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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ふしだら母さん ~スリップ一枚の寝乱れ姿~

2018年01月24日(Wed) 06:31:48

「アー、夕べは楽しかったわ~」
寝室から現れた母さんはスリップ一枚のあられもない姿。
乱れた髪の毛を手串で解かしながら、洗面所にむかった。
真っ赤なスリップ一枚に、びりびりに破けたねずみ色のストッキング――
このごろすっかり見慣れてしまった、寝起きのスタイルだった。

父さんがいなくなったすぐ後に、母さんは吸血鬼に襲われた。
喪服のスカートの下に穿いていた黒のストッキングに、相手の吸血鬼が目の色を変えたのだ。
さすがに母さんはちょっとだけ抵抗したけれど、
スカートの中にまさぐり入れられた淫らな指に、あっという間にマイッてしまう――
父さんの写真のまえで散々に犯された母さんは、以来情夫を真っ昼間から家にあげる、淫乱女に堕落していた。

「なにひとのことじろじろ見てんのよ。さっさとあんたも支度しなさい」
洗面所から出てきた母さんは、上からバスロブを羽織っていて、母親の尖った眼をちょっとだけ取り戻していて、真っ赤なスリップからはみ出そうなおっぱいを無意識に目で追った高校生のぼくを、叱りつけていた。
自分はふしだらにも、「あぁ極楽極楽」なんて言いながら、それでも朝ごはんのまえには父さんの写真のまえで律儀にお線香をあげ、手を合わせることだけは忘れない。

吸血鬼が真夜中しか出没しないなんて、嘘だ。
母さんの情夫である吸血鬼の小父さんは、いつも我が家に真っ昼間から出没する。
彼とぼくとの間には、ちょっとした黙契があって――ぼくが勝手にそう思っているだけかもしれないが――母さんがスリップ一枚で小父さんを迎えるのを見て見ぬふりをする代わり、ぼくが時々二人が淫らにまぐわっているのをのぞき見するのを、そ知らぬ顔してやり過ごしている。
案外母親との情事を息子に見せつけて愉しんでいただけなのかも――って気づいたのは、だいぶあとのことだった。

「視てたでしょ」
一戦終えた吸血鬼が立ち去ったあとも、寝室のふすまのこちら側でぼうっとしていたぼくを見とがめ、母さんは睨みつけた。
「あぁ、視てたよ、良い眺めだったから」
平然と答えてしまったぼくもまた、母さんのアブノーマルな血を受け継いでいるのかも。
そう思ったときにはもう、覆いかぶさって来た母さんの下敷きになって、
真っ赤なスリップからはみ出かけた母さんのおっぱいを、夢中になって揉みつづけてしまっていた。
いつも穿いているねずみ色のストッキングは太ももまでの丈だったと、スリップの裾に手を入れたことで初めて知った。
毒を喰らわば皿まで――そんなことしか頭になくなって、
「濡らしてもいいから思い切りしなさい」
と囁く母さんの言うままに、白く濁った粘液をびゅうびゅうと吐き散らして、スリップを浸してしまっていた。
「ほら、父さんも悦んでいるじゃない」
ぼくに抱かれた格好のまま、母さんは楽しそうな上目遣いで、父さんの写真をふり仰ぐ――
不覚にも、とんでもない場所でしてしまったと知ったぼくを、母さんは逃がさなかった。
手慣れた手管でぼくの腰を抱いたまま、ぼくの精液をしぼり取るようにして、
なん度もなん度も、果たさせていった――

吸血鬼以外にも、ぼくの家にやって来る男たちがなん人もいた。
彼らはいちように、吸血鬼の小父さんに妻を寝取られた夫たちだった。
連れ添った女をモノにされた代償に、母さんとのエッチを許されたという。
母さんの貞操は、完全に吸血鬼の私物と化していた。
ぼくは母さんと彼らとのセックスも、半ば公然とふすまのすき間から覗いて愉しむ、いけない息子になっていた。
「好きにしなさい。気になるんだったら、別に覗いてもいいよ」
自分の情事を隠そうとしない母さんは、ぼくにもあけすけにそんな風に言って、
「するのも愉しいけど、視るのも愉しいもんなんだね」
と、ぼくのことをからかった。
そういうときの母さんは、かつてしつけに厳しかった母親の目ではなく、
熟女の情婦の目つきだった。

「ね、あんた結婚しなさいよ」
真っ赤なスリップ一枚の母さんは、今朝も寝乱れた髪を手串で解かしながらリビングに現れて、だしぬけにそんなことを切り出した。
「エッ、急にどうしたの?」
訝るぼくに、母さんが言う――

うちに出入りしている男のひとの親類でね、良い娘さんがいるの。
お母さんも、きれいな人なの。
それで、あんたと婚約したらさ、小父さんに襲わせてあげようよ。
処女だったら、処女の生き血を愉しめるし、
もう男を識っていたら、すぐにその場で犯しちゃうし。
そうしたらさ、その子に知られても、母さんとあんたで、堂々とエッチできるじゃん。
どのみち小父さんはあんたのお嫁さんをモノにする。
お嫁さんが小父さんと浮気している間は、母子で楽しもうよ。
そのうちお嫁さんも小父さんにたぶらかされちゃって、
きっと自分のお母さんのことも、手引きするようになるから。
あたし、先方のお父さんを引き受けてもいいって、小父さんに言っといたから。
あんた、視る愉しみのほうも、増えるからね・・・

母さんは狂っている。
そんな母さんと同じ布団のうえで寝物語をして、頷いてしまっているぼくも、やっぱり狂っている――

【イラスト】正義の味方なき怪人物語~吸血怪人!チスイヒトデ きみも顔が蒼くなる!

2018年01月22日(Mon) 06:30:12

稚拙なものですが、前作のイラストをあっぷしてみます。
果たして見やすい感じで載りますかどうか・・・

本編のURLはこちら↓
【素案】正義の味方なき怪人物語~吸血怪人!チスイヒトデ きみも顔が蒼くなる





ワタル少年は貧血を起こしてその場に倒れてしまいましたが、
チスイヒトデはまだ飽き足りないらしく、もう片方の脚にも取りついて、ワタル少年の血を吸い取ったのでした。



突然現れた真っ赤なヒトデ状の怪人に、お母さんは悲鳴をあげてその場に尻もちを突いてしまいました。
チスイヒトデは動転してしまって動けずにいるお母さんの足許に這い寄ると、
ひざ丈の緑色のスカートから覗くふくらはぎによじ登り、
肌色のストッキングの上からお母さんの血まで吸い始めたのです。


チスイヒトデは、うつ伏せに倒れてしまったお母さんの両脚から血を抜き取ると人間体に変態して、
裸体のまま、お母さんにおおいかぶさっていきます。



血を吸われて洗脳されてしまったワタル少年も、お父さんまでも、
お母さんが犯されてゆくのを面白そうに見守りつづけていました。



ワタル少年はタカシくんに迫っていって、足許にかがみ込むと、
ポケットからチスイヒトデを取り出して、タカシくんの脚になすりつけました。
「うわ、わ・・・っ!」
叫び声の下、チスイヒトデはみるみる変色して、
タカシくんの履いているひし形もようのハイソックスの上から、この少年の血を吸い取ってしまったのです。

【素案】正義の味方なき怪人物語~吸血怪人!チスイヒトデ きみも顔が蒼くなる!

2018年01月21日(Sun) 06:44:02

引っ込み思案のワタル少年は、きょうも独りで公園で遊んでいました。
独りベンチに腰かけていたワタル少年の足許に忍び寄るのは、怪人チスイヒトデ。
子どもの手のひらくらいの大きさで、ふだんは土や草など、周りの色に同化して見分けがつきにくい生き物です。
チスイヒトデは音もなくワタル少年の足許に這い登ると、
ワタル少年の履いているライン入りのハイソックスのうえから、血を吸い始めたのです。
「アッ!なんだこれっ!?」
声をあげたときにはもうすでに遅く、チスイヒトデはワタル少年の血で真っ赤になりながら、
強烈な勢いで血を吸いあげてゆくのです。
「ウ、ウ~ンッ・・・」
ワタル少年は貧血を起こして、その場に倒れてしまいました。
チスイヒトデはまだ飽き足らないらしく、もう片方の脚に取りついて、ワタル少年の血を吸い取ってしまいました。

「ただいま」
玄関でぽつりとそう呟くと、ワタル少年はすっかり蒼ざめてしまった顔を視られないようにと、
すぐに勉強部屋へと引き上げてしまいました。
チスイヒトデはワタル少年の脚から離れて壁の色と同化しながら台所に移動して、
こんどはお母さんの血を狙います。
そこにちょうど、お父さんが勤めから帰宅しました。
チスイヒトデは目標を変えて、まずお父さんの脚に取りついて、血を吸い取りました。
「あらッ!?お父さんどうなさったのですか!!?」
急にその場に倒れてしまったお父さんに、お母さんはびっくりして駆け寄ります。
そのお母さんのエプロン姿に、チスイヒトデは素早く迫っていったのです。
突然現れた真っ赤なヒトデ状の怪人に、お母さんは悲鳴をあげてその場に尻もちを突いてしまいました。
チスイヒトデは動転してしまって動けずにいるお母さんの足許に這い寄ると、
ひざ丈の緑色のスカートから覗くふくらはぎによじ登り、
肌色のストッキングの上からお母さんの血まで吸い始めます。
「あ・・・あ・・・アァ~」
お母さんは悲鳴をあげますが、夫婦の血で真っ赤に変色したチスイヒトデを引きはがすことはできません。
穿いているストッキングがパリパリと裂け目を拡げて、
その下に透きとおるお母さんの白い肌も、ワタル少年のときのようにみるみる蒼ざめていったのです。

チスイヒトデは人妻の血を吸うと、人間体に変態する習性を持っていました。
そして、人間体になると、居合わせた女という女を襲って犯してしまうといういけない習性も持っていました。

チスイヒトデは、うつ伏せに倒れてしまったお母さんの両脚から血を抜き取ると人間体に変態して、
蒼い身体の裸体のまま、お母さんにおおいかぶさっていきます。
お母さんの間近に倒れていたお父さんは、顔をあげるのが精いっぱいでした。
自分の妻が醜い怪人に襲われて、みるみる血を吸い取られて、あげくの果てに犯されてしまうのを、
ただぼう然と見つめるばかり。
ワタル少年もいつの間にか二階の勉強部屋から降りてきてお父さんの背後に立ち尽くすと、
家族に隠していた蒼い顔をさらして、
お母さんがエプロンを着けたまま犯されてしまうのを、面白そうに眺めていました。
お父さんもワタル少年も、血を吸われたために、二人とも洗脳されてしまっていたのです。
二人はにやにやと含み笑いを泛べながら、
チスイヒトデがお母さんの血を美味しそうに吸い尽したり、
緑色のスカートをお尻がみえるほどまくり上げられて侵されてしまうのを、満足そうに見守りつづけていました。

