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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

凛とした少女

2008年11月30日(Sun) 07:15:02

背後に感じる、人の気配が。
おずおずと近寄ってくるのを、くすぐったく感じながら。
オレはわざと気づかぬふりをして、青々とした秋晴れを見あげていた。
たまりかねたように、「あの・・・」って、声かけてきて。
初めて気づいたように振り向くと。
いつもよりちょっとこぎれいなブラウスに、真っ赤なスカートを穿いた少女が、
まだ稚なさの残る、整った目鼻だちに。
怯えた翳を、たたえていた。
しんそこ厭わしげに、オレのことを睨みつけながら。

来ました。約束どおりに。
ほんとうは、約束の時間を5,6分過ぎていた。
生真面目なこの子がもたらした誤差は、
迷いと逡巡がどれほど深かったのかを示している。
『五分遅れたって、いいたいの?』
とがった視線は、いまにも目からあふれ出てきそうなものを含んでいた。
そんな態度を、わざと無視して。
ハイソックスが、お似合いなんだね。
――――――。
どのみち、少女の機嫌を損ねることに、変わりはなかったらしい。

母の血を吸うのは、やめてください。
切迫した少女の声を、オレはどうしてあんなふうに、もてあそんでしまったのだろう?
いかにも生真面目な性格そのままに、
堂々とオレのまえにあらわれて、母親を救おうと思いつめてきただけなのに。
けれどもそうすることが、あのときのオレには愉快でたまらなかったのだ。

オレに食事をやめろというのかね?
わからない子だね。命までは奪らない・・・って、言っているんだぜ?
そう?どうしても母さんの蒼い顔が気になるの?
だったら・・・
母さんを招ぶ回数を減らす代わり。
あんたにもちょっとだけ、顔色悪くなってもらおうか?
母さんのガマンできることなのだから。
あんたも素直に、協力してくれるよね?
長い靴下を穿いた脚を見ると、ついドキドキしてしまうんだ。
てかてか光る高価なストッキングじゃなくっても。
あんたの履いているハイソックスだって、かなり嬉しいんだけどね。

枯れ葉混じりに吹き抜ける秋風のなか。
少女はぷっとふくれたように、立ちすくんで。
視線を地べたに落としながら。
それでも気丈に、呟いていた。
早くすませてちょうだい。
四時半から塾が。
六時からは晩御飯のお手伝い、しなくちゃいけないの。
男みたいにぶっきら棒な声色が、さいごのさいごだけ、震えを帯びた。
できたら・・・あまり痛くしないで。と。
そのときだった。
うるっとしたものが、身体の芯を駆け抜けたのは。

オレは少女の両手をとって。
拝むように、高く差し上げて。
はじめて見あげてくる視線もかまわずに。
貴婦人に対するような接吻を、手の甲にあてがっている。
あまり接点を深めないようにと、気さえ遣いながら。
いぶかしげな少女を、それでもグッと引き寄せて。
ふるふると昂った牙を噛み入れたうなじは、
ひどく暖かくて柔らかだった。

人目につかない位置にずらされたベンチに、腰かけて。
用意の手鏡で、ブラウスの襟首が汚れていないかと確かめながら。
おろした長い髪の毛を、少女はゆったりと梳いている。
その足許に、かがみ込んで。
年頃の娘らしいカーブを帯びたふくらはぎを。
オレはべろでなぞっていた。
真新しい白のハイソックスは、眩しいほどに輝いていて。
掌のなか、あてどもなくまさぐりつづけてしまったけれど。
少女はさっきまでの嫌悪感とは、無縁でいた。

流し込んだ毒液のせいばかりだろうか?
大人びた落ち着きさえ取り戻した少女は、
素知らぬ顔して、髪を梳きながら。
オレの吸いやすいように、脚の向きさえしきりに変えて、応えてくれて。
しなやかな厚手のナイロンの向こう側。
根元まで埋め込んだ牙に、柔らかなふくらはぎがひどく心地よかった。
じゅるじゅる・・・っ。
と、ついナマナマしく啜りあげたときだけは。
音は立てないで。いやらしい。
低い声で、咎めるともなくたしなめて。
音忍ばせて吸い始めたオレに、クスッと笑みさえ落としてきた。

別れぎわ。
暖かい体温に、惹かれるように。
ふと抱きしめた小さな身体を、離しがたくなったとき。
意外にやさしいんだね。
胸の中でくぐもる少女の声は、いつもの和やかさを取り戻している。
あんたの暖かい血が、オレにこうさせているのさ。
精いっぱい、突っ張ってみたら。
じゃあ・・・また来てあげなくちゃいけないね。
つきあってあげる。たまになら。イヤだけど・・・
ちょっとだけかわいく拗ねた頬が、なまめかしい白さに映えていた。
夕陽を照り返してひらひらと揺れるスカートの下には、履き替えた白のハイソックス。
立ち去る足どりは、頼もしいほどしっかりとしていて、
鮮やかに黒い豊かな髪をふりたてて、凛と背すじを伸ばしていた。
ポケットのなか、手を突っ込んで。
少女が脱ぎ与えてくれたハイソックスを、甘えるようにまさぐってみる。
まだ残っているぬくもりに、甘えるようにして。


あとがき
ちょっとうれしいことがあって、ひさびさにあっぷしてみました。(^^)
四時半から、塾。
六時からは、晩ご飯のお手伝い。
びっしり詰まった予定の合い間を縫って、吸わせてくれた血は。
冷酷な悪戯心さえ、暖かい体温に包み込んでしまったようです。
ちょっと甘えた話ですが。(^^ゞ

お嬢さんのことを、襲わせてくれないか?

2008年11月24日(Mon) 13:39:10

お嬢さんのことを、襲わせてくれないか?
想いのままのお礼を、きみにするから。
いつものように、ひっそりと現れた”彼”は。
ちょっとのあいだ、口ごもりながら。
やけにはっきりと、用件を切り出した。
アキ子さんは・・・?
問い返すわたしは、思わずはっとなって。
その問いを、飲み込んでいる。
気前のいい息子さんだね。
くくくくくっ。
下品な含み笑いの、裏側ににじみ出るのは。
制服をはぎ取られ、裸身をあらわにしながら羞じらう恋人のようすを、
隣室から息をつめて見守ったであろう、息子の横顔。
わたしの血縁の処女という処女を、かっさらっていって。
時には許婚のことさえも、うっとりさせてしまいながら。
処女をひとり、征服すると。
新たな生け贄を、求める男。

きみさえうんと、言ってくれたなら。
造作はかけない。
手引きするものの心当たりに、不自由はないからね。
その昔そういえば。
わたし自身も、処女の血を欲しがる”彼”のため。
妹のことを誘い出して。
セーラー服の隙間から覗く白い胸元や、
黒のストッキングに包まれた足許を、狙わせて。
学校帰りに、長い寄り道をさせたのだった。
母につよくすすめられて。
許婚だったころの妻が、おずおずと差し伸べる手を取って。
甘美な蟻地獄の奈落の坩堝へと背中を押したのも。
たしかにこのわたしの手であった。

けっきょく手引き役を務めたのは、妻。
家庭教師のおじさんよ。
使い慣れたあの手口で、”彼”を娘に接近させて。
わたしが在宅しているとある休日。
初めてのご馳走を、振る舞わせたのだった。
勉強部屋のドアは、開けっ放しになっていて。
娘はべそをかきながら。時々、しゃくりあげながら。
左右に束ねた髪の毛の房を、ユサユサと揺らしながら。
襟首をかきのけられて、
頼りなげなほどにほっそりとしたうなじを吸われ、
ジーンズのスカートから覗いた太ももに、唇を這わされ、
真っ白なハイソックスに、バラ色のシミを広げていった。

ドア越しに聞こえる声が、すすり泣きから照れ笑いにかわるころ。
わたしと妻は、顔見合わせて。
ご苦労さま。
どういたしまして。
やけに他人行儀な挨拶を交わし合うと。
手に手を取って、夫婦の寝室に迷い込んでいった。

弟の娘が、中学にあがるころ。
入れ違いに、卒業を控えた娘は。
畳のうえに三つ指突いて。
黙ってうつむいて、リビングから姿を消して。
あしたは制服を着るさいごの日、という夜に。
スカートの奥に、しずくをほとび散らされていった。

う、うっ・・・ううん。ああっ・・・っ
ふすまの向こう側から、洩れるのは。
立てまいとしながらも、洩らしてしまう声。
夫のいる家のなか、客人に引き込まれた別室で。
妻はスカートを、たくしあげられて。
深く深く、つながり合っている。
とざされたドアに、娘はぴったりと寄り添って。
横顔を、イタズラッぽい笑みに染めて。
さっとドアから、離れると。
ママ、がんばってるね♪
平気でそんなことを口にする小悪魔になっていた。

