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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

凄いヤツが、いっぱい!

2008年02月08日(Fri) 02:37:58

うちにお出でよ。凄いヤツがいっぱいいるからさ。
クラスの中でも、とびきり目だたなくて。
いつもひっそりとしているレイジが。
あるときぼそっと、呟いたとき。
瞳の奥に秘められた、稲妻のような輝きに、
ボクは目をまん丸にしてしまっていた。

約束どおりお邪魔したレイジの家は。
古びたごたいそうなお邸で。
濃い紫のロングドレスをエレガントに着飾ったレイジのママが、
それはにこやかに、迎えてくれた。
テーブルのうえに広げられたのは。
テレビでおなじみの、怪人たちのフィギュア。
全長数cmしかないとは思えないくらい、真に迫った迫力があった。

いいだろ?
いいなあ・・・
ねぇ。
うん?
いいかい?今夜、キミん家(ち)へ遊びに行っても。
あんまり遅いと、ママに叱られるなあ。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。
ママもリサちゃんも、怒ったりなんかしないって。
今夜は月夜だから。
こいつら、本物になって甦るんだぜ?
ええー?
レイジはときどき、ウソみたいな話をする。
時にはだれにも相手にされなくって。
でも、そういう状況におかれることを予期しているらしくって。
いっつも片頬で、ほくそ笑んでいるんだけど。
ボクがひとりでついていくと。
ほんとうに、彼のいうとおりだった・・・そんなことが、何度もあったのだ。
何時に、来るの?
ボクはいつしか、頬を紅潮させて。
時間の約束を、してしまっていた。

九時。
約束の時間だった。
りぃん。ろぉん。
時ならぬインターホンに、けげんそうなママを尻目にして。
ボクは一目散に、玄関に向かっていた。
こんばんは。
のそっと顔を出したレイジに、ママはふしんそうに小首をかしげたけれど。
相手が顔見知りのボクの仲良しだと知ると、
あら、こんばんは。
おうむ返しに、声を返した。
遅い時間に、どうしたの?
少し咎めるような声色を、気にするようすもなく。
お邪魔しまぁす。
レイジはまるで、自分の家みたいに馴れ馴れしく。
一人で先に立って、ボクの勉強部屋めざして階段を上っていった。
お茶、淹れるわねぇ。
ママはいつになく、薄ぼんやりとした声をして。
いがいに物分かりよく、まだ洗いものが残っている台所へ顔を引っ込めてくれた。

勉強部屋に入ると、レイジは窓を開け放った。
くろぐろとした街なみのかなたには、こうこうと輝く満月。
満月の夜。満月の夜。
レイジが呪文のように、くり返すと。
ベランダの手前の屋根瓦のあたりの闇が、いちだんと濃くなって。
むくむくと、黒々とした奇怪な影を形作っていた。
ごらんよ。すごいだろ?みんな連れてきたんだぜ?
レイジの声とともに、ぞろぞろと現れたのは。
昼間にみたフィギュアが等身大になった姿だった。

見れば見るほど。
どいつもこいつも、奇怪なカッコウをしていた。
全身赤黒くて、グロテスクなブツブツのついているやつ。
ぬるぬると黒光りしていて、触手を八本も持っているやつ。
ひょろりと上背があって、首から上がそげていて。切断面が吸血口になっているやつ。
どれひとつとして、まともな人間の形をしていない。
みぃんな、吸血怪人なんだぜ?
ちょっと得意そうなレイジに、ボクも「ふーん」と引き込まれている。
やっぱり等身大だと、迫力が違うよね?
そうさ。本物みたいに、血を吸うこともできるんだぜ?
えー、そうなの?
タツヤの血で、試してみるかい?
面白そう♪
不思議と、怖さは感じなかった。
ボクは半ズボンの太ももを、手近な怪人の前に近寄せていく。

