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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

結婚指輪

2021年10月16日(Sat) 23:57:25

結婚指輪というものは、人妻のシンボルです。
ふつうなら、自分は結婚している身だから、アタックしないでね という意思表示になるはずですが、
この街では逆に、「狙って♪」という意味になってしまうようです。

妻にはいま、ふたりの彼氏がいます。
そのどちらもが、既婚の男性で、自分たちの奥さんもだれかと関係を結んでいる――そんな土地柄なのです。
移り住んできてさいしょのうちこそ戸惑いましたが、
いまでは夫婦ながら、この土地のこうした習俗を、結構愉しんでしまっています。
ふたりの彼氏は、わたしにも相応の敬意を払ってくれますし、
わたしも妻を勝ち得た彼ら

彼氏のひとりと浮気に出かけるとき、妻は結婚指輪を外していきます。
そしてもうひとりと逢瀬を遂げる時は、あえて結婚指輪をつけていきます。

結婚指輪を外していくときは、妻という束縛から解放されて、ひとりの女性として振る舞う気分になる。
結婚指輪をつけていくときは、貴男の獲た女は人妻なのよ、とそそのかすような気分になる。

妻はそう言って、二人の彼氏それぞれの願望にあわせた付き合い方をしています。

夫たるわたしとしては・・・
結婚指輪は外していかれても、つけていかれても、どちらも複雑な心境になってしまいます。
けれども彼女は、そんなわたしの気分を玩ぶかのように、
指輪をつけている(していない)薬指をさりげなく見せつけて、出かけていくのです。

きょうの相手は、ええ、どちらの男性なのかわかっています。
これ、このとおり。
妻は指輪を、わたしに預けて出かけていくものですから――

ホテルでの再会

2021年10月07日(Thu) 07:37:34

前作のつづきです。


山村の純朴な青年に彼女の純潔をプレゼントしたあと。
彼は親切にも一夜の宿を貸してくれて(もちろん彼女は、独り占めにされちゃったけど・・・)、
見せつけられてしまった昂奮で寝不足気味のぼくに、彼はいった。

きのうは、きみの彼女を狩らせてもらったけど。
こんどはぼくが彼女を狩りに、都会に行くよ。

楽しみに待ってる・・・と口走ってしまったぼくは、
自分の口走ってしまった言葉に、なんとなく納得してしまっていたし、
そんなぼくのことを嬉し気な上目遣いで振り向く彼女の視線が、たまらないほどくすぐったかった。

彼がぼくの目のまえで、彼女の連絡先を訊くのを、
ぼくはやっぱり、くすぐったそうに見守ってしまっていた。


そんな彼から不意の電話が来たのは、土曜の昼間のことだった。
「こんにちは、憶えてる?ぼくのこと」
「忘れるわけないよ。彼女の純潔を捧げたんだから」
とっさにそんなふうに受け答えするほど、ぼくたちは打ち解けてしまっていた。
彼とはあの山道が初対面だったはずなのに、
三人のなかではいつの間にか、ぼくが彼に、彼女の純潔をプレゼントするためにあの山道に迷い込んだ――ことになっていた。
そう、奪われたのではなくて、お願いして奪ってもらったのだ。
すべては、ぼくの意思から出たことで、ふたりはそれをきっかけに、仲良くなったんだ。

「彼女にデート断られただろ」
彼のことばは、とうとつだった。
「どうしてそんなこと、知ってるの?」
「だって、彼女は俺との先約があったんだもの」
都会に彼女を狩りに来る――
別れ際の約束をすぐ思い出したぼくは、「都会に来てるの?」と訊き返した。
「ウン、これから来るかい?」
いなやはなかった。
ぼくは彼の泊まるホテルへと、出かけていった。


一時間後。
ぼくは彼の部屋のクローゼットに閉じ込められて、ぐるぐる巻きに縛られていた。
山小屋のなかの空気は埃っぽかったけれど、お陽さまの匂いがした。
ここではお陽さまの匂いはしなかったけれど、空調に整えられた空気があった。
クローゼットの扉は細目に開かれていて、そのままベッドの様子がわかるようになっていた。
「こういう間取りの部屋、さがすのに苦労した」
彼は、都会に出てくるのは初めてだった。

