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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

芋づる・・・

2007年12月03日(Mon) 07:19:46

公園を歩いていくと。
約束どおり、ユウくんは藤棚の下のベンチに腰かけて待っていた。
もうだいぶ、寒くなったのに。
ユウくんも、ボクも、まだ半ズボンを履いている。
子供は寒さに強いのだろうか?大人が弱いだけだろうか?
どちらにしても。夏に大人たちが長ズボンをはいているのが、ボクにはふしぎでならなかった。
あんな暑いもの。どうして夏に履けるんだろう?って。
そんなボクを横目で見ながら。
ユウくんはボクに、囁いてきた。
約束しようよ。冬じゅう半ズボンを履きつづけるって。
ウン。いいよ。ユウくんもね。
指きり、げんまん。
暑いときに寒くなってからの約束なんか、するものじゃないのかも。
でもボクは、後悔していなかった。

待った?
息せき切って駈けて来たボクに、ユウくんは笑ってかぶりを振ってくれた。
でも、きっと。
ずっと待っていたに違いない。
履いてきてくれた?
ユウくんの声はすこし上ずって、言葉がみじかくなっている。
すこしいらいらしてきたときの、クセなのだ。
ボクは答えのかわりに、ねずみ色のハイソックスの脚を、見せびらかすように前に突き出した。
学校が終わったらさ。いつもの公園で待っているから。
あの、ねずみ色の長靴下を履いてきて。
ユウくんは、靴下が好きらしい。
だれそれは、真っ赤なハイソックスを履いてきた。
誰々はいつも黒いやつだ。
そんなこと、どうだっていいじゃないか。
そうあしらってしまうには、ユウくんは大人しすぎ、感じやすすぎたから。
ボクは黙って、聞き役になってあげている。

いいなぁ・・・
ユウくんは舌なめずりするように、ボクのふくらはぎに触って、
ハイソックスの上から、なんども手をすりつけてくる。
ずり落ちちゃうよ。
脛の周りをすれる感覚が、妙にくすぐったくて。
でも、そんなことをあからさまに言うのを、なぜかためらってしまって。
そういうのが、やっとだった。
そうすると、ユウくんは、いきなりボクに抱きついてきて。
身動きもできないくらい強い力で、横から抱きつかれて。
そのまんま、汗臭い唇をボクの首筋に押しつけてきた。
アッ、何するの?
あわてたボクは、とっさにユウくんの腕をふりほどこうとしたけれど。
生臭い口臭がつんとよぎったかな・・・と思ったときにはもう、
うなじのつけ根に、鈍い痛みをしみ込まされてしまっている。

ちゅ・・・っ。ちゅちゅ・・・っ。ズズズ・・・
奇妙な音をたてて、ボクの血が吸い上げられてゆく。
え?え?え?
きみ、吸血鬼だったの・・・?
とうとう、腕をふりほどくことができないまま。
ボクはそのままの姿勢で、血を吸い取られちゃって。
気がついたら、ふらふらになって、ベンチのそばに四つんばいになってしまっていた。
うふふ・・・気分はどう?
ユウくんは落ち着きたっぷり、ボクのことを獲物みたいに見回して。
じゃあ、ハイソックスもイタズラさせてね。
くすっ・・・と、いつもの無邪気な笑いを浮かべると。
笑いを滲ませたままの唇を、ハイソックスのふくらはぎに吸いつけてきた。
ちゅうっ。

あ・・・あ・・・あ・・・
逃げないと。やめさせないと。
なんど、そう思ったかわからなかった。
けれどもボクの手足は、しびれたようにいうことをきかなくなっていて。
そのスキに、ユウくんはボクの血をいいように、ちゅうちゅう、ちゅうちゅう、音を洩らしながら吸い取ってしまった。
殺さないで。死なさないで・・・
必死に念じるボクの気持ちは、啜られる血を通して、ユウくんにも伝わったらしい。
おいしいよ。愉しいよ。決して死なせたりなんか、しないから。
もう少し、もうちょっとだけ、愉しませて。
うん・・・ウン。わかった。ボクの血、そんなにおいしいの?
だったらいいよ。もっと、吸って・・・

