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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

髑髏の歯

2007年12月29日(Sat) 23:23:07

はじめに
ちょっぴりほらぁ・・・かもですよ。(^^)

薄暗い部屋のまん中だけが、まるでスポットライトのように明るく照らされている。
向かい合わせに腰かけているのは、若い一組のカップルと、年齢不詳の女。
長い長い黒髪をストレートに垂らし、乳色をした胸もとを大胆に覗かせている紺のロングドレスを、まるで十二単のように着こなしている。
女が掌のなかでもてあそんでいるのは、干からびた髑髏。
若い男女が怖れげもなく接しているのは、女が”髑髏占い”という看板をかかげていたからだろう。
ごらんなさい。
女は髑髏を差し向けて、うつろな眼窩をふたりの正面に向けた。
この眼が、あなたがたの真実を見抜きます。
そして、この歯が・・・
言うなり女は髑髏の歯を二本引き抜いて、
あなたがたの真実に触れてゆきます。
女はやおら立ち上がると、まず男の、そして女の首筋に、手にした歯を一本ずつあてがっていった。
ああっ・・・
ううう・・・っ
どちらともなく、悲鳴をあげると。
ふたりは身体の力が抜けたように、へなへなとその場に倒れ臥した。
ほほ・・・
女はドレスの袖で笑みを隠すと、容赦ない目つきで倒れたふたりを眺めおろす。
この髑髏はね。かわいい息子のものなのさ。
お前たちの若い血を、息子のために恵んでもらうぞ。
女は手にした歯をもてあそびながら、ふたりの身体のあちこちにぎゅう・・・っと、あてがってゆく。
鬼気迫るほほ笑みの下。
男の首筋。胸元。ズボンを軽くひき下ろした股間。
女の頬。うなじ。胸。ふくらはぎを突き刺したとき。肌色のストッキングがぴりりと破れた。

こっちだよ、こっち。
若い男は薄ら笑いをしながら、少女を招き寄せた。
あのときのカップルの片割れが連れてきたのは、家庭教師の教え娘。
おさげにした黒髪の下は、化粧けのない血色のよい頬。
浅黒い健康そうな少女のぴちぴちとした生気を、女は眩しげに見つめていたけれど。
手伝ってもらいますよ。
男のほうにさしずがましい口調を浴びせると。
男は機械仕掛けの人形のように、少女の後ろに立って両肩を押さえつける。
え・・・?
訝しげに男をふり返る少女の頬に、戦慄が走った。
うなじに押しつけられたのは、髑髏から引き抜かれた歯。
しらじらと妖しく光る臼歯は、力まかせにぐりぐりと、生硬な皮膚をえぐるように圧しつけられてくる。
あ、あ、ああぁ・・・っ!
苦しげにゆがんだ少女の顔を、男は小気味よさそうに見おろしている。

ねぇ、こっち。こっち。
カップルの女のほうが連れてきたのは、どうやら友だちらしい。
けれども友だちの彼女のほうは、こういう場が苦手らしく、入り口のところでいつまでももじもじと立ちすくんでいる。
さぁ、ルミちゃん。早くってば!
女はじれったそうに、ルミちゃんと呼んだ友だちを引き入れて、無理強いに椅子に座らせる。
あら、あら。
黒髪の女は余裕たっぷり。長い長い黒髪をそれはつややかに輝かせて。目の前の女の秘めた生気にうっとりと見ほれている。
お名前は・・・ルミ、と仰るのね?年齢は?
あ、はい・・・19歳です。
処女・・・ですね?
女の直截な問いに、ルミはちょっとためらっていたけれど、思い切ったように、そうですと答えていた。
ルミの答えに、じゅうぶん満足したらしい。
女は髑髏をもてあそびながら、歯を一本、また引き抜いた。

ぼう然と佇むカップルは。
まだ、首筋に血をあやしたままだった。
わかったね。これでもう、お前たちは妾(わたし)の奴隷なのだよ。
これからは、若い男女を一人ずつ、連れてくるのだ。
よく御覧。
この歯の一本一本、すべてに、今夜お前たちにしたように、若い膚をあてがうんだ。
そうしてすべての歯に、若い膚が触れたとき。
息子はめでたく、よみがえるのだよ。
男女は無表情に、頷いている。
目元をかすかに、蒼白く染めながら。

