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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

おみやげ

2014年04月30日(Wed) 05:53:28

待ち合わせた公園に。
ぼくは約束どおりの時間に着いて。
咬まれたばかりの姉さんは、5分遅れでやって来た。
1時間もまえから待ちぼうけていた吸血鬼の小父さんは。
「はい、おみやげ。」そう言って。
袋を開けてみたら、まん丸のぼた餅がふっくらと顔をのぞかせた。

ちゅーっ。
ちゅーっ。
ぼた餅にぱくついているぼく達に。
小父さんは、さいしょはぼく、それから姉さんの首すじに咬みついて。
このあいだつけられたばかりの傷口を、さらに拡げにかかってゆく。

ふくらはぎにまで咬みついてくる小父さんを、姉さんはくすぐったそうに見おろして。
真っ白なハイソックスに赤い点々が撥ねるのを、困ったように見つめていた。
きょうは脱いで帰るけどー・・・履いてくやつがなくなったら、ママにばれちゃうよー。
小父さんはにんまり笑って、こう答えた。
「こんどはママに、おみやげを持っていこうかな」
「いいね!いいね!それ、名案!」
ぼく達は口をそろえて、そういった。

つぎの日小父さんは、約束どおりうちに来た。
「はい、おみやげ。」そう言って。
破った袋からのぞいたぼた餅は、ブラウスをはだけた女のひとのおっぱいみたいに輝いていた。

きゃーっ。
ちゅう~っ。
ふすまの向こうからあがる声を聞きながら、ぼた餅にぱくついて。
ふと思った―――
「どうしていつも、ぼた餅なんだろう?」
国語が得意な姉さんが、とっさに言った。
「棚からぼた餅・・・って、言うじゃない」
なあるほど・・・

夕暮れ刻になっても、ママも、小父さんも、部屋から出てこなかった。
「どうしたんだろ?ママ、生き血を吸い尽されちゃったのかな~」
のんきにそんなことを言っているうちに・・・まずい!パパが帰ってきた。
「はい、おみやげ。」
この言葉。いつかどこかで聞いたことがあったっけ?
そう思いながら破った袋のなかから出てきたのは、ぼた餅だった。
「だぶっちゃったね」
ぼくと姉さんは、そう言いながら。
晩ご飯がまだでお腹がすいていたものだから、すぐにそのぼた餅を、ぱくついていた。
「でも、血を吸う人だけじゃなくって、血を吸われる人も買ってくるんだね。おみやげ。」
姉さんは他人事みたいに、そういった。

ぎゃーっ。
ちゅーっ。
「ママのときより、音がそっけない。」
姉さんの観察力は、鋭い。
ぼくにはちっとも、聞き分けられなかった。
どうやら今夜の晩ご飯・・・ぼた餅だけですませることになりそうだ。

「持ってく?おみやげ」
あくる朝、ぼくがそう言うと。
「ばっかじゃない?」
姉さんはぼくの言い草を、一蹴した。
「だって、血を吸われる人も買ってきたじゃん、おみやげ。」
ぼくがなおも、そう言うと。
「・・・ぼた餅にする?」
姉さんは笑って、お気に入りのピンクのハイソックスを、わざとらしく引っ張りあげる。
「なんか、違うんだよね・・・」
考え込むぼくに、姉さんはだしぬけに、大きな声を出した。
「そうだ!チョコレート!」
姉さんが声をあげるのと同時に、スッと差し出された板チョコ2枚。
なにごともなかったかのようにエプロンをしたママは、
夕べの晩ご飯がなかったことに、なに一つ言い訳もしないで。
いつもどおりに、朝ごはんの支度をつづけてゆく。
父さんはとっくに・・・出勤したみたい。

さて・・・と。
そろそろ学校、行こうかな。
姉さんと待ち合わせた帰り道を、楽しみにして・・・
きょうのぼた餅は、いったいどんな味がするのだろう?


あとがき
起き抜けにふと、浮かんだお話です。
^^;

奴隷にされた彼女

2014年04月21日(Mon) 07:28:10

俺が吸血鬼のおっさんと仲良くなって、ハイソックスを履いた脚を咬ませるようになったのは、2年生の秋からだった。
運動部に所属していたそのころの俺は、学校の制服の紺のハイソックスのほかに、ライン入りの白のスポーツ用ハイソックスを愛用していた。
べつにハイソックスが好きだったわけではなくて、単なる流行に乗って履いていただけだったのが。
俺の脚にむしゃぶりついてくるおっさんに、好きなように咬み破らせてやっているうちに、なんだかむしょうに気になってきた。
幸か不幸か、部活で履くハイソックスに決まりはなかったから。
同じように、吸血鬼にハイソックスを咬み破らせているチームメイトに話を聞いたりして、いろんなやつを試したりしていた。
リブの太めのやつのほうが好みだとか、
ラインが2本のやつよりも、3本のときのほうがしつこく咬むとか、
好みそのものも気分次第でけっこう変わるとか、
そんなことがだんだんと分かってくると。
どうやら青系が好みらしいおっさんのために、白地に青や紺のラインが3本入った太リブのスポーツ用ハイソックスを、俺はいつの間にか常用するようになっていた。

部活が終わると、泥に汚れたハイソックスを、真新しいのに履き替えて。
ついでにそのまえに、シャワー室で身体もきれいに洗ってから、教室に戻る。
人けのなくなった薄暗い教室で、おっさんはいつも俺のことを待っていて、
飢えた牙をぶつけるように、ハイソックスのふくらはぎを、牙でつついてくるのだった。

そんな俺でも、絶対履こうとしなかったのが、彼女の空色のハイソックス。
なん度せがまれたかわからなかったけれど、俺は断固として拒否し続けていた。
青系のハイソックスが気になる というおっさんの言い草に。
あからさま過ぎるほどの嘘を、さすがの俺も読み取っていたから。
彼女の衣類を身に着けて、いちど咬ませちゃったら―――それは彼女をおっさんに紹介することになってしまうと。
すでに経験済みのチームメイトから、俺は聞いて知っていた。

処女の生き血が大好物なの、ヒロだって知っとるじゃろ?
みだりに犯しちゃなんねえ・・・って決まりも、仲間うちにはあるくらいなんだ。
なにしろ犯しちまったら、もう処女じゃあなくなっちまうわけだからな。

