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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

携帯で合図♪

2007年07月31日(Tue) 06:03:20

市長主催のパーティーに、招待されているんだ。
パーティーには、かならずカップルで行かなければならないのだが・・・
吸血鬼の得意げな顔つきをみて、丘村は苦笑いをする。
なにを言いたいのか、みなまで訊かずとも分かっている。
当日のパートナーには、きみの奥さんを選んだから。
おい、おい。ずいぶん勝手なんだな。ひとの女房をつかまえて・・・
そう、妻はまだ、なにも知らないでいる。

吸血鬼のパートナーに選ばれる、ということは。
その女性がすでに彼の情婦となっていることを、宣言するようなものだった。
けれども街に住まう旧い家の夫たちは、愛妻が吸血鬼のパートナーをつとめることを忌むどころか、むしろ誇りに思っていた。
それだけの価値ある女、と認められた証しだから・・・というのである。
そういう夫たちは、彼からの申し出を受けると喜んで受け、
妻がパートナーとして召しだされてしまうのを、眩しげに見送るのだった。

しかし、妻はまだ・・・
いいつのろうとする丘村に、吸血鬼はむしろにんまりと笑いかける。
うまく、やってあげるよ。
罠にかけるご主人も、まんまと罠にかかる奥方も、恨みっこなし、ということで・ね♪
キミはただ、パーティーの夜だけ、奥さんを誘惑させてくれさえすればいい。
なにしろ・・・きみの娘さんも、承知のうえのことなのだから。
さいごのひと言に。丘村はグッと詰まっていた。
いいじゃないの。お母さんにも、たまにはいい想いをさせてあげようよ。
そんな娘の声が、聞えるようだった。
婚期間近の娘が、いまだに処女でいるのは、ほかならぬ吸血鬼のためだったから。

合図を決めておくよ。
奥さんに、携帯でメールさせるから。
  二次会です。
というメールが来たら。
オレがキミの奥さんの脚を吸わせてもらっている・・・と思ってくれ。
  ちょっと首が痛いかも。
と言ってきたら。
オレが奥さんの首筋を噛んだと思ってくれ。
  カラオケで、デュエットを唄っています。
ときたら。
ウフフ・・・わかっているよね?
だいじょうぶ。
きみのたいせつな奥さんのことだもの。
ぞんざいなあつかいは、つつしむことにするよ。
カラオケボックスなんかじゃなくて、ちゃんとホテルのツインルームを予約してある。
なにしろ・・・
ほかならぬきみの奥さんを、犯そうというんだからね。
にんまり笑う吸血鬼の前。
丘村は、どす黒い背徳感にゾクゾクとしながらも、受け入れてしまうのだった。
妻はきっと。
メールの真の意味も告げられずに、いわれたままのメッセージを送ってくるはずだ。

その晩、娘もどこかへ出かけていた。
べつの吸血鬼のところだと、分かっていたから。
丘村は、とがめだてしようとはしなかった。
むしろ・・・だれもいないほうが、昂ぶる己を見られずにすむ。
そんなふうに感じるほど。
携帯から目を離せなくなっていた。

♪♪♪
着信音は、軽やかな音楽。
時ならぬ音に、ビクッとして。
飛びつくように、携帯のディスプレーをのぞき見る。
  二次会です。
あっ。
いまごろ、脚を吸われている。
出かけていった妻の足許を彩っていたのは、黒のストッキング。
ふだんはパンツスタイルの妻が、スカートを履くことはめったにない。
まして黒のストッキングなど、何年ぶりに目にしただろう。
肌の透けて見える薄々なストッキングごし。
蒼白く浮かび上がる脚が、ひどくなまめかしかった。
あの脚を・・・ヤツは唇で吸っている、というのか?
夫のわたしですら、許してもらえないような行為なのに。
妻はきっと、なにも知らされずに打っているのだろう。
さぁ、つぎは二次会だね。
お店で落ち着いたら、ご主人にそう、メールしておやり。

♪♪♪
あっ。
またも鳴った。鳴ってしまった・・・
  首が痛い、かな?
噛まれちゃった。とうとう、噛まれちまった。
ピチピチOLの娘に比べれば。
妻の血など、ほんのつまみ食いのつもりなのだろうけれど。
オレにとっては、かけがえのない妻なのに。
今さらながら、後悔がじわじわと胸をどす黒く染めてくる。
♪♪♪
えっ?
またも、着信音。
  脚も痛いわ~
ちく生。黒ストッキングの脚まで噛みやがった。
あいつ、あいつぅ・・・

♪♪♪
もう、どうにでもなれ。
  みんなで合唱しています。
えっ?
そんなメッセージ、ヤツは教えてくれなかったぞ?

♪♪♪
こんどは、メールではなかった。
ディスプレーに表示されたのは、たしかに妻の名前。
もしもし?
私だ。
電話に出たのは、低くくぐもった吸血鬼の声だった。
いま、みんなで奥さんをご馳走になっている。
え?え?えええっ・・・?
K君にY君に、E君だ。
人選には、気を遣ったよ。嫌なやつは、いないだろう?
みんな、秘密を共有する仲だ。
そう・・・三人とも気前よく、奥さんを私のパートナーにしてくれたやつばかりだから。
今夜はお礼にね。きみの奥さんを流用させていただいたのさ。
奥さん?もちろんさいしょから、その気だよ。
さいしょ・・・って。もちろん首を噛んでからの話だがね。
いまちょうど。
さいごにお相伴のE君が、奥さんに迫っているところだよ。

がちゃり。
思わずドアを、開いていた。
彼に教わった、ホテルの部屋番号。
あっ!
ベッドのうえ、ほとんど全裸の丘村夫人は、夫の姿を見て、
ゆるんだ口許をあわてて両手でふさいでいる。
ご、め、ん、なさい~。
泣き笑いする奥さんを、丘村はよしよし、とあやしながら。
もうすこし、愉しんでいこうか?
会社の同僚のK、お隣のご主人のY、妹婿のE。
だれもが妻を、狙っていた男ばかりだったが。
お互い共犯者の目で、含み笑いを交わすことができるのは。
おなじ体験を共有するどうしだからだろうか。
夫の手でふたたびベッドに投げ込まれた妻は。
もの堅い専業主婦の仮面をかなぐり捨てて。
きゃっきゃとくすぐったそうにはしゃぎながら、
男たちのまさぐりを肌の奥までしみ込まされてゆく。
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