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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ccつきのメール

2010年10月28日(Thu) 06:47:30

送信者:妻
宛 先:情夫
c c:夫
今夜なら、あいてます。
主人がきょうから、出張なの。

送信者:情夫
宛 先:妻
c c:夫
それじゃ朝まで入り浸るね♪
黒のストッキングを履いて、待つように。

送信者:妻
宛 先:情夫
c c:夫
あのひとを裏切るのが、むしょうに愉しいきょうこのごろ。
ストッキング、いつもみたいに破いてね♪


ちょっとため息な、一連のメール。
わたしは少しだけ考えて。
時差のあるメールを、転送する。


送信者:夫
宛 先:情夫
うちの家内を、誘惑して下さい。
出逢いの日時と場所だけは、事前に通知して下さい。

おうむ返しに、レスが来た。

送信者:情夫
宛 先:夫
c c:妻
ありがたく、頂戴しま~す♪

妻は携帯片手に、ちらちらと。
こちらを窺い、エヘヘと笑う。


あとがき
もう少し濃く描いたほうがよかったでしょうか? 笑

のん気なだんな。

2010年10月28日(Thu) 06:40:30

夫の悪友に、迫られて。
初めて浮気をしちゃったときに。
悪友さんに酔いつぶされたうちのだんなは。
ブラウスはだけた私のそばで。
ぐぅぐぅいびきをかいていた。
そんなにのん気なことで、だいじょうぶ?

浮気のし初めは、隠すのも下手っぴで。
だんなにもすぐに、ばれちゃった。
けれどもあの人、のんびりと。
私の携帯に写った、浮気の証拠を眺めながら。
あいつだったら、しょーがないなあって。
あっけらかんと、のたまわった。
そんなにのん気なことで、だいじょうぶ?

男のくせに、ストッキングが大好きで。
たまに私のやつを無断借用しちゃったりする、ヘンな人。
悪友さんも、おなじ趣味で。
ストッキングをびりびり破いて、犯しにかかる。
話しだけでも、ドキドキするなあって。
あいつのやつ、俺のよりもデカいんだろ?って。
そんなにのん気なことで、だいじょうぶ?

女ひでりになっちゃったって、悪友さんは今夜も私のところにやってくる。
ベッド、空けてやろうねって。
どこまでも優しく、のんきなあなた。
ゴメンね。また今夜も、あなたのことを裏切っちゃうわ♪
私がひーひー喘いでいるのを、ドアの向こうから覗く気ね?
妻の浮気を、そんなに愉しんじゃって。
そんなののん気なことで、だいじょうぶ?

自慢の家族。

2010年10月27日(Wed) 07:52:41

酔っぱらったみたいになっちゃって、よく憶えてはいないのだが。
自慢の家族です。
たしかそんなふうに、妻や娘たちを紹介したはず。
そうですか。ご馳走になりますよ。
未知の男はたしか、そう呟いたはず。
???
どういう意味?って思ったら。
数日後。
ごちそうさま。^^
ところもおなじ、リビングで。
妻も娘たちも、母親さえも。
義母を招んだのは、たぶん妻。
だれもがちょっぴり、蒼い顔いろになっていて。
首すじから、血をしたたらせて。
色とりどりのストッキングに、伝線を走らせている。
今夜はあたしの当番ね♪
中学にあがる前の末娘だけは、ハイソックスのあんよをぶらぶらさせて。
真っ白な生地に赤黒く浮いたシミを、自慢下に見せびらかしている。
あしたの晩からは、くじ引きですね。
義母はつつましやかに、そうほほ笑んで。
客人へのもてなしぶりは、たしかに自慢の家族だった。

クラブ・チームの人びと

2010年10月25日(Mon) 20:07:16

ちわーっす!
お邪魔しまーす!
威勢の良い野太い声が、狭い玄関にこだまする。
若い男ばかり五、六人がどやどやとあがりこんでくると、
そう広くはないマンションの我が家は、人いきれで息苦しくなるほどだ。
上から下まで、ユニフォームでかためているもの。
ラフなTシャツにハーフパンツ姿のもの。
ただでさえ汗臭いかんじのする男たちは、思い思いの格好だったが。
例外なく、スポーツ用のストッキングを脚に通していた。
練習帰りというわけでもないのは、ユニフォーム姿で完全武装のふたりのシャツが、泥だらけになっていないことでそれと知れた。
クラブ・チームのせいなのか。
ほかにわけでもあるのか、
ストッキングは統一していないらしい。
縦のラインの入っているもの。
大胆な色合いの、横縞もようのもの。
昔ながらの、ふくらはぎにラインのはいっているもの。
色も黒から真っ白まで、不統一で。
毛むくじゃらの逞しい太ももの、すぐ下だけが、スポーツ用ストッキングの真新しいリブで妙にツヤツヤ輝いていていた。
鎧のような筋肉の脚に、ぬらりとしたリブの流れるストッキング。
アンバランスな美しさが、電灯の下に照らされていた。

ぼさぼさの長髪のやつ。五分刈りのやつ。
いつもは傍若無人に振る舞っているらしい連中なのに、敷居をまたぐ時だけは以前よりもだいぶ、神妙になっている。
六人で頭数、足りるよな?平日なのにこれだけ集めるの、たいへんだったんだぜ?
十歳くらい若いキャプテンは、いつものようにわたしに対してもため口だった。
ああ、上等だ。
初めてのひとも、いるようだが…そこんとこ大丈夫?
平気だよ。
キャプテンはちょっと肩をすくめて、だれだってオレのいうことは聞くものな、と言いたげに。
背後につき従ってきた連中をひとわたり、見回した。
おい、笠村。おまえきょうなにしに来たのか、わかってるよな?
テストをするような尋問に、笠村と呼ばれた青年はちょっと口ごもりながらも、
献血…ですよね?
言外に含めた意味まで、全員にいきわたっていた。
キャプテンは満足げに、OKのゼスチュアをした。

こちら側の客人たちが、のっそりと部屋に入り込んできたとき。
さしもの猛者たちが、ちょっとたじろいだようだった。
若くて逞しいクラブ・チームの面々とは対照的に。
だれもがみないちように、蒼ざめた頬をしていて。
やつれ果てたような痩せ方は、人目にたつほどだった。
相手、よく選べよ。
今夜お前らのかあちゃんや彼女を、かわいがろうって人たちなんだからなっ。
ひときわ威勢のいいことを口にしたキャプテンは。
そういえば、まだ新婚ほやほやだった。

おーい、ここいいかな?
オレ、こっちね♪
いいッスか?
クラブ・チームの面々は、すぐにいつものノリに戻っている。
だれもがめいめいに、相手を選んで。
相手の前に、腰をおろして。
スポーツ用ストッキングに包まれた脚を、投げ出すようにして。
よろしくっ。
潔いほど素直に、蒼ざめた連中に会釈を投げてゆく。
会釈の返しは、吸血だった。
鎧のような太ももの筋肉に。
リブのつやつやしたストッキングのふくらはぎに。
むき出された飢えた牙が、食い入ってゆく。
ばら色のしずくがひとすじ、ふたすじ・・・
畳にたらたらと、したたっていった。

うへーっ、貧血だよぉ。
丸太ん棒のような脚を、投げ出して。
ひとりが顔に手を当てて、のけぞった。
根性ねーなー。
べつのやつのからかい文句に、受け応えもないままに。
そいつはうなじに近寄せられる唇に、まんまと吸血を許していった。
仲間をからかったやつも、ひとのことを言えた筋合いではなかった。
さっきからしつように、ストッキングごしの吸血に耽る相手のため、
真っ白な生地を赤黒く染めながら。
しばらくは”根性”をみせて、ずり落ちかけたストッキングをなんども引き伸ばして、
しっかりした生地の舌触りを愉しませてやっていたけれど。
そのうちだんだんと、動きを緩慢にして行って。
うちに案内する体力くらいは、残しといてくれよな・・・
妹やお袋も、紹介してやっからさ。
そういいながら、しずかに首筋を噛まれていった。
鮮やかなイエローのユニフォームの肩先が、赤黒いほとびに染まった。
これほど気に入られているのなら。
きっとご家族の血も、口に合うことだろう。