おっさんのいうことは、いちおうはもっともらしかった。
それに、おっさんの欲しがるものを与えるのは、俺にとってそう嫌なことではなかった。
言われているうちに、だんだんとその気になってきてしまった俺は―――
とうとう、練習帰りのある日―――彼女から借りた空色のハイソックスを履いて、おっさんの待つ教室に入っていった。
彼女がべつの吸血鬼に、帰りを待ち伏せされるようになっていたから。

おっさんはいつも以上に目の色を変えて、彼女のハイソックスを履いた俺の脚をたぐり寄せていって。
よだれを垂らし、それを空色のハイソックスに散らしながら、唇を吸いつけ、牙を突き立てて―――何度も何度も咬みついてきた。
空色の生地に散った赤黒い血のりが、彼女の血潮のように映ったのは・・・たぶん錯覚じゃない。
帰り道を怖がった彼女が、隣の教室で息をひそめているあいだ、俺とおっさんは息を弾ませ合って、供血行為に耽っていった。

とうとう彼女自身を、襲わせる番が来た。
彼女の身がわりに履いてやって、みるかげもなく咬み破られたハイソックスが、1ダースにもなったころ。
まるで、あたしが咬まれてるみたい。
いつも廊下越しに覗き見していた彼女が、いつしかそんなことを、口にするようになっていた。
学校帰りの彼女を狙う、正体不明の吸血鬼は、なおもしつこく彼女をつけまわしていて。
俺は部活が終わるまで待たせた彼女を、家まで送るのが日課になっていたけれど。
吸血鬼の魔手を逃れるもっとも確実な手段は、べつの吸血鬼に血を吸われてしまうことだと、お互いにわかっていたから。
結論は、案外とあっさり出たのだった。

どうせなら―――知ってるやつのほうがいい。
ヒロが血を吸わせてる相手なら、まだ安心できるよね?

いっしょにブランコに揺られながらそういう彼女に、俺はあいまいに頷いてしまっていた。

抱き寄せられた彼女の制服姿が、おっさんの猿臂に巻かれてゆくのを。
きりっとしたショートカットの黒髪が掻きのけられて、首すじがあらわにされるのを。
いつも見慣れたおっさんのとがった牙が、彼女の柔らかいうなじに食い込んでいくのを。
俺はみすみす、見せつけられるはめになっていた。
彼女に手本を見せるよう、求められて。
脳天が痺れるほど血を吸い取られた俺は、ずり落ちたハイソックスをけだるげに引っ張り上げて。
だんだんとおっさんに支配されてゆく彼女から逸らした目線を、
3本走った紺のラインが、赤黒いシミに冒されているのを確かめるために、自分の足許に注いでいった。

よぅ、見とけ―――
おっさんに言われるままに振り向いた目が、濃紺のスカートを穿いた彼女の足許に突き立つのをとらえていた。
救いを求めるような彼女の目線が、俺に注がれるのを感じて・・・
けれども俺は、どういうわけか、ニヤッと笑いかえしてやっただけだった。
引導を渡された彼女は、自分を納得させるように、ため息をひとつついて肩を落とすと。
ふたたび俺のほうに、目を向けて。
こんどはしっかりと、うなずき返してきた。
ゆっくりとだったが、はっきりとうなずき返してきた。

彼女は意を決したように、リンとした感じのする薄い唇を引き結ぶと。
空色のハイソックスのふくらはぎを、いつも俺がそうしているように、
よだれの浮いたおっさんの口許へと、差し伸べていった。
ワンポイントの入った空色のハイソックスのあちこちに、しみ込んだよだれがついて、
薄っすらとしたまだら模様になっているのが、薄暗くなった教室のなかでも、なんとなくわかった。

あー・・・
彼女の声が、人のいない教室のなか、うつろに響く。
自分の意思で、ハイソックスを咬み破らせたことを、自分で残念がっているようだった。
悔しそうに見つめる足許に、おっさんの牙が、なん度もなん度も、咬み入れられてゆく。
旨そうに擦りついたおっさんの唇が、彼女の生き血を、チュウッ・・・と音をたてて、吸いあげた。
彼女は甘っ苦しいものを、まだ血色の良い頬によぎらせて。
俺が熱中していた供血行為に、まったくおなじように、身をゆだねていった。

ひざを崩した彼女の足許で。
空色の生地に散ったバラ色のしずくが―――じょじょに拡がってゆく。
いつも会うたびにはつらつとした生気を漂わせていた、ハイソックスのふくらはぎが。
彼女の理性が冒されてゆくのを見せつけるように、赤黒いシミに浸されていった。

自分が支配されてしまうことへの快感が。
彼女を支配されてしまうことへの歓びにつながって。
それはいつしか、彼女を汚されることへの昂ぶりへと変貌を遂げる。


放課後の校庭で。
制服のスカートに泥を撥ねかしながら、犯されてゆく彼女―――


はだけられた白のブラウスのすき間から覗く、初めて目にする彼女のおっぱいが、
おっさんの好色で馴れ馴れしいまさぐりに揉みくちゃにされてゆくのを。

ピンク色をした乳首が突っ勃って、それがおっさんの爛れた唇に呑み込まれてゆくのを。

ひざ下まで覆っている白のハイソックスが、泥と血のりにまみれてゆくのを。

のしかかってきたおっさんが、むき出しの逞しい腰の筋肉をモリモリさせて、
たくし上げたスカートの奥に、お尻を沈めてゆくのを。

その瞬間、彼女が白い歯をみせて、目をキュッとつむるのを。

さいしょのうちは食いしばっていた歯をゆるめ、ヒィヒィと声を洩らして。
強引な吶喊をくり返すおっさんの腰の動きに、濃紺のプリーツスカートをくしゃくしゃにしながら応じてしまってゆくのを。

そんないちぶしじゅうを、俺は不覚にも、股間を火照らせながら、視つづけていった。
いつもよりグッと濃いめの、白く濁った粘液が。
短パンのすそからドクドクと洩れてきて、太ももを伝い落ちていって。
吸い残された血に浸されてずり落ちたハイソックスにまで浸されてゆくのを感じながら―――
彼女が主演のポルノ映画に、ただの男として昂奮してしまっていた。

