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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

賢明な母。

2019年02月26日(Tue) 08:16:10

わるい男たちの毒牙にかかって、嫁をまわされてしまった。
生真面目な質の嫁は意外にも淫乱で、ノリノリになって、応じてしまった。
悔しかったけれど、世間体もあったから、わたしは事を荒立てることをしなかった。

そんな嫁の乱行に母が気づいたときに、転機が訪れた。
おおぜいの男どもを相手に自宅で輪姦パーティーをくり広げる嫁を咎めた母は、
その場で輪姦の渦に巻き込まれてしまった。
厳格だと思い込んでいた母は意外にも淫乱で、ノリノリになって、応じてしまった。

「どうせならあの子も仲間に入れて、楽しくやろう」
母の提案に、男たちは一も二もなく従った。
それ以来。
自宅での輪姦パーティーには、わたしまでもが加えられた。
わたしは妻や母の服を身に着けて女役をつとめたり、逆に男として母を抱いたりした。

幸いにも、母はすでに未亡人だった。
父の法事帰りの喪服姿に目の色を変えた男どもが群がって来た時は、さすがに母も顔色を変えたけれど、
とうとう、永年連れ添った夫を弔うために身に着けた装いを、
淫らな遊戯のコスチュームへと、惜しげもなく堕としてしまっていった。
「まるで初めて浮気したみたい」
母は少女のように、頬を上気させていた。

悔しい思いでいたわたしも、いつか彼らとともに愉しんでしまっていた。
母までもが犯されることで、わたしはすっかり従順に飼い慣らされて、
愉しみを愉しみとして、歓びを歓びとして、受け容れてしまっていた。
苦痛に満ちていたはずの寝取られた日常は、
刺激に満ちた愉悦の日々に変化した。

わたしまでも巻き込んで輪姦パーティーに興じた母。
母はどこまでも、賢明だった。


あとがき
妻を犯されるよりも、母親を犯される方が、ある意味致命的です。
そして母親が状況を受け容れたことで、大切な女性を二人ながら汚された男もまた、素直な気分になって仕舞ったようです。
めでたしめでたし?

洗脳。

2019年02月26日(Tue) 07:56:31

空色のブラウスを赤黒い血に浸しながら、彼女はぼくの目のまえ、吸血鬼に咬まれつづけた。
それがたんなる養分の摂取から、愛情表現に変わるのに、さして時間はかからなかった。
ぼくは歯噛みをしながら、自分の恋人が吸血鬼の奴隷にされてしまうのを見守るばかり――
先に咬まれたぼくはすっかり血を抜き取られ、やめさせる力は残されていなかった。
短パンの下に履いていたライン入りのハイソックスが血に浸された足許を彼女は盗み見ると、
自分の履いている紺のハイソックスも、惜しげもなく咬ませていった。
たんなる養分の摂取が、愛情表現に塗り替わったのに気がついた彼女は、
ぼくだけに許したはずの口づけを重ねて、
ぼくにさえ許していないはずのスカートの奥にまで、逞しくむき出された腰を、受け容れてゆく――
初めての痛みに歪む口許からこぼれる歯の白さを、ぼくはきっと忘れない。

吸血鬼は、ぼくと彼女の仲を尊重してくれたので、
ぼくたちは交際を重ねて、結婚をした。
いまはもう、ぼくたちの頭のなかは、すり替えられてしまっている。
彼女はぼくのまえで彼に奪われたのを誇りに思い、
ふたりの男に愛されることを歓びとした。
ぼくは彼女の前で手本を見せるため、先に咬まれた。
大切な親友である彼に、
うら若い乙女の生き血を得させるために。
ぼくの未来の花嫁の、純潔を得させるために。


あとがき
養分の摂取から愛情表現へ。
強奪から、納得づくのプレゼントへ。
吸血鬼は人への認識を改めて、彼らを末永いパートナーに選ぶ。
そして、選ばれた人の記憶は、3人の心の平安のために、都合よく塗り替えられてゆく。

家族で献血。

2019年02月26日(Tue) 07:44:50

吸血鬼さん、血が欲しいの?
まだ稚ない娘たちは、目のまえにいるのが吸血鬼なのだと知りながら、
人懐こく口々に問いかけて、
ハイソックスの脚を咬みたがる彼のまえ、無邪気に笑いながら脚を差し伸べてゆく。

上の子は、真っ赤なワンピースに赤のハイソックス。
下の子は、黄色のワンピースに黄色のハイソックス。
飢えた吸血鬼は蒼ざめた頬を弛めながら、齢の順に咬んでゆく。
ふたりとも、
「あ」
と、ひと言だけ洩らして、
痛みを口許から覗かせた白い歯に、初めての苦痛を秘めてゆく。

嫌ではなかった証拠に、キャッ、キャッとはしゃいだ声をあげながら、
もう片方の脚も咬ませていって、
真新しいハイソックスを、惜しげもなく咬み破らせてやっていた。

お母さんは終始笑顔の娘たちとは裏腹な怯えた顔で、いちぶしじゅうを見届けて、
さいごに首すじを、咬まれていった。
「お母さんの血も、美味しそうだね・・・」と、うそぶかれながら。
「子どもの新鮮な生き血を欲しい」
そんな言いぐさを真に受けて、自分は免れると思っていたのだろうか?
いや、ちがう。きっと、ちがう。
だって娘の父親で自分の夫である男が、首すじから血を流して夢うつつになっているのを、横目でチラチラと窺っていたのだから。

ハイソックスに血を滲ませて気絶した娘たちの傍らで。
お母さんも同じように、肌色のストッキングを咬み剥がれていった。
うっとり見つめるわたしのまえで、スカートの奥まで受け入れていった。

変化の進度。

2019年02月26日(Tue) 07:31:32

都会から移り住んだわたしは、今では地元の男衆たちに、敬意を表されている。

俺たちは子供のころから、お袋の浮気を見てきたし、
友だちの母さんを相手に筆おろしを済ませたし、
処女喪失の儀式に妹を連れて行ったし、
お見合い相手はたいがい周囲の男や自分の家族とデキていたし、
それでも納得づくで結婚したし、
披露宴では花嫁はもちろん双方の母親までもがまわされてしまうし、
相手は幼なじみや義理の兄弟や義父だったし、
結婚してからも嫁には必ずなん人かの彼氏がいて、
そうした彼氏たちとも親しく行き来する仲なのだけど、

あんたの場合は大人になってからここに移り住んできて、
嫁を犯され娘を抱かれ、自分までもが情婦にされて、
あんたの両親が遊びに来たときには嫁があんたの親父に抱かれる代わり、お袋さんがまわされちゃったし、
嫁の両親が遊びに来たときにも、嫁が仕切って姑を抱かせてくれたし、
それでもあんたたちの両親は、遊びに来るのをやめないでいるし、
俺たちはもちろん職場の同僚が嫁を抱きに夜這いをかけてきても、夫婦の寝室をいさぎよく明け渡してくれている。

俺たちが半生かけて学んだことを、
あんたはたったの三月で覚え込んでしまった。

共犯者。

2019年02月26日(Tue) 06:22:16

ライン入りのハイソックスを履きたくて、ある運動部に所属した。
折あしく、学校は吸血鬼の巣窟だった。
部活前に呼び出され、真新しいハイソックスは泥まみれになる前に、血に浸された。
それが病みつきになって、2回に1回は部活をさぼり、吸血鬼に逢った。
チームメイトを裏切る罪悪感には、悩まずに済んだ。
だって、誘いをかけてきたのはチームのキャプテンで、ふたりいっしょに教室の床に転がされ、
脚を並べてハイソックスのふくらはぎを愉しまれていったのだから。

母親似。

2019年02月25日(Mon) 07:42:11

妻の浮気相手が義父だったと知った夜。
謝罪に現れた義母はいった。
あの子は母親似だから、結婚前からああだったの。
世間体の手前、理屈にならない理屈を受け入れて、はや十数年。
ひとり娘も、母親似だった。
嗚呼――

人ちがい。

2019年02月25日(Mon) 07:39:55

妻の服を内緒で借りて、女装外出した夜のこと。
いつも妻を襲って血を吸っている吸血鬼と遭遇した。
それとは気づかず、わたしの首すじを咬んだ後。
相手が男だと知りながら、彼は最後までわたしを、女として扱ってくれた。
それ以来。
夫婦で彼の奴隷になった。