こうして、ワタル少年の家は、チスイヒトデによって家族全員が吸血されて、たったひと晩で征服されてしまったのです。

翌日の夕方、ワタル少年はいつものように独りでベンチに腰かけていました。
そこに通りかかったのは、いじめっ子のタカシくんです。
「よう、何独りでいじけてんだよ。学校だって、ずる休みしたんだろ!?」
タカシくんはワタル少年に邪慳に突っかかっていきました。
テストで悪い点を取ったりすると、いつもそんなふうにワタル少年のことを小突き回して、愛さを晴らしているのです。
でもこの日のワタル少年は、いつもと違いました。
俯いていた顔をあげると、いつもと違ったふてぶてしい笑いを泛べて、タカシくんのことを視かえしたのです。
タカシくんはワタル少年の顔色の蒼さにビクっとして、
「お前、その顔色どうしたんだよ??」
と叫びました。
ワタル少年はタカシくんに迫っていって、足許にかがみ込むと、
ポケットからチスイヒトデを取り出して、タカシくんの脚になすりつけました。
タカシくんの履いていたひし形もようのハイソックスの上で、チスイヒトデはピンク色に変色して発情します。
「さあ、こいつの血を吸い尽すんだ」
チスイヒトデの仲間になってしまったワタル少年がそういうと、形勢逆転、いじめっ子のタカシくんは初めて怯えた顔になりました。
「うわ、わ・・・っ!」
叫び声の下、チスイヒトデはみるみる変色して、
タカシくんの履いているひし形もようのハイソックスの上から、この少年の血を吸い取ってしまったのです。

「そのヒトデ、きみにあげるよ。家に持って帰って、お母さんの血を吸い取らせてあげるといいよ」
蒼い顔を近寄せて囁くワタル少年に、やはり蒼い顔になってしまったタカシくんは肯きかえすと、
「こんどから、仲良くしような」
「ウン、指切りね」
と言いました。
ふたりは、同じチスイヒトデに血を吸われることで、仲良しになったのです。

「じゃあね、チスイヒトデ。タカシくんの家族の血を吸ったら、また戻っておいで。
 父さんも、きみが母さんのことを征服するのをまた視たがっているんだ。
 母さんを襲ってぼくたちを夢中にさせてくれたら、またお友だちを紹介するから。
 ぼくはもう、独り遊びはやめて、友だちをおおぜい作るから。
 いろんな人の血を、きみに吸わせてあげるために・・・ね」

誘拐ごっこ

2018年01月19日(Fri) 07:40:30

ぼくの住んでいる街では、「誘拐ごっこ」が流行っています。
本当の誘拐ではないので、被害届は出されません。
誘拐されるのはほとんどが結婚している女の人で、
その人のことが好きな男の人たちが、女の人本人や、その人のご主人の小父さんと示し合わせて行います。

狙った女の人に声をかけるのは、勤め帰りとか、買い物帰りとか、あまり迷惑のかからない時間帯を選びます。
専業主婦の場合は、子ども達が学校に行った後とかが多いみたいです。
声をかけられた女の人は、ご主人の小父さんの手前ちょっとだけイヤそうな顔をしたり、いちどは断ったりしてみますが、
最終的には連れていかれます。
連れていかれる場所は、街はずれの廃ビルとか、郊外の草むらとか、人目のないところです。
男の人はたいがい2~3人組で、連れてきた女の人をその場で襲います。
女の人は、服を脱がされ、おっぱいをまる見えのされたりしながら、犯されてしまいます。

女の人には、ご主人に連絡を取ってもいいことになっています。
たいがいの場合は小父さんに、
「誘拐されました。私の着替えをもって、何時にどこどこに迎えに来てください」ってメールします。
14時に誘拐されたら16時とか、17時に誘拐されたら20時とか、ちょっと遅めの時間に来てもらうようにお願いするのです。
どれくらいの時間誘拐されているのかは、男の人の人数や仲の良さでちょっとずつ違うみたいです。
小父さんのほうも慣れていますし、誘拐犯の男の人たちは友だちだったりする場合があるので、
奥さんが指定する時間よりもわざと少しだけ遅れていったりします。
逆に、早く行って、自分の奥さんが襲われているのをのぞき見をして面白がったりする、いけない小父さんもいるみたいです。

ぼくのお母さんも、このあいだ誘拐されました。
誘拐したのは、ぼくの友だちのユウくんとマサルくんと、マサルくんの弟のマサシくんです。
3人はぼくの家に電話をかけてきて、「お母さんを誘拐しちゃった、面白いからきみもおいでよ」と言ってくれました。
ぼくはびっくりしてお父さんに電話をしましたが、お父さんは仕事で来るのが遅れるって言いました。
「裕也はあと1時間くらい待ってから行ってあげなさい、父さんもあとから行くから」
というので、電話をくれたユウくんと話し合って、あと30分したら行くことにしました。
時間が早めになったのは、ユウくんやマサルくんやマサシくんがぼくのお母さんにしていることを、見せつけたいからでした。
ぼくはお母さんのたんすの引き出しから、いつも見慣れているワンピースを取り出して、
ドキドキしながら誘拐現場に行きました。
誘拐現場は、放課後の学校の、ぼくたちのクラスの教室でした。
ついこのあいだの父兄参観で、お母さんも来たばかりでした。

教室につくと、もう誘拐ごっこが始まっていました。
お母さんは、見慣れたねずみ色のスーツを着ていました。
でも、白いブラウスはボタンがはずれていて、その下に着けていたブラジャーもひもが切れていて、
おっぱいがまる見えになっていました。
すごく小さいころに視たッきりだったおっぱいを、仲良しのユウくんが唇を吸いつけて、
チューチュー音を立てて、夢中になって吸っていました。
まるでユウくんが赤ちゃんになって、お母さんの子供になっちゃったみたいな、変な気分でした。
マサルくんはお母さんのはいている肌色のストッキングを面白がってビリビリと破いていました。
大人の女の人がはくストッキングが、子供の手でむしり取られていくのが、
なんだかお母さんがマサルくんに征服されちゃうみたいな感じがして、ぼくはちょっとドキドキしてしまいました。
いちばん年下のマサシくんは、なんとママとキスをしていました。
お母さんも自分のほうからキスにこたえていっていて、自分のことを誘拐した三人組の男の子とすっかり仲良くなっちゃったのを知りました。
ぼくだけのお母さんを、他の男の子たちに征服されてしまったのです。

お母さんをとられてちょっとさびしいような、仲良くなってうれしいような、不思議な気分だったけど、
ユウくんにうながされてぼくもお母さんとキスをしました。
お母さんの唇はなんだかなま温かくて、柔らかくて、さいしょのうちはとてもヘンな気分だったけど、
そのうちに慣れてくると、母子で夢中になってキスのやり取りをしちゃっていました。
そのあいだにマサルくんは、お母さんのストッキングを脚からむしり取って、ぶら下げて見せびらかしてきました。
「じゃあ始めるからね」
とユウくんがいうので、キスをしただけで終わりじゃなかったんだと思いました。

ストッキングとショーツを脱がされたお母さんは、スカートも太ももが見えるくらいまでたくし上げられていました。
お母さんは、男の子たちに、「順番よ、乱暴にしないでね」と言いました。
みんな素直に「ウン」と言うと、その場でじゃんけんをして、順番を決めました。
ぼくはお母さんの子だからという理由で、じゃんけんからははずされて、いちばん最後にすることになりました。
最初がユウくん、それからマサシくん、さいごがマサルくんでした。
マサルくんはマサシくんに、「弟のくせにお前のほうが先なんだな」って言いましたが、マサシくんも負けていません。
「兄ちゃんがお嫁さんをもらったら、ボクが先に犯してあげる」とか言い出したので、
お母さんは、「兄弟げんかしないでね」って、注意していました。

順番が決まったので、まずユウくんがお母さんのうえにのしかかりました。
ユウくんは半ズボンを脱ぐと、お〇ん〇んをまる出しにして、お母さんのねずみ色のスカートの奥に忍び込ませていきました。
そして、まる見えになったお母さんのおっぱいを唇に含みながら、お母さんにしなだれかかるようにして、体を寝そべらせていったのです。
とってもいけないことをされているんだ・・・って、直感的にわかったけど、
ユウくんにはそれをやめてほしくない気がしました。
ほかの2人の男の子も、「セックスって初めて見る、すげえ」って、目を輝かせてぼくのお母さんに見入っていました。

ユウくんはお母さんの上に馬乗りになって、ギュウギュウとお尻を押しつけるようにしていましたが、
やがて、小さな子みたいにおもらしをしてしまいました。
ユウくんのおもらしはお母さんのスカートや太ももを濡らしましたが、おしっこと違って、白っぽくてネバネバしていました。
ユウくんは、おしっこをし終わったみたいなスッキリした顔になって、マサシくんにあとをゆずりました。
鼻息荒くお母さんに組みつこうとしたマサシくんを、マサルくんはお兄ちゃんらしく「待て待て」といって引きとめて、
お母さんの太ももを濡らしたユウくんのおもらしをふき取りました。
「きれいにしてからやるもんだぞ」と弟をたしなめたマサシくんは、いつものようにやっぱり、きちょうめんでした。
ぼくのお母さんにしがみつくようにして挑んだマサシくんのあとは、
マサルくんが「うふー」と嬉しそうな声を洩らして組みついていって、お母さんのことを犯しました。
ユウくんが「ちょっとたまらなくなってきた」と言い出したので、
ぼくをはずしてもういちど、今度はユウくん、マサルくん、マサシくんの順番で、お母さんを犯しました。
みんなお〇ん〇んをむき出しにして、お母さんがお勤めの時に着けているスカートの奥におもらしをして行くのを、
ぼくは不思議な気持ちで視ていました。

「さあ、こんどは裕也の番だぜ」
ユウくんがぼくをうながすと、マサルくんも「親子でかけ合わせちゃおう」っていいました。
相手がお母さんだとそんなにいけないのかな?って思ったけど、
小さいころから見たことのなかったお母さんの裸にドキドキしながら、
無抵抗なお母さんのうえに身体を重ね合わせていきました。
知らず知らずおっきくなったぼくのお〇ん〇んをユウくんがつまんで、むぞうさにお母さんのまたの奥へとくっつけました。
それからなにがどうなったのか、ぼくにもよくわかりません。
お母さんはぼくのことを今までになくギュッと抱きしめて、気がついたら夢中になって、ぼくもおもらしをしてしまっていました。
「いい子だね、気持よかった?」とお母さんがきくので、気持ちよかったと正直にこたえると、
お母さんは、「ほかの男の子にもやらせてあげようね」っていいました。
それから暗くなるまで、だれも来ない教室のなかで、ぼくたちは代わりばんこに、お母さんとエッチを楽しみました。

「あっ、小父さんが来た!」
ユウくんが声をあげました。
見ると、教室の入り口にお父さんが立っていました。
勤め帰りだったのか、まだ背広を着ていました。
「こんばんは」
お父さんのこともよく知っていた3人の男の子たちは、悪びれもせずに夜のあいさつをしました。
「やあ、こんばんわ」
お父さんも愛想よく、子どもたちにあいさつを返しました。
「みんな初めてだったの」というお父さんに、
「ぼくは2人め。ママとしたから」とユウくんがいいました。
「ぼくも2人め。相手は母です」とマサルくんもいいいました。
いちばん年下のマサシくんが「ぼく5人目!」と声を張りあげると、
マサルくんは、「ウソつけ、初めてだったくせに」といいました。
「じゃあマサルくんは、きょう男になったんだね、おめでとう」
お父さんは自分の妻を犯した男の子たちに、すごく寛大でした。
「女の人が欲しくなったら、小母さんのことを誘拐してもいいからね。でも、よそで悪さをしてはいけないよ」
さいごの発言はとても大人だなって、ぼくは思いました。