不覚・・・

一生の不覚・・・

けれども彼女は、俺の不覚ぶりを、許しているらしい。
彼女のうめきは、いつか意味のある言葉になっていた。

ヒロ、ヒロ、視て。視てぇ・・・
あたし、ヒロの彼女のまま、小父様に抱かれちゃうから。
ヒロの彼女のまま、小父様の奴隷になっちゃうから。

彼女が奴隷にされる。
妖しく沸き起こってきたどす黒い妄想が、俺の理性をいっぺんに突き崩していって。
おっさんがどいたあとの彼女の上へと、俺は思わず突進していった。
えー?
いちどに二人も・・・というのは、初めて犯されるよりも抵抗があるのか?
羞ずかしがる彼女を、俺はおっさんとふたりがかりで抑えつけて。
信じられないほど怒張をつづける一物を、もどかしい手つきで、彼女の股間へとあてがってゆく。
先に散らされた粘液を、うわぐすりのようにヌルヌルと感じながら。
俺は初めての吶喊を、夢中になって遂げていた。

子どもができたら、お前たちの子だからな。
おっさんの身勝手な言い草に、俺も彼女もうなずきながら―――
許された男女の儀式に、ふたりして夢中になって。
お互いつかみ合うようにして、互いの素肌を、筋肉を、確かめ合うようにして。
だれもいない夕暮れ刻の校庭で、ふたり競い合うように、息をはずませていった。

”吸血病”にゆだねられた街 ~六軒の家々の人妻たち~

2014年04月21日(Mon) 07:27:05

“吸血病”の吹き荒れる街で―――
ある住宅街のひと区画が、1人の吸血鬼に割り振られた。
その家の住人たちは、その吸血鬼の自由な訪問にさらされて。
自らの意思とかかわりなく、生き血を吸い取られる憂き目に遭うよう、運命づけられていった。

吸血鬼は男性で、人妻が好みのようだった。
そしてどの家にも、20代から40代の主婦が、必ず一人は住んでいたのだった。

さっそく侵入を受けた一軒目では。
あれよあれよとうろたえる、夫のまえで。
首すじを咥えられた30代の妻が、白目を剥いて。
チュウチュウ音をたてて、生き血を吸われていった。

つぎの日の晩、侵入を受けた二軒目でも。
40代の夫婦が、夫婦ながら血を吸い取られ、
奥さんはご主人のまえで、吸血鬼とセックスをした。
年頃の息子が、視ているまえで。
不健全な性教育が、強制的に施されていった。

三軒目は、新婚家庭だった。
ほかの二軒でそうしたように、地酒をぶら提げて訪れた吸血鬼を、若夫婦はどうすることもできずに、迎え入れていった。
まず若い夫が新婦の前で、血の吸われ方のお手本を見せるはめになり、
薄ぼんやりとなった夫のまえで、若妻も生き血を吸われ、セックスを強いられた。
恋人同士のセックスよりも、グッと濃厚ないやらしさをよぎらせる新妻の肢体に。
夫は激しい憤りと、深い嫉妬と、しまいに妖しいマゾヒズムとに理性を押し流されていって。
思わず覚えた失禁に、妻を苦笑させていたのだった。

四軒目の夫には、女装趣味があった。
妻の身代わりにと女装をして吸血鬼の相手をしたけれど・・・
やはり奥さんも狙われて、セックスされてしまった。
それ以来。
夫婦ながら、女の服を着て、吸血鬼を迎えることが。
この家の習慣になっていた。
妻に隠れて愉しんでいた後ろめたい趣味が。
いまは妻の健康を救うための方便として、妻に認知されるようになったことに。
夫はわずかながらの僥倖を、見出していた。

五軒目には、年頃の娘がいた。
父親のつぎに薄ぼんやりとなった娘の身体から、
処女の生き血を美味そうに啜り取ると。
娘の生き血をしたたらせたままの牙を奥さんに向けて、
娘さんはあんた似だな・・・?とか囁きながら、挑みかかっていった。
気絶した家族が横たわる傍らで、奥さんはスカートをせり上げられていった。
父親は薄ぼんやりとなりながら、自分の妻子がみすみす母娘丼を遂げられてしまうのを。
ひそかな昂ぶりを感じながら、見守っていた。

六軒目。
愛妻家で知られた夫は、「妻だけは襲わないでくれ」と懇願したけれど。
「気の毒だが、お宅だけ例外というわけにはいかないのだよ」
吸血鬼はまず夫の血を吸って、それから奥さんの血を吸い取って。
「奥さんの血は、おいしいね」
薄ぼんやりとなった夫にそう囁くと、うっとりしている妻とセックスをした。
意思を喪った妻が、無抵抗に抱かれていくのを、夫は悔しそうに見守っていた。
「うちは最後だったみたいだから、見逃してくれるのかと思っていた」
「それは甘いよ。ご近所のみんなから、仲間外れにされちゃうよ。」
「どうしてうちが最後だったの」
「おいしい獲物は、さいごまでとっておくものさ」
そう聞いて初めて、夫は納得したようだった。
「お願いだから、妻を奪わないでくれ」
そう懇願する夫に、
「きみの奥さんのまま、犯しつづけるさ」
吸血鬼はそういうと、もういちど奥さんのおっぱいにむしゃぶりついていった。

人妻たちのブラウスははだけられ、ワンピースの襟首には血潮が滲み、スカートの裏地は吸血鬼の淫らな粘液に彩られる。
きちんとセットされた髪は崩されて、栗色の毛先は精液に濡れた。
唇という唇はいたぶりをうけて、むき出された白い歯は、愉悦を滲ませる。
乳首という乳首はしつような唇に呑み込まれ、淫らな唾液を光らせてゆく。
火照った素肌は血を抜かれ、それでもあられもない痴態だけは、飽きることなく営まれ続ける。
女たちの足許を染めていたストッキングは、みるかげもなく引き破られて、名誉が奪い尽されたことを、いっそうきわだたせてゆく。

この街は、いまでも何ごとも起らなかったかのように。
表向きは平穏な生活を、送っている。
一軒目のご主人は、自分の妻が真っ先に狙われたことを誇りに感じていたし、
二軒目のご主人は、性に目覚めた息子が母親に挑みかかるのを、むしろけしかけて愉しんでいた。
三軒目の新婚妻と、四軒目のベテラン主婦とは、吸血鬼との間の子を孕んでいた。
若い夫はそれでも大事に育てると誓っていたし、
女装の夫は妻が妊娠中、自分が妻の代役をすると、張り切っていた。
五軒目では、娘が初体験の儀式を遂げていた。
処女を奪われてゆくまな娘の両側に控えた両親は、娘の手を握りながら、初体験の恐怖におびえる娘を励ましつづけていた。
六軒目の妻は、今朝も朝帰りだった。
スカートの裏地にどっぷりと、情夫の精液を滲ませて。
けれども愛妻家の夫は、以前のような独占欲の塊ではなくなっていて、むしろ妻の浮気を歓迎していた。
最愛の妻の肢体を吸血鬼と分かち合うことが、歓びになってしまっていたから―――

