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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

人妻です。

2009年10月30日(Fri) 07:22:15

ぷるぷる震える携帯を手に取ると、かなたからは押し殺したような低い女の声。
「あたし。…ひ・と・づ・ま・です。」
なんだ、マキ子か。
俺ががっかりしたように呟くと。
「ずいぶんね」
返事の主は、妹だった。
「お腹空いちゃった。ご飯食べさせて」
マキ子は一方的に、電話を切った。

20分後。
買い物袋を両手に抱えたマキ子が、玄関で息せき切っていた。
なんだ、食材くらいうちにもあったのに。
家じゅうのものをごっそり喰い尽くされるのかと内心げんなりしていた俺は、すこしだけホッとする。
「だって兄さんのとこにあたしの好みのものがあるって保証ないし。自分で作るから~」
マキ子は自分の買ってきた食材で自分好みの料理を自分のぶんだけこさえると、
さっそくぱくついていた。
なんなんだこの女・・・というなかれ。
妹はもちろん、俺の正体を知っている。
「じゃあつぎは、兄さんのお食事ね」
ソファに腰かけてぐんなりしている俺の傍ら、黒いワンピース姿ですり寄って来て。
「人妻の生き血、召し上がれ・・・」

ごく、ごく、ごく、ごく・・・
うぷ~っ。
久しぶりのことだった。
こんなにたっぷりと栄養補給できたのは。
「あっ、ダメ!」
足許にかがみ込んだとつぜんの行動を阻止しようと、マキ子は両手で俺の肩を抑えにかかる。
ストッキングを破りながら、ふくらはぎに咬みつく。
そんな俺のやり口を妹が覚え込んだのは、黒のストッキングを履いた女学生のころからだった。
舌先をすべらせた肌色のストッキングは、薄っすらとした艶をよぎらせていて。
妹ながら、ひどく旨そうに見えたのだった。
あっ・・・あっ・・・あっ・・・っ。
舐める回数を重ねていくと、女の抵抗は弱まって。
しまいには唯々諾々となって。
不埒な暴漢あいてに、もうためらいもなく、ストッキングを破らせてしまっている。

もぅ・・・
ため息交じりに、もう片方の脚はすすんで差し伸べながら。
マキ子は咬み破られずり落ちてゆく光沢ストッキングのありさまを、それでもじいっと面白そうに見つめている。
その昔。
学校帰りの黒ストッキングにいくすじも走る伝線を、愉しげに見おろしていたときみたいに。
身内の血は、よくなじむ。
今の旦那と一緒になってからも、マキ子は変わらない香りのする血を持ちつづけていた。

そんなこと、面白い~?
詰るような上目づかいをつくりながらも。
感謝しなさいよ。これ、高かったんだから。
兄さんのために、奮発したんだから。
どうやら彼女は、さいしょから俺に咬ませてくれるつもりで、
こんな艶っぽいストッキングを脚に通してきたらしい。
尖らせた女の唇を、思わずむしゃぶりつくようにして、呑み込んでいた。
むさぼるような接吻―――。
女は自分から、ブラウスの襟首を押し広げていった。

――――――。
………………。
。  。  。

けだるそうに身づくろいをすませ、
スカートの裏側にべっとりついた粘液をこともなげに拭き取ると。
こんどはいつ来ようか?
虚ろにひびく声に、俺は「いつでも」って、応えている。
無理してるな・・・?
男の子みたいなぞんざいな声が、揶揄を止めない。
兄貴がそんなにモテるわけ、ないものね。
女はさいごに鏡のまえに立って、ていねいに化粧を刷くと。
「だんなとご無沙汰なんだ。まだ放っておくつもりなら、こんどは泊まりで来てあげるからね」
熱っぽくしつこかった身悶えが、まだ腕のなかに残っていた。
「やらしい顔ぶらさげちゃって・・・もぅ」
マキ子はやがて事務的な口調に戻って、夫が週末出張で不在になると告げていた。
「好きな服、着て来てあげるから。考えといて」
言い捨てた言葉の意味をかみくだいたときには、すでに玄関の扉を半分開いている。

手許に残ったのは、妹の脚からむしり取った肌色のストッキング。
うん、たしかにこいつは、安物じゃない。
俺はもういちど、さっきまで女の脚を包んでいた薄絹に接吻をし、携帯の写メに撮り、
妹あてに送信する。
「亭主に見せても可」。
きっと返信には、こう書いてくるだろう。
「ダンナに見られても可」。
俺の正体を知りながら妹にプロポーズをした男は、
見返りに、すでに既婚者だった姉と母親を俺に紹介してくれていた。

他校のハイソックス

2009年10月29日(Thu) 13:44:31

このお部屋のなかの、あちこちに・・・
招いた俺の部屋のなか。
目のまえの少女は、あちらの箪笥こちらの机とちらちら視線を投げたあと。
さいごに顔をあげ、上目づかいの視線をまっすぐに向けてきて。
隠してあるでしょ?女の子用のハイソックス。

どきりとするようなセリフを、吐いておいて。
その実なにもかもを許したような面ざしで。
いいんだよ。羞ずかしがらなくったって。
こっそりと、囁いてくる。
重たい濃紺のプリーツスカートの下。
純白のハイソックスの真新しいリブを、きらきらさせながら。

あたしが履いて、噛ませてあげようか?
イタズラっぽい笑いにつり込まれるようにして。
俺は箪笥の抽斗のいちばん奥のほうから、
取り出したのはいちばん気に入りの朱色のハイソックス。
きっとお前に似合うだろうと。
よその学校の子をたらしこんだとき、よけいにわけてもらったもの。

脱ぎ棄てられた白のハイソックスは、持ち主の紅いしたたりを滲ませていて。
深紅のじゅううたんに、よく映えていた。
少女はそんなものにはもう目もくれないで。
手渡された朱色のハイソックスに、とりかかっている。
むぞうさに、くしゃくしゃに丈をつづめていって。
たいぎそうに、つま先を差し入れて。
わざとけだるそうに、引っ張り上げる。

さぁ、どうぞ。
うつ伏せになったじゅうたんのシミのいくらかは、自分自身の血潮だということなど。
まるで意に介さないように。
少女はいとも心地よげに、寝そべったものだった。
窓辺から洩れる陽を、
すんなり伸びたふくらはぎに、居心地よさそうに浴びながら。

そう・・・っとにじり寄って。
おそるおそるのように、手をさし伸ばして。
はじめてふれるように、たんねんに。
ふくらはぎの輪郭に、触れてゆく。
その手のあとを、追うように。
よだれをたっぷり含ませた唇を、ぬらりとなすりつけてゆくと。
少女ははじめて、ぴくりと脚を震わせた。

少女の羞恥心を、くすぐるように。
なんどもなんども、舌を這わせて。
ぬらぬら光るよだれを、すり込んでいって。
もぅ・・・
ふくれ面になった横顔に、軽いキッスを重ねると。
俺は本性まる出しに、初めて牙を剥きだした。
がぶり・・・
初々しくはずんだふくらはぎは、じつにしっくりとした噛み応えがした。

うーん。
やっぱり処女の生き血は、こたえられない。
この子の父親の院長も。母親である院長夫人も。
夫婦そろって、俺の餌食になって。
病院に勤務する熟・若とり交ぜた看護婦たちもろとも、俺の支配下に入っているというのに。
当然のように引き合わされた一人娘だけは、
どこまでほんとうに俺の支配下に入っているものか、その実見当がつかないでいる。
ねぇ。
少女のふくらはぎの上うつ伏した頭上に降ってきた囁き声は、意外なくらいに冷めていた。

わたし以外の女の子。なん人襲ったの?
紹介してあげたお友だち以外に。
もちろんわたし一人だけで、貴男の欲しがる処女の生き血を賄うわけにはいかないけれど。
う~ん。なんていうか。
知らないうちに、いろいろしてるんだね?
最初に見せた、「すべて赦す」という顔つきを、つくりつづけたまま。
容赦のない揶揄を、浴びせかけてくる。

なんの罰ゲームだ?などと、問う資格はないのだろう。
さすがに恥知らずな俺でも、それくらいの見当はつくのだが。
べつの学校の制服、着てみたくなっちゃった♪
所在なげにソファに腰を沈めた俺のひざのうえ、
ちょこんと体重を、乗せてくる少女の頭を撫でながら。
俺は人知れず、迷っている。
どこまでが、嫉妬?
そしてどこまでが、戯れ・・・?

