年11月05日(Sun) 13:33:35)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-573.html

毒々しく輝くネオン街。
その果ての、闇にうずくまるのは、秘めた営みを遂げるためのねぐら。


秘するが花  ~連れ込み宿 3~ (2007年01月16日(Tue) 06:50:32)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-787.html

ここは、都会の一隅。
平屋のつづく古くさい街並みの面影を色濃く残した裏町。
過ぎ去り忘れ去られた時とともに積もり積もった、人々が裡に秘める心の滓(おり)が澱む処。
一見古びた民家に似たその宿を、人は「連れ込み宿」と呼ぶ―――。
(中略)
雨戸を閉め切った庭先は、ほとんど真っ暗で、
宿の所在をわずかに示す行灯が、生い茂った常緑樹の葉裏を通して射し込んでくるだけ。
男はコートの襟をかき合わせ、ここと見定めた一角の縁側に腰を下ろす。
なかに憩うものたちの耳をそばだてぬよう、音を忍ばせて。


連れ込み宿 五ーい (2007年10月22日(Mon) 23:48:32)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1201.html

場末の盛り場の、そのまた果てに。
闇夜にひっそりとうずくまるその宿は。
破れ障子に、傾いた軒。
古びたままに、人から忘れ去られたようにして。
それでも夜更けになると、「営業中」の灯りが、ひっそりと点される。
門前を行き交う男や女たちは。
寄り添うでもなく、よそよそしく隔たるでもなく。
人目を避けて。互いの視線までも、交えずに。
いかにもわけありげに、不自然なさりげなさを装って。
言葉も交わさずに、門をくぐる。
すべては古びた雨戸のなかに秘められてゆく、一夜。
人はそこを、「連れ込み宿」と、呼んでいた。

連れ込み宿 六ーろ ~ママの情事~ (2008年02月23日(Sat) 15:28:30)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1329.html

ママは電車に乗って、降りて。
ボクも人ごみにまぎれて、ママのすぐ後ろにくっついて、改札口を出ていた。
ハイヒールの足どりはひどく速くって。
時おり、見失いそうになったけれど。
古びた木の塀に囲われた、ごく目だたない邸の門に。
まるで忍び込むようにして、身を沈ませていった。
(中略)
門をくぐるとき。
ちらりと視界に入った表札には、「○×旅館」と、目だたない字で書かれていた。
ボクはなにかを確信し、数分前ママが締め切った引き戸をぐいと押し開けた。

古びた家の玄関は、昼でも薄暗くて。
内部がどうなっているのか、ちょっと間合いがつきかねたけれど。
そう広くない土間の真正面、きちんと正座した老女と、いきなり目が合っていた。
(中略)
通された部屋は、やっぱり古びていたけれど。
きちんと掃除が行き届いていて、居心地よさそうな畳部屋だった。
四畳半の部屋のまん中に敷かれた布団は、古いものだったけれど。
シーツだけは真新しくて。かえって部屋になじんでいない感じがした。


連れ込み宿  ~妹を誘い出す~ (2008年02月24日(Sun) 07:51:09)

都会のかたすみに、ひっそりとたたずむ古い邸。
上品なようで。わいざつなようで。
とにかく目だたない古い木の塀の向こう側には。
子どもの知らない秘密の世界が広がっている。
連れ込み宿。
そういう名前がついているなんて。
初めてママのあとを尾けていったころには、まだ知りもしなかった。

メール小噺

2008年03月23日(Sun) 17:06:17

依頼‏
差出人: xxxxxxxxxx.co.jp
不明な差出人からのメッセージです。 受信許可/拒否
送信日時: 2008年3月×日 14:14:27
宛先: wwwwwwwww.co.jp

お前の妻を凌辱し、奴隷にしたい。

RE: 依頼‏
差出人: (wwwwwwwww.co.jp)
送信日時: 2008年3月×日 14:15:46
宛先: xxxxxxxxxx.co.jp

> お前の妻を凌辱し、奴隷にしたい。
どうぞ、ご遠慮なく誘惑ください。
わたしはとっくに、貴殿の令室を頂戴していますから。^^

反省
差出人: xxxxxxxxxx.co.jp
不明な差出人からのメッセージです。 受信許可/拒否
送信日時: 2008年3月×日 88:88:88
宛先: wwwwwwwww.co.jp

えっ、まじですか?(^^;)
やられたあ~。(><)
負けちゃいましたね。(-_-;)
顔洗って、出直してきます・・・
(いま家内とわたしのウチにいらっしゃるんですよね?^^;)

RE: 反省‏
差出人: (wwwwwwwww.co.jp)
送信日時: 2008年3月×日 99:99:99
宛先: xxxxxxxxxx.co.jp

お帰りは気をつけて。
今なら二階の寝室におりますので、物音を立てずにお入りください。
ご令室にはナイショにしておきますので、よく見学しておくように。

連作:都会からの赴任者たち ~契約済み~

2008年03月23日(Sun) 10:32:43

契約済みですか?
事務係の若い男性が、なに食わぬ顔でKに訊いた。
Kはいつになくおどけた声で、契約済みだよ、と応えていた。
はた目には、仕事の話にきこえただろうか?
そわそわと席を立ったKは、言い足りなさそうな顔つきをして事務係のほうへ足を運んで、
彼の耳もとに囁いている。
寝取らせ済みだよ。
ウフフ。
耳朶に吹き込む息がくすぐったかったのか、事務係の男は肩をすくめて笑っている。
夕べ女どもに群がっていった男どもの人数に、あいつも確かに含まれていた。
いっしょに隠れてなりゆきを窺っていた女房を、真っ先に押し倒して。
真っ赤なスーツ姿の上に乗っかって。
ちくしょう、三べんも姦りゃがった。
思わず舌打ちするオレに、にやりとして振り向いて。
あお向けにされていたKの奥さんは、順番待ちになっていて、
辛抱づよく、順番を待っていた。
村の評判では、たいそうしつけのよい男だそうで。
Kの奥さんを姦るまえに、縛られた亭主のほうを見て、いただきますとあいさつをして。
それからおもむろに、はだけた花柄のブラウスを、いっそうくしゃくしゃにしていったのだ。

ブラウスフェチなんだってさ。
Kがぼそりと、呟いている。
引き裂かれた女たちの衣裳は、その晩参加した男どもに分け取りにされることになっていて。
Kの奥さんのブラウスをせしめたのは、あの男だったという。
ブラウスをねだり取られてしまったKの奥さんは、濃紺のタイトスカートだけを腰に巻きつけて、
ノーブラのおっぱいをぷるんとさせたまま、表に出て。
ぼちぼち人通りのしてきた明け方の路を、半裸のかっこうのまま帰宅していったという。
U課長の奥さんが、今夜ブラウスを着ていたら・・・きっとあいつに剥ぎ取られるんだろうな。
ぼそぼそと呟くKの口調は、不満そうでもあり、愉しそうでもあった。

終業、終業。
窓の外はすっかり暗くなっている。
時計が七時をまわるころ、残業していた男どもも、いっせいに席を立っていた。
軽く一杯、飲みに出ますか。
そんな雰囲気を引きずったまま、みんなで事務所を出て、足を向けたのはIの自宅の方角だった。
いいのかい?こんなにどやどやと押しかけて。
かまわんだろ。もう本人たちは酔い酔いのはずだから。
秘密を分け合った気安さが、一行を多弁にしていた。
Uのやつ、嬉しがっているかな?
奥さんは年増だが、肌はむっちりとしていて・・・たまらんのう。
無責任なやり取りのなか、Uは課長という肩書きまで忘れられてしまっている。
だれがだれの妻を抱いたのやら。
薄闇のなかでは、だれもわからなくなっている。
それでも気に入りの女のことだけは、よーく憶えていて。
あたりをつけては、夜這いをかけていく。
身に覚えのある夫たちは、妻の寝室を訪う物音に、聞えないふりをして。
あるものはいそいそと、自分も他所のお宅にあがりこもうとして、
またあるものは、女房のようすが気になってしょうがないという顔つきで、
ことのなりゆきを、ふすまをそっと開けて覗き込んでいる。
新婚何ヶ月の新妻が、はす向かいのごま塩親父に姦りまくられて。
大きなお邸の奥様が、使用人の男と納屋で戯れていて。
ふだん虫も殺さぬ顔をした専業主婦の女が、息子の悪友たちが待ち構える校舎の裏に、いそいそおめかしして出かけてゆく。
どこの家の亭主も、女房つながりの男どもを、なん人も識っていて。
それでもなに食わぬ顔して、顔つき合わせて暮らしていた。
そんな関係を共有する夫婦が、もう一組できあがる。
男どもはいつか声を絶やして、急ぎ足になっていた。

やってるやってる。
どれどれ・・・
おー!さすがモーさん過激だな。
さいしょは、生垣をかき分ける音さえ気にしていたのに。
いまはもう遠慮なく、ざわざわと囁きを重ねあっている。
庭のまん中に生えている樹に、Uは縛りつけられていて。
後ろからひっそりと、挑発的な囁きをそそぎ込んでいるのは、
モーさんと呼ばれる今夜の侵入者のおかみさんらしい。
囁いている・・・と見せかけて。
寄り添い離れるしぐさの半分くらいは、吸血のためらしい。
Uはもうすっかり酔い酔いになっていて。
困った、困った、会社に行けなくなる、って、口では迷惑そうに呟いていたが。
裸に剥かれた下半身は、ものの見事にそそり立っていて。
う、ふ、ふ、ふ・・・
陰から見守る同類の男どもを、安心させていた。

奥さんのほうは、まだ正気らしい。
わざと正気のままに、噛みついていって、ひーひー言わせて愉しんでいるらしい。
ひどいことをするなぁ。
気の優しいKがひとりごちると、あんたのときは手加減したんだよと事務係が囁いている。
もう少し近くで見ようぜ。
男どもはそろそろと足音を忍ばせて、そのくせ下草はがさがさと手荒に掻き分けて、
大胆にも身をさらして生垣を乗り越えていく。

開けっ放しになった居間の灯りが、庭ぜんたいをまるで舞台のようにこうこうと照らしていて。
片側には、縛られたUが。
もう片側には、やっぱり縛られているお内儀が。
足許に濃い影を躍らせながら、じぶんの影を侵入者のそれに埋もれさせている。
う、ひ、ひ、ひ・・・
Uは疫病神でも見るように忌々しそうに、お内儀を組み敷いてゆくモーさんを見おろしている。
Kの予想とちがって奥ゆかしい和装のお内儀は。
襟足も白足袋も、泥浸しにしながら。
気丈にも腕を突っ張って、迫ってくる不埒な唇をわが身からへだてようとしていた。
突っ張った腕が折れるのに、いくらも刻はかからなかった。
すでにいちど噛まれてしまったものは、長く抵抗することはできない。
許された抵抗は、相手の男の気をそそらせるためのもの。
解かれた帯は、地べたのうえにとぐろを巻いて。
金襴の絵巻物のような豪華さが、落花狼藉のありさまをかえって濃いものにしているのだった。
やめろ・・・やめろ・・・
Uは息をぜーぜーはずませながら、あえいでいて。
それでも醜悪に爛れきった唇を、妻の柔肌に這わされてしまうのを、どうすることもできなくって。
ただ、股間を昂ぶらせているだけだった。

ウフフ。キミたちのときと、いっしょだね。
小悧巧そうに哂ったアルバイトの青年は、学生のころ、
色気づいてきた悪友たちのため、自分の母親と姉とを連れ出してやったことがあるという。
愉しそうだなあ。
生唾呑み込んだのは、都会から赴任して四年目になる学校教師。
妻と娘に目をつけた教え子たちは、いまでも毎晩のように通ってきているらしい。
好奇に満ちた無責任な視線がそそがれるなか、
絵巻物に包まれた人妻は、きりりと結い上げた黒髪を振り乱しながら。
きゃあきゃあとはしゃぎながら、凌辱されてゆく。
夜はまだまだ長いぜ・・・
だれかが口にすると。
そろそろオレたちの出番だな、とでも言いたげに。
ひとり・・・またひとりと、黒い頭をもたげてゆく。
上司の妻をいただくのは、初めてだった。
夫のまえで人妻を犯すのは、Kの奥さんが初めてだった。

