FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

装う。

2019年03月29日(Fri) 07:07:50

サラサラとした肌触りのスリップを身にまとい、
なよなよとしたストッキングを脚に通して、
ゆったりとしたブラウスの袖を通し、
楚々とそよぐスカートを腰に巻いて、
肩までかかるウィッグをかぶり、
きめ細やかでほのかに薫るメイクを吐いて、
かすかな潤いを帯びた口紅を差すと、
女性の装いのゆるやかな束縛感が、わたしを幸福感で充たしてくれる。

相手が吸血鬼だったとしても、分け隔てすることなく接することができるし、
彼の欲望に応えてあげる優しさが、全身からにじみ出てくる。
自分の欲望を遂げたいよりも、
相手の欲望を遂げさせることに倖せを感じて、
ただひたすらに、奉仕し尽してしまいたいと一途に想う。

今月はお話がよく浮かびます。

2019年03月29日(Fri) 06:46:02

前作で、今月あっぷした記事の数は37となりました。
月別のアーカイブを見ればわかるのですが、
2011年8月の39あっぷ、2011年1月の63あっぷ以来の数字です。
きっと、すとれすがマックス!なのでしょう。(笑)

30以上の記事をあっぷするのが稀・・・ということは、毎日更新することはほとんどないということになります。
このブログが発足した当初は、ほぼ毎日更新していましたし、1日に数話あっぷする日も少なくありませんでした。
(最多あっぷ記録は、2006年12月の108あっぷ)
それがいつのころかくずれてしまいました。

ココに登場する異形の世界は、かなり小さいころから妄想しつづけてきたものです。
文章として具現化したいという想いが募ってきて、
「描きたい」気分が噴出してきたアウトプットの場として作りました。
もともと無理して「1日1話!」なんて決めていたわけではなく、
「描きたいときに描く」
「やめたくなったらやめる」
というスタンスを続けてきたためか、少なくなることはあっても途切れることはありませんでした。

時折、「そろそろたねぎれかなあ」と思うときがあります。
描き切ったと感じたら、いつでもやめてかまわないと思います。
有害な記事を無用に垂れ流している行為かもしれないから。
けれども、イメージが噴出する限りは、まだもう少し、続けていこうと思っています。

棲み分ける。

2019年03月29日(Fri) 06:26:20

吸血鬼に狙われたカップルがいた。
さいしょに彼女のほうが襲われて、血を吸われた。
まじめなカップルだったので、彼女はまだ処女だった。
久しぶりにありつく処女の生き血に満足した吸血鬼は、
さっそく彼女をたぶらかして、処女の生き血を愉しむために、週にふた晩は逢うようになった。

初めのうちは抵抗していた彼女も、やがて吸血鬼の魔力に屈し、彼氏にナイショで逢うようになった。
彼氏が気づいたときにはもう手遅れだったが、
貴男の血も分けてあげて欲しいと懇願する彼女に従って、潔く自分の血も与えるようになった。
彼女は、昼間は彼氏と、夜は吸血鬼と過ごすようになった。

挙式の日が近づいた。
彼女の純潔を男ふたりのどちらが勝ち得るのか?三人が三人とも悩んだ。
けっきょく彼氏のほうが一歩譲った。
記念すべき初夜を、三人で過ごすことにしたのだ。
彼女の純潔を吸血鬼に差し出す代わり、彼女が処女を喪失するところを見届けることにした。
たっぷりと見せつけられてしまった彼氏は、自分の花嫁を犯される歓びに目ざめてしまい、
そのあとなん度も花嫁と愛し合った。

彼氏と彼女は夫と妻となって、いまでも睦まじく暮らしている。
そして妻が吸血鬼と過ごす夜には、三度に一度は夫も居合わせて、
間男の喉の渇きを癒してやったり、ふたりの熱いところを、夢中になってのぞき見したりするのだった。

おおまた。

2019年03月28日(Thu) 07:58:17

彼女の浮気現場を見てしまった。
相手は吸血鬼で、彼女と腰を合わせながら、首すじに咬みついていた。
紺のハイソックスを履いたままの脚で、大またを広げて昂る彼女――
眼の色が変わってしまったぼくは、彼女に頼み込んで、
つぎの日吸血鬼を誘わせて、見学させてもらっていた。

いまの女房となった彼女。
同じ吸血鬼と浮気をくり返している。
肌色のストッキングを半脱ぎにして、大またを広げて昂っていて、
ぼくはそんな彼女の痴態を、あのころと同じように目の色を変え覗いて愉しんでいる。

色がわり。

2019年03月28日(Thu) 07:38:13

入学当時は全員が、白のハイソックス。
そして全員が、校内に出没する吸血鬼に狙われる。
やがて夏服に衣替えする前後から、一人また一人と咬まれていって、
真っ白なハイソックスを紅い血潮に血浸しにされてしまう。

やがて彼女たちは紺のハイソックスに履き替えて、
足許に撥ねたしずくの色をごまかそうとする。

冬服に戻るころには、多くの生徒が黒のストッキングを脚に通して、
大人の女になる日を、心待ちにし始めてゆく――

嫁と姑

2019年03月25日(Mon) 04:41:31

都会育ちの若い嫁が、公民館で吸血鬼に襲われて犯された。
近所の奥さんに会合があると誘い出されて行ってみたら、
そこには彼女目あての吸血鬼が一人で待ち構えていて、
「私は吸血鬼。あんたの血が欲しい」
といって、一方的に襲いかかったのだ。
若い嫁は抵抗したが、すぐにねじ伏せられて首すじを咬まれ、生き血を吸われた。
貧血で朦朧となったころ、ブラウスを脱がされパンストを引き降ろされて、犯された。
ひとしきり嵐が通り過ぎると、男は女を介抱しながら、いった。
都会から来たあんたが気になって、チャンスを窺っていたのだと。
そして、この村の奥さんがたはだれもが、吸血鬼を情夫にしているのだと。
あんたのしたことは村の人妻として当然のことだったのだから、だれにも恥じることはないのだと。
女は夫を愛していたが、こんどのことは夫に黙っていることにした。
夫を傷つけたくないから、内緒でつき合ってほしいと願ったのだ。
その実、吸血鬼の手管に身体の芯まで火照らされてしまっていることに、女は気づかずにはいられなかった。

毎日のように公民館に出かけてゆく嫁のことを、同居していた姑が怪しんだ。
息子が田舎に赴任するときいて、自分の夫まで退職してその村に棲みたいと願ったのだ。
夫はとある会社の重役だったが、悪事が加担して会社にいられなくなっていた。
息子のほうもそんな夫の口利きで就職したものだから、やはり会社にいづらくなっていた。
そんなわけで、この村に移り住んで、二世代住宅を構えることになったのだ。

姑は、いつになくおめかしをしてウキウキと出かけてゆく嫁のあとをつけていった。
嫁の悪事を暴きに行くのにふさわしく、折り目正しく地味なスーツ姿で出かけていった。
自分の足許を染める薄地のストッキングが、吸血鬼を発情させるのだなどとは、夢にも思わずに。

公民館にたどり着くと、嫁がふすまに囲まれた一室に消えるのを見た。
中には自分よりも年配の男が控えていた。
気づかれぬようにふすまをそうっと開くと、嫁はブラウスの襟首をくつろげて、男に首すじを吸わせていた。
まあ、なんと不埒な・・・!と憤った姑は、浮気の現場を抑えようとその場を起とうとした。
そのとき、彼女の肩を、別の男の手が抑えた。
あッ・・・!と叫ぼうとした口許を抑えられながら、姑は自分の首すじにチクリと鈍痛が走るのを覚えた。
相手は嫁を犯しているのと同年輩の吸血鬼だった。
「ああああああ」
姑は目を回しながら生き血を吸われ、その場で犯されてしまった。

怪しい行動をとる嫁を尾行して、浮気に耽る現場を抑えようとして、かえって犯されてしまった姑は、
行為をくり返すうちに不覚にも、忘れかけていた性の歓びに目ざめてしまった。
そして、隣室で嫁が浮気に耽っているのもかえりみずに、
強引に肉薄してくる男の逞しい腰つきに、腰の動きを合わせていった。
さいしょはぎごちなく、それからはすっかり打ち解けて!

恥を忘れて乱れてしまったことを姑は恥じたけれども、
この村に来た途端、あんたにひと目惚れしてしまったのだと口説かれて、ついその気になった。
これがこの村のしきたりなのだ、あんたは村の伝統を尊重してくれたに過ぎないのだといわれて、
「そうなのですね、私のしたことは間違っていないのですね」
と、くり返し念を押しながら、もういちど抱かれていった。

嫁がすらりとした脚にまとったストッキングを破かれながらふくらはぎからの吸血を許している隣の部屋で、
姑も豊かに熟れた脚を染めるストッキングを破かれながら、ふくらはぎからの吸血を受け入れていった。

「どうしたの?このごろやけに、ご機嫌じゃないか」
若い夫に何気なく問われた若い嫁は、
「あら、そんなことないわ」
と照れた。
そして照れ隠しに、最近この村で仲良しができたのといった。
田舎も案外住み心地が良いものね、この村を任地に選んでくれてよかったわ・・・とつづけた。

「どうしたね?このごろばかに、ご機嫌じゃないか」
永年連れ添った夫に何気なく問われた姑は、
「アラ、そんなことありませんわ」
と恥じらった。
そしてその場を取り繕うように、最近この村で知り合いができたのといった。
田舎だと思ってばかにしていたけれど、とてもいいところですね、ここにきてよかったわ・・・とつづけた。

「あなた、ちょっと習いごとにいってくるわね」
「あなた、ちょっとお友だちに会って来るわ」
嫁と姑はいつになく仲良く、小ぎれいな装いを身にまとい、ふたり肩を並べて出かけてゆく。
情婦たちのために装ったスーツ姿にワンピース姿を、夫たちは眩し気にしながら送り出していった。
「どうした?やけに楽しそうじゃないか」
と夫たちに訊かれると、
「アラ、そんなことないわ、ただの習いごとよ、エヘヘ」
「そうそう、私もただの会合よ、ウフフ」
日ごろ折り合いの良くなかったはずの嫁と姑が、にこやかに笑み合いながら出かけてゆく後ろ姿を、
夫たちはいつまでも見送っていた。