みんな、いいノリ感じだね。
わたしの言い草に、キャプテンは苦笑いをかえしてきて。
あんたも、早く始めろよ。かまわねーから。
精いっぱいの強がりを言って、空色のストッキングの脚を投げ出してきた。
ふしぎなやつだなぁ。男の血がいいなんて。
冷やかすような声が、頭上に降って来たけれど。
唇でまさぐるナイロン生地のしなやかさが、すっかりわたしを夢中にさせていた。
あーっ、またやっちまった・・・
空色のストッキングに、赤紫のシミが広がった。
おニューだろ?
わたしの言い草に、男は負けを認めるように、うんと頷いた。
あんたに見せる気遣いなんて、ないからな・・・
いつもそう言いたげだったのに。
根は律義なやつらしく、いつもわたし好みのライン入りのストッキングを、真新しいものに替えていた。



数週間まえのことだった。
おなじ電灯の下。
我が家は凌辱の場と化していた。
縛られたわたしの目のまえで。
妻はワンピースのまま、押し倒されて。
左右から抑えつけられ、放恣に開かれた脚は。
てかてかとした肌色のナイロンを、妖しく輝かせていて。
それだけで、貞淑だった彼女の身持ちを彼らが疑うのにはじゅうぶんすぎるほどだった。
仰のけられた薄手のナイロンの太もものすき間に。
代わる代わる、男どもは臀部を沈み込ませていく。
色とりどりのスポーツ用ストッキングを履いた脚が、逞しく盛り上がった筋肉に、力を込めて。
妻の貞操を、踏みにじっていったのだ。

チームワークは、抜群だった。
学校の後輩のひとりが、仲間の連中を引き込んできて。
さいしょから妻のことが、目当てだったのだ。
先輩の嫁さんに、タックルしちゃおうぜ。
ろくでなしな合い言葉のまえに、知性も寛容も、もちろん良識までもが無力だった。
タックルされ抜かれた妻は、なんどもゴールを許していって。
ずり落ちかけた薄々のストッキングは、やはりたるんでずり落ちた厚手の長靴下たちに、
もみくちゃにされ、ゆがめられ、堕とされていったのだ。



吸血鬼の情婦に、そういうことをするとどうなるか―――
たっぷり分からせてやるからな。
てかてかのストッキングから判断されるのは、いささか無責任だったにせよ。
たしかに妻の身持ちは、妖しい色に染め変えられていた。
それが幸いだったのか、不幸だったのか。
その晩わたしと妻を共有した男たちは、己の妻や恋人を、彼やわたしのまえ、嬉々として差し出す羽目になっていた。
これで、おあいこだね。
自宅に招いた吸血鬼どもが、新妻を輪姦して、イカせてしまったとき。
真っ先にわたしの妻を汚したキャプテンは、白い歯を見せて苦笑した。
ライバルにゴールを奪られた直後のように。


もっと、吸うかい?
キャプテンは、わたしを気遣うように。
耳たぶの真下を、指差した。
じゃあ、ご厚意に甘えて―――
まったくだ。
声にならないうそぶきが、密着しきった身体越しに伝わって来る。
どろしとした甘美な血液が充たしながら、わたしは男をギュッと抱きすくめて。
もうひと口、味わっていった。
そうなんだ。
運動で鍛えた血は、精力がついて。
きみの奥さんをきみのまえで犯すときも―――
ひと晩じゅう、盛り上がれるんだもの。

キャプテンの脱ぎ棄てたストッキングは、ごわごわとした履き心地がした。
かすかに付着した、彼の血が。ワンポイントのようになっている。
お似合いだね、スポーツなんかやらないくせに。
履き心地、よくねぇだろ?
うちのかあちゃんのパンストのほうが、あんたにはよくお似合いだものな。
なかなか、くすぐったいことを言ってくれた。
やつのスポーツ用ストッキングを履きながら、やつの新妻を凌辱する。
あの慣れ染めの夜のお返しに―――
わたしたちはいつか、そんなプレイにはまり込んでいったのだ。

週末には必ずといっていいほど、我が家にあがりこんできて。
妻のスーツやワンピースを、力づくで剥ぎ取っていって。
ブラジャーのストラップを引きちぎり、ストッキングを粘液まみれにしていく男。
けれどもいまでは、すっかり慣れてしまって。
妻も、わたしも、彼の訪問を心待ちにしている。
けれども彼の新妻も、いまでは献血タイムを、愉しみに待ちうけているらしい。
ゴールを奪って、奪われて。
タックルを仕掛けて、仕掛けられて。
苦笑い・愉しみ笑いを、交わし合う。
不健全なオトナたちのスポーツは、今夜もこうやって、幕を開ける―――

墓場の同居人 ~童顔の妻と、ハイソックスの娘~

2010年10月25日(Mon) 18:46:36

色白の丸顔に、少女のようなつぶらな瞳。
齢よりも十以上は若くみえる喜美恵は、一女の母。
そしてわたしの、妻―――
そう、ついこのあいだまでは、わたしだけの女だった。

よく来たね。喜美恵・・・
妻を呼び捨てにして、わたしよりも先に近づくのは。
墓場の同居人。
わたしの血を吸って墓場に引き込み己の仲間に組み入れた、張本人。
男を狙う時には、その妻子がほんとうの狙いだと聞いたのは。
おなじ墓場の冷たい夜風に、互いに身をさらすようになってから。
寒いだろ。喉渇いているだろ。
こんどの新盆には、あんたの家族は間違いなく、此処に来る。
男は嬉しげに、うそぶいていて。
わたしはその日が来るのを、怖れながらも待ち望んでいた。
人の生き血にありつくには、まず真っ先に。
己の家族の血を分かち合うことが、此処での掟になっていたから。

さいしょに訪れたのは、母だった。
楚々とした黒の礼服に、誘われるように。
黒い影がいくつも、のしかかっていった。
うなじにがぶりと食いついたやつは。
白髪交じりのショートカットに、赤黒い血潮を散らしていった。
腰周りに、ブラウスのうえから噛んだやつは。
女ひでりだったんだとうそぶきながら。
血の滴ったスカートのお尻を、嬉しげに撫でまわしていた。
どちらもわたしの同居人に血を吸われて、
妻子や姉妹、母親までも譲り渡してきた男たち―――
だんなさん、悪りぃな。さきにいただくぜ。
そういいながら、枯れ枝のように細い身体を組み敷いて。
気絶しかけた女を、苛みつづけていった。

絶息しかけた息の下。
母はぜぃぜぃと喘ぎながら、言ったのだった。
あの子にひとしずくでも、吸わせてやりたい と。
男どもがシンとなったのは、そのときだった。
きょうは帰んな。それから来週、またお出で。
こんどはこのひとの、奥さんと娘を連れてきな。
女が嫁を伴なって、再び墓参りに訪れたのは。
人通りの絶えた宵の口のことだった。

芝生のうえ、組み敷かれた喪服姿がふたつ。
ちゅーちゅー音をたてて、淫魔どもは女たちの生き血に飲み耽る。
母の血にありついたのは、何番目だっただろうか―――
妻もまた、酔い酔いになりながら。
ほろ苦い笑みを洩らしながら、足許ににじり寄る同居人に応対して。
黒のストッキングをチリチリに噛み剥がれていくありさまを、
はしたないと恥いるように、盗み見ていた。
若い女は、人気があるからな。
奥さんの血は、つぎの愉しみにしておきな。
同居人がそう入れ知恵するほどに。
妻の生き血は、此処の住人たちの人気を集めたものだった。
悔しいけれど、どこか誇らしい―――
そう感じるようになったのは。
きっとわたしの理性が、いい加減歪みかけてきたからなのだろう。
わたしは妻に、こんどは娘も連れてくるようにと望んでいた。

うら若い頬に、つぶらな瞳―――
童顔の妻は、一女の母。
いまはまな娘を連れてふたり、夕暮れ刻の墓場に佇んでいる。
わたしの同居人に、おどおどと会釈を返して。
それから諦めきったようなまなざしを、わたしのほうへとちらりと向けて。
それから娘の背後に跪くと。
両の掌で、少女の頬を挟むように、そうっと押し戴くように、仰のける。
怪訝そうな少女の顔が、一瞬ひきつったのは。
男がおもむろに、首筋に唇を吸いつけたとき。
きゃあっ・・・
ひと声の悲鳴に、背後から娘を抱きすくめた妻は、目をそむけながら。
それでも娘を羽交い絞めにした腕を、ゆるめることはしなかった。