見て御覧。
だいぶ吸われちゃった・・・
ぼんやりと、そんなふうに思っていると。
ユウくんはボクをベンチに座らせてくれて。
足許がよく、見えるようにしてくれた。
ほら。どうだい・・・?
だらしなくずり落ちたねずみ色のハイソックスが、ボクの血を赤黒く滲ませている。
もうすこし、いいよね・・・?
やめさせる気力のなくなったボクは。
ユウくんにねぶられるまま、破けたハイソックスをもてあそばれていった。

どれほど刻が流れただろう・・・
ユウくんはようやく、ボクを放してくれて。
おうちに帰ろ。
そういうと。
ハイソックス、破けちゃったね。ボクのと交換しよ。
ユウくんは、真っ赤なハイソックスを履いている。
よほど、気に入っているらしくって。
女の子みたいだ。
そんなふうにクラスの男の子に、からかわれることもあったのに。
そ知らぬ顔をして、毎日のように履いてきていた。
ユウくんは、ひざ下まで引き伸ばされたハイソックスを、むぞうさにくしゃくしゃにしながらずり降ろしていって。
ボクの目の前に、ぶら下げた。
かわりに、キミのをもらうからね。
そういえば。
時々クラスの男の子が。
ユウくんみたいに真っ赤なハイソックスを履いて、ぼうっとした顔をして、歩いているのを見かけたっけ。
ボクは、脱がされるままになって。
ユウくんが目をつけていたらしいハイソックスを、まんまとせしめられてしまっていた。
ありがとう。大事にするね。
こんどは、青のラインが入っているやつ、履いてきてね。
ウン。約束ね。
指きり、げんまん。
バイバイをするときは・・・いつもの友だちに戻っていた。

真っ赤なハイソックスを履いて家まで帰るのは、ちょっと恥ずかしかったけど。
幸い、秋の終わりは陽が短くて。
だれもがボクの足許なんかに目を留めないくらい、薄暗くなっていた。
それでもママの目だけは、ごまかせない。
そう思って、観念して、インタホンを鳴らしたのに。
玄関に出てきたママはボクの足許に目を留めて、ちょっとびっくりしたみたいだったけど。
もうそれ以上、なにもいわないで。家に迎え入れてくれた。

だいじょうぶ?毎日来なくて、いいんだよ。
ウン。だいじょうぶ。キミは痛くなく噛んでくれるから。
いたわり言葉と、うらはらに。
だらしなくずり落ちたハイソックスを、もういちど引き伸ばすと、
ユウくんはまた、唇を吸いつけてきた。
ハイソックスの舌触りが、愉しいの?
ぬるぬるとよだれをしみ込ませてくるユウくんのやり口を、見おろしていると。
恥ずかしそうに、だまってうなずいている。
ママが三足そろえて買ってきてくれたライン入りのハイソックスは。
たった三日で全滅した。
毎日履いていって、ユウくんに見せてあげたから。
これからは、週に二日でいいからさ。
そうだ。水曜日と土曜日にしよう。
水曜日は、午前授業だし。土曜日は、はお休みだし。
きみのハイソックスを、時間をかけて愉しめるからね。
ウン。いいね。
いつの間にかユウくんの舌がすり込んでくる疼きに慣れてしまったボクは、
声震わせて、うなずいている。
じゃ、つぎの土曜日は、どれを履いてきてあげようか?

それ、お姉ちゃんのやつじゃない?
登校まぎわ、靴まで履いてしまったボクの足許を見咎めたママは、さすがにちょっと声をけわしくする。
真っ白なハイソックスは、姉さんがいつも学校に履いていくやつだった。
サイズがすこし、ボクには長めで。
ひざ小僧までかかったのが、目を引いたらしい。
太めのリブに、学校名のイニシャルが飾り文字になったワンポイントが洒落ていて。
前から気になっていたけれど。
おなじことを考えていたらしいユウくんが。
お姉さんのを、履いて来いよ。
そんな、悪魔の囁きで誘惑したのだった。
ちょうど制服に着替えた姉さんが顔を出して、ふたりのやり取りをすぐに察したらしかった。
あら、いいんだよ。あたしがあげたやつだから。
思いがけず、助け舟を出してくれた。
ほんとうは・・・姉さんがいない部屋に忍び込んで、タンスの引き出しから黙って借りてきたんだけど。
いいの?
さぐるような目をするママに。姉さんはウン・・・と、うなずいて。
サイズもぴったりだね。欲しかったら、いつでもあたしに言うんだよ。
上背のある姉さんのおさげ髪が、ボクの目の上で優しく揺れていた。