真夜中のアヴァンチュール ~窓辺のまりあ~

2009年10月25日(Sun) 23:40:59

こんな夜更けにスーツなんて、おかしい・・・ですって?
真夜中だというのに。
きみは、濃紺のピンストライプのスーツを着て。
薄墨色のストッキングに装った形の良い脚を、お嬢さんのように交叉させて。
思いっきり無作法に窓からあがりこんだ俺を、
なん時間もまえから予期していたかのように迎え入れる。
時間と空間の隔たりは・・・貴方にはなんの問題もないのだものね。
ほんとうに来るなんて・・・って、内心驚いているくせに。
いっしょうけんめい余裕のあるふうを装うきみは。
まるで初めて逢ったときのように、初々しい昂りを漂わせていた。

数分後。
礼装した淑女は、露出を愉しむ娼婦に変貌していた。
着崩れしたジャケット。
わざと引き裂いてやったブラウス。
それらをうるさそうに、自分の身体からひきはがすと。
女はみずからを、柔らかな皮膚をまとった獣に変えていた。
唐突な熱情のるつぼに、冷え込んだ外気と板挟みになったガラス窓が、くもるかと思うほどだった。
濃紺に白のピンストライプのタイトスカートに、俺の気に入りの黒のガーターストッキング。
そんな下半身の装いだけは、身に着けたまま。
女はひと刻、淫らに熱し狂いまわった。
タイトスカートの裏地が、熱いほとびに濡れ濡れになるほどに。

静けさを取り戻した、真っ暗な部屋のなか。
きみはフフ・・・・・・ッと、ひそやかな笑いを洩らす。
まるで、飢えているみたいね。
あなたの周りの女のひと。だれも相手をしてくれなかったの?
図星を刺された俺は、返す言葉もないままに。
女のなめらかな肩先を、なぞるようにして。
すべすべとした背中を、いつまでもいつまでも。
それは熱っぽく、撫でつづけていた。

ブラジャーの束縛から解き放たれた豊かな胸は。
それ自体意思をもったかのように、たゆんたゆんと愉しげに揺れている。
開け放たれた窓からは、こうこうとした満月。
月明かりが輪郭だけを際だたせるきみの身体は、一糸まとわぬむき出しの輝きを秘めている。
今夜って・・・満月だったかしら?
わざと取り繕った冷ややかな口調を、突き崩すように。
俺が満月を望めば、空には満月がかかるのさ。
えらそうな言葉を吐いて、女の冷たい唇を熱い口づけでほぐしてやると。
やらしい・・・
しんそこくすぐったげな囁きが、洩れて来た。
どっちが。
軽くつねった乳首に、きみは身体をしならせて反応して。
ざわり。。。
足許に乱れたシーツが、めくれ上がるほどに波打った。

互いに互いの肩を抱きながら。
あの夜とおなじようにふたり、月を見あげている。
いつか・・・こんな夜があったよね。
これからも、ありつづけるのさ。お前が望む限り。いつでも。ずっと・・・

女の名は、まりあ・・・
いつも俺の寂しいとき、人知れず気配を消しながら、俺の傍らに立っている。
時間と空間の隔たりは・・・
いつの間にか彼女は、俺の不遜な言い草を。
音も立てずにそっと、盗み取っていったらしい。

和装ストッキング

2009年10月25日(Sun) 22:23:21

いちばん上のほうの記事とかに、宣伝が入って来るでしょう?
どうやって選んでいるのか、わかりませんが。
ブログの内容が、ある程度は反映されているみたいです。
うちの場合目だつのは、吸血鬼小説やストッキング、それに浮気調査ってあたりですから。(大笑)

ところできょう初めて目にしたのは、こちら↓
「竹○行の和装ストッキング」(会社名は一部伏せますね)
http://mshop.ailesdange.net/shop.cgi?iframe=./shop_html/home.htm&height=2500

和装ストッキング?どんなものだろ?って覗いてみましたら。
足袋を穿けるよう親指だけセパレートになっているんですね。
えっ?和服の下にストッキングなんか穿くの?ですって?
ええ、穿きますとも。^^
和服ってけっこう、寒いらしいんですよね。
かなり以前から、むしろ若い女性のほうがお手軽に、利用しているらしいです。
もっともそのころから、こんなふうに指が分かれたストッキングがあったのかどうかナゾですが。
でも、指がわかれていなかったら、足袋穿けないし。^^:
そうそう。
柏木ワールドにも、登場しますよ>和服の下にストッキング。
「御用始め」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-73.html

どうして柏木がとうぜんのように、和服の下のストッキングの存在を知っているのかについては、ナイショ。 笑

ついしん
そうそう、とっかえひっかえ早変わりするコマーシャル。こんどはこんなのも発見。
jamocaoreo ~ 女装デパートのリンク集です。
http://www.jamocaoreo.com/keyword/%E5%A5%B3%E8%A3%85%20%E5%8C%96%E7%B2%A7/c/10/cp/1

すごいんですよ。^^

2009年10月25日(Sun) 10:20:40

先日ひさびさにあっぷした「まりあのお部屋」。
「淫らな温泉宿 ~婚約者まりあが、因習に屈する夜~」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1880.html
が、あっという間に3拍手!
コメントはもちろんのこと拍手も少ない柏木ワールドのなかでは、堂々たる実績です。
さいしょの拍手は、あっぷしてからわずか三時間後に頂戴しました。(*^^)v
いちいち記録取ってないけど、たぶん最短記録だと思う。(・_・;)
お姫様輪姦な初夜♪という過激な設定が好評の秘訣でしょうか?
それとも、最近にしては珍しくちゃんとしたストーリー仕立てで描いたのがよかったのでしょうか?
このごろ勢いだけで描いていることが多いですからねぇ。(^^ゞ

テンションがあがってくると、周囲の情景とか目に見えるほどリアルに想像してしまうので。
こういう描きっぷりになるのです。
そのつぎにたてつづけにあっぷした「まりあのお部屋」の「雑踏のなかの幻影~まりあとの邂逅~」も、えろはありませんがかなり気に入っています。
やっぱりテンション満開で、描けましたから。
柏木は、よほどテンションがあがらないと、「まりあ」を描かないのです。
私の最愛のヒロインです。^^

恋するヴァンパイア診断!?

2009年10月25日(Sun) 09:24:28

ガラにもなく、こんなのやっちゃいました。(^^ゞ
http://event.partner.yahoo.co.jp/love_vampire/http://
えっ?ガラでしょう~?ですって・・・?
無視! (`ヘ´)  笑
だって~。
ヴァンパイアとからんでいるおネエさんが、かわいかったんだもの。(^^)



「常識やルールにとらわれることなく、どんな時でも自由に動き回れる」ってところは当たってるかも。ですが。
「女性を振り回す」ってところは、どうかな~。
絶対、振り回されてますって・・・。^^;;;

そういえばうちにも、オレさま吸血鬼が出没してますね。
「院長、ご来客です・・・」のカテゴリですが。
13歳の女の子がとっても活き活きしているっておほめの言葉をちょうだいしました。(*^^)v
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-512.html

続編です。オレさま吸血鬼なはずなのに、完全に手玉に取られています。(^_^;)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-519.html

あどけない少女も、キリッとした女医さんも。どこかミステリアスになっています。^^
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-523.html

よろしければ、かんそうでもいただきたく。m(__)m

雑踏のなかの幻影 ~まりあとの邂逅~

2009年10月24日(Sat) 08:50:38

はじめに~ このお話、えろくないです。(^^;) ごめんあそばせ♪

まりあ・・・
思わず口にした、その名前を聞きとがめて。
きみはまりあを、知ってるの?
ケンと名乗るその若い男は、ちょっとびっくりしたように、けれどもその実そんなに驚いてはいないみたいに、私のほうを振り向いた。
いつもの夕暮れの雑踏のなか。
唐突にあらわれた彼は、いともさりげなく私との会話に興じていて、
ほんの数分のあいだに、まるで十年以上昔からの親友みたいに仲良く肩を並べて語り始めていた。
これでもボク、もう四十なんですよ。
わざと自慢げに言う彼は、どう見てもそんな年齢にはみえない。
まだ学生っ気さえ残っているような面ざしに、やんちゃ坊主みたいなイタズラぱッぽい笑みを浮かべながら。
柏木さんは、ななつとしうえのお兄さん、かな?
嘘つけ。お前、絶対背伸びしているだろ?
言いあてたつもりが少しだけずれている年齢に苦笑しながら、私は彼に手玉に取られかかっていることを自覚していた。
案外彼自身ほんとうに、「不惑」と呼ばれているその齢に、ほど近い境地にいるのかもしれない。
ちょっと見には、二十代にさえ見える彼。
でも二十代でこの存在感は、絶対に出ないだろうから。