着なくなったはずの、制服姿が。
わたしにスッと、寄り添ってきて。
まるで恋人同士のように、腕を組む。
妻が客人を迎え入れたとき。
自室の畳のうえ、
中学のときのセーラー服と、高校にあがってからのブレザーを並べて、
どっちがいい?って、わたしに訊いて。
目にも鮮やかなチェック柄のスカートの下、
真っ白なハイソックスを、ひざ小僧の下まで引き伸ばす。

さ・・・やろ♪
娘は臆面もなく、リビングのじゅうたんの上あお向けになって。
ハイソックスの脚を、ほんの少しだけ、開いてみせる。
むらむらとなった中年男が、
父娘の仕切りを越えてくるのを。
娘はふふ・・・っと、笑みながら。
まだ初々しい素肌を、惜しげもなくさらけ出してゆく。
”彼”が出てくるまでに、終わろうね。
息弾ませながら、ささやく娘は。
ナイショの悪戯を、愉しむように。
腰回りに手をやると。
もういちど・・・とせがむわたしのために、
スカートをちょっとだけ、たくし上げる。

お嬢さんのことを、襲わせてくれないか?
想いのままのお礼を、きみにするから。
制服姿の少女を、手ごめにしたい。
”彼”はいつから、わたしの願望に気がついていたのだろう?


あとがき
このふたつのお話は、じつは今月の初めにあらかた描いていたのです。
どうもでき具合が気に入らなくって、ちょっとのあいだ保留・・・のつもりが、どんどんと日がたちまして。(苦笑)
ほんの少しだけ直して、あっぷしました。
今回の吸血鬼さんは、処女フェチのようですね。
ひとつの家系に、ツタがからみつくようにまとわりついて。
ひとり、またひとり・・・と。
齢の順に処女を堕としてゆく。
周りの女性が順ぐりに、生贄になってゆくのを。
時にははた目に覗き見て、時には片棒を担がされてゆく主人公。
歪んでいますね。^^

息子の彼女

2008年11月24日(Mon) 13:30:40

息子さんに、彼女ができたようだね。
いつものように、ひっそりと現れた”彼”は。
軽い含み笑いを、愉しげに浮かべながら。
なぞをかけるように、わたしのことを窺っている。
いつ逢っても、齢のわからない”彼”。
どうしてなのかは、わかっている。
処女の生き血を絶えず味わいつづける習慣が、彼の若さを購っているのだ。

わたしの生まれるまえには、嫁入り前だった母が。
伯母たちが。従姉たちが。姉が。
齢の順に、わけ知りの年上の女に連れられて。
”彼”のまえ、ゆったりと肌身をさらして、彼の若さを支えていた。
男きょうだいばかりだった父の家では。
兄から弟へ・・・と、齢の順に。
許婚者たちを、引きあわせていた。
わたしにしても、学生のころ。
中学にあがって、ストッキングを履くようになった妹を。
夕暮れの廃屋に連れ出していた。

いまつやつやと輝く頬の、いくらかは。
うら若かったころの母や伯母たちの。
生娘だったころの妻の。
女学生の制服越しに吸い取られていった姉妹たちの。
まだ濁りをしらない潔らかだったころの血潮が、含まれているはず。
わたしは、つい憎たらしくなって。
”彼”の頬を思いきり、つねってやった。
痛いな。
くすぐったそうな苦笑いに、ほろ苦い笑いでこたえながら。
―――息子は、同意しているのかな?きみのけしからぬ計画に?
―――もちろんさ。彼のほうから、言い出したのだから。
―――それは・・・思い切ったものだね。
たしかに。
母に強く促されるまで、踏ん切りのつかなかったわたしと比べれば。
―――あとはきみさえ、承諾してくれば。すべては丸く収まる・・・というわけだ。
―――息子さんはあくまで、父親の顔を立てようとしているのだから。
我が家の嫁として、迎え入れるべき少女を。
嫁入り前に味わってもらいたい。
わたしは声にして、”彼”に願わざるを得なかった。

わたしが「承諾」を与えた数日後。
”彼”はそれまでつきあっていた、いちばん年若な従弟の婚約者を呼び出して。
息をつめて見守る従弟のまえ。
挙式をあすに控えたその身を、開いていったという。

ドキドキしちゃったよ。
あんなシーンを覗き見するの、初めてだもの。
ヨッちゃん、とても羞ずかしそうに、目をつぶっちゃって。
かわいかった♪
誘い出した恋人を、”彼”の誘惑にゆだねていって。
生まれて初めてのキスを、盗み取らせてやったあと。
息子はまるで、愉しい遠足から戻ってきたみたいに、あっけらかんとして。
両親に報告を、したものだった。
自分でスルより、昂奮するね・・・って。

絶えず”彼”のために提供されつづける、処女の生き血。
女の子の場合は、我が身から。
男の子の場合は、恋人や婚約者の身体から・・・

婚約者と妹と

2008年11月23日(Sun) 10:03:39

1.隷従

女が、あお向けになっていた。
男が、その上からおおいかぶさっていた。
もつれ合う二対の脚が、視界からはみ出るほどに接近していた。
ふたりの顔は見えず、ただ脚だけが、うごめいている。
半裸に剥かれた女がまだ身に着けている裂けかかったスリップが、
かえって現場の卑猥さを増幅させていた。

女は男の肉薄をまえに、放恣な開脚を強制させられている。
脚にはまだ、ひざ上までの白の長靴下を穿いたままだった。
すこし前まで、純白のワンピースの下に装われていたときには。
上品な淑女を演出していた下肢の色どりが。
いまは一転して、ひどくふしだらなものに映っていた。
靴下の片方が、ひざ小僧の下までずり落ちていて。
そのぶん、ふしだらなたるみが波打っている。
きっとそのせいなのだ・・・
差し迫った状況のなかなのに。
マサヤはひどく冷静に、女の痴態を観察してしまっている。

そう。
いつものことなのだ。
男は、彼の”御主人様”。
幼馴染みだったその男は、あるとき異形の正体をあらわにして。
マサヤの生き血を啜り、奴隷に変えていた。
それ以来。
”御主人様”を満足させるため、いつも女を誘い入れてくるのが、マサヤの役目。
きょうで、なん十人めになるだろう?
けれどもきょうの獲物に、”御主人様”はとりわけご満悦のようだった。
たったひとつ。
いつもと状況が違うのは。
”御主人様”に組み敷かれているのが、マサヤの未来の花嫁だということだけだった。

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・
髪振り乱して。喘ぎ声もあらわにして。
汗が散るほどのむんむんとした熱気に包まれながら。
女はどこまでもふしだらに、堕ちてゆく。
さっきまで汚れのない生娘だった証しが、シーツをバラ色に染めていた。
けれどもぎこちなかった動きは、男に強制されるまま。
ひどくなめらかな、なれ合いを深めていって。
花婿の見守るまえ、ほかの男の怒張を前に、唇をさし寄せて。
フェラチオに耽る唇を突き出すため、長い黒髪をさりげなくかき分ける手が。
娼婦のように手慣れていた。
女は、生まれながらにして娼婦なのだろうか?
ぴたりと密着し合う一対の男女をまえに。
マサヤは独り、熱っぽい反芻をくり返す。

俺のものになるんだよ。そう、もちろんマサヤのまえで・・・
男に強引に手を取られて、女はけんめいにいやいやをして。
なんとかその場を逃れようとしたけれど。
純白のワンピースのすそをつかまれた手を、とうとうもぎ放すことができないままに。
細い首筋を、熱っぽい接吻にさらさしてしまっていた。
無抵抗の婚約者を見つめる咎める視線が。
軽い軽蔑と淡い期待に変化して。
やがて、好奇心ありありのワクワクした目色に入れ替わっていった。
ウェデイィグ・ドレスにさえ似た純白のワンピースを堕とされてゆく未来の花嫁から。
洗脳された男は、目を離すことができなくなっていた。

ご馳走さま。
おいしかった?
ああ。満足した。
おめでとう。彼女がきみに送った平手打ちは、なんて謝罪すればいいのかな。
うふふふふっ。あれくらいにしてくれなくちゃ、張り合いがないよね。
これからも、誘惑してもらえるのかな。
もちろんだ。ほかの女の予定もあるから、週一か週二というところだがね。
うれしいな。ボクのお嫁さんを、週に二回もきみに抱いてもらえるなんて。
男どもの勝手なやり取りを。
女はしどけなく乱れた衣装を身づくろいしながら聞き流していたけれど。
場をわきまえた言葉を発しようとして、待ち構えていて。
男が立ちかけたとき、
わたしからも、お願いしますわ。これからも、襲っていただけます?
そう口にするのが、精いっぱいだった。
通り過ぎた嵐が彼女の身体に食い込ませた疼きは、予想以上に狂おしかったから。

式は予定通り、挙げるんだろう?お祝いに行くよ。
俺は人のものを盗むのが趣味だから。
サトミさんはあくまで、きみの花嫁。
処女を奪われた秘密を押し隠して、きみのもとに嫁いでゆく。
夫婦の秘密を共有しながら、俺はきみの新居にかよいつづけて。
きみだけのもののはずの新妻を犯し、奴隷に変えて、モノにする―――
奴隷と化した花婿は、侵入者の理不尽な言い分に。
満ち足りたように、うなずいている。

つぎは、きみの妹さんの番だね。
あれはもともと、俺の結婚相手だからね。
近いうちいちど、お邪魔をするよ。
まだ、女学校の制服を着ているうちに・・・。
妹さんが堕ちてしまったら。
俺はきみの花嫁と妹と。ふたりながら、手にすることになるわけだね。
きみのものは、俺のもの。俺のものも、俺のもの。
そういうの。きみ、好きだろう?