代役。

2019年02月25日(Mon) 07:37:27

看護婦をしている妻が、流感にかかった。
代わりに勤務に就いたわたしは、ナース服に白ストッキング。
翌日、失業中だったわたしにも、病院から採用通知が来た。

願望。

2019年02月25日(Mon) 07:35:46

わたしの寝取られ願望をかなえてくれたのは、息子だった。

身近なところで・・・

2019年02月25日(Mon) 06:56:11

未亡人とヤりたい!
ふとわれにかえれば、うちの母も未亡人だった・・・
法事の帰り道、助手席に伸びた黒ストッキングの脚に欲情を覚えて、
気がついたら車をラブホテルに乗り入れていた。
母はなにも言わずに車を降りて、そこで2時間いっしょに過ごした――

社長令嬢とヤりたい!
ふとわれにかえれば、俺は社長の息子だった。
19歳の妹は、披露宴帰りの着飾った姿――
馬子にも衣裳とは、よくいったもの。
気がついたらその披露宴のあったホテルに、チェックインしていた。
妹は両親に、兄さんと寄り道して帰るからと告げ、俺は彼女の新婚初夜を奪っていった――

人妻の情事を覗きたい!
ふとわれにかえれば、浮気の常習犯になっていたうちの家内。
相手はわたしの親友だった。
ふたりの交際を黙認する代わり、覗かせてくれと頼み込んだ夜。
自分が留守のときの自宅が濡れ場となることに、いままでにない昂奮を覚えていた――

婚約者を共有する。

2019年02月24日(Sun) 10:10:09

力づくでむしり取られているはずが、けんめいに捧げ抜いているように映る。
無理強いに抑えつけているはずが、情愛込めて抱きすくめているように映る。
生命の源泉である血液をむさぼられているという危険でまがまがしい行為のはずが、
パートナーの渇きを慰めるため、自ら危険を冒してまがまがしいはずの行為を許しているように映る。
そう、ぼくの麻衣子さんは文字通り献身的に、少年のころからのぼくを支配しつづけてきた小父さんに、尽くそうとしている。

さいしょはなにを求められているのか理解できずに戸惑っていて、
やがて相手の意図を知ると、うろたえて逃げ惑って、
ぼくが後ろから優しく両肩を抱きしめると、いぶかしそうに救いを求めるような上目遣い――
けれども麻衣子さんは、優しいぼくの抱擁から奪い取られるようにして、小父さんの猿臂に身を巻かれていった。

抗うピンクのスーツ姿は、すぐに動きを止めた。
小父さんの慣れたやり口は、どうしたらよいかわからない初体験の若い女性の抵抗をくぐり抜けて、
あっという間に首すじを咬んでしまったのだ。

ごくっ、ごくっ、ごくっ・・・
リズミカルなくらい規則正しい音を立てて、麻衣子さんの血が小父さんの喉を鳴らす。
それにしても器用なものだ。
麻衣子さんのピンクのスーツには、血潮一滴こぼれていない。
親と暮らしていて、帰りが困るから・・と、痕跡を残さないようぼくからお願いしていたのだ。

貧血を起こした麻衣子さんは、その場にくずおれるようにして座り込んでしまい、
小父さんに促されてやっとのこと、ソファに横になった。
新味に介抱を続けた小父さんはなにやら麻衣子さんに囁きかけて、麻衣子さんも薄目をあけてかすかに頷き応じている。
それを少しだけ離れて見つめるぼくは、かすかな嫉妬の疼きを覚えた。
やがて麻衣子さんはそろそろと脚を差し伸べていって、小父さんに足首をつかまれていった。
小父さんの掌のなかの麻衣子さんの足首に、ストッキングのしわがキュッと波打つ。
礼儀正しく装われたストッキングに帯びたかすかなしわが、麻衣子さんの堕落を予告しているかのようだった。

やがて小父さんは、麻衣子さんの足許にそろそろと唇を近寄せていって、ストッキングのうえからクチュッ・・・と舌を這わせた。
「仲直りのしるしに、ストッキング破かせてあげるって言ったの」
あとで麻衣子さんは、ぼくにそう教えてくれた――

まるでレ〇プのあとのようだった。
ピンク色のスカートは腰までたくし上げられて、ストッキングは派手に咬み剥がれて大穴が開いて、
太もももひざ小僧も、素肌を露出させてしまっている。
貧血を起こしながらも麻衣子さんは、彼のためにうら若い血液を提供しつづける。
もはや渇きを満足させた小父さんは、量をむさぼるのではなく、純粋に麻衣子さんの血の味を愉しんじゃっている。
麻衣子さんも生き血を緩慢に啜り取られてゆくのをひしひしと感じながらも、自分の血が小父さんの喉を鳴らすのを、ウットリと聞き入っていた。
まさに、お似合いの二人――ぼくにさえ、そう思えてしまった。

「ありがとう。麻衣子さんの生き血は美味しかった。これからも時々逢わせてほしい。
 逢って処女の生き血を吸わせてほしい」
静かな声色でそう願う小父さんのまえ、むしろ麻衣子さんのほうが積極的だった。
「美味しいって言われると嬉しいものですね。ちょっとブキミだったけど――
 こちらこそ、よろしくお願いします。というか、お手柔らかに。(笑)
 貴志さんが子供のころから親しい方なら、信用できますからね」

それからは、ぼくが麻衣子さんを連れて行く時もあれば、
麻衣子さんが小父さんと2人きりで逢うときもあった。
だんだんと、回を重ねるごとに。
2人きりで逢う頻度が多くなって、そのうち麻衣子さんのほうからは、事前の連絡が来なくなった。
それでも小父さんはこまめに、ぼくに麻衣子さんとの密会の状況を伝えてくれた。
麻衣子さんの羞恥心が濃くなってきたととるべきなのか?
――でも、羞恥心をそそるようなことを小父さんが麻衣子さんにしているということなのか?
麻衣子さんよりも小父さんのほうが信用できるというべきか?
未来の花嫁を寝取られつつあるのに、信用するって言うのもなんだか・・・だけど。。
けれどもそうした密会も、小父さんは残らずぼくに覗き見させてくれた。
表むきは、「きみも気になるだろう?」と気遣ってくれた結果だけれど、
じつは見せつけたがっているんでしょう?と訊いたら、「良い勘だね」と、にんまりされた。
さすがのぼくも、ちょっぴり憤慨したのだけれど。

でも、回を重ねるごとに・・・ぼく自身、気持がだんだん変わって来た。
さいしょのうち色濃く感じていた後ろめたさやいかがわしさは消えていって、
小父さんが麻衣子さんに対して初夜権を行使することに、むしろ昂ぶりをもって受け容れてしまいそうな自分がいた。

あるとき久しぶりに、ぼくにお呼びがかかった。
ママや妹の血をむやみとむさぼったあとは、ぼくにもお呼びがかかることが少なくなかったけれど。
ここ最近は麻衣子さんが加わったことで、彼の喉もだいぶうるおっていたのだろう。
邸を訪ねていったぼくの目のまえに置かれたのは、見覚えのある麻衣子さんのスーツ――
「彼女から借りた。きょうはきみがこれを着て、わしの相手をするように」
そう――
先週の逢瀬のとき、夢見心地になった麻衣子さんに、来週も来れるか?と訊いたとき。
来週は勤め先の研修で・・・と麻衣子さんが応えると、小父さんは厳かに告げたのだった。
では貴志くんに、身代わりをつとめてもらおう。
きみの服を貸しなさい。
彼、じつは女装趣味があるのだよ――

震える手でブラウスの釦をはめて、
戸惑いながら、スカートを腰に巻きつけて行って、
昂ぶりながら、ストッキングを脚に通してゆく。
麻衣子さんの足許を包んでいたストッキングの感触が、妖しく足許にまとわりついた。

その日女として奉仕したわたしのことを、いつもと真逆に見つめる麻衣子さんの気配を、ありありと感じながら。
麻衣子さんを近々狂わせるはずの一物が、いつも以上の熱烈さでぼくの股間を抉るのに、視線を気にせず乱れ果ててしまっていった。