それからすぐに、ぼくとのデートを理由も告げずに断った彼女が、
彼の部屋の入口に、人目を忍ぶような顔つきをして、佇んでいた。
よくデートのときに着てくる、こげ茶色のブラウスに、細かいプリーツの入った薄茶のロングスカート。
スカートのすそから控えめに覗くふくらはぎは、茶色がかったストッキングに透きとおっていた。
ストッキングの脚をしつこくいたぶる彼の好みを、ありありと思い出していた。
彼女は、彼の好みに合わせて装ったのだ。

セミロングの黒髪を揺らして部屋に入ってくる彼女を見て、
ぼくの血は被虐の悦びに湧きたった。
彼女はぼくにも告げずに、彼に逢いに来た。そう、ぼくを裏切る行為のために。
ためらいながらも彼の好みに合わせた服装をし、気に入りのハンドバッグを提げて、
秘密の待ち合わせ場所に歩みを進めてきた彼女—―。
それなのに。
ぼく自身が彼の立場で、躍り上がるほどの歓びを感じてしまったのはなぜだろう?
いちど抱いた女をそそのかし、婚約者を裏切らせて、
密会の場に現れた女を目にしたときの満足感。制服達成感。
彼の立場でありありと、彼の得意が伝わってくる。
それでもぼくは、彼がぼくの彼女をゲットしたことを、彼の立場で歓んでしまっている。

「よく来たね、彼氏にはなんて言ってきたの」
「・・・話してないから」
目を背けて口ごもる彼女にも、通りいっぺん以上のやましさはあるのだろう。
ぼくはといえば、傍らに置こうとするハンドバックを軽々と受け取って、鏡台のまえにきちんと置いた彼のことを、
意外に紳士的な奴だと感心してしまっていた。
「悪い子だね、こんどは彼に正直に話して逢いに来てね」
婚約者にむかって、これから浮気をしに出掛けてくる――そんなことを言わせようとする彼は、
素早く彼女の傍らに寄り添って、後ろから羽交い絞めにするようにして、彼女の方に腕をまわしている。
ぼくに覗かせながら傍若無人に振る舞う、わがもの顔なその態度に、ぼくのペ〇スはゾクッと鎌首をあげた。

「いい子だね、素敵な肌だ。透きとおるみたいに輝いていて・・・」
もっと見せて・・・と言いたげに、ブラウスの襟首に手をやる彼に、
彼女は目を瞑って、ブラウスの釦を好きにさせた。
胸もとから覗く黒のスリップが、彼女の覚悟を示していた。
――今夜は割り切って、娼婦に堕ちる。
きっと彼女は、そんなつもりで出かけてきたはず。

「首尾一貫しませんね」
悪い子といわれたすぐあとに良い子といわれたことを、彼女はちょっとだけ、根に持っている。
そして吹っ切るように、彼を見あげて、
「悪い子になりに、来ちゃいました」
澄んだ瞳が、いつも以上に魅惑的に、輝いていた。

彼は彼女をベッドに腰かけさせて、細いプリーツの入ったロングスカートを、そろそろとたくし上げてゆく。
ぼくも彼も見たかった、ストッキングに包まれた彼女の脚—―
薄地のナイロンは、かすかな光沢をよぎらせて妖艶に透きとおり、すらりとした彼女の脚をなまめかしく彩っている。
あっ、無作法な・・・
彼女はとっさに口を開こうとし、ぼくも声をあげそうになった。
透きとおる薄地のナイロン生地ごしに、飢えた唇がねっとりと吸いつけられたのだ。

「うふ・・・ふ・・・うふふふふっ・・・」
彼女の足許にくまなく唇を這わせてゆきながら、彼は満足げに、くすぐったそうな笑い声を時おり洩らす。
「すべっこい、すべっこいなぁ・・・」
山小屋のなか、藁まみれにされた彼女の足許に取りついて、
都会育ちの娘を押し倒していったときとおなじ呟きを、都会のホテルの一室で、ふたたび聞かされている。
じょじょに征服されてゆく彼女のことを、
クローゼットのなかで、ぼくは歯噛みし、嫉妬し、なおかつ昂りながら見届けてゆく。