2.ひめごと

あれぇ、お兄ちゃん。きょうはサトミさんとデートじゃなかったのぉ?
まだ幼さの残る声色が、だしぬけに背中を叩いてきた。
あまりにも唐突な突っ込みに、マサヤがどきりとして、振り向くと。
濃紺のセーラー服姿の少女が、白い顔にイタズラッぽい笑みをはじけさせている。
さっきそこで、サトミさんに逢ったけど。
すご~くおしゃれして、出かけていったわよ~。
このごろサトミ姉さん、花が咲いたように色っぽくなったよね?
兄嫁になるサトミのことを、時おり「姉さん」とさえ呼ぶようになったのが。
間近に控えた挙式を、いやがうえにも思い出させてくれる。
祝福されるべき新妻との新生活は、呪わしい色どりに塗り替えられていたけれど。
未来の花嫁がまとい始めた、ふしだらな雰囲気を。
マサヤは心のどこかでいとおしんでいた。
清楚なワンピースの裏側に隠された、毒々しい色合いに。
さすがにカンの鋭い妹も、まだ感づいていなかった。

17歳の妹は。もう17歳なのかと言いたいくらい子供っぽくて。
幼馴染み兼”御主人様”の彼の奴隷になるには、まだどう見ても不釣り合いだった。
しらずしらず、上から下まで見てしまった。じろじろと。
おさげの黒髪から、なだらかな肩先。まだ細すぎる白いうなじ。
ちょっとおデブな腰周りは、体の線を消す制服のおかげで、あまりめだたなかったけれど。
充実したかんじの脚は、白のハイソックスに包まれていて、
黒の革製のストラップシューズにお行儀よくおさまっている。
妹の履いている、通学用のハイソックスが。
長めのスカートのせいで、一瞬白のタイツに見えて。
ついこのあいだの体験を思い出して、もういちどどきりと胸疼かせた。
兄の変化を、目ざとく気づいて。
なにか、あったのー?
義姉になる女(ひと)が、兄以外の人のためにおしゃれをするなんて。
子供っぽい疑念は、たくまずして真相をついていた。

そお?友だちに逢いに行くんじゃない?
さりげなく、マサヤはかわしたけれど。
彼女の行先は、とっくに知らされている。
こんどの金曜。あけといてね。
いや、きみのほうじゃなくって。サトミの都合のほうを。
もしOKだったら、目印に。
黒のストッキング、穿いてくるように伝えてくれ。
ほんとうは道ばたで襲って、陽射しの中でなにもかもさらけ出してやりたいんだが。
家の中庭で、がまんするよ。
きみにも世間体が、あるだろうから。
これでもちょっとは、気を遣ってやっているんだぜ?
親友の心遣いにマサヤが感謝したのは、いうまでもなかったけれど。
さっきから。
ゾクゾク。ゾクゾク。
胸が高鳴っている。
妹の何気ない言葉が、それに火をつけてしまっていた。
黒のストッキングって、大人っぽいよねぇ。

兄の動揺を、からかうように。
妹はなおも言葉をついでゆく。
もしかして・・・サトミ姉さんもう浮気に走っていたりして♪
知らない男のひとと、逢っていて。
オトナっぽい黒のストッキング、脱がされちゃって。
そうだったらお兄ちゃん、どうする~?
ゾクゾクが頂点に達したとき。
妹は視線を兄から外していた。
日ごろからストッキングをたしなんでいる、サトミの気品のある脚線と。
タイツのようにぴったりとしたハイソックスに包まれた妹の脚―――。
ユウカ―――。
思わず後ろから、抱きすくめていた。

あっ、お兄ちゃん!どうしたのっ!?
あわてふためいた妹は、男の子みたいに荒っぽく、
兄の猿臂を振りほどこうとして。
じっさいいちどは、それに成功したけれど。
その場から逃げ出そうとは、しなくって。
ハイソックスの足許に迫らせてくる兄の唇を、そのまま受け止めてしまっていた。
厚手のナイロンの向こう側から、ぬらぬらとしみ込んでくる、生温かい唾液に。
ごくりと生唾を、呑み込んで。
それでも行儀悪くなった兄の悪戯に、無言で応えはじめている。

ほんとうに・・・姦られちゃっているんだね・・・?
声ひそめて、問いかけてきた妹に。
マサヤはなにも答えずに。
重たい制服のプリーツスカートを、おもむろにたくし上げていった。
ハイソックスの太めのゴムが、ひざ下周りを縛りつけているように密着していた。
窓辺から差し込む陽射しをにじませたひざ小僧は、初々しい輝きをよぎらせていて、
発育の良い太ももは、ぴちぴちとはずむような生気をたたえていた。
その生気を、慕うようにして。
熱気を帯びた唇が、吸いつけられる。
ちゅうっ。
しらずしらず、吸血に耽ってしまっているのを。
妹はいつまでも薄ぼんやりと、見おろしていた。

今ごろサトミお姉ちゃん、服脱がされちゃっているかな?
それとも、レイプみたいにびりびり破かれちゃっていたりして。
きょうのワンピースは、こないだうちに着てきたバラの花びらの柄の黒っぽいやつだったから。
見かけなくなったら、きっと破かれちゃった・・・ってことで。
うふふふふっ。
意地の悪い含み笑いに、合わせるように。
マサヤはハイソックスのふくらはぎに、唇を吸いつけて。
あのときのサトミとおなじように、よじれた靴下に、しわを波立たせてゆく。
サトミお姉ちゃんのストッキングと、どっちがおいしいかな・・・?
かしげた小首からぶら下がったおさげ髪を、つかまえて。
そのままその場に、押し倒してしまっていた。
あたりがすっかり暗くなるまで、そうしていて。
ふたたび起き上がったときには、一対の男女ができあがっていた。


3.成就

サトミはどうやら、おめでたのようだな。
ああ。おかげさんで・・・
きみの子供として、育ててくれるんだよな。
ああ。もちろん・・・
新妻の胎内まで、支配されてしまったというのに。
この安らぎに似た気分は、いったいどうしたことだろう?
しばらくは、サトミに手を出すわけにはいかないな。
ああ。すまないね。ボクもちょっぴり、物足りないかな。

マサヤの応えを、あざ笑うように。
”御主人様”は彼のまえ、女の尻を舐めつづけている。
目の前でスカートをめくりあげられて。マサヤのまえ、下腹部をさらしている女は。
いまは”御主人様”と苗字をおなじにした、かつての彼の妹。
くちゅ。くちゅ。
人目もはばからずにあてがわれる唇が、素肌をつねるようにして、卑猥な音を洩らすのを。
聞くまいとして、視線をあらぬかたにそらしていた。
こいつもな、はらみやがったのよ。
どこのだれのタネかは・・・知らないが。
まぁ、お互い様・・・ということかな。
おまえのすべてを、俺は知っていて。
俺のいろいろなことを、きみが心得ている。
そういうことなのだな。
どちらも、男の子が生まれるだろう。
子供の代には、どういうことになるのかな。
どういうことに、なるのかな・・・

20万アクセス。(*^^)v

2008年11月22日(Sat) 18:31:43

えー、信じられないことに。
このマイナーなサイトでも、20万アクセスです。
ここのところしばらく、アクセス解析をろくに見ていなかったのですが。
新・旧ブログ合わせて昨日現在で、アクセス総数が200,300件。
ユニークアクセスでも93,180件となりました。
(途中アクシデントがあって一部データが飛んだので、その分は含まれておりませんが。)
しばらく見ていなかったアクセスをきのうのきょうに見たというのは・・・やっぱり呼ばれたんでしょうかね?^^;

2005年の5月末から2006年3月まで約1年弱存続した旧サイトで約28,000件。
10万を突破したのが2007年の6月。15万を超えたのが2008年4月。
去年くらいまでは月3,000~4,000件ていどだったアクセスが、この頃少しスピードアップしたため、20万を速めたようです。
ご覧いただいている皆様、まことにありがとうございます。m(__)m
こんなサイトでも、少しはおひまつぶしになっているのでしょうか?(^^ゞ
このごろは、ブランクすることも多くって。
1日2~3話もあっぷしていたひところのペースはやや沈静しましたが(笑)、
これからも時おりあっぷしてまいりますので、お気が向かれたらぜひ遊びに来てくださいね。

ブログ拍手♪

2008年11月17日(Mon) 18:28:29

このところすっかり、コメをいただく機会が減ったような・・・。(^^ゞ
けれどもそれと入れ替わるようにして、拍手をいただくことが時おりございます。
どこに頂戴する拍手も、とてもうれしいのですが。
古めのお話に頂戴すると、やっぱりよけいにうれしいものですね。
自分でも久々に読み返したりして♪
う~ん、これもなかなか、捨てがたい。なんて。(自己満足)

最近拍手をいただいたオールド・ストーリーは、こんなところかな?

