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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

今年もいよいよ

2010年12月31日(Fri) 21:29:59

あと数時間で、2010年もおわってしまいますね。
考えてみれば、怖ろしく速く過ぎていったような…
今月はかなりあっぷをがんばってしまいましたが、
はたして突然変異で終わるのか、
来年もしばらくはこのペースが、乞うご期待?

おととい7つも、やたら無節操にあっぷしたなかから。
なんと3つも、拍手をいただきました。
やっぱり反応があるというのは、うれしいものですね。(*^^)v
来年もどうぞよろしく、お願い致します。m(__)m

進学するまで、待てないの?^^;

2010年12月29日(Wed) 14:49:55

見なれたブルーの、チェック柄のプリーツスカートを。
たたみの上いっぱいに、広げられて。
のしかかる男の腰の両側には、ハイソックスを履いた脚。
ひざ小僧の真下まで、お行儀よく引き伸ばされたハイソックスは。
白地に青のラインが二本、鮮やかによぎっていた。
娘がよそ行きのとき、好んで履いていくお気に入りだった。

進学するまで。せめて、卒業するまで。
きみはやっぱり、待てなかったのだね?
その言葉は、男に告げるべきなのか。娘をたしなめるべきなのか。
父親としてはほろ苦い、そして避けては通れない刻。
お祝いしなきゃね。
促す妻に、手を取られて。
わたしは娘の勉強部屋を、あとにする。

取り返しのつかない時間。

2010年12月29日(Wed) 14:29:24

窓ガラスの、向こうとこちら。
少女は小手をかざして、手を振って。
それがすべてを決める、合図だった。
未来の花嫁が初体験を遂げる相手を択ぶのは、婚約者の役まわり。
選んだ相手は、兄だった。

じりじりとわき腹を焦がされるような、焦燥感。
セーラー服の少女は、足許ににじり寄る兄を、じいっと見おろすばかり。
黒のストッキングのふくらはぎに、ふらちな唇を這わされて。
ちゅう・・・っ
ことさら卑猥な音を、立てながら。
兄は義妹になる少女の脚を吸った。
脛を薄墨色に染める、紙のように薄くなよなよとしたナイロン生地は。
少女のすねを、斜めによぎって。
ふしだらにねじれ、しわを寄せられる。

押し倒された少女は、薄黒の脚を、投げ出して。
拒むような擦り足は、じょじょに動きを緩慢にする。
くり返される口づけに、少女はしばしばむせ込んで。
そのたびに彼氏の名前を、呟くのだった。

刻一刻と過ぎてゆく、取り返しのつかない時の流れ。
無垢の少女がいま、別の男の色に染められてゆく。
清楚な黒のストッキングが、淫靡な輝きを帯びるとき。
立てひざをした少女はその瞬間、キュッと足首を緊張させた。
はぐりあげられたスカートからあらわになった、太ももに。
紅いしたたりが、伝い落ちていった。

なん回、いやなん十回・・・
そんなに多いはずは、ないのに。
数では表現できないほど少女は塗り替えられていった。
喉の奥からのおらび声を、恋人の耳もはばからず、洩らすようになってから。

数時間も経って、ようやく解放されて。
真新しい制服に着かえた少女は。
わが身になにが起こったかを、疑念を起こさせないほどに非の打ちどころがなくて。
それでも表向きの安堵には、拭うことのできない疑念が、こびりつく。
彼氏の疑念は、裏切られることがない。
無邪気に笑う恋人が、そっと囁く。
時々お兄さんに逢っても、いいかな・・・?
投げ出した黒ストッキングの足許を。
兄貴はさっきから、舐め放題に舐め抜いていて。
足首に走るストッキングのたるみが、ふしだらに堕ちてしまった少女の品性を。
かなり正直に、描いていた。

きょう、オッケーな女子は、黒のストッキング履いて集合っ!(^^)/

2010年12月29日(Wed) 14:24:31

きょう、オッケーな女子は、黒のストッキング履いて体育館裏に集合っ!(^^)/
そんなふうに、言われたって。
そうそう決心をつけて、体育館裏になんか、行けたものではない。
まず婚約者がいなければいけないことだし、
婚約者の彼氏が、オッケーじゃない子はいけないし、
彼氏が相手を択んでくれていて、なによりも自分の気持ちがかんじんだから。
その村では、娘が初体験を遂げる相手を、未来の花婿が人選して、
日取りは当の本人が、きめることになっていた。

当日黒のストッキングを履いてきた子は、えみり、美奈恵、それに眉子の三人。
だれもが制服のスカートの下、黒のストッキングに足許を染めていた。
いつも冬になると履いてくるような、タイツではなくて。
脛が白く透けるほど薄いやつだった。
出がけに二足、破っちゃったんだよ~。
いつもより丈の短いスカートを履いてきたえみりは、気合い満点のようだった。

三々五々、男の子たちも集まってきた。
そして、男の子が選んだ大人の男性たちも。
えみりの彼氏は自分の兄貴に「頼む」って手を合わせたし。
美奈恵の婚約者は叔父を連れて来ていた。
眉子の恋人、ミチオが招んだのは。
眉子じしんの叔父で独身のカズヤだった。
以前から姪に執心だったカズヤの本心を、ミチオは気づいていたのだろうか?

九人の大所帯だと、カラオケボックスの個室も満員になる。
えみりはさっきからはしゃぎ切っていて、自分目あての叔父とデュエットしたり、
座席をお立ち台にして、独りで歌いまくっていた。
騒がしい歌声をBGMに、美奈恵は両耳を抑えながら。
彼氏の兄貴がスカートの奥に手を突っ込んでくるのを、上から抑えようとしていたし。
えみりの脚も、さっきから。許嫁の叔父の卑猥な唇をなんども受けて、ストッキングを伝線させてしまっている。
三足めだー!えみりは黄色い声を、張り上げた。

眉子のばあいも、ほかのふたりとそう大差はなかった。
叔父のカズヤは、さっきから。
黒のストッキングの脚に執着していて。
テーブルとソファとの狭い空間に身をうずめ、「どれどれ」とばかり、点検に入っている。
機械の修理工をやっている本業さながら、ひどく仔細げな目つきに下肢をさらして。
眉子はなんだか悲しくなって、しくしくと泣き出してしまった。

あ~。
いちばん騒いでいたはずのえみりが、じつは意外に敏感で。
真っ先に眉子を、ケアにかかった。
いいからいいから。
眉子の左右の男ふたりが、手を振って。
左右から引き立てるようにして、部屋から出ていった。
取り残されたふたりの女の子は、さっきまでのノリもどこへやら。
ぎらぎらとした男どもの、好色な目線のなか。
ひどく心細げに、顔見合せる。

弱ったなぁ。
叔父のカズヤは頭を掻くし、婚約者のミチオは途方に暮れる。
けれども眉子の啜り泣きは、止まらない。
散々なだめすかして、ふたりは村はずれの納屋へと、眉子をひきたてていった。
永遠の愛を、誓いますから。
少女を叱りつけるように、宣言したのは。婚約者のミチオだった。
だから、しきたり通り。叔父さんに抱かれてくれよな。
眉子はそぶりでいやいやをしたけれど。
ギュッと握り締めてくる恋人の手が心地よかったのか、しずかに握り返してきた。
綺麗に犯してもらえよな。オレも見ていてやるから。
みっちゃん、もしかして、愉しんでる・・・?
図星を刺された少年は一瞬口ごもり、
それを見た少女は、初めて笑い声をたてた。

ほんとうはするのが、いちばんいいんだけれど。
視るのも悪くないよな。
だって、恋人が初めてされるのを視るなんて。
はじめてするのと同じくらい、貴重なことだから。
はたしてそうなのか・・・?眉子の頭から、まだ疑問は去らない。
けれども納屋のなかのむせ返るような熱気のなか。
叔父のカズヤは息荒く、眉子のセーラー服姿にのしかかってきた。

破けた薄黒のストッキングが、少女の足許にまだたるまっていた。
記念にもらっていくぜ。
カズヤはわざとのように、少女の脚から抜き取ったストッキングをくんくんと嗅ぐふりをして。
もうっ。いやらしいっ。
眉子にひっぱたかれていた。
少女がいつもの気強さを取り戻したとき。
こんどはミチオが、彼本来の立場を取り戻す番だった。
幸運な叔父が立ち去った後。
納屋の中の息遣いは、明け方まで絶えることがなかった。

さいしょに堕ちたのは、意外にも眉子だった。
あのあとねー。ふたりいるとねー。どっちも遠慮しちゃってさあ。
尻ごみする女の子たちを、各々の恋人は引っさらうようにして部屋を出て。
えみりは自宅の勉強部屋で。
美奈恵は彼氏の兄貴の車の車庫で。
制服のスカートの下、黒のストッキングをむしり取られていったという。
オッケーな子は三人とも、首尾よくその晩のうちに、女になっていた。

叔父さんの薬、効き過ぎだよ。
ミチオはイタズラっぽく、通りがかりのカズヤに笑いかける。
あれから毎日・・・だもんね?
彼氏に媚びるような甘い笑いを浮かべる眉子を、カズヤは眩しそうに盗み見た。
適度な嫉妬はときに、愛情を深めることがあるらしい。
目の前でカズヤのものになった未来の花嫁の姿は、トラウマのようにミチオにつきまとって。
もう彼女を手放すまいと、彼女を抱きしめる腕に、力をいっそう込めるのだろう。
けれどもすべてが、彼の思い通りにすすむとは限らない。
婚約者の傍らに控える少女は、純潔を捧げた男にニッと笑いかけて。
叔父さまに犯してもらいたくなったら、訪ねていくね。
黒のストッキングが、目印だから。
そういえば。
あの日以来、眉子は黒のストッキングを毎日身に着けている。
黒のストッキングが、目印よ。
うそぶく少女が、週に二日は。叔父のアパートの玄関の前に立ち、
開かれた扉の向こう、脛の透けるほど薄い黒ストッキングの脚を踏み入れてゆくのを。
未来の花婿は、遠目に覗く羽目に遭う。
しきたりはどうやら、その場限りのものではなかったらしい。

通学前の儀式 ~スクールストッキングを履いた姪

2010年12月29日(Wed) 09:17:39

少しだけだよー。
口をとがらせ、ふくれっ面で。
姪は尖った目線で、俺の頭を見おろしている。
掴まえたひざ小僧の、まわりじゅう。
通学用の黒のストッキングにたっぷりと、よだれをしみ込ませてやると。
いけすかない。
お転婆娘の非難が、降ってきた。
これ、学校に履いていくやつなんだからね。
あくまで声はずませて、口尖らせる姪に。
―――だから、イタズラしてるんだよ。^^
言葉にしない返しに、ひとりほくそ笑みながら。
さいごにひと口。
薄いナイロン生地ににべったりと、ねばっこいよだれをなすりつけた。
紙のように薄くてなよやかな、ナイロン製のオブラアトは。
ぬらりとしたよだれを、光らせたまま。
はち切れるほどピチピチとしたふくらはぎの周り、ふしだらによじれてしわを広げた。

叔父さまの、バカッ!
肩を思い切り、黒革のカバンでどやしつけられたけれど。
あっはっは。
俺は開けっ広げに笑うと、わざと改まった口調で。
行ってらっしゃい。^^
小手をかざして、手を振った。
学校遅れちゃうじゃない。
姪はぶつぶつと言いながら、それでも黒のストッキングを履き替えもせず、
革靴にむぞうさに、薄黒に染まったつま先をつっかけてゆく。

今週いっぱい。毎日のお約束。
登校前には、おじ様に行ってきますの挨拶をして。
通学用のストッキングに、よだれをしみ込ませてもらう。
それが男除けの、おまじない。
だって夕べは初めて、おじ様の女にされちゃったんだもん。
はだけたセーラー服の襟首に、羞じらいながら。
指きりゲンマンをしてくれた少女。
初めて女になった、その刻には。
日ごろのお転婆は、すっかり影をひそめていた。

あんたもお勤めだね?
背中越し声をかけてきた義兄さんが、さりげなく俺の鞄を押しやってきた。
ゆう子のやつ、あんたのお嫁にされちゃったみたいだな。
ぁ・・・
お嫁にされた。
婉曲な表現に、非難の色はない。
お嫁さんのように、優しくしてやってくれよ。
昔あの子とおなじセーラー服を着ていた、姉さんのときみたいにな。
義兄にはいつも、頭があがらない。


