淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
目覚めた主婦
2016年04月24日(Sun) 09:11:47
鏡台のまえ、寺崎千代は念入りの化粧を整えると、新調のスーツをまとった身をもたげ、リビングに向かった。
リビングには夫がいた。
夫は千代の淹れたコーヒーカップを片手に、テレビを観ていた。
騒々しい、バラエティ番組だった。
けれども夫の注意はテレビになどちっとも集中していなくて、
じつは夫婦の寝室で身づくろいをしている千代にいっしんに注がれていたらしい。
夫の顔色ですぐにそれと察すると。
千代はつとめて明るい声で、いった。
「どう?似合うかしら?このスーツ」
夫は妻の明るさに合わせて、かろうじて笑みを交えながら、
「うん、良く似合っているよ。さすが瀬藤さんだ。きみの良さをよくわかっていらっしゃる」
瀬藤さんの好みがちょうど、きみに似合っているのかもね・・・
ぽつりとつぶやく夫の言いぐさを軽く流して、千代は「じゃあ行ってくるわね」とだけ言って、夫に背を向ける。
夫はもちろん、何もかも知っている。
新調してもらったスーツを、瀬藤さんに見せに行くだけじゃない。
このスーツを着たまま血を吸われ、ついでに抱かれてしまうために出かけるのだ――
千鳥格子のスーツを仕立ててもらうとき、瀬藤は自ら千代を同伴して知り合いの洋品店に採寸に付き合ってくれた。
そのとき夫はいなかった。
「今回は記念じゃから」
瀬藤は年配者の塩から声で、口数少なくそういうと、
「わしの好みの柄じゃから」
そういって、千鳥格子のスーツを店主に持ってこさせていた。
記念だといわれて初めて、気がついた。
初めて瀬藤に抱かれて、ちょうど一年が経とうとしていた。
瀬藤が千代に服をプレゼントすることは、よくあった。
いつもあんたの血で汚してしまうから・・・と、妙な心遣いをするのだった。
服を汚すのを気にするくらいなら、血を吸わなければいいだろう・・・って?
そうはいかんのだな。わしは吸血鬼なんじゃから。
瀬藤は自慢とも自嘲ともとれない声で、千代にそういっていた。
一年前のきょう――
千代は友人の婚礼に招かれて、夫とともに初めてこの街を訪れた。
吸血鬼が棲んでいるのよ、この街。
新婦となる友人はそういって笑ったが、千代はただの冗談だと思って受け流した。
それが、彼女に許された精いっぱいの警告だなどとは、思いもしないで。
この街での婚礼は、三日続く。
初日の披露宴の、仲人のあいさつや乾杯の発声、
そのほかにもウェディングケーキの入刀やら、キャンドルサービスなどなど・・・が一段落すると、宴席の雰囲気は改まる。
都会ではそこまでの披露宴が、淫らな風習の息づくこの街では、これからが本番だった。
それまでに女たちの目星をつけていた婚礼の客たちが、それとなく目あての女性の近くに席を移していって、
やがて宴席は淫らな乱交の場に変わり果てる。
それまでに、女性たちを守るべき夫や息子、父親たちは、一人残らず血を吸い取られてじゅうたんの上に転がされていた。
そのとき、初めて千代を犯したのが、瀬藤だった。
父娘ほども齢の離れた相手が、赤ら顔をぎらつかせ、息をはずませて、欲情もあらわにのしかかってくる。
千代のか弱い腕はすぐに、ほかの何人もの男たちに抑えつけられて、
こぎれいなブラウスは、花びらが散るように胸からはぎ取られていった。
夫は千代の傍らに、血を吸い取られて転がっていた。
幸か不幸か、夫にはまだ意識が残っていて、うつろな目はすべてを見届けてしまっていた。
そう、不覚にも千代が、股間をくり返す襲う衝撃に耐えきれず、なん度も声をあげ、行為に応じてしまったのも。
嵐が過ぎ去ったあと、千代のなかでなにかが塗り替えられていた。
正気づいた夫もまた、なにかを塗り替えられていた。
血を吸われたせいだ。引き抜かれた血液と引き替えに、なにか淫らな毒液をそそぎ込まれていた。
まして千代は、ストッキングを穿いた脚をばたつかせ、視られてはならないショーツを裂き取られて、
股間の奥に、淫らな粘液まで、それも5人も6人もの粘液を、念入りにたっぷりと、そそぎ込まれてしまっていた。
もういちど、お逢いしようよ。
夫がそういうと。
エエ、ごあいさつしなくちゃね。
妻も即座に、応じていた。
妻を犯した最初の男のことを、あてがわれた宿のあるじに尋ねると、
シャワーを浴び、よそ行きの服に着替えて、夫婦連れだって、出かけていった。
それが瀬藤だった。
瀬藤の家には、こうなると察して待ち構えていたその時の男衆たちまで、顔をそろえていて。
夫は気前よく、最愛の妻の肉体を、自分の父親ほどの年配の男たちに与えたのだった。
感染力が強かったんだな。
瀬藤が夫にそう語るのを、半裸に剥かれた身体をけだるく横たえながら、千代は聞いていた。
婚礼の席で蹂躙を受けたあと、その晩のうちに来てくれる夫婦は、そう多くはないのだという。
しかしあんたたちは、来てくれた。嬉しいね。