彼女はぼくに告げずに、彼と密会の場を持っている。
その意味で、彼と彼女とは、共犯者。
彼女はぼくの存在を知らない。
その意味で、彼とぼくとは、共犯者。
二重の共犯関係が、ぼくたちをがんじがらめにしていた。
そして彼は、不倫のベッドのうえで、彼女に対する欲望を遂げてゆく――

片脚だけ脱がされたパンティストッキングがふしだらに弛み、ひざ小僧の下までずり降ろされているあの光景が、いまでも忘れられない。


あとがき
肝心のところを掻けよ・・・といわれそうですが、時間切れです・・・ーー;
密会の後の彼氏いわく、
スカートを脱がされて、パンティストッキングを半脱ぎにされた彼女は、
お尻の奥の奥までむさぼられてしまいました。
ブラウスだけはきちんと着けているのが、むしろいやらしく映りました。
かれはどこまでも、ぼくに見せつける演出を怠らずに、
ベッドのうえの彼女を夢中にさせて、
クローゼットのなかのぼくまで昂らせてしまったのです――と。

荒々しすぎる一目ぼれ

2021年10月07日(Thu) 00:25:33

目の前で彼女を強姦された。
なのに、不覚にも昂ってしまった。
犯された彼女も、しだいしだいに妖しい歓びに目ざめていって、
気がつくともう、相手の男の腕の中、身を仰け反らせて悶えまくっていた。
旅先の田舎道での出来事だった。

道に迷ったぼくたちは、純朴で親切そうなその男に出会った。
村ならすぐそこですよ――朗らかにそう応えた彼がぼくたちを引き入れたのは、
村に間近の藁小屋だった。
そこでぼくは、あっという間にぐるぐる巻きに縛られて、
彼女の身に着けた洗練されたよそ行きのスーツは、
この田舎育ちの若者の、粗暴な戯れに曝されて、一枚一枚、剥ぎ取られていった。

荒々しい所作のなか、
彼女はうろたえ、拒み、ためらい、羞じらいながら、
華奢な身体を力づくでこじ開けられていって、
息せき切った接吻を圧しつけられた唇に、
初々しい唇を踏みしだくようにこじ開けられていって、
とうとう接吻を受け容れてしまうと、
観念したように、身体の力を抜いていった。

若いふたりが感じ合うのに、さほどの時間は要らなかった。

はだけたブラウスから覗く胸を荒々しくまさぐられながら、
たくし上げられたスカートの奥に、逞しい腰を沈められながら、
引き裂かれたストッキングを、ひざ小僧の下までずり降ろされながら、
いつしか、大人の女だけが識る淫らな舞いを、覚え込まされてゆくのだった。


嵐はあっという間に過ぎ去って、
彼女はストッキングを剥ぎ降ろされた真っ白な太ももに、赤いしずくを滴らせていた。
処女喪失を告げるそのしずくの瑞々しさが、自分の恋人が行きずりの暴漢のオンナにされてしまったことを
残酷なまであからさまに、告げていた。

彼は彼女を、四回も犯した。
そのたびに、彼女の身体の奥に、彼の熱情のほとびが、熱く熱くほとばしり、
彼女の身体の奥を、熱く熱く浸していった。
かち得た獲物を彼が気に入ってしまったのを、ぼくは否応なく見せつけられていた。
逞しい狩人は、ぼくの美しい恋人を、実力でかち得ていったのだ。

ぼくが不覚にも、ズボンの股間を熱い粘液で濡らしてしまったのを、
彼も彼女も気づいていた。
彼女もぼくも、愉しんでしまっていたことを、
加害者の彼も、被害者の彼女も、あえて触れようとはしなかった。
だって彼女も、未来を誓い合ったはずのぼくの目のまえで、悦んでしまっていたのだから。


感じ合ってしまったことに羞じらいや屈辱を感じるいとまを与えずに、
男はぼくたちふたりに告げた。
お互い、感じ合っちゃったみたいだね。
ぼくたちは男の言葉に無言で頷きながら、
互いに互いの顔いろをうかがいながらも、
覚え込んでしまった歓びを忘れられないと観念した。

