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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ママの仲人。

2011年08月31日(Wed) 08:13:12

ここだ。
雑駁な字でメモに走り書きされた、ところ番地。
俺が立ったのは、とあるこぎれいな一軒家の前だった。

この街に着いたのは、今朝のこと。
指定された事務所のドアをノックすると、
陰気な感じのするその青年は、ああ・・・と、あごをしゃくるようなぞんざいな会釈を投げてきた。
あの男と同じ、暗い瞳の色をしていた。
そう、俺の女房の血を吸い取って、俺まで吸血に応じてしまったあの男と。

ママとあのおじさんが結婚するの、賛成だよ。
パパはふたりの仲人やってあげればいいのに。
息子は冷やかすように、そういった。
たぶん、そうするしかなかったはず。
ある日、悪夢のように侵入してきたあいつは、妻も息子も、そして俺のことまで、たぶらかしていったのだから。
俺はふたりの掌と掌を、重ね合わせて。
誓いの熱い接吻を交わすふたりを、間近に見つめて。
おめでとう・・・って、祝福まで、してやって。
それからその場でふたりが、着衣のまままぐわうところまで、見届けるはめになった。
女房が着ていた服は、結婚記念日に贈った紫のスーツ。
初めて襲われたときも、この服だったの♪
ウキウキとした眼ではしゃいだ女房は、暴漢の背中にじぶんから腕を、巻きつけていった。
そんなありさまを、不覚にも。
ただの男としてたんのうしてしまった俺―――
気にすることはないよ。
息子はまるで年上の男みたいに、俺をなだめて。
ボクだって、結婚するときにはお嫁さんの血を吸わせてあげるって、約束しちゃたんだもの。
親子で、どっちがいいプレゼントをあげられるかな?
こいつはまだ若いくせに、連れあいの愛人自慢をする気なのか?

逃れるように出てきた、生まれ育った街。
男は俺の不在と引き換えるように、一片のメモを渡してくれた。
それが、目的地の街にひっそりと佇む、吸血鬼の邸。
さらにそこで手渡されたメモには、一般住宅のところ番地が書かれていた。

ああ、あなたですか・・・どうぞお入りください。
インターホンに応じて出てきたのは、俺と同年配の男性。
ふつうのサラリーマン風の男だった。
さ、どうぞ奥へ。あなたのことは伺っていますから。
なにをどう、伺っているというのだろう?
訝る俺は、客間に通されて唖然とした。
どうぞ、私のことを縛って下さい。
男は自分から、我が身が縛られるべきロープを手にしていて。
リビングの片隅には、男の妻らしい着飾った女が、ぐるぐる巻きに縛られて、転がされていた。

片方の手だけは動くように、縛って下さい。
男の難しい要求に、こうすればいいのか?俺は律義に、そしてぶきっちょに、男を縛る。
さっきから。
口許に隠した生えかけの牙が、女の柔肌を求めてズキズキと疼いている。
悪いが、ご馳走になるぜ。
俺は精いっぱいワルぶって、そういうと。
縛っただんなの目のまえで、緑のワンピースを着た人妻に、覆いかぶさっていった。
どこかでこの風景、見覚えがある―――
そう感じたとき。
早くも飢えた唇を、奥さんの首すじに這わせてしまっている。

ごくっ・・・ごくっ・・・ぐちゅうっ。
汚らしい音を立てながらむさぼる、人妻の生き血―――
人としての活力、若さ、秘めた熱情、
それらすべてが、いっしょくたになって、俺の喉元を通りすぎる。
男はさっきから、縛られて不自由な身体のまま、いざり寄って来て。
はだけた胸もとから覗く奥さんのおっぱいを撫でまわし、
肌色のストッキングに映えた脚もとをなぞるようにさすっている。
堪忍して下さいね。これがあのひとの趣味なんですよ・・・
ようやく口のきけるようになった奥さんが、俺に囁いた。
なに、構いませんよ・・・こちらこそ、けっこうなご馳走を頂戴しているんですからね。
せいぜいワルぶって、俺がそう応えると、
奥さんは意外にも、嬉しゅうございます。気に入っていただけて。しおらしくそういうと。
ワンピースの胸ぐりをビリビリと引き裂いて、俺に素肌を拝ませてくれた。
口許から吐く微かな息遣いが、女が欲情していることを告げている。

血を吸われると、欲情するんだぜ?
女房を手籠めにしながら、あいつはのうのうとそんな能書きを、垂れていた。
論より証拠だった。
勤め帰りの白のスーツ姿のまま、女房はストッキングに包まれた脚をゆるやかにくねらせながら。
男のまさぐる掌に、淫靡な反応をし始めていた。
噛んで・・・思い切り、噛み破って・・・あのひとのまえで。
女房の口で「あのひと」呼ばわりされる亭主の気分って、わかるだろうか?
妻は人の気も知らないで、侵入者のまえに肉づきのよい脚をさらけ出して。
ストッキングを履いたまま脚を噛んでとせんがんでいた。
光沢のてかてかした肌色のパンストが、目のまえでブリブリ裂かれるとき。
俺は不覚にも、股間が濡れるのを覚えていた。

夫が撫でる。俺が噛む。女が呻く。
そんな行為を、どれほどのあいだ、くり返していたのだろう?
俺はやがて、股間の昂りを覚えると。
にわかにだんなの掌が、うっとうしっくなってきた。
だんなは半ズボンの下、丈の長いビジネスソックスを履いている。
ついぞ見かけなくなった、ストッキングのように薄いやつだった。
猪みたいに太い首すじよりは、まだましか。
俺はそう呟くと、男のふくらはぎに取りついて、がぶりと噛んだ。
ちゅー・・・
他愛なく血を吸い取られただんなは、いともあっさりと床に転がった。
さっきチリチリにしてしまった、奥さんのストッキングとおなじくらい、いい舌触りが唇に残った。

正解ですわ。
奥さんは俺を、ウットリと見つめている。
あのひとの掌が、わたくしを狂わせて。あのひとも天国に行きました。
おいおい、死なせたわけじゃねえ・・・弁解する俺に、なおもほほ笑んで。
わかっていますとも。気絶寸前でお止しになりましたね?
女はそういうと、みずから作ったワンピースの胸もとの裂け目を、さらに拡げた。
レイプどうぜんに、犯して下さいな―――
いつかこんなシーンを、視たはずだ。
ママの仲人になればいいじゃん。
息子に面と向かって冷やかされたのは、あの晩が理由だった。
気絶しかかっただんなは、それでも目つきを光らせて。
目のまえで凌辱されている妻の痴態を、すみからすみまで、たんのうしていた。

帰りぎわ。
奥さんを狂わせるのにひと役かってくれた掌に、むっちり脚から引き抜いたストッキングを片方、握らせてやる。
もう片割れを、戦利品のようにぶら下げてリビングを出る俺の背中を。
失血に息を弾ませた奥さんは、ソファにもたれかかったまま虚ろな目で見送っていた。

両方経験するに、限るよ。
妻を犯したあの男は、暴漢ぶりに似合わぬ涼しげな目で、俺にそううそぶいた。
亭主が手伝い、奥さんが促して。
さいごに暴漢が、狂わせる―――
そんなプレイを体得できたのは、やつのおかげなのだろう。

わたし、来週から出張なんです。
我が家に入り浸りたくなるようでしたら、どうぞ―――
亭主のかすれた声が洩れて来る受話器に、
俺は無言で、頷いている。


あとがき
ちょいとピントがぼけたかな?
主人公が無理矢理、吸血鬼と奥さんの仲人をやらされるくだりと、
半吸血鬼になって街の夫婦を襲うくだりと、
双方に分けるべきだったかも。改作するかも?^^

制服を脱いで、オトナになって。

2011年08月31日(Wed) 07:42:07

制服を着て、オトナっぽくなった・・・そう思い込んだのは、春のこと。
ほんとうに大人にされちゃったのは。。。制服を脱いでいた、真夏のことだった。
おじ様の家に遊びに行くんですよ。
よそ行きのお洋服に、ハイソックスを履いていきましょうね。
ママにそう言われて身に着けた、真っ白なワンピに、白のハイソックス。
ぴーぴー泣きじゃくりながら、無理矢理脚を押し拡げられていって。
頼みのママは、いつもの穏やかな声色を崩さずに、「お行儀よくなさいね」って言うばかり。
あべこべに、おじ様のお手伝いをして。
迫って来る胸をへだてようとして突っ張ったあたしの腕を、もぎ放して。
シーツのうえに、抑えつけていった。

柔らかいところに、硬いものを圧しつけられて。
むりにズブズブ・・・ッ、って、沈み込まされちゃって。
あたしは痛い!痛い!って、叫びながら。
乙女の大事なものを、おじ様にプレゼントしていった。
帰り道、べそを掻き掻き歩くあたしの手をひいて。
ママは足早に、ご近所のまえを通りすぎる。
けれどもお隣のおじ様にも。
お向かいのおばあちゃんにも。
たまたま通りかかった気になるあのお兄さんにまで、視られちゃった。
ずり落ちかけた真っ白なハイソックスに、太ももを伝い落ちた血が染みているのを。
家のま裏に棲んでいるおば様なんか、すれ違いざま。
おめでとう、って声かけてくれて。
あたしは思わず、エエ。って、頷いちゃっていた。

家に着いて、シャワーを浴びて。石けんの匂いに包まれるころには。
あたしはもう、感づいちゃっている。
硬いもので抉られた腰の奥に、ズキズキと妖しい疼きがしみ込んでいることに。
お勉強部屋に戻ったあたしは、ママに気づかれないように、携帯を手に取って。
さっき教わったばかりの番号に、発信している。
今夜、雨戸をあけておくから。
おじ様のお好きな制服着たまま、寝ているから・・・

夏休み明けのあした。
制服の下に隠れた身体をオトナの身体にされちゃった子は、どれくらいいるだろう?


あとがき
まな娘の処女喪失に手を貸すママのほうが、えろかったりして?^^

夏休みさいごの日。

2011年08月31日(Wed) 07:20:55

陽射しの匂いがぷんぷんとする、たたみの上。
明け放したガラス戸からそよぐ風が、ちょっと肌寒い。
お陽さまの照りは、真夏でも。
吹き抜ける風も、青空の濃さも、いつの間にか秋っぽくなっている。

あたしの左に寝転がるトモちゃんは。
真っ赤なTシャツに、純白のプリーツスカート。
スカートの下、脛を覆っているのは。
ストッキングみたいに薄々の、白のハイソックス。
太めのゴムが、ぴっちりと。
ひざ小僧の下に、映えている。

あたしの右隣であお向けになった、サッちゃんは。
ピンクのブラウスに、紺色のリボン。
青系のチェック柄のスカートの下に、真っ赤なハイソックス。
あたしは赤と白のしま模様のワンピースに、黒と白のひし形もようのハイソックス。
ふたりとも、オトナっぽくおしゃれしてきて。あたしだけ子供っぽくて。
差をつけられちゃったかな?

たたみのうえで、あお向けになったり、うつ伏せになったりしたあたしたちは。
昂りそうになる息を、けんめいに抑えながら。
足許にかがみ込んでくるおにい様や、おじ様の相手をし始めている。
すっかりオトナな、おにい様やおじ様たちは。
あたしたちのひざ小僧に、いやらしい息遣いを吹きかけて、
思い思いに、年ごろの女の子たちの足許を、まさぐって。
あたしたちをくすぐって、笑い声をたてさせようと一生けんめい。

トモちゃんは、ストッキングみたいに薄い白のハイソックスのうえから、唇を吸いつけられて。
親子ほど齢の離れたおじ様に、薄いナイロンの舌触りを愉しまれちゃって。
せっかく履いてきたおニューのハイソックスが、だらしなくぐずぐずにずり降ろされちゃうのを、
悔しそうに見おろしていて。
サッちゃんはサッちゃんで、じぶんのお兄ちゃんを相手に、真っ赤なハイソックスで挑発しちゃっていて。
兄妹でそんなことして、いいのー? からかうあたしに、
いいんだよー。 明るい声で、応じていた。

あたしだって、ひとのこといえないんだ。
あたしのうえにのしかかって、ひし形もようのハイソックスをねじりまわしているのは・・・
ほかならぬパパだもん。
いいのかな?いいのかな?
でもママに彼氏ができちゃったから、かわりにあたしが慰めてあげるんだ。
すぐとなりのサッちゃんが、あたしの指に、じぶんの指をからめてきた。
ねぇあたし・・・きょう、オトナの女にされちゃいそう。
お兄ちゃん相手に?って、冷やかすと。
真知子だって、パパ相手じゃん、って、言い返してきた。

もう片方からも、手が伸びて来て。
しまいに二の腕まで、くっつけてきた。
まるで、救いを求めるように。
女の子同士すり合わせた、しっとりと湿った肌が、心地よかった。
彼氏いるのにねー。
つぶやいたあたしに、「もう!」って、軽くひじ鉄を喰わせておいて。
彼氏のお友だちだから、いいの。
自分に言い聞かせるように呟いたトモちゃんは。
すらりとした両脚を、だれよりも真っ先に、そろそろと開いていった。

夏休みさいごの日。
女の子三人が、三人とも、処女を卒業する日―――

痛い!痛い!痛ぁいっ!
パパ相手に、しがみついて、あたしは夢中になって、泣きじゃくっていて。
トモちゃんは、白のプリーツスカートのすそを垂らしながら、四つん這いになって、ずんずんとやられちゃっていて。
いつも大人しいサッちゃんまでもが、真っ赤なハイソックス一枚にされたまま、お兄ちゃんに夢中になって、しがみついていた。

きょうまでは、私服。
明日になったら、久しぶりにセーラー服を着る。
学校帰りに、また寄って。
こんどは制服姿を、捧げるんだって。
獲物を取り替え合った男たちが、ひと息ついているあいだ。
三人でこっそりと、指きりげんまんをする。

お友だちのハイソックス

2011年08月31日(Wed) 06:55:07

どうしたの?
気取らなくても、いいのよ。
ガマンしなくても、いいのよ。
ほんとうは、たっぷり吸いたいんでしょ?
若い女の子の、生・き・血♪
かまわないわよ。喉渇いているんでしょ?
ちょっぴり怖いけど・・・ほら、逃げないであげる。
履いてきちゃった。あなたの大好きな、真っ白なハイソックス。
みんな、ハイソックスの脚噛まれるの、嫌がっているけれど。
あたしもほんとうは、嫌だけど。
でも、平気。噛ませてあげる。
きょう履いてきたのは、お友だちの彩ちゃんのやつだから。
真っ白なハイソックスが真っ赤になるまで、愉しんで。
もしもこのハイソックスが、気に入ったなら。
こんどは本人を、連れて来てあげる。
彩ちゃん、まだなぁんにも、知らないんだ。
お友だちのほとんどが、あなたに噛まれちゃっていることも。
あなたがほんとうは。彩ちゃんのこと気になって、しょうがないってことも。
メッシュ柄のハイソックスって、伸びがいいんだね。
おひざの下まで、ぐーんと伸ばしてあげるから。
たっぷり噛んでね。あちこちに。
なんだかあたし、彩ちゃんになったみたい。
あの子怯えるだろうな。あなたを紹介してあげたなら。
でも・・・すぐに仲良しになれるんでしょ?どうせ・・・
いいわよ。あしたはあの子がいちばん気に入りのハイソックス履いて来るように、仕向けてあげるから。
そうよ。たっぷり噛んで。たっぷり生き血を愉しんで。
いまのあたしに、してるみたいに。
彩ちゃん、あたしより小柄だから。
手加減してあげてね。さいしょなんだし。
獲れる血は、ちょっぴりかもだけど。
あなたにとっては、最良の飲み物なんだよね。
ちょっぴり妬けるな。。。
うまくいったら、ごほうびに。
あたしのことも、ウットリさせて。
お礼にあたしのお気に入りのハイソックス、好きにさせてあげるから・・・


