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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

幼馴染の婚約者

2010年02月28日(Sun) 22:12:38

容子がふたたび起き上がったときには、それまでとはべつの女になっていた。
この家に独り招かれるまでは、邸の主の幼なじみである貞沼銀次とこの秋に結婚するはずの、ごく平凡な都会育ちの OLにすぎなかった。
それがいまでは、未来の夫にたいして不貞の秘密をもった女になりかわっている。
ストッキングを剥ぎ堕とされたふくらはぎからつま先へとしたたりおちる血が、彼女の身体を忌まわしい嵐が通り抜けた証だった。
拒みつづけた細い腕の隙をついて忍び込まされた巧みなまさぐりが、
彼女の理性を浸蝕し突き崩していったひと刻ひと刻の記憶が、
屈辱や敗北感とは裏腹のものをもたらすのはなぜだろう?
身体のすみずみにまで染み込まされた悦楽という名の毒液が、いまの彼女にはたまらなく心地よい。
―――いい子だ。もうすこし、ゆっくりしていかないか?
男のいいなりになって、しかけた身づくろいの手をとめて。
釦を留め直したばかりのブラウスを、惜し気もなく剥ぎ取らせていった。

意地悪―――
見せつけられたビデオをまえに、女は甘えたように口を尖らせていた。
ほら、しっかり愉しんじゃっているじゃないか。
男は女の嫌う煙草の煙をわざとのように吹きかけている。
ビデオを撮られてしまったということが、女がこれからも男のいいなりにならなければならないことを意味しているということを、彼女はさすがに自覚していた。
けれども彼女には、そうなってしまったことがちっとも不愉快ではなかった。
結婚まで、半年もないわ。それまですこしでもよけいに、愉しむことにしましょうか・・・
女の態度を、男は気に入ったようだった。

あのビデオ、あいつに見せてやれよ―――
危険なそそのかしをくすぐったそうに受け流して、
女はスーツの裾をすこしだけ、思わせぶりにずらしてゆく。
まだもの馴れない女のぎごちないしぐさが、かえって男をそそりたてた。
肌色のストッキングの上をよぎる掌に力がこめられ、ぴりりとかすかな音をたてて女の礼節をむしり取る。
きちんとセットした髪型が乱れるのを、女はすこしもいとわなかった。

―――ビデオを見せてやれ。あいつも薄々、わかっているはずだから・・・
悪魔のような囁きに、女はかぶりをふり続ける。
けれども囁きの毒液は、彼女の心の奥深くにまで染み込んで、たえざる誘惑に引き寄せてゆく。

意地悪・・・
結構、愉しんじゃっているじゃないか。
いま彼女の傍らで恋人をやゆしているのは、未来の夫。
いけない情事をかいま見られて、
それでもしたたかになった女は、
昂りを覚えているのが自分だけではないのを知っている。

さきに結婚した男があとからの幼なじみの花嫁をいただいて教育する。
気が向いたときには、結婚してからもお呼びがかかる。
そんな夫の告白に、女は胸の疼きをこらえきれなくなっていた。


あとがき
今朝の9時すぎころにふと浮かんだお話です。^^

卒業式後の謝恩会には、白のハイソックスを履いていく。

2010年02月22日(Mon) 05:24:23

人間と吸血鬼がわけへだてなく交わる某村では、女の子がとても大切にされています。
吸血鬼たちが、処女の生き血を好むからです。
男の子も血の供給源としてもちろん大切にされるのですが、女の子と違って個人差があるようです。
吸血に応じることのできる男の子たちは目印に、学校に行くときに半ズボンに白のハイソックスを履いていきます。
どのクラスにも、そうした男の子たちが三~四人くらいいるのです。
喉の渇いた吸血鬼たちは学校に立ち寄ると職員室に来意を告げて、先生がたは自分の受け持ちのクラスでつごうのつく男の子を呼び寄せて相手をさせるのです。
吸血をする部位は主に首筋ですが、脚から血を吸うことを好むものも多いので、そうした男の子たちの多くは真っ白なハイソックスに紅いシミをつけたまま下校することになります。
そうしたことを好まないご家庭の息子さんは、血の痕が目だたないように黒や紺のハイソックスを履いて登校します。
とくに都会から転入したばかりのご家庭が多いようです。
やがて状況に慣れてきますと、ハイソックスの色がだんだんと薄くなっていって、空色やねずみ色、さいごに白一色になっていきます。

姉妹のいる男の子は特に大切にされますが、そうでない男の子も彼女ができると同等の待遇を受けることになっています。
理由はもちろん、おわかりですね?
きれいなお母さんのいる男の子でもの分かりの良い子の場合、お菓子やプレゼントと引き替えに仲良しになった小父さんを連れていっしょに帰宅することもあるようですから。

女の子たちは中学にあがる前後に、初めて血を吸われるようになります。
いちばん多い機会は、卒業式の謝恩会のあとです。
女の子から娘さんになる区切り目にあたる、というのがもっぱらの理由のようですが、
内実は晴れの式に来ていく小ぎれいな服装が、お目当てになるという事情も見え隠れしています。
仲良し同士数名がだれかの家に招かれて、パーティーを行なうのです。
母親たちはべつの集いに出席するために家をあけますが、もちろん宴の内容はお察しのとおりです。
こういう場合の慰労会は欠かせませんからね。^^
女の子たちの場合吸血は許されても、傷ものにすることはまだ許されません。
だから、どうしても性行為まで望む向きは、お母さんがたの集いに群れるようです。
わざわざ夫同伴で来るご家庭もあるので、そちらのほうもなかなか盛り上がるみたいですが。^^

女の子の集いのほうは、ケーキやお菓子、ジュースなど、女の子が好むものが並べられています。
夕方までは自由に騒いで良いことになっていますので、卒業を控えた女の子たちのあいだでは、だれとだれを誘ってだれの家に・・・と、話題に花が咲くようです。
たいがいの子はその時分から、親御さんたちにパーティーの目的を知らされているはずなのですが。
怖い目に遭うときほど、仲良しの子といっしょのほうがいいらしくって。
謝恩会後のパーティーで同席する女の子どうしは、ずっと仲良しでいるようです。
原則として服装は卒業式のときのままですが、ハイソックスは真新しいものに履き替えていくようです。
脚に噛みつきたがる彼らの習性を意識しているからでしょう。

吸血鬼の小父さまたちが部屋に入り込んでくると、女の子たちは色とりどりのスカートをひるがえして逃げまどいます。
だれがだれの血を吸うのか、事前に決められている場合も多いようです。
親御さんたちが、自分たちと縁の深い――たいがいはお母さんの血を吸っている――吸血鬼に、自分の娘を襲ってほしいと依頼をするのです。
パーティーが開かれる家はたいがい、女の子たちのなかでも頭だった子のお宅が多いようですが、そうした家では奥さんがご主人公認で吸血鬼の交際相手になっていたりします。
母親の生き血をおいしく頂戴する吸血鬼にとっては、たいがいお嬢さんの血も口に合うようなので、依頼相手としては理想の関係とされています。
依頼を受けた吸血鬼は、お目当ての女の子を追いかけて、部屋の隅や壁ぎわに追い詰めると、血を吸います。
嫌がる少女の二の腕を掴まえて、うなじをがぶり!とやってしまうケースが多いようです。
ブラウスの襟首を汚されてしまった子は、そのままちゅうちゅうとナマナマしい音を立てて血を吸われ、その場にへたり込んでしまうのです。

女の子が抵抗をやめて静かになると、ふらちな侵入者たちは少女たちのスカートの下を狙います。
うつ伏せになった発育の良いふくらはぎに、ハイソックスのうえから噛みついていきます。
噛み破る前にたっぷりとよだれをしみ込ませていくもの、ハイソックスのつま先を口に含んだりして意地きたないところを発揮するものもいるようです。
ひと足はやく、中学校の子弟のハイソックスを履いていって、校名のイニシャルの飾り文字に紅いシミをつけられてしまう子。
慣れ親しんだ運動部のユニフォームのハイソックスを履いていく子。
フリルつきのおしゃれなものを脚に通している子。
ストッキング地の真っ白なやつにピンク色の脛を透けさせている、おしゃれな子。
赤や紺色のひし型もようの並んだハイソックスの子は、きちんと折り返したゴムの部分よじれていくのを気にかけて、しきりに手をやって直そうとしていますし、
几帳面なこの家のお嬢さんは、失血のせいで寝そべりたくなるのをガマンして背筋をぴんとさせていて、
足許に唇を吸いつけられるたびにずり落ちそうになるハイソックスを、そのつど引っ張り上げようとしています。
ほほぅ、おしゃれだね。かわいいね。オトナっぽくてよく似合うね。
だから、たっぷり汚してあげようね。遠慮なく、イタズラさせてもらおうね。
そんなからかい文句を囁かれながら。
だれもが皆いちように、純白のナイロン生地を持ち主の紅いしずくで濡らしていくのです。
女の子のいるお宅ではどこでも、こんなふうに襲われて血を吸われる少女たちのきゃあきゃあというはしゃぎ声が絶えない夜となるのです。

履き替えられたほうのハイソックスは、きれいに洗濯されたあと、
後日改めて女の子が、自分の意思で選んだ相手にプレゼントします。
招かれる吸血鬼はたいがいひとりで、その女の子にとっては本命となる相手です。
そうした吸血鬼は多くの場合、その子に彼氏ができるまで交際することになるのです。
・・・彼氏ができてからも、交際をつづける場合が多いようですが。^^
親御さんたちからまな娘との交際を許された吸血鬼だけが、卒業式の席上女の子が脚に通していたハイソックスに噛みつくことができるのです。
吸血鬼の家と交際の深いお宅では、たいがい奥さんのストッキングを噛み破っている相手に娘のハイソックスまで噛ませてしまうようですが、
そうしたお宅ではしばしば、お父さんが半吸血鬼になっていることがあります。
最愛の妻や娘を差し出して血を吸わせる苦痛を和らげるために、わざとそんなふうにされてしまうのです。
奥さんから恩恵を受けている吸血鬼のなかには、卒業式のハイソックスを噛み破る役目をご主人にすすめる場合も少なからずあります。
妻を共有する親しい関係は、共犯者に似た感情をもたらすようです。
獲物にした母娘を山分けにするのだと、悪友と愉しげに語るご主人もいるようです。
女の子の側から、父親を相手に希望することもかなりあるようです。
いつも喉を渇かせているパパに噛ませてあげたい――本人がそう希望する場合には、父親がだれもりも優先的に娘を襲うことになっています。
もとより一家の隠微な秘密の部分がありますから、定かに知られることばかりではないのですが、知らない小父さまよりもパパのほうが安心、というお嬢さんもすくなくないといわれています。
深夜の勉強部屋で、お勉強を教えながらまな娘の足許に唇を近寄せていくとき。
口のなかではじける血潮の若さが、相手が実の娘であることさえ忘れさせてしまうこともあるようです。


