淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
姑凌辱。
2020年05月27日(Wed) 09:31:33
広いリビングの壁際に、きちんとした洋装の婦人二名が、二人の吸血鬼に迫られていた。
間島達也(14)の母さと子(40)と、その姑・間島柳子(63)の二人である。
柳子の前には、いつもの吸血鬼が。
さと子の前には、彼の兄が。
兄弟で、嫁と姑に迫っているのだ。
すでにこの光景が家庭内に受け入れられてしまっているのは、
リビングの二面を鍵の手に仕切る廊下に、
さと子の夫で柳子の息子である幸雄(42)・さと子の息子である達也(14)の両名が
息をひそめていることからも、それと知れる。
「な、なにをなさるんです・・・っ」
初めて咬まれてからまだ日も浅い柳子は、
気位の高そうな整った面差しに恐怖と嫌悪の色を泛べ、
自身と、自身の嫁との前に立ちふさがる吸血鬼たちに、
気丈にも制止の声をあげた。
けれどもそのきつく眉を顰め批難の色をありありとよぎらせた頬のすぐ真下には、
赤黒い咬み痕がくっきりと泛んでいて、
彼女がいちどは彼の欲望に屈してしまった明らかな証拠となっていた。
「奥さん、もうよくご存じでしょう・・・?」
眼の前に立ちふさがる吸血鬼が、自らがつけたその咬み痕に、
彼女にわかるようにあからさまな視線を送りつつ、
余裕たっぷりに柳子をたしなめる。
「御婦人がたの熟れた生き血で、からからに乾いた喉を潤していただきたくて、こちらに伺ったのですよ」
なれなれしく肩に回された腕を一度は振り払ったものの、
もう一度巻きつけられた猿臂は、柳子夫人を捩じ上げるように密着してきて、
もう振り放すことはできなかった。
「あ、あなたは幸雄の取引先の社長さんでしょう!?」
なんとか相手の理性を取り戻させようと、吸血鬼と息子との関係性に訴えかけたが、
化けの皮を自ら剥いだ吸血鬼には、痛くもかゆくもなかった。
「先日初めて口にした貴女の血が、忘れられない――」
男はそう言うと、女との距離をさらに詰め、鶴のように細い首すじに、無遠慮な唇を圧しつけていった。
「ああッ!」
女の絶叫とともに、薄茶のスーツ姿の彼女の肩先に、赤黒い血潮が撥ねた。
ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
露骨にあがる吸血の音に、柳子は鼻白んだ。
圧しつけられてくる男の頭を抑え、なんとか引き離そうともがいたが、
もがけばもがくほど、男の牙は皮膚の奥へと刺し込まれていった。
「ああああああっ・・・」
目を瞑り、白い歯をみせ、女はもだえ苦しむ。
その様子を傍らから見やっていた嫁のさと子が、姑に声をかけた。
「お義母さま。平気よ。いっそのこと、慣れてしまえば良いんだわ」
「あ、あなたは・・・っ。幸雄の嫁ではありませんか!?それがあのようにふしだらな・・・ッ」
痛みをこらえつつ抗弁する姑の切羽詰まった口調とは裏腹に、
嫁のほうは、ごくおだやかなたしなめ口調になっていた。
「いっしょに堕ちましょ、お義母さま♪」
若いさと子のほうはなんの抵抗もなく情夫の兄の牙を受け容れると、
白のブラウスの胸に惜しげもなく、自身の体内をめぐるバラ色の液体を、撥ねかせてしまっている。
ああああああああ・・・
ふた色のうめきが徐々に弱まり、肩を並べた二対の洋服姿は
抑えつけられた壁に沿うようにして、姿勢を崩していった。
「うまく撮れているか?」
「バッチリだよ、パパ」
父親は正面から。
息子は横合いから。
ひそめた声を交し合う。
手ブレしないように三脚に立てたカメラのファインダー越しに、
嫁と姑が吸血鬼相手に気前よく血液を振る舞うありさまを見守り、昂ってゆく。
ずるずると姿勢を崩した二個の洋服姿は、
スカートからひざ小僧をあらわにし、
ギュッと閉じていた両ひざを割られていって、
さと子の穿いている黒のストッキングも、
柳子が脚に通した肌色のストッキングも、
じわじわと舌で辱められながら、剥ぎ降ろされていった――
達也の化粧はこのごろ、だいぶ板についてきた。
母親の服での女装姿も、たいそう似合っていた。
幸雄は達也を引き寄せると、達也は拒もうともせず、
ワンピースのすそから侵入した卑猥な掌のまさぐりに、早くも股間をゆだねてしまっている。
リビングでは、獲物を取り替え合っての凌辱行為が。
廊下では、父子相姦の変態行為が。
いつ果てるともなく、続いてゆく――
間島家の変態的な日常に、姑の柳子が巻き込まれてしまったのは、ごく最近のことだった。
発端は、嫁であるさと子からの提案だった。
さと子は、自分の母親の貞操をつい先日、
吸血鬼の凌辱に惜しげもなくゆだねてしまったのであるから、
もうどっぷりと浸かり切っているといって、過言ではなかった。
