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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

靴のコレクション

2007年12月12日(Wed) 07:13:56

女はどうしてこうも、靴が好きなんだろう。
うちの女房にしてからが。
バーゲン行ったら、気に入ったのがあったのよ。
とかなんとかいいながら。いつの間にか、しこたま買い込んでいる。
なにかの拍子に靴箱を開いたら。
家にはいったいなん人女がいるのかと思うほどの、靴、靴、靴・・・
普段用に履き古した地味な茶色のパンプスに、
優美な曲線を描いた銀色のミュール。
その隣に鎮座しているのは、黒のエナメルのハイヒール。
すぐ下の段には、軍靴のように力強そうなロングブーツ。
隅っこには、無地でも鮮やかな紫色のハイヒールが、ツヤツヤ光っている。

いったいどういうときに、どんな靴を履いていくのか。
もしかすると、買っただけで使っていない「たんすのこやし」みたいなやつもあるのかも。
けれどもほとんどの靴が、ヒールにかすかな泥をつけていて。
どれもこれも、そのときそのときで、使い回ししているようだった。
女房の穿いている靴になど、いちいち注意を払うことはなかったけれど。
それからは。つい、気になって。
いっしょに出かけるとき。
いそいそと独り、外出していくとき。
つい、観察する癖が、身についた。
おや。ハイヒールだなんて、珍しいね。
何気なく、口をすべらせると。
やだわ。どこ見てるのよって。妻はがらにもなく、照れ隠しをした。

町内会とか、子供の学校とかに出かけるときは、履き古しの茶色いパンプス。
お友だちの家に行ってくるの。
そういうときは、銀のミュール。
夫婦で出かける木枯しの日には、「寒いから」といって、ロングブーツ。
紫のハイヒールだけは、使い道がわからなかった。
妻が留守のとき、靴箱をあけると。
靴の裏は、真っ白だった。
妻がいそいそとハイヒールで出かけていった日に、こっそり覗いてみると。
なぜかその靴だけが、なくなっていた。

どうしたのー?
自分で靴を磨くだなんて。
靴の手入れなど、女房任せにしていたけれど。
靴箱のなかを覗きたさに、自分の革靴にサッとブラシをかけていた。
紫のハイヒールは、やっぱり所定の場所に鎮座している。
いったいどこへ、行ってきたのか。
いったいなにに、使われたのか。
ふと傍らを見ると。
帰宅してきた妻が脱ぎ捨てた、黒のエナメルのハイヒール。
黒には黒が合うのよって。
昼過ぎに出かけていったときには、たしか黒のストッキングだったはず。
けれども今、るんるんと鼻歌交じりに夕餉をこしらえている妻の足許は。
履いているのかいないのかわからないほど地味な、肌色のストッキング。

いったいなにが、起きているのか?
とうぜん湧いてくるはずの怒りや疑いのかわりに。
ズキズキとした昂ぶりが満ちてきたのは、いったいどういうわけだろう?
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コメント

いーや!
 ちゃうもん!靴が好きなのは、柏木さんだもん!
by さやか
URL
2007-12-12 水 23:24:18
編集
>さやか様
きゃっ。(><)
断言されちまいましたね。(A^^;)

もともとこの人、
>靴になど、いちいち注意を払うことはなかった
んですがねぇ。(^^;)
案外、潜在的な靴フェチだったりして。
そうそう、なにかの本で、ゲーテが靴フェチだって書いてありましたけど。
そんなこと、どうするとわかるんでしょうか?(^^;)
by 柏木
URL
2007-12-14 金 05:33:23
編集

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