「よかったですね、父さん。母さんが吸血鬼に気に入ってもらえて」
「お前こそ、よかったのか?治子さんをあいつらに喰わせてしまって」
「エエ、治子があんなに気に入ってもらえてよかったです」
「村に棲みつく条件だったからな、妻を彼らに縁づけるのは」
「ところでどうしましょう?二人にはまだ、だまっていましょうか?」
「そうだね、そのほうが賢明だろう。母さんも潔癖な人だから、我々に売られたときいたら少しはご機嫌斜めになるだろうし」
「そうですね、うちにしてももう少し親密になるまでだまっていたほうが、よけいに感謝されそうですし」
男2人はウフフと笑い合い、お互いの妻が折り目正しく脚に通したパンストが、情夫たちを悦ばせるためだと知り抜いていた。


あとがき
夫たちに隠れて吸血鬼との情事に耽る妻たち。
そんな妻たちを裏で隠れて吸血鬼に取り持っていた夫たち。
秘密を抱えた同士というのは、どことなく居心地が良いような、良くないような・・・(笑)

ひとつのありかた。

2019年03月22日(Fri) 08:25:37

吸血鬼との情事に耽る妻。
そのありさまを覗いて昂る夫。
最低の夫婦かもしれない。
けれどもそんなわたしたちを、吸血鬼は恩人だという。
たしかに――わたしたちの血を吸うことで、彼は生きながらえているのだから。
夢中なところを見せつけることに生きがいを感じる妻。
最愛の妻が辱め抜かれるところを覗いて、ストレスを忘れる夫。
変態夫婦と吸血鬼とは、良きセックス・パートナー。

塗り替えられた記憶

2019年03月22日(Fri) 08:16:32

きっ、吸血鬼・・・!
小声で叫んだ孝子に、吸血鬼が迫った。
カラフルなワンピースを着た少女は、あっという間に抱きすくめられ、首すじを咬まれていった・・・
貧血を起こしてぐったりとなった少女をソファに寝かせると、男はにんまりと笑い、
ハイソックスを履いた少女のふくらはぎに、無慈悲な唇を吸いつけてゆく。
なすりつけられた唇の下、真っ白なハイソックスがみるみる真紅に染まった。

ちぇっ、お前のロ〇コンも、まったく治らねえな。
相棒の吸血鬼が、傍らからからかった。
少女を襲った吸血鬼の兄だった。
そういう兄貴の腕のなかで、少女の母親、琴絵が首すじから血を流して、ぐったりとなっている。

兄貴だって、おばさん専科じゃないか。
口を尖らせる弟に、兄貴は「まぁ・・・な」と、あいまいに嗤った。
そして、琴絵の足許に唇を近寄せて、ストッキングを破りながら血を啜り始めた。
不運にも琴絵には、まだ意識があった。
礼装を辱めながら吸血をつづける相手をどうすることもできずに、
相手の思うまま、熟れた血潮をむざむざと愉しまれていった。

「あ・・・うん・・・」
そのあとは、自然の成り行きだった。
琴絵のスカートは兄貴の手が、
孝子のワンピースのすそは弟の手が、
慣れた手つきでたくし上げていった。
良家の母娘は、そろって眩しい太ももをさらしながら、さらなる汚辱の刻を迎えた。
「娘だけは堪忍して」
という母親の願いは、聞き入れられなかった。
「お母さんも祝ってあげようよ」
耳もとで兄貴にそう囁かれたときには、
孝子は太ももに淡い血をあやしながら、沈み込まされた逞しい腰に、腰の動きをぎごちなく合わせていたし、
琴絵自身もまた、肉薄してくる強引な腰つきに、セックス慣れした身体で応えはじめてしまっていた。

不運にも、ちょうどそのとき、夫のキヨシが帰宅してきた。
「お前たち!何をしている!?」
立ちすくむ夫はすぐさまふたりの吸血鬼に迫られて、両側から首すじを咬まれた。
あとは、妻や娘がたどったのと、まったく同じ経緯だった。
貧血を起こしてへたり込んだキヨシに、ふたりはなおもおおいかぶさって、血を啜った。
働き盛りの血液は、不埒な吸血鬼どもに、新たな精力を得させてしまった。

「処女の血も、悪くないよな」と、兄がいい、
「俺、女を抱きたくなった」と、弟がいった。
孝子の処女は弟のほうがすでに奪ってしまっていたが、
その夜のうちなら処女だと、彼らは見なしていた。

幸か不幸か、半死半生になったキヨシには、まだ意識があった。
「奥さんの名前、何という?」
「それを訊いてどうするのだ」
「教えてほしいから聞いているんだ、そうしたら命は助けるから」
弟の言葉を信じた夫は「琴絵」と妻の名を口にした。
妻にのしかかる吸血鬼がどうして妻の名を聞きたがったのか、すぐにわかった。
弟は琴絵の服を剥ぎ取って、「琴絵、琴絵」と名前を呼びながら、犯したのだ。
「あああああ」
キヨシは屈辱に震えた。

娘の孝子にも、むごい運命が降りかかっていた。
「きれいなおべべ、だいじにしようね」
兄の吸血鬼は孝子の血を吸いながら、血しぶきが孝子の着ているワンピースに撥ねないよう気遣いをしていた。
孝子にもそれがわかるのか、せめてお洋服だけは台無しにされまいと、抗うことをこらえていた。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ・・・
吸い取られてゆく処女の血潮が悲し気な音をたてるのに、キヨシはふたたび悶絶した。
「きみの血は、俺たちの身体のなかで、母さんの血とひとつになるのだよ」
兄貴にそう囁かれて、孝子は観念したように身体の力を抜いた。

初めての夜に男をふたりも識ってしまった少女には、無軌道な青春が待ち構えているのだろう。
「悪い評判が立たないよう、気を使ってやるからな」
吸血鬼たちの捨て台詞が、キヨシを黙らせた。
しばらくは憤りを抑えきれなかったキヨシは、妻や娘が彼らと密かに密会を重ねていると知り、
もはや成り行きに任せるしかないと観念した。
兄弟は、和解を誓ったキヨシを慰めるため、記憶を塗り替えてやった。

―――

吸血鬼の兄弟が、妻と娘を見初めた。
妻も娘も常識のある婦人だったので、外聞を気にして、なかなかお二人のご好意に応えようとはしなかった。
それで、恋情を抑えかねたふたりは、ある夜わが家に侵入して、強引に欲望を遂げてしまった。
娘は初めての男に夢中になってしまい、
用心深かった妻も、無防備にさらけ出した貞操をむさぼり尽されて、不覚にも歓びを覚えてしまった。
わたしが帰宅しても、彼らは妻や娘に対する好意をあらわにすることをはばからなかった。
それくらい、妻と娘のことを気に入ってくれたのだと、わたしは理解した。
彼らはいちど結んだご縁を深めるために、獲物を取り替え合って愉しんだ。
そして、はからずも妻と娘を提供することになったわたしに同情をして、夫として父親としての名誉は必ず守ると約束した。

妻も娘も魅入られてしまって、彼らとの逢瀬を重ねるようになった。
それでも妻はわたしによく尽してくれ、娘もいままで以上に勉強に励むようになった。
わたしはお二人を、よろこんで家庭に迎え要れることにした。
妻も娘も、お二人との交際を願ったためである。
彼らの習性の理解を示し協力を約束したわたし自身も生き血を差し出すようになって、
ふた組のカップルが愛し合う場で、歓びを共にするようになった。
わたしの親友である吸血鬼たちは、良家の貞淑な人妻と令嬢と結ばれて、愛人としてゲットすることに成功したのである――

同級生への恋

2019年03月22日(Fri) 07:28:50

琴美は同級生のタカシに恋をした。
タカシは吸血鬼だった。
琴美はタカシに言った。

私の血をあなたにあげたい。
痛くてもいい、私を咬んで――と。

処女喪失の痛みにあたるのだろうと、琴美はおもった。
タカシは琴美を咬んで、生き血を吸った。そして二人は恋人になり、結婚した。

タカシは琴美に隠れて、琴美の母や妹を襲った。
実の母や妹まで牙に明けたと、義母から聞かされた。
琴美を咬む頻度が減ったのは、
妻の健康を気遣ってのことなのか、
ほかの獲物を欲しただけに過ぎなかったのか、
琴美にも、たぶんタカシにも、わかっていない。

寛大な妻と娘。

2019年03月21日(Thu) 20:55:01

女装趣味に目覚めてしまったわたしに、妻も娘も寛大だった。

娘は自分の制服を持ち出して、
ママに新しいのを買ってもらったから、いままでのはパパにあげると言ってくれた。
ねぇ、着てみてみてとせがむ娘の前、彼女の制服を身につけると、娘はよく似合うねといった。
ねぇ、女子高生の制服を着ると、ドキドキする?と訊かれて思わず頷いてしまったわたし。
もっとドキドキさせてあげるとわたしの顔を覗き込むと、娘はいった。
先週この制服で、初めて彼氏に抱かれたの。処女喪失しちゃったの。
ママにはナイショね、とウィンクする娘に、ふたたび頷き返してしまっていた。

妻も自分の礼装を持ち出して、あなた着てみてと囁きかけた。
ためらいながら身につけると、似合うじゃないとイタズラっぽく笑った。
自分で着たい服をあたし用に買ったのね。
妻はふたたびイタズラッぽく笑うと、ねぇ、女の服を着るとときめくの?と訊いた。
思わず頷いてしまったわたしに、
もっとときめいてみませんか♪と、妻はわたしの顔を覗き込んだ。
先週この服を着て、初めて彼氏に抱かれたの。貞操喪失しちゃったの。
彼に新しいの服を買ってもらったから、この服は好きなときにいつでも着てね。
貴方の秘密を知ったけど、あたしも秘密を抱えちゃった。話してスッキリした。
初めての浮気を告げた妻は、むしろ清々しいほどサバサバしていた。

ごめんねと囁く妻を抱き寄せて、これからもこうしていいかいと囁くと、
決まってるじゃない、あたしたち夫婦よと応えてくれた。
ことが果てたあと。
女どうしでしてるみたい。
妻は肩をすくめて、イタズラッぽく笑った。

