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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

凌辱のあと。

2010年05月31日(Mon) 08:18:24

ずいぶんがんばったね。
わりと手こずったよ。
けれどもこちとら、ふたりがかりだもんな。
ご馳走さん。
さいごはおいしく、いただいたよ。
男ふたりは、妻から剥ぎ取った着衣を手に。
わたしのまえ、好意をむき出しにしてくるのだった。
憎悪するべき存在なのに。
どうしてこうも親しげな態度なのか?
けれどもたぶらかされてしまっているわたしにとって。
妻をほめられた、仲良くしてくれた。
そんなことがなぜか、むしょうに嬉しくて。
ときどき頼むね。
そんないけない約束を、交わしてしまっている。
傍らで、泥だらけのスーツのまま、
羞じらいつづけている妻は。
許された行為に、ありありとした安堵の色。
ボタンの飛んだブラウスに、精液まみれのタイトスカート。
ほつれた髪に、すりむけたストッキング。
貴婦人のなりを、惜しげもなくぬかるみにまみれさせたまま。
頬についた泥をわたしに拭われて、照れ笑いを浮かべている。
この村では、凌辱もスポーツのうちだった。
ひりひりとする妬きもちの疼きが、あとにのこった夫婦をきっと、黒い渦に巻き込んでいくのだろう。

隣室。

2010年05月31日(Mon) 08:13:06

きゃあっ!なにすんのよッ!?
ドア越しに響く女の叫びは、妻のもの。
どたん!ばたん!と、ふすまを蹴る音。
じたばたと脚をばたつかせる音。
嫌ッ!やだッ!
あくまで相手を拒もうとする意思を伝える、声。
ちらと涙声のようなものが、洩れてきて。
すぐに、しずかになった。

はぁはぁ・・・
ぜぃぜぃ・・・
夫婦の営みのときとおなじ声色が、ドア越しにあった。
一時間後。
男はひとりだけ、のっそりとドアを開けて現れて。
わたしの行動を遮りつづけた縛めを、ほどいてくれた。
ごちそうさん。
感情を消した声だった。
けれども。
あんたの嫁、いい味しとるな。
耳もとでそう囁いたとき。
卑猥な小じわが、男の目じりに浮いていた。

ときどき愉しませてもらうぞ。
そういう約束に、なっていた。
それがこの村に棲む条件なのだと。
男は“約束”どおり、わたしの留守を狙ってしばしばあがりこんできて。
妻を凌辱していった。
ときにはいついつ、どこで・・・と。
予告つきのときさえあった。
覗きに来てもかまわんのだよ。
さいしょのとき。
わたしの縛めを解くまえに、
男が手を置いてきた股間が、濡れているのを覚られて。
けれども男は、嘲るふうもみせないで。
けっこうおるよ。そういうひと。
ごくふつうのことのように、わたしの恥ずべき知覚からそっぽを向いてくれたのだった。

男が妻と待ち合わせる約束の時間よりだいぶまえ。
わたしは男の自宅のドアを、たたいていて。
ひそかに通された隣室で、ぐるぐる巻きにされて、転がされていた。
まるでさいしょのときの、再現のように。
ふすま越し。
いけすかない、いやらしい。
妻は相手を、そう罵って。
けれども着衣のうえから、まさぐられるままに、身体の線をなぞらせてしまっていて。
スカートのすそから、太ももを、
ブラウスの襟首から、おっぱいを、
はしたないほどあらわに、のぞかせながら。
男に揉まれるまま、熱っぽい交接を遂げてゆく。

いつか妻も、気付くようになったらしい。
ちょっと出かけてくる。
花柄のワンピースに、着飾った妻は。
私を行かせてもいいわけ?
いかにもそんな顔色でわたしを視、
肌色のストッキングのつま先を、よそ行きのパンプスにつっかけてゆく。
帰宅のとき。
ストッキングの色が、変わっていたり。
出かけたときのままのストッキングが、びりびりに破かれていたり。
ちょっと顔色を悪くして戻って来る妻を。
ねぎらいながらきょうも、迎え取る。
あとで・・・しようね?
謝罪のこめられたはずの、上目づかいには。
まだ情事の名残りの媚が、滲み出ているのだった。

採血のお時間ですよ。

2010年05月31日(Mon) 07:44:13

患者さーん。採血の時間でーす!
薄い唇を目いっぱい大きく開いて。
看護婦の橘智香子は、トレイのうえに注射器をカチャカチャいわせながら、病室に現れる。
個室病棟の患者は、注射に怯えるようにして。
頭からすっぽりと、布団をかぶっていた。
はい!患者さん。採血ですよ~?
看護婦はつとめて明るい声をつくって、患者にもういちど、呼びかけた。
おずおずと布団から顔を出した男は、痩せこけた蒼白い頬を迷惑そうに歪めながら、
抛りだすようにして、パジャマの腕を出す。

ギュギュッと二の腕を、縛られて。
ツンとするアルコール液を、脱脂綿で塗りつけられて。
すーすーするのが、たまらないのだ・・・
患者は心のなかで、舌打ちをする。
あらー?血管がわからない・・・
いつまで経っても浮き上がってこない静脈に、
看護婦が目を細めながら、顔を近寄せたとき。
うおぉ・・・
患者はいきなり起き上がり、看護婦の首筋にかぶりつく。
きゃあ・・・っ。

ぴったり閉ざされたドアの向こうに洩れた悲鳴に、気づいたものはだれもいない。

う、ふ、ふ、ふ・・・
採血の時間だよ。
吸血鬼は本性もあらわに、黒のマント姿。
怯えきった看護婦は、ベッドに横たえられて。
さっきまで看護婦が立っていた枕元と、場所を入れ替わった吸血鬼は、
血の滴った首筋をもういちど、侵しにかかる。
ひいいぃぃ・・・っ。
ちゅーっと吸いあげられる血に、目をまわした看護婦に。
血が怖くって、病院勤めがつとまるのかね?
吸血鬼は嬉しげに、女の足許ににじり寄り、
サンダルを脱がされて心細げに足指を曲げた、白のストッキングのつま先を。
ぺろりと長い舌で、なぞっていった。

ギュギュッと身体を、縛りつけて。
いやな匂いのする唾液を、そこかしこに塗りたくられて。
ストッキングにまとわりついたよだれが、ひどく淫らに思えてきて。
看護婦は心のなかで、舌打ちをする。
いやらしい・・・いやらしいわ・・・
んー、いい舐め心地じゃの。今少し、愉しませてもらおうか。
なまの唇とべろに、いたぶられて。
女は足許を、いっそう堅くこわばらせていた。

ぶちっ。ぱりぱり・・・っ。
ふくらはぎに吸いつけられた唇に。
白の薄々のストッキングは、他愛なく裂け目を広げて。
脛の周りから、みるかげもなく、剥ぎ堕とされてゆく。
厭っ。厭っ。
ゆるくかぶりを振る看護婦は、頬を白く透きとおらせて。
ジューシィなピンク色に輝いていた白ストッキングのふくらはぎも。
今や蒼みがかった土気色に変色しようとしていた。

さぁ、血を吸い尽くされたくなかったら。
お前の仲間を、連れてこい。
二人か、そう・・・三人もいればよいな。
きょうじゅうに三人、べつべつの時間に、採血にこさせるのだ。
婦長には、とっくに話をつけてある。
あの女、今朝はてかてかのストッキング履いていただろう?
あれはわしに、忠節を誓った証しなのじゃ。
昼過ぎにはの、あのてかてか光る白ストッキングを、デザート代わりにしゃぶらせてくれるという約束なのだ。
嘘だと思うなら…覗いてみるがよい。^^

若い看護婦は吸血鬼の云うままに、婦長と患者の情事を見届けて。
ベッドから抜け出した婦長のストッキングの伝線を、同僚が気づくまえに。
その日勤務していた若い看護婦を三人とも、たったひとりの入院患者のもとに、採血に送り出していた。
―――採血する側とされる側が、入れ替わりになるあの病室へ。

あーれー。
病室のドア越しに響く悲鳴は、院長夫人のものだった。
たまには色違いのストッキングも、愉しいの。
部屋の隅に追い詰められて尻もちをついた、ピンクのスーツから覗くのは。
肉づきたっぷりの、ジューシィな太もも。
男は荒々しく、スカートをまさぐりあげると。
値の張りそうな薄々の肌色ストッキングの、なめらかな舌触りを、なぞるようにして愉しんでから。
がっちりとした肉のついた太ももの一角に、嬉しそうに牙を埋める。
きゃー。
う・ふ・ふ♪いい噛み応えだ。
牙を撫でる指先を、女はぐいとつかまえて。
自分の口許へと、持っていく。
あー、おいしいのね。わたしの血。どうぞいま少し、召しあがれ。
理性をなくした女は、がぶりとやられた首筋の下。
たらたら流れる熟れた血潮が、自慢のネックレスを浸すのを。
むしろ嬉しげに、かぶりを振って。―――笑いこけていた。

深夜のナース・ステーション。
今夜の当直は、理解のあるスタッフと交代しました。
表情を消した婦長と、院長夫人はそういって。
白くどろどろとした粘液の乾き切らない白衣とスーツのすそを、ひるがえしていった。
採血・・・ですね?
ナースステーションの入り口で、おずおずと尋ねるのは。
あの日はじめて餌食にした、若い看護婦。
そうじゃ、採血の時間じゃよ。
理解のあるスタッフは皆、キリリと結いあげていた黒髪をほどいていて、
そろってお嬢さんのみたいに肩に流している。
う、ふ、ふ、ふ。
お前たちの若い血は、白衣によく映えることじゃろう・・・
今夜も、長い夜になりそうだった。

洗脳。

2010年05月31日(Mon) 07:17:34

うす茶色の半ズボンに、おなじ色のハイソックス。
おそろいの服装をしたふたりの少年は、向い合せに立ちすくんだまま。
ああ・・・ッ!
痛っ―――――!!
背筋をそらせて、悲鳴をあげる。
きゅうっ・・・ぅうう・・・
圧し殺すような吸血の音に、のしかかられて。
ひとり、またひとりと、姿勢を崩していって。
アスファルトの路面に、ひざ小僧を擦りつける。
たらり・・・たらり・・・
腋の下から腰、そしてお尻へと。
着衣を浸しながらしたたりつづける、バラ色の帯。

やがてふたりが、おなじように。
うつ伏せになって、意識を喪うと。
覆いかぶさっていたふたつの影が、横たわる人影から身を起こして。
たったいま吸い取った生き血を滴らせる口許を、お互いに見合わせながら。
ククククク・・・ッ
人のわるそうな含み笑いを、交わし合う。
とりついた少年たちのひざ下を覆ううす茶の靴下は、
照り返す朝之陽に、太めのリブを目映く輝かせていた。
男ふたりは、それぞれのパートナーの足許に、引きこまれるように
思い思いに、ハイソックスのふくらはぎに、唇を這わせていった。
吸いつけられた唇の下。
整然と上下に走るリブを、ねじ曲げながら。
吸血鬼どもが、ハイソックスに赤黒いシミを広げてゆくのを。
ふたりの少年は悔しそうに、眉をひそめ頬ひきつらせ。
容赦ない吸血に、歯を食いしばる。

凌辱が終わると。
ずり落ちたハイソックスを、のろのろと引き伸ばしながら。
少年たちはぼそぼそと、相手への服従を誓っている。
もっと、吸うかい?・・・こっちの脚も、噛みなよ・・・と。
相手に気遣いを、みせながら。
ひとりの少年は
母さん、未亡人してるんだ。
いつも履いている黒のストッキング、きみに破らせてみたいな。
もうひとりの少年は。
つきあっている彼女、連れてくるよ。
ボクのとは色違いだけど・・・紺のハイソックス嫌いじゃないだろう?

