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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

姉さんを連れてきな。媚薬を飲ませて・・・

2007年05月25日(Fri) 08:48:52

姉さんを・・・連れて来たよ。
少年は息を詰めたまま、黒い影に囁きかけた。
濃紺の半ズボンに、おなじ色のハイソックス。
少しユニセックスな制服のすき間から覗いた太ももは。
ツヤツヤとした輝きを秘めていて。
少女と見まごう色香を漂わせる。
男はフフ・・・とほくそ笑むと。
ではさっそく、紹介してもらおうか?
少年と、彼よりすこし背の高い少女のまえに、ヌッと姿をあらわにした。

ふつうの人。なのね?
少女は小首を傾げて、男をすみずみまで見まわした。
あくまでも姉らしく、弟の悪友を観察するしっかりとした目線。
流れる黒髪の下、襟首に走る三本の白いラインが。
男の目には、なぜか大人びて映った。
  姉、近野紫織。十七歳。清華女学院三年生です。血液型はO型。
  ボクにとっていちばん身近な処女・・・です。
決められたルールどおり、姉を紹介する少年は。
時おり言葉をたどたどしくもつれさせながら。
どうにか課せられたつとめを果たしていた。

なにされるのか、聞いているね?
ええ。
きみにも異存は、ないのだね?
・・・ええ。
少女の応えは、よどみがない。
おどおどしながら姉を窺う弟よりも、よほどしっかりしているようだ。
  薬は、飲ませてきたのだろうな?
ひらめく男の目線に。
  もちろんだよ。
少年は心外そうに、咎めをはね返してきた。
  そうでなければ、こんなこと・・・
それはそうだな。男は心で頷いた。
姉を連れてくるときに、飲ませるように。
少年に渡した薬には、ほどよく理性を喪うほどの媚薬が含まれていた。
いま目のまえで応対している姉娘は、彼女であって彼女ではない。
  紫織。いい名前だ・・・
姉の名前を、呼び捨てにされて。
なぜか少年は、昂ぶったように目をあげた。

ボクだけでなく。
姉さんまでが、血を吸われちゃう。
いけない。やめるんだ・・・
心のなかの叫びが、声にならないのは。
小心ゆえの恐怖心ばかりではなくって。
心のどこかで、そうなってもらいたいという密かな願望が。
かすかにあがる焔となって。
きっと、男はそれを目ざとく、見抜いたのだろう。
半ズボンとハイソックスのすき間から覗く太ももに、
牙をゆるやかに食い込まされるたび。
少年は随喜を秘めて、血潮を吸われていったのだった。

あの。
不覚にもおずおずと、声を洩らしていた。
姉を襲うのは、やめにしてください。
少年は、喉がカラカラになっている。
どういうことかね?
咎めるような目線に。
ただ、お願いなんです・・・
あと戻りできない。
そんな想いが。
彼から近親を遠ざけようとしたのだろうか。
男はあまり愉快ではなさそうに、少年を見つめていたけれど。
無理強いしてまで、姉をモノにするつもりはないようだった。
きみが私を、信用できないというのなら。
それは、しかたのないことだね。
どことなしに、寂しげな微笑を浮かべながら。
すまなかったね。
間近に迫らせた牙を素早く隠して、姉娘を受け流そうとした。
少年は、それまでよりももっとうろたえて。
おじさん、血を吸うあてはあるの?
おどおどと、声をあげた。
ないさ。きみの姉さんをあてにしていたのだから。
あとはいい。お前の心配することではない。
男の影は、早くも夕闇に消えかかっている。

いいのよ。
男を遮るように、呟いたのは。意外にも姉のほうからだった。
わたし、自分の意思で来たから。
え?それは・・・だって・・・
少年は、戸惑った。
どこまで酔わされているのか。姉を酔いから醒まさなければ。
だってわたし、薬飲んできていないもの。
え・・・?
あなたの仲良しのお友だち・・・なんでしょう?
わるい人のはず、ないものね。
姉はくすっ・・・と、笑みを洩らして。
自ら、黒影のほうへと影を重ねてゆこうとする。
ァ・・・
遮ろうとする少年を、べつの影が遮っていた。
ふふ。
かわいいな。きみ。
影は、男そのものだったが。
自分を抱きすくめている影と、寸分違わぬ影が。
同時に姉をも、抱きすくめてゆく。
ふたりながら、いっしょに愉しんでやるよ。
どちらも・・・きみなの・・・?
ひとりの彼は、ふたつの影になって。
姉弟ながら、それぞれの腕に抱きしめて。
髪の毛をかきのけて、うなじをあらわにしてゆく。
かりり・・・かりり。
ほとんど同時に刺し入れられた牙に。
姉も、弟も・・・
かすかなうめきを重ね合わせる。
ちゅうっ・・・
血潮をひと口。そして、またひとしずく。
啜りあげる唇が、笑むほどに愉しんでいる。

少年は、さっきまでの狼狽などすっかり消して。
いまはひたすら、男の牙に酔い痴れている。
首筋を。太ももを。そして、もう片方の太ももを。
かわるがわる押し当てられる唇の下。
鋭利な牙を、深々と滲まされて。
しみ込んでくる疼くような鈍痛に。
いつか我を忘れて、酔い痴れてしまっていた。
ハイソックス、破ってもいいね?
悪戯っぽく唇を這わせてくる男の求めに、われ知らず頷いて。
差し出したふくらはぎに、牙を埋められるのを感じながら。
姉もまた、すぐ傍らで。
たくし上げたスカートの下、黒ストッキングの脚に、なまの唇を許してしまっていた。
薄っすらと滲まされた伝線が、縦にぴちっと延びてゆくのを。
面白そうに、くすぐったそうに、見つめている。

声もなく。耽るように。
並んで腰かけたベンチのうえ。
姉も弟も、人外の身にわが身をゆだねて。
肌の奥底の熱情を、涸れるほどに捧げながら。
礼装を惜しげもなく、汚されてゆく。
また、来ようね。
こんどは制服、取り替えっこして来ようか?
姉の誘惑に、少年は夢中で頷いてしまっている。
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