父や夫に寛大な母娘は、ほかの男にも寛大だった。

かつて品行方正だった良家の令嬢、令夫人は、服装もろとも淫らに塗り替えられて、
淫行の証拠品をわたしに着せては、彼氏の自慢話を語るのだった。

礼装を好む吸血鬼。

2019年03月21日(Thu) 20:51:48

礼装を好む吸血鬼がいた。
夫婦ながらお相手をつとめるようになってから、冠婚葬祭のたびにつきまとわれた。
礼装のときは決まって、妻が高価なストッキングを脚に通すのは、
決して訪問先への礼儀作法のためだけではないことを、帰り道に思い知る。

お見合いの結果。

2019年03月21日(Thu) 20:50:55

娘が吸血鬼と見合いをした。
同伴した妻も、見合いの対象だった。
髪を振り乱し着衣を着崩れさせて帰宅したふたり。
楽しい方だったわねと、母娘ともにこやかだった。

喪服女装。

2019年03月21日(Thu) 20:50:08

交際相手の吸血鬼に、法事に来いと呼び出された妻。
わたしも婦人ものの喪服を着て、肩を並べて参列した。
法事のあとは、フリーセックスタイム。
妻とひとつ部屋で、肩を並べて犯された。
帰る道々、破けた黒のストッキングを気にかけながら、
貴方のほうに大勢群がっていたと、妻に愚痴られた。

三角関係。

2019年03月21日(Thu) 20:49:13

妻の情夫に迫られて、男どうしのセックスをした。
真面目な妻がどうして堕ちたのか、身をもって納得した。
夫婦ながら愛されることを望んだわたし。
以来彼とは、妻に内緒で逢っている。

前作「時空を超えた男」 かいせつ

2019年03月15日(Fri) 07:14:58

前作は、明け方布団のなかでまどろんでいるときに泛んだお話です。
さいごのオチはやや強引にみえるかもしれませんが、すでにその時点で確定していました。
強引になってしまったのは、たぶん柏木の筆力のなさですね。^^;

よく読むと、冒頭部分ではきのうきょう知り合ったような書かれ方をしているのに、
末尾になると実は子供のころからの関係になっています。
時空のねじれで微妙に状況がずれているのか、たんなる穴ぼこなのかは、描いた本人にもよくわかりません。(笑)
吸血鬼との同居を許してしまう下町というのも、いったいここはどこの村なのだろう?というくらい不思議です。
もっとも、ある時期からウグイス色の電車は、地方の近郊でも使用されるようになったので、
そこは地方の近郊で古くからある街と解釈してもいいのだと思います。

もっとも大きなツッコミどころは、(以下はネタバレになりますが)、
譲一の親が譲一自身になるところです。
現代から数十年前にタイムスリップした譲一は、そこで自分と同じ年恰好の青年と出逢います。
すでに血を吸われ始めていた譲一は、その時点ではもう立派な?吸血鬼になっていて、
助けてくれようとする青年の血を吸ってしまいます。
けれども青年は寛大にも、いっしょに住もうと言って、彼女と二人で暮らしているアパートに譲一を招き入れます。
青年の期待通り?譲一は青年の彼女である君枝さんを無理強いに襲おうとはしませんでした。

君枝さんを初めて咬んだときの状況は、たぶんにふたりの演出なのでしょう。
帰りをわざと遅らせる彼氏。譲一の習性を知りながらハイソックスの脚を見せつける彼女。
それでもふたりが一線を越えようとしないのは、彼氏さんにたいする思いやりの部分なのだと思います。
譲一の習性を知って彼女の血を吸わせるタカシ。恋人の意向を酌んでわが身を同居人の欲望にさらす彼女。
ふたりの好意を受け止め、どこまでもフェアに振る舞おうとする譲一。
お互いがお互いに安心をしているからこそ成り立つ関係です。

タカシがいっしょに暮している恋人と肉体関係を結んでいないのは、譲一に処女の血を愉しませるためだけではありませんでした。
そもそも譲一と出会う前から、そういう関係ですからね。
ふたりは実の兄妹だった・・・という伏線を、ここで張ってみました。
お互い惹かれ合いながらも、結ばれて子供を作ってしまうことには、遺伝学上のためらいがあった というわけです。
それでも子供が欲しかった二人は、譲一に子どもの父親になってもらう という選択をします。
このお話は、ただの”NTR"ではないのかもしれません。
君枝さんが大きくなった息子をふたたび連れてきて譲一に引き合わせることで、
お話はつぎのステージへと進みます。
少年の血を吸っている譲一と、母親の知人相手に自分の血を吸わせている少年とは、同一人物なのです。
それって矛盾じゃないというツッコミはとうぜんありだと思いますが、柏木はなぜか矛盾を感じません。
やがてふたりは、華恵をまえにして入れ替わっていきます。
若い譲一と入れ替わって華恵の主となる、齢を取った吸血鬼バージョンの譲一が行き着く先は、案外ふつうの人間に回帰する道なのかもしれません。
そこをさりげなく、本文のなかに入れ込んでみました。

不思議なお話でしたが、1時間半ほどかけて、一気に描き上げてしまいました。
矛盾に満ちているのに、ここまで柏木を引っ張ってくれたお話。
不思議な引力を感じています。

さいごにファッションについて。
君枝さんのファッションは、かなり具体的に描き込みましたが、80年代に爆発的に流行ったものです。
濃紺と緑のチェック柄のスカートに(もちろんほかのタイプのスカートも多々ありました)、透ける紺のハイソックス。
ひどく印象に残っています。
タカシが穿いていたストッキング地の紺のハイソックスは、いまでは絶滅危惧種ですが、当時のサラリーマンの間で流行っていました。
男もののほうがなぜか色つやが良く、ゴムの部分もしっかりとした帯のように太いタイプでした。

時空を超えた男

2019年03月14日(Thu) 07:00:30

目を疑った。
行き交う電車の色が、ウグイス色一色だった。
いつも見慣れているステンレスの地の色がぴかぴかとした、あの電車ではなかった。
新型の電車なのか?それにしてはやけに古くさく、やぼったい。
ふと周りを見回すと、数秒前まで見ていたはずの景色が一変していた。
自分の住まいであった無機質で真四角な高層マンションは跡形もなく、
せいぜい高くて二階建ての古びた木造の商店が軒を連ねている。
道路の輪郭だけが、数秒前の記憶と完全に重なり合っていた。
タイムスリップ?
そういうことか・・・
なぜか、すんなりと納得してしまった。
だとしたら、一体これから、どうやって暮らしていけばよいのだろう?
譲一は途方に暮れて、夕焼け空を仰いだ。


さいごの記憶は、妻の華恵といっしょにいるところだった。
華恵のほかに黒い影のような男がひっそりと佇んでいた。
そいつとはつい先日、知り合ったばかりだった。
初対面のはずなのに、どこかで逢ったことのあるような気がした。
そんなはずはないのだ。
彼は自分の父親よりもずっと齢が上で、そんなに高齢な知り合いはほとんどいなかったのだから。
けれども彼とは、妙に急速に打ち解けていった。
まるで蟻地獄に蟻が落ちてゆくように、引きずり込まれるような感じだった。
同性のくせに、まるで恋人のように譲一の首すじに唇を吸いつけてきた。
かすかな痛みとともに、血を吸い上げられる感触を覚えたが、なぜかそのまま許してしまった。
逢うたびにそうされていって、時には貧血を覚えるほどだったのに、吸血を許しつづけた。
なん度めかに吸われたとき、彼は「きみの奥さんの血も吸いたい」と囁いた。
ふつうの理性が働いていたら、とうてい許すはずはないのに、
なぜか彼になら、華恵の血を吸わせてやってもいいような気がして、気軽に頷いてしまっていた。
「人妻の血を吸うときには、恋人同士のように睦んでしまう」とさえいわれたのに、
心配だからと目のまえで華恵の血を吸ってもらい、結婚してまだ間もない若妻の血は、たっぷりと抜き取られていった。
ことのついでにと彼が華恵にのしかかってゆくのを、制止するすべを忘れていた。
華恵もまた、長年の恋人を受け入れるようなたやすさで、いともあっけなく堕ちていった。
その後の記憶が、妙にぼやけている。
華恵を独り占めにしたい――そういわれて、同意してしまったような記憶がかすかにあった。
同意してふたたび血を吸われ、気がついたら異世界にいた。
これからどうすればよいのかのあてもないのに、うろたえることもなく、自分の選択を後悔していない自分が不思議だった。


「きみ、どこに行くの?」
声をかけてきたのは、若い男だった。
肩までかかる長髪が、やはりなんとなく古くさくて、やぼったい。
着ているTシャツも、ファッションなどにほとんど興味のない自分の着ているもののほうが、まだしものような気がした。
スラックスの下からのぞくくるぶしが、紺の靴下を通して透けている。
ストッキングのように薄い靴下を履いているなあと、何気なくおもった。
そういえば昔父が、勤めに出ていく時にこんな靴下を履いていたっけ、と、ふと思い出した。

「どこから来たかよく憶えていない?記憶喪失か?困ったな」
その若い男は当惑しながらも、譲一とかかわってしまったことをさほど苦にしていないようだった。
古い商店街を抜けたところが、譲一の時代とは同じ広さの公園があって、砂場の奥にはベンチがあった。
当時はやっていたらしい炭酸飲料の名前が、ベンチの背もたれに派手派手しく描かれていた。
どことなく丸みを帯びた、古くさい字体だと譲一はおもった。

公園の真ん中には時計台があって、すでに6時をまわっていた。
そういえばあの老人は、今夜は華恵と過ごすと言っていた。
いまごろ華恵はまた、あの老吸血鬼に抱かれているころだろうか、と、ふと思った。
嫉妬も怒りもわいてこないのが、不思議だった。

この時代の子供たちは皆良い子だったらしく、公園にはすでに人影がなかった。
「少しずつ思い出してみて、きみの名前はなんていうの?お昼はどんなご飯を食べた?」
ベンチで隣り合わせに腰かけたその若い男は、偶然行き会った同年代の男のために、稚拙な親切心を示してきた。
さすがに、妻の生き血を吸血鬼に吸わせていたなどとは、口にできなかった。
こんどこそ、「き〇がい病院」に通報されてしまうだろう。
「やれやれ、困ったな・・・」
青年は何気なくスラックスをたくし上げて、靴下を引っ張り上げた。
脛まで丈のある紺の靴下が、淡い体毛の浮いた脛をじわりと染めた。
譲一は、喉が引きつるのを感じた。