事務所の夕刻は、あわただしく過ぎてゆく。
あすは週末というときは。
ましていつも以上に仕事がたてこんでいて、だれもが無口になっている。
それも時計が六時をまわると、ぼちぼち仕事も片づいてきて。
だれからともなく、週末どこに行くとか行かないとか、他愛のない雑談に花が咲き始めるのだった。
おおっぴらな声で話すものは、たいした話はしていない。
あたりさわりのある話題に身をやつすものたちは、もっとひそひそ声で会話している。
今夜はなに色のストッキングを履いていくの?
うちは黒だよ。
そう、うちは肌色。例のてかてか光るやつ。
女でもあるまいに、お出かけのときのストッキングの色を話題にするやつも珍しい。
けれども夜自分の妻を伴って、親しい村人の家を訪ねる身になると、
それはかなり重要な話題だった。
スカートの下、ビリビリと意地汚くむしり取られてゆく装いの妖しさに。
オレもKも、いしつか魅入られてしまったようだった。
もちろんそのあと、くしゃくしゃにたくし上げられたスカートの奥にされてしまう、
あのふしだらな遊戯はそれ以上に、若い股間を昂ぶらされてしまうのだが。
ストッキング破かれるのって、なんだか昂奮しますよね・・・?
テレながら応えるKは、奥さんのストッキングを村長に破らせる約束をしているらしい。
事務係の彼が席を立って、U課長のところに行くのを見咎めたものはいない。
課長、今夜課長の奥さんを犯しにいきますので。
さらりと言われたUも、もう慣れ切ってしまっている。
いつでもおいで。キミに姦られると思うと、ゾクゾクするねぇ。
照れ笑いを向けた周囲の人間は、皆無関心をつくろっている。
よかったらブラウス着てもらうよう、課長から頼んでいただけませんか?
ああ、そうだったね。キミはブラウスが好みだったね。
MくんとKくんは、奥さんのブラウス何枚彼にプレゼントしたのかな?

連作:都会からの赴任者たち ~宴~

2008年03月23日(Sun) 09:22:23

Kの奥さんが初めて犯された夜。
向かい合わせにいちぶしじゅうを盗み見ていたはずの女房は、とんでもないことになっていた。
女房の隠れていた部屋には、ほかにもおおぜい、村の男どもがいっしょにいて。
K夫婦が打ち解けてしまって、宴になると。
群がるようにして、女房に襲いかかっていったのだった。
真っ赤なスーツはただでさえ、ひどく挑発的に映ったのに。
たまたまだったのよ。
本人はそう弁解するけれど。
夕べのストッキングの光沢は、ただごとじゃなかった。
てかてか光るひざ小僧を、なん人ものべろをぬめりつけられながら。
女房は声を押し殺して、昂ぶりつづけていたのだった。

なにも知らないKは、自分から後ろ手に手を組んで。
器用に巻かれた荒縄に、ぐるぐる巻きにされていって。
すっ裸に剥かれた股間を逆立てながら、
村長と仲良くなった奥さんが、白髪頭の下狂わされてゆくのを、にやにや笑いながら見つめていて。
奥さんもまたノリノリで、そそがれてくる亭主の視線から、くすぐったそうに目をそらしながら、
豊かなバストを覆っていたブラウスを、惜しげもなく剥ぎ取らせちゃっていた。
その隣の部屋では、女房のやつが。
大勢の男どもに迫られて、モテモテになってしまっていて。
やだあ。あははは・・・
正体もなく笑いこけながら。
真っ赤なスカート一枚になった下半身を大また開きにして、
引きもきらぬ訪問客を、順々に迎え入れてしまっている。
ふすま一枚へだてた向こうとこちら。
二人の都会女は、洗練された衣裳をはだけながら、獣のように飢えた男どものなえ、柔肌をさらした。

だれとだれが、どちらの妻を抱いたのか。
ひと晩あけるころには、なにがなんだかわからなくなってしまっていた。
それでいいじゃ。
赤ら顔をした村長は、短く刈り込んだ白髪頭を朝の光にてかてか光らせながら。
若い夫ふたりに、そう告げた。
闇んなかなら、だれがだれやらわかるまい。
なにをやっても、かまわんのじゃよ。
にたりと笑んだ口許が、卑猥な色を漂わせている。
―――今夜はどちらの女房が、わしの相手をしてくれるんじゃ?
密かにそう、のぞんでいるのだった。
察しをつけたKは、お昼に家内を伺わせますと、気前よく応じていた。
う・ふ・ふ・ふ。わしの魔羅はよかったじゃろう?
あからさまな言い草に、Kの奥さんは戸惑いながらも、持ち前の澄んだ声で、
よかったです。
夫のまえ悪びれもせず、まなざしをしっかりと村長にそそぎかえしていた。

都会妻を二人ながらかけもっていった男どもは、きっと何人もいたのだろう。
妻を通してつながりのできてしまった彼らとは、村を去る日まで縁のきれることはない。
あのなかのなん人かは、幾夜となく、それぞれの自宅に夜這いをかけてくるだろうから。

連作:都会からの赴任者たち ~村長の家~

2008年03月23日(Sun) 08:49:17

Kが戻ってきた。
夕方になったらKはソワソワと落ち着かなくなってきて。
しまいにオレのところにやって来て、
村長の家に招ばれているんだけど、って相談に来た。
転居の届けを出しにいったとき、たまたま役場に居合わせて、夫婦で挨拶しただけの関係。
それなのに、いきなりふつう家に招ぶものですかね?
珍しい地酒を振舞うから、ぜひ来いって。
奥さんも必ず、連れてきなさいっていうんですよ。
ひとつ後輩のKは、すこし遠慮がちにオレに訊いてきたのだが。
よかったじゃないか。村の有力者なんだから、なにかと顔が広がって仕事がやりやすくなるぜ?
これっぽっちも思っていないことが、よくまあこうもやすやすと口をついて出てくるものだ。
われながら感心するくらい、いつになく舌がまわっていた。
嫁さんお酒ダメなんですよ。
大人しいKは、苦笑している。
なんとなく気がすすまなくて、断る口実を聞きにきたのが、まず本音というところだろう。
オレはそれでも、振り払うようにして。
断ったら、失礼だぞ。相手は有力者だしな。仕事がやりにくくなるかもな。って。
さっきと反対のことを、鸚鵡返しにかえしたのだった。
なにも知らないKが、あり地獄に堕ちてゆくのが、ひどく小気味よかったのだ。
ワナにかかったエモノの頭を抑えて、さらに下へと堕としてゆくように。
誘われているんだったら、行くことだね。
オレは冷ややかに、声を落とした。
堕ちてゆく足許には、吸血鬼が舌なめずりをして、餌食が吸い寄せられてくるのを待ち構えている。
・・・・・・。
Kはまだ遠慮がちに、口ごもっている。
役場で会ったとき、嫁さん見る目つきがやらしかったんですよね。
Kはなかなか、いいカンをしていた。

会社のひけたあと。
オレはそれとなく、Kの家のあたりをうろうろとした。
Kは義理堅くも、着飾った奥さんを連れて、ちょうど家を出てくるところだった。
おや。
オレはわざとびっくりしたように、Kに声をかけた。
お出かけかい?
えっ、さっき相談したアレですよ。
あー、アレかい。アレかい。
たちのわるいにやにや笑いを押し殺したつもりだが、たぶんオレは薄気味悪く哂っていたことだろう。
なにも知らない奥さんは、久しぶりに顔を合わせるオレに、儀礼的に会釈をしてきて、
オレもあくまで儀礼的に、こんばんはを言った。
腹のなかでは、これから奥さんの身に起こる出来事に、ワクワクしきっていたというのに。
姉さん女房だというKの奥さんは、オレより二つ三つ年上のはずなのに、
しっかりと若作りしていて、うちの女房よりも若く見えるほどだった。
上出来、上出来。
人知れず奥さんの装いの品定めをしながら、内心ほくそ笑んでしまうのは。
やっぱり趣味のいい話ではないだろう。
栗色の髪をふさふさとさせた肩先は、白地に花柄のブラウスに覆われている。
薄着に透けて見える下着のストラップは、あと三十分もすれば、ぶちりと断ち切られるはず。
ブラをはじけさせられて、束縛を解かれたおっぱいがぷるんとなる瞬間を。
オレは覗き見してよいという許しを得ているのだ。

先回りをしたので、村長の邸に着いたのは、K夫婦よりも早かった。
待ち構えていた女房は、もうなん年も袖を通すことのなかった、真っ赤なスーツを着ていた。
ねぇねぇ、ほんとに来るの?って。
女房までが、ウキウキとしている。
まるでお芝居の舞台を囲むようにして。
女房は床の間から向かって左から。
オレはその反対側から。
ふすまを細めにあけて、なかの様子を窺うことになっている。
さいしょは退屈だぜ?だた呑んでいるだけだからな。
女房の情夫はうそぶくような声色で教えてくれたけれど。
けれども、そんなことはまったくなかった。
短く刈り込んだ白髪頭の村長は、陽焼けした顔を酔いにいっそう赤らめさせて。
さあさあ・・・って、お酒がだめなはずの奥さんにまで、注いでしまっている。
ふさふさとした栗色の髪に見え隠れする、ブラウスの襟首からこぼれる白い肌。
女房のと、どっちが白いだろう?
おなじく肌が白いとっても、白さにはなん通りもあるのだという当たり前のことを。
後輩の奥さんの素肌で改めて実感する。
話は、はずんでいるようだった。
それとなく聞き出しているのは、実家のありかや係累のこと。
それに、会社での立場や生活習慣。
留守宅を襲うにしても、わざと亭主のいるあいだに愉しむにしても。
相手の行動は読んでおきたい・・・そういうことなのだろう。
初めて女房を堕とされたあの晩の記憶が、脳裏をかすめる。
そういえばやつもこんなふうに、オレを巧みに誘導していったんだったな・・・
ふすまの向こう。もう一人のオレが、まわってきた酒にほろ酔いになりながらも。
時おり気遣わしそうに、決まり悪そうにして。
奥さんへの好奇心をむき出しにした年配の村長と、
なにも気づいていないようすでにこやかに応対している奥さんとを、等分にうかがっていた。

ばたり。
唐突だった。
後輩はだらしなく、身体を壁にもたれかけさせて、激しい息遣いをしていた。
あら、あなた・・・
奥さんがびっくりして、にじり寄る。
同時に村長が、ヌッと立ちあがる。
だいじょうぶ、だいじょうぶ・・・
夫の顔を覗き込もうとする奥さんを制して、花柄のブラウスの肩をぐいと引いた。
つよい力に気おされるように、奥さんがたたみに片手を突いた。
影が重なり合うのが、同時だった。
あっ、うふぅ・・・
いきなり唇を奪われて、うろたえた奥さんが、迫ってくる相手の肩をもぎ離そうとする。
そうはさせじと、いっそう酒臭い息を吹き込むようにして、村長はぐいぐいと唇を深めてゆく。
ばたっ。
たたみに花びらが散ったようだった。
濃紺のスカートのすそを押さえて、奥さんが後ずさる。
男はふふ・・・とほくそ笑んで。
身体を傾けて正体を失っている後輩に近寄ると、懐から大きな青虫のようなものを取り出した。
村に棲息する大ビルは、時には人を襲って正体不明にしてしまうという。
村長はにゅるにゅると蠢くそいつを、息苦しそうに肩を上下させている後輩の首筋にむぞうさにあてがって、
ぐいぐいぐい・・・と、圧しつけていった。
後輩は蒼い顔になって、枯れ木のように倒れた。
般若のように怖い顔になった村長のまえ、がたがた震えていた奥さんは、もう逃げようとも抵抗しようともしなかった。

