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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ああ。わかりました。わかりましたから・・・

2007年12月16日(Sun) 06:58:06

ああ。わかりました。わかりましたから・・・
妻はゆるく呻きながらかぶりを振ると。
うなじを噛もうとのしかかってきたDさんと、
妻の抵抗を封じようと両肩をつかまえていた私とを。
しょうがない人たちですね・・・
ため息混じりに、顔を見比べる。
すまないね・・・
唐突な凌辱に、後ろめたい気分を隠せなかった私に。
いいのよ。相手がこのかたじゃ、ね・・・
妻はふふふ・・・と、微笑んで。
いいのね?
そういってもういちど、私のほうをふり返ると。
さ・・・どうぞ。
Dさんのまえ、目を瞑っておとがいを仰のける。

いただきまぁす。
Dさんは舌なめずりをせんばかりに妻のうなじにふるいつくと。
かりり。
容赦なく、牙を突き立ててゆく。
じゅっ。
少量の血液が、鈍い音をたててほとび散って。
ストライプ柄のブラウスを、赤黒く染めた。
血潮の紅さに秘められた、妻の熱情と生命力が。
ちらちらと、しずかな輝きをたたえていた。
かさかさに乾いた鉛色の唇が、飛び散る血のりを舐めとって。
ヒルのようにいやらしく、白い素肌のうえ、ヌメヌメと這い回る。

う、う・・・っ。
苦痛からか。屈辱からか。
妻は目を閉じたまま、まつ毛を震わせる。
軽い痛みと、妖しい疼きが・・・彼女を狂わせようとしている。
ちゅーっ・・・
聞こえよがしな吸血の音に。
われ知らず昂ぶってしまった私は。
不覚にも股間をぬらぬらと湿らせてしまっていた。
妻が征服されてゆく刻が。
刻一刻、しずかに流れつづけてゆく。
虚しく吸い出されてゆく、妻の血潮のぬくもりとともに。

Dさんは、遠方の人。
妻の妹婿と、ネットで意気投合した結果。
遠縁の結婚式にかこつけて、誘い出して。
夫婦ながら、生き血を吸って、服従を誓わせた。
ためらいもなく、奥さんを組み敷いて。凌辱してしまったという。
凄腕のDさんは、見ず知らずの結婚式にも忍び込んで。
新郎と意気投合して、新婦を酔い酔いにしてしまって。
だらしなく打ち解けてしまった新郎を、ロープでぐるぐる巻きにして。
はしゃぎ切っている新婦を、新床に放り込んで。
花嫁の純潔を、うまうまと頂戴してしまって。
あくる朝には、妻の妹と、その姑とを。
ホテルのロビーの床にまろばせて。
ふたりの夫と、行きかう人々の目も気にせずに。
公然と、辱め抜いたということだった。
それ以来、妻の妹が気に入ったDさんは、都会にくるたびに、夜の接待をさせていたのだが。
彼女と同じ血を持つ私の妻にまで、魔手を伸ばしてきたのだった。

ああ・・・うぅんん・・・
意思を迷わせた妻のうめきは、えもいわれぬ程に悩ましい。
Dさんは望みどおり、想いを遂げて。
くちゃくちゃと、いやらしい音をしのばせながら。
ひとしきり、妻の血を吸い取ると。
吸い取った血潮を口許から、たらーりとしたたらせて。
ストライプ柄のブラウスに、わざとバラ色の点々をにじませてゆく。
やだ・・・
鮮やかに刷いた口紅のすき間から、白い歯を覗かせて。
妻は酔ったように、艶然と。
恥ずかしそうに、頬をほんのりと染めていた。
いいお味だ。妹さんと、負けず劣らず・・・だね。
あちらのほうが若いから・・・わたしの血なんか、お笑いぐさなんでしょう?
妻が口を尖らせて、ぶーたれると。
お味がよろしいと、申し上げている。
男は強圧的に、妻を組み敷いて。
いまいちど、傷口をつよく吸う。
あううぅぅん・・・っ。
いつも気丈に振舞う妻の姿は、もうそこにはない。
血を征服されて、味を愉しまれて。
一滴でも多く捧げ抜こうとする女がいるばかり。

あなた。このかた・・・凄腕よ。
ほんとうに・・・犯されちゃってもいいのかしら?
イタズラっぽく笑みを浮かべた妻は。
汚されたブラウスの襟元を、細い指でなぶりながら。
もう・・・私の肯定を期待する悪女の微笑をたたえている。
唇を、わななかせながら。
なにかに、とり憑かれたように。
私は思わず、口走っている。
ひと晩、私の妻であることをお忘れなさい・・・と。

