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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

都会から来た少女 4 100人め

2007年08月28日(Tue) 08:12:25

あ・・・あ・・・あ・・・
藁のうえに、ひざをついて。
情けない声をあげたのは、意外にもあの性悪男のほうだった。
うずたかく積み重ねられた藁束のかげから覗いているのは、白い脚。
未成熟な稚なさをのこした輪郭を縁どっているのは、くしゃくしゃに脱げかかった白のハイソックス。
お目当ての少女には、すでに先客があったらしい。
ゴメンね。おじさま。
ついてきた彼氏に、どうしても、おねだりされちゃって・・・
済まなさそうに、神妙に肩をすぼめているのは。
雑木林でモノにした女の子。
ただひとりの男子なので、自費でべつの宿をとって。ついてきて。
べそを掻きながら林から出てきた恋人に、びっくり仰天して。
そうか。そういうことだったのか・・・
このままじゃ、みんな犯されちゃう。わたしのお友だちを、守って・・・
恋人の訴えに、われ知らず、うん。うん、と力づよく頷いていた。

百人め・・・と狙いを定めた少女は、すでに男の腕のなか。
スカートを脱がされて、あらわに開ききった太ももには、男が流させてきたのとおなじ、バラ色のしずくが光っていた。
ちっくしょう!よけいなことを、しやがって。
いきりたつ吸血鬼に、男の子は静かに言った。
数を誇るなんて、空しいよ。
きみに捨てられて泣いた女の子の数が、多いだけじゃないか。
どうせなら。たったのひとりでも・・・
しっとり抱ける子ができるといいのにね。
あぁぁぁぁぁぁぁ!
今年になってから二百五十夜めの夜。
その晩までに、百人の処女を犯そうと、村じゅうの乙女という乙女を狙ってきたというのに。
望みのたえた男は、あとも振り返らずに納屋を飛び出していた。
華燭の典を彩る灯・・・となるはずの薄明かりが、背中の後ろで忌々しく輝くのを、見届けもせずに。

百人目。
男は別人のように、にんまりとほくそ笑んでいる。
こまったひとだよ・・・きみというひとは。
男の子はがっくりため息をして、
吸血鬼の腕のなかで酔わされた妹の横顔を見守っている。
兄さんといっしょに行く・・・という妹を、とうとう振り切れないで、連れてきて。
巻き込んでしまった・・・
そんな想いに、意外なくらい後悔はなかった。
部屋の隅に脱ぎ捨てられた淡いブルーのパンティの主は、
さらけ出された腰を、心地よげにくねらせて。
兄にさえ見せてはならないはずの初めての舞いを、ぎこちなく舞っている。
ステップ代わりにつま先で、褥を軽く、ぴたぴたと叩きながら。
わかったよ。
男は少年をかえりみて。
しかしな。
ほかの九十九人が、気の毒じゃないか。
オレがさいごのさいごでしくじったとしたら・・・あの子たちが処女を喪ったことまで、空しくなってしまうのだから。
身勝手すぎる理屈に、少年は不平ひとつ鳴らそうとしないで。
恋人と妹とが、かわるがわる抱かれる光景を、生唾飲み込んで、見入っている。
きょうがほんとうの、二百五十夜だなんて。
数え間違いするなんて、そそっかしいや・・・
去っていった女学生の群れから離れたのは。
少年の恋人と、少年に始めて抱かれた少女。
ふたりの男。三人の少女。
入り乱れての夜は、刻の移ろいを忘れている。
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