男はどこまでも礼儀正しく、
彼女を犯しているときでさえ、唐突な愛情をさらけ出していた。
それは粘着的で、独りよがりな執着心に満ちていたけれど、
息せき切った野蛮な振る舞いにも、まっすぐな熱情をあらわにするのだった。

一目ぼれだからといって、
衝動的だからといって、
気まぐれの行為ではなく、戯れの振舞いでもなかった。
慎重で堅実な彼女がその場で蕩けてしまったのも、
自分が出遭った男が抱いた熱情が、類いまれなほどしんけんなものだと、
擦り合わされた素肌を通して感じてしまったからだろう。
――彼女はまだ、処女だった。

あたしの想いを言ってもいい?
大きな瞳を見開いて、彼女は声をひそめた。
瞳にたたえる魅力的な輝きは、犯される前と寸分、変わらないものだった。
ぼくは無言で、頷いていた。

予定通り、あなたと結婚する。
でももういちどだけ、あのひとに犯されてみたい。

彼女の言葉は鋭いナイフのように、残酷にぼくの心を突き刺した。

苦しみにあえぐ人のように、唇をわななかせながらも。
ぼくははっきりと、応えていた。自分でもびっくりするくらい、はっきりと。

ぜひ、そうしてもらおうよ。
ぼくも・・・きみが夢中になっているところを、もういちど視たいから――

やだ、エッチ!
彼女は羞じらいながら、ぼくの背中をどやしつけた。
そんなところは、いつもの彼女に戻っていた。


ねえ。
ぼくが声をかけたとき、彼は藁小屋の外にいた。
ぼくたちを、藁小屋のなかで二人きりにしてくれていたのだ。

話し合いは済んだかい?
振り向く彼に、ぼくはいった。

きみは彼女をおもちゃにしたの?

おもちゃじゃない、って言ったら?

え?

一目ぼれだった。本気なんだ。

でも彼女は、ぼくの妻になる女(ひと)なんだ。
そこだけは、譲ることができなかった。

わかってる。すまなかった。
夕陽の陰になった彼の顔が、しんそこすまなさそうに翳っていた。

でも――と、彼はくり返した。
おれも本気なんだ。でも、きみとはケンカしたくない。

きみたちの結婚をお祝いするよ。でもそのかわり、時々彼女に逢うチャンスをくれないか?
ムシの良いお願いだとは、わかっているけれど。
きみの奥さんを、時々俺の彼女にさせてほしいな。

ふつうなら、とうてい容認できないはずの申し出を。
ぼくはよろこんで、受け容れることにした。


処女を奪われちゃったのは、悔しいけれど。
きみはいちずに彼女のことを気に入ってくれたみたいだから。
まだしもあきらめがつくかな。
彼女を落とされたのは、悔しいけれど。
そこまで欲しがってくれたのならば、
むしろぼくのほうから、きみに彼女のことを、プレゼントするべきだったのかも。
ぼくの未来の花嫁の純潔を、きみがかち得たことに、お祝いを伝えるよ。

おめでとう。


彼はあっけに取られたようにぼくを見、そして自分のオンナにした彼女を見た。
そして、純朴そうな顔をほころばせて、黙って頷いた。
そして、掌を差し出した。
彼女の胸をまさぐった掌はまだ熱く、握手を求めたぼくの掌を、痛いほど握り返してきた。

きみは男らしい男だね、彼女のご主人にふさわしいと思う。
きみは男らしい男だと思うよ。彼女にお似合いだと、ぼくは思う。
ふたりはお互いをたたえ合い、
ぼくは、もういちど目の前で彼女を犯して欲しいと、心から願った。
こんどはぼくから、未来の花嫁をきみにプレゼントさせてもらうよ、と告げながら。

そして彼女もまた、淫らな粘液にまみれることを、自ら希望した。
ぼくの目を気にしながら、あんまり視ないでね、と羞じらいながら、
彼女はいちどは身づくろいしたはずのブラウスの釦を、じぶんからはずしていった――

ストッキングを剥ぎ降ろされた皎(しろ)い脚が、射し込む夕陽に照らされて、眩しいほど輝いていた。


≪ご注意≫
ごうかんは、犯罪です。このお話にあるような展開は、現実には奇跡的な確率でしか起こりえません。良い子は絶対、まねしないでくださいね。