淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
まわす。
2011年06月30日(Thu) 06:49:06
夫婦でエッチをしている真っ最中に。
あいつは寝室に、忍び込んできて。
わたしの血を、ちゅうちゅう吸うと、妻のうえから転げ落として。
夫の代わりに、妻のことを狂わせた。
狂おしく抱き合うふたりを目の当たりに、
わたしはすっかり、のぼせあがって。
彼が立ち去ったあと、なん回も。
夫婦のまぐわいを、くり返していった。
へとへとになったじゃないの。あなたたちぐるになって、わたしのことをまわすんだもの。
乱れ髪のまま怨ずる妻も、まんざらではなさそうだった。
はたして、妻のいうように。
ぐるになってまわしたことになるのだろうか?
彼と妻を共有するようになって、はや半年が過ぎていた。
いやらしい。
2011年06月30日(Thu) 06:45:36
夕べも家内とふたり、訪ねてきた吸血鬼氏に献血をした。
ストッキング地のビジネスハイソックスを履いて、
家内のパンスト脚と並べてうつ伏せになって。
わたしは軽い貧血程度。
家内はたっぷり吸われて、青息吐息。
でも・・・靴下だけは、家内のとおなじくらいしつっこく舐められて、
破けかたもおなじくらいに、見る影もなくなっている。
今朝も。
出勤のとき脚に通すのは、薄々のハイソックス。
勤め帰りにきっと、ご馳走するはめになりそうだから・・・
親密度。
2011年06月30日(Thu) 06:42:22
やつの女房と、どれくらい仲がいいかって?
どうってものじゃないだろうさ。
いいとこ、亭主の半分くらいだろうね。
あの夫婦の三人の子供のうち。
俺の種は、ひとりだけだから。^^
ブログ拍手♪
2011年06月27日(Mon) 08:19:15
このごろひさびさに、拍手を頂くことがふえました。(*^^)v
やっぱりうれしいですねー。反応があるって。
昨日の早い時間かな。こちらの連作ものにいくつも、拍手を頂戴しました。
「連作:四人の妖花たち」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-category-24.htmlこの時間帯に頂戴した拍手が、すべてこのシリーズだったので、
もしかすると順ぐりに、読み進んで下さったのかもしれません。
そういう読み方をしていただけるのは、作者冥利に尽きるものです。
ちなみにこのなかでいちばん気に入りのお話は、こちら。↓
「みちるの場合」(2006.9.12)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-category-24.htmlええ、もちろん拍手を、いただいていました♪
>死んじゃうんだ。
>そう思ったとき、少し泣いた。
とか、
>裕美は神妙に謝罪をいいながら、すぐに態度をがらりと変えて、
>でも、ダメよ。逃がしてあげない。
なんてくだりが、特に気に入りです。^^
あっ、ねたばれしちゃった。(^^ゞ
いま読み返してみると、
「女ともだち♪ その2」(2006.8.31)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-481.htmlで、みちると歌枝子のどちらを毒牙にかけようかと品定めをしている女ふたりが、
「みちるに歌枝子の血を吸わせてあげない?」
なんて、きょうの犠牲者を思いつきで決めちゃっているあたりも、なかなか好いです。(自画自賛)
ほかに拍手をいただいたのが、「深夜のドライブ 2」。(2006.2.24)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-362.html田舎の因習めいたお話です。^^
ひん剥けば。
2011年06月27日(Mon) 07:49:14
言葉つきだけは、妙にばか丁寧な侵入者たちだった。
そのくせやることは、断固としていて、拒む意思を全く寄せつけようとしなかった。
話は聞いていますよね?
奥さんに、夜のごあいさつをしに伺いました。
ちょっと縛りますけど、大人しくしていてね。
窮屈だろうけど、ガマンするんだよ。
野原にしますか?納屋までお伴しますか?それとも、此処でやりますか・・・?
当地に赴任して、一カ月が過ぎようとしていた。
この土地に赴任してきた都会のものたちは。
一カ月以内に奥さんをまわされて、それからはやがて、逆にまわす立場に立つようになる。
そう囁きかけてきた、会社の同僚は。
真っ先に、妻の奈々枝のうえに、またがっていた。
必死で嫌々をする胸からブラウスを剥ぎ取ると、
べつの手が奈々枝のスカートをたくし上げ、
さらにべつの手が、パンストを破り、ショーツを引きおろす。
両手首はとっくに、たたみの上に抑えつけられていて。
十重二十重の重囲のなか、必死の身悶えはいつしか、よがり声へと塗り替えられてゆく・・・
強引過ぎたかな。
だいじょうぶだよね?
あー、奥さん、この服着れないね?記念にもらってゆくよ。
口々に妻を気遣う、裸の男たちは。
引き裂いた妻の衣装を、ていよく手ん手にせしめていく。
さぁ、お立ち会い。
全裸に向かれたわたしたち夫婦は、真向かいに正座させられて。
男たちに促されるまま、身体をひとつに重ねていった。
ほかの男たちさえ、交えながら。
頭がぼうっとなるまでまぐわいつづけて、迎えた朝―――
きょうは休みだな・・・
呟くともなく呟きながら、呆けたように天井を見つめるわたしに、
なにごともなかったかのように、いそいそと朝餉の支度をする奈々枝。
いまでも。
真っ先に奈々枝にのしかかった同僚が、わたしの傍らに戻ってきて囁いていった言葉が。
胸をずきずきさせている。
俺も着任ひと月で、菜穂のやつをひん剥かれちまったんだ。
これであいこだね。
あいこもなにも・・・
一方的に犯されているだけじゃないか。
わたしがそう、抗議しようとしたときに。
そのうちあんたの番も、まわってくるだ。愉しみに待つべぇよ。
もう片側から身をすり寄せてきた、年配男が、
ひとのわき腹を、それはしつっこく、つついてきた。
ちょっと、出かけてくる。
手短かにそう告げた奈々枝が、きょうも夕暮れの雑木林に、消えてゆく。
草地には不似合いな、都会ふうのワンピースを装って。
わたしが黙ってあとを尾(つ)け、昂りを抑えかねながら見届けて、
そうしてひと足はやく帰宅するのを、妻はおそらく気づいている。
まだしばらくは・・・姦られる側で愉しみたいね。
職場の休み時間、妻を初めて狂わせたあの男に、そう囁くと。
くすぐったそうに、白い歯をみせた。
お話のなかに、りあるな知人や自分自身の名前を見つけたときは
2011年06月27日(Mon) 05:30:04
数年まえのことです。
メール交換をしている読者のかたから、評判の美人であるお友だちのことを教えていただいて、
ぜひお話を描いてくださいって、リクエストを受けたのです。
もちろん柏木のことですから、おー悦びっ!(^^)/で、描きました。
そこまではまぁ、よかったのですが。
あっぷした直後、そのかたからメールを頂戴しまして。
ヒロインの名前を、変えて下さいって仰るんです。
リクエストを受けた日の夕方、シャワーを浴びているあいだにお話の筋と、ヒロインの名前を考えたのですが。
なんと!そのときの柏木の第六感が、ヒロインのご本名をあててしまったらしいのです。
(・0・)
あらまぁ、びっくり!で、すぐにササッと、訂正を。(^^ゞ
でもね。
あとから思ったんです。
べつに本名をあっぷしたからって、
ご本人の身許がばれるわけでなし、
ましてやご本人がこんなところまで御覧になるという気遣いはさらになし、
なんだったんだろうなあ 笑 って。
それでもね。
さらに思ったんです。
柏木、登場人物の名前考えるの、大の苦手なんですが。
やっぱりりあるな周囲の人の名前って、意識的に避けてるようなあって。
いえもちろん、あまり奇抜な名前を好まない柏木のこと。
ポピュラーな名前をいくつも書き連ねるうちには、意図せず知人の名前とかぶることだってありはするんです。
男性の名前とか、よくカタカナにしているでしょ。
あれもやっぱり、実名除けの部分があるんですよ。じつは。
それに、なによりも。
その昔、「中学○年コース」の登場人物の名前に、自分のりあるな名前を発見して。
自分の相手役のヒロインに、密かに恋したことがあるのです。
あぁ、あのころはまだ、純粋だったなぁ。(^^ゞ
ブログ拍手♪
2011年06月25日(Sat) 10:39:41
ここ数日のブログ拍手は、濃かったです。^^
まずひとつは、
「ママのお仕置き 2」(2008年3月31日)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1375.html母親と息子の、かけあいシリーズです。
柏木としては、「1」のほうが記憶に残っていたのですが。
いま読み返してみますと、こちらのほうがママの迫り具合が真に迫っているかも です。^^;
なだめながら。すかしながら。とぼけながら。脅していく・・・
怖いな~。 笑
そのつぎは。
「感染性嗜血症候群」(2009年9月20日)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1863.html小野不由美の小説『屍鬼』を、なんとなく念頭において書いた記憶があります。
ひところはカテゴリたてするほどに、気になっていた小説なのですが。
柏木ワールドとの共通点といえば、
顔見知りの人間が吸血鬼として棲む村で、人々の日常がひっそりと侵蝕されていく。
そんな部分だけだったような気がします。(^^ゞ
ま・・・それでもじゅうぶんに、共通点といえるかもですが。
ややねたばれになりますが、実の娘にご執心な父親のため、娘にだけは指一本触れずに奥さんだけを冒していく
という趣向。
これはちょっと、おいし過ぎるかもしれないですな。^^
上記2作は、2~3年まえのものです。
古いお話に拍手やコメを頂戴できるのって、なんか嬉しいですね。
描いたばかりのお話についても、もちろんですが。
それからそれから。^^
「彼女」(2011年6月21日)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2539.html近作ですが、気に入りな「ちょっと切ないオトナの純愛もの」に、二票いただきました。(*^^)v
さいごのトリは、
「桜吹雪に包まれて」(2011年6月24日)
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2546.html時期的にはちょっと季節ちがいなのですが、読者のかたに触発されて思わずキーがぱたぱたと。^^
桜の花。
柏木ワールドでは、かなりしばしば登場していますね。
わりとしみじみタッチなお話が、多いかも。
うた
2011年06月25日(Sat) 06:26:41
好物の 黒パンストを 穿く女
咬んだらいやよと 脚くねらせて
とっさに一首。(^^ゞ
桜吹雪に包まれて
2011年06月24日(Fri) 06:16:27
ああ、お前―――
いま、そこにいるんだね・・・?