気がつくと青年の足許に四つん這いになって、足首をつかまえて、ふくらはぎを吸っていた。
薄い靴下の感触が、サラサラと唇をよぎった。
「う?何すんだよ?」
青年はさすがに怪訝そうに眉をしかめたが、譲一の行為を強いてやめさせようとはしなかった。
それが命取りだった。
譲一の犬歯が、まるで勃起するように突き出して、尖った牙に姿を変えた。
犬歯の切っ先がじりじりと疼き、その疼きに耐えかねるように、譲一は牙を青年のふくらはぎに埋めた。
「ああッ!!」
青年は低くうめいた。
引き抜いた牙にも、口許にも、生温かい血が散っている。
青年の履いている薄地の紺の靴下は、縦に大きな裂け目を走らせていた。
薄地のナイロンに透ける蒼白い皮膚が、譲一の渇きをそそった。
譲一は青年の足首をもう一度つかまえると、ふたたび牙をふくらはぎに擦りつけた。
薄地のナイロンの舌触りを、ひどくしなやかだと感じたときにはもう、容赦なく再び喰いついていた。

したたかに吸い取った血液は、美酒のように譲一の身体を熱くした。
靴下を見る影もなく咬み破ってしまうと、もう片方のスラックスも引きあげて、血に濡れた唇を紺の靴下の上から擦りつけた。
なよなよとした薄いナイロン生地の舌触りをぞんぶんに愉しむのを、それでも青年は止めようとしなかった。
時折、「あー」と声をあげながらも、譲一の気が済むまで、血を吸われつづけていた。

「気分、落ち着いた」
譲一がようやく行為に耽るのをやめたとき、青年は力の抜けた声を投げてきた。
「すまないです」
決まり悪そうに譲一はいった。
けれども、口に残る青年の血の味に陶然としてしまうのを、抑えることができなかった。
「吸血鬼だったんだね」
「どうやらそうみたいです」
「自分のことを憶えていないわけだ」
「そういうことなのかもしれません」
「もう吸わないの?足りたかな?」
青年はベンチに浅く腰かけたまま、身体の力が抜けたようになっていた。
「どうやら、気が済んだみたいです、ありがとう」
青年は、「いいえ」と言っただけだった。
苦情を言い立ててもおかしくないはずなのに、想像をかけ離れて穏やかな態度だった。
「このへん、吸血鬼が出るらしいんだよね、ぜんぶきみの仕業なのかな」
人を襲ったのは初めてだと、譲一は正直にこたえた。
「だとすると、きみたちはドラキュラ映画と違って、そんなにたくさんの血を必要としていないんだろうね」
青年はいった。

彼によると、吸血鬼が出没するようになったのは、かなり以前からのことらしい。
ここは下町だから、だれがなにをしているのかがすぐにわかってしまう、
だから、タバコ屋の娘が襲われて血を吸われたのも、八百屋のおかみさんが配達の帰りにこの公園に連れ込まれたのも、
街じゅうが知ることになるのだという。
けれども被害届は一件も出ていないし、もちろん死んだ人もいない。
むしろ街の人は、変わった病気の持ち主なのだろうと、吸血鬼に同情をしているらしかった。
「きみがよそから来たのだとしたら、居心地よく過ごせると思うよ」
青年はそういって、もしも寝る場所もないのなら、うちに泊めてやるから――と言ってくれた。
彼女と一緒に暮らしているんだけど、できれば無理強いしないでほしい、血はぼくがあげるから、と、青年はいった。

青年の彼女だという君枝がバイト先から戻って来たのは、ふたりが家に着いて30分ほど経ったころだった。
「アラ、お客さん?」
そういって譲一を眺めるまなざしには、無警戒な親しみが籠められていた。
譲一は、すこし後ろめたい気がした。
そんな気分を察したものか、青年はすぐにいった。
「さっき仲良くなったばかりなんだけど、この街に来た吸血鬼、きみのことはいきなり襲わないって約束したから大丈夫」
「君枝。ぼくの彼女です、よろしくね」
君枝さんは、相手が吸血鬼だと聞かされても、さほどびっくりしなかった。
吸血鬼のうわさが広まっているからかなと思ったが、
君枝さんは彼のことを愛していて、彼のいうことは100%信じているからだとあとで知った。

君枝さんは色白で、長くて豊かな黒髪をむぞうさに肩に流していた。
輪郭のはっきりした面差しに、太い眉、細い目、丸い小鼻。
決して美人ではないが、和やかな性格が顔に出ていた。
好きな同士は、顔つきまで似るのだろうか。ふたりはどことなく、似た雰囲気を帯びていた。
バイト帰りという君枝さんは、黄色のトレーナーに濃紺と緑のチェック柄のスカート、紺の透けるハイソックス。
このころの流行りなのだろうか、大人の女性というよりは、女子大生のような雰囲気だった。
服装も、髪型も、和やかな目鼻立ちにしっくりと似合っていた。
「おっと、あぶない」
青年は君枝さんにおどけてみせた。
「ハイソックス履いていると危ないよ、彼、ハイソックスを履いた脚に咬みつくのが好きなんだ」
自分の習性をあっけらかんとばらされて、譲一はひどく決まり悪いものを感じた。


3人の不思議な共同生活は、けっこう長く続いた。
譲一は君枝さんと2人きりになることを避けて、青年がいないときに君枝さんがバイト先から戻ってきたときには、
入れ違いに公園でぶらぶらすることにした。
公園には若いお母さんが子供を連れてきていた。
小さな子供とはなるべく距離を置こうとしたけれど、顔見知りになった30代のおばさんは、
「あんた吸血鬼さんだろ、遠慮しないでうちの子の血を吸いな、いつもこの公園にいるなら、この子と仲良くくしてね」
といって、息子を引き合わせてくれた。
彼女の息子は下町の子にしては育ちがよさそうで、いつも半ズボンの下に白のハイソックスを穿いていた。
譲一がハイソックスを履いたままのふくらはぎに咬みついて、白のハイソックスを真っ赤に濡らしてしまうと、
「おやまあ、行儀の悪い」と口を尖らせたけれど、
血を吸われた男の子もお母さんも、彼を嫌悪するそぶりはみせなかった。
初めてモノにした人妻も、このおばさんだった。
長い靴下を履いた脚に魅かれるという譲一の習性を察すると、
つぎの日からはスカートの下に肌色のストッキングを穿いて公園に現れた。
息子が友だちと砂場遊びに夢中になっている傍らのベンチの裏、
彼女は咬み破られたストッキングを穿いたままの脚をばたつかせながら、スカートの奥を熱い粘液で濡らされていった。

そろそろ青年が仕事から戻ってくる頃だと見はからって公園からもどったある日の夕方。
思惑が外れて、青年の帰宅はまだだった。
「彼、今夜は帰りが遅いんだって」
いつものように和やかに迎え入れてくれた君枝さんは、
初めて会った時の黄色のトレーナーに緑のスカート、それに紺のハイソックスを履いていた。
「ハイソックスを履いていると脚を咬まれちゃうからね」
と、恋人にさりげなく禁じられた装い――敏感な目線を足許に感じて、君枝さんはちょっとどぎまぎしていた。

初めては首すじにした。
敬意を込めた接吻にしようとしたけれど、やはり気持ちが上ずって、昂ぶりながら喰いついてしまった。
抱きすくめた腕のなか、君枝さんは「あっ!」と声をあげ、あげた声に自分で戸惑いながら、
全身であらわすうろたえを、抑えかねていた。
チュウチュウと音を立てて血を吸い始めると、
「ゴメン、タカシ、ごめんね・・・」と、恋人の名前を呼んだ。
いよいよお目当てのハイソックスの脚もとにかがみ込んでゆくと、君枝さんはいっそう、そわそわと落ち着かないようすになった。
ハイソックスを咬み破られるという行為に、いかがわしさ、いやらしさを本能的に感じているようだった。
タカシのハイソックスは硬質な舌触りでかすかな光沢を滲ませていたが、
君枝さんのハイソックスは同じ透ける靴下でも、地味なタイプだった。
そんなところにさえ、君枝さんの地味な性格が出ているような気がしたし、
自分のためにわざわざおニューのハイソックスをおろして脚を通してくれた気遣いに感謝しながらも、
恥知らずにも、その真新しいナイロン生地にくまなく唇や舌を擦りつけて、
同居を許してくれた青年の恋人の足許を、恥知らずなよだれで濡らしてゆく行為に熱中してしまっていた。

長いこといっしょに暮しているふうなのに、君枝さんはまだ処女だった。
「あなたに処女の血を吸わせるために、彼は私に手を触れないの」
と君枝さんは言ったけれど、少なくとも半分は事実だった。
それからさらにしばらくのあいだ、譲一は君枝さんとタカシとの共同生活を楽しんだ。
タカシはさいしょの夜と同じように、意図的に帰りを遅らせて、譲一を君枝さんと2人きりにしてくれた。
そういうときには君枝さんは必ず譲一の好きなハイソックスやストッキングを穿いて、
うら若い血を心ゆくまで吸い取らせてくれた。
それでもタカシへの想いは一途で、タカシが帰宅してくると約束した時間が近づくと行為をやめようといって、
何事もなかったかのようにきれいに部屋を掃除して、恋人の帰宅を迎えるのだった。
タカシが君枝さんへの吸血を許してくれたのは、譲一が無理無体に自分の恋人を犯したりはしないとわかったからなのだろう。
譲一はタカシの信頼を裏切るまいと思った。

タカシはそれからもしばらくのあいだ、君枝さんには手を触れないでいて、
同居している吸血鬼のために処女の生き血を愉しませてくれた。
「いつかは結婚するんだろう?」
2人を前に譲一が無遠慮に訊いたとき、タカシは「もちろんさ」とはっきりと答え、
そんなはっきりとした答えを初めて聞いたらしい君枝さんは、嬉しそうに誇らしそうに、タカシのことを見つめるのだった。
「きみ、人妻が相手の時には必ず犯す習性をもっているんだよね?」
タカシの質問に、譲一はそうですと答えると、タカシは言った。
「君枝と結婚してからも、彼女の血を吸っていいからね」
ふたりのやり取りを、タカシの傍らに控えていた君枝さんは、感情を隠した顔つきで、ただ黙って聞いていた。


