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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

着信・・・返信・・・着信。また返信。

2008年03月09日(Sun) 15:43:10

ピッ。
妻の携帯が、みじかい着信音を鳴らした。
ここは、夫婦の寝室。
妻は薄ら笑いを浮かべながら、
あら。
とだけ、呟いて。
白いほっそりとした腕を伸ばして、携帯を手に取って。
御覧になる?
って、こちらにさし寄せる。
見たくない・・・とはいえない雰囲気で。
わたしは恐る恐る、携帯のディスプレイに目を落とした。

真昼間から、愉しかった。
また、明日。
亭主に内緒で出かけるように。

ほほほ・・・
唇に手をあてて、ひっそりと忍び笑いながら。
ごめんなさい。お逢いしてしまったの。
妻は悪びれるふうもなく、灰皿を手に取った。
灰皿。
妻もわたしも、煙草を嗜むことはない。
そういえば、出張から戻ってきたときに。
ほんのりと薫っていたのは、あの匂いだったのだろう。

なんてご返事、しようかしら。
妻はほんのりと笑みながら。
寝酒のブランデーを、口に当てて。
こっくん。
喉を鳴らして、嚥みくだした。
頬がぽっと赤らんだのは。
ブランデーの効きにしては、ちょっと早すぎる。

えぇと。
目のまえで、携帯をもてあそびながら。
妻は返信を、打っている。

よろこんで、お伺いします。
主人にはうまく、話しておきますね。

細い指が踊るように携帯のうえを撫でてゆき、
ひとつの文を、形づくる。
ぴっ。
自分で発信音を、呟いて。
目のまえで、裏切りのメールが羽ばたいていった。

シャワー、浴びてきますね。
嫉妬に昂ぶるわたしが、今夜ベッドのうえであらわにする熱情を予測して。
肌を磨きに、浴室にむかったあと。
ピッ。
妻の携帯が、また着信音を鳴らした。
呟くようなその音は、ちょっと油断していると聞き逃しそうになるほどに小さい。
開かれたままのディスプレイには。

明日までガマンできなくなった。
今夜、いますぐに。
いや、亭主が寝入ってからでもいい。
うちにきなさい。
かわいがってあげるから。

ウフフ。
思わず洩らした、マゾヒステリックな笑い。
わたしは妻の携帯をあやつって、妻になりかわって返信する。

だいじょうぶ。
夫は寝たわ。出張でくたびれちゃったみたい。
熟れた肌。熱い血でのぼせてしまいそう・・・
いますぐに、うかがいます。

洗い髪もなまめかしく、ふたたび妻が現れたとき。
携帯の履歴をほんのちょっと、いじくりまわして。
やったわね・・・?
軽く睨んだまなざしは。
はにかむようにイタズラっぽく、揺れている。
時間はまだあるわね。
でも今夜はまず、貴方から・・・
裏切るまえに、服従してあげる。
出張、お疲れ様♪
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