けだものだとばかり思い込んでいた男が初めてみせた笑いは、ひどく人懐こかった。
妻の貞操をプレゼントするという行為は、この街では最良の厚誼の証しなのだと。
それを、妻を輪姦されたその日のうちに許すことは、夫としては理想の振る舞いとされていた。
千代たちは、この街に受け入れられた。
幸か不幸か、夫は失業していた。
だからそのまま、この街に棲みついてしまっていた。
そのあいだにも。
男たちは千代の新居に昼夜とわずあがりこんできて。
夫の血を吸い取り、酔い酔いにしてしまうと、
わざとその目線のまえで、千代を犯した。
夫もどうやら、そうしたあしらいを歓んでいるらしい――そう気づくのに、時間はかからなかった。
血管を干からびさせてしまった夫は。
新しい友人たちの干からびた血管を、若い女の血で潤してやるのを生きがいにするようになっていた。
若い血液を少しでも多く確保するために、
まだ独身の妹を招び、
兄や友人を妻同伴で招び、
両親までも街に呼び寄せてしまっていた。
同じ不幸を背負わせてやろうという意図ではなかった。
同じ歓びを分かち合いたいと、本気で思っていたのだった。
夫のひたむきな想いに、妹は結婚を控える身にもかかわらず嬉々として処女を喪い、
兄は渋々ながら兄嫁を差し出し、友人たちも同じように、愛妻を街の男たちと共有するようになっていった。
母親は街の顔役にひと目惚れをされ、ロマンスが芽生え、
長年連れ添った妻のそんな様子を視つづけた父親は、
自分より年上の男の、妻に対する老いらくの恋を、寛大に受け容れてしまっていた。
そういうわけで。
千代は始終彼らの訪問を受けていたし、
とくに瀬藤に対しては、服を買ってもらったときには必ず、出向いてお礼を言いに行っていた。
もちろん、お礼の対価は具体的だった。
夫はそれを、しいて歓迎しないまでも、決して拒もうとはしなかった。
道すがら、路上に伸びる自分の影に、千代は問いかけている。
私は本当に、愛されているの?
私に求められているのは、たぶん身体だけ。その身体に流れている、若い血液だけ。
ええもちろん、それでも満足よ。
私だって、楽しいもの。
夫以外の男と不倫するのを、夫は理解してくれて。
おうちでテレビ観ながら、待っててくれるの。
でもほんとうに、それだけなの?
たぶん私は、子供を産めない。
産んでみたところで、それは夫の子供ではないかもしれない。
三年前、結婚したときには、愛情に満ちた家庭をって言っていた。
ほんとうのところは、どうなのかな・・・
瀬藤の家に着いた。
瀬藤は一人だった。
ほかには招ばなかったの?って訊くと、
きょうはわしだけに独り占めさせてくれるって、みんな言うんじゃよ。
そんな返事が、返ってきた。
女たちを押し倒し、着衣を乱しながら血を吸い凌辱していく彼らなのに。
仲間内には、不思議な連帯感と思いやりの行き来があるのを、千代は知っている。
こういう街のことだから。
彼らはお互いの妻を交換して、血を吸ったり犯し合ったりしていた。
そうした、妻を共有するもの同士の関係だろうか――もっとも瀬藤は、独り暮らしだったけれど。
そういえば夫も必ず、千代を送り出すときには必ず玄関まで出てきて、
「瀬藤さんによろしくね」
そんなふうに、声をかけてくる。
あれは、少なくとも半分は本音だったのか。
「千鳥格子のスーツ着た女のひとを、襲いたかったんですよね?」
あからさまにそんなふうに言われないまでも、瀬藤の気分はじかに伝わってくる。
図星を言われて、瀬藤は無言の肯定を返していた。
「じゃあわたし、家の片づけをしますから。その間にお気が向いたらいつでも、襲ってくださいね」
何気ない家事をしている女性を、背後から羽交い絞めにして、首すじを咬むのが好みだと。
この街に身を落ち着けて初めてこの家を訪問したときに、露骨に言われたものだった。
以来、独り暮らしのこの家にくると、千代は必ず、瀬藤の身の回りの世話から入るのだった。
化粧はひときわ、念入りだった。いつもよりきっと、若く見えるだろう。
新調したスーツは完璧だったし、髪もきのう、わざわざ美容院に行ってセットするほどの気の入れようだった。
脚に通した肌色のストッキングは、もちろん新品。穿き替えももちろん、3足まで用意している。
そういえば、彼に逢うときには、ストッキングの着用は義務づけだった。
いそいそと台所に向かい、洗っていない食器を片づけて、
リビングでは散らかった新聞を折りたたんで積み重ね、郵便物までチェックする。
ひととおり、さしあたって必要なことを済ませたあたりが、要注意の瞬間だ。
瀬藤には、千代の器用さを頼りにしているところがあって、
こまごまとしたことは、わざと放置しているらしかった。
それらが片付いたあたりが、潮時、というわけだ。
きょうはいやにため込んでいるんだな。
いつもなら襲いかかってくるタイミングに、背中越しに彼の気配がしないのを感じながら、
千代はいつも手を伸ばさないところまで、整理整頓していった。
・・・?