ふふふ。
子供の血は、格別だね。
同居人は、そろそろと。
少女の足許に、にじり寄る。
きょうは、だれにも邪魔されず。母娘を独り占めにする夜。
黒革のストラップシューズにくるまれた少女の足首は。
純白のハイソックスに覆われている。
しなやかなナイロン生地は、ひざから下をたっぷりと包んでいて。
そのうえからあてがわれる、飢えた唇を。
娘はじいっと、見つめている。
肩頬を、吸い残された血でべっとりと濡らしたまま―――

白目を剥いて、おとがいを仰のけて。
少女は正体もなく、へらへらと笑い転げていた。
いともくすぐったそうに、笑い転げながら。
ハイソックスの足許にからみついてくる、いけない小父さまを。
だめ、だめ、だめぇ・・・って、表向きだけは拒みながら。
ずり落ちたハイソックスを、その小父さまのために引きあげてやって。
厚手のナイロン生地の舐め心地を、愉しませていった。
妻が襲われたのは、娘が提供可能な血を吸い尽くされて、ぐったりと倒れ臥したときだった。

いちばんのお目当ては、奥さんのストッキングなのだよ。
妻に言うともなく。私にうそぶくともなく。
同居人は嬉しげに、喪服の足許に唇を這わせていった。
このあいだ来たときよりも、薄手のものになっていた。
秋は肌寒いほどに、深まってきたというのに。
ぴちゃ、ぴちゃ。くちゅっ。
清楚な装いに加えられる凌辱を、唇を噛んで見つめながら。
妻は許しを請うように、こちらを盗み見る。
いいだろう・・・
わたしのひと言が、妻の運命を決めていた。

正気に戻りかけた娘は、赤黒いシミをべったりつけたハイソックスを、まだ愉快そうに引っ張り上げている。
傍らの草むらが、がさがさと。
母を凌辱する音に、騒がしく揺れているというのに。
こんどはパパにも、吸わせてあげるね♪
無邪気な少女にもどった彼女は、遊びに行く約束をするように。
わたしと指きりげんまんをしたのだった。

どうぞ―――
秋も暮れかけた、たそがれ刻の墓場のなか。
千鳥格子のスーツを着た喜美恵が、おどおどと。
男どものまえ、黒のストッキングの脚をさらすとき。
羞じらう少女は、母の背後に身を半ば隠しながら。
こっそりとわたしのほうへと、視線を送って来る。
真新しいセーラー服の下。
初めて脚に通した、黒のストッキング。
推薦入学が、決まりましたの。
名門校ですのよ。
娘を披露する妻は、そのときだけは、教育ママの顔に戻っていた。
さ、ご馳走なさい。
この娘(こ)の純潔は、どなたが召し上がって下さるのかしら・・・?

クラスメイトを手伝って。

2010年10月25日(Mon) 16:59:14

カナちゃん~援けてぇ~
通りかかった空き教室のなかから、聞き覚えのある声がする。
香那子はふと、足を止めた。
がらんどうの教室には、場違いなソファが一対。
そのうちの片方に、クラスメイトのなみえが、半ば身を淪(しず)めかけていた。

ソファの背中が邪魔をして、よく見えなかったが、
まわりこんでみるとなみえは、ふたりの男の相手をしている。
ふたりとも、ふつうの人間ではない。吸血鬼だった。
ひとりはなみえの首すじに食いついて、セーラー服の襟首に血を滴らせていたし、
もうひとりは黒のストッキングを履いた足首を、べろで舐りまわしている。
どちらも彼女たちの親の年配の、白髪交じりの男どもだった。
あたし一人じゃ、身が持たないよ~。
なみえの言い草も、もっともだった。

ん。
香那子は軽い頷きをかえして、三つ編みを背中におしやると、
なみえのいるソファとは向かい合わせの、空いているソファに腰かけた。
どうぞ。
さりげないひと声に、なみえの足許をいじくりまわしていたほうが応じて、
すかさず香那子の足許に、にじり寄ってくる。
どうやら、女学生の履いている黒ストッキングが気になるらしい。
なみえの足許を見やると、ふくらはぎには鮮やかな伝線が走っていて、
彼女が脚をばたつかせるたびに、それはじりじりと広がっていった。

どうぞ。
相手の嗜好を知り尽くしているように。
香那子はそっと、黒のストッキングの脚を差し伸べた。
男は「わるいね」とひと言洩らしたようだったが、
会釈もそこそこに彼女の足許に、ナマナマしいべろを這わせてきた。
薄いナイロンの生地を通して、男のなまの唇と、生ぬるい唾液とが、少女の素肌を穢しはじめる。
なよなよとした頼りない感触のする通学用のストッキングは、
少女の皮膚を擦りながら、ふくらはぎの周りを、他愛なくねじれていった。

ちゅう、ちゅう、ちゅう・・・
きゅうっ、ごくん。
貪婪な欲求に身をさらして、制服の胸に赤黒いほとびを撥ねかしながら。
ふたりの少女は無表情に、男どもの相手をつづけている。
校内での性行為はさすがに禁じられていたので、
大人しく血を吸わせてさえやれば純潔は守られることになっていた。
ちゃんと彼氏のいる香那子が、ほとんど抵抗もなく男に身をゆだねたのも、そういう決めごとがあるからなのだ。

女学校に出入りするのは、女生徒の身うちが主で、ほかには村の顔役や先生がたなど、顔ぶれはだいたいかぎられていた。
なみえの上にのしかかっているのは、彼女の叔父。
母の弟だという彼は、遠い昔の実姉への憧憬を、母親似の姪に投影させているらしい。
つい最近吸血鬼になったばかりの彼は、身うちの血を飲み耽ることで、本能の渇きをまぎらすのに夢中だった。
相棒の男は、その彼の血を吸って仲間に引き入れた男。
女学生ふたりの足許の装いを蹂躙するという愉しみは、格上のものならではの余裕なのだろう。
血を吸われたほうの男は、酔い酔いにされたあと。
すすんで彼を自宅に引き入れて、妻や娘を嬉々として襲わせてやったという。
濃い関係・・・
抑えつけられたソファのうえ。
香那子の冷めた視線は、空き教室の天井の不規則な木目を、ひたすらたどっている。

ストッキングにぬらぬらとしみ込まされた唾液が、ひどくうっとうしい。
けれども男は少女の思惑などお構いなしに、重たい制服のプリーツスカートをまさぐりあげて、
太ももにまで舌をなすりつけてくる。
エッチはしない。そういう約束でも。
きわどいところまでは、彼らの自由にされるしかないのだ。
しょうがない・・・なぁ。
香那子の冷めた声色は、目のまえで彼女の制服姿に凌辱を加える男だけではなく、
もうひとり、教室の外にいる登場人物にも注がれている。

女の園であるこの校舎に入れる男子は、むろん限られている。
出入りを許された吸血鬼以外には、女生徒の家族か婚約者にかぎられていた。
彼とはつい先月、結納を済ませたばかり。
ごく若くして結婚をするこの村では、学生のうちに結納を交わすことは、決して珍しくない。
結納を交わしたその足で、彼女は未来の花婿に連れられて、村はずれの古びた邸に連れていかれた。
それがいま、相手をしている男の棲み処―――
ほかならぬ彼氏の叔父であった。

やらしい・・・なぁ。
凌辱される制服姿にからみつく、しつような視線。
香那子はいちどはうっとうしげに目をそむけ、
それからおもむろに、そむけた顔の向きを元に戻した。

やっ、やっ、嫌ああああっ!
テルオさんっ、助けてぇ・・・
絹を裂くような悲鳴と、助けを求める悲痛な叫び。
創られたものとわかっていても。
教室の外の人影は、昂りにわが身を揺らしていた。
血を吸うなんて、エッチ。エッチだわっ。
少女の非難はそのまま、べつの言葉になって少年の胸に突き刺さる。
覗くなんて。ほかのひとに襲わせるなんて。あなたっ、恥知らずっ!
まつ毛を震わせて抵抗する少女に失禁した、さいしょの刻の記憶が、にわかに鎌首をもたげる。

はぁ・・・っ
テルオ少年は、みずからの股間を抑えていた。抑えかねていた。
太ももを伝い落ちる粘液が、ヌルヌルとした温みを皮膚にしみ込ませた。
ズボンじゃなくてよかった。
帰り道が、みられたものではなかっただろう。
慣れないスカート姿に、照れを隠しながら。
少年はスカートのすそを揺らしながら、自慰に耽る。
女学校に入る時。
男の子は女子の制服に、着替えさせられる。
校舎のなかを歩くのは、女生徒だけに限られていたから。


