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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

同居ノ悩ミ

2009年04月30日(Thu) 07:19:13

うーん。
同居が理想なのか?だって?
それは、きみん家(ち)しだいだよな・・・
うちの場合?
聞きたかったら、教えてあげるよ。
たぶん、参考にならないと思うけど。

女房が吸血鬼と仲良くなって。
オレが同居をすすめてやると。
大喜びで、愛人を連れて来て。
家族と一緒に住むようになった。
息子も娘も、渋い顔をしていたけれど。
年の順に、巧みに籠絡されていった。

挙式を控えた息子は、まだ生娘だった未来の花嫁を伴って。
おじさん。処女の生き血が好きなんだろう?って。
彼女のいないところで小声でささやいて。
気を利かせてだれもいなくなった居間で、襲わせてやっていた。

娘が年頃になると。
あいつはガマンできなくなって。
家で娘とふたりきりになったとき。
制服姿の娘を、じゅうたんにまろばせて、おおいかぶさって。
重たい濃紺のプリーツスカートを、たくし上げて。
スカートの裏地を、どろどろした精液で濡らしてしまったのだった。

妻が生んだ三人目の子供は、男の子だった。
間違いなく、あいつの種だった。
だって、年頃になったら、牙が生えてきて。
さいしょに噛まれたのは、妻だった。
それから兄嫁を、そして姉までも、噛んでしまっていた。

吸血鬼のやつは、本命だった女房と。
いまでも、甘甘な関係をつづけている。
ある意味、義理堅いやつらしかった。
ほかの女どもは、あいつにとって血の供給源に過ぎなかったようだった。
それに比べて、あいつの息子のほうは、なかなか貪欲で。
兄嫁と姉とを代わりばんこに襲っていた。
まぁ・・・食べ盛りだから、仕方がないのだが。

困ったことに。
兄嫁は、夫の腹違いの弟の子を産むらしい。
そうなると。
妻の血統はともかく、わたしの血すじは、絶えることになる。
うーん、それは困ったね・・・
妻を共有している男は、珍しく考え込んでしまっていた。
きみの血すじは、残したいな。
だって、きみと仲良くなったのだって。
きみの母さんや姉さんの血が気に入ったのが、なれ染めだったのだから。

どこまでも勝手なことを言いやがるので。
お前に相談したのが間違いだったな、とそっぽを向くと。
まぁまぁ・・・そう、拗ねるなって。
ひとを見透かしたようなことを言って、引きとめて。
まてよ。
にわかに顔つきを、明るくしていた。
だいじょうぶだよ。
お前の娘がこんど、わしの子供を産むのだから・・・

・・・・・・。
・・・・・・。
そういう問題じゃ、ないんだけどな・・・・・・。

同居ノススメ

2009年04月30日(Thu) 07:05:13

いっそ、わたしたちと同居しないかね?
わたしがそう切り出したとき、やつはきょとんとしていたっけな。

娘が仲良くなって家に連れて来た青年は、吸血鬼だった。
十代の青年の顔をして、じつは数百歳の化け物だ。
人間の血ならだれの血でも・・・という手合いだったから。
妻が狙われたのは、それからすぐのことだった。
はじめはしぶしぶだった妻も。
何度か噛まれるうちに、とりこになってしまっていて。
待ちぼうけを食わされた娘は、制服を着換えもせずに、居間に座り込んで。
たいぎそうにハイソックスを引き伸ばしながら、
思いきり不機嫌な顔をして、
不機嫌そうに、言い放つのだった。
あたしからは処女の生き血を吸い取りたいっていうくせに。
ママとはエッチまでしちゃっているんだから。
それ・・・亭主として。かなりコタエるんだけど。

それから、すぐのことだった。
娘に恋人を取り返すため。わたし自身の妻も取り返すため。
わたしは吸血鬼の同居を望んだのだった。
好意の証しに・・・わたしのまえで、妻のことを噛んでくれないか?
初めてわたしの目の前で首筋を吸われたとき。
もう何度も噛まれているはずの妻は、小娘みたいにどぎまぎしていた。

え・・・
そのあと、どうなったの?って?
もちろん、あいつのことだもの。
さいごまで、見せつけられちゃいましたよ。
亭主の体面上、さすがにロープでぐるぐる巻きにされたけどね・・・

それ以来。
あの憎たらしい野郎は、人間の若者を装って、ひっそりとわが家にやって来て。
娘と女房とを、かわりばんこにたらし込むようになっていた。
名義上は、娘婿になったあいつは。
姑のことさえ、必要以上に愛したのだった。

おとーさん。
真美姉さんの旦那がね・・・
それから、数年後のことだった。
高校生になった息子が口を尖らせてきたのは。
真美姉さんの旦那。
そう。息子はまだ、姉婿の正体を知らなかった。