ソファからいっこうに腰をあげない瀬藤の様子を窺うと、いつになく沈んでいるようだった。
もしかすると、荒々しいお遊びのできる体調ではないのかも。
彼の相手をする女性は何人かいたが、千代がいちばん若かった。
その千代が、この一週間ほどご無沙汰だった。
いけない、早く血をあげないと。
千代はいそいそと、瀬藤の隣に腰かける。
「ご遠慮なく、吸っていただいてよろしいんですよ。千代の血は、あなたに吸われるためにあるんですから」
「ああ、すまないね」
タイトスカートのうえに組んだ掌に置かれた瀬藤の掌は、意外に暖かだった。
「血は足りていらっしゃるの?」
「吸いたいが、飢えてはいない」
「そう、じゃあ私、ここにいますね」
「そうしてくれ」
20代の人妻の匂やかな色香が隣の男にどう作用するのか、じゅうぶんに心得ていた。
「なにかして欲しいことがあったら、遠慮なく仰ってくださいね」
夫も同意してくれていますから、と、わざと耳もとで囁いてみせる。
じゃあ、そのままそばにいてくれ。
え・・・?
聞き違えたのかとおもうくらい、ハードルの低さ。
千代は瀬藤の顔をまじまじと見つめた。
血も足りている。
女にもいまは、飢えていない。
ただ、そばにいてもらいたくて、お前を招んだ。
そうだったんだ。
千代は、ほっと身体の力を抜いた。
もう一年になるのに、やはり構えてしまうのは。
血を吸い取られるという行為が、生命の危機に直結していることを、本能で識っているからなのだろう。
そういえばいつも、この家にくるときには、心と身体のどこかが、こわばっていた。
物心ついたころにはお袋が、毎日吸血鬼の相手をしていた。
親父の幼馴染だった。
そのお袋がよく、相手の家に着ていったのが、千鳥格子のスーツだった。
あのときのお袋の後ろ姿を、いまでも忘れていないから。
たぶんあんたに、同じ服をきてもらいたかったんだろう。
あんたをご主人から、取り上げようとはおもわない。
ただほんの少しの時間でいいから、いっしょにいてもらいたいのだ。
――それは、千代がこの街に来て以来、もっとも欲していた言葉だった。
いいひとなんですね。
千代は瀬藤をまっすぐ見つめて、そういった。
そうして、瀬藤の両頬を両手で抑えると、真正面から口づけをした。
長い長い口づけだった。
姉が弟をあやすような、口づけだった。
あなた?ごめんなさい。今夜はお泊りさせていただくことにしたわ。
寂しくっても、泣かないでね。え?だいじょうぶ?
でもどうしても気になったら、覗きに来ても構わないって。瀬藤さん仰ってくださっているわ。
それから、たまに、たまーにでいいから。
これからも、瀬藤さんのお宅に、お泊りしたいの。
ううん、離婚なんかしない。あなたを愛しているから。
でも、約束して。私子供産むから。
その子の父親がだれであっても、あなたと一緒に育てたいの。
えっ?いつもの私らしくないって?今夜は、いやにはっきり言うんだね、ですって?
そう・・・ほんとうはもっと、私の本音をききたかったんだ。
だいじょうぶよ。あなたに売られたなんて思っていない。
私の浮気をあなたが許してくださるのを、心から感謝しているわ。
この街では、妻をほかの男に抱かせるのは、最上級の礼儀作法なんでしょう?もう、常識よ。
だから私たち、いちばんよくしてくださっている瀬藤さんに、
血を吸っていただいたり、夫婦同然に親しくして差し上げたりして、ご恩返しをしているの。
美穂子の披露宴のときには、もちろんびっくりしたけど。
いまではこういうの、いい関係だと思っているわ。
あなたの愉しみかたも、愛情の裏返しだと思っているから・・・恥ずかしがることなんか、ちっともありはしないわ。
披露宴のとき、おおぜいの方たちにエッチされて。
さすがにあのあとは、気まずかったけど・・・
でもあなたがその気になってくれて、その晩のうちに同じメンバーの方たちとお逢いして。
あなたはどこまでも気前のよいご主人で。
皆さんも私と、とても仲良くなってくれて。
きっちり、輪姦(まわ)していただいたあとは、私けっこうスッキリしてたの。
え?淫乱ですって?失礼ね。街の天使って呼んでくださいな。無理?
