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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

☆お疲れ様~☆

2008年02月03日(Sun) 10:56:05

ぎし、ぎし、ぎし、ぎし・・・
隣室から聞える、ベッドのきしみ。
明け方から、なん回すれば気が済むのだろう?
それも、ひとの女房を相手に。

夫婦のベッドのうえ。
妻の由貴子のうえにのしかかっているのは、吸血鬼。
子供の頃からの、仲良しで。
白髪の数が昔とさほど変わらないのは。
私が提供した血液のおかげだと感謝されている。
さいしょにご馳走したのは、グレーのハイソックスを履いた自分の脚。
それから、肌色のパンストを履いた、ママの脚。
中学に上がったばかりの妹の黒ストッキングの脚も、見逃してはもらえなかったっけ。
そのころから、だれよりも親しく打ち解けた彼とは。
いまでは、妻を通してつながっている。

ベッドのうえでも、黒衣を脱ぐことはまれらしい。
ちらと覗いた、ドアのすき間。
おおいかぶさった黒マントから、むき出しになりからみあった二対の脚だけが覗いていた。
毛むくじゃらで逞しい、丸太ん棒みたいな脚に、虐げられるように。
妻の白い脚は、あまりにもか細く映る。
けれどもか弱く映るものほど、とてもしなやかで。強靭で。
なめらかな白い皮膚におおわれた筋肉が、時おりキュッと引き締まり、また弛緩する。
放恣に開かれた股間に沈み込む侵入者の臀部と、一体のうごき。
黒衣の向こう側に見え隠れするもう片方の脚は。
ずり落ちかけたガーター・ストッキングを、まだ脛の辺りに残している。
こうこうと照りつける灯りの下。
ふやけたようにたるんだ透明なナイロンのが、不規則な艶を放っている。
気品と堕落。
その両方を、きわだたせるようにして。

朝。
ひんやりとした廊下に出ると。
出会いがしらだった。
ドアが勢いよく開くと、
寝坊、寝坊・・・
妻があわただしく、飛び出してきた。
黒のスリップの肩紐を、片方ずり落としたまま。
そよいだすき間から覗いた乳房のあたりには、まだあのふしだらなぬくもりが残っている。
おはよう。朝ごはん食べるでしょ?
妻は答えも待たず言い捨てて、ばたばたと階段を降りてゆく。
階段の下。
妻とはち合わせた娘は、セーラー服の背中をこちらに向けたまま、なにやらぶーたれている。
間に合わないよ。だいじょうぶだって。
押し問答のあげく、解凍していない冷凍おにぎりをそのまま娘に渡そうとした。
あっ!と叫ぶ母親を尻目に、娘はスリッパの足音をぺたぺたと玄関に進めてゆく。

背後の寝床から、もそもそと起き上がる黒い影
寝乱れた髪を、調えもせずに。
疲れた~。
やつはげっそりとして、部屋から抜け出してくる。
お疲れ様~。
私は愉快そうに声をかけて、
やつの顔を濡れタオルで、力まかせにこすってやった。

階段の下。向かい合うのは。
人生に疲れた男と、場末の水商売の女。
そんな想像は、すぐさま裏切られる。
男は妻のうなじにディープなキスを重ねると。
その場に崩れた妻を尻目に、娘のあとを追っかけた。
開いた玄関のドアの向こうから。
きゃあっ。
にぎやかな叫びがあがるとき。
娘は白いハイソックスを、たぶん真っ赤に染めている。
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