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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

人形(ひとがた)を彫る老婆 2

2007年12月09日(Sun) 07:45:45

村で生まれ育った俺にとっては。
村のおきてが、この世の常識だとばかり思い込んでいた。
あの古びた家に親父がお袋を連れ出すのは。
其処に棲むお婆さまに、女の生き血を吸わせるためだと知っていたけれど。
そうすることが、我が家のしきたりなのだと聞かされれば。
他所行きの服を着崩したまま、昼ころまでぼんやりしているお袋を見かけたとき、
お疲れさん。愉しかった?
そんなふうに声かけるのも。
ああ、悪いけど今夜も家をあけるからね。
そんなこたえが返ってくるのも。
当然のことだとばかり、思っていた。

どうやら村の外では違うようだ、と気づいたときには。
祝言間近になったさよのことを、やっぱりお婆さまの家に連れて行っていた。
さよが苦しげに髪振り乱して、お婆さまにうなじをくわえられるのを。
なぜかドキドキしながら、見守っていた。
そもじがするまえに、ほかのものにさせるのだ。
はらんでしもうたら・・・そもじの子として育てるのじゃぞ。
犯され損、はらまし得。
そんな言葉さえ、ある村だった。

車で一時間ほどもかかる隣町から。
その男が深夜、ドライブに来るようになったころには。
俺は中学にあがった娘のうなじをお婆さまにくわえさせて、たんまり褒美にあずかっていた。
新しい女を引き入れて、お婆さまに血を吸わせると。
ひと晩、どこの家の娘でも人妻でも、自由にできるのだった。
俺は幼馴染の家の扉を叩いて、
まえから目をつけていた都会育ちの嫁を、だんなの前で組み敷いていったものだった。
情事の余韻に浸りながら。
それでも俺はお婆さまの家を訪ねて行って。
わずかに残った血を与えるために、自分の首筋を吸わせてやった。
若妻を襲ってきたの?
ほくそ笑むお婆さまは。
俺が訪ねていった女のことも、とうの昔にモノにしている。
旨い血じゃ。今夜はとりわけ、旨いぞえ。
これからは、どこぞの若妻や娘を犯してから、ここに来やれ。
どんなに勝手な言い草でも。
お婆さまの言葉は、絶対だった。

首筋を押さえて表に出ると。
がさり。
草むらをかき分ける足音が、母屋の庭先から洩れてきた。
パシャッ。
かすかな機械の音と、フラッシュのひらめきに。
だれが来てなにをしているのか、俺はすぐに察しをつけていた。
おや、女装の兄さんだね?
俺はつとめて人がよさげに近寄った。
なるたけ耳ざわりのよい声を出したつもりでも。
後ろめたい遊びに夢中になっていた男には、ショックだったらしい。
いいんだいいんだ。女装はべつに、犯罪じゃない。
けっこう、似合っているじゃないか。
そういってやるつもりの声色が、男をすこし、和ませたようだった。
できればその格好で、離れに顔を出してやりなよ。
黒のストッキングは、お婆さまの好物だからね。

男は案の定、お婆さまにたぶらかされた。
けれども、さすがに都会の男は頭がよかった。
自分の人形を作らせないために。
あとからあとから、若い女を連れてきて。
お婆さまに血をあてがいつづけたのだった。
さいしょに連れてきた、とうのたった女は、自分の母親だったらしい。
つぎに連れてきたのが、妹。
それから、妹の友だちと、その母親。
芋づる・・・というのだろう。
だれもがいちどお婆さまにうなじを噛まれてしまうと、あとはもううっとりとなって。
自分からふらふらとさ迷い歩いてきては、すすんでうなじをくわえられてしまうのだ。

男は帰りには必ずうちにやって来て。
血の着いたブラウスやスカートを、預けに来た。
何しろ、うちはクリーニング屋だったから。
どこの娘が、どこの奥さんが、お婆さまの相手をしたのかも。
村の男どもが決まり悪げに、女ものの服を持ち込むことで、すべてわかってしまうのだった。
若菜ちゃん、学校に来なかっただろ?
娘の同級生のことを、そんなふうに話題にするたびに。
やらしいなあ、もう。
娘は愉しげに、口を尖らせる。