じゃあ、そろそろ切るわね。
あのひとさっきから、私のスーツのジャケットによだれを垂らして、迫ってくるの。
気になったら、いつでもこちらにいらしてね。
気になるわよね。妻の貞操の危機なんだから。
じゃ、おやすみなさい・・・
意識の変容。 2
2016年04月23日(Sat) 17:19:23
勤め帰りの道ばたで。
わたしは初めて吸血鬼に襲われて、身体じゅうの生き血を、吸い取られてしまっていた。
血管が空っぽになって、初めてわかる彼らの気持ち。
きっと・・・こんな四十男の血でさえも。
とても美味しく頂戴したのだろうって。
不思議なくらい、ひしひしと身に沁みて、実感していた。
わたしの血を吸い取った吸血鬼は。
ずっと年配の、みすぼらしい男だった。
わたしの身体から抜き取ったばかりの血潮を、口許から滴らせて。
それを行儀悪く、手の甲で拭っていった。
手の甲に着いた血を、なおも意地汚く、旨そうに舐め取って。
はじめて得心がいったように、フーッと重い溜息をついた。
少しは愉しんでもらえたのかな。
闇夜のなか、うつろに響くわたしの声に。
あぁもちろんだ。たんと、たんのうした。礼を言うよ。
男は案外と、人懐こい親しみを見せてくる。
力づくでわたしのことを抑えつけて、
情け容赦なくうなじを抉ったときの強引さが、なりをひそめたのは。
味わい尽したわたしの血から得た、ぬくもりのおかげなのだという。
わたしはもう、死んじゃっているのかな?
滑稽な質問だと承知しながら、そう訊いたのは。
ちっともそんな実感がわかなかったから。
抑えつけられて――力づくで、血を抜き取られて――その場に尻もちをついたまま、吸い尽されていって――でも意識はずうっと、連続していたから。
そうさな。半吸血鬼ってとこかな。
男は目を細めながら、わたしをまともに見つめてくる。
どういうことでしょう?
大概の場合はな、おれたちは寸止めにするんだ。
血を吸った相手をみんな吸血鬼にしちまうとさ、競争相手が増えるから。
だから、あんたは人間のままさ。
でも、血の足りない身体にされちまったから。
血を欲しがるやつらの気持ちはわかる。
だからこんどは、俺たちの仲間になって。
血を欲しがる俺たちのために、むしょうに血を与えたくなってくるんだ。
そうそう。
ちょっとなら、血を吸うことだってできちまう。
この街に来て間もないね?あんた。
でも、いちど血を吸われたら、もうこの街の人間さ。
好きなだけ他人を襲って、血を吸うがいい。
なんなら、わしの女房を貸してやろうか?
齢の差婚だから、あんたとそう変わらん年恰好をしているぞ。
自分で血を吸いたい というよりも。
いまのわたしの本能は。
渇くものに血を与えたい。 そんな気持ちのほうが、強かった。
そう、この男のいうように。
血を欲しがる男のために、むしょうに血を吸わせてやりたくなってきたのだ。
もうじゅうぶんに、喉は潤ったのかね?
わたしは彼に、訊いていた。
わたしの血を吸い取った、本来なら仇敵と呼ぶべきはずの彼に。
そうさな。まだまだ足らんな。なにしろ、禁欲が長かったからねえ。
このごろはすっかり、よそ者がこの街に越してくることがなかったもんでな。
厚かましいお願いだと百も承知でいうのだが。
あんた、奥さんと娘さんといっしょに、暮らしているね?
よかったら。あんたの奥さんと娘さんを、紹介してくれんかな。
若い女の生き血がわしらの好物じゃということは。
向こうの世界でも、知れておるぢゃろ・・・?