あとがき
実の姉の処女を、いただいて。
嫁いだ姉の育てた娘までも、いただいて。
おいしいですねぇ。
寛大なお義兄さん、なに想う? ^^

大根足。 ~スクールストッキングを履いた姪~

2010年12月29日(Wed) 09:04:55

よっ、大根足!
わざとおどけて、制服のスカートのお尻をぽんと叩くと。
なにさー。おじさんひどいっ。
姪のかず子は、ふくれ面して。
俺をまともに、にらみつけた。

そう怖い顔するなよって、いいながら。
冷たい板の間に、膝を落として。
重たいプリーツスカートのすそを、まさぐりあげると。
きゃっ。
姪はとっさに、飛び退こうとして。
背中の真後ろにあった柱に、肩をしたたかにぶつけていた。

痛~っ!
肩を抑えて眉をしかめる姪。
おっ、だいじょうぶか?
俺は口先だけで姪を気遣うと。
お転婆少女の足許に、抜け目なく唇を吸いつけた。
発育の良い、すんなり伸びた大根足が。
薄黒い通学用のストッキングに、淡く染まっていた。

やだ、えっち・・・
姪は脚をよけようとして、
足首を掴まれて、身じろぎできなくなっているのに、
もうっ。
憤然としていた。
ねぶりつけた唇を、わざとあからさまにチュウチュウいわせて。
嬲りものにした黒の通学用ストッキングは、
かず子のふくらはぎの周りを、じわじわとよじれていく。
唇の下。
お転婆娘のふくらはぎをくるんだ薄いナイロン生地の、頼りなげな舌触りが。
愉しいくらい、心地よい。

花嫁との交歓の見返りに  ~村の婚礼~

2010年12月29日(Wed) 08:20:32

一週間つづくという婚礼の。
今夜は三度めの夜だった。
姪の陽香は23歳の新春を、花嫁として迎えた。

田舎の祝宴は、やたらと長い。
都会育ちの俺には、休みを取得するのが骨だったが。
ほかならぬ兄の一人娘の婚礼とあっては、なんとかしないわけにはいかなかった。
それにしても、正月休みに・・・とは、よく考えたものだ。
たしかにいまなら大勢で、仕事を気にせずはめをはずすことができるはず。
朝から夜遅くまで、ぶっつづけで行なわれる祝宴は。
さすがに頭のだるくなったもの、飲み過ぎて起きあがれないもの。
そうした人々が、歯抜けになって。
それでも終わることのない喧騒に、座が包まれている。

真夜中ともなるとさすがに、夜通し飲むのは村の衆にほぼかぎられていた。
頭が酔いに、ぐるぐるとまわるほど飲まされて。
その夜も崩れるように、床についた。
妻のきみ子はまだ、飲んでいるらしい。
傍らで寝息を立てているのがかすかに記憶に残るだけ。
そんな夜さえ、あったような気がする。

あの。
ふすまの向こうから、女の声がした。
なんどか顔を合わせるうちに見なれるようになった、やや年配の村の女衆の声だった。
あ~、きみ子ですか?まだ飲んでいるようですよ。
ひそめたはずの声が、酔いに任せた開けっ広げなだみ声になっているのを感じた。
いえ、だんなさまに・・・言伝(ことづ)てでございます。

俺は入りかけた布団から起き出して、ふすまを開いた。

薄い黄色の地味な和服のわき腹を、くっきり黒い帯が横切っている。
いまどき珍しい日本髪に結った髪に、伏し目がちの細面をかくしながら。
女は言った。
花嫁さまが、お呼びでございます。
さっきおなじ輪のなかでいっしょに飲んでいたときは。
お転婆娘がそのまま年増になったような、はしゃぎぶりだったのに。
今は打って変わって、まるで宿の女のような丁寧な言葉遣いだった。

手を引かれるままに、連れ出されて。
また寝そびれちまうな。
さすがに飽き飽きしてきた連日の酒に、しょうしょううんざりとしてきたけれど。
ほかならぬ新婦のご招待とあれば、受けないわけにはいかなかった。
宴のあいだじゅう、花嫁衣装の陽香はほとんど無表情だった。
まだ稚なささえ残るおしゃべりな少女が、
若さゆえの軽さを、重たげな白無垢の下に痛々しいほどに押し隠している。
厚化粧の下、滲みでてくる疲れの色をかろうじて隠しているのだろう。

さてさて、困ったものだ。
いまさらなにを話せばよいのだろう?
齢が離れて共通の話題も乏しい姪は、ただひたすら一方的にしゃべるだけの女だった。
兄夫婦が、いっしょなら。
すこしは座も、まぎれるだろうか。
ところが案に相違して、女は酒盛りの喧騒がまだ残る大部屋を素通りして、
灯りのほとんどない奥の間へとすすんでゆく。
ちらと見えた大部屋のなかは、村の衆のだみ声で満ちていて。
いちばんの上座はたしかに、からっぽになっていた。

やあ。
引き入れられたのは、四畳半ほどの畳部屋だった。
古びて日焼けのした畳のうえには、調度らしいものはなにも置かれていない。
花嫁はその部屋の奥に、入り口と向い合せに正座をしていて。
純白のスーツのタイトスカートから、健康そうなひざ小僧をまる見えにさせていた。
部屋の狭さがいぶかしく、あたりを見回しながら。
披露宴はどう?だいぶお疲れじゃないのかな?
そういえばさいきん差し向かいで話すことなどめったにない姪に対して、つとめて気軽に話しかけようとした。
あの。
花嫁はちょっと気まり悪げに口ごもりながら。
おじ様、齢いくつでしたっけ?
ちょっとした言葉づかいは、立場も衣装も不似合いに思えるほど、いつものように稚拙だった。

俺?39だけど・・・
花嫁に合わせて正座をすると、差し向かいになった女の透きとおる肌の白さが目に染みた。
陽香のひざ小僧を包む薄手の白のストッキングが、あからさまに輝く電灯を照り返して、やけに眩しい。
父とは七つ違いなんですよね。わたしは23。ちょうどいいくらいだわ。
よほど疲れが、たまっているのか。
花嫁は棒読みみたいな投げやりな口調で、独りごとのように呟いた。
ちょうどいいくらいだわ。
さいごのひと言が、いぶかしかった。
え?
訊き返そうとすると、だしぬけに。
おじ様。わたしを抱いて!
陽香はわたしに、抱きついてきた。

理性もへちまも、あったものではない。
迫る唇の生々しい口臭と。ほのかな汗が。
塗りたくられた化粧や香水の香りと織り交ざって、俺の鼻腔に流れ込んでくると。
それらは催淫薬のように、理性をきれいにぬぐい去って。
そこには39の男と23の女がいるばかりだった。
あっ!ちょっと・・・
誘いかけておいて拒もうとする。
とっさのためらいが却って、俺の劣情に火を点けた。
凶暴化した俺の掌は、女のブラウスの胸元のボウタイをむしり取るようにして、襟首をくつろげていった。
われながら荒々しいやり口に、陽香は辟易したようすだった。
手つきももどかしくブラジャーをはぎ取ると、ぽろりとこぼれたおっぱいを、力まかせに揉みしだく。
あ・・・あ・・・あぁんっ。
陽香の口からはじめて、なまな女の声が洩れた。

脱ぎ捨てられた白のストッキングが、部屋の隅っこでふやけたようになっている。
なん度、花嫁とまぐわったことか。
女は乱れ髪をつくろおうともせずに、
首すじに這わされる唇に、白いうなじを自分からすり寄せてきたし。
初々しい太ももをしつこくまさぐりながら、
ぬるぬるとぬめりついた精液を、素肌にすり込んでやろうとするのを。
花嫁じしんの掌が、着けたままのスカートの裏地に、なすりつけていった。
一刻も早く消さなければならないはずの、過ちの痕跡を。
みずから強調して、残すように。

おじ様、大当たりね。
え・・・?
畳に組み敷いた女が、はっきりと見返して来る上目遣いに。
俺は一瞬、手を止めた。
きみ子おば様、いまごろわたしみたいになっているわよ。
えっ。
みじかく叫んだ俺の腰を、抑えつけるようにして。
女はさえぎるもののなくなった腰と腰を、ぎゅうっとこすり合わせてきた。
なん度目かの劣情のほとびが、妻の痴態の想像と重なって、強烈にはじけ散る。

そうなの。
花嫁は婚礼のあいだ、男という男を経験させられるの。
それではじめて、一人前の村の女と認められるの。
さいしょの晩は、お義父さまと。
そのつぎの晩は、お義父さまの弟や、彼の兄たちと。
ええ、昼間だってわたし、ずいぶん席をはずしていたでしょ?
お招きした村の顔役さんとか、主賓の校長先生とか。
望まれたらだれとでも、セックスしなければならないの。
その見返りに、相手の男性が連れてきた奥さんや娘さんは。
婚礼の客が抱いてもいいことになっているの。
夕べは、父ともしたわ。
だから母も、お義父さまやお義兄さまに、汚されていったの。
ちょうどこの、すぐ隣の部屋よ。

隣室に通じるふすまを、開け放とうとした掌を。
陽香の掌が、つよく抑えた。
いっぺんに開けちゃダメ。そうっと。そうっと・・・
まるで呪文のような、呟きだった。
震える掌が、ふすまの取っ手にかかり、
わずかなきしみさえも、気になるほどに、そうっと開く。
細めに開けたふすまの向こう。
見なれたオレンジ色のスーツ姿が、複数の男たちとまぐわっていた。

お若いの。お若いのぅ。
若い肌は、手触りが格別だえ。
妻を後ろから羽交い絞めにしている男は、昼間に村の長老と紹介されたはげ頭の老人だった。
きれいにはげがった頭を、てかてかに赤くほてらして。
節くれだった掌は、めくりあげたスカートとずり降ろされたパンストのすき間へと、
容赦なくまさぐり入れられていた。
もう片方の掌は。
吊り紐の切れたブラジャーからまる見えになったおっぱいを、
ぐずぐずと意地汚く、揉みしだいている。
男の掌の荒っぽい嬲りのなかで。
きみ子のおっぱいは、別人のそれのように、ムチムチとしたはずみを見せつけている。

もうひとりの男は、ごま塩頭の五十男。
長老の息子として、おなじ機会に交わし合った名刺には、病院長の肩書きがあった。
おいしいところを親父に独り占めにされながら。
肌色のストッキングを履いたままの足首を、迫らせた唇から赤黒いべろを露出させて。
さっきからしつように、ねぶりまわしていた。
部屋の隅にうずくまっているのは、次男と紹介された四十男。
まだ独身でおたくなのだというその男は、山と積まれた下着に夢中になっている。
明らかに持ち主の身体からはぎ取られたり脱がされたりしたパンティやブラジャーを、
そそり勃った一物に巻きつけて、しごいているのだった。
夕方さいごに妻を見たときに履いていた、アーモンドブラウンのパンストもそのなかにあって。
ドロドロと濁った精液を、生々しいほど光らせていた。

ね?
おば様もやりまんね。
わたしが待っているあいだずっと、男三人相手に愉しんでいらしたのよ。
わざわざ下着の替えまで、ご用意なさって♪
声だけは、立てることなく。
俺が衝動に身をゆだねている間。
ふすま一枚へだてた、向こう側。
妻のきみ子は女の本性を掘り起こされていた。
ピンと勃った乳首に、ピンク色に輝く素肌。
乱れ髪をかすかに揺らしながらあえぐ唇が、身体じゅうにしみ込まされた愉悦を、語っていた。
さっ、あたしたちも、愉しんじゃおう。
軽く引かれただけなのに。
俺はわざとのように、スーツを着崩れさせた姪の胸もとに、倒れ込んでいった。

お気をつけてお帰りを。
姪のお義父さんは、初対面のときとおなじ慇懃さで、俺たち夫婦の見送りの一行のなかにいた。
美しく淑やかな義姉を凌辱して狂わせたとは、想像もできないほどの腰の低さだったけれど。
その凌辱がいかにハデだったのか、さいごの夜にたっぷりと、自分の妻を襲われることで見せつけられるはめになっていた。
また遊びにおいでなされ。
はげ頭の長老も、都会の衣装を着た妻に、気おされるかのように鄭重だった。
七回ぶっこいてやっただ。
俺のまえでそんな自慢をされたとき。
ご立派な持ちもんですなぁ。
ひとのペ○スをなまで握るのは、生まれて初めてのことだったが。
きみ子を狂わせたペ○スは、男の自慢を裏切らないほど、剄(つよ)かった。
あのとき名刺を差し出したのは。「奥さんをいただくよ」そういう意思表示だったはず。