あとがき
お友だちの美少女に嫉妬心を秘めた、可愛い少女の呟きです。
やっぱり女の子は、怖い? 笑

生命だけは、とらないで・・・

2011年08月29日(Mon) 07:47:37

いいこと、彼らに逢ったらね。
「生命だけは、とらないで!」
そう言えばいいのよ。
怖いことなんか、ないんだから。
きっと機嫌よく帰ってくれるわ。
なかには暗くなるまで居残りさせたことを気にしてくれて、
家まで送ってくれる子もいるわ。
人間の男子とおなじように、仲良くなっちゃえばいいの。
・・・大人しく血を吸わせてあげさえすれば・・・ね♪

みんなよりもひと足さきに吸血を体験した美代子は、まるでお姉さんみたいだった。
隣で含み笑いをして聞いている紫織は、じつはもっと前に噛まれちゃったらしいけど。
スカートのまえを隠すように革製の鞄を両手で提げて、みんなより半歩さがって歩いてくる。
言うのも言わないのも。先生みたいになるのもならないのも。
きっと、性格なんだろう。
紫織をみていると、ほんとうにそう思う。

みんな美代子の剣幕に圧されるように、生唾を呑み込みながら彼女の話に聞き入っている。
噛まれるとき、痛くないのっ?
だいじょうぶ。チクッとするけど、注射なんかよりずっといい感じだよ。
やっぱり、首すじからなのかなあ。
そうね。首すじも噛まれるし、脚も好きみたい。
えー!セーラー服汚れちゃうよ~。
大人しくしていたら、服汚さないようにしてくれるから。自分で汚してほしかったらべつだけどね♪
脚も好きって、言ったよね・・・?
ウン、よく噛むよ。ハイソックスのうえから噛むんだよ。
えー。破けちゃうじゃない。血で汚れるし・・・
どうしてもだめな子は、頼んだら破かれないみたい。でもそういうの好きみたいだから、できれば噛ませてあげたら?
口々に質問しているみんな。
けれどもじつは、それはさいしょからさいごまでずっと黙っていたあたしに、わざと教えるためだったらしい。
仲良し七人組のなかで、じつは咬まれていないのはあたしだけだったんだって、あとでわかった。

帰り道をさえぎったのは、小学生くらいの男の子たちだった。
あたしたちとおなじ人数だった。
吸血鬼だぞ~。噛んじゃうぞ~。
先頭に立った子は両手を広げて立ちはだかったけど、子供じみた脅し文句にお姉さんたちは苦笑しながら顔を見合わせている。

いいわよ。噛ませてあげる。だから乱暴しないでね。
珠樹やゆかは、噛まれた経験があるといってもまだまだ新米らしい、さすがに怯えて涙目になって、
・・・生命だけはとらないでっ。
ふたりとも、判で押したようにおなじことを呟いて。
珠樹の後ろに回った子は、彼女よりも背丈がちいさくて。
首すじに咬みつくために、後ろから引きずり倒して、尻もちつかせてから、うなじに噛みついた。
あ・・・・・・っ。
小さな口許を開きかけて、けんめいに悲鳴をこらえながら。
珠樹はチュウチュウと、血を吸われはじめていた。
ゆかもべつの子に、壁ぎわに追い詰められて、白のハイソックスのつま先を、おそるおそる差し伸べて。
珠樹とおなじように、生命だけは・・・って、言いかけて。
だいじょうぶだいじょうぶ。
自分の半分くらいの背丈の子が、むしろお兄さんみたいになだめていた。
ハイソックスのふくらはぎにチュッ・・・と唇を押しあてたその子は、
けれども獰猛な目つきになって、
蒼ざめた顔で足許を見おろすゆかの目線のさきで、ハイソックスに真っ赤なシミを広げていった。

ほらほら、みんな抵抗しちゃダメよ。
お姉さんらしく、してあげようねっ。
美代子はみんなを仕切っていて。
弟くらいの年頃の男の子相手に、首すじにかかる髪の毛をたくし上げている紫織の後ろに回って、
少年の手伝いをするように、セーラー服の両肩を抑えつけていた。
そうしている美代子の後ろにも、べつの子が回り込んで。
美代子の履いている真っ白なハイソックスのうえに、唇を吸いつけていくのだった。

さ、お姉さんも、どうする・・・?
あまりの光景に立ちすくみ、言葉を喪っていたあたしのまえ。
ふと気がつくと、隣に立っている子があたしの血を欲しがっていた。
え・・・あたし・・・
なにかひと言、いうんだよね?
背丈の低いその子のほうが、ずっと大人に見えた。
生命だけは・・・
あとは、言葉にならない。
なにしろ恐怖で、あごがガクガクしちゃって、どうしようもない。
思わずその場に、座り込みそうになっていた。
生命をとらない代わり、血を吸わせてくれるんだね?
耳もとに寄せられた男の声に、
う・・・ウン・・・
力なく頷いたあたしは、自分のした返事の重大さに気がついて、背すじをゾクッとさせていた。

その子はほかの子よりも、ちょっとだけ上背があったから。
制服のスカートの腰に手をやって、ちょっぴり背伸びをして。
あたしにつかまり立ちをすると、首すじに、唇が届くようだった。
後ろから忍び寄ってきた小さな唇が、まだ子供くさいしぐさで首すじに圧しつけられる。
みんながそうされているみたいに―――
性急なよだれが、チュプチュプと音を立てて撥ねて、
とっさに身をよじろうとしたら、もうセーラー服の両肩を抑えつけられていた。
抜け出せないほどの、つよい力で。
首のつけ根のあたりに、チクッとした痛みが、ふたつ―――
あたしを狙った男の子の牙は、容赦なくググッ・・・ッと、皮膚の奥へともぐり込んでくる。
じゅわっ。
なま温かい血のほとびを感じると、その子は夢中になって、あたしの血を吸っていた。

血を吸ってる・・・ほんとに、血を吸ってるうっ・・・
あたしはもう、目の前が真っ暗になって。
へたへたと尻もちをついちゃって。
つま先でつかまり立ちをしているよりも楽な姿勢になったその子は、
かさにかかるように、あたしに覆いかぶさってきた。
あっ、ダメだよ。そんなに・・・
あたしの制止などまるっきり無視して、その子はひたすら、あたしの首すじから唇を放そうとしなかった。
制服のえり首、汚したくないんだろ?
その子のささやきに、あたしはもうなにも言えない。
思い思いの姿勢で幼い吸血鬼たちの欲求に応じている周りのみんなが、ぼうっと影絵みたいにみえた。

そんなにお姉ちゃんの血が、欲しいのね・・・?
声にならない声。
ウン、お姉ちゃんたちが学校から出てくるまで、ずうっと待ってたんだ。
その子も声にならない声で、応じてくる。
脚も噛むつもり?
ウン、お姉ちゃんも、いいよね?
ハイソックスは、かんべんしてっ。
とっさにあたしは、囁いていた。
母さん、あたしが吸血鬼に襲われているの、知らないんだ。
ほかの子はみんな、噛ませてもらってるみたいだよ。
見ると、さっきまで怯えていた珠樹がキャッキャッとはしゃぎながら。
白のハイソックスに包まれたすらりとしたふくらはぎを、相手の子に代わる代わる噛ませちゃっていた。
壁ぎわに追い詰められてべそをかいていたゆかも、みんなと同じようにその場に尻もちをついていて。
ひざ下ぴっちりに引き伸ばして履いているハイソックスに、真っ赤なあとをつけられていて。
脛の半ばまでずり落ちたもう片方も、ひざ下までぴっちりと引き伸ばしてやっていた。
わざわざ噛み破らせてあげるために。
大人しい紫織は革製の鞄を足許に置いて、足許にしゃがみ込んだ子が吸いやすいように、脚の向きをしきりに変えてやっていたし、
みんなを仕切っていた美代子までもが、「もぅ~」って口を尖らせながら。
白のハイソックスのたっぷりしたふくらはぎに、むぞうさな唇を這わされている。

ゴメン。それでもちょっと・・・こんど噛ませてあげるから。
とっさの言い逃れに、その子は「ふぅん」って、大人みたいに頷いて。
あたしの横顔を、さぐるように伺うと。
きみがそんなにいやなら、見逃してあげる。
親切にも、そういってくれた。
そう。
あたしはすまないような気になって。
おわびにもう少し、お姉ちゃんの血を吸わせてあげるからね。
そういうと、
初めて自分から、肩までかかる髪を掻き除けてやっていた。
制服も汚さないでおいてあげるからね。
あたしのことを見透かしたようにそういうと。
その子はあたしを道路のうえに抑えつけて、うえからのしかかってくるのだった。

家まで送るよ。
エ・・・?悪いわよ。
いいから、遠慮するなよ。
でも。。やっぱり遠慮する。
ほら、みんな送ってもらっているだろう?
暗くなるとこのあたり、物騒だからさ。
あなたたちがじゅうぶん、物騒じゃない・・・そういいかけて、言葉を呑み込むと。
いいからぁ。
その子は甘えるように、あたしの手を取った。
ほんとうは夜道が怖いくらいの年頃なのかも。
あたしはそう思って、彼とてをつないだ。
まるで仲の良い姉と弟がそうするように。
うちに着いたら、お茶ぐらいごちそうするからね。あっ、でも吸血鬼さんだったらお茶なんか飲まないよね?
お茶は大好きだよ。
その子ははじめて、白い歯を見せて。楽しそうに笑った。
いかにも子供らしい、無邪気な笑いにつり込まれて。
もう~。おイタなんだから。
あたしはお姉さんらしい貫禄を取り戻して、その子を見おろした。
ご招待するわ。あたしのうちに。

いちど招待された家には、いつでも出入りできるようになる。

そんなルール。無邪気だったあたしは、しるよしもなかった。

万事、つごうよくいったでしょ?
少年はきょうも、あたしの学校帰りを待ちうけていた。
きょうは放課後、母親面談があった帰り道。
母さんもいっしょよ。いいの?
ああ、もちろんさ。
彼ははにかんだ笑いを母さんにも向けて、それとわかるていどにさりげなく、スーツ姿の母の足許を盗み見た。
肌色のストッキングを穿いた脚を、ちょっとだけたじろがせて。
しょうがないわね。
母さんも微苦笑をしていた。
さいしょにあたしが、お手本を見せるように。
白のハイソックスを、ひざ小僧ぎりぎりまで引っ張り上げて。
ちゅうっ・・・
男の子の唇を、抱き取るように受けとめていた。
血を吸われるのは、怖くない。どちらかというと、愉しいしキモチいい。
ハイソックスを汚されるのも、嫌じゃない。彼が悦ぶんだもの。
母さんのまえで噛まれちゃうのも、恥ずかしくない。だって母さんも、仲間なんだもの。

あらー、すっかり仲良しじゃない。あなたたち。
母さん割りこんでも、かまわないかな?
献血ですから。
大人のような声で応える彼は、あたしの身体から吸い取った血を、まだ口許に光らせている。
母さんはハンカチで彼の口許を拭うと、
じゃ、よろしくね。
おろしたばかりの肌色のパンティストッキングを穿いたまま、気前よくつま先を差し伸べてあげていた。
くまなく唇で吸わせて、よだれだらけにされちゃって。
ビリビリと惜しげもなく噛み破らせてしまうと、母さんは言った。
美奈恵も卒業式には、黒のストッキング履くんだよね?愉しませてあげなさいよね。
さとすような口調の母に、あたしはプッと噴き出して。
それまで待たなきゃ、だめ―――?
わざと可愛らしく、小首を傾げて訊いている。
そうだ。あしたは彼のため、黒のストッキングを履いてきてあげよう。

気丈な母の献血行為 ~侵蝕される家庭 古屋家の場合~番外編

2011年08月27日(Sat) 08:05:59

父が、吸血鬼の小父さんと母との交際を認めてから、半月が経ちました。
表向きの日常生活は、なに一つ変わっていません。
父は教員として、朝早くから学校に出かけて行きますし、
母はそれよりも早く、いかにも営業管理職といった感じのキリッとしたスーツ姿でキビキビと立ち働いて、
登校時間ぎりぎりに家を飛び出していく僕の背中に、まるで男みたいな鋭い叱声を浴びせています。

ウィーク・デイには、公然としたお誘いはほとんどありません。
母の日常がそれほどまでに、多忙だからです。
たまによほど喉が渇いたときでしょうか。
勤め帰り、帰宅途中に待ち伏せを受けて。
少量の血液をねだられることがあるようですが、
母はふたつ返事でそれに応じているようです。
スーツのすそから脚を差し伸べて、
肌色のストッキングをためらいもなく、咬み破らせてくれるのだと、小父さんから聞かされたとき。
僕の股間がゾクリ・・・と昂りを滲ませたということは、厳格を持ってなる我が家では、とても口に出せたものではありません。
それでも、帰宅した母の足許につい目が行ってしまうのは、自然の習性でしょうか。
薄々のストッキングの破け具合をチラチラと盗み見ながら小父さんの喉の渇き具合を想像するのは、ちょっとした刺激です。
父とのてきぱきとしたやり取りや、僕へのいつもながらの叱声が頭上に降り注ぐのをやり過ごしながら、
吸血鬼に堕とされたストッキングを身に着けた足許を見つめていると。
なんだかとてもおかしな気分になってしまいます。
あの気丈な母は、一体どんなふうにして、小父さんの無作法な吸血のおねだりに応じているのでしょうか。
決して恥をかかせない。
そう父に約束した小父さんは、公園に連れ込んだ母をさらにその奥の暗がりに誘って、
木立の間から洩れる街灯に滲む白い脚に、夢中で唇をねぶりつけているのでしょう。

いわゆる“本番”は、もちろん週末です。
母は出勤のときと同じように、スーツ姿で。
ときには結婚式の招待客のような特別の装いで。
父に礼儀正しく、行って参りますと最敬礼をして、玄関を出ます。
ときには朝帰りになる母は、やや蒼ざめた顔をほころばせて。
ふつうの献血にしては、量が多いですからね。
そんなふうに父に、気丈に笑いかけているのです。
母の身になにが起きたのか、一人前の男なら―――僕を含めて―――だれでもそれと察するほどに。
出かけるときにはきちんとセットされていた髪は乱れて、
ブラウスはふしだらにはだけ、襟首には赤黒いシミがべっとりと滲んでいて。
齢不相応に丈の短いスカートのすそから覗く太ももには、あざやかに二つ並んだ咬み痕を、いやというほどくっきりとさせていて。
剥ぎ堕とされた肌色のストッキングは片方だけ、足首までふしだらに弛み落ちているのですから・・・