あんたはこのまま、わしを家に連れ帰って。
そう――家ン中に入れてくれさえすればいい。
あとはわしが、うまくやるから。
あんたは家族を売ったことにはならないのだから。
あんたがこれからすることは、崇高な使命。
自分の血を吸い取った、本来仇敵どうぜんのわしに、
ご家族のうら若い、貴重な血をあてがいたくてすることなのだから。
さいごのひと言に、免罪符を見出したような気がして。
わたしは気もそぞろに、長い道草を終えることにした。
これから帰宅する。
新しい友だちを、伴って。
妻と娘の生き血を欲しがっている新しい友だちを、伴って。
ほんとうは・・・あんたじゃなくって、
もともとあんたの嫁と娘が目当てだったのさ。
男はあっさりと白状したけれど。
むしろその正直さが、嬉しかった。
それはそうだろう。
脂の乗り切った、四十前の人妻の血と。
まだ処女であるはずの、十代の若い娘の血とが。
彼の欲望を満足させるために、提供されることになるのだから――
かまわないですよ と、わたしはこたえた。
いまのわたしは、あなたに満足してもらうために
妻と娘の血を吸わせてやることしか、もう頭にないのだから。
ふたりの生き血が、あなたの気に入るとうれしい と。
異常な願望を、本音を込めて語ることは。
異常な歓びを生み出すものだと。その時初めて知った。
ひいいいいっ。
わたしの目のまえで。
来客にお茶を出そうとして後ろを向いた妻は。
わずかな隙を突かれて、男に背後をとられていた。
いきなり首すじを咬まれた妻は。
目を剥いて抗って。
抗う手をわたしに静かに抑えられて。
この街のことはうすうす気づいていた彼女だったから、
わたしの首すじに、自分がつけられているのとおなじ咬み痕を見出すと。
すぐにあきらめたように、身体の力を抜いていた。
ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・
妻の生き血を吸い取ってゆく、生々しい音が。
男の卑猥で性急な喉鳴りが。
わたしの鼓膜を、妖しく浸す。
未練がましくすり足をしながら、吸血に耐える妻。
そのすり足さえもが、じょじょに緩慢になって。
やがて、動きを止めて、静かになる。
すべたがわたしのときと、まったく同じ経緯。
やつは妻の着ているブラウスに、吸い取った血潮をわざとぼとぼととほとび散らせて。
口許についた妻の血を、妻のスカートをめくってあらわにしたスリップのすそで、拭き取って。
これは俺の獲物なのだと言わんばかりに、わたしに満面の笑みを、投げてきた。
わたしはさっき夜道で放ったのと同じ、うつろな声で、応えている。
おめでとう――と。
肌色のストッキングを穿いた妻の脚を、男は意地汚く舐めつづける。
クチャクチャ、ピチャピチャと、下品な音をたてながら。
スケスケのパンストって、都会っぽくてエエなあ。
そんなふうにひとりごちる男の顔つきは、みるからにただの、スケベ爺いだった。
けれどもわたしは、卑猥にあしらわれる妻の様子に、
不覚にも目線を釘づけにしてしまっていて。
男をやめさせようとは、夢にも思っていなかった。
欲情まみれの唇をぶつけるように這わされて、
妻の穿いているストッキングは、みるみるうちに咬み剥がれてゆく。
スカートの奥に、手を入れられて。
みすぼらしくチリチリにされたパンティストッキングを、ずりずりと引きずり降ろされて。
せしめたパンストをポケットに無造作に押し込むと。
なんだったら、あとは座をはずしてもらってもかまわんですよ。
男は言外に、立ち去れと告げていた。
そのまま立ち去るのが、平均点。
強いてその場にとどまって、みすみす妻を汚されるのを目の当たりにして。
昂ぶりのあまり失禁してしまうのが、平均以上。
立ち去ったとみせて、その実隣の部屋からのぞき見をして、
彼が妻を相手に欲望の限りを吐き散らした後、黙々と後片付けをするのが、満点。
わたしの行動は、満点だといってもらえた。
あと始末を気にしたのは。もうじき娘が、塾から戻ってくる刻限だったから。
妻はさすがに、わたしと目を合わせようとはしなかった。
なにしろ、気持ちはこばんでも、身体が反応してしまうのはどうしようもなくって。
吸血鬼相手にあらわにしてしまった、そのどうしようもない反応を、
わたしが昂ぶりもあらわに見届けてしまったことを、彼女は意識していたから。
娘のまえに状況を隠ぺいする役割が、彼女に理性を取り戻させた。
ひどいっ!ひどいっ!やめてえっ。
娘は抱きすくめられた猿臂の中、目いっぱいの抗議を尽くしたけれど。
男を翻意させることは、ついにできなかった。
さいごに首すじをがぶりとやられると。
ああーッ!!
断末魔のような声をあげて、そのまま白目になっていた。
あお向けになって、だらりと伸びた両手両足に、己を重ね合わせていった男は。
ちゅうちゅう、ちゅうちゅうと音を立てて、
妻のときよりも貪欲に、生き血を啜り取ってゆく。
娘の受難を無念そうに見つめる妻は。
半分は無念さから。半分は嫉妬から、眉をしかめていて。
その傍らで妻を窺いながら、娘の受難に昂るわたしは。
妻や娘のうら若い血液で、干からびた血管を潤してゆく男を、
知らず知らず、同種族のものとして、満足そうなまなざしで見守ってゆく。
けれどもね。
妻は血を吸い取られ、犯されてしまったのに。
そこには歓びしか、感じることができなかった。
娘の場合は、処女を奪われることなく、血を愉しまれているだけなのに。
どうしてこうも、むしょうに腹が立ってくるのだろう?
