FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

気合い、入っちゃうなあ

2007年12月10日(Mon) 07:25:44

気合い、入っちゃうなあ
朝早くから起きて、きりきりと働く妻は。
家じゅうを、きれいに片づけて。
ざっと掃除機までかけて。
私や子供たちの夕食に、天ぷらまで揚げて。
さいごの目配りにまで、余念がない。
夕方になって。
さあ。そろそろ・・・ね。
ちらりと私に、意味ありげな流し目をくれて。
服を着替えて、鏡台に向かう。
ほんの一瞬だったけれど。
いつにない流し目が、ひどく色っぽかった。
ふたたび部屋から姿を見せたとき。
きりりと装うブラックフォーマルは、専業主婦を貴婦人に変えていた。
喪服にしては場違いだったのは。
いつもより濃い化粧と。
光の当たり具合でてかりをよぎらせる黒のストッキング。
そう。
今夜は妻の貞操を弔う夜。

子供たちまで、ウキウキとはしゃぎながら。
母さん、今夜はきれいだね♪
なんて、母親のことをからかうのだが。
いつもなら頭ごなしに叱りつけるはずの妻は。
やんわりと、照れ笑いをして。
ダメよ、大人をからかっちゃ。
優しくたしなめるばかりだった。

吸血鬼に、抱かれちゃうんだね。
布団のなかで、どんなことするのかな。
えっ?パパとしか、したことがないんだって?
パパにしか許さなかったこと、吸血鬼の小父さんに、させちゃうの?
どんなこと、するんだろう。
気になる。気になる・・・
上の息子はさすがに照れて、言葉少なになっていたけれど。
下の娘のほうは、興味津々、お目々をくりくりさせちゃっている。

さあ、お見えになるよ。
みんな、寝たふりをするんだぞ。
私の命令一下、子供たちは勉強部屋に退散した。
ふたりきりになると。
何を話してよいのか、ちょっと迷った。
喪服が、花嫁衣裳になるなんて・・・ね。
そうだね。今夜のきみは、いちだんときれいだよ。
ほかのやつに譲ってしまうのが、悔しいくらいにね。
すぐに、済ませるわ。
あのひとがいなくなったら。わたしを抱いてね。
だいじょうぶですよ。いちばん好きなのは、貴方だけ。
妻はきらきらとしたまなざしで、私に感謝の言葉をくれた。
あくる朝からの暮らしでも、ほっとできるように・・・
けれども抜け目なく、こんな文句も忘れない。
きっと・・・体のほうは。感じちゃうと思うけど♪
ふだんは交わすことの少なくなった男女の会話に、ふたりとも視線をそらしあって。
なぜか決まり悪げに、もじもじしてしまっている。

今夜は、見ないでね。恥ずかしいから・・・
つぎからは、覗いてもいいの?
もう。いやらしいわね。
笑いにすべてを押し隠して。
妻は隣室に入っていく。
庭先には、すでにだれかの気配。
夜這いを受ける寝室は、雨戸を一枚はずしてある。
私は・・・濃いウイスキーグラスを片手に、書斎にこもる。
子供たちが部屋を抜け出して、廊下を抜き足差し足してゆくのを耳にしながら。
前の記事
ボクの日記
次の記事
窓辺の情事

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/1243-8c237a41