滂沱と散りさかる、桜色の花びらたちが。
この身を包み込み、見てよとばかりに目のまえに舞う。
去ってゆく春と入れ代わりに、近寄って来るあの懐かしい気配。
きょうと寸分、たがわずに。
緋色の花びらに、抱かれながら。
この腕のなかで逝った女(ひと)は。
限りを告げられた己の生命と引き換えに、吸わせてくれた。
そのたおやかな身をめぐるうら若い血を、存分に。
つぎの春まで、待っていて。
わたしはこの花びらのなか、あなたを待つから・・・
緋色よりも濃いバラ色に、ブラウスの胸を染めた女(ひと)は。
むしろ嬉しげに、謡うように。
そう囁いていった。
あたしがいないあいだ、浮気してたでしょ?
あなたの心を占めた女のひとは、なん人?
もう、許さないから。
頬にかすかに走るのは。
彼女に軽く抓(つね)られたときの、あのなつかしい疼痛―――
つねに血を欲するこの身にとって、それはあまりにも痛すぎる指摘。
ウ・ソ・よ。
しょうがないんだものね。
でも、あなたが吸い尽くした女は、あたしひとりだけ。
ほかのひとたちはみな、吸い尽くされる前にまんまと、あなたの腕から逃れ去る。
だってこんなふうに、よみがえって。
あなたを独り占めにできるひとは、あたしだけでじゅうぶんでしょうから。
あとがき
桜草さまの書き込みに刺激されて、ちょっと描いてみました。
うーん・・・
季節はずれに咲いた、桜のお話。
いまいちだったかなあ。 (^^ゞ
着想は、桜草さまに二歩も三歩も譲ります。
お株を取られたか――― 笑
寝坊です~(><)
2011年06月23日(Thu) 08:09:06
すっかり暑くなりましたね。
暑い というより 熱い とおもうこのごろ。
どこ行っても冷房の温度は抑えめだし、一日歩きまわるとほんとうに、つかれます。
おまけにどういうわけか、夕べは節電と相反する大残業。(><)
くたびれ果てて、今朝はちょっと寝坊しました。 (^^ゞ
かなりおいしいメールや書き込み、それに拍手をくださったみな様。
ごめんなさい。 m(__)m
いますこし、お時間を下さいな。
ブログ拍手♪
2011年06月22日(Wed) 07:47:10
昨日あっぷしたばかりのお話に、昨日のうちに拍手がはいりました。\(^o^)/
それも、いくつかあっぷしたなかでは、いちばんまともかなぁって思っているやつ。
「彼女。」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2539.htmlこういうのって、嬉しいですね!
正直いって多少文章は粗いのですが、彼を気遣う彼女と、彼女を思いやる彼との感情の交錯を描いたつもりです。
バッド・エンドよりも、はっぴぃ・えんどが好みな柏木でした。
姑の見立て。
2011年06月21日(Tue) 08:21:52
お向かいの柴造さんに、美奈子を姦らせちゃった。
息子はいとも潔く、あっけらかんと。
羞じらう嫁を、かたわらに。
わたしたち夫婦に、そう宣言する。
移り住んだばかりのこの土地は、吸血鬼の棲む村だった。
ええーっ!?だいじょうぶなのっ?
身を揉むようにして案じた妻も、打って変わって。
ウン、あのひとなら、だいじょうぶ。
どうしてだい?って訊くのは、愚問に属するのだろう。
あれ以来。
嫁のことだといいながら、柴造さんと面会をくり返す妻。
どうやら、嫁と姑。ふたりのスカートは。
おなじ色の精液で、染め上げられているらしい。
ぐちゃぐちゃに犯して、きれいに帰す。
2011年06月21日(Tue) 08:18:32
最愛の家内です。
どうか酷いことだけは・・・
懇願する旦那を、なだめすかして。
隣室に連れ込んだ、スーツ姿の人妻。
ぐちゃぐちゃに犯して、帰してやろうとしたら。
それでも女は、きちんと身づくろいをして。
なにごとも起こらなかったかのように、ひきあげていった。
自慢の娘なんです。
どうぞお手柔らかに。
旦那の態度は、もっともの柔らかになっていて。
俺の情婦になったあの女は、夫の後ろから娘にイタズラっぽく手を振っていて。
自室に連れ帰った、制服姿の少女。
ぐちゃぐちゃに犯して、きれいに洗って、帰してやった。
下校途中に、毎日のように。
少女は俺に、制服の裏地を汚されていった。
身づくろいをしなくても。
きれいに洗ってやらなくても。
だいじょうぶなんだって、母娘は薄々察しをつけている。
行為の最中、おれと示し合せた、夫や父が。
昂りに満ちた視線を、隣室の覗き窓からひっそりとそそぎ込んでいるということを。
こんどは、乱れ髪にはだけたブラウス、精液ぬらぬらのスカートで、家路をたどらせて見せようか。。。
あとがき
悪いやっちゃw
おかわり。
2011年06月21日(Tue) 07:32:12
真っ赤なドレスを着た妻が。
うなじを噛まれ、
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
白目をむいて、ぶっ倒れると。
おかわり。
男は無表情に、妻を横抱きにしていて。
吸い取ったばかりの血潮を、口許にてらてらと光らせている。
やがて、吸い寄せられたようにして。
青のチェック柄のスカートを履いた娘が。
紺のハイソックスのふくらはぎを噛まれ、
ごく、ごく、ごく、ごく。
黒髪を振り乱して、尻もちを突くと。
おかわり。
男は顔色ひとつかえずに、娘を組み敷いていて。
吸い取ったばかりの生き血を、頬にべったりと光らせている。
それから、ふらふらと倒れ込むようにして。
黒留袖を着た、母までが。
和服の襟足を、汚しながら。
ごく、ごく、ごく、ごく・・・
へらへらと笑い崩れながら、姿勢を崩していった。
ぜんぶ、吸い取られちゃったのか―――?
折り重なるように倒れた、女三人を見やって。
咎める目線を投げつけた、あの悪友は。
だいじょうぶ。しまいに俺の奴隷になって生き返るから。
いいたいことを、いっていた。
差し伸べられた、肌色のストッキングの足首をつかまえて。
ふくらはぎに吸いつけられた、不埒な唇が、
ストッキングをびりびりと、破っていく。
あらぁ~。
困惑した声をあげた妻は、その場に倒れ伏していって。
スカートの奥に手を入れられて、ストッキングを引きずり降ろされてゆく。
初めてなんだよ、大人用のストッキング。
おずおずと差し出された、黒のストッキングのふくらはぎに。
いい舌触りだって、唇を這わせまくって。
いやらしい~。
少女は両手で口許を抑えながら、目のまえの凌辱から目を離せなくなっている。
ほどほどになすってくださいね。
黒の礼服に身を固めた、母までが。
父のまえ、羞じらいながら。
漆黒のスカートのなか、手を入れられて。
スカートの裾と、ずり降ろされるストッキングのすき間から、
いやというほど白い肌を、さらけ出してゆく。
もう、おかわりないの・・・?
近しい女たちを征服したばかりの、猛り立った肉棒が。
淑徳を辱めた粘液を、まだしたたらせている。
下の娘はまだ、小さすぎるよ・・・
奥さんは、賛成してくれたんだよ?
悪魔のささやきを、知ってか知らずか。
扉のむこう、下校を告げる稚ない声が、響いてきた。
あとがき
前半は、きのうの朝の出がけに描きかけて。
後半は、いま描き継いでみました。
母は、いいって言ってくれた。父は、嫌がっていた。
2011年06月21日(Tue) 07:24:09
ほら、履いてきてあげたわよ。
あなたの好きな、ラインの入ったやつ―――
制服のスカートのすそを、さりげなく持ちあげて。
彼女が見せてくれたふくらはぎ。
ざっくりとしたリブを真新しく輝かせた白のハイソックスには、
黄色と黒のラインが鮮やかに横切っていた。
母は、いいって言ってくれた。父は、嫌がっていた。
感情を消した顔つきで、まるで朗読するような口ぶりで。
三つ編みに結った黒髪を、セーラー服の襟のむこうに、うるさそうにはねのけながら。
彼女は大きな黒い瞳で、俺をじっと見る。
吸血したい。そう願われて。
いったいなん人の少女が、それに応じてくれるというのだろう?
吸血鬼の居住を黙認しているこの街であったとしても。
悪いね。
俺は照れ隠しに、悪ぶってそういうと。
やおら、女の足許にかがみ込んでいった。
お前がいつも履いている、ライン入りのハイソックス。汚してみたいんだ―――
おぞましい吸血行為のうえに重なる、不埒な行為を希望されながら。
同級生の少女は潔いほどきっぱりと、それに応えてくれていた。
いやらしい・・・なぁ。
這わせたべろが、ラインの周りを一周すると。
さすがに忌ま忌ましそうな呟きが、頭上に降ってきた。
すまない。もうちょっとだけ・・・な?
俺は彼女の足首を抑えつけたまま、まっすぐだった太めのリブを、わざとねじ曲げていく。
すまないなんて、言うつもりはなかったのに。
俺はつい熱中して、そんな意地汚い俺のやり口に、女はじいっと耐えている。
痛―――っ。
しんそこ悔しげな、女の息遣い。
吸いつけた唇の下、ハイソックスのラインはみるみる、バラ色のシミにうもれていった。
本能的に逃れようとするひざ小僧を、制服のスカートのうえから、抑えつけて。
若くて活きのいい血を、俺はチュウチュウと小気味良い音をたてて、吸い取ってゆく。
そろそろと上体に、身をせり上げて。
ブラウスの襟首を汚しながら、首すじを吸いつづけて。
抵抗を忘れてしなだれかかってきた身体は、ずっしりと重かった。
これ履いたまま、帰るんだよね?