やり口は、女房のときと似ていた。
縛る手間を惜しんだだけだった。
肌色のストッキングのつま先からひざ小僧まで、村長はたんねんに、なぶるようにべろを這わせていって。
怯える女は羞ずかしさをこらえて、足許に加えられる凌辱から目をそむけつづけていた。
濃紺のタイトスカートをはぐりあげると、思ったよりもむっちりとした太ももが、大胆なまでにさらけ出される。
うふふぅ。パンストだな?
男はぶりぶりと音をたてて、女の腰周りを剥いでしまうと、己もズボンを脱ぎ捨てて、
おもむろに魔羅を取り出した。
ひっ。
女が息を呑む。
男が迫る。
女が後ずさりする。
男が押し倒す。
あ・・・あ・・・あ・・・。
うなじに食いついたらしい。
さえぎられた視界の向こう側から、クチュ、クチュ、と、血を啜る音が洩れてきた。

翌朝のこと。
いつものように出社してきたKは、さすがにはれぼったい目をしていた。
どうだったね?夕べは?
相談を受けた手前、オレはさりげなく水を向けてみる。
エエ・・・愉しかったですよ。
それは何よりだったね。奥さん、お酒はダメだっていってたけど、だいじょうぶだった?
いやぁ、私のほうが酔っ払っちゃいましてね。
ちらりと投げられた上目遣いは、いままでにない親しみが込められている。
おなじ体験をしたもの同士の、共犯者のような連帯感。
―――あんなにあっけらかんと、女房に迫られちゃったら・・・もうどうしようもないですよね?
無言の問いに、オレも無言で応えている。
―――お前、この道から抜けられなくなるぞ。
―――先輩だって・・・
ふたり、くすっと笑いを洩らすと。
なにも知らないI課長が、ふしぎそうにこちらを見ていた。
うちの家内が近所の行事に誘われているんだがね。深夜だっていうんだよ。
それはぜひ・・・
ふたり同時に言いかけて。けれどもオレは、Kに言わせておくことにした。
あり地獄に引きずり落とす愉しみを、Kにも教えてやりたかったから。

連作:都会からの赴任者たち ~週末に~

2008年03月23日(Sun) 08:00:02

それからというもの。
やつは毎晩のように、うちにやって来て。
女房の生き血を吸い取っていった。
すまねぇな。喉渇いてるんだ。ちょいと借りるぜ。
わざわざオレがいる時分を見計らって、玄関から顔覗かせて。
うむを言わさず、女房のことを押し倒していった。
板の間のうえ、脚をじたばたさせながら。
それでも女房は逆らいもせずに、男にうなじをくわえられていった。

キュウキュウと、ひとをこばかにしたような音を洩らしながら。
女房の生き血が、吸い取られてゆく。
脛を反らせて、足首をねじ曲げて。
女房はじりじりと、身をよじってゆく。
かすかな呻き声を洩らしながら。
ストッキングを穿いた脚を、くねらせながら・・・
引きつった、脛の周り。
薄手の肌色のストッキングがねじれてゆくのが、ひどくふしだらで。
動きをとめた太ももに、やつの唇がねばりつけられて、不潔に汚されて。
いたぶり抜かれて、ちりちりに引き剥がされてしまうまで、
オレは目を離すことができないでいた。
うなじのつけ根、ジンジンと疼く痕を、掌で抑えながら。

三人いっしょに、この村に赴任してきて。
真っ先に押し倒されたのが、オレの女房。
いちばん若かったからだよな?念を押すように訊いてみたら。
そんなことをいまさら訊くなと言わんばかりに、
男は五月蝿(うるさ)げに、かぶりを振りながら。
お前ぇの女房が、いちばんちょろいと思ったからさ。
照れ隠しのように聞えたのは、たぶん気のせいではない。
五十がらみのごま塩頭を振りながら。
やつは都会育ちの若妻を初めてモノにしたあの晩のことを、
だれかれ問わず自慢げに吹聴しているそうだから。

ほかのふたりいも、おなじ思いをさせてやろうじゃないか?
やつにそそのかされるまま、黙って頷いてしまっていたけれど。
現実になるのに、そう長い時間はかからなかった。
オレの女房には、飽きたかね?
薄ぼんやりと、投げた言葉。
いんや。
あいつは放り投げるような自堕落な返事をかえしてくる。
暗くなったままの隣の部屋。
血を吸い取られた女房は、からになったビールびんみたいに転がされて、
黄色いタイトスカートを履いたまま、
両脚をおっ広げた格好で、白目を剥いて気絶していた。
三人いっしょでないと、お前ぇが気の毒だからさ。
ちっとも気の毒だと思っていない証拠に、明日も逢わせろと約束させられたばかりだった。
あさっての夜な。
週明けには、あいつら都会から戻ってくるべ?
そう、きょうは土曜日。
いっしょに赴任したひとつ後輩のKは、週末奥さんの実家に遊びに行っていた。
月曜が、待ち遠しいべ。
やつはからかうように、オレを横目でチラチラ見ながら、
日曜日は一日じゅう、女房をたたみの上に転がして、
ピンク色のスカートの奥、汚らしい濁り汁を、ドクドクとそそぎ込んでいったのだった。

連作:都会からの赴任者たち ~タイトスカートの緊縛~

2008年03月22日(Sat) 20:49:00

うっ・・ううっ・・・ううううぅ・・・っ・・・っ
目のまえで女房が、柱に縛りつけられたままのかっこうで、身をよじってもだえている。
男は女房の両肩を抑えつけ、かじりつくようして。
ごま塩頭を、上気した女房の頬ぺたに、圧しつけるようにして。
ぐいぐいと力まかせに、うなじに食いついていた。
若いだけがとりえの、人のよさげな丸顔に、団子鼻。
いつも人懐こく笑んでいる薄い唇からは、食いしばった歯並びが洩れていて。
痛そうに顔ゆがめて、キュッと閉ざした目じりには、涙を薄っすらと滲ませていた。
真っ白なボウタイブラウスに、うす紫のタイトスカート。
どうしてこんななりをさせたのだろう?
オレはとっても、悔やんでいた。

たまのおめかしとはおよそ似合わない荒縄で、後ろ手に縛られて。
タイトスカートのうえからも、荒縄をぐるぐる巻きにされていて。
時おりばたつかせる脚だけは、わざとのように自由にされられていたけれど。
光沢をぬらりとよぎらせた肌色のパンストのなか、むっちり熟れたふくらはぎは、
いかにもおいしそうに輝いていて。
身をよじり脚をくねらせるたび、彼女の足許に巻きついた薄手のナイロンが、
脛の周りを引きつれながら、よじれていった。

この村に転勤してきて、まだ一週間。
なじみになった同僚に、招かれるまま女房を伴って。
振舞われた地酒と引き換えに、
酔い酔いにされたオレは、女房と向かい合わせに縛られていて。
手も足も出ない状況のなか、むっちりとした熟れた肌を手ごめにされようとしているのだった。
なにも見るまい。なにも感じまい。
必死になってかぶりを振って、なんとか耐え抜こうとする。
そんな女房の涙ぐましい努力は、手馴れた男のいたぶりのまえ、
じわじわ愉しまれ、突き崩されようとしている。
うす紫のタイトスカートのうえ、浮き彫りになった太ももを。
じわりじわりと撫であげていって。
嘲るような上目遣いからだけは、それでも目をそらしつづけていた。

うふっ、すまねぇな・・・
男はいかにも嬉しげに声を洩らして。
我が物顔に抱きかかえた女房の身体を、ぐいと自分のほうに振り向かせて。
無理やりこじ開けるように、唇を合わせていった。
あっ・・・ううっ・・・ううん・・・
ブラウスを通してしみ込まされたまさぐりは。
白い柔肌を、好色なピンク色に変えていって、
とうとう。耐えかねたように、甘いうめきを洩らしてしまった。
感じている。
女房が身体を折って、態度を示してしまうと。
そうこなくっちゃ。
やつはむぞうさにブラウスを引き裂くと、
荒々しく、女房のなかに入り込んでいった。
立ったまま犯された女房は、髪振り乱しながら、すすり泣きをはじめた。
オレは目のやり場を失って、首が折れるほどに顔をそむけつづけていた。
そむけつづけた・・・つもりだったのに。
いちぶしじゅうを、憶えているのは。
股間に散った、恥ずかしい粘り気も。
女房の視線からさえぎることができなかった。

ごちそうさん。
まだ息荒く、肩を上下させているのは。
女房の抗いが、それだけ手ひどかったからだろうか。
それともたんに、数度に及んだまぐわいが、おのずと昂ぶりを深めたせいだったろうか。
試すように目を細め、オレの顔を見守りつづける男のまえ。オレは思わず、口走っている。
おめでとう。
ふ、ふ・・・それでよい。
うなじをえぐられた痕は、まだじんじんと響くような疼痛を秘めていた。

夫婦ながら、かわるがわる生き血を啜られて。
血のりに浸されたオレのワイシャツはごわごわになっていたけれど。
はだけたままの女房のブラウスも、ハデなバラ色に染められている。
やつは女房の足許にしゃがみ込んで。
うひひ・・・と、卑猥な笑みを洩らしながら。
肌色のストッキングを穿いたままのふくらはぎに、ぬるりと唇を塗りつけてゆく。
あっ・・・
許しを請うようにうつむく女房は、必死になっていやいやをしたけれど。
両膝を抱え込まれて自由を失ったふくらはぎは。
ただ・・・男の唇のなすがままになって。
光沢を帯びた薄手のストッキングは、ぬらぬらとした唾液に汚されていった。
ふくらはぎの輪郭を侵している唇に、にわかに力が込められて。
あうっ。
堕とされたブラウス姿が、ヒクッと上向いた。
ストッキングごし、食いつかれたふくらはぎから、
ぬるり・・・ぬるり・・・と、血潮を吸い取られてゆく女房は。
薄ぼんやりとした目色をして、ただひたすら、呻き声をあげ続けている。
振り乱した髪を、頬に迷わせながら。

ストッキングは片方だけ、くしゃくしゃになって脱げ堕ちてゆく。
まだ堕とされていないもう片方も、やつの唇やべろのまえいたぶり堕とされてしまうのも、時間の問題なのだろう。
都会の女は、えぇなあ。
やつは舌なめずりをしながら、まだまだ離さねぇぞ・・・とひとりごちながら。
女房の身体を、立たせたままの姿勢でいたぶり抜いてゆく。

きょうのことは、お前が自分からオレに頼み込んだんだ。
オレは気がすすまなかったけど、お前のたっての願いをかなえてやって。
女房を堕としてやったんだ。
そうだよな?
言われるままに、頷いていて。
頷くオレの横顔を、女房は盗み見るようにして、窺っていた。
その視線に、軽い軽侮と揶揄と。冷ややかな薄笑いと。
そしてたくまぬ感謝の念とが混じっているのを。
オレは敏感になってしまった頬で受け止めていた。

これからも、逢わせるんだ。
お前が女房を連れてくるんだ。
毎晩、ストッキングを穿かせてこい。気に入った。
襲うたんびに、その薄々のストッキングを引き破ってやる。
男の言うなりに、すべて従順に頷いて。
頷いていることさえもが、やがてゾクゾクとした快感になりかわってゆく。
うなじにつけられた痕は、まだじんじんと疼いている。
音が響くほどに、毒々しく。
声あげるほどに耐えられない疼きが、残りすくなくなった血を狂わせている。

夕暮れ刻が迫ると、オレは落ち着きをなくしてくる。
むしょうに身体がうずうずとして、いてもたってもいられなくなるのだ。
震える手で、受話器を取って。
ひっそりと手早く、ヤツの家の電話番号をプッシュする。
今夜も・・・女房の生き血を吸ってくれませんか?
そのあとでたっぷりと、犯していただきたいのです。
女房に聞かれないようにと、ひそめたはずの声は。
昂ぶりにむせ返って、窓辺の人影を振り向かせてしまっている。

行きましょう。
うつろに取り澄ました声色が、ひそかな昂ぶりに上ずっている。
今夜の女房は、都会ふうに洗練された、ライトイエローのスーツ。
タイトスカート、お気に召したみたいね。
真っ白なブラウスも、血が撥ねると綺麗よね。
鮮やかに刷いた口紅のすき間から、ひそひそと囁きを洩らすと、
ブラウスの胸元を、リボンでぎゅっと引き締める。
きちんと結い上げた黒髪は、昨晩かぎり。
肩先に垂らした豊かな髪を、ゆさっと撫でつける後ろ姿。
張りつめたブラジャーのストラップが、ブラウスごしに透けてみえる。
きちんと装い、きりりと取り繕っているはずなのに。
夕べまでとは、なにかが違う。
薄い衣裳から透けるむんむんとした色香が、
男に逢う。
その一事のまえに、過剰に漂いはじめていた。