あとがき
かなりろり?^^;
裸は一瞬たりとも、出てきませんが。(^^ゞ
てきとうに描きなぐりましたので、矛盾点があるかもしれません。
気がついたら、柏木に教えてくださいね。 笑

行事のときのきちんとした服装って、どういうわけか萌えますな。^^

暗喩。

2010年02月20日(Sat) 10:12:15

婉曲な表現が、そこはかとなくエロい。

だいぶ以前に、そんなおほめのことばをちょうだいしました。^^
想像力の豊かなかたほど、そうした微妙な表現をわかってくださるみたいです。

お嫁入りまえの女子が、花婿以外の男性と契ってしまう暗喩としては。

>花嫁修業
なんてのもありですし、
(「許婚を抱かれるとき」)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-692.html

>ボクが童貞のまま、淑恵さんは処女を卒業していた。
とか、
(「体験入村 2」)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1424.html
>少女の純潔に身をもって証しを立ててやる
なんて、こあな表現も。^^;
(「初夜権の残る街」)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1894.html

>お嫁さんを世話する
「花嫁たちの純潔」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1391.html
という表現は、とある愛読者のかたが見つけてくださいました。^^
これかなりな長文なのですが。このなかからよくぞと思いましたね。(^^)

ほかにも、そうですね・・・

振袖を脱がせる
とか。
スリップにバラ色のシミを滲ませる
とか。
納屋に連れ込まれて、藁まみれにされる
とか。

そこそこ思いつくものですな。^^
お話描けないすらんぷのときだって。^^;

初めは処女のごとく。おわりは・・・

2010年02月20日(Sat) 09:58:15

和朗と向かい合わせにティーカップをもてあそぶのは。
黒衣に身を包んだ、白髪の老人。
ただの老人でないことは。
振りみだされた長い白髪が、銀色の輝きを帯びていることでわかるのだけれど。
さすがに亭主のカンロクからか。
はたまた人がいいだけなのか。
和朗は動じるようすもなく、吸血鬼と知れた男と対座している。

なんだ。女房が小説描いているのも知らぬのか。
ぼそりと呟く吸血鬼は、むしろ感心したような語調を漂わせる。
―――じゃあもちろん、奥方が吸血鬼相手に春をひさいでいることも?
言いかけてさすがに呑み込んだひと言に、男はにまにまとほくそ笑む。
相手の笑いがなんのためなのか、和朗にはちっとも見当がつかなかったけれど。
ここは素直に・・・と思ったのか、まともな応えをかえしてゆく。
エエいつも、筆が乗らないってぼやくんですよ。って。

なかなか描き進めることができないのは。
思い切りが悪いせい?
生来引っ込み思案なのを、まだ引きずっている?
う~ん、女房のことって、意外にわからないものですね。。。
けれどもいつも、ぼやくんです。
第一章のまえに、プロローグがあるって。
へたをするとそのまた前に、序文があって。あいさつがあって。
場合によったら、べつのお話がそのお話のまえにあったりして。
きりがないじゃんって私言ったら、さすがにぷんぷんしていましたよ。

和朗の声色はどこまでものん気だったが。
やはりなにかあると察したらしい。
終始気遣わしげで、言葉の先でなにかを手探りしつづけている。
ウン、それでよい。
心のなかを見透かした言葉に。
へ?
真意を見抜けぬ素直すぎる男は、けげんそうに相手の表情を窺った。

なに。さっきの話じゃよ。
たとえとしては、これほど適切な表現もないものだな。
お国の古いことわざでは・・・ほれ、なんと申したか。
そうそう。「初めは処女の如く、おわりは脱兎のごとく」だったかの?
いやそれは、中国の古い昔話で。・・・って言いかけた言葉を、和朗は呑み込むはめになる。
さいしょはだれしも、ためらうものだから。

第一章のまえに、プロローグがあるのじゃろう?
そのひとつまえに、序文やあいさつがあるのじゃろう?
へたをするとさらにそのまえに、べつの話があるというのだな?
わしの前には、柏木がおる。
やつとはやつが子供のころからの、つき合いで。
母親も花嫁も・・・そう、美味じゃった。
奥さんが柏木と”あいさつ”をして。
そのまえにメールという名の”序文”があって。
あれはたいそう、長々としたものだったな。
そのひとつまえの話は・・・そう、やつの女房をわしがモノにしたなどというような、粗忽な話ではないはず。
奥さんが描いている小説。まさか吸血鬼ものの話ではあるまいな?

どうやら妻の描くものをいちども目にしたことのないらしい男は、
それでもお人よしな想像力の限りを尽くして。
彼のまえに、柏木という男がいて、その前に吸血鬼話があって・・・
指折り数えるように、想像を突き進めていって。
逆に観ていけば、吸血鬼小説があって、メールのやり取りがあって、出逢いがあって。
それから。それから・・・
どうやら理恵は、輪姦されるらしい。
推理のすえにたどり着いた結論に、そんな危険を察知する。
さすがに一瞬凍りついたようにみえた頬が、
やれやれ・・・と言いたげにふたたびゆとりを取り戻したのは。
隣の部屋の気配から。

ああっ・・・うんうんっ。
声の主の妻が、隣室でなにをされているのかは、さすがに成人男子とあれば察しがつこうもの。
浮足立ったご亭主殿を後ろから支えたのは、白髪鬼の意外に力のつよい掌。
観るものではない。
なに、奥方が脚に通されているストッキングに、ちょいと執着しているだけさ。
黒の薄々が、好みらしいて・・・
ストッキングを破らせてやるくらい、そもじの立場なら痛くもかゆくもなかろうて。
寛大に、振る舞われよ。あくまで寛大に・・・の?

いやぁ、なかなか・・・
和朗は照れくさそうに頭を掻いて。言ったものだ。
だって、第一章のまえの話は詳しくしてくれたけど。
第二章やクライマックスがあるのを、あなたわざと話していませんね?
いったん筆が乗りはじめると。
理恵はとめどがなくなるんです。
めくるめく展開だって、柏木氏も言っておりましたよ。
ほんとうにスリリングで、刺激的で、うならせるような展開だって。
ほんとうに・・・ほんとうに・・・そうなんですか?

見せつける、ということは。
観て愉しむことができる・・・って、われらが見込んだゆえのこと。
そう、ご納得していただけまいか?
寛大に振舞うことに決めた夫は、さっそく寛大なフルマイをみせ始めてゆく。
嗅がせた媚薬は、あとの記憶を奪うはず。
けれどもその刻に灼きつけられたコアだけは、
脳裏の奥深く無意識に植えつけられてしまうだろう。
そう、吸血鬼がほんらい、犠牲者の首すじに残すはずの淫らな”痕”を。
われらは記憶にならない記憶として、置き土産にしていくのだから。

さてそろそろ、わしの出番じゃな?
お前はそのままここで、紅茶を啜っておるがよい。
わしは入れ代わりに、所帯持ちのよろしいこの家の主婦の生き血を、啜ろうほどに。
気になるのなら、覗いてもよいのだぞ。
そのほうがいっそ、激しくそそられそうじゃから。
けれども絶対に、なにも知らないふりをし通すのじゃぞ。
それが奥方に対する、礼儀というものじゃからの。
なに。そもじへの礼儀・・・?
そうそう、それは今もっとも重んじられなければならんのぅ。
奥方をすみからすみまで味わい辱め尽くすこと。
それが、われらが貴殿に捧げる礼儀というものであろうから。
ご納得いただけたなら、さ、さ、素知らぬふりで、お席について。

白髪鬼はまず柏木の血をちゅーっと吸い取って、かたわらに転がすと。
こんどは理恵の首筋に、牙を迫らせる。
うぅううぅぅぅん・・・っ!
のけぞったのは、理恵ばかりではないらしい。
主人が気絶しているあいだ、着かえるわ。
貴男に、ご馳走するために。
エエ、お洋服も、ご馳走の一部ですからね。
自由に汚してもらって、構わないのですよ。
でも何を着るのかは、貴男決めてくださる?
若いころ着ていた、黄色のスーツと。
いまでも歌舞伎や結婚式のときに着ていく、濃い紫のやつと。
どちらのほうが、映えるかしら?あたしの血。
自分で服選ぶと、時間かかりますからね。
はやく決めないと、和朗起きてしまいますからね。。。


あとがき

さいしょはおずおず、でもノッてきたらどこまでも大胆にっていうのが、主婦の奥ゆかしさですよね?^^

村の婚礼・親族其の二 ~脱ぎ替える女たち~

2010年02月09日(Tue) 08:06:50

姪の結婚式ということで、あの村に赴いたものです。
みな様のお話うかがっておりますと、うちの家族構成もおいしかったのでしょうね。彼らとしては。
当時42歳の妻と14になる娘を連れて行きましたから・・・
そう。
十数年連れ添った愛妻の貞操に加えて、年ごろになったばかりの娘の純潔まで、
当家は生贄にしてしまったのです。