さいしょはどこの主婦も、吸血鬼と情交するなど、気の進もうはずはない。
まさに生命がけの恋になってしまうからだ。
けれども、都会で暮らすことができなくなって流れ着いたこの街で、
ほかならぬ夫の手引きで手際よく咬まれ、犯され、堕とされてしまうと、
彼女は夫ともども、情夫たちの最良の協力者となっていた。
本来人妻の婚外恋愛に対して、
最も過敏にしてかつ非協力的な立場をとるべきはずの夫が、
最愛の妻であるはずの彼女の貞操を吸血鬼どもに貪り食わせてしまったことに、
彼女は女として感謝していた。
そして、同じ女としての歓びを、実母だけではなく姑とも分かち合いたいと思った。
姑という存在は、夫以上に、嫁のふしだらに対して、
実に過敏にしてかつ非協力的な立場をとるべき存在だったためである。
街は、慢性的な血液不足に陥っていた。
50代までの女性で自ら血液の提供を希望するものは、ひととおり「総なめ」状態だった。
彼らの牙にかかった女性の大概は、
吸血鬼と恋に落ちるか、
夫によって貞操もろともプレゼントされてしまうか、
先に牙にかかった息子や娘の身代わりとなるべく辱めを忍ぶかした者たちだった。
案外そうした息子や娘はいち早く吸血鬼にたぶらかされていて、
母親が決然と身代わりを申し出るよう仕向けたりしているのであったが。
彼らは血液提供者――つまり自分たちの仲間――を増やすのに、躍起となっていた。
あるものは隣町の知人を”輪”のなかに引き入れようとし、
あるものは勤務先に、理解のある夫婦者の転入を打診しようとした。
そのような中、さと子が実母を血液提供者の仲間に引き入れようと考えたのは、
街の雰囲気としてごく自然な成り行きだった。
そして、さらにさと子が姑を血液提供者の仲間に加えようと企てたものまた、
この歪んだ家庭の雰囲気としてごく自然な成り行きだった。
「うちからもう一人、年増の美人をお仲間に加えるの。万事私が取り仕切るけど、よろしいわよね?」
さと子は実母を吸血鬼に紹介したときと同じように
夫の実母を彼らに凌辱させてしまうことを提案したが、
幸雄は自身の母親が生け贄に選ばれることを、望みこそすれ拒もうとはしなかったのだ。
「けど、父さんが気の毒だな――」
唯一、長年連れ添った妻を寝取られることに対する父親への同情も、
「いざとなったら、あたしが相手してあげる♪」
という妻の言い草に、なんなく遮られてしまうのだった。
折しも、近隣での会合に招ばれた母の柳子が、久しぶりに息子と嫁の顔を見たいから・・・と連絡してきたとき、
たまたまアポイントなしで知人が訪ねてきたていを繕って、幸雄は吸血鬼を家にあげた。
この不埒な客人は、きっと母の血を気に入るだろう、と、幸雄はおもった。
なにしろ、幸雄やその息子の達也の血を、彼はたいそう気に入っているのだから――
初対面のご婦人に対する吸血鬼は、いつものように礼儀正しく振る舞って、
たちまち堅物の賢婦人として知られた柳子の警戒心を解いた。
それから、彼女をひと目見るなり幸雄を物陰に呼んで、いった。
「最初の一発めは、だんなさんは御覧にならないほうが良いよ」
幸雄は、彼のアドバイスにはつねに従うことにしていたので、
吸血鬼に言われるままに、幸雄は用を思い出したと曖昧な口実を告げると、
母を招んだ自宅から逃げるように立ち去った。
そのわずか数分後、息子の立ち去ったリビングで、
どたばたと派手な物音があがって、
その物音の熄(や)んだとき――
間島柳子六十三歳は吸血されたうえ、たっぷりと犯された。
夫しか識らない身体に吸血鬼は満足を覚え、なん度もなん度も彼女を愛し抜いて、
とどめを刺すように激しい十三回目の吶喊で、柳子はぐったりと力を抜いた。
令夫人が夫以外の男に心を許すまで、じつに十二回もの挿入に耐えたのだ。
「すごいわあ、お義母さま」
さと子が賞讃の声をあげた。
「私、ほんの数回でイッちゃったのに」
吸血鬼は自分の情婦となった人妻があげる嬌声を横っ面で聞きながら、
嫁のふしだらすぎる言い草に姑が腹を立てるのを感じた。
この生真面目な女は、こうなるまでにじたばたと悪あがきをくり返し、
腕を突っ張り身体を捻じ曲げ、さんざん抵抗をつづけたのだ。
突っ張った腕をへし折るように胸を合わせ、
スカートを着けたままの細腰に自分の腰を狂ったように沈み込ませ、
12回もの恥ずかしい想いをして、やっとその気になったのだ。
この貞淑な令夫人の抵抗が凄まじいものであり、
お人好しな息子が目の当たりにするものではないという予想は的中したのだ。
そして、抵抗が激しければ激しいほど、勝ち得たものの貴さを実感することができるのだった。
さらに、これほどまでに激しく抵抗するような女は、
却ってそのぶんふつうの人妻よりもずっと従順になるものだと確信していた。
一泊の予定だった柳子は、着替えをあまり携えていなかった。