学校を出ると、みんなで「おやすみなさい」を言って、別れました。
ぼくたちだけになると、
お母さんはお父さんに「おかえりなさい」とだけ言って、
お父さんはお母さんに「おつかれさま」とだけ言いました。

それ以来。
ぼくは誘拐犯のグループの仲間入りをしました。
四人でお互いのお母さんを誘拐し合ったり、
どのお母さんも都合がつかないときには、ぼくのお母さんを家から連れ出して、
空き教室や廃ビルや近くの公園で仲良くしました。
いつも厳しいお母さんを、よその男の子が征服してしまうのは、とても不思議な気がしています。
同時に、ふつうのエッチよりもいやらしい感じもします。
でもぼくたちは、お母さんを取り替え合うといういけない遊びに、それこそ夢中になってはまり込んでしまったのです。


――あれから20年が経った。
わたしが結婚をしたとき、新婚妻に最初に挑みかかったのは、あのマサシだった。
マサシがパンストフェチになったのは、母から勤め帰りのストッキングをねだり取ったあの日以来だったというけれど、
わたしの妻からも、ウェディングドレスの下にまとった純白のストッキングを、むしり取っていったのだった。
わたしたちはこの街で大人になって、いまでも棲みついている。
そして息子たちが大きくなって色気づいてくると、お互いの妻を融通し合って、
決められたルール通りに誘拐させ合うようになっている。
子ども達に誘拐された母親たちは、自分たちが襲われて犯されることで、
子ども達に性の大切さや女の人のいたわり方を身をもって教え続けている。
きっと息子の代になっても、彼らは譲り合い気づかい合いながら、妖しい生を愉しみ合っていくのだろう。

月にいちどのお務め。

2018年01月17日(Wed) 07:42:00

月にいちど。
村はずれの荒れ寺に、都会妻たちが集められ、村の男衆に奉仕をする。
都会に棲めなくなった夫婦ものを引き受ける、村の出張所が主催する、お愉しみ行事なのだ。

熟女・若妻・新婚妻までも取り交ぜて、
パーティードレスにワンピース、よそ行きのスーツや着物、果ては喪服姿まで、
思い思いの衣装に着飾った都会妻たちは、
自宅に夫たちを残して、さりげなく家を抜け出して、
ウキウキとしたようすなどおくびにも出さずに、三々五々集まって来る。
そのくせお互いさぐり合うように、
あの人嫌々来ているのかしら。
ほんとうは目あての男がもういるのじゃないかしら。
そんなふうに、互いに互いの顔色を窺いながら。

お寺の本堂に集められた女たちがなにをされるのか、
おめかしして出かける妻を送り出した夫たちを含めて、だれもが知っている。
女たちは皆、
着物の襟足をくつろげて、
ブラウスのボウタイをほどかれて、
ロングスカートを腰までたくし上げられて、
ストッキングをひざまでおろして、
ショーツを自分から、つま先まですべらせて。
息荒くのしかかって来る男どもを、それとは劣らぬ熱い吐息で迎え入れてゆく。

夜明け近くになったころ。
その晩あったことなどはおくびにも出さず、
私は貞淑なのよといわんばかりに楚々として、妻たちは帰宅の道をたどる。
ふだんとは違う眼の色をした夫たちをまえに、
妻たちは見え透いた弁明をくり返す。
私だけはなにもなかったの。だれにも挑まれたりしなかったの。
危なかったけど、さいごまで貞操を守り抜いたの。って。

でも夫たちは、知っている。
目のまえの妻の着崩れした衣装が、
ほつれた乱れ髪が、
破けて引きずりおろされたストッキングが。
必要以上のことまで、白状してしまっているから。

そうでなくても、夫たちの一部は、もっとよく知っている。
そういう夫たちは、素知らぬ顔で妻を送り出した後、
自らもこっそり、妻のあとを尾(つ)けてお寺に出向いて、
本堂の向こう側から、覗いて見届けてしまっているから。
妻たちがどれほど積極的だったのか、
どれほど不熱心に、身に降りかかる恥辱を振り払おうとしたのか、
そしてどれほど熱っぽく、彼らの劣情に接しつづけたたのかを。

そうした夫たちを持つ妻たちもまた、
夫に覗かれていると知りながら、清楚な衣装とはおよそ不似合いな、これ見よがしな痴態に耽り抜いて、
あなたごめんなさい感じちゃってるのとか、
主人のものよりおっきいわあ、あなたのほうが素敵♪とか、
あらぬことまで口にする。

そうした妻たちをモノにする村の衆もまた、情婦の夫をそそのかして、
女房の様子が気になるんだろ?
思い切って覗きに来いよ。
あんたの目のまえで、母ちゃんよがり狂わせてやっからよ。
見届けるのも、夫の務めってもんだぜ と。

それでも夫たちは、いそいそと妻のあとを追う。
ひっそりと、妻の帰りを待ちわびる。
月にいちどのお務めが済んだあと。
そこにはいまだかつてないほどの、熱っぽい夫婦のまぐわいがあるのだから。

村の回覧より~先日の美野家ご一家の婚礼について

2018年01月17日(Wed) 07:12:55

皆さまご承知の通り、去る9月×日、田貫家において、
令息要之助様と美野家令嬢の美織様との婚儀が、滞りなく挙げられましたことを改めて報告します。

夜の披露宴には、
新婦美織様のご母堂規矩子さま並びにご夫君の富晴様、
ご令兄の辰夫様と夫人の雅恵様、
叔父市晴様と夫人の由香里様もご臨席賜り、盛大を極めた席となりました。

ことに都会のお美しいご婦人方の黒留袖姿に村の男衆は魅了され、
お三方のご令室様はお1人の例外もなくその場を去ることなく、くり返しの凌辱を受けられました。
先に献血を済まされたご夫君たちは、他の男性と打ち解けてしまったご令室様のご様子を目にして潔く観念をされ、
意気投合した男衆たちのため、ご自身から改めて、永年連れ添ったご令室様の貞操を譲り渡すと申し出られたのでした。

一夜明けて、ご一家はお召し物を直されたあと長老の染谷瓢右衛門氏の来訪を受け、
お祝いのご挨拶をお受けになられました。
特にご令室がたの奥ゆかしい応対にはご褒詞があり、ご夫君方はいたく恐縮されたよし。
また、お三方のご令室様は乱れたお着物の着付け直しを受けられ、行き届いた応対に感謝されたよし。
村独特の荒っぽいあしらいに、ご一家は最初のうちこそ驚いたご様子でしたが、
すべてが親愛の情によるものだとすぐにご理解をされ、
あとは潔く、永年連れ添われたご令室様を自然のなりゆきにゆだねられていきました。

白日の下、はだけられた黒留袖の装いからさらけ出された白い柔肌に男衆たちは驚喜し、
その後のお召し替えでは、都会ならではのモダンな洋装に思い思いに装われたご令室様に、いちように称賛を送りました。
もとより通りいっぺんの称賛ではなく、
そのあと三人ながら納屋に引きずり込まれて、心のこもった歓待を受けたのはいうまでもありません。

「まるで母と妻の貞操を処刑されているようでした」とは、辰夫さんの弁。
まさに言い得て妙、この儀式を済まされたご令室様がたは、都会の日常の合間を縫って当村を訪れ、
都会妻でありながら村の男衆の気持ちを込めた愛撫を受ける日々をお過ごしになられることでしょう。

新婦美織さんのご令妹である沙織さんは、まだ未経験の乙女であるため、大人の席には加えられず、
けなげにも村の長老様につききりで、うら若い血潮を吸い取られるご奉仕を尽されました。
美織さんの兄嫁である若妻の雅恵さんは、お名前の通り優雅な恩恵を村の男衆に与え尽されましたが、
都会のご実家に小さいお子様を置いてのご来訪。
これからもお子様を都会において、夫の目を盗んで泊りに来るとのことでした。
ご親戚のご令室である由香里様は、「今度は息子の嫁を連れてきますね」と明るくお約束をしてくださいました。
「まだ息子以外の男を識らないようだから、早く愉しませてあげたい」との、頼もしい弁。

今後は当村を訪れる都会妻がまた、増えることが期待されます。
ご令室様方のご健勝と、理解あるご夫君方のご活躍を、当村の男衆一同、心から願うものであります。

晩夏の挽歌~婚礼の翌朝

2018年01月17日(Wed) 06:46:49

まだ暑さののこる時分のことだった。
美野辰夫はさっきからぼう然と座り込んだまま、庭先にかしましい蝉しぐれを、聞くともなしに聞き入っていた。
広い座敷の奥からは、木立ちの豊かな庭の野趣あふれる風情を見通すことができた。
眩しい朝――しかしそこには、清々しいばかりではないなにか不健全に澱んだ空気が、そこかしこに漂っている。
さっきまで。
この部屋で行われていたことがただならぬ狼藉であったことは、
周囲に散らばった髪飾りや黒留袖、金襴の帯などが、露骨なほどに物語っていた。
散らばされた衣装のあるじである辰夫の妻の雅恵は、白の襦袢だけを羽織らされたまま、
やはり放心状態で、夫とはやや距離をおいて座り込んでいた。

ふたりの首すじにそろってつけられた、二つの赤い斑点。
吸血鬼による咬み痕の周りには、吸い残された血潮が数滴、まだ生々しく滲んでいる。
ふたりがぼう然としているのは、失血のせいもむろんあったが、それ以上に奪われたものが大きかったのは、周囲の状況から明らかだった。
この村に棲む吸血鬼が人妻を襲うとき、獲るものは生き血だけではなかったから。

ふすま越しにこちらに人が歩み寄って来る気配を感じ、辰夫は背後のふすまのほうに目を移した。
妻の雅恵も同じように、夫以上にビクッとして、ふすまの向こうを見通そうとした。
足音の主に害意がないのは、歩み寄る気配の穏やかさでそれと分かった。
足音の主は、二人だった。
彼らが居ずまいを正す間もなくふすまが静かに開けられた。
そこには辰夫の両親の姿があった。
父の富晴は紋付きを、母の規矩子は黒留袖を着つけている。
もっとも母の黒留袖はなんとなく着ずれしている感じだったし、
昨日美容院で数時間かけてセットしたという髪は、乱れ髪をかろうじて抑えたというふうであった。
二人とも、首すじには若い夫婦と同じ赤黒い痕を、毒々しく滲ませていた。
「だいじょうぶ?」
規矩子は母親らしい気遣いを、息子に投げた。
雅恵のほうをわざと見なかったのは、恥辱の名残りをまだありありとさせている嫁に対する、別の意味での気遣いだった。
雅恵も姑とは目を合わせずに、かすかに会釈を返しただけだった。