真夜中に勤めに出かける妻。
下校してすぐに勉強部屋に、家庭教師を呼び入れる娘や息子。
リビングで夫がお茶をしているあいだ、夫婦の寝室でひそかな吐息を洩らす妻。
どの家も・・・表向きの平穏に、包まれている・・・



メモ:4月17日構想、21日加筆。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

2014年04月14日(Mon) 04:57:57

学校からお家に戻ると。
あたしはママが招(よ)んでいた小父さまに、引き合わされた。
小父さまは学校の制服を着たあたしを引き寄せると、いきなり首すじを咬んで。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
って。
汚らしい音をたてながら、あたしの血を吸い取った。
ママはびっくりして、うろたえて。
さいごは悔しそうな顔をして。
あたしが身体のあちこちを咬まれながら血を吸い尽くされちゃうのを、
どうすることもできないで、見守っていた。


つぎは、ママの番だった。
小父さまは、薄いピンクのカーディガンを着たママのことをつかまえると。
あたしの血をつけたままの牙をむき出して、ママの首すじを咬んでいた。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
さっきあたしの血を吸った時と同じくらい、汚らしい音を立てながら。
ママの血を吸い取ったっていった。
ママが悔しそうに歯噛みをしていたのは。
お気に入りのカーディガンに血のりが跳ねたのが悔しかったのと。
血を吸い取られるときの音が、あまりにも汚らしいことに、腹を立てていたんだって。


あたしのときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

ママのときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

吸血鬼に血を吸われるのって、もっとロマンチックだと思っていたあたしたちは。
ヒルみたいにうごめく飢えた唇を、身体のあちこちにお行儀悪く吸いつけられて。
豊かに脈打つ生き血を、一滴余さず吸い取られていった。


あたしは真っ白なハイソックスに、赤黒い血をべっとりと撥ねかしていて。
ママは肌色のストッキングに、ビチッと派手な伝線を、つま先まで走らせていた。
スリップ越しにわき腹を咬まれるときに、ひどく嫌そうな顔をしたのは。
新調したばかりの高いスリップを破かれちゃうのに、腹を立てていたからだったんだって。
そんなふうにしてあたしたちは、
身体をめぐる血潮を一滴余さずむざむざと、
献血する羽目になっていた。


ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

血を吸い取られるときの、あの汚らしかった音が、ママはよほど悔しかったらしい。
会社から帰って来たパパの首すじに咬みついたときも。
ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。
あたしたちが吸い取られたときと同じくらい、汚らしい音を立てて。
パパの生き血を、吸い取ってしまっていた。


あれっきり、あの小父さまとは逢っていない。
血のなくなった身体のあたしたちには、もはや用がないのかも。
そう思うのは、ちょっぴり寂しいけれど。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

あんなふうにして吸い取ったあたしたちの血の味を、まだ憶えてくれているといいなって。
時々そんなことを、ふと思う。


ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

お友だちをだまして家に連れて来て。
ママと一緒に生き血を愉しむときも。

ちゅぱちゅぱ・・・ぢゅるうっ。

近所のおばさんを家に招(よ)んで、母娘で生き血を分け取りするときも。
あたしたちはいつも、あの汚らしい音を立てて。
一滴余さず吸い取っちゃうのを、マナーだと思い込んでいる。

静粛に静粛に~ご住職が直接、奥様のお相手をなされます。

2014年04月10日(Thu) 08:12:27

「ご住職が直接、奥様のお相手をなされます」
喪服を着た村の老女が、参列していたわたしのところにすすっ・・・と近寄ると、
ぼしゃぼしゃとした調子でそう囁いて、ふたたび背をかがめてそそくさと離れていった。
怪訝そうに交し合った夫婦の視線は、交わりあうとすぐに気まずそうに離れてゆく。
ここはお寺の本堂のなか。
厳粛なるべき法事の席だった。

都会から赴任してきたわたしたちは、村の行事には積極的に参加することを義務づけられていた。
土地の人たちと親睦を深めるため―――というのがもっともらしい表向きの理由だったが。
それはあくまでも口実で、かれらの真の狙いは、わたしたちの帯同してきた都会妻の貞操。
そうと知りつつ妻を伴って赴任してきたのは、皆それぞれに理由を持ち合わせていたからだった。
会社の創立者の出身地であるこの村は、慢性的な女不足で、悩んでいた。

ご住職はさっきから、数名居る僧侶のなかで、ひときわ太いだみ声で、お経を唱えているところだった。
老女がわたしに近づき、離れていったとき。
こちらのほうをチラと見たような、見なかったような・・・

「のっけからご住職相手とは。これは名誉なことですぞ」
隣に座る村の顔役が、重々しい口調でそういった。
「は・・・はぁ・・・」
妻の手前もあって、なま返事のわたし。
感情を消した表情を顔に貼りつけたままの、妻。
「奥さん、すごいですね。大抜擢じゃないですか!」
真後ろにすわる後輩の小暮君は、本気で目を輝かせている。
小暮夫人のみどりさんも、小暮君の隣から、「おめでとうございます」と、妻に心のこもったまなざしを投げる。
「うちのみどりなんか、ご住職にあたったのは五回めだったんですよ」
「もぅ・・・」
みどりさんは照れ臭そうに夫を振り切りながらも、まんざらではなさそうな顔をしている。

面識のある都会の夫婦からそんな思わぬ“祝福”を受けた妻は、ちょっとびっくりしたように振り返り、「えっ???」と口走る。
「静粛に静粛に」
隣の顔役が、わたしたちの私語をたしなめた。