だから吸血鬼は、その首すじを狙うときも、
襟首に血が撥ねないようにと入念に咬んで、生き血を啜った。
貞操観念の強いご婦人を襲うときにいつもそうするように、
着衣のまま手際よくことを果たしてしまうと、
あまりのことにぼう然自失したスーツ姿にまたがって、
己の勝利を確かめるように、なん度もなん度も挿入行為を繰り返した。
あまりにも手際よく犯されてしまったので、
自分の身になにが起こっているのかを自覚するより早く、快感を覚え込まされてしまったのだ。
こと果ててしまうと、われに返った婦人が最も気にするのは、自身の身づくろいだった。
わが身に起こった出来事を、帰宅後に夫に悟られてはならない。
柳子の懸念をいち早く察した吸血鬼は、彼女を姿見の前に連れてゆき、
襟首から離れたところにつけられた咬み痕が、血浸しになっていないこと、
着崩れしたスーツが、血も汗も体液にも浸されていないことを指摘してやった。
帰宅してきた息子までもが、白い歯をみせて、母に訊いた。
「良かったでしょ?」
思わず頷いてしまってから恥じらう姑を前に、嫁は初めてこのひとと仲良くなれると実感した。
そのあとの柳子は、じつに賢明に振る舞った。
持ち前の冷静さを取り戻すと、だれもが不幸せにならない道を正しく選択したのだ。
今夜のことは内密にする。
さしあたって、夫には告げない。
嫁の不貞も許す。息子の意思なのだから、尊重する。
自分自身との関係はこれ以上勘弁してほしいが、
どうしてもと請われるのであれば、この家限りでの内密のこととする条件で、応じる――
彼女はこの件について息子が一枚かんでいると悟ると、何食わぬ顔で帰宅した息子に向かって、
「婦人の貞節というものを軽く考えてはならない」
と、型通りの訓戒を与えたうえで、
「けれども母さんに限っては、きょうの貴方の配慮を、悦んで・・・ではないけれど、受け容れる」
と約束した。
吸血鬼と仲良く暮らすことで、だれも死なずに済むというこの街の仕組みを理解すると、
私も時々血を差し上げに伺いますと告げて、吸血鬼を欣(よろこ)ばせた。
柳子は吸血鬼と和解すると、なにも知らずに自宅で待つ夫に電話をかけて、
一泊の予定だったが、少しゆっくりしてきますと伝えていた。
座布団の上に正座しながら電話を掛ける姿を、
吸血鬼は
「行儀の良いご婦人だ」
と称賛した。
自分の勝ち得た獲物が貴婦人であることはとても悦ばしいといって、
実母の貞操を差し出した夫を悦ばせた。
着衣のまま人を襲うことを好む吸血鬼のため、
柳子は着用してきた千鳥格子の柄のスーツと、持参した薄茶色のスーツとを代わる代わる身に着けて、
惜しげもなく情夫の体液に浸し抜いた。
目ざめてしまった歓びに戸惑いながらも、柳子は破倫の渦にわが身をゆだね、狂っていった。
若返った柳子が、夫のために永年守り抜いた貞操を惜しげもなくかなぐり捨てて、息遣い荒く振る舞うありさまに、
息子の幸雄はもちろん、孫の達也までもが昂っていたのは、いうまでもない。
いつも威厳あふれるお祖母さまが、女になってる――
達也はむしろ、祖母に対する畏怖が親しみに変わるのを感じていた。
嫁の服を借りて帰ってゆく姑を送り出すとき、さと子は言った。
「またいらしてね」
「エエよろこんで」
おうむ返しに応えた姑は、息子の結婚以来初めて、嫁と声を合わせて笑った。
そしてその誘い通り、
柳子は律儀にも、よそ行きのスーツを用意のうえ、息子の家を再訪した。
そのときのありさまが、冒頭のくだりである。
「お義母さま、だいじょうぶ?」
口では姑を労わりながら、さと子は同じ歓びを共にしたものの目になっている。
「お夕飯の支度を――」
言いかけた姑の口を封ずるように、さと子はいった。
「お義母さまの手を煩わせるわけには参りませんわ。そちらは私が受け持ちますから、お義母さまは引き続き・・・」
あとはウフフと笑いでごまかして、さと子はいままでになく軽い足取りで台所にむかった。
「~♪」
鼻歌交じりに家事にいそしむ台所まで、物音は十分に届いた。
真っ暗になったリビングでは、女としては一人取り残された柳子が、着崩れしたスーツ姿のまま、
吸血鬼、その兄、息子の幸雄、孫の達也までもに囲まれて、
四人の男がのしかかり代わる代わる性欲を吐き散らしてゆくのを、相手にしていった。
数時間前まで夫とともにいたときから身に着けていたスーツの存在が、
さいしょのうちこそ彼女の理性を苦しめたけれど。
ストッキングごしに舐め着けられる舌や、
ブラウス越しに荒々しく揉み込まれる掌や、
ブラジャーのストラップを無造作に断ち切る尖った爪や、
複数同時に素肌のうえを這いまわる唇たちが、彼女の理性を蕩かしていった。
「御飯ですよ~♪」
嫁の明るい声が頭上に響いた時。
柳子はまだ、ストッキングを片方だけ穿いたまま、