うふふ・・・ふふふ・・・
いつもの藤棚の下で。
ベンチに腰かけたボクは。
女の子みたいに、内またになっていて。
きちんと引き伸ばした姉さんのハイソックスを、すねの周りでいたぶられている。
ユウくんは、まるで姉さんじしんをいたぶるみたいに。
べろを突き出し、よだれをぬらりとなすりつけて、
唇をべっとりと、ヒルみたいに這わせてきて、
流れるような太めのリブを、くしゃくしゃにねじれさせてゆく。
いやらしいわね。あなた達。
聞き覚えのある声に、びくっと顔をあげると。
姉さんの細面が、言葉とうらはらに笑っている。
制服姿の姉さんは、いつもよりちょっと大人びてみえた。
濃紺のプリーツスカートの下、タイツみたいに覆っているのは。
ボクとおそろいの、白のハイソックス。
ユウくんね?弟がいつもお世話様。
ハイソックスが、好きなのね?
じゃあ、あたしのも舐めてみる?

え?え?え?
姉さんは、いつものように余裕たっぷりの優しい笑みを浮かべたまま。
ボクの隣に腰をおろして、ハイソックスの脚をユウくんのほうへと差し伸べる。
いいの・・・?
目を輝かせたユウくんは。
さっきボクにしたのと、おなじやり口で。
姉さんのハイソックスを、もういたぶり始めていた。
あら・・・やらしい。
姉さんはちょっとだけ、メイワクそうに顔をしかめたけれど。
太めのリブがぐにゅぐにゅにねじれていくのを、くすぐったそうに、愉しそうに見つめている。
姉さんの足許をきりっと引き締めていたハイソックスが。
隣に伸べたボクの脛からずり落ちかかっているハイソックスとおなじように。
じりじりとずり降ろされて、くしゃくしゃになってゆく。
あっ、噛んだ・・・
そのときだけ。
姉さんは痛そうにキュッと眉を寄せて。
ちょっとだけ、肩を揺らした。
ボクはとっさに、姉さんが倒れないようにと、セーラー服の両肩に手を回していた。
はたから見れば。
脚を吸う吸血鬼の悪友に手を貸して、姉の血を吸わせているようだったかも。

愉しかったね。
おもしろかったね。
姉弟、肩を並べて。
半ズボンとスカートの下、おそろいの白のハイソックスがずり落ちたまま。
ユウくんの家へと、ついてゆく。
もっと吸いたい。いいでしょ?
おねだりされるまま。
ユウくんの家の玄関に、姉さんはセーラー服姿をくぐらせた。
きゃっ。
ひと声だけだった。
姉さんの首筋に噛みついたユウくんは。
映画に出てくる吸血鬼みたいに、姉さんを抱きすくめて。
ズズズ・・・じゅるうっ。
音をたてて、生き血を吸い取ってゆく。
ボクは隣の部屋から、痺れたように、身じろぎひとつできなくなっていて。
ボクとおなじ血をもつ姉さんが味わわれているのを、
なぜか胸をワクワクはずませながら、見入ってしまっている。
暗くなっちゃったから。だれにもわからないよね?
セーラー服の襟首に撥ねた血を、たしかめながら。
鏡のなかの姉さんは、イタズラッぽくほほ笑んでいる。

お帰りなさい。
ママはしずかな声で、ボクたちを出迎えた。
いらっしゃい。お食事はそのあとよ。
きちんと正座した畳部屋。
叱られるときは、いつもこうだった。
内心なにをいわれるかと、ビクビクしていると。
あの子・・・あなたたちを殺めるつもりはないようね。
ママは怒っていなかった。