白のハイソックスに、吸血を終えた赤黒い痕をべっとりとさせた脚を、差し向けて。
女は気丈にも、起ちあがる。
別れぎわ、イタズラのように耳もとで囁いてやった。
お前ぇ、まだ処女なんだな。
あたりまえじゃない。
女は本気で、怒り顔になっていた。
あとがき
その昔、ライン入りのスポーティーなハイソックスを、中高生の少女たちがふつうに履いていたことがありましたっけ。
彼女。
2011年06月21日(Tue) 07:00:03
はじめて彼女と、逢ったのは。
真夜中の路上。
勤め帰りの帰り道だったらしい彼女は俺を見ると、
スーツのすそを、ひるがえして。
きゃーきゃー叫びながら、逃げ出した。
まるで誘い込むように、公園のなかに逃げ込んで。
初めてのお遊びは、それは愉しい鬼ごっこ。
汗になったブラウスの胸を、抱きすくめて。
首すじを噛んで、黙らせてしまうと。
ピチピチはずんだ、その身から。
むしろすすんで、血を吸い取らせてくれていた。
帰り道を、変えないで。
命令したって、いいはずなのに。
なぜか懇願をくり返す俺のため、
女は毎晩、スーツ姿をひるがえして、
夜中の公園でランニングに励んでくれた。
今週だったら、毎晩逢えるわよ。
女がそういうときは、吸い取る血の量も、手かげんをして。
一週間、出張なの。
そんなときには、貧血になるまで、吸い取らせてくれた。
格好のよい脚に、欲情をして。
ストッキングのうえから、唇を這わせたときも。
ためらいもせず、惜しげもなく。
淡い肌色のストッキングを、噛み破らせてくれた。
気づいているでしょ?あたし病気なんだ。
たぶんそんなに、長生きできない―――
女は俺の、腕のなか。
ある晩たまりかねたように、そう呟いた。
とっくに気づいていた。
あと半年と、生きられないだろうことを・・・
あたしの血を、ぜんぶ吸って。
ぼろぼろに痩せこけて、死ぬくらいなら。
あなたにぜんぶ、あげちゃったほうがいいんだもの。
女の望むまま、俺は女の血を吸い尽くしていった・・・
あれから一週間が経った。
女はきっと、よみがえる。
俺の永遠の、パートナーとして。
今夜も俺は、彼女の墓のまえに、佇んで。
かすかに身じろぎを始めた気配を、深い土を通して見とおしてゆく。
後ろ姿 ~暴兵たちと妻~
2011年06月20日(Mon) 06:20:20
―――はじめに―――
やや鬼畜です。^^;
あと、男性軍・・・情けないです。^^;
暴兵になれなれしく、ロングスカートの腰に腕をまわされて。
長い長い黒髪を、ユサリと揺らしながら、
ドアの向こうに消えていった、妻の後ろ姿―――
見納めだろうな。
あきらめたように口走る友もまた、新婚間もない若妻を。
複数の暴兵に、連れ込まれてしまっている。
わたしはつよくかぶりを振りながら、扉をつんざく悲鳴に、耳をふさいでいった。
一時間後。
戦勝国の連中の、逞しい男っぷりを。
敗戦国の貴族である夫たちは。
妻たちの身体にまたがるかたちで、見せつけられてしまっていた。
和解とは、こういうものなのか―――
講和条約が結ばれたあとも、暴兵たちは接収されていた邸に、あがりこんできて。
よみがえった安逸を寿ぐように着飾った妻たちを、わが物顔に“接収”していく。
わたしたちは、ホールドアップの姿勢のまま。
ドレスのすそから覗くガーターをたるませ、太ももにきらめく薄いナイロンの光沢をぎらつかせながら、
陶酔に堕ちた白い頬や、喘ぎを交える朱の唇に、知らず知らず、見入ってしまっている。
嫁入り前の令嬢が、彼女の母とともに、初めての凌辱を受けるのを。
未来の娘婿とともに見守った親友は。
妻や娘の嬌声を子守唄代わりにして寝入っていく、膚の色のちがう赤ん坊を、無心にあやしつづけている。
おまえのワイフは、ビッチだな♪
妻の馴染みの暴兵は、そういってわたしの肩を、親しげに叩くと。
きょうもち○ちんがウズウズして、たまらねぇ。
仲良くやろうぜ、兄弟。
そううそぶきながら、妻との親しみを、深めていった。
辱めをうけるいっぽうの、立場なのに。
禁断の昂ぶりを植えつけられてしまった、夫たち。
血統を汚されたり奪われたりしていくというのに。
きょうも・・・歓楽に酔う妻や娘たちと、暴兵たちとのランデブーを祝福している。
あとがき
うーん。(絶句・・・)
例によって自動筆記のように、描いてしまいましたが。
きちくすぎますね。。。^^;
後ろ姿 ~ハート柄のストッキング~
2011年06月20日(Mon) 06:04:53
いつもボクとのデートのとき。
彼女はミニスカートの下、ハート柄の黒のストッキングを穿いてくる。
きみの後ろ姿に、熱情するな。
そういって口ごもるボクのことを、彼女は咲(わら)いながら、優しげな眼差しで見つめている。
おなじハート柄の、黒のストッキングを脚に通して。
背中まである黒髪を、かすかになびかせながら。
彼女はボクに、わざとのように後ろ姿を見せつけて。
ボクの悪友と腕を組んで、ラブホテルの玄関口へと消えていった。
姉さんのことも・・・?
2011年06月20日(Mon) 05:24:07
かえり道。
濃紺の半ズボンに、おなじ色のハイソックスという制服姿の足許に。
連れだって歩く小父さんは、ちらちらともの欲しげな視線を這わせてくる。
さっき咬ませてやった、紫色のスポーツ用ストッキングは。
赤黒いシミもあらわに、小父さんの手にぶら下げられていた。
もう。しょうがないなっ。
少年は不平そうに、頬ぺたをふくらませると。
それでも、傍らの電信柱によりかかって。
紺のハイソックスの脚を、小父さんのために差し伸べてやっている。
きょうだけでもう、三足めだぜ?
制服の一部に、噛み痕をつけられながら。
少年は血液を引き抜かれていく感覚に、ぞくぞくとした昂りをおぼえはじめていた。
勉強部屋にしつらえられた机の脚が。
失血にかすんだ視界に、ぼやけていた。
趣味のわるいソックスだな。
小父さんのからかい文句に、じゃあ噛むなよって応えながら。
足許がみえるようにわざとおかれた姿見のなか。
噛み剥がれてゆく鮮やかなブルーのソックスが、くしゃくしゃにたるまってゆくのを、
少年はちょっぴり悔しそうに、眺めている。
ひでぇよなー。
ひとの血を、こんなに吸っておきながら。
姉さんのことも、襲っちゃうつもりなんだろ?
少年の言い草が図星だといいたげに、
小父さんはイタズラっぽく笑いながら、肩をすくめてみせた。
うわさをすれば、なんとやら。
ただいまぁ。
玄関先に、学校帰りの伸びやかな声が響いた。
きゃあ~っ。
階段の下から伝わってくる、姉さんの悲鳴。
いまごろ黒い髪を振り乱し、制服のブラウスを真っ赤に濡らしながら、
小父さんの相手をつとめているのだろう。
床におひざを突いちゃったら、ハイソックスもいただくぜ?
たちのわるい小父さんに、制服の白のハイソックスを、きょうもバラ色に濡らされるのだろう。
階下に降りていくと。
姉さんは応接間のじゅうたんのうえ。
ひざ上まである黒のソックスの脚を、ばたつかせながら。
きゃあきゃあ叫んで、いやいやをくり返していた。
姉さん、彼氏いるんだろー。
弟のつぶやきに、応じるように。
スカートの奥、深々とした挿入を受け容れてしまった腰が、
はずんだ動きで、応じはじめていった。
彼氏のときより、ヤるじゃん。
怜悧に整った横顔に、愉しげな笑みを浮かべながら。
どうやら女ひとりでは気の済みそうにない年上の悪友のために、
母さんの携帯番号を、指でたどりはじめていた。
よりどりみどり。
2011年06月20日(Mon) 05:12:08
ボールを追いかけまわして、ほどよく汗をかいたあと。
少年たちは、泥まみれのソックスを脱ぎ捨てて、
それまで履いていたのと同じ柄の、真新しいやつに履き替えていく。
試合のときには、そろえる柄も。
練習のときには、人それぞれ。
フェンスの向こう側から注がれる、もの欲しげな目、目、目。
よりどりみどりだな。
ひっそりとそう、言葉を交わし合って。
きょうはどの色のストッキングをまとった子を襲おうか?
口々に、相談し合っている。
血に飢えた彼らは、洗練されたユニフォーム姿を押し倒して。
若い身体から健康な血液を、絞り取りたがっていた。
更衣室の向こうは、切れ切れにもれる悲鳴。口々に発せられる、だみ声。
気色悪りぃ。男なのに、ピンクだぜ~?
グリーンってのも、案外萌え色だなー。
やっぱりシンプルな、ブルーだろ?
真っ赤。真っ赤。真っ赤。情熱の赤っ!
血に飢えたものたちの声の下。
少年たちの呻きが、交わっていく。
ううーんっ、痛いっ。(><)
ダメだよ、あんまり汚しちゃ。
ひでぇなーっ。すこしは手加減してよっ。
しなやかな筋肉におおわれた足許から、思い思いにストッキングをずり降ろされて。
バラ色のしずくの撥ねた唇を、じかに這わされてゆく彼らの顔に。
妖しい陶酔の色が、うかんでいた。
使い古されていた妻。
2011年06月20日(Mon) 05:11:25
周囲の男たちの手で、使い古されていった妻。
色あせた肌と引き換えに、じつに円満なご近所づきあいがそこにあった。
きょうも彼女は、ひっそりと笑いながら。
隣家の年配男性のため装ったスーツの下。
わたしを裏切るために、肌色のストッキングを太ももに引きあげていく。
母さん、これからホテル?
2011年06月20日(Mon) 04:10:22
キキキッと、タイヤのきしむ音がして。
一台の車が、聡太のまえで停車した。
びぃーんとかすかな音がして、窓が開く。
なかから顔を出したのは、母の和代だった。
あら、ソウちゃん?おかえりなさい。
家は車の来た方角にあって、数十メートル先にかすかに軒先がみえる。
運転席の男に聡太はちらっと目をやりながら。
これからお買いもの?と言わんばかりにさりげなく、行く先を聞いている。
母さん、これからホテル?
よう。
運転席の男が、わざとらしいなれなれしさで、聡太に小手をかざして応えてくる。
よう。
聡太もイタズラっぽく笑いながら、男に応えていた。
これからホテル?
うん、そうだよ。
男はてらいもなく、情夫の息子にそう答える。
年輩だが精力家らしい彼の、ロマンスグレーの髪が、ひどくツヤツヤと輝いていた。
やるねぇ。
聡太が冷やかすように、男に応える。
ふつうに、同性の目線だった。
パパはきょうから、出張だよね?
そおね。お勉強して、待っていてね。
お母さんはわざとらしく「お勉強」に力を込めてそういうと、運転手を促している。
がんばれよー。
走り去る車に、聡太はご近所にきこえるような大きな声で手を振ると。
ちょっぴり自棄になったような顔をして、半ズボンの下のハイソックスを、勢いよく引っ張り上げた。
キキキッ。
タイヤの音がきしむ音がして、聡太の目のまえに停まっている。
三十すぎになった聡太は、背広姿の身をかがめて、わざとらしく助手席を覗き込む。
窓のひらいていたい助手席に座るのは、まだ二十代の妻である孝枝だった。
運転席にはあの男が、ふさふさとした真っ白な髪の下、血色のよいおでこをてかてかさせている。
よう。
男が小手をかざしてあいさつをすると、
よう。
聡太もまた、小手をかざしてこたえている。
これからホテル?