ふふ・・・ふふふ・・・
ククク・・・ケケケ。
血を嗜むものたちの、妖しげな喜悦に。
少年たちの含み笑いが、折り重なった。
頬を白くした漆黒のスーツの女は。
破れ堕ちた黒のストッキングを、ずるずると引きあげながら。
息子の手引きを、ねぎらっていたし。
着崩れた制服姿の、うら若い少女は。
紺のハイソックスの両脚を開ききって、ミニスカートから覗く太ももに、血を滴らせながら。
恋人のまえ、全裸に剥かれた上半身を、まだ羞じらっていた。
女家族の受難を目の当たりにした少年たちは。
被虐の血をわきたたせて、
新しい獲物を連れてくるのを、指きりげんまんで、約束を交わし合っている。


あとがき
ハイソックスの少年たちを洗脳して、周囲の女たちを連れて来させる。
前作とは違って”夫”目線なお話 でしょうか? 笑

時間を超えて。  ~三十年前の新居~

2010年05月28日(Fri) 06:51:10

久しぶりにありついた、若い女の生き血―――
喉の渇きを満たしてしまうと、男は人知れず、つぶやいている。
若い女は、蒼いものだな・・・
華奢すぎるほど細い肩を、抱きすくめながら。
男はなおも女の首筋に唇をあてがい、吸い、また吸った。
女は求められるたび、けだるげにかぶりを振りながら。
どうぞ・・・えぇどうぞ・・・どうかご遠慮なく。
まるでうわ言みたいに、呟きつづけている。

お気の済むように。えぇ、どうかお気づかいなく。
バラ色の頬が、土気色になるほど吸い取られながら。
女はなおも、忌むべき褥を去ろうとしない。
ブラウスは持ち主の血でしとどに濡れそぼり、
たくし上げられたスカートの裏地は、銀色の精液に輝いて、
黒のストッキングはところどころにつけられた裂け目から、蒼白い素肌を滲ませている。

こんな老人の相手をさせて、迷惑だろうね?
男の言い草に、女はゆるくかぶりを振っている。
いまの主人とは、お見合いなんです。親の決めた相手なんです。
でもわたくし―――
父くらいの年輩の男性が、ほんとうはよろしいのです。
わたくしが初めて女の歓びに目ざめた相手は・・・ほかならぬ父なのですから。
―――うぅ・・・
かすかに口許から洩らした呻きを、夢中になっている女は果たして、耳にとめただろうか?

時を超えて。
男が戻ってきたのは、三十年まえの我が家―――
あそこのタンスも、ここのソファーも。
旧式のテレビに、レコード・プレイヤーつきのステレオ。
記憶のかなたにあった過去の調度はなにもかも古ぼけていて、懐かしい。
無我夢中で襲った獲物は、ほかならぬかつての新妻だった。

ブラウスに血を撥ねかせながら。
けれども女は、決然と言い放ったものだった。
いらしてください。ひと晩じゅう。
主人は海外出張つづきで、どうせ戻ってこないんですもの。

それ以来。
男はこの家に棲みついて。
三十年まえの自分自身の新居を、己の手で侵しつづけていた。
うら若い肌をツヤツヤと輝かせた若い主婦は。
己の若さを惜しげもなく、見ず知らずの老紳士のまえさらけ出していって。
両の掌で頭を抱えて、ほどいた長い髪を、振り乱して。
ああっ、主人のより大きいわ~っ。もっとお○んこしてぇ。
新婚当時の妻が決して口にしなかったはずの、あられもないことさえ。
あたりのようすも憚らずに、あらわに口にするのだった。
はらませてやるよ。若奥さん。
男が女の耳元に囁くと。
―――そうしてちょうだい。
女は顔色ひとつ変えずに、男の頬にキスを重ねる。
―――逢ってあげる。主人が出張から戻って来ても。
女のささやきに、男はどきりとする。
まるで胸元にあてがわれたナイフのように、鋭い囁きだった。

三十年前。
出張を終えて久しぶりに戻った新居。
妻はかいがいしく出迎えてくれて、シャワーのあとのお酒と手料理は、心に残るほど美味だった。
明日、ちょっとした会合があるの。泊まりになるけど、行ってもいいかしら・・・?
こちらを窺うように、切り出した妻。
―――ああ、行っておいで。お前にもたまには、愉しみが必要だろうから。
あのときなんで、そんなことを口走ったのだろう?
いまの自分には、いかにもこうつごうな、若い夫の反応。
未来のことを、記憶にしていた。
そうとしか思えない、反応だった。
そう。
妻の留守中の新居のなか、ひざ小僧を抱えながら。
俺はあのとき、べつの男に抱かれる妻を妄想して、独り昂ぶっていたのだから。

ああ、強く抱いて。もっと・・・つよく・・・っ。
長いまつ毛を震わせて。
女はなおも、すり寄ってくる。
夫を裏切っているはずの女はなぜか。
さいごにイク瞬間、つぶやいていた。
あ・・・な・・・た。

堕ちた女教師 ~狙われた女学校~

2010年05月28日(Fri) 06:31:21

お話になりませんわ。
薄めの紅を刷いた唇の下、ブラウスのリボンがかすかに揺れた。
うちの生徒の血を、吸わせるわけにはまいりません。
垣之内教師は、嫌悪に目を引きつらせ、訪問客の申し出を拒否していた。
いったいどこの世界に、こんな理不尽な申し出があるというのだろう?
女学校を訪れた、目のまえの黒衣の男。
校長の紹介だと称して面会を求められ、ただひとつの要求は。
受け持ちのクラスの生徒の血を吸わせてほしい。
あまりにもこともなげな言い方に、生真面目な若い女教師はしばし絶句してしまったものだった。

ふふふ・・・
叱声まじりの却下に、男は動じたようすもない。
もとよりそんな反応は、とっくに計算済みだったといわんばかりだった。
でも貴女は、私の云う事を聞かざるを得ない羽目になりますよ・・・敦子さん。
名前を呼び捨てにした男は、やおら立ち上がって、
つぎの瞬間、女教師のブラウス姿に己の身を重ね合わせていったのだ。
うう・・・っ
女教師の整った目鼻立ちが、苦痛にゆがんだ。

貴女も処女だったのですね。
さっきまで己の体内を脈打っていた血潮が、目のまえの男の口許からしたたり落ちているというのに。
垣之内教師はうっとりと襲撃者を見あげ、細い指を相手の唇にあててゆく。
すう・・・っ、と撫でた指先に、バラ色のしずくが輝いていた。
男は女の手を取って、血のついた指先を女の唇に含ませてゆく。
ちゅっ。
お行儀のわるい音に、女教師はさすがに肩をすくめて・・・小悪魔な笑みを滲ませた。
ホームルームがおわったら、愉しい放課後。そいういうことだね?
男の言い草に、女は笑って応えている。
仰るとおりですわ。貴男様は髪の毛の長い女の子がお好き?
セットした髪をほどいた女は、肩先まで流した黒髪を、男の手ににぎらせてもてあそばせていた。

出席番号一番から五番まで、きょうは居残り学習です。
えー!?
そろって不平の声をあげた五人の女生徒は、そろって肩をすくめて視線を交わし合った。
制服汚すわけにはいきませんから、脚からにしてくださいね。
招かざる来訪者をキッと見据える目つきだけは、正気のときとおなじだったが。
女教師の足許も、肌色のストッキングをちりちりに伝線させてしまっている。
先生、これお手本ですか?
出席番号一番の女生徒は、垣之内教師の足許を指差すと。
あんまり視ないで頂戴。
先生はさすがに羞ずかしそうに、脚をすくめていた。

人けのなくなった教室の隅。
前後に並んだ椅子に横座りをして、黒のストッキングの脚を並べた女生徒たちは、
足許にひとりずつかがみ込んでくる黒衣の来訪者たちを見おろしながら、
黒のストッキングに走る蒼白い伝線を、面白そうに窺っていた。
―――なかには、人妻がいいというやつもいるからね。
男は垣之内教師の耳元に、囁いている。
―――あんたの教え娘を手なずけると、きっとお母さんを誘い出させるんだろうな。
男は舌の先を尖らせて、うなじにつけた傷口をツンツンとつついている。
女教師はたまりかねて、くすっ、と、笑いをこぼした。
はしたない笑いかただった。
ふふ・・・ふふふ・・・うふふふふっ・・・
ブラウスのリボンを揺らしながら、女はすりむけたパンストの脚を、すこしずつ崩していった。

家のなかでも着飾って

2010年05月24日(Mon) 08:06:49

ええ、女房のやつは家ん中でも、いつもこぎれいに着飾っているんです。
どこに出かけるあてもないときだって。
ピンクのスーツとか、着ているんです。
とつぜんの来客もあるだろうからって。
たしかにそうなんです。
出し抜けに、どやどやと。
村の衆がおおぜい、やってきて。
女ひでりなんだっていいながら。
女房のやつを、かっさらっていくんですよ。
あいつもあいつで。
ノッちゃっていましてね。
きゃーっ、あなた!助けてえっ。
なんて、わざとらしく騒ぎたてながら。
男衆に担がれて、そのまま納屋に放り込まれちまうんです。^^;
ええ、帰りはもう、暗くなってからになりますね。
お客人を一人残らず満足させてからじゃないと、戻ってこれませんからね。
新調のスーツを藁だらけにして戻って来る なんて。
日常茶飯事なのですよ。 笑

そういうことを、許せるようになったのは。
新婚そうそう、女房の実家近くに移り住んですぐのことでした。
うちの夫婦のすぐあとに。
村で婚礼が、あったのです。
当地での婚礼は、羞じらう新郎新婦に手本を見せるのだと称しましてね。
男女が乱れ合うんですよ。宴席で。
女房のやつにのしかかっていったのは。なんと義兄でした。
実の兄に乗っかられて。
ねずみ色のストッキングの脚、ばたばたさせながら。
まだ新妻だったはずの女房は、そのまま姦られていったのです。
きっとあのときが初めてでは、なかったはず。
わたしたちの婚礼のときだって。
花嫁の純潔は儀礼上、べつのかたに差し出すことになっていたのですが。
出血はしていませんでしたから。
引き裂かれた白のストッキングに撥ねた、相手の男性の精液が。
ひどく淫らに輝いていたものですが。
すべてを許せるようになった、あの婚礼のさいちゅうも。
ピンクのスーツのすそから覗く、ねずみ色のナイロンにくるまれた太ももは、
とても淫らに、輝いていましたっけ。

お義母さま、お独りなんでしょう?って。
うちのやつ、流し目をしながら、言いだしましてね。
ナニをしているときの、あの目つきで、ですよ。
ええ、それで母も、村に呼び寄せたんです。
さいしょはもちろん、嫌がっていましたよ。
けれども父と同年輩の馴染みができて、すっかりしみ込まされちまったらしくって。
都会育ちのワンピースをなん枚も、台無しにされながら。
これも寄附しましょうねって、着飾って出かけていくようになったんです。
黒の薄々のストッキングは、だれかを弔うためだけに脚に通すわけではないことを。
母は身をもって、学んだみたいです。

いまでは嫁姑ながら、納屋に連れ込まれる日常です。
姦られっぱなしでも、腹が立たないの?ですって?
まだこの村のこと、なにもわかっておいででないのですな。
ええどうぞ。
いちど奥さまを連れて、お越しになってみてください。^^
こんどの週末、空けておきますので・・・

田舎から来た兄たち。

2010年05月24日(Mon) 08:00:48

ええ、田舎のものは、律義ものですからね。
そうなる少しまえにも、ふたりの兄は。
はるばる都会のこの家まで、ふたり雁首ならべてやって来たのです。
今年はいよいよ、息子さんが男になるんだねって、
さいしょは紋付のまま行儀ばって、例のごとしの平身低頭をして。
わたしももちろん、紋付袴姿でした。
家族が出払った日を見計らっての、ことでした。