新婚旅行から帰って来た二人とは、しばらく疎遠になった。
いつまでも同じアパートで暮らすわけにはいかないから、譲一はタカシに保証人に立ってもらって、別にアパートを借りて住んでいた。
公園で知り合ったお母さんや、成長して年頃になった少年少女を家にあげては、餌食にしていたのだ。
だれもが、吸血に耽る彼のことを、とやかくはいわなかった。
処女の子には、本人が望まない限りそれ以上手を出さなかったし、
貧血でつぎの日に学校を休む子もいなかった。
彼の存在は公然のものだったが、さほど苦にはされていないのだった。

タカシと結婚した君枝さんが、そんな譲一のアパートを独りで訪れたのは、新婚一か月経ったころのことだった。
薄茶のよそ行きのサマースーツが、スリムというにはちょっとだけ豊かな体格を、引き締めてみせていた。
土間に滑らせたつま先は、肌色のストッキングに包まれていた。
君枝さんが大人の女性になったのを、譲一はなんとなく実感した。
「来てくれないから、来ちゃいました」
おどけた口調だったけれども、語尾が緊張に引きつっているのを、譲一は敏感に聞き分けた。
「あっ、タカシも逢うこと賛成してくれたから」
新婚そうそうに妻に浮気をされちゃうのって、キツいんじゃないかな・・・譲一はふと言いかけたけれども、
言葉にすることのむごさを感じて、言いかけたセリフを呑み込んだ。
けれども君枝さんは、彼が思っていたのと同じことを口にした。
「新婚早々の奥さんに、浮気されちゃうの、あのひともかわいそうね」
おだやかで、落ち着いた声だった。
「子どもが欲しいの。でも事情があって、あたしたちの子というわけには、いかないの。手を貸して」
君枝さんは小手にかざした両手を合わせて、懇願してみせた。

ほとんど男性経験のない身体は初々しく、却ってそそられてしまった。
初めてハイソックスを履いて脚を咬ませてくれたときと同じように、彼女はぶきっちょに振る舞って、
「タカシ、ごめん」と呟いて目を瞑る。
不器用さがかえって相手をそそり立てるのを、たぶん彼女は自覚していない。
薄茶色のスーツに身を包んだ若妻を畳のうえに組み敷いて、譲一はスカートの奥になん度も果てた。
いままでなん人もの女を抱いたけれど、これほど愛した女はいないと感じた。
向こうの世界に置いて来た華恵のときでさえ、どうだろうか。
彼女の素肌が、彼の肌によくなじむのを感じた。
同じ血が流れている――そう感じたのはきっと、彼女の生き血をそれだけふんだんに、わが身に摂り込んだためだろう。
咬み破られた痕を幾すじも走らせたストッキングを穿いた脚が、古びた畳のうえを、淫らにくねった。
君枝さんは明らかに、昂奮していた。


何年かが過ぎた。
その後譲一は、処女の味を覚えた。
処女は華恵一人にしておくつもりだったが、男としての欲求には勝てなくなっていた。
公園で襲った少女たちのなん人かは、彼の手で大人の女になった。
そのときの様子を、あとで生唾を呑み込みながら聞き入っていた男の子たちのなかには、
譲一が犯した少女と付き合って、結婚したものもいた。
そういう新婚家庭には、譲一は遠慮なくあがりこんだ。
時にはそうした新妻たちと旧交を温め合うこともあったが、亭主たちはとやかくいうことはなかった。
あとから話を聞いて昂奮していたかつての少年のころと同じように、夫たちは生唾をのみ込んで、
妻がヒロインの不倫ビデオを生の演技で愉しんでいた。

そんなとき、ひとりの男の子を連れたお母さんが玄関先に現れた。
「来てくれないから、来ちゃった」
そのひとは、あのときとおなじ言葉を口にした。
「うちの子の血を吸ってくれるかな、良く言い聞かせてあるから、仲良くしてね」
そういってパートに出かけていった女は、数時間後に戻って来ると、
紺のハイソックスを血で濡らしたまま気絶している息子の傍らに寝そべって、
息子のハイソックスを咬み破った牙に自分の穿いているストッキングを気前よく咬み破らせてしまうのだった。

譲一は、気がついていた。
君枝とタカシとは、実の兄妹だったのだと。
それでも愛し合った二人は、二人で暮らしていく道を選び、
子どもの不幸を恐れたために、自分たちの育てる子の父親は、別の男性をと願ったのだと。
そして、いま目のまえで、ハイソックスの足許を晒し、気前よく咬み破らせてくれている少年は、かつての自分自身なのだと――
やがて少年は大きくなって、華恵という名の恋人を連れてきて、処女の生き血を吸わせてくれるのだろう。
そして結婚してからも、ふたりの関係を許してくれて、やがて最愛の妻を自分が独り占めにすることを許してくれて、時空の彼方に旅だつのだろう。
自分はこれから華恵と、いつまでいっしょに歩いていくのか。
きっと自分と華恵との間に子供が生まれ、その子を愛することで、吸血鬼から人間に戻っていくのだろう。

かつて迷子になった自分を、靴下を破らせて血をあてがってくれた父親と、
身をもって女の身体を教えてくれた母親を想って、
譲一は知らず知らず、過去の世界に放り出されたあのときのように、天を仰いでいた。

”彼女”の妻。

2019年03月10日(Sun) 09:29:58

以外にも。
”彼女”の妻は、乱交サークルに参加しなかった。
不倫女房がなにをいうかといわれるかもしれないが、
彼女は彼女なりに真面目であって、純情だった。
夫以外の男に抱かれる罪悪感をさほど感じずに済んだのは、相手が吸血鬼だったからだった。
女装者として夫が経験を重ねることに、彼女はいっさい口出しをしなかったけれど。
乱交サークルへの参加は、「それだけは嫌」と、はっきりとした意思表示をした。
「貴方以外の男性は、吸血鬼さまだけにしたいの」
そういわれた”彼女”は、最愛の妻の貞操を譲り渡す相手は、吸血鬼ひとりに限ることに同意をした。

お互い不倫を重ねながらも、夫婦は信頼し合い、愛し合っていた。

”彼女”。

2019年03月10日(Sun) 09:23:40

女装して男のひとに抱かれるのが好き――
既婚者なのに、この想いをどうすることもできない。
そんな悶々とした日々を解決してくれたのは、取引先の社長だった。
彼は乱交サークルにも参加しているという。
いつか、そういう場にも連れて行って。
そう願った”彼女”の希望を、男はすぐにもかなえるつもりでいた。
そのころ”彼女”の妻は、女装趣味に耽る夫に苦情を申し立てることはしなかった。
なぜなら妻は、吸血鬼との不倫に夢中になっていたから。

妻の服を着たまま家でまどろんでしまった”彼女”が異変に気がついたとき、
すでに吸血鬼の腕のなかにいた。
きつく抱きすくめられる猿臂に、むしろ”女”としての本能を目覚めさせられてしまっていて、
”彼女”はもっと・・・もっと・・・と呻きながら犯され、血を吸い取られていった。
その日”彼女”の家庭に侵入してきた彼が、”彼女”の妻を目あてにやって来て人違いをしたのか、もともと”彼女”を目あてに現れたのかは、ついにわからない。
どちらにしても”彼女”は、以来吸血鬼の虜になった。

吸血鬼は”彼女”に女装不倫を重ねる相手だった取引先の社長を紹介させて、夫婦ながら血を吸った。
彼らもまた、吸血鬼の奴隷に堕ちた。
もともと夫婦で乱交サークルに参加した社長夫妻は、吸血鬼のやり口に耐性をもっていた。
同じサークルの男性会員に妻を組み敷かれるのを視て昂る夫も、
夫の前で乱れる自分自身を見せつけることに熱中していた社長夫人も、
吸血鬼を交えたプレイに昂ぶりを覚えた。

”彼女”と吸血鬼とは、そうした経緯で乱交サークルに招かれた.。

招待。

2019年03月10日(Sun) 09:12:19

乱交サークルに参加していた夫婦が、吸血鬼と親しくなった。
妻を抱かれたのがきっかけだった。
彼らはしばしばサークル外で逢うようになったが、
妻だけでは十分な血液を提供できないことを、夫はすまながっていた。
同時に、妻の体調のことも、男ふたりは気にかけていた。

サークルへの参加は、同居している夫の母親にも、年頃の娘たちにも、秘密にしていた。
「簡単なことではないか」
吸血鬼はそういって、もっともシンプルな問題解決に乗り出した。
招待された家庭で、まず姑が首すじを咬まれて、
学校から戻ってきた娘たちも、齢の順に咬まれていった。

「家内をどうぞ、召し上がれ」
自分の妻が咬まれて犯されるのを目の当たりにして昂ぶりを覚えた夫は、
吸血鬼との行為のあと、妻に覆いかぶさっていった。
自分の母が咬まれて犯されるのを視たあとは、
着崩れさせた着物からチラ見えする母親の素肌に唇を這わせていって、
娘たちが結婚前の身体を汚されるのを視たあとは、
制服のスカートをたくし上げ、ハイソックスをずり降ろして、初々しい股間に腰を静めていった。

以来、彼の家庭はしばしば、乱交サークルの会場として提供されている。

吸血鬼。

2019年03月10日(Sun) 08:59:12

乱交サークルに、吸血鬼が紛れ込んだ。
ふだん血を吸っている女装者を連れて、入り込んできたのだった。
紹介者はすでに、妻も娘も吸血鬼に差し出していた。
淫らな女の血は旨い。
そううそぶいた吸血鬼は、乱交サークルへの参加を望んだ。

魔性の黒い渦は、女たちをつぎつぎと組み伏せていって、ひとり、またひとりと、首すじを咬んで血を啜った。
女たちは驚きうろたえながらも、新たな歓びに目ざめてしまい、
四十代の人妻は、熟れ切った血を。
結婚を控えた二十代のOLは、うら若い新鮮な血を。
歓喜の声をあげて、吸い取られていった。

「気分が悪くならないくらいの吸血なら、いいんじゃないかな」
男性メンバーたちもまた、彼の加入を分け隔てなく受け容れた。
妻や婚約者をほかの男に抱かれる歓びと。
女家族や同僚の女性が生き血を吸われてウットリするのを見守る愉しみと。
案外同質なものであるらしい。

最多記録?