着衣を洗濯機に放り込んで、母がシャワーを浴びているあいだ。
父はなに喰わぬ顔でソファに腰を沈めて、いつものように新聞を眺めています。
その目が活字を追っていないのは、はた目にもようわかりますので。
いたたまれなくなった僕はしばしば、浴室に脚を忍ばせて、洗濯機の中身を確認するという、恥ずかしい行為に耽ってしまいます。
吊り紐の切れたブラジャー。
粘液でぐっしょりと濡れたショーツ。
毅然とした面もちで、背すじを伸ばして帰宅した母は、スカートの裏にこんなものを身に着けていたのか?
いつも厳しい母の秘密を覗くこのゾクゾクとした快感からは、しばらく逃れられそうにありません。
深緑のスカートをめくると、薄くて光る裏地には、まだ乾き切らない白い粘液がべっとりと、貼りついています。
いちどだけ。
脱衣所に顔をのぞかせた父は、僕と目が合うと決まり悪げにちょっとだけ視線をそらしたあと。
―――そんなもの、視るんじゃない。
そう囁いて、足早に立ち去って行きました。
そのくせ父は、僕が立ち去るのを見越して、脱衣所に忍び込んでいるのですが。
父さんずるいよ・・・とは、さすがに言い出しかねてしまうのでした。
気づかないふりをするのがマナーなのだと、小父さんに教わっているので。

妻を犯された男が、起こった出来事を問い質そうとするのを、とめだてできるものはいません。
もちろん夜までなんて待てないのが、人情というものなのでしょう。
僕が勉強部屋に引き取ると、浴室からあがった母は、父の手で夫婦の寝室に連れ去られます。
そうしやすいように、僕がわざと座を外していることを。
あの夫婦はきっと、感づいているはず。
そしてふたりが引きこもった寝室に、息子が足音を忍ばせて、ドアに耳をすりつけて聞き耳たてていることも。
―――だいじょうぶ。なにも、起きなかったから。
―――そんなことは、ないだろう・・・
―――服のこと?あのかたが婦人服に関心あるのは、あなたよくご存知でしょう?
―――しかし・・・
―――下着やスカート、御覧になったでしょ。
―――洋祐じゃないのか?
―――・・・・・・。
―――泣いていたよな?お前。
―――夫ではない男性から辱めを受けるのですから、泣くのがあなたへの礼儀でしょう?
―――・・・・・・。
ふたりはもう無言になって、あとはただベッドがきしむギシギシという音ばかり。
不覚にも廊下にほとばせてしまったものを拭き取ろうとしてティッシュを置いた僕は、
ドアの外の気配を感じ取ったらしい足音が近づいてくるのにギクリとして、足早にその場から離れます。
一時間後。
ふたたび足音を忍ばせた、夫婦の寝室。
飛び散らせてしまったほとびの上におおいかぶせたままにしてしまったティッシュ・ペーパーはどこにも見当たらず、
すべては母の手で、跡形もなく拭い去られているのでした。

目のまえで。 ~妻の立場。

2011年08月27日(Sat) 07:00:40

精いっぱいの抵抗にもかかわらず、あのひとの身体の男の部分は、
私のスカートの奥にまで、みるみる迫って来て。
身をよじって避けようとする腰回りから、緑のショーツをきれいさっぱり裂き取ってしまうと。
私はもう、どうすることもできなくなって。
赤のチェック柄のスカートを、腰に巻いたまま。
ずぶずぶと股間を、えぐられてしまったのです。

スカートの裏地を汚らしい粘液が濡らすのを感じて、侮辱をおぼえた私は。
真上から見下ろして来る男の頬を、力いっぱい張り飛ばしました。
気の強い奥さんだ。
男はむしろ嬉しげにせせら笑うと、張り手の返礼をたっぷりと。
すっかり敏感になってしまった女の秘奥に、ふたたび容赦なくまき散らしていったのです。

気に入りのスカートみたいだな。
これからは、このスカートを穿くときには。
俺のものになるんだぞ。
そうだ。それがいい。こんどからそういうことにしよう。
ご主人も、異存はないよね?

妻を犯されたなどという不名誉を、決して口外してはならない秘密として認識した私たちは。
男の言うなりになるしかありませんでした。
奥さんのあで姿に・・・ほら、ご主人も昂奮してる―――
男の言い草に、思わずふり返ってしまった私・・・
わたしの上におおいかぶさった男が放出していったあの忌まわしい粘液とおなじ色に、自分のパンツを染めていたのです。
さあ、もう少しだけ、愉しもう―――
せせら笑いを浮かべていた唇が、一瞬しんけんにとざされて。
そして私の唇を呑み込むように、ゆっくりとした愛撫をくわえてくるのに。
そう・・・私も自分から。
応えはじめていったのです。

お互い分かり合うのに、いちばん手っ取り早いのは。奥さんを共有することなのさ。
ぬけぬけとした言い草に、夫婦ながら頷いてしまったあのとき。
都会育ちの私たちは、この土地の風習に染まることになったのです。
人間と同居している吸血鬼に血を吸わせ、ときには凌辱さえ受け容れるという、妖しい風習に。

それ以来。
私は好んで、赤のチェック柄のスカートを穿くようになりました。
もともと気に入りのスカートだったのですが。
特別な意味に染められたスカートを腰に巻くと、主人はいつもひそかに息を呑んで。
そしてなにごともなかったかのように、私を送り出してくれるようになったのです。

ふがいないひと―――
もちろん、そういう想いもなかったとはいえません。
けれどもむしろ、そのころのわたしは、彼との刺激的な逢瀬に夢中になってしまっていて。
夫のそうした態度を、むしろほっとして受けとめていたのです。
あなた、ごめんなさいね。ちょっとだけ、浮気してくるね。
赤いチェック柄のスカートの裏に、白っぽいシミが増えちゃうけれど。
だれにも視られないところだから、かまわないよね・・・

目のまえで。

2011年08月27日(Sat) 06:47:26

赤いチェックのしま模様のスカートを穿いたまま。
妻はたたみのうえに、組み敷かれて。
裂かれたブラウスのすき間から、おっぱいをちらちらさせながら、
吸血鬼にうなじを噛まれていった。
三十分ものながいあいだ、たっぷり吸血された妻は、
ぐったりとなって、夢見心地になって、とうとう声まで洩らしながら。
スカートのすそを、乱していった。
卑猥な指にずらされひき剥がされていった肌色のストッキングが、
ふしだらにずり落ちたままの脛が。
悩ましく抜き足差し脚をくり返しながら。
男の色に、染まっていった。

わたしはパンツ一枚に剥かれた身体を、ぐるぐる巻きに結わえられて。
部屋の隅っこに転がされて、
ふたりの熱々なシーンを、とっくりと見物させられるという羽目になって。
しまいには、失禁の痕をパンツにあらわにさせながら、
ふたりの恋路を、祝ってしまった。

お互い分かり合うのに、いちばん手っ取り早いのは・・・
奥さんを共有することなのさ。
うそぶく男に、妻もわたしも。
思わず頷き返していて、それからさりげなく、目をそむけあっていた。

認めたくない、認めてはならない行為。
けれどもきっと、歓びに染まりながら、くり返してしまうであろう過ちに。
わたしはただ、ぼう然となって。
いまやおおっぴらにむさぼり合いはじめた女と男の半裸の姿に、
ただただはしたない射精を、くり返していた。

あなた・・・まだまだ現役ね。
ほっそりとした指で、わたしの一物を弄びながら。
薄っすらと紅を刷いた唇に、ためらいなく含んでいく。
そんなことは、いまだかつてしたことがなかったはずなのに。
まるで娼婦のように、手慣れたようすで。
舐める部位さえ心得きった舌が、わたしをみるみる、絶頂へと導いた。
はい、仲直り。
なんという安直な、和解だろうか?

それ以来妻は、週に幾晩となくひっそりと。
よそ行きの服に装って、夜の街へと出かけてゆく。
素直に送り出し、ときにはあとを尾(つ)けてゆくわたしのことを。
中学生になった娘は、いぶかしそうにしていたけれど。
やがて、妻に連れられて、どこかについていって。
半べそを掻き掻き、戻って来てからは。
いってらっしゃい。
小手をかざして、わたしを送り出すようになっていた。
留守宅にはきっと、べつの吸血鬼が。
娘めあてに訪れているに違いない。

ふたつのパターンについて。

2011年08月27日(Sat) 06:36:06

もしも。
あなたの奥さんが、夫であるあなたの公認もしくは黙認のもと、
吸血鬼相手の慈善行為に熱中しているとして。
どちらのパターンに萌えますか?

パターン・その1
週末奥さんは、人知れずどこかに出かけて行って。
吸血鬼がおおぜい集う、その部屋で。
だれかれ構わず、相手をする。
相手は不特定多数。
そのなかで。
劣情を発散する対象として、朝までもてあそばれて。
明け方乱れ髪をなびかせながら、帰宅をする。

パターン・その2
奥さんはある特定の吸血鬼の、専属になって。
夫であるあなたのことを横目で見ながら、携帯メールでデートの約束を交わし合って。
相手の吸血鬼は、あなたとも面識があって。場合によっては日常の交流もあって。
それでいながら、奥さんを呼びだすときは。
ただの奴隷として、もてあそぶ。
奥さんは彼好みに装った衣装をさりげなく着崩れさせながら、
夕飯の支度に間に合う刻限に帰宅。

夫たちのたぶん6~7割は、奥さんに特定の彼氏ができるほうに嫉妬すると思うんです。
けれども、おおぜいのまえでよりどりみどりで、通行人BとかCみたいな感じで、
女でさえあればだれでもいいってノリで血を吸われたり姦られちゃったり・・・っていうのも、
なかなかワルくないように思うんですが。
いかがでしょうか?ご同輩。^^

涼しくなりましたね。

2011年08月23日(Tue) 05:31:29

ここ数日で、きゅうに涼しくなりました。^^
まだまだ揺り戻しはあるのでしょうけれど、とにかく涼しいのは落ち着きますね。
ご婦人がたの足許も、いっきょにたたずまいが変わりました。
気の早い向きは、すでにタイツに。
レギンスやトレンカというアイテムにあまり萌えは感じないのですが、
こういう気候ですときっと、つごうがよいのでしょうね。よく見かけます。

なによりもよろしいのは、ストッキングやハイソックス、オーバーニーソックスの着用率が増えたこと。
そういえば先日電車に乗っていましたら、四十くらいの女性かな?自分の母親らしい白髪のご婦人とごいっしょだったのですが。
グリーン系の比較的落ち着いたカーディガンに黒のスカート。
足許はなんと、黒のオーバーニー。
年代を考えるとミスマッチなのかもしれませんけど、とてもよくお似合いでした。^^
お話に登場させたいくらい。^^

ともあれいよいよ、愉しみな秋はもうすぐそこまで。^^
気候が落ち着くのを、すこし気長に待ちましょう。

きみがほかの男に抱かれる夜。

2011年08月22日(Mon) 16:59:59

本ブログ史上初!
あの、「夢のひと雫」のまりあさんが、柏木との合作に応じて下さいました!
構想は、お昼前。あっぷは、夕刻前。
妖しい網の絆から生まれた妖しいおとぎ話。どうぞお楽しみくださいませ。


(柏木)
夕べおそくに、戻って来ました。
何処へ行ってたの?って?^^
吸血鬼の里を、訪問してきたのですよ。
妻と母とを、伴って。
そうしてふたりが奴隷に堕とされるところを、とっくりと見物させられたのですよ。
もちろん・・・ただの男として、たんのうしてしまいました。
こんどは愛人を連れてこい。そう言われているのです。
貞操堅固な柏木としては、さしあたっての心当たりはまりあさんおひとり。
こんどの週末など、ごいっしょにいかがでしょうか?^^

(まりあ)
こんな風にお誘いされると、危険だとわかっていながら、頷いてしまうかも。

そうね・・・あなたへの愛の証だもの。
行こうかしら。
だけど・・・もし、もしもよ。
わたしが断ったとしたら・・・・他の人を誘っちゃうんでしょ?
本当にわたしだけ?
わたしだけしか、そういうところに連れて行きたくないって、
本当よね? 絶対よ?
どんなことされちゃうの?
怖くない? 痛くされない?
大丈夫?
ね、あなたはどこにいるの?
側にいてくれるの?
わたしの見えるところ? それとも・・・見えないところからこっそり覗くの?
あぁ、わたしが襲われているところを見たら・・・
あなた、うれしいの?
本当に?

なんて・・・・逡巡して、興奮して、そしてまた迷って・・・・
押し倒されて、愛撫されながら・・・
君がこんな風に他の男にされて乱れるところを見ると
僕はたまらなくなるんだよ・・・・
耳元で囁かれたら
それまでの戸惑いもどこへやら・・・・いいわ、わかったわ、わたし行くわ・・・

(柏木)
戸惑いながら。訝りながら。
肩までかかる長い髪を、喘ぎに揺らして。
きみは「うん」って、頷いてしまった。
きみ以外に・・・いったいだれを誘え、というのかね?
いけないことと、知りながら。
最愛の女(ひと)を、魔手にゆだねる歓びに。
ぼくの胸はさっきから、
ズキズキズキズキと、疼いている。
素撮られ味わわれて、のこり少なくなった血潮が、ドクドクと。
ひからびかけた血管を、それは狂おしく駆けめぐる。

きみが逡巡して、後ろを振り向くと。
きみはかぎりなく、遠くに行ってしまいそう。
そうしてもういちど、きみがぼくのことを振り仰ぐと。
きみはいっそう、心の奥底にくい入って来る。
あの柔らかい肌に、あの鋭利な牙をむごたらしく刺し込まれて。
きみはきっと、白目をむいて、卒倒して。
ひっそり覗く、ぼくの視線を自覚しながら。
淑女として気丈に応対しようと、けんめいに振る舞って。
それでも理性を突き崩されて、淪落の淵に、堕ちてゆく。

狂おしく悶える腕、
せわしなく上下する、豊かな胸の起伏、
咬み剥がれたストッキングをまだまといながら、ふしだらな裂け目に彩られてゆく脚・・・
そのいずれもが、遠目にするからこそ目にすることができる、妖しい美―――
きみ自身がわきまえていないであろう、フェロモンを。
欲情に飢えたやからのまえ、不用意にまき散らしながら。
せぃせぃと熱した呻きは、あたかも誘蛾灯のように、やつらを惹き寄せて。
やめて・・・やめて・・・と、言葉だけは理性を喪うまいとするきみを。
彼らの逞しい腰が、順ぐりに。
踏みにじり辱め抜いてゆく。
そんな恥辱の場を、ぼくはきっと、昂りにむせびながら、感じてしまうのだろう・・・

