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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

村の娘

2009年08月18日(Tue) 15:35:23

吸血鬼の家だからって。
だれもが吸血鬼になるわけじゃない。
一家でひとりか、多くてふたり。
それでうちの場合は、お兄ちゃんが選ばれた。
母さんの弟にあたる叔父さまが、美人で評判の叔母さまに手引きをさせて。
でもほんとうに血を吸ったのは、叔父さまのほうだった。
叔母さまは叔父さまと知り合って血を吸われて、半分吸血鬼になったけど。
叔父さまの家でほんとうの吸血鬼になったのは、叔父さまだけだったから。

お兄ちゃんは血を一滴残らず吸い取られて、お墓に入って、生き返って。
家にかえってきたときには、泥だらけだった。
その晩は母さんが、相手をして。
馴れるまではダメよって、わたしはお兄ちゃんに血を吸ってもらうことはできなかった。
初めて血を吸われるのは、お兄ちゃんがいいって。ずっと想っていたけれど。
高校生になったとき、忍んできたのは叔父さまだった。
叔父さまは若いころだれかに血を吸われて、吸血鬼になって。
それ以来、いちど喪ってしまった自分の家の血に飢えているんだって、母さんが言っていた。
だから娘時代の母さんの血も吸っていたし、お兄ちゃんの血も、飲んじゃったし。
あたしの血の味は、お兄ちゃん似だって言われて、
そんなことが妙に嬉しくって、照れていた。

お兄ちゃんがあたしのところに初めて来たのは、明日は卒業式という晩だった。
あたしはお兄ちゃんのため、あしたでお別れのセーラー服を着て。
大人っぽく、黒のストッキングを履いて、お兄ちゃんの相手をした。
処女をなくしたのも、その晩のことだった。
それからはずっと、叔父さまとお兄ちゃんとがかわるがわる、あたしのところに来るようになった。
ふたりが競争するように来てくれるのが、嬉しくって。
あたしは貧血になるのをガマンして、ふたりの相手をつづけていた。
あなたと出逢った後も村を棄てられないのは、そういうわけ。
それでもあなたは、あたしと結婚してくれるって、約束してくれた。

だから、約束だよ。指きり、げんまんだよ。
あたし、村を出ないから。あなたに此処に、棲みついてもらうんだから。
村のひとたちは穏やかで親切で、みんないい人ばかり。
あなたよりも先に花嫁さんとデキちゃった、叔父さまやお兄ちゃんとも、あなたは仲良くなってくれて。
結婚した後も、あたしとの仲を許してくれるっていう、そんなあなたのことを、
だれも除けものにしようとは、決してしない。
子供はなん人も、作ろうね。
跡取り以外は、女の子がいいかもね。
どうしても都会の家を遺したいのなら、村育ちのもの分かりのよい男の子を、婿に取るのもいいかもね。

でも、子供たちが大きくなるまえに。
あなたと、あなたの妹さんと。できればあなたのお母さまも。
村の仲間に入れてあげようね。
あたし、お義父(とう)さまにも尽くすから。
かわりに、お義母さまを譲ってもらおうね。
すこしでもお若いうちに、たっぷりと。
手だれでレディ・キラーな叔父さまに、熟れた生き血を吸い取ってもらえたら。
しつけに厳しかったっていうあなたのお母さまも、きっといい気もちになれるから。
まじめな妹さんは、まだボーイフレンドいないみたいだし。
なるべく早いうち、チャンスを作ろうね。
まだ処女のうちが、いいからね。
だから早く・・・あなたと結婚したい♪

お互いさま。 ~村の男性の述懐~

2009年08月18日(Tue) 15:10:00

うちの村ではね。
男の子が18になると、大人になったお祝いをするんですよ。
えっ?どんなお祝いかって?
それは・・・大人の祝いと言ったら、祝いかたはひとつでしょう。(笑)
村のなかの適当な婦人をひとり、それぞれに選びましてね。
契りを交わすんですよ。昼日中から。
だって、相手の女性は皆、結婚の経験のある人と決まっているのだから。
夜はだんなが、家にいますからねぇ。
もちろんだんな達だって。
だれひとり、咎めだてしたりはしないんです。
だってだれもが、身に覚えのあることですからね。(笑)
女はどうしても、不足するので。
なかには自分の母親に祝ってもらう・・・なんてこともアリなんですよ。
悪友の一人なんか、それでほんとうにお袋さんにはまっちゃって。
嫁取りがずいぶん、遅れてしまったくらいですからね。

ええ。
お祝い相手とそのまま、不倫の関係にもつれ込むことも、ありだったんです。
といっても、おもちゃのように扱うわけではありません。
生まれて初めて、エッチを教えてくれた。いわば、育ての親みたいなものですからね。
それは実の母親なみに、だいじに考えたものなのですよ。
わたし?ええ。もちろん。
とあるお宅の奥さんに、ねんごろに世話になりましたよ。
そこの娘が大きくなると、わたしのことを慕うようになりましてね。
うまいこと、いただいちゃいました。(^^ゞ
もちろん、お母さんの手引きでね。
それがいまの女房というわけです。
義父(ちち)にすれば、自分の女房を寝取られたうえ娘まで盗られた関係なんですが。
結果よければいいでしょう・・って。さっぱりしたものでした。
ときどき・・・ね。
いまでも女房にはだまって、義母(はは)の相手をすることもあるんですよ。^^
義父はそういうときも、黙認しています。

うちの母のことですか?
もちろん、だれかの相手をしていました。
わたしが知っているだけでも、三人。かな?
そのうちひとりは、わたしの悪友でしたっけ。
もちろん相手がだれだなんて話は、家でもしません。
でも、学校から戻ってきて納屋でやってりゃ・・・しぜんとわかりますよね?(^_^;)
そういえばあいつ、妙にそわそわと先に下校していったっけ。なんて考え合わせると。
かえってそういうときには、わたしのほうが寄り道して帰ったりしたものです。
ええもちろん、そういうときには第二の母と、ねんごろに・・・ですが。
でもね。
逆に覗いて愉しむことも、あるんですよ。^^
弟がね。足音忍ばせて入ってきて。
「納屋で・・・やってるよ。^^」なんて。知らせてよこすんです。よけいなことを。
それ訊いて、なんだかじりじりしてきて。
弟とふたり、じーっと覗いていたことがありましたっけ。
いつも気丈な母が四つん這いになって、声忍ばせて。
父以外の男に組み敷かれて、服を着崩れさせているなんて。
見ていてもひどく、妙なものでした。