ひとり残らずモノにされる。

2019年02月24日(Sun) 08:56:08

吸血鬼に襲われて、ぼくやぼくの家族の血をゴクゴクやられてしまうことに奇妙な昂奮を覚えるようになって、
どれくらいの時間が経ったのだろう?
さいしょはもちろん、怖かった。
けれども、ぼくの首すじに咬みついたその小父さんが、ぼくの血を美味しそうに飲んでいるのだと実感したとき、
えもいわれない満足感に支配されて、好きなだけ飲んでいいからね・・・って、囁いてしまっていた。
ハイソックスを履いたまま脚を咬みたいとねだられたときも
お気に入りの紺のハイソックスを、ねだられるままに咬み破らせてしまっていた。
ママがいつも穿いているストッキングも愉しんでみたいと言われたときも、
後先考えずに、OKしてしまっていた。
小父さんを家に招んで、勉強部屋で2人きりになって、白地にライン入りのハイソックスを咬み破らせてあげているとき、
折あしく、お紅茶を淹れてくれたママがお盆を抱えて現れた。
小父さんはママの淹れてくれたお紅茶をひと息に飲み干すと、
ぼくの履いているハイソックスが血に濡れているのを見てびっくりしているママを横抱きにつかまえて、
首すじをガブリ!と咬んでいた。
ぼくのときとまったく同じやり方で、
ぼくのときとまったく同じようにママは目を回してしまって、
お紅茶よりも美味しいご馳走を、お客さんにたっぷりとご馳走する羽目になっていた。
花柄のワンピースで四角く区切られた白い胸もとを、赤黒い血のしずくがしたたり落ちて、
ワンピースをいびつに濡らしてゆく光景を、ぼくは自分が血を吸われているときと同じくらい昂奮しながら見つめていた。
そのあと小父さんがママにしたことは、ママが魅力的だったからだという囁きを、
ぼくは誇らしげに笑って頷き返してしまっていた。
パパにはナイショ――それが小父さんとママとの約束だったけど。
いつの間にかパパにはばれてしまっていた。
ぼくはママが小父さんの恋人になればよいと思っていたけれど、
パパもまったく同じ考えで、ふたりを似合いの恋人だといって、ふたりが服を着崩れさせながら仲良くしているのを、
ぼくと代わりばんこにのぞき見していた。

のぞき見といえば、妹のときもそうだった。
ぼくの親友のヨシトくんは、妹を連れ出して小父さんの家に連れて行き、「貴志の妹をつかまえてきました」といった。
ヨシトくんもいつの間にか血を吸われて、小父さんの手下になっていたのだ。
処女の生き血を吸わせてあげたい一心で妹を連れ出したヨシトくんを、ぼくはとがめることができない。
ほんとうは、ぼくが小父さんに妹を逢わせてあげなくちゃいけなかったのかもって、思ってしまった。
ヨシトくんに羽交い絞めにされた妹は、すっかり怯え切っていたけれど。
小父さんは「どれ」とひと言いうと、妹のおとがいを仰のけて、おもむろに首すじを咬んでいた。
「ああッ・・・!」
と、ひと声悲しそうにうめいた妹は、そのまま引きつったように身動きできなくなってしまって、
小父さんはまだ年端もいかない少女の活きの良い血液で、喉をゴクゴクと鳴らしていった。
そんなありさまを、ぼくはどちらに手を貸すでもなく、物陰からのぞき見をして、心をズキズキ疼かせていた。

きれいに着飾った女の人を襲いたがる小父さんのため、ぼくは女の人の服を着るようになっていた。
小父さんもそんなぼくのことを、好んで襲ってくれるのだった。
ママのワンピースや妹の制服を、ぼくはなん着も汚してしまった。
2人がぼくのことを咎めるのもどこ吹く風で、ひたすら小父さんのために、若い女を演じていった。
高校受験の合格祝いに、ストレスをため込んだぼくのことを邸に招いて、
ぼくは小父さんに、初体験を捧げた。
横倒しになった姿見のなかで、ぼくはみるみるうちに、女にされていった。
貴志というぼくの名前を貴子と呼ばれるようになって、TAKAKOという音の響きはぼくの鼓膜を心地よくくすぐった。

ママはいつまでも、小父さんの良き恋人だった。
勤めに出るとき、黒のストッキングを脚に通して出かけていったママを見送って、
ぼくもママとおそろいの黒のストッキングで、小父さんの相手をした。
お勤めはおろそかにできないという生真面目なママの考えを、小父さんが尊重してくれる代わりに、
ぼくがママの服を着て、ママの身代わりに抱かれるのだ。
夕方になったら、ママは勤めから戻って来る。
そして今度は、ママの番だ。
失血でぼうっとなってしまったぼくの脇をすり抜けるようにして、ママは夫婦の寝室に入っていく。
そして夫婦のベッドのうえ、小父さんは、ぼくたち母子のストッキングの味比べを愉しんでゆく。
小父さんはパパに遠慮して、ママと仲良くするのはパパが帰宅してくるまでと決めていたけれど。
パパも小父さんに気を使って、そういう夜には決まって、帰りが遅いのだった。
男同士の気遣いをママはきちんと理解していて、
パパが戻って来るときにはもう、なにごともなかったようにすべての痕跡をかき消しておくのだった。
たまに――破けたストッキングが屑籠の端から覗いていたりとか――わざとそんな仕掛けをして、パパを焦らせることもあったけれど。

きょう、ぼくは家に婚約者の麻衣子さんを連れてくる。
なにも知らない麻衣子さんは、初々しいピンクのスーツ姿。
けれども小父さんには、「麻衣子はあなたに血を吸われたがっている」と、嘘をついていた。
当然のように抱きすくめようとする小父さんと、うろたえながら抱きすくめられてゆく麻衣子さん。
そして、せめぎ合いのあげく、彼女もまた、ママや妹と同じように――首すじを咬まれてゴクゴクとやられてしまうに違いない。
そんな麻衣子さんを、きっとぼくはドキドキしながら見つづけてしまうに違いない。
その場でたぶらかされてしまった麻衣子さんはきっと、ピンクのスーツを血で汚さなかったお礼に、
肌色のストッキングの脚を小父さんに差し伸べて、惜しげもなくビリビリと破かせてしまうに違いない。

ママ、妹、麻衣子さん。
ぼくの女家族は、ひとり残らずモノにされる。
そのだれもが、生き血の味を愛でられて。
肌のきめ細かさを愛でられて。
装いのセンスを愛でられて。
股の締まり具合まで、愛でられてしまう。
そのことに――ゾクゾクとズキズキをくり返すぼく。

ぼくは変態だ。
誇り高き変態だ。
女家族が一人残らず愛でられることに、誇りと歓びとを見出しながら。
ぼくの家族はきょうもまた、汚され、辱められ、愛されてゆく――
そして、きょうはいよいよ、未来の花嫁にその災厄がくだる番――

薄地のストッキングに透ける麻衣子さんのつま先が、ぴかぴかに磨かれたフローリングのうえを滑るように歩みを進める。
あとわずかな時間でむざんに咬み剥がれてしまう運命のストッキングの透明感に、ぼくはいつまでも目線を這わせつづけた。

ひとり残らずモノにする。

2019年02月24日(Sun) 07:28:22

吸いつけた唇の下、黒のストッキングごしに触れるふくらはぎは、ちょっぴりだけ筋肉質だ。
姿は女性でも、ほんとうは男――
まだ半ズボンにハイソックスの少年だったころから、俺が血を吸いつづけている男の子――
貴志という本名を変えて、女の姿をしているときには、”貴子”と呼ぶことにしている。

しなやかなナイロン生地の舌触りを名残惜しみながらも、私は唇を放す。
いつもよりちょっと昂奮したせいか、少し吸い過ぎたらしい。
”彼女”は蒼ざめた頬に、それでもほほ笑みを泛べる。
貴志を正式に彼女にしたのは、高校受験の合格祝いで犯したときだ。
傍らに横倒しにした姿見のなか、ずり落ちかけた紺のハイソックスの両脚が、股間の疼きをこらえるように、足ずりをくり返していた。


貴子の家を出たのは、夕方近くだった。
部屋を出るとき”彼女”は、半裸のまま放心状態だった。
ストッキングの穿き心地をこよなく愛する”彼女”のために、
太ももがあらわになるほど咬み剥いだ黒のストッキングは、”彼女”の足許をいびつに染めていた。

家を出てすこし歩くと、彼方から着飾った女たちが数人、連れだって歩いてくる。
そのなかに俺は、貴志の母親である達子を見出した。
達子もすぐに、俺に気がついた。
彼女は仲間たちに別れを告げるとそそくさと列を離れて、寄り添うように歩み寄って来た。
「私の血が欲しいの?」
口許についた息子の血を、達子は気づかぬふりをした。

ふつうなら、着飾ったご婦人たちが通りかかると、
ひとり残らず足許に唇を這わせて、ストッキングをむしり取ってしまうのだが――
達子がそのなかにいるときだけは、別だ。
彼女のまえでほかの女を愉しむほど、俺は無作法ではない。
なによりも――達子との仲は、彼女の夫さえもが認めている関係なのだから。