一週間後出かけていった妻と息子は。
いつもの母屋には泊まらせてもらえずに。
手狭な離れで一週間寝起きして。
なに、法事はたったの半日ですから。
一週間もいる必要はないのですよ。
けれども首尾よく、ならわしが成就するまで。
都会の家に帰されることはないのです。
五日目が六日目だったそうですよ。
とうとうガマンならなくなった息子が、妻におどりかかったのは。

つぎの年にも、ふたりの兄はあいさつにやってきました。
今年はゆかりちゃんの番ですなって。
こんどは、息子よりもひとつ年下の娘が、女になる番なのです。
ふたりの兄は、目のまえでくじを引きまして。
一番くじを引き当てたのは、上の兄のほうでした。
いえ、くじ引きというのは建前で。
ほんとうは、齢の順・・・と、決まっていたのかもしれません。
とんだ無駄足だったって残念がる下の兄に。
あとなん年かしたら、さおりちゃん別嬪になるぞって、
上の兄がからかっていましたっけ。

下の娘が、堕ちた夏。
ふたりの兄はまた、ふたりながらやってきましてね。
娘たちから脱がせた黒のストッキングをぶら下げて、見せびらかしてくれました。
さおりちゃんのほうが、寸法が小さいなって。
あそこの寸法も、これからかなって。
田舎のものは、言うことがまっすぐですからね。
娘たちの脚から抜き取られた薄手のパンストは。
男親のわたしの目にも、なまめかしく透きとおって見えたものです。

その日は珍しく、家族が戻って来るまで、ふたりは家に居つづけました。
もっとも妻と息子はお出かけ―――ええ、出るときはべつべつでも、
いまごろは同じベッド・・・という仲かな?という種類のお出かけでしたから、
けっきょく戻ってはきませんでしたが。
娘ふたりは、学校から戻ってきまして。
自分たちの身に着けていたものをもてあそぶ伯父たちを、
なんていやらしい・・・って睨みまして。
兄たちはわたしへの挨拶もそこそこに、
姪っこたちのあとを、追いかけたものでした。
わざわざこれから出かけなくたって、遠慮はいらんぞ、って言いながら。

姪っこを姦れるのは、気分のいいものだな。
上の娘が犯された、あの里帰りのまえ。
上の兄がぎらぎらとした面持ちで口にするのを。
五年待ったかいがあったね。
下の娘が下着を真っ赤にして戻ってきた、あの里帰りのまえ。
下の兄が舌なめずりをしながら、呟いたのを。
どうしてドキドキしながら、頷いてしまったのでしょう?
けれども二階にあがった娘たちが、
隣り合わせの勉強部屋で、めいめい兄たちに組み敷かれて。
白のハイソックスの脚をばたつかせながら、喘ぎ声を高めるありさまに。
わたしはとうとう、目を離せずにいたものですよ。


あとがき
ほとんどなにも考えず、一気呵成に描いちゃいました。(^^ゞ
↓のつづきです。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2093.html
姪っこに迫る伯父って、やらしいですよね?^^
今さらながら・・・ですが。(^^ゞ
奥さんを息子に、娘ふたりを兄に寝取られる父親は。
はたして哀れなだけでしょうか?
こういう妖しい昂りを、ひそかに感じていたりはしないものでしょうか?

五年後。

2010年05月24日(Mon) 06:27:26

今年も村○の家、来るだか?
あぁ、くるはずだ。娘がよい年ごろじゃからの。
なん年まえの、夏のことだったろう?
法事に参列するため訪れた、都会育ちの母子が。
狭い離れで寝起きするうちに、初めて身体をひとつにしてしまったのは。

なんども訪れているはずの父親の実家の風景が。
まるではじめてくる土地のように思えたのも、無理はない。
夏に行われる法事のとき。
十五歳を迎えたその少年は、毎年迎え入れられる母屋のかわり、
母子で泊まり込むにはやや手狭な離れをあれがわれて。
一週間の滞在のうち、大人の身体になっていた。
黒のストッキングに欲情を覚えた、都会育ちの息子は。
脱いだズボンのなか、逆立ちするほどに昂ぶった一物で。
母親の礼服のスカートを、濡らしていった。

来年は、娘さんの番だね。
都会に帰る日の朝。
おやじさんに、冷やかされて。
少年は耳たぶまで真っ赤にしながら、頷いていた。
翌年父親は、やはり用事を構えて実家には戻らずに。
まだ小さかった下の娘と、都会の自宅に残った。
なにも知らずに村を訪れた、都会育ちの少女は。
制服のプリーツスカートのあちこちに、草の切れ端をつけたまま。
黒のストッキングを剥ぎ取られた足許が覚束なくなるほどの暗がりになってしまった帰り道を。
父親よりも年配の伯父に促されて、母屋に戻っていった。
母屋で顔を合わせた母は、いそいそとお赤飯を炊いていて。
娘の寝所を訪ねる刻を待ちかねた義兄のようすを察すると。
息子とふたり、そうそうに。
あの手狭な離れへと、引き取っていった。

それからさらに、年が過ぎて。
下の娘の番を、迎えていた。
制服着るのも、今年が最後だね。
姪っこの制服姿を目を細めて見つめる伯父に。
来年も着て来てあげてもいいよ・・・って。
姉娘はイタズラっぽく、笑い返している。
いまではすっかり板についた、黒ストッキングの脚を。
草むらのうえ、大胆に投げ出しながら。

誘い出した、真夜中に。
姉娘は涼しげな、浴衣姿。
おっかちゃん、いまごろお兄ちゃんと乳繰り合うておるのじゃろ?
襟足をはだけていって、
なかを露骨に覗き込んでくるごま塩頭を、押しやりながら。
やらしい・・・なぁ。
少女はけだるげに、応えるばかり。
月明かりの下。
ぷりんとしたおっぱいが、滲み出る。
いいじゃね?減るもんじゃなし。
だめ!減るんだってっ。
押し問答は、いつか押し合いへしあいになって。
やがてふたつの人影は、手近な草むらに身を沈めていった。

だしぬけに。
きゃー!
叫び声がした。
母屋のほうからだった。
もうひとりの伯父が、妹娘を組み伏せて。
寝巻の奥を、濡らした瞬間だったのだろうか?
姉娘は考え深げな顔つきをして。
しばらくのあいだ、じいっと耳を澄ませていたが。
すすり泣きが少しずつ、色香を交えはじめるのを察すると。
なん年かまえのことを、思い出したのだろう。
襟首に迷い込んでくる掌を、浴衣のうえからギュッと握りしめて。
こんどはじぶんのほうから、誘い込ませていった。
お兄ちゃんはママといっしょ なんだよね?
きいたふうな口を、聞きながら。
浴衣の下前を、割られるままに割られていった。
お前ぇも息子と抵抗なく姦れるよう、身うちの身体に慣れないとな。
やだ。エッチ・・・
ひそかな交わし合いは、すぐに言葉にならない喘ぎ声に変わって行く。

あくる日は、法事だった。
母親と、年ごろの娘ふたり。
女三人は、三人ながら。
母親は、黒の礼装姿。
娘ふたりは、学校の制服姿。
そろいもそろって、薄黒いストッキングに、脛を染めていた。
法事のあとの愉しい刻を、予想しながら。
大人の男どもは、なまめかしく装われた女たちの足許を、品評するように見比べ合っている。

きゃあっ。ダメっ!だめだったらっ!
鬼ごっこをするみたいに。
ふたりの少女は母屋のなかを、逃げまどう。
さいしょに妹娘が。
それから姉娘が。
従兄たちに、掴まえられて。引き倒されて。
黒のストッキングの脚を、ばたつかせながら。
きゃあっ。きゃあっ。
はしゃいだ声をはじけさせながら。
お嫁入りまえに愉しんではならない愉しみに。
いつしか、耽り始めていった。

大人びた姉と、まだ稚なさののこる妹は。
お互いイタズラっぽく、顔見合わせながら。
狭い離れのようすを、窺っている。
ごくり。
生唾を、呑み込むとき。
二対のおさげ髪が、ゆらりと揺れた。
することしてるんだよね?ママとお兄ちゃん。
やらしいよね・・・
やらしいよ・・・
淫らな床に身を沈めてゆく兄と母とを指したのか。
いつの間にか自分たちの背後に回り込んで、
黒のストッキングのふくらはぎにべろをなすりつけてくる男どものことを指したのか。
まだ高い陽は、すべてをあからさまに照らし出してしまうのだろうけど。
あたりが暗がりになるまで、だれもが待ちきれなくなっている。


あとがき
たいとるの意味ですが。(^^ゞ
いつから「五年後」かと、いいますと。
↓このお話の五年後 ということなのです。

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2079.html
「村がえり」
父の実家の法事のために村を訪れた母と息子が、手狭な母屋に入れられて。
母子ながら、契ってしまうというお話です。

そのつぎの年には、上の妹が。
さらにそのなん年か後には、下の妹まで。
手慣れた年配男たちの手で、初穂を摘まれていくのです。
初穂を摘まれた娘たちは。
やがて同年代の従兄たちを相手に、愉しみを深めるようになります。
将来訪れるであろう、彼女たちの母子相姦の場のお膳立てとして。
近親との関係に、慣れ切ってしまうために。

前回のエンディングでは、主人公の少年が父親になって、時代がまたくり返す。
そんなふうにしてみたのですが。
そのあいだに、こんな処女喪失譚があったのですね。^^
お話のねたをご提供くださった○○さん、デフォルメのし過ぎでごめんなさい。(^^ゞ

え?
肝心の?○○夫人の新婚当時のお話 ですか?
それもそれで、よさげなのかも・・・。^^

追記
これはさらにその後のお話です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2095.html

主役交代

2010年05月24日(Mon) 04:52:42

こんな遅くに、でかけるの・・・?
深夜、灯りがこうこうとついている妹の勉強部屋をすり抜けるようにして。
家をまぎれ出ようとすると。
細めに開いた引き戸の下。
白い手首がぬるっと差し出された。
足首を通せんぼするみたいに。
ほっそりとした指が、ボクの足首をまさぐった。
手指は器用にするすると、スラックスをたくし上げて。
白のソックスの丈がひざ下まであるのをみとめると。
男の子にしては、長いの履いているんだね。
イタズラっぽい詮索好きな視線が、上目遣いに追いかけてきた。
ひっそりとした囁きは、それでも確実に、核心を衝いてくる。
逢いに行くんでしょ・・・吸血鬼の小父さまに。

一家からひとり、吸血鬼を出すことが義務づけられて。
白羽の矢の立ったのが、ボクだった。
夜な夜な、呼び出されて。
ふしぎなやつだよな。
首筋じゃなくって、脚から血を吸い取るんだ。
スラックスをたくし上げて、白のハイソックスを赤黒く濡らしながら。
なんども刺し入れられてくる牙が、ひどくくすぐったかった。
妹はいつの間に、そんな家族の雰囲気を察したのだろう?
ねえ。
イタズラっぽい笑みは、消えない。
今夜はあたしのハイソックス、履いて行ってくれないかな・・・?