ええ、今ですか?
仕事の関係で、いちどは実家を離れたんですが。
それでも嫁は、時折村に帰していました。
もちろん・・・土地の青年の大人祝いのお相手役で、ですよ。
お互いさま ですからね。抵抗はありませんでした。
あいつはわたし以外の男は初めてだったので、さいしょは渋っていたのですが。
村の務めだからって、無理に帰してやりましてね。
あとは義母が、うまく手ほどきしたみたいです。
それからわたしも村に戻りまして。
戻ってもそれまでと、かわりはありません。
嫁のところには、毎年というほどでもないですが。
ちょくちょく”話”が、舞い込みますので。(^^ゞ
四十になろうとしているのに、そこそこ”話”があるということは。
多少は魅力がないと、なかなか続かないことなんですよ。
ですんでまぁ。亭主族にしてみれば。
自分の女房にお呼びがかかるということは、ある意味自慢の種に近いものもあるんですな。
いちどね。
悪くないだろ?だんな公認で若い男と浮気できるんだから・・・って冷やかしてやりましたら。
エヘヘ・・・って、笑いやがるんですよ。あいつ。

わたしですか?ええ、ようやく義父の気分がわかりかけてきましたか。
今だからいうけれどって、義母に耳打ちされたんですが。
義母がわたしを家に招ぶときにね。
仕事を休んでこっそり覗いていたことが、けっこうあったらしいんですよ。
そんなことも知らずに、ご主人のよりいい?なんてほざいていたんですがね。ガキのくせに。(苦笑)
義父もきっと、ドキドキしながら自分の嫁の手ほどきぶりを覗いていたのでしょう。
しきたりとはいえ、ほかの男に嫁をものにされちゃう気分というのは、
つい最近気づいたんですが、ひどくズキズキくるものなんですよ。
ああ・・・もっともこれって、案外子供のころから芽生えていたものかもしれませんな。
なにしろ、自分の母親が近所のお兄ちゃんと納屋でしているのを覗いてドキドキしたのが、
男と女の道に触れた始まりのようなものですから・・・

動画 2

2009年08月18日(Tue) 12:43:02

おなじ映画の「4」からです。
道行く男女を襲う吸血鬼二人組み。
女は男を、男は女を襲うのは、やっぱり“お約束”なんですな。^^
それにしても。
さっきまで抱き合ってキスしていた彼氏を見捨てて逃げちゃうのは、薄情ですよ。お嬢さん。^^
そういう問題ではないか・・・(苦笑)
でもやっぱり、飲み尽しちゃうのはなあ。^^;

090818 2


http://www.youtube.com/watch?v=1uoHvzN2ryA&feature=related

動画

2009年08月18日(Tue) 11:53:48

珍しく映画のなかから紹介です。
といっても、動画サイトをちょっと覗いただけなので、どんなストーリーなのかもよく知らないのです。
(^^ゞ

う~ん、吸血鬼さん、グロテスクですが。(^^;)
いやがる彼女を後ろから抱きすくめて、ブラウス引き裂いて、おっぱい丸出しにさせて。
おいしそーに、吸血していらっしゃいます。^^
相手は若い女性です。
しつように噛みついていくうちに、彼女のほうがだら~っとしていきます。
まるで求愛を拒みきれなかったヒロインみたいです。

090818 3

↓こんなふうに、顔つきも刻々と変化が・・・

090818  必死
「痛い~っ!やだ~っ!」


090818 恍惚
「あ・・・あ・・・ぁ・・・」


090818 仕上げ
「はい、一丁あがり♪」


このシーン、○u tu○eでは前後のシーンがカットされているのでよくわからなかったのですが、
グロテスクなお相手さんから解放されたあと、しばらく彼女は生きています。
肩で息をしているあたりが、リアルです。^^
ところがどうやら吸血鬼になってしまったヒロインの女性が本能に目覚めてしまったらしく、
横たわる彼女の首筋に抱きついてしまうんですね。(^^ゞ
う~ん、かわいそうだけどかなりグッとくるシーンかも。

もっともこの女性、どうやら脇役みたいです。
よくいますよね。
お話しのはじめのほうで血を吸われて死んでしまう、いかにも影の薄そうな女性。
指輪のかんじだと、人妻さんのようですが。
柏木ワールドだと、死なせたりしないで、何度も愉しむ方向に持ってっちゃうんですがね…


http://www.dailymotion.com/relevance/search/vampire++bite/video/x8gn58_bite-scene-from-subspecies-iii_shortfilms

怪人たちの饗宴

2009年08月18日(Tue) 11:19:25

ふすまを開けはなった隣室から。
女のすすり泣きが、洩れて来る。
まだ服を着たままの女は、仰向けになったまま。
醜悪な肢体の持ち主である怪人に抱きすくめられていて。
注射針のように鋭利な吸血管の先端を、首筋にちくりと埋め込まれていた。
うぅ~っ・・・、く、くう・・・うううっ・・・
細く震えを帯びた呻吟の声に、「キヒヒヒヒヒヒヒッ」と嬉しげな声が覆いかぶさっていて。
嬉しげな響きがあがるたび、透明なチューブ状の吸血管のなか、赤黒い液体の通り抜ける速さが増すようだった。

傍らに立ったまま縛られたセーラー服姿の少女は、黒のストッキングのつま先を、居心地悪そうにたたみにつけて、
やがて自分に覆いかぶさって来るであろう運命を見せつけられるままになっていた。
恐怖に引きつるノーブルなおもざしは、目の前で難に遭っている女のそれと似通っていて。
どうやら拉し去られてきたのが母娘らしいと、容易に察することができた。

母親がぐったりとなると、深く突き刺した吸血管を、胸元からグイッと引き抜いて。
こんどは娘のセーラー服の襟首に、忍びこませてゆく。
「キャーッ!」
絹を引き裂くような悲鳴とは、こういう悲鳴を言うのだろう。
いちど空になりかかった透明なチューブ状の吸血管は、ふたたび赤黒い液体で満たされた。
はたち前の娘の、うら若い血液に。
怪人はひどく満足げに、「クヒヒヒヒヒヒヒッ」と、随喜の呻きをあげている。
一方的な吸血に、娘は表情をこわばらせて、
ちょっとのあいだ、耐えるように黒のストッキングを履いた脚をたたみの上に踏ん張ったけれど、
やがてくたくたとくず折れるように姿勢を崩して、ずるずると背中をすべらせて、尻もちをつくようにして。
ロープを巻かれたままの制服姿を、自からの作った血だまりの上に浸してしまっていた。