お話を伺ったのが、婚礼当日の前夜でして。
教えてくださったのは、たまたま投宿したお宅のおかみさんからでした。
ことを荒だててはいけないというのですよ。
なにしろ、女の子の結婚式ですからね。
そうはいいましても、わたしども夫婦にも娘がおります。
まだ年端もいかない娘をきずものにされるのはって、言い募ったものです。
けれども先に折れたのが、家内のほうでした。
世間の評判を気にするのなら、ひと晩のことだから黙っていましょうって。
そういうものか・・・と折れたようすを取り繕ったわたしでしたが。
その家のご主人には、見抜かれてしまっていましたね。
あんた、見たいんだろ?奥さんもだえちまっているところ。
反射的に頷いてしまいましたが、却ってそれで打ち解けてくれたらしく。
徳利をまわしてきました。
あの地酒。いまにしておもうと、毒が入っていたのでしょうね。
苦痛を和らげて、快楽にしてしまうような。

当日はもう、大変でした。
家内はいつの間にか、わたしの隣の席を離れて、
気がついたときにはあちらの和室に連れて行かれるところでした。
あわててあとをついていくと、だれかに羽交い絞めにされまして。
あのお宅の、ご主人でした。
わしもあんたの女房には執心なのだよって。
さきに相手をしたのは、その男の弟だということでした。
あいつ、火ぃつけるの巧いからな。うちのやつも何度やられたことかって。
えっ?とふり返ると。
大事なところだから、よーく見ておくんだぜ?って。
顔の向きを変えられましたっけ。
家内はわたしの前、黒一色のスーツを脱がされて行きまして。
いよいよブラウスを・・・・というときには、泣きそうな顔をしてわたしのほうに目線を送ってきました。
ほんとうは、来てほしくなかったらしいのですよ。
恥ずかしいところ見られちゃうわけですから。
けれどももう、わたしのほうもあそこがびんびん・・・
たちまちブラウスをはぎ取られ、おっぱいをさらけ出されてゆく家内の前、目のやり場に困ったものでした。

黒のストッキングびりびり破かれながら、家内は犯されてゆきました。
一度めは厭々だったのが。二度目には耽るように顔つきをゆるめていって、
三回犯されたときにはもう、腰を使っていましたっけ。
そういうこと、仰らないで!って、いまでも憤慨するのですが・・・
恥ずかしいことに、ちびってしまっていたわたしです。
つぎが、宿の主の番でした。
髪の毛掴まえて、グイッとおとがい仰のけて。
噛みつくように、肩先に唇這わせて。
そのままなぞるように、うなじから、胸元から、乳首にいたるまで、舐めくりまわされてしまいました。
弟さんよりも相性がよさそうだな・・・と感じたときには、すでに四回、犯されていました。

ハッと気付いたのは、そのときのことでした。
娘の身にも同じ危機が迫っているのだと、うかつにもそのとき気がついたのです。
娘にゃ手を出さない・・・たしかにそういわれましたけど。
場の雰囲気はそんな約束事などとおるはずもないようすでしたから。
あわてて引き返してみると、大広間には、あそこにはひとり、こちらにもひとりと、
二十畳くらいもある部屋のあちこちで、凌辱の場が繰り広げられていたのです。
思わずつまずきそうになってまたいだのが、和装を乱された兄嫁だったりしました。
娘は?と見まわすと、部屋の隅っこでべそをかかされていました。
かわいそうに、制服を脱がされて、
肩から二の腕、まだ隆起の薄いおっぱいと、すべてをまる出しにさらけ出しながら・・・
それでもスカートはまだ身に着けていて、白のハイソックスも履いていました。
すこし、ずり落ちかかっていて。そのうえ、紅いしたたりを滲ませていました。
パンティはとっくの昔に引きずり降ろされてしまったらしく、
スカート履いたままのけぞって、ずんずんと衝き込まれるたびに、相手の男と腰をひとつに動かしていたのです。

ああ・・・きず物にされちまった・・・
そんなふうにおもっていると。
さっきまで家内を犯していた宿の主が肩を叩いてきました。
おめでとう。よかったな。って。
さぁ、父さんに引導を渡しておもらい。
主はおもむろにそういって、相手と身を放したばかりの娘の肩を掴まえると、
いつのまにか父娘身体を合わさせられていたのです。
気づいたときにはもう、止めることができなくなっていました。
娘もまた、べそを掻き掻き、覚えたばかりの腰使いで、身体を擦り合わせてきまして。
父親相手に身体をはずませていったのでした。

だれかが目のまえにぶらん、と、なにかを垂れ下げてきました。
よくみると、白いハイソックスでした。
いま履いているの以上に、赤いしたたりが色濃く滲んでいます。
こいつが、さいしょに履いていたほう。いただくぜ?
五十がらみのその男は、ひどく得意げににんまり笑うと、
娘の履いていたハイソックスをポケットにしまいこんでしまいます。
婚礼の席で処女をなくすなんて、あんたの娘っこは幸せもんだねって、邪気のない語調でそういったのです。
いま娘の履いているのは、三足目ということでした。
相手をした男衆で、気に入りのやつには、ハイソックスを脱いでくれるんだよ。
主が家内の黒のストッキングにつづいて、娘のスクールハイソックスまで脱がせてしまったのは、いうまでもありませんでした。

家内はすでに、三人めのお相手をしていたのでしょう。
黒のストッキングも三足めだったのかも知れません。
きっと、黒の替えが尽きてしまったのでしょう。
つぎにようすを観に戻ったときには、肌色のストッキングになっていました。
もう、すっかり、のりのりになってしまっていて、
わざと脚をくねらせて、ストッキングを剥ぎ取らせてやっているところでした。
まるで座興のゲームでも、愉しむみたいにして。
わざわざ行為の最中に、相手を替えるごとに靴下を脱ぎ替えていった女たち。
明らかに、婚礼の席を満喫していたのでした。
もちろん、観て昂っていた夫のわたしを含め、誰もかれも。

村の婚礼  太い脚 ~親族其の一の場合~

2010年02月09日(Tue) 06:46:32

ええ、わたしと家内が参加したのは、甥っこの結婚式でした。
辺鄙な片田舎での婚礼だったので、ちょっとびっくりしたのですが。
御当地で知り合ったお嬢さんでは、なかったらしいのですよ。
たまたま任地として赴いた土地が気に入ったということで。
こちらはいいのですが、あちらのご両親がよく納得してくれたなって感じですかね。
親族なんて、外野ですから、無責任な感想は持っても、あまり当人同士のことなど気にとめないものですからね。

ええ・・・
村に入った時から、こう、変な雰囲気は感じました。
わたしども都会の者たちが村の人たちとすれ違うと、
通りかかった村の人たちは、今どきの都会では考えられないほど礼儀正しく慇懃な挨拶をしてくるのですが。
とくに男衆が妻を見る目つきが、なんとなくいやらしいのです。
相当ご年配の男性でも、
総白髪の頭を慇懃に垂れながら、ストッキングを穿いた家内の脚を見、
面をあげると、上目遣いにこっそりと家内の顔を窺うのです。

ええ、ええ、ええ。
いまにしておもえば、あれ品定めだったのでしょうね。
時ならぬ婚礼の客に、都会の女がよりどりみどりというわけです。
痩せた女。太っちょな女。
おっぱいのでかい女。貧乳の女。
着物姿の女。洋装の女。
うちの家内ですか。
脚の太い女。でしょうか。 苦笑
ええ。着やせするたちなので、そう見苦しいほどではないのですが。
脚がこう、太くってね。
ふくらはぎなんか、もっちりと肉がついているんですよ。
黒のストッキングが好みで、よく履いていたのですが。
薄手のナイロンが微妙な濃淡を作って、迫力のある脚の線を縁取っているのは。
太めが嫌でないひとには、応えられないながめだったでしょうな。
まして田舎では、健康体の太り肉の女のほうが好まれるみたいですね。

連中にも好みがあるでしょうし、いろんな目線がいろんな女たちに、あてられるのです。
なにじろじろ見てるの?って怪訝そうだった家内も。
婚礼の晩には、燃えていましたね。
黒のストッキング履いたまま。
太い脚、おっ広げて。
ひーひー言わされていたんです。
まくりあげられた礼服のスカートの奥から、
太ももまでのストッキングのゴムまで、丸見えにさせて。
めいっぱい、大股を開かされた格好で、
身動きもできないほど、部屋の隅っこに追い詰められて。
ずっこん、ずっこん、衝き込まれるたびに。
太い脚をそれはいやらしく、くねらせるんですよ。
家内を嫁にもらって以来、あの太い脚があれほど美味しそうに映ったことは、ありませんでしたね。
ええ、わたしですか?
場の雰囲気に、気圧されるようにして。
妻の身体から引き抜かれたペ○スを、拭いてやっていましたっけ。(^^ゞ

なん本、拭かされたっけな。 苦笑
そのうちに家内を本命だと気に入ってくれた男衆が、女房と本気でいちゃいちゃし始めましてね。
家内もそのときには、太ももまでの黒ストッキング一枚にひん剥かれてしまっていて、
もう、小娘みたいにはしゃぎながら。
まる出しにしたおっぱいをたぷんたぷんと揺らしながら、乳繰り合っていやがるんです。
そしたら、べつの男衆がね。
おかみさん、いい身体してるな。
あんたも気前が、いいんだな。
お礼に、だんなにももてなしがあるからってぶっきら棒に言ってくれまして。
目のやり場のないわたしのことを、連れ出してくれたんです。
婚礼の母屋からちょっと離れた男の家には、婚礼帰りの奥さんが、まだ都会ふうのスーツ姿でひかえていまして。
朝までここにいな。あとで迎えにくるから。って、言い残して。
ご主人だけひとり、姿を消していきました。
あとのこと?まぁ、いいじゃないですか。 笑

それから一週間婚礼がつづいて、家内は残るって言い張ったんですが。
無理に連れ帰りました。気に入りの男衆つきで。(^^ゞ
帰京してからすぐの一週間、わたしは出張。男衆は留守宅の主婦を独り占めです。
え?出張のタイミング良すぎますって?
そりゃそうですよ。
隣家が実家になっていまして。そこが出張先でしたから。
未亡人していたお袋を頂戴されたときだけ、帰宅していたのでした。
なにしろ、手の早い男でして。(^^ゞ
たまには奥さんの顔みたいだろって、気を利かせてくれたつもりなんでしょう。彼なりに。
ええ、もっとも。
ほんとうは家内が抱かれるのみたさに、たまーに”出張先”から帰宅していたのですがネ。^^