さいしょは、心配したのよ。お父さんと。
貴方が真っ先に、血を吸われて帰ってきたでしょう?
ふつうはね。
血を吸い尽くされて。吸血鬼にされちゃって。
ユウくんとふたりして、ママや姉さんを襲うものなのよ。
そうやって、芋づる式に、仲間を増やしていくの。
血を吸うひとが、一家のなかでどんどん増えていくと。
血をあげるほうの人も、耐え切れなくなって。
やっぱり吸血鬼に、なっちゃうものなのよ。
ユウくんとつきあって、どれくらいになる?
もう、ひと月やそこらじゃ、ないでしょう?
それでも血を吸い尽くされないのは。
ユウくんがあなた達に優しいからなんだね。
息子が血を吸われ、娘まで血を吸われたのに。
ママはちっとも、怒っていない。
だって、ママも若いころ・・・パパに連れてっていただいたのよ。
吸血鬼のお邸に。
処女の生き血を、お好きですからね。
あなたも・・・お嫁入りまで、たいせつに取っておくといいわ。
ママは、許してくれている。
安堵したボクは、おずおずと切り出してしまっている。
水曜日、ユウくんに逢うんだけど。
ママの靴下、貸してくれない?

え?ほんと?
藤棚の下、ユウくんは目を輝かせた。
姉さんは制服のスカートの下、黒のストッキングを履いて、
ボクまで半ズボンの下、ママからもらったストッキングを履いている。
どう?オトナっぽいでしょ?
入学式や卒業式のときくらいしか、履いて行かない黒ストッキングの脚を、
姉さんは自慢げに、見せびらかして。
ボクもおずおずと、肌色のストッキングを履いた脚を差し出してゆく。
男の子が履くには、薄すぎるよね?
道々、とても恥ずかしかった。
肌色のストッキングは、色は目だたなかったけど。
あからさまな陽射しの下、てかてかとした光沢が、脚の輪郭を縁取るようにてかっている。
道行く人は、ボクをさりげなく振り返って。
そのたび足許にまとわりつく視線が、じかに舐められるようにそらぞらしくて。
姉さんといっしょに、どこ行くのかな?
近所のおじさんに、そう声かけられたときは、真っ赤になって、うつむいてしまっていた。

ママの靴下まで、ねだるの?
ほんとうは、いつもあなたが盗み見ているチョコレート色のハイソックスがお目当てなんでしょうけれど。
やっぱり、さいしょが肝心ですからね。
オトナらしく、振舞わないとね。
肌色のストッキング、貸してあげる。
いちど、履いただけだから。新品どうぜんだけど。
ママの気配、彼はちゃんと察するかしら?
どう?素敵な罰ゲームでしょう?
きっと、半ズボンにも、似合うわよ。

夢中にふるいつけられてきたユウくんの舌は、いつになく熱っぽくて。
ママをほんとうに襲ってみるみたいに、荒々しく。
薄々のナイロンをちりちりに破いてしまっていた。

あうっ・・・
ふすまの向こうから、声。
噛まれたぁ。
ボクと姉さんは、顔見合わせて。
そう・・・っと、居間のほうを窺ってみる。
ソファに腰かけたママは、黒一色のスーツに、肌の透けて見える黒のストッキング。
脛を蒼白く、じわりと透きとおらせたつま先を、キュッと引きつらせて。
背丈の足りないユウくんは、腰かけたママにすり寄るように、
首を抱き寄せて、うなじを噛んでいた。
ちゅ、ちゅ、ちゅう~っ。
あ、あ、あ・・・吸われちゃう。ママが生き血を、吸われちゃう・・・
なまめかしい黒のストッキングも。
きっと面白そうに、いたぶって。
さいごにちりちりに、破いちゃうんだろうか。
物陰から覗き込んでいたボクは、思わず爪先立ちになっている。
ふくらはぎを包んでいるのは、ママのお気に入りのチョコレート色のハイソックス。
しっとりと暖かく足許を包むハイソックスは、きりっとしなやかで、それでいてなまめかしかった。


あとがき
えらーく、長くなっちゃいました。(^^ゞ
ユウくんがお友だちに優しく接して、決して死なせようとしなかったのは。
ママやお姉さんを紹介してもらうためだったのかも。^^
たぶん、そのあとは・・彼女とかお嫁さんなんかも、紹介してもらうつもりなのでしょう。
やっぱり芋づる・・・ですな。^^;

噛ませたりいたぶらせたりするために、今度履いて来るハイソックスの品定めをする少年たち。
とか、
並んでベンチで腰かけて、おそろいのハイソックスの脚をいたぶられる姉と弟。
とか、
ムシのよいおねだりをする坊やに、自分のストッキングを履かせて街を歩かせるママ。
とか。
ちょっとこだわりなキャラクターに仕上げたつもりなのですが。^^
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