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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

人妻まりあの饗応

2008年02月16日(Sat) 12:34:23

身体にぴちっと密着した、ショッキングピンクのワンピース。
広い胸ぐりからあふれそうなおっぱいを、見せびらかすように揺らしながら。
まりあはわたしと客人のまえ。
ワイングラスをふたつ、お盆に載せて現れた。
おい、おい。
身体のライン、強調し過ぎだよ・・・
思わず声をたてそうになったのは。
まりあのセクシィすぎるワンピース姿を、客人に食い入るように見入られたから。
舐めるように、眩しげに・・・

まりあを欲しい。
妻が座をはずすや否や。
予期したとおり、おねだりがはじまった。
仲良しのこの男の正体は、吸血鬼。
彼を家に招くことがどれほどキケンなことなのかは。
子どものころ家に招んだとき。
それまで貞淑だった母と、まだ女学生だった姉さんとが体験してしまったことで。
じゅうぶん立証済みだったのだ。

ひとの女房を、いきなり呼び捨てにするんだね。
彼の無作法を、さりげなくたしなめながらも。
彼の要求そのものをたしなめることができなくなっていく。
ねぇ、頼む。頼むよ。
ほんのちょっとだけ、うなじを吸わせてくれたら。
もうそれだけで、放してあげるから。
そんな見え透いたウソを、お互いにウソだと分かり合いながら。
さいごにわたしが、堕ちてしまったのは。
きみの一番たいせつな女(ひと)だから、欲しいんだ。
そんなひと言。
わかった。じゃあちょっとだけ、席をはずすから。
わざとドアを半開きにしたまま出た廊下は、ぬらりと妖しい薄闇に包まれていた。

あっ!なにするんですっ!?
妻の声が、夜の静寂を切り裂いた。
けれどもそれは、一瞬のこと。
ちゅっ・・・
奇妙な音が、すべてを沈黙させたのだ。
胸が張り裂けるような、無音の緊張。
そのなかで、ただひとすじに・・・
ちゅ―――――っ・・・
途切れることなくつづく、吸血の音。
わたしは不覚にも、胸をドキドキとわななかせて。
妻の受難のいちぶしじゅうを、覗き見ている。

触手のように、長い腕が。
ショッキングピンクのワンピースのうえ、迷うように這い回って。
もどかしげなまさぐりに、さいしょは抗っていたまりあの手も、
いつか緩慢になってゆく。
それはたぶん、失血のせいばかりではない。
服の上からじわりとしみ込まされた、甘美な誘惑に。
ヤツの優美な獲物は、たちまち姿勢を崩していった。
横たえられたふくらはぎを、ゆるゆるとなでさすりながら。
肌色のストッキングの上から、咬みついてゆく。
きれいな光沢だね・・・って、ほめながら。
舐めるように唇を吸い着けられて。
薄手のナイロンの光沢ごし、ふくらはぎの筋肉がシクッと引きつるのを。
わたしは胸ズキズキとはずませながら、ただの男として、光景をたんのうし尽くしてしまっている。

深夜。
夫婦のベッドのうえ。
まりあは失血のあまり、放心状態で。
手足をだらりとさせたまま、横たわっている。
一件がすんだあと。
ハッと我に返ったまりあは。
アラッ?どうしたの私・・・?
吸血されたことは、記憶に残されていなかった。
客人のまえ、無作法に寝転がっていたじゅうたんからあわてて起き上がると、
そそくさと一礼して、リビングから立ち去っていったのだ。
今宵、まりあを私のものにする。
くぐもった声色が、わたしの鼓膜を妖しく震わせていた。
いま。儀式が始まろうとしている。
灯りの消えた夫婦の寝室で。

糸を引かれたマリオネットが、起き上がるように。
まりあはゆらりと、身を起こす。
乱れ髪を、けだるそうにかきあげて。
ふらふらと、ベッドのうえからすべりおりた。
まるでなにかに吊り上げられるような、不自然な動きのままに。
けだるそうに身じろぎをつづける、豊かな肢体は。
タンスの引き出しから取り出したナイロンストッキングを、
するすると手際よく、脚に通してゆく。
まるで娼婦が、身づくろいするように。
ひそやかな衣擦れを、身体の周りにまとわりつけながら。

黒のシースルーのネグリジェ姿が、足音を消して廊下をすすんでゆく。
こんななまめかしいなりを、まりあがするのは。
夫婦のセックスがマンネリになってからは、たえてないことだった。
まりあが真っ先にめざしたのは、玄関。
玄関先の土間に、かがみ込んで。
すぐに立ち上がって、くるりと回れ右をしたときは、
一瞬目が合ってしまって、どきりとしたけれど。
わたしに尾けられていることなど、まるで意に介するふうもなく。
まりあは無表情に、わたしの目のまえを通り過ぎてゆく。

ゆらゆらと、長い髪をたなびかせながら。
ぴかぴか光る、黒のエナメルのハイヒールをぶら下げて。
まりあはひたひたと、足音を消して。
そう。客人にあてがわれた一室をめざしている。
かちゃり。
冷たく響く、ドアノブの音に。
ひやりとしたものを、覚えた瞬間。
ばたん。
開かれたドアは、まりあの姿をのみ込んで。
あっという間に、鎖されていた。