あっ。
ふと目を転じたその先に、私は目を離せなくなっている。
小声で「まりあ・・・」と、目に捉えた人影の主の名前を呟くと。
さすがにケンもしんけんなまなざしになって、私の視線のかなたをとらえようとした。
OLふうのスーツに身を固めた若い女がひとり、雑踏のなかにまぎれている。
肩までかかるつやつやとしたロングヘアに、お嬢さんのような軽いウェーブをかけて、ゆったりとなびかせていて。
上背のあるすらりとしたプロポーションを、あたりの雑踏にゆだねながら。
すいすいとリズミカルに、こちらに向かって歩みを速めていた。
もはや、ケンどころではない。
私は彼の傍らをすり抜けるようにして足早に階段を降りて、
立ちふさがるように、まりあのまえにあらわれている。
ケンの漂わせる不思議な若さが、私に乗り移ったかのように、息せき切って。

あら。
まりあは私を見ても、驚かなかった。
この街にいるはずのない彼女。
それなのにどういうわけか、私が日常見なれている風景のなか、
まりあは十年も棲んでいるような風情で、佇んでいた。
だれかと思えば・・・
ふふふ。とコケティッシュに笑ませた横顔が、いかにもまりあそのものだった。
いちど、逢ってるわよね。
一度なんてもんじゃない。きみとうはもう何十回、何百回も・・・
そう言いかけて。
逢っているのは、お話のなかだけなのか。
それとも、じつは現実のなかでなのか・・・
ひどく記憶が、あやしくなってきた。
いつの間にかケンは、まりあと私の傍らに立っていて。
ふたりの様子を面白そうに眺めていたが。
オレだってめったに彼女と逢えないんだぜ?
そう言いたげな顔つきで、時折私のほうを盗み見てくる視線を、私はありありと感じていた。

まりあは近くの店先に、まるで自分の家のように奥へ奥へと入り込んでいく。
私も、あとから追いかけてくるようについてくるケンも、
彼女を見失うまいとついていった。
果物、かごにいっぱいお願いね。
気さくに彼女はお店のひとに声かけながら。
「私、何時からだっけ?」
同僚の声色で、同年代らしい若い女の店員にひそひそ話をしている。
ここで働いているの?
私が訊いても、まるで取り合わないようにして。
働いているというか、棲んでいるというか、お客さんというか・・・
まるで説明になっていない応えを返してきて、
やっぱり「ふふふ・・・」と、ただ笑っているばかり。
それ以上の会話を、思い出すことができないのは。
きっと彼女が、私の記憶に封印をかけていったから。

こんどはいつ、逢えるの?
そう訊く私を、はぐらかすように。
それでもまりあは、手にした手帳をちらつかせるようにして。
そっと私に、手渡してくれた。
見てもいいわよ。メアドも電話番号も、そのなかに入っているから。
住所は・・・?って、尋ねそうになって。
なにを訊きだしてみたところで、それらはすべて変更可能で、彼女を捉えるにはなんの役にも立たないことを思い知りながら。
もどかしい手つきでぱらぱらと、手帳を、めくっていく。
まりあはわざとのように、手帳のどこにそれが書き入れてあるのかを、言おうとしない。

女性の手帳というものを。
こんなにもたんねんに、眺めてしまってもいいものなのだろうか?
うらやましいね。
ケンは相変わらず、からかうような目で、私のしぐさを見つめている。
一瞬目に入った、
ne.jpの文字。
けれどもその先頭にあるのは、「節雄」という男の名前。
ケンでも私でもない。ではいったい誰?
そもそも、メールアドレスに漢字を使えるのか?
けれどもまりあは微笑むだけで、それ以上の説明をなんら与えてくれそうにない。
落書きみたいな稚拙な字で書かれたメールアドレス。
もしかすると案外、節雄などという男はそもそも存在しないかもしれないのだ。
ふとそのページを見失うと、もう二度とアドレスらしきものを控えたページに行き当たることができなかった。
めくるページ、めくるページ、一見稚拙だが的確なタッチのイラスト。
もともと印刷してあるのか、まりあのイタズラ描きなのか。
あるページでは夏用の制服に黒ストッキングの女学生が教室じゅうにあふれていて、
べつのページをめくると少年が同世代の男の子の二の腕に噛みついて、血を啜っていた。
これ・・・柏木ワールドじゃないの?って、
問おうにも問いかけることができない。
なぜって彼女はきっと、それさえも不思議な笑みでごまかしてしまうだろうから。

ハッと、気がついた。
目が覚めた私は、独りきりの布団のうえ。
ただぼうぜんとなって、話の途中で掻き消えてしまった幻影を追い求めている。
まりあ。まりあ。
さっきまで身近にいたあの顔だちを、いまはもう思い浮かべるさえ困難になっている。
わざとのように私の記憶を消して、夢のなかから立ち去って行った彼女。
また、逢おうね・・・
私は独り呟いて、残り惜しげに床を離れた。


あとがき
今朝、じっさいに見た夢の記憶を追いながら描いてみました。
想像力豊かである柏木は、時折こういう感じのりあるな夢を見てしまうのです。^^;
なお、ケンという相棒の男性のモデルは、とあるお話から無断借用してしまいました。(^^ゞ
終始正体不明であった彼の正体は、きっとこのひとなのだろうと。
たぶん、まちがっていない自信があります。(笑)

淫らな温泉宿 ~婚約者まりあが、因習に屈する夜~

2009年10月20日(Tue) 07:17:50

ほてった素足に、ひんやりとした床の冷たさがかえって心地よかった。
ここは、すき間風のするような、ひなびた温泉宿。
露天風呂まで持っていったどてらを羽織らずにいるほどに、
湯上がりの身体はまだ熱しきっている。
窓の外は散り始めた落ち葉がいちめんに広がる、晩(おそ)い秋―――

熱いね、まりあ。
肩にしなだれかかるように腕をまわしてくるのは、
年明けに結婚を控えている彼氏のヨシオだった。
やぁだな、もう酔っぱらっているの?
そういえば彼、足取りがいつになくふらついている。
だから温泉入る前に飲むのよそうっていったのに。
いっしょに飲んだまりあはそれでもかなりイケるくちなので、一見してなんでもない。
強いな、まりあ。
冷やかすような彼の口調に、くすぐったそうにうなずいたけれど。
浴衣一枚の素肌にすっきりと、淡い酔い心地がしみ込むようにめぐりはじめているのだった。

親を紹介するよ。
ど田舎だけどね・・・まりあが気に入ったら、将来は実家に戻りたいんだ。
口ごもりながらそう告げてきたヨシオに、
まりあは少女のようにこくん、と、頷いただけだった。
都会育ちのまりあには、田舎暮らしの経験がない。
子供のころいちどだけ、遠い親戚の棲む農家に泊まった記憶がおぼろげにあるけれど。
だだっ広い古い家がなんだか不気味で、夜泣きしてしまったものだった。
そんな記憶をたどりながら彼に話すと、
ヨシオは優しく、うなずいて。
そうだね。俺には古くから棲んでいる家だけど・・・まりあには、初めてだもんな。
まりあの緊張をほぐすためにと、彼の実家にお泊りするまえの晩はちかくの温泉宿で二人きりの夜を過ごすことになったのだった。

すみません、ほんとうに気が利かなくって・・・
宿に着くそうそう、
年若な宿の主人は頭を掻き掻き、ぶきっちょにぺこぺこと頭を下げていた。
律儀で純朴な田舎ものである宿の主人には、
苗字の違う男女が一室に宿泊するという想像がわかなかったらしかった。
二人にあてがわれたのは、べつべつの。
それもすこし離れた小さな部屋だった。
まりあはそれでも、小さな湖の見えるほうの部屋を選んだ。
まだ紅い葉をまとった切れ切れな木立ちの合い間から覗く湖面もロマンチックだったけれど。
中庭を挟んで向かい側のもう一つの部屋はこんもり茂った低い山に面していて。
その山の向こうにこれから目指そうとする彼の実家があるとおもうと、
なんとなく鬱陶しかったのだった。
そんなまりあの気分を察したのか、ヨシオはちょっと気がかりそうに恋人の顔を覗きこんだのだけれど。
うん、いいよ―――
いつもの優しさで、まりあのことを包むように見つめただけだった。