目のまえの友だちが、そんなふうにして自分の生き血をひさいでいるなど。
ルミは夢にも思わない。
引き抜かれた歯をまえに、怪訝そうにしていると、
後ろから、リョウコが背中を押してくる。
え?え?何するのよ?
思わずルミが後ろを振り向くと。
女は手にした歯を、やおら差し向けて。
ルミの首筋をかすめ、リョウコのほうへと迫らせていった。
まず、お前が手本を見せるのだ!
びっくりするような大声だった。
縮みあがっているルミのまえ、リョウコのうなじに歯が圧しつけられる。
きゃああああっ・・・
リョウコは柳眉を逆立てて、圧しつけられた歯を取り除けようともがいたが、
女はリョウコに抱きついて、歯をますます深く沈ませてゆく。
ノースリーブのワンピースからのぞいた二の腕に、ロングドレスの女の腕がツタのようにねっちりと絡みついた。
あ、あ、あ・・・
リョウコのうなじから、血が赤黒く、したたり始める。
逆立った眉はぴりぴりとナーバスに震え、苦痛に引きつった唇は、噛み締めた犬歯に血を滲ませた。
それも、一瞬のこと。
うう・・・っ。
リョウコはフッと身体の力を抜くと、へらへらっと笑い声をあげて、その場に尻もちをついていた。

ククク・・・
女は老婆のような含み笑いを浮かべて、なおもリョウコに迫って、服の上から身体のあちこちに歯を押しつけてゆく。
さいごに胸元深く、突き刺すように押しつけた歯を引き抜くと。
薄っすらとした灯火の下、鋭利な糸切り歯が先端に薄っすらと紅いしずくを光らせている。
女はそれをいとおしげに撫でつけると。
恐怖ですくみあがっているルミの目のまえに、歯を見せつけた。
あ、あ、あわわわっ・・・
震え声は、意味のある言葉になりきらない。
どうやら「そんなことはもうやめて」と、言いたいらしい。
女は娘くらいの齢かっこうの若い女の真意に、ゆるくかぶりを振って応えると。
この髑髏はね。かわいい息子のものなのさ。
歯の一本一本に、若い血を含ませてやると。息子はよみがえることができるのさ。
お嬢さん、哀れな母親の力になってくれますね?
ルミは半べそをかきながら、夢中になって、強くかぶりを振った。
あら。
若い女の行動は、女をいたく失望させたらしい。
彫りの深い目鼻にたちまち邪悪な妍を滲ませると。
それでは、お前の友だちから、血を絞り尽くしてくれようか。
女は髑髏の口のなかに手を突っ込んで、一番奥の歯を引き抜くと、
うつ伏せになったリョウコの身体を邪慳に捕まえるて、もういちど歯を首筋にあてがってゆく。
やめて!やめて!お願いだから・・・
ルミの願いに耳も貸さないで、女がリョウコの首筋に歯を圧しつけると。
リョウコはうぅん・・・と、けだるげに声を洩らし、われにかえったように目覚めていた。

お目覚めのようだね。
女が毒々しい囁きを、リョウコの耳元に吹きかけると。
リョウコは無表情な眼で、ルミを見つめた。
針で突き通すような容赦のない眼に、ルミはすくみあがった。
手伝うのだよ。あれはわたしの獲物なのだから。
リョウコは牝豹のように素早く立ち上がると、ルミに襲いかかった。
ルミの身体をねじりあげると、力まかせに頭を傾げさせ、白い首筋を女のほうに差し向けている。
あくまで女の命令に忠実なのだ。
う・・・う・・・うう・・・っ。
観念したように眼を瞑ったルミのまつ毛が、ぴりぴりとおびえを含んで震えつづける。