あとがき
どうも中途半端なてんかいに。(^^ゞ
さいしょはクラスメイトに吸血鬼の相手を頼まれた香那子が、こともなげに応じていくだけのお話だったのです。
それだけじゃつまらないからってキーを叩いていたら・・・
まぁまぁ。 苦笑
男の子が女装するから、「妖しい学園」に入れておきます。

ぶかつどう 2

2010年10月22日(Fri) 08:04:05

得意のフットワークのはずなのに。
あいつが現われると、どういうわけか鈍りがち。
ひとりひとり、掴まえられて。
戸惑う足許を、狙われて。
あいつの狙いは、お揃いのユニフォームの足許。
ライン入りのハイソックスごし、ちゅうっ・・・と唇を、吸いつけてくる。

あぁ・・・
ひと声あげて、姿勢を崩して。
あとはその場で、吸われてしまう。
血液ばかりじゃなくって、生気や理性にいたるまで。

もぅ・・・
ハイソックスなん足汚せば気が済むんだよ・・・
部員のメンバーは、口々にぶーたれながら、
ずり落ちたハイソックスを引き伸ばして、赤黒いシミを確認している。
なぜかとっても、嬉しげに。。
スポーツで鍛えた血は、旨いね。
そんないい加減なほめ言葉に、だれもが他愛なく、口許をゆるめてしまっていた。

ほんとうは。
ママや姉さんが、狙いなのに。
それでもボクたちひとりひとりを襲っては、たんねんに唇を這わせてきて。
ほどよくうっとりするほどに、血を抜き取っていって。
ボクたちのハイソックスで、丁寧に口許を、拭ってゆく。
いやなやつ。
言葉と裏腹の感情に、共感をおぼえた。
あいつの立ち去ったグラウンドのうえ。
透きとおる秋風が、吹き抜けてゆく―――


あとがき
スポーツの秋 ですね。
ちがう・・・? (^^;)

強いて。

2010年10月22日(Fri) 07:25:13

やっぱり・・・さいしょのときくらいは、多少荒っぽいのもありだと思う。
奥さんにしたって、だんなの前で・・・というのは抵抗があるはずだし。
それ以上に、だんなに操を立てる気持ちってたいせつだから。
奪われるだんなにとっても。
奥さんの、女としての値打ちにとっても。
そしてもちろん、獲ようとする男の側にとっても。
獲られるもの 差し出すものは・・・やはりお値打ちものが良いのだから。

美しく気高くあればこそ、汚しがいがあるわけだし。汚されがいもあろうというもの。
高価なプレゼントほど、相手に悦んでもらえるものだから。

あそこを粘液で、どろどろにされて。
おめかしした衣装のあちこちに、裂け目をつけられて。
安心しろ、服ぐらい俺が買ってやる。
新しいご主人さまなら、とうぜんそれくらいの男気は示さなくちゃね。
女が頷いたら、もういちど、ベッドのうえへと引きずり込む。
あとは明け方まで、熱く熱く愛し抜く。
もっと。もっと・・・主人のよりも、感じるわぁ。
女がごくしぜんと、そう口走るようになるまで。

夫たるもの。
妻がそこまで堕ちてしまったら。
潔く、負けを認めて。
おめでとう。時々遊びにいらっしゃい。
そう口にできるのが、雅量というもの。
明日からは、いままでにないセックスライフが始まる。
三角関係ほど、スリリングなものはないのだから。

気性の剄(つよ)いひと。

2010年10月21日(Thu) 06:42:59

堕とされてもなお、気性の剄(つよ)い女(ひと)だった。
彼女にとって村で過ごす、初めての夏。
わたしにとっても、十年ぶりの夏だった―――

わたしの婚約者として初めて訪れた村を。
おぼこ娘のまま、再び出ることはかなわなかった。
こういう村なのね。
初めてわが身を通りすぎた嵐の余韻を、呪うように。
さすがに彼女はうつろな目をして、しばし呆然となっていて。
着崩れしたスーツのまま、乱れが観をつくろうことも忘れていた。
他所の土地の女を嫁に選ぶとき。
村の男は未来の花嫁の肉体を、近しい男どもと分かち合うことになっていた。
父や兄、従兄弟たちの精液が織り交ざって、
まだスカートを着けたままの太ももに、ヌラヌラと輝いていて。
ふしだらにずり落ちたストッキングを、彼女はしきりに引っ張り上げていた。

それでも、あなたが好き。
この村に棲むのも、承知です。
けれどもわたくし―――
いつも一番じゃないと、気が済まないの。

村で挙げる婚礼で。
若い女をいちばん多く呼び寄せて。
なおかついちばん多くの女たちを堕とさせた。
移り住んできた彼女は、けっこう鼻高々で、
母と義姉ならいつでも招(よ)べますからと、姑を感心させていた。

親孝行してきますから。
三つ指ついて出かける挨拶をするときは。
父好みのシックなスーツ。
町内会に行って参りますから。
軽く会釈を投げてくるときは。
顔なじみの爺さんたちが褒めてくれた、着物姿。
教えてほしいって、いわれているの。
ちょっとはにかんで、横を向いて呟くときは。
初体験をせがんできた少年の、ご希望どおりのセーラー服。

村はずれの廃屋に。
汚された女たちが帰りに立ち寄る蔵があって。
引き裂かれたスリップやショーツ、ストッキングを。
うずたかく、積み重ねていくという。
妻の築いた山はいつも、そのなかのだれのものよりも嵩がいとうわさになった。

一番じゃないと、気が済まないの。
どこの花嫁よりも、速いうちに。
村じゅうの男衆の、お相手をやり遂げて。
今夜も、あすの晩も、どうぞ―――
わたしの面前で、告げた女。(ひと)
親族で集まった法事の席で、色めき立った男衆に。
見せびらかした脚は、場所柄もわきまえないラメ入りの黒ストッキング。

あなただけよ。あなただけよ。心までゆるすのは。
念じるように、呟いて。
さいごはわたしの肩に、両腕をまわして。
自らを癒すように、しなだれかかってくる。
でも、エッチだけは、あなた二番目ね。
女は小悪魔みたいに、クスリと笑う。
さいしょにお相手した殿方だけは。
妙に相性が、合っちゃったのよ。

ぶかつどう

2010年10月19日(Tue) 08:10:50

運動部のユニフォームの、白の短パンの下は。
赤地に白のラインが二本入った、ハイソックス。
それがどうやら、おじさんの目にとまってしまったらしい。
ボクは持っていたハイソックスにぜんぶ、噛み痕をつけられちゃって。
部活に出て来ないボクを叱りに来た仲良しの先輩は、事情を聴くと
部の恥だって、もっと怒られて、
でもその場に居合わせた小父さんに、やっぱりハイソックスの脚を噛まれちゃうと、大人しくなっちゃって。
けっきょく持っているハイソックスにぜんぶ、穴をあけられていた。

主将が仲間入りしてからは、すごく速かった。
だって、上下関係がきっちりしていたから。
ボクたちは三班に分けられて、
代わる代わる、交代に、ハイソックスの脚を噛ませに行った。
みんながみんな、持っているハイソックスぜんぶに穴をあけられて。
しまいに休部になりかけたけど。
部長は顧問の先生を口説き落として、ユニフォームの予算を増やしてもらっていた。

ほんとうのお目当ては、男の子のハイソックスだけじゃなくて。
部員たちの彼女が履いている白のハイソックスや、
母さんや姉さんの足許を彩る、色とりどりのストッキングだったりで。
顧問の先生は、お手本を見せるからって。
真っ先に、結婚したばかりの奥さんを連れてきて。
ボクたちも順繰りに、家に小父さんを招いていた。
彼女がいつも学校に履いていく、黒のストッキングを伝線させて。
廃屋のたたみの上にあおむけになっている傍らで。
ボクは真っ赤なハイソックスの脚を、みせびらかしてやる。
キミの靴下の、しっかりとした舌触りも捨てがたいな って
ぬけぬけとした言い草に、くすぐったい笑みを投げながら。

お里帰り 3

2010年10月19日(Tue) 07:54:15

年に二、三回。
妻と娘を連れて、妻の実家に顔を出す。
そこは、娘の初夜を奪う風習をもった村。
妻はそこで、自分の父親相手に処女を捧げ、
その二十年後、こんどは娘を連れて、里帰りした。
それ以来。
村に着くなり供応を受けるわたしは。
伴なってきた妻と娘が、いつの間にか姿を消すのもふしんがらずに。
やがて現われた妻が、スーツに着いた藁くずを払い落すのもふしんがらずに。
制服姿の娘が、プリーツスカートのすそをぬらぬら濡らしているのもふしんがらずに。
あなた、何人? とか。 何番目の人がキモチよかった とか。
切れ切れに聞こえてくる女ふたりのやりとりさえも、ふしんがらずに。
じりじりとする下腹部をこらえながら、泰然としたさまを、取り繕っている。