姉さんの旦那が、ボクの彼女を襲いたがっているんだ・・・
目に隈を作るほどに、悩んでいるくせに。
息子はひどく、息を震わせていて。
われ知らず昂っているのが、手に取るように分かっていた。
わたしはいちぶしじゅうを、打ち明けてやった。

本当はね。
さいしょに噛まれたのは、父さんなんだ。
仲良くなった彼に、若い女の血を吸わせてやりたくて。
真美姉さんの行くパーティに、あいつも招待させてやって。
あとはおまえのウデ次第だって、言ってやったら。
真美のやつ、母さんのことまで紹介しちゃったんだな。
じぶんの女房をたらし込まれて、悦に入るなんて。
わたしだけかと、思っていたら。
どうやら身近に、仲間がいたようだ。

こんどは、お前の番だからな。うまくやるんだぞ。
そうだ。まずお前の血を、あいつに吸わせてやるといい。
度胸がつくから。
父さんや母さんの血を好んだあいつのことだから。
お前の好意を、伝えたら。
きっと、悦ぶだろうね。
未来の花嫁の処女を捧げる…なんて。
あいつと仲良くなったときにはもう母さんと結婚していた父さんには、
願ってもできないことだっだから。


数年後。
みんなに祝福されて挙式をした息子のやつは。
姉婿が馴れ馴れしく花嫁に近づいて。
ウエディングドレスのお尻を、わが物顔に触るのを。
照れ笑いしながら、盗み見していた。
晴れ晴れとしたモーニングのポケットのなかには。
夕べ彼女の脚から剥ぎ堕とされた純白のストッキングが、こっそり仕舞われていたのだろうか。

早く仲間に、入りましょうよ

2009年04月29日(Wed) 22:25:17

ねぇねぇ、あなた。知ってる?
この村には、吸血鬼が大勢、棲んでいるんですって。
この村に住んでいる人は、手当たり次第に血を吸われてしまうんですって。
さいしょ、は村に代々住んでいる人だけだったけど。
いまでは、都会の会社の出張所に勤めている人の家族まで、対象にされているんですって。

さいしょにだんなの血を吸って。
たぶらかして、ナカマに引き入れて。
奥さんや娘さんの血を吸うのの、手引をさせられて。
さいごに奥さんが吸血鬼のみんなに犯されちゃうところまで、見せつけられちゃうんですって。
その代わり。
ナカマの側の人妻や娘は、犯しほうだいに犯すことができるんですって。
吸血鬼になった順に、犯す側にまわるから。
さいごまで残ったお宅は、みんなにまわされちゃうらしいのよ。

隣の××課長のお宅だって。
ご主人が村長さんかだれか、えらい人と仲良くなって。
奥さんや娘さんを、夜お邸に行かせてるんですって。
あなたといっしょに赴任してきた○○さんも。□□さんも。△△主任も。
みんな、ご夫婦ともども血を吸われちゃったらしいのよ。
うちだけよ。まだなの。
ほら・・・早く仲間に加わらないと。
わたし、村じゅうの男にまわされちゃうわ。

妻にそそのかされるようにして。
わたしは手近な村人を家に招いて、自分の首筋を差し出していた。
じんわりと吸われた血潮は、人肌のぬくもりといっしょに、男の唇に吸い取られていって。
うっとりとして傷口を撫でる傍らで。
妻は都会ふうの洋装もろとも、辱めを受けていた。
新婚のころに着ていた、うす紫のワンピースを、腰までたくし上げられて。
首からさげたネックレスを、ゆらゆらと揺らしながら。
ひざ上までずり落ちたストッキングを、しわくちゃにたるませたまま。
後ろから突っ込まれる魔羅に、よだれを垂らしておめいていた。

しまった、と思ったときには。
もう遅かった。
妻はきっと、さいしょからそのつもりだったに違いない。
夜な夜な引き入れる男は、毛むくじゃらな脛の下、妻の正装を踏みにじるようにして。
かわるがわる、犯していった。
脱げかかったストッキングに、伝線を滲ませて。
じたばたと、脚ばたつかせながら。
うちのひとのより大きいわって、叫んでいた。

先に仲間入りを済ませても。
あとから仲間に入っても。
どのみち自分のナカマに妻を襲わせる権利を与えることに、変わりはない。
けれども、いまのわたしには。
ただ、ただ、眩しかった。
虐げられる妻の柔肌が、ピンク色に染まるのを。
渇いた殿を引きつらせながら、生えかけた牙を疼かせていた。