「命だけは、ね。お願い・・・」
三人めは、勤め帰りのOLらしい。
以前にも襲撃を受けた経験があるのか、吸血を許すのと引き換えに、必死に命ごいをしていた。
若い女の選択は賢明だった。
怪人は愉しげに三たび、透明な吸血管をバラ色の血液で満たしていくと、
それだけでは飽き足らず、接吻するように女のうなじに食いついて、スーツの肩先を汚している。
制服の少女の傍ら、女はくたりと腰を落として。
足許ににじり寄ってくる怪人の唇を避けようとして、いともやすやすと足首をつかまれて。
吸いつけられた唇の下、ふくらはぎを包むストッキングがふしだらにねじれてゆく足許から、悔しそうに目をそむけていった。

「何をしている?お前ぇもやって、かまわないんだぜ?」
怪人のそそのかす声に、わたしははっと我に返った。
はぜるような渇きが、本能的にせり上がってくる。
「ここに引き入れられた女たちは、半ば承諾済みの身のうえ。同情など無用のことだ。早く、養分をむさぼるがいい」
肩のつけ根から生えてきたばかりの吸血管が、わたしの本能をあらわにするようにしなり始めた。
むくりと鎌首をもたげたそいつは、かすかに人間の感性を宿しているわたしの意思とは裏腹に。
さいしょに倒れた女の二の腕に、ヘビのようにからみついてゆく。
吸血管の先端が皮膚に突き刺さる微妙な手ごたえが、
かすかに残った理性をあの忌まわしい悦びで否応なく塗り替えてゆこうとする。

「うふふふ・・・ふふふ・・・クククククッ・・・」
抱きすくめた母親にのしかかって首筋をなめ始めたわたしのすぐ傍らで。
怪人はOLのスーツをはぎ取り、スカートのすそを割っていた。
―――多少のことは、構わないのだぞ・・・
わたしの運命を変えた男は、訳知り顔にそう囁いて。
さいごに残った一抹の罪悪感さえ、拭い去ろうとする。
けだるそうな抗いを掻きのけて、身体のあちこちに、唇を這わせていって。
女の熟れた肢体からもたらされる暖かい体液は、すさんで棘だった気分をうっとりと和らげてくれる。
怪人が母親の脚にとりついて、OLのときと同じように肌色のストッキングを凌辱し始めると。
わたしはその娘のスカートをたくし上げて、黒のストッキングのふくらはぎに唇をあてる。
「お前の舐めかたは、念が入っているな」
怪人は、言ってほしくないことを容赦なく指摘する。
「ただの餌だと割り切るのだ。馴れればいずれは、そうなるのだから」
つい、想像してしまうのさ。
遮るようにして、わたしはつい口にする。

このブラウスは、ご主人に買ってもらったものなのかと。
この黒髪を、毎晩しかるべきひとに、めでてもらっていたのかと。
初めて制服に袖をとおすとき、この娘はどんな期待をよぎらせていたのかと。
黒のストッキングに唇をつけるとき、初めて脚に通した時の大人っぽい気分はどんなものだったのかと。

ふん。
あしらうような反応だった。
怪人は軽蔑したように、そっぽを向くと。
まず母親の身に着けていた肌色のストッキングを。
つぎに娘の履いていた黒のストッキングを。
こともなげに、はじけさせていて。
見るかげもなくなるほど噛み破り、脛までずり下ろしていった。
まずOLを。それから、母親を。腰を思い切り上下させながら、踏みにじって。
けれども娘だけは、犯そうとしなかった。
処女の生き血は、貴重だからな。
多少のことは、構わないんだが・・・

多少のことは、構わない。
そう。
わたし自身を、堕としたあと。
それとまったくおなじことを、この怪人はわたしの家族に降り注いでいった。
その記憶が、まだわたしには、残っている。
やがて、消えるさ・・・
そういう彼もかつては、やはりわたしを引きずり込んだのとおなじやり口を、仲間から受けたことがあったのだろうか。
そう、やがて消える。順ぐりに・・・
別れ際わたしは無表情に、生命だけは助けてくれた妻と娘を、週末呼び寄せてやることを約束している。


あとがき
う~ん、ちょっと長いし、くど過ぎるかも。。。 ^^;

娘の見合い

2009年08月18日(Tue) 10:25:29

「お宅のお嬢さんと、見合いをさせてください」
囁いてきた青年のことばを、さえぎることは許されなかった。
ここは、吸血鬼と人間とが共存する街。
むしろ、支配されているといってよい世界。
人間はただ、彼らを満足させる餌としての幸せを選択することで悦びを得ている。
「頼む。家族の生命だけは救ってくれ」
そう手を合わせたとき。
すでにわたしは、彼らの手中に堕ちていた。

「お見合い」は多くの場合、自宅で行われる。
そのほうがなにかとひと目につかず、かつ大胆な愉しみを獲ることができるからだった。
「変わっているんですね。この街のお見合いって」
なにも知らない妻と娘が着飾って談笑しているのを背に、
扉をそっと閉ざしていた。
わたしはふたりを青年と三人きりにするために―――

お嬢さんのほうから、断わっていただいてかまわないのですよ。
わたしはどのみち、なん百年も永らえる身。
むしろこの街に住むふつうの男性との結婚が望ましいでしょう。
ちょうど親子くらいに齢の離れた年かっこうのはずなのに。
かえってわたしを支配してしまっているのは。
かれがわたしよりもなん百年かよけいに、いろいろなことに長けているからなのだろう。

ほんの数分後―――。
ふたたび踏み入れた洋間には立っている人影はなく、
首筋に噛み痕をつけた女がふたり、気絶したまま絨毯に転がっているだけだった。

お見合いのあと、幾晩かお邪魔することになります。
ええ、もちろん私が望んだときに―――。
貴方が居合わせようと、座をはずしていらっしゃろうと。
わたしにはなんの関心も、ありません。
男は冷ややかにそういうと、言ったとおりのことを躊躇なく実行に移していた。
いつかわたしも、彼がいることがしぜんになっていて。
出迎えた妻のブラウスが、濃いバラ色にべっとりと濡れていても。
勤めに出るようになった娘が、噛まれたままのふくらはぎをさらして、裂けたストッキングをそのままに穿いていても、
顔色ひとつ変えないようになっていた。
あれからなん着、妻の外出用のワンピースや娘の通勤用のスーツを買い換えてやったことだろう?

