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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

泥沼浴

2007年12月14日(Fri) 07:01:32

ねぇねぇ、あの沼・・・憶えている?
えっ?
涼子の指差す向こうには、たしかに広い泥沼が広がっている。
あんなところに沼なんか、あったかしら?
美沙恵がふしんそうに、道の端に目をやると。
沼は黒々とした水面に、ぬかるみのような粘着質の輝きをよぎらせていた。
えーっ!?忘れちゃったの?あんなに愉しそうに遊んだのに。
涼子はパンプスを穿いたまま、沼にむけてまっすぐ足を向けた。
あっ、汚れるわよっ。
母親みたいに注意の声を飛ばしながら。
美沙恵は、自分はハイヒールを脱いで、石畳のうえを追いかけようとしたけれど。
だめ、だめ。
涼子は美沙恵にもういちど靴を穿くようにいうと、
自分から先にたって、泥沼のなか、ためらいもなくパンプスの脚を踏み入れた。
ばしゃっ!
泥が撥ねて、光沢を滲ませた肌色のストッキングのふくらはぎに、ねばねばと光った。
あっ!
美沙恵も涼子に引きずり込まれるようにして。
ハイヒールの足許を、泥だらけにしていた。
ねっ。泥浴びしようよ。
まるで悪い子のように。
どちらがどちらを引っ張ったのか、わからないままに。
着飾った女の影ふたつ、泥沼のなかにしぶきをあげた。
もう・・・っ。
頬に撥ねた泥を、涼子は拭ってくれたけれど。
そういう涼子の手がすでに泥だらけだったから。
泥が広がっただけだった。
どーするのよー。
だって。もう結婚式済んじゃったし。
瑤子は今夜で処女を捨てるのか。
ふつうとはかけ離れた状況が、美沙恵に大胆なことを言わせていた。
うーん。そうね。
ナオキくん、女遊びしていたから、うまく飼いならされちゃうんだろうね。
涼子はぬかるみに腰を降ろして、
ライトグリーンのタイトスカートのすそを、茶色く浸してしまうと。
美沙恵のことも、ぐいっと引き寄せて。
えび茶色のタイトスカートに、びしゃっと泥を撥ねかせている。
クリーニングに出さなきゃ。
どうせクリーニングに出すんだったら、いいよね~?
涼子は片手で泥をすくって、美沙恵の着ている空色のブラウスに、ぱしゃっとかけた。
やったな!もう!
こんどは美沙恵が、涼子の花柄のブラウスに、泥を散らした。
青空の下。
きゃっ、きゃっ、と、たわむれる声がはじけて。
ふたりの女は、頭から泥をかぶっている。

ハンガーには、ふた組のジャケットとブラウス。
ライトグリーンとえび茶のスカートは、横倒しになったちゃぶ台の脚にむぞうさにひっかかっている。
どの装いも、晴れ晴れとした色づかいに不似合いに、泥まみれになっていた。
ねぇ。
涼子は仰向けになったまま。
傍らに寝そべる親友を、うつろに見つめた。
見てよ。あれ。まるでレイプされちゃったあとみたい。
ええ~?まるで経験あるみたいじゃないのー。
美沙恵はうつぶせたまま、ひんやりとした畳の感触に、湯あがりの胸をさらしている。
ふたり、スリップ一枚になったまま。
小気味よく肌をさらして、まとわりついた湯気を散らしているのだ。
お行儀のよいセットをはずしてさばさばと解き放った洗い髪が、むしょうに心地よかった。
レイプの経験?
電灯の下。涼子の頬が、蒼白くうつる。
ある・・・って言ったら、どお?
え・・・ほんと・・・?
うふふ。
涼子は小悪魔のように、肩をすくめて笑った。
あなたも・・・してみたい・・・?
え・・・まさか。
でもね・・・いったんこの村に入ると。
涼子が耳元に、唇を寄せてきた。
ルージュを吐いた唇は、女の美沙恵ですらドキドキしてしまうほどに、セクシィだった。
あとを続ける涼子の囁きが、耳の奥をくすぐった。
いったんこの村に入った女はね。みんなレイプされちゃうのよ。
えっ?そうなの?
彼氏には、黙っていてあげる。
じっと押し黙った涼子が、すっかりくらくなった室外を窺うと。
裏口に二、三人。庭には、数人。
そして、玄関にはどやどやと、多数の人の気配。
りぃん。ろぉん・・・
ほぉら、来た。
鈍く滲んだインターホンに、涼子ははしゃいだように声をあげると。
二十人はいるよ。美沙恵、ひと晩でこなせるかしら?
うふふふふっ。
スリップ一枚で立ち上がった女は、素足にガーターストッキングをすばやく通すと。
あいつら、都会の女がもの珍しいのよ。
あなたもストッキング穿くのよ。
服は、だめになったけど。
せめてそれくらいは、サービスしてあげようよ。
夜這いのときには、勝負下着で応えなくっちゃ。
だいじょうぶ。
いまごろ瑤子も、新床で。
村の男たちの相手をしているころだから♪
ナオキくん、この村好みの趣味持ってたのね。
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