妻の言い草は、うそではなかった。
夕べは、地元の新婚家庭。今夜は、おなじ事務所のN課長のお宅。
部屋の外に、闇がおりると。
牙を疼かせたものはみな、路上に出る。
入れ違いにうちにあがりこんでゆく若者と、目が合った。
お世話になります。
礼儀ただしく、頭を下げてきた。
わたしは軽く、応えながら。
以前彼の妹を制服姿のまま犯したのを思い出し、すぐに忘れる。
口やかましい課長の身代わりに。
皆さんには、ご迷惑かけてますでしょ?
もの慣れた奥さんはきっと、美しい顔に愛そう笑いを浮かべて、
わたしを引き入れてくれるに違いなかった。

いやなやつ

2009年04月21日(Tue) 07:43:59

いやなやつ。
だれもがそんなふうに、かげで呼んでいた。
ひなびた村に、場違いのようにぽつんと建てられた、都会ふうの事務所。
上司も、同僚も、年若い社員たちも。
だれもが合言葉のように、呼ぶ男。
そいつはなによりも、女の生き血を好んでいた。

都会の女が、好きらしい。
都会の女なら、見境なかった。
都会の女に、都会ふうの服を着させて。
都会の貴婦人、都会妻、都会の令嬢・・・
都会ふうの服に、持主の血をしたたらせながら。
狂わせてゆく―――

おとついは、新婚のY係長の家。
夕べは、A課長のお宅。
課長の家では奥さんだけでなく。
中学にあがったばかりのお嬢さんまで、相手をしているらしい。
そして今夜は、わたしの処―――。

夜勤なんだって?ごくろうさん。
冷やかすような同僚たちの笑みに、どこか共感が込められている。
いやなやつを迎える夜。
妻は今夜も、きちんと装っているだろうか?

村のおじさま

2009年04月21日(Tue) 07:34:25

ねぇ、あなた。
出勤前。妻が甘えるように、近寄ってくる。
村のおじさまが、お洋服新調してくれちゃった♪
服だけではなくて、パーマもかけてきたらしい。
水玉もようのワンピース姿が、いつになく嫣然と微笑んでいる。

村のおじさま。
わたしより、十五は上だろうか。
あるいは、二十。それとも、もっと・・・?
いつもものやわらかで、紳士的。
なにかと、村の人との橋渡しさえ引き受けてくれる。
こちらに棲みついてから、ただならぬご縁を結んだ相手。
なにしろいまは、妻に対して、わたしと同等の権利を所有している。

色白の整った目鼻だちが、ときには魔女の微笑みのように思えたこともあったのだが。
いまではわたしの応対も、堂に入ったもの。
そうかい。それはよかたね。とても似合うよ。
今夜、お礼に行ってくるといい。
わたしもお邪魔したいのだが・・・ちょっと仕事が、立てこんでいてね。

謎を含めるような、夫婦の会話。
洋服をくれた、ということは。
お前の妻を抱きたい・・・という、意思表示。
夜の仕事とは。
ふたりの熱いようすを、かげから覗き見することだった。
もう・・・昼間の仕事なんか、とても手についたものではない。

ふつうならこのうえのない屈辱のはず。
それが一夜にして、深い歓びに変わっていた。
いまでは・・・
「村のおじさま」に、ある種の感謝さえ覚えている。

奇妙な習慣ののこる村。
なにも知らずに赴任してきて、半年が経っていた。

貞操を捨てる旅。

2009年04月19日(Sun) 07:42:00

そのお誘いが舞い込んだのは、とある日曜日。
郵便受けのなかにあったツアー企画の宣伝を、ほとんど見ずに捨てようとして、
ふと目に触れた謡い文句に、ずきん!ときた。
  
  貞操を捨てる旅
  ―――最愛の妻が、女に戻るとき―――奥様の別の一面を、かいま見てみませんか?

きみがレイプされるところを、見てみたい。
思わずきみに向かって、口走っていた。

都会ふうに着飾って、ひなびた村のホテルに一泊する。
夜更け、施錠したはずのドアが開かれて、侵入してくる暴漢数人。
わたしはたちまち、全裸のまま縛られて。
妻は脅されながら、昼間とおなじ正装に着かえさせられてゆく。
下着姿になって、洋服に着かえるところを、衆目のまなざしにとらえられながら。

都会ふうに洗練されたワンピース姿が、男どもの荒々しい手に取り籠められて。
必死の抵抗はいつか、妖しい悶えに変わっている。
おっぱいが見えるほど引き裂かれたワンピースのえり首が。
むき出しになった肩先に乱れる黒髪が。
ひざまでずり落ちたガーター・ストッキングが。
淑女の堕落を、いやというほど見せつける。