ある晩のこと。
帰宅が真夜中になったわたしを出迎えた妻は、まだ昼間のように装っていて、
酔ったみたいにふらふらと、わたしのほうへと寄りかかってきた。
受け止めた体重は軽く、むしり取られた血の量がささやかではなかったことを、いやおうなく体感させられた。
そのままソファーに投げ込んだ妻は、けだるそうにかぶりを振って。
齢不相応に丈の短いスーツのすそから、太ももをあらわにさらけ出していて。
ストッキングの裂けた太ももには、白く濁った粘液がてらてらと輝いていた。
なにをされたあとだか、察しないわけにはいかなかった。
「お嬢さんとのお見合いでは、お母さまの味も試すのですよ」
男は確かに、そんなことをささやいていた・・・

「美穂子、美穂子ぉ・・・」
妻は娘の名を口にした。
「お父さんにだらしないとこ見せちゃ、いけないよ・・・あなた犯されちゃうわよ」
娘を、犯す・・・?
思いもよらなかったまがまがしい想像が、わたしの理性を黒々と染めた。
腕を延べて身体をもつれ合わせてこようとする妻を、邪慳に振り払って。
わたしは足音を立てて、階上の娘の部屋へと足を向けていた。
一枚延べたせんべい布団のうえ。
勤め帰りのスーツを着崩れさせた娘は、失血に息せき切っていた。
純白のブラウスには、紅い飛沫がかすかに散っていて。
はだけた襟首ごしに覗いた胸もとは、まばゆいほどに白かった。
渇いたものが潤いを欲するように。
わたしはあろうことか、娘の肢体にわが身を重ね合わせていった。

もう・・・夜が明けるね。
わたしの下で、娘がつぶやいた。
彼女の母親の息遣いが、まだ隣室から洩れて来る。
いちど去ったはずの真夜中の訪問客を、ふたたび迎え入れて。
壁いちまい隔てているとはいえ、彼女がわたし以外の男を相手に公然と情事に耽るのは、はじめてのことだった。
もっと恥知らずなことに耽っているわたしに、彼女をとがめる資格はない。
ただひとつ、意外だったのは。
着衣の乱れが、わたしを堕とすためのたんなる罠だったこと。
初めての証しは、いくすじもの熱いしずくとなって。
娘の太ももを、いくすじも伝い落ちていた。

手軽な浮気

2009年08月06日(Thu) 07:31:07

母「小枝子さん、出かけるの?これから浮気?」
妻「ええ、浮気。(^^;)」
母「がんばってね♪」
妻「行ってきま~す。^^」
私「行ってらっしゃい♪」
弟「じゃあ兄さん、義姉さん借りるね。^^」
私「お手柔らかに。^^;」
妻「あとから、観に来るんだよ~」
私「は~い♪」

愛しの吸血管

2009年08月05日(Wed) 07:49:47

たった今まで、わたしの胸に突き刺さっていた吸血管が。
怯える妻の胸元に、迫っている。
引き抜かれた直後の管の先端からは、まだ吸い取ったばかりのわたしの血がしたたっていた。
逃れようとする妻の行く先を、長い長い触手が封じていった。
ねばねばとした粘液を、うわぐすりように光らせた触手は、
見慣れた妻のブラウス姿をぎゅううっ・・・と、締めつけていって。
ふりかざされた吸血管が、まるでとどめを刺すように。
ずぶり・・・
ブラウスの襟首深く、埋め込まれる。
きゃあああっ。
断末魔の叫びとともに。
抜き取られてゆく妻の血が、透明な吸血管を伝わってゆく。
不思議にも。
冷え切ったわたしの身体までが、ぬくもるような錯覚を覚えて。
妻の血が抜かれてゆくありさまを、わたしはワクワクとして、見守っている。
いちど血を抜かれてしまうと。
こんどはべつのものの血で、あの吸血管を満たしたくなってくる。
恐るべき魔性を秘めた怪人だった。

からになったビールびんみたいに、わたしの傍らごろりと転がされた妻の身体。
土気色になった頬を、めいっぱいほほ笑ませて。
妻はわたしの同類になったことを、悦んでいた。
ねぇ。わたしたちの血。おいしかったようね♪
吸い残しておいてくれたら、もっと吸わせてあげたのにね。
一滴でも吸い残したら、失礼にあたるんだそうだよ。
ひと足先にあちらの世界に踏み込んだわたしは、
物知りげに妻に解説を試みていた。

つぎは・・・睦美の番ですね。
そうだな。わたしたちの血がおいしかったのだから、娘の血がまずかろうはずがない。
ふたりそろって、娘の勉強部屋に引き入れた怪人は。
真っ白なハイソックスのふくらはぎを、あの触手で撫でまわしてゆく。
ずぶり・・・
苦悶にゆがむ唇の下。
あの吸血管が、わたしたちの娘の血を、いともおいしそうに吸い上げてゆく光景を。
わたしたち夫婦は固唾をのんで見守っていた。

ママも薄情だね。
跡取り息子を放置するなんて。
さいきん色気づいてきた息子は、久しぶりに履く半ズボンに照れ笑いを浮かべながら。
すこし寸足らずな娘のハイソックスを、めいっぱいひざ下まで引き延ばしていって。
触手って、ぬるぬるとしてキモチいいんだね。
妹のハイソックスが、すねの周りでくしゃくしゃになってゆくのを、面白そうに見つめていて。
ぶすりと刺されたときには、きゃっ、と小娘みたいに。くすぐったそうな声をあげていて。
吸血管を満たしてゆくバラ色の液体に、うっとりと見とれていた。
ボクの彼女の家、母子家庭なんだ。
血が足りなくなったら、こんど手引きしてあげるからね。
こうして一夜にして、家族全員が。
怪人の奴隷に堕ちていた。


あとがき
意味のないお話になっちゃいました。(^^ゞ

どちらを先に・・・?