遅いなぁ。ヨシオったら・・・
飲みさしの酒は、大食堂で出た地酒の残りだった。
だだっ広い古座敷の食堂をぐるりと見まわした彼は、うんざりしたような顔をして。
ここじゃ落ち着いて、飲めないや。持って帰っちゃおう。って。
持ちこんだのは、まりあの部屋のほうだった。
飲み直す。という名目で。
彼は今夜、初めてまりあの寝室に忍び込んでくるはず。
ピンクのスーツ着て、待ってろよ。
ちょっと口ごもりながらそんな要求をする彼が、なんだかかわいらしくって。
もうっ、こんなトコまで連れて来てスーツなわけっ!?
まりあはわざとふくれ面を作りながら。
それでも、初デートのときに着ていったショッキングピンクのスーツに着かえている。
ほてりのおさまった身体に、ひんやりとしたスリップが心地よかった。
うふふふふっ。奮発しちゃった。
脚に通した肌色のストッキングは、つややかな光沢がよぎるインポートもの。
いつもちらちらと、まりあの足許を窺う癖を、彼女はとっくに見抜いている。

遅いなぁ。寝ちゃったのかなあ。
案外、決心がつかなくてあの狭い部屋のなかでうろうろしているのかも。。。
オリのなかの熊さんみたい・・・
自分のした想像にプッと吹き出したものの、まりあの脳裏もまた、あらがいがたい眠気に支配されはじめていた。
かたり。
テーブルのうえに置いたおちょこが、畳に転がったのさえ。
おちょこのかたわらにうつ伏してしまっているまりあには、気がつかなかった。

ふと気がつくと。
部屋のなかが、薄暗くなっている。
やだ・・・
すっかり眠ってしまったらしい。
いま、何時なのかしら。
気だるい酔い心地のせいか、すっかりいうことをきかなくなっている身体をもぞもぞと動かそうとして。
まりあはびくっ!と、スーツ姿の身をすくめた。
部屋に誰かいるっ!
彼かしら?という想像は、すぐに恐怖に途切れていた。
気配の主は、一人ではなかったから。

頭のうえから抑えかかるように、一対の掌がまりあの肩をつかまえる。
もうひとりが、足首を。
さいごのひとりは、まりあをあお向けに転がして、ブラウスの胸にとりついてきた。
きゃ、あっ!助けて・・・
声をあげようとしたけれど、声が出ない。
身体も動かない。
酔い心地なんかでは、まったくない。
得体の知れない呪縛がまりあの動きを封じていた。
お酒のなかに、何か入っていたのだろうか?
このさいそんな詮索は無用のことだった。
無言のなかのもみ合いが、しばらくつづいた。

ヨシオさん・・・ヨシオさんっ!?どうしたの?早くまりあを助けに来てっ!
運動部出身のまりあは、決して弱虫ではなかったけれど。
三人もの村の男衆を相手にするには、都会育ちの娘の筋肉はしなやか過ぎるらしい。
たちまち攻め込まれ肉薄されて、
胸をすべる掌は、ブラウスの襟首から侵入してきたし、
肩を抑えつけてきたやつは、ヨシオにもまだ幾度も許していないキスを、強引に奪っていった。
足許のやつはどうやら、ストッキングのふくらはぎを舐めているらしい。
薄々のナイロンごし吸いついてくる唇が、ヒルのように厭わしかった。
もはや男どもの不埒な意図は、疑いようもなかった。
助けて・・・助けてっ!
彼はおろか、宿の人さえも、狭い客室のなかの異変に気づいていない。
そういえばこの温泉宿の宿泊客は、まりあたちだけだった・・・

オレガ最初ダゼ?
胸元に手を迫らせた影の主が、ほかのふたりを威圧した。
アァ・・・構ワナイサ。
肩を抑えているもうひとつの影法師が、ぞんざいに応えた。
足許のやつは応えさえ返さずに、まりあの足許を舐める舌のうごきを、さらにしつようにしただけだった。
部屋の照明は消されていたが、
侵入者が持ち込んできた特大の懐中電灯が畳のうえにいくつも転がっていて、
服の色くらいはわかるほどの薄明るさが、
羽交い絞めにされたまりあのスーツ姿を、スポットライトのように浮き上がらせていた。

ウフフフフフッ・・・悪ク思ウナ。
最初を主張した男は、意地の悪い含み笑いでまりあを嘲ると。
ブラウスのボタンをひとつひとつ、はずしていった。
慣れた手つきだった。
あなたたちこんなふうにして、女のひとをなん人も・・・
悔しいけれど、どうすることもできなかった。
幾本もの逞しい腕に、まるで展翅板のうえのチョウのように抑えつけられてしまっていたから。

すげぇ・・・
ブラジャーのストラップを断った男が、むしり取った小さな布切れを部屋の隅っこに放り投げると。
目を射られたかのように、しばし沈黙した。
どれどれ・・・
肩を抑えつけているやつも、抑えつけた手をゆるめずに、
それでもしげしげと、まる見えになったおっぱいを覗き込んでくる。
ストッキングの脚をしつように舐めつづけていたやつさえもが、
下半身からせり上がるようにして、スカートのうえのあたりまで顔を寄せてきて、
まりあの胸元を下の角度から、睨むような視線を這わせてきた。
荒い息遣いの持ち主たちは、さらけ出されたまりあのおっぱいに魅入られるように、
夢中で覗きこんでしまっている。
手に入れた獲物の素晴らしさを、改めるようにして。

だれもが、知らない顔だった。
昂りに弾んだ息遣いだけが、獣のような劣情を吹きつけるように伝えてくるだけだった。
いや、ひとりだけ。
劣情に覆われて見分けのつかないほどの目鼻が、宿の主のそれと重なりあった。
まりあの足許に魅せられた男だった。
えっ・・・
助けは来ない。
まりあは確信した。

どれ、まさぐらせろ。
ばか、俺が先だ。
懐中電灯に顔をさらした男たちは、被害者に顔を見らる恐怖を感じないらしい。
まるで競い合うように、まりあの胸にてんでに掌を這わせてきた。
豊かな丸みを帯びた乳房は、透きとおるほどの白さをたたえていて。
量感たっぷりのふたつの丘陵は、なめらかな皮膚におおわれている。
光に照らされた素肌は、うわぐすりのような微光に包まれていて。
ふんんわり。くにゅくにゅ。
まりあの身体をおもちゃみたいに撫でまわしいじくりまわしてくる掌たちに、
むぞうさにもみくちゃにされていった。

あっ、あ・・・あん・・・っ。
はしたないっ・・・っておもいながら。
皮膚を通して伝わって来るまさぐりが、淫らな疼きをもたらしてくる。
それは焦がれるほど濃く、声をあげて暴れ出したくなるほど急所を衝いていた。
未経験な素肌に、慣れた男どもの掌たちが、じっくりと迫ってきて。
彼にも許していないことを次々と、まりあの身体になじませていこうとした。
ヨシオさんっ。ヨシオさんっ・・・
知らず知らず口にした恋人の名前に、獣たちはかえって欲情をそそられたらしい。
うふふふふっ。いただくぜ。
最初を主張した男はにんまりと笑むと、笑んだ唇をそのまま迫らせてきて。
飲み込むように大胆に、まりあの乳房を唇に含んだ。
あ、あ、あっ・・・。;
はぜる唾液が、くちゅくちゅといやらしい音を洩らして。
押し戴くように隆起のふもとにまわった両の掌が、じわりじわりと、疼きを深め広めていって。
掌と。唇と。
呼応し合うようにして、まりあの乳房を責め抜いた。
ひっ、ひどい・・・っ。
非難を口にしようにも、まりあはすっかりのぼせあがってしまっている。

早く通り過ぎてほしい。
そう願うのは、かえっていけないことなのだろうか?
屈辱を逃れたい一心のまりあの心を、男どもはわざと曲げて捉えて。
早くおれたちのお○ん○んが欲しいって?
にたーりと笑みかけてきたのは、肩先を抑えた男。
もはやまりあが抵抗をあきらめたのを逆手にとって、長い髪をじりじりともてあそびはじめている。
乳房の責めはまりあの抵抗力を奪い、ついでに理性さえもむしり取っていってしまったらしい。
足許のやつは、太ももまで侵入させた掌に、いっそう力を込めてきて。
薄々のナイロンごし、しつようにまさぐられる掌の動きと、捺しつけられてくるなまの唇とが。
疼きの妖しさを、いっそう増幅させてきた。
彼のために穿いた勝負ストッキングなのに。
まりあの目じりが初めて、涙に濡れた。

挿入までは、あっという間だった。
仲間ふたりをどかせると。
かしらだった男はまりあの肩を抑えつけながら。
ひざでスカートを腰までたくし上げていって。
まりあの穿いているのがガーターストッキングなのを見届けると。
都会の女ごは、ええものを穿くのう・・・って。
まるで爺さまみたいな言葉を発すると。
唇にまみれたよだれをなすりつけるようにして。
ストッキングのうえから太ももをなぶり抜いて。
いただくぜ・・・
なぜか仲間たちとは反対側のほうを向いてそうつぶやくと。
おもむろに身体を、重ね合わせてきた。
だ・・・だめ・・・
彼のために装った衣装を、いともむぞうさにはぎ取られて。
彼のために守り抜いてきたものを、いまこんなふうに無造作に蹂躙されようとしている。
女としての危機を乗り越えるには。
もう・・・耐え抜くしかなかった。

