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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

今朝は(作者のつぶやき)

2017年08月01日(Tue) 08:06:44

いつになく濃いお話ばかり、頭に浮かんでしまいました。
たまにはこういう朝も、ありますね。
明日は更新はないと思うので、(たぶん)
時間をかけて愉しんでください。^^

一作目は、奥さんを襲った後の感想を夫に語る吸血鬼の呟き、
二作目は、田舎の風習を身をもって教えてあげた、古屋敷に棲む親切な?老人の話、
三作目は、気の強い女史と、彼女を礼装もろとも辱めようとする吸血鬼との交流。

そんな感じです。^^

インテリ女性の通い道

2017年08月01日(Tue) 08:02:19

公園で襲って血を吸ったその女性は、ただのOLではなさそうだった。
そこそこの年配。
身なりも挙措動作も落ち着いた、貫禄たっぷりの女だった。
女社長なのか、議員なのか、それとも教授なのか。
そういうインテリめいた雰囲気の女だった。

初めて襲ったときは、白一色のスーツ。
撥ねた血がジャケットにもタイトスカートにもきらきら映えて、
凌辱を逃れようと懸命に抗う細腕を折るようにして掻き抱くと、
口ぎたない抗議の嵐を浴びせかけてきた。
そのつぎのときは、黒のジャケットに、やはり純白のブラウスがよく映えていた。
公園の地べたに組み敷いて、吸い取った血潮を口許からわざとしたたり落してやると、
身じろぎひとつできない身を呪うように、歯がみをして悔しがりながら、
赤いしずくのしたたりを、値の張りそうなブラウスで受け止めつづけていった。
三度目のときは、ぴかぴかとしたエナメルの白のハイヒールが、夜道によくめだっていた。
ストッキングを穿いた脚に、好んで咬みつく習性を忌み嫌って、脚をじたばたさせて抵抗した。
気品ある装いにきりりと引き締まった足許に、いつものように恥知らずなあしらいを受けたあと。
タイトスカートのすそから覗いた脚まわりの、ストッキングの裂け目もあらわにしながらも、
ハイヒールに着いた血を、女はしつっこいほど丹念に、ハンカチで拭い取っていた。

女の穿いているストッキングはいつも、かかとのついた高価なものだった。
もの欲しげに吸いつけられてくる唇を近寄せまいと、脚をじたばたさせたけれど。
気高く装ったストッキングを、思うさまよだれで汚され、舌で舐めくりまわされて。
上質なナイロン生地の舌触りを、くまなく確かめられる屈辱におののきながら。
ブチブチとみじめな音をたてて、咬み破かれていった。

いつも綺麗なストッキングを穿いていなさるね。
いちど、そんなふうにからかったとき。
女は真顔になって俺を見据えて、いった。

あなたに破かれるために、穿いているわけじゃない。
自分をきちんとした人間に見せるために、穿いているの。
だから帰り道で襲われるとわかっていても、手を抜かないのよ私。
だってそんなことしたら、あなたに負けたことになっちゃうでしょ?

そういえば。
着飾った女の装いは軍服のように見えたし、
淡いストッキングに包まれた脚も、武装しているような張りつめた雰囲気をもっていた。

あんたは俺に、負けてなんかいない。
出会ってからこのかた、俺がひとりで勝手に負け続けているんだ。
俺は心の中で、そう呟いていた。


その夜はまだ、早い時間だった。
女はいつものように、カツンカツンとヒールの音を鳴らして、公園の真ん中を通り抜けようとしていた。
立ちはだかる俺の姿に、一瞬わが身をすくめてみせて。
珍しく逃げようとはせず、自分の威厳を誇示するように、小柄な身体を目いっぱい反らして、
「どいて」
と言った。
「これから、講演があるの。お願いだから、恥掻かせないでちょうだい」
どこかいつもと違う雰囲気に、俺は気おされるように道を譲る。
女は俺をふり返って、ニッと笑うと。
「舐めるだけならいいわよ」といった。
キリッと立ちすくむ足許にかがみ込む。
ちょっとだけためらうと、女はむしろ促すように、「どうぞ」といった。