そいつの手は、平たい吸盤みたいなカッコウをしていて。
平らな面にはレンコンみたいな穴ぼこが、いくつもあいていて。
見ろよ。この穴ぼこが、吸血管なんだぜ?
レイジに言われるまでもなく、ボクは「そんなこと、知ってるさ」って、強がりを言って。
平たい吸盤を思い切りよく、太もものあたりに貼りつけられていた。
きゅうっ。
奇妙に間延びした音がして。
ボクはクラッと、めまいを起こしていた。
ひんやりとあてがわれた吸盤からにじみ出るような、しびれるようなムズムズが。
いつかたまらない疼きになって。
なま温かいぬるぬるが、太ももをぬらり・・・と、伝い落ちてくる。
血を吸われている・・・ありありと感じるほどに。
ボクは足許を、ふらつかせてしまっていた。

キミ・・・だいじょうぶ?
だいじょうぶさ。
えぇと、こっちのやつは、触手を巻きつけるんだよな?
ボクはまだまだ、強がりを言って。
もうひとりの怪人の触手を、わきの下にくぐらせてゆく。
すごい。すごいな。本物そっくりだ。
浮ついた声を、かすれさせていると。
もうひとりの怪人が、後ろから。
ボクの首筋に、ぬるりとしたものをあてがってくる。
じゎん・・・
めくるめくような、陶酔。
ふらっとなった身体は、そのまま吸血怪人たちに、抱き取られていった。

うぅん・・・
目をこすりながら、起き上がると。
どうだい?
レイジは得意そうに、ほほ笑んで。
自分も怪人ふたりに、はさまれて。
奇怪な吸血管を、胸やお尻に突き刺されて。
Tシャツや半ズボンを、真っ赤に濡らしている。
キュウキュウ・・・キュウキュウ・・・
人をこばかにしたような、あからさまな音といっしょに。
レイジも面白そうに、怪人たちの触手を皮膚にすりつけて。
生き血を、吸い取らせていったのだ。
子どもの血は、イキがいいんだってさ。
そうだ。リサちゃんの血も、吸わせてやろうよ。
レイジはさもいいアイディアが浮かんだみたいに、声をあげて。
ボクにいなやも言わせずに、妹の名前を呼んでいる。

きゃあっ。
リサはさすがに、女の子らしく。
怪人たちの奇怪な姿に、半べそになって。
すぐに助けを呼ぼうと、スカートのすそをひるがえしたけれど。
そのときにはもう遅く、怪人の一人に触手を伸ばされていた。
そいつはさいしょにボクの血を吸った、あのレンコン怪人で。
ボクのときとおんなじように。
真っ赤なチェック柄のスカートの下から覗いた太ももに。
レンコンの形をした吸盤を、ぴったりとあてがわれてしまっている。
きゅうっ・・・
ボクのときと、おなじように。
ボクとおなじ血が。
パパとママから、もらった血が。
おいしそうに、吸い取られていった。

おさげの髪を、ふり乱して。
リサは強くかぶりを振って、抗ったけれど。
背後から伸びたべつの吸血唇に、うなじを吸われて。
激しい首振りは、少しずつ緩慢になってゆく。
うふふふふっ。女の子の血は、おいしいんだね。
レイジはくすぐったそうに、壁を背にして姿勢を崩してゆくリサの受難を見つめていたけれど。
ボクのほうを、振り返って。
だいじょうぶ。
キミひとりに、ソンはさせないぜ。
夕べはボクのママや姉さんも。
こいつらに、血を吸われちゃったんだから。
そんな怖ろしいことを、人ごとみたいに囁いている。

レイジは半ズボンの下、濃紺のハイソックスをねじれさせて、
ボクはねずみ色のハイソックスを、赤黒く汚していて。
リサも、真っ白なハイソックスに、ぬらぬらとしたよだれを光らせている。
三足のハイソックスは、それぞれの持ち主の脛をすべり落ちて。
くしゃくしゃにたるんで、バラ色に染まってゆく。
ちゅうちゅう・・・キュウキュウ・・・
入れ替わり、立ち代わり。
怪人どもは、たたみの上にころがったボクたちの上にのしかかってきて。
思うさま、吸血を愉しんでいた。

