淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・
不可思議な街
2020年10月26日(Mon) 18:45:47
不可思議な街だった。
人間と吸血鬼とが、仲良く共存していた。
未亡人は”伴侶ができて幸せ”といってわざと喪服姿で相手をし、
黒のストッキングを穿いた脚を咬ませて愉しませてしまっていたし、
病院勤めの看護婦は、光沢入りの白ストッキングで勤務して、
深夜のナースステーションで輪姦されながら、”夕べは凄くモテちゃった”と誇らしげ。
吸血鬼が万年鬼の鬼ごっこに興じる子どもたちは、
自分のハイソックスはもちろんのこと、
つかまえられたガールフレンドのハイソックスが血浸しになるのを、面白そうに見つめている。
夫の勤務先のオフィスでは、女子社員は全員献血を義務づけられているし、
その奥さんはご主人が執務しているすぐ隣の部屋で
パンストを片方だけ脱がされた格好で、息を弾ませてしまっている。
学校の女子生徒は制服姿で咬まれながら、
セーラー服の襟首に血を一滴も滴らせずに吸い取る腕前に感心し、
男子でも希望者は女子生徒に扮することが許されていて、
同級生と肩を並べて息を弾ませてしまっている。
こんな不可思議な街があるなどとは、目の当たりにしても信じられなかった。
けれども今は、信じられる。
あれから妻を呼び寄せて日常的に無償で春を売らせ、
娘を呼び寄せて処女の生き血をたっぷりと愉しませ、
息子夫婦まで呼び寄せてわたしと同じ愉しみに目覚めさせてしまったのだから。