まるで奴隷が女主人の身づくろいを手伝うようなしぐさで、
女の足許に舌を這わせる。
街灯に浮かびあがるふくらはぎに、淫らな唾液がじわっと浮いた。
じわじわ。じわじわ。
女の足許に唾液をたっぷりと含ませていって。
でも女は動じることなく、ハイヒールの足を踏ん張って、立ちつづけていた。
女は「見逃してくれてありがと」とひと声言い捨てると、
何事もなかったようにそのまま、歩みを続けていった。
カツンカツンと遠ざかるヒールの音に、ちょっぴり敗北感を噛みしめる。
不思議に爽やかな敗北感だった。
俺にストッキングを咬み破かれたところで、ハンドバックのなかに穿き替えの一足や二足は隠し持っているはず。
女がほんとうに侵されたくなかったのは、人前での本番を控えた気組みのほうだったのだろう。

それから何時間経っただろうか。
だいぶ遅い時間になって、女は来た道を戻るように、公園の真ん中を通り抜けていった。
「先生、お勤めご苦労様」
俺のおどけた言いぶりを、女はまともに受け止めて、
「私、あなたに先生なんて呼ばれる覚えはない」とだけ、いった。
「喉、渇いてるんだ。恵んでくれよな」
ぞんざいな誘い文句に、いつものように嫌悪感をあらわにしながらも。
迫ってくる俺の胸を隔てようとつっかえ棒した腕にこもる力は、いつになくかたくなさをひかえているようだった。
女の首すじに咬みついて、純白のブラウスのえり首に、ジュワッと血潮を撥ねかしてやる。
「ひどい」
恨めしそうに見あげる女の視線を受け流して、今度は足許にかがみ込む。
「恥掻かせないで頂戴」
逃げようとする足首をつかまえて、ふくらはぎにヌメヌメと唇と舌を、這わせていって。
薄地のナイロン生地にたっぷりと、淫らなよだれを塗りつけていった。
「ああ~っ、もうっ!」
女はひと声、じれったそうに叫ぶと、歯がみをして悔しがりながら、
いつものように薄地のストッキングを咬み破かれていった。


女はいまでも、毎晩のように公園を闊歩する。
脚に通したストッキングは相変わらず高価で、
ほかの女たちの穿いているものとはひと味もふた味も違う、なめらかは舌触りをしていた。
高価なストッキングを通した脚を誇らしげにくねらせて、
女は俺を誘ってくる。
「誘ってなんかいない。私は迷惑なだけ」
女はそう口にするし、たぶんそれが正しいのだろうけれど。
講演の夜の一件以来、すこしだけかたくなさを解いた女を、
今夜はどんなふうに辱めてやろうかとワクワクしながら、待ち伏せをする。

あいさつ

2017年08月01日(Tue) 06:39:16

まだ、引越しのあいさつがないね。いちど奥さん連れて、うちに来なさい。
あんたにも、いい地酒を飲ませてあげる。

隣に住むそのごま塩頭の男は、そういってわたしたち夫婦を誘った。
田舎の人間が「あいさつがない」と言い出すと、
どこか頑なで横柄なものをイメージするかもしれないけれど、
彼の場合はごくおだやかで、
「ここのしきたりを、まだよくはわかっていないのだね。教えといてあげるよ」
と言いたげな親切心さえ感じられた。
男に言われたことを、帰ってすぐに妻に告げると、
「アラ、そうでしたわねぇ。でも、何も持っていくものがないわ」といった。
男はそうした妻の困惑にさえ気持ちが行き届いていて、
「そんなものは要らんから、身ひとつでお越しになってください」とまで、いってくれていたのだった。