息子のなん回目めかの吶喊を、しっかりと受け止めている最中だった。
≪街の広報誌から≫
血液提供者の対象年齢拡大へ 献血者の負担緩和狙う
二十四日、市は吸血鬼有効政策の一環として、血液提供者の対象年齢を拡大すると発表した。
従来のガイドラインでは、十代から五十代の男女を吸血の対象としていたが、六十代男女のうち健康な者も含める。
実施は即日。
中高生の血液提供者を持つ家庭では、
その両親が子女の体力負担軽減を願って血液提供を希望するなど、
家族単位での浸透がさかんであるが、
既婚女性に対する吸血行為が性行為を伴うケースも報告されており、
「嫁の乱倫行為に発展しかねない」との声がその親世代からあがっていた。
反面、「息子夫婦が正常な夫婦関係を維持させたい」との希望から、
進んで血液提供を希望する初老の夫婦もおり、
市の決定を待たずにガイドラインを越えた年齢の男女が自発的に血液の提供に応じたケースも報告されている。
―街の声ー
「姑に黙ってもらうにはいい機会だと思います」
そう語るのは、間島聡子さん(仮名)。
聡子さんは昨年市に転入後すぐに、夫である幸夫さん(同)のすすめられて、
幸夫さんと親しい関係にある吸血鬼に血液の提供を始めた。
「一回に吸われる量が多くて、日中もくらくらする日がありましたけれど、
事情を知った母が父を説得して血液を提供してくれることになってから、
体がだいぶ楽になりました」
聡子さんと吸血鬼との親密な関係を夫の幸夫さんは承知しているが、
「最近、主人のお母さまが感づきだしたみたいで・・・ちょっとはらはらしてるんです」
幸夫さんの母・龍子さん(同)は近々同家を訪問する予定。
良き嫁である聡子さんは今、姑を堕とすためのシナリオ創りに余念がない。
5月27日9:31構想 6月1日20:44加筆・あっぷ
放送の途中ですが(まだ続ける気らしいw) ~ブログ拍手をいただきました~
2020年05月16日(Sat) 13:34:40
夕べ、少し以前のコチラのお話に、拍手をいただきました。
「事務職員の妻」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-3892.html描いた時から、地味め~なお話だな~と思っていました。
けれども、もう半年前に描いたものがこうして人目に触れている というのは、嬉しいものですね♪
よくみたら、3拍手となっていました。以前に2度、拍手をいただいている ということですね。
せっかくなので、読み直してみました。
やはり、地味。
でも、案外イケてる。
うふふふふふん。(笑)
拍手をくださいました方、ありがとうございました。
他の方々も、よかったら読んでみてください。
(^^)
義父母を交えての乱倫
2020年05月15日(Fri) 11:23:14
母娘で、肩を並べて犯されていた。
もっとも――女性の意思に反して交わりを遂げられてしまうことを「犯される」というのであれば、
娘のほうは、必ずしもそうではなかった。
娘は人妻で、娘が相手をしている男は、実の父親だった。
母親のほうは、傍らで獣と化した夫と同じくらい危険で兇悪な吸血鬼を相手にしていた。
娘は父親との近親相姦を、積極的に腰を振って愉悦していたが、
母親はまだ新婚初夜の花嫁のように動きもぎこちなく、戸惑いながら相手の欲求に応じ続けていた。
けれども手練れな吸血鬼が貞淑な年配妻を飼いならすのに、さほどの時間はかからなかった。
そして、「犯されている」はずの母親のほうもまた、頬を赤らめながら、ためらいながらも腰を振り始めていった。
「パパは昔からあたしのこと、犯したがってるの♪」
夫婦のベッドのなかで、妻のさと子が囁いた言葉は、
まるで毒液のように夫の幸雄の耳朶を染め、胸の裡をどす黒く染めていった。
「こんどのお誕生日のプレゼントは、あ・た・し♪」
実家の電話口に出た父親に娘はそう囁いて、
父親の胸の裡をも、同じ色で塗り替えていった。
「代わりにね、ママに恋をさせてあげようよ♪」
愛娘の悪だくみに、父親は即座に協力すると確約した。
娘の婚家に現れた夫婦を初めて目にした吸血鬼は、丁寧な会釈を交し合ったあと、娘夫婦に耳打ちをした。
「さいしょの一発めをだんなに見せるのは良くない」
と。
「貞淑で生真面目なおかみさんだ。しんけんに抵抗するだろう」
「だからいいんじゃない♪」
あくまで能天気に言い寄る女を、吸血鬼はいつになく気難しい顔つきで遮った。
「本気の抵抗って、見ていて面白くはないものだぜ」
あくまで、実地を知っている者らしい発言に、娘も娘婿も服従の頷きを返してゆく。
娘が父親を誘って散歩に連れ出し、
よそ行きのスーツを連れ込んだ納屋の藁にまみれさせているとき。
貸し出された夫婦の寝室では、貞淑な年配妻の貞操喪失劇が、どたばたとくり広げられていた。