もっと・・・もっと・・・
いやぁん。あのひとのまえでなんて・・・っ
はじける声は、意図された挑発的なもの。
きみはほかのものに辱められながら、それでもぼくを悦ばせることを忘れようとしないでくれるはず―――
きみを抱いて、愉しみ合うのも。
だれかに抱かれて愉しむきみに、昂るのも。
等しくきみを、愛することだと。
きみはわかってくれているのだから。


あとがき
真ん中の(まりあ)の部分。
冒頭に描きましたとおり、このお話のモデルになっていただいたまりあさんご自身の、肉声なのです。^^
ひょんなことからはからずも実現した、妖しいコラボレーション。
でもやっぱりこの部分が、白眉ですね♪
このお話がどんなふうに生まれたかは、ナ・イ・ショ♪(*^^)v♪

お勤めがおわったら、デパートでオーバーニーソックスを買って・・・

2011年08月22日(Mon) 13:10:15

お勤めが、おわったら。
久しぶりに、デパートに行って。ストッキング売場に立ち寄って。
若くてキャピキャピな女の子みたいに、オーバーニーソックスを手に取って。
黒無地にしようか?それとも柄ものがいいかな?
このごろは、グレーのリブタイプの子も多いよね。って。
ためつすがめつ、品定めをして。
二足も三足も、買い込んで。
丈の短いスーツの下、ストッキングを脱ぎ捨てて。
人目につかないあの場所で。
封を切ったばかりのやつを、ググ・・・ッとめいっぱい、引きあげる。
しなやかなナイロン生地が、ひざ小僧のうえまでぴったりときて。
ほどよく締めつけてくる、この密着感がなんともいえず、
ショルダーバッグを手に提げて、夜道に靴音を響かせる。
なんだか・・・若い女の子になったみたい♪

行く先は、あの公園―――
夜になると妖しい霧が立ち込めるといわれた、あの場所で。
かつて、自分の血を狙う男と、仲良くなって。
しばしばおっかない鬼ごっこを、愉しんだ場所。
ああ・・・今夜も肌が疼いてくる。
柔肌の奥に脈打つ血潮が、吸われたい・・・と、叫んでいる。

煌々と照る街灯に、スポットライトのように照らし出された芝生のうえ。
あたしはまるでスターみたいに、身体をくねらせポーズをとって。
耳の奥にだけ響き渡る妖しい調べに合わせ、ステップを踏む。
ひとりきりのダンスに、黒い影がまつわりついてくるのに。
さほどの刻は、かからなかった―――

きゃっ。エッチ!買ったばかりなのよっ。
闇にはじける、非難の声など。
かえってあのひとを、そそるだけ。
そうわかっていても、つい声を立てちゃう。叫んじゃう。ひっぱたいちゃう。
けれどもあのひとは、ぜんぜんめげないで。
あたしのことを、雑木林の隅っこに追い詰めて。
あたしだちだけのためのベンチに、無理矢理腰を下ろさせて。
なでる。なぞる。なめる。
ありとあらゆる痴態を、尽くしてしまう。

ああ・・・してちょうだい。もっと・・・して。
いつかあられもなく、はしたない呟きを洩らすあたしの唇を。
今夜もあの忌まわしい唇が、ねっとりと熱く、ふさぎにかかる。

若くてかわいらしい、まりあくんへ。

2011年08月22日(Mon) 09:34:11

若くてかわいらしい、まりあくん。
ちょっとだけ、その長めのスカートのすそをたくし上げて。
きみの太ももを、さらけ出してごらん。
そうして、きみの携帯でぱちりと撮って。この柏木に、写メしてごらん。
ピーンと低く鳴る、着信音が。
このわたしを、ドキドキさせるように。

若くてかわいらしい、まりあくん。
きみの太ももはやっぱり、ピチピチはずんで、輝いているのだね。
その生気。その色香。
すっかりクラクラさせられちまったよ。^^
こんどはその携帯を、スカートの奥に突っ込んで。
周りに聞かれないように、カメラのシャッター音を忍ばせてごらん。
スカートのなかの、暗がりでも。
ショッピングピンクのパンティが、綺麗に映るようにして。

若くてかわいらしい、まりあくん。
こんどはトイレの個室に入って、そのショッキングピンクのパンティを、おひざまで下げてみてごらん。
そうして、おひざにまつわるパンティを、携帯でパチリと撮ってごらん。
うーん、しわくちゃになった女の下着って、どうしてこうも悩ましいのだろう?
え?カメラの音が怖いって?まだまだ修行が足りないね。
シャッター音の主を知ろうとして、ひとが聞き耳たてるのが。
横顔にくすぐったく思えるようになったなら、きみもどうにか一人前だな。

若くてかわいらしい、まりあくん。
オフィスの真ん中ちかくにある、きみの席に座ったまま。
肌色のストッキングの足許に、手をやって、薄々の生地を、指でつまんで。
聞えよがしに、ピリリと破ってごらん。
ほら、だれもが視ないふり聞こえないふりを、決め込むのだろう?
そのくせきみの足許から、ねっちりとした目線を、決してはずそうとはしないのだろう?
周りの視線を一身に集めたきみは、もっといい気になってかまわないのだよ。


若くてかわいらしい、まりあくん。
ストッキングに、悩ましい裂け目を走らせたなら。
そのまま脚を、デスクにあげてごらん。
ああもちろん、てかてか光るハイヒールの、土足のままさ。
さすがに周りの連中も、しずかに息を呑むのだろう。
けれどもきみは、知らん顔を決め込んで。
社内メールの画面の裏に隠した、本命のはずの”裏番組”を、さらけ出して読むがいい。
「妖艶なる吸血」―――
きみの隠した画面のいちばん上には、きっとそう書かれてあるのだね?^^

若い女が、実家に頻繁にかえるとき。

2011年08月22日(Mon) 09:16:25

先週は、実家に帰っていたんです。
どうもメールの返事が遅い。そうおもっていたまりあからの応えは、そんな感じだった。
けれども俺は、首をかしげていた。
先週だけではない。
先々週も。そのまえも。
まりあは実家に、かえっている。

親戚のあつまりが、あるんです。
結婚した弟が家に戻って来て、久しぶりに一家がそろうので。
理由はそのときそのときで、いかにもそれらしくならんでいる。
けれども―――
ほかの眷族どもを交えた”まりあの宴”は、おかげでここ一カ月ほども、お預けになっているのだった。

週末帰宅したOLを、スーツ姿のまま自室の床にまろばせて。
怯える目のまえで、だれがさいしょにまりあをいただくか、くじまで引くのを見せつけて。
それから決められた順番どおり、ひとりひとり―――
代わる代わるに、凌辱に耽る夜。
俺はいつもまりあの脚を抑えつけながら。
勤め帰りのストッキングもろとも、まりあのふくらはぎに熱いキスを重ねてゆく。
順番待ちをしているときでさえ、まりあの肉体を愉しみながら。
おまえ、いちばん得しているな。
悪友どもにそう冷やかされても、俺は肩をそびやかして受け流すだけ。
さいしょに襲われたときには、五足でなん百円の安物だったまりあのストッキングは、
このごろすっかり、俺好みの、淡い光沢をツヤツヤ輝かせた高価なものにすり替わっている。

今週も、ご実家ですか・・・?
そんなメールに。まりあの返事はおうむ返しだった。
今週実家にお招きするのは、貴男の眷族さんばかりなの。
貴男は独りで、あたしのところに、来て―――
彼女の里帰りは、そのための準備だったのか?

家族の生き血で、ほかの連中を遠ざけてまで。
ふたりきりの時間を作ってくれた、まりあ。
週明けにはきっと、またメールが届くのだろう。

実家にはお客さまがおおぜいいらしているので、わたしは自室で独りです。
早く・・・いらして・・・

少年たちの献血行為

2011年08月22日(Mon) 08:56:28

人通りのない路地の、向こうから。
自分とおなじ制服姿の少年が、歩いてくる。
濃紺のブレザーに、白のワイシャツ。
ブレザーとおなじ色の半ズボンの下、足許は濃紺のハイソックスにぴったりとくるまれている。
同級生のミチヤだった。
顔いろがいつになく蒼ざめていて、
歩いてきた方角から、ミチヤの身になにが起きたのか、かんたんに想像がついた。
ご奉仕かい?
ああ―――
ミチヤはあいまいに、うなづいた。
都会育ちのミチヤはきっと、いま自分の身に起きていることを、まだ家族にも打ち明けていないのだろう。
吸血鬼の邸に招ばれて、献血行為をしているなんて―――

だいぶ、吸われちゃったみたいだな。
ああ・・・顔いろ、すこしはもとにもどったかな。
そういうミチヤの唇はかさかさに乾いていて、頬にもいつもの生気はみられなかった。
ついさっきまで、あの邸で寝んでいたんだぜ。二時間くらいになるかな。
そうだろう。
おなじやつがさっき、部活を終えての帰り道に立ち現われて。
良太の制服を、草切れだらけにしていったのだ。
あれ?おまえもやられたの?
級友のようすにいまごろ気がついて、ミチヤは照れたように笑った。
共犯者の笑みだった。
良太の履いているハイソックスは、片方だけが半ばずり落ちて、ふたつ並んだ咬み痕をさらけ出していたし、
もう片方はひざ下までことさらぴっちりと引き伸ばされて、履いたままふくらはぎを咬まれていた。
厚手のハイソックスにふたつ並んだ破れ目から、白い膚をありありと覗かせている。
強欲なやつだよ。おまえの血だけじゃ、足りなかったのかな。
喉渇いているんだ。このごろ女の子襲ってないらしいからね。
フフ・・・
あいつらしい言い草だな・・・
たるんだハイソックスをむぞうさに引っ張りあげながら、
良太は横っ面で、同級生の問いに遅い応えを返していた。
顔いろ、たぶんばれないと思うぜ。

毎日なんだろ、最近。
良太の問いをミチヤは否定しなかった。
なんか、気に入られちゃったみたいでさ・・・
顔をちょっと俯けながら呟くミチヤの横顔に、得意げな笑みがよぎるのを、良太は見逃さなかった。
善意の青年として、誇りを持って献血行為に協力している・・・ってわけだな?
いつもあいつが良太に言い聞かせている偽善的な言い草が、そらぞらしく口を突いて出た。
そんなきれいごとじゃないだろ?お互い。
色を喪ったミチヤの唇は、まるでしぜんに動いているようだった。
キモチ・・・いいんだろ?
ああ・・・。
返事を聞かれたくないのか、ミチヤの声がいっそう低くなった。
やみつきになっちゃうからな。あいつに襲われるのは。
邸に招いたミチヤの血を吸ったあと、良太を襲って貧血にしたやつは、
いまごろどこの街かどで、献血協力者を募っているのだろう?

でも、羨ましいな。きみ、ハイソックス履いたまま、咬んでもらっているんだろう?
ああ―――うちは家族全員、だれかしらに血を吸われちゃっているからな。
お袋は親父の紹介で、親父と意気投合したという吸血鬼とつきあうようになっていて。
服が血で汚れちゃったから帰れないと電話を寄こした妻のため、
親父は替えを逢引きの現場に車で持ち届けてやっているありさまだし。
妹のまゆみを初めて邸に連れ出したのは、ほかならぬ彼自身だった。
うちはまだ、引っ越してきたばかりだからな。母さんにもそんな話できないよ。

ハイソックス咬み破らせてやりたくても、洗濯するときばれちゃうからな。
あいつにも無理はするなって、いわれてるけど。
ああ、無理をすることはないさ。
そのうちうちといっしょになるだろうから・・・
言いかけた言葉をさすがに、良太は呑み込んでいた。
女の子みたいにすらりとしたミチヤの脚には、濃紺のハイソックスがよく似合っている。
あの真新しくてしなやかなナイロン生地の裏側に、きっと赤黒い咬み痕をいくつも、秘めているのだろう。
あいつに・・・頼んでみて、いいかな?
不意に投げられた良太の問いに、訝しそうにミチヤが振り向く。
きみのママが、ハイソックスに穴ぼこがあくことに文句を言わなくなったら、
真っ先に俺に破らせてくれないか?ってね。
いいよ。
案外あっさりと、ミチヤがこたえた。
あんなに血を吸われているのにきみの顔いろがそんなに悪くない理由(わけ)が、やっとわかったかな。

数カ月後―――
公園のベンチの傍らに立ったまま、ミチヤはひざをベンチに乗せて、
濃紺のハイソックスの脛を、ベンチの上に流していた。
リブをツヤツヤと輝かせた真新しいハイソックスのふくらはぎに、同級生の飢えた唇がぴったりと這わされてゆく。
汚いな~。おまえよだれ垂らしてるだろ。
獲物になってくれた親友に冷やかされながら、良太はわざと、あぶくの混じったよだれを、ミチヤのハイソックスになすりつけている。

良太の妹と付き合うようになったミチヤは、彼女を吸血鬼の邸に送り迎えするようになっていた。
兄として妹の処女喪失の儀式に立ち会うという義務から解放された良太は、
未来の花嫁を吸血鬼に冒される予感に、嬉しげにおののく悪友を、眩しげな顔つきでからかうようになっていた。
もちろんかれ自身、都会出のミチヤに負けているわけにはいかなかった。
先月結納を済ませたひとつ学年が下の道枝のことを、お邸に伴って。
怯えて戸惑う婚約者をなだめすかして、初めての歓びに目覚めさせてやったのが先週のことだった。
良太の“お手本”をきかされたミチヤも、その目的のために、週末妹を連れていくことになっている。
お前の母さん、よく息子の嫁が冒されるのに同意したよな。
ミチヤのハイソックスにべろを這わせながら、良太がいった。
ママ、このごろはお手本を見せてくれるようになったからね。
息子が仲良くしているという吸血鬼を紹介されたミチヤのママは、
その場で気前よく?履いているストッキングを咬み破らせてしまったという。
ほんとうは、レ○プどうぜんだったに違いない初体験を言いくるめてしまうほどに、ミチヤはここの人間になり切ってしまっていた。
自分の足許にとりついて、制服の一部を辱めつづける悪友を相手に、さっきから片足ずつベンチに乗せて、かわるがわる愉しませていたミチヤが、悩ましい声を洩らした。
そろそろ、咬んで―――
笑みを含んだ唇がねっとりと、真新しいナイロン生地に吸いつけられて。
唇の両端から覗いた牙が、ずぶずぶと刺し込まれていく。
飛び散る紅い飛沫に、血を吸う少年はくすぐったそうに頬を弛めて、
いくつも噛み痕をつけられていびつにねじれてゆくハイソックスの足許に、咬まれる少年も頬を染めていた。


あとがき
長いだけのヘンなお話が、またひとつ・・・(-_-;)
献血に耽る少年たちが、崇高な?意思からではなくて性的衝動からそうしているというあたりと、
慣れた少年が初心な少年のハイソックスを初めて咬み破らせてもらう許可をもらうくだりとは、
描く前から考えていたんですけどねぇ。(^^ゞ