2019年03月10日(Sun) 08:51:56

たぶん、このブログのいままでの長い歴史のなかで、1日に生まれたお話の数がいちばん多いときで8つだったと思います。
2006年くらいのことで、大昔です。
もっともあのころ描いていたのは、読み切りのお話のなかでも比較的長編だったので、字数でいえば比較にならないでしょうねえ・・・

きょうはやけに、興が乗ります。^^;

発展。

2019年03月10日(Sun) 08:49:42

乱交サークルはあくまでも、非日常を体験することでストレスを発散させることが目的だった。
だからあくまでもその場限りの、割り切った関係だった。
それでも、身体の関係がそれだけでとどまらなくなりがちなのも、男女の仲というもの。

夫婦で参加した夫のほうが、女性メンバーと。
婚約者同士で参加した彼女のほうが、男性メンバーと。
サークルの外でアポイントを取り、密会する関係に発展することもしばしばある。
お互いの関係を尊重し合うのがサークルの趣旨だったから、
そうした場合にも、メンバーは静かな応対に終始する。

夫婦メンバーの妻は見て見ぬふりをしながら、自分も別のパートナーとホテルに出かけ、
新婚の夫は、新妻がサークル外活動をするのをおだやかに送り出す。

嫁の飛行を咎めようとした姑が、実の息子とできてしまったり、
性の歓びに目ざめた妻に引き入れられた夫が、息子の嫁とできてしまったり、
乱交サークルの延長線上には、公認不倫や家庭内不倫が、妖しいとぐろを巻いている。

風紀の乱れた学校。

2019年03月10日(Sun) 08:40:24

乱交サークルに、教え娘を同伴する男教師がいた。
同じ学校からは、男子生徒を同伴する女教師もいた。
それとは知らず乱れ合い、別々の出逢いが生まれた。
数年後。
「〇〇先生と××先生とがご結婚されます」
と、全校集会でお祝いが披露され、
「〇〇くんと××さんが結婚することになりました!」
と、同窓会でお祝いが披露された。

女装専科。

2019年03月10日(Sun) 08:35:23

乱交サークルには、男性会員だけの集いも存在する。
半分は純男、半分は女装者の集いである。
女装者は自前の服を持っているものもいるが、妻や彼女の服を着てくるものもいた。
そうした”彼女”たちは、既婚者でありながら純男のパートナーと参加しているのだが、
乱交の場で身に着けていた服を通して妻や彼女のことが気になるメンバーがいたりすると、
けっきょく配偶者までもが、引きずり込まれてしまうのだった。
妻がほかの男に抱かれる傍らで、妻の服を身に着けてべつの男と乱れる夫――
だれもが納得し、それぞれの歓びをかち得ていった。

コスチューム。

2019年03月10日(Sun) 08:29:32

乱交サークルのメンバーは、それぞれしかるべき職業に就いていた。
あるものは大病院の看護婦、
あるものはデパートのエレベーターガール、
あるものは金融機関の窓口勤務。
制服を着用して参加すると、その日の参加費用はタダになる――
そんなルールのためか、給料日前になるとにわかに、勤務中に参加するビジネスレディがあとを絶たなくなる。

兄妹。

2019年03月10日(Sun) 08:23:35

彼女のいなかった兄が、乱交サークルに参加したがった。
けれどもそのサークルに参加するには、女性を同伴しなければならなかった。
彼女のいない兄は、やむなく妹を誘い込んだ。
兄さんがどうしてもって言うのなら――と、妹は渋々サークルに参加した。
数か月経って、兄が結婚相手に選んだベスト・パートナーは、他ならぬ自分の妹だった。
ふたりは両親が止めるのも聞かずに仲間うちで結婚式を挙げ、
やむなく参加した両親もまた、乱交サークルのメンバーとなった。
暗闇のなかでのことだから、妹の最初の相手が誰なのかは、わからずじまいだった。
花嫁の純潔はサークルに捧げた――妹を妻にした男は、そう思うことにしている。

いけない姑。

2019年03月10日(Sun) 08:17:30

息子夫婦の様子がおかしいと察した姑が、乱交サークルに参加する二人を、それとは知らず尾行した。
「あなたたち、何をなさっているの!?」
ふたりを咎めようとした姑の周りを、男性メンバーが取り巻いた。
そして、目を白黒させている姑を、3人がかりで犯してしまった。
潔癖な生活を送って来た姑は意外にも、初めての輪姦プレイで目ざめてしまい、
息子夫婦がびっくりするほどはまり込み、もっともっととせがみつづけた。
「夫婦で納得しているのなら、まあ良いでしょう」
着崩れしたスーツを気にしつつも、姑は気丈にもそう告げた。

きょうのことはナイショにしようね――そういう約束だったのに。
「夫婦はいっしょにいるべき」という思想の持ち主である姑は、
永年連れ添った夫をどう説得したものか、半年後には夫婦でサークルに参加していた。

喪服プレイ。

2019年03月10日(Sun) 08:10:08

身内の法事の帰り道、夫婦で乱交サークルに参加した。
妻の喪服姿に多くの男性メンバーが目の色を変えて、むらがった。
久々に一番人気を獲得した妻は、しばらくのあいだ喪服で参加するようになっていた。

婚約者。

2019年03月10日(Sun) 08:08:07

所属していた乱交サークルに、婚約者を誘った。
あなたが責任を取って下さるのなら――と、彼女は誘いに応じた。
当日、イカした服装でばっちりキメてきた彼女は、ごくもの慣れた態度で、淫らな渦の中に身を投じていった。
実はこのサークルのOGなのだと、あとでわかった。
居合わせたメンバー全員が、ふたりの前途を心から祝った。

出逢いの場。

2019年03月10日(Sun) 08:02:40

世間に知られていない乱交サークルがあった。
完全に会員制で、メンバーは身元の確かな男女ばかりだった。
そのサークルで出逢って結婚したカップルもいた。
結婚後も彼らは、夫婦でサークルに参加しつづけた。

ナースストッキングのコレクション

2019年03月03日(Sun) 09:49:14

これは前澤看護婦の、これが信太看護婦の、これは・・・
院長先生の目のまえで、つぎからつぎへと取り出したのは、純白のナースストッキング。
どれも破けて、かすかに血潮を散らしているという、まことにナマナマしいありさま。
だって、ナースコールで呼び出して、その場で気絶するまで血を吸って、そのうえふくらはぎを咬むときに穿いていたやつだから。
襲って、生き血を吸い取って、犯す。
一連の行為のあとのさいごの”儀式”が、そう、「パンスト脱がし」。
モノにした看護婦の脚から抜き取ったストッキングは、たいせつなコレクションだ。
そいつを院長先生に見せびらかすのは、悪趣味といえば悪趣味だが。
さいごのほうに取り出した白のストッキング。
これ、婦長のやつですよ。いつも、光沢入りの、高そうなやつ穿いているんですね。
「鮫村婦長まで姦ってしまったのか!?」
絶句する院長先生にはもう一足、とっておきのお土産がある。
なん足もの白のナースストッキングに紛れて一足だけ持ち込んだ、肌色のストッキング。
これまた光沢が毒々しくギラつく、見るからに高価そうな一品だった。
「院長夫人のおみ脚から、つつしんで抜き取らせていただきました」
わざわざ説明するまでもなく、院長夫人が身に着けていたストッキングには、白く濁った粘液までもが乾いてこびりついて付着している。
院長先生、さすがに沈黙、天を仰いでしまった。カワイソ!
「奥さまのことは、とりわけ大切にします」
少し気を持ち直した院長先生に、お気の毒だがつい、追い打ちをかけてしまう。
「でも奥様は、輪姦パーティーもお好きなようで。仲間を呼んだときにはいつも、ナースステーションにお見えになって、
 ほかの看護婦たちといっしょに、乱れまくるんですよ。^^
 すでに仲間のうち3人が、奥さまのストッキング、せしめちゃっていますから」

翌朝。
きのうはすっかり打ちしおれていた院長先生は、少しだけ元気を取り戻していた。
「家内には、恥をかかないよう高いものを身に着けるように言っておいた」
小声の囁きには、いつにない昂ぶりが籠められていた。
俺はついほんとうのことを、囁いてしまっている。
「院長夫人は、院長先生を心から愛していますよ。
 いつだって犯されているときには、”あなた・・・あなた・・・ごめんなさい・・・”って、口走っていますから。^^
 なんなら今度、検証して御覧なさい」
院長先生の威厳の鎧にかすかなほころびが生じたのに気づいたのは、きっと俺だけにちがいなかった。

ナースステーション 侵蝕。

2019年03月03日(Sun) 09:25:42

深夜のナースステーションには、数名の看護婦が常時、勤務している。
そのなかで、ひと晩で襲うのは一人と、決めている。ほかの患者の迷惑になるから。
どの看護婦を襲うかは、身辺に付き添われたときの仕事ぶりで決める。
生真面目過ぎても、夫を愛しすぎてもいけない。適度に練れた看護婦。そうなると、おのずと対象はしぼられてくる。
個室の病室にナースコールを入れて、お目当ての看護婦を呼び出すと、
スキを見て首すじに咬みつく。
口から洩れる悲鳴を両手で抑えつけ、グイグイと強引に吸い取ってしまう。
貧血を起こしてその場に倒れると。
白のナースストッキングに染まったふくらはぎに、唇を近寄せる。
ブチブチと咬み破りながらの吸血は、まったくもって、こたえられない。
つぎに顔を合わせたとき、女は自ら進んで白衣の襟首をくつろげて、豊かな胸もとや首すじに、淫らな唇を受け入れてゆくだろう。

中堅どころの看護婦数名を落とすと、さいごはいよいよ婦長の番だ。
婦長ともなると、なにしろ肝が据わっている。
いちどは目を回してしまったとしても、次回からは動じることなく毅然と俺の欲望を受け止めてくれる。
主人にはナイショですよ――
そう言いながら、度重なる吶喊に、歯を食いしばって呻きをこらえる。
職業意識の強い彼女にとって、職場の雰囲気を守ることは、とてもたいせつなことだから。

婦長を征服してしまえば、話は早い。
彼女は最も適した看護婦を人選して、俺のもとに送り届けてくれる。
本人の性格、男遍歴、血液型、当日の体調・・・すべてがインプットされているのだから。