初めて貴志を襲ったころは、達子はまだ30代。
むしろこの人妻が目あてで、その息子を狙ったのだ。
首尾よく息子を手なずけて、家にあがり込んで、勉強を教えると称して貴志と部屋で2人きりになって、
お茶を淹れて部屋に来た達子に俺は慇懃に礼をいうと、すぐにお茶を飲み干して、
それから達子の生き血で喉を本格的に潤したのだ。

人妻を襲ったときには必ず、男女の関係も結んでゆく。
半死半生で喘いでいる達子を抱きすくめたのは、貴志の目のまえでのこと。
けれども貴志は俺の狼藉を止めようともせずに、
まるで自分が犯されているかのように、息せき切りながら、
母親が主役のポルノビデオの生演技に、見入ってしまっていた。

さっき出てきた貴志の家に戻ると、
リビングの真ん中で女装した息子が大の字になって気絶しているのには目もくれず、素通りして夫婦の寝室に足を向けた。
そして、俺を部屋に招き入れると、ベッドのうえにあお向けに横たわった。
抱きすくめた両肩をかすかにこわばらせながらも、達子は首すじに刺し込まれてくる牙を、おだやかに受け止めた。

ずず・・・っ・・・じゅるう・・・っ・・・

生々しく啜られるほうが好き。
達子の口癖だった。
俺はわざとクチャクチャと下品に音を立てながら、熟れ切った40女の生き血を喉に流し込んでいった。

達子が静かになると、じゅうたんに伸べられた黒ストッキングの足許に唇を吸いつける。
息子とおそろいの黒のストッキング。
彼女が脚に通していたナイロン生地はツヤツヤとしていて、
くまなく唾液をなすりつけてゆくヒルのように強欲な唇に、しなやかな舌触りを伝えてくる。
ネチッ、ネチッと咬み破りはじめると、達子は「アッ、ひどい」と、人並みなご婦人らしい非難を込める。
けれどもその実彼女が悦んでいることは、
俺が吸いやすいように、あちこちと吸う部位を変えてゆくのに合わせて脚をくねらせつづけることで、それとわかった。


翌日のこと。
昨日吸い取った母親と息子の血潮の味を反芻しながら邸でのんびりかまえていた俺のまえに、ふたりの訪問客が現れた。
「貴志の妹を連れてきました」
青年のほうがやや引きつった声で、自分よりも少し年下の少女を、俺の前に引き据えた。
青年は貴志の親友だった。
――あいつ、親友に妹を売られちまうのか。
ちょっぴりの憐憫が、俺の胸をかすめる。
うしろから両肩を羽交い絞めにされた少女は、恐怖に引きつった眼で俺を見つめる。
俺は、こういうまなざしに弱い。
「どれ」
とひと言呟くと、やおら身を起こして少女ににじり寄って、
つぎの瞬間腕のなかに抱きすくめた少女の首すじを咬んでいた。
「ああーッ!」
貴志の妹は悲しげに呻いた。
けれども俺は、貴志の妹の活きのよい血液で、ゴクゴクとのどを鳴らしつづけた。
貴志の妹を連れてきた青年は、数年後彼女と結婚した。
そう、彼は未来の花嫁が処女のうちに、俺に生き血を吸わせてくれるという、最大限の好意を示したのだ。
婚礼の前の晩、生き血を抜き取られてぐんにゃりと伸びてしまった花婿の目のまえで。
花嫁の処女破りの儀式を盛大に遂げてやったのは、いうまでもない。


貴志が男のなりをして、若い女性を一人連れておずおずと現れたのは、それから少し経ってからだった。
どう言い含めたものか、やつも自分の親友と同じことをしようというのだ。
「三田麻衣子さんです。来春、結婚するんです」
やつは改まった口調で、そういった。
うちは吸血鬼に献血をしている家だと、やつは彼女に正直に告げたそうだ。
それでもお嫁に来てくれるのか?と問う貴志に、黙って頷き返したという彼女も、かなりの変人だと俺は思う。
ピンクのスーツの下、肌色のストッキングに透けるすらりとしたふくらはぎに、俺は早速目を奪われてしまっている。
「じゃあ遠慮なく」
俺はひと言そういうと、すすめたソファに腰かけた麻衣子の傍らににじり寄って、こともなげに首すじを咬んでいた。
「あッ・・・」
抱きすくめた両肩に力がこもり、彼女は本能的に俺の腕を振りほどこうとしたけれど。
貴志は彼女の両方の掌を、スカートのうえに抑えつけてしまっていた。
「だいじょうぶ。ぼくがついているから・・・」
恋人を勇気づける健気なささやきをくすぐったく聞き流しながら、俺は23歳のうら若い生き血で、ゴクゴクと喉を鳴らしてしまっている。
貧血を起こした麻衣子がぐったりとソファに身をもたれかけさせると、
肌色のストッキングに透ける足許に、おもむろに唇を吸いつけてゆく。
貴志はそんな俺の不埒な愉しみを、ドキドキとした目線で見守るばかり。
未来の花婿の目のまえで。
嫉妬に満ちた目線にくすぐったさを感じながら、礼儀正しく装われた薄いナイロン生地を、
俺は目いっぱい意地汚く、咬み剥いでいった。


案外と。
貴志の周りの女どもを、一人残らずモノにしながらも。
俺の一番の目当ては、むしろ貴志本人なのかもしれない。
貧血を起こした恋人の身代わりにと、彼女のよそ行きのスーツを着て現れた貴志は、
恋人の見守るまえで俺に女として抱かれ、女の歓びに酔い痴れてしまっている。

≪紹介≫非公開記事となって埋もれていたお話。 その2

2019年02月21日(Thu) 06:35:05

効率の悪い話ですが・・・。(^^ゞ
もうひとつ、同じようなお話を見つけてしまいました。
前記事で紹介したお話は、弊ブログには珍しく夜の刻限のあっぷでしたが、
今回のものは朝の8時。
書き上げたは良いけれど、仕事に出かける時間が迫って、うっかり操作を間違えたものと想像します。
このお話の前編らしきお話が、保存時刻の約20分まえにあっぷされています。
そうすると、本作の制作時間も約20分。
即興で描いたので短いのですが、このお話も描いたののをなんとなく憶えています。


題して、「夏祭り帰り」。
初体験の名残りで内またになった娘たち。
化粧がすっかり派手になった奥さん。
弟の婚約者は派手に裂けたストッキングをまだ脚にまとっていて、家まで穿いて帰ると言って恋人を困らせている。
淫らな村祭りから一夜明けて、都会に帰る家族の風景です。

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1815.html
作品番号は、1815。
まだまだ若いですな。。
ちなみに前記事は、3703です。
あっぷされた記事数がこの数字より若干少ないのは、前記事で描いたように、描きかけで挫折してしまったお話が若干存在するためです。

「お話を1000話まではあっぷをして、”千夜一夜物語”にしたい」と思っていたのは、遠い日のことでした。 (笑)

≪紹介≫非公開記事となって埋もれていたお話。

2019年02月21日(Thu) 06:17:28

過去記事のデータを見直していたら、ひとつ「非公開」のままになっている記事を見つけました。
日付は2009年11月30日。10年近く前のものです。
当時はほぼ全作を入力フォームに直接打ってそのままあっぷしていました。
たまさか行き詰まって途中で挫折して、非公開のまま埋もれたものもなくはないのですが、
読み返してみたら、ちゃんと一編のお話として成立していますし、
10年近くも前に描いたのに、描いた記憶も薄っすらと残っています。
どうして非公開にしてしまったのか?はやった本人にとっても謎ですが、誤操作だったのかもしれません。
せっかくなので、公開化しました。

ブログのトップにあげることも考えたのですが、「いつ描いたのか」も記録の一部と感じますので、
あえてあっぷの日付通りのところにあげておきます。
とはいえ、それでは確実にだれの目にも触れずに埋もれてしまいますので、リンクだけは貼っておきます。

http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1933.html

タイトルは、「ひっそり迫る。」。

まだ性の歓びに目ざめていない、年端もいかない少年が、都会から移り住んできた人妻に迫り、生き血を吸い取ってゆく。
親しくなった土地の者にそそのかされたその人妻のご主人は、
穴をあけられた障子ごしにいちぶしじゅうをのぞき見して、ひそかな昂ぶりを覚えてしまう。
少年の手がワンピースの奥へとそろそろと伸びて、静かになった奥さんの足許からストッキングを抜き取ってゆくところまで。