納屋に灯された、薄明かりの下。
堕とされ抜いて、放心状態になった女房は。
藁のうえに、しりもちをついたまま、
口許を弛めて、へらへらと笑いこけている。
引き裂かれたストッキングがひざ下までずり落ちているのさえ、気にならないかのように。
もっと吸って。もっと犯して。
まだ怒張をつづけている男の持ち物を、夫のまえでおねだりして。
はしたなくも自分から、くわえ込んでゆく。
どうだね?女房を我が物にされちまうっていうのは?
耳たぶまで近寄せてきた口許からは、熱っぽい気遣い。
男の遠慮ない言い草に、オレはヒクヒクと声上ずらせながら。
最高だね、って、呟き返している。
おまえといっしょに赴任してきたほかのふたり・・・
同じような体験をさせてやりたいとは思わないか?
思う壺・・・と知りながら。
それでもオレは、頷きつづけてしまっている。

あら、小枝・・・

2008年03月22日(Sat) 10:43:02

人のいない山のなかまで、彼の車で出かけて行って。
運転するのは、彼。
助手席には、妻。
そして後ろには、わたし。
ジーンズ姿の彼の隣、場違いなくらい着飾った妻は。
去年の秋、親戚の結婚式に着て行った服なのよ♪って、
男にはわからない、服自慢を始めている。
そのご自慢のお洋服を、人知れぬ山林のなかで堕とされてしまうのだと知りながら。

彼しか知らない、道ではないような道を通り抜けて。
あたりはさわさわと枝揺らす雑木林。
丈のみじかくなった枯れ草は、それでも地面をおおいかくしていて。
降ろされたハイヒールの足許を、足首まで隠していた。
よぅい、どん!
陽気な彼の声をあいずに、妻は駆け出した。
晴れの服を汚されまいとする試みを、ほんのわずか許されて。
それでもハイヒールに内股の走りは、すぐに躓きをみせて、
上体を大きく、泳がせている。
とっさに抱き止めた身体を、くしゃくしゃにまさぐるように。
彼はわたしのまえ、女のことを熱く抱きすくめて。
熱烈に、しつように、唇を奪いつづけている。

丈の短い、枯れた下草も。
臥せった人影をかくすには、じゅうぶんだった。
さわさわと揺れる穂先をすかすようにして。
わたしは妻の受難を見守っている。
ズキズキとした昂ぶりに、胸震わせながら。
ほかの男の奴隷と化してゆく妻のあえぎが、なぜかむしょうにいとおしい。
装われた衣裳は、むぞうさに剥ぎ取られてゆき、
まるでそうされることじたいが、男へのご馳走であるかのように。
妻はゆるく手向かいしながらも、衣裳をわが身から裂き取らせてしまっていった。
ブラジャーを奪われて束縛を解かれた乳房は、ぷるんと身震いして素肌の輝きをはじけさせる。
白昼。だれもみていないなか。
深く澄み渡った青空だけが、すべてを見おろしていた。
獣が餌にありつくように。
男は妻のすべてを、むさぼり尽くして。
妻は男の腰に、動きを支配されながら。
羞じらいにみちた視線をちらちらと、こちらのほうへと向けてくる。
めくるめく背徳、スパイシイな罪悪感。
それらすべてが、その身を貫いて。
理性も見栄も忘れ果て、いまをかぎりと乱れてゆく。

枯れ草だらけになっちゃったね。
迫る夕闇を隠れ蓑に、彼は自宅のきわまで、車を近寄せてくれた。
妻の脚から裂き取った肌色のストッキングは、彼の胸ポケットのなか。
はじめて犯された褥のうえ、起き上がった彼が得意げにぶら下げて見せびらかしてから。
もう何足、せしめられてしまったことだろう?
その数を不足にこそ思え、決して恥とは思わなくなっている、恥知らずに堕ちたわたし。
ノーストッキングのつま先に、ハイヒールをつっかけて。
妻は玄関前の石畳のうえ、あからさまな足音を響かせる。
だいじょうぶよ。だれも見てなんかいないって。
女はこういうとき、男以上に大胆になるのか?
見合わせた男ふたり、ひそかな苦笑を交し合っている。

ふたりきりになると、
屋内の生活臭にみちたぬくもりが、ふたりをわれにかえらせる。
いけない!バーゲンの日だったんだ。
日常に戻った妻は、枯れ草だらけになったスーツをその場に脱ぎ捨てると、すぐにいつものワンピースに着替えていた。
早くしないと、お店閉まっちゃう!
つきあわされるわたしを、彼は笑っているだろうか?

がやがやと騒がしい、週末の商店街。
人声がやたら耳につくのは、さっきまで熱い静寂の刻を過ごしていたからか?
あら、こんばんは。
近所の奥さんが、声かけてきた。
やあ、しばらくです。
常識まみれな年配の面差しが、ほんのちょっぴり目じりをゆるめてきた。
彼女は妻のほうへと近寄って。
あら、小枝・・・
キュッと結わえた黒髪に、まるでかんざしのようにささっていた小枝に、
妻は小娘みたいに顔赤らめた。
林を散歩していたのでね。気がつきませんでした。
あくまでもとりつくろうのは、夫のつとめ。
奥さんは、なにもかも見通したような目をしながら。
そうね。たしかにそのとおりかも。
若いって、うらやましいわ。
わたくしも昔は、身に覚えがありますからね。
そのときだけ・・・化粧をひかえた頬に、なまめいた朱がさしていた。


あとがき
情事の痕跡を他人に気づかれてしまうのって・・・
やっぱ恥ずかしいですよねぇ。^^;

いもうと

2008年03月22日(Sat) 10:15:28

1 ママを訪ねてくる男

その男は、いつも真昼間から家にやって来て。
ママと逢っては、犯していた。
パパよりはだいぶ若くて、逞しくて。
それでいてひどく、落ち着いていて。
やせっぽちで大人しいパパの仲良しにしては、ひどく不釣合いなくらいだった。
ちょっぴり神経質なパパとちがって。
男は頭がよさそうなくせに、妙に人なつこくて。
ボクはママとの関係を知りながら、いつの間にかひどくなついてしまっていた。
だから・・・ママとの関係も、許せたんだと思う。
夫婦の寝室でママの服を脱がせているところを、偶然見てしまったとき。
初めての体験に、ボクは大人の仲間入りをしたような気分になって、
エッチなことを不潔だ・・・なんて思っているくせに、
むしろドキドキと胸昂ぶらせながら、オトナの秘密を覗き見してしまっていた。
男は夜、パパがいるときだって、かまわずに現れた。
だって、パパとはとても打ち解けた仲良しだったから。
そういうとき、いつも気難しくて厳しいパパは、人が変わったように上機嫌になって。
男に気前よく酒を振舞い、奥の部屋に招き入れて。
夜遅くまで、いっしょにすごすのだった。
男のことをボクは親しげに、「小父さん」とだけ、呼んでいた。

覗いていいだなんて、いちども言われたことはなかったのに。
ボクが覗くのに、つごうのいいように。
ママとエッチをするときは、いつもふすまを細めに開けていた。
それは夜訪れて、お酒に弱いパパが寝入ってしまって、ママとふたりきりになるときも、決まってそうだった。
覗かれているって、わかっていながら。
ボクには声ひとつ、かけないで。
着飾ったママの服を、ひとつひとつ脱がしていって。
ストッキングをずりおろして、むき出しになった太ももを、こちらいよぅく見えるように位置を変えながら。
いつも厳しいはずのママは、小父さんに甘えるように、ぬるりとした白い肌を、じぶんのほうから寄り添わせていって。
すねたように鼻を鳴らして、逞しい背中に腕を巻きつけていった。
そう。たぶん、きっと。
ママも、気づいていたのだ。
息子が覗いているということに。
そして、興奮しながらいちぶしじゅうを見届けているということに。

ボクたちは、暗黙の共犯者。
ママは公然と、ボクのまえでパパを裏切り、
小父さんは、息子のまえでその母親を狂わせて。
そしてたぶん・・・パパもそれを識っていながら、黙認していた。


2 女ものの靴下

小父さんは、女のひとの穿く長い靴下が好きだった。
それはストッキングのときもあったし、たまにはハイソックスだったりしたけれど。
夜訪れるとき、きまって盛装しているママの脚から抜き取られるのは。
ほとんどいつも、肌の透ける黒の薄々のストッキングだった。
あるときは、白いシーツのうえ。またべつのときには、ひんやりとした畳のうえ。
誘惑するようにぬるりと横たわる、薄墨色に染まった脚。
小父さんはおおいかぶさるようにして、ママのふくらはぎにかがみ込むと。
唇を這わせて。ぬらぬらと、ぬめらせていって。
ちゅうっ・・・って、音をたてて吸って。
そのたびに薄手のナイロンは、むっちりとした脛の周りにふしだらな引きつれを浮き上がらせた。
大人びて清楚な装いが、そのときだけは。
ひどくふしだらに、ボクの網膜をよぎっていった。

小父さんは、もう我慢できない・・・というように身体を打ち震わせて。
ママのストッキングに手をかけて。
ぴりり・・・ぴりり・・・破いていった。
パチパチ音を立てて引き裂かれた薄手のナイロンは、
大人しく開かれたままになった、ママの脚から引き抜かれて。
男はママの無抵抗をいいことに、
黒のストッキングを、ずるずろと脱がしてしまうと。
悦に入ったように、にんまりほくそ笑んで。
手に取った獲物を、ママの目のまえこれ見よがしに広げてゆく。
ひんやりと静まり返った部屋の空気のなか、まるで天女の羽衣のように、ふわふわと。
透明な薄衣は音もなく、たなびいていた。
男はそれを得意そうにぶら下げて。
まだ明けやらぬ夜の路へと、忍び出ていくのだった。


3 舞ちゃんのストッキングが欲しい・・・

ねぇ。ケン坊。
小父さんは路にしゃがみ込んだまま、上目遣いにボクを見る。
女のひとの穿くストッキング、小父さんが好きなことは知っているだろう?
う・・・ウン。
ボクが口ごもりながら、ともかく返事をすると。
すこし打ち解けたように、ほほ笑んで。
舞ちゃんの黒のストッキング、こんど持ってきてくれないかい?
まえにもママのストッキングを、ねだられて。
箪笥の抽斗から、こっそりと持ち出して。
小父さんのおうちまで、届けに行ったことがあったっけ。
そのあとママは、なにも言わなかったけれど。
間違いなく、ボクの悪戯に気がついていたはずだった。
小父さんはその夜、ママがいつも穿いている黒のストッキングを、ズボンの下に穿いてきて。
スリッパに収まった透ける足首を、ママはパパの視線をはばかりながら。
恐る恐る、視線を流していたんだっけ。
舞は中学にあがったばかりの、ボクの妹。
濃紺のセーラー服の下、薄黒く映える足首は。
いままでとは別人のようにオトナっぽくて。
時おり男の視線で盗み見てしまっているのを、小父さんはきっと感づいていたはずだった。
ウン・・・いいよ。
応えをかえしたとき、なぜか熱っぽく声を上ずらせて。
ボクは舞を売るつもりになっていた。

封の切っていない黒ストッキングを差し出したとき。
小父さんは愉しそうに、あはは・・・と声をたてて笑った。
あまりにもあっけらかんとした笑いに、さすがのボクも自分の見当違いに恥ずかしくなって。
けれどもいまさら、どうしようもなくって。
頭を掻きながら、エヘヘ・・・って、笑い声だけを合わせていった。
ほんとうは、本人を連れてこさせて。
学校帰りの黒ストッキングを、まんまとせしめようというこんたんだったのだ。
せっかくだし、もらっておくね。
優しい彼は、共犯者のへまを咎めだてひとつしなかった。
「女子中高生専用」と書かれたストッキングのパッケージは。
セーラー服姿の女の子がにっこりほほ笑む絵柄になっていて。
妹の舞よりか、そちらのほうがずっときれいなのに。
小父さんはあくまでも、舞にこだわっているようだった。