今夜受け容れるはずだったヨシオの抱擁は、もっと優しいものであるはずなのに。
汗臭さにまみれた村の男衆の骨太な筋肉は、まりあを荒々しく掻き抱く。
パンティを裂き取られてあらわにされた秘部が、そらぞらしい外気にさらされた。
それと入れ替わりに、逆立った男の一物が迫ってきた。
か、硬いっ。
まりあがヒクッ・・・と、身をのけぞらせようとすると。
傍らから伸びてくる二対の掌が、それを妨害しようとする。
構ワネェ、ヤラシトケ・・・
まりあの上の男の声は、機械的なものに変わっていて。
二対の掌が引くと同時に、
衝きあげてきた。
ごりごりとする酷い痛みと。かすかな出血の感覚―――。
おしまいだ・・・
さいごに残された理性のかけらが、ひとたまりもなく押し流された。

あっ・・・厭ッ!・・・うう・・・んっ。
入れ代わり立ち代わり。
獣どもは、まるで獲物を分け合うように。
じゃれ合いながら、まりあの身体を分け取りにしていった。
痛みと引き換えに、すっかり覚え込まされてしまった愉悦。
相手が入れ替わるたび。
まりあはさいしょのときとまったく同じような羞じらいとためらいをあらわにして。
処女を捧げることのできなかった恋人への申し訳のように、
あらわになった胸を、両手で押し隠そうとして。
それを荒々しく、取り除けられて。
厭、厭、厭・・・っ、って。
かわいく呻きつづけながら。
もう、どうすることもできないまさぐりに、全身をゆだねきっていって。
さいごは、しつようなまさぐりに、耐えかねたみたいになって。
血を撥ねかせたままの股間を、熱く疼かせていくのだった。
むしろこの場に彼がいないのが、ありがたいくらいにまりあは感じていた。
脱ぎ棄てられたスーツは、あちらにジャケット、向こうにスカート。
ストッキングにすっかりご執心らしい宿のあるじは、
持ち主の脚から片方だけ脱がせたやつを、嬉しそうにぶら下げている。

さっきから。
気になり始めていた。
男どもが入れ代わり立ち代わり、まりあを犯そうとするときに。
いただくぜ。
ご馳走さま。
どうして、仲間とは反対側のふすまの向こうを気にするのだろう?
むたいな輪姦を受けながら。
男どもと呼吸をひとつに合わせていって。
そのうちに。
彼らがかえりみるふすまの向こうに、はっきりと。
ひとの気配を察していた。
ヨシオが息を詰めながら。
なかの様子を、窺っている―――?
まさかっ!!!
ひやりとしたものが、まりあの胸によぎった。
さいしょの男が、まりあの上にいるときだった。
分かるか?
上から見おろしてくる目が、そう語っていた。
さあ、もう少し愉しもう・・・な?
胸を隠そうとした両手を荒々しく押し広げながら。
侵入してきたとき。
えっ、あたしったら・・・
彼に覗かれながら、ほかの男に悶えちゃうっ。
閃くどす黒い衝動に、まりあは全身を貫かれていた。
入れ代わり。立ち代わり。
荒々しくまりあを犯し、蹂躙していく男衆を相手に。
まりあはなによりも、ヨシオの視線に酔っている。

さ。さ。夜が明けたぜ。お嬢さん、露天ぶろはいかが?
昼間の律儀な態度はどこにもなく、宿のあるじは一同を露天風呂に案内する。
きゃ~っ、お風呂。ですかぁ?
ふすまの向こうに、聞こえるように。
まりあは能天気な明るい声を、張り上げていた。

うわ・・・きれいだな。
山の端から覗いた暁が、湖面をよぎるように照らしていて。
寒々とした秋の夜明けの、しんしんと侵すような冷気に取り巻かれながら。
四人男女のほてった肌には、むしろ心地よいくらいだった。
ええっ~?ここで・・・ここで犯されちゃうんですかっ!?
全裸のまりあは、もはや解放された天使。
ざぶっとお湯に浸かって、汗ばんだ身体を浸し抜いて。
男どもがかわるがわる、綿あめみたいなシャボンを、豊かな素肌にこすりつけてゆく。
ゆったりとしたお湯が身体の隅々にまで、しみ込んできて。
湯気の向こうから、きっと覗いているだろうヨシオに、心のなかで手を振っていた。

―――翌日。
法事だったんだよね?
まりあはもういちど、ヨシオに問い返している。
親戚も知人も、みんな集まるし。
ちょうどよいころ合いだから、みんなにまりあをご披露したいって。
ご披露・・・か。
清楚な黒の礼服姿のまりあが、ヨシオの目にはいままでになくノーブルに映る。
放埓な一夜が、明けた後。
まりあはもはやためらいもなく、村に足を踏み入れていた。
そこに待っていた厳粛な空気は、まりあに心地よいほどの緊張感をもたらしていた。

いい嫁をもらったな。ご先祖さまも、およろこびじゃろう。
皆口々に、そういってくれた。
一同のなかには、まりあの処女を奪ったあいつも。
まりあの脚から二足目のストッキングをねだり盗った、宿のあるじも。
まりあの二人めのご主人さまになったあと、
露天風呂に浸かりながらまりあを犯し抜いたのは、ほかならぬヨシオの実の弟だった。

温泉宿の愉しみは、昼までつづいた。
昼食どき、照れくさそうに現れたヨシオは、
ゴメン、すっかり酔っ払っちゃって。
わざとらしい言い訳に、まりあは仕方なさそうに、微笑み返している。
さいごに真っ暗にされた部屋のなか。
入れ代わり立ち代わりの相手が、いつの間にかひとり増えていて。
新顔の一人のセックスがいままで以上に激しかったのを。
まりあの全身が、憶えていた。
口に出しちゃ、なんねぇぞ。それが村の掟だからな。
あいつが、亭主。俺は間男。いいな?
さいしょにまりあを奪った男が、手短かに訓えてくれたしきたりに。
まりあは深々と、うなずいている。
村では仲睦まじいどうしのあいだで、花嫁を取り換え合っていた。
まりあと出逢う、ずっとまえから。
ヨシオはその男に、祝言を挙げるまえ、未来の花嫁を彼に譲り渡すことが決まっていて。
つつがなく儀式を果たしたまりあは、いま晴れて村の女として迎えられる。
よそから来た嫁は、みんなと仲良くしなくちゃ、なんねぇぞ。
花婿に無断で、その花嫁をまた貸ししようともくろむ間男の言い草に、
まりあはまるで、彼の嫁になったみたいに。
しおらしく、頷いていた。

夕べのことは、内緒。今夜のことも、もちろんナイショ。
でも彼は、未来の夫は、なにもかも心得ていて。
まりあの悶える姿を覗き見て、みずから昂っている。
都会育ちのお嬢さんは、それまでの理性や常識を、とうにかなぐり捨ててしまっていて。
あのひと晩のうちに覚え込まされた、
彼のまえで悶える愉しみに、すっかり目ざめてしまっていた。
夜が愉しみだね。
えっ!!?
どぎまぎする未来の夫の反応を、愉しむように。
地酒とお料理が・・・ですよっ。
くすぐったく笑いながら、はぐらかす。
喪服のスカートの下、黒のストッキングが薄っすらと映えたなまめかしい足許を。
彼のまえ、見せびらかすようにさらしながら。
彼と同時に、さっきから。
こちらを盗み見ている温泉宿の若い主は、
今夜もまりあの黒のストッキングを、ねだり盗っていくのだろうか。

純白のスーツ (ヒロイン募集)

2009年10月10日(Sat) 08:59:02

さっきご紹介したお話のうち、花嫁や婚約者が襲われるお話、ヒロインの服装はそろって純白のスーツなんですね。
そういえばうちのヒロインの由貴子さんも、初めて吸血されるときには純白のスーツでした。
作者のワンパターンといってしまえば、それまでなのですが。
純白のスーツって、清潔な初々しさがありますよね。
婚約者萌えには、もってこいのアイテムなのです。^^