そんな感じのお話です。^^

やれやれ。

2019年02月12日(Tue) 07:42:49

ヘンな時間に目が覚めて、きのうあたりから思い浮かんでいたお話が書けそうな気がしてキーを叩きはじめて、
気がついたらもうこんな時間。
とても二度寝はできません。(苦笑)
せっかくなんで、描いたお話みっつのかいせつなどを、描いてみます。

≪人妻ふたり≫

狙った人妻を落とすため、夫を味方に引き込もうとして吸血する手口はいつもながらですが。
血を吸われた夫は、同僚に妻を日常的に寝取られていて、その状況を受け入れています。
そして、自分の妻に惚れてしまったという吸血鬼の望みも、好意的にかなえてしまいます。
ほんのちょっとだけ、間男よりも夫である自分を尊重してくれたことが、案外嬉しかったのかもしれません。

狙われた人妻はなかなかしたたかで、浮気相手の奥さんを黙らせようとして、一計を案じます。
夫はその片棒を担いで、見事?先方の奥さんを篭絡。
堅物で知られたその奥さんは、夫以外の身体を識ってしまったためか、それまでの夫婦生活が虚しかったからか、
自分の夫が奥さんを寝取った代償と称して、相手を受け入れていきます。
さりげなく小ぎれいに装い、
さりげなく愛情表現を口にする――「お宅に戻りにくい夜は、うちで休んでいってほしい」
どちらかというと、こういう風情で不貞をくり返す貞淑妻に、惹かれます。^^


≪親友の未亡人≫

これは、二度寝しようとして布団に戻ったとたんにひらめきました。(笑)
親友の死後の再婚ですから寝取りとは違いますが、前夫の写真のまえでのエッチは、寝取り要素があるかもです。^^
案外こういう展開を、前夫さんも望んでいたのかも。^^
自分の死後の妻のことを気づかって、妻の再婚相手を探すご主人は、意外にいそうな気がします。
でも、自分のまえで将来を誓ってもらおうという方は、あまりいらっしゃらないでしょうけれど。
ところが今度はどんでん返しで、妻と前夫の実家のある村が風習を持っていて、
女装趣味で奥手の主人公をいともかんたんに巻き込んでしまいます。

夫婦ながら女として愛されるふたり。
さいごのフィニッシュをキメるころには、それまで聞き取れなかった方言がわかるようになっている。
情を交わせ合うことができるようになって初めて、お互いを理解できるようになったというのを表現してみました。


≪母を法事に連れ出す。≫

このお話を描いた後、気になったのは、主人公のお母さんです。
都会の未亡人が洋装のブラックフォーマル姿で襲われて、黒のストッキングを引き裂かれて犯される。
なん度かいても、そそられます。^^
さっそく、キーを叩きつづけました。

前夫が嫉妬するから女の姿で墓参をするというのが、さいしょに浮かんだイメージです。^^
駅頭の表現は、そのあとすぐに浮かびました。
隠れて続けてきた女装がどうせばお母さんにれてしまうのなら、初手からショッキングなご対面を果たして見せようと思いました。
でも、なんのためにそんなことをするの?と感じながらキーを叩いていたら、美奈子さんが教えてくれました。

母親を目あてにしていたお舅さんが、礼儀正しく振る舞う彼女を前に、表むき慇懃に挨拶を返す――
なにを考えているのかちゃんと心得ている息子の目線から見ると、妙に淫らなものがよぎります。
嫁と嫁の叔父とか、彼自身を目あてにしている親友のお父さんとか、
一連の顔合わせシーンは、キーを叩きながら思いつきました。

母、妻、それに夫――
三人が三人ながら、洋装のブラックフォーマルに身を包み、黒のストッキングの脚をくねらせながら、
淫らな宴の渦に巻き込まれていきます。
お互いの恥部をさらけ出し合うことで、却ってスッキリする場合も、あるのかもしれません。

貞淑な賢夫人でとおっていたお母さん。
どうしてどうして、初めて目の当たりにする息子の女装姿にも動じることなく、
初めて体験する乱交パーティーの場にも平然と応じてしまいます。
亡夫にちゃんと謝罪をして罪滅ぼしする行儀の良さも、素敵です。

主人公の女装さんは、まだまだ自分は女として未熟だと悟りますが、
このお嫁さんとお姑さん、それに村の衆たちに磨かれれば、きっと魅力的な熟女に成長することでしょうね。

母を法事に連れ出す。

2019年02月12日(Tue) 07:21:01

「どうしたの、その格好?」
待ち合わせた駅のホームで、母はわたしを見て目を見張った。
息子夫婦と待ち合わせたはずなのに、そこに肩を並べて佇んでいる2つの人影はふたりとも、婦人ものの喪服を身に着けている。
近づいてよくみると、そのうちのひとりは自分の息子だった。
それは、どんな母親でも驚くだろう。
女の自分を母に見せるのは、美奈子の田舎でひと晩過ごした後で良い――わたしはそう思っていた。
けれども美奈子は、ここを出る時から女の格好でいるべきよ、と、わたしに言った。
もしもお義母さまがほんとうに筋金入りの堅物なら、女装したあなたを見て愛想を尽かして帰るでしょう。
お義母さまがそういうひとなら、あそこには行かないほうが良い――彼女はそういったのだ。
あそこでの営みが耐えがたい辱めにしかならないというのなら、さいしょからお義母さまにそういう経験をさせるべきではない。
同じ女として、それは残念過ぎることだから。
たしかに美奈子の言い分は、もっともだった。
わたしは勇気を出して、洋装のブラックフォーマルを身にまとい、黒のストッキングの脚を駅頭の風にさらした。
申し合せたように黒のストッキングに染まった三対の脚は、そのうち一対がたじろいだように半歩下がり、
行儀よくかかとをそろえてまっすぐに立ち、それから意を決したように他の二対と同じ方角へと歩きだしていた。
実家に残してきた父の写真に、彼女は顔向けすることができるのだろうか。
ふとかすめたそんな不安を正確に読み取って、わたしと向かい合わせに座った美奈子は、確信に満ちた笑みを投げてきた。

「伺うのは美那子の実家だけれども、美奈子と同郷である前のご主人とわたしは親友なので、墓参りもする。
 それが再婚の条件だから。
 でも、わたしが男の姿でいくと前のご主人が妬きもちをやくかもしれないから、女の姿でお参りをする」
母にはそういう言い訳を用意していたけれど、どうやらわたしの女装趣味はとっくに、カンの良い彼女のアンテナに触れていたらしい。
「前からそんな気はしていたけれど」
という母のつぶやきを、美奈子も、敏感になったわたしの鼓膜も、とらえていた。

美奈子の実家の敷居に、母が黒のストッキングに包まれたつま先をすべらせるのを、わたしは胸をドキドキはずませながら盗み見ていた。
そんなわたしを、美奈子は面白そうに窺っていた。
母は美那子のお父さんに向って、「お世話になっております」と、頭を下げた。
尋常な礼儀正しさを示す母に、義父もまた田舎めいた慇懃さを表に出して、応じてゆく――
母の写真を見ていちばん昂奮した男が、表向きの礼儀正しさを完璧に装うのをみて、
やはりこの土地の人たちは油断がならないと思った――もちろん、自分のことは棚に上げて。
初めて見せた母の写真を前に、「うっ、ひと目見ただけでおっ勃っちまう!」なんて騒いでいたくせに。
もっともらしい顔をしてお辞儀をし合っていてもきっと、これは夫婦の固めの杯だとか、どうせいけすかないことを考えているに相違なかった。

夜の宴に合わせて、三々五々、周囲の者たちがなん十人となく、集まって来る。
美奈子の叔父もそのなかにいた。
彼がはじめから美奈子を目あてにしていることを知りながら、わたしは彼とも親しげにあいさつを交わす。
先方も嬉しそうに、「やあ、いらっしゃい」と、歓迎してくれた。
はた目には、縁故が濃いわけでもないのに遠来の客を新設に迎える遠縁の人にしか、見えなかったはずだ。
いや、じっさいには美奈子を通して、ほんとうに濃い関係なのだが。
美奈子が初体験を済ませた相手がこの叔父で、それ以来祐介と結婚してからも、
里帰りのたびに情交を重ねてきた間柄。
わたしもまた、彼と美奈子との関係は尊重することにしていた。
美奈子とわたしとを、ふたりながら初めて征服したのも、彼だったから。
「未来の妻となる美奈子を犯して下さい」――わたしにそんなことを口にさせて悦に入る、わたしといい勝負の変態だった。