主客が逆転するのは、あっという間のことだった。
真夜中なのに、学校の制服に着かえた妹は。
ボクのあと、足音を忍ばせて。
真夜中の公園へ向かう道を、肩を並べて歩いていた。
もう・・・っ。またこんなに汚しちゃうんだからっ。
自分の血で真っ赤になったハイソックスの脚を引きながら。
それでも妹は、ひどく愉しげにはしゃいでいた。
初々しく輝く頬を、蒼白さに染めながら。

お兄ちゃん、いる・・・?
蒼白く透きとおった頬に、無邪気な笑みを滲ませて。
妹は薄い唇の端から、鋭利な牙をむき出しにする。
あぁ、いいよ。喉渇いたんだろ?
そういって差し出すボクの脚は。
薄っすらとしたねずみ色のストッキングに覆われている。
恥ずかしいよ。こんなかっこ。
初めは尻込みをした、脚だけの女装。
来春式を挙げる予定の彼女が愛用しているストッキングは、
つねるようないたぶりを加えてくる妹の唇の下、
ふしだらにねじれていった。

女吸血鬼か。わるくないね。
父もまんざらでは、ないらしい。
首筋をなぞってくる娘の唇に、ちょっとだけ顔しかめながら。
母さんのことは、公園まで連れていくんだね?
吸血鬼のおじさんと、山分けにするんだろう?
表向きはこの世のものではなくなっている妹のため。
それ以来母さんはいつも、黒のスーツを装っていたけれど。
足首を薄墨色に透きとおらせているあの靴下は。
きっと、これから逢う情夫のために、装われているのだろう。

嫁と姑の関係となる女ふたり、肩を並べて。
まるで競い合うように、なまめかしいストッキングの脚を並べて。出かけていって。
真夜中の公園からの帰り道。
転んじゃったのよ。
見え透いた言い訳の下、薄々のナイロンは、みるかげもなく破れている。
生け垣ごしに、いちぶしじゅうを見ていた・・・なんて。
決して口にしては、ならないぜ?
父はイタズラッぽく笑いながら、夜ごとにボクと、役割を入れ代わってゆく。
奥さんや婚約者を吸血鬼に襲われて寝取られる なんて。
世間さまの評判に、かかわることなんだからね・・・

はらまされちゃったら、どうしよう。
露骨すぎることばを、つい口にしてしまったとき。
薄闇を通してこちらを窺う白い頬が、ふふ・・・っと笑んだ。
だいじょうぶ。
あたしがお兄ちゃんの胤を、宿すから。
兄妹のベッドのうえ。
制服のスカートの下、ひざ下ぴっちりまでお行儀よく引き伸ばされた白のハイソックスが。
たったいまほとばしらせてしまった白い粘液に、濡れている。


あとがき
息子が吸血鬼になって、家族全員の血を啜るはずが。
一転して娘がヒロインになってしまう というお話です。^^
どちらのほうが、よりエロさを満喫できますでしょうか?

似合う。

2010年05月20日(Thu) 07:45:37

男の子のくせに、半ズボンの下真っ赤なタイツを履いて。
真夜中の公園に、出かけていって。
待ち合わせていた吸血鬼に、ふくらはぎを咬ませてやって。
ぐいぐい、ずいずいと。生き血を飲まれていって。
うっとりとした気分の彼方。
こんなところにいるはずのない父さんが、
ラインの入ったハイソックスに短パン姿で、現れて。
なんだ、坊主。こんなところでそういういけない悪戯に耽っちゃ、ダメなんだぞ。
通り一遍にだけ、咎めことばを口にした。

タイツの裂け目を気にしていると。
父さんの足許に唇を近寄せた吸血鬼の小父さんに。
汗が染みて、汚いですヨ。
そういって父さんは、微苦笑しながらも、
ちょっぴり泥の撥ねたハイソックスのふくらはぎを、咬ませていった。
ここまで愉しませてもらったら。奥さんのストッキングも気になりますね。
どこのだれとも知らない男に、父さんはもっともらしく、相槌を打っていた。

こんなに似合うとは、想わなかったな。
父さんはむしろ嬉しそうに、庭先で声をあげている母さんのことを、見守っていた。
パパのハイソックスに泥が似合うように。
ママのワンピースにも泥が似合うって。
薄い肌色のストッキングごし、ぬらぬらと這わされた唇が。
びっくりするほど、紅みを帯びていた。


あとがき
さやかさんの呟きじゃないけれど。
最近こんな、似たようなものばっか描いていますね。私。(^^ゞ

書き初め

2010年05月19日(Wed) 07:17:20

和室で書き初め。
シンとした静謐。改まった空気のなか。
妻がひと言、つぶやいた。
今年の願懸けするのって、どう?
ああ、それはいいね。
わたしが相槌を打つと。
妻は成就を確信するかのように、さらさらと筆をすべらせた。

「恋愛成就」

え・・・っ?と、わたし。
ふふ・・・っ。と、妻。
そんな両親の様子を傍らから面白そうに窺っていた、中学生の娘は。

「処女卒業」

あらあら。
娘をにらむ妻の目色には、女親らしい優しさが滲んでいる。
わたしのすぐ隣でふたりを見比べている、もうひとつの目があった。
黒衣に身を包んだその男は、傍らの筆には手をやらず、

”Happy Familly”

メモ帖に万年筆で、そう描いていた。
彼に促されて部屋を出るふたりを見送りながら。
わたしはさいしょにすべらせた蹟(て)を、反芻している。

「与へる悦び」

さいしょに筆をとって、よかったのだろうか?

いまは、若葉の季節。
ええ、いずれも成就・・・していますよ。^^


あとがき
さいごの二行で、季節外れなイメージを補ってみました。 笑

大きな樹の下で。

2010年05月18日(Tue) 06:42:52

大木の根元に、尻もちついて。
息子は半ズボンの下、わたしとおなじ柄の靴下の脚を、差し伸べる。
折り返しにラインが三本走るハイソックスの、太めのリブに。
吸いつけられた唇の下、バラ色のシミが広がっていった。
お手本を見せたわたしの足許も、
おなじ色のシミでぬらぬらと、濡れている。

うぅ~ん・・・っ
くすぐったそうに顔しかめる息子は。
仲良くなった吸血鬼の小父さんに、おねだりされるまま。
年若い生き血を、吸い取られるままにされていって。
気絶する直前、ママやまゆちゃんの血も小父さんにあげるね と
指きりげんまんをしたのだった。

足許にひりひりとした疼痛を感じながら。
背中にずっしりと重くなった息子の体重を感じながら。
すやすやと寝息を立てる息子を背に、わたしはわざとゆっくりと、家路をたどる。
いまごろは。
息子の血を滴らせた唇を迫らされた、その母親が。
娘のまえ、手本を見せるように。
白いうなじを気前よく、差しのべて。
おなじ色の液体で、お気に入りのワンピースを彩っているのだろうか。
そうしてその娘もまた、家じゅうを逃げ回る鬼ごっこを演じた挙句。
真っ白なハイソックスのふくらはぎに、卑猥な唇を吸いつけられていって。
兄のハイソックスを濡らしたように、純白の生地をバラ色に染めているのだろうか。

娘が気絶するほど、血を吸い取られて。
ソファのうえ、心地よげな眠りに就いたころ。
ふたたびうなじを咬まれ、うっとりとなったわたしの妻は。
肌色のストッキングにジューシィに映えたふくらはぎを、咬ませてしまうのだろう。
引き破られたストッキングの脚、ばたつかせながら。
わたしたちが帰宅するころにはちょうど、
息子と仲良くなった小父さんと、とても仲良くなっていることだろう。

息子が無邪気に口にした、家族の運命は。
きっとわたしの目さえも、愉しませてしまうのだろう。

三人めの訪問者

2010年05月16日(Sun) 06:38:11

娘さん、おいでなさい。
気さくな小父さんに、誘われて。
娘ははしゃぎながら、その村に旅立った。
旅先の村で見初められて祝言を挙げたのは。
その秋のことだった。

お母さんも、いかがですか。
娘のお義父さんになった、そのひとの誘いを受けて。
妻は嬉しげに、その村に出かけていった。
娘の嫁ぎ先で、お義父さんに迫られて。
母娘ながら、堕ちていった。

お父さんも、どうですか。
わたしがちょくちょく、妻のあとを追うように村に出向くのを。
女たちが気づいたのは、すぐのことだった。
しばらく留守にしますね。
父さんもたまには、おいでよ。
女たちは、あくまで知らぬ存ぜぬを決め込んで。
わたしも何食わぬ顔、都会に居つづけのふりをする。
三人ながら堕ちるお宅は、なかなかないのですよって。
娘婿は愉しげに、囁きかけてくれている。
都会育ちの母娘相手にじゃれついた父子が、獲物を取り替えっこするのを。
納屋の小窓。雑木林の入り口から。
きょうもひっそりと、熱い視線を注いでしまう。


あとがき
前作と同工異曲 ですな。。。

夏の合宿。秋のバスツアー。

2010年05月16日(Sun) 06:30:08

高校生活さいしょの夏。
娘は合宿先で、大人の女になって戻ってきた。
あとで聞いたところによると、
処女破り合宿。
そんなふうに呼ばれているらしい。
潔癖にいやいやをして羞ずかしがる、さいごのひとりが堕ちたとき。
合宿は初めて、その日程を終了する。
おくてな娘は、さいごのひとりだった。
太ももからしたたり落ちたバラ色の血を、白のハイソックスに付着した赤黒いシミに変えたまま。
仲良し同士連れだって、家に戻って来たという。
知らぬは父親ばかりなり。

その年の秋。
妻あてに届いた、バスツアーの招待状。
行き先は娘の合宿と、おなじ村。
生徒のお母さんたちが集められたツアー先で、
妻は娼婦になって、帰宅した。
あとで聞いたところによると、
貞操を捨てる旅。
そんなふうに呼ばれているそうだ。
かたくなに拒みとおすさいごのひとりまでもが、堕ちたとき。
ツアーはようやく、その行程を終える。
貞淑だった妻は、さいごのひとりという誇らしい座を獲得したそうだ。
さいごまで、着飾ったスーツを紅葉に塗れさせながら、
みんなの拍手のなか、堕ちていった。
知らぬは夫ばかりなり。

今年の春は、みんなでピクニックに出かけようか。
行き先は娘が女になり妻が娼婦にされた、あの村。
こんどはわたしが、助平な夫を演じに訪れる番。
あとで聞いてみたら、
愉しい家族ツアー
そういうものにわたしが参加しようなどとは、妻も娘も思っていなかったらしい。
覗き見する、納屋のなか。草むらの向こう側。
都会の服に装った女たちが、それは愉しげに堕ちてゆく。
帰り道につくときは。
村じゅうの男衆が、わたしに握手を求めてきた。
家族全員が、素知らぬ顔を決め込みながら。
パパにはナイショ。主人には言わないでね。
聞こえないふりをした背中越し、いけない囁きが鼓膜をくすぐった。

墓前の母娘

2010年05月13日(Thu) 08:01:22

もうっ。パパったら、サイテー!
娘はそう、口尖らせて。
わたしの墓詣りに訪れた妻とふたり、黒のストッキングを噛み破らせてしまっていた。
そんなふうになってから。
学校帰りを待ち伏せるようになって。
きょうは少しだけだよ。
娘はちょっと、蒼い顔になっていた。
首筋を、ちゅう・・・っと吸って。
紺のハイソックスのふくらはぎにも、唇這わせて。
男のひとの精をうけると、もう少し長持ちするんだって?
だれから聞いたのか、娘が口にした情報は。
そのまま、わたしの血を吸った男の話とおなじだった。

訪れた妻は、ダイヤ柄の黒のストッキング。
伴われた娘は、ひし形もようのひざ上までのハイソックス。
母娘で、似たような柄のやつ穿いてくるんだな。
揶揄をした彼は、妻の腕を掴まえて。
喪服姿を別室に、連れ込んでゆく。