介添え役の娘婿だけが、固唾を呑んで隣室から覗き見して、すべてを見届けた。
引き裂かれたワンピースに、吊り紐を断たれたスリップ。
そのすき間から覗く、意外に若々しい柔肌。
肩になだれかかる乱れ髪が、黒々と蛇のようにしなやかに、豊かな乳房をユサッと撫でた。
永年守りつづけてきた操を不当に汚された貴婦人は、ぼう然としてあらぬ方を見つめていた。
情事のあとは、 喉が渇くものだ。
「お義母さん、お疲れさまでした。さあどうぞ」
そういって飲み物をすすめるはずが、じっさいにあてがったのは、気付け薬だった。
はっとわれに返ると、姑は呟くような小声でいった。
「幸雄さん、私、なにをされてしまったの?」
目許はまだ、戸惑いに充ちている。
なるべく早く、落ち着かせることが肝要だった。
「お義母さんは、恋をなすったのですよ」
「恋!?」
生来の生真面目さを取り戻しかけて、姑が娘婿のほうを振り返り、そして初めて娘婿が女の姿をしていることに気がついた。
「ゆ、幸雄さん、どうなさったの!?」
「情事のあとは、喉が渇くものです。彼にも飲み物をあてがわないと」
幸雄はゆうゆうと、肩まで伸びた地毛を見せびらかすようにそよがせながら、吸血鬼のほうへと歩み寄った。
そして、さっきふたりが乱れたベッドに腰を下ろすと、吸血鬼に肩を抱かれながら、いった。
「この方は、美人しか襲わないんですよ」
ふたりの首のつけ根には、くっきりと咬み痕がつけられている。
姑の菊代と、娘婿の幸雄。
ふたりながら同じ部位に同じ痕をつけられてしまうと、菊代はあきらめがついたようだった。
身づくろいをしなければならない――菊代が腰を浮かしかけると、幸雄が言った。
「だいじょうぶですよ。お義父さんはまだまだかかります。今夜はもう、戻らないかも」
幸雄は、永年ご執心の女を手に入れた男が朝帰りになることを、手短に姑に告げた。
「ですからお義母さんも、朝まで恋に励んだらよろしいでしょう」
「あなたはそれでよろしいの!?」
ふたたびベッドに組み敷かれてゆく菊代に、娘婿はいった。
「お義父さんにさと子さんを渡すのは、親孝行だと思っていますよ。
そしてお義母さんに恋人をつくってさしあげるのも、やはり親孝行――」
娘婿に抑えつけられた腕を振りほどくことができないままに、
菊代は歯を食いしばって男の唇を拒み、それでも否応なく、夫以外の雄の匂いを喉の奥へと流し込まれ、むせ返っていた。
あくる朝、朝帰りした父娘を、菊代と幸雄は何食わぬ顔で出迎えた。
娘の着ていったよそ行きのスーツに藁がたくさん付いているのを菊代がわざと見逃すのを、
男たちは含み笑いをして見過ごした。
その次の夜のことだった。
母娘が2人ながら、肩を並べて組み敷かれたのは。
「アッ!なにをなさいます!?」
やって来た吸血鬼は、菊代を見るなりいきなり羽交い絞めにして、リビングのじゅうたんの上に転がした。
「識らない仲でもあるまいに――ご主人がおられると恥ずかしいのかね?」
救いを求めるようなまなざしは、あっさりと裏切られた。
「菊代、おとなしくしなさい」
「こ・・・今夜は・・・結婚記念日なのよッ」
泣き悶える菊代の細腕を、夫は力任せに抑えつけた。
「吸血鬼さん、さあどうぞ。自慢の家内です。気の済むまで愉しんでください」
「あああ、あなたあッ!」
年配妻の悲鳴の上に、吸血鬼の淫らな欲望が覆いかぶさった。
長年連れ添った女房が往生するのを見届けると、義父は愛娘と目交ぜをする。
「パパ、よろしくね♪」
母親とは裏腹に娘は自分から、体を開いていった。
「お義父さんは、さすがに男らしいですね」
妻を寝取られながらも、幸雄は義父の精力の強さに驚嘆するしかなかった。
この恥知らずな年配男は、最愛の妻の貞操を気前よく提供した見返りに、
娘のうら若い肉体を自由にする権利を、娘婿の目の前で堂々と行使したのだった。
「お祖母ちゃん、すごいね。あんなに激しく腰振っちゃって、明日起きられるのかな」
「夢中になってるときに、明日の心配なんかしないものだろ」
女ふたりのプロ顔負けな男あしらいを隣室から覗き見しながら。
幸雄はワンピース姿の達也を引き寄せて、
達也は父親の言うなりになって、重ね合わされてくる唇を、けんめいに吸い返していた。
数日後。
情事の数々を重ねて、菊代夫妻は都会に戻っていった。
お土産は、菊代の”初夜”のときに隠し撮りをした、ビデオテープ。
「コピーを取ってありますからね」
吸血鬼は菊代に聞こえるように、彼女の夫をわざとらしく脅迫した。
脅迫された夫は、
「だいじょうぶ、我が家の恥は内聞に願いますからね」
と、にんまり笑い返してゆく。
ビデオの内容は、物を投げたり、引っ掻いたり・・・
実に初々しい内容だった。
なによりも。
菊代が貞操を守り抜くために最後まで生真面目な抵抗をしたことを、証明する内容でもあった。