初めてわたしを犯した祐介のお父さんも、やって来た。
彼とも初手は、ごく慇懃に挨拶を交わしてゆく。
傍らから挨拶を交し合うふたりを目にした母は、まさかこの男が息子を女として征服しただなんて、思ってはいないだろう。
もっとも彼は、別れぎわわたしのお尻をスカートのうえから勢いよくボンと叩いて、周囲を笑わせていたけれど。

わたしのときには、さいしょのひと晩はそのまま寝(やす)ませてくれたけれど、
母のときには、宴はさいしょの夜から始められた。
美奈子の父親が、母にぞっこんになってしまったからだった。

真夜中。
宴がたけなわを迎えて、灯りが暗く落とされると、いつもの組んずほぐれつが始まった。
わたしの傍らで押し倒された美奈子の叔母は、「あとで・・・ね♪」と、わたしに目配せをした。
似通った面差しの叔母と姪――この村への”帰郷”が思った以上に頻繁になったのは、彼女の存在も理由のひとつになっていた。
わたしのうえには、息せき切った祐介のお父さんがのしかかっていた。
スカートのなかに突っ込まれた節くれだった掌はさっきから、ストッキングを波立てながら荒っぽい愛撫をくり返しはじめている。
母のほうを見ると、さいしょはなにが起きたのかわからなかったらしい、ちょっとびっくりしたような顔をしたが、
迫って来た美奈子のお父さんに、そのまま押し倒されていった。
美奈子は自分の父に手を貸そうと、母の両手首を抑えつけようとしたけれど、
母は「だいじょうぶですから」と、やんわりと美奈子の干渉を拒絶した。
そして、圧しつけられてくる唇を目を瞑って受け止めると、
喪服のブラウスのうえから乳房をなぞるようにまさぐる掌を、這いまわるままにさせていった。
賢婦人といわれた母。
自分から応えることは決してしなかったけれど、動じることなく毅然として、相手の男性の劣情に、身を任せていったのだ。

翌朝、母は鏡に向かって、墓参のための化粧をたんねんに施していた。
「そろそろいいかな」と声をかけるわたしに、「エエ、いつでもよろしいわ」と、鏡を見ながら応える母。
いつもと変わらぬ凛とした雰囲気ををたたえていた。
ちょっとからかってやりたくなった。
「夕べは母さんらしくなかったね」
「そんなことないでしょう」
母は鏡から目を放さずに、こたえた。やはりいつもと変わらないトーンだった。
「うちに置いて来た父さんの写真を思い出して、父さんごめんねって手を合わせましたから」
父さんごめんねで片づけられてしまうのか――女はやはりしたたかだ。
婦人ものの喪服を身に着けているのも忘れ、わたしは思った。
まだまだ女には、なり切れていないみたいだな、と。
言葉を途切らせたわたしに、今度は母がいった。
「母さんらしくないことを言うようだけど」
「なあに?」
「今朝のお化粧、美奈子さんのお父さまのためにしているのよ」

あのかた、やもめ暮らしが長いんですって?
再婚は法的にどうだかわからないけど、まだ私もだれかに尽くしてみたい気もするのよ。
もっともああいう方だから、母さんを未亡人のまま抱きたい・・・なんて仰るかもしれないけれど。

楚々とした母の横顔に、女の表情がよぎるのを、わたしはただ立ち尽くして見つづけていた。
背後からは、朝っぱらから自分の叔父と戯れている美奈子の声が聞こえる。
淫らな静けさを漂わせた田舎の早い朝が、始まろうとしている――

親友の未亡人

2019年02月12日(Tue) 06:34:55

この世を去る間際、親友の祐介は、わたしに言い残した――美奈子をよろしく頼む、と。
祐介は学生の頃からの親友だった。
女装趣味に走ったわたしは30になっても独身をとおしていたが、祐介はそんなわたしにも分け隔てなく接してくれたし、
時には奥さん公認で、女の姿でのデートにも応じてくれた。
もっとも祐介は、奥さんを裏切ったことはなく、セックスの関係はなかったけれど。
こんなわたしでは、美奈子さんが気の毒だ。
結婚に自身を持てないわたしは言った。なによりも、親友の早すぎる死を受け入れることができなかった。
けれども祐介は言いつづけた――きっとうまくいくから。お前も幸せになれるんだから。
祐介がいなくなってから一年経っても、彼女の意思が変わらないのを確かめてから、わたしは美那子と結婚した。
初めて美奈子を抱いた夜は、祐介の命日だった。
法事のかえりに祐介の家に立ち寄り、喪服姿の美奈子にムラムラッときたときには、もう遅かった。
理性の消し飛んだわたしは、祐介の写真のまえで美奈子を抱きすくめていた。
たたみの上に抑えつけられたままの格好で、美奈子はわたしを抱きとめながら、いった。
「祐介の前で、しよ」
――わたしは美奈子の唇を、夢中になって吸い始めていた。

2時間後。
わたしたちは2人肩を並べて、祐介の写真の前で深々と頭を垂れて、将来を誓っていた。

祐介と美奈子は、同郷だった。
初めての里帰りは、祐介の墓参も目的のひとつだった。
美奈子はともかくとして、わたしまで受け入れてもらえるとは思っていなかったので、
夫婦で泊れるようで近くの街にホテルを予約していたのだが、
村の人たちはわたしにも分け隔てなく接してくれて、「いっしょに泊まっていきんさい」と、地元の言葉で言ってくれた。
もっとも方言のきつい土地なので、何をしゃべっているのか、ほとんど聞き取ることができなかった。
ただ、彼らの温和な顔つきで、わたしも歓迎されていると伝わってきた。

村に到着したのは夜だった。
美奈子の実家の人、祐介の実家の人、その近所の人、そのまた親戚の人。
あの広い祐介の実家に、いったいなん十人の人が招(よ)ばれてきたのだろう?
男たちはそろって赤ら顔で、女性たちはそろって、美奈子と同じように色白で気品があった。
四十五十のご婦人でも、えもいわえれない色気を漂わせていた。
翌日お参りに出かけるときのこと。
祐介との約束で、わたしは婦人ものの洋装の喪服姿で墓参をすることになっていた。
おおぜいの人たちのまえで、洋装のブラックフォーマルを身に着けた姿をさらすのは、ちょっと勇気が要ったけれど。
都会の通りではかかとの高いパンプスを履きこなせるほどの経験を持っていたこともあって、
いちど視線を浴びてしまうともう、ふつうに振る舞うようになっていた。
「だいじょうぶ、私も祐介も、あなたのことしゃべっているから」という美奈子の言葉も、背中を押した。

異変が起こったのは、墓参をした日の夜のことだった。
その夜も、身内の宴が用意されていた。
わたしも美奈子も、墓参帰りの洋装のブラックフォーマルのまま、宴席に連なった。
夜中を過ぎて、酔いもかなり回ったころ、突然照明が落ちた。
停電ではなかった。なぜなら、オレンジ色の小さな照明だけは灯っていたから。
けれども、影絵のようになった人影たちは、てんでに組んずほぐれつ、妖しい舞いを舞い始めていた。
それがなにを意味するのかを、わたしは瞬時に覚った。
宴がたけなわを過ぎると、既婚未婚の見境なく、相手かまわず交わる風習――
目のまえでそれを見て体験するとは、夢にも思っていなかった。
すでに美奈子のうえには、美奈子の叔父がのしかかっていた。
やめさせようとする手をさえぎった人影は、わたしを押し倒し、唇を重ねてきた。
相手は、祐介の父親だった。
「あっ・・・それは・・・」
とっさに抗おうとしたけれど、思わずあげた悲鳴は女声になっていた。
祐介のお父さんは強引にわたしの唇を奪うと、「うちの嫁と乳繰り合っておるんだな」という意味のことを土地のことばで囁いた。
地元の方言のきついかれの言葉は、それまでほとんど聞き取ることができなかったのに、この咄嗟の場での囁きだけは、ひどく鮮明に鼓膜に伝わった。
「え、ええ・・・」
不覚にも応じてしまったわたしはいつか、強引に奪われた唇で、せめぎ合うように応じてしまっていた。
黒のパンストを唇でなぶられながら脱がされてゆくのを、わたしは脚をくねらせながら応じていって、
そんなわたしの様子を美奈子は、わたしでも祐介でもない男に抱きすくめられながら、顔を輝かせて見入っていた。