オフィス・プレイ

2011年08月19日(Fri) 07:38:29

ここは、オフィスの一室―――
だれもいない広いオフィスのなか、事務員の制服姿の女がひとり、黒い影に組み敷かれている。
こちらから見えるのは、淡いピンクのタイトスカート。
てかてか光る、黒のハイヒール。
そして、淡い光沢をよぎらせる肌色のストッキングに包まれた、しなやかな脚―――

組み敷いた男がふと、唇を放して、組み敷いた女を見おろした。
白のブラウスがバラ色のほとびに、チラチラと濡れていた。
ふふ・・・っ。
笑ったのは、おんなのほうだった。

お盆休みで、帰っちゃったと思っていたんでしょ。
薄い唇にさしたショッキングピンクの唇を。
女の血に濡れた唇が、ぴったりとふさいでいく。

生意気言わせたくないからって、そんな手は、ダメよ。
女はなおも、笑みを絶やさない。
男はなんどもなんども、女の首すじに唇を這わせて、
そのたびに。
くいっ・・・くいっ・・・と、喉を鳴らせて。
男が喉を鳴らせるたびに、女は、きゃっ、きゃっ、と、小娘みたいにはしゃいだ声をはじけさせる。

あ・・・
目先を変えて、足許に唇を忍ばせる男に、
あ、ダメッ!
女はタイトスカートのすそを、抑えようとしたけれど。
いちはやく、女のスカートをたくし上げてしまった男は。
てかてか光るナイロンの淡い被膜のうえから、
そのまま唇を、押しあててしまっていた。

いい舌触りだね、まりあ―――
はじめて口にした女の名を、男はいとおしげになんどもくり返しながら。
まりあ・・・まりあ・・・
そう、くり返しながら―――
もうっ、いやっ、ストッキング破けちゃうじゃないっ。
女がなかば本気で、なかばはしゃぎながら、脚をくねらせて避けようとするのを、
追いかけっこでもするように、唇で追いかけてゆく。

一日早く帰って来たのはね。
あなたと、オフィス・プレイを愉しみたかったからなのよ。

あしたは事務的なとげとげしい声と、そっけない雑踏に包まれるであろうオフィス。
おなじ場所にただよう静謐に、身を任せて。
女と男はいつまでも、
襲われるオフィス・レディと襲う吸血鬼とを、演じつづけていた。

女の名は、まりあ―――
神出鬼没にあらわれて、男の渇いたはしたない欲求に、惜しげもなく応えてゆく。


あとがき
ちょっと、触発されるものがありまして。
ひさびさ登場の! まりあでした。^^

丈の違う長靴下 ~白い皮膚たちの妖しい愉しみ~

2011年08月19日(Fri) 07:13:26

ああ・・・これだから田舎はたいくつなんだ。
17歳のジャック・ライアンはさもつまらなそうに、けれどもうわべだけはかしこまって、
目のまえでくり広げられる大時代的な講釈に、うんざりしながらつきあっていた。
弟のマシュー・ライアンは母親譲りの青い目を輝かせて聞き入っているのだが。
どう考えたって、こんなのインチキ話しに違いなかった。
いわく、きみたちの母方の実家であるこのリッチフィールド家は、代々つづく侯爵の家柄で、
畏友であったガレン伯爵が東方の地で病を得、人の生き血を欲する身になった時、わが身を捨てて血液を施して親友の苦境を救ったそうな。
以来、ガレン伯爵に対する献血行為は、侯爵の夫人や令息令嬢をも巻き込んでうけ継がれ、母上の代にまで及んでいる。
その家系に属する少年はだれもがこの崇高なる献血行為をいちどは体験し、良質の血をめでられた一部のものは、みずからも嗜血行為に耽ることもある。
最も若年で半吸血鬼化した少年は、ギルバート・リッチフィールド14歳。
そのつぎに若くして半吸血鬼となったエレーヌ・リッチフィールドは、少女として育てられたが、やがて血の本能に目ざめ、自ら叔父に抱かれていった・・・

都会の教育を受けてきた17歳のジャック・ライアンにとって、すべてはファンタジー以下の絵空事だった。
たしかにきのう初めて見せられた先祖の記録なるものに、そういう名前があったようには憶えているが。
一足先に里帰りしていた母は、いまごろ邸で昼餉の用意をしているころだろうか。
遠目に見たリッチフィールド邸は、城館のように壮麗だったけど。
明るくてあけっぴろげなママには、なんだか似合わないな。
それがジャックの正直な感想だった。
あと約二時間後、古めかしい邸で彼を迎える母はきっと、いうだろう。
―――面白かった?田舎先生のおおげさっぽいほら話。

いかにももったいぶって講釈をぶっている丸ぶち眼鏡の田舎教師は、
18世紀の貴族でもあるまいに、胸元に女みたいなフリルつきのブラウスを着込んでいて、半ズボンの下には、白タイツ。
ごつごつとした男の脛でも、毛脛さえみせなければ男だか女だかわからないや。
ジャックはぼんやりと、そんな感想を抱いていた。

濃紺のジャケットに、おなじ色の半ズボンにカーディガン。
カーディガンの襟首からは、真っ白なシャツの襟が鮮やかに覗き、
半ズボンの下から覗く太ももは、透きとおるように白い。
ぴかぴかの黒の革靴の足首からひざ小僧までは、兄弟まるでおそろいのように、濃紺の長靴下が脛を蔽っている。
主調色の紺色は、都会の学校のイメージカラーだった。
まだ少年の気配を漂わせるジャックの弟、マシュー・ライアン13歳は、ひざ上までの長靴下の脚を誇らしげにピンと伸ばして、兄とならんでさっそうとした足取りを進めてくる。
純粋な白人の血が流れる皮膚は透きとおるほど白く、深みを秘めた青い瞳と、それに彫りの深い秀でた目鼻だちは母親譲りのものだった。
兄の長靴下は、ひざ下まで。
弟のそれは、ひざ小僧の上まで引っ張りあげられていて。
上背の豊かな兄と背丈の差はあったけれど、遠目には長靴下の丈だけはおなじに映った。

ふと気になったのは。
恭しく後に続く母の実家の執事はともかく、そのはるか後ろから人影がひとつ、さっきからずうっと兄弟のあとをつけてくる。
稚ない弟は見慣れぬ風景に夢中になって、ひざ上丈の長靴下の脛を無防備にさらして歩みを進めているけれど。
さっきの田舎教師の話では、リッチフィールド家の家系の少年は誰もが皆、吸血鬼に襲われるときには長靴下を履いていた・・・というのだった。
まさか・・・ねぇ。
やがて人影の正体が分かりかけると、少年はさっき抱いた警戒感をあっけなく放棄した。
距離を詰めてきた人影はずんぐりとしていて、足許だけは妙にほっそりとしている。
―――さっきの田舎教師じゃないか。
きっと、帰る方向が同じなのだろう。
少年は先を急ぐより、むしろあのもったいぶった田舎教師をからかってやろうと思った。

兄さん、どうしたの?先行くよっ。
母に会いたい一心で足を速めていたマシューのほうへ手を振ると、
先に行ってて。ボクはあの先生に話があるから。
ジャックはそういってきびすを返し、逆戻りをした。
にーさーん。
声だけは後ろを振り向きながら、弟は意外に速い足取りで視界から遠のいていった。

ねぇ、先生。話があるんだけど。
おや、なにかな?
先生のさっきの話、あれぜんぶ嘘だろう?
ほう・・・
自分の演説を真っ向から否定されて、けれども田舎教師は動ずる風もなく、ほくほくと人の好さげな笑みを泛かべるばかり。
それはそうだろう。年端もいかぬ少年の言い草にいちいち腹を立てるほど、彼は小人物ではなかったのだから。
そうじゃない証拠を、お目にかけようか?
動ずる風もなく返された言葉に、ジャックは怪訝そうに男の顔を見あげた。
田舎教師の福々しい横顔に昏い翳をよぎったのを、目ざとい少年は見逃さなかった。
もしかして小父さんが・・・ガレン伯爵?
田舎教師のどんぐり眼が急に鋭さを帯び、つぎの瞬間かれは飛びかかってきた。

連れ込まれた納屋のなか。
めくら滅法にじたばたと暴れる濃紺のハイソックスの脚に蹴飛ばされて、わらがそこらじゅうに舞い散ってゆく。
あっ!何するんだ!?やめろっ!!
ジャックは叫び声をあげながら、だれかが聞き咎めて駈けつけてくれることにわずかな期待をかけた。
それくらい田舎教師の猿臂に込められた力は剛(つよ)く、スポーツに鍛えられたはずのジャックの両肩を抑えつけていて、
分厚い唇の両端から剥き出された鋭利な牙は、白い首筋にじりじりと近寄せられてくる。
目のまえに迫らされた牙がひどく黄ばんで不潔に思えたのと。
皮膚をチクリと突き刺されたとき、かすかに痺れるような快感が走ったのと。
それだけを、記憶している―――
数分後。
両手を力なくだらりと伸ばしたジャック・ライアンは、白いシャツの襟首を赤黒く染めながら、
かれに蔽いかぶさってゴクゴクと喉を鳴らす獣を相手に、その好むままにうら若い血潮で喉の渇きを飽かしめていた。

リッチフィールド邸から洩れる団らんの灯りが、遠くここまでも望見できた。
風とおしのよくない納屋の空気は澱んでいて、一歩外に出ると清々しい夜風と遠目に見える邸の灯りとが、ジャック・ライアンの心を和ませた。
それはある種不思議な和みだったのだが、きょうはじめて血を吸われたばかりの彼は、まだそのことに気づいていない。
晩御飯に呼ばれているのだろう?そろそろ行かないと怪しまれないかね?
背後から声をかけてきたのは、昼間に呼びとめたあの田舎教師―――いや、ガレン伯爵だった。
昼間の福々しい顔とは裏腹に、夜目に映る彼の面貌はひどく蒼白く、怜悧に尖っている。
ああ、まったくだよ。怪しまれるったら。
少年は吐き捨てるようにそういうと、声もなくにじり寄って来た吸血鬼のまえ、紺の長靴下の脚を差し出していた。
革靴の足許に手を巻きつけて、男は愛撫するように、むき出しになった少年の太ももを唇でなぞり、舌を這わせる。
ちぇっ、いやらしい。
堕ちた少年は露骨に舌打ちをしながらも、伯爵の痴態ともいえる仕打ちに、脚の向きをかえて応じていった。
気品を感じさせる紺の長靴下にくまなく唾液が染み透るまで、伯爵がその行為をやめないと知っているからである。
噛むんだろ?ほら、ちょっと手をどけなよ。
ジャックはずり落ちてきた長靴下をひざ小僧のすぐ下まで引きあげると、そのままうつ伏せになっていく。
お昼に巻き散らしたわら束は、この妖しい逢瀬の褥に変わっていた。
ジャックの脚は、咬みごたえがいいね。
田舎教師のからかいにめげずに少年は、
そうだろう?都会育ちだから、その辺の子とは出来がちがうんだ。
リッチフィールドの血だな。
伯爵はそうやりかえした。
ちゅ、ちゅう~っ。
人をくったような、あけっぴろげな音をたてて。
少年の生き血が、吸い取られてゆく。
かすかになってきた視界の彼方。
邸の灯りが薄ぼんやりとなってきた。
お行き。そして、もっと新鮮な血をわしに分けてくれ。
男の言いざまにこくりと頷くと、ジャックは言った。
マシューの長靴下を、ボクに履けって言うんだろう?
丈の長い靴下を噛み破りたがる変態な吸血鬼や、やっぱり長い靴下をやたらと好む弟と違って、ジャックはそういう趣味はまるでなかったけれど。
いまはその趣味に付き合ってやってもいい気分になっていた。

遅くに戻った長男のことを、母親のべスは怪しむふうもなく、食卓にあげようとした。
今夜は食欲がないからといってジャックが寝室に引き取るときも、風邪をひかないようにね、とねぎらっただけだった。
あけっぴろげな母さん。こういうときには警戒心がなさ過ぎるんだね。
少年の目にはもはや母親さえも、獲物のひとりにしか映らなくなっている。
軽蔑と憐憫の入り混じった目で母親を見返ると、息子の本心を知ってか知らずか、彼女は金髪を揺らして、グンナイ(good night)と囁いて小手をかざして息子を見送った。

どうしたの?こんな夜中にひざ上の靴下履いて来いなんて。
弟の活き活きと輝く蒼い瞳に、引き込まれそうになったのは。
彼の白い皮膚の下に脈打つ血潮が、そうさせたのだろう。
眠れないんだ。話をしよう。昼間みたいに制服着ておいで。
長い靴下も、忘れないようにね。
兄弟ひとりひとりにあてがわれた寝室を抜け出して、
兄の言いつけどおりのスタイルで訪れた弟は、
自分の身に向けられた邪悪な意図に、すぐ気づくことになる。
もっとも気づいたときにはもう、ひざ上丈の長靴下のあちこちに、いくつも噛み痕をつけられて。
それでも妖しい闖入者を相手に、もっと・・・もっと・・・って、呻きつづけるようになっていたけれど。

ほら。どうだい?ボクの腕前は。
真夜中の納屋を訪れたジャックがそんなふうに、弟を仕留めた腕前を伯爵に自慢したのは、つい夕べのことだった。
弟が好んでひざ上まで引き伸ばして履いた丈の長い靴下も、逞しくしなやかに成長した兄の脛をおさめるとひざ小僧の下まで届くのがやっとだった。
血の味だけじゃなくって、靴下の味まで違うかい?
ジャックは伯爵と初めて逢って以来のからかい口調を、おさめようとはしていない。
少年の血を味わったあとになっても、伯爵はかれの悪口をうすら笑いで受け流しながら、うら若い血を愉しむようになっている。
きょうもまた、田舎教師は少年の訪問を受けていた。
淡いブロンドの髪の輝きを抱きすくめながら、首筋を突き刺し、白い皮膚を噛み裂いてゆく。
おや―――
両腕のなかに埋もれたブロンド髪が、昨晩のそれよりもやや濃い栗色を帯びているのに、伯爵は気づいた。
きみは、だれ・・・?
ひざ下までの濃紺の長靴下を自慢そうに引っ張り上げているのは、弟のマシューのほうだった。
兄さんが、代ってくれっていうものだから。
そうかね。感心な弟さんだ。では兄さんは今夜はベッドでぐぅぐぅかな?
ううん。
マシューは大人しげにかぶりを振った。
小父さん知っているんでしょう?あの伝説を話してくれた帰り道、ボクを送ってくれた執事さんのこと。
彼・・・ほんとうは、ギルバート叔父さんなんだよね?
いまごろは兄さんが、彼の相手をしているよ。
兄弟で、相談したんだ。たまには違う味のほうが、飽きないだろうからって。