もっと・・・もっとォ。
妻はいつの間にか、牝奴隷と化している。
逞しい腕に、組み敷かれて。
力づくの上下動に、腰を貫かれて。
ごつごつした体格には不似合いな、手慣れたまさぐりに酔わされて。
男どもの荒々しい洗礼を受けて、妻は女に変わってゆく。
淑やかだった妻の、見違えるほどの豹変ぶりに。
わたしは思わず、ときめいている。
もっと犯して。お○んこに、ちょうだい。
痛ーっ!主人のより、大きいわぁ・・・

不埒な妻の言動を、追認するかのようにして。
わたしは不覚にも、勃ってしまった下腹に。
白く濁った熱いものを、びゅうびゅうほとばしらせてしまっている。
昂ってしまった夫のまえ。
貞淑だった都会妻は、およそ似つかわしくない村の男ども相手に、公然と情事に耽る。
夫のまえ、犯されるという。
生まれて初めて体験することへの昂りに、せいせいと息はずませながら。

ふたり腕をたずさえてたどる、帰り道。
また、来なよ。奥さんの身体、よかったぜぇ。いつでも歓迎、するからよぉ。
野卑だがごく親しげなことばに、わたしは愉しげに手を振って、
妻は照れくさそうに、顔を伏せる。
愉しかった?と、水を向けると。
もう・・・っ。
軽く小突かれたわき腹が、くすぐったかった。
これで、よかったのだろうか?これで、よかったんだ。
わたしの留守中、一人で来てもいいんだよ。
イヤよ。あなたの前でするのがいいの。
いっしょに来れないときには、写真、撮ってもらっちゃおうかな?
あなたにばっちり、見せつけちゃうから♪

いままでなかった、うちとけた会話。
堅苦しい日常から解放された、性。
夫婦を見つめ直す旅。
お宅のご夫婦も、いかがですか?

喪服妻に迫る影

2009年04月18日(Sat) 12:59:34

憎いあいつは、わたしの生き血を吸って。
吸いあげて、吸い取って、吸い尽くして。
いともうまそうに、喉をごくごくと鳴らしていった。
薄ぼんやりとなった意識の向こう。
こいつ、本当に人の生き血が好きなんだな・・・
そんな間の抜けたことを、思い浮かべていた。

墓場送りになったわたしのことを、妻は涙ながらに見送ってくれた。
わたしを弔うために装った黒のストッキングの足許に、不埒な視線が這わされているとも知らないで。
そう。
あいつの狙いはさいしょから、わたしの妻のほうだった。
いちぶしじゅうを、見届けさせられた。
ご丁寧にも、わたしを墓場から抜け出させて。
がんじがらめに、狭い棺に封じ込めて。
起こったことすべてを、幻影に変えて、目の当たりにさせられたのだ。

親類めかして、わたしが留守の家にあがりこんで。
喪服姿に、迫っていって。
唇を奪って、口をふさいでしまうと。
いかにも物堅いかんじのするごつごつとした喪服のスーツごし。
器用にすべり込ませた指先が、なぞるようにやわらかくまさぐって。
厚手の生地に護られた柔肌に、妖しい疼きをしみ込ませていって。
仰のけたおとがいに、あごを割り込ませるようにして。
白くて細っそりとした首筋に、ゆっくりと牙をうずめていった。

目を細めながら、上質なワインを賞玩するように。
あいつは妻の身体から、うら若い血液を、吸い取っていった。
ごくりごくりと、いやらしい音をたてて。
妻の生き血は、愉しまれていった。
怯えを浮かべ、絶望の呻きをあげて。
妻はずるずると、姿勢を崩していったのだ。

力を喪った両膝を、くたりと折って。
赤いじゅうたんのうえ、薄手のナイロンに透けたふくらはぎを横たえて。
いやらしくねぶりまわる唇に、舌に。
清楚な黒のストッキングを、くしゃくしゃにねじれさせて。
しまいにそれすらも、びりびりと引き裂かれて。
裂け目を走らせたストッキングから、白い脛をまだらもように覗かせながら。
喉をひくひくさせながら、犯されていった。

犯しがいのある奥様だね。
亡夫に操を立てようとして。
逆立ったペ○スからわが身をへだてようと、腕を突っ張って、抵抗して。
いよいよ受け容れさせられてしまうときには。
黙って耐えて、歯を食いしばるなんて。
古風な風情が、たまらないのだよ。
だからつい、滾ってしまったものすべてを、彼女の奥深くにまで、ほとび散らせてしまうのだよ。
なによりも。
きみの妻を穢す・・・ということが。
むしょうに愉しくって、仕方がないのだよ。
あいつのいけない囁きが、今夜も耳朶をくすぐってくる。