じゃ、そろそろ失礼しましょうか。
きみ子は区切りをつけるように、都会の女の顔に戻っている。
まだ先だけど。夏休み一週間とれますよね?とれなかったら、あたしだけでも来ちゃうから♪
大人しい妻にしては珍しく蓮っ葉な口ぶりに。
村の衆が、どっとわいた。
だれもが、妻の肉体を。いちどは愉しんだ連中だった。
夏とは言わず、五月にでもまたお邪魔しますよ。
それがええそれがええ。ここじゃあまだ、桜が残っておろうから。
花弁まみれの女体は、一見の価値がありますぞ。
五十男の露骨な言い方を、老人がたしなめたとき。
妻は手にしていた紙包みを、おたく中年に手渡している。
こんどは脱ぎたてを、宅配してあげますからね♪
それまで表情を消していた男は、照れ笑いを交えた好色なまなざしを、
きみ子がバスに乗り込むまで、肌色のストッキングの足許からはずそうとはしなかった。

目ざめ

2010年12月29日(Wed) 07:19:57

目が覚めてみたら、思いっきりけだるい。
熱があるのか?いや、身体は冷え切っている。
もしや・・・?
狼狽して掌をあてがった首すじに、はっきりとした痕が確認できた。
そこだけが熱を含んでいて、じんじんと疼く。
この村に引っ越してきて以来たび重なるほど経験してきた、妖しい疼き―――
布団の端を、掴まえて。身を支えるようにして、起き出して。
めまいがくらくらと、とまらない。

おはよう。
ちょうど寝室に入ってきた妻も、蒼い顔をしている。
お互いの首筋におなじ痕を認めると。
一瞬、ほろ苦く笑んで。
すぐにその表情を、押し隠して。
おはようございます。
妻はもういちど、改まった口調になっていた。

まだ朝早いのに、ピンクのスーツを着込んだ妻。
よく見ると、肌色のストッキングはおおきく避け、
スカートのすそが、透明な粘液でぬらぬらと濡れている。
半紙に滲んだ薄墨のように。
じわん・・・とどす黒く滲む、嫉妬の翳り。
ふたりの首すじにつけられた噛み痕は、おなじサイズのはず。
歯科医のキミオにきけばきっと、どこのだれなのかわかるのだろう。
いや、そんなまわりくどいことをしなくても。
直接妻に尋ねれば、良いではないか。
夕べきみをしつこく愛していったひとは、だれ・・・?

出かけましょうか。
自慢の白い頬からは、生気が抜けかかっていたけれど。
妻はまだ、自分の血をご馳走し足りないらしかった。
あきらめきった、すさんだ笑み―――たしかに一瞬、そんなものが横切ったように見えたのに。
イタズラっぽく白い歯を出した妻は、むしろウキウキとはしゃいでいる。
あなた、隣のお部屋でずっと待っているのよ♪
しょうがないやつだな・・・
わたしは頭を掻き掻き床をはなれ、布団を押し入れに放り込む。
妻の分は、とうの昔に片づけられていた。

アラ、この寒いのにそんな薄い靴下履いていくの?
スラックスの裾からのぞいたつま先を、ストッキング地の靴下が彩るのを。
妻は目ざとく指摘した。
ひざ下をキュッと締めつけるゴムが、脛をぬらりと包む薄い生地が。
淫靡なものを、にじませてくる。
薄い靴下を履くと、エッチになるのかと思ってね。
こういうお出かけのとき、妻の脚に必ず通される、黒のストッキング。
不覚にもくすくす笑いを洩らす妻に、わたしはほろ苦い笑みを送って。
照れ隠しに、黒のタイトスカートのお尻を軽くひっぱたいた。


あとがき
こういう目ざめを迎えたとき。
夫婦のあいだでは案外、ことばはいらないのかもしれませんな。。。

凌辱ゲーム ~母娘の品定め~

2010年12月28日(Tue) 14:02:24

母親は、スーツ。
娘は、セーラー服。
てかてかとした光沢のよぎる肌色のストッキングに、
通学用の地味に透ける黒のストッキング。
どちらを破る>^^ って、品定めをしかけられて。
自分は娘を 相手は母親を。
おのおの、思い思いに、その場に組み伏せていって。
うろたえる女たちの足許に、好色な唇這わせ、
なまめかしい薄絹のオブラアトを、引き剥いでゆく。

毒牙にかけた母娘は、じつはわたしの妻と娘。
不倫の恋を愉しむ妻の傍ら、恥を忘れた血潮をドクドクさせて。
娘との近親相姦に、耽ってゆく。
父さん、よそうよ。やめようよ。
娘のちいさな声が、いっそうか細くなって。
かすかなあえぎ声に、かわるころ。
女たちのスカートは、どろどろとした粘液にまみれてゆく。

週にいちどはくり返される、
仲間うちでの、凌辱ゲーム。
帰宅後には、なにごともなかったように。
家族三人の静かな夕餉が待っている。

アクセス解析。

2010年12月28日(Tue) 07:56:34

しばらく紹介ぽいものを、描いていませんでした。
ひさびさにアクセス解析みたのですが、こういうヘンな世界に注目されるかたはさすがに限られているようです。
(><)

今月になってからで、お客さまの総数は、
ユニークアクセスで、1177
トータルアクセスで、2994
8月にこのアクセス解析になってからピークはそのまさに8月の、各々2,839と6,248
あとはどんどん、減少傾向です。
(><)
お話の密度が薄くなったからかな?だとしたら問題だな~。 (。_。;)
以前は大体、一日あたりのお客さまが200くらいだったので、8月まではそれくらいだったのでしょう。
反省。

もうひとつ覗いてみたのが、訪問回数です。
12月になってからのお客さまで、訪問回数ごとの件数です。

1回 814
2回  71
3~5回 59
6~10回 47
11~20回 32
21~50回 66
51~100回 30

↑の全体のアクセス数と微妙に計算合わんのですが、(笑)
約一割のお客さまが、毎日一回は来て下さっていることになります。
この比率が多いのか少ないのかわかりませんが、
100人近いお客さまがほぼ毎日いらっしゃっていることは、大きな励みだと思っております。

いろんな方法を試みれば、もっとお客さまは増えるかもしれないのですが。
きわめてヘンなお話ばかりなので、あまりそこまでする気になれないでいるのです。
むしろその時間があったら、お話を描くほうに回したいというのが、正直なところかもしれません。
それであっても。
数は限られていても、理解してくださるかた愉しんでくださる方がいらっしゃるということは、
やっぱり素直に、うれしいですね。。。
ありがとうございます。心から。

わるい女の子

2010年12月28日(Tue) 05:45:08

血を吸い放題なんて、最高~♪
真夜中のあぜ道を、女吸血鬼の夕姫は鼻歌交じりに歩いていた。
フリフリのブラウスに、真っ赤なチェック柄のミニスカート。
田舎道にはまったく、浮いたイデタチは。
人間だったころからの、彼女のお気に入りだった。

派手好きではね返りだった彼女は、村の人たちからは浮いていたけれど。
ふとしたことから吸血鬼になったおかげで、いまは仕返しをする側にまわっていた。

夕べは、仲の悪かったクラスメイトの父親を。
おとといは、意地悪だった母方の伯母を。
そのまたまえの晩には、大好きだった兄さんと結婚を控えていた、あの憎い女を。
つぎつぎと毒牙にかけて、押し倒していった。

だれもかれもが、従順に。
彼女の食欲を、満たしてゆく。
顔色は日に日に、蒼ざめていって。
しまいに夕姫どうよう、墓場送りになるのだろう。
そうなったからといって、性悪な夕姫とおなじく吸血鬼になれるとは、保証の限りではないのだった。

血を吸い過ぎて、太っちゃう~♪
ピチピチとした太ももを、ミニスカートから小気味よくさらけ出しながら。
棲み処の墓場に向けての快適な足取りが、ふととまった。
行く手を遮るように、だれかが両手を広げて立ちはだかっている。
よく見ると、夕姫よりもずっと年下の男の子だった。
お願い。パパやママの血を、これ以上吸わないで。

あら、坊や。視ていたの?
こういう状況にすっかり慣れっこになっている夕姫は、男の子に邪慳な声を投げつけた。
お姉さんの食事を、邪魔する気?
男の子はむしろすまなさそうに、もじもじし始めていた。
夕姫は男の子に寄り添うように、身体を寄せて、
彼の身長にあわせるように、かがみ込んで、そむけようとした顔を覗き込む。
ね。あたしが食事をするのが、そんなに嫌?
だってあたし、吸血鬼なんだもの。
人の血を吸う権利があるのよ。
ボクにも・・・ママを守る権利がある。
男の子はやっと、そういった。

そう。
じゃあ、お姉さんがいいことしてあげる。
感謝するのよ。ガキは襲わないことにしていたんだから。
一瞬牙が月明かりにきらめいて、男の子の首筋に吸いこまれていった。
ァ・・・
悲鳴は一瞬だった。
しゃがみ込んだ女は、男の子の首すじに食らいついて。
ごくごく、ごくごくと、喉を鳴らしつづける。

お願い。お願いだから。
パパやママをボクから奪わないで。
ボクの血でよかったら、あげるから・・・
少年の哀願に、夕姫は耳を貸すつもりはなかった。
獲物が一匹増えた。もっけの幸いだ。そんなふうにしか、感じることができなかった。
どうしよう?どうすればいいんだろう?
お姉ちゃんが死ななくて、パパやママもボクも幸せになる方法って、ないのかな・・・
悪知恵いっぱいのお姉さんは、毒々しい声で囁いた。
あるわよ。みんな仲良く、天国に行くの。

あら~、男の子のくせに、ハイソックスなんか履いているのね。
お姉ちゃんと、おそろいじゃん。
夕姫は脛の半ばまでの紺のハイソックスの脚を、男の子の脚に添わせていって。
自分の脛の長さしなやかさを誇るように、ぴったりと圧しつける。
かわいいわね。どぎまぎしてる。
もうすこしだけ、血を吸ってしまえば。
この少年は完全に、自分の奴隷になる。
夕姫は躊躇なく、自分の権利を行使した。

また逢おうね。坊や。
ウン、約束ね・・・
指きり、げんまん。
こうしちゃったら、あたしの勝ち。
あんたのパパも、指切りしてくれたし。
てっきりだんなの浮気だと早とちりしたきみのママも、
あたしがまだ穿いたことのないパンストの脚をさらけ出して、噛ませてくれた。
亭主のまえで肌色のパンストを、めりめりと噛み剥いでいったときの小気味よい記憶が、ありありとよみがえった。

男の子はずり落ちかけた紺のハイソックスを、お姉ちゃんとおそろいなんだねって言いながら、引き伸ばしてゆく。
噛み痕につけた穴ぼこから、白い脛がはっきり覗く。
でも、お姉ちゃん。
約束どおり、パパとママの生命を助けてね。
ニッと笑った白い歯に、夕姫ははじめてどきりとした。
自分がなにか間違いを犯したことに、薄々感づくと。
気味の悪い子ね。
吐き捨てるように、そういって。
男の子に後ろ姿を見守られながら、墓場に戻っていった。

数年後。
ね?生き残れただろう?ふたりとも。
新婦の席に座り澄ました夕姫の隣り。
新郎の席には、あの男の子が座っていた。
スラックスの下、自分とお揃いの紺のハイソックスを履いているのを、彼女だけが知っている。
ボクたちは、共犯だからね。
あとはよりどりみどり。姉さん、うまくやるんだよ。
いまは夫になった年下の彼のいうとおり。
一週間続く田舎の婚礼の合い間に、
新郎の親戚でめぼしい者たちは、血に飢えた花嫁の来訪を受けていた。

ひとりに七人くらい、相手がいると平気だね。
きみは七人、浮気相手をもってもいいからね。
その代わり、相手の男はきれいな奥さんか娘さん持ちに限ることにしようね。
それからきみの親戚も、紹介してくれなくちゃいけないよ。
きみも大嫌いなご両親も。やっぱり大嫌いな伯母さんも。
さらに大嫌いな兄嫁さんも。
ぜんぶ、ボクが味比べしてあげるから。
新婦は新郎の掌に、自分の掌を重ねていった。
はた目には、愛し合うふたりが寄り添う合っているように見えたことだろう。
新郎の皮膚の冷えを確かめると。
ちょうどお酒を注ぎに来た新婦の友人代表の女の子に、耳打ちをして。
彼氏を連れてくるようにと、命令する。
彼女のことは、あたしの花婿が。あの子の彼氏のことは、あたしが。
今夜、めんどうを見てあげる。
だってあの子、あたしの行きたかった高校に、独りで合格したんだもの。