そこで募集。

婚約者をお持ちの殿方へ。
近々ご結婚を控えたお嬢様へ。
あんど、妄想大好きな皆々さまへ。

ご自分の婚約者(ないしは結婚を控えた貴女)が、吸血鬼(ないし人間の男ないし怪人)に襲われて、
花婿承諾のもと、処女を奪われる。
そんなお話の主人公になってみたいかた、プロフを募集します。
ご自身&パートナーの年齢、性格(知的、逞しい、内気、S、M、などなど)、お立場(職業とか社会的地位とか)、プロポーションや髪型、好みの服装等々を描いてコメントしてください。
詳しいやり取りをご希望のかたは、メアドの入力も忘れずに。
ほかの方に見られたくない場合、コメント欄に記入して「管理者だけに表示を許可する」にチェックを入れれば、ほかの方には見えないという設定もありますヨ。^^

・・・って募集かけても、そうそう応募があるとも思えないのですが。 (^_^;)

ブログ拍手♪

2009年10月10日(Sat) 08:52:59

またまた!大量の拍手を頂戴しました。(^^)
今回はバラエティに富んでいますね。
時間帯もばらばらなので、なん人かのお客様が別々にくだすったのかもしれません。
それともコアに好んでくださっている単独のかたが、長時間かけて読んでくれていたのかも?
どちらにしても、反応があるということはとても嬉しいことです。

そのなかから、いくつかご紹介しますね。

「喪失のあと」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-336.html
夜な夜な誘い出した生娘を、さいごの夜に婚約者のまえで蹂躙する。
お定まりのパターンなのですが、いまこうして読み返してみると、
ほとんどレ○プに近い情景描写がなんともいえません。
例によって淡々と、描いてしまっているのですが。(^^ゞ

「変容 ~怪人との逢瀬~」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1381.html
柏木ワールドに時折登場する、怪人が主人公のお話です。
仮○ライダー(それも昭和の)に登場する怪人さんをイメージすると、わかりやすいかも。
これもほとんど、どんなつもりで描いたんだかよく思い出せないのですが、(笑)
ヒルの吸血シーンが、なんともなまめかしいです。
我ながら、グッときました。(笑)
婚約者のことを純白のスーツのうえから緊縛してくる吸血管も、妖しいです。^^

「処女の生き血を狙うもの」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1390.html
これもふたたび、怪人ものです。
たいとるからして、吸血鬼ものだったっけ?と、作者が内容をまるきり忘れていたのは、ナイショ。^^
さいしょのシーンが、新婚初夜の床で、花嫁が怪人に襲われるシーンです。
もちろん、花婿承諾のうえで。^^
―――もと子さん、入るよ。
って、怪人同伴で部屋に入ろうとする花婿に、
―――もう・・・いつまでたったら「さん」づけをやめるのよ?
と、なにも知らずに応える花嫁が初々しいです。(自画自賛)
でもこのくだり、じつは冒頭の「第一の犠牲者」に、過ぎないんですね。(^^ゞ
自分で描いておいて、虚を突かれるなって。 苦笑
怪人ミイラ男の正体がもともとエイイチだったのか、エイイチも怪人化したのか、ちょっとわかりにくいのが難ですが。^^;

「夜明け前のオリオン座」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1513.html
これ、じっさいに夏のおわりの夜明け前独りで歩いていてオリオン座を見かけて構想したお話なんです。
(珍しく当時の状況を憶えてしました 笑)
おなじ刻限に、婚約者と示し合わせて、制服姿で家を抜け出してきたみち子さん。
(おや、名前が↑のヒロインとよく似ています。もちろん、偶然の一致です)
恋人の掌を握りしめたまま吸血されるヒロイン。
握る力を通して、せつせつと訴えたかったのは、何?
気に入っているのは、さいごのほうのこのくだりです。

    女学校のときのストッキングを、一足残らず破らせてしまった彼女。
    悪い子になっちゃって、ゴメンね。
    ちらと囁いたときだけは、ひどくしおらしげだった。

彼女に夜這いをかける吸血鬼についていって、
お前はここで見ているのだ
とやられる彼氏さんの役。
どなたか演じてみたいですか?^^

「連れ込み宿 五ーい」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1201.html
これに拍手をいただけたのは、とても嬉しいです。
柏木としてはかなりリキ入れてかいたつもりなのですが、いまだにコメなし、拍手なし。
とうとう今回が、初拍手となりました。ぱちぱちぱち・・・
仲良しの読者さんにおたずねしたら、(女性のかたです)
「りあるすぎて怖い」って、言われちゃいましたっけ。(^^ゞ



うーん、忘れかけているお話でも、やっぱり読者のかたがたの選ぶ目は鋭いですね。
どれひとつとして、カスがありません。
改めて読み直して、「以前はなかなかいいものを描いていたんだなあ。(-_-;)」と、ちょっと反省しました。
(^^ゞ
またのごひいきを、よろしくです♪

藁くず

2009年10月06日(Tue) 04:54:40

藁くず、ついてるよ~。
登校途中、あとから追いついてきたサトコに、ミチヨは顔赤らめていた。
納屋いったんでしょ?ばればれだよぉ。
開けっ広げなサトコの声。
だって・・・
口ごもるミチヨに、
気にしない気にしない。
どこまでも明るいサトコは、おなじ経験をとっくに済ませていた。

高校を卒業したら祝言をあげることになっている彼氏だって、いるというのに。
サトコが初体験をしたのは、べつの男性。
人、ではなくて。
人の血を吸う人だった。
人とおなじ心を持っている・・・と知ってしまうと。
彼氏に許されるまま、吸血鬼に誘われるまま、村はずれの納屋に引き込まれて。
制服を藁くずだらけにさせていた。

おなじ藁の洗礼を、ミチヨが初めて受けたのは、つい夕べのこと。
おつき合いしているカツヤくんは、同級生だったけれど。
クラブ活動の延長・・・と、母にウソの電話をしてくれて。
怖気づいたミチヨの手を取って、一緒に納屋まで行ってくれて。
抵抗できないようにって、わざわざ柱に縛りつけられて。
行為のあいだ震えつづけているミチヨのことを、じいっと見守っていてくれていた。
あのときの痛みがまだかすかに疼くように、制服のスカートの奥、じんじんとしている。

祝言まで、ガマンできなかったんだって。
サトコとおなじ口実を、ミチヨも彼氏のまえで呟いていて。
吸血鬼が立ち去った後、昂りを抑えきれなくなった彼氏に迫られて、
藁のうえに、抑えつけられていった。
いちどにふたりも男のひとを、だなんて。
ふしだら・・・だよねぇ。
そんなふしだらなことを口にするクラスメイトに、
サトコはくくくくくっ・・・って、いとも愉快そうな含み笑いを洩らしていた。

朝の登校風景。
なんでもない会話に交えて、
女の子たちは、そんなやり取りをさえ、愉しんでしまっている。


私信のようなあとがき
>ナイショの呟きをくれたかた
プッシュ、ありがとです♪
そういえば「少女」・「嫁入り前」のカテゴリは、7月以来ご無沙汰なんですね。

ちなみに柏木のおすすめの「少女」は
「逢って・・・」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-330.html
かな?^^
ややフェチっぽいのはこちら。
「がり勉の少女」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-280.html
カテゴリ違いですが、少女の寝取られ感の高めなものには
「そっけない少女」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1174.html
なんてのもあります。
彼氏がどきどき昂りながら、目のまえで恋人の純潔を盗られちゃうお話は、そうとう描いているんですね。
恥ずかしながら・・・ですが。(^^ゞ

吸血鬼のおじさんがね、わたしのこと好きだって・・・

2009年10月06日(Tue) 04:45:49

吸血鬼さんがね、わたしのこと好きだっていうの。
ミチコの言い草に、サダオはどきり!と胸おののかせて。
えっ・・・?それって、どういうこと・・・?
思わず無言で顔見合せていた。

どういうことなんですか?
息せき切るように問い詰められた、その初老の男は。
むしろ、恥じ入るようにして。
すまないね。
そうつぶやくばかりだった。

きみのお情けで、彼女を紹介してもらって。
処女の生き血を、恵んでもらって。
彼女、とても優しいんだね。
脚を咬みたがるわたしに、ちょっと羞ずかしそうにして。
いつも、真新しいハイソックスを履いてきてくれるのだよ。
そんな心遣いに気づいてからだな。
あの子が私の傍からいなくなったらどうしよう?と、そんな恐怖に襲われるようになったのは。

ウン、わかっているさ・・・
ミチコに告白された時のドキドキが、また胸の奥によみがえってきた。
でもね。おじさん。
その恐怖にいま襲われているのは、ボクのほうなんだよ。
さいしょはだって、ほんとうに。
若い女の子の血をあげるだけだって、思い込んでいたんだもの。