夫は妻の忠実さに満足し、これからはその義務をあの男に限って解除すると妻に告げた。
永年忠実で貞淑だった妻も、女に返って愉しみはじめた――
ビデオを最後まで観て、実感したからだ。
あの夜、さいごにベッドを離れる時の菊代の眼差しはひやりと冷めていて、
口許にはしたたかな充足感が漂っていた。
「菊は、季節を問わず咲くものですな」
永年遊び慣れた年配男の言い草は、妻を犯された後も悠々としていた。
夫婦の寝物語。
2020年05月15日(Fri) 09:00:30
間島幸雄(42)は貧血を起こして、夫婦のベッドで仰向けになっていた。
つい、さっきまで。
吸血鬼になった息子・達也(14)の相手をしていたのだ。
達也の相手をするときは。
女の姿になることにしている。
少しでも息子を、悦ばせたい一心で。
やはり男の吸血鬼は、女性を襲いたいものだから。
さいしょは妻の服を借りていたけれど。
妻が自分の服を着て、自分も息子の相手をするようになると、
彼は自前の婦人服を持つようになっていた。
夫の女装用品を、妻は甲斐甲斐しく、すべて揃えてくれた。
自分の不倫を認めてもらった、彼女なりの礼儀だった。
いまもまた。
幸雄は息子相手に、女として振る舞って。
血を吸い取られ、股間を割られ、息せき切った刻を共にした。
股間の奥に注ぎ込まれた若い体液の名残りが、まだ太ももに生温かく、へばりついている。
指に絡めた濃厚な粘り気を口に含むと、若さへの羨望がチラと胸をかすめていった。
1年まえ。
家族を伴って赴任してきてすぐに、
この地に棲まう吸血鬼に、一家全員が襲われて、生き血を吸い取られていた。
息子の達也(14)は、生き血を吸い尽くされて吸血鬼になった。
きっと、若い血は美味しかったに違いない。
けれども、妻のさと子(40)だって、越してきた当時はまだ30代。やはり美味しかったに違いない。
なにしろ、血を吸われたその晩に、男女の関係まで結ばされてしまったのだから。
(セックス経験のある女性はほぼ例外なく犯されるとは、あとから聞かされた)
それなのに、吸血鬼になったのは、達也だけ。
よほどの相性のある者だけが、選ばれるのだという。
たしかに――そうでなければ、街じゅう吸血鬼だらけになってしまうではないか。
生き血を吸われた妻は、吸血鬼に拉致されて、その邸に棲み込まされて、
一週間というもの、すべてを教え込まされていた。
事を表ざたにしないために、表向きの平静を取りつくろいながらも。
妻恋しさに、妻の服を身に着けて女装しているところを、
生き血を求めて自宅に侵入してきた吸血鬼に眠らされて、女として犯された。
男との経験は、初めてだった。
禁断の麻薬を味わってしまった彼は、
妻の身代わりに、自分と同じように妻の服をまとった息子のことを、やはり女として犯していた。
吸血鬼との交際を認めることを条件に、妻は一週間で戻ってきた。
物分かりのよい彼女は、夫と息子との関係を、視て視ぬふりをして過ごすようになった。
自分の情事を夫が視て昂るようになったのを、むしろ好都合だと考える女になっていた。
寝室の頭上を照らす灯りが眩しい。
どうやら今夜の貧血は、すぐにはひかないものらしい。
いつもよりしつようだったのは。
息子が日常的に餌食にしている同級生の畑川一家が、家族旅行に出てしまったせいだろう。
いまごろは。
若くて健康な睡眠を、貪欲にむさぼっているに違いない。
まあいい。明日の会社は休めば良い。
もともとが。
家族もろとも吸血されることに同意して選んだ赴任地だった。
仕事らしい仕事は特になく、しいて言えば健康な血液を提供できるための体調管理が、仕事といえば仕事。
オーナー経営者は、自分の生まれ故郷に、なにがしかの貢献をしたかったらしい。
社員やその家族の生き血を提供することが、健全な貢献かどうかは、わからないけれど。
がたり。
寝室のドアが、ノックなしに開けられる。
けだるく動かした目線のかなたに、妻のさと子がいた。
吸血鬼に犯された彼女は、この街に来てから若返ったようだ。
仮面夫婦だった都会での日常とは裏腹に、彼女の表情は、家にいるときも以前とちがって豊かになった。
「あなた、だいじょうぶ?」
うふふ・・・と笑いながら、猫のようにしなやかに、幸雄の傍らにすべり込んでくる。
こんなしぐさは、若いころでもしなかったはず。
「ああ、さすがに疲れたよ」
「ダメねぇ、あなた」
狎れきった雌猫のように鼻を鳴らして、さと子は夫を冷やかした。
「今夜は無理かな?」
と、自分から誘ってくることも、都会では考えられないことだった。
「そばにいて」
とだけ、短く返すと、
「そぅお?」
といって、しなだれかかるように身を寄せてくる。
性欲を満足させる夜を過ごすことができなくても、夫と寄り添おうとする妻としての優しさを、彼女は取り戻していた。
この街で。
妻は、なん人の男を識ったことだろう?