くり返される物語 ~ハイソックスの脚をばたつかせて~

2010年12月27日(Mon) 08:12:06

首すじにあてがわれた唇に、いっそう力が込められて。
ボクの薄い皮膚は他愛なく破れ、半熟玉子の気味がシミ出るように、なま温かな血潮が流れだした。
小父さんがあてがってくる唇が、チュッチュッと吸いあげるのが、くすぐったくて。
ボクは脚をばたつかせて、はしゃいでいた。
小父さん、ボクの血を吸って。いっぱい吸って。
それでパワーを養って、ママのこと襲っちゃうんだろう?
ああ、そうだよ。まんまとパワーを頂戴したから、
きみはここで大人しく、寝ているのだよ。
小父さんは黒のマントを翻して、ママの寝室に脚を向けて。
むこうから、キャーって、悲鳴が聞こえた。
ふらつく足を、ママの寝室にたどり着かせて。
ベッドの上で繰り広げられる、パパを裏切る悪戯を。
ボクは息を呑んで、見守りつづけていた。

子供部屋の寝室のドアが、開けっ放しになっていて。
白のハイソックスの脚をばたつかせる、息子は。
二十年近く以前の、わたし自身と二重写し。
部屋から出てきた小父さんは、あのころとおなじ白髪頭を満足げに撫でながら。
お嬢さんからも、頂戴するぞ。
こんどは娘が、勉強部屋の開け放たれたドアの向こう。
紺のハイソックスの脚を、ばたつかせる番だった。
口許から露骨なまでにしたたらせるバラ色のしずくに、ウットリと見入るわたしは。
眉をひそめてすぼめられる、黒ストッキングに包まれた妻の脚に
飢えた唇が吸いつくのさえ、さえぎろうとはしなかった。

ボクの血でパワーをつけて、ママにイタズラするんだね。
おなじ台詞を、かろうじて抑えながら。
理性を喪った人妻が、はしたなくもじゅうたんの上で繰り広げる淫らな踊りを。
わたしはあのころと同じ、昂りの目で。
いちぶしじゅう、見届けていった。

ソファを起った新妻

2010年12月27日(Mon) 08:05:06

叔父から妻にと、プレゼントが送られてきた。
中身は、白のガーターストッキング。
こういうの、持っていなかったわ。
新婚三か月の妻は、もの珍しそうに光沢入りの薄いナイロン生地に見入っていた。
初めて穿くときには、叔父さまにお見せしないとねっ♪
妻はどこまでも、無邪気な反応だった。

やあ、いらっしゃい。
迎え入れられた叔父の邸では、叔母は留守にしていた。
男に抱かれに行ったんだよ。
叔父が冗談とも本気ともつかない口調でそういうと、
あらー、危ないですねぇ。
妻はあでやかに笑って、叔父に調子を合わせておどけて見せる。

さ、あちらへどうぞ。
叔父にいざなわれるままに。
妻は黒革のハンドバックを手にソファから起ちあがり、
ピンクのスーツのすそをひるがえして、別室に向かう。
そこには道ならぬ恋を成就させる舞台が用意されていることを、
ほかならぬわたしから、言い含められているというのに。
妻の足取りにはびっくりするほど、ためらいがなかった。

しつらえられた、破倫の床に。
三か月前の花嫁は、初々しい吐息をはずませていた。
いけませんよ。いけませんよ。と、たしなめながら。
光沢入りの白のストッキングの脚に、舐りつけられる好色な唇を。
あえて避けようとは、しない妻。
しなやかな肢体に、齢に似ず逞しい身体が覆いかぶさって。
妻は着衣のまま、貫かれていった。
だめ・・・夫が来ますわ・・・
来てもいいじゃないか。
それは・・・そうですね・・・
いっそ三人で、愉しもうか?
それだけは、嫌。
はっきり口にする妻に、ジリジリと灼かれるような嫉妬を、はじめて覚えた。

あのあと、ご夫婦で激しかったようだね、
叔父がおいたグラスを飲み干しながら、
あのとき隠しカメラに収められた動画に、わたしは昂りを新たにする。
夫婦生活のスパイスは、まだ早かったかね?
早すぎることは、ないですよ…
この土地に馴染み始めた妻は、いまごろどこかの年配男を家にあげて、相手をしている時分のはず。

地味な女 ~婚礼の宴席で~

2010年12月27日(Mon) 06:12:24

婚礼の宴席が盛り上がって来ると、
そこかしこで恒例の、けしからぬ振る舞いがはじまった。
やや乱暴な言い方だが、吸血鬼の乱交パーティとでも、いっていこうか。
座に招かれた吸血鬼どもが、人間の女性たちを見境なく襲いはじめるのである。
ふだんはひっそりと村の片隅で暮らしている吸血鬼だが、
こういう席では存在感をめいっぱいアピールして、
人間の男どもは自分の妻や娘がみすみす毒牙にかかるのを、苦笑しながら見守る雅量を要求される。

宴席にしつらえられた上座で、花嫁が花婿の見守るなか、
にじり寄ってきた主賓の吸血鬼に首すじを噛まれて、
純白のブラウスに紅いしずくを散らしてしまうと、
そのすぐ傍らで、新婦の母が二十年以上連れ添った夫のまえ、
羞じらいながら、黒留袖の帯をほどかれてゆく。
それを合図に吸血鬼どもは牙をむいて、隣席や向かいに座っている着飾った若い女性たちに見境なく、襲いかかっていった。

俺は、半吸血鬼と呼ばれる種族。
人間として生まれ、途中で血を吸われて吸血の嗜好を植えつけられた者である。
ふだんは人間どうように暮らしていて、時には血を吸われたりもするが、
こういう場では己の植えつけられた本性をむき出しにする資格を持っている。
さて、どの女にしようか?
きょうにかぎって、なにも考えずに宴に列席したのは、
新郎が幼いころからいっしょに育った同い年の従兄弟で、
参列する女性もほとんどが顔見知りだったからだろう。
顔見知り、ということは。
いちどは血を吸った相手、ということだった。
そう、きょうの俺にとって。
喉の渇きを満たす相手は、だれでもよかったのだ。

つと脇から進み出てきたのは、すぐそばでシャンパンを口にしていた女性だった。
三十をすこし、過ぎているだろうか。
地味だがノーブルな眉に、つぶっているかのように細い目。
化粧で消えかけてはいるものの、はっきり存在感を示しているそばかすを、
やや骨ばった頬に滲ませていて、
色の白いのが取り柄の細面ではあったが、
黒髪を頭の後ろで縛って背中に長く垂らした髪型のせいで、広い額がいっそうきわだってみえる。
気品はあったが、さほどの美人ではない。

女は薄い唇を遠慮がちに開いて、
○○のリョウスケさんですね?と、俺の名前を確認すると。
わたくしでよろしければ、ふつつかですがお相手を・・・
ちらと視線を送った周囲では、すでに狂った宴が始まっていた。
すぐ隣で夫のまえ、クリーム色のボウタイブラウスに血を撥ねかして首すじを噛まれていたのは彼女の姉だったというし、
連れてきた年端のいかない姪でさえ、お父さんの介添えでべつの吸血鬼にふくらはぎを噛まれて、
フリルのついた白いハイソックスを、真っ赤なシミで染めていた。

そいつは、どうも。
俺のさえない言い回しに、女はすこしだけ顔を曇らせたが、
翻意する気ぶりはみじんも見せずに居ずまいを正すと、
長い黒髪を掻き除けてうなじをあらわにすると、
どうぞ・・・とひと言、そういって、目を閉じた。
俺は型どおり、グレーのスーツのジャケット越し女の腰に腕をまわして逃れられないようにすると、
もう片方の腕を女の背中にまわし、座ったまま抱いた姿勢で、女のうなじに唇を吸いつけた。
三十女の肉厚な首すじは、ほのかに熱した体温を秘めていた。

あ・・・
噛まれた瞬間、女は本能的に身をよじり、俺から離れようとしたけれど。
俺は女に座り抱きの姿勢を強いたまま、傷口からあふれる血潮をぐいぐいと飲んでいった。
ちょ、ちょっと・・・
必死の抗いは、女がこういう席が初めてなのだと告げていた。
俺は女の首筋から牙を引き抜くと、かしましい悲鳴の交わる宴席の中央から部屋の隅へと女を引きずっていって、
ショックで息も絶え絶えな女を、壁ぎわに背もたれさせた。
お初めてのようだね。
俺がそう言うと、女は目を閉じたまま、ええ、とだけ答えた。
どうぞご遠慮なく、おつづけになってくださいな。
まだ、お気が済まれたわけではないのでしょう?
自分に言い聞かせるように、女は気丈にも正座をして。
けれども俺のもの欲しげな視線を足許に感じると、
ちょっとうろたえたような顔をした。
脚も、お噛みになるんですね?
周囲の女たちはだれもが、色とりどりのストッキングを破かれながら、ふくらはぎを噛まれていた。
グレーのスーツから覗く太ももは、ノーブルな顔だちのわりにはたっぷりと肉感的で。
ねずみ色のストッキングがじんわりと、キュッと引き締まった足首を染めていた。

すまない・・・ですね。
俺は女の手を取って、手の甲に接吻すると。
しょうしょう失礼ですが、目をそらしていて下さいといって、
流すように差し伸べられたふくらはぎに、唇を這わせていった。
薄いナイロンは、このごろでは珍しくなったなよなよとした古風な生地で、
むたいに圧しつけた唇の下、たよりなげによじれてゆく。
はっと引こうとする足首を、抑えつけて。
二度、三度と薄手のナイロン生地の舌触りを、ほどほどに愉しむと。
牙をむき出して、ふくらはぎの一番肉づきのよいあたりに、埋め込んでいった。

あんた、処女なんだねぇ。
畳に押し倒した女のうえ、女の首すじにつけてやった傷口をなぶりながら、そういうと。
女はビクッと、身体をこわばらせる。
気の毒に、縁がなかったのだろう。
いや、きっと。人よりもすこしだけ思慮が深すぎて、そしてすこしだけ潔癖過ぎただけなのだろう。
女が結婚を望んでいないわけではないと、かすかに震える身体と吸い取った血潮の熱さから伝わってくる。
周囲の連中はみな、俺たちのように畳部屋に寝そべりはじめていて。
女たちはブラウスからおっぱいを覗かせ、たくし上げられたスカートからは悩ましいガーターをあらわにしていった。
実の妹にのしかかる夫の隣ではその妻が、着飾ったスカートを他所の男の精液まみれにされていって、
そのすぐ傍らでは、仲の良い兄弟が、妻を取り替えあっている。
お袋もこの狂った宴席のどこかで、評判の美貌に目をつけただれかに組み敷かれているのだろう。
独身の俺は、だれに種つけをしてもよい気楽な立場だった。

美味しいですか、わたしの血・・・
虚ろに響く、女の声を。
俺はかきたてるように、肩を抱いて。
ああ、とてもね。
しんそこ、心の底から。
きょう味わった血がいちばん佳いと感じていた。
寺町の不二子小母さんとこの、いちばん上の娘さんだね?
身許を明かした女は、世間交わりをきらって表に出て来ない、”嫁かず後家”といわれたひとだった。

こういうの、嫌なんです。
死ぬほど、嫌だったんです。
しんそこ嫌だったらしい。
ふたりきりになった別室のなか、嫌悪に引きつる女の眉に。
いつもなら劣情をもっとかきたてられるはずなのに。
俺は女の髪に手を添わせながら。
ほんとうに、嫌だったんだねぇ。
しんそこの同情が、口をついている。
女あしらいの未熟な俺が、うかつにも触れてしまった髪の毛に。
幸い、女は嫌悪の色を浮かべなかった。
あなたがいいって、母と姉にいわれて。
勇気を奮って、おじゃましたんです。
どなたかお目当てのかたが、いらしたのではありませんか?
いやぁ、なにも考えていなかったのですよ。
幾重にもうかつな応えを、女は真正直に受け止めて。
じゃあ、カモがネギをしょってきたみたいな?
あはははははっ。
思わず笑い声をあげてしまった俺に、女も口許を手で抑えて笑いをこらえていた。

お嫌だろうけど。せめてキスだけはさせてくれよな。
せがんだ俺に、女は嫌がりもせず応えてきた。
ぶきっちょな接吻だった。もしかすると、キスすら初めてだったのかもしれない。
あとで女の身近な年増女が、もらしてくれた。
寺町の美枝子ちゃんがねぇ。すすんであの席に来るなんて、よほどのことだわ。
俺もあとから、そう思った。

女をふたたび、訪れたのは。
それから一週間ほどもしてからだった。
いいじゃないか、好きになったら毎晩襲ったって。
貧血になるくらい、襲っちまえよ。
悪友のひとりは、そんな強引さで、自分の嫁と、兄嫁までもものにしてしまっていたけれど。
俺にはそこまで執着する女は、まだあらわれなかった。
それが、夕暮れ刻になって。
どういうわけかむしょうに、人恋しくなって。
そういえばあの女を襲ってから、もう一週間経つんだって、思いだしたのは。
家に着く間際のことだった。