2009年08月05日(Wed) 06:41:09

奥さんをわたしどもに、なじませるには。
ふた通りの順序が、あるのですよ。
仲良くなった村の男は、そんなことをわたしにうそぶいた。
なに。珍しいことではありません。
うちの家内も、そうやってこの村になじんでいるのですからね・・・
ごく少数の吸血鬼に、大多数の村の住人が支配を受けているこの村で。
かれも、支配をうける側の立場だった。

ひとつ目は。
吸血鬼に襲われて、恐怖感に抵抗を忘れて、犯されてしまうというパターン。
だいたい皆さん、こちらなんですね。
もうひとつは。
村人と浮気な関係になって。行為に夢中になっているあいだに、血を吸われるという手順。
こちらは、ご主人のお気持ちひとつ。ですな。
うちの場合ですか・・・?
それは、奥さんが堕ちてから教えてあげますよ。^^

意外にも。
妻が選んだのは、第二のパターンだった。
わたしにいけないことをうそぶいたあの男と、情交を遂げて。
そのさ中、かれは吸血鬼と相手を入れ替わったという。
うちの家内の相手をしているやつですよ。近しい関係なのでぜひに・・・って、ねだられましてね。
ほろ苦い笑みをたたえながら。
仲良くやりましょう。おなじ吸血鬼に妻を寝取られたもの同士・・・ということで。
じつはね、うちのやつも、第二のパターンを選んだのですよ。


あとがき
似たものどうし、とはいいながら。
きっとこの都会育ちのご主人は。
村の男性に一方的に奥さんをねだり盗られつづけることでしょうね。^^

供血用看護婦

2009年08月05日(Wed) 06:33:16

街はずれにある某病院は、吸血鬼の病院として有名です。
影の主が院長を支配していて、院長夫人までもが患者のための接遇要員をつとめています。
もちろん看護婦にいたっては、ほとんどが影の主や院長による”凌辱の洗礼”を体験者であり、
病院の業務を忠実に履行しています。

恢復しかけた吸血鬼のためには、供血用看護婦があてがわれます。
病院業務に熟練した看護婦が指定され、彼女たちは月交代で供血当番を勤めています。
交代制になっているのは、一定期間以上継続すると、体調を崩すためです。
供血当番に指定された看護婦たちは、患者たちの思うまま。
欲望しだいで、ベッドのなかに引きずり込まれていきます。
もちろん、血液の提供だけにおわるとはかぎりません。
彼らの社会復帰のため、生きる欲望に目覚めさせる役割があるからです。
彼女たちが冬でも薄着を義務づけられているのも、そういう理由によるものです。

病院内で吸血鬼と関係を結んだ看護婦のなかには、患者が退院したあとも、不倫の関係にもつれ込むケースが多々あります。
ほとんど、黙認状態です。
わたしの妻も、この病院の看護婦を勤めるようになって、三年が経ちますが。
妻は、身持ちが堅いので・・・
いまのところ退院後もお相手を務めている殿方は、まだお三方くらいだときいております。

下校してきた少女

2009年08月03日(Mon) 08:06:35

ただいまあーっ!
加代子の声が、はずんでいた。
ふうっーっ。家ん中は、涼しいなー。
濃紺のスカートの下、真新しい白のハイソックスが眩しい。
加代子?もどってきたのぉ?
けだるそうな声のお母さんは、ほつれた髪をかきのけながら、
さっきまで仰向けになっていた畳の上から起き上がる。
吸血鬼さん、お待ちかねよぉ。かよちゃんが戻ってくるの、待ってたんだって。
えー!
困ったような声をあげた。
これから彼氏と、デートなんだよ・・・
まぁまぁ。。。
たしなめるお母さんに、利かん気な娘も、しぶしぶ肯いている。
がんばってね。かよちゃんの血が、気に入ったみたいね。
いま履いているやつ、そのままご馳走してあげればいいじゃないの。って。

加代子はふくれ面をつくりながら、それでも礼儀正しく吸血鬼のおじさまにごあいさつをした。
いちおう彼氏いますんで、あんまりやらしいことはしないでくださいね。
よし。よし。
でも、ノッてくるときみは、自分のほうからまたがってくるじゃないか。
もうっ!やらしいんだからっ!
そういいながらもお行儀よくソファに腰かけた加代子は、
足許に迫ってくるおじさまの唇のまえ、
わざとのように白のハイソックスのふくらはぎを近寄せている。

きゃ・・・
ちいさな悲鳴が、隣室まで洩れてきた。
きょうデートの約束をしていたはずの少年は、恋人の陶酔を覗き見する愉しみに、
脚をがくがくと震わせている。
デートの仕方は、いろいろとあるらしい。

嫁と姑の吸血鬼

2009年08月03日(Mon) 07:50:32

怯えきっている母娘のまえ。
ふたりの女吸血鬼が、口げんかをしている。
「あら、こういうことは齢の順にするものよ」
「だって、お義母さま。若い子の血のほうがおいしそうじゃありませんか!」
「そんなこと仰っても、うちの場合だって洋子さんのほうがあとだったじゃありませんか」
どうやらもとは、嫁と姑だったらしい。
嫁のほうらしい洋子さんはよほどのどが渇いているのか、早くも美しい横顔に妍が立ってみえる。
ああ・・・まぁまぁ。
困惑したように、割って入るわたし。

おふたりとも、仲良くどうぞ。
では、こういうことではどうでしょう?
長幼の順を重んじてくださるお義母さんは、家内のほうを。
若い女の血をお気に召したらしい洋子さんは、娘のほうを。
それぞれさしで、お召し上がりになってはいかが?
生贄の女ふたりは、ほかならぬわたしの妻と娘。
納得した女吸血鬼たちに迫られて。
ブラウスやセーラー服の襟首に、持ち主の血をしたたらせながら。
悲痛なうめき声を、いつか随喜の叫びに変えていった。

肌色ストッキングの妻

2009年08月02日(Sun) 11:53:06

おっかなびっくり差し出した、肌色のストッキングの足許に。
欲情した唇を、むぞうさになすりつけられて。
妻は縮みあがって、わたしを見た。
わたしは妻を励ますように、肩を抱いてやっていて。
そのまま身動きできないほどに、抱きすくめていた。

三十そこそこの、まだうら若さを秘めた健康な女の血―――
やつのひからびた血管は、どれほど癒されたことだろう?
かたやストッキングを破ってしまったことを、照れくさそうに謝って。
かたやストッキングに広がった裂け目を、恥じらいながら気遣って。
それでも記念にって、おねだりされるままに、
わたしの顔色を窺いながら、脱ぎ与えていった。

奥さんの生き血は、おいしかった。
こんどは仲間も、連れていくから・・・
男の言い草に、歓迎の意を表するわたし。
唇が自動的に、動いてしまっているようだった。

いやらしいことだけは、なさらないでくださいね・・・
生き血を吸うという行為のなかに、本能的に危険を察して、声震わせながら。
かいがいしく吸血に応じた妻は、それでもさりげなく、スカートのすそを抑えつけていた。
その奥ゆかしさが、かえって刺激になったのか。
男どもは吸い取ったばかりの血潮に、淫らな欲情をかきたてられていて。
妻のほうも、かわるがわる吸いつけられてくる唇の誘惑に、とうとう耐えきれなくなって。
太ももまでのストッキングを、穿いたまま。
十三人も訪れた客人すべてに、操を愉しまれてしまっていた。