やや遅れて、着物姿の老女が一人、そそくさとした足取りで現れた。
気が利いているのか利いていないのか、乱暴狼藉の痕跡もあらわな若い嫁のようすを目にすると、
「あっ、これはどうも・・・」
と、少し耳障りな声をあげて、
「では、若奥様もお直しを・・・」
と、こんどは事務的な声色になって、雅恵の手を取った。
容赦ないほど事務的な扱いに、むしろ雅恵はすんなりと応じて、少しよろけながらも、ともかくも起ちあがる。
老女は周囲に散らばった雅恵の衣装を手早くかき集めると、
「では、しばしのあいだ、ごゆるりと・・・」
と、目立たぬ含み笑いで残りの三人を見比べて、雅恵を促し、奥の部屋へと消えていった。
まるで雅恵自身がもとからいなかったかのような鮮やかな姿の消し方だったことに、辰夫はなんとなく安堵を覚えた。
老女のやり方は、明らかに慣れていた。
きっとこの屋敷では、過去にもこうしたことがしばしば、起きているのだろう。

父親の富晴が息子になにか言いかけたとき、
縁側の廊下から一人の老人が姿をみせた。
夕べ行われた華燭の典を取り仕切った、この村の顔役だとすぐにわかった。
老人は、すでに齢は還暦をはるかに越えて、人の好い枯れきった爺様という穏やかな風情をしている。
瓢右衛門と名乗るその老人は、折り目正しく正座すると、三人の前で三つ指をついて深々と頭を垂れた。
老人のあくまで律儀で恭しい態度に引き込まれるように、富晴も、規矩子も、辰夫までも、いちように座り直してきちんとした会釈を返していく。
彼は、初めて彼ら一家のまえに現れたときと寸分たがわぬ、もしゃもしゃとした老人特有のしわがれ声で
「おはようございます。瓢右衛門でございます。よきお目覚めでしょうか。
 このたびは、まことにおめでとうござりました」
といった。
「ありがとうございました」
ついそんな返事を返して、三人はいちように「しまった」という表情をした。
老人が言っているのは、夕べの婚礼に対してではないと直感したのだ。
三人の思惑を態度で察したらしく、瓢右衛門氏はすぐに言った。
「いや、いや、ほんとうにおめでたいのですよ。
 都会のご婦人方のご来訪など、この村ではめったにないこと。
 皆の衆も、たいそうな悦びようでしてな・・・
 花嫁の美織様はたいそうな気に入られようで、まだ殿方のお相手に励んでおいででございます。
 当地の嫁入りのしきたりでしてな、他所の土地から嫁にくるおなごはだれもが通る道なのでございます。
 ふた晩、三晩かけてでも、皆の衆と仲良うなってから、ここでの暮らしが始まるのですぢゃ」
「あの・・・沙織のほうはどうしているのです?」
さっきから気づかわしそうにしていた規矩子が、花嫁の妹の名を口にした。
老人はおうむ返しにこたえた。
「ご安心めされませ。沙織様はまだ殿方のご経験がないとわかりました。
 お若いお身体ですから、献血のほうはそれ相応にお願いいたしましたが、
 ご心配されておられるようなことは、なにもございませぬ。
 当村では、処女のおなごは貴重ですのでな」

「あの・・・由香里叔母さんと市晴叔父さんは・・・」
辰夫がいっしょに都会から来た叔父夫婦のことを気づかうと、
「ご安心めされませ。市晴様は当地の男衆たちとさっそく意気投合されましてな。
 ご令室の由香里様の晴れ姿を、いまでもあちらの離れでご一緒にお愉しみになられておいでです。
 お盛んな方のようで・・・村の女衆も交えてですから、お互い恨みっこなしということでしょうかの」
老人のこともなげな応えで知った弟の態度に、富晴はさすがにあっけにとられたようすだったが、
傍らの規矩子が囁くように、意外なことを言った。
「郷に入りては・・・ということかもしれませんね・・・」
「まさかお前!?」
富晴はびっくりして、永年連れ添ったはずの妻を、見知らぬ別の女でも見るような目で視かえしたが、
規矩子はそれには構わずにつづけた。
「ひととおりのごあいさつをしなければ、この村から出ることもできないのでしょう?」
続けはしたものの、そこまでが規矩子の限界だった。
「でもちょっと私・・・恥ずかしいわ・・・息子だっているのに」
妻の悩まし気なためらいように、今度は富晴がいった。
「いや、ごもっともです。それにしても、こう申してはなんですが、変わったお土地柄ですな。
 ふだんからこのようなことをくり返しておられるのでしょうか?」
「エエ、そうですな。身内の恥を申すようですが、かくいう私も新婚そうそう、家内を寝取られましてございます。
 嫁入り前の身体から生き血を啜り取られて、すっかり参ってしまったのでしょうな。
 彼らは夜這いの時には、地酒を持ってまいりましてな、亭主殿にしたたかもてなして、酔いつぶしておいて、
 それから嫁御に挑むのですな。地酒と引き替えに、嫁の身体を・・・というわけでございましてな。
 エエ、娘も、息子の嫁も、皆々そんなふうにして、夜は姿かたちを変えるのですぢゃ。
 誰もが恨みっこなしで、人の嫁を、娘をと、群がり集いましての。
 婚礼などのような晴の席は、おなご衆も着飾ってまいりますから、そうしたことの格好の場なのですぢゃ」

ひとしきり話が済んだころに、黒留袖を着つけ直してもらった雅恵が現れた。
どことなく着ずれしていて、髪型も不自然にまとめられているのは、姑と同じだったが、
とにかくも宿までは歩いて帰れそうな感じだった。
「お身の回りのものは、お宿から引き払って当屋敷でお預かりしておりますぢゃ。
 後ほどお部屋にご案内いたしますでの。
 落ち着かれたらまた・・・ここにお出でなさいませ。
 なに、いきなり男衆がおおぜい群がるような無作法なことはございません。
 そういうことは、得心がゆかれてからのほうがお愉しみいただけるものですからの。
 お気持ちが据わられたら、このお座敷で、お昼のご用意などさせていただきますでの」
――要は、昼前に腹を据えて、妻たちを差し出す気持ちを固めろ・・・ということなのであった。

結局、富晴も辰夫も、自分たちの妻を村の男衆に提供することに同意した。
女たちはいちようにためらいを見せ、恥じらったが、
「できれば少しでもお手柔らかに」とまで言う夫たちに逆らうこともできず、
着付け直された黒留袖のまま、渋々のように男衆の待つ席へと足を向けた。
男衆どもが、都会の奥様方の着物姿をもう一度おがみたいと望んだためだった。
夫たちも、ためらいながらもその場に立ち会った。
そして、夕べと同じ落花狼藉が、真昼間の庭先で再現されるのを、息をのんで見守った。

「母と雅恵の貞操を処刑されているうようだった」と、あとで辰夫は語る。
むき出された白い柔肌が黒留袖に映えるありさまが、母ながらなまめかしかったと。嫁ゆえに悩ましかったと。

「まさに、晩夏の挽歌でしたな。しゃれにもなりませんが」と、凌辱の現場で富晴もひとりごちた。
「お察ししますよ」老人は応じた。「でも、良い眺めでござんしょ?」
老人の言いぐさに富晴はちょっとためらいをみせたものの、素直に肯きかえしていた。
女たちは今や恥を忘れて、夫たちに見せつけるようにして、
身につけた礼装にはおよそ不似合いな、露骨な痴態に耽っている。

テルヤと紗栄子と僕。

2018年01月17日(Wed) 05:23:57

いけすかない、虫が好かん。
幼なじみのテルヤを見るたび、紗栄子は必ずそういって毒づいた。
高慢ちきな美少女にとって、村はずれの貧しいあばら家に棲むテルヤなどは、軽蔑の対象でしかないらしい。
それとは真逆に、テルヤと仲良しの僕は、大病院の院長の息子。
地元の名士の御曹司と、街で評判の美少女とは、将来を誓い合った仲だった。
そんな紗栄子のことを、テルヤがいつも遠くから、もの欲しげな目で見つめるのを、僕は見逃していなかった。


ああッ・・・
ダメだよッ・・・
この、ヘンタイッ・・・
村はずれの納屋でのことだった。
良家の子女にあるまじき口ぎたない言葉で罵りながら、
紗栄子はのしかかってくるテルヤをどうすることもできなくなっていた。
テルヤは紗栄子の上に馬乗りになると、紗栄子の首すじにガブリと喰いついて、
むさぼるように血を吸い取った。
ひいッ、何するのよッ!
美少女は声だけは手厳しく相手を叱りつけたけれど、
押しつけられた唇を引き離すことは、とうとうできなかった。
テルヤは日ごろの引っ込み思案な自分をかなぐり捨てて、紗栄子の首すじを露骨に吸って、
ちゅ、ちゅ~と聞こえよがしな音まで立てて、若い血潮を吸い上げる。
そして、紗栄子の身体から力を抜けてしまうと、藁の上にうつ伏せになったふくらはぎににじり寄って、
こんどは脚に唇を這わせた。
テルヤのような家の子がめったにありつけるものではないはずの、
いいところのお嬢さんハイソックスが、いやらしい唾液に浸されてゆく。
しばらくの間ハイソックスの舌触りを愉しむように舐めまわすと、
テルヤは吸いつけた唇にグッと力を込めた。
紗栄子の履いている真っ白なハイソックスが、たちまち赤黒いシミに濡れた。
毒々しいシミがじわじわと拡がっていくのを、ほとび出る血潮のなま温かさで感じるのか、
紗栄子は悔し気に歯がみをする。
なだらかな肉づきをした紗栄子の脚に、僕は心ひそかに執着していた。
けれどもその侵すべからざる脚に、テルヤは僕の彼女と知りながら、
臆面もなく唇を吸いつけて、
欲望のままにむさぼって、
ハイソックスの舌触りを愉しんで、
吸い取った血潮でためらいもなく汚してゆく。
これは、僕にはできない愛しかただった。

僕はそのようすを、物陰からじいっと見つめるばかり。
どうして助けないのか?って?
僕は知っているから。
紗栄子はきょう、部活があるから先に帰ってと僕に言った。
でも、紗栄子は帰宅部で、どんな部活にも参加していない。
先に僕を帰した後、テルヤと示し合わせて、彼の家の近くの納屋で落ち合って、
生き血を吸い取らせてやっているのだ。
相手を口ぎたなく罵りながら、形だけは意に反して無礼なあしらいを受けてしまったというていをとりつくろって。
そんないけない習慣を、いつから身につけたのか。

テルヤは正直に、語ってくれた。
学校帰りに待ち伏せをして、ところも同じこの納屋に彼女のことを追い詰めて、
白のハイソックスの脚を辱め抜いてしまったのだと。
僕の彼女だと知りながら、でも僕の彼女だからこそ、征服してみたかったのだと。

きみは紗栄子と結婚すればいい。
でもできたら、きみのお嫁さんと逢わせてくれないか?時々でいいからさ。
ぼくはきみには恥をかかせないし、ぼくたちの関係を笑うやつがいたら、ぼくがただではすまさない。
だから、きみの嫁を襲わせてくれないか?
紗栄子が生娘でも、人妻になっても、ぼくは彼女の生き血を愛しつづけていたいから――

