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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

間男の奥方

2017年12月27日(Wed) 08:17:13

アラ柏木様、きょうはお帰り?
そういいながら靴ベラを差し出す奥方は、齢相応の奥ゆかしさを滲ませた、素敵なご婦人。
こんな奥様をお持ちなのに、この家のあるじはどうして、女にあれほど手が速いのだろう?
わたしの妻の由貴子は、結婚前からすでに、彼の手中に堕ちていた――

娘が年頃になったいまでさえ、週に2、3度はお召しがある。
わたしが知らないでいるあいだに、ふたりきりで逢う夜もあるらしい。
けれどもそういうときには、見て見ぬふりをするのが、夫の務め――
なぜって?
それはやっぱり男と女だから、
独り占めにしたい刻もあるのだろう。
そういうときはきょうのように、夫であるわたしはさりげなく座をはずすことを求められて、
吸血鬼はわたしの愛妻とふたりきりの刻を過ごす。

夫としての義務を放棄したわけでは、むろんない。
そう――間男を家庭に受け容れる決断をしたと同時に発生する同席の義務。
それをわたしは嬉々として受け容れて、
目のまえで羞じらいながら征服されてゆく妻のあで姿を、昂ぶりながら見届けてゆく。
でもきょうはどうやら、由貴子のことを独り占めにしたいらしい。
だからわたしは、座をはずす。

もっとも――
きっと数時間も経ったら、ふたたびお呼びがかかるはず。
「由貴子の服を濡らしちまった。悪いが、着替えを持ってきてくれないか?」
人の善すぎる間抜けな夫は、妻の濡れ場の後始末をするために、いそいそと着替えを届けに情夫の邸に参上する。
そしておそらくはもういちど・・・
巻き込まれた気の毒な夫の目のまえで、妻は思うさま征服されるはず。
そして気の毒ははずの夫もまた、目の前で恥を忘れ果てた妻を目の当たりに、
みずからもきっと、恥を忘れる――

「このままお帰りになるの?もっとゆっくりしていらしてもいいのよ」
奥方は意味深な上目遣いをわたしに与えるが、
わたしはその手には乗らずに、丁寧な会釈だけを置き土産に家路をたどる。
そう。
魅力的な奥方との交換条件で妻を差し出したのではない。
彼と最愛の妻との交際をあえて認めたのは、無償の好意ゆえなのだから。


あとがき
ちょっと体調を崩して、遠ざかっていましたが。
復活してみようと思った直後、あっという間に描き上げちゃいました。 (^^ゞ

吸血鬼になったお兄ちゃん

2017年12月07日(Thu) 07:32:58

豊畑数雄は吸血鬼に襲われて、生き血を吸われ、犯された。
男子でも犯されることってあるんだと、数雄は初めて身をもって知った。
けれども結局彼は、自分を犯した男に、19歳の生き血を一滴余さず、気前よく、吸い取らせてしまっていた。
ボクって気前がいいんだな・・・
そんなふうに思えたのは、自分の生き血と引き替えに、数雄自身も吸血鬼になってしまったからだった。
彼の身体はそのまま自宅の勉強部屋に安置されて、ひつぎのなかに置かれた。
「かわいそうなお兄ちゃん。お供えに、あたしの制服着せてあげるね」
数雄の女装癖を知っていた妹の真衣が、自分の制服を着せてくれたのが、むしょうに嬉しかった。
真衣の制服は紺のブレザーの制服だった。
ごく普通の、普通すぎるくらい普通の制服を、真衣は「ダサダサの制服」だといって気に入っていなかったけれど、
お兄ちゃんが隠れて麻衣の制服を着て愉しんでいるのに気づいてからは、自分の制服をちょっとだけ見直す気持ちになっていた。
真衣は母さんに頼んで、制服をもう一着作ってもらった。
いままで着ていた制服をお兄ちゃんにあげちゃった麻衣には、
もう一着、自分が学校に着ていく制服が必要だったから。
けれども麻衣はやがて、三着目の制服が要りようになった。
若い女の子の生き血を欲しがるお兄ちゃんのために着てあげる制服を。
はた目には、おなじ制服を着た女の子同士が抱き合って、片方がもう一方の生き血を吸っているようにしか見えなかった。
華奢な身体つきのお兄ちゃんはそれくらい、真衣の制服になじんでいた。
そして血を分けた実の妹である真衣の血は、カラカラに干からびたお兄ちゃんの喉に、とてもしっくりとなじんでいった。