人形を、作らせないつもりなのかい?
俺は男に訊いてやった。
うーん、どうなんですかね。作らせてあげてもいいような気もするのですがね。
言いにくそうに、そう告げた。
俺に、悪い感情を持っていないようだった。
ふつうなら。
悪の道に誘い込んだ俺とは、気まずい関係になるはずなのに。
愉しい道に、引き込んでくれたね。
そういって、こんどはいいなずけを堕とす相談を持ちかけてきた。

ごらん。
俺が指し示したのは、サイドボードのうえの人形たち。
娘をモノにさせてやった見返りに落とした、あの幼馴染の嫁の人形もそこにある。
上手下手の差はあるものの。
村ではだれもが、人形づくりの心得がある。
お婆さまは、魂を抜いて人形を作るけれど。
俺たちのあいだでは、ひと晩寝るだけで、じゅうぶん魂を引っこ抜いたことになるのだった。
そうして、モノにした女たちの人形を作りつづけて、見せびらかしあって、
卑猥な自慢話に時を過ごすのがつねなのだ。
田舎のことだから。家どうしの行き来もさかんなのだが。
たまたま俺の家に立ち寄って、思いもかけず。
自分の妻や娘に似せた人形を見かけるやつもいる。
そんなときでも、うろたえないで。
おやぁ、気づかなかった。いつ姦ったんだい?
こともなげに返すのが、礼儀だった。
このまえうちに訪ねてきた本家の坊ちゃんは。さすがにできた人柄で。
来月嫁に来る村の看板娘の人形を見つけて、たいそう驚いていたけれど。
すっかりなじまれてしまっているんですね。
うちの嫁になってからも、よろしくお願いします、と言ってくれた。
もちろん遠慮なく、嫁入り前の身体を、俺はいただきつづけている。

ずいぶん、モノにしたんですね。
男は人形のまえにしゃがみこんで、しんそこ感心したように眺めている。
まぁ。まぁ。
お茶を出しに来た女房は。
また悪いことの相談ですね?
苦笑しながらも、嫁入り前の都会娘の受難には、気を遣わないらしい。
格別俺たちを咎めもせずに、
ヤるときは、私も呼んでね。都会娘が姦られるところ、見てみたい。
そう抜かして、台所に戻っていった。
男は苦笑して、俺の女房を見送りながら。
やっぱり生娘のうちにくわえさせるのが礼儀ですよね?
どうやらようやく、村のしきたりに通じるようになったらしい。
やつの首筋についた痕の赤黒さは、もうすっかり色濃くなっている。

振り乱される黒髪に。
くしゃくしゃにされてゆく、ピンクのスーツ姿。
立てひざをしたふくらはぎは、恐怖にキュッと引き締まって。
黒ストッキングのなかで引きつった筋肉が、いっそうなまめかしい。
畳のうえ、抑えつけられた若い女は、ほかの女どもとおなじように。
柳眉を逆立てながら、お婆さまにうなじをくわえられてゆく。
隣には、がたがた震えながらも昂ぶっているあいつ。
俺はからかうように、背中を撫でてやったのだが。
ふとあてがったズボンの股間は、じっとり、ぬらぬらと濡れていた。
じゅうぶん、村の男になれるよ・・・
俺は男の目のまえで、許婚のスカートをめくり上げて、
恥らう女の唇を、汗臭い唇でふさいでやった。
太ももまでのストッキングは、ツヤツヤと輝いていて。
お婆さまでなくとも、思い切りねぶり抜いて引き剥いでやりたくなる。
品性を喪うさまは、着衣ごと辱めることでよけい引き立つのだと。
親父は俺に、教えてくれた。

初めて女を知ったのは、仲間うちでお袋をまわした納屋のなか。
女房を女にしたのは、初めて俺の血を吸った叔父だった。
そうやって、順ぐり順ぐりに。
めぐっていくのだよ。
もっともあんたは・・・一方的に抱かれるほうが、昂ぶるようすだがね。
ぺたんと座り込んだ男は、自分の股間に手を這わせながら。
着飾った未来の花嫁が泥だらけにされて、俺たちの奴隷に堕ちてゆくのを愉しんでいる。
隣の部屋では、あいつのお袋が。
階上では、あいつの妹が。
いろんなやつらに、迫られて。
おんなじように、スカートを着けたまま。
ストッキングやハイソックスを穿いたまま。
大股を開いて、埋められたり引っこ抜かれたりしつづけている。
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