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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

むかし話 ~ 太郎の嫁

2008年02月25日(Mon) 05:21:25

昔のこと。
ある村里に、若い兄弟が住んでいた。
名前は伏せておきたいので、かりに太郎と次郎・・・ということにしておこう。
太郎はやがて、隣村から嫁を迎えた。
貧しい村だったので、嫁をもらえる息子は、跡取り息子だけと決まっていた。
よその村から迎えられた嫁は、村の男どもに荒っぽい歓迎を受ける。
永年守られてきた、しきたりだった。
あまり近しい人は、情が移るからよくないねぇ。
年老いた母親は息子をたしなめるような目をしてそういって、
わたしも若いじぶんには、身に覚えのあることだから・・・と、珍しくころころと声をたてて笑った。
無口な母親が笑うのも、珍しいことだったが。
それ以上に、齢よりもふけてしまった老女がみせた頬が、そのときだけは。
どきりとするほど、若やいでいた。
その晩花嫁は、花婿と父親に付き添われて。
村はずれの納屋へと出かけて行った。
さいしょに初穂を摘んだのは。
村いちばんの長老だった。
さいしょからさいごまで、いちぶしじゅうを見届けさせられて。
苦痛の声をあげつづける若い嫁が、さいごに洩らした吐息が。
悩ましげな色艶になまめくのまで、きかされた。
なに・・・どこの嫁も。さいしょは羞ずかしがるのじゃよ。
逞しい腕を着物の袖に通しながら。
もの慣れた長老がうそぶくと。
居合わせた村の若者たちは、いっせいに色めきたっていた。
あとは・・・勝手放題だった。
夜が明けて、家に戻された嫁は。
それから十三夜というもの、ひっそりと納屋に出かけて行って。
待ち構えている男どもに抱かれるのだった。
しとどに浴びた村じゅうの男どもの精を、うわぐすりのようにして。
女はますます、美しくなった。
嫁をとれない次郎のほうは。
夜ごと聞える悩ましい声に、布団をかぶって耳をふさいでいたけれど。
やがて・・・兄のいない夜に、兄嫁の寝所に転がり込んで。
まるで初めてとは思えないほどの素早さで。
夫婦の褥のなかに、身をすべり込ませていった。
やっと来たね?
兄嫁は次郎の頭を、まるで母親のように撫でながら。
放恣に身体を開いていった。

十なん年の歳月が流れた。
どちらに似てるだ?
村の男どもは、額を寄せ合って。
ひそひそ話しに興じている。
時には太郎までもが、加わって。
指折り数えて勘定したども・・・どうも身に覚えがないでのう。
陽焼けをした頬を、好色そうにしわ寄らせながら。
一座とともに、笑いこける。

たくましく育った、一人息子は。
やがて隣の村から嫁を迎える。
息子は一人がいいだな。
太郎は次郎に、囁いた。
んだ、んだ。二人に一人じゃ、身体がもたんて。
あはは・・・
十なん年ものあいだ。
嫁の話が兄弟のなかで話題にのぼったのは、きょうがはじめてのことだった。
なーに。ふたりにひとりとは、かぎらんて。
次郎は、え?と顔をかしげたけれど。
隣家のご隠居。はす向かいの独り身の中年男。すぐ真裏の、やもめ暮らし。
なーる・・・
しっ!
あまりの声の高さに、太郎は次郎の口をふさいでいる。
いく晩、しのんでしもうたかのう・・・
兄貴のまえ、指折り数えている弟に。
わかっているって。
太郎は照れくさそうに、さえぎっている。
その晩はいつも、部屋の外で震えておったのじゃから。
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