妻にではなく、男への問いに。
ええ、そうよ。
聞えよがしに、応える妻。
お母さん、じゅうたんのうえに、転がってる。
男はイタズラっぽく、ウィンクを投げてきた。
姑を凌辱して気絶させ、若い嫁を拉致して犯そうとしているんだね?
聡太の咎め口調は、どこか愉しげだった。
スカートの裏、ぬらぬらよ。お義母さま。
助手席の孝枝は、隣席からなれなれしく伸びてきた腕に、心地よげに抱かれながら、婉然と咲(わら)う。
またがっちゃおうかな。
あたしが留守の間だけよ。
てらいもなく受け答えする妻が、我が家の性風俗にすっかりなじんでいるようすを見届けると。
うふふふふふっ。
男ふたりは、共犯者の笑みを浮かべている。
走り去る車のけたてる砂煙に、聡太はうるさそうに目を細めると。
年甲斐もなくイカされちゃった母の介抱をしに、自宅へと足を向けた。
案外と。
父が先回りして、介抱を始めているかもしれなかった。
けれどもきっと、彼女をベッドに送り届けるのは、息子の役目。
十数年前、流儀を教えてくれた父はきっと、そしらぬ顔をしながら、部屋の外からようすをうかがうにちがいない。
父さんね、先にホテルに着いていたのよ。
あのときの母の、誇らしげな横顔が。
いまの孝枝に、二重写しになっていった。
あとがき
母と妻を、嫁姑ながら。
年配の男性にモノにされてしまう。
寝取られのひとつの理想像 でしょうか?^^
ネットおち。
2011年06月17日(Fri) 06:46:39
ちょっとのあいだ、ネットおちします。
とりあえずは、土日くらいかな。
こちら、雨がざぶざぶ降っていまして、外に出たくないような朝です。
侵蝕される家庭 ~古屋家の場合~ 5 幻影
2011年06月14日(Tue) 07:46:44
前作はこちら↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2528.htmlかなりおおっぴらに開かれた、ふすまのむこう―――
二対の脚が、ひどく淫らにもつれ合っている。
勤め帰りらしい、父と母。
帰宅するなりふらふらと、夫婦の居間に寝転んだのはともかくとして。
いつかふたりの身体は折り重なって、
こちらからは脚だけ見える、せめぎ合いを交わしはじめていた。
美奈子・・・美奈子・・・
父はひくい声で母の名を呼び、
母は咎めるように、時折かすかなうめきを返すだけ。
玄関で会話を交わしているときまでは、たしかに母が優位だった。
あしたの予定のこと。
父のために作る、おべんとうの食材のこと。
今夜のドラマのこと。
いずれも母がおもにしゃべり、父は聞き役。
たまに発言をしても、めったに反論などは試みない。
それが―――
ふすまの向こうでのせめぎ合いが、はじまると。
優劣はにわかに、逆転を遂げる。
こちらが覗いているのを、いったいどこまで意識しているのだろうか。
薄ぼんやりとした、意識のむこう。
洋祐にもそれは、さだかではない。
けれども父は、あらかじめ計画していたかのように、
よそ行きのワンピースを着たままの母を組み敷いて。
あっという間に、ワンピースのすそをたくし上げてしまっている。
自身もズボンを脱いで、むき出しの脛にはひざ丈のソックスだけ。
ストッキングのような薄さの、濃紺のハイソックスは、
時おり年配の男性がスラックスの下に履いているのを見かけることはあっても、
父のものとして目にした記憶は、洋祐にはなかった。
もつれ合う脚と脚。
濃紺のハイソックスと、漆黒のガーターストッキングとに彩られて。
丸太ん棒のように逞しい脛が、羞じらうふくらはぎにすり寄せられてゆく。
ふと、見ると―――
洋祐の傍らを、まるで透明人間のように通り抜けた、黒い影。
ああ、あいつだ・・・
このあいだ。
夫婦の濃密なまぐわいに眩惑された洋祐の首すじを、淫らに吸った男―――
そいつがいま、足音を忍ばせて。
ときならぬ交換を遂げているふたりの部屋に、忍び込んでゆく。
あぁ、いけない。いけない・・・声あげないと。
焦る洋祐の喉はしかし、こわばったようになってしまって。
カラカラに乾いた喉は、かすかなあえぎを洩らすばかり。
たび重なる吸血体験で、身体のなかの血が減ってしまったのか?
それとも、身体じゅうの血をやつに犯されて、理性の働かない身になってしまったのか?
じれる洋祐に、まるで見せびらかすように。
男はまぐわうふたりの足許に、にじり寄って。
母のうえにおおいかぶさっている父の足許に、唇を這わせていった。
ちゅうっ―――
洋祐が襲われたあのときとおなじ、淫らなまでにみずみずしい、血のはぜる音。
ぁ・・・
父は喉の奥からひと声、うめきを洩らして。
ちょっとのあいだ、男の吸血を避けようと脚をもじもじとさせていたが。
足首を抑えられ、薄いナイロンごしに牙を埋め込まれてしまうと。
そのままぐったりとなって、ストッキング地のハイソックスに裂け目を拡げられていった。
母の美奈子も、ほとんどおなじ経緯だった。
身体のうえの父の変化に、いぶかしそうに手さぐりをしていたけれど。
吸い取った血をあやしたままの唇を、
黒のストッキングの脛に、這わされてしまうと。
あぁ・・・っ
切なげな声をひと声洩らして、
なまめかしく彩ったふくらはぎを、侵入者の不埒な唇の凌辱に、そのままゆだねてしまったのだ。
母のほうが、はるかに時間をかけて、血を吸い取られてゆくのを。
洋祐はただぼうぜんとなって、見つづけていた。
ただの男の目で、たんのうしつづけていた。
もっと・・・もっと・・・
母さんの血を、愉しんで。
思わずそう呟いている自分に気づいて、
俺はそこまで、堕ちてしまったのか?
咎めるような反芻さえ、なぜかひどく心地よかった。
男の干からびた皮膚を、うるおすように。
母の血潮が、ゆっくりと、
やつの血管を、満たしてゆく。
呆けたようになった父を、傍らの畳に転がして。
吸血鬼は男ふたりのあいだ、母のうえにおおいかぶさって。
ネックレスに装飾された首すじを、いたぶるように舐めつづけながら。
父のときよりもさらに激しく、着衣の母をいたぶりはじめる。
むしり取られたワンピースから、白い肩が、二の腕が、むき出しにされて。
白のレエスつきのブラジャーにつつまれた乳房までもが、半ばあらわに露出して。
なんどめか、はだけかかったブラジャー越し、
父の目のまえで、男の牙が、母のおっぱいのつけ根に、食い込んでいったとき。
洋祐は不覚にも、射精をおぼえた。
どれほどの刻が、流れたのだろう―――
うつ伏せの姿勢のまま、野放図に脚を開いた父。
そのすぐ傍らで犯された母は、あお向けで大の字になったまま。
おろされたワンピースのすそは、夫以外の精液に濡れて光っていた。
男は嬉しげに、まず父の足許から、ストッキング地のハイソックスを、右足、左足・・・と抜き取ると。
すぐに母の足許にも、にじり寄って。
淫らな光沢を秘める黒のガーターストッキングを、むしり取りように抜き取っていった。
二足の薄い靴下を、片手に無造作にぶら下げて。
男はいちどだけ、こちらをちらっとふり返り、にんまり笑んだ。
どうして俺は、意味ありげに頷いているのだろう?
洋祐は自分で自分のことを、訝りながら―――
それでもゆうゆうと去ってゆく男に、またお出で、なんて、声をかけてしまっていた。
はっ、と、われにかえった。
すべては、夢か―――?
周囲にはテレビドラマの喧騒と、両親の開けっ広げな笑い声。
いつの間にかじぶんは、夕食の食卓についていて。
目のまえのごちそうを、ほおばっていた。
おかしい・・・どこまでが現実?どこまでが、夢―――?
すぐに気を取り直し、あたかもずっと食事を楽しんでいたかのように両親に調子を合せながら。
洋祐は、ふと思った。
あのとき母を組み敷いた父は。
まずお手本に、自分の血を吸わせ、そして母をも襲わせたのではなかったのか と。
気のせいか。
父のうなじのつけ根には、紅い斑点がかすかにふたつ、滲んでいるように映るのだった。
さやか様の「スパンキングとSM」が
2011年06月14日(Tue) 07:19:34
このところ、プライベートモードに入って仕舞われました。
「スパンキングとSM」は、「妖艶なる吸血」開始当初から存在し、しばしば書き込みを交換させていただき、なおかついまもって現役で新しい記事をどしどし描かれている、目の離せないブログでした。
姉妹編であっぷされている「人形のように」は健在のようですが、
どういうわけかなんどアクセスしても、途中でフリーズしてしまいます。
どうにかさいしょのページだけは見られるので、「スパンキングと・・・」が「お休み中」となっているところだけはどうにか確認できたのですが・・・
事情をうかがっていないので、さだかなことはわかりませんが、
早いご復帰を願うものであります。
桜色のストッキングを穿く女 ―――都会の灯り―――
2011年06月13日(Mon) 08:16:46
オフィス街に訪れる夜は、早い。
事務所のあるビルの、最上階。
夜景の映える、ラウンジで。
女はグレーのタイトスカートの下。
桜色のストッキングに彩った脚を、差し出していて。
テーブルの下、隠れる人影に。
惜しげもなくふくらはぎを、吸わせている。
結婚しているのか、いないのか。
年齢不詳な若さと華やぎを身につけた女は。
昼間のごくありきたりの肌色のストッキングを、脱ぎ棄てて。
自分好みの色あいに、足許をほんのりと染めていて。
男はその風情を、やはり好んでいて。
あくまで自分のやり口で、愉しんでゆく。
辱めて堕としめる愉しみに、ほどよく酔い痴れて行きながら。
やだー。
ずいぶんたちが、悪いのね。
女は口では、咎めながら。
ひたすら足許に注がれる熱情を、決して厭うているわけではないらしく。
男が吸いやすいように、さりげなく。
脚の角度を、変えてゆく。
カクテルを気ぜわしいほどに、唇に押しあてながら。
ほんのりとした酔いに、頬をバラ色に染めながら。
足許で、桜が散っていくね。
男の揶揄に、
ずいぶん季節はずれな桜だこと。
永遠に、春なのさ―――
あなたの、おめでたさが?