まるで恋人に気持ちを告白するような真剣な態度で、テルヤは僕にそういった。
僕は、正直に言ってくれてありがとうとだけ、テルヤにこたえた。


ふん、いけすかない。
ふたりで歩いている僕たちを気づかって、きょうもテルヤは会釈だけしてすれ違ってゆく。
たったそれだけのことなのに。
紗栄子はテルヤの存在自体が我慢できないと言わんばかりに、テルヤを嫌悪しつづける。
裏では僕には告げずに部活だと言ってはテルヤと示し合わせて、
あの真っ白なハイソックスで装ったふくらはぎを、惜しげもなく咬ませちゃっているというのに。
その想像をするたびに、僕の胸ははげしくジンジンと騒ぐのだ。
血が騒ぐって、こういうときにいうのだろうか?
未来の花嫁が襲われて、衣装もろとも汚されてゆく光景を視るといういけない歓びに、
ぼくはいつの間にか目ざめてしまっていた

きょうは部活だから。
見え透いた口実で僕を遠ざけるとき、紗栄子はちょっとからかうような顔つきで、僕の横顔を盗み見る。
彼女もまた、未来の夫に見せつけるといういけない歓びに、目ざめてしまっているに違いなかった。


あとがき
昨日あっぷした前作を描いた直後、同工異曲のお話がもう一つ泛びました。
たいとるを前作と似せているのは、そのせいです。
いまほどサッと手直しをして、あっぷ♪

良太と真由美と僕。

2018年01月16日(Tue) 08:11:21

「イヤだよ、きょうのハイソックス、白なんだもん」
僕の彼女になった真由美は、学校帰りに良太にせがまれて、血を吸われそうになっている。
それを物陰からひっそりとのぞき見している僕は、やはりいけないことをしているのだろうか?
きのう良太に血を吸われて貧血になった僕は、学校を休んでいた。
そういうときは、良太は僕に遠慮なく、真由美といっしょに下校するのが常だった。
彼氏を征服した男は、彼女を支配する権利があるんだ――良太は憎まれ口をたたくけれど、
内心しんそこぼくたちのことを好いている彼の言葉の裏には、毒はなかった。
それでも、生身の男としてもじゅうぶん真由美に恋着している彼は、よく意図的に僕の血を吸い過ぎて、僕を欠席に追い込むのだった。

「ちょっと待ってよ!白の日はダメって言ったじゃん・・・」
真由美の非難は、徐々に語勢を弱めてゆく。
すでに良太は真由美の足許にかがみ込んでいて、
プリーツスカートの下から覗くふくらはぎに、舌を這わせ始めている。
「やだ・・・みんな見てるよ、恥かしいよ・・・」
気の強い真由美がおろおろするのを面白がって、いっそう露骨に舌をふるいつけて、真由美のハイソックスの舌触りを愉しむと、
「じゃ、そこの草むらで隠れてしよ」
そういうと、大人しくなった真由美の手を引いて、肩ほどの高さのある雑草の彼方へと、身を沈めていったのだ。

ガサガサとかき分けた雑草のかなた。
真由美は四つん這いになって、それ以上の無防備な姿勢は許すまいと歯を食いしばりながら、
それでも恥ずかしいことをされる自分の足許が気になるのか、チラチラと目線だけは、泳がせている。
ほど良く発育したふくらはぎの柔らかそうな肉づきを包む、真っ白なハイソックス。
その上から良太は臆面もなく唇を吸いつけて、真由美の血を吸い始めていた。
ぼくの彼女になった真由美の血を。
履いている通学用のハイソックスを、意地汚く咬み破りながら。
そんないけない光景を目にしてドキドキしてしまっている僕は、もっといけないことをしているのだろうか?

やがて二人は、草むらから出てきた。
そして何事もなかったようなそぶりで、
良太は真由美の制服のスカートの上からおしりを触ろうとし続けて、
真由美は触らせまいとして手を払いのけ続けながら、
お互いの手と手とは裏腹なありきたりな会話をはずませながら、家路をたどっていった。
ただの仲の良いカップルの何気ない下校風景に見えたけれど、
少女の履いている真っ白なハイソックスのふくらはぎに、赤黒いシミがべっとりと着いているのがいっそう唐突で、
ぼくの網膜を狂おしく彩っていった。


そよぐスカートのすそから入り込んでくるそらぞらしい冷気。
まったく経験のなかった感覚に戸惑いながら、僕は真由美から借りた制服を、真由美の手を借りながら身につけてゆく。
サイズがひとまわり小さい紺のハイソックスは、いつも履いている自分用のものよりも強く足許を締めつけてきて、
やはりひとまわり小ぶりなサイズのブラウスが、胸元に揺れるリボンが、真由美の髪型に似せたウィッグの毛先の揺れが、
まるで真由美自身がグッと身近に寄り添うように、僕の身体を拘束する。

きのうしたたかに血を吸い取られた真由美は、白い顔をしていた。
まだ吸い足りないっていうの・・・
困り顔の真由美のために、ぼくはとっさに口走っていた。
「身代わりに僕が、きみの制服を着て良太に逢おうか・・・?」
真由美は驚いたように息をのんだが、案外いいアイディアかもね、といって、自分の制服を僕に貸すことに同意してくれた。
真由美に誘いの電話をかけてきた良太に事前にそう告げると、歓迎するよ、と、言ってくれた。
そして、傍らの真由美に聞こえないよう声をひそめて、
「実は、前からそうしてもらいたかったんだ」
と、彼はいった。
貴志なら女子の制服、似合いそうだから・・・
彼の言いぐさに内心ズキリとしたのは、いけないことだったのだろうか?
なにも知らない真由美は、「貴志ったら本物の女の子みたい♪」と、ただ無邪気に笑って僕のことをからかっていたけれど。


「責任、取りなさいよね」
真由美の声は、いつになく尖っていた。
声が尖って、当然だった。
卒業を明日に控えたその日の夕方。
村はずれの納屋でのことだった。
真由美は藁の上に組み敷かれたままの姿勢だったし、
良太は果たしてしまった後、まだ真由美の上におおいかぶさったままの格好だった。
行為に及ぶ前にしたたかに血を抜かれたぼくは、ただ惚けたように、納屋の一番隅っこで、ふたりのいちぶしじゅうを見せつけられていた。
「僕、責任取るから」
弱々しい声色だったけど、われながらきっぱりと言い切ることができた。
そう、お嫁入りまえの娘が男と仲良くすることは、この村では厳しく禁じられていた――そう、表むきだけは。
真由美は僕の声にはっとすると、素直な声色になって、「ごめん」とだけ、いった。
僕はかぶりを振って、真由美に応えた。
「そんなことない。僕も内心、こうなると良いと思っていたから」
それは真由美のためについた嘘だったけれど、どこまで嘘だったのか、いまでも確信を持てなかった。
でも案外、それは本音だった。
つい最近知ったことだけど、良太はすでに女を識っていた。
相手が僕の母だと知った時、良太にすべてを支配されることが、ひどく心やすいもののように感じることができた。
それに――
真由美の身代わりに、真由美の制服を着て、真由美になり切った僕と逢ったとき。
良太はいつもよりたっぷりと僕の身体から血を吸い取って、もちろん真由美のハイソックスもくまなく咬み破ったあと、
逆立った股間を真由美のスカートの奥へと、沈み込ませてきた。
自分でもびっくりするほど素直に受け止めてしまった僕は、彼のお〇ん〇んの剛(つよ)さをしんそこ味わわされて、
この快感を真由美にも体験させてやりたいと感じていた。
なぜかとても素直に、そう感じることができたことにも、歓びを覚えることができた。
吸血鬼に恩恵を与えるためだけではなくて、人間の男子として真由美を良太と共有できることが、嬉しいと感じた。
そのために、僕は今日、女になったのだ と・・・。

「罰としてあたし、結婚してからも良太と逢うから」
制服を着崩れさせて藁まみれになったまま、真由美は不貞腐れたような声色で、僕に毒づいた。
「いいよ、できればそうしてあげてほしい」
僕はドキドキを抑えながら、そう応えた。
「ウン、わかった。これ、貴志の嫁の務めだと思うことにする」
真由美はぽんぽんと男のように受け答えする。
「きみを良太と分け合うことができて、嬉しいよ」
良太はさすがに、ちょっとのあいだ言葉をさしはさむのを遠慮していたが、
ふたりのやり取りがおだやかにおわると、おずおずと言った。
「ありがと、貴志。ところで、もう一度だけしても、良いかな?」

何事もなかったように納屋から出てきた三人は、
真由美をはさんでいつものように仲良く、どうでもいいやり取りをしながら家路をたどった。
道行く人は、真由美のスカートから覗く太ももに血が垂れ続けているのに気がつくと、いちようにぎょっとしたが、
ぼくたちが気にせずに歩いて行くのをみると、なにも見なかった顔をして通り過ぎていってくれた。

卒業式前夜の納屋ではじけた情熱を、ぼくたちはきっと、生涯忘れることはないだろう。


あとがき
爽やかな青春日記・・・ではない、ですかね・・・? ^^;

同級生のハイソックス

2018年01月15日(Mon) 08:26:07

その当時貴志の学校では、
半ズボンにハイソックスといういでたちは、良家の令息のステータスだった。
貴志も毎日、詰襟の制服の代わりにブレザー姿で登校していた。
校則は、とくに良家の子女にはゆるやかだった。

貴志の幼なじみの良太は、幼いころから吸血鬼だった。
吸血鬼と人間とが共存しているこの街では珍しくない、半吸血鬼の家系だった。
貴志は良太の母に頼まれて、学校で良太が飢えたときに自分の血を吸わせてやるようになっていた。
本人同士はもとより、母親同士が仲が良かったのも幸いした。
色気づいて来た良太のために、貴志の母親が筆おろしの相手になってやったことを、このころの貴志はまだ知らない。

良太は、ハイソックスに執着する性癖を持っていた。
喉が渇くと貴志のいる教室に行って、授業中でも構わず貴志のことを呼び出すと、
鼻息荒く貴志の足許に唇を迫らせて、ハイソックスの上から唇を吸いつけてきた。
そんなときでも貴志は、
「授業中に、やだなあ・・・」
と苦笑いしながらも、担任の先生に断って教室を出、手近な空き教室や裏庭で、吸血に応えてやっていた。
良太が自分の服装を気に入ってくれているのが、むしょうにうれしかったのだ。
貴志は、露骨に舌をふるいつけてくる良太のために、気の済むまでハイソックスを舐めさせてやり、
ふくらはぎに食いついてくる牙で、ハイソックスを惜しげもなく破かせてやっていた。
貴志が咬み破られて血の撥ねたハイソックスを履いたまま教室に戻って来ても、だれもが見て見ぬふりをした。
吸血鬼に関係のあるものも、そうでないものも、その程度の配慮はわきまえていた。

