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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

褥のお供 ~兄嫁のストッキング~

2008年02月25日(Mon) 05:59:09

兄と弟が、ふたりきりで住んでいた。
やがて兄のほうが、嫁を迎えることになった。
都会育ちの女だった。
母親は、とうにいなくなっていたので。
ただでさえ眩しく映る、若い女の色香があった。
村でずっと育ってきた弟は、洋装の女が珍しかったので。
肌色のストッキングを履いた義姉になるひとの足許を。
じろじろもの珍しそうに、盗み見ていた。

やがてのこと。
勤めに出るようになった義姉の目を盗んで。
弟はそう・・・っと、義姉の部屋に忍び込むようになっていた。
狙いは、箪笥の抽斗のなか。
きちんと折りたたまれた、肌色のストッキング。
姉がいつも、隣町まで勤めに出るときには。
スーツのすそからはみ出した太ももを、しなやかにおおっていた。
はじめて手にした薄いナイロンは、ひどくなよなよとたよりなくて。
こんなものに気をそそられるだけでも、じゅうぶん恥ずかしいことだと感じながら。
ストッキングの穿き方など、だれに教わったわけでもないのに、
つま先をたぐり寄せていった。
義姉がふいに、家に戻ってきた。
外から鍵を開けようとするがちゃがちゃという音に、びっくりして。
あわてて脱ごうとしたストッキングを、つい破ってしまった。
次郎さん、いらっしゃるう?
兄嫁の若々しい声に、応じるゆとりもなく。
ズボンを乱暴に、たくし上げていた。

その晩。
とうとう戻すことのできなかった兄嫁のストッキングを履いたまま。
弟は布団のなかに転がり込んだ。
息荒く、はずませながら。
股間にあてがった掌のなか。
ヌルヌルとなまなましい粘液が、義姉のストッキングを濡らしていった。

ほどほどに・・・な。
いくたびか、おなじ行為に耽るうちに。
兄貴と二人きりのリビングから、そうっと抜け出そうとしたとき。
広げた新聞紙の向こう側から、ふいに兄の声が洩れてきた。
なんのことだか・・・すべてお見通しらしい声色だった。
ゆう子のストッキングだろ?お目当ては。
なーに、どうってことはないさ。黙っているから、ばれないようにうまくやれよ。
兄貴は新聞紙の向こう側から、感情を消した声色でそういうと。
もう行け、というように、押し黙ってしまっていた。

いつのころからだったろう?
義弟の悪戯に気づいた兄嫁は、口に出したりはしなかったけれど。
意味ありげな視線をちらちらと義弟に送って、それとなくたしなめようとしているようだった。
兄嫁のストッキングを、褥のお供にしていた弟は。
いつか、ストッキングの持ち主さえも、褥のお供にはべらせていた。
こっそりと。
兄貴のいない夜だけ・・・と。
ある晩のこと。
義姉とふたりだけの食卓で、酒に酔うままに、かきくどいてしまったら。
強引に引き込まれる手を、引っ込めようともしないで。
勤め帰りのスーツ姿のまま、独り身の布団のうえに押し倒されていったのだった。

嫁の不貞を察した兄は。
それでも、苦情を洩らさずに。
今夜は帰らないと言った夜に、夜更けになって戻ってきた。
妻も弟も、いなかった。
街はずれのラブホテルで過ごしているのだ・・・と、同僚から聞かされていた。
音を忍ばせてあけた、洗濯機のなか。
指先でつまんでぶら下げたのは、黒のストッキングだった。
透けるほどに薄いナイロンは。
いくども密着していた妻の脚の豊かさのまま、ふやけたように弛んでいた。

いつも弟が、そうしているように。
そう・・・っと、脚に通してみる。
履きなじまない薄手のナイロンに、女の色に染まった足許を見おろして。
ちょっとだけ軽く、くねらせてみる。
数時間前まで妻の膚に接していた薄衣は。
まだ妻の体温を残しているかのようだった。
その体温は、いちだんと熱して、いまは不倫の床のなか。
ぞくりとした昂ぶりのまま。
いまごろ妻は、こんないやらしいものを身に着けて、弟の相手をしているのか。
そうおもうと、いてもたっても、いられなくなって。
かつて弟がそうしていたように、
女色に染まった脚を、褥のなかに引き入れていった。

ナイショ・・・ですよ。
柔らかい声色が、暖かな吐息とともに耳朶をくすぐる。
うなじをさすり、胸に触れてくるしなやかな腕は。
兄嫁の・・・というよりも。女の色香に満ちていた。
ほどほどに・・・ね。
彼女の夫が、嫁のストッキングを盗む弟をたしなめるときとおなじ口調で。
悪戯っぽい上目遣いを投げてくる。

ナイショだぞ。
ナイショ・・・ですよ。
夫は妻のストッキングを盗み取らせ、
妻はじぶんの身体を盗み取らせる。
かわるがわるの、やり取りは。
いつか互いの知れるところになったけれど。
白昼演じられる日常生活には、なんの波風もたたないままに。
三人の男女は、齢を重ねていった。
義姉さんとずっといっしょにいたいから。
結婚話を断りつづけた弟に。
ふたりは縁談を持ち込むことをあきらめた。

そろそろ行かなくていいの?兄さんのところに・・・
いいの。今夜はここで明かしていいって、いってくれているから。
覗いたらだめ・・・と拒んだら。
兄貴は黙って、出かけてゆく。
淋しそうな後ろ姿が、気の毒で。
そのうちに覗かれながら兄嫁を犯すのが、愉しみにかわっていった。

だまって寝床からすべり抜けてゆく、あとの残り香が切なくて。
ついつい妻の行き先をしたってしまっていたけれど。
まがまがしく演じられる不貞の現場に、かえって昂ぶってしまっていて。
灼けるような嫉妬の情は、やがてゾクゾクと疼く得体の知れない熱情にすりかわっていった。

かわるがわる抱きすくめてくる、色違いの男くささ。
時間差輪姦・・・ね。
女はじぶんの発した不道徳な言葉に、じぶんで感じてしまっている。
視られながら、犯されて。
熱っぽく、愛されて。
兄弟ふたりに、嫁入った女は。
きょうも心地よげに、声を洩らしつづけていく。
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