キモチいいだろ?血を吸われるのって。
ウン。なかなかいい具合。
頭がスッと冴えたようになって。
身体のなかでもやもやとしたものが、いっさいがっさい抜き取られてしまったような。
突き抜けるほどの、爽快感。
じゃあ、キミのママにも体験させてあげようよ。
しずかになったリサのうえには、赤黒い吸血怪人がのしかかっていて。
真っ白なハイソックスのうえから、ふくらはぎに吸盤を這わせていた。
カチャカチャ・・・カチャカチャ・・・
近づいてくる、ティーカップの触れ合う音に。
レイジもボクも、にんまりと笑みを交し合う。

えっ?どうしたの?
吸血怪人と、遊んでいるんだ。
怪人?ですって・・・?
ボクたちの血を、ご馳走してあげてるんだよ。
キモチいいんだ。ママも試してみる?
なにをいっているの?あっ、リサっ!?
半ば気を喪いかけたリサが、真っ赤なチェック柄のスカートをはねあげられて。
へらへらと笑いながら、グロテスクな怪人の触手を手にして、自分からうなじに巻きつけていた。
ほら。こいつら、おばさんの血も欲しがっているんだよ。
ボクたちの血だけじゃ、足りないんだって。
タツヤやリサちゃんの血が、気に入ったみたいだから。
おばさんの血も、きっと好みに合うはずだよ。
がんばって、いっぱいご馳走してあげてね。

あれよあれよ・・・と戸惑うママを横目にして。
アブナイ遊戯に耽ってゆく。
やめさせようとしたときには、もう遅くって。
ママも・・・吸血怪人の相手をさせられていた。
相手は、首から上がそっくり吸血管になっているやつ。
あいつは、しつっこいんだ。
先週なんか、ボクに巻きついて。ひと晩じゅう放してくれなかったもんね。
レイジは面白そうに、ママが取り乱すありさまをうかがっている。
きりっとした黒のスーツが、着崩れしていって。
スカートのすその奥まで這い込んだ触手は、ママの太ももをなぞるように撫でている。
そろってずり落ちてしまった、ボクたちのハイソックス。
けれどもママの履いている黒のストッキングがちりちりに裂けてゆくありさまは。
もっともっと、エロチックだった。

あっ、あっ、あっ・・・
眉毛を八の字にして。白目をむいて。虚空を引っ掻いて。
しまいにのけぞって、たたみの上に大の字になっていた。
ママのスーツ姿の上、怪人どもがなん人も、おおいかぶさっていって。
胸といわず、わき腹といわず、太ももといわず。
思い思いに、吸血管を刺し込んで。
ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
規則正しい、リズミカルな吸血の音に。
ママの生き血も、抜き取られていった。
いい眺めだね。
おばさんも、たっぷり血を吸われるんだよ。
ママの耳もとに、レイジが囁きを吹き込むと。
正気じゃなくなったママは、無表情に頷いてしまっていた。

七恵伯母さんや、美奈子ちゃんも呼んで御覧。
きみ、美奈子ちゃんと結婚するんだよね?
こいつら、女の生き血に目がないんだ。
気前よく、ご馳走しちゃおうよ。
怪人だって、一ダースもいるんだから。
二匹にひとりくらいは、獲物を用意してあげたいからね。
電話機をプッシュする指先を、震わせながら。
ボクはママとおなじく未亡人している伯母さんの声をあいてに。
パーティをやっているから、着飾って来てくれる?
思いつく限りの甘い誘い言葉を、触手のように巻きつけて。
うら若い二人を、呼び出していた。

着くまでに、まだ三十分はかかるよね?
そうだね。おめかししてくるだろうからね。
レイジに、ボクに、ママに、リサ。それに女ふたりが加われば。
6対12。
まあまあ・・・いい割合なんじゃないかな?
絵の具の混ぜ具合でも確かめるようにむぞうさな口ぶりの向こう側。
胸元に吸血管を刺し込まれたママとリサが、
代わる代わる、心地よげなうめきを洩らしはじめている。
夜はまだまだ、長い。
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