それなのに。
世間体や外聞とをかなぐり捨てた彼女は、仮面夫婦の仮面もいっしょに、脱ぎ捨てたようだった。
彼女は勝手に、寝物語を始めている。
「面白い話、聞きたい?」
「なんだね?」
「うちの両親のこと」
「ああ、もちろん」
「来週ね、父の誕生日なの」
「ああ、そうだったね」
「それで、うちに招んでお祝いしようと思うの」
「良いじゃないか」
「誕生日のプレゼントに、私をあげてもいい?」
「えっ」
どういうこと・・・?と訊き返すのは、もはや野暮というものだろう。
「父ったらね、昔から私のこと、抱きたがっていたのよ」
「でも、お義母さんもいっしょに招ばないわけにはいかないだろう?」
すでに幸雄のなかで、妻が実父と寝ること自体は、認めてしまっている。
なに、妻の情夫がもう一人増えるだけのことだ――
妻の応えもよどみがない。
「エエもちろん、母も招ぶわ」
「それは問題だ」
で、私にどうしろと・・・?と訊きかけた鼻先をかすめるように、
さと子はしなだれかかった夫との距離をさらに縮め、さらに身体を密着させた。
「再来週がね、2人の結婚記念日なの」
「いつもいっしょにお祝いしてたよね」
「そうなの。いつも一緒だから、父がかわいそうで・・・だから今回は、別々にお祝いしてあげようと思うの」
「長逗留になるのかな」
「そうね、そのつもり。だってぇ・・・うちだって、それくらいかかったじゃないの」
幸雄には、さと子が言わんとしていることがやっとわかった。
「お義母さんに、吸血鬼と逢わせてあげるというのかね?」
「そうよ」
さと子は、こともなげにこたえた。
父の誕生日には、私の肉体を。
結婚記念日には、母の愛人を。
ふたりに、プレゼントするの。
あなた、どう思う・・・?
勤め帰りの交歓
2020年05月15日(Fri) 08:10:08
※閲覧注意。完全なる同性ものです。^^;
「な、なにをするんだ、きみはッ!? こんなところで恥ずかしくはないのかねっ!?」
勤め帰りの夜道を襲われて。
畑川由紀也(38)は、息子の同級生である吸血鬼・間島達也(14)の肉薄を必死でかわそうとした。
生き血を求めてさまよっていた達也は、獲物を確実に得るために、
親友の父親の帰り道を舌なめずりして待ち伏せしていたのだ。
由紀也の高級なスーツのすそから覗く足首が、濃紺のストッキング地の長靴下に透けている。
その足首を吸おうと、路上に立ちすくむ由紀也の足許に、達也はあたりも憚らずに、かがみ込んだ。
足首をつかまれ、まだ稚なさの残る舌をふるいつけられながら。
由紀也は懸命に、彼のふらちな行為を拒もうとする。
「良い加減にし給えっ!きみは息子の友達じゃないか!」
口ではもっともらしく叱りつけてはいるものの。
薄い靴下ごしに、卑猥にヌメる舌を、チロチロと這わされて。
由紀也の抵抗はみるみるうちに、力の抜けたものになってゆく。
「せめてここでは勘弁してくれ。さ、あっちへ行こう」
折よく、近くには人けのない公園が、暗闇のかなたに沈んでいる。
OKの代わりに達也は、もういちど、卑猥なよだれにまみれたべろで、長靴下の足許をヌルリと舐め味わった。
由紀也は仕方なく、艶めかしく透けた足許を、少しのあいだ達也が愉しむのを許していた。
歩いてすぐの公園のベンチ。
ここを”濡れ場”にするのを、達也はさいしょから目論んでいたに違いない。
由紀也にはその意図さえわかりながらも、
まだ息子の親友による凌辱を、素直に受け入れる気にはなれないらしい。
「きみ、本当に困るよ。こんなところで、恥ずかしいだろう」
ため息まじりにたしなめる由紀也に、達也は平然と、
「会社ならよかったの?」
と返してゆく。
由紀也が口ごもるすきにスラックスのすそをひざのあたりまでたくし上げると、
ストッキング地の長靴下を、口ゴムのあたりから踝(くるぶし)にまで、くまなく唇を吸いつけ、舌を這わせてゆく。
由紀也の拒絶は、むしろ吸血少年の劣情を逆なでしたに過ぎなかった。
「きみ、やめたまえ。行儀悪いじゃないか!」
なおも往生際悪く非難し続けながらも。
由紀也は脚に通した滑らかなナイロン生地の舌触りを、存分に愉しませてしまっていた。
達也が舐めやすいように、脚の角度を変えてやって。
自分の拒絶が息子と同い年の情人をそそることに気がつくと、なおも「だめじゃないか」「よし給え」とくり返して。
くねらせる脚つきは、女のようにしなやかで、なまめかしさを漂わせる。
すでにさいしょに血を吸われたときから、由紀也は達也を本気で拒んではいなかった。
きちんと脚に通した靴下越しの辱めを、脚をくねらせて受け容れていた。
「あ、痛(つ)うッ・・・」
低い呻きを残して、由紀也は気絶した。
ふくらはぎの一角を、達也の牙が侵している。
静かに噴き出る血潮が、裂け目を拡げてゆく薄いナイロン生地にじわじわとしみ込んでいった。
「視たかね?」