あとがき
先日の”村の婚礼”のつづきです。^^

ブログ拍手♪

2010年02月07日(Sun) 05:20:08

真夜中に、ひさしぶりの拍手を頂戴しました。^^
「重ね履き。^^」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1968.html

こういうタイプのコアなやつにコメや拍手が入ると、どういうわけかむしょうに嬉しいのです。^^

あー、今朝は珍しくブログ拍手の記事よりお話のほうが先に立ったな。
柏木はお話を描きたくなると、発作的に起きあがってキー叩いています。
ふだんやメールチェックしてコメや拍手チェックして・・・なのですが。
お話描いているから生きてるはずなのに、送ったメール無視されたー!なんて思われちゃったら、さびしいですから。
ですんでふだんは↑のような優先順位でいくんですが、たまにひっくり返ってしまうのです。
朝の限られた時間でのあっぷですから、時間がなくなるとお話だけ描いて心を残して出勤・・・ということも。
ですんでどうか、お話があっぷされててメールの返事が無くてもしばしのあいだお時間くださいね♪
そういうときのメールは、ゆっくり愉しみながらご返事したいものなので。^^

あ、↑これ。だれかへの私信というわけではないです。 笑

ずいぶんめかしこんだものだね。

2010年02月07日(Sun) 05:09:08

ずいぶんめかしこんだものだね。
ブラックフォーマルを装う自分の妻を見て、そういう感想を述べる亭主は少ないだろう。
ボウタイつきのブラウス、すそに薄っすらとした光沢の入ったプリーツスカート。
しゃれたデザインをいっさいの漆黒に塗り込めた、妻の装い。
しいて言えば、舶来もののストッキングだけは、値の張ったもののはず。
淡い光沢を帯びた薄墨色のナイロンは、こういう例服には似つかわしくないつややかな光沢に彩られていた。

ずいぶんめかしこんだんだな。
ふつうに学校に着ていく制服姿の娘。
いまどきの娘らしく、ひざ上15センチのスカートに、
太ももまで伸ばされた黒のオーバーニーソックス。
ふだんのやつよりも少ぉし薄っすらとした生地は、
しなやかな肉づきの脛を蒼白く透き通らせている。

ずいぶんめかしこんだようだね。
たしかに息子のイデタチは、ほかの二人以上に変わっていた。
濃紺のブレザーに白のブラウスは良いとして、
濃紺のハーフパンツの下むき出しになった脛は。
ひざ下ぴっちりの薄手のハイソックスに包まれている。
いろいろ試してみたけど、パパのやつがいちばん光沢ありありなんだよね?
息子は共犯者の目で、イタズラっぽく父親を睨む。

三人が三人とも、首のつけ根に噛み痕を浮かせている。
どの首筋にも等間隔、ふたつ綺麗に並んだ痕に、吸い残された血をてらてら光らせて。
まだ人肌の輝きを宿している妻子とちがって、父親の横顔は鉛色。
母さんの家の血は、おいしいようだね。
それを目当てに、父さんを仲間に引き込んだらしいんだ。
そう・・・でもあとから父さんも、参加するんだろ?
息子の言い草は、的を射ている。
父さんだっていいことなかったら、こういう仲間には加わらないものね。
あんまり遅れてきたら、ボクのハイソックス噛み痕だらけになっちゃうよ。
もっともそうなったころには。ママの履き替えを借りているかも・・・ね。^^
そのほうがパパも、愉しめるんじゃないかな?^^

村の婚礼 ~新婦の両親の立場~

2010年02月05日(Fri) 07:47:57

お嬢さんをあの村に、嫁入りさせたんですね?
もしかして婚礼の晩、奥さんまでお嫁入りさせる羽目に遭いませんでしたか?
ほら、やっぱり。^^
いえいえ、うちもですから・・・お互い様ですな。
婚礼のまえの晩、盛装してくるようにって、呼び出されまして。
エエ、先方のお宅に ですな。
その場で嫁を、望まれたんです。
お嬢さまに率先して、お母さまが手本を見せなければならないと。
とても断れる雰囲気じゃなかったのと。
あのときの地酒、きっと毒が入っていたのでしょう。
どういうわけかすらすらと、異存はございませんって言いきっちゃったのですよ。
嫁も嫁で、ここまできて娘の幸せを壊すわけにはいかないとか、殊勝なことを口にしましてね。

居合わせたのは村の衆おおぜいだったのですが。
わたしども夫婦が承諾をすると、口々にお祝いを述べられて。
あっという間に皆さん、引き取って行かれました。
お相手をつとめるのは、新郎のお父さん。
それと、わたしども夫婦の三人だけ、後に残りまして。
ええ、新郎のお母様も、席を外されました。
あとでうかがったところだと、宴会に招かれていて。
お父さんの側の親族相手に、嫁とおなじようなあしらいをされていたそうですが。

ええ。
その場で黒留袖を、脱がされましてね。
留袖の広がった周囲には、夫はいてはいけないことになっているのです。
気分的にしんどいようなら、隣の部屋で待っているようにっていわれたので。
二人だけにしてやりました。
嫁もさすがに、わたしに見られながら姦られるのは、気が進まないようだったので。
声?聞こえましたよ。もう、あそこがびんびんです。
覗きたい気もありましたが、ちょっと怖くてふすまに手をかけられませんでした。
あとで伺うと、覗けるようにふすまは細めに開いていたそうですが。
そんなことに気がつくゆとりなんて、もうありません。
正座して座っているのが、精いっぱいでした。

嫁のうめき声が絶えて、しばらく経って。
もうよろしいですよって言われました。
さいごまで言われた通り、ずっと正座をして待っていたものですから、
ほんとうにお行儀いいんですねって、かえってびっくりされたんですよ。
ご苦労様でした。
今夜のところはこれで、お引き取りください。
明日が本番ですから、今夜はほどほどになさるとよろしいですよ。って。
妻は白い長襦袢を身に着けていましたが、黒留袖はまだ、部屋の隅にきちんとたたまれていました。
終始うつむいていましたが、男の説明にわたしが穏やかに応えると、少しほっとしたようすでした。

なにしろ着物姿でしたからね。あと始末が、ちょっと大変でした。
妻は着付けの心得がないものですから。
男二人で、着せかけてやりましたっけ。
帯の結びかたがわからなくって、往生しましたが。
お相手の男性がそこそこくわしくて、まぁなんとか形になった結い方をしてくれました。
着付けの心得はなくっても、よほど脱がせなれた人なんでしょうな。
あとからこっそり、囁かれましたっけ。
奥さん、ご主人以外の男の人初めてだったみたいですね。
おかげでいい想い、させてもらいました。って。
やっぱりああいうときは、ほめてもらえたほうがいいもんですな。
うちで御馳走食べてってもらうときだって「おいしかった」って言われたほうが嬉しいじゃないですか。

着物の帯は、たまたま居合わせた義姉に直してもらって、
おかげで恥をかかせずに、すみました。
こんなときには目を外すのは、不謹慎ですよって義姉に叱られました。(^^ゞ
夫婦で○。○○していたって思われたみたいですね。
あと、この村の人たちわたしたちを見る目がなんだかいやらしいってこぼしていました。
そりゃそうですよ。
ほかならぬその義姉も、つぎの日の婚礼の晩に、兄貴のまえで姦られちゃったんですから。
こういうときでもやっぱり、もだえるものなんだな。
隣同士にしつらえられた「犯され部屋」のまえ。
兄貴とふたり、そんな言葉交わして、それから頭掻きながら。
こと果てたあとの和室に入って行って、それぞれの嫁を介抱したものでした。

村を出るころにはみんな、慣れっこになっちゃって。
なにしろあちらの婚礼は、一週間続くのです。
そのあいだに新郎のご両親とも夫婦交換しましたし、新郎の妹さんともさせてもらいました。
ええ、それなりに。
男の側にも、いいことはあるものですよ。^^
嫁は義姉とふたり、わたしと兄貴もいっしょの車のなかで、
馴染みになった村の男衆の数自慢をしていましたっけ。
運転していても気が散って、どうしようもありませんでした。 笑
家まで車だったので、女ふたりは男衆の手で破かれたストッキングをそのまま履いていましたが。
いまでも記念に、とってあるんですよ。


あとがき
話しかけらているもういっぽうの新婦の父親気分になって、だれかつづきを描いてみるかたいらっしゃいませんか?
いませんよね? ^^

かえり道  妹のとき、恋人のとき、娘の場合。

2010年02月05日(Fri) 06:28:25

村はずれにある吸血鬼の小父さんのお邸へ。
初めて妹を連れだした日。
セーラー服姿の妹は。
濃紺のプリーツスカートの下、
いつも学校に履いて行く黒のストッキングを装っていた。
小父さまに愉しませちゃうんだよねって、いいながら。
羞ずかしそうに見おろす足許は、
いつものやつより濃い墨色におおわれていた。

かえり道。
汗臭くなかったかしら?
むしろ小父さんの心証に気を遣いながら。
たどる家路、歩みを進める足許は。
噛まれた痕の、鮮やかな裂け目がなまめかしかった。

都会育ちの未来の花嫁を。
幼いころからなついていたという小父さんに逢わせるときは。
純白のスーツに、肌色のストッキング。
その昔母さんが父さんに連れられて、
小父さんのお邸にお泊まりに出かけたときと同じ色。
けれどもそこは、いま風の子らしく。
洗練され抜いた、てかてかとした艶をよぎらせていた。

かえり道。
時折ハンカチで目じりを拭いながら。
それでもギュッと、一緒に歩くわたしの手を握り締めてくれていた。
肌色だけど、目だつよね?って。
足許をよぎるストッキングの伝線を気にかけながら。
すれ違う人たちがさりげなくよぎらせる視線のことを、
もっと気にかけていた。

いつもは白のハイソックスだけど。
叔母さんのときも。ママの時も。ストッキングだったんだよね?
あたしも黒のストッキング、履いて行こうかな♪
すっかり少女らしくなったまな娘は。
妹とおなじ制服に身を包んでいて。
三本の白線が走る濃紺の襟首に囲まれたおとがいを。
無邪気な笑みに、花咲かせていた。