宴は明け方までつづいた。
そのあいだにわたしは、祐介のお父さん、美奈子のお父さんに弟、さいしょに美奈子を犯した美奈子の叔父・・・と、
限りなくなん人もの相手をつとめ、昂ぶりながら応じてしまっていた。
美奈子もまた、なん人もの男を相手に、交接に興じていった。
「お久しぶり」「すっかり女ぽくなりおって」
切れ切れに聞き取れるそんなやり取りから、美奈子が結婚前からすでに、おおぜいの男たちと交わってきたことを知った。
「お婿さん、さいごにビシッとキメてや」
だれかに言われるままに、全裸になっていたわたしは、さいごに美奈子を抱いた。
衆目の見つめる前フィニッシュを遂げたとき、祐介の写真のまえで初めてイッた夜のことを思い出した。
「どっちもこなせるなんて、良い婿さんだな」
傍らから聞こえたその声は、明らかに称賛の意思を帯びていた。
そしてわたしは、この夜を境に、初めはひと言も聞き取れなかったこの土地の方言を、聞き取れるようになっていた。

村を訪れたときには、一対の夫婦の姿をしていたけれど。
都会への帰りは、すすめられるままに、婦人もののスーツ姿で美奈子と肩を並べていた。
「またおいでなさいや、法事のときじゃなくても良かから」
すっかり馴染みになった祐介のお母さんが、優しく声をかけてくれた。
「エエ、すぐ来ます」
私に代わって美奈子が、イタズラっぽく笑って答える。
「この人も、来たがると思いますから」
照れ笑いを視られまいとして、わたしはわざと横を向いていた。
祐介のお父さんは、いった。
「あんたのお母さん、後家さんなんだってな?よければこんど、連れてきなさい」
美奈子のお母さんも、いった。
「みんなで仲良くなりゃええからね」
母は評判の賢夫人だった。
都会育ちの気位の高い母が喪服姿をはだけられながら犯されてゆくのを想像して、
わたしはスカートのなかで思わず、股間を逆立ててしまっていた。

人妻ふたり

2019年02月12日(Tue) 05:10:28

よっぽど飢えているのか?こいつ・・・と、正直俺は思った。
男のくせに俺を襲うとは。
勤め帰りに路上で襲われて、首すじに牙をぐいぐいと突き立てられながら、
どうしてそんなふうに余裕をかませることができたのか?これはいまだに謎である。
でも少なくとも、男はまるきりの獣ではなかった。ちゃんと会話が成り立っていた。
「あんた、よほど飢えているのか?」俺はいった。
同じ勤め帰りでも、スーツ姿のOLがわんさと通りかかるはずなのに。
よりにもよって男を択ぶとは、同性愛者なのか?とさえ思ったから。
けれどもそれは違った。
男はいった。
「あんた有森優子の旦那だろう?わしは優子に惚れてしまった。
 想いを遂げる前に、あんたを仲間に引き入れておきたくてな」
どうりで・・・さっきから・・・目つきがトロンとして来て、傷口が妖しく疼き始めている。
この街に棲む吸血鬼が人妻を狙うとき、しばしば先に夫を狙って口説くというのを、ふと思い出した。
そういうことなのか?と訊くと、あつかましくも、わかっているなら話が速いな、ときた。
契約を結ぶ際、相手に不利な重要事項は事前通知するのが建前だ。
だから俺は、言ってやった。
「あいつ、浮気してやがるんだぜ」
「え?どういうことだ?」
「夫公認の彼氏がいるって言っているんだ」

人妻を襲うとき、夫への事前通告をするというルールは存在するらしいが、
通告の対象に浮気相手は含まれていないらしい。
やつは、あんたの彼氏の了解は要らない、と言い切った。
優子のまえで、少なくとも俺の優位性を認めてはくれたというわけだ。
俺はその事実になんとなく納得して、そのまま血を与え続けた。

そんなふうにして二度逢って、それから優子を紹介するために、自宅に誘ってやった。
結婚式帰りのその夜、優子はやつの注文通り、若づくりに着飾っていた。
人妻を襲うときには、その装いもろとも辱める。
そんなけしからぬ嗜好を、俺は好意的にかなえてやることにした。
晴れ着を泥まみれにさせながら、妻が堕ちてゆくところを視たかったのかもしれない。
予定通り、優子はブラウスを真紅に染めながら生き血を吸い取られ、
陶然となって堕ちていった。

吸血鬼の奴隷に堕ちたあとも、日常に変化はなかった。
夫婦関係とか日常生活とかを壊さないのが、やつらの鉄則らしかったから。
俺は優子と今までどおり、なにも起こらなかったかのように暮らしつづけて、
優子は今までどおり、浮気相手との逢瀬を重ねた。
そのくせ吸血鬼との情事も、愛人に断りなく、だれにもまして乱れるようになっていった。
そのうちに優子は、したたかなことを思いついた。
「貴方は私の浮気な性分を理解してくれるけれど――あのひとの奥さんはだめね」
「あのひと」というのはもちろん、優子の愛人である酉葉雄介である。
彼は同じ勤務先の同僚で、妻とは社内パーティーで知り合っていた。
そして、同僚の妻であるということにも考慮を払わず、見境なく優子を犯し、夢中にさせた。
けれども彼の妻である里美は根っからの堅物だった。
見合い結婚したという里美は重役の娘で、箱入り娘だったのだ。
そして、浮気性な夫の浮気を敏感にかぎつけては、夫の不埒を詰り倒しているという。
「あのひとの奥さんを、あいつに襲ってもらうってどう?」
浮気相手の妻を陥れL計画を、どうして夫に相談するのだろう?
優子の寄せる変な信頼感に、それでも俺はこたえていった。

「あたしが行くのはまずいから、代わりにあなた行って」
自分の妻を襲わせることに、酉葉はかなりの抵抗を示したが、
日常的に犯している人妻の旦那である俺のまえで、強く出ることはできなかった。
「同僚と取引先の社長を酉葉の家でもてなす」という俺のアイディア(その実優子の発案だった)を、酉葉は渋々呑んだ。
女房を寝取られる旦那の気持ちが、今ごろわかったか――俺はちょっとだけ、意地悪な気分を楽しんでいた。

優子の新しい情夫である吸血鬼は、表向きは如才ないビジネスマンだった。
彼はたくみに酉葉の妻である里美にもお酒をすすめ、言われるままに里美も杯を重ねた。
アルコールに和らいだ席は次第にしどけなくなって、
吸血鬼は首尾よく?招かれた家の主婦をモノにしていた。
悪酔いして身体を傾けたまま、妻の痴態を渋面を作って見つめる酉葉に、俺は胸のすく想いだった。

ある晩家に戻ると、意外にも玄関のまえには、里美が佇んでいた。
いつもより仕事が早く片づいて、夕暮れの名残りが残る時分だった。
薄闇に透けて見える里美は、初めて堕落を経験したあの晩と同じように、小ぎれいに着飾っていた。
「うちの主人がお邪魔しているんです」
え?と問い返す俺に、
「あと、この間のあの方は、娘さんのお部屋で家庭教師をしているそうです」
言われるままに娘の勉強部屋の灯りを見あげる俺は、きっと間抜けな顔をしていたと思う。
「口うるさい私を首尾よく黙らせたご褒美ですって――あのかたたち、処女の血がお好きなんですものね」

落ち着かないですね、よかったらうちへ来ませんか?
返事も聞かずに先に立って歩き始めた里美は、黒のストッキングを穿いていた。
いかにも地味なよそ行きのスーツはきっと、堅物らしい彼女のチョイスなのだろう
ひざ下までも丈のあるスカートの下、黒のストッキングを通してピンク色に透きとおるふくらはぎが、なまめかしかった。

誘われるままに俺は、酉葉夫人に連れられて、彼女の家にあがりこんだ。
それから先のことは、もう言うまでもないだろう。
「あんなふうに、お宅に戻りにくい夜は、うちで休んでいってくださいね」
奥さまの代わりに、私お相手しますから――
しおらしく目を瞑った彼女の生真面目な横顔は、少女のようにウブだった。

都会育ちの若妻、村の風習にまみれる。

2019年02月10日(Sun) 09:11:28

磯辺の息子の晴也が妻の香澄を伴って村を訪れたのは、両親がこの地に移り住んだ翌年の夏のことだった。
そして、自分の両親がこの村で体験した不思議な話を聞かされた。
香澄は遠慮しようとしたが、義父は「香澄さんにも聞いてもらって構わない」といって、
赴任してすぐ、お母さんに夜這いに協力してほしいと頼み込まれて引き受けたこと、
それでもどうしても、お母さんを本気で好いている人以外にゆだねる気にはならないと訴えたこと、
ところが意外にも、お母さんが親切に面倒を見た男の人が、お母さんのことを好きになってしまったと告白してきたこと、
ひと晩だけのつもりでその人とお母さんとを逢わせてやったが、お母さんもその人のことを好きになって、
いまでは一緒に暮らしていることを告げた。