罰ゲームだ。履いて御覧。
小父さんが口にしたのは、信じられない言葉だった。
え・・・?
ボクが思わず、訊きかえすと
ほら、って。ほほ笑む女学生を突きつけられて。
男の子らしい羞恥心むき出しに、まさかあ・・・って言ったけど。許してもらえなくって。
ボクは言われるままに、パッケージを破って、
どうやって履くのかわからないで、戸惑っていたけれど。
小父さんに教えられるままに、脚に通していった。
ぐーんと伸びる薄手のナイロンを。
ハイソックスのように、すんなりとひざ下まで引き伸ばしていた。
見あげた小父さんは、目を潤ませながら。もっと・・・って、囁いていた。
なよなよとした感触に、とまどいながら。ひざ小僧から太ももへと引き上げていって。
じわーんと広がる薄墨色が、ボクの脚を女のように彩った。
薄い皮膜におおわれた太ももは、ズボンをはいていたときよりも、すーすーとして肌寒くって。
寒いだろ?小父さんはボクのことを見透かしたように、そういうと。
足許にかがみ込んで、ボクのふくらはぎを、すうっ・・・とべろで舐めあげていた。
ちょうど、ママに対してそうするように。
同性愛のケは、ないつもりだったのに、ぞくっとしてしまったのは。
ママもこの舌に、支配されている。
その事実を、まざまざと自覚してしまったから。
妹さんの脚にも、こんな悪戯をしてみたいね。
じいっと見あげてくる小父さんの目は、笑っていなかった。


4 連れ出して

舞を連れ出すのは、かんたんだった。
だって小父さんは、親戚みたいに我が家にしげしげ通ってきたのだから。
舞もひどくなついていて、初めての制服姿も、自慢げに見せびらかしてくらいだった。
おっ、女ぶりをあげたな。
まるで一人前の女性に言うような言葉を投げられて。
そお?・・・って。まんざらでもなさそうに浮かべた笑みは。
どこかなまめかしい翳をよぎらせていて。
傍らで眺めていたボクを、はっとさせたほどだった。

中学の勉強、難しいだろ?小父さんが勉強見てくれるってさ。
そんな誘いに、舞はむしろ嬉しげに笑って。
なにも知らずに制服の袖を通して、いそいそとついてきたものだった。
紺色のスカートの下は、お約束どおり黒のストッキング。
だって舞の通っている学校は、名門の私立で。
黒のストッキングを履く学校だったから。

乾いた舗道のうえ。
ぴたぴたと歩みを進める、黒のストラップシューズにくるまれた足首は。
真新しいストッキングごし、肌を青白く浮かび上がらせていて。
まるで一人前のレディのような雰囲気を、なまめかしく漂わせていた。
すんなりと伸びたふくらはぎは。
ついひと月まえまで、白のハイソックスにくるまれていたころとはうって変わって。
薄墨色に縁どられたなだらかなカーヴが、いっそう悩ましく、ボクの網膜を惑わした。
この脚を小父さんに、あげちゃうのか・・・
ボクはなぜか、ジリジリと胸を焦がしていて。
灼けつくような想いに、ひどくとまどってしまっていた。

連れてきたよ・・・
小父さんの家にあがったとき。
ボクは声を上ずらせていた。
ぴかぴかに磨き上げられた小父さんの家の廊下に、舞が靴を脱いだつま先をすべらせたとき。
薄っすらとした補強に包まれた足指のなまめかしさに、ひどくどぎまぎしてしまったから。
じゃあ、キミはここで待っていてね。
小父さんはいつものように、人懐こくウィンクすると。
ボクはもう逆らえずに、肩に掌を添えられた細い肩を見送るしかなかった。
肩先でおびえたように震えていた三つ編みのおさげが、あっという間に、閉ざされるドアの彼方に飲み込まれていった。

十五分と、ガマンできなかった。
覗かない・・・って、約束だったけど。
ボクは恐る恐る部屋のドアをあけて、二階にある小父さんの書斎に通じる階段を、
かすかなきしみさえ、心すくませながら。
一歩、一歩・・・進み出ていった。
見てはいけないものを、覗き見するために。

廊下の行き止まりのドアは、まるでボクがくることを予期していたみたいに。
これ見よがしに、半開きになっていて。
かすかな声が、洩れてきた。
まだ、ただのひそひそ声だとわかっていても。
なにを囁いているのか。どんなことを、吹き込まれているのか。
舞の耳たぶにそそぎ込まれた毒液が、鼓膜を震わせるのを。
ボクは背後から、胸ズキズキさせながら、盗み見てしまっていた。
後ろを向いたセーラー服姿は、白のラインが三本走った襟だけが、やけに目だっていて。
きちんとお行儀よく腰かけたイスの下、
なまめかしいストッキングに包まれたふくらはぎは、むぞうさに軽く交叉していて。
じわりと白く滲んだ足の裏が、どきりとするほど、なまめかしかった。

なにを囁いているのか、ほとんど聞き取れない声に。
舞はうんうんといちいち頷いていて。
そのたびにちょこんと揺れる、三つ編みのおさげが。
真新しい制服に走る、鮮やかな白の三本線のうえ。
かわゆらしく、それでいて、妖しげに震えていた。
鼓膜にしみ込んでゆく、あの穏やかに優しげな声色が。
無垢な心を、どす黒いシミで浸してゆく・・・
その過程を、まざまざと見せつけられて。
ママが堕とされるのを、覗き見するときよりも。
抵抗を感じて・・・そしてひどく昂ぶってしまっていた。

男は舞の首筋に、ひっそりと唇を近寄せていって。
すんなり伸びた首筋と。渇きにたぎった唇と。
その差はみるみる、迫っていって。
それでもボクは、ひと言「危ない」って、声を出すことができないでしまった。
少しずつ。少しずつ。
小父さんは舞の細い肩先におおいかぶさるようにして。
しまいにグッと抱き寄せると、まるで吸血鬼みたいに、唇を吸いつけていた。
きゃっ。
舞はちいさく叫んだけれど。
そのまま身体をすくませたまま。
うなじをちゅうちゅうと、吸われていった。
古めかしい椅子の下、黒のストッキングに包まれた足首を、キュッと引き締めながら・・・

キスをねだられた。
ちょっとだけ、いやいやをしていた。
挑発するように、頬に触れられた。
困ったように、笑っていた。
けれども笑みくずれた唇と、そこからのぞいた白い歯は。
すぐに男の唇に、呑み込まれていった。
我が物顔に抱きすくめられてゆく、セーラー服の後ろ姿に。
一人前の女を見てしまった気がして。
ボクはズボンのなか、股間を昂ぶらせてしまっていた。

男は舞の足許に、かがみ込んでいって。
ボクのとき、そうしたみたいに、ふくらはぎに唇を近寄せる。
舞は困ったように見おろしながら。
それでもおずおずと、ふくらはぎを差し出していった。
清楚で知的な黒のストッキングに包まれたふくらはぎが、とてもおいしそうに映えていて。
ボクは思わず、舌打ちしちゃったけど。
愉しげに悪戯しあっているふたりには、聞えなかったみたい。
お目当ての黒ストッキングの足の甲に接吻を重ねながら。
薄いナイロン一枚へだてた、向こうとこちら。
女はエッチな秘め事を、悪戯みたいに愉しんでいて。
男はとうとう手に入れた若い女の肌を、ナイロン越しに味わっていった。
愛人の娘の味は、どれほどだったのだろう?
でもボクは、まだそんなことにまで思い至らないまま。
ただはらはらと、いちぶしじゅうが終わるのを待ち焦がれていた。

男は小声で、おねだりをしている。
ボクに舞のストッキングをねだったときと、おなじように。
舞は恥ずかしがって、なんどもかぶりを振っていたけれど。
しっかり掴まれてしまっている両方の足首を見おろしながら、ちょっぴり悔しそうに。
ここまで聞えるほどの、ハッキリとした声で。
「いいよ」って。囁いてしまっていた。
小父さんは、いつもの得意げなにんまりとした笑みを浮かべながら。
もういちど、舞の足の甲に、チュッと音をたててキスすると。
薄黒いストッキングを、引き裂いていった。
ぱりぱりと、悲鳴のような音をしのばせながら。
引き剥がれてゆく薄手のナイロンは、白い地肌をさらけ出してゆく。
お気に入りのストッキングを、むざんなまでに破かれたとき。
舞はちょっとだけ、涙ぐんでいたけれど。
ひざ小僧まで、まる出しにされてしまうと、エヘヘ・・・と子供っぽく笑いながら。
もう片方の脚も、差し出して。
ブリブリと音たてて、破かせちゃっていた。

待たされていたはずの部屋に戻ったとき。
はじめて、ズボンを濡らしているのに気がついて。
そこにあったティッシュボックスが、ほとんどからになるまで、
うろたえながら、拭っていた。
しばらくして戻ってきた舞は、なにごとも起こらなかったような、取り澄ました無表情。
いつもの控えめで無口な、大人しい女学生に戻っていた。
女というのは、怖いなって思った。
ママだって・・・パパのまえでは貞淑な妻。
ボクのまえでは、厳しい母親なのだから。


5 処女喪失

その日、小父さんがさいごまで舞を姦っちゃわなかったのは。
愉しみは、さいごまでとっておきたい。なんども味わいたい。
そんな理由だと、いわれなくてもわかっていた。
黒のストッキングを破かれちゃった舞は、素足で現れたけど。
そのことに、なんの説明も弁解もしないで。
もちろんボクも、そんなことを切り出す勇気はまったくなくて。
ふたりほとんど言葉も交わさずに、家路をたどったのだった。
真っ白な舞の脚は、恥ずかしいほどあからさまで。
目のやり場にこまるくらいだった。

どうして舞を犯さなかったの?
愚問だってわかっていながら、訊いたとき。
小父さんはいつもの愉しげな笑いを響かせて。
早く犯されたい?って、ボクの困るような質問を向けてきて。
ボクが顔を紅くして、黙り込んじゃうと。
ごめん、ごめん。困らすつもりはなかったんだ。
頭をかいて弁解しながら。
両手でなにかをかかえるような仕種をして。
舞のおっぱいが、これくらい大きくなったら。
犯すよ・・・って、囁いてくれた。
まるで自分が犯されちゃうみたいな羞ずかしさに、
ボクは知らず知らず、視線を落としてしまっていた。
革靴を穿いた小父さんの足首は。
そのときも、どうやらママのやつらしい薄い靴下に、黒く輝いていた。

どこの家の男の子でも、おなじように。
家にいて、ふざけて妹の胸を触ったりすることはあるけれど。
服の上から感じる、あのぷよぷよとした半熟たまごみたいに柔らかいおっぱいは。
日ましに、大きくなっているような気がして。
そのたびに、ふつうのお兄さんが感じるのとはべつの想いがこみあげてくる。
舞のおっぱいが、小父さんが両手を拡げたあの大きさまでふくらんでしまうと。
犯されちゃう。
まだ、まだ、大きくならないで・・・
ボクの願望とは裏腹に。いや、もしかすると正直な願望どおりに。
舞の胸は、急速に熟れはじめた。

そのあいだも、ずっと、舞は小父さんに勉強を教えてもらっていた。
頭のいい小父さんは、実際に勉強を教えても教え上手だったけれど。
もういっぽうの教えのほうに、舞も夢中になってしまっていて。
制服のうえからまさぐりを入れてくる掌に、ひたすら声を忍ばせていた。
ボクはママから、いつも舞の送り迎えをおおせつかっていて。
正直、気のすすまないときもあったけれど。
断りきることは、できなかった。
何よりも愉しい、ママと小父さんがセックスするシーンを覗き見させてもらえなくなっちゃいそうだったから。
ボクはいつもいい子のふりをして。
なにも知らないそぶりを、どこまでもとりつくろって。
素直に「はい」と、言いつけどおりに舞を連れ出していた。
舞はママに言われるままに、足しげく、勉強を教えてもらいにいって。
濃紺の冬服が、真っ白の夏服に変わってからも。
舞は黒のストッキングの脚を、かえなかった。
ストッキングを1ダース、だめにしてしまったとき。
初めて、小父さんに処女を捧げた。