痛かった~。は、恥ずかしいぃぃっ。
手にしたハンカチを、時折頬に持って行きながら。
わたしの掌をギュッとつかまえつづけた娘は。
スカートの奥まで這い込んだ黒のナイロンのほつれを気にかけていた。
欲望のままに噛まれた痕は、素足の白さをあからさまなまでに露出させている。
うぅん、なにもいわないで。
あたしの血が美味しかったっていうんだら、もうそれでじゅうぶんなんだから。

妹も、妻も。そして、娘のときでさえ。
じりじりとしながら廊下で待ちわびる、ひと刻。ふた刻。
けれども三人が三人とも、能面みたいに表情を消していて。
なにもかなったように身づくろいを済ませているのに。
足許を彩る薄い靴下だけは、替えることを許されなかった。

お召しもののまま、襲って。スカートの下を、いたぶって。
ストッキングを噛み破って、足許から生き血を吸って。
皆さん履き替えを一足は、用意してくるようだね。
けれどもその履き替えをすら、わたしは見逃さないのだよ。
手許に残した、さいしょの一足を見せびらかされながら、
なんどおなじ話を、聞かされたことだろう。

お兄ちゃん、今日も行こ。
あなた・・・つきあってくださる?
パパ~!遅れちゃうよ・・・
三人三様、声色はちがっても。
あくる日むしろ愉しげに、わたしに連れだしてもらいたがった女たち。

はじめの日より薄めの黒ストッキングに脚を通して、
薄過ぎるかなぁ。いやらしいかなぁ。って、戸惑っていた妹。
やっぱり、光沢のあるやつのほうがいいみたい。
きのう持ち合わせていた、地味な二足目よりも。
さいしょに穿いて行ったもののほうが、舐め方がしつこかったと。
ひっそり笑う、未来の花嫁。
小父さんと約束したんだ。きょうは白のハイソックス履いてってあげるからって。
白だと血の色が、よけい目だっちゃうかもー。
噛まれる前とまったく変わらない、開けっ広げに無邪気な娘。

儀式を乗り越えた女たちは。
いとも嬉しげにわたしの手を取って、
軽い揶揄と感謝のまなざしを、くすぐったそうに送って来る。

会長室 2

2010年02月04日(Thu) 08:09:14

ああ、すまない―――
打ち合わせのさいちゅう、会長はいらだたしげに、かぶりを振りました。
そういうときは決まって、考えがまとまらないときなのです。
―――気分転換がしたくなった、房代を呼んでくれないか?
妻の名前をわたしのまえで口にするとき、会長はいつも呼び捨てにします。
自分の女にしているのだから・・・と、夫であるわたしのまえでも時折そうして誇示したくなるようです。
会長室の受話器をとったわたしが秘書室に控える妻に連絡を取ったのは、いうまでもありません。

―――失礼、しょうしょうお時間をいただくよ。
―――きみはしばらく、さがっていていい。いや、まてよ・・・ほかのやつの顔を見たくないから、しばらくそこで待っていていただけませんか?
わたしを軽んじているわけではなということを、さりげなく語尾に滲ませて。
それでも妻を犯しているさいちゅうに夫のわたしを隣室に置くという横暴なこともまた、さりげなくし遂げてしまうのです。

どれほどのあいだ、懊悩の時間が過ぎたことか・・・
―――失礼。おかげですっきりした。
妻の肩に手をかけて現れた会長は、手にした茶封筒を突きつけます。
―――規則通りだよ。
『服装に破損・汚損を生じた場合には、応分の補償を支給する』
会社の社則が、頭をよぎります。
「いえ、これは」
わたしはとっさに、茶封筒を押し返していました。
お給料なら、じゅうぶんすぎるほどいただいていますし。
こうしたことは、お金が欲しくてしていることではありませんから。
―――無償の好意、というほうが、たしかに貴いものだね。
会長はむしろわたしに敬意を表しました。
妻の脚に接吻を加えることで。
妻の穿いている黒のストッキングには、鮮やかな裂け目がカーブを描いています。
奥さんにはこのまま、履き換えないで執務してもらい、きみといっしょに帰宅していただこうね。
裂けたストッキングのまま街を歩くのは、とても愉しいことだろうから。

口許に滲ませた揶揄に、わたしは照れくさそうな笑みを返して。
そのままなにごともなかったように、オフィスに戻るのでした。


あとがき
ひとつ描いた後の余力で次のを描くと、もっとうまく行く場合と残り香で終わる場合とありますね。
このお話がどちら、とまでは呟きませんが。 笑

会長室

2010年02月04日(Thu) 07:41:22

コートの襟を寒そうに立て、とぼとぼと帰宅してきた夫をみて、房代はまたかと思った。
以前の会社が左前になって人員整理にひっかかり、収入の途が絶えてから何カ月になるだろう。
きょうも有望な求人があったといっては、出かけて行った夫。

年齢・学歴・経歴不問!家庭教師派遣から学校設立までの有望な教育事業。

確か、そんな触れ込みだったとおもう。
こんどの理由は年齢だろうか。学歴だろうか。それともほかの条件?
「いや、学歴は申し分ないっていわれたんだ」
「年齢も不問だっていうんだ。三十代でも四十代でも、それなりの役目があるからって」
「うん。勤務地もいまの家からでも良いし地方にでるときにはちゃんと社宅もあてがわれるって」
だったあなた―――
どうして落ちたの?という禁句を、とうとう房代は口にしてしまう。
さすがに面相を変えた夫との険悪な展開を想像したのに、夫は意外にもひどく気まり悪げに、言いにくそうにしていた。
「先方に断られたんじゃなくて・・・じつはわたしのほうから辞退してきたんだ」
「たったひとつの条件がね。どうしてもぞっとしなかった」
辞退ですって?条件ですって?
いったいこの人は、なにを言っているのだろう?
わずかな蓄えは、いよいよ今月で尽きようとしているのに。
けれども夫の口にする「条件」に、さすがの房代も言葉を失った。
「会社のオーナーがね、特殊な嗜好の持ち主で・・・人の生き血を欲しがるというんだ」
「採用のあかつきには、わたしはもちろん、妻のきみも、会長に血を吸われることになるっていうんだ。場合によっては、子供たちまで・・・」
「血を吸う量は微量だから、生命まで奪られる危険はないっていうんだけど・・・女性の場合、なりゆきでセックスのサービスもありだって・・・」
たしかに、こんどは房代が黙る番だった。
けれども房代が黙ったのは、ほんの一瞬だったのだ。
仕方ないじゃない。そういうところしかないのなら。
ともかく採用してくれて、高給優遇なんでしょ?
要求される事項が特殊で守秘義務もあるぶん、提示された月給は予想を超えた破格のものだった。
え・・・?じゃあお前。
ええいいわよ。あなただっておなじ経験するんだし。血が欲しいっていうのなら、私も相手しますから。
まぁ、子供たちのことは・・・あとで考えましょう。

つぎの面接は、夫人同伴ということだった。
奥さんを説得できた受験者だけが、その最終面接に赴くことができるのだった。
夫人同伴ということは、いよいよ夫婦ながら供血行為に応じるということを意味していた。
ひさしぶりにドレスアップして、メイクもばっちりな妻を見て、夫はすこしあきれたような顔をした。
「血を吸われに行くんだぜ?きみ、怖くはないの?」
まるでもう血を吸い尽くされてしまったみたいに顔色を蒼ざめさせている夫とは正反対に、
房代は若返ったような生気を活き活きと漂わせている。
ええ、だって。ここに書いてあるじゃない。
―――奥様同伴のさい、清楚でできるだけ上品な装いでお越しください。
―――洋装であればスーツやワンピースなど、和装であれば留袖等を奨励します。
―――洋装の場合には、ストッキングを必ず着用するようにしてください。
―――なお、着替えは各自で必ずご持参ください。
―――服装に破損・汚損等が生じました場合には補償をさせていただきますので、申し出てください。
夫は呪わしげな目で、仮採用通知を読み返している。
とくに、
―――着替えは各自で必ずご持参ください。
その一行が、気になっているようだった。

面接は、ごくあっさりと済んでしまった。
ひっそりとしたたたずまいのこの地方都市では一等地の、家賃のかなり高そうなオフィスだった。
ぴかぴかの真新しいビルの、見晴らしの良い最上階。
木目の浮いた社長室の扉の、金色のドアノブをまわすとき。
夫が一瞬息を詰めるのを感じた。
―――やぁ、いらっしゃい。
会長と呼ばれる人物は、一番奥の広々とした机のまえのアームチェアに、ゆったりと腰かけていた。
夫婦が入ってくると、黒眼鏡の下陽焼けのした頬をほころばせて席を立ち、こちらに歩みを進めてくる。
慇懃にお辞儀をしようとした夫をかるく制して握手を求め、それからつぎに房代の手も握り締めてきた。
―――さぁ、こちらのソファにどうぞ。
黒一色のスーツの腕が、会長席の正面にしつらえられたソファーセットを、サッと指し示した。

背がひょろ長く、不健全な顔色をして、瞳だけをぎらつかせている陰性の男―――
房代が夫の言から想像したそんなようすとは、かなり裏腹なものがあった。
年齢は、五十がらみだろうか。
たしかに上背はあったし、知的な男性の持つ独特な翳を、目立たぬながら滲ませるところはあったけれど。
時折り滲ませる笑みは快活そのもので、知的でおだやかで、なにごとにつけ余裕たっぷりの、結構な人物だった。
―――この事務所を立ちあげたのは、ビルができてすぐなんですよ。入居はたしか、第一号だったな。
―――昔からこの界隈は、盛り場だったらしいですね。そのまえは、住宅街、そのさらに昔は、武家屋敷かなにかだったそうです。奥さんはそういうのご興味ないですよね?
男はどこまでもにこやかで、話題も豊富だった。
座はにぎやかで、さすがに緊張を覚えた房代をリラックスさせるにはじゅうぶんだった。
もっともさすがに、話役はほとんど会長のほうだったけれど。

