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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

着たい 2

2007年06月15日(Fri) 18:16:18

さいしょにねだられたのは、妻の服だった。
あいては、親しい友人。
ただし、吸血癖という、特殊な嗜好を秘めている。
ねだられるままに。吸血の宴に妻を差し出した選択は。
果たして、ただしかったのだろうか?
父兄会に着てゆく堅いかんじのスーツ姿を乱しながら。
足許をぴっちりと引き締めた、上品なストッキングをふしだらに破かれていきながら。
異端の嗜好は妻の素肌の奥深く、しみ込まされていった。

着たい。
ふたたび彼が、口にしたのは。
結婚式にお呼ばれしたときの、娘のワンピース姿だった。
妻やわたしが、身代わりになって。
幾晩となく、娘の服を身にまとって。
彼の欲情をまぎらせようと、試みたものの。
却って彼の欲情を、体のすみずみにまで思い知らされただけだった。

いちばん気に入りの服、あげたのよ。
娘はくすっ・・・と、ほほ笑んで。
ポニーテールを心地よさげに、揺らしながら。
まるで鏡を見るみたいに、じぶんの服を身につけた彼を、
からかうように、目で挑発して。
制服のスカートをちょっぴり、たくし上げて。
白のハイソックスの脛を、差し出してゆく。

どちらが、娘?
どちらが、魔人?
娘の服を着た、ふたつの影は。
くんず、ほぐれつ、乱れあって。
やがて妻もたどったひとつの頂点を。
うつむきあえぎながら、ともにしてゆくのだった。

男の服は、萌えないね。
冷然と呟く彼のまえ。
ノリのよい息子が私の箪笥から失敬していったのは。
妻から譲られた、ブラックフォーマル。
おじさん、黒のストッキング、好きなんだって?
ぴちぴちとした健康なふくらはぎは。
まるで女の子のように、しなやかで。
吸血鬼の飢えた目線をそそるには、かっこうのものだった。

明け方、照れくさそうにうなじを掻きながら戻ってきた息子は。
こんど行くときは、彼女の服を着て来いってさ。
面白そうだね?
父親似の面差しに浮かんでいたのは。
きっと・・・あの晩妻を差し出すことにした私と、おなじ翳だったにちがいない。

善意の献血・・・ですからね。
妻は、子どもたちにも言い含めるように。
装いをきちんと、整えてゆく。
きりりと結った黒髪を、さらになで上げて。
脛をおおうストッキングに、ひきつれがないか入念に点検して。
おなじように、
娘のスカートの下も。
わたしや息子の半ズボンの下も。
手でなぞりながら、確認してゆく。

では。参りましょうか・・・
夕暮れ刻を、合図にして。
きょうもぞろぞろと、無言の人群れが、お邸をめざす。
今宵妻や娘の血を。わたしや息子の血を。喉に散らせるのは誰・・・?
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コメント

(^.^; オホホホ
 最近、ちょっとばかり忙しくて
読み逃げしちゃってます。
ゴメンナサイ(-人-;)(;-人-)ゴメンナサイ
文才の方も枯渇気味なんです。
血の気だけは、多いんですけどねぇ。
召し上がります?
by さやか
URL
2007-06-16 土 00:28:24
編集
>さやか様
いえ、いえ。
なんとなく・・・
いらしてるな。という気配は感じていたのですよ。^^
柏木、とっても寂しがりなので。
ひと言でもコメいただけると、ディスプレイのまえで踊っていたりします。(笑)

多いんですか?血の気。
うふふふふふっ。
では・・・
黒のストッキング、召しませ。
若妻の生き血を、遠慮なく。^^
ぬるっ。にゅるり・・・。くちゅうっ。
かりり。
チュチュッ・・・ちぅちぅ。
ごくん。
ごめんなさい。こんなところで。
お行儀、わるいですよね?
ごちそうさまでした。(^^)
なにかいい構想、わいてきましたか?^^
by 柏木
URL
2007-06-16 土 05:04:52
編集

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