晴也はいった。
「だとするとお父さんは、お母さんに素敵な恋をさせてあげたことになるんだね」
息子の意外な言葉に磯辺は驚いたが、「お前がそう受け取ってくれるのなら、母さんもよろこぶはずだ」とこたえた。


ひと晩両親の家に泊まると、地元の若い衆に誘われるまま、晴也はつまといっしょに山に山菜取りに出かけた。
若夫婦の目当ては地元の新鮮な山菜であったが、
若い衆たちの目当てはもちろん、磯辺の息子が伴った若妻の新鮮な肉体だった。
人目のない山奥にまで来ると、三人の若い衆は、息せき切りながら若夫婦をふるい山小屋に引き入れた。
そこは、彼らが夜這いをかけた人妻を呼び出して、ひと晩じゅう愉しむために作った隠れ家だった。
山小屋に誘い込まれた晴也はあっという間に三人がかりで縄で柱に縛りつけられて、
びっくりして声も出ないでいる香澄は、やはりあっという間に男どもの猿臂に縛りつけられるようにして、犯された。
村の若い衆たちは、都会の洗練された装いの若妻を手籠めにして、好き勝手に熱情を注ぎ込んでいった。

予定通り山菜取りを終えた彼らは、若夫婦を磯辺の家の近くまで送り届けた。
若い衆の頭だった一人は、自分の居所を描いたメモを香澄に渡して、
夫の晴也には、逃げも隠れもしない、おれのしたことが罪だというのなら、訴えてもかまわないと告げた。
そして、「急なお願いだったのにご夫婦でこたえてもらって嬉しかった」と、不思議なことを口にした。

ふたりきりになると、香澄は晴也にいった。
「ねえ、もう一度してもらおうよ。あたし、三人がかりなんて初めて。凄く感じちゃった♪」
晴也があきれていると、「あたしもお義母さんみたいな、素敵な恋がしてみたい♪」と訴えた。
そしてさいごには、「晴也が嫌なら私一人でも行く♪」とまで、言ったのだ。
晴也は仕方なく、新婚三か月の妻に素敵な恋をさせてやることにした。

妻はノリノリ、夫は渋々なのを、迎え入れた若い衆たちはひと目で見抜いた。
けれども夫の渋々は、世間体を気にしてのものだということまで、見抜いてしまっていた。
彼らは晴也に対して、「こないだは縛ってゴメンな。きょうは一緒に楽しもう♪」と告げた。
村の男衆たちが息荒く香澄に挑みかかってゆくのを見せつけられた晴也は、
自身も不可思議な昂ぶりを覚えて、彼らに促されるままに妻の身体にのしかかっていった。
意外にも香澄が抵抗したことが、晴也の性欲に、かえって火をつけた。
愛欲まみれの一日が過ぎると、彼らはすっかり、兄弟のように仲良くなっていた。
「こんどはうちの嫁を抱かせてやる」という誘いに乗る晴也を、香澄は睨みつけたけれど。
「その留守は俺たちがお邪魔するから」
という三人の申し出は、決して拒否しなかった。

「お義母さまは純情だから、お1人がいいみたいだけど――
 あたしはおおぜいの男子にモテるのがいいな。
 もしかしたらあたし、多情なのかもしれない――こんなお嫁さんでゴメンね」
そういう香澄を許すという意思表示の代わりに、晴也は熱いキスを交わすのだった。

「子どもができるまでは、ほどほどになさいね」
姑の香奈江は、嫁の香澄をそういって送り出す。
若い嫁の生き先は、女ひでりの若い衆たちの乱交の場。
夫である息子でさえ、その交わりを許してしまっている。
そして自分は――
夫の留守中に、同居している年上の男のために都会の装いを着飾って、犯されてゆく。
出かけたはずの夫は、きょうも庭先から息をひそめて、妾(わたし)の痴態を昂ぶりながら見つめつづけるのだろうか――

都会育ちの熟妻、夜這いの風習にまみれる。

2019年02月10日(Sun) 08:48:36

都会でのぜいたく暮らしの末、破産寸前になった磯辺は、勤務先の計らいで人里離れた村里へと転勤を命じられた。
その土地は会社の創立者の生まれ故郷だった。
磯辺は妻の香奈江を伴って赴任したが、その直後上司を通じて、奇妙な申し出を受ける。
この村では夜這いの風習がまだ残っているので、奥さんにも協力してほしいというのだ。
磯辺はうろたえながらも即座に断るが、上司の依頼はくり返しつづけられた。
創立者は、過疎化にさらされた生まれ故郷のことを気にしていて、
女ひでりになっていたこの村に若い女性を補充するために、自分の社員やその妻たちを移り住まわせていたのだ。

磯辺は訴えた。
「ひとの大事な妻をもてあそぶとは何事か。わたしの妻を本気で愛するつもりもないくせに!」
ところが意外にも、村川と名乗る一人の男が名乗り出た。
怪我をしているところを行きずりの奥さんに助けられた、親切にしてもらってとても惹かれたと。
村の夜這いは原則として不特定の相手と交わることになっていたが、例外的にだれかが一人の人妻を独占することも認められていた。
村川は磯辺よりも10歳も年上で、つれあいに先立たれていた。
村の衆たちは、若かったころの村川が、その妻を気前よく夜這いに差し出していたことを知っていて、
村川であれば来たばかりの都会妻さんを独り占めにしても認めると口をそろえていった。
ひととおりではない借金を棒引きにしてもらった見返りに、観念した磯辺は妻に夜這いの協力をさせることを約束した。

妻の香奈江は夫でもない男に抱かれることを嫌がり、貴方にも息子にも顔向けできなくなると訴えた。
磯辺は、いままでの義理もあるのでひと晩だけは相手をしてもらう、
そのうえで、もしもどうしても厭だったら、その時には私から断ってあげようと請け合った。
未経験の妻が抵抗することを見越した村の衆たちが、磯辺にそのようにしても良いと事前に告げていたのである。

夫が夜勤に出た夜、香奈江は初めて村川を自宅に迎え入れる。
そして戸惑い、うろたえながらも、男の腕に抱きすくめられていった――
一夜明けて帰宅した夫は、そこにいままでと変わりない妻を見つける。
ひと晩の情事のあとをきれいに拭い去った妻は、夜勤明けの夫を優しく迎え入れ、何ごともなかったかのように振る舞うのだった。
香奈江は、夕べのことはなにも語らなかった。
そして、今後夜這いを受け容れるのは勘弁してほしい――とも、口にしなかった。

それ以来、香奈江は週にひと晩の頻度で、村川を自宅に迎え入れた。
いつも、夫のいない夜だった。
そして、朝までまぐわい続けると、夜勤明けの夫を優しく迎え入れた。
朝から着飾って自分を迎える妻を見て、村川は思った。
この身体が夕べ、わたし以外の男の身体を受け入れたというのか――
得も言われぬ昂ぶりに胸を焦がしながら、磯辺は久しぶりに妻を強引に抱きすくめた。

村の衆たちは、周囲の評判を気にする磯辺を気づかって、磯辺の妻と村川の関係に、いっさい触れようとしなかった。
磯辺にも、その気遣いは伝わっていた。
村川はやもめだったが、磯辺から香奈江を取り上げようとはしなかった。
狭い村のことだから、2人が顔を合わせる機会は随所にあった。
けれども村川は終始磯辺に対して、都会の大学を出たエリート社員への敬意を忘れなかった。
磯辺は、村川を妻の愛人として受け容れる気持ちになっていた。
彼は、夜勤を週二回引き受けたいと上司に願い出た。
転任してきてから三か月経つと、香奈江と村川の逢瀬は週に3回となった。
週3回の夜勤が体力的にこたえた磯辺は、香奈江にいった。
「村川さんがお前に逢いたいと言ったら、わたしがるときでも出かけて行ってかまわない」と――
やがて村川は、磯辺の招きに応じていままでの家を引き払い、磯辺夫妻と同居するようになった。
そして、磯辺夫人の用心棒兼愛人として、夫の磯辺が不在の時はもちろん、
彼が居合わせているときでも、磯辺夫人と愛し合うようになっていた。

息子夫婦にあらいざらいその話をしたのは、彼らが村に赴任してきた直後のことだった――