新床・・・と、あえてそう呼ぶべきなのだろうか。
夫婦の寝室は、凌辱の現場と化している。
寝乱れたシーツの上。
血の着いたブラウスを、剥ぎ取られて。
黒のスカートは、着けたまま腰周りまでたくし上げられて。
太ももを横切るガーターと、透きとおるほどの白さをもった太ももを、あらわにさらけ出している。
薄っすらとした黒のストッキングに縁どられた脚は、いまだ気品をたたえていたが。
あえかによぎるつややかな光沢に淫らに染まり、
淑女を娼婦に変えようとしている。

ストラップの切れたブラジャーを、他愛もなく取り去って。
なまめかしいストッキングを、ふしだらに剥ぎ堕として。
どろどろとした精液を、シーツにぼとぼとと、ほとばせる。
妻を穢した忌まわしい粘液は。
私のそれよりも、いちだんと濃密で。
それがどれほどそそぎ込まれ、妻を狂わせていったのか。
容易に察しが、つくほどだった。

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・
のしかかってくる逞しい肉体に、妻は肩で息をしながら相手をつづける。
素肌をぴったりと、密着させて。
腰のうごきを、ひとつに重ね合わせて。
切なげに、息はずませながら、深夜のロマンスに耽りつづける。
私は傍らに尻もちをついたまま、
形ばかり、ぐるぐる巻きにされたロープがほどけかかっているのも、気づかずに。
目のまえの凌辱を、妨げようともせずに。
不覚にも、ただの男として、たんのうしてしまっている。

闇が薄っすらと、明るみを滲ませて。
長いはずの夜を、瞬く間に終わらせようとしている。
はずされた結婚指輪は、部屋の隅っこに転がっていて。
たわむれに噛み破られたストッキングは、とうの昔に脱ぎ捨てられて。
寝乱れたベッドのきわ、床まで流れ落ちるように垂れ下がっている。
二足、愉しまれてしまった。
穿き替えられたストッキングは、いちだんとテカリが濃くて。
まだ片方穿かれた脚周りを、メタリックな輝きで、ぎらぎらと染めあげていた。
もう片方のストッキングは・・・忌まわしいことに、Dさん自身が脚に通して。
寸足らずに、引き伸ばされて。
ひざ小僧の上、逞しい太ももを隠しきれずにいたけれど。
妻とおなじ色に染まったふくらはぎは。
ひどく艶めいて、私の網膜を彩っていた。

かりそめの縛めから抜け出していた私は、脱ぎ捨てられたほうのストッキングを手にとって。
そろそろと、自分の脚に通してゆく。
つま先の縫い目を、足の爪に含ませるようにして。
足首が、ふくらはぎが、なまめかしい色に包まれてゆく。
たった今まで、私だけの妻だった女の体温が、まだかすかに残っていた。
嫉妬の苛だちを、なだめるように。
妖しい疼きを、そそのかすように。
なよやかな触感は、皮膚の奥深く沁み透って。
ドクドクと狂おしく脈打つ血潮を、マゾヒステリックな色に染めあげる。

そのままそうして、奥さんのストッキングを穿いていたまえ。
ついでに、そう・・・スリップも、愉しむといい。
ほかにはなにも、身に着けないで。
下着女装に身をやつしたまま。
きょう一日、ここで独りで過ごすのだ。
私はこれで、失礼するが。
もちろん奥さんは、お連れするよ。
わたしの新しい愛人として・・・ね。
あちらこちらのお宅に、お邪魔して。
わたしの愛人なのだと、お披露目してくるのだから。

どうかね?お加減のほうは?
なに。とても爽快。それは何より。
では、一日しんぼうできるね?
奥さんの帰りを、待てるね?
行き先・・・だって?
野暮なことを、お訊ねだね。
まあ・・・いいだろう。
きみはもう、わたしの奴隷なのだから。
奴隷はご主人様の居所を、いつもわきまえていなくちゃな。
きみの友人知人、近在の家にはすべて顔を出すよ。
どこに行けば良いかは、奥さんがすべて心得ているのだろう?
それからさいごに、妹さんのお宅にお邪魔して。
姉妹ながら、なぶり抜くのさ。
時おり、電話をかけさせよう。
もちろん、私が後ろから犯しているさいちゅうに。
夜になったら、家に帰してあげよう。
あのひとの夫が、家に戻ってきたら。
夫のまえでかわいがる約束になっているからね。
その代わり・・・帰宅の姿は見ものだよ。
お召し物をしたたか、愉しませてもらうのだから。
髪はほつれて、頬は蒼ざめて。
ブラウス引き裂いて、おっぱいをまる見えにさせて。
折り目正しかったプリーツスカートのすそは、精液をぬらぬら光らせて。
ストッキングも破けて、きれいなストライプ模様を描いてあげる。
どうかね・・・?とても悦ばしいとは、思わないかね?
寝取られ亭主ならではの愉しみを、一日たっぷり味わえるのだから・・・


あとがき
たいぶ以前に描いた「Dさんのこと」の後日譚です。^^
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あり地獄みたいに、引きずり込まれちゃうんだって。

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