娘の血を吸い尽させるわけにはいかないと、お母さんはときどき、息子のために吸血を受け容れるようになった。
自分の生き血を吸わせるときに、数雄はお母さんに、いつもPTAの会合に着ていくよそ行きの黒のスーツを着てほしいとおねだりをした。
お母さんは息子にねだられるままに、よそ行きのスーツを着て、息子の相手をした。
吸血鬼が既婚の女性の血を吸うときに、ことのついでに犯してしまうという習性を、お母さんは自分の身体で識るはめになった。
息子想いのお母さんは、それでも献血を止そうとはしなかった。
気丈にもお父さんにすべてを話し、そのうえで息子の相手をつづけて、
懸命にも理性を保ちながら、40代の人妻の生き血を、過不足なく息子に与えた。
遠い日に自分の母乳で子供たちを育てたときのように――

母娘ふたりの血では、数雄一人を養うには足りなかった。
足りない分は、数雄が自分で調達することになった。
彼は真衣の制服姿で夜な夜な自宅をさ迷い出て、声をかけてくる男や、同じ制服を着た女子を、片っ端から襲っていった。
そのうちに。
麻衣の学校の女子生徒の間で、「吸血クラブ」という同好会が生まれた。
会員は、真衣を筆頭に、真衣のクラスメイトやお兄ちゃんが襲った女子生徒が、全部で8人いた。
彼女たちは2人ずつ交代で夜道を歩き、同じ制服を着た麻衣のお兄ちゃんと待ち合わせて、
真っ白なブラウスの襟首を真紅に濡らしながら、生き血を吸われた。
ハイソックスを履いた脚を咬みたがる数雄のために、だれもが学校に履いて行く白のハイソックスを脚に通して、
連れ込まれた公園でスカートをたくし上げて、ハイソックスの脚を見せびらかして、
真っ白なハイソックスが真っ赤になるまで、愉しませてあげるていた。
親たちは娘の異変に気づきながらも、見て見ぬふりをしていた。
すでに街じゅうに、同じような目に遭う若い男女が増え始めていたから、
自分の娘が吸血されるということが、ごくありふれたことになっていた。
血を吸われた若者たちのお母さんたちもまた、数多く餌食になっていた。
首すじに、息子や娘たちと同じ赤黒い痣を浮かべたお母さんたちは、
娘の血を吸いたがる吸血鬼を自宅に手引きしていたし、
女のこの服を着て真夜中の街を歩きたがる息子たちのために、娘や自分の服を着せてやり、メイクまでしてやるようになっていた。
理性を毒された夫たちは、妻たちが吸血鬼に襲われるのを、見て見ぬふりをしていたし、
誘惑に屈した妻たちは、自分を襲った吸血鬼に熱をあげていた。
夜ごとにひっそりと自宅を抜け出して愛人との逢引きを愉しんだり、
夜ごとに訪う黒い影を自宅に引き入れては、不倫の恋に耽るのだった。