女も揶揄で、返してゆく―――
からかい合いながら。冷やかし合いながら。
照れくさそうに、すくめる脚。
臆面もなく、吸いつけられる唇。
テーブルの下の舞踏は、それは愉しげに。
更けてゆく夜に、くり返されてゆく。
侵蝕される家庭 ~古屋家の場合~ 4スポーツ用ストッキング
2011年06月13日(Mon) 07:40:18
前作は、こちらです↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2526.htmlアラ、出かけるの?
夕食をまえに、革靴をつっかけようとする息子に、古屋美奈子は咎めるような声を投げた。
あぁ、ちょっとね。
洋祐はもの説いたげな母の声色を、うるさそうに振り払うと。
あとも見ないで、玄関のドアを音を立てて締めた。
運動部の練習日でもないのに、短パン姿。
ほどよく陽灼けした太ももの下、ひざまできっちりと引き伸ばされた真新しい白のストッキングが、
堕ちる間ぎわの夕陽に、リブの縦じまをツヤツヤと輝かせている。
足を向けたのはいちおう、学校の方角だったものの。
彼の外出目的がどうやら練習ではなさそうな証拠に、履いている靴は革靴だった。
学校に行くかと思われたかれの足取りは、やがてルートを外れていく。
たどり着いたのは、家からいくらも離れていない、市民公園だった。
池とせせらぎ、そして雑木林のある、広い公園は。
すでに夕闇に、支配されようとしていた。
不覚にも、音もなく背後に忍び寄られたさいしょの夜とはちがって、
洋祐は斜め後ろにもの欲しげな人影が立つのを、しっかり把握している。
こういう時間じゃないと、出歩けないんだよね?小父さん。
うそぶく洋祐の両肩には、三日まえの晩のときとまったくおなじ、あの節くれだった掌が。
冷え切った体温を、Tシャツを通してしみ込ませてきた。
ほら、吸いなよ。吸わなきゃ力、出ないでしょ?
ちょっとふてくされたように言ったつもりが、ふた言めにははっきり相手を気遣っていた。
はじめてつけられた首すじの噛み痕に、甘噛みするように。
吸血鬼はずぶりと牙を埋め、しずかに音を忍ばせながら、若い血潮を啜りはじめる。
ちゅ―――
息の長い吸血に、洋祐はフラッと眩暈をかんじた。
決して、気分のわるいものではなかった。
皮膚を冒され、素肌に唇を這わされながら。
自分の体内のぬくもりごと、抜き取っていこうとする不埒な翳に。
むしろくすぐったそうに、素直に応じてしまっている。
男の影が、洋祐の背中を伝い降りて。
おもむろに足許に、かがみ込んできた。
どうやら洋祐の履いている、スポーツ用ストッキングに欲情しているらしいのが、
しっかりとした生地越しにあてられる熱い息遣いから伝わってくる。
小父さん、やらしいね。
洋祐が、クスッと笑う。
ハイソックス、好きなんだろ?わざわざ新しいやつ履いてきてやったんだからな。
これ、試合用のやつなんだぜ?
恩着せがましい言い草に、応えるように。
洋祐のふくらはぎをほどよく締めつけているしっかりとしたナイロン生地のうえ、
男の唇が、それはいやらしく、なすりつけられる。
ぁ・・・
声を洩らしたときにはもう、ストッキングごしに皮膚を冒してくる鋭利な牙が、じぃんとする疼痛をしなやかな筋肉にしみ込ませてきた。
白地に青のラインが三本走る、肉づきのいちばんいいあたりに。
男はさも旨そうに唇を吸いつけて、唇の裏に隠した鋭利な牙を埋め込んでいる。
真新しいナイロン生地のうえを、ヒルのようしつように這いまわる唇は。
発色鮮やかなストッキングのリブを強引にねじ曲げながら、唾液と血潮に、まみれさせてゆく。
ぬるぬるとした唾液と、吸い取った血潮が、
スポーツ用ストッキングの生地をなま温かく濡らすのを覚えながら。
洋祐はある思いにかられ、とらわれつづけていた。
不気味なはずの、忌むべきはずの、吸血の音が。
どうしてこうも、リズミカルに、耳に心地よく残るのだろう―――?
洋祐の想いを知ってか知らずか、吸血鬼は節くれだった指と卑猥な唇と不作法な舌とで、赤黒いシミの広がったストッキングを、くしゃくしゃにずり下ろしていった。
なにを言いたいんだろう?洋祐はわざとのように、小首を傾げてやる。
きみの母さんが、お勤めのときに履いていく、あの薄いストッキング―――
吸血鬼の要求は、ただならぬものだった。
洋祐のやつよりもずっとなよなよと薄いから、わしが噛んだら他愛なくはじけていくのだろうね・・・
母さんを、どうする気!?
わざと怒った口調で、訊き返した。
男はその問いに、答えもせずに。
きみが母さんの血を、くれるときに。
美奈子のストッキングの舌触り、しんそこたんのうしてみたいものだね。
ぬけぬけとそう、うそぶいたのだった。母の名前を、呼び捨てにまでして。
応えはもちろん、拒絶だった。それ以外に、あり得なかった。
けれどもそのときの、洋祐の態度はどうだったのだろう?
白地に青のラインが三本走ったハイソックスを、わざとのようにねじ曲げていきながら。
しつようにまとわりつき、吸いついてくる唇に。
吸いやすいようにと、脚の向きを変えながら。くまなくよだれまみれにさせてしまったのだった。
つづきはこちら↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2531.html
桜色のストッキングを穿く女
2011年06月13日(Mon) 07:25:27
街の片隅に、ひっそりたたずむ、平屋建て。
表通りから一本奥まった、いかにも目だたない住宅街の一角には、
「結婚紹介所」とだけ書かれた、 古びた看板。
そのうえに「寿」の文字だけが、空々しいほど赤くって、
傍らに描かれた、作りつけたような笑い顔の若い男女の、いかにも陳腐な雰囲気は。
此処が時代に取り残された一角だと示しているよう。
古びた洋館にいかにも似合いな、さえない顔色の男がひとり、
狭苦しい事務所の、経営者の席に腰かけていて。
それはうっそりとした顔つきで、別室へと促してくれた。
その別室というのも、いかにも狭苦しい一角で、
しつらえられた安楽椅子に、向い合せに腰かけると。
もう、膝が触れ合うのでは?という距離感だった。
周囲を見回すと、金の額縁に油絵が飾ってあったり、
傍らの古風なサイドボードには、古風でしゃれた銀の燭台が佇んでいたり、
そこかしこに、いかにもこぎれいな造りをみせてはいるものの、
果たしてこんなところに、ほんとうに若い女が?と思わせる雰囲気がみえみえなくらいだった。
じゃあ、お待ちになって。呼んできますから。
男はさえない顔いろに、感情の消えた表情を浮かべて、部屋から出ていった。
派手さはないが、きちんとした仕事をする男だよ。
此処を教えてくれた、はるかに年上の吸血鬼は、そういって。
生き血を吸える柔肌に、こと欠くときは。
オレはいつも、ここを頼りにしてるのさ・・・と、
いかにも重大な秘密を打ち明けるような、芝居がかった小声で、そう囁いたのだった。
なにしろあいつには、不似合いなくらい綺麗な奥さんと。
その奥さんとうりふたつな美少女がいて。
どうしても釣り合いのとれる女が、みつくろえないときには、
代役をさせるっていう、評判だからな。
果たしてその評判、正しいのか偽られているのか。
さすがの年輩吸血鬼も、男の妻子の実物にはまだ、お目にかかっていないようだ。
ほんの数分後のことだった。
事務所の玄関から、華やいだ人声と雰囲気が入り込んで来て、
その気配はこちらの部屋へと、まっすぐに近づいてきて。
男はちょっとだけ申し訳に顔を出すと、「さあどうぞ」ひと言だけ、そういって。
自分はスッと、姿を消した。
どうやら事務所そのものから、出てしまったらしくて。
隣室にはそれ以来さいごまで、人の気配が立たなかった。
入ってきた女は、栗色の髪なびかせて。
空色のブラウスに、緑のスカート。
いかにもこの建物にはそぐわないほど若やいだうなじには、嫌みのない金のネックレス。
白のパンプスにおさまったふっくらとした足許は、
街ではすっかり目にすることの珍しくなった桜色のストッキングに、なまめかしく染められていた。
どうも、はじめまして。
女はにこやかに、会釈を投げて来て。
会釈に合わせてユサッと揺れる、栗色の髪が。
熟した生気を、ただよわせた。
齢のころは、三十過ぎか。
三十代から四十代というこちらの希望の、ほぼ最下限の年かっこう。
うちは、人妻も紹介するんですよ。
受話器の向こう側で、あのうっそり男がいうように。
若々しいなかにも落ち着いた雰囲気の装いは、女が人妻であることを物語っている。
結婚紹介所なんて齢じゃ、ありませんけど。
女は自分の齢を恥じるように、そういうと。
いったんひざの上に置きかけたハンドバックを、さりげなく腰の傍らに置き換えた。
膝枕をしてみたい。
そう思うほどの太ももの存在感が。
薄い緑のスカートごしに、ありありと感じられる。
ここがどういうところだか、御存じのうえで見えられたのですな?
波打ってきた感情を抑えて、ひっそりとそういうと。
血を吸うんでしょ?