小暮君は、半年まえに当地に赴任したばかり。
着任そうそう、妻のみどりさんを伴ってこのお寺に法事の手伝いに来たのが、“この世界”とのかかわりのはじまりだったという。
「いやぁ、さすがにぼくも、びびりましたよ・・・」
さすがに自分のときのことは、あからさまに言わなかったけれど。
人づてに聞いたそのときの状況は、かなり露骨なものだったらしい。
顔役二人が小暮君を抑えつけて、みどりさんはその目の前で、村の若い衆三人に取り囲まれながら、喪服のスーツを剥ぎ取られていったという。
「あとから思えば、抑えつけてもらっててよかったです。あらかじめ聞かされていたとはいっても、逆上しちゃっていましたからね。若いひとのときには大概こうなるんだって、あとから顔役に聞かされました」
いまでは小暮君はたんたんと、目のまえで奥さんを輪姦された体験を、そんなふうに聞かせてくれる。
「さいしょが肝心だそうでしてね。みどりはこれですっかり、納得しちゃったみたいです」
小暮君がそういうと、
「淫乱妻になっちゃいました」
みどりさんは、くすくすと笑っている。
両肩にかかるセミロングの黒髪が、薄暗いお堂のなかで微かな灯りを受けて、ひどくなまめかしく輝いていた。
「みどりのお相手の一人は、そのときの顔役さんの息子さんで・・・女の人は初めてだったんだそうです。その顔役さんは、”息子の筆おろしに協力してくれた“といって、いまだに恩に着られて・・・飲みきれないほどお酒、くださるんですよ。こんど先輩にも持っていきますから」
かわりに彼が持ってきてくれたのが、きょうの「法事の手伝い」の予定だった―――

返せない借金とともに、わたしたちは失踪したことになっていた。
会社はそれでもわたしたちをかくまってくれて、この勤務地を指定してきた。
乱交の風習のある村で・・・奥さんも巻き込まれちゃうけど、それでもいいかい?
人事担当の重役の言葉に、会社を辞めますと告げる勇気が持てないままに、とうとうここまで来てしまった。
「仕方ないわ。なにもかも忘れるから。だからあなたも忘れて」
妻はあきらめきった顔をして、わたしにそういった。


読経のさいちゅうも、ご住職はちらちらと、こちらの様子を窺っている。
とくに妻の身体つきを、舐めるような視線で視ている。
しつような目線を察した妻は、数珠をギュッと握りしめたまま、身体を固くしていた。
やがてご住職は、高らかなだみ声でお経を唱えながら起ちあがり、本堂を横切っていった。
本堂のいちばん奥には小さな引き戸があった。
ご住職は身をかがめて引き戸を開けた。
金襴の袈裟が重たげにずるずると引きずられながら、引き戸の向こうに消えた。

「ささ」
隣の顔役が身をかがめて、間に座るわたしを飛び越すようにして、妻を促した。
妻はなおもためらったように、わたしを見た。
なにか言いたげなようすだった。
ふり返ると、化粧を刷いたいつもより白い目鼻立ちに、しんけんな目線が宿っていた。
覚悟を決めたな。
わたしはそう直感した。
思わず湧いた感情の正体が安堵であることにうろたえながらも、わたしはわたしに課せられた務めを果たそうとしている。
「行って来なさい」
夫としての命じることに、妻は決して逆らわない―――村の不文律では、そうなっているという。

妻は自分の意志ではないように、音もなくすうっと起ちあがると、ご住職のあとを追うようにして、本堂を横切っていった。
読経の声を高らかにあげながら、僧侶たちはななめに横切る喪服姿をふしんがる様子もなく、さりげなく席をずらして、妻を通してくれた。
引き戸を開けたとき、妻はもう一度だけ、わたしのほうをふり返った。
なにかを懇願するような顔をしていた。
わたしは意味もなく、頷いてみせる。
妻は謝罪するように深々とお辞儀をすると、黒のストッキングのつま先を引き戸の向こうへとすべらせていった。
「成仏成仏。ありがたや」
隣の顔役がそう呟いて、殊勝げに掌を合わせた。
読経の声がいちだんと、高らかになった。

数分後。

アアー!

遠くから。
絶叫のようなものが谺した。
かすかな声ではあったが、それは幾重にも隔てられた壁を通して聞こえるからであって、じっさいには絶叫であることを、声の雰囲気からしてそれと察した。
思わず起ちあがろうとするわたしを、顔役が引き留めた。
「静粛に静粛に」
法事のさいちゅうですぞ、と、顔役はわたしを咎めることを忘れなかった。
「先輩、ダメです。いま出てっては」
小暮君も、わたしをたしなめた。
奥さんがよがり狂っているのを目のまえで視た男のいうことを、わたしは諾(き)かざるを得ない立場におかれていた―――


一時間は経っただろうか?
小暮君夫婦は、すでに後ろの席から姿を消していた。
さいしょにみどりさんが、ちょっとしてから小暮君までもが、それぞれ別々の老女に導かれて、出ていったのだ。
隣にぽつんと座っているのは、顔役ひとりだった。
視るか視ないか・・・の選択だけは、わたしの意思を聞いてくれた。
視ない―――という選択は、はたして正しかったのだろうか?

引き戸がもそもそと開くと、小さな人影がおずおずと、姿をみせた。
妻のものであるとわかるのに、2秒ほどよけいにかかった。
きちんとセットされた髪はほどかれて、ぼさぼさにほつれて肩先に流れていて。
はだけたブラウスからは、吊り紐の切れたブラジャーに区切られた胸元が、あらわになっていて。
派手に裂けた黒のストッキングが、白い脛を露骨なまでに、露出させていた。
席に戻った時、妻はまだ、息を弾ませていた。
わたしの傍らに戻るとひと言、
「なにごともございませんでした」
丸暗記してきたような、棒読み口調だった。
おそらくそう言えと、ご住職に言い含められてきたのだろう。
それと察するとわたしも、顔役から言い含められていたセリフを、そのまま口にした。
「お疲れさま」
と―――
わたしの声色に穏やかさと、淫らな慄(ふる)えがあるのを、妻は女の直感で嗅ぎ分けたらしい。
チラとこちらの顔をのぞき込むような視線を投げてよこすと、
「おつきあいすることになりました」
許してくださるわね?目線はそう語っていた。
「よろこんで・・・お受けしなくちゃね」
震える唇がかろうじて紡いだその言葉に、妻は安堵の笑みを泛べる。
「そうね」
合掌して瞑目した白い頬には、穏やかな笑みさえ含まれている。

女はやはり、剄(つよ)いのか―――
あらためて、わたしの全身に慄(ふる)えが宿った。
それが淫らな意思によるものだと、夫婦どちらもが自覚しながら。
妻は素知らぬ顔をして、神妙にお焼香に立ってゆく。

ご住職は、一枚うわて。

2014年04月10日(Thu) 07:59:35

さすがに中出しは、厳禁でお願いしますよ。
あー、わかっとる。わかっとる。もちろんじゃ。
ご住職はそういいながら、妻の待つ部屋へと足を向ける。
畳に尻もちをついたスーツ姿の妻が、とざされたふすまに遮られて見えなくなった。