田舎教師の講釈で語られたギルバート・リッチフィールドは、13歳で供血の歓びに目ざめ、一族では最年少の14歳で、吸血の愉しみに耽るようになったという。
彼、ボクを最年少にしてくれるつもりみたいだね。
ボクが田舎にいるあいだに、血をぜんぶ吸ってくれるって約束してくれたんだ。
初めて執事さんの牙を享けたのは、お邸に戻ってすぐのこと。
ママの帰りはまだだからって、寝室に案内されて。
そこがそのまま、ふたりの褥となっていた。
咬まれた首筋にジンジンとした疼きを覚えながら、自分の生き血でゴクゴクと喉を鳴らす親類の叔父さんを、マシューは素直に受け入れていた。
血が欲しいんだね?もっと吸ってもいいよ。ご先祖はきっとそんなふうに、伯爵さんを助けてあげたんだろう?
半ズボンから覗く太ももに牙を埋められながら、彼は初めての射精を経験した。
濡らした半ズボン、ママはなにもいわないで、洗ってくれたよ・・・

その晩の伯爵は、ひざ丈のキュロットの下、しなやかな脛をやはり長靴下で蔽っていたけれど。
いままでの白ではなくて、薄々の黒だった。
伯爵の今夜の靴下、なんだか女もののストッキングみたいだね。
マシューはそういって伯爵をからかった。
伯爵は真顔になって、告げたのだった。
これはきみの父上からいただいたものだよ。その昔べスが穿いていたものなんだ。
今夜が彼女の息子の血を吸い尽くすのにふさわしい夜だろうと思ってね―――


親愛なる息子たちへ
きみの母さんに求婚したとき。わたしは初めて一族の生い立ちを知らされた。
それでもべスを愛するのか?ときかれて、わたしは即座に、血をぜんぶ捧げると約束した。
だからきみたちが生まれたとき。父さんはとっくに身体じゅうの血を失くしていたのだよ。
もっともこの手紙を読んだ、いまごろは。
きみたちも父さんと、おなじような身体になっているのだろうね。
そうして田舎と都会とを行き来するだろうことは、父さんにも察しがついている。
べスの実家の人たちとおなじくらい、わたしの家の血も美味しいことを、だれもが身を持って証明してしまったのだから・・・

最年少記録更新、おめでとう
                      ―――父さんより。


あとがき
この二作、じつは今月の初旬にすでにほぼ描きあげていたのですが。
なんとなく画像といっしょにしたくなって、画像の都合であっぷが遅れ、
それから気分であっぷが遅れ・・・
それほど気を持たせるような内容では、ないはずなんですがね。(^^ゞ

縮小加工080522! 005 あっぷ110819

母さんも仲間に入れて♪

2011年08月19日(Fri) 06:55:05

週末のつきあいを避けるようになってから、はやどれくらいになるだろう?
お前さんも柄にもなく、マイホームパパなんだな。
そう冷やかされたのもつかの間で、いずれ職場の連中は、ひとのつごうには健忘症になっていくらしかった。
金曜の夜は早寝をして、まだ暗いうちに早起きをして。
通勤の時ほどの重武装ではないにせよ。
こぎれいなよそ行きの装いに、身を固める。
ワイシャツにスラックス。それに革靴。
スラックスの下には、長めの靴下。
アイロンのきいたスラックスのすそと、かっちりとした革靴の間からわずかに覗くのは。
男ものにしては派手すぎる、赤のストライプ入りの黒靴下。
スラックスをひざまで引きあげて。
男にしてはすらりとした脚線を、靴下ごしにさらりと撫でると。
家族を起こさぬように、ベッドルームを出た。
行く先は、家のちょうど裏手にある木立の深い公園―――

夏でもひんやりとした空気の漂う一角は。
今夜も淡い靄が立ち込めている。
やつがいる証拠だ―――
淡田は闇を透かすように、身をかがめた。
案の定―――
闇に浮いた靄のかなたには、あの黒い影。
よう。
つとめて明るい声で、会釈を投げると。
あちらからも同様の会釈がかえってきて。
下草を踏みしめる音がじょじょに、こちらへと近づいてくる。
履いてきてやったぜ?あんたの好物。
淡田は木立のなかにあるベンチに腰かけると、ことさら恩着せがましく、スラックスを引き上げた。

黒地の丈の長い靴下には、太めのリブに沿って、縦じまの赤のストライプが鮮やかに走っている。
珍しいだろう?これ、オーバーニーなんだぜ、紳士用の。
ぴちっと密着したハイソックスの脚を淡田が見せびらかすと、
男はくぐもった笑いを、忍ばせた。
てっきり女ものかと思ったよ。
女ものでこのサイズがあると思うかね?
ないだろうね。
時候のあいさつのようにさりげなく言葉を重ね合いながら。
男はクスクスと笑っている。
淡田は男のようすになど構わずに、
その実同じ柄のやつで、女ものもあるそうだ。こんど家内に穿かせてみようか?
まだ引き逢わせていない妻のことを、はじめて引き合いに出していた。
ほう、そいつはいいアイディアだね。
男は相槌を打ちながらも、なおも慾深な本性をさらけ出す。
奥さんもいいが、息子さんの彼女だとさらに愉しいだろうな。
やっぱり若い子に気が行くようだね。
せっかくの心づくしの引き出物から男がわざと目を逸らせたのを真に受けて、淡田が眉をしかめると。
男はすかさず、攻め込んできた。
どうせ奥さんの脚を噛ませてもらうのなら、ガーターストッキングがいいからね。
まだ顔も会わせていない人妻の襲撃計画を、いよいよ具体的にさりげなく提示しておいて、それでも男は微妙な段階で、またもや話を逸らしていった。
―――遊び慣れてくると、そういうものを穿くようになるからな。
―――奥さんの下着の趣味が変わったら、ご用心。ご用心。^^
男のまじめくさった言い草に、淡田はプッと噴き出している。
ふん、人間の男に目のまえにぶら下がったあぶらげを攫われない用心かね?
なんとでもいいたまえ。
男はわざと口調をムスムスとくぐもらせて、冴えない応えをかえしていく。
寄せては戻し、つけ入っては立ち戻る。
獲物との距離を用心深く縮めていく、狡猾な猛獣のようだった。
ただし、野生の世界とは違って獲物のほうも、襲われるのを心待ちにしているのは明白だったけれど。

じゃ~、献血始めるよ♪
淡田は明るく声を響かせて、じぶんからスラックスをたくし上げた。
新品だから、ほんとは噛ませるのもったいないんだけどね。
足首を握りしめる男の掌にこもる力の強さに満足を感じながら、淡田は謡うように囁いた。
ごつごつとしたふくらはぎにぴったりと密着したナイロン生地ごしに、飢えた唇がぬるりと這わされる。
こいつにはなん足、ハイソックス破らせちゃったかな・・・
相手がわざとのようになすりつけてくるぬるぬるとしたよだれが、厚手のナイロン生地にじっとりと薄気味悪くしみ込んでくるのを感じながら、淡田はふうっ・・・と息を吐いた。

がさり、と背後から草むらを踏みしめる音がした。
振り向くと息子の啓輔が、イタズラっぽい笑いを浮かべている。
なんだ、お前か。
失血に、頭がぼうっとなっている。
吸血されているところを息子に見られながら、淡田は恥を忘れていた。
彼のために履いてきてやった赤いストライプのオーバーニーソックスは、
片方はくるぶしまで下げられて、むき出しのふくらはぎにつけられた噛み痕をあらわにしていたし、
もう片方はたっぷりといたぶられて、赤いストライプはぐるりとねじれて、脛の半ばまでずりおちている。
だいぶ、愉しまれちゃったみたいだね。
息子のなれなれしい言い草に、淡田は苦笑を返すだけだった。

こんな公園で早朝のランニングをしていたら、襲われちゃっても文句いえないよね?
朝にはだいぶ、早いだろう?
うん・・・でも。この時間のほうが、小父さんも元気なようだからね。
啓輔がくつろげた足許は、ハーフパンツの下、白のラインが三本走った淡いブルーのスポーツ用ハイソックス。
引き締まった肉づきをしたふくらはぎを凛々しく引き締めるハイソックスは、公園の街灯に照らされて、真新しいリブをてかてかとさせている。
凛々しい感じ だな。
吸血鬼の小父さんは、露骨に舌なめずりをした。
いやらしい感じの、間違いだろう?
青年はわざとのように、交ぜっ返した。
父親は失血のあまり、ぼうっとしているようだった。
さ、早いとこやんなよ。
啓輔は惜しげもなく、ハイソックスの脚を吸血鬼のまえに差しのべた。
リブ入りハイソックスのふくらはぎの、いちばん肉づきのよいあたりに走らせた白のラインが、じんわりと紅く染まっていくのを。
淡田も、血を吸い取られていく当の本人も、面白そうに見つめていた。

あなたたちったら、ズルイわね。
帰宅してきた夫と息子に、洋子が言葉を投げてきた。
カジュアルなボーダー柄のTシャツごしに、豊かな胸が格好良く突き出している。
ウェーブのかかった長い茶髪が活き活きとはずんでいて、三十代後半という齢を感じさせない。
若いころはミス○○の向こうを張っていたという自慢は、決して虚飾ではないのだろう。
じじつ洋子は、ストレートな性格だった。
言い草もやっぱり、ストレートだった。
公園で血を吸われてきたんでしょ。こんどはわたしも、仲間に入れてちょうだいね。
洋子の言い草に父と子は顔を見合わせたけれど。
やっぱり小父さんを連れて来て、よかったね。
ぬけぬけとそういう息子はおそらくきっと、母親の血を濃く受けているに違いない。

父子どちらの血も、うまかった。おそらく血の旨い家系なのだろう。
けれども啓輔が母親の血を濃く受けているとしたら、やはり母親の血も格別の味に違いなかった。
きみが相手じゃ、嫉妬してもしょうがないだろうな。
もの分かりのよい淡田に、吸血鬼は上機嫌にウィンクをしてみせた。
まずは、お任せあれ・・・
荒々しく両肩をつかまれた掌を見やりながら、洋子が「アラ失礼ね」と洩らすのをそれ以上いわせずに、
ストライプのTシャツ姿はすり抜けるように、ふすまの向こうの和室へと消えた。
儀式はやっぱり、和室に限るよね。
啓輔は相も変わらずぬけぬけとしていて。
あっち向いてろ。うろたえる母さん覗いちゃ、かわいそうだからな。
応じる淡田も、のんびりしていた。

ふすまの向こう。
アー・・・
けだるい呻きをあげる洋子に、淡田はスラックスの股間がじわっと昂ぶるのを覚えた。
父親の羞ずかしい性癖から目を逸らした啓輔は、自分と隣室の間に立ちふさがる父親をすり抜けると、ふすまを細目にあけて、
―――ウッ、父さん、目の毒だね?
じぶんのなかに脈打つ父親の血を、たしかに感じてしまっているのだった。

いってらっしゃ~い♪
週明け、出勤する夫と登校する息子を送り出した洋子は、齢には不似合いなマイクロミニのスカート姿。
黒のガーターストッキングのゴムには派手なレエスがちらちらと覗いていたし、
ふくらはぎには毒々しい光沢が、妖しい輝きをよぎらせていた。
手持ちのパンスト、ぜんぶ破かれちゃった~。
そういう妻を家に残して、父子は洋子の着るものと穿くものとを求めに街にくり出して。
ひと目もはばからず、女ものの衣装やストッキングを買いあさってきた。
きょうも家を空けた後、彼女は家じゅうを真っ暗にして。
押し入れにかくまってやった愛人を引き出すと、自らの肉体を差し出して吸血に耽らせていくのだろう。
献血への協力行為は、淡田家では善行とされているのだから。

口うるさかった母親の理解を得て、ハーフパンツの下ハイソックスを穿いて家を出た啓輔は、ひどくご機嫌だった。
いままでそのていどのことですら、「女みたいだからよしなさい」って、禁止されていたのだから。

こんどの週末には、彼女連れてくるけど。
彼女もきっと、ボクのハイソックス趣味をわかってくれるようになりそうだね。
そのうちに。
パパとおそろいの赤いストライプのソックスを穿いてくれちゃったりするのかも。
ストライプのオーバーニーハイソックス履いたまま、目のまえで大股ひろげられたりしたら、ボクおかしくなっちゃうよ。
きのう小父さんが、母さんにしたみたいに。
そのまま精液どぶどぶと注がれちゃったりしたら。
ボクがするよりさきに、彼女子供を産んじゃいそうだね。
でもこの調子だと、母さんのほうがさきにおめでたかな。
姑として、手本を見せなくちゃいけないだろうから。
どうやら来年くらいには、ボクにも齢のちがう弟か妹ができそうだね。

なにもかも見透かした啓輔のヌケヌケとした言い草に、淡田はことさら間抜け顔をつくろって。
たしなめるような口調で、息子に応えるのだった。

弟と妹。息子と娘。どっちが欲しいんだ?
仕込まれちゃうまえに、いまからちゃんと頼んでおけよ。

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「吸血鬼大嫌い同盟」

2011年08月16日(Tue) 08:10:23

知ってる?多野のやつって、吸血鬼なんだってよ。
あ 知ってる知ってる。こないだ道で会ったとき、口に血がついていたもん
え~。怖わ~っ!
夜道とか危ないよねぇ。
女のひと襲ってるのかな~。
やだー。そんなのがうちのクラスにいるなんて~。

女子というのは、残酷だ。
わざとひとの耳に届くように、ひそひそ話をする。
こっちだって、好きで吸血鬼やっているわけじゃない。
まして、なにもしらない人間を襲うのは厳禁だというのが、うちの家訓になっているのだ。
人の生命を奪らない。同意のない人間を襲わない。
そういう条件で。
この街では、人間と吸血鬼の共存が黙認されている。
ましてクラスの女子を襲うなんて、考えられないのに。
クラスで数名はいるらしい吸血鬼の子供どうしは、お互い正体を明かすことなく、ひっそりと日常を送っていた。

放課後―――
教室で独り、うずくまっていると。
部活動を終えた女子がひとり、教室に戻ってきた。
鞄を取りに来たらしいのに、俺がひとりでいるのをみて、教室に入りかねているらしい。
あのとき、聞えよがしなひそひそ話をしていた連中のひとりだと、すぐにわかった。
美原まゆみ。
制服の名札には、サインペンで丁寧に、そう書かれていた。
いいよ。入れよ。鞄とりにきたんだろう?
襲わねぇから・・・俺がそういうと、女は初めて安心したようだった。

おっかなびっくり教室に踏み入れて来て。
壁ぎわを伝うように、自分の席に近寄って。
なるべく俺との距離を縮めないようにと、立ち去ろうとして。
そうしてはじめて、俺が胸に手を当てて苦しがっているのに気がついて。
ちょっと・・・?
げげんそうに小首をかしげ、それからためらいもなく、こっちに足を運んできた。
長い長い三つ編みを、わき腹のあたりまでぶら下げながら。

ああ。だいじょうぶ。すぐに落ち着くから。
発作・・・?
頭のわるくないらしい美原は、適切な表現をつかった。
そう、吸血衝動にかられた発作。
近寄るなよ。血を吸うぞっ。
あいつらがいちばん怖がる表現で、おどしてやったのに。
お医者さま、呼ぶ?
美原はさらに近寄って、俺の顔を覗き込んだ。
ああ、お医者さまじゃ、治せないんだったね。
美原は怖ろしさも忘れたのか、紺のハイソックスの脚をそろえたまま、こちらを気遣いつづけていて。
驚くべきことを、口にした。
気分悪いんでしょ。あたしの血でよかったら、吸う・・・?