息子は母親と姉だけがする帰郷をふしぎがっていたけれど。
あるとき、彼女を連れて行きたいと言い出した。
わざわざ都会の学校の制服を着てついてきた彼女は、初めて事情を打ち明けられて、戸惑っていたけれど。
柔らかにほほ笑む息子のまえ。
彼氏の祖父という齢のひどくはなれた男が伸ばした猿臂に、そのまま巻かれていった。
いい家のお嬢さんだからね。素直なんだよ。
突っ込まれてくる腰の動きに、制服のスカートがゆさゆさ揺れるのを覗き見ながら。
息子はむしろ、自慢げだった。

少女がじぶんの母を連れて、村を訪れたのは。
結婚を控えた夏の日のこと。
サマースーツのあちこちに、ねばねばとしたシミをつけられたお母さんは。
初めてじぶんを手篭めにした男との約束どおり、
裂けたストッキングを履いたまま、村を出た。
さすがにお父さまには、いえないわね。
むしろ愉快げに語る母を視て、その娘はほっと胸をなでおろしていた。

そういえば、遠い昔。
妻の里に伝わる風変りな風習を、初めて知っていくらも経たないそのころに。
息子の結婚の挨拶にと、この村を訪れた母と妹。
帰りは予定より、一週間もあとになった。
父はきっと、なにも知らなかったのだろう。
そして息子の嫁のご実家も、ご主人だけはなにもしらずにいるのだろう。
他所者は。女ばかりが引き入れられるというこの村の風習に。
なぜか選ばれて、打ち明けられてしまったわたし。
村で婿を取った上の娘とうらはらに。
下の娘は、都会の青年と結婚するという。
きれいなお母様と女学生の妹さんがいるのよって。
朱の唇から白い歯をキラキラさせながら。
娘が愉しげに、語っている。


あとがき
「お里帰り1 2」というお話を、以前描きました。
その後日譚となるでしょうか?
表現は、いつもどおり薄口 ということで。^^

ハイソックスを、黙って借りる。

2010年10月19日(Tue) 07:20:21

仲良くなった、吸血鬼のおじさんは。
首すじからだけじゃなくって、脚からも血を吸う。
素肌をじかに吸うのは、たとえ男どうしでも失礼だから・・・って。
靴下ごしに、唇を吸いつけてくる。
なんだかそのほうが、やらしいね・・・
白のソックスを思い切り引っ張り上げて、おじさんの好みにつきあってあげながらそういうと、
いかにも図星・・・というように。ウフフと笑うばかりだった。

所属していた運動部のユニフォームのハイソックスに、ぜんぶ穴をあけられたとき。
姉さんのハイソックスを、黙って借りて履いて行った。
ずっとまえから、おねだりされていたのを、かなえてあげるはめになっていた。
ハイソックスごしに、熱っぽく食い込んでくる牙が。
いつもよりずっと、しつようだった。
姉さんのこと、襲いたいんだろ・・・?
うわ言みたいに、ボクが呟くと。
あいつは嬉しげに、ゆっくりおおきく、うなずいていた。

真っ白なハイソックスに、べっとりつけられた赤黒いシミ。
足許の汚れを気にしぃしぃ、姉さんはボクと連れだって、家路をたどる。
三つ編みをほどかれた黒髪は、セーラー服の肩先をさらさらと流れていて、
あんなひっつめた髪型よりも、このほうが色っぽいねってボクがいうと、
生意気言わないの って。
そのときだけは、頬ぺたをつねられた。

そのうちに、ボクに彼女ができたなら。
おじさんは彼女のハイソックスを、ボクにおねだりするのだろう。
ボクもきっと、ウキウキしながらうなずいて。
彼女の箪笥の抽斗から、黙って借りて来るのだろう。
ぜひ、そうしてあげたいな。
いまから、脛の長さがボクと同じくらいのコを探しておこうか。

援けを呼ぶ声

2010年10月13日(Wed) 08:04:49

どうしても。だんなに後ろめたい、っていうのなら。
声だけで、抗うといい。
それでも立派に、操を立てたことになるのだから。

男にいわれるままに。
妻は今夜も、声を出す。
さいしょのうちは。
いけません。いけません。主人がいるんです。
とか、
やめてくださいっ!いやっ。
とか、
控えめに囁くだけだったのに。

ああっ!羞ずかしいっ。
ひと声そう洩らして、その場にしゃがみ込むと。
ひい~っ!やらしいっ!やらしいですっ!
とか、
やめて!やめて!ああッ、いやぁん・・・
とか、
しまいには。
あなた!あなた!助けてえっ!
とか、
大きな声で、開けっ広げに。
わたしが隣室で耳をそばだてていると知りながら。
むしろ、それがゆえに。
そそるほどの文句を、恥を忘れて並べ立てる。

ああ。。。
至福の時だなんて、思っちゃうのは。
わたしがたんに、ヘンだから?
それとも心の奥底から、妻を愛しているから?
そのどちらもが、正しいのだと。
妻はおそらく、察している。

今夜も・・・ね♪
表向き親しい知人ということになっている、彼女の情夫のもとに。
夫婦連れだっての訪問をいざなうのは、むしろ妻のほう。
そうだね。出るのは、真夜中ごろでいいかな?
うふふふふふっ。
(それまで待てないわ)
表向き神妙な人妻の横顔には、そんな色が滲んでいた。


あとがき
声って、そそられますよね・・・? ^^;

娘か 妻か・・・?

2010年10月06日(Wed) 05:54:30

早く吸いなよ。かまわないから・・・
真緒の声色にかすかな諦めににたものが漂うのを。
母親の美緒は、聞き逃さなかった。

夫が奇病にかかってから、すでに一か月が経っている。
”吸血病”という、現代の医学では封印された病。
どこの病院でも、名医さえも。
白衣の先生がたは、暗い顔をして、ゆっくりとかぶりを振るばかりだった。

―――ご家族で、なんとかされるしかありませんな。
・・・周囲のかたがたに知られないようにするために。
夫の病を治せなかったとある”名医”は、悪魔のように囁いていた。
外聞のたたぬよう、身内だけで。
人の生き血を吸いたいという夫の願望をかなえてやるしかない。
夫婦連れだって病院から戻ってきたその夜に。
美緒はだまって、じぶんの首筋を差し伸べていた。

人の生き血を欲する人間のために。
その欲求を、ひとりの人間の血液でまかなうことは。
体力的な限界が、つきまとう。
美緒はみるみる、痩せおとろえた。
秘密を知ってしまった娘の真緒が、母の身代りに父親の書斎のドアを叩いたのは。
日に日に蒼ざめてゆく母の身を気遣ってのものだった。

制服姿の娘をまえに、父親は欲求を必死に耐えた。
けれどもそれは、むなしい努力だった。
ものの五分と経たないうちに。
男はまな娘の細いうなじに、自らの猿臂を巻きつけていた。
―――これで、いいんだよ。
必死に涙を見せまいとして、強いてつくった笑顔の下。
したたる血潮を、娘はハンカチで拭き取っていった。
べつべつの部屋で、べつべつの苦痛を歯噛みしてこらえる父と母のあいだに。
―――もうやめて。
勇気のある少女は悲鳴に似たちいさな囁きで、均衡を破って割り込んでいった。

幾晩経ったことだろう。
今夜も腕のなかにいるのは、娘の真緒だった。
紺色のカーディガンに、青系のチェック柄のプリーツスカート。
ひざ小僧のうえまで引き伸ばされた、黒のオーバーニーソックスには、
父親に噛まれたところどころに、穴が開いていた。
いいんだよ。ダイエット中だから。
娘は強いて、今夜も笑顔をつくっていた。

娘の立ち去ったドアの向こうには、暗闇が広がっている。
もう、午前二時をまわっていた。
血不足、寝不足―――
娘はあしたは試験だといっていた。
いなくなっちまったほうが、いいんだろうな。俺―――
ぽつりと呟く声を、聞きつけたのだろう。
そんなことない。
ドアの向こうから、若い声がかえってきた。