その日学校から戻ってくると。
ママはいつになく、改まった顔つきになっていて。
きょうは絶対、舞についていってあげて。って。
さりげなく、ストッキングの穿き替えを手渡された。
そんなことは、いままでに。ただのいちどもなくって。
舞はいつも、学校帰りに履いていた黒のストッキングを惜しげもなく破かせてしまうと、
そのまま素足で家に戻ってきたのだけれど。
太ももに流れる血を、気にしたのだろう。
そんなふうに感づいたのは、だいぶあとのことだった。

いつもは足の遅い舞の手を引いて、送っていくのに。
きょうはすこし後ろから、舞のあとをついていく。
無自覚に、足どりが忍び足になるのは。
薄黒くなまめかしく染まった脚を盗み見る後ろめたさから?
それとも、これから女になると知ってか知らずか、いつもよりも大またに歩みを進める少女への気後れから?
ゆさゆさと揺れる長い黒髪は、いつのまにか、とうに三つ編みを卒業してしまっていて。
白い三本線の走るセーラー服の襟のうえを、踊るように波打っていた。

真っ白な夏服が、小父さんの逞しい猿臂に抱きすくめられてゆく。
ボクはいつものように、階下の部屋で待たされて。
ふたりが視界から消えると、大人しく待っているそぶりをかなぐり捨てて、足音を忍ばせていた。
その日のふたりの行動は、いつもよりはやかった。
舞はきょうという日を、意識していたのか。
足許にかがみ込む男に、まるで貴婦人が脚にキスを許すときのような、大人びた優雅さで。
足の甲への接吻を、受け入れていた。
男の腕のなか、かすかにゆれたおとがいがわずかに上向くのを。
いつになくワイルドに輝く口ひげが、視界をさえぎってゆく。
熱く長いくちづけに、ボクは意気地なくがたがたと震えながら。
まるでじぶんがそうされているかのような気分を味わっていた。

紅いじゅうたんのうえ、じぶんから姿勢を崩していって。
舞はスカートを穿いたまま、ゆっくりと脚を拡げてゆく。
整然と走る征服のスカートのプリーツが、折れ曲がるようにくしゃくしゃにされていって。
あらわになった白い太ももを、ひざ上までのストッキングの口ゴムが、ひときわ濃く横切っていた。
ほっそりとした指先が、腰周りを覆う水玉もようのパンティを、器用にまさぐりずり降ろしてゆく。
いつもママを征服し狂わせている逞しい腰が、ひときわ筋肉を隆起させて。
か細い舞の腰に、ずぶずぶと沈みこんでゆく。
その瞬間。
さすがに舞は、声を呑んで。痛がって、すすり泣いて。
けれども階下で待っている(はずの)ボクに、聞かれまいとして。
身を縮こまらせながら、必死に歯を食いしばっていた。
夕闇が濃くなって、夜の帳がおりていって。
包まれた闇のなか、ふたつの影はいつまでも、動きを止めない。
当たり前に待っていても、とうに待ちくたびれてしまうはずの刻が過ぎていたのに。
ふたりはボクを待たせていることも忘れたように、せめぎ合い触れあいつづけていた。
ボクはそのあいだ、しじゅう身体を震わせながら。
とっくに闇に隠されてしまっているはずの白い肌は、想像のなかありありと浮かび上がっている。
汚された白い肌。
それはまるで刻印のように、ボクの網膜から消えることはない。

ボクはママから渡されたストッキングの穿き替えをポケットから取り出して、
知らず知らず、まさぐりつづけていた。
まるでそれが、舞じしんであるかのように。
なんどか舞が脚を通したストッキングは、持ち主のぬくもりを宿しているようなかんじがした。
しなやかなナイロンの感触が、指先に絡みついてきたとき、
薄々の生地に浸されていた生娘の肌の気配をかんじて、
とうとうガマンできなくなって、つま先をさぐっていて。
いっきにひざ小僧まで、引き伸ばしてしまっていた。
あのときいちどだけ履いてみた女の子用のストッキングは、
筋肉の隆起したボクの太ももを、ゆるやかに縛りつけていった。
ぴっちり張りつめたナイロンの感触に刺激されるようにして。
覆った両手のなか、熱いほとびがはじけるのを。
もう・・・どうすることもできないで、ほとぶままにほとばせてしまっていた。

6述懐

初めてだったのよ。お父さん以外の男のひと。
でもね・・・いっぺんに、感じちゃったのよ。
だから、思ってしまったの。
ほんとうはこのひとに真っ先に、抱かれたかった。
でもそれはもちろん、かなわない夢。
だから・・・
私の代わりに、あの子の処女を、プレゼントしたかったのよ。

女の子はみんな。
大きくなったら男のひとに、大人の女にしてもらうものなのですよ。
あなたも・・・あの小父さまに。
ちゃんと大人にしてもらうのよ。
生理のときだけは、ママに言いなさい。
そういうときは、相手の男性に迷惑をかけないように。
逢いたくても、逢わずにガマンしなくちゃいけないから。

あの子は、おとなしい子だったから。
私がそんなふうに、言い含めても。
素直にお兄ちゃんに連れていってもらっていた。
女にしていただいたあの晩に。
すべてを見届けてしまったあなたは。
昂ぶりのあまり、部屋に入ってしまって。
魔物になってしまっていたあのひとに、そそのかされるままに。
はだけた制服姿に、息遣いを合わせていって。
おそるおそる、手足を重ね合わせていって。
そのまま、実の妹と契ってしまったのね。

あのひとがわたしたちの視界から消えて、
貴方も大人になって、好きな女のひとと、結ばれて。
もう・・・それでおわりになるかと、思っていたら。
思い出したように現れたあのひとは。
また、舞とも、私とも・・・よりをもどしてしまった。
知っているんですよ。
あなたまでもが、うれしさのあまり。
実妹との過去を暴露するぞって、わざとあのひとに自分自身を脅迫させて。
あなた自身が描いた筋書き通りに、要求に屈したそぶりをして。
かつて舞を連れていったときみたいに、胸わくわく弾ませて。
祐子さんのことを、連れて行ってしまったのね。

はからずも。
舞を連れ出した時の経験が、活かされてしまった。
どんな貞淑妻でも、いちころですわね。
あの晩どれほど、祐子さんが乱れたのか。
わたしが翌朝、お宅を訪ねたのは・・・そう。様子を見に行ったのですよ。
あのひとの女にされたひとは、みな同じ。
それとなく、取り繕っていたけれど。わたしにはすぐに分かった。
放心したみたいになって、瞳を虚ろに輝かせて。
でも、気づいていなかったのね。
濃紺のタイトスカートの裏地に、あのぬらぬらとした粘液を光らせたままにしていたことを・・・
忌まわしくもいとおしい、あのひとの名残り。
指先ですくいとって、目のまえで舐めてあげたかった。

あれからお宅・・・お盛んみたいね♪
声がするって・・・評判ですよ。
どうやらあなたの声ではないときの夜も、あるみたいだけど。
あちらにお泊りのことも、あるようね。
声がするって、評判ですもの。
週に四日、差し上げているんですって?
いいわね。数では譲って差し上げないと。
もうあのひとも、齢ですから。
くまなく舐め尽して狂わせる術は、いまだに健在だけど。
もう、子種を仕込まれてしまう危険はないでしょうから。

いいえ・・・責めているわけじゃないのよ。
だって、貴方のお父様も。
そうやって、妻が犯される風景を愉しんでいたのですから・・・

ポートレイト ~妻三態~

2008年03月10日(Mon) 07:44:18

眩しいはずの、朝の陽の光も。
この邸の、ツタの絡まる窓辺からうかがうと。
まるでフィルタでもかけたように、くすんで写る。
ここは、古くからの親友が個人でやっているフォト・アトリエ。
目のまえに広げられている大判の写真は、
結婚記念日に頼んだ、妻のポートレイト。
おりしも単身赴任が決まった直後で、妻はわたしに贈るために、写真を撮ると言い出したのだ。
ほんとうは、いっしょに撮るつもりだったのだが。
急な夜勤が入ってしまい、写真館のまえまで送っていって。
別れぎわ、紫のスーツにめかしこんだ妻は、なぜかイタズラっぽい笑みを滲ませて。
いってらっしゃい。
いつもとおなじ挨拶を、口にしたのだった。

白一色の壁面のまえ。
きちんと腰かけたアームチェアに。
小柄な身体つきはぴったりとお行儀よく、収まっている。
着やせするタイプなのよ・・・と、妻はいう。
衣裳をはぐりあげた裸身が、どれほど艶っぽい肉を豊かに熟れさせているか。
それは、夫婦だけの秘密。
紫のタイトスカートからのぞく、ふくらはぎは。
肌色のストッキングに包まれて、むっちりと輝いていた。
ファインダー越しに、悪友の抜け目ない観察眼は。
どこまで妻の色香を見透したものだろう?

ぜんぶで三枚、撮影したよ。
えっ、一枚でよかったのに。
あとの二枚は、サービス。おまけ。
限られた人間だけにしか見せることのない、気さくさと濃やかさの込められた穏やかな声色で。
彼はもう一枚を、私に差し出した。
奥さん、黒も似合うねぇ。
いつ撮ったものだろう?
アップにした髪型は、紫のスーツとおなじだったが。
写真のなか、妻がまとっているのは黒の礼服。
きっと、べつの機会に、撮ったものだろう。
妻が此処に来るのは、昨日が初めてというわけではないのだから。
礼服姿の妻は。
シックな落ち着きが、ぜんたいにいきわたっていて。
いつも以上に、大人の艶を感じさせる。
喪服というのはね。なかなかエロチックな衣裳なんだよ。
親友の言葉に、すなおに頷いているわたし。
たしかに・・・色香というものが。画面のすみずみにまで、いきわたっている。
これもきのう、撮ったやつだぜ?
わたしの心のなかを、見透かすように。
彼はわたしの目を覗き込んでくる。
えっ?
では・・・ここで着替えたのか?
そういえば妻は、あのとき大きなバックを提げていた。
服を替えた妻は、一枚目よりも色っぽい雰囲気をたたえている。
どす黒い疑念がわくわくと、胸の奥底をくすぐりはじめた。
いい写真だろう?被写体がいいからな。
いやぁ。カメラマンの腕・・・だろう?
いつになく機嫌をとるような口ぶりになったのは、なぜだろう?
まぁ・・・ね。
ヤツはおもむろに、腕組みをほどいて。
三枚目。見るかい?
水を向けてきた。
これがとっておきなんだ、といわんばかりに。
差し出された三枚目に、わたしはアッと声を呑んでいた。

おなじ白一色の背景に。
純白のシーツ。
アンティークな調度。
手の届きそうな場所にある電話の子機までが、このスタジオそのものだったけれど。
シーツのうえ、横たえられた妻は。
一糸まとわぬ全裸に剥かれ、縄をぐるぐる巻きにされて。
不自然なまでに折れ曲がった片脚には、荒縄を痕が残るほどに食い込まされている。
ふかふかのベッドのうえ、まるでエモノのように転がされた妻は。
なにを想っているのか、心もちおとがいを仰のけて。
向こうに顔を、そむけていた。
首筋に流れる染めた髪は。
きれいにほどかれて、枕元に流れていた。
子機をとって、助けを呼ぼうにも。
かたく縛められた手足は、いうことをきかなかったことだろう。
なんてことを・・・
あたりまえの夫として。
絶句するのは、とうぜんとしても。
股間を締めつける昂ぶりは、じくじくとしたほとびさえ滲ませて。
曲がりくねった裸体に、熱っぽい視線を食い入らせてしまっている。
すべてを見透かしたように。
悪友は落ち着いたまなざしのまま。
私のコレクションは、知っているよね?
穏やかな声のまま、語りかけてくる。

