FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ストッキング鑑定

2007年12月17日(Mon) 07:15:43

1.
えっ?あてちゃうの?すごいっ。
妙子が、声をはずませたのは。
夫の連れてきた客人の特技が、思いも寄らないものだったから。
脚に触れただけで、穿いているストッキングのブランドまで当ててしまうというのだ。
ばっかだな・・・
そんな妙子のことを、夫は冷ややかな目で見つめている。
目を、キラキラさせちゃって。
両手を合わせて、拝むみたいなポーズまでして。
他人ごとなら、そんなふうにするくせに。
オレとエッチをするときは。
ストッキング穿いたままヤるなんて、邪道。とか、抜かして。
おかげでオレは、このごろ抜けないんだ~!
心の中でそんなふうに叫んでいるこのご主人も、かなりの変人にはちがいない。

じゃ~、さっそくためしてみて♪
妙子はためらいもなく、黒ストッキングの脚を差し出した。
では・・・ちょっぴり失礼。
ええ。やってみて。・・・あなた、いいでしょ?
ルンルンとはしゃいでいる妻に、夫はうんと言わざるを得なかった。
舌と唇で触れますので・・・しょうしょうのごしんぼうを。
男はいいざま、有無を言わさずに妙子の足首を抑えつけた。
きゃっ。
頭上から聞こえてきたのは、くすぐったそうなはしゃぎ声。
さいしょのひと舐めにさらされたふくらはぎは、ナイロンの薄い生地に、じわりとした唾液を滲ませている。
どお?わかった?
頭上の声は、まだはしゃいでいる。
ええ。。いますこし。

夫はあくまで冷ややかに、小娘みたいにはしゃぐ妻のようすを、遠くから窺っている。
遠くから見物するに限るわい。
心のなかで、ため息をつくと。
そっと自分の首筋に触れてみる。
夕べ咬まれた痕が、まだじんじんと痺れるような疼きを含んでいた。

あっ!ゃだ・・・っ
妻の声が初めて、切迫を帯びた。
男は妙子の脚をつかまえて、はなさない。
はなさないどころか。
そのままちゅうちゅうと音を立てて、黒ストッキングのふくらはぎを舐めつづけているのだ。
ぬらぬら光る唾液が、ここからもよく見える。
男がひときわつよく唇を這わせると。
あぁぁぁぁぁ・・・
妙子は白目をむいて、ソファーのうえに横倒しになった。
しつように吸いつけられた唇の下。
ストッキングの伝線がちりちりと広がって、脚の線に沿って鮮やかなカーヴを描いていた。

ふふふ。
いい奥さんだ。
ブランドは国産の・・・・・・だな?
男はよく売れているブランド名を口にすると、むぞうさにスカートをめくりあげて。
ゴムの部分についたブランド名をみとめて、自分の見解の正しさを確認する。
どうやら、当ててしまったようだね。
ブランデーグラスを片手に部屋にあらわれたダンナと、含み笑いを交し合う。
口許についた血を拭って、血の着いた指先をさらにねぶって。
ワインの味見でもするように、細い目になって。
ウン。さすがは若奥様。美味だね。
なんて、訳知り顔でつぶやいている。
しちまうのか?
ああ。かまわないかね?
かまわなくはないが・・・遠くから見物させてもらうかな。
おふたりに、乾杯♪
夫は祝杯をあげるようにグラスを軽く差し上げると、そのままサッと背中を向けた。
いただきまぁ~す♪
吸血鬼が浮ついた声をもらして、女房のうなじに食いつくのを、背中ごしくすぐったく感じながら。

ブラウスをはだけられた女房は、夕方になるまで目覚めないだろう。
目覚めるころには、そう。べつの種類の女になっているはず。
”娼婦”という名の、べつの種類の女。
身体じゅうの血を、舐め尽されちゃって。
肌をすみずみまで、くまなく吸われちゃって。
熟れた三十代の手管は、吸血鬼の性欲まで満足させるはず。
夕方、女房が目を覚ましたら。
いい月夜だね。今夜はふたりでお寝みって、言ってやろう。
ぬらぬら光る粘液がスカートの裏地を濡らしているのを、見て見ぬふりをしてやったら。
蒼白い顔に、いつものようなイタズラっぽい笑みを浮かべるだろうか?