どうしてこんなことが可能なのかって?
院長と院長夫人が、俺の目論見に最初から、賛同してくれているのだから。

姑ばなし。

2019年03月03日(Sun) 09:12:08

このごろ、姑が出てくるお話が多いです。^^;
年輩のきちんとした感じのする気丈なご婦人が、吸血鬼に迫られて堕ちてゆく。
でも完全に人格が崩壊してエロエロになってしまうのではなくて、
ちゃんと本人のプライドもこだわりも、いくばくか残っている。
そのうえでなお、夫ならぬ身に迫られたり、夫たちの好奇の視線を浴びながら営みに耽ってしまったり、
そこそこ奥ゆかしさの残された情事というのが、わたしの好みです。

嫁の乱行を止める立場、という意味では、姑は夫と同じくらい、場合によってはそれ以上に大きな障害となるべき立場。
それが鉄壁の備えを崩されて、嫁もろとも堕ちてしまう・・・というのは、ひとつの家庭の終着点のような気がします。

都会の母娘のストッキング。

2019年03月03日(Sun) 09:04:34

都会のオフィスで穿きこなしたストッキングを、
田舎の嫁ぎ先の義父に咬み破られながら、うら若い血潮を啜られて、

婚家に遊びに来た母親に目をつけた吸血鬼は、
嫁の父親が秘めていた、娘と姦りたいという願望をかなえてやって、
その引きかえに、母娘の味比べをしたいと持ちかける。
あんたが娘を姦って、わしが奥方をモノにすれば、お互い等しい立場に立つのだからと。

娘と姦りたい願望と、妻が犯されるところを覗きたい願望とがいっしょくたになって、
律儀な日常を生きてきた父親は、初めて色香に惑った。
そして話し合いの末、永年連れ添った愛妻の貞操を、娘の舅に明け渡してゆく。

専業主婦が脚に通したストッキングは古風に柔らかで、
年配者である吸血鬼の唇を、優しくくすぐる。

息子の嫁が脚に通している、張りつめたサポートタイプのストッキングと。
息子の姑がふくらはぎを染める、なよやかなウーリータイプのストッキングと。

奥さんの穿いているストッキングは、ひと味ちがうねと、戸惑う姑の耳もとに囁いてみる。
いやらしいことは仰らずに、早く済ませて下さいと恥じらう姑に、
そんなに急いでいるのかね?ともう一度からかって。
さあ奥さん、いよいよ年貢の納め時ですよ、と、田舎ならではの表現で、迫っていった。

夫以外の男を初めて受け入れる姑は、
見て見ぬふりをしますといった人が、その実ふすまの影から覗いている気配をありありと感じつつ、
破けてふとももがまる見えとなったストッキングを穿いたまま、
齢以上に強烈な吶喊に、身も心も狂わされていった。

村を出るころには、もう幾晩も契りを重ねて、
手持ちのストッキングを全部破かれて、穿き替えをとって来るという名目で、初めて夫とともに解放された。
でもきっと、彼女は戻って来るだろう。律儀すぎる夫とともに。
融かされた貞操は、もう元には戻らないけれど。
夫に合わせる顔がありませんと訴えるほどのたしなみは、終生捨てることがない。
妻として振る舞うことでいっそう、物陰の夫が昂ることを。
夫に見せつけることで、身体じゅうの血が熱く燃えたぎることを。
女は識ってしまったから。

都会育ちの母と娘。
地味なストッキングと、光沢よぎるつややかなストッキング。
二対の脚は競い合うように、夫たちの見守るまえ、吸血鬼の唇のまえに差し伸べられる。

仲間に引き入れる。

2019年03月03日(Sun) 08:51:02

吸血鬼は、気に入りの美女を見つけると、血を吸って仲間に加える。
けれどもこの街の吸血鬼は、しばしばその夫までも仲間に引き入れてしまう。
妻と別れたくない夫たちは、吸血鬼との共存を望み、いちどは盗られた貞操を、自分のほうから差し出してゆく。

前作について

2019年03月03日(Sun) 08:49:27

最初の襲われた経緯はよくわからないけれども、
おそらくは都会の生活ができなくなったご夫婦(さいしょは婚約中)が、吸血鬼の棲む街に納得づくで移り住んできたのでしょう。

夫婦ながら咬まれた後。
生命を奪われる危険がないと知ると、処女の生き血を少しでも多く吸わせるために、婚期を遅らせて。
いちどは望まれた純潔を、夫のためにと守り通して、
新婚旅行先に「亡命」する誘惑を振り切って、吸血鬼に支配される日常に戻っていって、
セックス経験のあるご婦人は例外なく犯されるという掟に従い、新妻を差し出して、
嫁の不倫に気づいた姑は、いちどは嫁を咎めるものの、
”体験”を強いられた後は聞く耳をもって、
それでも子供は息子の子を・・・という姑の望みをかなえるために、吸血鬼は期限付きで射精を自粛。
嫁の身代わりにと貞操を差し出した姑に、自分から差し出した日を貞操喪失記念日と決めて。
姑の目論見通り息子の血を引く娘と息子が生まれると、
娘は彼氏の承諾つきで吸血鬼に処女を与えて、
息子は彼女の血を吸わせ、純潔まで譲り渡す・・・

どこまでも互いを気づかう、らせん階段。

義理堅い吸血鬼。

2019年03月03日(Sun) 07:03:05

やめてください・・・止してください・・・あぁ悔しい。
沼尻の婚約者である美奈子は、三日まえと同じ言葉を口にしながら、
ストッキングを穿いた足許にすりつけられてくる吸血鬼の唇を、受け容れ続けていた。

三日前、初めて襲われたときには、
身じろぎひとつできなくなるくらい血を吸い取られた後で、ストッキングを穿いた脚に唇を吸いつけられて、
ひどく悔しげに歯がみをしながら、相手を罵りつづけていたというのに。
その夜の美奈子は、言葉だけは三日まえとおなじでも、
語調はほとんどうわ言のように虚ろで、
差し伸べてしまった脚を引っ込めようともせずに、素のまま吸わせてしまっている。
脛にまとわりついた薄地のナイロンは、意地汚く這わされる唇のひと舐めごとに、
皺くちゃに歪められ、引きつれを拡げて、太ももやひざ小僧を露出させていった。

やめて・・・止して・・・あの人が視てるの、あぁイヤラシイ・・・っ。
そのつぎに美奈子が吸血鬼と逢ったとき。
虚ろな口調は昂った上ずり声に変化して、
吸いつけられてくる唇を拒もうともせずに、むしろ相手が吸いやすいようにと、脚の角度を折々変えてやってさえしていた。

初めて二人ながら襲われて血を吸い取られた後。
吸血鬼は美奈子に覚られないよう、沼尻に耳打ちをした。

今夜限りで、灰になるところだった。きみたちの血のおかげで、命拾いをした。礼を言う。
どうやらこの街から出ていくことのできない身の上のようだな。
同情するが、きみの彼女を誘惑することを、やめることはできない。
でもその代わり、そうするときには必ず、事前にきみに伝えよう。
彼女の身が心配ならば、様子を見に来るがよい。
だが約束する。きみが来ようが来るまいが、彼女の生命は保証するから。

ふたりを襲った吸血鬼は、意外なくらい義理堅かった。
美奈子の生命が危うくなるほど量をむさぼることはなかったし、
惑う美奈子をあやしたり軽く弄んだりしながらも、太ももから上には、手を触れようともしなかったのだ。
――処女は奪わない。わしにとって、処女の生き血は貴重だから。
――これがセックス経験のあるご婦人だったら、
――きみは自分の結婚相手が、わしを相手に淫らな愉しみに耽るのを視る羽目になっただろう・・・

ほんとうならば、毎晩でも誘いたかったはずなのに。
美奈子の身体を気づかって、三夜に一夜しか、呼び出そうとはしなかった。
それと察した美奈子は、彼から誘いを受けた夜には、なにを置いても逢いにいくようになっていった。
沼尻もまた、吸血鬼が自分の婚約者と”交際”するのを、黙認の形で受け容れていた。
吸血鬼の誘いを受けて真夜中の公演を二人並んで歩む様子を見守りながら、
美奈子が媚びを含んだ上目づかいで吸血鬼を見つめるようになったことにも気づいていたし、
婚約者の脚に通されたストッキングが、エッチな意図で破かれてゆくのを、歯がみをこらえながら見つめつづけた。

密かな逢瀬を見て見ぬふりをつづける沼尻に、美奈子は多大な感謝を寄せた。
少しでも多く処女の生き血を愉しませるために、2人は相談のうえ、結婚を半年遅らせることにした。
ふたりは知っていた。
セックス経験のあるご婦人とは、必ず身体の関係を結ぶという、彼の流儀を。
どちらから言い出すともなく、2人は婚期を遅らせることを、ためらいなく選んだのだった。


いよいよ明日が婚礼という夜。
吸血鬼は美那子を、誘い出した。
処女の生き血を提供する最後の機会――
美奈子はいつもより多量の血を、彼のために与えた。
月の光に照らし出された横顔が蒼ざめているのを、沼尻ははらはらとしながら見守っていた。
ベンチの隣に腰かけた吸血鬼にもたれかかるようにして、美奈子は息を整えようとしていたが、
吸血鬼の掌がやおら、美奈子のブラウスの胸をとらえた。
そしてもう片方の掌が、スカートの奥へとすべり込まされた。
いままでにない行為だった。
美奈子はハッとして、大きく目を見開いて、相手を見あげた。
吸血鬼は初めての唇を美奈子から奪うと、「お前を犯したい」と、告げた。
沼尻は、観念した。
結婚を控えた同年代の友人のほとんどが、彼らによって婚約者の純潔を譲り渡してしまったことを知っていた。
けれども今夜のケースは、この街のルールからすると例外の部類へとすすんだ。
美奈子は迫って来る相手の胸に掌をあてがって、吸血鬼の意図を柔らかく拒んだ。
「貴男から見たら非力な人に見えるかもしれないけれど、私にとっては最愛の人なんです。
 どうかそれだけは、見逃して・・・」
吸血鬼は意外なくらいにあっさりと、美奈子の請いを容れた。
それでも残り惜し気に、彼女の頭を優しく抱きとめて、長い黒髪をいつまでも撫でさすっていた。