近所の人妻。
親戚の娘。
取引先の、オフィスレディ。
それに、知人の妻。
だれといわず、見境なく。
撮らせてくれ。
そのひと言に乗った女たちは。
いつか、蜘蛛の糸に巻かれるように。
容赦ないファインダーのまえ、自ら裸体を曝し、堕ちてゆく。
そのときの写真を、まるで戦利品か記念碑のように。
写真館の奥まった一室、許されたものにしか立ち入ることのできないスペースに。
ずらりと壮観なまでに、飾られている。
わたしの妻も、コレクションの一部にされてしまったのか・・・
あきらめとも、むなしさともつかない哀しみが、ほんの一瞬よぎったけれど。
男は泰然として。
奥さんの肉体は、わたしのファインダーにかなったのだよ。
いい気なヤツめ。
舌打ちするわたしは、いつもの悪友同士の語らいに戻ってしまっている。

よく御覧。
指先に示されたのは、黒の礼服の足許。
ちょっと見ただけでは、わからないかもしれんがね。
肌の透けた薄手の黒ストッキングごし。
ななめに走る縄目が、ありありと浮かび上がっている。
すこしまえ、お帰りになったばかりだよ。
ひと晩、過ごしたというのだね?
ああ・・・あちらのほうも。美味だった。うらやましいね。
撮られ、脱がされ、征服されて。
それだのに、これほどに昂ぶるのはなぜ?
清楚な礼装が、淫靡な娼婦の装いと、ありありと重なり合ってくる。
だから・・・夜勤明けに来いといったのさ。
奥さん、かわいがってやれよな。
夜が遠のいていたことを、暗にさとされていた。

行ってまいります。
背後から、おずおずと声かけてくる妻に。
写真を撮ってもらうの?
わたしがあらわに問いかけると。
妻は、小娘みたいに頬を紅く染めている。
浮気に出かけるときはね。そんなことだとご主人にばれてしまうよ。
まるで迎え取る愛人のような言葉が。
こうもすらすらと出てくる自分をいぶかしみながら。
妻の両肩にかけた掌に、若やいだ体温が伝わってくる。


あとがき
とある緊縛写真を見て、イメージしたお話です。

納屋のなか ~村はずれの真夏の夜~

2008年03月10日(Mon) 06:31:39

どんなにお育ちのよいお嬢さんだろうが、
お高くとまった上流家庭の奥様だろうが、
納屋の藁んなか、蹴転がして。
こぎれいな服、藁だらけにして。
股ぐら割って、ひとつになっちまえば。
ぜえぜえあえぎながら、抱きついてくるだ。
荒い息も、熱っつい体温も。その女のものは、ぜんぶわしのもの・・・
お宅の貞淑な奥さんだって、そんななん十人のなかの一人なんだぜ。

そうね。きっとそう。
都会暮らしのとき、どんなに貞淑妻をしていたって。
ここに来てしまえば、わたしもただのメスなのかも。
ええ。貞淑にしているのも。あなたを愛しているのも。
うそ偽りのない、ほんとうのことだけど。
でも・・・ひとつにつながっちゃっているときは。
わたし、あのひとの奴隷になり下がっている。
それが愉しくて。此処に連れてきてもらいたくって。
わたし、いい奥さんしているだけなのかも。

鮮やかに刷いた口紅が、声洩らすたび。
じんわりよどんだ薄闇に散るように。
うつろな声色は、熱い響きを帯びている。
白い頬から、いつもより少しだけ、血の気を引かせて。
長い黒髪を、肩先に揺らしながら。
妻はハンドバックを手に、表に出ていく。
わたしに許されているのは。
妻が約束させられた村はずれの納屋まで、あとを尾けていって。
いちぶしじゅうを、見届ける。
手出しすることも、妻の名誉を守ることも。
この土地では、許されない。
人なみ以上に得た地位も名誉も、この土地では関係がない。
それはただ、犯される女の、身の飾りになるだけのこと。
都会では、彼女の夫であっても。
この土地では、ただの女の提供者でしかない。

数年前。
この村に、迷い込んで。
いや、厳密には招待客だった。
親類の娘が、この村に嫁入って。
けれども当地のしきたりどおりに挙げられた婚礼は・・・事実上乱婚の宴だった。
花嫁は村の若者たちに輪姦されて。
その母親も、着飾った装いをぬかるみに浸す羽目になった。
永年連れ添った夫のまえ、はしたない姿をさらしながら。
婚礼の引き出物がわりに、貞節までも泥まみれにされてしまった。
なにも知らずに来た妻は。
花嫁のつぎに若い女として。
村ではとうぜんのあしらいを受けることになった。
獣のような男たちに、血を吸い取られて。
抜け殻のようになって転がされたわたしのすぐ傍らで。
転がされた妻のうえ、老いも若きも群がっていって。
荒々しい息づかいの下、衣裳をちりちりに引き剥がれていって。
夫しか識らなかった身体の奥深く、いく種類もの精液をすり込まれていったのだった。

ご主人。いつも悪いね。
五十年配の男は、気さくに声をかけてくる。
嘲りもなく、侮辱もなく。それ以外の、いっさいの悪意を感じさせない態度。
都会暮らしのインテリさん。
時おり軽い尊敬の念さえも、よぎらせる彼らだのに。
満面に寄せた皺には、露骨なくらい。
卑猥なものを、滲ませている。
きょうの妻のいでたちは、白一色のスカートスーツ。
オフィスレディをしていた頃の服に、男は目を輝かせながら。
こぎれいななりじゃのう。
今夜も納屋の藁んなか、うずめてやるだ。
にたにた笑いながら、そういって。
親子ほども離れた齢の妻を、腕を引っ張るようにして、外に連れ出していく。
息子の筆おろしも頼むだ。な?な?
否応言わせぬ口ぶりで。
手招きに応じた洟垂れ息子は。
わたしのほうをチラチラ窺いながら。
悪びれるふうもなく、ぺこりとお辞儀をしてよこした。

入れ替わり立ち代り、妻にのしかかっていった獣たちは。
か弱い抵抗を、苦もなくねじ伏せて。
腕を抑え、脚を抑えつけて。
純白のスカートを剥ぎ取り、肌色のストッキングをぶりぶりとむぞうさに引き破っていく。
透きとおった艶を帯びた太ももを。
卑猥な指と、掌と。唇や舌の凌辱にさらされて。
唇を奪われてしまうと、妻は身体の力を抜いていた。
五十年配のその男は、あの婚礼の夜。
妻を初めて奪った男だった。

覗いてもいいが、声かけちゃならねぇ。
妻を犯したあと、その息子が入れ替わりにのしかかってゆくと。
五十男はひくい声で、そう告げた。
声かけちゃ、恥かかせることになるからな。
今夜のうちに、あとなん人来るか分からねえんだし。
そう。
わたしは、なにも知らないことにされている。
温泉に行こうよ。妻にそう、ねだられて。
バカンスにやってきた、仲の良い若夫婦。
なにもかもが、塗り替えられてしまったあととなっても。
表向きの顔だけは、なにひとつ変えられていない。

長い夜だった。
外はもう、明るくなってきたというのに。
わたしはまだ、昂ぶりのさめやらぬまま。
うつらうつらと、二度寝の夢に浮かされていた。
ふとした物音に、頭をあげると。
しーっ。
あの五十男が、指を一本たてて。
おどけたようすで、目配せしてくる。
気づいたふりしちゃ、なんねぇぞ。
そういっているみたいだった。
妻はやつれきった面差しをして。
白のスーツを、あちこちほころびさせていた。
脱がされたスカートは、あの洟垂れ息子が戦利品みたいにしてぶら下げていて。
あらわになった太ももには、破れて脱げかかった肌色のストッキング一枚だけ。
あまりにも無防備な下肢は、度を過ぎた輪姦のなごりを、紅いしずくにして、散らしている。
ごめんなさい。転んじゃって。
このひとたちが、親切に介抱してくれたんです。
棒読みのように、いいわけをいうと。
振り乱した髪を、とりつくろおうともしないで。
女は浴室へと、ふらふらとした足どりを速めてゆく。
ご苦労さん。ゆっくりおやすみ。
背中に受けたねぎらいに、妻はかすかに身を震わせたけれど。
もうそれ以上、なにも言おうとせずに。
村の親子に礼を言うわたしを、うつろな視線を注いでいた。
妻が、お世話になりました。
うそ偽りなどではない。
たしかに、”お世話”になったのだから。

村ではね。いちばんの仲良しに。
じぶんのいちばんたいせつな人をあげるんだよ。
だからね。今夜あなたの奥さんを襲った男たちを、仇敵だなんて思ったらいけない。
おなじ女に惚れた同士。
あとで仲良く、いっしょに飲むことだね。
あの婚礼の夜、わたしに声かけてきた花婿は。
幼馴染みたちに輪姦されている花嫁を、横っ面で盗み見ながら。
やはり傍らで、愛妻を狂わされてしまっているわたしに、慰めにならない慰めをかけてくれていた。
引きもきらぬペ○スの応接に理性を失った花嫁は。
すっかりはしゃぎきって、けらけら笑い転げながら、裂けた衣裳をまだひらひらさせている。
妻もまた。声こそ立てなかったけれど。
ピンクのスーツのすそから、太もももあらわに。
引き裂かれた白のストッキングからむき出しになった肌は、
牝の昂ぶりに、ひどくみずみずしい輝きを放っていた。

村にきたそん時から、目ぇつけていた。
ぶっきら棒な、賞賛に。
わたしは共感するゆとりは持っていなかったけれど。
いまは村の宿から妻を連れ出して、入れ替わり立ち代り犯していくものたちと。
にぎやかに猥雑な冗談をたたくほどになっている。
目ぇつけられちゃ、かなわんな。
いつの間にか口をつく、村の言葉に。
男どもはわっとどよめき、罪のないからかい文句を口にする。
妻はとみると。
洗い髪をサバサバと肩に流しながら。
ノースリーブのワンピース一枚にノーストッキングのラフなかっこうで。
今夜はなん人、遊びにくるのかしら。
お盆だし・・・黒の礼服着て待っていますね。
ストッキングは、なに色がいいのかな?
黒のスケスケのやつ?いやらしいわね。
大人しやかな唇から洩れる不似合いに伝法な口ぶりに。
男どもはまた、わっと騒ぎ立てるのだった。
満ち足りた面差しで、わたしを見返る妻。
あの婚礼の夜は、妻にとっても第二の婚礼だったのだ。


あとがき
ちょいと季節はずれなんですが。
真夏のお話なんですね。これ。
きりっと装った都会の婦人が、藁くずただよう納屋のなか、
衣裳を乱されて理性を侵されてゆく。
そういうノリから生まれたお話ですが。
やっぱりこういうノリですと、開放感のある真夏というのはイメージ的にぴったりきます。
吸血鬼の棲む村に迷い込んだのが、運の尽き。
都会の生活から時おり抜け出して、すなおに妻を差し出すご主人がかわいらしいです。(笑)

ストッキングとりどり

2008年03月10日(Mon) 04:53:05

ねずみ色のハイソックスを、自分の血で濡らしながら。
ボクは吸血鬼に、ふくらはぎを吸われていった。
血がぬるぬると抜けていく感じが、ひどく小気味よくって。
もっと・・・もっと・・・
うわ言を呟くようにして。
それでもボクは、もっと血を吸ってとおねだりをくり返していた。
それ以来。
ボクは吸血鬼の小父さんと、すっかり打ち解けた仲になっていた。

肌色のストッキングをチリチリに破かれながら。
ママも吸血鬼に、ふくらはぎを吸われちゃっていた。
ちょうどボクに、そうしたように。
長靴下の脚を、もてあそんでいったのだった。
それはとても、うっとりするような眺めで。
それ以来。
いつも厳しいママと、ボクはすっかり仲良しになっていた。