初めて襲われて、相手の男が一週間のあいだ再訪しなければ。
女は捨てられたのだと自覚することになっている。
俺はそんなことさえ、うかつにも頭になかった自分を叱りながら、
玄関でまわれ右をして、女の家を訪れた。
まあ・・・まあ・・・
女の母親は、女とよく似た顔だちだった。
不器量なわたしでも、なん人もの殿方のお相手をしてきたんですけどねぇ・・・
顔だちは似ていても、生活習慣だけは娘は学ぼうとしなかったらしい。

呼ばれた広座敷に、女はおずおずと顔を出した。
化粧に時間をかけたのだろう。
すでに外は真っ暗になっていた。
あのときのグレーのスーツは、まだクリーニングに出したままだと、言い訳がましく口にするその女は。
黒のフォーマルスーツを着込んでいた。
ほかによそ行きのお洋服持っていなかったんだねぇ。
母親は自分のうかつさを悔いるような言葉をのこして、座をはずしていった。

その後お身体は、だいじょうぶですか。
ええ。
痛かったでしょう?あと、服もかなり汚しちゃったかな。
ええ・・・
あれからどなたからも、一滴もいただいていないのですよ。
ええ・・・
なにをいわれても、「ええ」としか相槌を打てないほど。
女は生真面目で、場慣れをしていなかった。
こういうときには、肩にそっと手を掛けて、力を込めるだけでいい。
そう教えてくれたのは、自分と同じ性癖を持つ父だった。
俺は父の教えどおりに、実行した。
女は黒のストッキングになまめかしく染まった脚を、羞ずかしそうに崩していった。

嫌。
でも、少しだけ。
嫌。
だけど、どうしても、少しだけ。
嫌。
もういちど嫌と言われたら、俺もあきらめます。でも、嫌とは言わないで。
女はもうそれ以上、嫌とはいわなかった。
わがままを聞き届けてくれて、ありがとう。
俺は女の髪を撫でながら、心をこめて接吻をした。
畳に抑えつけた相手の唇が、下からかすかに応えてくるのを感じると。
失礼。
ひと声洩らすと、女のスカートのすそを、そろそろと引きあげていった。
ふだん履きのパンストではなくて、太もも丈のストッキングにしたのは。
母親の入れ知恵だったのだと、あとからきかされた。
女はパンティを、着けていなかった。

いやらしいの、嫌だったんです。
でもあなたなら許せるって、あのときになんとなく、そう感じたんです。
あなたはわたしをすぐに部屋の隅まで逃がしてくださって。
ほかの女とかけもちをしたり、そのままむたいなことをなさらなかったし、
生き血を吸われるのは、怖かったけれど。
いたわってくれているのも、なんとなく感じたから。
きょう、あなたがお見えにならなかったら。
一生独身でいようかって、思っていたんです。
男慣れのしない女は、考えることまでも極端だったが。
首すじに唇を這わせて、噛みつくことも忘れて、添わせつづけていた俺は。
女の目じりからあふれる熱いしずくが耳たぶを濡らして来ることに、
静かな感動をおぼえていた。
女はおずおずと、脚を開きながら。
こんなふしだらなこと、自分から誘いかけるなんて…
でもあなた、そうなさりたいんでしょう?
御意に添わせていただきますね。
女は目をつむり、自分の身が大人の女にされるまで、見開くことはなかった。

女と結婚して、五年が過ぎた。
まだ小さい子供を乳母に預けて、
妻はひっそりと笑みをたたえながら。
行って参りますね。
薄い唇に刷いた紅は、あのころよりも数段、濃くなっている。
ああ、行ってきなさい。
送り出す俺は、グレーのスーツのジャケット越し、女の体温を確かめるように、しっかりと肩を抱く。

妻の行き先は、母の情夫の家だった。
嫁姑ながら、抱いてみたい。
そういう類の望みを口にして、実行に移すものは、この村ではかなり多い。
そんなリクエストに、あえて応えたのは。
幼いころから母と仲の良かった情夫が、興味しんしんの俺を共犯に引き入れて。
不倫の現場を覗き見させてくれてからのつきあいだったから。

大事なお相手のときにだけ装うというグレーのスーツは、俺と初めて逢ったときのもの。
こんなとき、ぎらつくストッキングなんて、ふしだらかしら?
妻が気にかけるほど、きょうのねずみ色のストッキングの光沢はどぎつかった。
光るストッキング好きなひとだから、きっとあの人悦ぶよ。
そうですね。せっかく抱かれに行くんですもの。悦んでいただかなくちゃね。
まるでつきものが落ちるように、潔癖症のとれた妻は、
吸血鬼同士で女を交換し合う風習にも、すぐになじんでくれて。
留守宅に残る俺のため、高校生になる姪を呼ぶことも忘れなかった。
あの娘嫁入り前ですから、ほどほどになすってね。
女はイタズラッぽく、ほほ笑んだ。
寂しい独身時代には、決して見せないほほ笑みだった。


あとがき
なげーですね。これ。A^^;
描くのに珍しく、一時間かかりましたよ。
ヒロインの顔だちは目に浮かぶほどリアルだったのですが、モデルが実在するわけではありません。
案外と、実在するモデルは詳しく知らないと、うまく描けないものですね~

奥さんのストッキング、破らせてくれ

2010年12月25日(Sat) 09:16:08

すまん、奥さんのストッキング破らせてくれ。
夫婦連れだっての、法事帰り。
悪友のモトオは、幼馴染の友田に頭を下げる。
たまたま来合わせた、と見せかけて。
じつは寒風のなか、なん時間も待ち伏せをしていたのだろう。
コートの襟には、先刻やんだ雪で真っ白になっていた。

しょうがないかたね・・・
妻の恵理子はぶつぶつ言いながらも、
かがみ込んでくる夫の悪友の前、薄手の黒ストッキングの脚を差し向けてやった。
視ないほうがいいぜ。
悪友の忠告に従って、わざと視線をそらした友田だったが、
ついついチラチラと、妻の足許に視線を返してしまっている。
足首を掴まれて、ふくらはぎをちゅうちゅう吸われながら。
恵理子の脛を蒼白く透きとおらせた薄墨色のナイロンは、よだれに濡れて。
ふくらはぎの周りでよじれ、くしゃくしゃになってゆく。

エッチな破りかた、しないでくださいね。
しかめ面の恵理子に、モトオは神妙に頭を下げた。
人通りの少ない、夕暮れの田舎道。
恵理子のストッキングを破るのは、きょうでなん足めになるだろう。

ストッキング破りという奇妙な趣味を、好意的に受け入れてやったとき。
手を合わせてせがむ悪友に、それ以上エッチなことをしないことを条件にはしたものの。
あちらこちらであがったうわさを、知らないではなかったのに。
しっかり者と評判の恵理子が、意外に乗り気で。
婚礼帰りのスーツのすそを、たくし上げ。
白のストッキングをその場で、破らせたのだった。
お気が済みました?ではわたくしからも、お返しを。
思い切り見舞われた平手打ちに、頬を抑えながら。
潔い奥さんだな。
モトオは却って、恵理子の気丈さに惹かれたらしい。
失礼しました。神妙に頭を下げた後。
またやらせてね。
そうせがむことも、忘れなかった。



奥さんのストッキング、破らせてくれないか?
もう~、やーねぇ。
ダンナの好奇の視線をくすぐったがりながら、
礼子は夫の悪友あいてに、パンストを破らせてしまう。
ツヤツヤとした光沢のよぎる、肌色のナイロンが。
破れた蜘蛛の巣みたいに、みるかげもなく。
ぶちぶちぶちっ・・・と、音を立てて引き裂かれて。
あっ、だめっ、だめっ、だめっ・・・
警告を発しつづける礼子のことを、モトオは夫のまえ手籠めにしていった。
きょうでたしか、十三足めだったな。
亭主は顎を撫でながら、苦笑いを浮かべるばかり。
妻の脚から抜き取ったストッキングをぶら下げて、
きょうの戦利品をコレクションに加えてゆく悪友に。
奥さんを介抱しながら寝室に向かう夫は、しずかにおやすみを告げていた。



恵理子をモノにしたい。
こんどで、十三足めなんだ。
手を合わせてせがむ、悪友に。
きっとそうなるような気が、していたんだよな。
友田は断り切れないなと、直感していた。
どうしてあのとき、あの申し出を断らなかったのか?
どうしてあのとき、妻は潔くストッキングの脚を差し出したのか?
どこまでいっても、出ない答えに。
恵理子の横顔が、よみがえる。
あなた、ヘンな趣味もっているでしょう?
ふたりとも、似たものどうしなのかしら。
冷ややかなそぶりを、つくりながら。
モトオさんだったら、いちどくらい抱かれてもいいかな?
挑発するような笑みが、そこにあった。


あとがき
生煮えです。(><)
奥さんのストッキング破らせてってねだられて、許可しちゃう亭主はいないと思うのですが。
そんなあり得ないシチュエーションに、つい昂奮をおぼえてしまいました。(^^ゞ

優等生の血

2010年12月25日(Sat) 08:56:37

首すじから吸い取った血が、たらたらと。
弓恵の制服のえりを、汚しそうになった。
やだ・・・
とっさに取り出したハンカチで、あわてて傷口を拭うと、
おおいかぶさってきた男をはねのけて、弓恵は相手をきつくにらんだ。
ごめん・・・
制服姿の少女よりもずっとがたいのある猛郎は、身体をすぼめて謝っている。
優等生の弓恵には、いつも頭があがらなかった。

お前の血を吸ったら、勉強できるようになるかな、って思ったんだ。
ひと息落ち着いたあと、猛郎がぬけぬけとそういうと。
そんなことしたって、学校の成績あがらないよ。さっ、勉強しよ。
弓恵はその手には乗るまいと、きちんと座り直して、教科書を広げた。
それで、α=β+γだから・・・
小難しい数式の羅列に、できのわるい猛郎は頭を掻き掻き、従ってゆく。

母さん、でかけるわよ~。
ふたりのために紅茶を淹れてくれた猛郎の母が、のびやかな声を玄関に響かせた。
あー、わかった。気をつけてな。
気さくな声色には、母親に対する親しみが込められている。
家族に優しいんだね。古元くん。
なんだよ急に。
声でわかるもん。
同級生の少女の感心したまなざしに、猛郎はちょっぴり照れて。
けれどもすぐに、鉛筆を放り出していた。

どうしたの?
ゴメン・・・弓恵。お前の血がべつの意味で、効いてきた。
え・・・?
いぶかしそうな少女の顔が、狼狽にかわった。
ふたたび押し倒された彼女は、素早く奪われたファースト・キスにむせ返りながら。
スカートのすそをたくしあげようとする猛郎の手を抑えつけて。
わたしのこと、お嫁さんにしてくれる?
約束する。
相手の声色が、その場しのぎでないことを見定めて。
じゃ、あげる。
少女は制服のまま、背すじをピンと伸ばしていった。

どこまでも行儀がいいんだな、お前。
猛郎があきれるほど、きちんと身づくろいを済ませた少女は。
ちょうど戻ってきたお母さんにまで、お世話になりましたときちんとお辞儀をしていった。
うまくいったの?
振り向きもせずすたすたと歩み去ってゆく、セーラー服の後ろ姿を見守りながら、気遣う母親に。
照れているんだ、あいつ。
ぼそっと呟く息子が、母親の目にも大人びてみえた。
どちらが照れているんだか。
口に出しかけた冷やかしを呑み込んで、母親はいそいそと台所に向かう。
今夜はお赤飯ね。
よせやい。
初めて女の味を知った少年は、ほんとうに照れていた。


あとがき
吸血鬼小説だか中学生向け恋愛小説だか、わけのわからないものになっちゃいました。(^^ゞ

姪のつぶやき。 ~スクールストッキングを履いた姪~

2010年12月25日(Sat) 08:17:00

血を吸いたいの?
ウン、叔父様ならいいよ。
ちょっぴり怖いけど・・・
えっ、制服のままでいいって?
やらしいなぁ・・・
でも、叔父様ならいいよ。
こないだママが、どういうわけか。
制服一着、余分に買ってくれたんだ。
えッ、脚を噛みたいの?
ストッキング脱ごうか?
ええ~。ストッキングの上から舐めたいの?
やらしい・・・
エエ。叔父様なら、許せるかな。
手加減してね。あんまりやらしく、しないでね・・・
あっ、よだれが染みた。えっち♪
そんなふうにぶりぶり破いちゃ、ダメだって。
やらしいよ~。お行儀よくないよ~。
きゃ~、叔父様ったら、やらしー。
みどり、もう貧血だよ。立ってられないよ。
ダメだよ、横になるなんて。
ママから聞いてるんだ。押し倒されたら、イクところまでイッちゃうって。
叔父と姪じゃ、やばいよ~。
だけど、叔父様ならいいかな?許せちゃうかな?
脚をそーっと開くから。
あんまり痛く、しないでね・・・