黒眼鏡をしているから目つきはわからないまでも、物柔らかな言葉遣いと挙措の端々にこめられた細やかな配慮からは、決して険悪なまなざしは想像できない。
にこやかな笑みを絶やさず、立ち居振る舞いはむしろ、さっそうとしていた。
陽焼けした肌はつやがあって健康そのものにみえたし、さいしょにギュッと力を込めて握り返してきた握手は、決して冷たい掌ではなかった。
笑みの下に滲ませた白い歯も、よく輝いているとはいえ、もちろん尖った犬歯など見当たらなかった。
なぁんだ、ふつうの人じゃないの。
房代はむしろ、拍子抜けする想いだった。
朝五時に起きて、子供たちに隠れるようにたんねんに化粧まで刷いてきたことが、ちょっとばかばかしく思えるほどに。
けれどもそんなささやかな安堵も、ほんのしばらくのことだった。

ではそろそろ・・・
壁かけ時計を見あげた会長は、ビジネスのつづきをすすめるように、夫になにか目くばせをした。
「あ、はい。そろそろ・・・ですね」
夫はそれまでの控えめな態度を、おどおどとした感じにひょう変した。
なによ。そんなに卑屈になっちゃって。
初めて接した会長と呼ばれる人物の悠揚迫らぬ風格に引きかえて、夫の態度がひどく格の低いものに感じられた。
―――いや、ご主人のご心配は、もっともなことなのですよ。
房代の顔色を素早く察して、会長はむしろ夫をとりなすように言葉をむけた。
―――まずきみから、手本を見せなさい。
表情を消した声色で会長が手みじかに告げると、夫はそれに応えるように、スラックスのすそを自分からたくしあげる。
スラックスの下からむき出しになった脛を覆っているのは、深い紺色の薄手の長靴下だった。
夫はこんな靴下を持っていたのか?
ストッキングのように薄い長靴下は、妻の房代ですらはじめて見るものだった。
会長はあきらめたように天井を見上げ瞑目した夫の足許にかがみ込むと、長靴下のうえから唇を吸いつけていった。
え・・・?
かすかによじれて引きつった薄手のナイロンのうえ、ヒルのように這った唇がぴったりと密着している。
しばらくヌメヌメと舐めるように這わされた唇にギュッと力が込められると、薄手の靴下はぱりぱりとかすかな音をたててはじけた。
裂け目越しに露出した皮膚が、意外なくらいに白い。
キュウキュウ・・・キュウキュウ・・・
奇妙な音が、声の消えた室内に響き渡っていた。

―――きみはここで待っていなさい。
さすがに気絶はしなかったものの、失血のあまり放心した表情の夫は、わずかに頷くだけだった。
―――こうして、正気を喪ってもらうのですよ。そのほうがご主人も、決まり悪くないでしょうからね。
まるで浮気の共犯者に囁くように、会長は房代に耳打ちをした。
さっきとは打って変わって、親しげなようすだった。
もちろん夫を交えての面談中も、笑みを絶やさぬ如才なさはあったけれど、もっと他人行儀だった・・・と、房代は思う。
だってこれから、貴女と僕とは、もっと仲良くなるのですから。
そうね。仲良くなるんですよね。
生き血を吸わせるだなんて、そんな異常なこと。仲良くないと、できないことですものね。
さっき夫の薄手の靴下を噛み破った口許が、自分の足許を盗み見てにんまりとするのを、
房代は自分でも意外なくらいクールに受け流す。
履いてきた黒のストッキングがほどほどに透けるなまめかしい見映えのもので、今朝おろしてきたばかりの真新しいものだったことが、房代をむしろ安堵させていた。

会長室の奥の間は、寝室になっていた。
―――つぎの日の仕事が早かったり、夜の仕事が夜更けまでになると、ここで寝むのですよ。こんな街なかでも、夜は危ないのでね。
吸血鬼が夜道を怖がるだなんて・・・房代が珍しくおどけると、会長は首をすくめて彼女の軽い揶揄に応じた。
すすめられるまま、ベッドに腰かけて。
促されるまま、黒のストッキングの脚を差し伸ばして。
まるで、夫のまねをしているようだった。
けっきょくあなたに、教えてもらったようなものね。
心のなかで苦笑いをした房代が、薄いナイロンの生地ごしに初めて感じた唇は。
冷たく湿った唾液を、薄い靴下に滲ませてきた。
飢えている・・・
そう感じたときには、もう遅かった。
ぱりぱり・・・っ。かすかな音を立ててはじけるストッキング。
伝線がスカートの奥にまで這い込んで、広がって。
足許を締めつけるほのかな束縛感が、ほぐれてゆくと。
人前で隙なく装わなければならないという婦人らしいたしなみや緊張感まで、ほどよくくつろげられていった。

破けたストッキングごし、あてがわれた唇は。
ヒクヒクとうごめきながら、女の血を啜ってゆく。
裂けたナイロンの生地からあらわになった素肌から。
じわじわと抜かれてゆく血潮が傷口を通り抜けてゆくのが、ひどくくすぐったかった。
喉をひくつかせて血をすする獣じみた態度に、房代が慣れを覚えると。
素早く彼女の気分を察して起き上がり、こんどはブラウスの胸にのしかかってきた。
鋭い歯が、房代の身体から吸い取った血を生々しく光らせていた。
さっきまで目にしていた並びのよい白い歯は、まるでこんなふうではなかった。
いったいどんなふうにして、隠していたのだろう?
吸い取ったばかりの血が滴る牙を胸元に迫らされながら、けれども房代はうっとりと頷いてしまっている。
どうぞ。その牙で。わたしの肌を切り裂いて・・・

過不足なく。
そんな表現が、もっとも適切だったのだろう。
房代は自分の血を、夫の上司あいてにふんだんに提供したのだった。
賢明なもてなし、というべきなのだろう。
熟れた女の血液は、相手の男性を明らかに、悦ばせたのだ。

ベッドのうえ、房代を組み敷いた吸血鬼は、うなじにがぶりと食いついてきて。
ジャケットを脱いでブラウス一枚になった房代の胸元を、大胆なほどに濡らしてしまった。
もはや、現実から一歩向こうに踏み出していた。
けれども房代は、もう臆することもなく。男の相手を務めはじめている。
薄闇けぶる未知の回廊に、裂けたストッキングのつま先をためらいもなくすべらせるようにして。
功利的な気持ちも、もちろんあった。
この儀式の向こうには、多額の報酬が待っている。
夫は優遇され、自分はまた元の通りのなに不自由ない専業主婦の日常を送りつづけるという。
けれども房代の脳裏には、もはやべつの想念も形をなしはじめていた。
傷口に這わされた唇が、まるで上質のワインを賞玩するようにして、房代の血を味わってゆく。
時には性急に求め、時には舌で甘く転がしながら。
房代じしんを、愉しんでゆく。
もっと・・・吸って。
女は男の背中に腕をまわし、甘く囁く。
逆立ちをした怒張が、スカートの奥にせり上がってくるのを覚えながら。
さすがに房代は、悩乱を覚えた。
いま。彼女の脳裏に、魔性のものが棲みつこうとしている。
いちど乱されてしまった女の胸の裡には。
なに不自由ない生活を求める専業主婦の本性とは裏腹な妖しい想いさえ、沸々と湧いてくるのだった。

身づくろいを済ませて寝室を後にするとき。
男はさっと唇を耳元によぎらせて、ひと言言った。
これからも、逢っていただけますね?
女はとうぜんのように、強い頷きをかえしている。

会長室に戻ると、夫はまだ朦朧となっていた。
だらしのない。
軽い軽侮が湧いたが、それはすぐにおさまった。
肩に回された腕が。
――――ご主人をばかにしてはいけない。
そう伝えてきたからだろう。
まるで宿酔いのようにぐらぐらと頭を揺らしている夫の肩に手を添えて、
男は頭上から、声を降らせた。
―――きみの奥さんは、素晴らしい。一等秘書として採用する。
夫ははっとなったように顔をあげ、会長を見、そして自分の妻を見あげた。
・・・自分の妻だった女。そう呼ぶべきだったのかもしれなかった。
お互い決まり悪げに視線をそらしあう夫婦を見比べると、会長はにんまりと笑み、それからふたりの肩をおし抱くようにして、こう告げた。
―――きみたちは昔以上に、仲の良いご夫婦。僕は時折り、そんなおふたりのご厚意をいただく。それでいいですね?

勤務は、翌日からだった。
子供たちが登校するのを見送ると、ふたりは肩を並べて出勤をする。
事務職に戻った夫は、ネクタイ姿。
秘書の地位を得た妻も、きりりとしたタイトスカートのスーツ姿。
ショルダーバックを肩に、しばらくぶりで穿いたハイヒールの音を、さっそうと響かせる。
夫はどうやら、軽い事務ばかりをさせられているらしい。
家庭教師とか、学校とかいっても、教員免許を持っているわけでもない夫が、だれかを教えるというわけではなさそうだった。
妻の房代は、会長のアシスタント。
といっても、重要な判断を要する頭脳労働は、あくまで会長ひとりの受け持ちらしい。
会長室に出入りする重役たちは、表情を消したまま決断を仰ぎ、彼らのあいだでしかわからない言葉を交わしあって、物事が決められてゆく。
会長が房代の身体を求めるのは、そうした会合のあとだった。
短時間の会談でもよほどの緊張を強いられるのか、
そういうときの会長は、寝室のなかでしつように房代の身体を求めた。
夫が無味乾燥な執務に没頭しているすぐ隣のフロアーで。
妻の房代は夫の上司との情事に耽り、いつか酔い痴れるようになっていた。

房代はすでに、心得ている。
会長の顔色が陽焼けしたようにみえたのは、たまたま逢う直前に女性社員を数名呼び寄せて、
初めての女性を相手するのに必要な心のゆとりを得ようとしていたからだったことも。
会長室に現れる重役たちがそろって、あのとき夫が穿いていたのと同じ薄い靴下を履いて現れるのも。
気難しげな渋面の翳にはきっと、夕べ目のまえで征服された夫人や令嬢の、痴態の記憶があるからだということも。