乙女の寝室 2006年03月24日(Fri) 06:22:27

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-33.html

絵を描く少年  2005年11月23日(Wed) 13:13:53
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-128.html

ちょっと淫らなオフ会1・4 2005年9月~10月
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-48.html

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-55.html

おかめ顔の妻  2007年09月30日(Sun) 23:14:39
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1181.html

比較的目にとまりやすい新着記事とちがって、過去に描いたものはなかなか目にとめてもらえないもの。
どういうきっかけで、お目に触れたものか。
どのあたりを、お気に召していただけたのか。
やっぱり気になりますよねぇ。

変貌する妻

2008年11月17日(Mon) 07:31:16

エッチをするわけじゃないの。血を吸われるだけなの。
あまり気持ちの良いものじゃないけど、ガマンできるから―――。
妻はそう言って、うつむいた。
相手は、魔物。戦って勝てる相手ではない。
勝てるくらいなら、あなたが戻ってくるまで拒み通していた。
けれども抵抗する意思を放棄して、その意思に従えば。
生命までは、取られないという。
見返りに、望むだけの血液を啜り取られるだけ。

我慢できるか。そんなこと。
夫はいきりたって、たちあがって。
妻はなだめるようにおしとどめて、
けれどもどうしても行くと言ってきかない夫のために、
コーヒー、淹れるわ。気分が冴えてよ。
ポットからゆったりと流れ落ちる褐色の液体を、夫はぼんやりと見守った。

気がつくと。
がんじがらめに、なっていた。
床に転がされて、身動きがとれない。
ホホホ・・・
澄んだ含み笑いが、頭上から降ってきた。
含み笑いの主は、ハイヒールの音をコツコツと響かせて。
傍らのソファーに、腰をおろすと。
夫の目の前、、これ見よがしに。
肌色のストッキングの脚を、組んでみせる。
なだらかなカーブを描く、肉づきたっぷりの脚の線を。
翳りを帯びたような淡いナイロンの光沢が、てかてかと毒々しく輝いていた。

ごめんなさい。もうわたくし・・・あのひとのものになってしまったの。
飲みさしのコーヒーカップを、取り上げると。
ひと息に、ぐいっと飲み干して。
楽になれるわ。ふたりとも・・・
半ば血の気の失せたノーブルな横顔が、別人のような妖しい笑みを滲ませていた。

妻の変貌も、さることながら。
がんじがらめにされて転がされた自分自身の変容に。
夫はアッと息を呑んだ。
転がされたように横たえられた姿見が。
真正面から、向き合っていて。
鏡のなか、ぐるぐる巻きに縛られて床に転がされているのは。
真紅のワンピースに身を包んだ女の姿。
気がついた?
女の服なのよ。それ。
あなたに似合うと思って、あなたのために新調したのよ。
どお?お気に召して?

しっかり結われた縄目の下。
薄べったい女の衣装は、くしゃくしゃに乱れながら。
彼自身に、すがりつくようにして。
ぴったり寄り添うように、密着していた。
肩先に食い込む、ブラジャーのストラップが。
腰まわりを締めつける、ぴっちりとしたショーツが。
太ももを横切る、ストッキングのゴムが。
夫の身体に、ゆるやかに食い込んで。
妖しい呪縛に封じ込めてしまっている。

ホホホ・・・
女はころころと、心地よげに笑いながら。
こちらにすうっ・・・と、かがみ込んでくる。
わたしがさいしょに、吸って、あ・げ・る。
耳朶をくすぐる、ささやきが。
そのままおもむろに、のしかかってきて。
首筋にねっとりと這わされた、柔らかい唇が。
しばし、もぞもぞと皮膚のうえをうごめいて。
唇の端から、にじみ出るように。
鋭利な糸切り歯が、皮膚を破って食い込んできた。

―――・・・。

妻の口許から滴り落ちる、赤黒い液体を。夫はぼんやりと、眺めていた。
お洋服、汚してしまったわね。ごめんなさい。
口許を濡らした血のりを、ブラウスの袖を惜しげもなくあてがって。
ぎゅぎゅぎゅ・・・っ、と、拭い取ると。
濡れそぼった腕を、見せつけるようにして。
ほら。あなたの血。きれいだわね。
真っ白なブラウスの袖が、べっとりと赤黒く染まっていた。

まだまだ・・・よ。
許さないわ、と言いたげに。
妻はそろそろと、夫の足許ににじり寄って。
足首をギュッと、つかまえると。
ゆっくり左右に、引き分けてゆく。
薄いストッキングごし、握りしめた妻の掌なかで。
ぴったり密着したナイロンが微妙にずれて。
ずれてゆくナイロンの感覚が、そのまま太ももの奥にまでせりあがってゆく。
探したのよぉ。あなたに合うサイズの服。なかなかなかったんだから。
大柄のやつって、野暮ったいのが多いのよ。
感謝しなさい。何着も買っておいてあげたから。
汚れてもいいように・・・

ふふふ・・・
たちの悪い含み笑いが。
そのまま、ワンピースのすそをめくりあげて。
かすかな呼気が、太ももを伝ってきて。
ショーツをひざまで、ずり降ろすと。
パンティストッキングじゃ、きゅうくつでしょう?
ささやき声が、我知らず怒張したものを、呑み込んでいた。根元まで。
くちゅ。くちゅ・・・
無機質なまでに。冷酷なまでに。
規則正しく、加えられる刺激。
口の中に収めた怒張を取り巻くような、舌の愛撫。
計算し尽くされた、しつようで狡猾な誘惑が、
責めるように。揶揄するように。
男を、堕落のるつぼへと、いざなってゆく。
救いようもなくそそり立ってしまった一物は、とうとうこらえ切れなくなって。
どろりと濁った体液を、妻の口のなか、おもうさま放散してしまっていた。
夫から吸い取った液を、真紅のワンピースの脇腹に、たらたらとしたたらせると。
おいしいわ。
あっちこっち、吸いついて。
あなたもろとも、吸いだしてあげる。
妻はフフッ・・・と笑んで、猫のようにしつように、なおも身体をからみつけてくる。

ねっとりとした笑いを、絶やさずに。
妻はドアの向こうに、声を投げる。
あなたぁ?って。まるで夫を呼ぶようにして。
ドアの向こうから、現れた吸血鬼は。
さんばらにした白髪をふりたてて。
まっすぐ妻へと、迫ってゆく。
妻は臆した風もなく。真正面から向き合うと。
ソファーのひじ掛けに、ハイヒールの脚を乗せて。

あら。あら・・・
おいたをする子供を、たしなめるように。
ほろ苦く笑みながら、侵入者の不埒を、許していく。
淡い光沢を帯びた肌色のストッキングが。
情夫の意のままに、なぶり抜かれていって。
いびつにねじれ、くしゃくしゃになって。
足許に加えられるしつような凌辱に、耐えかねたように。
ぶちぶちぶち・・・っ、と、はじけていった。

手の届くほどの近さに、寝そべりながら。
ご自慢らしい新調のスーツに、床の埃をこすりつけながら。
いつもより短いタイトスカートから、太ももを覗かせながら。
引き裂かれずり降ろされたストッキングを、ふしだらにひらひらさせながら。
女の舞いに耽る、若妻の肢体に。
夫は我知らず、怒張の強さをあらためていて。
観てはならないふしだらな風景から、視線を外すことができなくなっていった。