ひー。

ひと声洩れてきた、か細い悲鳴―――
しまった、と思ったのは、そのときだった。
ご住職は確かに、中出しはしないと確約をした。
だから子供ができたら、それは当然わたしの子供ということになる。

妻の妊娠が発覚したのは、それからちょっと経ってからのことだった。

「しばらく逢えぬのぅ」
ご住職はちょっぴり、さびしそうな顔をした。

ちょっくら、

2014年04月10日(Thu) 07:58:45

いままでのお話に間があいたので、べつのねたにイキます。

・・・これきりになったりしてね。(^^ゞ

父さんの日課

2014年04月07日(Mon) 08:06:33

会社で貧血を起こした日の帰り道は、意外に意識がしっかりしている。
今夜もちょうど、そんな感じだった。
吸血病が蔓延し始めたこの街では。
行き交う人が皆、吸血鬼の犠牲者にみえる。
いやじっさい、すれ違う人の首すじにふと視線を当てると、
そこには大概、赤黒い咬み痕に、吸い残された血のりがべっとりと貼りついていたりするのだった。

きょうも、出社そうそうのことだった。
無表情な顔をした秘書課の女子社員が事務所に入ってくると、
そっけない口調でわたしに来客を告げて、すぐに回れ右をした。
くるりと背中を向けるとき。
アップにした黒髪の生え際に、ふたつ綺麗に並んだ紅い斑点が目に入る。
まだ、咬まれたばかりのようだった。

応接室に行くと案の定、彼はいた。
息子の血が気に入って、妻にまで迫っていったあの男―――
わたしが開いたドアの向こうに立ちすくんだのを見ると、
男は親しげに片手をあげ、わたしを手招きしてみせた。
「朝のうちのほうが、血の味は愉しめるからね・・・本命は、朝になってから狙うのさ」
まるでわたしの機嫌をとるかのように、「本命」だなんて持ち上げておいて。
わたしはしぶしぶ・・・といった態度で向かいのソファに腰かけると、だまってスラックスをたくし上げた。
「うふふふふふっ。いつもながら、いい色だね」
彼がほめているのは、わたしの履いている、ストッキング地の濃紺のハイソックスの色あいだった。
「男ものなのに、どうしてこうもなまめかしいのか」
男はそういいながら、わたしの側のソファに移って来て。
スラックスをさらにたくし上げると、そろそろと足許にかがみ込んでくる。
薄いナイロン生地越しに、男の唇がねっとりと這う感触にドキドキするようになったのは・・・いったいいつのころからだっただろう?


執務中に貧血を訴えると、上司は寛大にほほ笑んで、休憩室で休むようにと指示をくれた。
血を吸われるようになったのが公になってからこのかた、
仕事らしい仕事はなくなっていたから、
わたしが長時間の休憩をとったからといって、ほかの部署に迷惑がかかるという事態は起こらなくなっている。
整えられたふかふかのベッドに横たわると、あるじのいなかった布団のひんやりとした感触が、わたしを包む。
夕べからの疲れがどっと押し寄せてきて、わたしは眩暈に似た睡魔に、身をゆだねていった。


家に帰ると、息子が出迎えてくれた。
まだ濃紺の半ズボンの制服姿だった。
ハイソックスは片方がずり落ちていて―――ふくらはぎの咬み痕はまだ新しく、紅い血がみずみずしい輝きをたたえていた。
「お帰り。早かったね」
息子はてきぱきと応えると、「ご飯できてるから。きょうはハンバーグだよ。できたてだからこのままでもいいと思うけど・・・あっためる?」
返事もきかずに、レンジをチンしてくれている。
ひととおり、わたしの食事の用意を整えると。
「じゃあ、これから勉強するから・・・あとはてきとうに寝(やす)んでね」
手際よく気配りのきいた配膳など、いつの間におぼえたのだろうか?
我が家が吸血鬼と同居するようになってから。
妻も息子も親切になり、やり取りが細やかになったような気が―――している。


食事を終えて階上の寝室にあがると―――息子が妻の話題を一切口にしなかったわけがわかった。
そこには複数の人の、人の気配がしていた。
寝室のドアには、落書きのようなものが何枚も、べたべたと無造作に貼りつけられていた。
まるで子供が貼りついだような、稚拙な貼り方で、ほとんどが斜めに貼られていた。
内容は、どれもが衝撃的なものばかり。

離婚届
夫―――わたしの名前。
妻―――妻の名前。

婚姻届
夫になる人―――妻の情夫さんの名前。
妻になる人―――妻の名前。


離婚届も婚姻届も、役所から取り寄せた本物だった。
妻にはわたしと別れる気は、毛頭ない。
いまの裕福な生活が、気に入っていたから。
そして、エリート会社員の夫人である自分を辱めつづけることに、自分の情夫が価値を感じているのを、よく知っていたから。
そう、彼の好みに合わせるために、彼女はわたしの妻でいつづけている、というのだ。


成績表
父さんのぺ〇ス  15点 12点  8点  14点
小父様のペ〇ス  90点 95点 93点 100点

父さんのより、ずうっと大きいわあっ。
ぐるぐる巻きに縛られて、部屋の隅っこに転がされたわたしのまえで。
妻はなん回、そんなことを口走ったことだろう?

切り取られたアルバムのページ。
一枚一枚が、妻と彼との濡れ場。
写真を撮ったのは、どうやら息子らしかった。
写真の合間に踊るのは、息子の筆跡。

ぼくは小父さんと母さんとのキューピッド。
父さんに内緒で、ふたりの生活をつづります。

すぐ隣には、半裸で抱き合う二人の写真。
妻は礼服をはだけておっぱいをまる見えにさせていて、
黒のストッキングを、ひざまで脱がされて、まぶしい太ももをさらけ出している。

小父さんは男として、最高!
父さんとするよりも、よほどキモチがいいみたい・・・!