女はイタズラっぽく、小首をかしげる。
主人もいいって、言ってくれているの。
というか、さいしょにはまり込んだのは、だんなのほうなんですよ。うちの場合。
いまどき珍しい、ストッキング地の靴下を履いて。
ズボンのスラックス引きあげて、男の吸血鬼に血を吸わせるんですって。
五足破って、帰って来た時。わたし言ったんです。
こんどはわたしが、行きますからって。
夫を貶めるような言い方をする割に、その夫を愛しているらしいのは。
語調の端々から、伝わってくる。
ああ、でも、どうぞご遠慮なく―――
女はさりげなく、桜色のストッキングのふくらはぎを差し伸べて、また引っ込めた。
ひざとひざとが、触れ合うほどに。
それは狭苦しい、一室だった。
ズボンの膝を突いて、女のまえに跪くような姿勢をとりながら。
そろそろと、かがみ込んでいって。
目のまえにしたふくらはぎは、ツヤツヤと輝く皮膚に、覆われていて。
きめ細やかな薄手のナイロンに装われた、豊かな肉づきは。
それはそれは・・・そそるほどに麗しい。
思わず近寄せた唇に、薄いナイロン生地のなよやかな触感が重なって。
女はさすがに、
あ・・・っ
ちいさく声を、あげていた。
戸惑う声に、そそられるように。
ちゅうっ・・・と、露骨に這わせた舌。
なよなよとした薄いナイロンは、いたぶられるままに、よじれていって。
女はハンカチを噛みながら、足許に加えられる狼藉を、じいっと見おろしていて。
優しく咎めるようなその視線に、さらにそそられるようにして。
くちゅくちゅと下品な音まで、たてながら。
ストッキングと、その下に秘められたピチピチはずむ肉づきに、酔い痴れていく。
あー・・・
あー・・・
あー・・・
女がひと声、うめくたび。
牙にしっくりとくる、餅肌の。
むっちりとした噛み応えに、酔い痴れて。
そのたびに、薄いストッキングは、チリチリと。
むざんな裂け目を、ひろげていった。
きょうはもう、これくらいに―――
女がそう言ったときにはもう、安楽椅子から引きずりおろされた華奢な身体は。
あえぐ首すじを、はだけたブラウスから覗かせていて。
ずり落ちかけたストッキングは、ゴムをひざ小僧のうえまで覗かせて。
淡い桜色の薄絹は、ふしだらなたるみを見せていた。
まあ、もう少し。
緑色のスカートの奥に、手を入れて。
緋色のショーツを、足首までおろして、取り去って。
あの・・・けっこん・・・って、そこまでは・・・っ
うろたえる女の狼狽ぶりを、ちょっぴりくすぐったく受け流すと。
鼓膜の奥に、毒液をしたたらすように、囁いた。
往生するんだな、奥さん。
熱く昂った囁きに、応えるように。
かすかな抗いは、うごきをとめた。
寸詰まりな密室のなか。
女はひざを、折ったまま。
あらわにむき出した劣情に、腰を振りながら応えてくれた。
緑のスカートを、着けたまま。
スカートの裏地が、熱い濁液に濡れるのも、厭わずに―――
こんどはいつ、お逢いできますか。
身づくろいを、済ませると。
なにごともなかったように、女は淑やかぶりを取り戻して。
さっきまで惜しげもなくあげていた、熱い喘ぎ声はどこへやら。
そっけないほど淡々と、事務的な口調になって。
つぎの約束を、手帳に書き込んだ。
土曜の昼間。自宅 とだけ書かれたメモ書きの下。
おなじ日の欄には、「夫在宅」とも、おだやかな筆跡で、かかれている。
ここから歩いて数分のところにあるという自宅。
此処よりもちっとは、広くってよ。
女は伝法な言葉つきで、そういうと。
肩までおろした栗色の髪を、さらりと流して、事務所をあとにする。
破れたままのストッキングを引きあげただけの、むっちりと熟した太ももを、
惜しげもなく外気にさらして、いちどもふり返らずに、家路をたどっていった。
整った装いをしているときには、淑女を演じ。
装いを乱してゆくと、娼婦に変わって。
女は素人でも、恐ろしいのだよ。
あの年輩吸血鬼が、はじめて妻を噛んだとき。
どちらが噛まれたのか分からないほど怯えた顔つきで、そういったのを。
つい夕べのことのように、ありありと、思い出してしまっていた。
侵蝕される家庭 ~古屋家の場合~ 3 初吸血
2011年06月12日(Sun) 07:59:31
前作はこちらです↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2504.html洋祐は、ワクワクとした昂ぶりに、小刻みに肩を震わせている。
両親のまぐわいは、終わろうとしない。
父はずうっと、母の身体を抑えつけて。
飼い慣らされた女体となり果てた母は、切なげなため息を洩らしながら、腰のうごきをひとつにしていった。
少年の両肩を抑えつけるように、節くれだった掌がおかれたのにも。
洋祐はうかつにもしばらくのあいだ、気づかなかった。
どうやら男のものらしい、節くれだった掌と。
額に刻みつけられた、深々とした皺は。
男がなん百年もまえから、人の生き血で食いつないできたことを物語っていたし、
なによりも・・・男が自らを干からびさせ、渇いていることの証しでもあった。
夫婦がオーガズムの頂点に達して、ふた色の呼吸が切迫した息遣いを交わし合い始めたそのときに。
洋祐の首すじに、飢えた唇がヒルのように吸いつけられた。
え・・・っ?
ぬるりと這わされたなま温かく柔らかな感触に、洋祐はびくりとしたけれど。
すでに両肩をつかまれた彼は、そのまま身動きひとつ、できなくなっていた。
背中越し、力強く巻きつけられた猿臂のなかで。
欲情にふくれあがった赤黒い唇には、ひときわ力が込められる。
ちゅう・・・っ。
じゅる・・・っ
生き血を吸いあげる、かすかな音も。
ヒ・・・っ。
引きつるような、かすかな叫び声も。
お互いをむさぼり合う夫婦の耳には、届かなかった。
その場に倒れ伏した洋祐の身体に、男の影が影絵のように、折り重なった。
下になった人影は、ちょっとだけ抗いの姿をみせたものの。
すぐに静かになって、あとは押し殺すような、吸血の音―――
つづきはこちら↓
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2528.html
純愛
2011年06月11日(Sat) 06:16:51
別れぎわ、彼女にそっと、囁いた。
エレベーターのなか、ふたりきりになったとき。
一生の想い出に、いちどだけ。
それも数秒間だけ、失礼なことをしてもいいですか・・・?
俺のことをさして好きでもないように見えた彼女は。
黙って目をつむり、受け口の唇をそっと、差し出した。
ほんの束の間の、熱情のやり取り―――
俺はつい酔い痴れて、もういちど、女を抱きしめる。
ぱしぃん―――
平手打ちが高々と、俺の頬に鳴った。
いちどって言ったでしょ?
女は意地悪そうに、口をひん曲げると。
わっはっは・・・
男みたいに、高笑いをする。
痛かった・・・?
俺はもういちど、女を抱きすくめて。
ぶんなぐられてもいいから って。囁いて。
女は抵抗もせず、もういちど。
黙って目をつむり、唇を上向けていた。
縛られる母娘
2011年06月10日(Fri) 08:00:45
さるぐつわを、はめられて。
ぐるぐる巻きに、縛られて。
うー・・・うー・・・と、うめきながら。
わたしの目のまえで。
身をよじって、犯されていった妻。
セーラー服を着たままで、いやいやをしながら、かぶりを振って。
夜が明けると、太ももを伝い落ちたバラ色のしずくが染みたハイソックスを、けだるそうに脱いだ娘。
その、どちらもが。
いまは縛られることに、はまっちゃって。
今夜も着衣のまま、縛られて。
うー・・・うー・・・と、うめきながら。
愉しんでしまっている。
もちろんわたしも。
必須のアイテムだとか、言われちゃって。
ふたりの濡れ場を、強制的に鑑賞させられている。
うーん、いちばん深みにまではまっているのは。
親娘のなかで、わたしなのかも。
娼婦と嫁
2011年06月10日(Fri) 07:54:49
家内がおめかしをして、出かけるときに。
娼婦してくるわね というときは。
身体だけが目当ての相手のとき。
本命の彼氏のときは。
お嫁入りしてくるわねっ♪
って。
声まではずませちまっている。
送り迎え
2011年06月10日(Fri) 07:53:00
女房をモノにされちまうと、亭主というのは、弱いもの。
毎週金曜の夜になると、ウキウキとしておめかしをする女房を。
彼氏の待つホテルに、いつも送り迎えをするわたし。
週替わりで色ちがいになる、なまめかしいストッキングに映える足許を。
助手席から降りた後ろ姿に、密かに胸ときめかせている。
体液。
2011年06月07日(Tue) 07:44:31
どう、責任を取ってくれるんだね―――?
目のまえにいるのは、高嶺の花と信じていたあの女(ひと)の父。
それが、改まった背広姿でとつぜんユウイチのまえにあらわれて、
信じられないことを、口にした。
夕べ、娘が何者かに襲われた。
とても世間様には、表ざたにできないような狼藉を受けてしまった。
娘は、処女だった。
そして、娘の体内からは、きみの体液が検出された。
某一流企業の技術者でもある彼女の父親は、冷徹な分析を口にした。
どう説明がつくというのだね?
その晩はたしかに、アリバイらしいアリバイはない。
まして、貧血を起こしてこのマンションの自室でひっくり返っていた なんて言い訳してみたところで、
だれが相手にしてくれるというのだろう?
責任を取って、結婚してもらう―――
表情を見せまいとユウイチに背中を見せた彼の、
後ろ手に組んだ手が、ぶるぶると震えていた。
華燭の典も、間近となったころ。
おい、なかなかやるじゃないか。
だしぬけに耳もとにささやかれた、ひそひそ声に。
ユウイチは露骨に、顔をしかめている。
真夜中のウォーキングには、いつも短パンにハイソックスと決めていた。
通り道で待ち伏せしている、血に飢えた悪友を目にすると。
ユウイチはため息して、手近な公園のベンチに腰かけて。
ハイソックスの上からなぞるように吸いつけられる唇を、それはいまわしそうに見おろして。
唇の裏側に隠れた尖った犬歯が、厚手のナイロン生地を突き通して、
なま温かいシミを、じわじわと広げていくのを、痺れるような陶酔のうちに感じていく―――
新しいやつなんだぞ。
咎めるように呟く彼の足許は、街灯の下ツヤツヤと輝くリブに彩られている。
リブにはべっとりと、沁みついた血―――
ふふ・・・
ラインの入ったハイソックスの生地のうえ、不規則に撥ねた水玉もように、
男は自分の創った芸術作品に見入るように、満足げな視線をおとす。
もうじきめでたく、見初めた女と結ばれる。
たまには人にほどこしたって、ばちは当たるまい。
闇の下でしか歩けない悪友(とも)は、ぬけぬけとそう、こたえていた。
この数年は、彼の血しか吸っていない という吸血鬼。
少量の血でも、なんとか身を支えることは、できるのだという。
待てよ―――
心の囁きが発する声になってしまったのを、ユウイチは半分悔いた。
そういうことなのか?
身に覚えのない、狼藉行為。
現場に残された、体液・・・
そういうことさ。
男は手品の種がばれたか、という顔つきで、ユウイチを見あげる。
吸血鬼に、体液など存在しない。
強いてあるとすれば、供血者のそれが、その場に残るだけ。
なにしろ俺は、キミの血しか、吸っていないのでね―――
わざと彼女を犯したの!?