浮気してくるわね・・・
イタズラっぽく、笑う妻。
素人だったときには、地味な肌色のパンストだったのに。
浮気に出かける妻の、うら若い生気みなぎる足許を包むストッキングは。
ご褒美に買ってあげた、高価なもの。
おなじ肌色でも、毒々しい光沢をよぎらせている。
きょうはだれのよだれに濡らされてくるのだろうか。

奥さん、村のひとたちにもてているんだって?
職場の同僚たちの冷やかしが、くすぐったいほど嬉しい。
だって彼らも、わたしと同類項で。
奥さんを村の人たちに見初められ、譲り渡しちゃっているのだから。


あとがき
う~ん。やや熟し足りないかも?^^;

モデルとなった妻と娘

2009年08月02日(Sun) 11:14:50

1.妻の外出

じゃあ、行ってきますね。
妻はいつものように、にこやかに。
わたしに一礼して、家をあとにする。
飾りけのない濃紺のパンツルックに、シンプルなデザインの白のブラウスが眩しかった。
白髪が混じるようになってから。栗色に染めるようになったロングヘアが。
若い娘のようなゆるやかなウェーブを、肩先に踊らせていた。

心持ち腰をひねりながら歩く癖は、若いころからかわらない。
デートに浮き浮きと出かけるような足どりを。
曲がり角の向こうに消えるまで、見送っていた。
まるで青年が恋人の後姿を見送るときのような、新鮮なまなざしで。
地味なパンツルックの下、妻の裸身を装飾しているのは。
いままで目にしたこともなかったようなセクシィなブラにショーツ、それにガーターストッキング。
それらが、妻の裸身を装飾しているありさまを。
わたしは、男の視線になって、追いかけていた。

妻がモデルを務める相手のカメラマンは、娘の未来の花婿だった。
その彼が、妻のセミ・ヌード撮影を所望したとき。
わたしはなぜか、自分でもいがいなくらいあっさりと。
彼の申し出を、承知してしまっていた。
なんの心配もありませんわ。あの子のお婿さんですものね。
花のように咲(わら)う妻の横顔は、初々しい含羞を染めながら。
それでも声だけは軽やかに、わたしの鼓膜を心地よく通り過ぎてゆく。

撮影所という密室のなか。
夫ならぬ身に、下着姿をさらす妻。
危険なようで、危うくはない。
危険はないように見えて、じつは危ない。
スリリングな想像が、適度にわたしの胸を波立てていた。


2.娘の恋人

娘の恋人は、カメラマンだった。
初対面のとき。
口数少なく、おどおどとはにかみながら挨拶をしてきた。
娘の将来を委ねるのにふさわしい堅実さと、
その父親のプライドを損ねないほどの控えめさをもった青年だった。
写真を撮らせてほしい。
そういって雑踏のなか、娘を呼びとめたのがきっかけなのだと。
ちょっとはにかみながら、話してくれた。

どんな写真を、撮っているの?
水を向けたわたしに、彼はびっくりしたように蒼くなって。
その傍らで娘が彼の脇腹を、小突いていた。
わたしのヌードを、撮っているのよ。
話の中身も、娘の態度も、あまりにも意外づくしで。
こんどはわたしのほうが、息を止める番だった。

ヌード写真。娘はわざと、そういったに違いない。
ほんとうに全裸のものは、一枚もなかったのだから。
けれどもわずかにはだけた胸元に。スカートのめくれ上がった太ももに。
わたしの視線は、父親ならぬものを滲ませてしまっていたはず。
そんなわたしの真意を察してか察しないでか。
娘は面白そうに、わたしのいちぶしじゅうを、窺っていた。

状況に慣れてしまった・・・などとは。言い訳にもならない。
そのうち青年の持ってくる写真のなかの娘は、
着衣のうえから、縄をかけられ。おっぱいを露出させられ。猿轡までかまされて。
いともしどけない、禁断の姿に変わっていった。
おや。こんないけないものを、きみは撮っているのかね?
わたしの発する軽い咎めを、青年はくすぐったそうに受け流すだけだった。


3.つぐない

青年のカメラマンとしての腕前が、段違いに伸びたのは。
夏を過ぎてからのことだった。
ただでさえ刺激的な娘の緊縛写真は。
縄の食い込み方、衣装の乱れかた、モデルの表情にいたるまで。
網膜に食い入るほどに、迫真力を増していた。
魂を抜きとられるほど没頭してしまったわたしのことを、われに返らせたのは。
またしても、娘の囁きだった。
あのね。彼の写真のできのいいときって。
彼の先生が、わたしを犯しているときなの・・・と。
くすぐったそうにほほ笑む娘の顔が、魔女のような翳りをよぎらせていた。

強引に迫られた・・・ってわけではなくって。
彼の修行のためだからって、言い含められて。
初めてのときは、さすがに彼の手がぶるぶる震えちゃっていて・・・
感情を消して語る娘の、口許だけは。
なぜか得意げな笑みを絶やしていない。
そのときのことをまともに記録できたのは。
部屋の隅っこから睨んでいたビデオカメラだけだったという。
う~ん、パパには刺激が、つよすぎるかな・・・
娘はビデオを見せるとは、とうとう約束してくれなかった。

・・・さんに、あの子の不始末のつぐないをしなくちゃいけませんよね?
妻はなぜか怜悧にほほ笑んでいて。
これから・・・さんに逢ってきます。
娘の婿になるはずの男の名を、まるで情夫のことを呼ぶような声色で口にしていた。
じゃあ・・・行ってまいりますね。
漆黒のスカートをひるがえして、道のかなたにめぐらした足許は。
ついぞ目にしたことのない、濃艶な網タイツに彩られていた。
戻ってくるときには、わたしだけの女ではなくなっている。
色濃く焼きつけられた認識にもかかわらず。
わたしはなぜか、気をつけて・・・としか言葉を発しないで。
妻はわたしの反応に満足したように、いちどだけふり返って、笑みを投げてきただけだった。
ほんとうはただ、謝罪に訪問をするだけのこと。
そんな偽りのことばを、さもほんとうのことのように、自分のなかに封じ込めていた。