あえいでいる妻の表情が、息子の落書きの真実性を裏付けている。


こんなものばかり、見せつけられているというのに・・・
わたしが貧血の身体を真に回復させるのは、たぶんこの廊下でのことなのだった。
ぎしぎしときしむベッドの音に、わたしはいつものように、そうっとドアノブをまわしていた。
今夜もきっと、眠れない一夜を明かして―――出勤直後に朝の吸血を済ませると、すぐにそのまま休養を取ってしまうのだろう。

学校生活のなかでの吸血鬼の風景。

2014年04月07日(Mon) 07:38:18

濃紺のハイソックスを履いた脚が二組み、きょうも校舎の廊下に並んで歩く。
呼び出したのは、ぼくの小父さんと宝井君の小父さん。
半ズボンからむき出しにした太ももに、あたりの冷気がくすぐったかった。
そして、周囲の先生方や生徒たちの視線も――――――
ぼくたちの目指す空き教室は、入り組んだ構造になった校舎群の、いちばん奥。
だからそこを目指す生徒たちは、ひどく目だってしまうのだった。
ぼくたちは周囲の視線をくすぐったく受け流して。
太ももに突き刺さる視線に、ハイソックスの脚をわざとさらしながら、歩みを進めた。

よく来たね。
授業、あったんだろう?
ふたりの小父さんは、ぼくたちを快く迎えると、廊下に通じる教室の扉を、ぴしゃりと閉めた。

まえにこの教室を使っていたのは、女子学生と女性の教諭だったらしい。
「忘れ物」ってなぐり書きされたメモが、壁にむぞうさにピン留めされて。
そのすぐ下に、敗れたストッキングが二足、やはりピン留めされていた。
傍らの椅子の背もたれにだらりと懸けられた、空色のブラウス・・・
もしかしたら、高嶋先生のものかもしれない―――そう思うとなぜか、胸がぞくり!と疼くのだった。

お行儀のわるい連中の手にかかると、「獲物を交換」なんてことも、あるらしい。
けれども、ぼくたちの関係は、案外貞淑なのだ。
ぼくの小父さんはぼくの背後に立って、
ぼくと向かい合わせになった宝井君の後ろには、宝井君の小父さんがひっそりと佇んで。
互いになにをされているのかわかるように、それぞれの相手の肩先に、唇をスッ・・・と、迫らせて来る。

うっ・・・
さいしょに呻いたのが、宝井君。
そしてそのすぐあとに、ぼくの首のつけ根にも、あの痛痒い感触が走っていた。
ちゅうっ・・・
生き血を吸い取る時の、あのドキドキするようなひっそりとした音。
人けのない教室のなか。
ぼくたちの若い血を吸い取るちゅうっ、ちゅうっ・・・という音だけが、四人の空間を支配する。

あー・・・
音をあげたのは、きょうはどちらが先だっただろう。
ぼくたちは床に突っ伏したりおかれたソファに倒れ込んだりして、
のしかかってくる吸血鬼たちの牙に、自分の首すじをゆだねてゆく。
ぼくの上半身をしっかりとつつむ、力強い抱擁に。
ああ・・・
ぼくの胸は、歓喜に高鳴る。
ワイシャツにわざとぼたぼたと、吸い取った血潮を散らされながら。
小父さんはぼくの太ももを咬み、ハイソックスのうえからふくらはぎを咬んだ。

ハイソックスの上からって、妙に昂奮するんだよね・・・
宝井君もまた、自分の履いている制服のハイソックスが、くしゃくしゃにされながら咬み破られてゆくのを、
昂奮した目つきで、見おろしていて。
ぼくもまた、小父さんが吸いやすいように角度を変えてやりながら、ふくらはぎをさらしてゆく。
娼婦にでもなった気分。
そう、ぼくたちは、自分たちの脚に欲情する年上の男性を相手に、くねくねと脚を、くねらせつづけていった。


校内では、こんな吸血行為がごく当たり前のように、行われていた。

小父さんに血を吸い取られたあと、なに喰わぬ顔をして教室に戻る帰り道。
講堂まえのホールを通りかかると。
ベンチに腰かけた女子生徒がひとり、中年の男の吸血鬼に迫られているのを見かけた。
小父さんたちは、半ば気絶したぼくたちを放り出して、とっくの昔に引き上げていたし。
宝井君は寄り道をしていくといって、教室を出てすぐに、わかれていた。

女子生徒は三つ編みのおさげを掻きのけられて、首すじを吸われてしまっていた。
彼女は嫌そうに眉をしかめて、べそをかいていた。
吸血鬼は彼女の肩を抱き寄せて、相手が身じろぎできないように、ぴったりと体を密着させていた。
そして、うなじに吸いつけた唇を芋虫のようにうごめかせながら、吸い取った生き血を含み続けていた。

「やめて・・・嫌です・・・」
震える小声で相手の行為をとがめ続ける女子生徒は、身を固くこわばらせている。
ひざ小僧をぴったりとくっつけ合っているふくらはぎが、黒のストッキングに淡く透きとおっている。
やがて、きっと、彼女の穿いているストッキングも、いたぶりの対象にされてしまうのだろう。
よく見ると、女子生徒はぼくの同級生だった。
佐野原ナツミ。宝井君の彼女だった。
ぼくたちがひそかに愉しんでいる行為は、
女子にとっては、気丈な彼女でさえべそをかいてしまうほどの出来事なのか?
ぼくにとってはすでに、愉しみ以外のなにものでもなくなってしまっているのに?

「よう」
吸血鬼はぼくをみとめると、向こうから声をかけてきた。
さっき別れたばかりの、宝井君の小父さんだった。
「若い女の子の血は、エエぞお」
宝井君の小父さんは、にんまりと笑んでみせた。
嬉しげに弛んだ唇も、唇のすき間から見せた白い歯も、吸い取った生き血をテラテラとあやしていた。
ぼくが思わず目をそむけると、
「そう嫌がるもんじゃない。パートナーを悦ばせるのは、わるいことじゃないだろう?おかげでわしらは、人妻熟女の生き血も、うら若い女学生の生き血にも、ありつけるんだからな」
佐野原ナツミと目が合った。
必死で訴えかけるようなまなざしには、意外にも、「助けて」という含みは感じられなかった。
彼女はやっとのことで、ひと言だけ口にした。「行って」。
足早に立ち去るぼくの背中ごしに、ふたたび血を吸われ始めた佐野原ナツミのあげる小さな悲鳴と、吸い取られてゆく生き血が吸血鬼の喉を鳴らす音が洩れてきた。
ストッキングの破れるブチブチという音までは―――たぶん空耳だったに違いない。

はるか後ろのほうに、人影が立つのをぼくは感じた。
それが宝井君なのだろうと、振り向きもしないのにどうして感じることができたのだろう?
宝井君と思しき人影は、遠くにそっと佇んで。
自分の彼女が小父さんに生き血を吸い取られてゆく様子を、じいっと眺めているようだった。
それは、若い恋人にとってはまがまがしい光景のはずなのに。
宝井君はなぜか、半ズボンの股間をつよく、押さえつづけていた。
わかる。わかるよ、その気持ち・・・
ぼくが母さんを家で犯されちゃっているときも、いつもそんなふうにして。
激しいオナニーに耽ってしまうのだから。