キッと睨むように見据えてくる、まなざしは。
いつも温和な娘とは、別人のようだった。
白い丸顔が、長く長く伸ばした黒髪に、いっそう映えている。
こうごうしいほどに、少女は美しかった。
汚してしまった制服を、着かえてきたのだろうか?
肩先にちょっぴり、したたらせてしまったしずくのことを。
父親はひどく、気にかけていた。
どこのお店にもっていこうかな・・・
わざとのからかい口調で、取り繕いながら。
妻は血を滲ませた衣装のかずかずを、それぞれべつべつのクリーニング店に持ち込んでいるらしい。
娘もきっと、そうしているのだろう。

娘は彼のことを、まっすぐ見据えたまなざしをはずそうとしないまま。
ゆっくりと歩みを、進めてくる。
真っ白なハイソックスのふくらはぎが、ひどく眩しい。
ね。血を吸って。あたし、だいじょうぶだから。怖くないから。
吸血鬼と化した父親のまえ。
初めて身をさらすときに、娘が口にしたことばそのままだった。
目を・・・つぶっているんだよ。
男はあのときとおなじ言葉を、囁いて。
自分のまえ椅子に腰かけた娘の足許に、そうっ・・・と、身をかがめていった。

真っ白なハイソックスを、ゆっくりと引きおろして。
ためらうように吸いつけた、唇の下。
少女の柔らかなふくらはぎが、ぴちぴちとした生気を伝えてくる。
―――?
訝しそうに見あげる男に、少女はゆっくりとかぶりを振って。
早く。
白い歯のこぼれる初々しい唇が、むしろ愉しげに促していた。

お前・・・誰なんだ?
思わず、周囲に聞こえるほどの大きさの声になっていた。
娘とうり二つだが、決して娘ではない少女のまえで。
忘れたの?わたし、美緒よ。
み・お。
イタズラっぽい語調は、遠い昔恋人だったときの、妻そのものだった。

身代りに来たの。
ずっと遠くの世界から。
あなた、ガマンして、手加減をして血を吸っていたでしょう?
でも、ひとりじゃ無理なんだ。
真緒ちゃんが加わっても、それでも無理。
だからわたし、遠くの世界から来たんだよ。
真緒ちゃんと、あなたの奥さんになったあたし自身を、応援するために。
だから、遠慮はいらないの。
もっと襲って頂戴。
あなた・・・制服好きだったよね。昔から・・・
いまのあたしが、くたびれちゃったら。
もっと若いあたしになって、身代りになってあげる。
中学校では、セーラー服だったんだよ。あなた見たことないでしょう?
それより若いと・・・犯罪だぞ?
面白そうに頬を突いてくる指が、ツンツンと痛かった。

紺のプリーツスカートのひざ小僧に、顔を埋めて。
男はおいおいと、泣きむせんでいる。
だいじょうぶ。だいじょうぶ。
かつて恋人同士だったとき。
気弱な青年だった彼を慰めた、あのときの語調そのままに。
少女は父親ほどの齢になった恋人を、力づけようとしている。

じゃあね。
朝になったらあなたの奥さん、きっと元気になっているから。
透きとおる笑みで、手首をちいさく振ってバイバイをする少女に。
男もおなじ手つきで、応えていった。
不治の奇病とおもわれた病から、男が解放されたのは。
それから一週間経ったころだった。


あとがき
タイムスリップした男が、若いころの母親に出逢って、惹かれる話を。
そういえばだいぶ以前に、描きました。(どこだったっけ?)
ちょっとだけ、似ているような。似ていないような。 笑

三組の女子は、全員残るように。

2010年10月05日(Tue) 08:17:32

これはこれは。
皆さま、よくおそろいで。
白髪の校長は、そのとききっと。
いつものようにお愛想笑いを浮かべて、やつらを迎え入れたのだろう。
かれらを引率してきたのは、村長で。
いつものあのぶっきら棒な調子で、自分の連れてきた吸血鬼どもの人数を告げたのだろう。
校長はあらかじめ呼んでいた学年主任のほうを振り返って、
三組の女子は、全員残るように。
きっとそう、命じたはず。
男子はどうします?という学年主任の問いに。
運動部の子だけ、残ってもらおうか。
そういいおいて、すぐに思い返して。
女子と交際のある男子にも、残ってもらおうかな。
五組のボクが招ばれたのは。きっとそういう経緯だったにちがいない。

よっ。
博美はいつものように、ななめ上にピンと腕を伸ばして、
ボクに元気な声を投げてきた。
三組の教室からは早くも男子の姿は消えて、なかはさながら体育の授業まえの更衣室だった。
女子たちのうちのなん人かは、白や紺色のハイソックスから、黒のストッキングに履き替えようとしている。
それぞれにお相手が、決まっていて。
そのお相手のリクエストどおりにするのだそうだ。
濃紺一色の制服は、足許いがい変化の持たせようがなかったから。
博美もまた、ほかの子たちのように・・・
いつもの白のハイソックスの代りに、薄々のストッキングで脛を染めている。
大人びた彩りの脚に、ボクがどぎまぎしていると。
これから・・・犯されてくるから。
語尾がちょっとだけ、よどんだのは。
きっと、気のせいにちがいない。

この街で、男の子が一人前と認められるには。
早くに結納を交わして、許嫁になった少女を、決められた相手の邸に連れていって。
制服姿のまま犯されるのを、隣室から見届ける。
そんな通過儀礼を体験することが、課せられていて。
ボクは去年博美と結納を交わして、その席からまっすぐ、村長の宅を訪れたのだ。
村長さんがお相手してくださるなんて・・・そうそうないことなんだよ。
母は恩着せまがしく、そんなことをいったけれど。
嫁入り前に母が犯されたのは、いまの村長の父親にあたるひとだったのだと、
父が後からこっそりと、教えてくれたのだった。

太ももを伝い落ちてくる血に、白のハイソックスを濡らしながら。
べそを掻き掻き家路をたどる少女を、家に送り届けると。
博美の家には、うちの両親までおじゃましていて。
おめでとう。これで晴れて一人前だね。って。
双方の親から、祝いごとを言われたのだった。
それ以来。
吸血鬼が学校を訪問すると。
彼女はご指名がかかる皆勤賞をもらうくらいになっていた。
人気があるのは、自慢のたねになるっていうけれど。
内心ひどくフクザツだったのは、いうまでもない。

手を握っていてね。
彼女はどこまでも、くったくがない。
校舎のいちばん奥まったところにある、指定された小部屋のなか。
父の仕事仲間でもあるごま塩頭のその男は、息荒く博美にのしかかっていって。
制服が着崩れするほど、蹂躙していった。
ボクはそれを、彼女のすぐかたわらでぐるぐる巻きに縛られたまま、
いちぶしじゅうを、見届けさせられていた。
縄をほどいてくれるのは、彼女の役目。
ズボンの股間に手を置かれるのを、うかつにも防げずに。
ばれてしまった昂ぶりに、博美はウフフ・・・って、笑っただけだった。
いつもの屈託無げな笑いで。
太もも丈のストッキングが片方だけ、ひざ下までずり落ちていたのを。
ボクはそうっと、引きあげてやる。
博美は初めて、羞じらいをあらわにして、涙を滲ませて。
しよ。
ひと声ささやくと。
いつものように、第二幕の幕を自ら開くのだった。
校舎の奥まった、小部屋のなか。
ボクたちは暗くなるまで、昂ぶりを交わし合っていく。


あとがき
強い子、強い子。^^
よくがんばったね♪

真夜中の灯り ~墓場の同居人~

2010年10月04日(Mon) 10:53:27

闇夜のなかで、呟きが聞こえる。
喉、渇ぇた。
わしも。
わしもじゃ。
徳次だけが、相槌をうたなかった。
闇夜のなか。
飢えたまなこがただ一点、凝視しているのは。
村はずれに佇む、一軒家。
それはほかでもない、徳次の家だったのだから。

家には灯りが、点っている。
もう、真夜中に近いはずなのに。
妻も娘も、まだ起きているのだろうか。
徳次が人間としてこの世に在ったじぶんには。
早寝早起きが身上の家のはずだった。

安心しろ、もう手なづけてある。
お前ぇの正体わかっても、血ィさ恵んでくれるじゃろ。
一座のなかでは頭だった良作の声色は、ひどく卑猥なものを含んでいる。
徳次は忌々しげに、そっぽを向いた。
そもそも徳次を、こうした身分に堕としめたのは、良作の仕業だった。
夜な夜な人の生き血を求めてさまよう、生ける屍―――
いまは徳次も、その仲間の一人になり下がってしまっているのだ。