ねぇねぇ、見て見て。ママ困った顔してるわよ。
娘は愉しげに鍵穴を覗き込んで。
悩ましげに眉をひそめる母親の痴態に、見入ってしまっている。
わたしに視られているのを、自覚してか。
妻はかぶりを振り振り、男の求めに応じていった。
最後に、喪服のスカートのひざのすき間に割り込まされた逞しい腰を、
ぐう・・・っと、沈められて。
ひいいいっ。
妻は狂わされていた。
ママ、ご結婚お・め・で・と・う♪
娘は愉しげに、つぶやくと。
パパ、あたしたちも早く、姦っちゃおっ。
むしろ悪戯を愉しむような気軽さで、ひし形もようのハイソックスの脚を、広げていった。

怖く・・・ない?
パパだから、だいじょうぶ。
娘の声が、いつになく震えているのを感じながら。
わたしは不覚にも怒張しきった昂ぶりを、秘められた股間にさ迷わせていった。


あとがき
近親相姦の風習のある土地では。
はじめての相手に父親を選ぶ娘が少なくない、ということです。
他所の男のひとって、怖いから・・・ と、囁きながら。

お人好しの血

2010年05月10日(Mon) 07:09:32

エエ、あなたお人好しねって、いつもうちのやつに笑われるんです。
けれどもどういうわけか、憎めないんですよ。
いつもすみませんすみませんって、言いながら。
うちのやつを、誘い出していくんです。
ばれちゃったときに、うちまでやって来て。
土間に土下座して、謝っていましたっけ。
やもめ暮らしが、長かったっていうんです。
なんだか話伺っていて、気の毒になっちゃって。
うちの家内でよければ、たまには誘ってやってくださいよ。なんて。
わたし言い出しちゃったんです。
そういう関係があって、はや十なん年。
じつは娘は、あのひとの種なんですよ。
人のいいところまで、あのひとに生き写しなんですね。
あなたに生き写しなのよって。うちのやつはやっぱり、冷やかすんですが。

その若い男の吸血鬼が、となりの街から逃げてきたのって。
娘が中学にあがった年の春のことでした。
ふつうの学生として、暮らしていて。
学校で部活をやっていて、けれども夜しか運動ができなくて。
おなじ部員が彼のペースに付き合って真夜中の校庭で練習してあげて。
“彼”が疲れると、血を吸わせてあげていた・・・までは良かったんですが。
足りなくなった血を補給するために、部員の彼女たちを、チアガールに用意したらしくって。
そのなかに来合わせた友だちの友だちみたいな関係の女の子が、事情を知らされていなかったらしいんですな。
いきなり血を吸われて、うっとりとなっちゃって。けれどもそれを親に話したらしくって。親が騒ぎ出したりして。
それで街に、いられなくなっちゃったらしいんですよ。
街をさまよい歩いているだけの吸血鬼のこと、どうしてそんなに詳しいのか?ですって?
詳しくもなりますよ。娘の相手になってしまった以上はね。

娘はその晩、部活の帰り道でした。
文化部でも、夜遅くまで活動することはあるんです。
苦しそうにうずくまっている彼に、声をかけましたら。血を欲しい・・・っていわれたんですね。
娘は看護婦志望でしたから、とっさに介抱しようとしたらしいんです。
ふつうはそこで・・・血をぜんぶ吸われ尽くしちゃう、というのが。お定まりのパターンですな。
芝生のうえに制服姿を抑えつけられたところまでは、まさにそんな感じだったみたいです。
とっさに娘は、口走ったそうです。
わたしの血全部要りようなんですか?って。
―――全部なんて、吸うわけないだろ?俺は人殺しじゃないんだから。
―――でも小説では・・・
―――現実は違うの。
―――じゃあどうして、追われているんですか?
―――そういうもんだからさ。
さいごの言い草が、とても悲しそうだったから。
娘は抵抗の手を緩めると、“彼”のまえ手を合わせてお願いしたそうなんです。
―――大人しくしてあげる。だから殺さないで。って。

娘の血を吸ったあと。
“彼”はぽつりと、呟いたそうです。
―――お前みたいなやつ、どこかで逢ったような気がする。って。
それから週に、一、二回。
娘の部活は深夜になったようでした。
“彼”には妙な趣味があって、ストッキングやハイソックスを履いた若い女の脚を噛みたがるんだそうです。
さいしょに噛ませたのは、制服の紺のハイソックスだったのですが。
ぜんぶ噛み破らせてしまうわけにはいかないので、彼に逢う夜は下校前に、自前の紺のハイソックスか真っ白なやつに履き替えていったそうです。
白のハイソックスに赤黒いシミをつけて戻ってきた娘に気づいたうちのやつが、声かけるまで。
三か月くらいも、交際をつづけていたそうです。

ママも付き合ってあげる。あなた一人じゃ、大変でしょう?
うちのやつも、大胆でした。
さすがに事前に相談はありましたけど。
あなた、反対しないよね?って。強い女です。
事実反対は、しませんでしたね。
追い詰めちゃったら、飢えて死んじゃうか、本人にその気がなくても、だれかの血を吸い尽くしちゃうか、そういうことになりかねないでしょう?
娘と連れだって黒のストッキングを穿いて出かけていって。
わたしが帰宅したころ、ふたりして戻ってくるんです。
紺のハイソックスを履いた娘のほうは、あまり目だちませんでしたけど。
黒のストッキングが伝線しているのは、かなり色っぽかったです。(^^ゞ

そのうちに、隣町の以前の顔なじみたちが、“彼”のことを聞きつけて訪ねてくるようになりました。
その時分には“彼”は我が家を定宿にしていまして。
娘とうちのやつとが、代わりばんこに相手をしてやっていたのですが。
やっぱり血が不足ぎみらしくって、時々蒼い顔していたんです。
“彼”の友だちが来てくれたときには、正直助かったと思いましたね。
若くて活きのいいスポーツ部員がなん人も、ですからね。
そのなかのひとりとは、“彼”は特に仲が良かったようです。
初めて遭ったのが試合の前日で、お願いして一日待ってもらって。それからのご縁だって、いっていました。
―――やっぱりお前ら、似てるんだよ。
”彼“がそのひとと娘とを見比べて、そういうったそうですが。
たしかにふたりとも、相通じるような人の好さをもっていました。

今ですか?
ええ、そのときのご縁で。娘はその青年といっしょになりました。
うちのやつもわたしも、あちらの親御さんも、知っています。
知らないのはきっと、本人たちだけでしょう。
あのふたり。父親がおなじ兄妹なんですよ。
血が呼びあったんでしょうかね。
“彼”の嗅覚が、娘のことを捉えたのが「運の尽き」だったのかもしれませんね。 笑
案外当人同士も、気づいているのかもしれません。
気づいたうえで、いっしょになったのかもしれません。
いまでも“彼”は、ふたりのところによく顔を出すそうですし。
孫娘もきっと、中学にあがるころには。
“彼”のために首筋を差し出すようになるのでしょう。
お人好しの血を、与えるために。


あとがき
この父親こそ、いちばんのお人好しなのですが。
きっとたぶん下に息子がいて、息子が嫁を取り持ってやっているとか。
そういう展開があるのでしょう。
今朝訪れた“魔”がわたしに囁いていったのは、ここまでのお話だったのですが。

真夜中の部活

2010年05月10日(Mon) 06:36:17

その日は試合のあとで、もうどろどろに疲れていました。
そんなとき学校帰りのボクの目の前に立ちはだかったのが、“彼”だったのです。
どうして“彼”の正体を、そんな一瞬で見破ることができたのか、いまだにわかりません。
明日は試合があるんです、どうか見逃してください。
手を合わせて、頼んでいました。
そうか・・・試合じゃしょうがないな。
“彼”は評判できくよりも、もの分かりのいいことを言ってくれました。
明日、必ず来ますから。
“彼”は、あてになんねぇ約束だな・・・そう呟いて、立ち去って行きました。
事実明日という日は、大会だったのです。

彼が長い靴下を履いた女の子を襲うのって、校内でも有名だったのです。
男の血なんか、吸うんですか?ボクが長い靴下を履いているから、狙ったんですか?
彼が長い靴下を履いた女の子を襲うのって、校内でも有名だったのです。
紺色のハイソックスや黒のタイツだと、よくわからないときもありましたが。
白のハイソックスに赤黒いシミをつけたまま下校してゆく同級生や、
黒の薄々のストッキングのふくらはぎを伝線させて歩いている上級生のお姉さんを時折り見かけることがありました。
そのときボクは、運動部のユニフォームを着ていたので。
たしかに長い靴下を、履いていたのです。
もっとも練習のあとで、泥と汗になっていましたが。

あとで考えても、どうしてあんなことを訊けてしまったのか、不思議でなりません。
それだけこっちも、切羽詰まっているんだよ。
投げ捨てるように告げる“彼”に、なぜかすみませんすみませんと、しきりに謝っていました。
お前、いいやつだな。オレのほうが悪いのによ。
そんなことないです。病気なんでしょう?
「病気」というボクの言い草に、“彼”はちょっとだけびっくりしたような顔をしていましたが。
なるほど・・・そうとも言えるかもな。
妙に納得、していました。
それとな。俺は汗が苦手なんだ。昼間の運動もできないんだよ。
なるほどたしかに、かれがハイソックスのふくらはぎに噛みつくのが好みだといってみても、
筋肉質の太い脚に、泥と汗になってずり落ちかけたソックスでは、そそられようもなかったでしょう。
明日彼に逢うときには、試合のあと真新しいのに履き替えてやろうと思いました。

一回戦負けでした。
というか、お坊ちゃん学校で通っていたうちが、試合に出て勝つことなんか、ありえなかったのです。
それでもボクたちは、精いっぱいがんばったことについて、とても満足していました。
じゃあね。
仲間に別れを告げようとしたとき、だれかが咎めるように声をかけてきました。
あれ?お前帰り道そっちだったっけ?
いや・・・ちょっと・・・
口ごもったボクは、けっきょく仲間に夕べのことをあらいざらい、話してしまいました。

なにをお人よしな・・・
なかにはそういって、笑うやつもいましたが。
いちばんの仲良しふたりが、付き添ってやる・・・って、言ってくれました。
気をつけてな。
ほかの連中が気にしぃしぃ立ち去ったあと。
俺たちもストッキング、新しいのに履き替えようか?
ボクだけが真新しいソックスに履き替えたのを、彼らは目ざとく気づいていたのです。

遅くなって、ごめんなさい。友だちも連れてきたから。
待ち合わせ場所の公園の片隅でうずくまっていた“彼”は、ボクたちが三人なのを見て少しびっくりしていました。
ひとりじゃしんどいからさ・・・
キャプテンが慣れた感じで、“彼”のほうへと真新しいハイソックスの脚を差し向けていきました。
じつは以前から、“彼”とは気が合っていたらしかったのです。
三人が三人ながら血を吸われて、ハイソックスに赤黒いシミをつけてしまうころには。
もうそうしたものが気にならないほど、あたりは暗くなっていました。
こんどいっしょに、練習しないか?
キャプテンの言い草に、“彼”はどきりとしたらしく、思わず顔をあげました。
血が付いてるよ。
べつのひとりが、“彼”の口もとを拭ってやりました。
さいごに血を吸われたのは彼だったので、自分の血を拭いてやったというわけです。
昼間の運動はダメだけど。夜ならいいよね?
いちどくらい、部活やってみたら?