そのつぎの日から。
青年から手渡される写真のなかに、妻のものが混じるようになっていた。
いずれも着衣のままながら。
しどけなく着崩れしていて、情事の痕跡をあからさまによぎらせたものばかりだった。
胸のはだけたブラウス。
白く濁った粘液を点々とねばりつけられたスカート。
スカートの奥にまで、帯のように太い伝線を走らせたストッキング。
そのいずれもが、わたしの網膜を狂おしく染めた。


4.真相
で・・・きみは。
娘の純潔を、その男に譲ったのだね?
ええ。
青年は無表情に、応えている。
ずきんとした衝動に似たものを、胸の奥に抑えながら。
わたしは質問を重ねていた。
それで・・・妻の貞操も、その男が汚したのだね?
ええ。
青年はわたしの反応を愉しむように、やはり無感情を装っていた。
そのあとに、きみがお相伴にあずかったというわけか。

さっきから、「その男」と呼び捨てにしているのは、青年の師匠。
見ず知らずの間柄のはずなのに。
わたしの意思とかかわりなく、知らないところで接近していた。
妻と娘。ふたりの女性を共有する男として。
わたしは、写真を撮っただけですよ。
青年はいとも晴れやかに、そう答えたものだった。
どういうつもりなのだ?
わたしの問いかけに、青年はとうとう答えなかった。
謎のような笑みを残したまま。
その日をさいごに、彼はわたしの視界から消えた。


5.後日譚

妻も娘も、申し合わせたように笑み交わしながら。
まるで結婚式にでも出席するように、着飾って。
深夜、わたしに冷ややかな憐憫を投げて、行ってまいりますを告げてゆく。
一時間もするとかかってくる、折り返しのような無言電話。
うう・・・っ、うう・・・っ、あぁあん・・・っ
切れ切れに洩れてくる呻き声の主は、かわるがわるになっていて。
ときに二重唱に折り重なってゆくのは、愉悦を交わす相手が複数であることを告げている。
世間体を取り繕うあまり妻と娘の情事を黙認している苦しい夫を演じながら。
時折送られてくる写真に、ひそかに胸ときめかせていることを。
おなじ作風の撮影者は、おどろおどろしい画像のかなたから見つめているに違いない。

見覚えのあるブラウスを、引き裂かれて。
このあいだのお見合いに着けていったスカートを、くしゃくしゃにめくりあげられて。
結婚記念日に買ったスーツを、精液まみれにさせて。
色とりどりのストッキングに裂け目を走らせながら、凌辱に応えてゆくモデルたち。
彼女たちをじかに目にしたのは、もうじき年が暮れるというころのことだった。

古びたブラウン管の、向こう側。
熱した呻き声をもらしているのは、スーツ姿の娘。
破れたストッキングを脚にまといながら。
着衣のまま四つん這いになって後ろから突かれているスタイルは、いつか写真で目にしたはず。
第二幕、さらにいちだんと深いおらびを洩らしているのは、漆黒のスーツを装った妻。
毒々しい網タイツは、娘婿になるはずだった男につぐなうときに身に着けたものだった。
娘が処女を喪失してゆくシーンと。
妻が貞操をむしり取られてゆくシーンとが。
交互にくり返し流される密室のなか。
花柄のワンピースを装った妻は、ガーターストッキングの毒々しい光沢に足許を染めながら。
青年の師匠だった男に、征服されているさいちゅうだった。
そして、わたしの下には。
一糸まとわぬ娘がいた。
夜が明けたら、ぜんぶ忘れてちょうだいね。
でもひとつだけ、憶えていて。
ママとわたしが、あのひとの奴隷になるってことを。
娘のほほ笑みは、いつもと変わらないくらい無邪気だった。

几帳面な吸血鬼

2009年08月02日(Sun) 09:26:00

1.逢引き

あっ・・・うっ・・・・うっ・・・うっ・・・
ふすま越しに洩れてくる切なげなうめき声は、規則正しく間歇的だった。
いつもより幾分、上ずってはいるものの。
聞き間違えようもない、妻の声。
彼女がそういう声を出すのは、夫婦のベッドのうえに限られていたはずだった。

ふたりのあいだを通せんぼするように。
ふすまの前に置かれた、妻の衣類。
モノトーンな幾何学模様のフレアスカート。
フリルのついた、純白のワンピース。
そして肌色のストッキングまでもが、
持ち主の意思によって解かれたことを証拠だてるように、几帳面に折りたたまれていた。

家にはあのふたりしか、いなかった。
もしも強いて脱がされたものならば。
こうは整然と、置かれてはいないはず。
いずれも見覚えのある、妻の服のいちばん上。
唯一見慣れない高価そうなストッキングの、濡れるように毒々しい光沢が。
わたしの網膜を、狂おしく染めた。

妻が全身の血液を抜かれた肢体をさらして発見されたのは、翌朝のことだった。


2.義母と母

妻は蒼白い頬を歓喜に輝かせて、
和装の喪服を着た母の後ろからしがみつくようにして、うなじを吸いつづけている。
いつも気丈な母は、おくれ毛をほつれさせながら。
貪欲に吸いつけられた吸血の唇が息継ぎをするたびに、時折吐息を洩らしていた。
それはもともと苦悶と絶望からのものだったのに、
やがて切なげで、密かな悦びさえ交えるようになっている。

部屋の隅で黒一色のスーツ姿を横たえているのは、妻の母。
ついいましがたまで、わたしの母とおなじ難に遭っていた。
食いつかれたふくらはぎは、裂かれた黒のストッキング越しに痛々しい痕を滲ませている。
だいじょうぶ。二人きりじゃなかったら、死なせずにすむから・・・
妻は生前とおなじ邪気のない笑みを、絶やそうとしない。
そういうわたし自身、首筋に疼く傷口を、けだるそうに撫でつづけていた。

几帳面な性格そのままに、くまなく撫でるようにして。
妻は母の襟足、胸元からわずかに覗く皮膚に唇を這わせていって。
お優しいお義母さま。いっそ、ぜんぶ吸い取ってしまいましょうか・・・
まがまがしい囁きに、母はひっそりと肯いてしまっている。


3.録画

ああっ、止めて!放して・・・っ。厭・・・っ。イヤッ!イヤッ!
ビデオ画面のなかの妻は、泣きじゃくりながら激しく抵抗していた。
妻にのしかかる黒い影は、それでも容赦なく。
笑みをたたえた唇で、ブラウスの襟首を冷酷にまさぐりながら。
くいっ・・・くいっ・・・
少しずつ、確実に。血液をむさぼり摂ってゆく。
吸い取ったばかりの血は、時折惜しげもなくしたたらされていって。
フリルのついた純白のブラウスは、持ち主の血潮に濡れていった。

