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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

淫乱妻と 夫に言われないために

2007年07月29日(Sun) 00:42:20


誰とでも寝る・・・というわけでは、ありませんのよ。
そんなふうに軽々しく肌をお許しする女だと、軽く見られてしまいますもの。
いくつになっても、お値打ちものの女でいたいんですの。
自分の貞操のお値打ちを下げないためにはね。
だれもいないときには、夫に尽くすことにしておりますの。
夫ひとすじに、守り抜こうとする操こそ。
殿方にとっては、よけい望みたくなるものでしょうから。

由貴子は白い頬に、フッと微笑を滲ませて。
相手の男の顔を、値踏みするように窺っている。


すみません。ほんとうに。
これから言うことのご無礼を、どうか許していただきたいのです。
奥様と、由貴子さんと、おつきあいさせていただきたいのです。
え?どういう意味か?ですって?
文字どおり・・・恋人のようなおつきあいをしたいのです。
ベッドのうえで、由貴子さんを思う存分辱めて。
いっぱい、愉しませてあげたいのです。

柏木は、面食らっていた。
怒るよりもなによりも、相手の応対が尋常ではなかったからだ。
目のまえで小さくなっているのは、自分よりも十歳以上も年下の男。
初村と名乗るその男のことは、柏木もまんざら知らないわけではなかった。
娘のクラスを受け持つ担任として。
学校で顔をあわせたこともある間柄だったのだ。
私立の学校で教員をしている初村にとって。
人妻と、それも教え子の母親と通じる・・・ということは。
ごくひかえめにいったとしても、相当な罪悪感を伴うものだったに違いない。
それなのに。
わざわざ亭主に面と向かって、こんなことを告白するものなのだろうか?

いいでしょう。とは・・・ふつう申し上げかねると思うのですが。
柏木はわざと、冷静な応対をこころみる。
相手はますます蒼くなって。
そうですよね。それはもちろん、そのとおりだと思います。
大柄な身体を、ますます小さく丸めるばかり。
柏木は、ちょっと相手が気の毒になった。
わざわざ私のところに、このようなお申し越しがあるとは・・・ふつうのことには思われないのですが。
初村は、「そうですよね?」小声で相槌を打ちながら。
じつは、奥様にそうしろ、って言われたのです。
口ごもりながら彼が語ったのは。
冒頭の由貴子の答えだった。
それくらい、由貴子さんのことが、恋しいのです。
抜け目なくそう付け加えることも、忘れなかった。

夫としては、しょうしょう悔しいのですが。
家内は・・・貴男のことをにくからず思っているようですな。
柏木は、認めざるを得なかった。
堂々と、夫に申し込んでください。わたしを犯したいのだと。
夫がなんといいますか・・・
たしなみのある人妻としては、それ以上のことは申し上げかねますわ。
心のなかで由貴子が、人のわるい薄ら笑いをしているのを思い浮かべながら。
男ふたり。完全に手玉に取られているのだよ。
そういって、初村の肩を叩いてやりたい気分になっている。

妻を寝取られる、ということはね。
もちろん、いろいろな状況があるのだけれど。
少なくとも、誰もが誰もを尊重する気持ちがあるのなら。
まれに、憎しみを伴わないで進行することがあるのですよ。
だって。おなじひとりの女性を好きになっただけのことだもの。
むしろ。ほかの男性に恋われるほどの魅力を妻が持っている・・・といううことは。
夫にとって、誇りにもなり得るのですから。

一歩退けば。
相手もそれにつられるようにして。
一歩退がることがあるらしい。
ここで図に乗って、さらに一歩よけいに踏み込んでくるほどのあつかましい男なら。
柏木といえども、おもて向き笑みをたたえた唇の裏に隠された牙に、ものをいわせることもあっただろうが。
男はそうするには、あまりにも善良すぎたようだった。
もじもじと。言いにくそうに。さらに言葉を継ぐのだった。
もちろん無償で・・・というわけには、いかないでしょう。
代わりに・・・と申し上げてはなんですが。
私の妻を、抱いてくださってけっこうです。

初村の妻のことも、柏木は知っている。
芳紀二十四歳。まだ結婚して二年と経たない若妻だった。
まだ娘っぽさが抜けない初々しさを、由貴子さえもが気に入っている。
ほほー。それはそれは。
中年男独特の脂ぎったものを、とっさに押し隠しながら。
「妻を・・・」と口にしたときの、相手の口調の微妙な震えに、彼は敏感にも気がついている。
気の毒に・・・私と同じ血をもつ男なのだな。

すこし、異論をとなえたいのですが。
柏木はあくまでも、紳士的に口を切った。
それでは、奥様の意思をないがしろにするようなものにはなりませんか?
奥様にも、選ぶ権利があるはず。
貴男が人妻に手を出したからといって、ご自分の身を好んで汚すお人柄かどうか。
それにそもそも、私などを相手に選ぶお人かどうか。
こうしましょう。
どうしても貴男の気がすまない・・・と仰せなら。
奥様を誘惑する機会だけを、私にお与えください。
もしも奥様がその気になられたら。遠慮なく頂戴いたしましょう。
貴男にしても・・・
ウデがあったから、由貴子を堕とせたのですからね。