翌日の晩、わたしたち夫婦は、彼の屋敷を訪ねた。
隣家といったが、彼の家は大きな古屋敷だった。
実際、周りの人間のあいだでも、彼の家は「古屋敷」という呼び名で通っていた。
男はその家に、独りで棲んでいるようだった。
古びてどす黒く汚れた床に、淡い色のストッキングを穿いた妻の脚が、寒々と映えた。

男は「さ、さ、奥へどうぞ」といって、わたしたちをいざない、
迷路みたいに曲がりくねった廊下を通り抜けて、中庭に面した和室へと案内してくれた。
なにもない座敷だったが、真ん中のちゃぶ台のうえには、待ってましたとばかりに一升瓶が置かれていた。
酒を嗜まない妻のためには、冷えたジュースが用意されていた。

どこから来なさった?
不景気で離職、借金・・・それは大変だったねえ。
それであの会社の社長さんと知り合って、ここに赴任した。そうかね、そうかね。
わたしたちはもっぱら、この田舎に流れてくるまでの過去について話し、
男はもっぱら聞き役になって、わたしたちの話しに同情に満ちた相づちを打って来る。
わたしたち・・・といっても、妻は時折言葉をはさむ程度だったが、
その控えめな態度に、男は明らかに好意を持ったようだった。
すすんでお酌をしたのも、男の心証をよくしたのかもしれない。
妻は地味な性格で落ち着いていたが、そういうところはしっかりしていた。

酒がまわってきた。それも出し抜けといえるほど、急激に――
そしてわたしは身体をふたつに折るようにしてその場に突っ伏し、
同時に男は、傍らに控える妻の細い肩へと手を伸ばした。
「あっ、何をなさるんです!?」
妻の叫び声がした。
どたばたと抗う物音もした。
けれどももう、わたしの身体は痺れたように動かなくなっていて・・・
男のいった「あいさつ」の本当の意味を、理解するはめになっていた。
田舎のみすぼらしい家屋には不似合いなくらい、妻の身なりは洗練されていた。
そんな都会育ちの衣装を揉みしだかれて、はだけたブラウスから覗く乳首を口に含まれて、
千鳥格子のタイトスカートを、腰までたくし上げられて、
ツヤツヤとした光沢を帯びた肌色のストッキングを、むざんに剥ぎおろされて、
身動きできないわたしのまえで、妻は恥知らずな凌辱に素肌をさらしていった――


「今夜も、ごあいさつに伺いましょうよ」
「明日も、お勤め帰りにごあいさつに伺いましょうよ」
「あたし・・・きょうは一人でごあいさつに伺ったの」
妻は罪のない大きな瞳を輝かせて、きょうも「ごあいさつ」を口にする。
「アラ、あなたお隣で振る舞われたお酒、お口に合うって仰ったじゃないの」
けげんそうに言いかえしてくる妻の言うとおり、たしかにあの家の酒は美味だった。
美味な地酒と妻の貞操を交換することに、いつか嫌悪感を忘れかけてしまっていた。
男はわたしたちの頻繁な訪問を悦んで、いつも慇懃に奥の間に通してくれて。
そこでわたしは貴重な古酒を振る舞われ、
足腰立たなくなってしまってから、男は妻に襲いかかる。
妻は男から受ける凌辱を予期しながらも、いつも都会ふうに着飾って、男の家を訪れる。
古くさくみすぼらしい屋敷のたたずまいに不似合いなくらい洗練された衣装は、
男の節くれだった指にむしり取られ、裂き散らされてゆく。
乱れ果てた衣装のすき間から覗く、白い裸体――
そんな情景にわたしは不覚にも昂奮を覚え、
男はそんなわたしの恥ずべき嗜好をあらかじめ知っていたかのように、
都会育ちの人妻然として着飾った妻に、我が物顔でのしかかってゆく。