ホホホ・・・
高飛車に甲高い笑い声。それは女のものではない。
十重二十重にまかれた束縛をだしぬけにとかれて、ルミの身体が床に投げ出された。
なにがおきたのか?
女もリョウコも、部屋のすみの一点を、憎らしげに凝視している。
凝視のかなたから浮き彫りになるように現れたのは、和服姿の老婆だった。
ククク・・・
ほつれた白髪。しわくちゃの顔。
着崩れした着物は薄汚れていて、よく見ると不規則な斑点が赤黒くそこかしこに撥ねている。
うぅ。なにしに来た!?
女は下品なうなり声で、老婆を迎えた。
うめぇことを、しおって。
木乃伊のように干からびた唇は、あざけりを含んで女に報いた。
えー、においじゃあ。
においにつられて、さまよいきてしもうたのよ。
相伴にあずかりとうての。
え?かまわんじゃろ。そなたの飽いたあとならば。
残りはわらわが、全身からむしり取ってくれようぞ。
くくくくく・・・っ。
老婆は身の毛もよだつようなことを口にしながら、いかにももの欲しげにルミの肢体を舐めるように窺っている。
ええ!うっとうしいわ!去(い)ね!去ねっ!
女はロングドレスの腕を邪慳に振るって、まるで結界を張るように老婆にむかって通せんぼをした。
そのしぐさはひどく依怙地で、子供っぽくさえあったけれど、恐怖に我を忘れたルミにとっては笑うどころのさわぎではない。
ルミにとってありがたいことに、女の張った結界は、強力だったようだ。
老婆は苦しげにもがき、袂でなにかを振り払うようにして、後ずさりを始めたのだ。
玄関まで後ずさった老婆は憎々しげに女を睨み、捨て台詞のように言い捨てた。
外で待っとる。女の帰りを襲うには、わらわの勝手じゃろからの!
吠えるように言い捨てると、老婆はサッと玄関から出て行った。

つかの間の安堵が、ルミを和らげる。
その隙につけ入るように、女はルミの傍らに素早く寄り添った。
こわばった頬をなぞるように撫でながら。
聞いたかえ?あの婆は妾の姉なのじゃ。
さもしい姉じゃ。
いちど眼をつけた獲物は、なかなかようあきらめぬ。
だがのう。ひと晩明かせば、そんなこと・・・煙のように忘れてしまうのよ。
なにしろ、すご腕だからね。
べつの獲物に夢中になっているんだ。
どうだね?ひと晩ここで、かくまってやろうか?
あの婆にかかったら、ほんとうに身体じゅうの血を舐め尽されてしまうのだぞ。
それが好みなら、留めはせぬが。
妾もどうやら、そなたに嫌われておるようじゃから・・・のう。
今宵の夜伽は、リョウコに頼もう。
家のなかではリョウコが、そとではそなたが。
肌蒼ざめるまで、血を吸い尽くされる。
それもまた、愉しかろうが。
女の言い草に、ルミは蒼くなってけんめいにかぶりを振る。
ほう・・・?では、ここで夜明かしをするのかや?
血に飢えた歯が、幾本もあるこの家で・・・
いいのかや?
ルミはしずかに、頷いている。

びろうどのように艶を帯びた皮膚。
白すぎもせず、浅黒くもない。ほのかな血色を滲ませた、ぴちぴちとはずむような肌。
非の打ち所もないうなじをさらした女は、まつ毛をぴりぴり震わせながら、息を潜めようとけんめいになっている。
うふふふふっ。
かわいいのう。
女は朱唇に愉悦を滲ませて。いちばん大きな臼歯をより抜いて、女の皮膚にあてがってゆく。
ぎゅうっ・・・
力まかせに圧しつけられた臼歯は、しなやかな皮膚にしっくりと密着して。
すき間からじわじわとバラ色の血潮を滲ませ、したたらせてゆく。

うふふふ・・・ふふふ・・・
はだけたブラウスと、たくし上げられたスカートを身にまとったまま。
ルミはくすぐったそうに、笑いこけている。
半裸に剥かれた若い肢体の上に覆いかぶさるのは、逞しい青年。
干からびた髑髏は若い女の血を吸い取って、生身の男に変じていた。
傍らに転がっているのは、やはり半裸に剥かれたリョウコ。
白目になって気絶していた。
六ぺんも犯されて、悶絶してしまったのだ。
恋人も、納得ずくだったらしい。
よみがえったとき。その場に居合わせた女たちは、だれかれ構わず犯されるのだという。
黒髪の女も、引き裂かれた青のロングドレスから、輝くばかりの裸体を覗かせながら。
息子の精液のついた指先を、チュッと音を立ててしごいている。
さいごに襲われたのは、ルミ。
ただひとり処女だった女は、どうやらほんとうに青年の愛を勝ち得てしまったらしい。
あと2本。血を吸っていない歯があるんでしたよね?
若い女・・・って、いくつまで許されるの?
え?若くなくてもいいの?
じゃあ・・・母と妹を紹介してあげる。
あしたの晩。かならずここに連れてくるわ。
わたしの結婚祝いに、ふたりの血を引き出物にしてもらうの。
どう・・・?いいアイディアじゃなくて?
ホホホ・・・
女はころころと、昏黒の虚空に乾いた笑み声を響かせている。
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