無念そうな娘の歯ぎしりが。声にならないうめき声が。
むやみとわたしの心を、苛んでゆく――
娘のハイソックスも、むざんに弄ばれていった。
気絶した娘の髪を撫でつけながら、妻はうつろに呟いている。
学校のハイソックス、買いだめしておかなくちゃね。
彼女は彼女なりに、主婦らしい気遣いで、吸血鬼に仕えようとし始めていた。
道すがら、行きずりの吸血鬼に血を吸われ、
その吸血鬼と、意気投合をして、
妻と娘とを、引き合わせて、
自宅にひき込んだ、本来仇敵だったはずのその男が、
妻や娘がその身に宿すのうら若い血に酔い痴れるのを、
限りない満足を憶えて、見届けてゆく。
空っぽになった血管が、むやみと疼く夜。
彼らが欲する血潮を、今夜もわたしは与えようとして、
妻も娘も、俯き恥じらいながら、その欲望に屈してゆく――
意識の変容。
2016年04月23日(Sat) 14:00:48
あッ、何するんだっ!?
こらっ・・・やめ・・・っ
ちゅうちゅう。
死にたくないんだ。家族だっているんだ。
頼む・・頼むから・・・っ。
ちゅうちゅう。
貧血程度で、見逃してくれるのか?
ぼくが死にたくないように、きみだって死にたくないんだよね?
生命を助けてくれるのなら、つつしんでお礼はしなくちゃね。
ちゅうちゅう。
ぼくの血なら、よろこんで吸わせてあげるけど。
家族には、手を出さないでくれ給え。
ちゅうちゅう。
この街には、吸血鬼がおおぜいいるんだってね。
いつかはぼくの家族も、だれかに吸われちゃうのかな。今夜のぼくみたいに・・・
知らないやつに襲われるくらいなら、きみのほうがまだいいのかな・・・
ちゅうちゅう。
いや、きみになら、家族を紹介してあげてもいいのかも。
家内は36歳。娘は14歳。娘はたぶん、ボーイフレンドはまだだと思うけど。
やっぱり処女の血のほうがいいのかい?
ちゅうちゅう。
どうかお願いだから・・・ぼくの家族を襲ってくれない・・・?
これから、家に連れ帰ってあげるから。
住み込んで。ふたりとも、寝取ってくれ給え・・・
吸血鬼令嬢
2016年04月10日(Sun) 18:17:12
ベッドのうえ、あたしは仰向けになって、百合香に抑えつけられていた。
ギシギシときしむベッドの音と、微妙なたわみを感じながら、
まさか底抜けしやしないかと、ちょっとだけはらはらしながら。
合わせられた唇をあたしのほうからも合わせていって、吸い、また吸っている。
甘えるようなしつようさを秘めた熱っぽい唇は、ルージュを刷いていない代わり、
ぬるぬるとした唾液を薄っすらとしたうわぐすりのように帯びていて、
まだお互い子供のくせに、妙に生ぐさい息を交えながら、これでもかこれでもかとあたしに迫ってくる。
相手は、女。同い年の、少女。
おなじ制服を身にまとい、おそろいの黒のストッキングに脚を通し、
二枚の薄絹を隔てた太もも同士は互いのほてりを伝え合い、
窮屈に押し重ねられ、擦り合わされてくる。
薄いナイロン製の薄衣は、微妙によじれ皺寄せあって、
互いの素肌の気配を、いっそう妖しく増幅させる。
百合香・・・百合香・・・
あたしがその名を呼ぶたびに、彼女は甘え、唇を吸い、吸った唇を首すじに這わせてくる。
はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
挿入行為を伴わないのに。
お互い、ズロースも、ストッキングすらも脱がずに、服の上から愛撫し合っているだけなのに。
女どうしの交接は、どうしてこうも熱っぽいのだろう?