真夜中の校庭は、別世界のように静まり返っていました。
幽霊が出るとうわさされた校舎も、シンとして闇夜のなかにうずくまっています。
主だった部員は、ぜんぶそろっていました。
そろいのユニフォームで、ランニングをして。
転がるボールを追いかけて、校庭じゅうを駆け回っていました。
ほどよく汗が、滲むころ。
そろそろやめようか?
キャプテンの声に振り向くと、ユニフォーム姿の“彼”はもう、息を切らしはじめています。
一週間の禁欲は、きつかったかな?
照れたように笑う彼に、警戒心のこもった尖った視線を送るものはだれひとり、いませんでした。
今夜の当番は、だれ?
数名の部員が、手をあげましたが、“彼”はかぶりを振るばかり。
今夜はなんだか、やりにくいな。おなじユニフォーム着ちゃうとさ。
真新しいユニフォームが気に入ったのか、彼はそのままの姿で、帰ってゆきました。
こんどの練習は、チアガールも用意したほうがいいかな?
キャプテン彼女連れてくるんですか?うってつけですね。
冷やかしたそいつが背中をどやされたのは、いうまでもありません。
華やかなショウで有名なあの部に所属する彼女たちは、おそろいのミニスカートのコスチュームの下、白の薄々のハイソックスを履いているので。
お前たちもだれかいない?
妹を・・・って言いたかったんだけど。
遠い街に住んでいるという母親ちがいの妹に、ボクは逢ったことがまだなかったのでした。


あとがき
特定のスポーツの名前には、わざと触れない柏木でした。

値切った後は、気前よく・・・

2010年05月10日(Mon) 06:09:31

やや同性愛ぽいお話かも?^^;


30分くらい、きみの血を愉しんでも構わないだろ?
困る。困るよ!そんなに長く・・・
じゃあ15分?
15分も吸われたら、貧血になっちゃうよ。
三回咬んだら、しまいにするから。
エッ!三回も!?一回だけ、せめて二回までにして・・・
わかったわかった。首筋から始めるぜ。
やだっ。服が汚れるじゃないか。
じゃあ半ズボンから覗いた太ももから・・・かな・・・。^^

数分後。
ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・
やっぱりきみの血、美味いな。もう少しいいかい?
ああ・・・いいよ。小父さんも愉しそうだね。
きみこそ、愉しんじゃっているだろう?
首筋咬んでもいいからね。服がちょっぴりシミになるくらい、ガマンするから・・・
そいつは嬉しいね。じゃあお言葉に甘えてもうひと口。

さらに数分後。
さっきからハイソックスの脚、狙ってない?^^;
ばれた?^^
う~ん、咬ませちゃうのもったいないけど・・・好きにしな。
じゃあご厚意に甘えて、もうひと口ね。^^ これでおしまいに、するからね。
ハイソックスのうえから、咬みたいの?なんだかそれって、やらしいね。
―――少年は小父さんを軽く睨みながらも、ずり落ちかけたハイソックスをきっちりひざ下まで、引き伸ばしていった。

それから数分後。
頭ぼんやりとしてきちゃった。
そろそろやめようか?
うぅん。だって小父さんまだ満足していないだろう?
きみも・・・なんだね?^^
ヘンなこといわないでよっ。ボク変態じゃないんだからっ。
わかったわかった。もう片方の脚も、愉しませてもらおうね。
ああ、いいね。白のハイソックスにバラ色のシミって、なんだか似合うね。
しましまもようのTシャツにも、きっと似合うと思うぜ?
ウン、ボクもそう思う。初めて意見が合ったね?^^
じゃあもうすこしだけ・・・

ほんの数分、血を吸わせるだけの約束が。
夜中に始めて、明け方までになっていた。
ひと口ふた口の約束が。
身体じゅうを、咬まれていった。
けっきょく少年は、自分の体内をめぐる血液を、ぜんぶプレゼントしてしまっていた。
とても心地よげに、頬をふしだらにゆるめながら・・・

きょうも真夜中の街角を。
黒衣の紳士と半ズボンの少年がさまよい歩いてゆく。
夜道に白のハイソックスは、キケンな眺めだね?
大好きな小父さんに、そんなふうに冷やかされて。
照れ笑いを浮かべる少年は。
もうためらいもなく、行きずりの女の子たちに、声かけてゆく。

献血だと思えば、いいんじゃない? ~差し出された都会妻の黒ストッキング~

2010年05月06日(Thu) 08:21:05

献血だと思えば、いいんじゃない?
妻の菜緒子の声色は、意外なくらいにサバサバしていた。
たまたま来合わせた、田舎の宿。
宿の主人からその驚くべき申し入れを受けたのは、つい夕べのことだった。
宿泊料金は要りません、その代わりに当地の男衆に奥さんの生き血を吸わせてやってもらえませんか?
どんな悪い冗談だろう?って顔見合わせるわたしたちを。
宿の主人は案内してくれた。
公民館に。

部屋のひとつには、学校帰りの女子学生が集まっていて。
たがいにキャッキャと、声はずませて、はしゃぎながら。
足許に這い寄る男たちを、軽く咎めてはいたものの。
制服のスカートの下、仲良く並んだひざ小僧の下。
真っ白なハイソックスに、紅いシミを撥ねかして。
薄黒いストッキングを、びちーっと伝線させて。
代わる代わるに、脚を吸わせてやっていた。

べつの部屋では。
中年の夫婦ものが。
どうやら奥さんにご執心らしい初老の吸血鬼を相手にしていて。
ご主人が、奥さんに手本を見せるように、スラックスをするするとたくし上げて。
あくまで男ものだよ、っていいながら。
ストッキングのように薄い、ひざ丈の靴下ごしに。男に咬まれていって。
縦に走った太い裂け目に、さすがに顔しかめながらも。
おまえも、破らせてみて御覧。
ご主人に促されるままに、奥さんも。
ワンピースのすそから覗く、肌色のストッキングに包まれたふくらはぎを、
ためらいながら、差し出していった。
足許を見おろすしかめ面が、目じりをゆるめてしまうのに。
おそらく数分と、かかっていなかった。
あら、あら。
尻もちをついたのも、気づかぬように。
さっきまでのためらいとは様変わりの、人懐こい笑みをはじけさせながら。
脚の輪郭からふしだらに浮き上がった肌色のストッキングがずるずるとずり落ちてゆくのを、
それはおもしろそうに、見おろしていた。

ほら、皆さんあんなふうに・・・愉しんでいらっしゃるんですよ。
宿屋の主人も、ちょっぴり羞ずかしそうに。打ち明けてくれたのだった。
私どものるす中うちのやつも、若い男衆の相手しているはずなんですよ。
こないだ街に出たとき買ってやった、黒のガーターストッキング穿いていましたからね・・・

いいじゃないの。献血だと思えれば。
菜緒子がこともなげに、そういったのは。
宿にもどってすぐのことだった。
私ガーターストッキングは、持っていないけれど。いまあるやつでも、愉しんでもらえそうだしね。
ストッキングを履いた妻のふくらはぎに、だれかが噛みついて、血を啜る。
そんな想像に、なぜかわたしまでもが、狂おしく脳裏を染めるようになっていた。

あのー、献血に協力するには、どうしたらいいんですか?
なんとも間抜けな質問に。
宿の主人はていねいに、教えてくれた。
じつはね。もう希望者がいらっしゃるんですよ。
村に入るとき、初老の男性とすれ違いませんでしたか?
あのかた、このあいだ奥さんを亡くされましてね。
いえ、亡くされたといいましても・・・たぶんお盆のころには生き返るご予定なんです。
すれ違っただけで、見初められたみたいですよ。
貴方の奥さまと、うり二つに見えたって、仰っていたんです。
若い奥さん、いらしたのに。
当地に棲む吸血鬼に、血を吸われちまいましてね。
ああ、だいじょうぶですよ。
いくら手前どもでも、来たてのお客さんにそこまではやりません。
どいうのもね。あのお宅はご主人も半分、吸血鬼だったんですよ。
さいしょにご主人が血を吸われて、墓場送りにはならずに済んだのですが。
お相手のかたがさいしょから、奥さんを狙っていたんですよ。
ご自身も血を吸われちゃって、たちまち意気投合。です。
女房の血を吸わせてやるよって。
それから奥さんは、通ってくる吸血鬼氏と、ご主人と。おふたりながらめんどうを見られて。
とうとうすっかり、もてなすべき血を失くされてしまったんですな。
生き返るときっと、ご実家の兄嫁さんとか、姪ごさんとか、順ぐりに訪問して、まずご自身の血を取り戻して。
それからまた、おふたりのお相手をつづけるんでしょうな。
けれどもそのあいだ。
ご主人のめんどうをみるものが、足りないのですよ。
村の奥さん連中が、交代でめんどうみているのですが。
どうにも手が足りなくってね。
貴方の奥さまには申し訳ないんですが、頭数の穴埋めをしていただきます。
そのほうが、ご負担が軽いでしょうから。
ほんとうはそういう扱いでは、失礼なのかもしれませんですがね。
さいごのひと言を、本当はもっと気にするべきだった。

その晩宿を訪れた吸血鬼氏は、半吸血鬼といわれるだけあって、ただの初老の男性にみえた。
ごま塩頭に、くすんだ顔いろ。
まずは奥さんを亡くされたお悔やみを口にすると。
ひどくていねいな物腰のお礼が、かえってきた。
きっとこの優しさで、血のないものに奥さんの膚をゆだねだのだろうと思えるほどに。
けれども、芽生えた吸血鬼としての本能も、この男のなかでたしかな存在になっているらしかった。
ほんとうは明日、と言い置いていたのだが、待ちきれなくなってしまったというのだった。
仕方ないわよね。吸血鬼って夜行動するんでしょう?
奈緒子がなぜか、とりなすようにそういったのは。
きっと相手の男性に、忌むべき以外のものを視たからに違いない。
果たして映画で得た知識がどこまで役に立つのか、わたしたち夫婦にもさっぱり見当はつかなかったけれど。
わたしが投げた、あくまで儀礼的な歓迎の辞に、その男性はひたすら恐縮するばかりだった。

ご主人、いけません。いったん座をはずしましょう。
宿の主人にいわれるままに、二人きりにした妻と吸血鬼。
あの・・・どうぞ、お好きなようになさってください。
未知の男性と差向いになった菜緒子は案外、思い切りがよかった。
咬まれたあとが、まだじんじんと疼いている。
そう、さっき妻より先に、わたしが「手本」を見せたのだった。
献血協力者の夫としては、さっき垣間見た夫婦もののご主人のように、
通り一遍にでも、手本を見せなければならなかった。
あのご主人の穿いていたみたいな、薄い靴下の持ちあわせはなかったけれど。
私のストッキング貸してあげようか?
さすがにそんな妻の冗談には、乗れなくて。
登山用のひし形もようの長靴下を履いて、妻より先に寝そべってみた。
失血にくらくらとしたくらいだから、けっこう吸われたのだろう。
彼の体内をめぐりはじめたわたしの血は、菜緒子にのしかかるはずの渇ききった欲望を、すこしは軽減させることができたのだろうか?
それとも案外、妻を責めるための精力に、なり果ててしまったものだろうか?
献血のご協力感謝しますという、相手の男性の声には真情がこめられていた。
わたしは丁寧に頭を下げて、
妻をよろしく。
造ったはずの声色にも、こちらなりの真情を込める気持ちになっていた。

ァ・・・
ふすまの向こう。
妻が切羽詰まった呻きを洩らしていた。
うなじに吸いつけられた唇が、素肌に沈めた牙を覆い隠している。
唇の陰に隠された、鋭利な牙は。冷酷なくらい正確に急所を捉えて。
三十代の主婦のもつ、しなやかなうるおいを秘めた皮膚を食い破っていた。
じゅるじゅると啜られる、妻の血が。
ひどくいとおしくおもえてきて。
妖しい嫉妬が胸を、つんざいていた。
ワンピース越し、這わされた掌が。
さっきから胸の隆起を、腰のくびれを、撫でまわしているのが、むしょうに気になるほどに。