献血なんだからね。
あんまりやらしいことしたら、逃げちゃうからね。
まゆみは自分に言い聞かせるような口調で、そういいながら。
三つ編みのおさげを掻き除けて、うなじを近寄せてくる。
すまない―――
俺は本性をさらけ出し、美原の両肩を強引に引き寄せると、首すじを噛んでいった・・・

は~。
俺が唇を放すと、まゆみは大きくため息をついて。
貧血・・・
額に軽く手を当てて、恨めしそうに俺を視る。
悪りぃ・・・
そういいかけた俺は、すぐに言いなおした。
恩に着る。って。
ウン。そうでなくちゃ。
吸血鬼を気味悪がる彼女にとって、いまのは急場しのぎの献血だったらしい。
持病の発作を起こす同級生を、とっさに見捨てておけなかったのだろう。
そのかわり、きょうの数学の宿題教えてよ。多野は成績いいじゃん。
ああ、いいよ。じゃ、きょうにする?
あたしのうちに来て。親出かけちゃってるから、おかまいできないけれど・・・

母親が外出 なんて。
むやみと男の子に言うものじゃない。
けれども美原は、後悔していないようだった。
マナーはちゃんと、守ってね。
気位の高い少女はふたりきりになっても、気位の高さを変えなかったけど。
手の甲にぶきっちょに接吻をして。
三拝九拝して、伏し拝んで。
それから首すじにつけた傷口を、吸わせてもらって。
数学の宿題を片づけたあと、真っ赤なハイソックスのふくらはぎまで、噛ませてくれた。
帰宅して履き替えたばかりのやつだった。

よだれ垂らしたでしょ?
彼女は白い目で、俺をにらんだ。
血が染みたことよりも、よだれのほうを気にするところが。
いかにも潔癖な少女らしくって。
潔癖なんだな。美原―――
ぼそっと呟いた俺は。
潔癖な女は、好みの餌食なんだ~。
こんどは欲情もあらわに、キャーッ!って悲鳴をあげる美原の肩先に、飛びついていった。

あしたから、まゆみって呼ぶからな。
囁く俺のわき腹をつついて。
いい気になるんじゃない。
男みたいな返答が、かえってきて。
でももう、ほかの男の子に、好きだなんて言わないからね。
毛嫌いしていたはずの吸血鬼に抱きすくめられながら、美原はクスクス笑っていた。


あとがき
前作でも登場した、”吸血鬼大嫌い同盟”の女の子みたいです。^^

ゴリラ。

2011年08月16日(Tue) 07:40:14

大瀬京子は、クラスの押女子でいちばん背が高い。あだ名はゴリラ。
べつにゴリラみたいに毛むくじゃらなわけでもないし、色だって白い。
それでも女子にとってそうありがたくないあだ名をたてまつられたのは、たぶん性格によるものだろう。
男みたいにハキハキしていて、立ち居振る舞いがきびきびしている。
ガタイがでかいものだから、それがよけいに目だつのだ。

ひょんなことから共同研究の相棒にさせられて、
放課後図書館やお互いの家を行き来して、調べ物をするようになっていた。
たまには帰り道にはんばーがーを食べたり、公園で涼みながら雑談することはあるけれど。
こういうのを、「つきあっている」というのだろうか?
決して嫌われないという自信はあるけれど。
その自信がもろい土台のうえに築かれているのは、自分がよく承知している―――
だって俺の正体は、吸血鬼なのだから。

吸血鬼だからといって、むやみに人の血を吸うわけではない。
家に戻ればメイドのばあやや嫁(ゆ)かず後家の叔母さんが、好きなだけ血を吸わせてくれる。
時にはパパの連れてきた、身許不明な美女がお相手してくれることだってある。
そうやって、かろうじて人間と共存しているのだけれど。
俺たちの正体は知っているひとは知っているのだから、そこはよくわきまえないといけないことになっていた。
げんにクラスの女子のグループには、吸血鬼を毛嫌いする連中がいて、(当たり前だから非難する権利はない)
教室の隅に固まりながら、気味悪そうにこっちを見てはなにやらひそひそ話をしていたりするのだから。

大瀬と教室でふたりきりになったとき。
「夜田くんさぁ、こないだ図書館でとってきたコピーなんだけど・・・」
そういいながら振り向いてきたときに。
肩先までに切りそろえた黒髪が、わさっ、と、首すじにかかるのが。
ひどく、なまめかしかった―――
「大瀬・・・」
とっさに俺は、大瀬の身体を横抱きにして、グイッと引き寄せていた。
「どうしたの?」
さすがはゴリラ。動じることもなくふしぎそうな顔をして、俺のことを見つめている。
白い顔に輪郭のわりあいハッキリとした目鼻が、むしろ心配そうな色をよぎらせていた。

顔色が悪いんだ・・・自覚症状があった。
もう、こらえきれない・・・そう感じながら。
引き寄せた大瀬の首すじに、唇を押しあてる。
チュッ・・・
引き締まった噛みごたえのする首すじだった。
ほんとうにひっそりと、牙を沈ませて。
がっちりとした身体つきを両腕に感じながら、バラ色の血を抜き取ってゆく。
あいつの活力の源が、俺の喉に、胃の腑に満ちて、
やがて全身を、力いっぱい駆けめぐる―――

かすかにはぜる唾液に、大瀬はとっさに身をすくめたけれど。
―――弟が甘えてくるんだよ。でかい身体しているくせに。
豪快に笑う大瀬のことだから、きっとそういうことなんだと受け取ったらしい。
「痛いなぁ。もう・・・」
噛まれて血を吸われているのにも気づかずに、困ったように肩をすくめた。
あまりにも接近した鼻先に、ジャンパースカートの制服の匂いが、かすかに鼻を突く。
口許に洩れた血の、鉄臭い芳香がゆらめくように漂いはじめたのに、大瀬は気づいただろうか・・・?

衝動が去って、身体をはなすと。
大瀬は乱暴に鞄をとりあげて、「さっ、帰ろ。」
俺のほうをふり返りもせずに、教室から出て行った。
されたことの内容よりも。
虚をつかれて抱き寄せられたのが、どうにもばつが悪かったらしい。
大瀬の気性からして、きっとそうのはずだった。
腕には、大瀬のしっかりとした身体つきの感触が。
唇には、活力を秘めた健康な生き血の、活き活きとした味わいが。
どうにも切なくなるくらい、まだありありと残っている。

大瀬さん、首すじ見た?
だいじょうぶ~?腫れているよ・・・というか、噛まれたみたいな痕ついてるよ。
ほらほら、鏡・・・見える?

吸血鬼大嫌い同盟の女子たちが、大瀬を取り囲むようにして。
口々に気遣わしそうな科白を吐いて。
ふだん近寄りもしないし言葉を交わすこともない関係を踏み越えて、
おためごかしの裏にある毒を、大瀬の耳たぶにあててゆく。
本当に言いたいことは、ただひとつ―――

アイツ、吸血鬼ナンダヨ。付キ合ッタリシタラ、大変ナンダヨ。

目のまえにあてがわれた鏡をみて、大瀬はまじめな顔をして、なにか考えている。
俺ははらはらとして、そんな女子たちを見るともなく横目で見つづけている。

テツヤくん、きょうあたしのうちに来る・・・?
大瀬が珍しく、俺のことを名前で呼んだ。
首すじにはまだくっきりと赤黒い、ふたつの痕―――
親に見咎められなかったのか?でもまさかそんなことを訊く勇気は、さすがに持ち合わせていない。
ああ、いいよ。きのう進まなかったしな。
一日おいた共同研究。
そう、あのことがあったおとといから、大瀬が俺に声をかけてきたのは、いまが初めてだったのだ。
きのうは、あんなことのあったきのうのきょうだから。
俺も声をかけるのが決まり悪く、珍しくちょっと顔いろの冴えなかった大瀬も、こちらに来ようとしなかった。
おー、お前大瀬に名前で呼ばれる関係になったのか?
親友兼悪友の坂本が、学生服の肩をばしん!と、痛いほど叩いた。

ちょっと待っててね。
制服のままエプロンを締めて、台所に立って。
紅茶を一杯淹れてくれると、大瀬はそそくさと勉強部屋に入っていって。
リビングに戻ってきたときには、私服だった。
白地に淡いブルーのしましま模様の入ったラフなTシャツに、ジーンズのひざ丈スカート。
ひざ小僧の下までぴっちりと引き伸ばされた、白のライン入りハイソックス。
サバサバした性格の大瀬は、ふだんの服装もシンプルだった。
かわいい服持ってないんだ。似合わないもん。
珍しく女の子っぽいことを言いながら。
大瀬はソファの隣に腰かけた。
首すじにつけた痕が、こちらに見えるように。
いいよ―――
彼女はひっそりと呟くと。
肩までかかる黒髪を、思い切りよく掻き除けた。

すこし汗ばんだ胸もとが、かすかに上下している。
抱きすくめた腕に、淡い恐怖とためらいが伝わってきた。
あらたまってなにかを言おうとしたけれど。
早く。
大瀬にせかされて、俺は衝動のままに、首すじの痕を牙でずぶりとやっていた。
ちゅうっ―――
わざと聞えよがしに音を立てたら。
さすがにキャッ!と、ちいさく叫んで。
けれども叫んだことを恥じるように、体勢を立て直して。
お座敷で正座するときみたいに、行儀よく。
キチンとひざの上に両手を重ねていた。

調子に乗って、足許にかがみ込んでいって。
場所が彼女の家なのをさいわい、ハイソックスを愉しませてもらおうと。
赤のラインが二本よぎったすぐ下のあたり、
ハイソックスを履いたまま、ふくらはぎを吸っていた。
やらしい。それ、かなりやらしい。
いつもの男みたいな口ぶりのまま、大瀬は俺のやり口を非難したけれど。
・・・やめさせようとは、しなかった。
太めのリブの走る、しっかりとした生地の舌触りを感じながら。
むず痒くなってきた牙を、ずぶりと埋める。
発育のよいふくらはぎは、しっかりとした歯ごたえがした。
俺はもう、夢中になって。
赤いペルシャじゅうたんのうえ、大瀬の足首を抑えつけて。
真っ白なハイソックスに、赤黒い血を滲ませていった。

つぎの日からのことだった。
大瀬が紺のハイソックスを履いてくるようになったのは。
もの珍しげに足許を見おろす俺に。
教室でするときは、ハイソックス脱ぐからね。傷見られちゃうし。
それに、染みたときに白じゃ目だつでしょ?
ほら、授業授業・・・
先生が来たぞと促す大瀬は、いつものクラスメイトの顔に戻っていた。


あとがき
男まさりなクラスメイトを引き寄せて、ひそかに噛んで血を吸って、
仲間の女学生たちが首すじの痕に気づいて告げ口をする までは考えていたのですが・・・
なんのひねりもない女学生ものになっちゃいました。(^^ゞ

8時に描いて、8時に拍手♪

2011年08月14日(Sun) 23:40:55

ブログ拍手の、最短記録かも♪
今日(14日)にあっぷした、
「また、あぶれちゃったんだ」。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-2595.html
午前8時09分にあっぷして、8時台に拍手をいただきました♪
かなりノリノリで描けたので、作後感がとてもよいお話だったのですが。
これだけ反応がはやいと、とても嬉しいですね♪

ありがとうございました♪

あたし、怖くて寝られない。。。

2011年08月14日(Sun) 09:59:25

お兄ちゃ~ん、あたし怖くて寝られない~
夜中に枕を抱えて、べそを掻き掻き勉強部屋へやってきた妹も。
セーラー服を着る年頃になっていた。
けれどもいまだに、変わらないのは。
お兄ちゃん、あたし、怖くて寝られない・・・
たしかに古いこの家は、あちこちきしんで、夜中になるとヘンな音がするけれど。
どうしてママのところじゃなくって、俺のところなのかって?
それは・・・ママにはパパがいるからね。^^
お盛んなんだ。あのふたり。

調子にのって、言ってみた。
いっしょに添い寝してやってもいいけど、その代わりセーラー服着てこいよ。^^
ほんとうにセーラー服姿で現れた妹は、白のハイソックスのつま先を、畳部屋におずおずと踏み入れてきた。
そのつぎの夜からは。
毎晩のように、制服姿をねだってみたけれど。
だってぇ~。セーラー服着てくとお兄ちゃん、やらしいことするんだもん。
しんそこ困り顔になって、ママのほうをふり返る。
やらしいことっていったい、なにをしてるんだ?
パパはしんそこ怒り顔になっていたけれど。
俺は動じるふうもなく、言ってのけてしまっている。
だいじょうぶ。血を吸っているだけだから。

貧血にならないていどに、手加減してね。
ママはおだやかに笑って、娘を吸血鬼の褥に送り出す。
パパは長椅子にふんぞり返って、新聞読んだふりをしているだけ。
ハイソックスが真っ赤になるまで、ふくらはぎをいたぶることをやめない俺に。
妹はふくれ面をしながらも・・・今夜は黒のストッキングを履いてきた。
痛くしないでね。
のしかかる俺を迎え入れるとき、いつもキュッと瞼を閉じる妹の。
セーラー服の襟首をくつろげて、なめらかなうなじに唇を、チュッと吸いつける。
皮膚の下をめぐる活き活きとした脈動を微かに伝える皮膚を、なぞるように舐めまわして。
今夜も牙を突きたてるとき、抱きすくめた二の腕を固くして、妹は血を捧げてくる。

怖くて、ひとりで眠れない・・・
俺といっしょのほうが、よほど怖くはないのかい?
囁く俺に、妹は激しくかぶりを振って。
スカートの奥にまでさ迷うようになった俺の手を、いつしかおずおずと、パンティの奥まで引き入れることを覚えていた。


あとがき
このごろ、近親話ばかりつづいていますな。(^^ゞ

また、あぶれちゃったんだ。

2011年08月14日(Sun) 08:09:25

川っぺりで独り、石投げをしていても。
もう、そんなに愉しいとは思わない年ごろになってしまった。
それでも竜太は独り、石投げをしている。
ぽちゃん。 ぽちゃん。
投げられた石はただ、むなし水音をたてるだけ―――

また、あぶれちゃったんだ。
はじけるような明るい声は、イタズラっぽい稚なさを交えている。
振り向くと背後の草むらの向こう、革製の黒鞄を提げた少女が無邪気に笑いながら手を振っている。
セーラー服を着るようになって、みるみる大人びてきたとはいえ。
しぐさや声色は、まだまだ子供じみている。
なぁんだ、絵理香か。
竜太はふくれ面をつくって、妹の名を呼んだ。
なぁんだは、ないじゃない。あぶれちゃったお兄ちゃんにこうやって、血を吸われにきてあげたんだから。
兄の正体というただならぬ秘密を、あっけらかんと口にして。
絵理香は濃紺のプリーツスカートをユサユサとさばきながら大またでこちらに歩み寄ってきた。
周りに聞こえるだろう。
真顔にかえる兄を、ほどほどに受け流しながら。
いいじゃない~。知ってるひとは知ってるんだし。
傍らの大きな石に腰かけた絵理香は、真っ白なハイソックスの脚を、これ見よがしに見せびらかしながら。
お兄ちゃん、すぐ遠慮しちゃうんだから。
それじゃあ女の子がその気になっていたって、怖気づいてついてこなくなっちゃうよ~。
兄の弱点を無遠慮に言いあてながら、その声色にはどこかいたわりと同情が込められていた。