「気になる女の子がいる」
良太が出し抜けにそう言い出したのは、やはり授業中に貴志を呼び出して吸血に及んだあとのことだった。
組み敷かれた格好のまま貴志は、「そうなんだ」とだけ、こたえた。
良太は口許からぽたぽたと、さっき吸い取ったばかりの幼なじみの血をしたたらせてくる。
それをわざと、真っ白なワイシャツの胸に受け止めながら、
「こら、こら。着替えないと教室に戻れないじゃん」
といった。
手足をだらりとさせた大の字の格好で、足許ににじり寄って来る幼なじみを見るともなしに見守りながら、
「誰なんだい?」
と、さっきの話の続きを促した。
「きみのクラスの真由美ちゃん」
以外に素直に帰って来た返事に良太の欲求の強さを感じた。
ふくらはぎに這わされた唇の両端から、牙がチクチクと滲んでくる。
2本の牙が、ずぶっと、貴志のふくらはぎに刺し込まれる。
じわじわと滲んできた血潮がハイソックスになま温かくしみ込むのを、貴志は感じた。
「わかるよ」
咬まれる快感に夢中になって置き去りにしてしまったこたえを、貴志はいまさらながらに口にした。
「彼女、美人だものなあ」
「貴志は、好きな子はいないの」
「僕?うん、とくにいないけど」
「頼みがあるんだ」
「わかってるよ」
「そうなんだ」
「彼女のこと、呼び出してくれっていうんだろ?」
「いいの?頼んでも」
貴志は良太がまだ真由美と同じクラスになったことがなく、
同級生の女子にさえろくに口をきけない良太がまだ真由美と言葉も交わしていないことを知っていた。
「僕が紹介してやるよ。仲良くなれるといいね」
「でも――」
良太がちょっとだけ、言いよどむ。
そう、吸血鬼の家に生まれたものは、人間の娘とは結婚できないしきたりになっていた。

入れ替わってやれるとよかったんだけどなあ――と、貴志は思う。
まだ若すぎるのかもしれないけれど、貴志には女子に対する思い入れがあまりなかった。
良家の子女にふさわしい美貌を備えた貴志は、その実クラスの女子の注目の的だったのだけれど、
そんなことは彼には、どうでもよいことだった。
あの内気なやつが、どうやって真由美に挑むというのだろう?
モテる男子が、モテない男子をからかうような優越感は、彼にはなかった。
むしろ、幼なじみが意中の子にうまくアタックできるのかどうかが、気になるだけだった。

「ご対面」は、さっそく次の日の放課後に行われた。
「話があるから来て」とだけ言って誘い出した真由美は、
ある種の期待を込めた女子の顔つきをして、言われるままに学校の裏庭にやって来た。
そしてそこに貴志だけではなく、良太の姿をみとめて、露骨に眉をひそめた。
良太が吸血鬼だということは、校内のだれもが知っていたので、
ふつうの女子としての潔癖さを、彼女も同じように表に出したに過ぎない。
「僕の幼なじみの良太。いつも僕の血を吸わせてやっているんだけど――」
戸惑う真由美を前に、ちょっと酷だなと思いながらも、貴志はストレートに言った。
「彼、きみの血を吸いたがっているんだ」
口に出した瞬間、酷だったのは真由美に対してではなく、良太に対してだと初めて気づいた。
良太はギクッとして顔色を変えて、その場から逃げ出すように足を半歩引いていた。
貴志は良太の手をさりげなく抑えながら、つづけた。
「――よかったら、僕といっしょに献血に応じてあげてくれないかな?」

ガマン出来なくなったら、いきなりきみのことを襲うかもしれない。
そんなふうにされちゃうのは、きみのプライドも許さないだろうし、
こいつ吸血鬼のくせに、傷つくやつなんだ。
あとできっと暗く後悔する。
そうするとまた、僕のところに来るんだよね・・・
実際にあった記憶がよみがえり、貴志はにやにやしながら良太を見た。
「いいだろ・・・」
口を尖らせる良太を、貴志が気安くどやしつけるのを目にしたときには、
少女はすっかり気持ちを落ち着けていた。
もともと気丈な娘だった。
「いいわよ、貴志くんといっしょだったら、血をあげてもいい」
ぱっと顔色を輝かせる二人の少年を交互に見比べながら、真由美は貴志に訊いた。
「このひと、血を吸うときハイソックス破っちゃうって、ほんと・・・?」

さいしょに貴志が手本を見せ、あとから真由美がそれにならった。
貴志は半ズボンの下にいつものように舌をふるいつけてくる良太を苦笑しながら見おろし、
そんな貴志を真由美は眩しそうに見つめていた。
いよいよ自分の番になると、貴志に、「やっぱり怖いから、手を握っていて」といって、自分から手をつないできた。
真由美は、濃紺のハイソックスを履いていた。
良太が真由美の履いているハイソックスのうえから唇を吸いつけたとき、
貴志はいつも自分が吸われているとき以上にドキドキしているのを感じた。
「白いやつじゃなくてよかった」
と、真由美が呟いた。
真っ白なハイソックスでは、シミが目だってしまうからだとわかったときにはもう、
良太は躊躇なく、真由美のふくらはぎに牙を埋め込んでしまっていた。

ちゅう、ちゅう、ちゅう・・・
真由美の血が音を立てて、良太に吸い取られてゆく。
こういうときは、いつもの引っ込み思案はかげをひそめて、良太はひたすら強欲に、獲物の血をむさぼるのだ。
さすがに気丈な真由美も顔色を蒼ざめさせて、貴志に促されるままに、手近なベンチに崩れるように腰を下ろした。
真由美が姿勢を変える時だけ、良太は唇を放して貴志を手伝ったが、
すぐにまた自分が初めてつけた傷口に唇をふるいつけて、血を啜りつづけた。
そのあいだずっと、貴志は真由美の細い肩を抑えつけながら、
幼なじみが目のまえの美少女の生き血を吸い取る光景を、いつになく胸をわななかせながら見守りつづけていた。

真由美は案外度胸の据わった娘だった。
すっかり大胆になった良太に求められるまま、左右どちらの脚も、ハイソックスを履いたまま咬ませてやっていた。
もう片方の脚をねだられたとき、気持ちずり落ちていたハイソックスをわざわざきちんと履き直すほど、しっかりしていた。
「すごいね、きみは」
貴志は真由美にいった。
「怖くなんてないから」
真由美は白目で貴志を睨みながら、こたえた。
その実内心はかなり怖がっているのが貴志にはよくわかっていたし、
良太のほうも吸い取った血の味で、彼女の気分を察しているはずだった。
「家まで送るから」
控えめにそういった貴志に、真由美は「ありがと」とだけ、こたえた。
貴志は良太と目線を合わせ、良太が頷くのを見て、自分のしたことがよけいな差し出口ではないことを察した。
どんなに好きでも、吸血鬼に家まで送られることを、少女が肯んじるとは思えなかったから。
「こいつさ、自分が咬み破ったハイソックス、コレクションにして集める趣味持ってるんだぜ」
良太のコアな趣味を貴志が明るい口調で暴露すると、真由美は初めて声をたてて笑った。
「そうなの?ヘンな趣味ね」
「僕のはだいぶ、ストックされちゃってる。ほんとはお前・・・真由美ちゃんのも欲しいんだろ?」
貴志が面白そうに、良太の顔を覗き込むと、良太の反応から目をそらしながら真由美がいった。
「あげるわよ。穴の開いた靴下なんて、もう履けないし」
良太が目の色を変えて、真由美の足許に取りついた。
履いているハイソックスを引きずりおろそうとする良太の手を、真由美は手厳しくはねつけると、
「ばかね、ちゃんと洗ってからにしなさいよ」
と、そこは少女らしい恥じらいをみせた。

「吸血鬼って、人間の女の子と結婚できないんだってね」
真由美は意外に、詳しかった。
母親からいろいろ聞かされていたというのだ。
まるで母娘の間の性教育みたいだ、と、貴志はなんとなく思った。
「でもあたし、ちゃんとお嫁さんになって、家庭を持ちたい人だからね」
真由美の宣言は、貴志が気づかったほどに、良太を傷つけなかった。
「わかっているさ。分はわきまえているつもりだからね」
そして、意外なことを口にした。
「貴志は、真由美ちゃんと付き合う気はないの?」
え?
完全に虚を突かれて、貴志は言葉を失った。
さっき、真由美が初めて咬まれる瞬間によぎったドキドキの意味が、やっとわかってしまったから。
真由美は貴志の目を見ずに、ぶっきら棒にいった。
「私、貴志くんとつきあってもいい」

「おまえ、結局いちばんおいしいところだけをつかまえたな」
翌日の学校帰りに、貴志は良太のことを小突いた。
真由美の血を末永く愉しむために、真由美を幼なじみである貴志の嫁にする。
寛大な貴志はきっと、若い女の血を欠かせない幼なじみのために、自分の嫁を気前よく差し出すことだろう。
「ばれた?」
照れ隠しに笑う良太はそれでも、
「俺、貴志の嫁を支配するから」
と、憎まれ口をたたいた。
二人の間に交わされる言葉の裏に毒々しさがまったくないのを、
貴志も良太も――そして多分真由美さえも――よく知っていた。

その次の日、真由美が良太のために初めて咬み破らせたハイソックスを洗って持ってきて、良太に手渡したのを、
貴志は真由美の口から聞かされた。
「こないだのハイソックス、良太くんに渡しといたから」
「これからも、良太くんに襲われて、血を吸われることにしたから――良太くんと、貴志のために・・・」
二人は寄り添い合って、初めての口づけを交わした。
長い口づけだった。
いちど離れた唇と唇は、少女の側からもういちど、重ね合わされた。
「ありがと。私初めてだったんだ。いまの記憶で、これからなにがあっても私やっていけるから」
真由美は初めて少女らしく、無邪気な笑いをはじけさせる。

二人の幼なじみの、片方の妻になって、もう片方の恋人になる――
そんな難しい役柄を、きっと演じ切って見せる。
かたく引き結ばれた少女の薄い唇に滲んだ決意に、貴志はもういちど少女のことを力をこめて抱きしめていた。

俺のハーレム 2

2018年01月14日(Sun) 00:44:56

吸血鬼になってハーレムを構えた良作のところに、いの一番に棲みついたのは、叔母の奈津江だった。
それ以来。
女たちは一人また一人と、年齢の別なく集まって来た。

つぎにやってきたのは、母の春江だった。
春江は、良作が初めて血を吸った女だった。
ついでにいえば、筆卸のあいても春江だった。
「吸血鬼になったんだから、そのうちどこかのお嬢さんたちを相手に、”姉妹で味比べ”なんてする機会あるでしょ?」
まず私たちが、お手本になってあげる――春江はそんな奇妙な理屈をつけて、息子のハーレムにあがり込んできた。
たしかに。
ちょっと着飾ってばっちりとメイクをすれば、40代の人妻と30代のピアニストである。
決して悪い取り合わせではない。
ほかにだれもいないハーレムで、良作は、実母と叔母との3Pなハーレムを、幾夜も楽しんだのだった。
やがて父親が出張から戻ってきて、「世間体が悪いからそれだけは勘弁してくれ」と言い出して、母は連れ戻されていった。


入れ違いにやってきたのは、妹の冬美だった。
叔母の奈津江がピアノのお稽古のためにハーレムを空けたとき、学校帰りの冬美がたまたま、ハーレムの前を通りかかった。
窓辺からそれを見かけた良作は、ベッドのうえで組み敷いていた母の春江に、
「”母娘の味比べ”をやりたい」とねだり、冬美をハーレムに引きずり込んで、セーラー服のまま犯した。
お兄ちゃんに犯されるのは初めてではなかったけれど、母親といっしょのベッドでというのは、さすがにこたえたらしい。
「お兄ちゃんやめて」と激しく恥じらう冬美のようすにそそられた良作は、
まくり上げた濃紺のプリーツスカートの奥に、白く濁った体液をとめどなく吐き散らした。
「やり過ぎでしょ」
逃れるように帰宅していった妹と入れ違いに戻って来た叔母に、良作がきついお灸をすえられたのは、いうまでもない。