ただの同性愛ではない。彼女は吸血鬼――
その正体を識ったというそのすぐあとに。
彼女はあたしを求めてきて。
あたしはためらいもなく、セーラー服の胸元をくつろげていた。
首すじを這う唇は、奥に秘めた細くて鋭い牙を滲ませてきて、
あたしの素肌にさっきから、チクチクといじましい刺激を伝えてくる。
ちゅうっ・・・
彼女の唇が、異様に鳴った。
つぎの瞬間、彼女の喉が、ごくり、と、鳴った。
あたしの血をあやした彼女の喉が、たまらなくいとおしい。
そう、あたしは彼女に血を捧げながら、愛撫を交し合っている。
がたり。
部屋のドアの向こうで、音がした。
廊下にだれか、人の気配がする。
彼女は獣の目になって。
あたしの身体を抑えつけながら身を起こし、あたりを窺う。
ドアを開けなくても、相手がだれなのかは、もう察しがついていた。
だいじょうぶよ。兄貴。
あたしのひと言に安心したのか、百合香はもういちどあたしの首すじに唇を吸いつけ、血を吸い取った。
コクコクと鳴る彼女の喉鳴りが、やはりたまらなく、いとおしい。
彼女が去ると、兄は入れ違いに入ってきた。
実の兄のくせに。彼はあたしを嫁にと望んでいた。
村いちばんの、素封家の御曹司。
その兄が、独身を通すと両親に告げたとき、ふたりのあわてようったら、なかった。
家が絶える。それがなによりも、彼らにとって恐怖だったのだ。
兄は狡猾にも、代案を用意していた。
あたしを嫁にして、子を産ませるという。
世間体が第一な両親にとって、それは驚天動地のことだったに違いない。
けれども兄は意志を枉(ま)げず、意見を通し抜いてしまった。
それでも世間体が第一の両親のため、ふたりが実の兄妹であることは、周囲に秘されることになっていた。
ふたごを忌む旧弊な村に、兄とは双子として生まれ合わせ、あたしだけが都会の縁続きの家に養女としてもらわれていった――それが幸いした。
兄は都会にしつらえられた別宅に住みつき、都会の人になるという。
そうね。あたしが根っからの都会娘だから。兄さんもそれを、見習うといいわ。
あたしの意思は一切無視された、まがまがしい結婚を、あたしは眉ひとつ動かさずに受け止めていた。
また、あの人かい?
兄は言った。
女同士とはいえ、兄にとって百合香は、嫉妬の対象なのか。はたしてどうなのか。
あたしは訊いてみる気になった。
そうよ、あのひとよ。
あたしは兄を挑発するように、平然と応えた。
兄は果たして、挑発に乗って来た。
あの人、血を吸うんだろう?
エエ、そうね。吸うときもあるわね。
あたしはわざと、人ごとのようにうそぶいた。
死んじゃったら、どうするんだい?
あのひと、あたしを死なせたりなんか、しないわ。
わかったものか。
そう、わかったものじゃない。あたしを愛していると口にしているあなたですら、あたしを殺してしまうかもしれないんだから。
兄さんと結婚しても、逢いつづけるわよ、あたしたち。
単刀直入な宣言に、さすがの兄はめんくらったような顔をし、狐のような細い目をしょぼつかせた。
まあ・・・女同士なんだし・・・それは許す。
兄は案外と、寛大だった。
村一番の素封家の御曹司は、華族の令嬢として蝶よ花よと育てられたあたしの高慢さに、敗北を告げたのだ。
そう、ありがと。
あたしは素直に感謝をし、ゆったりとした会釈を投げる。
ばあやから教わった良家の子女のしぐさは、時には田舎者の兄をたじろがせ、時には羨望と憧憬の目であたしを射抜く。
きょうはどうやら、後者だったようだ。
そんなにいいものなのか?
きょうの兄の問いかけは、いつになく執拗だった。
ドア越しに感じた熱っぽい気配に、毒されたのだろうか。
そんなこと、構わない。構やしない。
これが男だったら容赦しないところだが・・・
田舎の御曹司のプライドが一瞬鎌首をもたげるが、それはそこまでのこと。
兄はきびすを返して、部屋を出ていく。
あたしを手籠めにしようとすれば、できないわけでもなかったのに。
あなたの異常さはかうけれど、律義さと引っ込み思案は減点ね。
高慢な華族のお嬢さんは、兄でも婚約者でもあるこの男を、容赦なく採点する。
挿入行為がなければいいの?
知ってる?女同士は、女と男よりも濃いのよ。
兄は薄々察しているらしいけど。
あたしはすでに、男だって識っている。
でも、百合香のそれには、かなわない。
相手が男でも、女でも。
相手に傾ける熱度の差だけがそこにあるとは、
高慢なお坊ちゃんに育ったうえに、きっとまだ童貞に違いないあのひとなどには、まだわかるまい。決してわかるまい。
あたしだったら。
あなたの遊び相手が同性だったとしても容赦しない。容赦できない。
背徳は蜜の味。だからあたしは、あなたの求婚を受けた。
それなのに。惜しいわね。まだあなたは。なにもわかってはいやしない・・・
吸血鬼の小父さまとあたし。
2016年04月06日(Wed) 07:36:38
お部屋のなかに、招(よ)んだのは。
美紀とは大の仲良しの、吸血鬼の小父さま。
どうしても、美紀のお部屋を覗きたいって、せがまれて。
せがまれるまま、ママのいない時に、あがり込ませてしまっていた。
美紀は、ハイソックスが大好きな女子高生。
小父さまは、そんな美紀のハイソックスが好き。
美紀はハイソックスを履いて、おしゃれをしたいのに。
小父さまは、美紀の足許を、唇で吸って、舌で舐めて、愉しむのが好き。
でもそんな小父さまにせがまれると、知らず知らず脚を差し伸べてしまう――あたし。
ねぇ、ちょっとだけよ。
女の子の履いているハイソックスをイタズラするなんて、
小父さまイヤラシイわ。いけない趣味だわ。
美紀だって、ハイソックスをイタズラされるなんて、嫌なのよ。
きょうは小父さまのために、おニューを履いてきてあげたんだもの。
だからきょうだけは、見るだけにして。見ていたって、楽しいでしょ?