「吸血クラブ」の面々は、クラスメイトの真衣がお兄ちゃんに吸血されていく、近親相姦みたいなシーンを興味津々でのぞき見しながらワクワク、ドキドキしていたし、
男子のなかには自分も吸血鬼になって、気になってる女子の血を吸いたいと願うものまで現れた。
数雄の親友の珠樹も、そのひとりだった。
数雄は珠樹の妹の血を、日常的に吸っていた。
妹同士が、クラスメイトだったから、真衣が真っ先に自宅に招いて、お兄ちゃんに襲わせたのだ。
妹が親友の餌食になるという自分の立場を、珠樹は昂奮をもって受け容れた。
けれどもそのうちに、自分自身も、妹といっしょに兄妹ながら、親友の餌食になりたいと願うようになった。
彼は数雄を自宅に招び寄せて、数雄が吸血鬼化したときと同じように、全裸にハイソックスだけを履いた姿で、数雄に首すじを吸わせた。
年ごろの青年ふたりは、お互い肌を合わせるうちに昂奮を感じ合って、
珠樹は数雄に犯されていた。
珠樹のお母さんは、その様子を物陰から、ドキドキしながら見守っていた。
そして、数雄が珠樹のことを首尾よく吸血鬼にしてしまうと、
血に飢えた息子とその親友にわが身までも襲わせて、自分自身の血を与えるのだった。
「自分も吸血鬼になりたい」と息子に相談されたとき、彼女は息子のために真っ先に餌食になろうと決意していた。
子ども達が吸われたのと同じように、自分も血を吸い取られながら、
「珠樹くんや裕子ちゃんと味が似てるね」って囁く数雄の言いぐさに、ウットリと肯きかえしていた。
愛息の吸血鬼化を祝うため、実の息子とその親友であるふたりの青年にかわるがわる犯されて、
心優しい母親は、ふたりの若い吸血鬼を祝ってやった。

それ以来。
夜な夜な街をさまよう制服姿が、2人になった。
地域の公立中学の女子の制服に身を包んだふたりは、学校帰りや塾帰りの女子生徒を襲って、
首すじを咬んではブラウスの襟首を真っ赤に汚し、
ふくらはぎを咬んでは真っ白なハイソックスを赤黒いまだら模様に染めあげていった。
けれども彼女たちは白のハイソックスを履くことをやめないで、
手近な公園や道ばたで襲われた後、靴下を濡らしたまま家路についた。

きょうもウキウキとして、女子生徒たちは白のハイソックスを履いて、夜の街へと出かけてゆく。
「帰り道に気をつけてね」
そういって娘を気づかう母親たちもまた、首すじに赤黒い痣を浮かべて、
色とりどりのストッキングには、派手に破けた痕を、スカートの奥まで忍び込ませてしまっている。


※この物語はフィクションであり、登場する人物・団体等はすべて架空のものです。

「ひとの女房を〇しやがって!」

2017年12月03日(Sun) 09:05:06

飲み友だちの吸血鬼が、俺の妻を襲った。
やつは襲った獲物の生き血を吸い尽さない代わり、
自分の餌食になった女が気に入ったら犯していく習性をもっていた。
幸か不幸か、やつは妻のことを気に入ってしまった。
妻の生き血を吸い取ったあと、欲望のままにしたたかに犯して、たちまち飼い慣らしてしまっていた。

やつが妻を襲って犯したあと、いっしょに飲んだ時、俺は思わず毒づいた。
「人の女房を犯しやがって!」
「すまんすまん」
やつは頭を掻き掻き素直に詫びて、憎めないテレ笑いを泛べて、
おかげで俺の怒りの矛先はあらぬ方へとつんのめって、行くあてをなくしてしまった。
いつものテなのだとわかっていながら、俺はちょっと毒づくだけで、やつのことを勘弁してしまっていた。
「けどお前の奥さん、いい女だったな」
やつがふと洩らしたひと言が、なぜか俺の胸をずきん!衝いて、
秘めていたマゾの血を沸き立たせてしまった。

やつと妻とはしばらくの間好い仲で、
時折俺の目を盗んではラブホテルにしけ込んで、吸血プレイを楽しんでいた。
たまには俺の留守中家にあがり込んで、したたかに吸血して、したたかに犯して、夫婦のベッドを汚していった。
そんなことを逐一知ってしまったのは、やつが俺にはわりと忠実で、妻との逢瀬を遂げるとちゃんと報告してくれるからだった。
もちろん――いつだか恵んでやった俺の血の味から、マゾの気配を察してのことに違いなかった。

やつと妻との仲は、近所でも評判になるほどだった。
けれどもやつのことだから、きっと妻にはすぐに飽きてしまって、
妻は捨てられてしまうだろうと、俺はたかをくくった。
案の定、やつはひと月と立たないうちにべつの女とつるみはじめて、妻とは疎遠になった。
そのあとやつといっしょに飲んだ時、俺は思わず毒づいた  
「人の女房を捨てやがって!」
「どっちがいいのだ?」
やつは困惑しながら、俺に訊いた。
知るもんか・・・とそっぽを向きながら、俺はそれでも妻が寂しがっていると教えてやっていた。