隣町に嫁に行った従姉の照美がふらっと現れたのは、ハーレムを作ってふた月ほど経ってからだった。
「もっと早く来てあげるつもりだったけど、いろいろあって出てこれなかったのよ」
「いろいろ」の中身を従姉はついに語らなかったが、婚家での気苦労がそれこそ「いろいろ」あるらしいことは、
さすがの良作にも容易に見て取れた。
良作が中学生のころには、眩しくてまともに見つめることのできなかった白い顔が、かすかにやつれを見せていた。
ミセスの女の悩ましい翳が秘める魅力を、良作もそろそろわかりかけていた。
周りに、大人の女が多すぎたせいかもしれない。
「リョウくんがハーレム作ったっていうから、あたし絶対来てあげようと思ってたの。
 でも、だんなもいるし家をあまり長く空けるわけにいかないから、実家に戻ってきたときだけだからね」
さいごに逢ったのが、二年前の春だった。
結婚のあいさつに来た照美は、ピンクのスーツ姿。
良作はもう高校生になっていたけれど、眩しさに変わりはなかった。
それを意識してか、ハーレムにやって来た照美は、あのときと同じピンクのスーツを身につけていた。
「人妻になってまでピンクなんて、おかしいよね」
自虐してみせる照美に、良作は囁いた「似合うよ、従姉(ねえ)さん」
「この子ったら、もう!」
とっさに良作のお尻を叩いて照れ隠しをした照美は、かつて中学生の良作を恥じらわせたころの女子大生と変わらなかった。
――照美従姉さんは、あのときの自分を取り戻しに来たのかもしれない――
度重なる吶喊にわれを喪って白目を剥いた従姉を見おろしながら、良作は思った。
だらしなく半開きになった口許からよだれを垂らし、ピンクのタイトスカートを腰までたくしあげられて、
あのときと同じグレーのストッキングを見る影もなく引きむしられた両足を大の字に伸ばしながら、
細い肩先をセイセイとはずませて失血に耐える照美の瞼に、良作は優しく口づけを重ねた。


高校のころ在籍していた読書部の後輩だった浩子を誘ったときは、いままでより積極的だった。
吸血鬼になってこの方、陽の光に当たるのを恐れていた良作が珍しく、母校のかいわいまで出かけていって、
部活を終えて浩子が出てくるまで、2時間以上も辛抱強く(執念深く?)待ち受けていたのだから。
引き締まった足許を覆う真っ白なハイソックスに目をくらませて迫って来る良作を前に、
学校帰りを襲われた浩子は、校庭を這いずるようにして逃げ回ったが、
良作はお目当ての真っ白なハイソックスに赤黒いシミを撥ねかせながら17歳の生き血にありついて、啜り取っていった。
いちど咬まれてしまうと、思い切りの良い子だった。
赤黒いシミの撥ねたハイソックスのまま良作に送られるようにして帰宅すると、
「私明日から、先輩のハーレムから登校するね」と母親に宣言して、
娘と同じくらい思い切りのよい母親は、
「おめでとう。幸せにしてもらうんだよ」といって、娘を潔く送り出していた。
その母親も、「お父さんの出張の時だけね」といって、
娘の隣室に入居して、よそ行きの時だけ脚に通すパンストを惜しげもなく、性急でぶきっちょな手にむしり取らせてやっていた。
「若い子は駄目」
といっていた叔母は、自分の教え娘以外の少女の運命まで関知しないことにしているらしく、このときはなにも言わなかった。

「結婚退職することになったの」
高校の時の担任の女教師だった貴子が良作のハーレムを訪れたのは、そのすこしあとのことだった。
いまどき結婚退職なんて珍しいねという良作に、貴子は言った。
「だんなになる人が、嫉妬深いの。
 この街が吸血鬼と共存していて、女教師も狙われる対象だって知っちゃったものだから、もう大変」
そんなめんどくさい男、別れちゃえばいいのにという良作に貴子は、「結婚のチャンスをふいにしたくない」とだけ、言った。
貴子は28だった。
結婚するのに決して遅すぎる年齢ではなかったけれど、子どもが欲しければ職を離れる覚悟をしなければいけないものらしい。
「先生って言いながら犯して」
貴子に頼まれるまま、良作はかつての教え子と女教師の関係に戻って、貴子を襲い、犯しつづけた。
いいのかい?結婚前なのに・・・という良作に、
いいのよ、もともと学校に来る長老に処女奪られちゃってるし・・・と、貴子は理屈にならない理屈をこねた。
貴子は寿退職をしてすぐに街を去り、しかし1年も経たずにまた、街に戻って来た。
「だんなと別れちゃったの?」と訊く良作に、貴子は笑ってかぶりを振った。
「この街でいっしょに住むことになったの。教師の仕事も、つづけるわ。
 あたしが処女じゃなかったことで、われにかえっちゃったみたい」
女の悪行は、男の愚かな独占欲を無毒化することができるのか――良作はちょっとだけ、ぼう然とした。
俺にはまだ、わからないことが多すぎる――


菜穂子がハーレムに棲みついたのは、ふとしためぐりあわせだった。
ピアニストの叔母はレッスンが立て込んで良作一人にかまけてはおれず、
母や妹は父の差し金で足が遠のき、従姉は婚家に帰り、後輩は貧血を起こして一時帰宅していた。
喉が渇いた良作は、このごろ時折そうするように、ハーレムの近くの公園に出没していた。
むろん、学校帰りの少女や、勤め帰りのOLが目あてだった。
不運にもやって来た女は、良作をみとめるとすぐにその正体を察したらしく、立ちすくんだ。
お通夜か法事の帰りなのか、女は黒一色の礼服姿だった。
白い脛の透ける薄手のストッキングの脚が、街灯になまめかしく映えていた。
「お嬢さん、悪いが脚を咬ませてくれないか?」
良作は怯えて立ちすくむ女の前に立ちはだかって、露骨なことを言った。
発した言葉の露骨さに自分でドキドキしながら、俺はなんてガキっぽいやつなんだと思いながらも、
やはりこういうドキドキがこたえられない――そんなふうにも思っていた。
「あんたの穿いているストッキングの舌触りを、ためしてみたいんだ」
股間がギュッと逆立つのを、こらえることができない・・・と思う刹那、女は意外なことを囁いて来た。
「ごめんなさい、私・・・男なんです」
え?
思わず顔をあげたが、きちんとしたメイクの向こう側に男の顔だちを思い浮かべるのにちょっと時間がかかった。
良作はしかし、喉がカラカラだった。もうこのさい、男でも女でもかまわない・・・
「あんたがヤじゃなければ、”女”として相手してくれないかな」
「わかったわ・・・ありがとう」
”女”はすぐに、気持ちを決めたらしい。おずおずとだったが、黒のストッキングの脚を差し伸べてきた。
「黒のストッキング、お好きなんですね」
凛とした透きとおった声が、良作の頭の上に降って来た。
”女”も、黒のストッキングを好んで脚に通す習慣を持っているらしい。
気に入りの装いをいたぶられ辱められることが、どんなに嫌なことか・・・と思ったけれど、
やめることができなかった。
良作は”女”の足許に唇をふるいつけ、薄手のナイロン生地をべろでいたぶり、くしゃくしゃにずり降ろし、咬み剥いでゆく。
けれども”女”のほうも、良作が自分の吸いやすいように気づかうように脚をくねらせ、角度を変えて、応じてきた。
片方の脚を辱め抜かれたあとは、まだ侵されていないもう片方の脚まで、差し伸べてくれた。
「ありがとう・・・すまないね」
良作は息を切らしながら、やっとの想いでお礼を口にした。
「あたしを女として扱ってくれたから・・・感謝のしるし」
”女”は口早にそういうと、礼儀正しいお辞儀さえ残して、楚々とした足取りで立ち去っていった。
以来2度3度、女は公園に現れて、良作になまめかしく装ったストッキングの脚を差し伸べて、
誘われるままにハーレム入りをした。
”女”は菜穂子といい、この街では女性として暮らし、あるオフィスでOLとして働いているという。
彼女はやがてハーレムに移り住んできて、長く住まうことになった。
良作は自分でもびっくりするほどすんなりと彼女の立場を受け容れて、
彼女もまた、どの女にも劣らない女らしさで、良作に尽くした。
すべては最初の夜、良作が菜穂子を女として遇したことから、始まったのだった。


兄貴が未来の花嫁を連れて都会から戻ったのは、ちょうどそのころだった。
生真面目な兄は相変わらず物堅く、良作はけむたい印象しか持てなかった。
いずれは家を継ぐ――といっても、これといった正業を営んでいるわけでもないこの家に、兄夫婦が棲みつくことはあるのだろうか?
相手の女は兄貴の上司の親類で、上司の紹介だというから、そんなところも兄貴は義理堅すぎると、良作は思った。
そんな兄貴が、ハーレムにやって来た。
「処女のうちは犯さないって、ほんとうなんだな」
兄貴はくどいほど念押しをすると、乃里子をハーレムで預かってほしい、と申し込んできた。
未来の花嫁の身持ちを確かめたい――独占欲が強く潔癖な兄貴の考えそうなことだった。
なにも知らない乃里子を兄貴ともどもハーレムに招いた良作は、その場で乃里子を襲った。
吸血鬼の本性をさらけ出した弟が、自分の婚約者の白い首すじに咬みつくのを、
兄貴は血走った眼で、こちらが照れくさくなるくらい長いこと、見つめつづけていた。
以来、兄貴は隣の部屋に泊まり込んで、
弟とひとつ部屋を共にする乃里子が咬まれるのを、いちぶしじゅう見守りつづけた。
服の上から胸を触れるくらいまでは許す――と言われていた。
うっかり唇でも奪おうものなら、隣室から逆上してなぐりかかってくるかもしれない・・・と思ったが、
かりにも兄嫁になる女を、そうそう気軽に犯せるものではなかったし、
処女の生き血に飢えていた良作の本能が、生身の男女としての一線を越えさせようとはしなかった。
兄貴は予定通り乃里子と結婚し、新婚旅行へと旅立っていった。
「結局お預けを食っただけだったね」
叔母の奈津江にはそんなふうにからかわれたが、良作はそれで良かったと思っていた。
ところが――
兄のすすめで新婚旅行帰りの乃里子の首すじを咬んだとき、良作は驚くべきことに気がついた。
乃里子はまだ、処女だった――
「初夜浪人ってやつさ。どういうわけか、体がいうことをきかないんだ。
 乃里子がお前に血を吸われているのを覗き見していたときのほうが、よほど昂奮するんだ。
 だからお前、もういちど乃里子を咬んでくれないか?」
咬まれた乃里子を見て俺が満ちてきたら、交代するんだ――兄貴は昔と変わらず尊大で、勝手だった。
乃里子さんがそれで良ければ・・・良作がそういうと、
乃里子は白い顔で肯いた。
どこまでも従順な女なのか。
尊大な兄貴には、似合いの嫁のようだった。
良作は、兄貴をお約束どおりぐるぐる巻きに縛り上げて、部屋の隅に転がすと、
やおら乃里子の首すじに牙を突き立てた――
乃里子は声をのんでその場に倒れた。
じゅうたんの上に、ワインカラーのロングスカートのすそが拡がった。
ロングスカートを、太もも丈のストッキングの口ゴムが見えるほどたくし上げて、
ブラウスの胸元を引きしめる百合の花のようにふんわりとしたタイを荒々しく解くと、
純白のスリップのうえからDカップの胸を揉みしだく。
「ァ――」
兄貴が嫉妬のうめきをあげる。
悩まし気に半開きになった乃里子の唇に、自分の唇を強引に押し重ねる。
「ゥ・・・っ」
兄貴がふたたび、嫉妬のうめきをあげる。
じたばたと暴れる足許から、ストッキングを見る影もなく咬み剥いでやる。
「おい・・・こら・・・ッ!」
兄貴がまたも、咎めるような声を洩らした。
「あいにくだけど、兄さん、義姉さんの処女はぼくがいただくぜ」
良作は逆立った一物を扱いかねて、
放恣に伸び切った乃里子の両太ももの間に股間を肉薄させ、吶喊を開始した。
すでになん人もの女を相手に、知り尽くした行為だった。
同じ手順を踏んで、兄嫁を兄貴の目のまえで犯すことに、刺激や愉しみを感じ始めていた。
「ウウ・・・ッ、ウウ・・・ッ、ウウ・・・ッ」
兄貴が鼻を鳴らし、無念そうに歯がみをしている。けれどももう、かまうものか。
俺は、あんたの都合どおりに動く人形じゃない。
こわばった肢体の生硬な秘所がじょじょに潤いを帯び、満ちていた。
良作は無念そうなうめきをあげる兄貴の尖った目線をくすぐったそうに受け流して、乃里子をぞんぶんに犯し、愛し抜いた。