「・・・」
「やはり、視るべきじゃなかったかな?」
「・・・」
問うているのは、吸血鬼。
問われているのは、由紀也の息子、畑川保嗣(14)。
親友に父親が、レイプどうぜんのあしらいを享けるのを目の当たりに、
この少年はそれでも、嫌悪の色ひとつ泛べることなく、
謹厳で気難しかった父親が悶えながら堕ちてゆくのを、冷然と見つめつづけている。
保嗣――いや、この場では”保江”と呼んだほうがふさわしいだろう。
自宅を抜け出してきたこの少年は、自分の通う中学の、女子の制服を身に着けていた。
そう――いまはほとんどの日を、女子の制服を身にまとって通学し、女子生徒として日常を過ごしているのだ。
親友の達也は、保江より少しだけ早く都会から引っ越してきて、
この地に棲む吸血鬼に血を吸われ、吸血鬼化した少年だった。
その達也と親しく交わるうちに、保江は彼の正体を聞かされ、それでも分け隔てなく交際をつづけた。
やがて達也に血を吸われるようになり、男女どうぜんの交わりも遂げられて、
女生徒化した彼――いや彼女は、今は達也の女装奴隷として、彼女なりの豊かな青春を送っている。
達也と父親との関係は聞かされていたが、
想いを遂げるところを直接視たのは初めてだった。
困惑する生真面目な父親の足許に、達也はじゃれつくようにしてしゃぶりついて、
保江のハイソックスにそうするように、薄手の靴下をむぞうさに咬み剥いで、
しまいにはスラックスまで脱がせて――
保江の家の一家の長は、保江の同級生に虐げられるまま従順になっていき、
しまいには、ハイソックスを履いたままの下肢を開かれて、吶喊を遂げられてゆく。
互いに互いの役目を入れ替えて、つぎには目の色を変えた由紀也が達也を組み敷いて、
やはり通学用のハイソックスを履いたままの下肢のすき間に股間を沈め、昂ってゆく。
濃密な愛の交歓を目の当たりに、保江の中に女らしい嫉妬の情が、しぜんと湧いてきた。
同時に、歓びを覚え込まされてしまった股間がヒクヒクと疼き、熱くなるのを激しく感じた。
――父さんも、愉しんじゃってる。だからあたしも、愉しんでしまって構わないんだ・・・
ふたりの痴態はむしろ、保江の背中を強く推した。
そんな昂りにはずむ保江の肩を、吸血鬼は制服の上から静かに抑えた。
わしらも、愉しんでしまおうか――
吸血鬼の囁きに、保江は大きく頷いてしまっている。
薄ぼんやりとした意識の向こう、重なり合うふたつの影のうごめきを、由紀也はぼんやりと見おろしていた。
受けに回るのは珍しかった――というよりも、今夜が初めてだった――けれども、
ごくしぜんに受け入れてしまった自分に、驚いていた。
やがて情人に促されるままに、いつものように息子の親友を女のように犯し、
ふたたび立場を代えて、女のように犯されていた。
女になるのも悪くない――初めてそう思った。
ふと見ると。
傍らで重なり合うふたつの影たちもまた、同じ衝動に身をゆだねているのに気がついた。
覆いかぶさっているほうは、妻の愛人だった。
抑えつけられているほうは――息子、いや娘の安江だった。
保江は制服のひざ丈スカートのすそを乱して、相手の欲求に応えていた。
薄闇のなかでもつれ合う二人を、街灯がスポットライトのように照らし出す。
あらわになった保江の太ももが、淡いグリーンの灯りを照り返して、ひどく眩しい。
いけない子だ。結婚前なのに。
思わず呟いたひと言に、達也はフフっと含み笑いをした。
親子ながら、むさぼられている。
親子ながら、むさぼっている。
向こうも自分たちに、明らかに気がついていた。
それでいて。
お互いに声はかけず。言葉も交わさず。気づいた素振りすら見せないで。
道徳的な規律は跡形もなく押し流されて、ただ欲望の渦に巻かれてゆく。
ポルノ小説で、読んだことがある。
母娘ながらレイプされ、堕ちてゆくシーン。
性別が真逆であったとしても、いまそれを親子で実演してしまっている。
そのことに、なんの罪悪感も、ためらいもない。
ふたりがここにいるということは、妻の和江は提供可能な血を吸い尽くされて、
リビングで野放図に大の字になって、へらへらと笑いこけているのだろうか。
もしかすると、最近付き合い始めているという達也の父が、いっしょなのかもしれない。
それでも良い――と、由紀也はおもった。
互いに息を弾ませ合い、愉しみ合っている。
ただ、相手が配偶者ではないというだけ。
愛し合っていることに、かわりはない。
理性や秩序を形作る衣装を剥がれ、ありのままの姿で、草にまみれて獣のように這いまわる。
そして一夜が明けると、またまっとうな日常にかえってゆく。
そんな一場があっても、良いのではないか――
生真面目に生きてきたいままでが無になったとは、思えない。
型枠にはめられてきた労苦が、いまやっと報われ始めているのだ。
異形のものが巣くうこの街で。