粗相、なさったのね?
ストッキングを脱がされた足許は、妙に冷え冷えとして、居心地が悪かった。
脱がされたストッキングは、妻の手の中にあって。
つまんだ指先から、さかさまにだらりと垂れ下がっていて。
いちばん下になっている口ゴムのあたりは、どろりとした粘液を光らせていた。
粗相をした、お仕置きに。
今夜はひと晩じゅう、御覧になっていてくださいね。
そして、祝福してくださいね。心から。
わたくしを祝福してくれるおつもりが、おありでしたら。
ストッキングの穿き替えを、お持ちしますわ。
ご遠慮なく、おっしゃって。
意地の悪いノーブルな笑みに、懇願するように。
夫は真新しいストッキングを、おねだりしてしまっている。

ふた夜にひと夜。
奥方を、いただこう。
ふた夜にひと夜は、夫にもどっていただこう。
夫に戻ることの、許されない夜は。
今夜のように、女の身なりをして。
奥方に、生き血を与え、ぼうっとなって。
立ち去ることなく、見守るがよい。
男の声に、夫がうつろにうなずくと。
妻は満足そうに、優しくほほ笑んで。
そうね。このひと。男の血は召し上がらないのよ。
ですから代わりに、わたくしが。
あなたの血を、嚥(の)んであげる―――

念写変成

2008年11月04日(Tue) 07:08:35

女の子の服、着てみたくはないかね?
そんな囁きを、耳元に吹き込まれて。
ユウヤはぎくりとして、相手を見あげた。
親たちよりも、はるかに年上らしいその男は。
枯れ切った白皙の頬を、かすかに紅潮させていて。
色あせていた唇さえも、少女のようなバラ色を帯びていた。

女の子の服って・・・どんな?
おっかなびっくり、たどたどしくなった声に、満足したように。
来て御覧。
男は少年を、奥の部屋へと引き入れた。
かすかに漂う、ぬくもりを帯びたその芳香が、年頃の少女の痕跡なのだと。
なぜか、訊きもしないで察しをつけてしまっていた。

どうかね?
音もなく引き開けられた古びた箪笥の抽斗から、男が取り出したのは。
色鮮やかな、紫のワンピース。
たたみの上、散ばすようにぞんざいに投げられた下着類に、
ユウヤはもういちど、息をのみ込んでいた。
部屋から出て。
独りで着かえるから・・・
上ずった声で口走る少年に。
いいとも。待っていてあげよう。
服の着方は、わかるだろうね?
言葉じりに含まれた軽い揶揄さえも、聞き分けるゆとりを忘れて、
ドアが外側から閉ざされるのもそこそこに、
少年は女の子用のワンピースを手にしていた。

もどかしく震える手が、パンティを手にして、
くるぶしからひざ小僧、太ももから腰へと、ゆっくりと引き上げていって。
部屋のどこかに視線が隠れてはいまいかと、
おどおどとあたりを見回しながら、スリップをかぶり、整えていって。
紺のストッキング地のハイソックスが、丈足らずにもならないで、
首尾よくひざ下までぴっちりと伸びるのを、満足げに見おろして。
さいごにワンピースを手にしたとき、さすがにわなわなと、手が震えた。
かぶって着るのか、脚を入れて引き上げるのか。
さんざん迷った覚束ない手つきが、自分自身を女のなりに姿を変えてゆくのを。
扉に開けられた覗き窓から差しれられた視線が、ふとほほ笑ましく、和んでいた。

いいよ、入って。
ユウヤは震える声で、そういうと。
後ろめたそうにドアに背中を向けて、部屋の隅っこに視線を迷わせる。
入ってくる男と目を合わせないように、気まり悪げに押し黙っていたが。
よかった、よかった。なかなか似合うじゃないか。
穏やかな声色に、引きこまれるように。
似合ってる?
半信半疑、救いを求めるようにして。
男を見あげ、初めて姿見に自分の姿を映してみる。
化粧を刷いたわけでもないのに。
鏡のなかの自分の顔が、見知らぬ少女の顔に映っていた。

写真を撮らせてもらうよ。
きみと私の、記念のために。
手にした大きなカメラに、戸惑ういとまも与えずに。
男はばしゃばしゃと、少女のなりをした少年に、フラッシュを浴びせかけてゆく。
炸裂する爆弾の閃光のように、身の周りを焦がすフラッシュは。
あたりの風景をモノクロに染めて。
少年はいつしか自分が、グラビアアイドルにでもなったような錯覚に落ちていた。

いいかね?
このことはもちろん、内緒だよ。
きみのお母さんにも、話してはいけないよ。
男の目のなかに、有無を言わせない力を感じて。
少年は怯えたように、頷いていた。
よろしい。
毎週木曜、学校帰りにここに来なさい。
そうだな。土曜日も、来てもらおうか?
お母さんには、きみに勉強を教えることにしておくからね。
男の声はどこまでも、ものやわらかさを忘れていない。

おとといの木曜日には、白のワンピースに黒のタイツ。
先週の土曜日には、真っ赤なワンピースに蒼のひざ上ハイソックス。
そのまえは、チェック柄のミニスカートに、白のハイソックス。
つぎつぎと取り換えられる、衣装ケースの中身のことを。
少年はどきどきと、期待のこもった眼で、さぐるようになっていた。
できあがった女の子の姿に浴びせられるフラッシュさえも、
いつか、さらけ出す快感の心地よさに酔うようになっていた。
ストッキング、履けるかね?
少し、大人の格好をしてみようじゃないか。
その日出された服は、純白のリボンのついたセーラー服。
重たいプリーツスカートを腰からぶら下げながら。
少年は慣れない手つきももどかしく、
男に教わるまま、頼りないほど薄い女ものの長靴下のつま先をさぐってゆく。
今にも破けやしないかと、それこそおっかなびっくりに。

ソックスよりは、もちろん長く。
ハイソックスの丈も、するりと超えて。
ぐーんと伸びた薄いナイロンが、腰周りまで包んでしまうと。
まるで別人の脚のようになまめかしい墨色を帯びた自分の脚を、
少年は陶然として、見つめていた。
似合う。似合うよ。
まるで、娘が帰ってきたようだ・・・
小さな拍手さえ交えながら。
男はいつものように容赦なく、女学生のなりをした少年に、フラッシュの洗礼を浴びせかけた。

見せて。よかったら一枚、もらえない?
おずおずと口にする少年に。
いいよ。あげる。けれども誰にも見せちゃ、いけないよ。
男の差し出した写真のなか、
エレガントな衣装にくるまれた自分自身が、本物の女の子みたいにうっとりとした目色をしているのを。
少年は満足そうに、確かめると。
誰にも、見せない。
だから、誰にも見せないで。
懇願する声が、なぜか女の子のように艶を含んでいた。

数日後。
息子の挙動を不審に思った母親は。
いつも息子があきもせずに読み返している本を開いてみて。
さいごのページに挟まれた数葉の写真に、ぎくりとした。
そこに映っているのは彼女の知っている息子ではなく、
人形のように無表情な、見知らぬ美少女だった。

お気に入りの紫のワンピースを身に着けて。
たたみの上、あお向けになった少年は。
男に迫られるまま、のしかかられて。
自分よりも上背のある身体の重さに顔しかめながら。
それでも、抑えつけられる束縛感に、軽い陶酔さえ覚えていた。
少年のうなじに、長いこと吸いつけていた唇をやっと離すと。
残されたのは、赤黒く爛れた痕。
自分の身体から吸い取られた血潮が、男の唇を染めるているのを。
少年はうっとりと、見つめ返して。
口紅を刷いた唇を、惚けたように弛めると。
重ねられてくる唇に、自分のほうから唇を合わせていった。

お父さま・・・お父さま・・・
戸惑うような、少女の声は。
けれどもはっきりと、意味のある言葉をつづってゆく。
どうぞ、ぜんぶお吸いになって。
わたしの血、一滴残らず差し上げたいの。
お父さまの中で、わたしは永遠に生きつづけたいの。
そんな囁きを、口にしながら。
うら若い身をめぐる血液を、一滴余さず口に含んでゆく父親に。
蒼ざめた頬に、甘えるような微笑を絶やすことなく、
少女は幸せそうに、目を閉じる。永遠に―――
たたみの上に組み敷いた、よその家の少年が。
いつか、なん年もまえにおなじように血を含んでいった愛娘の面影と重なりあっていた。