このあいだ襲ったお前ぇの娘、ええ味だったの。
言わしといたる。お前ぇの女房だって。
どうやら仲間うちではほんとうに、家族を取り替えあって、生き血を啜り合っているらしい。
いずれもかつては、狭い村里のなか、顔見知りどうしの間柄だった。
今夜はわしの家の番か―――
徳次は、その忌まわしいめぐり合わせを呪うべきなのであったが。
こういう身体でよみがえったさいしょの夜は。
かつて自宅であった家に忍び込んで、
己の家族の生き血を振る舞い、己もまた女房や娘の血で、初めて唇を浸すことになっているのだった。

さ、そろそろ往くぞ。
良作のひと言に、男どもは黙ってあとにつづいた。
先頭に立った良作の拳が、かたく閉ざされた雨戸をほとほとと叩くのを。
徳次たちはじいっと、見つめていた。
開けるな、開けるでねぇ。
良作の話だと、今夜は徳次がくることを、妻も娘も知っているという。
だからきっと、雨戸さ開けるだよ。
そう語って聞かせてくれた良作の得意げな顔つきが卑猥に歪むのを、いまでもありありと憶えている。
けれども。
喉さ渇いた―――
だれかがあげる声のほうにも、同調を禁じ得ることのできなくなった徳次だった。

雨戸を通して、ほとほとと。
今夜も叩く拳がある。
エプロンをつけたままの真知子は、なん杯めかの飲みさしの茶碗を台所に下げるため。
腰をおろしていたちゃぶ台のまえから、すっと立ち上がった。
母さん、今夜は人数多いよ。
娘のさよが、さすがに怯えた顔いろで、母親のエプロンのすそをつかまえる。
母の動きにつられるように、娘もまた腰を浮かしていた。
ピンクのブラウスに、グレーのタイトスカート。
あすの晩は、ええかっこして待ってるだぞ。だんなを連れて来てやっから。
自分を腕に巻いたあの男は、たしかにそう囁いていた。
雨戸をひっそりと叩く掌が、いくつもになっている。
あのなかに、夫のそれも交っているのか。
いや、きっと。
あの大人しい徳次のことだ。
庭の隅で独り、仲間にそっぽを向いて、新月の夜空を仰いでいるのかもしれない。
そんな夫のようすを思い浮かべると、
忌まわしいと同時に、憐れささえ感じてしまう。

はい、はい。。。
雨戸の音に応じようとする真知子に、さよもつき従っていく。
独りになるのを、恐れるように。
さよは、濃紺のセーラー服姿。
今夜のために、特に母親が新調してくれたのだった。
汚したら、学校さ行けなくなるから―――
真新しい制服を見せつけられたさよは、母親のしんけんなまなざしに、ごくりと生唾を呑み込んで応えていた。

擦り切れかかった畳のうえ。
女ふたりの足許が、こうこうと明るい電燈に照らされている。
ふたりの脛を染めるのは、申し合わせたように黒のストッキング―――
村の卑猥な男どもが、そういう身なりを望んでいるのは。
すでに幾晩もくり返された凌辱の場で、身をもって思い知らされている。

さいしょの夜は、はやくも弔いのあったその晩のことだった。
有無を言わさずあがりこんできたのは、去年死んだはずの良作だった。
良作はまず荒々しく真知子を腕に巻くと、うなじをがぶりと噛んでいた。
まだ喪服を着けたままの真知子は、漆黒のブラウスを赤黒く濡らしながら、
飢えた吸血魔の欲求を、否応なく満たしてやる羽目になる。
大人しくつきあっておれば、死んだ亭主に逢わせてやる。
都会育ちの真知子がそんな言い草をすんなりと信じたのは。
やはり、異常な状況からだっただろう。
娘には手を出さないで。
とっさに投げた願いに男が応じると。
薄墨色のストッキングに包まれた太ももに牙を迫らせてくる男をまえに、抵抗を放棄して。
あらわに剥きだされた情欲に、目をつむったまま応じていった。

男がいともかんたんに約束を破るのを。
女はひっそりとした苦笑いで、見守るばかりだった。
自分の血をあやした牙は、女をたぶらかす毒液を含んでいるらしい。
母親はにこやかに笑いながら。
さよちゃん、母さんがお手本を見せてあげる―――
そういいながら、毎日身に着けるようになった黒のワンピースのすそをたくし上げて。
黒のストッキングのうえから、卑猥な唇を這わされてゆく。
母親に諭され促された娘は、制服の下を黒く彩るストッキングごし、べつの男の唇が吸いつくのを。
さいしょのうちこそ、戸惑いはしたものの。
やがて、なにかに目ざめたように。
へらへらと笑いながら、男どもの相手をくり返すようになっていた。

徳次どん、すまんのう。ありがてぇのう。
男どもは、屋敷のあるじの名前を口にしながら、てんでに女たちに襲いかかった。
あたりはもう、真っ暗だった。
だれかが灯りを、消したらしい。
きゃっ。
厭ぁ・・・
母娘はひと声ずつ、声を洩らしたものの。
言葉と裏腹の従順さで男どもを迎え入れて、
すすんでわが身を、畳の上に横たえていった。
えへへ・・・うひひひっ・・・えへへへえっ・・・
男どもが随喜の声を洩らしながら、黒のストッキングの足許を吸い始めるのを。
母も娘も、目を瞑って耐えているらしい。

さぁ、遠慮すな。お前ぇの番だ。家族じゃろう。
拭いきれなかった紅いしずくが、まだ良作の頬に残っている。
自分よりもずっと年上のこの男の頬を、今染めているのは。
真知子の血だろうか?それとも、さよの・・・?
そんな想像に、なぜか昂りを覚えながら。
徳次はようやくさいごに、座敷にあがりこんできた。
すでに静かになった女体がふたつ、畳のうえにしずくをまき散らしている。

齢の順だな。
良作の投げた声に、随うように。
さいしょに這わせた唇は、真知子の首筋のうえにあった。
まだ息がある。それも力強い。
血を啖らうものの本能が、そう教えてくれた。
良作に組み敷かれる間際、妻が口走った言葉が鼓膜の奥に残っている。
―――主人にあげるぶんだけは、残しておいてくださいね。
生えかけた牙を初めて埋めたうなじは、しっかりとした歯ごたえがあった。

どれほどの刻をかけて、吸い取ったことだろうか?
先刻良作が妻の身体のうえでしたように、徳次はゆうゆうと己の口許を拭っていた。
すでに、吸血鬼の本能が、彼を支配しているのだった。
妻は彼の下でぐったりとなっていたが、なおもせぃせぃと、息をはずませている。
己を襲ったのが夫だということも、とっくに感づいているらしい。
けれども女は、決して抗おうとはしなかった。
むしろ嬉々として、幾度も幾度も噛ませていったのは。
夫の死後すぐに、ほかの男どもの意に随わざるを得なくなった己を、苛めてみたかったからにちがいない。
さりげなく手を這わせた太ももは、むき出しになっていて。
だれのものとも知れぬ粘液が、べっとりと徳次の掌を濡らしたのだった。
引き裂かれたストッキングは、とうの昔にずり落ちていて、
わずかに脛と足首にのこって、ふやけたようにたるみきっている。

娘のほうを、ふり返ると。
太もも丈の黒のストッキングは、まだ彼女の脚に残っていた。
脱がさずにできるでの―――
良作がそんなことを、ほざいていたっけ。
太ももまでまる見え、ということは―――
重たげな制服のスカートは、脱がされていた。
几帳面に部屋の隅に畳んだのは、母親の手だろうか、それとも本人だろうか。
落花狼藉の場のなかに、女たちの振る舞いに慣れや落ち着きがあった。

そろそろと、娘の身体ににじり寄ると。
なにかのはずみで、胸に手が触れた。
リボンもほどかれず、きちんと着こなされたセーラー服。
制服姿のまま、男どもにもてあそばれるほうが。
素っ裸に剥かれるよりも、ある意味羞恥を伴なったはず。
乱れた黒髪をひとすじひとすじ、掻き分けて、整えてやって。
けれどもつぎの瞬間、こらえ切れなくなった本能が、
まな娘のうなじに牙を食い込待させていった。
きっ・・・
奇妙な呻きをひと声あげて、娘はすぐに大人しくなった。
コクコク・・・コクコク・・・
静かな吸血の音が、狂おしい欲情を秘めている。