つぎの晩も。そのまたつぎの晩も。
あいつの寵愛は、おさまらなかった。
妻は呼び出されるたび、漆黒の衣装を身に着けて。
拒みながらも、拒み切れずに。
わが身の受難を、嘆きながら。
男に首筋を、食われていった。
失血のあまり、気を喪って、その場に倒れ伏してしまうと。
あいつは妻の足許ににじり寄っていって。
黒のストッキングのふくらはぎを、すみからすみまでいたぶるのだった。
それこそ、これがお目当て・・・とばかり、いとも愉しげに。

奥さんの血は、いい味だ。
いつも過不足なく、おれに恵んでくれるんだ。とても気前よく。
着てくる喪服も、さいしょのうちはきみを弔うためだったけど。
黒のブラウスにふりふりがついていたり。
スカートのラインが洗練されてきたり。
ストッキングにつやつやした光沢がはいってきたり。
だんだんおしゃれに、なってきたね。
ストッキングの舌触りも、だんだんなめらかになってきたみたい。
だんだん、愉しんでくれるようになってきたみたい。
きみ、知らないだろう?
奥さんの生き血の味も。ストッキングの舌触りも・・・

いつの間にかわたしの妻は、賢夫人としての尊敬をかち得ていた。
夫の仇敵と知りながら。
つつしみをかなぐり捨てることもなく。
指定された夜、淡々と姿を現して。
清楚な衣装を乱されながら、供血に応じていって。
求める血液を、過不足なく提供する婦人として。
夫だけに捧げられた貞潔を、ためらいながらもむさぼらせる娼婦として。

妻を襲ったあと。
あいつは足音を響かせて、戻ってきて。
かさかさに乾いたわたしの唇に。
たったいま吸い取ってきたという妻の生き血を数滴、指先で塗りつけてしまうと。
わたしはもう、なにもいえなくなって。
口許を濡らす、ナマナマしい温もりを。
舌先でしきりに、舐め取ってしまう。
妻の生き血は、それほどに。
わたしの舌にも、心地よかった。

そろって家に、侵入する。
家人の寝静まった我が家へと―――
そこはすでに、あいつの血の奴隷と化した女どもの棲み家(か)―――
真っ暗闇の、夫婦の寝室。
ネグリジェの代わりに、黒のワンピースを装った妻は。
ひどくたくみに、寝たふりを決め込んでいて。
あいつが喉笛に咬みつくと。
きゃ・・・
くすぐったそうな、呻きをあげた。

首筋をしたたる、深紅のしずく。
シーツに伝い落ちてゆくのを追うわたしの目が、狂っている。
そう自覚してしまったとき。
あいつはわたしの肩を叩いて、禁断の行為へと、うながしていた。
初めて吸った傷口には。
あいつの残した唾液の残滓が、てらてらと光っていて。
饐えた甘酸っぱい匂いが、不快に鼻先をよぎっていった。

しがみついた両肩を、拒もうともせずに。
相手をわたしと知りながら、妻は生き血を啜られてゆく。
そのあいだ。
あいつが足許にかがみ込んで。
黒のストッキングの脚を舐めまわるのを。
抑えた両肩の微妙な揺れから、ゾクゾクと感じ取ってしまっていた。

少しばかりの血を恵まれたわたしは、そのまま手近な椅子に縛りつけられて。
妻があいつの性欲を満たしていく有様を。
さいしょからさいごまで、見せつけられる。
妻が肉奴隷となって、悶えるありさまに。
わたしは不覚にも、失禁してしまっていて。
妻は目ざとく、そのありさまを盗み見ていて。
もはや本音になってしまったおらび声を、あたりはばかることなく、洩らしつづけてゆくのだった。

妻のあとは、娘の番。
妻を狂わせてもらったお礼に、処女の生き血を提供するため。
家にもどったわたしは、あいつを家に招び込んでいた。
娘の家庭教師として・・・
勉強部屋、セーラー服姿の娘に。
血に飢えた吸血鬼が覆いかぶさるのを。
親たちは共犯者として、ゾクゾクとのぞき見をつづけていた。
娘が堕ちてしまうまで・・・

かわりばんこに、忍び込んでくる。
表向き、ふつうの人間として暮らしているわたし。
あいつはいつも、夜の家のあるじとして、侵入してくる。
迎え入れて。受け入れて。ひと晩愉しんで。
なにごともなかったように、朝を迎える。
周囲のものたちはみな、うちの実情を知っていて。
庭先に立つ人影も。雨戸ごしに聞こえる秘めやかな声にも。
知らぬ顔を決め込んでくれていて。
夕べは、娘。
今夜は、妻。
娘がセーラー服を着る夜と。
妻が喪服をまとう夜と。
脚には申し合わせたように、黒のストッキング。
あくる朝には、みるかげもなく引き裂かれていて。
ときにはノーストッキングのむき出しの脛に、白い液をしたたらせている。