あの子が最近、顔色が悪いのです。
ちょうど、三か月ほど前。
お宅に伺うようになってからですわ。
思いつめた母親は、ひとり男の邸を訪ねていって。
せつせつと、そう訴えたのだが。
思い当たるふしは、ありませんな。
息子さんはいつも、とても機嫌よく、うちではお過ごしになっていくのですよ。
内心の翳りを、押し隠して。
男はあくまでも他人行儀に、しらじらしい受け答えをくり返していた。
黒のワンピースの足許を彩る漆黒のストッキングに、蒼白く滲んだふくらはぎと。
銀のネックレスとウェーブのかかったエレガントな栗色の髪とを装身具にした、
ワンピースの襟首に四角く縁取られた乳色の胸元とを。
男はさりげなく、獣の視線で盗み見ている。

ふらふらとした、覚束ない足取りで。
いつもと変わらないはずの家路を、女はたどっていた。
息子はとっくに、家に戻っているだろう。
どんな顔をして。どんな言葉で装って。
取り繕ったものだろうか。なにごとも起こらなかったのだと。
首筋につけられたふたつの痕は、まだ赤黒く爛れていて。
吸い残された血潮が、まだ固まりきらないで。
ぬらぬらと妖しい輝きを秘めている。
ふくらはぎには、もっとあからさまに。
食いつかれて噛み破られた黒のストッキングが、
大胆な裂け目を滲ませていて。
裂け目ほどは、目だたなかったけれども。
そのまえにいじましいほどなすりつけられた唇に、脚線をなぞられた痕跡が、
唾液の湿りになって、そこかしこにしみ込まされていた。
さすがはユウヤくんのお母さんだ。佳い味をしていらっしゃる。
こと果てたあと、男はむしろ、敬意をこめて。
女の肩を抱きしめると。
女はうつろな視線を迷わせながら、傷口に這わされてくる唇を、もはや避けようともせずに許していった。

女の懇願に、男はどこまで応えてくれるのだろう?
今夜も少年は、出かけて行った。
どこに行くとも、いや出かけることさえも、口にしないで。
今夜もストッキングを、試してみるかね?
無表情にうなずく少年のまえ。
男は手にした黒のワンピースを、丁寧に畳に広げると。
さっき、おなじ部屋にまろばせたあの女のことを思い出して。
おなじような服を、選んでしまったな。
ひそかに苦笑いを、浮かべていた。

破けないようにと、おそるおそる、脚に通してゆく黒のストッキングは、
さして毛深くない少年の脚を、女の色に塗り変えてゆく。
しなやかに肌を打つ、薄いナイロンの柔らかな密着感に。
少年は満足したように、脚の角度を変えていって。
ナイロンの濃淡が織りなすなまめかしさを、目で愉しんでいた。
男が足許にかがみ込んで来て、唇を這わせてきて、
脚の線をなぞるようにし、唾液をしみ込ませてくるのを、
ひどくくすぐったそうにして。

息子が、女に変えられてゆく。
見知らぬ少女と、入れ替えられてゆく。
眠れぬ夜を、過ごしながら。
女はベッドのうえ、身を起こして。
決心したように、服をはおり始めてゆく。
もしかするともう戻れない・・・いちどだけ、我が家を振り返ると。
漆黒の闇の彼方、ハイヒールの音を忍ばせていった。

どうかね?いい絵になっているだろう?
少年の首筋に、時折唇を這わせながら。
啜る音が漏れるたび、少年はくすぐったそうに身をすくめながら。
手にした写真を、幾枚も。
かわるがわる、手にしてゆく。
紫のワンピース。花柄のタイトスカート。セーラー服・・・
どれもこれもが、見知らぬ少女の顔つきになっているのを。
なんの不審も抱かずに、己のあで姿として見入っていた。

きみは、この少女に生まれ変わるのだ。
そして、私の娘になるのだ。
ちょうど、いまのきみと同じ齢だった。
わたしの渇きを、いやそうとして。
その身をめぐるうら若い血を、そっくりくれた優しい娘だった。
若い身空で、じぶんの生命と引き換えに・・・。
今宵、わたしの愛娘は。
きみの姿を借りて、蘇る―――

だしぬけに、ドアが開いた。
蒼白な顔をした女が、そこに立っていた。
少年とうりふたつにさえ見える、ノーブルな目鼻だち。
遅かったね。
男は憐れむように、少年の母親を見つめていた。
部屋の隅、漆黒のワンピースをまとっているのが。
自分の息子とは別人の、年頃の少女になっているのを。
女は両手で顔を蔽って、見まいとした。

けだるい朝が、訪れた。
女は着衣のまま放り込まれたベッドのうえ。
夜通しあげつづけたうめき声のなごりを、まだ発しつづけていた。
残酷な運命をさらにもてあそぶようにして。
無表情に見つめる少女のまえ、手ごめにした女のことを。
男は冷たい頬に薄笑いを重ねながら、
夜通し寄り添って、あなたのことも変えてあげよう。
脚にまとっていた黒のストッキングは、まだ引き裂かれてはいなかった。

さて。
そろそろ娘が、起きてくるころだ。
いっしょに、朝のあいさつをしてくれるね?
わたしの娘は、あんたの子ども。
夕べから夜通しかけて、そういう契りを重ねたはずだね?
整った顔だちが、羞恥と屈辱に歪むのを。
男は心地よげに窺うと、
初めて女の身体を放して、しつように巻きつけていた四肢から華奢な女体を解放した。
ドアの向こうから、足音が近づいてくる。
母さん、帰ろう。
その声を耳にすると、男も女も、色をうしなった。
廊下の声は、少年の声だった。

半ズボンの下、むき出しになった脚が。
ひざ上までの黒い長靴下で覆われている。
女の子の靴下って、履き心地がいいよね?
夕べ履いた母さんのストッキングも、素敵だったよ。
少年は口許から健康そうな白い歯をみせて、
血色のよい頬を、いっそう輝かせていた。
運が良かったようだね。
男は負けを認めるように、女を、そして少年を、見比べていた。
うかつにも、気がつかなかった。
女がむなしい懇願をしにきたあの日、箪笥の秘密の抽斗に、ひそかに自分のストッキングを紛れ込ませていたのを。
まな娘を変成するには、いちぶしじゅうを彼女の服で装わなければならなかったというのに。
この邸のなか。
娘の服に身を包むときには、男の愛娘として、よみがえって。
ふだんの姿に戻るときには、女の息子に立ち戻って。
ふたつの生命をひとつの身体に宿した少年は。
どんなふうに、生きていくのだろう?

だいじょうぶ。
帰りはもう少し、おろして履くからさ。
男の子がひざ上の靴下なんて、人目にふれたら恥ずかしいからね。
でも・・・時々この家に来るのは許してね。
ボク、やっぱり女の子の服が、とても好きなんだよ。
なにも知らないのか。すべてを知ってしまったのか。
少年はくったくなく笑って、あらぬ姿の母親を、眩しそうに見つめている。

知ってる?こんど転入してきた子、独りで大きなお邸に住んでいるんだって。
遊びに来てね、って、誘われちゃった。
あなたも、行く?
とても、愉しいんだよ。
でもね。必ず女の子らしい、きちんとした服を着てかないといけないんですって。
しつけの厳しい執事さんがいっしょに住んでいて、
見苦しいなりの子は、家に入れないんですって。
ユウヤがひっそりと学校を退学したころ。
近くのお嬢様学校のおなじ学年に、少女がひとり転入した。
彫りの深いノーブルな顔だちは、母親ゆずりだといっていた。
過去のことはいっさい口にせず、問われても謎めいた頬笑みを返すだけ。
だれもがなぜか、もうそれ以上問いただすことを忘れたようになっていた。
選ばれた少女たちは、招かれるまま、邸のなかに迷い込んで。
出てくるときには、首筋に目だたないほどの大きさの、奇妙な痕をつけているという。
それとはひと周り大きい、おなじ容をした痕を。
ハイソックスや色の濃いタイツの下にひた隠して。
母や姉、べつのクラスメイトを誘って、
連れだってお邸通いを繰り返すようになるという。
謎の少女はお邸のなかで、時おり少年の顔に戻っていて。
興が乗ると、クラスメイトの女の子のスカートの奥に割り込んでいくという。

女の子の服を着て、写真を撮ってみないかね?
そんな誘惑を向けてくる男がいたら。
うちに遊びに来ない?いつも独りでさびしいの。
そんな招きを投げてくる少女がいたら。
いちおうは、疑ってみるほうが賢明です。
それでもなおかつ、好奇心に逆らいがたかったら。
あとはお気の向かれるままに・・・

ご用はこれから?もうすんだ? 3

2008年11月03日(Mon) 09:58:54

ご用はこれから?もうすんだ?
その子はいつも、道ばたにしゃがみ込んでいて。
地面を枯れ枝で、突っつきながら。
道ゆく女の子たちに、声かけているという。

これから・・・だけど。
脚だけを見て、ボクを女の子と勘違いしたらしい。
ショートパンツの下には、白のラインの入った鮮やかなブルーのハイソックス。
ボクは、学校の部活に出かける途中だった。
やあ。
その子はくったくなさそうな顔を、ボクに向けてきて。
ユウ兄ちゃんだったんだね・・・って、はにかみ笑いを送ってきた。