あとがき
なぜか、後半部分から描き始めました。^^;
前後で断層ができていなければいいんだけど。^^;

母さんの情夫ふたりに、分け取りされる。

2014年04月07日(Mon) 07:15:00

相性がいいんだろうねって、よくいわれる。
たぶんそうなんだろうなって、ぼくもそう思う。
だって、こんなに毎日のように血を吸われながら、ぼくは一日もめげないで、学校に通い続けているのだから。
土日があるだろうって?
たしかに土日は、学校は休みだけれど。
小父さんに誘われない日があったとは、とても思えない。
もちろん小父さんのほうで、手かげんして吸ってくれたことは、多々あったと思うけど。
父さんも母さんも、やっぱり小父さんに誘わていたけれど。
「どうやら若い子がお好みのようだね」って、母さんがいうように。
ぼくが誘われる頻度が、いちばん高かった。
なのに、父さんは貧血で時々欠勤したし、母さんもぐったりとなっちゃって一日部屋から出てこないこともあったけど。
ぼくだけは・・・いつもふつうどおりに学校に行ったり部活を楽しんだりしていたのだ。
「不死身のアキ」なんて呼ばれ始めたのは、このころのことだった。


初めて女の人の服を着た、つぎの日のこと。
ぼくはいつものように、小父さんに呼び出されていた。
「私は、オードブルだね」
小父さんを出迎えた父さんは、珍しく軽口をたたいて小父さんの相手を務めたし、
母さんも迷惑そうに顔をしかめながら、首すじを咬まれていった。
「ちょっとだけ、遠慮しなさい」
父さんが厳粛な顔つきをして、ぼくにこう告げるとき。
なにが起きるのかとうに察しをつけていたぼくは、だまって素直に二階に上がる。
ふたたびリビングに降りてきたとき、夫婦の寝室に通じるふすまが半開きになっていて、
母さんが大の字に仰向けになっているのが、脚だけ見えた。
穿いている肌色のパンストは片方だけ脱がされていて、
もう片方の脚には、派手な伝線が走って、脛がまる見えになっていた。
小父さんは満足そうな顔をして、ぼくの手を引いて家を出る。
意気揚々としている感じが、伝わってきた。
ぼくは母さんを犯した男に連れられて、自分の生き血を吸わせるための小旅行に出発する。

通されたのは、昨日お邪魔した洋館だった。
奥さんは出かけていて、その人のご主人という人が一人でいた。
「お前の血を吸いたいっていうんだ。かまわないだろ?」
そう、ぼくは初めて、小父さん以外の吸血鬼を相手にした。
応接の方法は、慣れたものだった。
あいさつの接吻よろしくぼくの足許にかがみ込んでくるご主人のまえ、紺のハイソックスの脚を差し伸べた。
かすかに滲んだ唾液が、ご主人もまた飢えていることを伝えてきた。
「お好きなだけどうぞ」
いつも小父さんに応えるときに口にする言葉をご主人に投げると、
ご主人はびっくりしたようにぼくを見あげ、小父さんに促されるとさもうれしそうに、ぼくの脚にむしゃぶりついた。
ハイソックスごしに初めて受け入れる牙は、小父さんのそれよりも軽いタッチの咬みだった。

貧血~・・・
額に手を当ててぼくがうわ言みたいに呟くと、ご主人は申し訳なさそうに顔をしかめてみせた。
「あっ、だいじょうぶです。すぐに気を取り直しますから」
ぼくは自分で自分のことをそういうと、えへへ・・・と、笑ってみせた。
安心していいですよ、と伝えたつもりだった。
「痛くなかったかい?」
気遣うご主人に、
「エエ、だいじょうぶです、慣れてますから」
ふつうにそんなことを、こたえていた。
「きみは強いんだね」
「みんなにそういわれます。初めて血を吸われてもう二週間になるのに、皆勤賞なんですよ」
「ご指導がいいからだろうね」
「そうですね。それもあると思います」
ぼくの顔色見ながら、手かげんしてくれますから・・・って、ぼくがいうと、
ご主人は、妻のときもそうなんだよ、って、ぼくに告げた。

いいこと教えてやろうか?
小父さんが人のわるい笑みを泛べた。
こういうときにはたいがい、ろくなことを言わないのだ。
そうとわかっていながら、ぼくは、なあに?って、促していた。
小父さんのいけないはなしは、いつも面白かったから。
ふふふ・・・
小父さんはほくそ笑みながら、こんなことをいった。
このひとはね、あんたの母さんの浮気相手なんだぜ?
え?
小父さんだって、ぼくの母さんのことを抱いているじゃないか。
その一言はあまりにも重大過ぎて、とても口にできなかったけど。
そうなんだね。
ぼくは自分でもびっくりするくらい、淡々と応じていた。
いつからなんですか。
ご主人は申し訳なさそうに、ぼくにこたえた。
小父さんのご紹介でね。つい先週からの仲なんだ。
父さんは、知っているの。
まだだね。たぶん。
そうなんだ。
きみなら、わかってくれるだろうって、小父さんがいうものだから。
ご主人の言い草は、どこか弁解じみえていたけれど。
ふつうなら母親の情夫に感じるはずの反撥とか、嫌悪とか、そうしたものはまったく、感じていなかった。
ご主人もたぶん、自分の奥さんを小父さんに手籠めにされているはずだったから。

犯した女の息子の血は、うまいぞって、そそのかしたんだ。
小父さんがまたも、人のわるいことをいった。
ふうん、そうなんだ。
ぼくは感情を忘れた人みたいに淡々と、小父さんに応じていた。
よかったら、もう少しぼくの血を愉しみませんか?まだ大丈夫だと思うので。
ぼくはご主人に、吸血を促していた。
え?いいの?
ご主人はちょっとびっくりしたようにぼくを見た。
ぼくはゆっくりと、じゅうたんの上に仰向けになった。
ぼくが身体を横たえるのと動きを合わせて、ご主人が上からおおいかぶさってきた。
ちゅうっ・・・
初めて首すじを吸われたとき
ちょっとだけ、どきどきした。
母さんの情夫に、生き血を吸わせる。
その事実に昂奮したのは、偽りのない事実―――
ご主人はぼくの血を飲みふけり、ぼくはそんなご主人のために、ぼくの生き血をめいっぱいご馳走してあげた。


※3月31日ころ構想。