古屋敷にごあいさつに伺う。
それは、周囲でも公然となっている、地元の風習。
わたしたち夫婦だけではなく、
古くから男を識っているものも。
つい数年まえに転入してきた都会の夫婦も。
定期異動で不運(幸運?)にも当地に赴任してきた教諭夫妻も。
必ず夫婦連れだって、ごあいさつに来るという。
当地に赴任して一年が過ぎた頃、都会の本社から、赴任を継続するかどうかの意向伺いがきた。
妻は大きな瞳でわたしを見つめ、わたしが黙って肯くと、
自分でペンを取って、「可」の欄に大きくマルを書き加えていった。

味見の後の感想。

2017年08月01日(Tue) 05:50:48

はじめに
吸血鬼に理解のあるご主人の仲介で奥さんと逢うことのできた吸血鬼の、事後報告です。
なぜか起き抜けに、さら~っと描けてしまいました。10分くらいで。 (^^ゞ


いましがた、奥さんと逢ってきた。いい女だった。チャンスをくれて、ありがとう。
献血のことは、あらかじめ話しておいてくれたんだな。
だから、話が早かった。
でもね、なかなか咬ませてもらえなかった。
何しろさ、恥じらう、恥じらう。
ストッキングを穿いた脚を咬もうとしたらスカート抑えちゃうし、
首すじを咬もうとしたら、部屋の隅っこまで逃げちゃうし。
それで、なんとかなだめすかして、寝台の上にあお向けになってもらって。
それで首のつけ根をそっと咬ませてもらった。
いちど咬んじまったら・・・あとはもう意のまま、だけどね。
そこで、たっぷりと吸い取らせてもらった。
佳い血だった。
うら若くって、適度に熟していて。
また吸わせてくれってお願いをして、そこはすんなりと同意していただけた。
肝心なのは、そのあとだよね・・・?
スカートのなかに手を入れたらさ、びっくりしちゃって。
そこはあんた、話していなかったんだな。
でも何せしたたかに吸血された後だろう?貧血がひどくって。
けだるそうに、でも懸命に抵抗してきたな。操を守ろうとして。
でもまあ、なんなくねじ伏せて、果たしてしまった。
なん時間、いっしょになっていたかな?
とにかく、奥さんの考えが変わるまで、くり返したんだ。
5回や6回じゃ、済まなかったな。
ええ、身体の隅々まで、愛し抜かせてもらったよ。
だからもう・・・あの身体は、きみだけのものじゃない。
最初は嫌々だったけれど・・・まぁ、良識ある専業主婦としては、とうぜんだろうな。
でもいまは、違っているはずだ。
その証拠に、こんど逢う約束をしてくれたからな。
気になるかい? 木曜の午後だ。
あんたのいないときが良いって言うから、それで良いって答えておいた。
日中はあまり、出歩きたくないんだがね。奥さんのたっての願いだからね。
どうしても気になるのなら、勤め先を抜け出して、視に来るがいい。
きみのことだから、邪魔だてするような野暮なまねはしないだろうから、あらかじめ教えておくし、視る権利も認めるからね。

奥さんを離婚したくなったら、いつでも相談してくれ。
代わりにわしが、面倒見るから。
奥さんをわしの妾のひとりとして囲いものにして、欲しくなったら訪ねていくから。
都会育ちの奥さんを囲いものにできるなんて、仲間うちでは自慢の種になるだろうね。
もっともわしの仲間はそうした奥さんの2、3人は、愛人にしているやつらばかりだがね。
よく考えておいてくれたまえ。


【後日談】
奥さんの生き血を吸い取られ、不倫までされてしまったご主人ですが。
その後もご夫婦は別れずに暮らしているようです。
表むきは円満そのもののご夫婦ですが――時折奥さんは、一人の時間を持ちたがるようです。
そういうときはほんとうに一人なのではなく、
傍に影のように寄り添う男性が、いるとかいないとか。