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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

あり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。

2007年12月14日(Fri) 07:28:24

あの泥沼は、蟻地獄みたいなんだぜ?
同級生のリョウイチくんは。こっそり自慢げに、ボクに囁いてきた。
ふだんは、砂地だろう?
でも、時々ほんとうに、大きなぬかるみみたいになるんだよ。
そんなところを見ていると。
みすぼらしくて下品なかんじの婆さんが現れて。
そいつが、吸血婆さんなんだ。
逃げようとしても、逃げ切れなくって。
大人でも、かなわなくって。
あり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。

えへへへへへっ。
リョウイチくんの警告を、もっとまじめに聞くんだった。
ボクはハイソックスの足許を、泥まみれにして。
沼のなかで、足をとられてうごけなくなっていた。
かわいい子じゃのお。
わらわに血をくだされや。
喉、渇いておるでの。
お婆さんは、ボクの肩をつかんで、引き寄せると。
有無を言わさずに、かさかさした唇を、おしつけてきた。
ちくっ。
注射をされたときみたいなかすかな痛みに、くらっとなって。
ついよろよろと、よろめくと。
お婆さまは、ボクのことを突き飛ばして。
ボクは泥沼のまん中で、四つんばいになっていた。
ほほほ。これだけ汚れてしまえば、あきらめもつくじゃろうて。
ほくそ笑んだ唇が、もういちど、首筋に吸いついてきて。
ごくり・・・ごくり・・・ごくり・・・
こんどは情け容赦なく、ボクの身体から血を抜いていった。

ホホホ・・・
脱がされたハイソックスを、目のまえにぶらさげて。
これ見よがしに、見せびらかされて。
頼りなく縮こまったねずみ色のハイソックスは、まだ泥にまみれたままだった。
これは泥じゃが。
こんど逢うたら、こんなふうに。
そもじの血を、散らしてみたいものじゃの。
それから、母ごも連れてまいれ。
母子ふたり、仲良くわらわに啖らわれるのじゃ。
さ・・・いつ逢うか、わらわと約束をするのじゃ。
約束すれば、家に帰してつかわすぞえ。
母ごを連れて参るときは・・・せいぜいおめかしさせてくることじゃ。

まるであり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。
リョウイチくんの声が、もういちどリフレインしてきたのは。
連れてきたママが、ボクの目のまえで。
深緑色をしたスーツを着たまま、抱きすくめられて。
肌色のストッキングを穿いた脚を、お婆さまに噛まれてしまったときだった。
これだけ汚してしまえば、あきらめがつくじゃろう?
いつかどこかで聞いた文句を、ボクはもういちど耳にする。
ママは、ころころと笑いこけながら。
まぁ。いやらしいですわね・・・とか、含み笑いしながら。
自分から、脚を差し伸べて。
ハイソックスのふくらはぎに、吸い取られた血をぬらぬらさせているボクのまえ、
くすぐったそうに、はしゃぎ声たてながら。
肌色のストッキングに、赤黒い血を浸していった。

わるいやつだな。
パパは苦笑いを浮かべながら。
ママの生き血を吸わせちゃったボクの頭を、軽く小突いただけだった。
パパのいない夜。
お婆さまは、夜な夜なボクのうちにやってきて。
真夜中、おめかししたママを、それは愉しそうにいたぶるようになっていた。

まるであり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。
リョウイチくんの声が、また耳の奥でこだまする。
妹です。
紹介するボクの目のまえで。
紺色の制服を着たえりちゃんは。
ボクとよく似た面差しに、初々しいツヤをよぎらせながら。
まだ穿きなれない黒のストッキングに、蒼白い脛を透きとおらせて。
お婆さまのまえ、きちんと礼儀正しくお辞儀をする。
お下げ髪が肩先に揺れるのを。
お婆さまはうれしそうに細めた眼を、値踏みをするように抜け目なく光らせていた。
生娘じゃろうの。
血走った眼をしてボクに訊くお婆さまを、中学にあがったばかりのえりちゃんは、目をくりくりさせながら見つめている。
ちくしょう。もったいない。
あの、黒のストッキングの脚を咬ませちゃうのか・・・
どんなふうに、悔しがっても。妨げようとしても。
お婆さまは、えりちゃんを、ボクに断りなくモノにしてしまうだろう。
悩んだボクに、引導を渡したのは、ママ。
女のひとにとっては、愉しいことなのよ。
あなたが介添えすれば、あの娘も悦ぶわ。

それでは・・・遠慮のういただくぞえ。
老婆のもの欲しげな舌なめずりのまえ。
えりちゃんは目をくりくりさせて。
「どうぞ」と、無邪気に笑って。
黒ストッキングの脚を惜しげもなく、差し伸べた。

あり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。
リョウイチくんの声が、間近にあった。
白一色のスーツに身を包んだ、未来の花嫁は。
磁器のようにぬるりと光る、なめらかな白い首筋に。
およそ不似合いな、あからさまな噛み痕を、赤黒く滲ませていた。
初めて老婆に襲われた夜。
それこそ、夢見るようにうっとりと。
お婆さまの着物姿のなか、巻き込まれていって。
しっかり抱える薄汚れた服の袂に、純潔な血を散らしたのだった。

今夜の訪客は、お婆さまだけではない。
お婆さまを、お迎えすると。
百合絵さんは、うっとりとなって。
まるで恋人にキスを許すように、首筋を吸わせていった。
悦ぶがよい。今宵はそもじの嫁ごに、婿を連れてきたぞえ。
いちど汚してしまえば、あきらめもつくじゃろう?
懐かしい言い草に、ボクは不覚にも、血を騒がせてしまった。
お婆さまは、憎たらしい笑みをいっぱいに咲かせて、
ボクの未来の花嫁をさきにいただきたいという男を引き合わせてくれた。
ほかでもないリョウイチくんだった。
ほんとうに、蟻地獄だったね。
そうだろう?でも、愉しいだろう?
ぐるぐる巻きに縛られたボクのまえ。
剥いだ衣装の下、こぼれる素肌に、たくみなまさぐりを滲ませて。
百合絵さんは百合絵さんでなくなってゆく。
ぴったり合わされた唇と唇に。
ボクは浮ついた震え声で、おめでとう、と祝福を送っている。
いいね?いただくよ。
ウン。ほんとうはずっと昔から。
キミにボクのお嫁さんを汚してもらいたかったのかも。
思わぬことを口走るボクに。
リョウイチくんは、ウフフ・・・って、含み笑いをして。
純白のスカートの奥、腰を沈めて。
ボクの花嫁を、娼婦に変える。


あとがき
きょうのはかなり、こあですねぇ。(^^ゞ
世の中には、泥フェチというのがありまして。
泥まみれになった洋装・・・とかが、好まれることがあるみたいです。^^
不似合いなコントラストが、昂ぶりをもたらすのでしょうか。
涼子さんとリョウイチくん。じつは姉弟だったりして。(笑)
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