仰向けに横たわる菜緒子の上から、男はしずかに身を起こすと。
吸い取ったばかりの奈緒子の血が、口許からしたたり落ちて。
妻の着ている花柄のブラウスに、しみ込んでいった。
もう・・・
菜緒子はほっとひと息ついて、相手の男をイタズラっぽく睨んでいる。
いけない悪さに耽るわたしを見あげるときの、あの上目遣い。
いつもの菜緒子に戻った、という安堵の想いと。
わたしの相手をするときと、おなじ上目遣いで視るのか?という軽い嫉妬と。
両方が、両方ながら、わずかに残されたわたしの理性を苛んでいた。
宿の主人が、傍らから。
まるでわたしの耳に、毒液をそそぎ込むようにして。
小声で解説を、つづけている。
お好きらしいんですよ。血を吸った相手の服を、持ち主の血で彩る・・・って。
相手のことを気に入った証拠なんですって。
よかったですな。奥さん気に入ってもらえて。
そうですね・・・
うつろに打った相槌に、わたし自身がぎくりとした。
ほんとうにそう感じはじめている自分が、怖かった。

黒いストッキング、よくお似合いですね。
男がおずおずと、そういうと。
ソファに座りなおした菜緒子は、そうですか?って得意げに。
紺のスカートをちょっとめくって、太ももを見せるそぶりをした。
じっさいにはひざ小僧の上がちょっぴり覗いただけだったけど。
そんなしぐさに、どきりとした。
菜緒子のやつまで、毒されはじめている。
それはそうだろう。
啜られた血の量は。とっくにわたしのそれを超えているはずだから。

あの。
男がおずおずと、言いかける。
脚から吸っても、いいですか?
え・・・?
あぁ、ちょっと唇を、つけてみたくなったので。
エエ、どうぞ。
菜緒子は怪訝そうに、相手の真意を汲みかねて。
黒ストッキングの脚を、ちょっとためらいながら見おろして。
それでもすぐに、ゆったりと流れるようなふくらはぎを、差し出していく。
ああ、もったいない。もったいない。
あんなおいしそうなふくらはぎを、むざむざと差し出してしまうなんて。
灼けるようなわたしの想いを知ってか知らずか、
スリッパを脱いだ菜緒子は、薄いナイロンの切り替えの横切るつま先まで見せびらかすようにして。
さあ、どうぞ。
思い切りよく、脚を流していった。

ぬるっ。
薄いナイロン生地の上を這う、男の唇が。
じっとりと淫らに、濡れていた。
その唇からぬるりと伸びた、赤黒い舌も。あきらかに劣情を、たぎらせていた。
菜緒子はそんなこととは夢にも気づかないらしい。
ぬるぬる、ねちねちと這う唇の触感を、感じまいとするように。
ひなびた田舎宿の古びた壁を、所在無げに見あげていた。
首すじにぽっちりと、ふたつ綺麗に並んだ紅い痕が。
微かなしたたりを忍ばせて、ブラウスのえり首を、音もなく浸しはじめている。

あの。
妻の足許から顔をあげた男が、ふたたび妻に呼びかけた。
このまま噛んでも、いいですか?
え・・・?
えぇ、あんまり舐め心地がいいもんで、つい・・・
頭を掻き掻き恥じ入る男に、菜緒子は苦笑を交えたものの。
むしろとりなすように、おだやかな声色で。
ええどうぞ、お気の済むようになさってください。
えっ。
思わずぎくりとするわたしのことを。
宿の主人が両肩に手を添えて軽く抑えてくれていた。
清楚に足許を染めるストッキングを、菜緒子は惜しげもなく、破らせてしまおうとしている。

ちゅうっ。
唾液がはぜるほど、あからさまな音だった。
ストッキングの脚に吸いつけられた唇は、
そのままなぞるように、這い降りていって。
掴まえた足首を、さらにギュウッと抑えつけて。
痛いわ。
妻の抗議に、謝罪するように。
なにか小声でささやくと。
こんどは妻が、頷く番だった。
ふたたび吸いつけられた唇の下。
パリッ・・・
かすかな音をたてて、薄いナイロン生地がはじけた。
ふくらはぎのまん中に走る、鋭い伝線が。
鮮やかな縦じまとなって、紺のスカートの奥にまで、入り込んでいく。
あぁ・・・
かすかなため息を、ふすまの向こうとこちら、はからずも夫婦で同時に吐いていた。
仕方ない方ですね。
菜緒子は相手の男を、たしなめながら。
足許をなぞるように掌を添えて、つぶさに点検するように裂け目に見入っている。
どうぞ、もっと破って頂戴。
どきりとするほど、はっきりとした声色だった。

あ・・・あ・・・あ・・・
エスカレートはさらに、エスカレートを呼んで。
点けられた火の回りは、びっくりするほど速かった。
菜緒子はわたしに覗かれているのを、どこまで気づいているのだろうか?
あなた・・・あなた・・・
うわ言のように、口走りながら。
わたし、悪い女になっちゃうかも。
受け容れられると確信している謝罪を、口にし始めている。
いいんだよ。許してあげる。綺麗に堕ちて御覧。
わたしもまた、そんなうわ言を。
口許に迷わせ始めていた。

みるかげもなく噛み破られたストッキングは、部屋の隅っこに脱ぎ捨てられていた。
素足をばたばたさせながら。
花柄のブラウスは、荒らされた花園のように、乱れ切って、そこかしこ、素肌を露出させていて。
もう、着衣としての用をなしていなかった。
着くずれをした装いは。むしろ素っ裸よりもエロティックに映る。
どこにでもいるはずの、三十代の専業主婦。
それがいまは、妖艶な娼婦に早変わりをしている。
こうなるって、だいたいの察しはついていたでしょ?
宿のあるじは、人の悪そうな笑みを絶やさなかったけれど。
まんまと罠に堕ちたはずのわたしは、
淫らに堕ちた女体から、熱っぽい視線をはずすことができないでいる。

ああ・・・ああ・・ああ・・・っ
着けたままでいる、スカートが。却ってふしだらなものに映っていた。
あのスカートの奥に、どれほど多量の精液を、そそぎ込まれてしまっただろう?
たとえ奥さんの血を吸われた、哀れな寡夫であるとしても。
恩恵を施してやりたい。
そんな甘い優越感は、さらに甘美な被征服感に、すり替えられていたけれど。
いかにも初歩的な、田舎臭い詐術に嵌まったことさえもが、小気味よいほど愉しくて。
わたしはただの男にかえって、理不尽な凌辱を愉しんでしまっていた。
そう、妻が耽っているのとおなじくらい、熱っぽく。
はらませてやるよ。奥さん。
そんな男の言い草にさえ、激しく頷いてしまっている妻。
じたばた乱れるあの白い脚を。
ふしだらなあえぎをつづける、鎖骨の浮いたあの華奢な肩先を。
なによりも、はだけたブラウスから露骨なまでにはみ出した、乳首の起ったおっぱいを。
どんなふうに、お仕置きしてやったものだろうか?
だんなさん、いやらしいこと考えてるね?
宿のあるじの言い草に。
あたり前じゃないですか。
意外なくらいさっぱりと、笑うことのできるわたしになっていた。

まだ着れるわね、このブラウス。
奈緒子はぞんざいに、花柄のブラウスを身にまとう。
えり首にかすかに滲んだ赤黒いシミは。
あの晩の記憶を、なまなましいほどに彷彿とさせたけれど。
事情を知らないものにはきっと、目に留まることさえないのだろう。
お腹の辺りを、盗み見ながら。
もしかしてほんとうに、宿してしまったのでは?
いけない邪推に密かな悦びを、おぼえていた。
脚にまとった黒のストッキングは、鮮やかな伝線を広げていたけれど。
彼のために脚に通したのは、これでなん足めになるのだろう?
さっき草むらに連れ込まれて。破かれちゃったのよ。
もうじきバスの時間だっていうのに、履き替える時間もないわよね。
菜緒子は表向き、口をとがらせていたけれど。
裂けたストッキングを、帰宅するまで脱がないという約束を、きっと交わしたに違いない。
そう。亭主とはべつの男のものになったことを、世間に見せびらかすために。
こんどこの村に来るときには、ガーターストッキング穿いて来なくちゃね。
あなた、いいやつ買って下さるわよね?
高いやつじゃないと、ご馳走するのに失礼だわ。
それにパンストだったら、穿いたまま姦ることができないし。
あなた・・・ほんとうは、ストッキングを穿いたまま犯されるところを覗きたかったんでしょう?
妻の挑発は、いつものようにストレートだった。

姉弟。

2010年05月06日(Thu) 06:25:25

姉貴は眩しい白のセーラー服に、重たそうな紺色のプリーツスカート。
ボクはしましまもようのTシャツに、デニムの半ズボン。
小麦色に陽焼けした太ももの下、白いリブタイプのハイソックスが眩しくて。
それ、おニュー?って、訊いてみたら。
もう、なに言ってんのよ、って。にらまれた。

ボクが穿いている紺の薄々のハイソックスは。
パパの箪笥の引き出しから、黙って借りてきたもの。
ビジネス用なんだって、いいながら。会社に履いて行くことはめったになくて。
ママとふたりで、お出かけするとき。
透けた足首が、なんともへんなかんじだった。
そういうときの、お出かけは。しばしば朝帰りになるくらい、盛り上がっちゃって。
ママはワンピースに泥つけてるし。ストッキングは伝線させてるし。
パパは腫れぼったい眼で、出迎えに出るボクたちを、照れくさそうに見やるだけ。

ストッキング地のハイソックスは、いがいなくらいにツヤツヤと輝いていて。
色っぽいね。
いつも姉貴に、冷やかされる。
空家のはずの、この家は。
彼らたちとの、かっこうの待ち合わせ場所。
けっこう予約が、目白押しになっていて。
抑えるのがたいへんだった。
ほんとうはみんなもう、学校についていて、教科書を広げている時分。
けれどもボクたち姉弟は、ふたりして。
こうして畳に、寝そべっている。
手をつなぎ合っちゃったりなんかして。

数刻後。
おおいかぶさってくる黒い影は。
パパやママの血にも、よくなじんでいて。
ついでにボクたちの身体の急所も、心得ているらしくって。
胸や太ももをまさぐられながら。
姉貴はもう、鼻声をたてていた。
ボクはボクで、ハイソックスのうえから舌を這わされながら。
ちょっとだけだよ。破いたらばれちゃうよって。
さいごにはお約束通り、薄々のハイソックスを咬み破らせちゃうつもりなのに。
だめだ・・・だめだよって。わざとのように困った声を作っている。
目のまえで姉貴のふくらはぎに吸いつけられた唇が。
白のハイソックスのまっすぐなリブを、ねじ曲げるほどしつこく這いまわって。
さいごにキュッと、力を込めて。
真新しい生地に、紅いシミを滲ませていった。
足許でぱりぱり・・・っと。かすかな音がして。
薄手のナイロンの張りつめた束縛が、ゆるゆるとほどけていったのは。
そのあとすぐのことだった。

セクシー、だね。
伝線してずり落ちたハイソックスをみて、姉さんは笑った。
そっちこそ。
太ももからしたたり落ちる赤黒い血のひとすじに、ボクも笑っていた。


あとがき
献血が趣味な姉と弟の、ちょっぴりハイソックス・フェチなお話でした。(^^ゞ

水着と制服と。

2010年05月06日(Thu) 06:12:42

は~い、阪口さん、遠藤さん、葵原さん。三人は残って。きょうはプール授業受けなくってよろしい。
体育の歌子先生は、いつものキビキビした声で、
まるで号令みたいに強制的に、あたしたち三人をほかの同級生から隔離した。
顔を見合わせるあたしたち三人を、しり目にして。
ほかのみんなは紺の水着姿で、ぞろぞろとプールに足を向けていく。
気の毒だね。しっかりね。がんばるんだよ。
仲良しの何人かが、まるでお義理のように。
あたしたちの手を握り締めて、激励してくれたけど。
そう。あたしたちこれから、血を吸われるんだ。。。