声がでかいぞ。
男は青年をたしなめると、ふたたびハイソックス越し、唇を這わせていく。
うっ・・・
抓るような痛みが、あの甘美な痺れを伴なって、青年を支配した。
現場に残された体液は、君のもの。
だから、あの女(ひと)の処女を奪ったのは、間違いなく君なんだ。
もっと自信を持てよ、花婿殿。
男はからかうように、ユウイチの肩を叩くと、その場を去っていく。
彼女は絶対、口にしないぜ?
でもいいだろう。あれであの頑固おやじが折れて、君に娘をくれる気になったんだから。
花嫁の身持ちを心配しないよう、あえて言っておくんだが。
俺は・・・そうだな。
あの家の跡取り息子の若い嫁にご執心なのさ。
息子はきみよりも、ちょっと年上だが。
このごろは意気投合しちゃってね。
こんど嫁さんと二人きりで逢ってもいいって、しぶしぶながら許可してくれたんだ。
あの親父の奥さんも、なかなか見映えのするうば桜だが。
だんなが怖いからね、当面はくわばらくわばら・・・かな。
勝手なことを、ほざきながら。
男はきっと、結婚してからも、新居に出没するつもりなのだろう。
そして未来の花嫁も、そうした彼をきっと、拒みはしないのだろう。
好意と反感。
ユウイチとおなじ気分を、彼女もきっとやつにたいして、もちはじめているだろうから―――
作者のひとりごと
2011年06月07日(Tue) 06:49:45
先月のおわりにこんなタイトルで呟いてみましたら。
懐かしいかたがたが、来てくれました。(*^^)v
たまにはこういうコラムも、いいのかもしれないですね。
柳の下のどじょうではございませんが。(^^ゞ
柏木は占いが、けっこう好きです。(*^^)v
車内のラジオで流れていたり、ネット見ていたりする時に出くわしますと、
ついつい耳を傾け、注目してしまいます。
そこで、M○Nのきょうの占い。
あなたが興味あることは、人には理解されにくいのかも
はいはい。(-_-;)
大当たりですね・・・(^^ゞ
婦長の白タイツ
2011年06月06日(Mon) 06:54:34
吸血鬼の棲む街には、吸血鬼を診る病院もあって。
真夜中のその病院は、ひそかに吸血鬼銀座 だなんて、呼ばれていて。
ナースステーションも、二箇所にあって。
ひとつはふつうの入院患者を診る部署で。
もうひとつは、訳知りの看護婦だけが勤務する、べつの意図のステーションで。
そこに詰める看護婦は。
学校出たての若い看護婦も。ベテランの人妻婦長も。
ひとしく吸血鬼の訪問を受け容れて
素肌をじかに吸われる形での、輸血治療を。
強制的に、させられるのだという。
その病院に、婦長として赴任したわたしの妻も。
いつか、その行為に慣れるようになっていて。
以前から履いていた、もっさりした白タイツは
いつの間にか、ツヤツヤ光沢を帯びた、肌の透けるタイプのストッキングに、とって代わられていて。
たまに もっさりしたのを履くときは。
いちばんのお得意の患者さんが、初めて妻をモノにしたときを。
再現するための小道具として。
いやあっ。あなた・・・ッ。助けてぇ・・・
身を縮こまらせて、そう叫ぶ妻は。
ナースステーションの堅い床のうえ、白タイツの脚をじたばたさせながら。
密かに覗き込むわたしの目を、じゅうぶんに意識していて。
獲物の夫がそこにいる、ということを やはり興がっているあの男は。
きょうも妻のふくらはぎに、それは旨そうにかぶりついて。
堅実で良識ある婦人だった妻を、はじめて堕としたときのように。
厚手の白タイツを、ぶりぶり、ぶりぶり、音をたてて裂いてゆく。
永い夜は、愉しい夕べ。
きょうも婦長の絶叫が、無人のナースステーションにこだまする。
納屋から出てくると
2011年06月06日(Mon) 05:17:28
自由婚が基本のこの村に赴任して、はや三か月。
ようやく土地の気風にも慣れ・・・というか、慣らされて。
けれども自分の妻に夫公認の男ができるという、都会の感覚では不自然な状況を。
夫たちはなお、受け容れかねている部分もある。
妻と土地の男性との、一体一の末永い交際を望むものもあれば。
自分の奥さんに、そういうステディな関係が生じることを避けたい夫もいる。
けれどもこの村でやっていくには、妻を介したつながりが重視されるこの土地で
どうしたって、妻の肉体を提供しないわけにはいかなくなる。
わたしと末田の場合も、そうした意向を村人たちに尊重してもらっているクチだった。
夜更け、誘いを受けた妻たちは。
いそいそと身支度をはじめ、こぎれいな都会の装いに着替えていく。
行き先は、村はずれの納屋。
さすがにお互いの自宅ははばかられるので、こういう便利な?場所が用意されているのだった。
ひっ。
うぅーん・・・っ
納屋に連れ込まれた女たちは、其処で不特定多数の男たちと、交わりを遂げる。
それぞれの妻をエスコートした、末田とわたしは。
お互い顔見合せたり、気まずそうに視線をそらし合ったりして。
どちらのものともわからないうめき声に、胸轟かせてしまっていて。
だれにされているのか、わからない。
だれと昂りあっているのか、わからない。
けれども少なくともあしたの朝、出勤の途中で顔を合わせる誰彼と。
変なうすら笑いを交わし合わないでも、済む関係―――
そう、割り切っていたつもりだったのだが・・・
ほら、帰んな。だんなが待ちわびているぜ?
男どものからかい口調に、無言で頷きながら。
妻たちは身づくろいをしているようだった。
男どもが出ていくのは、向こう側の出入り口。
わたしたちが待っている側の処は、意図して通りかからないようにするのだという。
やがて、身づくろいを終えた妻たちは。
決まり悪げに視線を俯けながら、そわそわとして。
”現場”から立ち去ろうと、我が身を月夜の灯りにさらしてくる。
はだけたブラウスから胸元をちらちらさせながら、妻たちが戻ってくると。
お互い、たまらなくなっちゃって。
おいっ!
襲いかかったのは、なぜか自分の女房ではないほうの女。
村人たちが相手のときには、とても直視する勇気?はなかったはずなのに。
キリッとした正装に情事の名残りをとどめた女たちを、目にすると。
さっきのつづきを、お互いの腕のなかで視てみたくなったのか。
末田はわたしの妻を。
わたしは末田の奥さんを。
揉みしだくようにして、抱きすくめていったのだった。
お互い相手を、なんども取り替え合って。
やっと、息はずませた肩を、草地から起きあがらせたとき。
女たちは現実に戻った会話を復活させて、
男たちは相も変わらず決まり悪そうに、自分の妻の相手をつとめた相棒を、視るともなしに窺っている。
なんだ、けっきょく俺たちといっしょじゃないの。
その朝の出勤途中、声かけてきた村の若い衆は。
あっけらかんと、そう声をかけてくると。
ちょっぴりイタズラっぽく首をすくめて、
こっちこそ、よろしくネ。。。
照れくさそうに、すれ違っていく。
いえいえ、こちらこそ。(^^ゞ
そんなひと言が、自分でも信じられないほど、すらすらと。
口先を通りすぎると。
男は背中を向けたまま、軽く手を振って応えてくれた。
それからのことだった。
夜な夜な徘徊する、吸血鬼のような男衆に。
婿入りをさせるようになったのは。
あとがき
前作を都会の男性目線で翻案してみました。^^
納屋から出ていくと
2011年06月05日(Sun) 10:25:11
うちの村では、嫁の取り換えっこというのを、よくやります。
娯楽の少なかった時代、夜の愉しみのひとつだったのが、
いまでもこうして、つづいているのです。
そのせいか、村のものたちはお互いに助け合って、やっているんですが。
いっぽうで、他所の土地から来た人たちには、なかなか入り込めない、なじみにくい土地柄のように思われるようです。
さすがに他所のかたがたには・・・こういうことはナイショになっていますからね。
ところが、村を出た農家の三男坊が、都会に出て、
会社を興して、成功しましてから。
こちらに事務所を、かまえたんです。
なんでも、村のしきたりに理解のありそうな方々を、入念に人選びして、送りこんでくれているというのです。
おかげで都会の奥さまたちがなん人も、わたしどもの馴染みになってくれました。
ええ、もちろん、だんなも”込み”で。
けれどももちろん、さいしょのうちは。
嫁の取り換えっこの輪のなかに入るまえ、一定のあいだ。
都会の男性たちは、奥さんや娘さんを一方的に差し出す義務があるのです。
そのあいだは、黙認したり、なかには奥さんを伴なって待ち合わせ場所に連れて来てくれて、
用が済むまで、納屋の外で待ちぼうけているご主人も、いるんです。
今夜の奥さん二人連れのご主人たちも、そうした方々でした。
ええ、軽蔑なんぞ、しませんよ。
だって、お互いさまになるんだもの。
都会から来たばかりの同僚ふたりの奥さんは、
片方は痩せていて、片方は太り肉(じし)で。
いや、どちらも齢よりもお若くて、髪振り乱して、相手をしてくれました。
だんなのこと?うーん、その最中は、そんなの忘れていますね。
ああもっとも、今夜のメンバーでもいちばん手だれな甚作のやつは、ちゃんと心得ていて。
要所要所で、声あげるほどきつく、抱きついちゃっていましたね。
うちのやつにもご執心で、家の居間からなんども声、聞かされたくらいですから・・・
ことが果てるとね。
奥さまがたは、身なりを整えまして。
ええ、こっち寒いから、着たままするんですよ。
お互い髪の毛梳かし合いっこしたりして。
まぁ、初めてだといっても、ソレじたいには慣れているわけですから。
女って、落ち着いたもんですよ。
それで、納屋から出ていったのです。
出ていくなりね。声がきこえましてね。
おうっ!といったか、わあっ!っていったか。
男の声でした。
ブラウスをはだけたり、ワンピースがよれたりした自分の女房を認めるなり、抱きついたんでしょう。
さいしょのうちは、よくあるんです、そういうの。
こっちも気を使って(いや、覗きたい気分満々で?笑)、ようすを窺っていたんですが。
それこそその場で、泥のうえで、
それぞれ自分の奥さんを組み敷いていたご主人たちは、
なんと、相手を取り換え合っちゃったんですね。^^;
そのままはぁはぁ、荒い息を立てて。
自分の奥さんのときよりも長いこと、そうやっていました。
俺らと変わらんじゃないの・・・
だれかが笑いながら、そう呟いています。
そうですね。こうなっちゃうと。
ご主人たちのほうも、いつか打ち解けて。
こっちもだんなの留守中はしょっちゅう、奥さん目あてにお邪魔をするし、
向こうもしげしげと、納屋まで連れてくるようになるんですよね。
赴任中はずっと、輪のなかに入っていて。
都会に戻るときにはご夫婦どちらも、それは名残り惜しそうに発っていかれるんです。
ナイロンハイソックスの脛を、ごちそうして。
2011年06月01日(Wed) 07:56:11
うちの女房、よろしくね♪
あんたの好きな、肌色のストッキング地のハイソックス履かせたんだぜ?^^
冷やかすような、囁きに。
ヤツはくすぐったそうに、応じてきて。
俺を去らせるまえに、さっそく。
家内の足首に、唇を吸いつけてきた。
まぁ、まぁ・・・
はしたなく大きな声をあげた、家内のやつ。
それでもまんざらではなさそうに、
男のひとって、どうしてこうもやらしいのっ!?