娘の太ももも、やはり男の粘液にまみれていた。
ストッキングを履いたまま、犯されていったのだろう。
太ももを横切る口ゴムは、渇きかけた精液でごわごわしていた。
うっ―――
徳次を妖しい本能が襲ったのは、そのときだった。
父親のただならぬ気配を感じて、娘はとっさにあらがおうとした。
けれども開ききった無防備な身体は、獣を受け容れてしまうよりほか、なかったのである。
「ひい・・・」
ひと声洩らした声色は、しんそこ痛そうに語尾を震わせていた。

初めて・・・だったのか?
股間に差し入れた掌が、処女の証しに紅く濡れていた。
ははは・・・
娘の最初は、お前ぇにくれてやろうと思ったのよ。
すぐ傍らに、良作の囁きがあった。
その代わり・・・女房は愉しませてもらったが、のぉ。
犯されたふうを装うため、娘の太ももに精液を塗りたくったのは、きっとこの男にちがいない。
だが、素肌を初めて犯したのは、お前ぇだな?
問うまでもなかろう。
良作のほうも、応えるつもりもないようだった。
娘のすぐ隣に、母親の身体を引きずってきて。
これ見よがしに凌辱に耽りはじめる。
徳次はものも言わずに息を荒げ・・・そして娘の身体から離れなかった。
傍らで、おずおずとだが・・・妻が良作に応えはじめた気配に。
徳次はいっそう、情欲をかきたてられていた。

ごく限られた身内だけで、弔いを済ませたわけが。
いま、徳次にもわかっていた。
朝陽を見たからって、死にはせんよ。
すっかり陽が昇ってしまったことに気づいた徳次をからかうように、良作は告げた。
お前ぇはこのまま、この家に棲め。
なにしろ、お前ぇの家なんだからな。
そうしてときどき、女房と娘をわしらに貸してくれ。
もちろん見返りに、あいつらやわしの家に遊びに行ってくれてもええ。
もっとも、ひとの家に遊びにいくよりも。
此処で覗いて愉しむという手もあろうがな。
娘にとって二人目の男になった良作は。
妻を介抱しながら娘の痴態をチラチラと盗み見ていた徳次の心境の変化を知ったのだろう。
娘も、妻も。
装いを自身の血で浸しながら、終始くすぐったそうにへらへらと笑いこけていた。
この日常を受け容れるには、状況を愉しむしかないのだろう―――

こんど、あんたの弔いをもっとおおっぴらにやろうかね。
都会のご親戚も、お招きして。
黒のストッキング、なん足愉しむことができるかい?
良作の戯れを真に受けて、義母に、義兄の嫁に、中学にあがった姪に・・・と、
指折り数えはじめた己に、妻も愉しげに応じていた。


あとがき
珍しく一時間かかりました、^^;
大した話でもないのに。(^^ゞ
闇夜の灯りは、我が家の灯り。
それを見つめるものは、己を含めて飢えた吸血鬼。
そういう設定で、ひとつ描いてみたかったのですが。^^
深夜のナースステーションと、少し似てなくもないですな。
オモムキだけは。

もしも

2010年10月04日(Mon) 08:18:46

昨日ご縁のできた○○さんへ。
もしもこちらを御覧でしたら。
ちょっとだけ、御案内を。
きのうから今朝にかけて、お話を大量にあっぷしてしまいました。
昨日付けの記事から順に、御覧下さいね。^^


9月24日 8:18:46記

こそこそするなっ。

2010年10月02日(Sat) 07:09:03

事務所のすみに、追い詰めたとき。
彼女は俺を上目遣いに睨んで、ひと言囁いたのだ。
―――こそこそするなっ。
気圧されて半歩、彼女との距離をおいたとき。
彼女は自分から、ブラウスのボタンを二つ三つはずして、
ついでにきらきら光るあの文様のアクセサリーをはずしたのだった。
俺が苦手だと、思ったらしい。

知ってたのよ。前から。
ぐうぜん見ちゃったの。
あなた事務所の近くの公園で、男の子の血吸ってたでしょう?
まだ満たされていないのに、うちに帰してあげていたよね?
これ以上吸うと明日学校に行けなくなるからって。
あの子はまだまだいいよって、言っていたのに。

そんなことも、あったっけな。
少年はあのとき、言ったものだ。
姉さんのこと、連れて来てやろうか?って。
彼氏のいる娘はなぁ・・・って、呟いたら。
ちょっと不満そうにしていたっけな。
別れぎわ、ずり落ちたハイソックスを引き伸ばしたとき。
血の滲んだふくらはぎを、わざわざこっちに向けてよこして。
ひでぇよなぁ・・・って、笑っていたっけ。
ほんとうは・・・明日学校に行きたくなかったんだ。
でも思い切って、行ってみるよ。
そう呟いたあの少年は。いまではクラスの人気者。

彼女のキッとした上目づかいは、痛いほど俺を射るように。
あくまで凛として、そそがれてくる。
あなたが人を殺さないことは、よくわかった。
だから頼まれたら、吸わせてあげようっておもっていたの。
だから、こそこそするな。
ふたたび語調を命令形に変えた彼女は、視線をきつくする。
―――よほど切羽詰まったんだね。
どうやら俺の努力を、すこしは認めてくれたらしい。
ふたりきりになることの多い、この事務所のなかで。
俺がかなりの自制心を必要としたことだけは。

早くして。晩ご飯の支度があるんだから。
こざっぱりとしたスカート姿のOLは、堅実な主婦の色合いを取り戻そうとしていた。
さっと掻きあげた髪の匂いが、俺をずきっとさせる。
細い両肩を掴んで、がぶりとやろうとして。
思わずキュッと閉じた瞳に、われを忘れかけそうになったけれど。
俺は強いて女を席に座らせて、
これだと痕も残るし、服が汚れる。
そう囁くと、そろそろと足許にかがみこんだ。

女の視線がきつく、俺の後頭部に注がれる。
スカートをたくし上げようとした手を、女の手が止めようとして、すぐに止めようとすることを止めた。
まる出しになったひざ小僧が、てかてかとした肌色のストッキングに包まれている。
俺はそう・・・っと、ねぶりつけるようにして。
女の太ももに、唇を吸いつけていた。
飢えた唇の下。
気性のしっかりした女が脚にまとう、しなやかなナイロン生地は。
ひどく頼りなげになよなよとした舌触りがした。

やらしい・・・よね。
女は目で、そういっている。
決してそれを、口に出そうとしなかったのは。
女ならではの警戒心からに、ちがいなかった。
初めての傷だけは、痕が残る。
だから、スカートに隠れる部位を選んだ。
そういう意図は意図として、しっかり受け止めてくれたらしい。
女はわざわざ、ロッカーの陰に身を隠していって。
破れたストッキングを、脱ぎ棄てていた。

捨てといて。
わざとぞんざいに突き出された手に、肌色のストッキングがぶら下がっている。
ふやけたようにたるんだナイロン生地は、醜い裂け目を広げていた。
あなたがやったんだよ。
女は咎める目線で、俺を見ていて。
俺はかろうじて、横っ面で受け流していた。
わかってるんだから。
ストッキングを穿いているとき、あんまり足許じろじろ視ないで。
明日は、どんな色のやつ穿いてきてあげようか?
そういえば。
事務所の派遣社員として採用されたころ。
初日だけはストッキングだった彼女は、ふだんは生足だったのに。
このごろ毎日ストッキングを穿いてくるのは・・・涼しい季節になったからばかりでは、ないらしい。

あくまで、献血なんだからね。
ふたりきりになると。
女は決まって、ロッカーを背にして佇んで。
ブラウスのボタンをはずして、目を瞑る。
だいじょうぶ。ちゃんと立っていられるから。
気丈なこのひとは、いちどとして。
俺に血を吸われて、姿勢を崩したことがない。

あの事務所を立ち去ってから、どれほどになるのだろう。
いまでも彼女は、あそこで働いているのだろうか。
日ごろ親しんでいた、あの少年の。
姉さんや母さんまでも、牙にかけて。
スカートの奥まで、むさぼってしまった夜もあったのに。
とうとうあのひととだけは、そうはならなかった。
いちども、そうはならなかった。
吸血という行為に、さいごまで性を自覚しなかったひと。
自覚しようとしなかったひと。
これでよかったんだ。
遠目に望んだ、あの懐かしい事務所の窓。
きょうは、ピアノの教室だったよな。
久しぶりによみがえった、彼女のスケジュールに苦笑をして。
俺は涼風の彼方に、我が身を埋没させていった。