さっきからサダオは、反芻している。
おじさんに対する声色が、やたらと突っ張っているのは、なぜ?
ああ、きっと。これが”嫉妬”というやつなんだ。
嫉妬もなかなか、悪くないものなのだよ。
出がけに父さんは、なぞをかけるような口ぶりで。
そんなことを、囁いてきたんだっけ。

おじさんのほうからなんだね?
ミチコに、ボクに伝えるようにさせたのは。
けれどもどうして?
内緒で盗っちゃうことだって、おじさんには簡単なはずなのに。
もちろん・・・そんなふうにされるのだけは、ガマンならなかったけど。

坊主こそ、よく来たね。
内緒で盗るつもりなんか、もともとなかった。
でももしも、きみのほうからやってこなかったら。
つぎにミチコに逢ったとき。
どうなっていたかは、見当もつかないな。

ミチコを連れてサダオが彼の邸を訪ねたのは、その次の日のことだった。
せり上げたスラックスの下、ミチコがいつも穿いている真っ白なハイソックスを見せびらかすようにして。

さすがに、戸惑いを隠せなかった。
彼氏のまえ、おろおろとなったミッちゃんは。
長く垂らした三つ編みの髪を、さらさらとほどかれていきながら。
裸になるよりも、髪の毛をほどかれることのほうに、むしろ羞ずかしそうにして。
見ないでね・・・って、彼氏に告げながら。
けれどもいざ制服のスカートを太ももが見えるほどたくし上げらてしまうと。
彼氏に聞こえるような声で、
羞ずかしいいっ・・・・って、わざとのように叫んでいた。

逃げる腰に、迫る腰。
せり上がる筋肉、応える肌。
ぎこちない初々しさに、手なれた愛撫がくわわるのを。
少年はじいっと、凝視していた。
股間を火柱のように、熱くさせながら。。。

どうしたのお?
サダオ、夕べからヘンだよぉ。
からかうミチコと、目を合わせようともしないまま。
サダオは学校帰りの足取りを急がせていた。
ねぇ、こっち向いてよ・・・
思わずふり返った先にある少女の顔は、心配そうな翳りをよぎらせていた。
―――悪い子だって、思ってるんでしょ?

そりゃ、だって・・・
ボクが望んで、おじさんにさせてあげたんだもの。
思わずすらすらと、そんなことばが口をついてくることに。
サダオが、わがことながら驚いていると。
え・・・?
長く垂らした三つ編みが、ひどく不均等に傾しがっていた。
おじさん・・・って・・・だれ・・・?

少女の記憶に、吸血鬼の影はあとかたもなくなっていた。
翌日息せき切って訪ねていったいつものお邸は。
もう、数十年も手入れされていないかのように、くもの巣だらけで。
消えそうになるほどかすかになった記憶いがい、おじさんの痕跡はどこにもなくなっていた。
きのう脚に通した彼女のハイソックスには、ありありと咬まれた痕。
眩しいほど真っ白な生地には、彼じしんの血のシミが、まだ微かに残っていた。
彼女のハイソックスを手にしたまま、サダオはしばし呆然と立ち尽くしていた。

二十年後。
―――ほら、藁屑ついてる・・・
すっかり主婦になり切ったミチコは、登校しようとする娘の制服を、せわしげに払っている。
はい、これでだいじょうぶ。彼氏によろしくね♪
彼氏?どういうことだ?
娘が出かけていくまでは、とても妻に訊きかえすことはできなかった。

う~ん、よくわからないわ。どんなひとだか。
齢の離れている人みたいだよ。
でも、とても優しくしてくれるんだって。
クラスでつきあっている男子も、いるんだけど。
その子まで熱烈なファンになっているんだって。
男の子って、昂奮するの?そういうときって。

妻の言葉が、無機質に駆け抜けてゆく。
その先に、かすかな追憶が甘い疼きを伝えてくる。
おじさん、また戻ってきたのかな?
時は、くりかえしてゆくものなのだろうか。
あのときのハイソックスを、サダオがどこかにたいせつにしまい込んでいることを。
妻にはとうとう、話しそびれてしまっている。

大人になる日。

2009年10月04日(Sun) 08:14:57

やだっ!やだっ!やだあっ!
か細い手足を、じたばたさせて。
少女は叫んで、暴れたけれど。
なに。そんなものは、たやすいものさ。
地べたのうえ、エビみたいに身をよじらせるのを。
力ずくで、抑えつけていくこの快感。
なんともいえないね・・・
無理だよ。あきらめな。
手慣れた俺にかかっちゃ、きみはもう降参するしかないのだから。

真っ赤なカーディガンを、するりと脱がせて。
白のブラウスを、はだけていって。
釦が飛ぶぞ、って。脅したら。
服を破られるのは厭だったらしくって。
すぐに大人しくなった。
年ごろのお嬢さんぽい、グレーのプリーツスカートの下。
真っ白なハイソックスを、ひざ上までお行儀よくぴっちりと引き伸ばしているのが。
ひどく眩しく、俺を刺激する。

ぜんぶおまえが、悪いんだぜ。
白いハイソックスが、俺を誘惑したんだからな。
わざとそうやって、きりっとした装いで。
夕暮れ刻を、うろつくなんて。
さぁ、おじさんの言うことをよくお聞き。
これ以上騒いだら、ひっぱたいてやるからな。
よし、よし。いい子だ。大人しくなったね。
あとはおじさんに、まかせなさい。
お友だちよりもひと足早く、大人になろうね。
こともなげに奪ってやったキスが、女の子を完全に黙らせていた。

わざとむぞうさに突っ込んだ、スカートの奥。
花もようのパンツのゴムに、手をかけて。
少女の思惑なんか、関係なしに。
思い切りよく、引きずり降ろして。
引き下ろされるパンツが、真っ白なハイソックスのふくらはぎを通過するとき。
少女はちょっとだけ、もじもじとした。

ずぶ、ずぶ、ずぶ、ずぶ・・・
さすがに硬い、少女の身体を切り分けるように。
欲情に尖った肉棒で、冒してゆくと。
少女は痛みに頬ひきつらせ、それでも本能的に、男女の共同作業に応じてきた。
う、ふ、ふ、ふ。
わかっているじゃないか。きみもやっぱり、女だね。
さいごのひと押しを、俺はためらいもなく。
踏みにじるように、突き抜けさせた。

すまなかったね。でも、ありがとね。
お母さんに、謝りに行こうね。
せっかくだから、お礼も言いたいしね。
俺の言い草に、少女はどこまで納得したのか、
だまってパンツを脚に通していった。

通された玄関先。
くたびれちゃった。きょうの塾はやめにするわ。
少女は投げやりな口調で、ママにそう言い捨てると。
まっすぐ風呂場へと、向かっていった。
あっけにとられるママの前。
ずり落ちかけた真っ白なハイソックスに滴る血に、ママはハッと顔色を変える。
あなた、あなた!いったい娘に、なにをなすったんですっ!?

そんなにうろたえなさるなって。
俺はあんたにも、用事があったんだから。
取り乱すママは、小奇麗なブラウスにスカート姿。
娘さんと、いっしょだね。
気づいたときにはもう、じゅうたんの上に押し倒して、
肌色のストッキングをぱりぱりと引き裂いていた。

せめぎ合う、身体と身体。
服を通して感じ合う、肢体と肢体。
はぎ取ってやったブラウスの下は、大人のフェロモンが満開で。
熟したオーラに幻惑されるまま。
俺はキスを奪い、おっぱいを揉みほぐし、パンティまで引き裂いてしまっていた。
ずぶ、ずぶ、ずぶ、ずぶ。
娘さんよりか、慣れているね。
当たり前だけどw
俺のからかいに、さいしょのうちこそ歯を食いしばっていたママも。
少女がシャワーから上がるころには、もうすっかり奴隷になっていて。
あの子が着かえるまで、もう一度♪って。
おねだりするまでに、仲良くなっていた。

かよちゃん、おめでと。
おじ様に、大人にしてもらったんだってね。
よかったね。
今夜はお赤飯、炊いてあげるから。
晩御飯の用意ができるまで、おじ様のお相手なさっていらっしゃい。
エプロンをつけてそそくさとママが立ち去ると、
少女は俺をじいっと見た。
もう逃げられない・・・って、顔に描いてあった。
とうとう、お許しもらっちまったぜ。
さぁ、もういちど、愉しもうぜ。
おおっぴらに、できるから。
少女はとても、決まり悪そうに。
真っ白なハイソックスをひざ小僧まで引き伸ばしていった。
あたしはまだお嬢さんなのよって、言いたげにして。

だんな様、ご馳走さま。
あんたの留守宅、とんでもないことになっているぜ―――


あとがき
たまにお話を描いたとおもったら、こんなトンデモなのもを。^^;;;
良い子の皆さんは、決してまねをしないようにね。
(スルワケナイカ…)

ブログ拍手 その2

2009年10月03日(Sat) 23:17:21

うーむー。
けっきょくきょうは、57もの拍手をいただきました。(いま現在)
だんだんジャンルもカテゴリも、ヒロインの属性も、ばらばらになってきました。^^;
それが本来のありかた なのでしょうけれど。
なにかの自動入力で、拍手の主が人間ではなかった というセンだけは疑わないようにしたいところです。 笑
できればかんそうをいただけると、さらに嬉しいです。(^^)
ひと言でも結構ですので。。。
慾をかきすぎ かな?