あー。貧血♪
妙子は軽く額に手を添えて、
めまいをこらえるそぶりをした。
理恵はあわてて、傾いた妙子の身体を抱き取った。
細身の女は意外なくらいずっしりとした重さを秘めていて、
間近に漂う香水と体臭のほのかな芳香が、むせかえるほどの女を感じさせる。
きれいな肌。
同性愛の嗜好はないけれど。
女のきれいな肌をみると、すりすりしてしまいたくなるのが理恵の性分だった。

吸血鬼さんに、襲わせてみたくなるわ。
趣味で描いている吸血鬼もののネット小説が、さいきんリアルな臨場感を帯びはじめているのは。
知り合いの吸血鬼に自分の血を吸わせて、小説を実演してしまっているから・・・
そんなこと、夫はむろん夢にも思っていないはず。
自分の血を吸わせるだけじゃ、足りなくって。
田舎から出てきたばかりの友達とか。
夢にも思っていない夫の母親とか、
もうなん人も、周囲の女性を”彼”に引き逢わせて、血を吸わせてしまっている。
「みんなキモチよさそうだね」って、夫になにげなく言われたときは、さすがにどきりとしたのは。
ちょっと状況的に、気が気じゃなかったせいもある。
なにしろ。
夫の帰宅時間を忘れた吸血鬼が帰りそびれて、真っ暗にした隣室にひそんでいて。
エモノにしちゃった理恵の友だちの首筋を、まだ未練がましく舐め舐めしていたのだから。
夫はそんなつぶやきをすぐに忘れたような顔をして、日常の話題にもどっていった。
いったいどこまで、察しをつけているのだろうか。
たまに酔っ払ったみたいに、ヘンなこと口走るところがかわいいんだけどな。
理恵は人知れず、にやにや笑いを含ませている。

妙子は、新顔のパートさん。
年代も近いせいか、おなじパート社員の理恵とは、すぐに息が合って。
すぐお隣で、仕事をしている。
このごろ妙に顔色が悪いのは。
月のものかな?って、思っていたけれど。
お~や、おや♪
このひと、どこで知り合ったんだろう?
蒼い顔の正体をすぐに察した理恵は、眠りこける横顔にうっとり見入ってしまっている。
白いうなじの一角。
長く伸ばした髪の毛の生え際に、ほんの目だたぬくらいぽっちりとついた痕。
それが蚊に刺されたあとなんかじゃないことは、理恵だからこそわかるというものだった。

あ。目が覚めた?もうみんな帰っちゃったわよ。
周りを見回すと、こうこうと灯ったオフィスの照明の下、残っているのは理恵とふたりきり。
仕事が片付いていようといまいと、パート社員はいつも定時に帰されるのだが。
今夜にかぎって、どういうわけか。
みんな申し合わせたように、定時で退社してしまっている。
あたし、ようすをみているようにってみんなに言われたの。
理恵はハキハキとそういうと、妙子の身体にかけていた毛布やら額にあてていたタオルやらを手早く片づけて。
だいじょーぶぅ?
理恵はことさら気遣わしげに、妙子の顔を覗き込む。
うーん、うちにヘンなお客さん来るんだよね~。
妙子はさりげなく、ウワついた声をすべらせた。
ヘンなお客さん?
そうなの。ヘンなんだよ~。女の人の穿いているスッキングのこと詳しくて、ちょっと触っただけでブランド当てちゃうの。
(口やべろで触っているのは、ナイショ)
妙子は理恵に気づかれないように、ちらりと人のわるい笑みを浮かべた。
えー。コアだねぇ。なんだかやらしい。
ううん。ううん。やらしくなんか、ないよ。ただ、熟練しているんだって。
熟練、ねぇ・・・
理恵は心のなかで、ほくそ笑む。
手近な女をひっかけて、エモノにさせちゃおうっていうわけね?
おなじことを考えたり実行に移したりしてきた経験が、妙子のさりげない言葉のウラを、敏感に嗅ぎ取っていた。
いいや。ひっかかっちゃえ。
理恵は大胆にも、一歩足を踏み出してみる。
ナイロンハイソックスじゃ、だめ?いま穿いているやつ、試してもらっちゃおうかな?
理恵の穿いているのは、ストッキング地のハイソックス。
ひざ小僧のすぐ下をぴっちりと締めつけている太めのゴムが、むき出しの白い皮膚と薄っすらとなまめかしく染まった脛をと鮮やかにきりわけている。
見せびらかすようにくねらせたふくらはぎを、てかてか光る濃厚な光沢がぎらりとよぎった。

そういうわけで、お連れしました。こちら理恵さん。会社の同僚のOLさんです。
あ 既婚者ですから、ヘンな誘惑しちゃ、ダメですよ。
妙子の解説は、とても愉しい。
既婚者にヘンな誘惑するのが趣味のくせに。
引き合わされた男は、むろん初対面だった。
そこまでだぶらないわよねぇ。
オフィスを出るとき、念のために”彼”に送った携帯メール。
お友だちが吸血鬼さん紹介してくれるんの。味わってもらってきますね♪
って。
すこし挑発的に、描いてみた。
嫌われなきゃいいけど。
あいつも、夫も、おとなしそうな顔をしているくせに。
きっと、きっと、独占欲が強いのだ。