いつの間にか、兄貴が乃里子の上にいた。
いまや夫婦の交歓は、最高潮に達している。
いったい、どういうことなんだ?
兄貴は乃里子の上で果てると再び良作を促して、新妻と義弟との交合を血走った眼で目の当たりにする。
そして、弟が果てるとふたたび、嫉妬のほむらをたぎらせるようにして、新妻にいどみかかってゆく。
そういうことだったのか。
潔癖で尊大な兄は、こうすることで初めて、歓びを感じることができるのだ。
乃里子もまた、虐げられる歓びを、婚前から、義弟の牙を通して体得してしまっている。
夫に視られながらの好意を彼女がじゅうぶんに愉しんでしまっていることを、
腕の中の華奢な身体が包み隠さず告げていた。
背徳の宴はいつ果てるともなく続き、兄弟は真の和解に至る。

「ほかのやつは、わかってくれなくて良い。
 俺たち夫婦はお前のハーレムを新居にする。
 だからお前、できれば夫婦の営みの間に割り込んで、俺と乃里子とを昂奮させてくれないか」
兄貴の申し出はありがたかった。(多少身勝手だったけど)
そして乃里子は、兄貴がいないときにもしばしば俺のところに忍んできたし、俺の来訪をこっそり迎えるようになっていた。


あとがき
久しぶりに描いたと思ったら、ばかみたに長くなってしまいました。^^;
良作という新米吸血鬼が、ハーレムのあるじとなりながらも、
決して思い通りにならない周囲の思惑に振り回される――そんな話にしたかったんですがねぇ・・・
(^^ゞ

俺のハーレム

2018年01月13日(Sat) 23:12:37

吸血鬼と人間とが共存するこの街に育った良作は、19歳の時に血を吸い尽されて、吸血鬼になった。
自分の意思で吸血鬼になることを選択した彼は、血を吸い尽された瞬間ふと、
――女の子が処女を捨てる時も、きっとこの程度にしか感じない。
と、ふと思った。
その直感は、たぶん正しかった。

彼の血を吸った吸血鬼は、長老と呼ばれる存在だった。
長老の手で吸血鬼にされた良作は、自身の欲する血液を確保するために、ハーレムを持つことを許された。

ハーレムといったところで・・・
あてがわれた邸のがらんとした無駄に広い空間を見回しながら、ふと思う。
てっきり、活きの良い若い女の子が初々しい身体をピチピチとはずませながらそこかしこを行き来している――
そんな風景は、しょせん妄想の産物だった。現実は厳しい。
そう――ハーレムに住まう女は、自分の腕で狩ってこなければならなかったのだ。
街では有数の良家の生れとはいえ、特別な将来が約束されているわけでもない次男坊である彼は、
無条件に女の子にもてるほど、魅力のある男ではない。少なくとも自分でそう自覚してしまっている。
供給が無くても需要はつねにわいてくるものらしく、さっきから喉がむしょうに渇いて仕方がなかった。
これから女を狩りに行かねば・・・
たいびそうに起ちあがった良作のようすは、どうみてもあまり、恰好のよろしいものではない。
ふと人の気配を感じた玄関先に、

りぃん・ろぉん・・・

だれかの訪問を告げるインターホンの音が、能天気に響いた。

たいぎそうに開け放ったドアの向こうにいたのは、叔母の奈津江だった。
齢は30代半ば、母とは年の離れた妹にあたる。
白い肌と高雅な目鼻立ちの持ち主で、人並みならぬ教養の持ち主だというのに、
どういうわけか独身を通し、
半吸血鬼になった良作がふとした衝動で押し倒してしまうまで、なんと男を識らない身体だった。
ピアノ教師の顔を持つ彼女は、それ以来、教え娘たちをこの甥っ子に引き合わせ、
つぎからつぎへと毒牙にかけさせてやっているという、ありがたい存在。
その美貌の持ち主が、飛んで火にいるなんとやらといっていいような状況で、
にわか吸血鬼になって喉をカラカラにしている甥の目のまえに姿を現したのだった。

奈津江はもの欲しげな甥っ子の様子など眼中にないらしく、
さっきから物珍しそうに、だだっ広いだけのお邸のようすを物色している。
「リョウくんがハーレムをかまえたってお姉さんに聞いたから来てみたけれど、
 なぁんだ、ただの家じゃないの」
奈津江は小ばかにしたように鼻を鳴らして、スリッパをつっかけた脚をずんずんと奥へと進めた。
一階はリビングに書斎、それに台所。
二階には長い廊下に面してほぼ等間隔に小ぎれいなドアが並んでいる。
全部で10室ね、と、奈津江は目で数えて良作をふり返る。
「で、なん人つかまえたわけ?」
ドキドキするほど綺麗な輝きをたたえた瞳をまえに、良作はどぎまぎしながら目をそらす。
なりたての吸血鬼はまったく、かたなしだ。
「ははーん。やっぱ噂どおり、閑古鳥か~」
奈津江は後ろから自分のことを羽交い絞めにしようとした猿臂をするりと切り抜けて、
ドアというドアを片っ端から開け放ち、なかががらんどうであることを確かめていく。
良作はもう、ばつの悪そうな顔をして後につき従うしか手がなかった。

「いいわ、決めた。このお部屋」
奈津江はいちばん奥の一室に入り込むと、ベッドのうえに勢いよく飛び乗って、
気持ちよさそうに横たわった。
「あたしがリョウくんのハーレムの、最初の住人になってあげる」


気がついたときにはもう、翌朝になっていた。
「咬んでもいいのよ」と囁いて叔母がブラウスの襟首をくつろげた後は、もうあまり記憶が定かではない。
びろうどのような輝きを秘めた首すじのきめ細かい素肌に唇を這わせると、
奈津江が邸にあがり込んでからずっと疼きつづけていた牙を、グイっと埋め込んでしまっていた。
しっくりと吸いついた唇はもう、本能のままにうごめいて、
力まかせに巻きつけられた猿臂は、叔母の華奢な肉体を折れるばかりに抱きすくめていた。
何度めかの抱擁のあと、戯れに足許に這わせた唇が、ストッキングのしなやかな感触に触れたとき、ウットリとした気分になって、
そのままブチブチと、無作法に咬み破っていって、
「まあ」と奈津江がさすがに眉をひそめるのも構わずに、はしたない裂け目を拡げていったときには、
ずっと鼻づらをひきまわしていた叔母に仕返しをできたような気分にさえなっていた。
先月の奈津江のリサイタルには招待されて出向いたけれど、
濃い緑のドレスに身を包んだ叔母の奥ゆかしい風情に良作はたちまち参ってしまい、
公演を終えた直後の叔母に楽屋で迫ってドレス姿のまま素肌に牙を埋め、犯しながら生き血を吸ったときのあの快感を、再び彼は味わっていた。
そんな夢心地を、奈津江はだしぬけに、やけに現実的な声色で、容赦なくぶち破る。
「あと9人、引き込まなくちゃいけないんだよね?」

ゥ・・・
良作は、一言もなかった。
高校生のころも、まったく女の子にはもてなかったし、
そういう状況は吸血鬼になったからといって、急変するものではなかったのだ。
良作がなにか言いかけるのを、賢明な叔母はすぐに制した。
「あたしの教え娘は駄目。あの子たちはまだ幼いから、女としての判断ができるまでここには来させないわ」
叔母のところに出入りしている少女をすでに5~6人、良作は毒牙にかけていたのだが、
これでまたもや話が振り出しに戻ってしまった。
「なんか、何やってもうまくいかないんだよなあ・・・」
良作は泣きそうな声になって愚痴った。
「かっこ悪い吸血鬼もあったものね。自分の獲物くらい自分で狩りなさいよ」
私は明日、引っ越してくるから――叔母はそういうと、
軽くはない貧血を起こしているはずの身体を勢いよく立て直して、辞去を告げた。
でも帰り際、彼女は愛しの甥っ子に囁くのを忘れなかった。

「あんた、見込みあるわよ。あんたは女の子のことを人として見ているから、踏ん切りがつかないの。
 吸血鬼になったからといって浮かれまくって、周りの女を手当たり次第にハーレムに引き込んで、
 みんなに総スカンを喰らって吸血鬼の看板を下ろしたやつもいるんだからね」
「吸血鬼の看板を下ろす・・・?」
そんなことがあるのか?と問いたげな良作に、奈津江は言った。
「周囲の和を乱したペナルティで、そいつはもとの真人間に戻ったわ。
 それで、親友の奥さんを引きずり込んだ見返りに、自分の奥さんをほかの男たちにまわされて、
 同僚の娘さんを引きずり込んだ報いに、自分の娘がほかの吸血鬼のハーレムに住まわされて、
 親戚の息子さんをたぶらかした落とし前に、息子はふたりとも血を吸われたわ」
要するに、見境なく寝取った代償に、自分が逆の立場に戻されて見境なく寝取られたってわけか――
薄ぼんやりと反応する良作の顔を、女は覗き込んで、言った。
「それってだれだかわかる?」
「知らないよ」
「あんたのお父さん♪」

奈津江は来た時と同じくらい軽やかな足どりで、若い娘のようにほっそりとした肩にロングの黒髪をなびかせて、
優雅にハミングしながら後ろ姿を遠ざけてゆく。
さっきまで自分のものだと思い込んでいた華奢な肢体は、
しっかりとした骨太な意思をもって、力のある足どりで前へ前へと進んでゆく。
女は自分の意思で相手を選び、自分の居所を決めていた。
「あんた、見込みあるわよ」
女の声がふたたび、良作の耳の奥によみがえる。
「もっと自信持ちなさい。この私が、あなたのハーレムの、最初の住人になってあげるんだから」

年上の女との、微妙な力関係の日常が、良作のハーレムでその日から始まった。