ブログ拍手♪ 

2009年10月03日(Sat) 16:39:22

ちょっとまえに見たら、きょうは拍手が18も入っていました。
うちとしてはもしかしたら、最多かもしれません。
以前たてつづけに三ケタ入っていたことがあったのですが、
たぶんシステムのエラーだと思いますので。(^_^;)

今回のはたぶん、システムエラーや嵐ではないとおもいます。
というのは、かなり色のある傾向が読み取れたので。
そう。ほとんどが婚約者ものなのですね。^^
吸血鬼に狙われた婚約者が夜な夜ないけないお招きにあずかって、
それはウットリとなりながら、処女の生き血を吸い取られていって。
さいごに純潔までも、捧げてしまう。
彼氏のほうは、彼氏のほうで。
未来の花嫁が羞じらいながら汚されてゆくありさまを覗き見て。
いけない昂ぶりに目ざめてゆく・・・って、パターンです。^^
ゆがんでますよね? 笑

せっかくなので、拍手をいただいたなかからその一部をご紹介してみます。

「いんたびゅう 婚約者を捧げた男」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1365.html

これは、前作「婚約者を紹介した男」の続編です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1190.html
URL見ればわかるように、時期的にだいぶ隔たっていますが。
これは柏木夫人の由貴子さんの、夫が幼いころから慣れ親しんだ吸血鬼との出逢いの場面から処女喪失までを、夫へのインタビューという目線で描いたものです。
個人的な気に入りのくだりは、こちら。

    けっして悪いものではないのですよ。
    彼女を共有することで、彼との近い関係を実感しました。
    共犯者みたいな、奇妙な一体感を覚えましたね。
    彼女の血を通して、彼と特別なつながりができたみたいな・・・

ついでに前篇でのお気に入りはこちら。

    破けたストッキング、脱いじゃって。
    彼にあげても、かまわない?って、振り返られて。
    ああ、いいとも・・・って、言ったんですが。
    ほんとうは、履いていたストッキングを手渡すのって、深い意味があるのですよ。
     (略)
    ストッキングを咬み破られたまま、お宅を失礼したのです。
    見せびらかして、歩きたいわ・・・って、囁かれて。

ストッキング穿いたまま、脚を咬まれちゃって。
一足脱いで履き替えに脚を通したのですが、こんどは自分のほうから咬み破らせちゃって。
けっきょく二足、彼のために破らせちゃったんですね。^^

↑のお話のオリジナルにも、拍手をいただいています。
もしかすると拍手の主は、うちのブログをよほど読み込んでくださっている方かもしれません。
「初夜のあと」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-79.html

お気に入りのくだりは、こちら。

    「衝撃的・・・でしたっ。」
    語尾がちょっとだけ、悪戯っぽくはずんでいた。

未来の姑に夕べはどうだったの?って訊かれた時の応えです。

由貴子さんモノは、そこまでとして。
タイトル名を気に入っているのは、これです。

「黒いブーケ」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-257.html
吸血鬼が花嫁に花束を渡すのは、いただいた好意に対するお礼。
衆目の面前でおこなわれたその行為で、婚儀に参列したものはみな、花嫁の身に起こったことを察知します。

    義姉になったそのひとは、ウェディングドレスのすそをはねあげて、
    立ったままの姿勢で、目を瞑って。
    潔い処をむしり取られていったのだ。
    そのあいだ、ただひとりだけ同席を許された新郎は、ドレスの裾をかかげたまま。
    恋人が純潔を喪うさまを、網膜に灼きつけるようにして見守っていた。
    鍵穴からそれを覗いていたのは、新郎の弟である私だけ。

いけない覗き観を愉しんでしまった弟に、花嫁はささやかな復讐をします。
花嫁が手にした黒いブーケを受け取るのには、こういう意味があるのだから。

    見タデショウ?オ仕置キデスヨ。
    罰トシテ、貴方ハゴ自分ノオ嫁サンヲ、同ジ目ニ遭ワセナクッチャナラナクテヨ

・・・・・・。
どーします? 笑

「情夫もちの婚約者」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1367.html
ちょいとふしだら過ぎるたいとるですが。^^;

    以来男はいまでも、ひっそりと我が家の玄関に立つ。

さいごのここが、気に入りです。
作中描いた、祝言の席が未亡人の母親や姉夫婦まで巻き込んだ乱×パーティーに化けるくだりも、見逃せません。(自画自賛)

「嫁入り前の情事」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1419.html
これも、最後の一行が気に入りです。

    娼婦となったわたしの花嫁は、姓をわたしと同じに変える。

あとは想像、してみてくださいね。^^

ブログ拍手♪

2009年10月01日(Thu) 06:04:58

コメントはないのに、なぜか人気急上昇?
「東京レンタル妻 6 ジーンズを脱ぎ捨てて」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1489.html
最後のコメントが、よかったのかしらん。
いわく、

仲の良い悪友に、妻を堕とさせる―――。
面白すぎる賭け・・・ですよね?^^;

「お互いさま」な悪友たち友情に、まずは拍手。^^

なさぬ娘

2009年10月01日(Thu) 05:27:47

家族ぐるみで行き来をくり返した揚句。
妻はお隣のご主人の種をさずかっていて。
生まれた娘は母親似の、美しい娘に育っていた。
お隣の息子が、娘を見初めて。
いよいよ祝言間近となった夜。
息子の父親が、たずねてきた。
父子でおなじタイプの女が、好きになっちまったんだね。
かつての女たらしは、いまは白髪をちらほらさせていた。
人生の疲れが穏やかな澱のように積み重なって。
なにもかもが、許せるようになっていた。
だれもあの娘(ひと)を、犯せない―――
そう。
貴男は彼女の実の父。
花婿になる貴男の息子さんは、実の兄。
息子すらもが、母親が同じ兄妹だった。
このさい貴男に、頼むしかなさそうですね。
結局なさぬ仲の私が、おいしい当たりくじを引き当てていた。
娘が羞じらうように、自らの妊娠を告げたのは。
たっぷり愉しんでしまった数年後のことだった。


あとがき
久しぶりに、短時間で三つモノにしましたが。
質的にはいかがなものでしょうね。。。

伝染(うつ)る昂奮。

2009年10月01日(Thu) 05:21:28

近所に棲む吸血鬼に誘惑されて、妻が堕落をさせられて。
連絡を受けて迎え取った妻は、妙に昂奮していた。
つぎはあの子の番ね。
上の空で聞き流していた妻の囁きは。
すぐに彼女の協力のもと、現実になった。
ふたり連れだって出かけていった翌朝。
娘はひどくハイになって、帰宅してきた。
吸血鬼さんの、好みなんですよ。
母娘で申し合わせたように脚に通していった黒のストッキングは、
みるかげもないほど噛み破られむしり取られていた。

昂奮というものは、人に伝染(うつ)るものらしい。
妻や娘にお呼びがかかるとき。
なぜだかわたしまでもが、昂奮をおぼえるようになっていた。
ふたり、連れだって出かけてゆく後ろ姿。
きょうも薄々の黒のストッキングが、母娘の足許を染める。
こんど彼がきたときには、わたしも噛んでもらおうか?
薄々のストッキング地の紳士用ハイソックスを脚に通すようになってから。
来るたびいつもわたしを酔いつぶしていく侵入者は、
わたしのハイソックスにまで噛み痕を残すようになっている。

一族親和。

2009年10月01日(Thu) 05:15:41

やつが俺のお袋を犯したから、俺もやつのお袋を犯してやった。
やつが俺の姉貴を犯したから、俺はやつの妹を犯してやった。
やつが俺の女房を犯した翌年、やつが結婚をして。
一通の招待状が、俺のところに届いた。
「最愛の妻を、進呈します」
以来、一家は仲良くなった。

二十年後。
お坊ちゃんが結婚するというので、息子とふたり犯しに行く。
去年うちの息子が祝言を挙げたとき。
あちらの親子に花嫁を汚してもらう光景を、父子で愉しんでしまったから。