ヤツと俺とを、等分に見比べながら、
シワを走らせながらじょじょににずり落ちていくハイソックスの口ゴムのあたりを、面白そうに見おろしていた。
奥さんのハイソックス、足首まで弛んじゃうまでお前がほっといたら。
犯しちゃうかもな♪
ヤツの言い草を、横っ面で受け流していると。
ハイソックスを片方だけ、足首までたるませた家内は。
きゃあきゃあとはしゃぎ声をはじけさせながら、
草むらに尻もちをついて、突っ伏していった。
もう~。
男ふたりに、非難の声をもらしながら。
すっかり薄暗くなったなか、足許についた草切れを払う家内。
まだ少女だったころ。
真っ赤なチェック柄のプリーツスカートの下、純白のナイロンハイソックスのすねを晒して、
初めてヤツの、いたぶりを受けたとき。
あー・・・あー・・・
かわいい声を漏らしながら、ハイソックスの口ゴムをよだれに濡らされていった少女は。
いまは、さばけた人妻になっている。
妻への付け文
2011年06月01日(Wed) 07:39:23
ちょっと・・・相談なんだけど。^^;
赴任してきたばかりの同僚の伸藤は、いかにも困惑した顔つきだった。
ははぁ、来たな?
姉原は腹のなかでそう思いながら、ここじゃできない相談みたいだね、と呟くと、
伸藤は、相手の察しのよさにホッとした表情をした。
姉原が指定したのは、村で数軒しかない居酒屋のひとつだった。
喧騒にまぎれてしまうと、しかも酔っぱらいばかりの中というのは、
意外に密談に適しているらしい。
胸がつかえて口にできなかった告白を、伸藤はいともすらすらと・・・というほどでもないが、
意味の通じないくらいしどろもどろ というわけではなく、語り始めた。
さいしょに見せられた紙切れには、さしもの姉原もどきりとした。
紙切れには、下手くそななぐり下記で、こう書かれていた。
あんたの女房が気になってしようがない。
金曜の夜、女房に都会のスーツを着せて、村はずれの納屋に来てくれ。
できたらだんなのまえで、佳奈子のこぎれいな服を、わらまみれにしてやりたい。
礼儀もへったくれもない文章だったが、
金釘流のなぐり書きの下手さかげんは、ちょっと笑ってしまうほどだった。
おいおい、笑いごとじゃないんだよ、こっちは・・・
困惑するばかりの伸藤をまえに、姉原はようやく笑いをおさめると、
おもむろに同僚の脇に近寄って、耳たぶに触れるばかりに唇を近寄せた。
これね。じつはこの土地の習俗なんだ。
気に入った人妻ができたらね。
ふつうなら、だんなのいないところで言い寄るだろう?
ところがここでは、だんなに無断でコトに及ぶというのは、ご法度で。
人妻への付け文は、だんなにすることになっているんだ。
え?
伸藤は信じられない、という顔つきで、姉原をみる。
ふたりは同期で、都会のオフィスにいるときにはずいぶんとばかもやったし、
社内結婚同士なので、お互いの妻のこともよく知っていた。
三年後輩の新入社員に手をだした伸藤は、同期のみんなから、それは嬉しげに小突かれていたっけ。
結婚して二年経ったから、いまは24になるはずだった。
良家の出でいかにも洗練されたファッションと、ファッションセンスに見合った整った目鼻だちを、姉原はひそかに思い浮かべる。
さきにだんなに空いたいって、言ってるんだろ?
あってみろよ。
ここの連中はしょうしょう飾り気がなさ過ぎるところがあるけれど、
根は悪いやつらじゃない。
だんなと話をつけてくる とか、から元気を出して会いに来るだろうが、
意外なくらいに慇懃な連中で、
少なくとも、いきなりぶんなぐられる気遣いは、ないからね。
あー、弱っちゃったよ・・・
翌朝伸藤は、頭を抱えてオフィスに現れた。
いかにも聞いてくれというその態度から、とても夜の居酒屋まではもたないなと感じた姉原は、
上司にちょっと耳打ちをすると、打ち合わせと称して伸藤を狭い別室に連れていった。
そうとうな宿酔のようだな。
冷やかすように姉原がいうと、
そんなんじゃない、と手を振りながら、やはり伸藤は宿酔でもあるらしい。
わるい酒を飲んでいるみたいだ・・・
そう頭を抱える伸藤、じっさい毒入りの酒を飲んだみたいな顔をしている。
その晩やってきたのは、四十年配の、小太りで顔色が悪く、どちらかというと陰気な感じのする男だった。
さあさあ、どうぞ。
妻のいない時間帯を見計らって家にあげた伸藤は、
いつもそんなに人づきあいのよくない自分には珍しく、すらすらと言葉の出た自分がすこし、いぶかしいほどだった。
男はちょっとおどおどと周りを見回し、目当ての女が見当たらないのを知ると、おずおずと口を開こうとする。
家内ですか?なんでも婦人会があるとかでしてね、こっちはそういうの、盛んなようですね。
なにごともさらさらと言葉の出る伸藤に、先手を取られつづけた男は、ぐうの音も出ないというようすになって、
お口に合うかどうか・・・どうぞ。
といって、手土産のつもりなのだろう、手にぶら下げてきた酒壺を差し上げた。
ああ、では、遠慮なく。
つい手にとった杯が、伸藤の命取りになったらしい。
その晩妻は、いつになく遅かった。
そのあいだ伸藤は男となん杯も酌み交わして、いつかいい気分になり、とうとうすっかり酔い酔いになっていた。
男が無礼な文面をわびると、そんなにうちの家内が気に入ったのですか?とからかい口調で声をかけ、
決まり悪げに頭を掻く男に、さらにたたみかけるように、どんなふうにしてみたいと思ったの?と気軽な声までかけていた。
やがて帰宅してきた妻も仲間に入り、深夜まで話がはずんでいた。
このひと、お前のことを強姦したいんだって。
たちの悪い冗談だと思ったのか、さいしょは取り合わなかった妻の佳奈子も、
そのうちのりのりになって、やだ~っ、男のひとってどうしてこういやらしいの?って言いながら、
口に手を当てて、笑いこけていた。
グラスを持つ細い手首が電灯に照らされて、白く輝いていた。
さすがに”実演”に及ぼうとまでは、男は言い出さず、その晩は機嫌良く帰っていった。
家にはだれも、待つものはないという。
あの人お気の毒ね。家に誰も待っていないなんて。
酔いの回った頬をバラ色に染めた佳奈子が、そうつぶやくと。
おいおい、あいつ佳奈子に本気みたいだぜ?
夫がそれとなく、注意を促すと。
意外な答えが、かえってきた。
面白そうじゃない。
悪夢を目の当たりにするような顔だったに違いない。
ちょうど男が家に戻った頃合を見計らって、加奈子は受話器をとって、ウキウキと、
栗色に染めたロングヘアを指先でもてあそびながら、こういったものだった。
金曜日の夜ね?いっぱいお化粧をして、うかがうわ。
受話器を置いた彼女は、
あなたも、来てね。三人で愉しも。
イタズラッぽく笑う妻に、伸藤はやおらのしかかっていった。
その晩はとても、長い夜だった。
なんだか、ごちそうさまっていいたい気分だね。
うー、笑いごとじゃないんだよー。
頭を抱えつづける伸藤に、姉原は肩を抱かんばかりにして、囁いた。
いいじゃないの。
そういう歓待をすると、ここではずっといい想いをできるというぜ?
金曜は、早帰りだった。
それでも残してしまった仕事を、片付けると。
田んぼのあぜ道の向こうから、夕焼けに包まれた人影がふたつ、こちらへ歩み寄ってくる。
逆光だったのだろうか。話に夢中になっていたのか。
ふたりは姉原が間近になるまで、気がつかなかった。
勤め帰りの背広のままの伸藤が、着飾った佳奈子を伴っていた。
おや。
うっかり声をかけてしまったのを、いけないかな?と思ってしまうほどに、ふたりは動揺し、
けれどもこういうときには、女のほうが肝がすわるものらしい、
こんばんは。
栗色のロングヘアを揺らして、応えてきた。
見慣れない真っ赤なスーツに、黒のストッキングに染められた格好のよいふくらはぎが、毒々しく映えていた.
色白の頬には、いつもより厚い化粧をして。
肉太な唇には、べっとりとした真っ赤な紅を刷いている。
田舎の嗜好に合わせた妻の、派手ないでたちに、きっと伸藤は参ってしまったに違いない。
これからお出かけ?
悪乗りして姉原が問うと、
エエ・・・裏の納屋にね。^^;
伸藤が苦笑しながら、そう応えた。
行きましょ。
相手の腕をとって促したのは、妻のほうだった。
すっかりハマッちまったよ・・・女房のやつ。
言葉の後半は、とってつけたようだった。
夫婦ながら、はまり込んだというのが、ほぼ真相なのだろう。
あのひと、案外律儀だな。
剥ぎ取った服は、きちんとクリーニングして返してよこすんだぜ?
田舎のひとだからね。
取りなすように応える姉腹は、いつもの落ち着きを失わない。
妻の情夫を自慢できるようになれば、立派に此処の住人だね。
今だから言うけど、佳奈子さんにはあのひとがいいんじゃ・・・って言ったの、うちの嫁なんだ。
ほんとうはきみが切り出すなん日かまえに、佳奈子さんはうちに遊びにきて、あのひとに凌辱されたんだけど。
ついノッて、のりまくっちゃって、
きみと彼が初めて会ったあの晩は、わざとはずしていたんだぜ。
ああ、お察しのとおり。
うちの嫁も、あのひとにモノにされちまったんだ。
きょうはどちらの人妻に、いれあげているのかな。
うちがさきに転勤していったら、彼のことよろしく頼むね。ご夫婦で・・・