黒のストッキングに、鮮やかな裂け目をぴちっと走らせながら。
妹は口を尖らせながらも、吸血鬼にふくらはぎを吸わせちゃっていた。
もお~っ。学校に履いていくやつなんだよ?
口では、ぶーたれているくせに。
語尾の震えは、打ち消せなくなっていて。
やだー。エッチ・・・
とか言いながら。
さいごには、照れくさそうに。
あしたも履いてきてあげるからね、って。キケンな約束をしちゃっている。
それ以来。
生意気ざかりの年頃になった妹は、ボクと秘密の関係をもつようになっていた。

白のストッキングのうえから、唇をぬめぬめと這わされながら。
ボクの未来の花嫁は、とてもメイワクそうにして。
眉をキュッと、引きつらせている。
ママや妹が、されちゃったみたいにして。
彼女もまた、ストッキングを破られていく。
ちぅちぅ・・・ちぅちぅ・・・
洩れてくる吸血の音と。
やはり、処女だった。
賞賛の呟きと。
ひ・・・ど・・・い。
まだ侵されていなかった処に散らされた、紅いものの輝きと。
それらのすべてに、ボクはマゾの血を沸きたたせる。
それ以来。
妻となる人は、姑とすっかり打ち解けて。
ふたり連れだって、夜更けひそかに出かけていくようになった。


あとがき
起き抜けに、フッと浮かんだ・・・はずなのですが。
いまいちのきれだったかも。^^;

和解の季節

2008年03月09日(Sun) 16:00:42

三月の、いまごろの季節が、好きなんです。
それほど寒い思いをしないで、冬の透きとおった景色を楽しむことができるから。
やぼったいパンツルックも、肌の透けないタイツも脱ぎ捨てて。
久しぶりに、薄手のストッキングを脚に通してみます。
吹き抜ける風が、まだ肌寒くひざ小僧を撫でるけれど。
思い切りよく、脛をさらして歩いてみたい。
しなやかな感触のストッキングが、冷気をほどよくさえぎってくれるから。

まだ・・・黒を履いていたい気分です。
木の芽も硬い、公園の木立ち。
ピンクのスーツや白のストッキングは、似合いません。
それに、そう。
つい先週。
女の操を捨てたばかりなのだから。
主人のまえで・・・

長いおつきあいの不倫がばれて。
けれども薄々察しをつけていたらしい主人は、私たちを赦してくれた。
女の身体を抱けなくなった主人にとって。
浮気の黙認は、つぐないのようなものだった。
けれどもわたしは、いつも罪悪感を胸に抱きながら。
それでも彼のもとへ通う足どりを、とめることはできなかった。
その罪悪感こそが、スリルに似たスパイスになっていることに気づくころ。
わたしはもう・・・彼から離れることができなくなっていた。

いまでも愛し合い、尊敬すら感じている夫。
それとは裏腹に、ふしだらな女たらしの情夫は。
夫までも、たらし込んでしまったのだろうか。
ふたりはやがて、ウマの合う悪友同士のようになって。
わたしが抱かれるところを覗いてみたい。
そんなことさえ、こともなげに洩らす間柄になっていた。

じぶんで抱いていると、見られないものが。
ひとに抱いてもらっているときには、いちぶしじゅうを覗けるのだね。
主人の囁きに、わたしは少女のように顔赤らめて。
けれどもしまいには、われを喪って。
おんおんと、いつものようによがり狂ってしまっていた。
恥も外聞も、忘れ果てて。
すべてをさらけ出してしまった夜。
こと果ててから、夫はわたしを熱く抱き寄せて。
なん年ぶりかの、夫婦のいとなみを遂げていた。

往き道は、彼に伴われて。
かえりは、夫と肩を並べて。
通りすぎる公園は、日に日に春めいてきて。
閉ざされた秘密が、あからさまになってからは。
冷気に秘められていた華やいだ春の息づかいが、
耳もとにまでひたひたとしみ入ってくる。
ケンイチに、彼女ができたみたいよ。
サユリの中学の教科書、取りに行かなくちゃ。
他愛ないことを語り合いながらあるく姿は、どこにでもある夫婦の足どり。
けれども夫の呟きは。
厚着の下のブラジャーにまで透けるほど、わたしをハイにさせている。
どうだった?汗かいてたみたいだね?
もう・・・そんなこと。
春は、裏切りが奉仕にかわるとき。
四十女が、少女に戻る季節。


あとがき
浮気のいいわけは、なんとでもつくものですが。(笑)
たぶんこのご主人は、もともと知っていた女たらしの悪友をかたらって。
奥様に無上の刻をお与えになったのでしょう。

着信・・・返信・・・着信。また返信。

2008年03月09日(Sun) 15:43:10

ピッ。
妻の携帯が、みじかい着信音を鳴らした。
ここは、夫婦の寝室。
妻は薄ら笑いを浮かべながら、
あら。
とだけ、呟いて。
白いほっそりとした腕を伸ばして、携帯を手に取って。
御覧になる?
って、こちらにさし寄せる。
見たくない・・・とはいえない雰囲気で。
わたしは恐る恐る、携帯のディスプレイに目を落とした。

真昼間から、愉しかった。
また、明日。
亭主に内緒で出かけるように。

ほほほ・・・
唇に手をあてて、ひっそりと忍び笑いながら。
ごめんなさい。お逢いしてしまったの。
妻は悪びれるふうもなく、灰皿を手に取った。
灰皿。
妻もわたしも、煙草を嗜むことはない。
そういえば、出張から戻ってきたときに。
ほんのりと薫っていたのは、あの匂いだったのだろう。

なんてご返事、しようかしら。
妻はほんのりと笑みながら。
寝酒のブランデーを、口に当てて。
こっくん。
喉を鳴らして、嚥みくだした。
頬がぽっと赤らんだのは。
ブランデーの効きにしては、ちょっと早すぎる。

えぇと。
目のまえで、携帯をもてあそびながら。
妻は返信を、打っている。

よろこんで、お伺いします。
主人にはうまく、話しておきますね。

細い指が踊るように携帯のうえを撫でてゆき、
ひとつの文を、形づくる。
ぴっ。
自分で発信音を、呟いて。
目のまえで、裏切りのメールが羽ばたいていった。

シャワー、浴びてきますね。
嫉妬に昂ぶるわたしが、今夜ベッドのうえであらわにする熱情を予測して。
肌を磨きに、浴室にむかったあと。
ピッ。
妻の携帯が、また着信音を鳴らした。
呟くようなその音は、ちょっと油断していると聞き逃しそうになるほどに小さい。
開かれたままのディスプレイには。

明日までガマンできなくなった。
今夜、いますぐに。
いや、亭主が寝入ってからでもいい。
うちにきなさい。
かわいがってあげるから。

ウフフ。
思わず洩らした、マゾヒステリックな笑い。
わたしは妻の携帯をあやつって、妻になりかわって返信する。

だいじょうぶ。
夫は寝たわ。出張でくたびれちゃったみたい。
熟れた肌。熱い血でのぼせてしまいそう・・・
いますぐに、うかがいます。

洗い髪もなまめかしく、ふたたび妻が現れたとき。
携帯の履歴をほんのちょっと、いじくりまわして。
やったわね・・・?
軽く睨んだまなざしは。
はにかむようにイタズラっぽく、揺れている。
時間はまだあるわね。
でも今夜はまず、貴方から・・・
裏切るまえに、服従してあげる。
出張、お疲れ様♪

お転婆娘  ~お姉(ねえ)~

2008年03月08日(Sat) 08:33:11

公園を歩いている時に。
その女の子は、いきなり前に立ちふさがってきて。
ボクの背丈の、半分くらいしかないのに。
じい・・・っと睨みあげてくる視線が、妙に怖くって。
気がついたら・・・植え込みの奥の芝生のうえ、力まかせに転がされていた。
うなじに吸いつく唇に、ギュッと力がこもったとおもうと、
じゅるうっ。
怖い音をたてながら、ボクの血をむさぼり啜りはじめたのだ。

やめて・・・やめて・・・殺さないで。
いくらボクが、鈍くたって。
ここまでされれば、彼女がどういうタイプの子なんだか、わかってしまう。
けれども女の子は、馬乗りになったボクのうえ。
はっきりとかぶりを振って、もういちど。
がりり。
首筋のもう片側に、くいついてきた。

やめて・・・やめて・・・放して・・・
じゅる、じゅる、じゅる。
殺さないで。話しようよ。協力できるはずだから。
ちゅう、ちゅう、ちゅう・・・
イヤだ。死にたくないっ。うちに帰して。。。
ごくり、ごくり、ごくりん。
女の子は、信じられないほどつよい力で、芝生のうえボクのことを抑えつけながら。
それはおいしそうに、ボクの血を吸い取ってゆく。
もうダメだ・・・
あきらめかけて、身体から力を抜いたとき。
女の子は、牙を引き抜いて、じいっとボクのことを、見おろして。
助かりたい?って、はじめてそう聞いてきた。
死にたくない・・・やっとの思いで、そういうと。
どうしようかな。そっけない声が、かえってきた。
助けて。
いま、考え中。
やり取りのさなかにも。女の子は手加減ぬきで。
ボクの血を吸い取っていった。

どうしても、助かりたいんだったら。
この服を、着て頂戴。
服を着たら、家に帰るのよ。あたしを連れて。
どんなに人に観られても、恥ずかしがらずに歩くんだよ。
あざ笑うようにして、その子が大きな袋から出したのは。
白のベストや空色のブラウスはいいとして。
真っ赤なミニスカートに、ひざ上まである黒の長靴下。
明らかに、年頃の女の子の服だった。
え・・・っ?
あたしのお姉(ねえ)の服。似合いそうじゃん。
ためらうボクに、たたみかけるようにして。
いいんだよ。あたしは。
着てくれないんだったら、この場で吸い尽くしちゃうだけだもん。
サイズ大きめだから、お兄ちゃんでも着れるよね?

見て見て。あの子。
男の子なのに、ミニスカート穿いてるよ。
うっ、そー!かわいいっ。
どーしたんだろうね?ちいちゃな女の子まで連れ歩いて。
やばいよねー。ぜったい。
声にならない声が、かしましく鼓膜を貫くたびに。
ボクは脚を震わせながら。
そのたびにつないだ掌をギュッと握り返してくる女の子に、とうとう逆らえなくって。
近所の人の目も避けられないままに、女の子といっしょに家まで戻ってきた。
古ぼけたアパートは、独り住まいのボクにちょうどいい広さだったけど。
女の子をひとり、あげただけで、気詰まりなくらい狭苦しくなった。

あたし、ここで暮らすから。
女の子は決めつけるように、そういうと。
毎日あんたの血を吸って、暮らすから。
かわいくない声で、ぶすっと呟くと。
遊びのつづきだよ。きっちり相手してもらうからね。
やおら、ボクに襲いかかってきて。
力の抜けたミニスカート姿を、畳の上に押し倒されていた。

あっ、ひどい。
ちゅ―っ。
ちょ、ちょっと待って・・・
ちゅ――っ。
だ、ダメだったら・・・
ちゅ―――っ
女の子は、吸血の音を聞こえよがしに響かせながら・・・泣いていた。
お姉(ねえ)、お姉(ねえ)、死なないで・・・
せきあげる嗚咽を胸に、ボクはどうすることもできないままに、
女の子を抱きしめている。

お姉(ねえ)の血は、あたしが吸ったんだ。
吸血鬼になっちゃったあたしのこと、同情してくれて。
パパやママにナイショで、逢ってくれて。
それなのに、つい吸いすぎちゃったんだ。
気がついたときには、もう意識がなくうなっていた。
でもずっと、さいごまで。優しくほほ笑んでくれていた。
だから・・・お姉(ねえ)の服着てるひとは、吸い殺せない。
そうだったんだ。
冷酷無惨にみえた幼い吸血鬼は、ただの女の子に戻っている。

お姉(ねえ)をさがしているんだ。あんたも手伝ってよ。
一滴残らず、吸い取ってあげたから、どこかで吸血鬼してるはず。
お姉(ねえ)に逢えたら、彼氏になってあげてよ。
あたしじゃまだ、小さすぎるから。
そうしたら、お姉(ねえ)とふたりで、あんたの生き血を山分けにするんだ。
かわいいような。怖ろしいような。
ボクの腕に、抱かれたまま。
女の子はまだ、甘えるように唇を吸いつけてくる。