ホームパーティー

2010年12月25日(Sat) 08:11:27

こんばんはぁ。いらっしゃ~い♪
自宅に戻ると、妻も娘もウキウキと。
わたしの招いた御一行様を、歓待する。
妻は真っ白なブラウスに、黄色に黒の水玉もようのロングスカート。
娘はフリフリのブラウスに、赤と黒のチェック柄のミニスカート。
丈の長いワンピースから、足首だけを覗かせる妻と。
太ももまで見せびらかすほどに、ばっちりさらした娘と。
脚にまとうのは申し合わせたように、黒のストッキング。

きゃ~。だめぇ。
いつも束ねた髪を肩先に流して、若づくりをした妻も。
三つ編みをほどいて、なまめかしい黒髪を見せつける娘も。
狭い部屋のなか、スカートをひるがえして逃げ回る。
訪問客たちは、うら若いコンパニオンたちをつかまえていって、
じゅうたんのうえ、押し倒す。
今夜は視る愉しみで、ガマンガマンね。だんな様。
齢がいちばん上の、還暦過ぎの爺さまは。
父娘ほど齢の離れた妻のロングスカートをひらひらとめくりあげながら。
わたしをそんなふうに、からかった。

勃起してらあ。お前案外、やらしいな。
同い年の同僚は、妻も娘もモノにしておいて。
わたしをそんなふうに、冷やかして。
いやあご立派、練れていらっしゃる。
隣のご主人は、夕べ襲われた奥さんのお返しを、娘にたっぷりと注ぎ込んでいた。

では、明日のお当番♪
だれかが叫ぶと、いちばん若いのが元気よく、はいっ!と手を挙げる。
おぉ~。
一同がどよめいたのは、明日の餌食に新婚妻が選ばれたから。
夜ごとに、訪問先をかえてくり広げられる、ホームパーティー。
今夜はだれの家の奥さんが、御一行様を歓待するのだろう。

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。。。

2010年12月25日(Sat) 07:37:13

あんまりいやらしく吸ったら、ダメだよ。
母さんマジで、嫉きもちやくから・・・
そんな警告を発すると。
娘は三つ編みを揺らしながら、正座の姿勢を崩していって。
制服のスカートに隠した黒ストッキングの脚を、おずおずと覗かせた。
屈み込んでいった俺が、よだれの浮いた唇を。
薄手のナイロンごしに、吸いつけてやると。
ははっ。
くすぐったそうに、背中をのけぞらせた。

ほどほどになさってね。
台所仕事の手も、もどかしく。
妻が尖った声を投げてくる。
けれどもその声色は、すぐに崩れて。
あ・・・あん・・・
なんて、口走っちゃっている。

声だけを交わし合う、部屋と部屋。
女房の肌色パンストと。
娘の黒のパンストと。
きょうはどちらが、先に破かれるのだろう?

絶好調!?

2010年12月25日(Sat) 07:31:20

ひとの女房相手に、絶好調だな~。
お前ぇこそ娘とやって、恥ずかしくねぇの?
お互い相棒のことを、冷やかし合って。
悪友の下には、女房が。
俺は、娘を組み敷いて。
乱雑に敷かれたふた組みのふとんのうえ、
女どもをひーひー言わせている。

どこで区切りをつけるのかって?
男は女房を拉致って家を出てゆき、
近くの草むらで、さんざっぱら愉しんで。
道行く人にも、みせびらかして。
慣れてくると女房のやつ、通りがかりのママ友に手まで振っていたという。

俺はそのあいだ、渋る娘をセーラー服に着替えさせて。
白のハイソックスの脚を、めいっぱい開かせて。
股間をギンギンにして、のしかかってゆく。
やつに送られて帰宅する女房の、馴れ馴れしい言葉づかいが聞こえてくるまで、
素っ裸にひん剥いた稚ない身体を、手放せなかった。

ただいま~。
決まり悪そうにおずおずと、自宅のリビングを覗き込む女房。
おかえり~。
間の抜けた声で、何事もなかったようすを取り繕う俺。
朝まで寝るワ。って、不貞寝をきめ込んだ娘のことは、どちらもが話題にしなかった。
女房がワンピースについた草切れをぱんぱんと払っているあいだ。
まだ腕に残る初々しく弾んだ身体の抱き心地を、腕をさすって懐かしんだ。
こんどはいつ呼ぶの?
女房はイタズラっぽい笑いをかえしてきて、くすぐったそうに応えたものだ。
あ・し・た♪

若い女の血を吸いに行こう。

2010年12月25日(Sat) 07:21:23

若い女の血を吸いに行こう。
なにしろ、忘年会のシーズンだからな。
男の言うなりに、訪れたのは。
なんと、我が家だった。
お前まだ、家族の血を吸っていないのだろう?
真夜中の訪問客にに組み伏せられた妻は、首筋から血を流し、
得意げに笑う男の口許からは、吸い取ったばかりの血が滴って、
妻のお気に入りのブラウスに、不規則な紅い水玉もようを散らばしていた。
勉強部屋にも、ご挨拶しないとな。
腰をあげた男の行く先では、制服姿の娘が自習をしている。

ほら、お前ぇもやれよ。
俺独りで愉しんだじゃ、Let‘s吸血にならないからな。
男は自分の額にマジックで、いまいった言葉を殴り書きしていて。
いま吸い取ったばかりの娘の血で、額の文字を上塗りしてゆく。
ははーん、やっぱり俺と同じ趣味かい。
うつ伏せになって気絶した娘のふくらはぎをつかまえて、
真っ白なハイソックスを、ぱりぱりと噛み破ると。
じゃ、俺は奥さんのほうを愉しませてもらうぜ そううそぶいて。
妻の履いている肌色のストッキングを、くしゃくしゃにしていった。

じゃあ、よいお年を♪
立ち去る男に、手を振ると。
妻も娘も気まり悪げに、乱れた髪をつくろいながら、お辞儀をする。
スカートのすそには男どもの、ふた色の精液を滲ませている。
つづきをやろうか?
やらしいねぇ。パパったら。
加代子ばかり構っちゃダメよ。
母娘は俺だけのため着飾るのに、いそいそと箪笥の引き出しを開いていった。
損をしたのか。得したのか。
そのあたりの勘定は、なんとなく微妙だ。

素っ裸に、ハイソックス。

2010年12月25日(Sat) 07:19:13

これ、履いてみてくれないか?
さしだされた靴下は、男の掌から長々とぶら下がっていた、
ストッキング地の、ハイソックスだった。
女ものみてぇだな。
俺がからかうように、そういうと。
女装させられるよりか、ましだろう?
男は俺とおなじくらいにんまりと、人の悪げな笑いを浮かべた、

な、なんか・・・やらしくね?
素っ裸に、ハイソックス。
密室の中、男とふたり。そんなかっこうを強いられて。
吸血鬼の小父さんに襲われるんだ。逃げなくていいのかな?
男のさしずにしたがって、俺は大仰な声をあげ、狭い部屋のなかばたばたと逃げ回る。
つかまえられて、首すじをがぶり!ってやられて。
股間の一物まで、しゃぶられて。
俺はみっともなくびゅうびゅうと射精しながら、ふくらはぎを噛まれて、
すべすべとした履き心地のするハイソックスをくしゃくしゃにされていった。

いいかね?人間を餌にするときには、ここまでやるのが礼儀なんだぜ?
男は俺の耳元でそう囁くと、
俺の体内から一滴残らず、生き血を吸い取っていった。
女房と娘がモノにされてしまったのは、いうまでもない。

数年後、。
俺はどこかのお坊ちゃんを手ごめにして、ここまでやるのが礼儀なんだぜって、おなじことを囁いている。
少年は俺の腕のなか、うっとりとしながら、呟きつづける。
ウン。ウン。わかったって。ママとカオリと…どっちを先に連れてくればいいんだい?
時代はどうやら、くり返されてゆくものらしい。
そういえば、俺の血を吸ったやつも。
吸血鬼になったあと、いっしょに自分の家族を襲って。
家族の血まで潔く、たっぷり振る舞ったといっていたっけ。

侵された一家

2010年12月24日(Fri) 08:13:48

お父さんのあの靴下、ヘンだと思わない?
美智恵は女らしい潔癖さを表に出して、眉をひそめて夫の出勤を見送ると。
息子のミチヒコをつかまえて、口をとがらせた。
スラックスの下、父親が履いていたのは、ストッキングみたいに薄い黒の靴下。
そうかなあ。
母親がそんなもののどこにこだわるのか、ミチヒコにはよくわからない。

行ってきま~す♪
姉の輝香が、制服のスカートをおおまたにさばきながら、黒のストッキングのつま先に革靴をつっかけてゆく。
ズックじゃないのよ!ちゃんとはきなさい!
母親は娘にまで、口うるさい。
は~いっ。
肩先に揺れるセーラー服のえり首が、いまにもめくれあがりそうにして。
姉はばたばたと、全力疾走していった。

ふたりきりになっちゃったね。
うん・・・
ミチヒコの囁きに。
美智恵は恋人のように、頷いている。
そろそろ来るころだね。
ええ・・・
準備はいいの?
息子の問いに、こたえるように。
母親は濃いブルーのストッキングのつま先を、赤地に白の水玉もようのワンピースのすそから見せびらかした。
あなたのほうこそ。
息子は得意げに、白のハイソックスの脚を、ぴんと爪先立ててみせた。
いつものリブ柄のやつとちがって、きょうのハイソックスはひどく薄い。
ストッキング地のハイソックスは、発育のよい脛を淡いピンク色に透きとおらせていた。
姉さんから借りたんだ。
うそおっしゃい。
だから男のひとたちは・・・
言いかけた美智恵は、ふと黙りこんだ。
庭に面したガラス窓に、隣家からの来訪者たちが顔を並べて会釈を投げてくる。

お父さん、間違いないよね?
え・・・?
お姉ちゃんのストッキングだよね。あれ。
母親はいまだに、父の靴下のことを気にしているらしい。
いまごろおんなじように、だれかと逢っているのかな・・・
まさか。
笑いかけたミチヒコは、ハイソックスのうえから噛みついてくる牙に、ちょっぴり顔をしかめた。
ふくらはぎの上にちりちりと広がる、ハイソックスの裂け目が、ひどくくすぐったかった。
あのひとのスラックス、こないだクリーニングに出したばかりなのよ~。
主婦の声色に戻った美智恵は。
じぶんの父親くらいの年配の男相手に、濃いブルーのストッキングの脚をさらけ出して。
よだれの浮いた恥知らずな唇に、なぶり抜かれている。
思うさま破らせて、そのあとどんどんと乱れていってしまうのを。
ミチヒコはきょうも気を喪ったふりをして、愉しむこといしている。

都会のご一家は、ええ服をお召しじゃのう~。
娘のセーラー服も、捨てがたいぞな。
母親と息子を餌食にした男どもは、言いたい放題を口にしながら。
じゅうたんのうえ伸べられたふくらはぎから、ストッキングやハイソックスを、思い思いに噛み破っていった。

吸血儀礼 ~ミチヒコの場合~

2010年12月24日(Fri) 08:02:37

引っ越してきた土地に、なじむのは。
子供のほうが、はやいものだ。

つぎのあたったズボンや、古くさい半纏を着た男の子たちのなかで、
都会から村に転入してきたミチヒコのいでたちは、
真っ赤なセーターに、襟だけみせた白のワイシャツ。
グレーの半ズボンの下は、ひざ下まで引き伸ばされた、真っ白なハイソックス。
いちぶの隙もないほど洗練されて、目を引くほどにさっそうとしていた。

行こ。行こ。
学校がおわると、男子たちは合い言葉のように声を交わし合い、
連れだって、村はずれを目指した。
ミチヒコがついていこうとすると、「ここから先はやめとけ」。
いつもそう言われて、さえぎられてしまうのだった。

ボクも行く。
あるときミチヒコは、決然としてそう言い放った。
そろそろ仲の良い友だちがなん人か、できはじめた頃のことだった。
仲良しの連中が口添えをしてくれた。
あんなに行きたがっているんだもの、連れてってやろうや。
でも・・・
いちばん気にかけた様子の、頭だった少年は、それでも思いなおしたように。
おめぇ、田舎だからってばかにしねぇもんな。
承諾の印だった。