お兄ちゃんの脚、女の子みたいにきれいだね。
彼にとっては、ほめ言葉でも。
男の子にとってそれは、筋力に恵まれていないことも、意味している。
万年補欠のボクは、たぶん卒業まで公式試合には出してもらえない。
ほんとうは、ブルーのハイソックスを履きたくて。
いまの部活を選んでいたのかもしれなかった。

手にした携帯で、主将をしている同級生に電話をかける。
ごめん。きょう、行けなくなったわ。
・・・あ~、そうか。まぁ、がんばれや。
見ているはずはないのに、ボクがどうして出れなくなったのかを、主将は正確に察したらしい。
もう、なん人も魅入られちゃっていて。
部活帰りの男の子たちが、ブルーのハイソックスの脚を、代わりばんこに噛ませている。
そんな噂を、みんなひそかに心得ていた。

ご用がすんだら、もうどろどろになっちゃうからね。
ボクは電信柱に寄りかかって、這うようにしてにじり寄ってくる彼のまえ、
ブルーのハイソックスの脚を、気前よく差し出してやっている。

ちゅーっ・・・
なん分間。いや、なん秒間のことだろう?
たった一瞬の吸血なのに、ボクは体の平衡を忘れていて。
青空が地面に、地面が空になっていた。
う~ん、やっぱりおいしいね。男の子の血も、おいしいんだね。
腹這いになったまま、ふくらはぎをあちこち、噛んでくる。
ハイソックスに浮き彫りになった、太めのリブをなぞるように。
時おりよだれを、なすりつけながら。

ご用はこれから?もうすんだ?
彼女と連れだって歩く公園で。
彼はやっぱりいつものように、しゃがみ込んでいて。
地面を枯れ枝で、所在無げに突いていた。
木枯らしの吹く季節。
部活をやめたボクは、もうショートパンツを履くことはなくなっていた。
いいよ。お兄ちゃんのはたっぷり、愉しんだし。
こんどは彼女のハイソックスを、愉しませてくれるんだよね?
長い三つ編みが揺れるのを、片手で押えながら。
はにかみながら、おずおずと。
真っ白なハイソックスをひざ小僧のすぐ下まで引き伸ばして履いた、すらりとした脚を。
ボクの身代わりみたいに、差し出してゆく。
ちゅーっ。
腹這いになったボクの足許から洩れたのと、おなじ音が。
紺のプリーツスカートの下、柔らかそうなハイソックスに吸いついた唇から、洩れてくる。
唇の周り、バラ色のシミが広がるのを。
ボクはなぜか、どきどきしながら見つめつづけていた。
年下の子に、自分の彼女を襲われて、血を吸い取られちゃっているっていうのに・・・

ご用はこれから?もうすんだ?
今夜は、きみにご用だよ。
真夜中の月は、冴え冴えとして。
三人の影を、芝生に長く映し出していた。
誘い出した彼女は、やっぱり制服姿で。
こんな時間に・・・・どきどきしちゃうわ。って。
やっぱりあのときとおなじように、はにかんでいた。
はにかんで、ためらって、羞じらいながら。
今夜きみは、初めてのキスを経験する。
自分でするより、興奮しそうだ・・・
ボクの囁きに、ふたりはくすぐったそうに笑い合って。
すぐに真顔に戻って、向かい合うと。
どちらからともなく、影寄り添わせ合って。
唇に唇を、重ねてゆく。
スローモーションみたいに、ゆっくりと・・・

ちゅーっ。
なん分、いや、なん時間経ったのだろう?
学校の制服は、いちばんきちんとしているときに、身につける服。
けれどもきみは、ベンチから転げ落ちた芝生のうえ。
広がった濃紺のプリーツスカートから、惜しげもなく太ももをさらしていた。
黒のストッキング、履いてきちゃった。制服に合わせて履くの、初めてなんだよ~。
イタズラッぽい声色とは、不似合いに。
大人びた翳りに染まった脚は、まるで別人みたいななまめかしさを秘めていた。
ボクの誘いを、受けたとき。
今夜が特別な夜になると察した彼女は、
大人になるの。
ひそかな決意を、大人びた装いに表したかったのだろう。
黒のストッキングという、制服に許された精いっぱいの大人っぽい装いで。

身を起こした彼は、彼女の手を取って、体を起こしてやると。
立て膝をした脚に、引き込まれるように唇を這わせていって。
彼女は王女様が接吻を受けるように、墨色に装った脚を、なぞられていった。
ねじれて、たるんで、噛み破られて。
縦に鮮やかに走った裂け目から露出した白い脛に、だれもが昂りの視線を向けた。
じゅうたんのような、芝生の上に。
ふたたび彼女が、あお向けになると。
もう・・・汚れを知らずに起き上がることはなかった。

ちょっぴり開かれた、脚と脚とのすき間に、彼は両膝を、忍ばせていって。
ひざまでずり落ちたストッキングを、さらにもうすこし、ずり降ろしていって。
はっ・・・はっ・・・と、内心の昂りを息遣いに変えて。
彼女はもういちど、柔らかい唇を吸われてゆく。
まるで、媚薬がすべてを忘れさせるようにして。
つよく吸った唇は、かすかな罪悪感を吸い取っていった。

ボクの身代わりに、ハイソックスの脚を食べさせた少女は。
ボクの身代わりになって迫ってきた年下の少年に、ためらいなく純潔を与えた。
ひさしぶりに履いた、ショートパンツの下。
ボクにはすこし、サイズの小さめの真っ白なハイソックスが。
妖しい昂りを、咎めるように、そそるように。
薄い筋肉におおわれたボクのふくらはぎを、キュッと締めつけつづけていた。

ご用はこれから? もうすんだ? 2

2008年11月03日(Mon) 09:12:25

ご用はこれから?もうすんだ?
道ばたにしゃがみこんで、地面を枯れ枝で突っつきながら。
ぼくは上目遣いに小首をかしげて、訊いている。
通りかかったふたり連れのお姉ぇさんは。
おそろいの制服姿。
白っぽい夏服を、軽やかにそよがせて。
絵に描いたような、さわやか少女。

もうっ。いけすかない。
気の強いほうのお姉ぇさんは、スカートを抑えながら、飛び退いて。
お澄まし顔のお姉ぇさんも、いっしょになって後ずさりする。
ひざ下ぴっちりの真っ白なハイソックスに包まれた二対の脚が。
それはうっとりするほどのステップを踏んでいた。
「ご用はこれから!」
気の強いほうのお姉ぇさんが、まるで鬼ごっこの「まぁだだよ」みたいに叫ぶと。
「ふたりとも、学校でお勉強をしてきます!」
お澄まし顔のお姉ぇさんは、ちょっぴりおどけて敬礼をする。
うん・・・またね。
ハイソックスのよく似合う、すらりとした脚たちを、残り惜しげに見つめると。
じゃね。
お姉ぇさんふたりは、軽くバイバイをして。
ふたり連れだって、背中を向けた。

背後に迫って襲いかかれば、なんなく引きずり倒すことも、できたのに。
真新しいハイソックスを、泥だらけにしちゃうことだって、できたのに。
ボクはおとなしく、遠ざかっていく後ろ姿が見えなくなるまで、視線を送りつづけていた。

夕がた。
連れだって歩く、ハイソックスの脚たちが。
ふたたびボクのまえに現れるころ。
もう・・・陽は、沈みかけていた。
約束どおり、帰り道を変えないで。
ここに着くまえ、曲がり角の向こう側。
お姉ぇさんたちが、顔見合わせて。
たるみかけたハイソックスをきっちり引き伸ばしたのを、ボクは知っている。

埃を立てるのは、やめにしてね。
お澄まし顔のお姉ぇさんは、ちょっぴり顔をしかめて。
白だと汚れが目だつのよって、ボクをたしなめにかかっていた。
でも、ごめ~ん。あたしのやつ、泥が撥ねちゃった。
気の強いほうのお姉ぇさんは、わざと片足立ちになって、
脛のあたりに撥ねた点々を、見せびらかしてくる。
じゃあ・・・もっと汚してもいいよね?
ボクがにんまりとすると、さっきまでのハキハキとした態度はどこへやら。
おろおろとして、あたりを見回して。
ここじゃ、目だつよ・・・って、囁いてくる。
わざわざ新しいのに、履き替えてきてあげたのよ。
お澄ましお姉ぇさんは、ひどくお姉さんぶっていて。
手にした鞄を、後ろ手に回して。
お行儀よくそろえた黒の革靴の脚を、きちんとそろえて見せてくれた。
わざと陽のあたりところを選んだ立ち姿に、ボクはうっとりと視線を這わす。
しょうがないなぁ・・・
どちらから、言い出すともなく、顔見合わせあって。
おずおずと、鞄を置きにかかった。
電信柱のかげ、ふたつ並べられた黒革の鞄には。
難しいお勉強の本がいっぱい詰まっているはず。