生命力を秘めた養分が、口伝えに移動を重ねるにつれて。
妻の抵抗は緩慢になり、抱きすくめる逞しい腕には、余裕がみなぎる。
モノトーンのスカートのすそを足許に乱しながら。
てかてか光る肌色のストッキングが、なまめかしい生気を滲ませていた。
ふくらはぎにぬるりと這わされる、干からびた唇の下。
つややかなナイロン生地に、つつ・・・っと裂け目を広げていった。
目も当てられない光景だった。

几帳面なひとね。
ほら。あんなに隙なくくまなく、わたしの肌を舐めつくして。
身体のなかの血を、一滴あまさず吸い取っちゃったのよ。
妻はしんそこくすぐったそうに、囁きながら。
視線を吸い寄せられるように、陶然と画面に見入っている。
己の生命が喪われてゆく刻を、とてもうれしそうな含み笑いをたたえながら。


4.再現

密会のふすまのまえ。
几帳面にたたまれた、妻の衣類。
着衣のまま襲われて、血を吸い尽くされてゆくあのシーン。
いったいどちらが、先だったのか。
衣装を脱いで、自分の意思で犯されて。
それからふたたび、淑女の衣装に身を包んで、血を吸い取られていったのか。
思うさま血の凌辱をうけたあと。
自分の意思で着衣を解いて、一糸まとわぬ裸身をゆだねたのか。
少なくともふすまの前にたたまれた衣装に、血液が付着していたという記憶がなかった。

どうでもいいじゃないの。そんなこと。
娼婦のようにうそぶく妻は、今夜も密会のための装いを整えてゆく。
だれにもわたくしのことを、止めることはできませんわ。
わたくし・・・もう、あのひとの奴隷になってしまったのだから。
血をほしがる愛人のため、わたしは姑のみならず、自らの母まで手引きした女。
行ってきますね。
軽やかな会釈に、きらめくイヤリングを揺らしていた。

手許に遺されたのは、あの晩の妻の衣装。
死に装束となったモノトーンのスカートのすそと、
純白のブラウスのふりるのついた肩先には。
いまでも赤黒い痕が、べっとりとつけられている。
わたしはおそるおそる、光沢のぎらつく肌色のストッキングを取りあげて。
裂け目を広げないように注意しながら、そろそろと脚に通してゆく。
わたしの脚には寸足らずなストッキングは、ひざ下までひきあげたところで、
ぴ・・・っ
呟くように、伝線をひろげた。
娼婦のたしなむような、毒々しく輝くナイロン生地が。
まるで毒液がしみ込むように、しなやかな感触を皮膚にしみ込ませてきた。

出かけていった妻は、いまごろどうしているのだろうか。
遺した衣装と、寸分たがわぬ服を着て。
こともなげに、わが身から振り落とすように、解いていって。
惜しげもなくさらした裸身を、抜き身の刀剣のように輝かせながら。
破倫の愉しみに、耽っているのだろうか。
ふすまの前、忠実な番犬のようにたたんで置かれた服のうえ。
きちんと折りたたまれた肌色のストッキングは、毒々しい光沢を放っているはず。

おなじ衣装が、二着ある。
一着めは、とつぜんの凌辱に汚されて。
清められた肢体に、二着めをまとい、すぐに惜しげもなく脱ぎ棄てて。
妻としての衣装を脱ぎ棄てた妻は、わたしの妻ではなくなっていた。
きっとあのとき、ふすま越しに抱かれていた妻は。
すでに屍体になっていた。
血の抜かれた肢体を染め抜いていたのは、欲情という名の、べつの血液。
まがまがしい真相に、わたしはひと声かすかな吐息を洩らして。
明け方戻ってくるであろう妻のことを、待ちわびながら。
昂りに眠れない夜を更けさせてゆく。


あとがき
几帳面におりたたまれた妻の衣装。
ストッキングまで折りたたむひとは、そうざらにはいないでしょう。
情事を重ねる妻の、そんな落ち着きをかいま見た夫は、それ以上の追及を諦めます。
そういうシーンを、描きたかっただけなのですが。
長すぎますね・・・。(^^ゞ

あー・・・。(泣)

2009年08月01日(Sat) 07:33:40

くろす様の「秘すれば花」が表示されないのは、なぜ?
昨日まではたしかに、いてくれたんだけど・・・
消えてしまったのだとしたら、すごく寂しい・・・。(;_;)

夜中の行列

2009年08月01日(Sat) 04:55:06

なんの行列だろう?
なんの行列かしら?
夫婦で覗き込んだ窓の外。
お隣のHさんのお宅の、ちょうど夫婦の寝室あたりに。
十なん人もの行列が、たたずんでいる。

なんの行列?
なんなのかしら?
もう一方のお隣のY部長のお宅にも。
そのつぎの週、行列ができた。
どちらのお宅も、うちとおなじとき、
都会からこの村に転任してきた、上司と若い後輩の家。
どちらのお宅も、さいしょに行列ができたのを目にしたは。
どういうわけか、ご主人が夜勤のときだった。

わかったわよ。行列の正体。
妻はとくいそうに、わたしに笑いかけた。
おれもよくわかったよ。
わたしも妻に負けないくらい能天気に、笑い返していた。
夜勤明けの朝のことだった。
留守宅で、ひと晩じゅう。
昼間のように装われた、妻のスカートの裏側が。
まだ生々しく、濡れていた。
村のひとたちと、仲良くなると。
仲良くなった証しにひと晩、夜勤にかこつけて自分の妻を譲り渡すという風習に。
ついにわたしたちも、ひっかかってしまった。

いちばんお若いHさんの奥さんに負けたのは、仕方ないけれど。
部長の奥様に負けたのは、ちょっと悔しいなあ。
いかにも不当だといわんばかりの妻の口調に、苦笑しながら。
あのお宅は、娘さん目当てなのさ。
行列だってこのごろは、ふた列できるだろう?
妻はそうよね?と、救われたように目を輝かせながら。
こんどはうちも、お父さんがいる晩に来てもらわなくちゃね。
どちらのお宅も、ご主人夜勤じゃないときも、皆さんお見えになっているみたいだし。
うちの娘も来年は、中学にあがる。