弱りました。
初村はまたもや、柏木家の応接間で頭を抱えている。
家内に柏木さんのお話をしたのです。
そうしたら、大変な剣幕で怒り出しまして。
夫婦交換とおなじじゃないの。そんなに私が嫌いなの?といって。
家を出る・・・というのです。

おや、おや。
そいつは困りましたね。
色恋というものは、相手をいつくしむためにあるものなのにね。
こういうふうになってしまうのは、なんとしても興ざめで、残念な話ですね。
いっそ、わたしのほうの申し出は、反故ということにいたしましょうか?
一方的に由貴子を犯されるだけの関係でも、よろしいのですよ。
柏木の寛大な申し出にも、初村は首を振るばかり。
今すぐにでも・・・って。もう出支度をはじめているんです。
困ったものですね・・・
よろしい、一肌脱ぎましょう。
柏木は内心しぶしぶ・・・というように、座をたった。


当面奥様は、お気持ちが静まるまで。
わたしの別宅でお預かりすることにいたしましょう。
あなたは、わたしにお構いなく、由貴子のところに通うがいいでしょう。
けれども必ず、夜明け前には家に戻って、
奥さんのいないご自宅で過ごすのを忘れずに。
夕飯もなく、掃除もされず、洗濯物も自分で始末しなければならない生活を余儀なくされるでしょうが。
そのていどの罰ゲームでは、軽すぎるくらいでしょうからね。
いずれ・・・奥様は。
ご機嫌が戻った時に、お返しします。
ご帰宅のまえには、私から一報入れますが。
ご主人はいっさい咎めだてをなさらずに、奥様をお迎えになるように。
よろしいですな?
初村は柏木の芳情に、ひたすら感謝するのだった。


ずるいわね。
由貴子は白い頬にからかうような色を込めて、夫を軽く睨んでいる。
初村さんの奥様のこと。
とっくに、堕としてしまわれていたくせに。
あまり図に乗って、恩着せがましくなさったら。
ぜんぶばれちゃってから、初村さんに恨まれるかな?って、心配していたんだけど。

あれ・・・?(^^ゞ
分かっていたの?
きみもまぁ・・・なかなかすみにおけないね。
けれどもすべて、丸く収まったじゃないか。
初村くんは、数あるきみの愛人の一人になれたわけだし。
今では、若い奥さんをボクに捧げることにも、歓びを見出していらっしゃるようだし。
このあいだ、言われちゃったよ。
なぁんだ。さいしょからできあがっていたんですか。ひどいなぁ。
これからはどうか、安心して遊びに来てくださいね。
初村家の最高の客人として、歓迎しますから。ってね。

すみにおけないね、といわれた由貴子が。平然と。
貴方の妻ですもの・・・と、いつもの淑やかさを失わないで。
ものを投げたり、もちろんダンナをひっぱたいたりもしないのは。
なにも知らない初村が、じぶんのほうからしかけてきた・・・というところだけはほんとうだったからなのか。
初村さん。わたくしよりもずっと、お若いのに。
お目が高いのですね。
年配の貞淑妻のお味が、おわかりになるなんて。
あぁ。まったくだね。
おふたりのお熱さかげんには、ボクもずいぶん妬けたものだよ。
あなたこそ・・・若妻のお味はいかがでした?
う・ふ・ふ。
きみほどじゃなかった・・・と、申し上げておこうかな?


あとがき
浮気妻と淫乱妻とは、微妙に違うと思うのです。
これぞ・・・と想う殿方にだけ許すのが、浮気妻。
相手かまわず、肉体的悦楽に酔っちゃうのが、淫乱妻。
由貴子はどうやら、前者といいたいようです。
ステディな相手がいないときには。夫ひとすじ・・・
そうすることで、周囲の男が勝ち獲ようとする彼女の貞操の値打ちも高まると。
殊勝なことを、申しております。

それにしても。
夫がつまみ食いをした若妻の夫に言い寄られて。
それなりに彼女も、愉しんだのでしょうけれど。
案外と。
夫が相手のご主人の目を気にせずに若妻を愉しむことができるよう。
周到に計らった結果なのかもしれません。
夫想いの由貴子さん。
なかなか知能犯だったりするようです。
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コメント

初めまして
柏木様初めましてゆうと申しますhttp://blog37.fc2.com/image/icon/i/F995.gif" alt="" width="12" height="12" class="emoji">あなたのストーリーは読みやすくてやや背徳感もありそそられました 男性…ですよね?いきなり失礼しましたhttp://blog37.fc2.com/image/icon/i/F999.gif" alt="" width="12" height="12" class="emoji">
これからも楽しみにしてます頑張ってください
by ゆう
URL
2007-07-29 日 23:23:03
編集
>ゆう 様
はじめまして。^^
ようこそおいでくださいました。
お褒めの言葉、過分に存じます。
不倫、女装、近親愛・・・など、いろいろなジャンルがありますが。
ゆう様はどのテのお話に感じますか?
お気に召したお話がございましたら、遠慮なく書き込んでいってください。
また遊びに来てくださいね。^^
by 柏木
URL
2007-07-30 月 07:53:32
編集

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