はい、残った三人のみんなは、第二職員室に集合。
あなたたちの水着姿に発情なさった先生がたのお相手をするように。
歌子先生はいつもと打って変ったくぐもった小声になって、
おっかない指示を呪文のように投げると、
すぐにあたしたちに背を向けて、飛ぶようにみんなのあとを追っていた。
どうする・・・?っていっても、しょうがないよね?
のこされたあたしたちは、スクール水着から覗いた白い二の腕や太ももをたがいに見比べながら、
ばかみたいに、頷き合っている。

第二職員室。
ふだんは無人の、それもがらんどうの教室だった。
ここに呼び出された生徒はみな、飢えた吸血鬼さんの相手をさせられる。
入学式を終えた後。
クラスごとに呼び出されたこの部屋で。
みんな予防接種を受けるみたいに、出席番号順に並ばされて。
ひとりひとり、血の吸われ初めを経験していた。
三十分後。
あたしたち三人は水着のまま、床にあお向けになっていて。
お相手は、先生ふたり。PTAの役員さんひとり。計三名。
素肌にしつっこく唇を重ねてくる吸血鬼さんたちをまえにして。
いも虫みたいに転がりながら、血を吸い取られていった。
隣に横たわる香奈枝ちゃんの、脚のつけ根のあたりにぽっちりつけられた紅い痕。
ふたつ並んで。吸い残された血を、てらてらさせて。
なんともいえず、色っぽかった。

もう~、災難だよね~。
制服に着かえたあたしたちは、口々にそういいながら。
みんなよりひと足先に、校門を後にする。
きゃー。
水しぶきと歓声が、屋外プールの方角から聞こえてきたけれど。
あたしたちは白い肌のまんま、学校を早退。
だって、血を吸われたあとって、へとへとになるんだもん。
顔色蒼いよー、とかいいながら。
学校公認の早退けも、案外わるくない。
いちばんかわいい京香ちゃんには、さっそく買い手があらわれたみたい。

そいつらはぞろぞろと、道端の草むらから姿をみせると。
あたしたちの行く手に立ちふさがって、
遠藤さん、いるかい?身体貸してくれよな。って。
ぞんざいに、そういうと。
京香ちゃんは半べそになって戸惑いながら、
それでも手を引かれるままに、あたしたちとバイバイをした。
えー?どうする?ついていく?
お友だちが血を吸われたり犯されたりを見合いっこするのは、案外楽しかったりするんだけど。
きょうのところは・・・いい。
だって相手、大勢なんだもん。

あとからだれかが、息せき切って追いついてきた。
香奈枝ちゃんの彼氏の、ユウゾウだった。
だいじょうぶか?血を吸われたんだってな・・・
ユウゾウはあたしのほうなんか、ちっとも視ないで。
ひたすら香奈枝ちゃんの身ばかりを、案じている。
それもそのはず、ふたりは卒業したら即結婚の間柄。
さっきあぶなかったんだよー。わるいやつが五、六人あたしたちのまえに立ちふさがってさあ・・・
香奈枝ちゃんはしゃあしゃあと、彼を挑発するそんなことを口にする。
もうちょいで、まわされちゃうかも、って感じだったんだもんね。
もう、彼氏のガマンの緒は、はち切れていた。
手を引かれてゆく香奈枝ちゃんの、紺のスカートの下に履いているおそろいの白のハイソックスが。
眩しい陽射しをまともに受けて、細めのリブを縦じまみたいに鮮やかに浮き彫りにしていた。
表向きはバイバイを交わしておいて。
あたしはそうっと、あとを尾(つ)ける。

あん・・・っ。
彼氏に抱きすくめられた香奈枝ちゃんは、さっきよりも悩ましく目を閉じて。
うなじに受けた接吻に、まつ毛をピリピリ震えさせていた。
ユウゾウも、吸血鬼の気があるんだ。
両親や妹さんともども血を吸われて、墓場経由じゃなかったけど。
女ふたりの血を寄付した功績で、半吸血鬼にされちゃったんだ。
半吸血鬼だから、本物じゃなくて。
たまーに、好きな子の血をたしなむくらいにするていど。
初めてエッチを目にしたのは、
ママが血を吸われたあと、みんなを相手に犯されちゃったときだったんだって。
それ以来。
学校帰り、待ち伏せてきて。とくに香奈枝が襲われたあとは。
こんなふうに、のしかかってきて。あんなふうに、されちゃった。
たどたどしい香奈枝の話に欲情しながら、いつも香奈枝の血を吸っているのだった。
血を吸うだけ・・・?
香奈枝はさぐるように、ユウゾウを上目づかいで視た。
え・・・?
だってオレたち、エッチ禁止だろ?
そう。処女はたいせつにされるから。
どんなに仲が良くても、ふつうは卒業までエッチはお預けなのがうちの校則。
でも・・・例外あったよね?
え?え?ええ・・・っ???
ユウゾウが狼狽するのも、無理はない。
生徒手帳の校則の第××条に、書いてある。
―――例外として、当校の賓客に純潔を与えた女子生徒は、以後は自由に性交渉をして差支えない。
処女じゃなくなったのか、お前…
うん。
頷いたとたん、香奈枝はその場にあお向けにされていった。
あーあ。犯されちゃう。あたしここから、ドキドキしながら覗いてあげるからね。

えっ、どうしてあたしだけ無事なの?ですって。
訊くもんじゃないわ。
だってあたし・・・強制女装させられた男の子なんだから。


あとがき
さいごのオチから、でっちあげたのですが。(^^ゞ
なぜかさいごだけ、浮いちまったような・・・?
GW明けですね。。。
お仕事とか家事とか、がんばりましょう。
休み明けに迎える日常って、どうしてこうも色あせた感じがするんだろう?
日常まみれになっちゃうと、それどころじゃなくなるんだけどね。

村がえり

2010年05月05日(Wed) 22:52:18

草むらを分け入るようにつづく狭い泥道に、黒のストッキングはひどく不似合いだった。
背中だけを見せつづける母は、黒の礼服姿。
いつも頭のうえにひっ詰めている髪がほんとうは長いということも、きょうだけは珍しくお嬢さんみたいに肩先までおろしていることで、初めてそれと知れたけれど。
ケンイチはどうにも、釈然としないものを感じ始めていた。
目のまえを先に歩く、薄墨色のナイロンになまめかしく染めた脚の持ち主が、母とは別人の、ただの女にみえて仕方がなかったのだ。
ガマンが限界にきたのは、宿としてあてがわれた親戚の別宅に着いたときのことだった。
さきにお湯浴びに行くかね?
振り向いた母は薄い唇に、いつもより濃い紅を刷いていた。

あれ!なにをするのよこの子ったらッ!
苛立たしげな咎め言葉は、ひいっ・・・という悲鳴にかき消された。
黒のストッキングのふくらはぎには、息子の唇が吸いついている。
ぶきっちょで荒々しく這わされてくる唇の下。
薄いナイロンがじりじりとよじれて、ふしだらに波打ってゆくのを、どうすることもできなかった。
知っているんだ。母さん。今夜ここには、だれかが来るんだろう?
そうして黒の礼服を藁まみれにさせて、その男に抱かれるだろう?
嫉妬に狂った男のように。
少年は母親を力まかせに組み敷いて、上ずらせた声も絶え絶えに、のしかかっていった。

――――――

やっぱり都会の子だね。黒のストッキングにそそられるなんてさ。
放心状態のケンイチをまえに。
ほつれた髪を肩先でもてあそびながら、壽賀子は呟くともなしに呟いている。
足許にまとわりついている黒のストッキングは、クモの巣みたいにみるかげもなくなっていて。
まだ意地きたなく脛をなぞってくる息子の手に、破り取らせてやってしまっていた。
こうすれば、かんたんに破けるんだよ・・・そんなことまで、教えてやりながら。

あんた、視ていたんだね?いつの間にか。
お決まりの法事が終わるとすぐに、若い男をあてがわれて。
若い子は、もう女をものにできるってだけで、夢中だからね。
着替える暇さえ、もらえなかった。
都会の奥さんはいい暮らししておるから、服さ破けても困らねぇだろ。って。
伯父さんはそれはいやらしい顔をして、妾(わたし)をからかったものだった。
そうなんだよ。妾がお父さんの田舎に毎年来るのはね。男の相手をするためなんだよ。
人身御供が、要りようなんだ。
その年十五になる村の男の子に、女の味を覚えさせるために。
一日もはやく、一人前にして。ものの役にたつようにするために。
今夜だって、くることになっていたんだ。
実の息子のあんたという、かっこうのお相手がね。

此処に泊るの、初めてだろう?
いつもは伯父さんの母屋のほうだからね。
そうしてあんたはご馳走攻めにあって。
そのあいだに妾は、男の相手をさせられたんだ。
たいがい此処か、村はずれの納屋だった。
それをあんたは、視ちまったんだね?
そうだよ。ご法楽っていうんだ。それくらい、キモチのよいことなんだから。
ほら、手をお出し。
お乳を揉んで御覧。
もう片方の手は、母さんの股のすき間に置くんだよ。
ちっとも羞ずかしくなんか、ないんだから。
ああ・・・そうそう。
そこをギュウッとやられると、たいがいの女はまいっちまうものなんだから。
お前きっと、上手になるね。

この村ではね、大人になるときかならず、決められた女が夜の相手をするんだ。
いちどは亭主をもった女たちが、一人を守ることを許されずに、
さいしょはおっかなびっくり、
そのうちだんだんと、愉しみに待つようになって。
しまいには亭主の仕事仲間の息子さんや、
息子の友だちや、
息子本人とも、契ることになるんだ。
いやらしいことばかりじゃ、ないのだよ。
母親でも恋人でもない、そういう契りを交わし合ったあいだには。
母親にでも恋人にでもない、心からの慕われかたをされるのだから。

もちろんこんなことは、内輪の内証話。
妾は他所の土地から、来たんだけど。
信用のおける女だけが、明かしてもらえるんだ。
もちろんお父さんからではなくて、明かしてくれたのは、お姑さんだった。
明かした以上、ぶじでは帰せないって。
その晩、若い子の相手をさせられたんだ。
さいしょのときにはもちろん、どきどきしたものだよ。
なにせ、お父さん以外の男を母さんそれまで識らなかったのだから。

お父さんに、ばれないかって?
だいじょうぶ。
此処にくるとき、一週間いるようにって日程立てたの、お父さんだからね。
あのひとだって、いつか通ってきた道だったんだろう。
それでもね。
初めて妾が、ひとりで村がえりしたときは。
都会の家に戻ったさいしょの晩に、
別人みたいに目の色変えて・・・
ははは。
あんたに語る話ではないわね。こんなこと。
あんたの場合、村にいつまでもいられるわけじゃないからね。
だから・・・あたしが選ばれたんだ。
いつでもいっしょに、いられるんだから。
ふつうはいきなり、実の母親とは契らないものなんだよ。

けれどもね。
羞ずかしいことじゃ、ないんだからね。
これからだれもが、わたっていく道なんだ。
あんたにもゆっくりと、教えてあげる。
女を正しく、かわいがることができますように・・・

――――――

また、夏が近づいてくる。
あれから幾度、夏が通り過ぎて行っただろう?
今年で息子が、十五になる。
あのときの自分の齢だった。
そして妻は、この陽気だというのに、黒の礼服を仰々しく着こんでいて。
黒のストッキングに映える脚をちらちらと盗み見している息子のほうを、時折り窺っていて。
一週間の滞在のあいだどんなふうに過ごすのかを、わたしのまえでもっともらしく、反芻して見せるのだった。


追記(22.5.24)
続編「五年後」をあっぷしました。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2093.html