ほほー。珍しい光沢ですね。
足許を舐めるように見回されて。
なぜか手の内がばればれになるような気恥ずかしさを覚えていた。
ちょっと失礼。
男が足首を、抑えると。
いつの間にか後ろにまわった妙子が、そっとさりげなく肩を抑える。
ちょっとの辛抱ですよ。ちくっとします・・・
まるで予防注射みたいだわ。
薄手のナイロンごしにぬるぬるとねぶりつけられるべろの感触に、素肌に軽い疼きを覚えながら。
理恵はなされるがまま、ハイソックスの足許をいたぶらせてしまっている。

くねーっとよじれたナイロンは、そこかしこに唾液を沁み込まされていた。
珍しいブランドですね。
お分かりになりますの?
ええ。これ、紳士用でしょう?
アラ、そうなの?
妙子までが意外そうに、愛人と声を合わせていた。
うん。男物。
びっくり♪
でしょー?薄いし、こんなにてかるんだもん。
見せびらかすように、両脚をピンと伸ばして。
光沢を穿いているように、じわりとてかるハイソックスを見せつけていた。
男ものかー。でもなんだかよけいに、いやらしいなぁ。
ダンナのやつを、借りてきたの?
ううん。自分用に買ったのよ。教えてくれる人がいて。
そうなんだー。ぜんぜんわからなかったよ。
吸血鬼は、詳細な解説を加えることを忘れない。
伸びない生地ですね。
婦人ものでこういう生地を使用しているものはあまり多くありません。
張りつめたナイロンの舌触りが、大変に美味ですぞ。
まぁ、いやらしい・・・ 理恵がそんなふうに洩らすのにも気を止めずに。
ご主人公認で、穿いておいでなのですか?
いーえー。亭主にもナイショで買ったんですから。
そうですか。ご主人が穿かせているとしたら、ちょっと愉しかったんですがね・・・
吸血鬼は意味ありげにつぶやくと、
まだ、ブランドを申し上げておりませんでしたな。
いま少し、お調べさせてください・・・
いいわよ。
理恵がもういちど、脚をさし伸ばして。
魔性の唇があわや触れようというときに。
ぼん・にゅい♪
だしぬけに、イタズラっぽい声が隣室から洩れた。
ぎょっとした男女が目にしたのは、ふたりが見知っていなくて、理恵が見知っている吸血鬼。
おととしの夏、犯されちゃってから。
夫の目を盗んで、血をあげたりスカートの奥までまさぐらせちゃったりしている、陰のパートナー。
ど、どなたぁ?
この家の主婦らしく、非難をこめたまなざしを、理恵は横目で制すると。
おぉ。
男のほうは、さすがに相手の正体に気づいたらしい。
敵ではない。
たがいのまなざしが、そう告げあっていた。
エモノを取替え合おうかね?
新来の吸血鬼のいうがままに。
男はじぶんの愛人であるこの家の主婦を押しやるようにして。
妙子の首筋に彼が咬みついて、ひと声「きゃー♪」とはしゃいだ声をあげさせると。
では・・・ご存分に。
度胸の据わった理恵のまえ、ハイソックスの脚をもういちど吸いはじめている。
薄手のナイロン越し、素肌をちゅうちゅうと吸われながら。
たまにはべつの牙も、愉しそうね・・・
こんどはあたしが、牙のブランド当てちゃおうかしら。
スカートを剥ぎ取られた隣の女が、ストッキングのガーターをさらけ出すのを、
まるで姿見でも見るように感じながら。
理恵もまた、幾何学模様の緑のスカートを、剥ぎ取らせちゃっている。

みんな、愉しそうだね・・・
どこまで知っているのかわからない夫の声が、忘我の昂ぶりのなかリフレインしていた。


あとがき
紳士用のナイロンハイソックスを、ご婦人に穿かせてみました。
ダンナが穿かせているとしたら、ちょっと愉しい。
吸血鬼が想像したのは、どんな状況だったでしょうか。
ちょっと思いついたのは。
妻の生き血を吸わせた夫が、ストッキングの持ち合わせがないという妻のために、自分用の靴下を履かせた・・・みたいな感じですが。
もう少し、ひねくれて。
濃い想像をたくましくしてみたいところです。^^
前の記事
うわさの回覧板
次の記事
アンクレット

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/1256-8aad3b18