一生のあいだにできるエッチの数

2009年04月17日(Fri) 05:42:19

夫 一生のあいだにできるエッチの数ってさ、きっと適性量があるんだよ。ボクははるかに足りないな・・・
妻 あら、そうかしら?わたくしは適性量までいってしまいましたよ。
夫 この数字のズレは、なんなんだ・・・。(-_-;)
妻 あなたを交えて8人の殿方のお相手をしたことも、ありましたよね?
夫 う~~~ん、あのときは・・・なりゆきというもので・・・。(^^ゞ
妻 あなたを交えないで16人・・・なんて愉しい夜も♪
夫 おっ・・・おいおいっ。∑(-□ー)
妻 みんなあなたを慕って近づいてきて、わたくしを犯して帰っていくんですよ。
夫 で・・・今夜はするの?しないの?
妻 あなたの留守中愉しんだら、くたびれちゃった♪
夫 がーん。
妻 おやすみなさーい。

けんめいな作り笑い

2009年04月14日(Tue) 06:03:44

血を吸わせてあげるのは、浮気じゃないですよね?
だれもがそそられるほどに初々しい、若妻の脚をさらけ出して。
そのひとはいつも、血に飢えたわたしの唇を、受け入れて。
ひきつれひとつない真新しいストッキングを、破らせてくれていた。
真っ白なタイトスカートのすそを、きちっと抑えつけながら。

けんめいな作り笑いの下。
恐怖と羞恥とを押し隠して、きみは無理をしてほほ笑んでいる。
わたしのために差し伸べられた、スカートのすその下。
ストッキングによぎるつややかなきらめきは。
初々しい若妻の清楚な衣装には似つかわしくないほど、毒々しさを含んでいた。

すがりつくように、吸いつけた唇の下。
薄いナイロン生地を、くしゃくしゃに波打たせながら。
ざりざりと舌で愛でる不埒な愉しみは。
彼女の夫との友情を、忘れさせるほど。
乱れる衣装。戸惑う素肌。羞じらう血潮。
それらが一体となって、わたしを包む―――。

黙っていてね。
主人を、悲しませたくないので。
案外・・・歓んじゃったりして。
くすっと笑う口許が、少女のようにはにかんだ。
裂けたブラウスの下。
さっきまで昂り紅潮しつづけていたおっぱいが。
気高く透きとおる静脈を、蒼白くめぐらせていた。

だいじょうぶ。
きみのご主人は、わたしの友だちだ。
奥さんのことを、清楚な装いで送り出して。
ストッキングを破られたままの脚を、スカートからさらけ出して帰宅してくるのを認めるくらいなら。
きっと今夜の出来事を。黙って察して、密かに昂るはず。
なにもいわずに、きみのことを抱きしめて。唇を吸って。
なにもいわさずに、黙らせてしまうはず。
そう・・・いちぶしじゅうを、点検してから。
ばか。
女は口調だけを尖らせて。
甘えた手で、わたしの背中を叩いていた。

紅いチョーカー

2009年04月14日(Tue) 05:41:34

おなじ事務所で働くきみは。
栗色に染めた長い髪を肩に踊らせ、いつも活き活きと立ち働いている。
見苦しくないほどに汗ばんだブラウスの下。
血色のよい胸を、弾むように息づかせ、
小気味のよいほどの身のこなしが、てきぱきと机上の、そして周囲の面倒を手ぎわよく片づけてゆく。
ふたりきりになると。
少女のようにくりっとした頭を横切るヘアバンドに束ねた髪を、
いさぎよいほどさくっと掻きあげて。
すこしはにかんだような笑みを、思わせぶりによぎらせて。
首に巻いたチョーカーを、サッと取り去って、わたしの前に立つ。
窓辺から射し込む陽の光に照らされて。
白磁のように透きとおる首筋を、ドキドキするほどに輝かせながら。
さくりと刺し込む牙に、きみは「あぁ・・・」っと、軽くうめいて。
眉ひそめながら、うら若い血を吸われてゆく。
滋養に満ちた若妻の血を、わたしの活力にひきかえてくれる。

首筋の血が、乾くまで。
チョーカーをほどいたまま、放心したように椅子に座り込んで。
足許ににじり寄るわたしのよからぬ下心に、かすかに脚をひくけれど。
つかまれた足首は、もはや抗おうともせずに。
わたしのために履いてきた真新しい透明なストッキングに、誘惑のきらめきをよぎらせてゆく。
女の脚線をガードする薄いナイロンを、フラチにも噛み破ってゆくわたしのことを。
恨めしそうに見おろしながら、きみは少女のように口尖らせる。
咎める言葉さえもが、耳に心地よく。
わたしの牙は、ゾクゾクと昂って。
皮膚の下、活き活きとめぐる脈動をさぐりあててゆく。

