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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

駅で待つ女

2007年12月30日(Sun) 09:56:47

駅のホームで待つきみは。
いかにも手持ち無沙汰に、柱に寄りかかっていて。
黒のハンドバックを、ぶらぶらと、
それは自堕落に、もてあそんでいた。
オレがうっそりと、姿を見せると。
あら。
みちがえるほど表情を、活き活きとさせて。
足取りさえも、浮き立つばかり。
まっすぐとこちらへ、歩みを進めてくる。
きみの足許を彩るのは。
薄墨色のストッキング。
礼節と知性とをたたえながら。
流れるような脚線美を、淫らに染める。

ホテルに行こう。
アラ、まだ早いのに・・・
早くなど、あるものか。
もうとっくに、陽は暮れている。
さあ・・・
引き立てるような強引さに。
きみは苦笑いひとつ、チラとよぎらせて。
仕方ないわね、って、いいながら。
オレのわきの下に、するりと腕を忍び込ませる。

女の名は、まりあ。
いつも、とつぜん現れて。
あくる朝には、夢のように去ってゆく。
見知らぬ街の、見知らぬ通り。
いつもなんの前触れもなく。
ずっとあなたを待っていたのよ・・・と言わんばかりに、姿を見せる。
ほんとうに久しぶりに、現れたのに。
傍らのまりあは、活き活きと笑いさざめいて。
きのうもきょうも。あしたもあさっても。
ずっと居続けてくれているかのように、ヒールの音を響かせてゆく。
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