寂しがりな妻は、いちど男を識ってしまうともうとめどがなくなって、
こんどはべつの男とつるんでいた。
相手の男は真人間で、俺とは違ってエリートのサラリーマンだった。
悪いやつでは決してなかったけれど、俺はやつにかたき討ちを頼んでいた。
やつは妻の浮気相手の奥さんに手を出して、したたかに血を吸い取っていた。
それなりに気に入りもしたらしくって、ことのついでに犯していった。
「女房の浮気相手の奥さんまで犯しやがって!」
とは、さすがの俺も言わなかった。

妻が間男と浮気をしているあいだ、やつは間男の奥さんのところに入り浸って、
妻のときと同じように、飼い慣らしてしまった。
「なんだか食物連鎖みたいだな・・・」
俺がそんなふうに愚痴ると、やつは面白そうにふふふと笑った。
妻が間男に誘惑されて、その間男の妻がやつに生き血を吸われてゆく――
もちろん最下位は、俺の占める場所だった。
そのことがひどく俺のプライドを傷つけて、なおかつ俺のマゾ気質に火をつけていた。

幸か不幸か、夜のベッドで俺が独り寝することはめったになかった。
だってふたりとも、妻といちゃいちゃしているところを、やたら俺に見せたがるやつらだったから。
妻もまた、退屈することはなかった。
吸血鬼、人間の間男、俺と、三人の男の相手をしていたから。
間男のエリート・サラリーマンは、自分の妻が吸血鬼に犯されていると知って、
ひどく心配をして、ついでに嫉妬までして
――自分が人の妻を抱くのはよくて、自分の妻が他人に抱かれるのは良くないというのだから、勝手なものだ――
やつと仲が良いからという理由で、ひともあろうに俺を相談相手に指定してきた。
俺はお人好しにも、やつの相談相手になってやった。
「どうせなら、愉しんじゃえばいいじゃないか」
間男氏はびっくりして、俺を真顔で見つめた。
恥かしいことを口にした後顔をまともに見られるのは、けっこうキツいものだと、ちょっとだけ後悔したけれど。
やつは「そんなものなのかな」といって、お代を二人分払って居酒屋を後にした。
目のまえの男が、妻を自分に寝取られているとも知らないで(実はよく知っているのだが)、真顔で相談に乗ってくれたことに対する、きっと罪ほろぼしだったのだろう。

数日後。
間男氏は晴れ晴れとした顔をして、ふたたび俺の前に現れた。
「あんたの言うとおりだったよ。嫁を犯されるところを視るのって案外、感じるものなんだな」
自分が犯した女の亭主と飲むというサディスティックなことに歓びを感じる男が、
妻を目のまえで犯される光景に絶句する歓びに目ざめた瞬間だった。

ご機嫌で俺と別れた間男氏は、またもお代を二人分払ってくれた。
まったく、エリートってやつは、羽振りがよくって妬ましい。
ところがこの話に間男氏の話さなかった尾ひれがあることを、後日やつから聞いて知った。
やつと意気投合した間男氏は、目の前で自分の妻を抱いてもらい、
うっとりとなった自分の妻に、こんどは己自身がのしかかっていったという――
吸血鬼にすっかりたらし込まれていた間男氏の奥さんはなかなかの賢夫人でもあって、
夫と情夫とを同時に満足させるためとても熱心に振る舞ったという。
尾ひれはまだまだ、続いていた。
昂奮冷めやらぬ間男氏は、自分の奥さんが気絶するまで、
熟れた人妻の生き血を気前よくやつに寄付した後で、
俺のいないわが家に押しかけてきて、二人で妻のことまで輪姦していったというのだ。
「人の女房をまわしやがって!」
とは、さすがの俺も言わなかった。
そのときにはもう、極彩色に彩られた淫らな妄想が、俺の頭のなかを駆けめぐってたのだから――
妄想のなか
妻は吸血鬼の好みに合わせ、見慣れたよそ行きのスーツを着込んだまま、
ふたりの男相手に組んづほぐれつの凌辱プレイに、心ゆくまで耽り抜いていた――