えっ?えっ?蛇の生殺しみたい・・・ですって?
そんなこと言わないで・・・ガマンよ。ガ、マ、ンっ。
どうやら美紀の説得は、効き目がないみたい。
小父さまはあたしのことをお部屋の隅っこに追い詰めて、
足首を掴んで抑えつける。
あーっ。あーっ。舐められちゃう。咬まれちゃう。
おニューのハイソックス、破かれちゃうっ。
でも・・・そんなとき、美紀は恥ずかしがりながら、小父さまにハイソックスを破らせてしまう。
美紀ちゃん、気前いいね・・・って、からかいながら。
小父さまはハイソックスの生地の舐め心地をくまなく愉しんで、
よだれでぐしょぐしょにしちゃって。
さいごに牙を埋めてきて、メリメリッ・・・って、咬み破っていく。
いつかこんなふうに、お嫁に行く時まで破ってはいけないものまでも、破らせちゃうのかも。
イケナイ思いを胸に、深々と食い入ってくる牙に、美紀は意識をさ迷わせる。
小父さまの牙の食い入る力・・・力強くって、す・・・て・・・き・・・っ
チュウチュウ生き血を吸われていくうちに。
夢中になって、相手をしているうちに。
美紀は失神して、勉強部屋ぼまん中で、あお向けになってしまう。
薄っすらとなった意識のなかで、小父さまの手がブラウスのボタンをはずし、スカートのホックをはずしていくのを、どうすることもできないままに・・・
子供のころの作文 「吸血鬼の小父さんとお母さん」
2016年04月04日(Mon) 08:02:03
ぼくのお母さんは、吸血鬼の小父さんと仲良くしています。
毎晩お父さんが帰ってくる前に、お母さんはおめかしをして、
小父さんの待っている公園に出かけていきます。
そこで小父さんに首すじやあしをかまれて、血を吸い取らせてあげています。
小父さんは、お母さんの肌に口をつけて、チュウチュウ音を立てて、
それはおいしそうに、お母さんの血を吸うのです。
お母さんはいつも足にパンストをはいているので、
小父さんに足をかまれると、破けてしまいます。
でもお母さんは気前が良いので、いつも小父さんにせがまれるまま、破かせてあげています。
これはナイショだっていわれているんだけど、お母さんの血を吸ったあと、
小父さんは、お母さんのスカートをめくって、いやらしいことをします。
お母さんはかまれている時よりも顔をしかめて、ハーハーと息をもらして、小父さんのしたいようにされていきます。
たまにはおっぱいが見えたりして、そう言うときにはボクまでドキドキしてしまいます。
いやらしいことが終わると、お母さんは起きあがって、スーツについた泥をたんねんに落とします。
お父さんに、ばれないようにするためです。
ボクはかくれてそのようすを見ているのですが、いつもお母さんにばれて、見つかってしまいます。
お母さんは、そういうときにはあまりボクのことを怒りません。
「いけない子ね。いま見たことは、お父さんに言ったらダメよ」
といって、ボクと一しょに、手をつないで帰ります。
小父さんは、ボクの血を吸うときもあります。
長いくつ下が好きなので、半ズボンの下にハイソックスをはいて行くと、
お母さんのパンストのときみたいに、足をかまれてビリビリ破かれてしまいます。
小父さんは、ボクの血を「うまい、うまい」と言って吸います。
お母さんを迎えに来たごほうびだ、とも言ってくれます。
そういうときには、てれくさいような、うれしいような、不思議な気分になります。
そういえば、さい近は、お母さんのあとをついていく時には、
ハイソックスをはいていくことが、多くなりました。
お母さんは、夜公園で吸血鬼の小父さんに会っていることはお父さんには内緒にしているみたいです。
でも、お父さんは、お母さんと小父さんのことを、ちょっぴり知っているみたいです。
「あの小父さんは、お父さんの仲良しだから、お母さんとも仲良くしているのだよ」
なにかのときに、そんなふうに言っていました。
でも、小父さんが夜公園にお母さんを呼び出してお母さんの血を吸ったり、いやらしいことをしたりするのを、お父さんが知っているというのは、お母さんにはナイショにすることになっています。
お互いわかっているのにナイショにするなんて、大人ってむつかしいなって思います。
おしまい