さぁてと、どっちが先かな?
ボクはまず、気の強いお姉ぇさんの後ろに回り込んで。
身動きできないように、両肩をがっちり、つかまえて。
かりり・・・
ショートカットの黒髪の下、うなじをゆっくりと、侵していった。
ちゅーっ。
つけた傷口からこぼれてきた血は、活発な気性を映すように、ひどく活き活きとしていた。
ダメなんだからね。
こないだスカートに、泥つけさせてあげたのは。
衣替えで、クリーニングに出すときだったんだからね。
お姉ぇさんは、脚踏ん張って。
とうとう、地面にひざを突けなかった。

さあ、つぎはお姉ぇさんの番だよ。
お澄ましお姉ぇさんは、わかりましたと言わんばかりに。
おとなしくじっと佇んだまま、ボクが後ろにまわるのを待っていた。
ちゅーっ。
吸い取った血は、しっとりと舌になじんできて。
妖しい彩りさえ、たたえていた。
ちょ・・・ちょっと!
のしかけた体重に思わずよろけたお姉ぇさんは、思わず尻もちを突いちゃって。
まんまと夏服のスカートに、泥をつけてしまっていた。

やだー・・・噛んじゃうの~?
ふたりはおどけながら、わざと小走りに逃げようとして、
つぎつぎに、脚をつかまれて。
真っ白なハイソックスのふくらはぎを、ボクのべろの餌食にされてゆく。
運動部のお姉ぇさんの筋肉質の脚からは、活発な血が。
文学少女のお姉ぇさんのゆったり流れるふくらはぎからは、淑やかな血が。
代わりばんこに、ボクの喉の奥、満ちてくる。
筋張っているだなんて、失礼だわっ。
白は汚れが、目だつんだけど・・・
口尖らせたり、眉を寄せたり。
鬼ごっこをするには、大人過ぎる齢のお姉ぇさんたちは。
狭い路地での鬼ごっこに、暗くなるまではしゃぎつづけている。

ご用はこれから?もうすんだ?

2008年11月02日(Sun) 12:06:48

おそろいの制服に紺のハイソックスのお姉ぇさんがふたり、こっちに向かって歩いてくる。
ボクはしゃがみ込んだまま、手にした枯れ枝で地面を引っ掻きながら。
思いきって、話しかけてみる。
ご用はこれから?もうすんだ?
これからよ。
冷たく響く、取り澄ました声が。
頭の上を、通り過ぎた。
それから、半日。
ボクは枯れ枝を手に、しょんぼりとうつむいていて。
あのお姉ぇさんたちがもういちど通りかかるのを、待っていた。

夕がた。
枯れ枝の引きずる影が、長くなったころ。
ふたりは、行った道を戻ってくる。
なにも知らずに、ぺちゃくちゃおしゃべりをしながら。
ボクは手にした枯れ枝で地面を引っ掻きながら、もういちど聞いてみる。
ご用はこれから?もうすんだ?
帰るとこだよ。
さっきのお姉ぇさんとはべつの、ちょっぴり気の強そうなお姉ぇさんが。
男の子みたいにぞんざいな声を投げてきた。
ふだんなら、そこでへこんでしまうボクだけど。
そう。
じぶんでもびっくりするくらい、冷ややかな声で。
手にした枯れ枝をひときわつよく地面に突き立てた。
砂埃が立って、気のつよいほうのお姉ぇさんの足許をよぎって。
紺のハイソックスの足首が、粉をまぶしたみたいになった。
アッ、ひどい!
怒った顔つきで、つかつかとこっちに近づいてきて。
ボクを、蹴ろうとしたけれど。
逆だてた眉は戸惑ったように震え、
蹴ろうとした脚は、怯えたように立ちすくむ。
お姉ぇさんよりも背の高くなったボクは、紺色のブレザーの肩を抱きすくめて。
噛んだうなじからあふれる血の味に夢中になって、抱きついていた。
お姉ぇさんはけんめいに背すじを伸ばして、ボクの背丈に合わせようとして。
でも、とうとうガマンできなくなって。
ふら~っとなって、手近な電信柱に背中をもたれかけて。
ずるずる、べったり。
電信柱の根元に尻もちついちゃっている。

もうひとりの、お澄まし姉ぇさんのほうは。
友だちが、ボクにつかまえられて血を吸われちゃうのを。
紺のハイソックスの脚をガクガク震わせながら、見守るばかり。
さぁ、つぎはキミの番だよって、誘いかけても。
もう、逃げ出す機転さえ、きかないみたいだった。
しなくていいの?鬼ごっこ。
ボクは怖~い微笑を浮かべて、お姉ぇさんを追い詰めていって。
ちょっとかがみ込むと。
笑みにゆるんだ唇を、紺のハイソックスのふくらはぎに吸いつけていった。
しっくりとくるナイロン生地のむこう側。
お姉ぇさんのふくらはぎの肉は、とても柔らかくて。
痛そうに引きらせた、脚の筋肉に。
研ぎ澄ました牙の切れ味を滲ませていった。

その場にへたり込んでしまったお姉ぇさんは。
両手をあわせ、べそをかきながら。
けんめいにいやいやをしたけれど。
ダメだよ。ボク、お姉ぇさんのご用がすむの、半日待っていたんだからね。
ひざ下までぴっちり引き伸ばされたハイソックスを、ずるずるとずりおろしていって。
赤黒く痕のついた傷口を、見せびらかすようにあらわにすると。
息を呑むお姉ぇさんの見つめるまえ、これ見よがしに唇をぬめらせて。
ちゅうっ。
吸いあげた血の味に、とてもうっとりしてしまうボク。
首すじからも、ちょうだいね。
お友だちと、同じにしようね。
いけないボクのささやきを、どう思っているのか。
いそいそと後ろにまわり込んでゆくボクと、目だけは合わせまいとして。
お姉ぇさんはじっと身体を固くして、眼を瞑る。
OKってことだよね?
ボクはことさら、明るい声で。お姉ぇさんに、話しかけて。
長い黒髪かきわけて吸ったうなじは、さっきの子より柔らかかった。

さぁてと・・・いっちょうあがり♪
ボクはすっかり、嬉しくなって。
今度は気の強かったほうのお姉ぇさんの足許に、にじり寄る。
しずかになった、仲良しふたり組み。
もう、パントマイムでもいいからね。
紺のハイソックスは、ゆるんで、すねの半ばまでずり落ちていて。
ゴムをぱちんと、はずませて。
わざとくしゃくしゃにして、足首までずり降ろして。
なまのふくらはぎを、ぺろりと舐めて。
ずり落ちたハイソックスを、もういちど引っ張りあげて。
わざと、靴下のうえから噛んでやる。
外ももに縫い取られたワンポイントは、学校名の頭文字だろうか?
読めない飾り文字が、淡いブルーから妖しい青紫に変わってゆくのを。
ボクは、面白そうに観察して。
われに返ったお姉ぇさんは、まだ気強そうに「めっ」と咎める。

真っ白なブラウスが汚れるのも、かまわずに。
お洒落なチェック柄のプリーツスカートまで、惜しげもなく泥に浸しながら。
発育のよさを、自慢し合うようにして。
競って差し出された、ハイソックスのふくらはぎ。
ぴっちり引き伸ばされた紺のハイソックスのうえ、代わりばんこに唇を這わせていって。
しなやかなナイロンの生地ごしに。
ピチピチはずんだ若い肉づきを、愉しんでゆく。
噛まれるたんび、脚ばたつかせ、はしゃぎながら。
女の子たちは、制服の一部を、堕とされてゆく。
帰り道を変えれば、よかったのに。
でもそうしたらボク、寂しかったんじゃない?
わたしの血、おいしかった?
お澄まし顔だったお姉ぇさんは、うっとり優しくほほ笑んで。
悔しいけど、ご褒美だよ。
ご用がすむまで、制服汚すのガマンしてたんだよね。
しっかりもののお姉ぇさんも、唇噛みながらも、許してくれる。
優しいほうのお姉ぇさんは、いい下着を着けていて。
しっかりもののお姉ぇさんのふくらはぎは、ちょっぴり筋肉質で、ごつごつしていた。


あとがき
今回はケータイで、打ってみました。^^
あ、ちょっとだけ、あとから直しましたが。(^^ゞ