喉渇いているんでしょ?
横目でこちらを窺う妹の白い横顔に、竜太はとうとうガマンできなくなって。
そろり・・・と起ちあがり、絵理香のほうへとにじり寄ってくる。
ドキドキ。
内心の胸の鼓動の高まりを、けんめいに抑えながら。
絵理香はわざと兄のほうから視線をそらして、川の流れに見入っているふりをしている。
兄貴の掌が、セーラー服の襟首をつかむ。
襟首に走る三本の白のラインが、かすかにねじ曲げられる。
ドキドキ。ドキドキ。
もう、なん度も許しちゃっていることなのに。
それでもまだ、胸の昂りを抑えることができない。
きゃっ。
首すじを引き寄せられたとき、とうとうたまらずに絵理香は、声をあげてしまった。
なぁんだ、やっぱり怖いんだろ―――
からかうような兄の口調に、軽い侮辱を感じながら。
絵理香は精いっぱい、言葉だけでも背伸びをしてみる。
怖がる女の子を夢中にさせるくらいじゃないと、みんな逃げちゃうからっ。
痛うぅ。
直後に咬み入れられた鋭い犬歯に、さすがの絵理香も眉をしかめていた。


きょうも一緒に帰ってくれないの?
家までの道を遮っているのは、竜太の同級生の友田だった。
うん―――ごめんなさい。
俯いて神妙な口調の絵理香に、友田は素直に道をあけた。
数少ない竜太の親友である友田は、竜太の正体を知っている。
おくてで女の子に声をかけることのできない竜太のために、
妹が身代りになって、時々河原や公園の片隅で、しかめ面をしながら血を与えていることも。
それでいながら彼は、囁きつづけてくれていた。
兄さんが血を吸いに来たって、いいじゃないか。
俺はずうっと、あいつの友だちなんだから。
自分の彼女があいつに血をあげるの、悪くないと思ってる。
不意に洩らされた「彼女」という言葉に、言われた絵理香も、言った友田も、照れて無言になっていた。

一緒に帰ろうよ~。
友田が立ち去った後現れたのは、絵理香の親友の遥香だった。
いまどき流行らない三つ編みのおさげが、長く長くセーラー服の襟首のうえではずんでいる。
それともきょうもやっぱ、お兄ちゃんとデートか♪
彼女はまだ、兄の正体を知らない。
いくら親友でも、なかなか言い出せない秘密だった。
おそろいの白のハイソックスのふくらはぎをそろえて歩みを進めながら、
絵理香はふと思った。
兄のまえふたりでハイソックスの脚を差し出して、味比べをしてもらおうよ って、誘ったら。
彼女はいったい、どういう顔をするのだろう?


妹とこうして、真夜中の公園で待ち合わせをするようになって。
もう、何カ月経つのだろう?
組み敷いた制服姿はいつになく女めいていて、
はずむ吐息さえもが、べつの年ごろの女の子のような気がする。
妹がみせるいままでにない色香に、ほとんど初めて女を意識していた。
どうしたんだろう?今夜はいったい、どういう夜になるんだろう?
妹の血を吸い慣れたはずの竜太にして、戸惑いをかくすことができなくなっていた。

きょうの放課後、竜太は友田にぶん殴られていた。
いいかげん大人になれよな。
捨て台詞を吐いて立ち去った友田。
彼が絵理香に並々ならぬ好意を抱いていることを、竜太も薄々と察している。
子供のころから彼の正体を知り、それでもいっしょに遊んでくれた友田。
渇きがどうしても静まらないときに、
女ものみたいに色っぽくないけどな。
そういいながら、運動部のユニフォームであるスポーツ用のハイソックスを履いたふくらはぎを、差し出してくれる仲だった。
彼女ができたら、お前に血を吸わせてやるよ。
そこまで言ってくれる友だちは、そうざらにはいないだろう。

はあっ、はあっ、はあっ・・・
絵理香の息が、ひどく荒くなっていた。
苦しいのか?まだそんなに血を吸っていないのに。
竜太は訝しそうに妹を見、そして、はっとなる。
前開きのセーラー服の胸もとがじょじょにはだけていって、
あらわになったブラジャーの吊り紐を引きちぎったのは、絵理香の手のほうだった。
絵理香・・・絵理香・・・
ばか。その気になっちゃったじゃない。
口では咎めながら、絵理香はむしろ嬉しげだった。
そうして、白のハイソックスの両脚を、ゆっくりと開いていった。
  やっと男になれるんだね。
兄のことをそう、祝福するように―――

手をつないで家路をたどる兄妹は、濃紺のプリーツスカートの下白く映えるハイソックスのふくらはぎを、チラチラと見おろしている。
真っ白な生地に散らされた紅い飛沫には、いつもとちがう意味がこめられていたから。
怯える女の子、夢中にさせちゃったね。
もう―――遠慮しないで進んでいけるよね?
あたしのお友だちの遥香ちゃんに。
あした、お兄ちゃんの正体を明かすから。
きっとあの子なら、いつもの川べりで待っていてくれるよ。
彼女のことも、女にしてあげて。
でもお兄ちゃんのことだから、そのまえにたっぷり、処女の生き血を愉しむのかな?
女になったばかりの絵理香の足取りはサバサバとしていて、言葉つきもいつものよに、あっけらかんとしている。
その代わり―――友田くんには、今夜のことナイショにしてね。
きっと・・・ばれちゃうだろうけど。
絵理香は、肩を並べてあるく兄の横顔を、誇らしげに見あげている。
自分が初めて、身をもって男にした青年のことを。

大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪

2011年08月12日(Fri) 08:04:49

あたし、大きくなったら、お兄ちゃんと結婚する♪
子供のころからそんなことを、無邪気にいっていた妹は。
いま、おなじ科白を母さんに向かって真顔で呟いている。

兄妹は、結婚できないのよ。

そうたしなめる母さんに。

でもあたし、男をふたりも識りたくない―――

言った言葉の重大さを、彼女はどこまでわきまえているのだろう?

母さんは優しくほほ笑むだけだった。
だって母さん自身、自分の兄さんと事実上、結婚していると。
ボクは父さんから教わっていたのだから。

お兄ちゃんに血を吸われると・・・

2011年08月12日(Fri) 08:00:00

どうしてなんだろう?
お兄ちゃんに血を吸われると、このごろいやらしい気分になるんだよね。

腕のなかの妹が、ふと洩らした呟き―――
セーラー服の襟首に、バラ色の飛沫を惜しげもなく散らしながら。
いつも吸血の相手に応じれくれる妹が、
いつになく妖しい翳りを、稚ない頬に滲ませていた。

お兄ちゃん、血が欲しいんでしょう?
ゆいかの血でよかったら、吸わせてあげるよ。

両親のいないとき、勉強部屋にやってきて。
伸びやかな肢体を横たえてくれた妹は。
真っ白なハイソックスに血を滲ませて、たっぷりとしたふくらはぎを咬ませてくれた。
それがさいしょの、逢瀬だった。

母さんが出かけただろう?
俺の血を吸った吸血鬼に逢いに行っているって、知っているだろう?
ほんとうは。
血を吸われながら、セックスしているんだって、気づいてる?

うん―――
無表情に頷く妹は。
知らず知らず、白のハイソックスの脚をゆっくりと、開いていった―――

きょう、妹の足許を濡らす血は。
いつもとはちがう彩りがするのだろう。

視る男

2011年08月11日(Thu) 08:00:43

きみがいつも穿いてくる白のハイソックスは。
いつもかならず、真新しいやつで。
俺ごのみな太めのリブを、ツヤツヤさせていた。
たいしてずり落ちてもいないのに。
咬ませるまえには、ギュッとひざ下まで引き伸ばして。
折り返しに隠したストッキングベルトを、キリリと締めて。
俺の鼻先に、差し出してくれる。
そのくせ、咬まれているあいだ。
ずーっと俺の顔つきを、見つめつづけていて。
あんまり尖った視線だから、てっきり厭なのかとおもい、
いつもより毒を濃く注ぎ込んでやったら。
本音を吐いた。
どんな顔つきで、ボクの血を吸うのか、とても気になる って。

彼女を初めて連れて来たときも、そうだった。
逃げまどう彼女が追い詰められて、首すじにギュウッと唇を圧しつけるところまで。
きみはずうっと、視つづけていて。
血を吸われる快感に目ざめて、とうとうたまらなくなった彼女が、尻もちをついて。
白のハイソックスのふくらはぎをたっぷりご馳走してしまうところまで、つぶさに見届けて。
女の子を襲うときも、ボクのときと同じ顔つきするんだね って。
初めて納得したようだった。

こんなにだいじな秘密、あたしに話してくれないで。
いきなりあたしを襲わせた罰なのよ―――
腕のなかの少女は、むしろ自分に言い聞かせるように、呟きながら。
きみのまえ、俺に息荒く組み敷かれていきながら。
スカートの裾を、わざとのように。
プリーツをくしゃくしゃに折り曲げながら、乱してゆく。
その時もきみは、遠くの壁ぎわに背をもたれかけさせたまま。
未来の花嫁が堕落の快楽を教え込まれてしまう儀式を。
さいごまで、じいっと視つづけていて。
いつも落ち着いたあの子の戸惑う顔が、視たかった―――
あとでひっそりとそう、囁いていった。
きみ、視てるときって、いい顔しているね。
顔色がかわるほど、息をグッと詰めて、
目つきをかわいらしく、尖らせちゃって。
じりじりしているようすを悟られまいと、必死になって表情こわばらせていて。
きみの視る趣味、俺もひそかに愉しんでいるのだよ。
これからも夫婦仲良く連れだって・・・遊びにお出で。^^

祭りの夜は、きれいな女が多い。

2011年08月07日(Sun) 21:19:48

雑感です。^^
鳴りものや雑踏でにぎやかになる、お祭りの夜。
こういうときにはやっぱり、女子は”浴衣”ですねっ。(*^^)v
洋服フェチな柏木にして、しんそこそう感じます。

そして・・・
祭りの夜って不思議と、きれいな女子が、やたら多いと思いませんか?
こういう夜独特の雰囲気がそうさせるのでしょうか。
それともたんに、人通りが多いための確率論に過ぎないのでしょうか?

とうぜんカップルの姿も、目だちます。
独りのときが長かった柏木としては、本音で思います。
せっかくそんな可愛いコ連れているんだから、大事にしろよな。
・・・大きなお世話? 笑

アブノーマルなお話ばかりつづいているなかでは、ちょっと違和感あるくらいノーマルな雑感でした。
夏はお祭りの季節。
みなさま、良い想い出づくりができますように。。。

ブログ拍手♪

2011年08月07日(Sun) 00:52:41

いつも拍手をくださっている読者のみな様、ありがとうございます。
m(__)m

先日、旧作に拍手をいただきました。

「家族ぐるみ」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1474.html

息子が引き入れた友だちが、ママを。
お友だちのパパが、姉さんを。
ちゅうちゅうと美味しそうに、吸血する風景―――

描いたのは、三年前の七月。
どんなリンクをたどって来てくださったのでしょうか?

このプロット。
柏木の読者ならヤというほどご存知のように、かなり好みのものなのですが。^^
明らかに・・・ヘンですよね?(^^ゞ

ところがところが。

このお話が拍手を頂戴するの、なんと今回で4度めになるのです! (^-^)

べつべつの方々から、しずかな支持を受けているのか。
同じ方がなんども読んで、愉しんで下さっているのか。
拍手というのは声なき声なのですが。
いつもいつも、とても大きな支えになっております。

感謝♪

処女。

2011年08月05日(Fri) 07:27:55

許嫁がありながら、吸血鬼との逢瀬をくり返す少女たち。
しばらくのあいだは、
だれにも汚されたくない、まだしばらくのあいだは、きれいでいたい。
そう願いながらも。
土地の風習からそうしているといいながら、
初体験の相手に吸血鬼のほうを択んでしまう少女は、かなり多いという。

一定の節度を要求される許嫁よりも、身体的接触の機会が多いせいかもしれないが。
多くの少女はそうしたことに惑わされない意志も備えている場合が少なくない。
堅実な少女ほど、婚約を守ることを放棄するのだろうか?

夫がふたり、いるって考えたら?
横からそんなふうに、意見を差しはさんできたのは妻。
片方の夫とは、ずっといっしょに寝起きする。
もう片方の夫とは、それができない。
だからせめてもの贈り物として、最初の相手に択ぶのよ。

謡うように、ひっそりと。
長いまつげを揺らしながら呟く女(ひと)は。
かつて、女学校の制服のすそを、わたしの幼馴染のために乱した過去を持っている。

もの静かな女学生

2011年08月05日(Fri) 07:03:58

落ち着いた微笑のよく似合う。大柄な少女だった。
母親に連れられて現れた彼女は、濃紺のジャンパースカートの制服姿。
おっとりと平常心で現れたところを視ると、すでに吸血された経験があるのだろう。
ふたりきりになると彼女はさっそく、どこから吸うのですか?と、訊いてきた。
脚から というと、ちょっと照れくさそうに、うちの学校スカート丈長いんですよ、といいながら、
ひざ下まである制服の裾をちょっとだけ持ち上げて、黒のストッキングを履いた脚をピンと伸ばして。
あまりかっこいい脚じゃないんです、といった。
ご迷惑でしょうね?と尋ねると。
エエ、嬉しくはないですけれど・・・母からよく言われていますから。
あくまで落ち着いた物腰を、くずさなかった。
あまり無反応なのも興を殺ぐにしても、いつぞや待ち合せの喫茶店で、「やだ!やだ!とっても迷惑ですッ!」ってある少女に叫ばれたときには閉口した。
ちょっと物足りないくらいの反応のほうが、むしろ好ましかった。
差し出された足首をつかまえて、薄墨色のナイロンに染まったふくらはぎに唇を吸いつけようとしたときに。
少女はさすがにちょっとだけ、嫌そうに眉をしかめたけれど。
よほどよくよく、母親に言い含められているのだろう。
表情を変えたことを恥じるように、穏やかな物腰に戻っていって。
下品な舐めかたをされて、黒のストッキングによだれをぬるぬるとなすりつけられるのを、しずかに受け止めていった。
なよなよとしたごくありふれたタイプのストッキングは、しつようにねぶりまわす唇の下、くしゃくしゃによじれていって。
さいごにぱりぱりと、他愛なく裂け目を広げていった。
おイタですね。
少女は苦笑しながらも、あられもない痴態の相手をつづけてくれている。

別れぎわ。
処女なんですね。
ひと言そう囁くと。
緊張が解けたのか、ひどく羞ずかしそうに、うろたえていた。