入学届、キミに渡せばいいんだね?
ええ、そうね。お預かりするわ。
夫婦のベッドのうえ。
ネグリジェ姿の房代は乱れ髪を片手で梳きながら、娘の身上書を受け取った。
子女の卒業・入学には、一定の祝い金が支払われるという。
まるで、大企業並みの待遇だった。
けれどもきっと、この入学届には別の意味も含まれているはずだった。
―――きみのところのお嬢さん、今年中学にあがるんだったね?
さりげない祝意のこめられた会長の言葉の裏に、もの欲しげな下心を聞き分けることができるのは。
すすんで妻を寝取らせている彼が植えつけられてしまった本能かもしれなかった。
「あぁ、このごろすっかり娘らしくなって・・・母親似なんですよ・・・って、お伝えしたら、ひどく満足そうだったぞ?」
肩越しに回り込んできた夫の腕が宗をまさぐるのをさりげなくかわしながらも。
そろそろ、潮時かもしれないわね。
房代もおっとりと、頷き返している。
しつようにまさぐる夫の手がネグリジェを乱してゆくのを、房代はいままで以上に淫靡に受け止める。
いま身に着けているネグリジェも、会長の愛撫にゆだねたことがあった。
それを夫は、きっと察しているのだろう。
―――ご夫婦のベッドのうえで愉しまれるときのネグリジェ、こんど着て見せていただけませんか?
彼のそんな申し出を好意的にかなえるため、ネグリジェを持参して、
スーツで犯されたあとわざわざ着かえてもう一度抱かれていったことも。
いや、ところも同じこの夫婦の寝室に、それも夫の在宅中に招き入れてしまったことも。
愉しい記憶にしてしまっている房代だった。

社内の結婚間近の若い男子社員のなかにはね。
結婚相手を、会長に紹介する人もいるらしいんだよ。
きみのいる会長室まで、うわさが届いているかどうかわからないけれど。
あの方は、処女かどうかの見極めを、血を吸うことでできるから。
婚約者が処女だと、処遇が違うんだってさ。
そんなことを語る夫の横顔は、どこか眩しげで羨ましげだった。
あなたがもし結婚まえに会長と知り合っていたら、わたしのこと紹介したかしら?
房代が意地悪く訊いてくると。
「きみのほうこそ、じぶんから会長に処女を捧げたんじゃないかな?わたしに黙ってでも」
妻の意地悪に、夫はさらにたちのよくない言葉を重ねてくる。
そうね。それでもきっと、あなたのお嫁さんになったはず。
あなたもわたしを、お嫁さんにしてくれたはず。
かりに処女をあのかたに・・・ってわたし打ち明けても、あなたはわたしを行かせたはず。
房代は心のなかで、反芻する。

夫婦でいながら、会長の愛人。
婚約していても、会長の恋人。
いや、かれにとってはたぶん、房代など手ごろな供血相手、性欲のはけ口にすぎないのかもしれない。
そうした女性を、会長はほかになん人も持っているらしいから。
けれども数多くいるらしい女たちのなかでも、房代のグレードが高いらしいのは。
夫婦ながら実感があった。
給与は入社前の説明よりもはるかに多く支払われていたし、それ以上に会長室詰めという房代の立場がなによりもそれを物語っていた。
泊まりの出張ともなると、三度に一度は帯同を命じられ、夫は独り寝の夜をあらぬ昂ぶりに耽るようになっていた。
きょうの経理処理で、会長ときみのホテル代、振り込んでおいたからね。
夫婦のベッドでそんな会話をするのは、もはや日常的な出来事になっていた。


あとがき
ちょいと中途半端ですが、ここまでにしておきます。
それにしても、不景気な世の中ですナ。

屈託のない恋人

2010年02月01日(Mon) 08:21:14

太陽の照り返すアスファルトの彼方。
待ち合わせのフルーツパーラーは、すぐそこだった。
ちょっとだけ遅れてしまったのを、足早に取り返そうとしたサダオは、
もうお店のなかに入って待っているはずのユカリが、
お店のまえでわざわざ彼を待っていることに気がついた。

店んなかで、待ってればよかったのに。
だってー。サダオといっしょに入りたかったんだもん。
待ったぁ?
んー、ちょっとだけー。
ふつうはそういうときって、大丈夫だよって言わない?
だってー。待ったんだもーん。二分間。
ユカリはいつも、こんな感じで。
のんびりまったり、サダオを苛める。
そんなユカリが、しんそこ可愛ゆいらしくって。
恋人の手をつないで、お店のなかに入ってゆく。

昨日は、ゴメンな。仕事、遅くなって・・・
んー、いいよ。代わりにユウが来てくれたから。
あっ、そう。愉しかった?
んー、愉しかった。てか・・・キモチよかった。
おいおいっ。^^;
だってー、あっちのほうは、サダオよりも上だもん。
エヘヘヘヘヘヘヘッ・・・
なにー?その下卑た笑い。信じられなーい!

ユウはサダオの親友で。
あるときサダオのまえでユカリを襲って、モノにしてしまった男。
そういうことに感じてしまう幼馴染のため、わざと目のまえで奪ったのだった。
ユウのモノは大きくって。サダオのやつより立派だって。
思わず夢中でユウのモノを頬張っちゃったユカリのまえ。
優しい未来の夫は、気兼ねなく愉しむようにと、ふたりの仲を祝福してやって。
恋人を凌辱されながら、自らも昂りをあらわにしてしまっていた。

今夜・・・どう?
ごめーん!ユウと約束あるんだ。
ユカリが手を合わせてゴメンしているのは。
サダオのほうが先約だったから。
夕べはサダオが約束破りだったんだもんね。こんどはあたしの番ね。
どこまでも屈託のないユカリに、サダオもつい釣り込まれて苦笑いするばかり。
でも。いまなら・・・いいよ。
声ひそめるユカリのまなざしは、しんけんだった。
ほんとっ!?
うろたえたようにがたがたと席を立とうとするサダオ。
ユカリの手を取る性急さに、恋人の平手が彼氏のズボンのお尻を鳴らしていた。

ふたりとも、察し合っている。
夕べわざと約束を破ったサダオは、あらかじめユウのことを頼んでおいて。
先回りしていたユウの部屋の片隅から。
悶える恋人の痴態に、昂っていたことを。
気絶するまでなぶり抜かれたあと。
ユカリはちょっぴり迫力に欠ける本命の恋人の一物が遠慮がちに入り込んでくるのを。
優しくギュッと締めつけていた。


あとがき
たまたま読み返していた↓に、触発されたお話です。
「凌辱ごっこ」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1542.html
おっ、これで120作ペースだ!(嘘)

一家供血。

2010年02月01日(Mon) 07:57:29

ボクのお家の日常に侵入してきた吸血鬼は、人の生き血を欲しがって。
真っ先に襲われたのは、ボク。
その時のボクは、青のTシャツにショートパンツ。それに、真っ白なハイソックス。
真新しいハイソックスは、太めのリブで。
赤のラインが二本、入っていた。
長い靴下が大好物だということを、ボクはまだ聞かされていなかった。
吸血鬼の小父さんは、首筋からボクの血をたっぷり吸って、ボクを床に転がすと。
嬉しそうに足許に、にじり寄ってきて。
ハイソックスのふくらはぎに、がぶりと噛みついた。
二本の赤いラインから、滲みでるように。
バラ色のシミが、広がっていった。

小父さんに促されて、起きあがって。
ソファに腰かけたボクは。
首筋から垂れてくる血を気にして、そのたびに指ですくい取って。
口の中に突っ込んで、チュッと吸う。
初めて味わった生き血は、ボク自身のものだった。
ツンと甘酸っぱくて、いい味がした。

つぎに襲われたのは、パパだった。
パパがいつも、スラックスの下に隠すようにして、
ストッキングみたいに薄い長靴下を履いているのを。
ボクも小父さんも、気づいていた。
しょうがないね・・・
パパは苦笑しながら、ソファに腰かけて。
お気に入りのハイソックスを見せびらかすように、スラックスをたくし上げた。
小父さんとかわるがわる吸いつけた、ストッキング地のハイソックスは。
すべすべとしなやかで、いい舌触りがした。

母さんのことは、わたしから紹介しよう。
姉さんはお前が、取り持つんだぜ?
パパはいっしょに悪戯を企む共犯者の顔つきをして、ボクににやりと笑いかける。
母さんのパンストも。お姉ちゃんのハイソックスも。きっとこのお方のお気に召すだろうから。

小娘みたいにうろたえて、怯えながらソファに腰かけて。
パパが気前よくスラックスをまくりあげたのとおなじ場所で。
ママはロングスカートを、パパにめくられながら、
肌色のストッキングのふくらはぎを、吸われていった。
這わされた唇の下。
ストッキングが裂けてゆくぱりぱりというかすかな音が、
ボクとパパの鼓膜を、焦がしていった。

姉さんは気丈にも、明るく振る舞って。
襲われる立場なのに、慣れないボクのことを、フォローしながら。
ケンちゃんも、姉さんの血を吸うんだよね?
確かめるように、そういうと。
仲良く片足ずつ、どうぞ・・・って。
腹ばいになったまま、白のハイソックスの脚を広げてくれた。
ママの履いていたストッキングは、たよりないほどなよやかで、すぐに破けちゃったけど。
姉さんのハイソックスは、ボクのやつよりも柔らかで。
しっかりとした生地ごしに、つねるように噛みつくたびに。
姉さんがくすぐったそうにきゃあきゃあはしゃぐのが、なんだかとても、愉しかった。

ボクの通う学校の子は。
半分くらいが、ボクみたいに。
うなじのつけ根に、赤黒い咬み痕を持っている。
だれもがそのことを、不思議がらずに。
きのうまできれいな首筋だった子が、吸い残された血を光らせたまま登校してくると。
周りの誰もが、ひっそりとお祝いのことばを投げるんだ。
キミのおうちも、そろそろこの土地に慣れただろう?
美人なキミの母さんを、吸血鬼の小父さんに逢わせるのは、キミの役目?それともパパがするのかな?
可愛い妹のさゆりちゃんが、毎日履いてくる緑のハイソックス。
こんどボクにも噛ませてもらえる?