新婚旅行は海外だった。
勤め先の事務所もその地にあったので、そのまま逃げてしまうことも可能だった。
ようやく自分のものになった美奈子のしなやかな肢体を、ほかの者に譲り渡さずに済むはずだ。
げんに、婚約者を手籠めにされて”目ざめなかった”ある者は、そのままこの地に赴任して、街を捨てていた。
吸血鬼の棲む街は、創業者の生まれ故郷で、街に作られた事務所は、血液提供のために立ち上げられたと評判だった。
それでも、適性に欠け街を離れていくものを、無理に引き留めようとはしなかったのだ。
義理堅い吸血鬼のため、沼尻は、彼自身も義理堅く約束を守った。
新婚旅行を終えて帰国すると、お土産を携えて彼の棲み処を夫婦で訪れ、
夫の視ているまえ、美奈子は吸血鬼に抱かれた――

沼尻夫人としての守操義務を夫の前で放棄することで、吸血鬼は虚栄心を満たした。
それからはしばしば、夫婦ながら吸血された後、新妻が夫の目のまえで淫らな歓びに浸る夜が続いた。
吸血鬼は美奈子を愛し、美奈子は夫を愛していた。そして、そんな美奈子に沼尻は満足を覚えていた。
三人三様の想いを秘めて、新妻が夫と吸血鬼とに共有される関係は、円満裡につづけられた。


転機が来たのは、沼尻の母豊子が夫を亡くして、街に移り住んできたときだった。
同居した嫁と姑とは、お互いに少しずつ気まずい思いをしながら暮らしていたが、
勘の良い豊子はすぐに、嫁の日常に不倫の匂いを嗅ぎつけていた。
夫のいない夜に出かけて行って、ホテルで密会を遂げた後、
ホテルのロビーで待ちかねていた豊子が、ふたりをとがめた。
ここではなんですから――慇懃に申し出た吸血鬼に公園に誘い出された豊子は、その場で吸血され犯された。
まさか嫁の不倫相手が吸血鬼だなどとは、堅実な主婦を廿年以上続けてきた豊子には、思いもよらないことだった。

美奈子に介抱されて帰宅した豊子は、まんじりともせずに夜を明かした。
ひと晩じゅう、夫の写真をまえに、なにかを詫びている様子だった。
夜勤から戻った沼尻に、豊子はたいせつな話がありますといって、
夫を迎えるために早起きしていた美奈子とともに、自室に入れた。
そして、夕べの顛末を、つとめて淡々と、語って聞かせた。

美奈子さんのようすがおかしいと思って気になっていたが、
夕べ行き先も告げずに出かけたので、申し訳ないと思いつつあとを追ってしまいました。
美奈子さんは男のかたとホテルで待ち合わせて、そのまま部屋に入り、3時間ほどそこで過ごしました。
ふたりがどういう関係なのか、大人の殿方だったら、察しがつきますよね?ええ、私も察しをつけました。
それは、俊一(沼尻の名)の嫁としてはあってはならないことだと私は思ったので、
ロビーに出てきたお二人に声をかけさせていただきました。
でも、美奈子さんのお相手の方が吸血鬼だったとは、夢にも思いませんでした。
美奈子さんによると、俊一も美奈子さんとその方との関係を認めているというのです。
それは本当のことなのですか?
お相手がお相手ですから、きっと特殊な事情があるのでしょう。
お二人に声をかけたあと、私がどういう目に遭ったのかは、お話ししないでもわかると思いますし、
息子の貴方に聞かせることではありません。
(お義母さまはずっと気高くいらっしゃったから、あなた安心して――と、ここで美奈子が言葉を添えた)
美奈子さんの夫として、私の息子として、貴方の考えはどうなのですか。
それを伺いたくて、夜勤明けでお疲れのところ、お呼び立てしました・・・

鶴のように気位高く構えた母に、沼尻はいった。
美奈子が彼に愛されていることを誇りに思っている、
わたしたちが婚期を遅らせたのは、処女の生き血を少しでも多く分けてあげたかったからです――と。

あなたたちがそれで良いというのなら、私は何も申しません。
古風な考え方の持ち主である豊子は、意外にも素直に息子の言を受け入れた。
もしかすると、夕べの凌辱の残滓が、彼女のなかで心地よい疼きとなって残っていたのかもしれない。
しかし豊子はそのうえで、ひとつだけつけ加えた。

それでもひとつだけ、お願いがあります。
それというのは、美奈子さんには間違いなく、俊一の子を産んでいただきたいのです。
沼尻の家の血すじを、絶やしたくないからです。
わかっていただけますか?
どうしてもお会いになるというのなら、それも良いでしょう。
けれども、美奈子さんと俊一との関係も、たいせつにしていただきたいのです。
だからといって今さら、あのかたから美奈子さんを取り上げてしまうわけにもいかないようですね?
それならば、提案があります。
私が美奈子さんの身代わりを務めます。
もう、お父さんもいらっしゃいませんから、どこにも迷惑のかかる話ではありません。
夕べのことがなければ、私もここまでの勇気は湧かなかったかもしれないけれど、
お父さんには、家に戻ってからずっと、おわびをしました。
どうやら私でも、愛される資格はあるようですから、あなたたちさえよろしければ、私からあのかたに話してみます。
私があのかたのお相手をしている間に、できれば子供を二人、産んでください。
そうしたら、あのかたを美奈子さんにお返しします。
もっとも――年輩の私では、吸血鬼さんもお気が進まないかもしれませんから、
ご相談はしなくてはねぇ・・・

さいごのくだりで母親が見せたほのかな女の情の揺らぎを、息子も嫁も、見逃さなかった。
豊子の希望は沼尻から吸血鬼に伝えられ、吸血鬼は早速その日の夜には沼尻の家へと現れていた。

「お早いのですね」
敏感すぎる相手の行動に、ちょっと鼻白みながら、豊子はいった。
「善は急げと申しますから」
物腰柔らかに吸血鬼が応えると、
「学がおありのようですね」
と、豊子は感心してみせた。
いつの間にか、息子も、嫁も、座をはずしていた。
ふすま越しに聞こえる切羽詰まった息遣いをそれとなく察すると、
豊子はそわそわと、おくれ毛を撫でつけながら、いった。
「きょうを、私の命日にしたいと思います」
吸血鬼はいった。
「生まれ変わるという意味なら、それもよろしいかもしれない」

我々には、縁づいたご婦人と、記念日をもつことにしている。
そう、初めて契った夜のことです。
ちなみに美奈子さんは、〇月×日――ご成婚の前日です。
貴女の場合は――きょうを祝いの日としたい。
初めて犯したのは昨夜のうちであるが、貴女にとっては本意ではなかったはず。
美奈子さんを沼尻夫人のまま愛し抜いたように、今夜、貴女を未亡人のまま恋人の一人に加えたい・・・

未亡人だった豊子は、齢五十にして恋に落ちた。
夫のときよりも激しい恋だった。
モノにした女をその夫の目のまえで抱くことを無上の悦びとする・・・という彼のけしからぬ趣味を、豊子未亡人は好意的に受け容れた。
喪服姿に身を包んだ豊子未亡人は、夫の写真をまえに吸血鬼を迎えて、
美奈子のストッキングを好んで辱めていた吸血鬼のため、夫を弔うために脚に通した黒のストッキングを、びりびりと破かせていった。
しつけに厳しかったはずの母親が、
破けた薄地のナイロン生地から、ひざ小僧をまる見えにさせながら、
へらへらと笑いこけながら吸血鬼に犯されてゆく光景に、沼尻は昂ぶりを抑えきれなかった。
沼尻夫妻は、結婚以来もっとも濃密なひと刻を、豊子の支えで持ち続けた。
吸血鬼はその後も美奈子を夫の前で抱いたが、「体の中に精を注ぎ込まない」という条件つきだった。
義理堅い彼は、美奈子が豊子の求め通り子供を二人産むまで、約束を守りつづけた。

沼尻の長女は、中学の入学祝に初めて咬まれ、高校の卒業祝いに、彼氏の目のまえで処女を捧げた。
母さんもしないことを、私経験しちゃった――はずんだ囁きに、賢明な母親はくすぐったそうに笑み返した。
その弟は、高校に入ってできた彼女を吸血鬼に咬ませ、婚礼の前夜に花嫁の純潔をプレゼントした。
父さんがしなかったことをぼくがした――奇妙な自慢に、両親はくすぐったそうに苦笑し合った。
豊子は、齢七十になるまで”現役”だった。
現役を卒業してもなお、脚に通した黒のストッキングを目あてにかがみ込んでくる愛人を、愛想よくもてなしつづけている。

義理堅い吸血鬼に、義理堅い人間の一家。
この吸血鬼物語に、”被害者”は存在しないようだ。

過去話2題 すこし調子に乗って・・・(笑)

2019年03月01日(Fri) 08:07:33

過去話をさらにさかのぼっていたら、自分で言うのもなんですが、けっこうおもしろいお話が出てきます。
そのうちの、もうふたつだけ。。^^;

「妄想の断片たち」
ひとつのお話として完成できなかった、まだ妄想段階のシーンが三つ、描かれています。
三者はつながるのか、つながらないのか。
つなげるとしたら、どうつながっていくのか。
うまくお話が組みあがらないときには、こんなのもありなのかなあと改めて思います。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-945.html

「ふたつの顔」
吸血鬼としてさ迷って、10年ぶりにたどり着いたわが家。
そこでは妻も娘も、暖かく迎え入れてくれたけれど。
妻はなにかを予感し、夫はこらえきることができず、そして娘は・・・
だれもが優しい人たちだなあという奇妙な安ど感を覚えるようなお話です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-934.html

どちらも、12年近く昔に描いたお話です。

過去話2題

2019年03月01日(Fri) 07:57:56

今朝はどうも、お話がうまくまとまりません。
実像が薄っすらとぼやけている感じで。

ですので(というわけでもありませんが)、たまたま視ていた過去話がそこそこよかったので、紹介してみます。
いずれも10年以上前にあっぷしたお話です。
久しぶりに読んだのに、たしかに描いたという記憶があるところが不思議です。(笑)

「ストッキング、伝線しtるね。」
30代人妻のストッキングを代わる代わる破いて行く、夫と息子。
ある晩息子に誘い出された公園は、ヒロインに新たな役割を求めます。
さいごのオチは、少しわかりにくいかも。^^;
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1089.html


「母の代役」
吸血鬼のパパは、ママの生き血を吸っている。
けれどもパパの欲求は、ママ一人では受け止めることができなくて・・・
娘目線から描いた、吸血鬼譚です。
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-949.html


どちらもストッキングが、重要な役割を果たしていますね。
(^^)