えっ?血を吸うの?
さすがに立ちすくんだミチヒコのまえ、級友たちはひとり、またひとりと、首すじをくわえられてゆく。
相手はだれもが顔見知りの、年配の男衆たちだった。
いちばん仲良くなったユタカまでもが、
自分の家のとなりに住む五十がらみのやもめ男に首すじをかまれ血を吸いだされてゆく。
こっち。
頭だった少年は、厳しい目つきでミチヒコを見つめ、別の部屋へと引き入れた。
悪いね、きみ。
小父さんたちはお腹がすくと、こんなふうにして血を恵んでもらっているんだ。
足許ににじり寄ってくる五十男のようすを、ミチヒコは唇を噛んで見おろしたが、
うん、わかった。秘密は守るから。
模範解答ににんまりと弛んだ口許が、ミチヒコの白のハイソックスをよだれで濡らした。

視ちゃダメだって。
そんなことないよ。お前も見ろよ。
あのとき以来仲良くなった、頭の少年は、尻ごみをするミチヒコの袖を引っ張っている。
ためらって後戻りしかけたハイソックスの脚が、半開きのドアに寄り添うようにして立ちどまった。
母の美智恵がエプロン姿のまま、男の猿臂に首っ玉を巻かれている。
男は先日ミチヒコの血を吸った、五十男だった。

ミチヒコの血が旨いって、ほめてたんだ。
それでちょっぴり気になったんだけど、
母親の血も旨いだろうっていうから、お前ん家(ち)教えちゃったんだ。
ミチヒコのハイソックスも愉しみたいし、お母さんのストッキングも面白そうだってね。
いやらしいおやじだよな。
頭の少年の大人びた口調が、冷やかさをつくろいながらもどこか悔しげに響く。

あぁア~っ。
洩らすまいとする呻きが、紅を刷いた口許から、人知れず洩れた。
抵抗する美智恵を、逞しい猿臂のなかにまんまと抱き込んでしまうと。
男はこちらに、ちらと得意げな視線を送ってきたような気がした。
いただくよ。
そういったようだった。
共犯者のまなざしに、ハイソックスの脛ががたがたと震えた。
がぶり。
首すじに牙が突き立てられて、バラ色の血が花柄のブラウスに飛び散った。

テレビに出てくる吸血怪人みたいだな。
評判の孝行息子のはずのミチヒコが、母の危難も忘れて、妖しい情景に見入ってしまっている。
あ・・・あ・・・あ・・・
美智恵は生き血を吸い取られてゆきながら、白目をむいて姿勢を崩していって、
しまいにじゅうたんの上、肌色のストッキングに包まれたひざ小僧をぺたんと突いて、
さらに姿勢を崩して、じゅうたんの上にうつ伏してしまった。
あれ、うちの親父なんだ。息子の血だけじゃ足りなくってさ。よろしく頼むな。
頭の少年は、ちょっぴりすまなさそうな顔をして、ミチヒコの家をあとにした。
悪友から腕を解かれて自由になったミチヒコは。
つま先をぴんと立てて、なまめかしい感じのするストッキングのふくらはぎをぞんぶんに舐めさせてゆく美智恵のようすを、ゾクゾクとした妖しい昂りのなかで、見守りつづけていた。

知らない夫 認める夫 薄々感づいている夫

2010年12月24日(Fri) 07:28:14

出産後も、お産婆さんがめんどうを見てくれる。
そんな昔ながらのやりかたが、都会育ちの美樹にはむしろ、もの珍しかった。
この村に嫁いできて、はや三年。
初孫に、どちらの祖父母もよろこんでくれていた。
ふつうなら、満ち足りた若い母親であるはずが、
美樹はちょっぴり、フクザツだった。

村に嫁いで、すぐのころ。
夫のいないあいだ、義父に迫られて、押し倒されて。
忌むべき関係を断ち切れないまま、ずるずると過ごすうち。
義父は自分よりも年配の悪友を、夫の留守に引き込むようになっていた。
複数の年配の男性と関係を結ぶ日常が、この村ではごくふつうのことなのだと。
義父に聞かされ、ほかの男たちも異口同音にそう告げるのだった。
うちの嫁も、わしの相手をしてくれる。毎晩じゃぞ。
いつも臭い息を吹きかけて来て、辟易させられる最年長の七十男にしてからが。
若い時分は隣村からもらったばかりの嫁を、兄や父親に食い物にされていたという。

そんな村に、都会から手伝いに母の美恵子と兄嫁の由梨絵がやってきたのは。
村の男どもにとっては、カモがネギを背負ってきたにひとしかった。
さいしょに美恵子が、それから由梨絵が、ひとりきりのときに迫られて堕とされて。
互いに知らないどうしだった秘密を、ひとつ部屋のなか分かち合うことにさえ、なっていた。

産後は養生せんとの。
義父はいつも、優しかった。
経験に裏打ちされた手当の適切さを加えると、夫よりも居心地がよいほどだった。
その義父が、暗闇の中では獣にかわることを、
美樹は自分の身体で、知っている。
あの・・・なにかを言いかけた息子の嫁に、気づかぬように。
とうぶん夜のお勤めは休んでええ。代わりを見つけたでの。
義父はいつものようにおだやかで、優しい声色だった。

ご母堂は・・・
義父の言葉づかいは、ひどく時代がかっていて、古くさい。
そういうときにかぎって、かなり重要なことを口にするのを、美樹は知っている。
ご尊父どのに、すべて話されたそうじゃ。
寛大な方々じゃ。なかったことにする、知らないことにする。そう仰せじゃったそうな。
そのかわり、美樹の身体をくれぐれも・・・とな、ご母堂を通じていましがた、うかがったところじゃ。
安心するがええ。
あくまでおだやかな義父の態度に、応える言葉を思いつかなくて。
美樹は黙って、窓の外の雪景色を視ているだけだった。

布団の上に突いた掌のうえ、義父の節くれだった掌が、包み込むように乗せられる。
部屋の向こうにかすかな人の気配が立ったが、なかの様子を察すると、そそくさと足取りを遠ざけてゆく。
良治のことなら、気にせずともよい。
興ざめであろうからと、だまっておったが、薄々感づいておるようじゃ。
村のしきたりは、あれもよぅ心得ておるでの。
義父のことばが救いになるのか、ならないのか。
美樹はなんども、呟いていた。 良治さんは、知っている。良治さんは薄々感づいている・・・

兄嫁殿は、さすがになにも言わぬようじゃな。若いもんほど、過ちのふたつやみっつは、あるだろうに。
「ひとつやふたつ」ではなくて、「ふたつやみっつ」。
五つや六つではなくて?
思わず口にした応えに、義父はひどく満足げだった。
美樹のご両親は、しんそこ寄り添い合っておいでなのじゃろう。
さいしょのとき。さすがにすこし取り乱し涙ぐんだようすだけは、さすがの彼も嫁に告げはしなかったけれど。
すぐに事実を告げ、夫に許しを乞い、夫もすべてのことを判断して、夫婦としての不名誉を受け容れた。
よほど心が通じ合っておらぬと、できぬことじゃわ。
さしあたりいちばん気がかりなのが、義姉さんですね―――
村の女の顔に戻った美樹の声色は、むしろ冷ややかなくらいにしずかだった。

だれかがうちに、来るんだろう・・・?

2010年12月24日(Fri) 06:57:09

ちょっと・・・出かけて来てもいい?
いつもハッキリとした性格の洋子にしては、言いにくそうな、歯切れのよくない口調だった。
お気に入りの白のスーツに、ワインカラーのブラウスが、夫の睦彦にはむしろ、毒々しく映った。
いいよ。うちに呼べよ。おれが出かけるから。
自分の口から洩らされる言葉が、むしろ淡々とした調子を伴なっていることに、
睦彦はわれながら、意外に思っていた。
だれかと・・・逢うことになっているんだろう?
え・・・?
どきりとして立ちすくむ洋子に、睦彦は自分から寄っていって。
妻のうなじをなぞるように、撫でていた。
噛まれたんだな?
白くて細い首すじには、かすかだが痛々しいほどの赤黒い痕。

いつからなんだ?
先月からよ。
帰りの遅かったあの晩のことだ。
睦彦ははっきりと、自覚した。
あの晩妻はいつもの快活さを忘れたように、疲れ切った顔をしていた。
蒼ざめていたのはその日の勤労奉仕による疲れのせいだけではなくて、
失血と狼狽とが隠されていたのだろう。
その日の勤労奉仕は確か、高齢者の介護だった。
相手はだれ?
知らないほうが、いいでしょ?
洋子はとうとう、相手の名前を口にしなかった。

一時間後。
あるじのいなくなった家のドアを、音をはばかるように叩くものがあった。
開いたドアの向こうにいたのは、睦彦の幼馴染の亮介だ。
洋子は慣れた手つきで、肩先まで伸びた髪を背中に追いやると、
ドアを閉めた玄関で、男の肩にしなだれかかるように、両腕を巻きつけた。
赤黒い痣の、ちょうど真上に。
熱い唇が這うのを、感じながら・・・

まだあなただって、気づいていないみたい。
わざと知らないようにしているんだな、あいつ。
押し倒した女のスカートの奥に、熱くたぎった粘液をびゅうびゅうと吐き出したあと。
亮介は冷めた目線になっている。
情事を共にした共犯者の、収まりかけてゆく熱情にもの足りなさを覚えながら。
洋子は引き破られたストッキングをたいぎそうに、ふくらはぎから抜き取っていった。
こんどはいつ来るの?
あいつのいないとき・・・かな。
悪いことしてると、思っているんだ。
そそのかすような上目づかいをしながら、
女はむしろ自分よりも彼の方が、夫のことを気遣っているのを感じ取っている。

手当たりしだい、というのが適切な表現かもしれなかった。
狭い村では、だれもが顔見知りであり、縁つづきだったから。
毎日顔を合わせて、いっしょに働いていたり。
おなじ屋根の下で暮らしていたり。
そうしたものたちの妻や娘を襲い、血を啜る。
よそ行きのワンピースやブラウスを、持ち主の血で汚しながら、
衝動や劣情にまかせて生き血を味わっているときは。
土気色の男たちはほとんど、無表情だった。
自分の加える凌辱に、兄嫁や義妹や友人の妻たちが、満ち足りたようにうっとりとなってしまうと。
交尾を果たした獣たちはその家から立ち去って、なにごともなかったかのように、仕事場に戻っていって。
なにもしらない、あるいは知らないはずの、犠牲者の夫たちと冗談を交わしながら、
ふたたびいつもの日常へと、戻ってゆく。

母を呼んだわ。あなた襲ってあげて。
戻ってきた睦彦に、洋子は唐突な言葉を投げた。
あなたにも、生えかけているんでしょう・・・?
妻のなぞる指先の下、唇の端に隠れた牙が、じわじわと疼きはじめていた。
父はもういないから、だれにも迷惑はかからないわ。
襲われた女が酔ってしまうのも、わたし知っているから。
自分が酔っていることを、さりげなく伝えると。
日取りはいつが、いいかしらねぇ。
来週、うちの両親結婚記念日なんだ。
話題の異常さだけを残して、声色だけはいつもの専業主婦に戻っていった。

玄関で。

2010年12月23日(Thu) 08:51:59

げ、玄関って、いいよね。おばさん。
いちど、やってみたかったんだ。
ワンピースを通してしみ込んでくる土間の湿りが、ショーツを脱いだお尻に冷たくて。
見境なくのしかかってくる甥に、和子はよしなさいよって、口走る。
だって・・・
ぼそぼそと言葉にならない言葉を口走る甥の、まだ手慣れていない指先に。
服のはだけた胸もとを、ぶきっちょにまさぐられて、
和子は不覚にも、声を洩らしていった。

つい先週のことだった。
姉の輝子が、夫婦のリビングを訪れたのは。
家が近く親しく行き来している、十歳以上年上の姉は。
どういうわけかその日に限って、改まった和装に身を包んでいた。
そのまま床の間部屋へと、いざなわれて。
なにがあるのか?
和子はとうに、察しをつけている。
男の子が成人を果たすとき、近親の既婚女性が相手をする。
そんな因習が、彼女の実家に脈々と受け継がれていたのだから。

息子の相手をしてほしい。
どうやらあなたに、ご執心なの。
なにもしらないはずの、夫のまえでそんなあからさまなことをいわれて。
さすがに男経験の豊かな和子といえども、赤面せざるを得なかった。
ふだんもの堅い義姉の、打ち明け話に。
夫までもが、驚いた表情を隠せない。
けれども話がつくのは、早かった。
見返りの罪滅ぼしに、今夜ひと晩、
わたくしがフジオさんのお相手をつとめさせていただきます。
しょうがないわね・・・
ふと漏らした本音に。
しょうがないですね・・・
夫が洩らした本音だけは、ちょっぴり許せないものをおぼえていた。