あとがき
いいピッチです。
今月は、90作ペースです。 笑

妻と二人 ~一家供血~

2010年02月01日(Mon) 07:57:20

吸血鬼との戦いか、共存か。
共存の道を選んだわたしの家族は、一家全員が血を吸われることになった。

娘や息子たちに、手本を示すため。
わたしは妻と二人、吸血鬼の待ちうける寝室に向かった。

わたしを先に、やってくれ。
それから、せめてもの情に、妻の血を吸う前にわたしの意識を奪ってくれ。
あんた。女の血を吸うときは、相手を必ず犯すらしいな?

心得た。いいだろう。
男はほくそ笑んで、けれども礼儀正しく一礼をして。
それからおもむろに、わたしの首筋を噛んだ。
そして、意識が朦朧となって気絶寸前のところで、血を吸いやめていた。

妻が襲われるいちぶしじゅうを、わたしは見せつけられるはめになった。
その日の心境にあわせて妻の選んだ装いは、黒一色のスーツ。
清楚な礼服姿が男を発情させ、ブラウスをはだけ、スカートをたくし上げられて。
黒のストッキングさえ、ふくらはぎに吸いつけられた唇に、チリチリに咬み破られて。
漆黒の装いの切れ目から、ところどころに白い肌をさらけ出しながら、妻は犯されていった。

ほれ。ご主人も視ている遠慮のう、腰を使え。
だいじょうぶ。お咎めはあるまいて。
ご主人もご主人なりに、お前のようすを愉しんでいようから。
男のいうがまま、わたしはただの男として。たんのうしていた。妻がヒロインを演ずる凌辱劇を。
へらへら笑い、昂りながら―――

吸血鬼になった息子。

2010年02月01日(Mon) 04:32:30

そろえて立膝をした両脚は。
ひざから下が、白のハイソックス。
けだるそうにかわるがわるくり返す足摺りが、
さいしょはつま先半分くらいづつ。
さっきから少しずつ、歩幅を広げて。
頻度も激しくなってゆく。
なにかを抜き取られるのを、忌むように。耐えるように。

ハイソックスの生地に縦に走った太めのリブは。
頭上の灯りをツヤツヤと照り返していて。
わずかに覗くひざ小僧と、太ももの輪郭と。
そこからにじみ出る、はち切れるほどの生気の延長を。
ひざ下を覆う厚手のナイロンごしに透き通らせてくるようだ。

シーツをつかんだ掌のこわばりと。
力の込められた腕の筋肉のしなやかな隆起とが。
ハイソックスの主が少年なのだとつげている。
そういえば、ライン入りのハイソックスというやつは。
かつては運動部の男子だけのものだったかもしれない。
あお向けに横たわる少年のうえ、のしかかっている黒い影は。
さっきから唇をしつように吸いつけていて。
激しくなってきた少年の悶えの原因を作っている。

精度の粗い録画画面の向こう側。
少年の履いているハイソックスをよぎるラインが、
激しく上下をくり返すのを。
男は唇噛んで見守っている。
やがて足摺りが熄(や)んで。
立膝さえもぐったりと崩していって。
崩れた立膝の向こう側、身を起こした黒影は。
口許から吸い取ったばかりのバラ色の液体をたらたらとしたたらせていた。

影法師はククク・・・と得意げに笑みを含めて。
だらしなく弛み笑み崩れた唇を。
こんどはハイソックスのふくらはぎに這わせてゆく。
まるでナイロン生地の舌触りを試すように。
しつように吸いつけられた唇の下。
真っ白なハイソックスに赤黒いシミが滲み、広がりはじるまで。
かなりの時間が経っていた。
それほどに・・・太めのリブのハイソックスは舌触りが愉しいものなのだろうか?

片方のふくらはぎに、赤黒いシミを広げると。
もう片側にも、かぶりついていって。
両脚のふくらはぎに、等分に、血潮を滲ませてゆくと。
こんどはもういちど。
さいしょに食いついたのは反対側の首筋に、唇を添わせてゆく。
うう、うう、うう・・・
どうかそこまでで、止めにしてくれ。
さっきから画面に、視線をくぎ付けにした男は。
苦悶の表情を浮かべる若い供血者と、うり二つの面影を宿している。

首筋から唇を放した時点で、なんとか振りほどいてその場を逃げ出すことができたなら。
きっと、すこしの貧血で済んだことだろう。
そのあとすぐに、片方のひざ下を侵された段階で、赦されたなら。
明け方までうとうとしていれば、べつのハイソックスをまとっていつも通り登校できたはず。
どうしても両側のハイソックスに、血を滲ませたいというのなら。
それも、許してやれただろう。
けれども男は、ツタのように絡みつけた腕から、少年を放さずに。
もういちど食いついたうなじから。
残りの血を吸い取ってしまうまで、得心がいかなかったようだった。

乱れたシーツのうえ。
けだるそうに手足を迷わせた少年は。
両肩を抑えつけられたまま耳もとに唇を寄せた吸血鬼が、なにごとかを囁くのを、じっと聞き入っていて。
蒼ざめた頬から、くすぐったそうな笑みを絶やすことなく。
耳もとから離した唇を、ふたたび首筋に這わせてくるのを厭おうともせずに。
男が血を吸い終わるまで、そのまま笑みつづけていた。

良い息子さんだ。
わしが満足したと告げてやったら。嬉しげにほほ笑んで。
「なら、良かった」って。
なんの屈託も無げに、白い歯を見せたのだ。
後日嬉しげに報告に来た影法師の言い分は、たぶん間違ってはいないのだろう。
せめてどこか、もっと早い時点で、息子を放してもらいたかった。
喉の渇きがおさまったあたりで、満足してもらえれば。
彼はまた、きみのことを受け容れたことだろうに。
父親の繰り言に耳を傾けた男は、彼の肩に手を置いて。
なんとかしよう。あんたの気に入るように。
少年の血を吸った唇は、早くもかさかさと乾きかけていたけれど。
端っこにはまだ、凝固しかかったうら若い血潮が、しずかな輝きを秘めていた。

独り職場に残って眺めた録画の内容は。
ほんらいとても、見るに耐えないものだったけれど。
妻や娘のいる家では、さらに見ることのはばかられるものだった。
コツコツ・・・コツコツ・・・
人通りの絶えた道に、響く靴音に。
闇の彼方でなにかが目ざめたようだった。

父さん?
切れかかった街灯の下。
和んだ笑みを投げてくるのは、まぎれもなく息子だった。
鉛色に変わった頬の色いがい、なにもかもがいままでどおりだった。
真っ白のショートパンツと、おなじく純白のハイソックスのすき間から、
大胆にむき出しになった太ももも。
やはり、鉛色をしていた。
血液を喪った皮膚の色。
けれどもかつて息子だった少年は言葉を口にし、以前と変わらないほほ笑みを投げてくる。

ハイソックスのふくらはぎには、あのときのままの赤黒いシミ。
息子の仇敵の命ずるままに。
襲われたときそのままの装いで、送り出したのだ。
せめてこんなものも、履かせてやりたかったな。
父親は息子が成人したら贈るつもりだった、愛用の長靴下を、息子の足許に添わせていった。
濃紺の紳士用のハイソックスは、女もののストッキングのように薄くて、つややかな光沢を放っていた。
あの靴下。大事に取ってあるからね。
母さんや清美に逢いに行くとき、履いていくつもりだから。
ふふっ。
父親は身構えた己を恥じるように、照れ笑いを浮かべる。
あのとき息子が浮かべたのと、おなじ種類の笑みだった。
同じやつ。いま履いているんだぜ?父さんの血、吸うか?
こくりと肯いた息子のため、傍らのベンチに腰を下ろすと、スラックスをするするとたくし上げていった。
ふたつの影が、寄り添うようにして。
ベンチに座った人影のまえ、かがみ込んだもうひとつの影法師は。
むき出しされた相方のふくらはぎに。しっとりと唇を吸いつけてゆく。

街灯の明かりの下。
薄手のナイロンに滲んだ光沢は。
女もののストッキングもかくやとばかりの、毒々しさを放っていた。
くしゃくしゃにずり落ちて弛んだ靴下を、もういちどひざ下まで引きあげると。
縦に走った不規則な裂け目が、蒼ざめかけた皮膚をあらわに露出させていた。
もう片方も、だろう?
うん。おねだりね。
ちょっとだけずり落ちたのを気にするように。
まだ無傷の側の足許に手をやって。
濃紺のハイソックスをきちっと履き直す。
つややかな光沢越しに這わされた息子の唇を、男はくすぐったそうな笑みで見おろした。

父さんの血なんか、いちばんおいしくないだろうに。
ウン。だけど、母さんや清美は夜家から出て来ないからね。
なるほど。そういうことだったのか。
なりたての吸血鬼は、だれかが迎え入れてくれないと、自分の家にさえはいることができない。
息子の血を吸ったやつも、たしかにそう教えてくれていた。
こんや。父さんがおまえを連れ帰ってやろう。
もうふたりとも、寝静まった時分だから。
なにも気づかないまま、おまえの渇きを慰められるだろうから。

そうだね。それも良いけれど。
息子は早くも、怜悧な狡猾さを秘めはじめていた。
新たに備えた本能に由来するものなのだろうと、父親は思いやった。
いっそ、正気なときにもらったほうが。ボクとしては、嬉しいかな。
ボクだって。
正気なときに、生きながら血を吸い取られていって。
それでもハイソックスの脚を、愉しませてあげたのだから。

母さんはいまでも、黒のストッキング履いているんだぜ?
きっと父さんの薄い靴下よりも、いい舌触りなんだろうね。
息子の返しを、面白がって。父親のほうもやり返していた。
清美の履いている紺のハイソックスも、おまえのやつより愉しいかもしれないね。
どちらに先に穴をあけるつもりだね?水を向ける父親の問いを、受け流している。

ウン、早く襲いたいな。母さんも清美のことも。明日の晩ならふたりとも、つごうがいいかな。
母さんのパートも、清美の塾もお休みの日だしね。
庭先で待っているから。
晩ご飯が終わったら、雨戸をあけてね。
父さんはそれまでに、二人によく言い含めておくんだよ。
お酒を飲むと明るくなる母さんには、たっぷり飲ませておいて。
ちょっとアルコール臭い血も、悪くはないかな。
こんど家に帰るときはボク、父さんのくれたあの薄いハイソックス、履いて帰るからね。