さあ、おしまい。
時計の針が、六時をさすと。
もう・・・主婦の顔に戻る時間。
紅いチョーカーを、ふたたび首に巻いて。
きみはよそよそしい顔つきをして、帰り仕度をはじめる。
滲んだ血の色を、隠すのか。きわだたせるのか。
チョーカーに浮いたかすかなシミを見分けることのできるものは、そう何人もいないだろう。
じゃあ、また明日。
家路をたどる足どりに、ストッキングの伝線が目を引いた。
視線を感じて、ちょっと立ち止まって。
その場でするすると、脱ぎ捨てる。
そそるようななだらかなカーヴを描く脚線から、
たるんでくしゃくしゃになってずり落ちてゆくストッキングが、ひどくふしだらに映る。
女は押しつけるように、脱いだものをわたしに手渡すと。
手早く短いソックスに履き替えて。
男みたいな大またの足どりで、後ろを振り返ることなく立ち去ってゆく。

履き替えたんだね。
ご主人はほろ苦く笑いながら、戻ってきた奥さんを優しく迎え入れるはず。
抱きしめた体から伝わる人肌のぬくもりを。
甘えるように愛でながら。
決して一線を越えようとしないきみのことを。
すがりつくように抱きしめる日々――― 。

許婚と悪友

2009年04月12日(Sun) 13:28:04

いまさら改まったあいさつも、いらないよね。
だってキミは、未来の花嫁を、おれに呼び捨てにさせてくれる仲なんだもの。
処女の生き血を欲しがるおれの希望を、容れてくれて。
彼女を連れて、家まで遊びに来てくれて。
戸惑う彼女を、笑ってうながして。怯えに震えるおとがいを、仰のけて。
あの白くて柔らかなうなじを、噛ませてくれたんだもの。
彼女、とっても律儀なんだね。
おれが誘い出そうとすると、必ずキミに連絡しているんだってね。
でも・・・じつはそんなキミでも知らないこともあって。
時折内緒で失敬しているときも、あるんだよ。
制服のスカートの下、身に着けてきた黒のストッキング。
もう何足、噛み破ってしまったことだろう?

みんなみんな、おれの仲良しは。
彼女や婚約者を、おれに紹介してくれるんだ。
処女の生き血を、くれるために。
いちど肌を吸わせてしまうと、どんなに淑やかなお嬢さんでも。
皮膚の下脈打っているうら若い血を、狂わせて。
髪振り乱して、すがりついてくる。
だからおれは、どの子の処女も、いただいてしまうのさ。
もちろんみんな、それを承知で大事なひとをひき逢わせてくれるのだけど。

マサオの彼女はこと果ててしまったあと。声をあげて泣き放っていたし。
ユウタの彼女は痛がって、布団のうえでやたら脚をばたつかせていたっけ。
ツヨシの彼女ったら、制服のスカートの下から、ナニを侵入させていくときに。
シーツの端をぎゅうっと握りしめて、顔そむけながら昂りを抑えかねていたりして。
かなり、そそられちゃったよね。
奥の奥まで突き入れた瞬間、ヒクッと声を呑んで。
もてあそぶようにしてぐりぐりしてやると、声を忍んですすり泣きをしていたけれど。
あれはツヨシのやつ、じかに聞いておくべきだったかも。

制服着たまま姦られちゃう子は、だれもかれもが、スカートの裏地や黒のストッキングに、おれの吐き出した精液をぬらぬら光らせたまま帰っていくんだ。
その足で、必ず彼氏に会って。
彼氏に会ったらちゃんとスカートをめくって、痕を見せつけるんだぞって命令してあるからね。
みんなきちんと、言われたままをまじめに実行しているよ。
だってつぎの日の彼氏の顔ったら、見ものだもの。
こっそりおれのことを、校舎の裏とかにうながして。
いかにも困ったような、くすぐったいような、照れくさそうな顔をして。
ちゃんとお礼まで、言ってくれるんだから。

あしたはきみ、どんな顔をして、おれを呼び出して。なんてお礼を言ってくれるのかな。
今夜、彼女を呼び出したんだ。きみ、まだ知らないだろう?
きっと夜遅く、彼女がきみを訪ねていくから。寝ちまったら、いけないぜ。
ほかならぬきみのフィアンセだから・・・
夜どおし狂わせてしまうかも。それでもちゃんと、起きて彼女を待っているんだぜ。
処女破りを、愉しむのは。きみの彼女でちょうど、十三人めなんだよ。

