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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ごく常識的に、落ち着いていて・・・

2008年02月24日(Sun) 04:15:25

吸血鬼だというから、どんな化け物じみたやつだろうかとか身構えていたのだが。
女好きだというから、はたまたどんな色ぼけなのかと思ったら。
現れたのは、ごく常識的に落ち着いた、初老の紳士。
ふうさいのあがらないその男は、うつむきがちにぼそぼそと、いろいろな話をしかけてきて。
思わず優越感と憐憫までも感じてしまうほどの、不景気さだったけれど。
裏に隠されたびっくりするほどの知識と、深く行き届いた配慮とに、ほとほと驚嘆させられるはめになった。
けっきょくわたしはこの男に血を吸われ、妻はこの男に凌辱を受けた。
凌辱。
言葉のマガマガしさとは、裏腹に。
それはひどく甘美で、刺激的な体験。
ふすま一枚へだてた向こう側、女房の声色は色めいていて。
わたしはその声とかすかな物音ゆえに、ひと晩昂ぶりつづけていた。

明け方ふすまが開いたとき。
女房はくすんだ顔色をしながらも、どこかサバサバと投げやりになっていて。
いい村ね。
ただひと言で、村を受け入れてしまっている。
晴れて村の住人となったその日。
わたしは村の人妻のもとに忍んでゆき、見返りに女房はいく人もの男どもを相手にした。
こんど、娘や嫁たちも呼びましょうね。
あくる朝。
ほつれた遅れ毛をかきあげながら。
女房はのんびりとそう囁いた。

あとがき
いや、化け物じみてないから、怖いんですってば。^^;
やたらとケダモノじみたルックスにしたり。
ひどく不自然に目をつり上げてみたり。
知性のひとかけらもないような吸血鬼よりも。
どこにでもいるひっそりとした中年男が無表情に迫って。
うなじを噛んだ女を、瞬時に別人に変えてしまう。
そういうほうがよほど怖ろしく、ロマンチックだとは思いませんか?^^
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