当日。
甥のカズヤは、独りで自宅に現れた。
夫はその刻限を見計らって、なにか用事にかこつけて、家をあけている。
姉があらたまった挨拶をして、そのまま夫に組み伏せられていった、おなじ床の間で。
和子は息荒くのしかかってくる甥を、わざとそそるように目線をそらして。
ぶきっちょで性急な少年の手に、
ワンピースの胸もとを、くつろげられていった。
余裕たっぷりの誘惑の笑みをたたえながら。

ね、玄関でしようよ。
ワンピースのすその奥深くねじ込まれた疼きの余韻が、まだ去らない。
じぶんの好色ぶりに、却って己の若さと魅力を見出すしたたかなこの人妻は。
いやあね。ひとの家でお行儀の悪い。
そんな大人の理性を口にしながら、
そういう理性的なたしなめが、かえって逆の効果をもつことを、したたかに計算し抜いている。
夫が通勤するときに履いていく革靴をどかして。
じぶんから土間に、腰をおとしたとき。
ひんやりと湿った土間の冷えぐあいが、ショーツを脱がされたお尻に心地よかった。

適度な冷めは、適度な罪悪感を呼ぶらしい。
罪悪感が醸し出す、妖しい性欲に。
女が情欲におぼれようとした時に。
目映い外光が、女の目線をくらませた。
甥が、玄関を開け放ったのだ。
いやぁ~。やめて頂戴っ、
外から覗かれる。
そらぞらしい外気が、ほてった身体をいっそう濃い情欲に灼いた。

征服した女の太ももの奥に、まさぐりいれた掌が。
ぬらりとした体液に、濡れていた。
カズヤが昂りの一撃を、女の身体の奥に縫い込もうとした時に。
女がいっそう大きく目を見開いた。
若い情夫の背中越し。ドアのすき間から覗いている、眼。
夫はじいいっと、妻の凌辱を見守っている。
のしかかってくる若い甥とおなじ種類の、昂りの輝きを秘めながら…

今月は

2010年12月22日(Wed) 07:38:06

やけにあっぷが、多いです。
12月という月のあわただしさが、そうさせるのでしょうか。
よくこの時期になると話題にしてしまうのが、もう四年もまえになった12月のこと。
あっぷ数、108。
この記録が破られることは、そうそうはないでしょう。 苦笑
数を意識してもしょうがないのですが、調子のいいときはついつい、この数字を意識してしまいます。(^^ゞ

美恵子、喉渇いた。

2010年12月22日(Wed) 07:36:21

吸血鬼のカップルが、校内にはなん組となくあった。
そういうカップルのため、奥まった小教室が開放されていて。
喉の渇いた吸血鬼は、パートナーをその部屋に引き込んで、
欲望を遂げることが、許されていた。
なにも知らない生徒たちの防波堤としての役割も、きっとあったにちがいない。

美恵子、喉渇いた。
体育館から椅子を抱えて教室に戻るとき。
俺は隣合わせで歩いている美恵子に、そっと囁いた。
美恵子はあきれたような顔をして、俺を見あげると。
ちょっと待ってよ。こんなところで?
隣の子に聞こえるくらい、大きな声をだしていた。
シッ!
俺はあわてて口止めしたけれど。
周囲の子たちは、聞こえないふりをしてくれている。
曲がろ。
折りよく通りかかった奥の教室に通じる廊下で、俺たちは椅子を抱えたまま級友たちの列を離れた。

きゃあ~っ、やだ・・・
小教室のひとつには、すでに先客がいたらしい。
扉をがらりと開いて、よろけながら出てきた女学生は、
黒髪のロングヘアを振り乱して、セーラー服の襟首を、べっとりと赤黒く汚してしまっている。
そういえばたまに、同じクラスのなかでも。
襟首の白のラインにあからさまなシミをつけたままの子を、たまに見かけることもあった。
ああいうのは、堪忍ですからね。
言葉つきの控えめさとは、裏腹に。
美恵子は厳しい目つきで、俺をにらんでいる。

男の子ってどうして、制服着ていると寄ってくるのかしら?
火の気のない寒々とした小部屋の中、ふたりきりになると。
美恵子はいつものように、口とがらせる。
制服のとき襲われるのって、困るの。
汚したら、どうしてくれるのよ!?
尖った口調がだんだんと先鋭さを増してくる前に。
俺は女を、押し倒していた。
首すじに迫らせた牙に、さすがにびくびくとした視線を向けながら。
制服、くれぐれも汚さないで頂戴ね。汚れたら早退けしてでも気づかれないようにするからっ。
口先だけは、あくまでも手厳しかった。

ストッキング破りたがるのも、考えものだわ。
しつらえられたベッドに、気持ちよさげに身体をうめながら。
足許ににじり寄って、唇を吸いつけられながら。
薄いナイロン生地を破られるのをきらって、脚をもじもじさせていた。
汚れる心配は、ないんじゃない?
履き替え持ち歩いているときだけですからね。
手厳しい口調を、からかうように。
捺しつけた唇の下、薄手のナイロン生地に走った裂け目を、俺はじりじりと広げていった。

制服汚さないよ。うまく噛んでやるから。
背中に取りつくようにして、おねだりをくり返して。
今度だけよ。汚したら、赦さないから。
美恵子は口を尖らせながら、きょうも首すじを狙わせてくれ、黒のストッキングを破らせてくれる。

そんなことをしたって、あなたのいじましい性格は治らない。

2010年12月22日(Wed) 06:49:20

初めて美恵子を噛んだとき。
とっさに首すじに手をあてがいながら、
一瞬なにが、自分の身に起きたのか、とっさに理解できないようだった。
信じられない―――
そんな目線を、投げてきて。
つぎの瞬間。
俺の頬に、熱湯のような感覚が走っていた。
血を吸った女にひっぱたかれるなど、初めてのことだった。

たいがいの女は、吸った血と引き換えにしみ込ませてやる毒液に、
それこそへろへろになって。
意気地なく、その場にくず折れたり、
ふしだらにへらへらと、笑いこけてしまったり、
そんなふうになるのが、関の山なのに。
美恵子には、俺の毒が効かなかった。
そんなことしたって・・・あたしはちっともまぎれない。嬉しくない。
少女は身を揉んで、処女の生き血をまんまと吸い取られてしまったことを、どこまでも悔しがる。

もういいわ。あっち行きなさい。
そんなことさえいわれて、もうひと言も声をかけれなくて。
教室を出際に、ちらとふり返ると。
少女はセーラー服の襟首に血が滲まぬよう、ハンカチで拭きながら。
言葉も洩らさず、涙ぐんでいた。

まだ懲りないの?
だれもいない、校庭の隅。
古い大木を背にした美恵子は、
色白の頬を紅潮させ、気の強そうな大きな瞳をいっそう光らせたけれど。
むき出しにされたどす黒い衝動を、さすがの彼女もよけきれなかった。
それでも彼女は、ほかの子みたいに泣きじゃくることもなく、ぺたんと尻もちをつくこともなく、
ましてへらへらとくすぐったそうに、笑いこけることもなく。
気丈にも立ったまま、俺の牙を受けとめていた。

いつも、気が強いんだな。どうしたらそんなふうに、しっかりとできるのかな。
きみの血を身体のなかに取り込んだら、俺も強くなれるのかな。
ふと漏らした、俺の言い草に。
美恵子は鉄火なことばをなげてきた。
そんなことしたって、あなたのいじましい性格は治らない。
手厳しい言葉への、お返しに。
俺は立ちすくむ少女の足許に屈み込んで。
黒のストッキングをくしゃくしゃにしながら、
すらりとしたふくらはぎを、なん度も噛んでゆく。
悔し涙があふれてきた目を、ともかくこの女のまえから隠したくて。

どうして、あたしなの?
じいっと見つめる、しずかな目。
冬の色合いの迫った夕暮れの公園には、紅葉を落とした樹々がたちならび、
そらぞらしいほど、見通しがよくなっていた。
いつもの責める感じではなかったけれど。
理性を喪わせる毒が効いているようには、とても思えない。
ただ、しずかに―――
なぜ自分でなければならないのかを訊きたがる美恵子に。
自分でも気づかなかった本心を、洩らしていた。
きみが、好きだから。

ほかの女の子を襲うのは、どうして?
喉が渇くから。
さと子ちゃんを襲わなくなったのは、なぜ?
友だちの彼女だって、わかっちまったから。
えりちゃんが何度も狙われるのは、なぜ?
彼女は大柄で、血をいっぱい吸えるから。
まゆみちゃんは彼氏いるのに、なぜ襲うの?
タカシのやつ、俺に気を遣って、
ふたりして、俺に逢いに来て。
ほんとうに喉が乾いたらいいよって、そういうことになっているんだ。
そういうお友だち、もしかして多い?

問答がなん十分もつづいた。
ひとつだけ、いわせて。
あらいざらい、こたえさせられたあと。
美恵子は改まった口調で、あとをつづけた。
なん人も相手がいないと喉が渇くのは、わかったけど。
嫌がる子を襲うのだけは、絶対やめて。
引き結んだ唇に、にらみあげてくる瞳。
瞳の輝きの、いつにないせつじつさに。
俺はだまって、うなずいていた。

じゃ、ご褒美に。
美恵子は、黒のストッキングの脚を差し出して。
噛ませてあげる。嫌だけど。
え?
噛んでもいいっていっているのよ!
人が来るから早くなさい。そう言わんばかりの叱声だった。
自分の意思じゃないように、
俺はそろそろと、女の足許に膝まづくようにして、かがみ込んでいって。
すらりと伸びたふくらはぎに、唇を擦りつけようとするとき。
とっさにためらいをみせ、引こうとする足首を。
ギュウッと痛いほど、握りしめていた。
きょうのストッキング、履き古しだからね。
頭のうえから、精いっぱいの負け惜しみが降ってきた。
悔しさを押し殺しているのが、なんとなくわかった。

家まで送る。
嫌。
送らせてくれ。
嫌。
頼むから。
少女はぷっと頬をふくらませ、いかにも機嫌悪そうに。
断ったって。どうせいつものように、ついてくるんでしょ?
あとをついていく俺のことを、もう振り切ろうとはしなかった。
傷ついて動揺した少女の帰り道を気遣って、無事家の門をくぐるところまでいつも見届けていたことを。
美恵子のやつ、ちゃんとわかっていたんだ。
玄関のドアを開いて、出てきた美恵子のお母さんは。
俺をみると優しげな目交ぜをこめて。
美恵子のこと、よろしくお願いしますね。
もぅ。
美恵子は母親のようすに口をとがらせて、照れ隠しに、母親を邪険に叩くそぶりだけをして、
あとをふり返らずに、家のなかへと入っていった。
では。
お母さんはもういちど、深々とお辞儀をして、
娘に逢いたいときには、いつでもいらっしゃいね、とまで、言ってくれた。
なにもかも知っている。そんな立ち居振る舞いが、目に染みた。
―――嫌がる子を襲うのだけは、絶対やめて。
それが、俺との交際を承諾する言葉だったのだと。
俺はうかつにも、そのときまで気がつかないでいた。

黒のストッキング履くと、思い出すわね。
傍らに寄り添う妻は、あのときの気の強い女学生。
履き古しのやつを履いてきたときだけ、噛ませてくれたっけ。
ばかね。
美恵子は相も変わらず、毒舌だった。
あなたに逢う時にはいつも、真新しいのおろして履いてあげたのよ。

ほんとうはそんなことには、気づいていた。
唇をすべらせたナイロン生地が、真新しいか、なんども脚を通されたものなのか。
舌だけは当時から、肥えていたのだから。
きょうのストッキング、履き古しなのよ。
そういって立ったまま、脚を噛ませてくれた少女。
いつも悪りぃな。
悪童ぶりの抜けきらない態度で、制服の足許を汚していった俺。
真新しいのを履いてきたの。
そういう殊勝な想いを伝えきれない少女は、
そのうちに、悔しがることをやめて。
俺が愉しむありさまを、小生意気にからかうようになっていた。
いつもお行儀、悪いわね。よっぽど気をつけないと、女の子に嫌われるタイプだわ、あなた。
苗字を俺とおなじにかえて、毎日寄り添ってくれるようになってからも。
悪口だけは、少女のころのまま、めいっぱい毒づくのだった。


あとがき
昔の女学生の画像を、ながめていたら。
とっさにこんなお話が浮かびました。
気丈な輝きをもった大きな瞳は、見つめる相手になにかの奇蹟を起こすのでしょう。