独りでお花見

2009年04月12日(Sun) 13:18:13

あら、ひとりでお花見?
その少女は、まるで昔からの知り合いみたいに、ごく親しげに声かけてきた。
周囲にはりめぐらされたぼんぼりの灯りの下。
見ず知らずの男女がいかにも愉しげに立ち騒いでいる、桜の下の薄闇のなか―――
少女は季節はずれにも、浴衣姿だった。
真っ赤な浴衣を、いとも涼しげにまとっていた。
鮮やかな浴衣の生地のうえ。
長く垂らしたノーブルな黒髪が、ひどくなまめかしく渦巻いていた。

やめてくれ・・・もう、やめてくれ・・・
いくら呻いても、少女は吸うのをやめなかった。
桜の樹々も尽きかけた、公園のはずれ。
ぼんぼりの灯りから遠ざかった、濃い闇の下敷きにされるようにして。
寄り添うようにベンチに座り込んだ少女は、ごくしぜんな流れのように、体重をもたれかけさせてきて。
気がついたときには、がんじがらめに組み敷かれていて。
身じろぎひとつできなくなった首筋に、飢えた唇を這わせてきた。

刻一刻と、身体から血が抜けてゆく。
相手の少女が吸血鬼だと気づいたときには、もうやめさせる気力は残されていなかった。
それでもいちどは、命乞いをしてみる気になった。
ねぇ、きみ・・・
声を落として、話しかけると、
少女は意外なくらい敏感に、顔をふりたててきた。
口許を拭った指先に、吸い取ったばかりの血がべっとりとついていることに。
なぜか脳裏が、くらくら揺れた。

血を飲んでも、いいんだよ。
でも・・・生命だけは、助けてくれないか?
お願いだから。
少女はゆっくり、かぶりを振って。
血を吸わないと、わたし生きてゆけないのよ・・・
囁くように、しみじみと。
呟くように、声を落とした。

なんとか、ならない?
やっぱり死ぬのは、怖いよ。きみだって、同じなんだろう?
ねぇ、せめてもういちど、逢おうよ。
今夜みたいに、血を吸わせてあげるから。
ボクを誘ってくれた女の子って、きみが初めてだったんだ。

さいごのひと言に、少女ははっとしたようだった。
しみじみとした眼をして、こちらを見おろしてきて。
あやすように優しく、獲物となったものの髪を撫でながら。
さびしいひとだったんだね。
ひっそりとそう、呟くと。
チャンスをあげる。こんなこと、あたしも初めてなんだけど。
さいごのひと言は、ほとんど独り言だった。

つぎの日。
闇のなか、花吹雪が舞っていた。
騒々しい宴席の声は、遠い―――
少女に初めて襲われたあの空間には、やっぱり濃い闇が支配していた。
気がつかないうちに、背後に気配が立って。
具合、悪いんでしょう?
耳元にひっそりと、囁きかけてきた。

頭がくらくらしていた。眩暈がするようだった。
あきらかに、夕べの失血のせいだった。
けれどもなにかに、つき動かされるようにして。
家を出た足取りは、約束の公園に向けられていた。
あらゆる理性を越えて、拒むことのできない引力があるというけれど。
たぶんもっと奥深く、自分の意思でここに来たような気がした。

今夜は、帰って。
少女の声は、どこか切迫めいていた。
ほんとうは、吸い残した分をそっくりもらうつもりだったんだけど。
気が変わった。
ぶっきら棒に、言い捨てると。
少女の気配は、スッと消えた。有無を言わさないようにして。

あくる日も。つぎの日も。
公園に足を運びつづけた。
あの少女の幻影を、追い求めるようにして。
桜はいつか、盛りを過ぎて。
さいごの花びらが、尽きてしまったあとになっても。
公園通いを、やめなかった。
けれども少女は二度と、此処には現れなかった。
すべてを獲てしまえば永らえたかもしれない命を、彼女は自ら絶やしてしまったのだろうか?
それともまだ、寂しい飢えをかかえたまま。
どこかの街角を、さまよっているのだろうか?
逢えばこんどこそ、生命がないかも・・・
そうわかっていながら、公園通いをやめることができなかった。
なぜって、彼女ははじめてボクに声かけてくれた女のひとだったから。

それからどれほど、時が経ったことだろう。
汗ばむほどの陽気が過ぎ去ったあと。
公園の夜の涼風が頬に心地よくなったころ。
あのベンチに独り、腰をかけていると。
隣、いいですか?
白い頬をしたその若い女性は、ためらいがちに声をかけてきた。
おひとりですか?
ひっそりとトーンを落とした声に、ゆっくりとうなずくと。
ボクはおずおずと、彼女の肩に腕を回す。
ふと―――懐かしい気配がよぎるのを感じたそのときに。
似ても似つかない面ざしの向こう側。
おなじ魂を感じていたから。
うちにおいでよ。
抱きしめてあげるから。
こんどはもう、逃がさないよ・・・
矢のように吹き込んだ囁きに、彼女はふふふ・・・と、笑っただけだった。