おそるおそる半開きにした、ドアのむこう。
素足になったまりあは、黒のストッキングに脚を通してゆく。
さっきまで穿いていたストッキングは、男の手のなかで嬲りものになっていて。
べつに用意した、真新しいやつに穿き替えているようだった。
さっきまでまりあが脚に通していた薄絹は、男の掌のなか、くしゃくしゃになって。
節くれだった指先が、まさぐるように。
ひどくいやらしく、もてあそんでいた。
男はわたしの妻がストッキングを穿くようすを、にやにやと愉しげに盗み見ながら。
自分もむき出しの脚に、手でもてあそんでいたまりあのストッキングをまとってゆく。
まりあの脚線をのこした薄黒いナイロンが、男の逞しい脚の輪郭に重ねられて。
ごつごつした筋肉に鎧われた太ももを、じんわりと包んでゆく。
わずかに丈が、足りなかったのか。
ストッキングのゴムは、男のひざのすこし上あたりで、留められた。
アンバランスな光景だったけれども、それはひどくそそられる眺めだった。
さっきまで、まりあの脚を優美に彩っていたものが。
男の荒々しい肉づきに、蹂躙されていた。

まりあは丸いすのうえ、カッコウの良い脚を片方乗せて。
足許にかがみ込んでくる男に、誇示するように見せびらかした。
脛を彩る黒のストッキングは、薄くなまめかしく透きとおっていて。
ぴかぴか光る硬質なエナメルのハイヒールと、好対照をなしていた。
男は女の脚をめでるように、両方の掌ではさみ込むようにして。
ねっちりとした手つきで、さすりあげてゆく。
なよなよと薄いストッキングは、そのたびに
ひどくふしだらに波うちよじれを加えていった。
ククク・・・
含み笑いを浮かべた唇を、なすりつけるように這わせていって。
まりあがちょっと顔をしかめたとき。
鋭い伝線をひとすじ、ぴちっと走らせて。
流れるような脚線をせり上がった裂け目は、ネグリジェのすその奥にまで、しのび込んでゆく。
ァ・・・
喉の奥から、引きつるようなうめきを洩らして。
まりあが姿勢をくずしたのは、そのときのことだった。

じゅうたんのうえ繰り広げられる、淫靡な舞踏。
黒のストッキングに包まれた男女二対の脚は、淫らに交わり、乱れあって。
擦れあう脚と脚のあいだ、薄いナイロンが妖しいしわを波だてていく。
さいしょは正常位、それからバック、騎乗位と。
ぴったり息合わせたふたりは、あらゆる体位を交えてゆく。
娼婦に堕ちた女は、ただひたすらに情夫の情けをもとめつづけて。
硬く怒張した逸物を、喉の奥まで突き刺さるほどに、迎え入れて。
わたしのときとは比べものにならないほど、ていねいに、たんねんに、
貞潔を穢した兇器を、ねぶり抜いてゆく。
侵される両の太ももを彩る黒のストッキングは。
ぎらぎらと毒々しい光沢をよぎらせて。
やがてふしだらに、脛からすべり落ちるようにして、堕ちていった。
あん、あん、あん・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁん・・・っ!

しずかになったまりあから。
いまいちど、生き血をズズズ・・・と啜り取ると。
男は礼拝するように、恭しく。
まりあの手をとって、手の甲に接吻を重ねてゆく。
放恣に伸びきった脚もとから。
するり、するりとストッキングを抜き取ると。
にまにまと、いやらしい笑み浮かべて満悦しながら。
女をお姫様抱っこして。
廊下で待つわたしになど、目もくれないで。
情婦にした人妻を、夫婦のベッドに投げ込んでゆく。

チチチ・・・
チチチ・・・
鳥の声。眩しい朝日。
すべては、夢だったのか?
妻のまりあは、エプロンを着けて。
かいがいしく、朝の用意に余念がない。
けれども盗み見たノーストッキングの足許には。
綺麗に並んだ、ふたつの痕。
ふくらはぎに浮いた、赤黒い痣のような痕は。
きっとスカートのなかにも、もっと奥にも、つけられているはず。
夫婦のベッドをひと晩譲ったわたしは、けっきょく廊下に寝るはめになって。
じんじんとする頭を抱えながら、やつの残した置手紙をまさぐっている。

ごちそうさま。
これからは、きみの留守を狙って襲うことにする。

たった二行が、わたしの胸を、またも烈しく疼かせていた。
留守でなくても、留守にするのだぞ。
やつはきっと、そう囁くのだろう。
あるいは、わざわざわたしのいるときを狙って。
まりあを公然と支配するのだろうか。
十時にビジネスで面会予定のあの男。
ズボンの下にはきっと、妻のストッキングをこれ見よがしにまとっているのだろう。


あとがき
情事のときに身に着けていたものを、情夫に与えて。
情夫はそれに応えて、自分の脚に通して。
まっ昼間から、夫に見せつける。
おまえの妻を、とうとうここまでモノにしたのだぞ・・・と、宣言するように。
ひとつの支配の形態だと思えます。
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